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特許7538244データ受信回路、データ受信システム及び記憶装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】データ受信回路、データ受信システム及び記憶装置
(51)【国際特許分類】
   H03K 19/0175 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
H03K19/0175 240
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022562392
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-18
(86)【国際出願番号】 CN2022104758
(87)【国際公開番号】W WO2023245750
(87)【国際公開日】2023-12-28
【審査請求日】2022-10-17
(31)【優先権主張番号】202210726636.9
(32)【優先日】2022-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】林 峰
【審査官】柳下 勝幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0408970(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0347098(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0222444(US,A1)
【文献】特開2001-110193(JP,A)
【文献】特開平11-3589(JP,A)
【文献】特開平10-117140(JP,A)
【文献】国際公開第2022/116415(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 19/0175
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ受信回路であって、
データ信号、第1参照信号及び第2参照信号を受信し、前記データ信号及び前記第1参照信号に対して第1比較を実行し、前記第1比較の結果として第1信号対を出力し、前記データ信号及び前記第2参照信号に対して第2比較を実行し、前記第2比較の結果として第2信号対を出力するように構成される、第1増幅モジュールであって、前記第1参照信号のレベル値は前記第2参照信号のレベル値とは異なり、前記第1信号対は第1信号及び第2信号を含み、前記第2信号対は第3信号及び第4信号を含む、第1増幅モジュールと、
イネーブル信号及びフィードバック信号を受信し、制御信号を出力するように構成される決定等化イネーブルモジュールであって、前記フィードバック信号は、以前に受信したデータに基づいて取得され、前記イネーブル信号は第1レベル値を有する期間において、前記制御信号のレベル値は、前記フィードバック信号のレベル値の変化に応じて変化し、前記イネーブル信号は第2レベル値を有する期間において、前記制御信号のレベル値は固定値であり、前記第1レベル値は前記第2レベル値とは異なる、決定等化イネーブルモジュールと、
前記制御信号に基づいて、前記第1信号対又は前記第2信号対を入力信号対として選択的に受信し、前記入力信号対の電圧差に対して増幅処理を実行し、前記増幅処理の結果として第1出力信号及び第2出力信号を出力するように構成される、第2増幅モジュールと、を備える、前記データ受信回路。
【請求項2】
前記第1増幅モジュールは、
第1ノード及び第2ノードを備える第1比較回路であって、前記データ信号及び前記第1参照信号を受信して前記第1比較を実行し、前記第1ノード及び前記第2ノードを介して前記第1信号及び前記第2信号をそれぞれ出力するように構成される、第1比較回路と、
第3ノード及び第4ノードを備える第2比較回路であって、前記データ信号及び前記第2参照信号を受信して前記第2比較を実行し、前記第3ノード及び前記第4ノードを介して前記第3信号及び前記第4信号をそれぞれ出力するように構成される、第2比較回路と、を備える、
請求項1に記載のデータ受信回路。
【請求項3】
前記第1比較回路は、
電源ノードと第5ノードとの間に接続され、第1サンプリングクロック信号に応答して前記第5ノードに電流を供給するように構成される、第1電流源と、
前記第1ノード、前記第2ノード及び前記第5ノードに接続され、前記データ信号及び前記第1参照信号を受信し、前記第1電流源が前記第5ノードに電流を供給する際に前記第1比較を実行し、前記第1信号及び前記第2信号を出力するように構成される、第1比較ユニットと、を備え、
前記第2比較回路は、
電源ノードと第6ノードとの間に接続され、第2サンプリングクロック信号に応答して前記第6ノードに電流を供給するように構成される、第2電流源と、
前記第3ノード、前記第4ノード及び前記第6ノードに接続され、前記データ信号及び前記第2参照信号を受信し、前記第2電流源が前記第6ノードに電流を供給する際に前記第2比較を実行し、前記第3信号及び前記第4信号を出力するように構成される、第2比較ユニットと、を備える、
請求項2に記載のデータ受信回路。
【請求項4】
前記第1電流源は、
前記電源ノードと前記第5ノードとの間に接続される第1PMOSトランジスタを備え、前記第1PMOSトランジスタのゲート電極は、前記第1サンプリングクロック信号を受信し、
前記第2電流源は、
前記電源ノードと前記第6ノードとの間に接続される第2PMOSトランジスタを備え、前記第2PMOSトランジスタのゲート電極は、前記第2サンプリングクロック信号を受信する、
請求項3に記載のデータ受信回路。
【請求項5】
前記第1比較ユニットは、
前記第1ノードと前記第5ノードとの間に接続される第3PMOSトランジスタであって、前記第3PMOSトランジスタのゲート電極は前記データ信号を受信する、第3PMOSトランジスタと、
前記第2ノードと前記第5ノードとの間に接続される第4PMOSトランジスタであって、前記第4PMOSトランジスタのゲート電極は前記第1参照信号を受信する、第4PMOSトランジスタと、を備え、
前記第2比較ユニットは、
前記第3ノードと前記第6ノードとの間に接続される第5PMOSトランジスタであって、前記第5PMOSトランジスタのゲート電極は前記データ信号を受信する、第5PMOSトランジスタと、
前記第4ノードと前記第6ノードとの間に接続される第6PMOSトランジスタであって、前記第6PMOSトランジスタのゲート電極は前記第2参照信号を受信する、第6PMOSトランジスタと、を備える、
請求項3に記載のデータ受信回路。
【請求項6】
前記第1増幅モジュールは、更に、
前記第1ノード及び前記第2ノードに接続され、前記第1ノード及び前記第2ノードをリセットするように構成される、第1リセットユニットと、
前記第3ノード及び前記第4ノードに接続され、前記第3ノード及び前記第4ノードをリセットするように構成される、第2リセットユニットと、を備える、
請求項3に記載のデータ受信回路。
【請求項7】
前記第1リセットユニットは、
前記第1ノードと接地との間に接続される第1NMOSトランジスタであって、前記第1NMOSトランジスタのゲート電極は、前記第1サンプリングクロック信号を受信する、第1NMOSトランジスタと、
前記第2ノードと前記接地との間に接続される第2NMOSトランジスタであって、前記第2NMOSトランジスタのゲート電極は、前記第1サンプリングクロック信号を受信する、第2NMOSトランジスタと、を備え、
前記第2リセットユニットは、
前記第3ノードと前記接地との間に接続される第3NMOSトランジスタであって、前記第3NMOSトランジスタのゲート電極は、前記第2サンプリングクロック信号を受信する、第3NMOSトランジスタと、
前記第4ノードと前記接地との間に接続される第4NMOSトランジスタであって、前記第4NMOSトランジスタのゲート電極は、前記第2サンプリングクロック信号を受信する、第4NMOSトランジスタと、を備える、
請求項6に記載のデータ受信回路。
【請求項8】
前記第2増幅モジュールは、
第7ノード及び第8ノードに接続され、前記制御信号に応答して導通して前記第1信号対を受信し、前記第1信号対に対して第3比較を実行し、前記第3比較の結果として、前記第7ノード及び前記第8ノードにそれぞれ信号を提供するように構成される、第1入力ユニットと、
前記第7ノード及び前記第8ノードに接続され、前記制御信号に応答して導通して前記第2信号対を受信し、前記第2信号対に対して第4比較を実行し、前記第4比較の結果として、前記第7ノード及び前記第8ノードにそれぞれ信号を提供するように構成される、第2入力ユニットと、
前記第7ノード及び前記第8ノードに接続され、前記第7ノードの信号及び前記第8ノードの信号を増幅してラッチし、それぞれ第1出力ノード及び第2出力ノードを介して前記第1出力信号及び前記第2出力信号を出力するように構成される、ラッチユニットと、を備え、
前記第1入力ユニット及び前記第2入力ユニットは、前記制御信号に基づいて択一に導通される、
請求項1に記載のデータ受信回路。
【請求項9】
前記フィードバック信号は、差動化された第1フィードバック信号及び第2フィードバック信号を含み、前記制御信号は、差動化された第1制御信号及び第2制御信号を含み、前記第1入力ユニットは、前記第1制御信号に応答して導通され、前記第2入力ユニットは、前記第2制御信号に応答して導通され、前記決定等化イネーブルモジュールは、
前記イネーブル信号及び前記第1フィードバック信号を受信し、前記第1制御信号を出力するように構成される第1イネーブルユニットであって、前記イネーブル信号が前記第1レベル値を有する期間において、前記第1制御信号のレベル値は、前記第1フィードバック信号のレベル値に応じて変化し、前記イネーブル信号が前記第2レベル値を有する期間において、前記第1制御信号のレベル値は固定値である、第1イネーブルユニットと、
相補イネーブル信号及び前記第2フィードバック信号を受信し、前記第2制御信号を出力するように構成される第2イネーブルユニットであって、前記相補イネーブル信号と前記イネーブル信号は互いの差動信号であり、前記相補イネーブル信号が前記第2レベル値を有する期間において、前記第2制御信号のレベル値は前記第2フィードバック信号のレベル値に応じて変化し、前記相補イネーブル信号が前記第1レベル値を有する期間において、前記第2制御信号のレベル値は固定値である、第2イネーブルユニットと、を備える、
請求項8に記載のデータ受信回路。
【請求項10】
前記決定等化イネーブルモジュールは、更に、第1NANDゲートユニットを備え、前記第1NANDゲートユニットは、前記イネーブル信号及び第3サンプリングクロック信号を受信し、第2サンプリングクロック信号を出力し、前記第3サンプリングクロック信号と第1サンプリングクロック信号は、互いに逆位相であり、
記第1イネーブルユニットは第2NANDゲートユニットであり、前記第2イネーブルユニットはNORゲートユニットであり、前記第1レベル値はハイレベルであり、前記第2レベル値はローレベルであり、前記第2NANDゲートユニットは、前記第1フィードバック信号及び前記イネーブル信号を受信し、前記NORゲートユニットは、前記第2フィードバック信号及び前記相補イネーブル信号を受信する、
請求項9に記載のデータ受信回路。
【請求項11】
前記第1入力ユニットは、第5NMOSトランジスタと、第6NMOSトランジスタと、第7NMOSトランジスタと、第8NMOSトランジスタと、を備え、
前記第5NMOSトランジスタのドレイン電極は前記第7ノードに接続され、前記第5NMOSトランジスタのソース電極は前記第6NMOSトランジスタのドレイン電極に接続され、前記第6NMOSトランジスタのソース電極は接地に接続され、前記第5NMOSトランジスタのゲート電極は、前記第1信号又は前記第1制御信号の一方を受信し、前記第6NMOSトランジスタのゲート電極は、前記第1信号又は前記第1制御信号の他方を受信し、
前記第7NMOSトランジスタのドレイン電極は前記第8ノードに接続され、前記第7NMOSトランジスタのソース電極は前記第8NMOSトランジスタのドレイン電極に接続され、前記第8NMOSトランジスタのソース電極は前記接地に接続され、前記第7NMOSトランジスタのゲート電極は、前記第2信号又は前記第1制御信号の一方を受信し、前記第8NMOSトランジスタのゲート電極は、前記第2信号又は前記第1制御信号の他方を受信し、
前記第2入力ユニットは、第9NMOSトランジスタと、第10NMOSトランジスタと、第11NMOSトランジスタと、第12NMOSトランジスタと、を備え、
前記第9NMOSトランジスタのドレイン電極は前記第7ノードに接続され、前記第9NMOSトランジスタのソース電極は前記第10NMOSトランジスタのドレイン電極に接続され、前記第10NMOSトランジスタのソース電極は接地に接続され、
前記第9NMOSトランジスタのゲート電極は、前記第3信号又は前記第2制御信号の一方を受信し、前記第10NMOSトランジスタのゲート電極は、前記第3信号又は前記第2制御信号の他方を受信し、
前記第11NMOSトランジスタのドレイン電極は前記第8ノードに接続され、前記第11NMOSトランジスタのソース電極は前記第12NMOSトランジスタのドレイン電極に接続され、前記第12NMOSトランジスタのソース電極は前記接地に接続され、
前記第11NMOSトランジスタのゲート電極は、前記第4信号又は前記第2制御信号の一方を受信し、前記第12NMOSトランジスタのゲート電極は、前記第4信号又は前記第2制御信号の他方を受信する、
請求項9に記載のデータ受信回路。
【請求項12】
前記ラッチユニットは、第13NMOSトランジスタと、第7PMOSトランジスタと、第14NMOSトランジスタと、第8PMOSトランジスタと、を備え、
前記第13NMOSトランジスタのゲート電極及び前記第7PMOSトランジスタのゲート電極は、両方とも前記第2出力ノードに接続され、前記第13NMOSトランジスタのソース電極は前記第7ノードに接続され、前記第13NMOSトランジスタのドレイン電極及び前記第7PMOSトランジスタのドレイン電極は、両方とも前記第1出力ノードに接続され、前記第7PMOSトランジスタのソース電極は電源ノードに接続され、
前記第14NMOSトランジスタのゲート電極及び前記第8PMOSトランジスタのゲート電極は、両方とも前記第1出力ノードに接続され、前記第14NMOSトランジスタのソース電極は前記第8ノードに接続され、前記第14NMOSトランジスタのドレイン電極及び前記第8PMOSトランジスタのドレイン電極は、両方とも前記第2出力ノードに接続され、前記第8PMOSトランジスタのソース電極は前記電源ノードに接続される、
請求項8に記載のデータ受信回路。
【請求項13】
前記第2増幅モジュールは、更に、
電源ノードと前記ラッチユニットの出力端子との間に接続され、前記ラッチユニットの出力端子をリセットするように構成される、第3リセットユニットを備え
記第3リセットユニットは、
前記第1出力ノードと電源ノードとの間に接続される第9PMOSトランジスタであって、前記第9PMOSトランジスタのゲート電極は、第4サンプリングクロック信号を受信する、第9PMOSトランジスタと、
前記第2出力ノードと前記電源ノードとの間に接続される第10PMOSトランジスタであって、前記第10PMOSトランジスタのゲート電極は、前記第4サンプリングクロック信号を受信する、第10PMOSトランジスタと、を備える、
請求項に記載のデータ受信回路。
【請求項14】
データ受信システムであって、
縦続接続された複数のデータ伝送回路を備え、各前記データ伝送回路は、請求項1~13のいずれか一項に記載のデータ受信回路と、前記データ受信回路に接続されたラッチ回路とを備え、
前段の前記データ伝送回路の出力信号は、次段の前記データ伝送回路の前記フィードバック信号として使用され、
最終段の前記データ伝送回路の出力信号は、初段の前記データ伝送回路の前記フィードバック信号として使用される、前記データ受信システム。
【請求項15】
記憶装置であって、
複数のデータポートと、
複数の請求項14に記載のデータ受信システムと、を備え、各前記データ受信システムは、1つの前記データポートに対応する、前記記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本願は、2022年06月23日に中国特許局に提出された、出願番号が202210726636.9であり、発明の名称が「データ受信回路、データ受信システム及び記憶装置」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が参照によって本願に援用される。
【0002】
本発明の実施例は、半導体技術分野に関し、特に、データ受信回路、データ受信システム及び記憶装置に関する。
【背景技術】
【0003】
メモリの応用において、信号伝送レートがますます速くなるにつれて、信号品質に対するチャネル損失の影響もますます大きくなって、符号間干渉を引き起こしやすくなり、更に、メモリ内のデータ受信回路によって受信されたデータ信号と参照信号とのレベル値の差は、データ受信回路によるデータ信号の判断に影響を及ぼし、それにより、データ受信回路によって出力される信号の精度に影響を及ぼす。
【0004】
現在、チャネルは通常、等化回路によって補償され、等化回路として連続時間線形等化回路(CTLE:Continuous Time Linear Equalizer)又は決定フィードバック等化回路(DFE:Decision Feedback Equalizer)を選択することができる。しかし、現在使用されている等化回路が出力する信号の精度を向上させ、等化回路の受信性能を向上させ、等化回路の電力消費を低減する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施例は、少なくとも、データ受信回路の受信性能を向上させながら、データ受信回路の電力消費を低減することができる、データ受信回路、データ受信システム及び記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のいくつかの実施例によれば、本発明の実施例の一側面は、データ受信回路を提供し、前記データ受信回路は、第1増幅モジュールと、決定等化イネーブルモジュールと、第2増幅モジュールと、を備え、前記第1増幅モジュールは、データ信号、第1参照信号及び第2参照信号を受信し、前記データ信号及び前記第1参照信号に対して第1比較を実行し、前記第1比較の結果として第1信号対を出力し、前記データ信号及び前記第2参照信号に対して第2比較を実行し、前記第2比較の結果として第2信号対を出力するように構成され、ここで、前記第1参照信号のレベル値は前記第2参照信号のレベル値とは異なり、前記第1信号対は第1信号及び第2信号を含み、前記第2信号対は第3信号及び第4信号を含み、前記決定等化イネーブルモジュールは、イネーブル信号及びフィードバック信号を受信し、制御信号を出力するように構成され、ここで、前記フィードバック信号は、以前に受信したデータに基づいて取得され、前記イネーブル信号が第1レベル値を有する期間において、前記制御信号のレベル値は、前記フィードバック信号のレベル値の変化に応じて変化し、前記イネーブル信号が第2レベル値を有する期間において、前記制御信号のレベル値は固定値であり、前記第1レベル値は前記第2レベル値とは異なり、前記第2増幅モジュールは、前記制御信号に基づいて、前記第1信号対又は前記第2信号対を入力信号対として選択的に受信し、前記入力信号対の電圧差に対して増幅処理を実行し、前記増幅処理の結果として第1出力信号及び第2出力信号を出力するように構成される。
【0007】
いくつかの実施例において、前記第1増幅モジュールは、第1ノード及び第2ノードを備える第1比較回路と、第3ノード及び第4ノードを備える第2比較回路と、を備え、前記第1比較回路は、前記データ信号及び前記第1参照信号を受信して前記第1比較を実行し、前記第1ノード及び前記第2ノードを介して前記第1信号及び前記第2信号をそれぞれ出力するように構成され、前記第2比較回路は、前記データ信号及び前記第2参照信号を受信して前記第2比較を実行し、前記第3ノード及び前記第4ノードを介して前記第3信号及び前記第4信号をそれぞれ出力するように構成される。
【0008】
いくつかの実施例において、前記第1比較回路は、第1電流源と、第1比較ユニットと、を備え、前記第1電流源は、電源ノードと第5ノードとの間に接続され、第1サンプリングクロック信号に応答して前記第5ノードに電流を供給するように構成され、前記第1比較ユニットは、前記第2ノード及び前記第5ノードに接続され、前記データ信号及び前記第1参照信号を受信し、前記第1電流源が前記第5ノードに電流を供給する際に前記第1比較を実行し、前記第1信号及び前記第2信号を出力するように構成され、前記第2比較回路は、第2電流源と、第2比較ユニットと、を備え、前記第2電流源は、電源ノードと第6ノードとの間に接続され、第2サンプリングクロック信号に応答して前記第6ノードに電流を供給するように構成され、前記第2比較ユニットは、前記第3ノード、前記第4ノード及び前記第6ノードに接続され、前記データ信号及び前記第2参照信号を受信し、前記第2電流源が前記第6ノードに電流を供給する際に前記第2比較を実行し、前記第3信号及び前記第4信号を出力するように構成される。
【0009】
いくつかの実施例において、前記第1電流源は、前記電源ノードと前記第5ノードとの間に接続される第1PMOSトランジスタを備え、前記第1PMOSトランジスタのゲート電極は、前記第1サンプリングクロック信号を受信し、前記第2電流源は、前記電源ノードと前記第6ノードとの間に接続される第2PMOSトランジスタを備え、前記第2PMOSトランジスタのゲート電極は、前記第2サンプリングクロック信号を受信する。
【0010】
いくつかの実施例において、前記第1比較ユニットは、前記第1ノードと前記第5ノードとの間に接続される第3PMOSトランジスタと、前記第2ノードと前記第5ノードとの間に接続される第4PMOSトランジスタと、を備え、前記第3PMOSトランジスタのゲート電極は、前記データ信号を受信し、前記第4PMOSトランジスタのゲート電極は、前記第1参照信号を受信し、前記第2比較ユニットは、前記第3ノードと前記第6ノードとの間に接続される第5PMOSトランジスタと、前記第4ノードと前記第6ノードとの間に接続される第6PMOSトランジスタと、を備え、前記第5PMOSトランジスタのゲート電極は、前記データ信号を受信し、前記第6PMOSトランジスタのゲート電極は、前記第2参照信号を受信する。
【0011】
いくつかの実施例において、前記第1増幅モジュールは、更に、前記第1ノード及び前記第2ノードに接続される第1リセットユニットと、前記第3ノード及び前記第4ノードに接続される第2リセットユニットと、を備え、前記第1リセットユニットは、前記第1ノード及び前記第2ノードをリセットするように構成され、前記第2リセットユニットは、前記第3ノード及び前記第4ノードをリセットするように構成される。
【0012】
いくつかの実施例において、前記第1リセットユニットは、前記第1ノードと接地との間に接続される第1NMOSトランジスタと、前記第2ノードと前記接地との間に接続される第2NMOSトランジスタと、を備え、前記第1NMOSトランジスタのゲート電極は、前記第1サンプリングクロック信号を受信し、前記第2NMOSトランジスタのゲート電極は、前記第1サンプリングクロック信号を受信し、前記第2リセットユニットは、前記第3ノードと前記接地との間に接続される第3NMOSトランジスタと、前記第4ノードと前記接地との間に接続される第4NMOSトランジスタと、を備え、前記第3NMOSトランジスタのゲート電極は、前記第2サンプリングクロック信号を受信し、前記第4NMOSトランジスタのゲート電極は、前記第2サンプリングクロック信号を受信する。
【0013】
いくつかの実施例において、前記第2増幅モジュールは、第7ノード及び第8ノードに接続される第1入力ユニットと、前記第7ノード及び前記第8ノードに接続される第2入力ユニットと、前記第7ノード及び前記第8ノードに接続されるラッチユニットと、を備え、前記第1入力ユニットは、前記制御信号に応答して導通して前記第1信号対を受信し、前記第1信号対に対して第3比較を実行し、前記第3比較の結果として、前記第7ノード及び前記第8ノードにそれぞれ信号を提供するように構成され、前記第2入力ユニットは、前記制御信号に応答して導通して前記第2信号対を受信し、前記第2信号対に対して第4比較を実行し、前記第4比較の結果として、前記第7ノード及び前記第8ノードにそれぞれ信号を提供するように構成され、ここで、前記第1入力ユニット及び前記第2入力ユニットは、前記制御信号に基づいて択一に導通され、前記ラッチユニットは、前記第7ノードの信号及び前記第8ノードの信号を増幅してラッチし、それぞれ第1出力ノード及び第2出力ノードを介して前記第1出力信号及び前記第2出力信号を出力するように構成される。
【0014】
いくつかの実施例において、前記フィードバック信号は、差動化された第1フィードバック信号及び第2フィードバック信号を含み、前記制御信号は、差動化された第1制御信号及び第2制御信号を含み、前記第1入力ユニットは、前記第1制御信号に応答して導通され、前記第2入力ユニットは、前記第2制御信号に応答して導通され、前記決定等化イネーブルモジュールは、第1イネーブルユニットと、第2イネーブルユニットと、を備え、前記第1イネーブルユニットは、前記イネーブル信号及び前記第1フィードバック信号を受信し、前記第1制御信号を出力するように構成され、ここで、前記イネーブル信号が前記第1レベル値を有する期間において、前記第1制御信号のレベル値は、前記第1フィードバック信号のレベル値に応じて変化し、前記イネーブル信号が前記第2レベル値を有する期間において、前記第1制御信号のレベル値は固定値である。前記第2イネーブルユニットは、相補イネーブル信号及び前記第2フィードバック信号を受信し、前記第2制御信号を出力するように構成され、ここで、前記相補イネーブル信号と前記イネーブル信号は互いの差動信号であり、前記相補イネーブル信号が前記第2レベル値を有する期間において、前記第2制御信号のレベル値は、前記第2フィードバック信号のレベル値に応じて変化し、前記相補イネーブル信号が前記第1レベル値を有する期間において、前記第2制御信号のレベル値は固定値である。
【0015】
いくつかの実施例において、前記決定等化イネーブルモジュールは、更に、第1NANDゲートユニットを備え、前記第1NANDゲートユニットは、前記イネーブル信号及び第3サンプリングクロック信号を受信し、前記第2サンプリングクロック信号を出力し、ここで、前記第3サンプリングクロック信号と前記第1サンプリングクロック信号は、互いに逆位相である。
【0016】
いくつかの実施例において、前記第1イネーブルユニットは第2NANDゲートユニットであり、前記第2イネーブルユニットはNORゲートユニットであり、ここで、前記第1レベル値はハイレベルであり、前記第2レベル値はローレベルであり、前記第2NANDゲートユニットは、前記第1フィードバック信号及び前記イネーブル信号を受信し、前記NORゲートユニットは、前記第2フィードバック信号及び前記相補イネーブル信号を受信する。
【0017】
いくつかの実施例において、前記第1入力ユニットは、第5NMOSトランジスタと、第6NMOSトランジスタと、第7NMOSトランジスタと、第8NMOSトランジスタと、を備え、前記第5NMOSトランジスタのドレイン電極は前記第7ノードに接続され、前記第5NMOSトランジスタのソース電極は、前記第6NMOSトランジスタのドレイン電極に接続され、前記第6NMOSトランジスタのソース電極は接地に接続され、ここで、前記第5NMOSトランジスタのゲート電極は、前記第1信号又は前記第1制御信号の一方を受信し、前記第6NMOSトランジスタのゲート電極は、前記第1信号又は前記第1制御信号の他方を受信し、前記第7NMOSトランジスタのドレイン電極は前記第8ノードに接続され、前記第7NMOSトランジスタのソース電極は、前記第8NMOSトランジスタのドレイン電極に接続され、前記第8NMOSトランジスタのソース電極は前記接地に接続され、ここで、前記第7NMOSトランジスタのゲート電極は、前記第2信号又は前記第1制御信号の一方を受信し、前記第8NMOSトランジスタのゲート電極は、前記第2信号又は前記第1制御信号の他方を受信し、前記第2入力ユニットは、第9NMOSトランジスタと、第10NMOSトランジスタと、第11NMOSトランジスタと、第12NMOSトランジスタと、を備え、前記第9NMOSトランジスタのドレイン電極は前記第7ノードに接続され、前記第9NMOSトランジスタのソース電極は、前記第10NMOSトランジスタのドレイン電極に接続され、前記第10NMOSトランジスタのソース電極は接地に接続され、ここで、前記第9NMOSトランジスタのゲート電極は、前記第3信号又は前記第2制御信号の一方を受信し、前記第10NMOSトランジスタのゲート電極は、前記第3信号又は前記第2制御信号の他方を受信し、前記第11NMOSトランジスタのドレイン電極は前記第8ノードに接続され、前記第11NMOSトランジスタのソース電極は、前記第12NMOSトランジスタのドレイン電極に接続され、前記第12NMOSトランジスタのソース電極は前記接地に接続され、ここで、前記第11NMOSトランジスタのゲート電極は、前記第4信号又は前記第2制御信号の一方を受信し、前記第12NMOSトランジスタのゲート電極は、前記第4信号又は前記第2制御信号の他方を受信する。
【0018】
いくつかの実施例において、前記ラッチユニットは、第13NMOSトランジスタと、第7PMOSトランジスタと、第14NMOSトランジスタと、第8PMOSトランジスタと、を備え、前記第13NMOSトランジスタのゲート電極及び前記第7PMOSトランジスタのゲート電極は、両方とも前記第2出力ノードに接続され、前記第13NMOSトランジスタのソース電極は前記第7ノードに接続され、前記第13NMOSトランジスタのドレイン電極及び前記第7PMOSトランジスタのドレイン電極は、両方とも前記第1出力ノードに接続され、前記第7PMOSトランジスタのソース電極は電源ノードに接続され、前記第14NMOSトランジスタのゲート電極及び前記第8PMOSトランジスタのゲート電極は、両方とも前記第1出力ノードに接続され、前記第14NMOSトランジスタのソース電極は前記第8ノードに接続され、前記第14NMOSトランジスタのドレイン電極及び前記第8PMOSトランジスタのドレイン電極は、両方とも前記第2出力ノードに接続され、前記第8PMOSトランジスタのソース電極は前記電源ノードに接続される。
【0019】
いくつかの実施例において、前記第2増幅モジュールは、更に、電源ノードと前記ラッチユニットの出力端子との間に接続される第3リセットユニットを備え、前記第3リセットユニットは、前記ラッチユニットの出力端子をリセットするように構成される。
【0020】
いくつかの実施例において、前記第3リセットユニットは、前記第1出力ノードと電源ノードとの間に接続される第9PMOSトランジスタと、前記第2出力ノードと前記電源ノードとの間に接続される第10PMOSトランジスタと、を備え、前記第9PMOSトランジスタのゲート電極は、第4サンプリングクロック信号を受信し、前記第10PMOSトランジスタのゲート電極は、前記第4サンプリングクロック信号を受信する。
【0021】
本発明のいくつかの実施例によれば、本発明の実施例の別の側面は、データ受信システムを提供し、前記データ受信システムは、縦続接続された複数のデータ伝送回路を備え、各前記データ伝送回路は、上記のいずれか1つに記載のデータ受信回路と、前記データ受信回路に接続されたラッチ回路と、を備え、前段の前記データ伝送回路の出力信号は、次段の前記データ伝送回路の前記フィードバック信号として使用され、最終段の前記データ伝送回路の出力信号は、初段の前記データ伝送回路の前記フィードバック信号として使用される。
【0022】
いくつかの実施例において、前記データ受信回路は、サンプリングクロック信号に応答してデータを受信し、前記データ受信システムは、縦続接続された4つの前記データ伝送回路を備え、隣接する段の前記データ受信回路の前記サンプリングクロック信号の位相差は90°である。
【0023】
いくつかの実施例において、現段の前記データ受信回路の前記決定等化イネーブルモジュールは、前段の前記データ受信回路の前記第2増幅モジュールの出力端子に接続され、前段の前記データ受信回路の前記第2増幅モジュールによって出力される前記第1出力信号及び前記第2出力信号は、次段の前記データ受信回路の前記フィードバック信号として使用される。
【0024】
いくつかの実施例において、現段の前記データ受信回路の前記決定等化イネーブルモジュールは、前段の前記ラッチ回路の出力端子に接続され、前段の前記ラッチ回路によって出力される信号は、次段の前記データ受信回路の前記フィードバック信号として使用される。
【0025】
本発明のいくつかの実施例によれば、本発明の実施例の別の側面は、記憶装置を更に提供し、前記記憶装置は、複数のデータポートと、複数の上記のいずれか1つに記載のデータ受信システムと、を備え、各前記データ受信システムは、1つの前記データポートに対応する。
【発明の効果】
【0026】
本発明の実施例による技術的解決策は、少なくとも以下の利点を有する。
【0027】
イネーブル信号が第1レベル値を有する期間において、制御信号のレベル値が、フィードバック信号のレベル値の変化に応じて変化し、理解できるように、このとき、以前に受信したフィードバック信号に基づいて、第2増幅モジュールは、異なる制御信号に基づいて、第1信号対又は第2信号対の一方を選択的に受信することができ、これにより、受信したデータ信号の符号間干渉がデータ受信回路に与える影響を低減することができる。一方、イネーブル信号が第2レベル値を有する期間において、制御信号のレベル値が固定値であり、理解できるように、このとき、以前に受信したフィードバック信号のレベル値がどの変化するかに関わらず、第2増幅モジュールは、レベル値が固定値である制御信号に基づいて、第1信号対又は第2信号対の一方のみを固定的に受信し、即ち、第1信号対又は第2信号対の他方を出力するための回路は非動作状態になり、そのため、データ受信回路の電力消費を低減することに役立つ。
【0028】
よって、決定等化イネーブルモジュールを利用して、以前に受信したフィードバック信号を処理して、第2増幅モジュールを制御できる制御信号を取得することにより、データ受信回路によって受信されるデータの符号間干渉がデータ受信回路に与える影響を考慮するか否かを選択することができる。例えば、データ受信回路への符号間干渉の影響を低減する必要がある場合、決定等化イネーブルモジュールを利用して制御信号を出力し、当該制御信号は、第2増幅モジュールが第1信号対又は第2信号対のうち、レベル値の差がより大きい方を選択的に受信するように制御することができ、これにより、第2増幅モジュールが受信する信号対が、信号レベル値の差がより大きい方の一対の差動信号であることを確保し、データ受信回路への符号間干渉の影響を考慮する必要がない場合、決定等化イネーブルモジュールを利用して制御信号を出力し、当該制御信号は、第2増幅モジュールが第1信号対又は第2信号対の一方を固定的に受信するように制御することができ、これにより、データ受信回路の受信性能を向上させながら、データ受信回路の電力消費を低減する効果を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の1つの実施例によるデータ受信回路の機能のブロック図である。
図2】本願の別の実施例によるデータ受信システムの機能のブロック図である。
図3】本発明の1つの実施例によるデータ受信回路の別の機能のブロック図である。
図4】本発明の1つの実施例によるデータ受信回路の別の機能のブロック図である。
図5】本発明の1つの実施例によるデータ受信回路の別の機能のブロック図である。
図6】本発明の1つの実施例による、データ受信回路内の第1増幅モジュール及び決定等化イネーブルモジュールの一部の回路構造の概略図である。
図7】本発明の1つの実施例による、データ受信回路内の第2増幅モジュール及び決定等化イネーブルモジュールの一部の回路構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
1つ又は複数の実施例は、それに対応する図面を参照して例示的に説明され、これらの例示的な説明は、実施例に対する限定を構成するものではなく、図面において同じ参照番号を有する要素は、類似した要素を示し、特に明記しない限り、図面における図は、縮尺への制限を構成するものではない。本発明の実施例又は従来技術における技術的解決策をより明確に説明するために、実施例で必要とされる図面について以上で簡単に紹介した。明らかに、上記の図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力なしに、これらの図面に従って他の図面を得ることもできる。
【0031】
本発明の実施例は、データ受信回路、データ受信システム及び記憶装置を提供し、データ受信回路において、決定等化イネーブルモジュールを利用して、以前に受信したフィードバック信号を処理して、第2増幅モジュールを制御できる制御信号を取得することにより、データ受信回路によって受信されるデータの符号間干渉がデータ受信回路に与える影響を考慮するか否かを選択することができる。例えば、データ受信回路への符号間干渉の影響を低減する必要がある場合、決定等化イネーブルモジュールを利用して制御信号を出力し、当該制御信号は、第2増幅モジュールが第1信号対又は第2信号対のうち、レベル値差異がより大きい方を選択的に受信するように制御することができ、これにより、第2増幅モジュールが受信する信号対が、信号レベル値の差がより大きい方の一対の差動信号であることを確保し、データ受信回路への符号間干渉の影響を考慮する必要がない場合、決定等化イネーブルモジュールを利用して制御信号を出力し、当該制御信号は、第2増幅モジュールが第1信号対又は第2信号対の一方を固定的に受信するように制御することができ、これにより、データ受信回路の受信性能を向上させながら、データ受信回路の電力消費を低減する効果を実現することができる。
【0032】
以下では、図面を参照して本発明の各実施例について詳細に説明する。しかし、当業者であれば理解できるように、本発明の各実施例では、読者に本発明の実施例をより良く理解させるために、多くの技術的詳細が提供されているが、これらの技術的詳細及び以下の各実施例に基づく様々な変更及び修正なしにも、本発明で主張される技術的解決策を実現することができる。
【0033】
本発明の1つの実施例は、データ受信回路を提供し、以下では、図面を参照して本発明の1つの実施例によるデータ受信回路について詳細に説明する。図1及び図3図5は、本発明の1つの実施例によるデータ受信回路の4つの機能ブロック図であり、図6は、本発明の1つの実施例による、データ受信回路内の第1増幅モジュール及び決定等化イネーブルモジュールの一部の回路構造の概略図であり、図7は、本発明の1つの実施例による、データ受信回路内の第2増幅モジュール及び決定等化イネーブルモジュールの一部の回路構造の概略図である。
【0034】
図1及び図3を参照すると、データ受信回路100は、第1増幅モジュール101と、決定等化イネーブルモジュール103と、第2増幅モジュール102と、を備え、前記第1増幅モジュール101は、データ信号DQ、第1参照信号VR+及び第2参照信号VR-を受信し、データ信号DQ及び第1参照信号VR+に対して第1比較を実行し、第1比較の結果として第1信号対を出力し、データ信号DQ及び第2参照信号VR-に対して第2比較を実行し、第2比較の結果として第2信号対を出力するように構成され、ここで、第1参照信号VR+のレベル値は、第2参照信号VR-のレベル値とは異なり、第1信号対は、第1信号Sn+及び第2信号Sp+を含み、第2信号対は、第3信号Sn-及び第4信号Sp-を含む。前記決定等化イネーブルモジュール103は、イネーブル信号EnDfe及びフィードバック信号fbを受信し、制御信号fb controlを出力するように構成され、ここで、フィードバック信号fbは、以前に受信したデータに基づいて取得され、イネーブル信号EnDfeが第1レベル値を有する期間において、制御信号fb controlのレベル値は、フィードバック信号fbのレベル値の変化に応じて変化し、イネーブル信号EnDfeが第2レベル値を有する期間において、制御信号fb controlのレベル値は固定値であり、第1レベル値は第2レベル値とは異なる。前記第2増幅モジュール102は、制御信号fb controlに基づいて、前記第1信号対又は前記第2信号対を入力信号対として選択的に受信し、入力信号対の電圧差に対して増幅処理を実行し、前記増幅処理の結果として第1出力信号Vout及び第2出力信号VoutNを出力するように構成される。
【0035】
理解できるように、イネーブル信号EnDfeが第1レベル値を有する期間において、制御信号fb controlのレベル値が、フィードバック信号fbのレベル値の変化に応じて変化し、このとき、以前に受信したフィードバック信号fbに基づいて、第2増幅モジュール102は、異なる制御信号fb controlに基づいて、第1信号対又は第2信号対のうち、レベル値の差がより大きい方を選択的に受信することができ、これにより、第2増幅モジュール102が受信する信号対が、信号レベル値の差がより大きい方の一対の差動信号であることを確保することができ、これにより、受信したデータ信号の符号間干渉がデータ受信回路100に与える影響を低減することができる。
【0036】
留意されたいこととして、第1参照信号VR+のレベル値が第2参照信号VR-のレベル値とは異なり、異なるレベル値のデータ信号DQについて、データ信号DQと、第1参照信号VR+又は第2参照信号VR-の一方とのレベル値の差が比較的に大きいことを満たすことができ、これにより、第1増幅モジュール101がそのレベル値の差を増幅することによって、第1増幅モジュール101によって出力された第1信号対及び第2信号対のうちの少なくとも一方の信号のレベル値の差が比較的に大きくなるようにし、そうすると、データ受信回路100によって受信されるデータ信号DQに符号間干渉現象が存在する場合、後続で第2増幅モジュール102が、制御信号fb controlに基づいて、第1信号対及び第2信号対のうち、レベル値の差がより大きい方の一対の信号を受信するのに有利である。理解できるように、データ受信回路100は、第1参照信号VR+及び第2参照信号VR-を利用して、受信したデータ信号DQに対するデータ受信回路100の調整能力を向上させることができ、即ち、データ受信回路100によって受信されるデータ信号DQに符号間干渉現象が存在する場合、第2増幅モジュール102が、制御信号fb controlに基づいて、第1増幅モジュール101からの、データ信号DQの処理により適切な一対の信号を受信することができ、データ信号DQの処理により適切な一対の信号対は、即ち、第1信号対及び第2信号対のうち、レベル値の差がより大きい方の一対の信号であり、これにより、受信したデータ信号DQの符号間干渉がデータ受信回路100に与える影響を低減するという目的を実現する。
【0037】
更に、第2増幅モジュール102が、制御信号fb controlに基づいて、第1信号対及び第2信号対のうち、レベル値の差がより大きい方を選択的に受信することは、第2増幅モジュール102が受信する信号対が、信号レベル値の差がより大きい方の一対の差動信号であることを確保するのに有益であり、これにより、第2増幅モジュール102によって出力された第1出力信号Vout及び第2出力信号VoutNの精度を向上させるのに有益である。したがって、第1増幅モジュール101、第2増幅モジュール102及び決定等化イネーブルモジュール103の協働により、データ受信回路100の受信性能を向上させることができる。
【0038】
一方、イネーブル信号EnDfeが第2レベル値を有する期間において、制御信号fb controlのレベル値が固定値であり、理解できるように、このとき、以前に受信したフィードバック信号fbのレベル値がどの変化するかに関わらず、第2増幅モジュール102は、レベル値が固定値である制御信号fb controlに基づいて、第1信号対又は第2信号対の一方のみを固定的に受信し、即ち、第1信号対又は第2信号対の他方を出力するための回路は非動作状態になり、そのため、データ受信回路の電力消費を低減するのに有益である。
【0039】
上記の分析から分かるように、決定等化イネーブルモジュール103を利用して、以前に受信したフィードバック信号fbを処理して、第2増幅モジュール102を制御できる制御信号fb controlを取得することにより、データ受信回路100によって受信されるデータの符号間干渉がデータ受信回路100に与える影響を考慮する否かを選択することができ、これにより、データ受信回路100の受信性能を向上させながら、データ受信回路100の電力消費を低減する効果を実現することができる。
【0040】
以下、データ受信回路100が、受信したデータ信号DQの符号間干渉がデータ受信回路100に与える影響をどのように低減するかについて、1つの具体例を参照して詳細に説明する。
【0041】
いくつかの実施例において、第1参照信号VR+のレベル値が第2参照信号VR-のレベル値より低く、データ信号DQがローレベルであり、且つデータ受信回路100によって受信されるデータ信号DQに符号間干渉現象が存在する場合、第2増幅モジュール102が制御信号fb controlに基づいて受信する信号対は第2信号対であり、この場合、データ信号DQと第2参照信号VR-とのレベル値の差は、データ信号DQと第1参照信号VR+とのレベル値の差より大きく、即ち、第2信号対内の信号のレベル値の異は、第1信号対内の信号のレベル値の差より大きく、そのため、第2増幅モジュール102によって受信された第2信号対は、要件を満たす第1出力信号Vout及び第2出力信号VoutNを出力するのに有益であり、即ち、第1出力信号Vout及び第2出力信号VoutNの精度を確保することができ、これにより、受信したデータ信号DQの符号間干渉がデータ受信回路100に与える影響を低減することができる。
【0042】
更に、データ信号DQがハイレベルであり、データ受信回路100によって受信されるデータ信号DQに符号間干渉現象が存在する場合、第2増幅モジュール102が制御信号fb controlに基づいて受信する信号対は第1信号対であり、この場合、データ信号DQと第1参照信号VR+とのレベル値の差は、データ信号DQと第2参照信号VR-とのレベル値の差より大きく、即ち、第1信号対内の信号のレベル値差異は、第2信号対内の信号のレベル値差異より大きく、そのため、第2増幅モジュール102によって受信された第1信号対は、要件を満たす第1出力信号Vout及び第2出力信号VoutNを出力するのに有益であり、即ち、第1出力信号Vout及び第2出力信号VoutNの精度を確保することができ、これにより、受信したデータ信号DQの符号間干渉がデータ受信回路100に与える影響を低減することができる。
【0043】
これから分かるように、イネーブル信号EnDfeが第1レベル値を有する期間において、制御信号fb controlのレベル値が、フィードバック信号fbのレベル値の変化に応じて変化する場合、第1増幅モジュール101と第2増幅モジュール102の協働により、データ受信回路100によって受信されるデータ信号DQに符号間干渉現象が存在する場合、第2増幅モジュール102は、制御信号fb controlに基づいて、第1増幅モジュール101から、データ信号DQの処理より適切な一対の信号対を選択的に受信することができ、これにより、第2増幅モジュール102によって出力される第1出力信号Vout及び第2出力信号VoutNの精度を向上させ、受信したデータ信号DQの符号間干渉がデータ受信回路100に与える影響を低減することができる。
【0044】
いくつかの実施例において、図3ないし図5を参照すると、第1増幅モジュール101は、第1ノードnet1及び第2ノードnet2を備える第1比較回路111と、第3ノードnet3及び第4ノードnet4を備える第2比較回路121と、を備え、前記第1比較回路111は、データ信号DQ及び第1参照信号VR+を受信して第1比較を実行し、第1ノードnet1及び第2ノードnet2を介してそれぞれ第1信号Sn+及び第2信号Sp+を出力するように構成され、前記第2比較回路121は、データ信号DQ及び第2参照信号VR-を受信して第2比較を実行し、第3ノードnet3及び第4ノードnet4を介してそれぞれ第3信号Sn-及び第4信号Sp-を出力するように構成される。
【0045】
理解できるように、第1信号Sn+及び第2信号Sp+は、データ信号DQ及び第1参照信号VR+の影響を受け、第3信号Sn-及び第4信号Sp-は、データ信号DQ及び第2参照信号VR-の影響を受ける。したがって、後続で第2増幅モジュール102が、制御信号fb controlに基づいて第1信号対を受信して第1出力信号Vout及び第2出力信号VoutNを出力するとき、第1出力信号Vout及び第2出力信号VoutNは、第1信号Sn+及び第2信号Sp+の影響を受け、第2増幅モジュール102が、制御信号fb controlに基づいて第2信号対を受信して第1出力信号Vout及び第2出力信号VoutNを出力するとき、第1出力信号Vout及び第2出力信号VoutNは、第3信号Sn-及び第4信号Sp-の影響を受ける。
【0046】
これから分かるように、データ受信回路100への符号間干渉の影響を低減する必要がある場合、第1増幅モジュール101によって受信されるデータ信号DQがハイレベルであるかローレベルであるかに関わらず、第1信号Sn+と第2信号Sp+とのレベル値の差、及び第3信号Sn-と第4信号Sp-とのレベル値の差の一方がより多くなり、第2増幅モジュール102は、制御信号fb controlに基づいて、第1信号対及び第2信号対のうち、電圧差がより大きい方を選択的に受信することにより、当該信号対の影響を受ける第1出力信号Vout及び第2出力信号VoutNを更に調整することができる。
【0047】
いくつかの実施例において、図3ないし図5を参照すると、第1比較回路111は、第1電流源1111と、第1比較ユニット1112と、を備えることができ、前記第1電流源1111は、電源ノードVcc(図6を参照)と第5ノードnet5との間に接続され、第1サンプリングクロック信号clk1に応答して第5ノードnet5に電流を供給するように構成され、前記第1比較ユニット1112は、第1ノードnet1、第2ノードnet2及び第5ノードnet5に接続され、データ信号DQ及び第1参照信号VR+を受信し、第1電流源1111が第5ノードnet5に電流を供給する際に第1比較を実行し、第1信号Sn+及び第2信号Sp+を出力するように構成され、第2比較回路121は、第2電流源1211と、第2比較ユニット1212と、を備えることができ、前記第2電流源1211は、電源ノードVccと第6ノードnet6との間に接続され、第2サンプリングクロック信号clk2に応答して第6ノードnet6に電流を供給するように構成され、前記第2比較ユニット1212は、第3ノードnet3、第4ノードnet4及び第6ノードnet6に接続され、データ信号DQ及び第2参照信号VR-を受信し、第2電流源1211が第6ノードnet6に電流を供給する際に第2比較を実行し、第3信号Sn-及び第4信号Sp-を出力するように構成される。
【0048】
理解できるように、第1比較ユニット1112は、データ信号DQと第1参照信号VR+との電圧差に基づいて、第1ノードnet1に供給される電流と第2ノードnet2に供給される電流との差を制御することにより、第1信号Sn+及び第2信号Sp+を出力することができ、第2比較ユニット1212は、データ信号DQと第2参照信号VR-との電圧差に基づいて、第3ノードnet3に供給される電流と第4ノードnet4に供給される電流との差を制御することにより、第3信号Sn-及び第4信号Sp-を出力することができる。
【0049】
いくつかの実施例において、第1電流源1111の回路構造は、第2電流源1211の回路構造と同じであり、第1比較ユニット1112の回路構造は、第2比較ユニット1212の回路構造と同じである。そうすると、第1比較回路111によって出力される第1信号対と、第2比較回路121によって出力される第2信号対との差が、主に第1参照信号VR+及び第2参照信号VR-の影響を受けるようにするのに有益であり、更に、データ受信回路100が、第1参照信号VR+及び第2参照信号VR-に基づいて、受信したデータ信号DQの符号間干渉がデータ受信回路100に与える影響を低減するのに有益であり、第2増幅モジュール102によって出力される第1出力信号Vout及び第2出力信号VoutNの精度を更に向上させるのに有益である。
【0050】
いくつかの実施例において、図6を参照すると、第1電流源1111は、電源ノードVccと第5ノードnet5との間に接続される第1PMOSトランジスタMP1を備え、第1PMOSトランジスタMP1のゲート電極は、第1サンプリングクロック信号clk1を受信し、第2電流源1211は、電源ノードVccと第6ノードnet6との間に接続される第2PMOSトランジスタMP2を備え、第2PMOSトランジスタMP2のゲート電極は、第2サンプリングクロック信号clk2を受信する。第1サンプリングクロック信号clk1がローレベルである場合、第1PMOSトランジスタMP1のゲート電極は、第1サンプリングクロック信号clk1を受信することにより導通され、第5ノードnet5に電流を供給し、第1比較ユニット1112を動作状態にさせて、受信されたデータ信号DQ及び第1参照信号VR+に対して第1比較を実行させ、第2サンプリングクロック信号clk2がローレベルである場合、第2PMOSトランジスタMP2のゲート電極は、第2サンプリングクロック信号clk2を受信することにより導通され、第6ノードnet6に電流を供給し、第2比較ユニット1212を動作状態にさせて、受信されたデータ信号DQ及び第2参照信号VR-に対して第2比較を実行させる。
【0051】
留意されたいこととして、データ受信回路への符号間干渉の影響を低減する必要がある場合、第1サンプリングクロック信号clk1及び第2サンプリングクロック信号clk2は、同じクロック信号であってもよいし、同じ位相で異なる振幅の異なるクロック信号であってもよく、これにより、第1PMOSトランジスタMP1及び第2PMOSトランジスタMP2を同時に導通され、第1比較ユニット1112及び第2比較ユニット1212が両方とも動作状態になり、後続で第2増幅モジュール102は、変化された制御信号fb controlに基づいて、第1信号対又は第2信号対の一方を選択的に受信することができ、これにより、受信したデータ信号DQの符号間干渉がデータ受信回路100に与える影響を低減することができる。また、データ受信回路100への符号間干渉の影響を考慮する必要がない場合、第1サンプリングクロック信号clk1及び第2サンプリングクロック信号clk2の一方は固定のハイレベルであり、他方はクロック信号であり、即ち、第1PMOSトランジスタMP1及び第2PMOSトランジスタMP2の一方が常時遮断され、他方は、クロック信号に応答して導通されることにより、第1比較ユニット1112及び第2比較ユニット1212の一方が動作状態になるようにし、それにより、データ受信回路100の電力消費を低減することができる。
【0052】
いくつかの実施例において、続けて図6を参照すると、第1比較ユニット1112は、第1ノードnet1と第5ノードnet5との間に接続される第3PMOSトランジスタMP3と、第2ノードnet2と第5ノードnet5との間に接続される第4PMOSトランジスタMP4と、を備え、第3PMOSトランジスタMP3のゲート電極はデータ信号DQを受信し、第4PMOSトランジスタMP4のゲート電極は第1参照信号VR+を受信し、第2比較ユニット1212は、第3ノードnet3と第6ノードnet6との間に接続される第5PMOSトランジスタMP5と、第4ノードnet4と第6ノードnet6との間に接続される第6PMOSトランジスタMP6と、を備えることができ、第5PMOSトランジスタMP5のゲート電極はデータ信号DQを受信し、第6PMOSトランジスタMP6のゲート電極は第2参照信号VRを受信する。
【0053】
留意されたいこととして、第1比較ユニット1112に対して、データ信号DQと第1参照信号VR+のレベル値の変化は同期していないため、データ信号DQを受信する第3PMOSトランジスタMP3の導通時刻は、第1参照信号VR+を受信する第4PMOSトランジスタMP4の導通時刻とは異なり、同一時刻において、第3PMOSトランジスタMP3の導通程度は、第4PMOSトランジスタMP4の導通程度とは異なる。理解できるように、第3PMOSトランジスタMP3の導通程度と第4PMOSトランジスタMP4の導通程度が異なるため、第5ノードnet5に対する第3PMOSトランジスタMP3と第4PMOSトランジスタMP4の電流分流能力も異なり、これにより、第1ノードnet1の電圧と第2ノードnet2の電圧が異なるようになり、これは、第1信号対として第1信号Sn+及び第2信号Sp+を出力することに有益である。
【0054】
第2比較ユニット1212に対して、データ信号DQと第2参照信号VR-のレベル値の変化は同期していないため、データ信号DQを受信する第5PMOSトランジスタMP5の導通時刻は、第2参照信号VR-を受信する第6PMOSトランジスタMP6の導通時刻とは異なり、同一時刻において、第5PMOSトランジスタMP5の導通程度は、第6PMOSトランジスタMP6の導通程度とは異なる。理解できるように、第5PMOSトランジスタMP5の導通程度と第6PMOSトランジスタMP6の導通程度が異なるため、第6ノードnet6に対する第5PMOSトランジスタMP5と第6PMOSトランジスタMP6の電流分流能力も異なり、これにより、第3ノードnet3の電圧と第4ノードnet4の電圧が異なるようになり、これは、第2信号対として第3信号Sn-及び第4信号Sp-を出力することに有益である。
【0055】
1つの例において、データ信号DQのレベル値が第1参照信号VR+のレベル値より低い場合、第3PMOSトランジスタMP3の導通程度は第4PMOSトランジスタMP4の導通程度より大きいので、第5ノードnet5でより多くの電流が、第3PMOSトランジスタMP3が位置する経路に流れ込み、これにより、第1ノードnet1の電流が第2ノードnet2の電流より大きくなり、第1ノードnet1によって出力される第1信号Sn+のレベル値が更に高くなるようにし、第2ノードnet2によって出力される第2信号Sp+のレベル値が更に低くなるようにする。データ信号DQのレベル値が第2参照信号VR-のレベル値より低い場合、第5PMOSトランジスタMP5の導通程度は、第6PMOSトランジスタMP6の導通程度より大きいので、第6ノードnet6でより多くの電流が、第5PMOSトランジスタMP5が位置する経路に流れ込み、これにより、第3ノードnet3の電流が第4ノードnet4の電流より大きくなり、第3ノードnet3によって出力される第3信号Sn-のレベル値が更に高くなるようにし、第4ノードnet4によって出力される第4信号Sp-のレベル値が更に低くなるようにする。
【0056】
同様に、データ信号DQのレベル値が第1参照信号VR+のレベル値より高い場合、第3PMOSトランジスタMP3の導通程度は第4PMOSトランジスタMP4の導通程度より小さく、第1ノードnet1によって出力される第1信号Sn+のレベル値が低く、第2ノードnet2によって出力された第2信号Sp+のレベル値は高く、データ信号DQのレベル値が第2参照信号VR-のレベル値より高い場合、第5PMOSトランジスタMP5の導通程度は第6PMOSトランジスタMP6の導通程度より小さく、第3ノードnet3によって出力される第3信号Sn-のレベル値は低く、第4ノードnet4によって出力される第4信号Sp-のレベル値は高い。
【0057】
いくつかの実施例において、図3及び図5を参照すると、第1増幅モジュール101は、更に、第1ノードnet1及び第2ノードnet2に接続される第1リセットユニット131と、第3ノードnet3及び第4ノードnet4に接続される第2リセットユニット141と、を備えることができ、前記第1リセットユニット131は、第1ノードnet1及び第2ノードnet2をリセットするように構成され、前記第2リセットユニット141は、第3ノードnet3及び第4ノードnet4をリセットするように構成される。そうすると、データ受信回路100が、データ信号DQ、第1参照信号VR+及び第2参照信号VR-の受信と、第1出力信号Vout及び第2出力信号VoutNの出力とを一回完了した後、第1リセットユニット131によって、第1ノードnet1及び第2ノードnet2のレベル値を初期値に戻せ、第2リセットユニット141によって、第3ノードnet3及び第4ノードnet4におけるレベル値を初期値に戻せ、これにより、後続でデータ受信回路100が次のデータ受信及び処理を実行することを容易にする。
【0058】
いくつかの実施例において、続けて図6を参照すると、第1リセットユニット131は、第1ノードnet1と接地との間に接続される第1NMOSトランジスタMN1と、第2ノードnet2と接地との間に接続される第2NMOSトランジスタMN2と、を備え、第1NMOSトランジスタMN1のゲート電極は第1サンプリングクロック信号clk1を受信し、第2NMOSトランジスタMN2のゲート電極は第1サンプリングクロック信号clk1を受信し、第2リセットユニット141は、第3ノードnet3と接地との間に接続される第3NMOSトランジスタMN3と、第4ノードnet4と接地との間に接続される第4NMOSトランジスタMN4と、を備えることができ、第3NMOSトランジスタMN3のゲート電極は第2サンプリングクロック信号clk2を受信し、第4NMOSトランジスタMN4のゲート電極は第2サンプリングクロック信号clk2を受信する。
【0059】
1つの例において、データ受信回路への符号間干渉の影響を低減する必要がある場合、第1サンプリングクロック信号clk1及び第2サンプリングクロック信号clk2は両方ともローレベルであり、第1PMOSトランジスタMP1及び第2PMOSトランジスタMP2は両方とも導通され、このとき、第1NMOSトランジスタMN1、第2NMOSトランジスタMN2、第3NMOSトランジスタMN3及び第4NMOSトランジスタMN4はすべて遮断され、データ受信回路100の正常な動作を確保し、同時に、第1NMOSトランジスタMN1及び第2NMOSトランジスタMN2を第1比較ユニット1112の負荷として使用することにより、第1比較ユニット1112の増幅ゲインを増加させることができ、第3NMOSトランジスタMN3及び第4NMOSトランジスタMN4を第2比較ユニット1212の負荷として使用することにより、第2比較ユニット1212の増幅ゲインを増加させることができる。第1サンプリングクロック信号clk1及び第2サンプリングクロック信号clk2が両方ともハイレベルである場合、第1PMOSトランジスタMP1及び第2PMOSトランジスタMP2は両方とも遮断され、第1比較ユニット1112及び第2比較ユニット1212には電流が流れなく、このとき、第1NMOSトランジスタMN1、第2NMOSトランジスタMN2、第3NMOSトランジスタMN3及び第4NMOSトランジスタMN4はすべて導通されて、第1ノードnet1の電圧、第2ノードnet2の電圧、第3ノードnet3の電圧及び第4ノードnet4の電圧を引き下げ、これにより、第1ノードnet1、第2ノードnet2、第3ノードnet3及び第4ノードnet4のリセットを実現する。
【0060】
更に、データ受信回路100への符号間干渉の影響を考慮する必要がない場合、第1サンプリングクロック信号clk1がローレベルであり、第2サンプリングクロック信号clk2がハイレベルである場合、第1PMOSトランジスタMP1が導通され、第2PMOSトランジスタMP2が遮断され、このとき、第1NMOSトランジスタMN1及び第2NMOSトランジスタMN2は両方とも遮断され、それにより、第1比較回路111の正常な動作を確保し、同時に、第3NMOSトランジスタMN3及び第4NMOSトランジスタMN4は両方とも導通されて、第3ノードnet3の電圧及び第4ノードnet4の電圧を引き下げ、これにより、第3ノードnet3及び第4ノードnet4のリセットを実現し、データ受信回路100の電力消費を低減する。又は、第1サンプリングクロック信号clk1がハイレベルであり、第2サンプリングクロック信号clk2がローレベルである場合、第1PMOSトランジスタMP1は遮断され、第2PMOSトランジスタMP2は導通され、このとき、第1NMOSトランジスタMN1及び第2NMOSトランジスタMN2は両方とも導通されて、第1ノードnet1の電圧及び第2ノードnet2の電圧を引き下げ、これにより、第1ノードnet1及び第2ノードnet2のリセットを実現し、データ受信回路100の電力消費を低減し、同時に、第3NMOSトランジスタMN3及び第4NMOSトランジスタMN4を両方とも遮断されることにより、第2比較回路121の正常な動作を確保する。
【0061】
いくつかの実施例において、図7を参照すると、第2増幅モジュール102は、第7ノードnet7及び第8ノードnet8に接続される第1入力ユニット112と、第7ノードnet7及び第8ノードnet8に接続される第2入力ユニット122と、第7ノードnet7及び第8ノードnet8に接続されるラッチユニット132と、を備えることができ、前記第1入力ユニット112は、制御信号fb controlに応答して導通されて第1信号対を受信し、第1信号対に対して第3比較を実行し、第3比較の結果として、第7ノードnet7及び第8ノードnet8に信号をそれぞれ提供するように構成され、前記第2入力ユニット122は、制御信号fb controlに応答して導通されて第2信号対を受信し、第2信号対に対して第4比較を実行し、第4比較の結果として、第7ノードnet7及び第8ノードnet8に信号をそれぞれ提供するように構成され、ここで、第1入力ユニット112及び第2入力ユニット122は、制御信号fb controlに基づいて択一に導通され、前記ラッチユニット132は、第7ノードnet7の信号及び第8ノードnet8の信号を増幅してラッチし、それぞれ第1出力ノードnet9及び第2出力ノードnet10を介して第1出力信号Vout及び第2出力信号VoutNを出力するように構成される。
【0062】
ここで、ラッチユニット132は、第7ノードnet7の信号及び第8ノードnet8の信号に従って、第1出力ノードnet9にハイレベル信号を出力し、第2出力ノードnet10にローレベル信号を出力するか、第1出力ノードnet9にローレベル信号を出力し、第2出力ノードnet10にハイレベル信号を出力するように構成される。
【0063】
いくつかの実施例において、図4及び図5を参照すると、フィードバック信号fbは、差動化された第1フィードバック信号fbp及び第2フィードバック信号fbnを含み得、制御信号fb controlは、差動化された第1制御信号fbp control及び第2制御信号fbn controlを含み得、第1入力ユニット112は、第1制御信号fbp controlに応答して導通され、第2入力ユニット122は、第2制御信号fbn controlに応答して導通され、決定等化イネーブルモジュール103は、第1イネーブルユニット113と、第2イネーブルユニット123と、を備えることができ、前記第1イネーブルユニット113は、イネーブル信号EnDfe及び第1フィードバック信号fbpを受信し、第1制御信号fbp controlを出力するように構成され、ここで、イネーブル信号EnDfeが第1レベル値を有する期間において、第1制御信号fbp controlのレベル値は、第1フィードバック信号fbpのレベル値に応じて変化し、イネーブル信号EnDfeが第2レベル値を有する期間において、第1制御信号fbp controlのレベル値は固定値であり、前記第2イネーブルユニット123は、相補イネーブル信号EnDfeN及び第2フィードバック信号fbnを受信し、第2制御信号fbn controlを出力するように構成され、ここで、相補イネーブル信号EnDfeNとイネーブル信号EnDfeは、互いの差動信号であり、相補イネーブル信号EnDfeNが第2レベル値を有する期間において、第2制御信号fbn controlのレベル値は、第2フィードバック信号fbnのレベル値に応じて変化し、相補イネーブル信号EnDfeNが第1レベル値を有する期間において、第2制御信号fbn controlのレベル値は固定値である。
【0064】
1つの例において、第1制御信号fbp controlがハイレベルであり、第2制御信号fbn controlがローレベルである場合、第1入力ユニット112は、第1制御信号fbp controlに応答して導通され、このとき、第2入力ユニット122は、第2制御信号fbn controlに応答して遮断され、即ち、第1出力信号Vout及び第2出力信号VoutNは、第1入力ユニット112によって受信された第1信号Sn+及び第2信号Sp+に基づいて得られたものである。別の例において、第1制御信号fbp controlがローレベルであり、第2制御信号fbn controlがハイレベルである場合、第1入力ユニット112は、第1制御信号fbp controlに応答して遮断され、このとき、第2入力ユニット122は、第2制御信号fbn controlに応答して導通され、即ち、第1出力信号Vout及び第2出力信号VoutNは、第2入力ユニット122によって受信された第3信号Sn-及び第4信号Sp-に基づいて得られたものである。
【0065】
留意されたいこととして、1つの例において、イネーブル信号EnDfe及び相補イネーブル信号EnDfeNの第1レベル値期間とは、第1イネーブルユニット113がイネーブル信号EnDfeを論理レベル1に決定し、第2イネーブル信号123が相補イネーブル信号EnDfeNを論理レベル1に決定するレベル値範囲、即ちハイレベルを指し、イネーブル信号EnDfe及び相補イネーブル信号EnDfeNの第2レベル値期間とは、第1イネーブルユニット113がイネーブル信号EnDfeを論理レベル0に決定し、第2イネーブル信号123が相補イネーブル信号EnDfeNを論理レベル0に決定するレベル値範囲、即ちローレベルを指す。
【0066】
理解できるように、イネーブル信号EnDfeが論理レベル1であり、相補イネーブル信号EnDfeNが論理レベル0である場合、第1制御信号fbp controlのレベル値は、第1フィードバック信号fbpのレベル値に応じて変化し、第2制御信号fbn controlのレベル値は、第2フィードバック信号fbnのレベル値に応じて変化し、このとき、第1比較ユニット1112及び第2比較ユニット1212の両方を動作状態にすることができ、後続で第2増幅モジュール102は、変化された制御信号fb controlに基づいて、第1信号対又は第2信号対のうちの、レベル値の差がより大きい方を選択的に受信することにより、第2増幅モジュール102が受信する信号対が、信号レベル値の差がより大きい方の一対の差動信号であるように確保し、それにより、受信したデータ信号DQの符号間干渉がデータ受信回路100に与える影響を低減することができる。イネーブル信号EnDfeが論理レベル0であり、相補イネーブル信号EnDfeNが論理レベル1である場合、第1制御信号fbp controlのレベル値は固定値であり、且つ第2制御信号fbn controlのレベル値は固定値であり、このとき、第1PMOSトランジスタMP1及び第2PMOSトランジスタMP2の一方を導通させることにより、第1比較ユニット1112及び第2比較ユニット1212の一方が動作状態になるようにし、第2増幅モジュール102が第1信号対又は第2信号対の一方を固定的に受信するようにし、データ受信回路100の電力消費を低減することができる。
【0067】
留意されたいこととして、決定等化イネーブルモジュール103は、受信されたイネーブル信号EnDfeに基づいて、それ自体に相補イネーブル信号EnDfeNを提供することができ、実際の応用では、相補イネーブル信号EnDfeNは、他のモジュールによって決定等化イネーブルモジュール103に提供されてもよい。
【0068】
いくつかの実施例において、図5を参照すると、決定等化イネーブルモジュール103は、更に、第1NANDゲートユニット133を備えることができ、第1NANDゲートユニット133は、イネーブル信号EnDfe及び第3サンプリングクロック信号clk3を受信し、第2サンプリングクロック信号clk2を出力し、ここで、第3サンプリングクロック信号clk3と第1サンプリングクロック信号clk1は、互いに逆位相である。
【0069】
1つの例において、データ受信回路への符号間干渉の影響を低減する必要がある場合、イネーブル信号EnDfeは論理レベル1に制御され、相補イネーブル信号EnDfeNは論理レベル0に制御され、第1サンプリングクロック信号clk1がローレベルであり、第3サンプリングクロック信号clk3がハイレベルである場合、第1NANDゲートユニット133によって出力される第2サンプリングクロック信号clk2はローレベルであり、このとき、第1PMOSトランジスタMP1は、第1サンプリングクロック信号clk1に応答して導通され、第2PMOSトランジスタMP2は、第2サンプリングクロック信号clk2に応答して導通され、第1NMOSトランジスタMN1、第2NMOSトランジスタMN2、第3NMOSトランジスタMN3及び第4NMOSトランジスタMN4はすべて遮断される。
【0070】
データ受信回路100への符号間干渉の影響を考慮する必要がない場合、イネーブル信号EnDfeは論理レベル0に制御され、相補イネーブル信号EnDfeNは論理レベル1に制御され、そうすると、第1NANDゲートユニット133によって出力される第2サンプリングクロック信号clk2はハイレベルであり、このとき、第1PMOSトランジスタMP11は、第1サンプリングクロック信号clk1に応答して導通され、第2PMOSトランジスタMP2は、第2サンプリングクロック信号clk2に応答して遮断され、このとき、第3NMOSトランジスタMN3及び第4NMOSトランジスタMN4は両方とも導通されて、第3ノードnet3の電圧及び第4ノードnet4の電圧を引き下げることにより、データ受信回路100の電力消費を低減する。
【0071】
いくつかの実施例において、図7を参照すると、第1イネーブルユニット113は第2NANDゲートユニット143であってもよく、第2イネーブルユニット123はNORゲートユニット153であってもよく、ここで、第1レベル値はハイレベルであり、第2レベル値はローレベルであり、第2NANDゲートユニット143は、第1フィードバック信号fbp及びイネーブル信号EnDfeを受信し、NORゲートユニット153は、第2フィードバック信号fbn及び相補イネーブル信号EnDfeNを受信する。
【0072】
1つの例において、データ受信回路への符号間干渉の影響を低減する必要がある場合、イネーブル信号EnDfeは論理レベル1であり、相補イネーブル信号EnDfeNは論理レベル0である。第1フィードバック信号fbpがハイレベルであり、第2フィードバック信号fbnがローレベルである場合、第2NANDゲートユニット143によって出力される第1制御信号fbp controlはローレベルであり、NORゲートユニット153によって出力される第2制御信号fbn controlはハイレベルである。第1フィードバック信号fbpがローレベルであり、第2フィードバック信号fbnがハイレベルである場合、第2NANDゲートユニット143によって出力される第1制御信号fbp controlはハイレベルであり、NORゲートユニット153によって出力される第2制御信号fbn controlはローレベルである。このようにして、イネーブル信号EnDfeが第1レベル値を有する期間において、第1制御信号fbp controlのレベル値が、第1フィードバック信号fbpのレベル値に応じて変化し、相補イネーブル信号EnDfeNが第2レベル値を有する期間において、第2制御信号fbn controlのレベル値が、第2フィードバック信号fbnのレベル値に応じて変化することを実現する。
【0073】
データ受信回路100への符号間干渉の影響を考慮する必要がない場合、イネーブル信号EnDfeが論理レベル0であり、相補イネーブル信号EnDfeNが論理レベル1であり、この場合、第1フィードバック信号fbpがハイレベルであるかローレベルであるか、第2フィードバック信号fbnがローレベルであるかハイレベルであるかに関わらず、第2NANDゲートユニット143によって出力される第1制御信号fbp controlはすべてハイレベルであり、NORゲートユニット153によって出力される第2制御信号fbn controlはすべてローレベルである。このようにして、相補イネーブル信号EnDfeNが第2レベル値を有する期間において、第1制御信号fbp controlのレベル値が固定値であり、相補イネーブル信号EnDfeNが第1レベル値を有する期間において、第2制御信号fbn controlのレベル値が固定値であることを実現する。
【0074】
留意されたいこととして、実際の応用では、第1イネーブルユニットはNORゲートユニットであってもよく、第2イネーブルユニットは第2NANDゲートユニットであってもよく、ここで、第1レベル値はローレベルであり、第2レベル値はハイレベルであり、NORゲートユニットは、第1フィードバック信号及びイネーブル信号を受信し、第2NANDゲートユニットは、第2フィードバック信号及び相補イネーブル信号を受信し、このとき、データ受信回路への符号間干渉の影響を低減する必要がある場合、イネーブル信号EnDfeは論理レベル0であり、相補イネーブル信号EnDfeNは論理レベル1である。
【0075】
いくつかの実施例において、続けて図7を参照すると、第1入力ユニット112は、第5NMOSトランジスタMN5及び第6NMOSトランジスタMN6と、第7NMOSトランジスタMN7及び第8NMOSトランジスタMN8と、を備えることができ、第5NMOSトランジスタMN5のドレイン電極は第7ノードnet7に接続され、第5NMOSトランジスタMN5のソース電極は第6NMOSトランジスタMN6のドレイン電極に接続され、第6NMOSトランジスタMN6のソース電極は接地に接続され、ここで、第5NMOSトランジスタMN5のゲート電極は、第1信号Sn+又は第1制御信号fbp controlの一方を受信し、第6NMOSトランジスタMN6のゲート電極は、第1信号Sn+又は第1制御信号fbp controlの他方を受信し、第7NMOSトランジスタMN7のドレイン電極は第8ノードnet8に接続され、第7NMOSトランジスタMN7のソース電極は第8NMOSトランジスタMN8のドレイン電極に接続され、第8NMOSトランジスタMN8のソース電極は前記接地に接続され、ここで、第7NMOSトランジスタMN7のゲート電極は、第2信号Sp+又は第1制御信号fbp controlの一方を受信し、第8NMOSトランジスタMN8のゲート電極は、第2信号Sp+又は第1制御信号fbp controlの他方を受信する。
【0076】
第2入力ユニット122は、第9NMOSトランジスタMN9と、第10NMOSトランジスタMN10と、第11NMOSトランジスタMN11と、第12NMOSトランジスタMN12と、を備えることができ、第9NMOSトランジスタMN9のドレイン電極は第7ノードnet7に接続され、第9NMOSトランジスタMN9のソース電極は第10NMOSトランジスタMN10のドレイン電極に接続され、第10NMOSトランジスタMN10のソース電極は接地に接続され、ここで、第9NMOSトランジスタMN9のゲート電極は、第3信号Sn-又は第2制御信号fbn controlの一方を受信し、第10NMOSトランジスタMN10のゲート電極は、第3信号Sn-又は第2制御信号fbn controlの他方を受信し、第11NMOSトランジスタMN11のドレイン電極は第8ノードnet8に接続され、第11NMOSトランジスタMN11のソース電極は第12NMOSトランジスタMN12のドレイン電極に接続され、第12NMOSトランジスタMN12のソース電極は接地に接続され、ここで、第11NMOSトランジスタMN11のゲート電極は、第4信号Sp-又は第2制御信号fbn controlの一方を受信し、第12NMOSトランジスタMN12のゲート電極は、第4信号Sp-又は第2制御信号fbn controlの他方を受信する。
【0077】
留意されたいこととして、図7では、第5NMOSトランジスタMN5のゲート電極が第1制御信号fbp controlを受信し、第6NMOSトランジスタMN6のゲート電極が第1信号Sn+を受信し、第7NMOSトランジスタMN7のゲート電極が第1制御信号fbp controlを受信し、第8NMOSトランジスタMN8のゲート電極が第2信号Sp+を受信することを例として示しているが、実際の応用では、第5NMOSトランジスタMN5のゲート電極が第1信号Sn+を受信し、第6NMOSトランジスタMN6のゲート電極が第1制御信号fbp controlを受信し、第7NMOSトランジスタMN7のゲート電極が第2信号Sp+を受信し、第8NMOSトランジスタMN8のゲート電極が第1制御信号fbp controlを受信することであってもよい。更に、図7では、第9NMOSトランジスタMN9のゲート電極が第2制御信号fbn controlを受信し、第10NMOSトランジスタMN10のゲート電極が第3信号Sn-を受信し、第11NMOSトランジスタMN11のゲート電極が第2制御信号fbn controlを受信し、第12NMOSトランジスタMN12のゲート電極が第4信号Sp-を受信することを例として示しているが、実際の応用では、第9NMOSトランジスタMN9のゲート電極が第3信号Sn-を受信し、第10NMOSトランジスタMN10のゲート電極が第2制御信号fbn controlを受信し、第11NMOSトランジスタMN11のゲート電極が第4信号Sp-を受信し、第12NMOSトランジスタMN12のゲート電極が第2制御信号fbn controlを受信することであってもよい。
【0078】
1つの例において、データ信号DQのレベル値が第1参照信号VR+のレベル値より高い場合、第1信号Sn+のレベル値は低く、第2信号Sp+のレベル値は高く、このとき、第1入力ユニット112が第1制御信号fbp controlに応答して導通されると、第6NMOSトランジスタMN6のゲート電極が第1信号Sn+を受信し、第8NMOSトランジスタMN8のゲート電極が第2信号Sp+を受信し、そうすると、第8NMOSトランジスタMN8の導通程度は、第6NMOSトランジスタMN6の導通程度より大きいので、第8ノードnet8の電圧は第7ノードnet7での電圧より小さくなり、それにより、第14NMOSトランジスタMN14の導通程度が、第13NMOSトランジスタMN13の導通程度より大きくなり、第2出力ノードnet10の電圧が、第1出力ノードnet9の電圧より小さくなり、このとき、第8PMOSトランジスタMP8の導通程度は、第7PMOSトランジスタMP7の導通程度より小さく、ラッチユニット132は、正帰還増幅を形成し、更に、第1出力ノードnet9によって出力される第1出力信号Voutがハイレベルとなり、第2出力ノードnet10によって出力される第2出力信号VoutNがローレベルとなる。同様に、データ信号DQのレベル値が第1参照信号VR+のレベル値より低い場合、第1信号Sn+のレベル値は高く、第2信号Sp+のレベル値は低く、このとき、第1入力ユニット112が第1制御信号fbp controlに応答して導通されると、第1出力ノードnet9によって出力される第1出力信号Voutはローレベルであり、第2出力ノードnet10によって出力された第2出力信号VoutNはハイレベルである。
【0079】
1つの例において、データ信号DQのレベル値が第2参照信号VR-のレベル値より高い場合、第3信号Sn-のレベル値は低く、第4信号Sp-のレベル値は高く、このとき、第2入力ユニット122が第2制御信号fbn controlに応答して導通されると、第10NMOSトランジスタMN10のゲート電極が第3信号Sn-を受信し、第12NMOSトランジスタMN12のゲート電極が第4信号Sp-を受信し、すると、第12NMOSトランジスタMN12の導通程度は、第10NMOSトランジスタMN10の導通程度より大きいので、第8ノードnet8での電圧が、第7ノードnet7での電圧より小さくなり、それにより、第1出力ノードnet9によって出力される第1出力信号Voutがハイレベルとなり、第2出力ノードnet10によって出力される第2出力信号VoutNがローレベルとなる。同様に、データ信号DQのレベル値が第2参照信号VR-のレベル値より低い場合、第3信号Sn-のレベル値は高く、第4信号Sp-のレベル値は低く、このとき、第2入力ユニット122が第2制御信号fbn controlに応答して導通されると、第1出力ノードnet9によって出力された第1出力信号Voutはローレベルであり、第2出力ノードnet10によって出力された第2出力信号VoutNはハイレベルである。
【0080】
留意されたいこととして、複数のデータ受信回路100が縦続接続されている場合、フィードバック信号fbは以前受信されたデータに基づいて取得されることは、前段のデータ受信回路100によって出力された第1出力信号Vout及び第2出力信号VoutNを次段のデータ受信回路100のフィードバック信号fbとして使用し、次段のデータ受信回路100の決定等化イネーブルモジュール103が、フィードバック信号fb及びイネーブル信号EnDfeに基づいて制御信号fb controlを出力することにより、次段のデータ受信回路100の第2増幅モジュール102を制御し、最終段のデータ受信回路100によって出力された第1出力信号Vout及び第2出力信号VoutNを、初段のデータ受信回路100のフィードバック信号fbとして使用し、初段のデータ受信回路100の決定等化イネーブルモジュール103が、フィードバック信号fb及びイネーブル信号EnDfeに基づいて制御信号fb controlを出力することにより、初段のデータ受信回路100の第2増幅モジュール102を制御することを意味する。
【0081】
具体的には、前段のデータ受信回路100の第1出力ノードnet9によって出力される第1出力信号Voutを、次段のデータ受信回路100の第1フィードバック信号fbpとして使用し、前段のデータ受信回路100の第2出力ノードnet10によって出力される第2出力信号VoutNを、次段のデータ受信回路100の第2フィードバック信号fbnとして使用し、次段のデータ受信回路100の決定等化イネーブルモジュール103は、第1フィードバック信号fbp及びイネーブル信号EnDfeに基づいて第1制御信号fbp controlを出力し、次段のデータ受信回路100の決定等化イネーブルモジュール103は、第2フィードバック信号fbn及び相補イネーブル信号EnDfeNに基づいて第2制御信号fbn controlを出力し、最終段のデータ受信回路100の第1出力ノードnet9によって出力される第1出力信号Voutを、初段のデータ受信回路100の第1フィードバック信号fbpとして使用し、最終段のデータ受信回路100の第2出力ノードnet10によって出力される第2出力信号VoutNを、初段のデータ受信回路100の第2フィードバック信号fbnとして使用し、初段のデータ受信回路100の決定等化イネーブルモジュール103は、第1フィードバック信号fbp及びイネーブル信号EnDfeに基づいて第1制御信号fbp controlを出力し、初段のデータ受信回路100の決定等化イネーブルモジュール103は、第2フィードバック信号fbn及び相補イネーブル信号EnDfeNに基づいて第2制御信号fbn controlを出力する。
【0082】
理解できるように、前段のデータ受信回路100の第1出力ノードnet9によって出力される第1出力信号Voutがハイレベルであり、第2出力ノードnet10によって出力される第2出力信号VoutNがローレベルである場合、次段のデータ受信回路100によって受信される第1フィードバック信号fbpはハイレベルであり、第2フィードバック信号fbnはローレベルである。
【0083】
データ受信回路への符号間干渉の影響を低減する必要がある場合、イネーブル信号EnDfeは論理レベル1であり、相補イネーブル信号EnDfeNは論理レベル0であり、そうすると、第2NANDゲートユニット143によって出力される第1制御信号fbp controlはローレベルであり、NORゲートユニット153によって出力される第2制御信号fbn controlはハイレベルであり、次段のデータ受信回路100の第1入力ユニット112は、第1制御信号fbp controに応答して遮断され、第2入力ユニット122は、第2制御信号fbn controlに応答して導通される。
【0084】
前段のデータ受信回路100の第1出力ノードnet9によって出力される第1出力信号Voutがローレベルであり、第2出力ノードnet10によって出力される第2出力信号VoutNがハイレベルである場合、次段のデータ受信回路100によって受信される第1フィードバック信号fbpはローレベルであり、第2フィードバック信号fbnはハイレベルである。
【0085】
データ受信回路への符号間干渉の影響を低減する必要がある場合、イネーブル信号EnDfeは論理レベル1であり、相補イネーブル信号EnDfeNは論理レベル0であり、そうすると、第2NANDゲートユニット143によって出力される第1制御信号fbp controlはハイレベルであり、NORゲートユニット153によって出力される第2制御信号fbn controlはローレベルであり、次段のデータ受信回路100の第1入力ユニット112は、第1制御信号fbp controに応答して導通され、第2入力ユニット122は、第2制御信号fbn controlに応答して遮断される。
【0086】
いくつかの実施例において、図7を参照すると、ラッチユニット132は、第13NMOSトランジスタMN13と、第7PMOSトランジスタMP7と、第14NMOSトランジスタMN14と、第8PMOSトランジスタMP8と、を備えることができ、第13NMOSトランジスタMN13のゲート電極及び第7PMOSトランジスタMP7のゲート電極は両方とも第1出力ノードnet9に接続され、前記第13NMOSトランジスタMN13のソース電極は第7ノードnet7に接続され、第13NMOSトランジスタMN13のドレイン電極及び第7PMOSトランジスタMP7のドレイン電極は両方とも第2出力ノードnet10に接続され、第7PMOSトランジスタMP7のソース電極は電源ノードVccに接続され、第14NMOSトランジスタMN14のゲート電極及び第8PMOSトランジスタMP8のゲート電極は両方とも第2出力ノードnet10に接続され、第14NMOSトランジスタMN14のソース電極は第8ノードnet8に接続され、第14NMOSトランジスタMN14のドレイン電極及び第8PMOSトランジスタMP8のドレイン電極は両方とも第1出力ノードnet9に接続され、第8PMOSトランジスタMP8のソース電極は電源ノードVccに接続される。
【0087】
いくつかの実施例において、続けて図7を参照すると、第2増幅モジュール102は、更に、電源ノードVccとラッチユニット132の出力端子との間に接続される第3リセットユニット142を備えることができ、前記第3リセットユニット142は、ラッチユニット132の出力端子をリセットするように構成される。このようにして、データ受信回路100が、データ信号DQ、第1参照信号VR+及び第2参照信号VR-の受信と、第1出力信号Vout及び第2出力信号VoutNの出力とを一回完了した後、第3リセットユニット142によって、第1出力ノードnet9及び第2出力ノードnet10のレベル値を初期値に戻せ、これにより、後続でデータ受信回路100が次のデータ受信及び処理を実行することを容易にする。
【0088】
いくつかの実施例において、続けて図7を参照すると、第3リセットユニット142は、第1出力ノードnet9と電源ノードVccとの間に接続される第9PMOSトランジスタMP9と、第2出力ノードnet10と電源ノードVccとの間に接続される第10PMOSトランジスタMP10と、を備えることができ、第9PMOSトランジスタMP9のゲート電極は、第4サンプリングクロック信号clk4を受信し、第10PMOSトランジスタMP10のゲート電極は、第4サンプリングクロック信号clk4を受信する。
【0089】
留意されたいこととして、第4サンプリングクロック信号clk4及び第3サンプリングクロック信号clk3は、同じクロック信号であってもよいし、同じ位相で異なる振幅の異なるクロック信号であってもよく、第3サンプリングクロック信号clk3と第1サンプリングクロック信号clk1は、互いに逆位相である。
【0090】
1つの例において、図6及び図7を参照すると、データ受信回路への符号間干渉の影響を低減する必要がある場合、イネーブル信号EnDfeは論理レベル1であり、相補イネーブル信号EnDfeNは論理レベル0である。第1サンプリングクロック信号clk1がローレベルであり、第3サンプリングクロック信号clk3及び第4サンプリングクロック信号clk4が両方ともハイレベルである場合、第2サンプリングクロック信号clk2はローレベルであり、このとき、第1PMOSトランジスタMP1及び第2PMOSトランジスタMP2は両方とも導通され、第1NMOSトランジスタMN1、第2NMOSトランジスタMN2、第3NMOSトランジスタMN3及び第4NMOSトランジスタMN4、第9PMOSトランジスタMP9及び第10PMOSトランジスタMP10はすべて遮断される。第1サンプリングクロック信号clk1がハイレベルであり、第3サンプリングクロック信号clk3及び第4サンプリングクロック信号clk4が両方ともローレベルである場合、第2サンプリングクロック信号clk2はハイレベルであり、このとき、第1PMOSトランジスタMP1及び第2PMOSトランジスタMP2は両方とも遮断され、このとき、第1NMOSトランジスタMN1、第2NMOSトランジスタMN2、第3NMOSトランジスタMN3及び第4NMOSトランジスタMN4はすべて導通され、第9PMOSトランジスタMP9及び第10PMOSトランジスタMP10も導通されて、第1出力ノードnet9の電圧及び第2出力ノードnet10の電圧を引き上げ、これにより、第1出力ノードnet9及び第2出力ノードnet10のリセットを実現する。
【0091】
データ受信回路100への符号間干渉の影響を考慮する必要がない場合、イネーブル信号EnDfeは論理レベル0であり、相補イネーブル信号EnDfeNは論理レベル1であり、このとき、第3サンプリングクロック信号clk3がハイレベルであるかローレベルであるかに関わらず、第2サンプリングクロック信号clk2は常にハイレベルであり、すると、第2PMOSトランジスタMP2は常に遮断され、第3NMOSトランジスタMN3及び第4NMOSトランジスタMN4は両方とも導通されて、第2比較回路121の電流を低下させ、それにより、データ受信回路100の電力消費を低減する。
【0092】
以下には、図7及び表1を参照して、本発明の1つの実施例によるデータ受信回路100の具体的な動作原理について詳細に説明する。
【0093】
1つの例において、複数のデータ受信回路100が縦続接続されている場合、前段のデータ受信回路100の第1出力ノードnet9によって出力される第1出力信号Voutを、次段のデータ受信回路100の第1フィードバック信号fbpとして使用し、前段のデータ受信回路100の第2出力ノードnet10によって出力される第2出力信号VoutNを、次段のデータ受信回路100の第2フィードバック信号fbnとして使用し、次段のデータ受信回路100の決定等化イネーブルモジュール103は、第1フィードバック信号fbp及びイネーブル信号EnDfeに基づいて第1制御信号fbp controlを出力し、次段のデータ受信回路100の決定等化イネーブルモジュール103は、第2フィードバック信号fbn及び相補イネーブル信号EnDfeNに基づいて第2制御信号fbn controlを出力する。
【0094】
以下では、受信された第1参照信号VR+のレベル値が第2参照信号VR-のレベル値より小さいことを例として説明する。1つの例において、第1参照信号VR+のレベル値は0.3Vであり得、第2参照信号VR-のレベル値は0.7Vであり得、データ信号DQが論理レベル1である場合、これは、データ信号DQのレベル値が第2参照信号VR-のレベル値より大きいことを意味し、データ信号DQが論理レベル0である場合、これは、データ信号DQのレベル値が第1参照信号VR+のレベル値より小さいことを意味する。
【0095】
留意されたいこととして、表1では、1はハイレベルを表し、0はローレベルを表す。
【0096】
データ受信回路への符号間干渉の影響を低減する必要がある場合、イネーブル信号EnDfeは論理レベル1であり、相補イネーブル信号EnDfeNは論理レベル0である。
【0097】
表1を参照すると、前段のデータ受信回路100が受信するデータ信号DQ1が論理レベル1である場合、前段のデータ受信回路100によって出力される第1出力信号Vout、即ち、次段のデータ受信回路100の第1フィードバック信号fbpはハイレベルであり、前段のデータ受信回路100によって出力される第2出力信号VoutN、即ち、次段のデータ受信回路100の第2フィードバック信号Fbnはローレベルであり、すると、第2NANDゲートユニット143によって出力される第1制御信号fbp controlはローレベルであり、NORゲートユニット153によって出力される第2制御信号fbn controlはハイレベルであり、この場合、第5NMOSトランジスタMN5のゲート電極及び第7NMOSトランジスタMN7のゲート電極は、第1制御信号fbp controlを受信することによって遮断され、第9NMOSトランジスタMN9のゲート電極及び第11NMOSトランジスタMN11のゲート電極は、第2制御信号fbn controlを受信することによって導通され、第2入力ユニット122は、第3信号Sn-と第4信号Sp-を比較して、第7ノードnet7及び第8ノードnet8に信号を提供するように構成され、第1入力ユニット112には電流が流れない。
【0098】
前段のデータ受信回路100が受信するデータ信号DQ1が論理レベル1である場合、次段のデータ受信回路100が受信するデータ信号DQ2に関しては、以下の2つの状況がある。
【0099】
状況1:表1を参照すると、次段のデータ受信回路100が受信するデータ信号DQ2が論理レベル0である場合、データ信号DQ2と、前段のデータ受信回路100が受信するデータ信号DQ1とのレベル値の差が比較的に大きいため、比較的に大きい符号間干渉が存在し、この場合、次段のデータ受信回路100の第2入力ユニット122が導通され、即ち、次段のデータ受信回路100の第2増幅モジュール102が受信するのは、第3信号Sn-及び第4信号Sp-である。次段のデータ受信回路100では、データ信号DQ2は論理レベル0であり、データ信号DQ2と第2参照信号VR-との電圧差は、データ信号DQ2と第1参照信号VR+との電圧差より大きく、その結果、第2比較回路121の処理によって得られた第2信号対の信号間のレベル値の差がより大きいため、第2増幅モジュール102が第2信号対を受信するのが、より高い精度の第1出力信号Vout及び第2出力信号VoutNを出力するのに有益であり、これにより、受信したデータ信号DQの符号間干渉がデータ受信回路100に与える影響を低減する目的を達成することができる。
【0100】
状況2:表1を参照すると、次段のデータ受信回路100が受信するデータ信号DQ2が論理レベル1である場合、データ信号DQ2と、前段のデータ受信回路100が受信するデータ信号DQ1とのレベル値の差が比較的に小さいため、符号間干渉が比較的に小さいか存在しなく、この場合、次段のデータ受信回路100の第2入力ユニット122は導通され、次段のデータ受信回路100の第2比較回路121によって出力される第2信号対は、第2増幅モジュール102によって受信される。
【0101】
表1を参照すると、前段のデータ受信回路100が受信するデータ信号DQ1が論理レベル0である場合、前段のデータ受信回路100によって出力される第1出力信号Vout、即ち、次段のデータ受信回路100の第1フィードバック信号fbpはローレベルであり、前段のデータ受信回路100によって出力される第2出力信号VoutN、即ち、次段のデータ受信回路100の第2フィードバック信号Fbnはハイレベルであり、この場合、第2NANDゲートユニット143によって出力される第1制御信号fbp controlはハイレベルであり、NORゲートユニット153によって出力される第2制御信号fbn controlはローレベルであり、この場合、第5NMOSトランジスタMN5のゲート電極及び第7NMOSトランジスタMN7のゲート電極は、第1制御信号fbp controlを受信することによって導通され、第9NMOSトランジスタMN9のゲート電極及び第11NMOSトランジスタMN11のゲート電極は、第2制御信号fbn controlを受信することによって遮断され、第1入力ユニット112は、第1信号Sn+と第2信号Sp+を比較して、第7ノードnet7及び第8ノードnet8に信号を提供するように構成され、第2入力ユニット122には電流が流れない。
【0102】
前段のデータ受信回路100が受信するデータ信号DQ1が論理レベル0である場合、次段のデータ受信回路100が受信するデータ信号DQ2に関しては、以下の2つの状況がある。
【0103】
状況3:表1を参照すると、次段のデータ受信回路100が受信するデータ信号DQ2が論理レベル0である場合、データ信号DQ2と、前段のデータ受信回路100が受信するデータ信号DQ1とのレベル値の差が比較的に小さいため、符号間干渉は比較的に小さいか存在しなく、この場合、次段のデータ受信回路100の第1入力ユニット112は導通され、次段のデータ受信回路100の第1比較回路111によって出力される第1信号対は、第2増幅モジュール102によって受信される。
【0104】
状況4:表1を参照すると、次段のデータ受信回路100が受信するデータ信号DQ2が論理レベル1である場合、データ信号DQ2と、前段のデータ受信回路100が受信するデータ信号DQ1とのレベル値の差が比較的に大きいため、比較的に大きい符号間干渉が存在し、この場合、次段のデータ受信回路100の第1入力ユニット112が導通され、即ち、次段のデータ受信回路100の第1増幅モジュール102が受信するのは、第1信号Sn+及び第2信号Sp+である。この場合、次段のデータ受信回路100では、データ信号DQ2は論理レベル1であり、データ信号DQ2と第1参照信号VR+との電圧差は、データ信号DQ2と第2参照信号VR-との電圧差より大きく、その結果、第1比較回路111の処理によって得られた第1信号対の信号間のレベル値の差はより大きいため、第2増幅モジュール102が第1信号対を受信するのが、より高い精度の第1出力信号Vout及び第2出力信号VoutNを出力するのに有益であり、これにより、受信したデータ信号DQの符号間干渉がデータ受信回路100に与える影響を低減する目的を達成することができる。
【表1】
【0105】
留意されたいこととして、ハイレベル及びローレベルに関する上記の説明において、ハイレベルは、電源電圧以上のレベル値であってもよく、ローレベルは、接地電圧以下のレベル値であってもよい。更に、ハイレベルとローレベルは相対的なものであり、ハイレベル及びローレベルに含まれる具体的なレベル値の範囲は、具体的なデバイスに応じて決定でき、例えば、NMOSトランジスタの場合、ハイレベルは、当該NMOSトランジスタを導通することができるゲート電圧のレベル値範囲を指し、ローレベルは、当該NMOSトランジスタを遮断することができるゲート電圧のレベル値範囲を指し、PMOSトランジスタの場合、ローレベルは、当該PMOSトランジスタを導通することができるゲート電圧のレベル値範囲を指し、ハイレベルは、当該PMOSトランジスタを遮断することができるゲート電圧のレベル値範囲を指す。
【0106】
まとめると、決定等化イネーブルモジュール103を利用して、以前に受信したフィードバック信号fbを処理して、第2増幅モジュール102を制御できる制御信号fb controlを取得することにより、データ受信回路100によって受信されるデータの符号間干渉がデータ受信回路100に与える影響を考慮するか否かを選択することができる。例えば、データ受信システムへの符号間干渉の影響を低減する必要がある場合、決定等化イネーブルモジュール103を利用して制御信号fb controlを出力し、当該制御信号fb controlは、第2増幅モジュール102が第1信号対又は第2信号対のうち、レベル値の差がより大きい方を選択的に受信するように制御することができ、これにより、第2増幅モジュール102が受信する信号対が、信号レベル値の差がより大きい方の一対の差動信号であることを確保することができ、データ受信システムへの符号間干渉の影響を考慮する必要がない場合、決定等化イネーブルモジュール103を利用して制御信号fb controlを出力し、当該制御信号fb controlは、第2増幅モジュール102が第1信号対又は第2信号対の一方を固定的に受信するように制御することができ、これにより、データ受信回路100の受信性能を向上させながら、データ受信回路100の電力消費を低減する効果を実現することができる。
【0107】
本発明の別の実施例は、更に、データ受信システムを提供し、以下では、図面を参照して、本願の別の実施例によるデータ受信システムについて詳細に説明する。図2は、本願の別の実施例によるデータ受信システムの機能のブロック図である。
【0108】
図2を参照すると、データ受信システムは、複数の縦続接続されたデータ伝送回路120を備え、各データ伝送回路120は、本発明の1つの実施例によるデータ受信回路100と、データ受信回路100に接続されたラッチ回路110とを備え、前段のデータ伝送回路120の出力信号は、次段のデータ伝送回路120のフィードバック信号fbとして使用され、最終段のデータ伝送回路120の出力信号は、初段のデータ伝送回路120のフィードバック信号fbとして使用される。
【0109】
ここで、ラッチ回路110は、データ受信回路100と一対一に対応して配置され、ラッチ回路110は、当該ラッチ回路110に対応するデータ受信回路100によって出力される信号をラッチして出力するように構成される。
【0110】
いくつかの実施例において、データ受信回路100は、サンプリングクロック信号に応答してデータを受信し、データ受信システムは、縦続接続された4つのデータ受信回路100を備え、隣接する段のデータ受信回路100のサンプリングクロック信号clkNの位相差は90°である。これにより、サンプリングクロック信号clkNの周期は、データポートによって受信されるデータ信号DQの周期の2倍となり、クロック配線が容易になり、電力消費を節約することができる。
【0111】
留意されたいこととして、図2では、データ受信システムが、縦続接続された4つのデータ受信回路100を備え、隣接する段のデータ受信回路100のサンプリングクロック信号の位相差が90°であることを例として示しているが、実際の応用では、データ受信システムに含まれる、縦続接続されたデータ受信回路100の数は限定されず、隣接する段のデータ受信回路100のサンプリングクロック信号の位相差は、縦続接続されたデータ受信回路100の数に基づいて合理的に設定することができる。
【0112】
いくつかの実施例において、現段のデータ受信回路100の決定等化イネーブルモジュール103(図1を参照)は、前段のデータ受信回路100の第2増幅モジュール102の出力端子に接続され、前段のデータ受信回路100の第2増幅モジュール102によって出力される第1出力信号Vout及び第2出力信号VoutNは、後段のデータ受信回路100のフィードバック信号fbとして使用される。このように、データ受信回路100の出力は、ラッチ回路110を介さずに、次段のデータ伝送回路120に直接に伝達されるので、データの伝送遅延を短縮するのに有益である。
【0113】
別のいくつかの実施例において、現段のデータ受信回路100の決定等化イネーブルモジュール103は、前段のラッチ回路110の出力端子に接続され、前段のラッチ回路110によって出力される信号は、後段のデータ受信回路100のフィードバック信号fbとして使用される。
【0114】
まとめると、本願の別の実施例によるデータ受信システムは、決定等化イネーブルモジュール103を利用して、以前に受信したフィードバック信号fbを処理して、第2増幅モジュール102を制御できる制御信号fb controlを取得することにより、データ受信回路100によって受信されるデータの符号間干渉がデータ受信回路100に与える影響を考慮するか否かを選択することができる。それにより、データ受信回路100への符号間干渉の影響を低減する必要がある場合、決定等化イネーブルモジュール103を利用して制御信号fb controlを出力し、当該制御信号fb controlは、第2増幅モジュール102が第1信号対又は第2信号対のうち、レベル値の差がより大きい方を選択的に受信するように制御することができ、これにより、第2増幅モジュール102が受信する信号対が、信号レベル値の差がより大きい方の一対の差動信号であることを確保し、第2増幅モジュール102によって出力される第1出力信号Vout及び第2出力信号VoutNの精度を向上させることができ、そのため、データ受信システムの受信性能を向上させるのに有益である。データ受信回路100への符号間干渉の影響を考慮する必要がない場合、決定等化イネーブルモジュール103を利用して制御信号fb controlを出力し、当該制御信号fb controlは、第2増幅モジュール102が第1信号対又は第2信号対の一方を固定的に受信するように制御することができ、これにより、データ受信システムの電力消費を低減することができる。
【0115】
本発明の別の実施例は更に記憶装置を提供し、前記記憶装置は、複数のデータポートと、複数の、本願の別の実施例によるデータ受信システムと、を備え、各データ受信システムは、1つのデータポートに対応する。このようにして、記憶装置への符号間干渉の影響を低減する必要がある場合、記憶装置内の各データポートは、データ受信システムを介して、受信したデータ信号DQを柔軟的に調整することができ、これにより、第1出力信号Vout及び第2出力信号VoutNに対する調整能力を向上させ、記憶装置の受信性能を向上させることができる。記憶装置への符号間干渉の影響を考慮する必要がない場合、決定等化イネーブルモジュール103を利用して制御信号fb controlを出力することができ、当該制御信号fb controlは、第2増幅モジュール102が第1信号対又は第2信号対の一方を固定的に受信するように制御することができ、これにより、記憶装置の電力消費を低減することができる。
【0116】
いくつかの実施例において、記憶装置は、DDR4メモリ、DDR5メモリ、DDR6メモリ、LPDDR4メモリ、LPDDR5メモリ又はLPDDR6メモリなどのDDRメモリであってもよい。
【0117】
当業者なら理解できるように、上記の各実施形態は、本発明を実現するための特定の実施例であり、実際の応用では、本発明の実施例の趣旨及び範囲から逸脱することなく、その形式と詳細に種々な変更を加えることができる。当業者であれば、本発明の実施例の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変形および修正を行うことができ、したがって、本発明の実施例の保護範囲は、特許請求の範囲に従うものとする。
図1
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図7