(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】過負荷保護付き振り子式揺動ダンパ及びハイブリッドパワートレイン
(51)【国際特許分類】
F16F 15/14 20060101AFI20240814BHJP
F16D 3/12 20060101ALI20240814BHJP
F16F 15/134 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
F16F15/14 Z
F16D3/12 G
F16F15/134 A
(21)【出願番号】P 2022578597
(86)(22)【出願日】2021-07-05
(86)【国際出願番号】 DE2021100575
(87)【国際公開番号】W WO2022033622
(87)【国際公開日】2022-02-17
【審査請求日】2022-12-19
(31)【優先権主張番号】102020121387.5
(32)【優先日】2020-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102020127456.4
(32)【優先日】2020-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515009952
【氏名又は名称】シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler Technologies AG & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Industriestr. 1-3, 91074 Herzogenaurach, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ロート
(72)【発明者】
【氏名】エドゥアルト ヴァーグナー
(72)【発明者】
【氏名】バーラムルガン マノーハラン
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-516829(JP,A)
【文献】特開2012-237429(JP,A)
【文献】特開昭58-113636(JP,A)
【文献】特表2012-516981(JP,A)
【文献】特開2014-181785(JP,A)
【文献】特開2010-221862(JP,A)
【文献】実開昭62-080752(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2011/0283827(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102018108142(DE,A1)
【文献】独国特許出願公開第102014210685(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 15/14
F16D 3/12
F16F 15/134
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(21)のハイブリッドパワートレイン(20)用の振り子式揺動ダンパ(1)であって、一次コンポーネント(2)と、前記一次コンポーネント(2)に対して制限された程度まで回転可能である二次コンポーネント(3)と、前記一次コンポーネント(2)及び前記二次コンポーネント(3)に振り子式に懸架され、かつトルク伝達に使用される、少なくとも1つの揺動要素(9)と、を備え、前記少なくとも1つの揺動要素(9)が、転動するようにガイドトラック(7、8)内に受容される第1のローラ体(6)によって、前記一次コンポーネント(2)に連結されており、及び/又は同様に転動するようにガイドトラック(13、14)内に受容される第2のローラ体(12)によって、前記二次コンポーネント(3)に連結されており、前記少なくとも1つの揺動要素(9)が、少なくとも1つの圧縮ばね(52)によって弾性的に支持されている振り子式揺動ダンパ(1)であって、前記一次コンポーネント(2)及び前記二次コンポーネント(3)が、前記少なくとも1つの圧縮ばね(52)が指定された弾性ばね撓みによって変位した後に、周方向において互いに対して支持されるように、前記一次コンポーネント(2)に取り付けられたストップ(51)が、前記二次コンポーネント(3)に取り付けられたカウンタストップ(
53)と相互作用することを特徴とする、振り子式揺動ダンパ(1)。
【請求項2】
前記ストップ(51)が、半径方向内向きに突出するタブ(50)によって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の振り子式揺動ダンパ(1)。
【請求項3】
前記カウンタストップ(
53)を、前記二次コンポーネント(3)のフランジプレート(31)上に形成することができることを特徴とする、請求項1又は2に記載の振り子式揺動ダンパ(1)。
【請求項4】
前記フランジプレート(31)が、前記カウンタストップ(
53)が周方向において前記ストップ(51)に隣接して位置付けられるが、半径方向及び軸方向において前記ストップ(51)と同じレベルに位置付けられるようなやり方で配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の振り子式揺動ダンパ(1)。
【請求項5】
前記ストップ(51)が、少なくとも部分的に前記一次コンポーネント(2)も形成するマスリング(33)上に形成されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の振り子式揺動ダンパ(1)。
【請求項6】
前記ストップ(51)が、半径方向内向きに突出するタブ(50)によって形成され、前記ストップ(51)が、少なくとも部分的に前記一次コンポーネント(2)も形成するマスリング(33)上に形成され、前記マスリング(33)が、完全に周方向のリング領域(54)を有し、前記ストップ(51)を形成す
るタブ(50)が、前記リング領域(54)と一体的に形成されていることを特徴とする、請求項
1に記載の振り子式揺動ダンパ(1)。
【請求項7】
前記リング領域(54)に関連して、
凹部/貫通孔の形態で剛性を低減させる脆弱点(56)が、前記ストップ(51)と前記リング領域(54)との間の移行領域(55)内に導入されることを特徴とする、請求項6に記載の振り子式揺動ダンパ(1)。
【請求項8】
前記ストップ(51)が、周方向に連続するストップリング領域(58)上に配置されており、かつ前記ストップリング領域(58)が、有孔の移行領域(55)によって、前記一次コンポーネント(2)の少なくとも1つのリング要素(4)に更に接続されたリング領域(54)に連結されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の振り子式揺動ダンパ(1)。
【請求項9】
各々がストップ(51)に関連付けられている、複数のストップ(51)及び複数のカウンタストップ(
53)が、周方向に分散して配置されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の振り子式揺動ダンパ(1)。
【請求項10】
自動車(21)用のハイブリッドパワートレイン(20)であって、内燃エンジン(22)と、請求項1~9のいずれか一項に記載の振り子式揺動ダンパ(1)であって、前記振り子式揺動ダンパ(1)の前記一次コンポーネント(2)が、前記内燃エンジン(22)のクランクシャフト(23)に取り付けられている、振り子式揺動ダンパ(1)と、を有し、電気駆動機械(24)を有し、かつ前記内燃エンジン(22)と前記電気駆動機械(24)との間に動作可能に挿入された分離クラッチ(25)を有する、ハイブリッドパワートレイン(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗用車、トラック、バス、又は他の商用車などの自動車のハイブリッドパワートレイン用の振り子式揺動ダンパ(pendular rocker damper)に関し、一次コンポーネントと、一次コンポーネントに対して制限された程度まで回転可能である二次コンポーネントと、一次コンポーネント及び二次コンポーネントに振り子式に懸架され、かつトルク伝達に使用される、少なくとも1つの揺動要素と、を備える、振り子式揺動ダンパであって、少なくとも1つの揺動要素が、転動するようにガイドトラック内に受容された/装着された第1のローラ体によって一次コンポーネントに連結され(第1のローラ体が、一次コンポーネントのガイドトラック内及び少なくとも1つの揺動要素のガイドトラック内を転動するように装着され/受容されている)、及び/又は同様に転動するようにガイドトラック内に受容された/装着された第2のローラ体によって、二次コンポーネントに連結されており(第2のローラ体が、二次コンポーネントのガイドトラック内及び少なくとも1つの揺動要素のガイドトラック内を転動するように装着され/受容されている)、少なくとも1つの揺動要素が、少なくとも1つの圧縮ばねによって弾性的に支持されている、振り子式揺動ダンパに関する。更に、本発明は、上記の振り子式揺動ダンパを有する(ハイブリッド)自動車用のハイブリッドパワートレインに関する。
【0002】
本発明によれば、振り子式揺動ダンパとは、振り子式に受容される複数の揺動要素であって、パワートレインにおいて生じるねじり振動に対して減衰効果を有する動作中の運動を有する複数の揺動要素、を有する振動減衰装置を意味するものとして理解されるべきである。この振り子式揺動ダンパの少なくとも揺動要素は、一次コンポーネントと二次コンポーネントとの間のトルクフローにおいて(トルクが伝達するように)使用される。
【背景技術】
【0003】
問題のタイプの振り子式揺動ダンパは、先行技術において既に十分に知られている。例えば、国際公開第2018/215018号は、好ましくはクラッチのクラッチディスクに使用される、トルクリミッタを有するねじり振動ダンパを開示している。独国特許出願公開第102018108441号明細書及び独国特許出願公開第102015211899号明細書から、これに関して更なる先行技術も知られている。
【0004】
また、パワートレインの動作中の様々な状況は、通常の動作時よりもはるかに多くのトルクを振り子式揺動ダンパを介して伝達する必要があることを示している。この例としては、内燃エンジンの個々のシリンダの失火、又は自動車の制動中の摩擦係数の急上昇がある。伝達される速度及びトルクによっては、失火により、実際のエンジントルクの20倍の衝撃トルクが発生する可能性がある。しかしながら、衝撃トルクは、例えば自動車のタイヤの摩擦パートナーが制動中に変化する場合など、オーバラン動作中にも発生する可能性がある。これは、例えば、氷を含むアスファルトから氷を含まないアスファルトへの移行時に発生する。特に、内燃エンジンと電気モータとが固定的に連結されており、互いに分離できないパワートレインの場合、衝撃トルク全体が振り子式揺動ダンパに伝達される可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、動作中に発生する高いトルクピークを損傷することなく受容し、伝達するように設計された振り子式揺動ダンパを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、これは、少なくとも1つの圧縮ばねが指定された弾性ばね撓みだけ変位した後(好ましくは完全な弾性圧縮に達する前に)周方向/回転方向に、一次コンポーネント及び二次コンポーネントが互いに対して(より好ましくは互いに直接的に)支持されるように、一次コンポーネントに取り付けられたストップが二次コンポーネントに取り付けられたカウンタストップと相互作用することによって達成される。
【0007】
その結果、振り子式揺動ダンパには、設置スペースを節約するように振り子式揺動ダンパに組み込まれた、可能な限り最も堅牢な衝撃保護/過負荷保護が装備される。
【0008】
更なる有利な実施形態は、従属請求項とともに特許請求され、以下により詳細に説明される。
【0009】
したがって、ストップが半径方向内向きに突出するタブによって形成される場合も有利である。その結果、ストップは可能な限り多くの設置スペースを節約するように設計されている。このタブは、金属シート(スチールシート)から形成された(単一部品又は複数部品の)マスリング(mass ring)上に打ち抜き及び/又は曲げ加工によって形成されることが更に好ましい。その結果、ストップはまた効率よく製作することができる。
【0010】
更に、カウンタストップは、二次コンポーネントのフランジプレート上に形成されると好都合である。その結果、カウンタストップを、設置スペースを可能な限り節約するように設計することもできる。そのフランジプレートは、二次コンポーネントの出力フランジにリベット留めされることが更に好ましい。これにより、フランジプレートはまた、装着が容易である。
【0011】
(実質的にプレート状及び/又は半径方向に延在する)フランジプレートは、カウンタストップが周方向でストップに隣接して位置付けられるが、半径方向及び軸方向でストップと同じレベルで、可能な限り短い軸設計が達成されるようなやり方で、配置されている。
【0012】
ストップが、少なくとも部分的に一次コンポーネントも形成する(単一部品又は複数部品の)マスリング上に形成される場合も有利である。その結果、ストップを一次コンポーネントの既存の要素に巧みに組み込むことができる。
【0013】
この点で、マスリングが完全に周方向の/連続したリング領域を有する(又は代替的に、周方向に互いに隣接する複数のサブセグメントからなる)場合も好都合であり、ストップを形成するタブは、上記のリング領域(/サブセグメントを含む)と一体的に形成される。これにより、構造が更に簡素化される。
【0014】
リング領域に関連した剛性(ねじり剛性)を標的化された様態で低減させる脆弱点(好ましくは凹部/貫通孔の形態)が、ストップとリング領域との間の移行領域に導入される場合も有利である。これにより、過負荷保護の能力が更に向上する。
【0015】
したがって、ストップが連続的な周方向のストップリング領域(又は代替的に、周方向に互いに隣接する複数のサブセグメントからなる)に配置され、このストップリング領域が、有孔の移行領域によって一次コンポーネントの少なくとも1つのリング要素に更に接続されたリング領域に連結されている場合も好都合である。
【0016】
それぞれがストップに関連付けられた複数のストップ及び複数のカウンタストップが周方向に分散して配置される場合、過負荷保護は可能な限り堅牢になるように設計される。したがって、ストップを構成する複数のタブが、カウンタストップを構成する複数のばね板と周方向に交互に配置されると有利である。
【0017】
より好ましくは、一次コンポーネントは、リング要素(周方向に連続的/一体に設計されているか、又は周方向に互いに隣接する複数のサブセグメントからなるように設計されている)を有し、そのリング要素はその半径方向内側で、第1のローラ体と(転がり)接触する複数の(第1の)ガイドトラックを直接的に形成する。これにより、振り子式揺動ダンパの構造が更に簡素化される。
【0018】
この点で、第1のローラ体のうちの少なくとも1つが、振り子式揺動ダンパの振り子式に受容された揺動要素の(第2の)ガイドトラックと(転がり)接触する場合も好都合であることが判明した。
【0019】
更に、クランクシャフトにねじ止めされた一次コンポーネントの入力フランジにリング要素が固定されると有利である。これにより、振り子式揺動ダンパの設置が更に簡素化される。
【0020】
二次コンポーネントが出力フランジを有し、この出力フランジが、第2のローラ体と(転がり)接触する複数の(第4の)ガイドトラックを形成する場合も好都合であることが判明した。これにより、振り子式揺動ダンパの構造が更に簡素化されると同時に、可能な限り堅牢になるように設計される。
【0021】
更に、第2のローラ体のうちの少なくとも1つが、振り子式揺動ダンパの振り子式に受容された揺動要素の(第3の)ガイドトラックと(転がり)接触すると有利である。したがって、揺動要素は、好ましくは、少なくとも1つの第1のローラ体と接触する少なくとも1つの(第2の)ガイドトラックと、少なくとも1つの第2のローラ体と接触する更なる(第3の)ガイドトラックと、を有する。これにより、可能な限りコンパクトな構造を維持できる。
【0022】
代替的な実施形態では、揺動要素に2つの中間ストップが設けられ、そのうちの(揺動要素の)第1の中間ストップが一次コンポーネントのストップと相互作用する/それに直接接触することができ、(揺動要素の)第2の中間ストップが二次コンポーネントのカウンタストップと相互作用する/それに直接接触することができる場合も有利である。これにより、振り子式揺動ダンパの構造が簡素化され、存在するコンポーネントの数を低減し、振り子式揺動ダンパの軸方向の設計が更に短縮される。したがって、一次コンポーネント及び二次コンポーネントは、代替的に、互いに対して間接的に支持される。更に好ましくは、揺動要素の第2の中間ストップは、第1の中間ストップの半径方向内側に配置される。
【0023】
更に、本発明は、内燃エンジンと、本発明の前述の実施形態のうちの1つによる振り子式揺動ダンパと、を有する自動車用のハイブリッドパワートレインであって、振り子式揺動ダンパの一次コンポーネントが、内燃エンジンのクランクシャフトに取り付けられ、電気駆動機械を有し、かつ内燃エンジンと電気駆動機械との間に動作可能に挿入された分離クラッチを有する、振り子式揺動ダンパに関する。
【0024】
振り子式揺動ダンパは、分離クラッチが振り子式揺動ダンパの二次コンポーネントと電気駆動機械との間に配置される場合、特に効果的な方法で動作可能に挿入される。
【0025】
更に、本発明は、上述の実施形態のうちの少なくとも1つによるハイブリッドパワートレインを有する自動車に関し、クランクシャフトは、車両縦軸に対して横方向、好ましくは垂直、又は平行に配向される。
【0026】
換言すれば、本発明によれば、したがって、振り子式揺動ダンパには、衝撃保護が設けられている。したがって、振り子式揺動ダンパには、特にデュアルマスフライホイールの代替品として、圧縮ばねをこの高トルクから保護するために、異常なトルクピーク/衝撃に対する保護機能が設けられている。この目的のために、振り子式揺動ダンパは、対となるストップとストップフランジ(フランジプレート)を有するマスリングを有する。マスリングは一次マス(一次コンポーネント)の一部であり、圧縮ばねが移動してブロックする前に、衝撃が発生した場合にストップフランジにストップを提供する。ストップフランジは、二次マス(二次コンポーネント)に装着され、したがって一次マスに対して周方向に移動可能である。好ましい振り子式揺動ダンパでは、揺動プレート/振り子式揺動/揺動要素がトルクフロー内に位置し、振り子式揺動を互いにプレストレス(prestress)する(複数の圧縮ばねを有する)エネルギー蓄積器がトルクフローの外に位置する。しかしながら、原則として、更なる実施形態によれば、それぞれのエネルギー蓄積器をトルクフローの中に位置することも可能である。
【0027】
ここで、本発明は、図を参照してより詳細に説明され、その文脈において、様々な例示的な実施形態も示される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明によるハイブリッドパワートレインで使用することができる、本発明の第1の例示的な実施形態による振り子式揺動ダンパの正面図を示し、振り子式揺動ダンパは、図の左半分において、フランジプレートがカウンタストップとして機能し、図の右半分において、これらのフランジプレートがなく、既存の揺動要素がスプリングユニットに支持体によってはっきりと見えることが示されている。
【
図2】
図1による振り子式揺動ダンパの正面図を示し、一次コンポーネントと二次コンポーネントとの間に動作可能に挿入される摩擦装置を明らかにするために、出力フランジ及びそれに取り付けられたフランジプレートが隠れている。
【
図3】振り子式揺動ダンパの一次コンポーネントに関連付けられたマスリングの斜視図を示す。
【
図5】
図3及び4によるマスリングの縦断面図を示す。
【
図6】
図1による振り子式揺動ダンパの縦断面図を示す。
【
図8】
図1による振り子式揺動ダンパの縦断面図を示し、一次コンポーネントを揺動要素のうちの1つに連結する第1のローラ体も切断されるように断面が選択されている。
【
図9】振り子式揺動ダンパに使用される揺動要素の断面図を示し、2つの離間した揺動プレートを接続するリベット要素をより詳細に見ることができる。
【
図10】
図9で使用されるリベット要素の斜視図を示す。
【
図11】
図9による切断された揺動要素の斜視図を示す。
【
図12】摩擦装置に関連付けられた支持ディスクの斜視図を示す。
【
図13】本発明の第2の例示的な実施形態による振り子式揺動ダンパの正面図を示し、これは、マスリングの設計において第1の例示的な実施形態と実質的に異なる。
【
図17】
図8と同様の、第1の例示的な実施形態の振り子式揺動ダンパの縦断面図を示し、一次コンポーネントが、内燃エンジンの概略的に示されたクランクシャフトと共同回転するように接続されている。
【
図18】
図1~16のうちの1つによる振り子式揺動ダンパを備える、本発明によるハイブリッドパワートレインの正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図はその本質上、あくまでも概略的なものに過ぎず、それゆえ、本発明を理解するという目的のみのために意図されているものである。同一の要素には、同一の参照記号が付与されている。
【0030】
図18は、本発明によるハイブリッドパワートレイン20の基本構造を示している。このハイブリッドパワートレイン20は、
図1~16に示される2つの例示的な実施形態のうちの1つによる振り子式揺動ダンパ1を備える。ハイブリッドパワートレイン20は、
図18に部分的に示されている自動車21で使用される。ハイブリッドパワートレイン20は、自動車21の複数のホイール37を駆動するために使用され、これは図で見ることができる。
【0031】
ハイブリッドパワートレイン20はまた、クラッチ25、28a、及び28bを介してトランスミッション38に連結することができる、好ましくはガソリンエンジン又はディーゼルエンジンの形態の内燃エンジン22を有する。トランスミッション38は、好ましくは自動トランスミッションとして実装される。トランスミッション38は、2つのトランスミッション入力シャフト39a、39bの部分に、デュアルクラッチ装置を形成する2つのクラッチ28a、28bを有する。第1のトランスミッション入力シャフト39a(第1のクラッチ28aを介して)又は第2のトランスミッション入力シャフト39b(第2のクラッチ28bを介して)のいずれかを、これらの2つのクラッチ28a、28b(デュアルクラッチ装置のサブクラッチを形成する)によって中央キャリア27に連結することができる。
【0032】
キャリア27は、電気駆動機械24のロータ26に恒久的に回転可能に接続されている。この実施形態では、電気駆動機械24は、キャリア27と軸方向に平行に配置され、キャリア27は、内燃エンジン22のクランクシャフト23に対して同軸に配置される。クランクシャフト23は、回転軸として簡略化して示されている。この実施形態では、ロータ26は、ロータシャフト40に装着され、ロータシャフト40は、ギヤ段41(平ギヤ段)を介してキャリア27に恒久的に回転可能に連結される。
【0033】
キャリア27は、更に、分離クラッチ25の出力側(第2)のクラッチコンポーネント42bに接続されている。分離クラッチ25の入力側(第1)のクラッチコンポーネント42aは、振り子式揺動ダンパ1に連結されている。このようにして、振り子式揺動ダンパ1は、クランクシャフト23と分離クラッチ25/分離クラッチ25の第1のクラッチコンポーネント42aとの間に動作可能に挿入される。
【0034】
この点で、分離クラッチ25は、好ましくは摩擦クラッチとして設計されることに注意すべきである。第1及び第2のクラッチ28a、28bは、好ましくは摩擦クラッチとして設計され、より好ましくは摩擦プレートクラッチとして設計される。
【0035】
また、例えば、第1の例示的な実施形態の振り子式揺動ダンパ1の
図17に関連して見ることができるように、振り子式揺動ダンパ1の一次コンポーネント2は、クランクシャフト23に直接ねじ止めされる。一次コンポーネント2をクランクシャフト23に固定するためのねじは、明確にするために図示されていない。
【0036】
一次コンポーネント2に対して振動減衰された方法で受容される振り子式揺動ダンパ1の二次コンポーネント3は、第1のクラッチコンポーネント42aに恒久的に接続される。二次コンポーネント3は、好ましくは、中間シャフト43を介してこの第1のクラッチコンポーネント42aに接続される。
【0037】
図18で見ることができるように、ホイール37をハイブリッドパワートレイン20の駆動状態/動作状態で駆動させるために、ハイブリッドパワートレイン20のトランスミッション38は、出力側で差動装置段44を介して自動車21のホイール37に接続される。
【0038】
図1~16は、
図18で使用される振り子式揺動ダンパ1の2つの好ましい例示的な実施形態を示している。振り子式揺動ダンパ1の第1の例示的な実施形態が、
図1~12に示されており、振り子式揺動ダンパ1の第2の例示的な実施形態が、
図13~16に示されている。しかしながら、2つの例示的な実施形態は、それらの構造に関して実質的に同一であり、そのため、簡潔にするために、これら2つの例示的な実施形態の間の相違点のみが以下に説明される。
【0039】
この場合に使用される方向表示(軸方向、半径方向、及び周方向)は、動作中にクランクシャフト23に対して同軸に配向される振り子式揺動ダンパ1の中心回転軸59に関連することに留意されたい。したがって、軸方向(axially)/軸方向(axial direction)は、回転軸59に沿った/平行な方向として理解されるべきであり、半径方向(radially)/半径方向(radial direction)は、回転軸59に垂直な方向として理解されるべきであり、周方向は、回転軸59の周りを同心円状に走る想像上の円線に沿った方向として理解されるべきである。
【0040】
図6~8の第1の例示的な実施形態について最初に見ることができるように、振り子式揺動ダンパ1の一次コンポーネント2は、いくつかの部品で設計されている。一次コンポーネント2は、動作中にクランクシャフト23に直接ねじ止めされるディスク状の入力フランジ10を有する。入力フランジ10には、周方向に分散して配置され、円弧状に延在する複数(ここでは3つ)の凹部17が設けられている。以下でより詳細に説明されるばねユニット15は、これらの凹部17内に(軸方向に)突出している。
【0041】
更に、リング要素4は、入力フランジ10と共同回転するように接続されている。次に、このリング要素4は、以下でより詳細に説明するように、周方向に分散して配置された複数の揺動要素9と相互作用する。
【0042】
一次コンポーネント2はまた、歯45を有する伝達リング19を有する。その歯45は、回転速度を検出するために、より好ましくは一次コンポーネント2の回転角位置を検出するためにさえ、対応するセンサによって使用されるようなやり方で設計されている。
【0043】
この点で、歯45は必ずしも存在する必要はなく、また必ずしも伝達リング19の一部として設計される必要もないことに留意されたい。したがって、更なる実施形態では、伝達リング19を省略するか、マスリング33の一部として、又は更なる部品として設計すること、例えば、リング要素4及び/又はマスリング33よりも薄い材料で製作することができる。他の実施形態では、伝達リング19の代わりに/歯45の代わりに、伝達歯又は伝達輪郭の有無にかかわらずスタータリングギヤもある。
【0044】
更に、一次コンポーネント2は、以下でより詳細に説明する本発明によるマスリング33を有し、これは、ばねユニット15の過負荷保護に関して、二次コンポーネント3のストップ51を形成する。一次コンポーネント2のコンポーネント(入力フランジ10、リング要素4、伝達リング19、及びマスリング33)は、複数のリベットボルト46(
図6)を介して互いに接続される。更なる実施形態では、一次コンポーネント2のこれらのコンポーネントは、(リベットボルト46によって)リベットで留められる代わりに、代替的に全部又は少なくとも部分的に互いに溶接又は接着される。
【0045】
一次コンポーネント2は、周方向に分散して配置された複数の揺動要素9を介して二次コンポーネント3に連結され、限定された回転角度範囲で二次コンポーネントに対して回転可能である。揺動要素9はそれぞれ同じ設計である。
図7及び9~11に示すように、周方向に均一に分散して配置された3つの揺動要素9のそれぞれは、軸方向に離間した2つの揺動プレート34a、34bを有する。これらの2つの揺動プレート34a、34bは、好ましくは、同一部品として設計される。2つの揺動プレート34a、34bは、2つのリベット要素35を介して互いに接続される。
図10によれば、リベット要素35は、成形可能なシートメタルセグメントとして設計されている。これらのリベット要素35のリベット突起47は、それぞれの揺動プレート34a、34bを軸方向に貫通し、2つの揺動プレート34a、34bを相互に係合及び摩擦固定するために後側から形成されている。
【0046】
更なる実施形態では、リベット要素35は、代替的に、丸ボルトとして、又は従来のリベット/リベットボルトとしてさえも設計される。これは、第4のガイドトラック14を担持する出力フランジ11の領域が、それらの間で制限された範囲で依然として回転することができるように、揺動プレート34a、34bが、第3のガイドトラック13の領域で、揺動プレート34a及び34bが互いに離間されるようなやり方で形成される場合に、特に有利である。
【0047】
図8はまた、リング要素4が、周方向に分散して配置された複数の第1のローラ体6を介して揺動要素9に連結されていることを示している。リング要素4は、周方向に分散された複数の第1のガイドトラック7を有し、各ガイドトラック7は、転動可能に第1のローラ体6を受容する。第1のガイドトラック7は、リング要素4の半径方向内側5に導入されている。
【0048】
これに関連して、リング要素4は、更なる実施形態では、例えばより良い材料利用のためにセグメント化されており、したがってここでは完全に周方向に/一体になるようには設計されていないが、周方向に互いに隣り合って配置された複数のサブセグメントから構成されていることにも留意されたい。ローラトラックを担持するインサートの形態のサブセグメント(すなわち、それぞれが第1のガイドトラック7を担持する)が、一次コンポーネント2/リング要素4に固定される場合、有利であることが判明している。
【0049】
各第1のローラ体6はまた、揺動プレート34a、34bの半径方向外側に直接装着された第2のガイドトラック8と転がり接触している。各揺動プレート34a、34bに対して2つの第2のガイドトラック8が設けられており、軸方向に一致して配置された2つの第2のガイドトラック8は、いずれの場合も同じ第1のローラ体6を受容している。各揺動要素9に対して2つの第1のローラ体6がある。したがって、合計6つの第1のローラ体6がある。
【0050】
各揺動要素9はまた、更なる第2のローラ体12と転がり接触している。第2のローラ体12は、第1のローラ体6の半径方向内側に配置されている。第2のローラ体12は、揺動プレート34a、34bの第3のガイドトラック13と転がり接触している。更に、第2のローラ体12は、第4のガイドトラック14と転がり接触しており、第4のガイドトラック14は、二次コンポーネント3の出力フランジ11上に形成されている。
【0051】
その結果、2つのコンポーネント(一次コンポーネント2及び二次コンポーネント3)は、揺動要素9及び対応するローラ体6、12を介して互いに回転可能に連結されており、これら2つのコンポーネント2、3は、揺動要素9の位置に従って異なる相対回転位置に配置されている。第1のローラ体6は、一次コンポーネント2を揺動要素9に回転可能に連結している一方、第2のローラ体12は、揺動要素9を二次コンポーネント3に連結するために使用される。
【0052】
更に、(機械的)ばねユニット15の形態のエネルギー蓄積器が、互いに離間した揺動要素9の間で周方向に使用される。各ばねユニット15は、少なくとも1つの圧縮ばね52を有し、ここでは更に2つの圧縮ばね52を圧縮コイルばねの形態で有する。2つの圧縮ばね52は、動作可能に平行に挿入され、互いに同軸に入れ子/配置されている。
【0053】
したがって、3つのばねユニット15のそれぞれは、周方向に互いに隣り合って配置された2つの揺動要素9を、周方向に(それらの振り子運動において)互いに対して弾性的に支持する。
【0054】
この点で、使用されるばねユニット15は、したがって、一次コンポーネント2から二次コンポーネント3へのトルク伝達経路に沿って配置されないことに留意されたい。しかしながら、更なる実施形態では、上記のばねユニット15をトルクフロー中に配置し、その結果、トルク伝達のための揺動要素9上で、ばねユニット15を介して一次コンポーネント2及び/又は二次コンポーネント3を支持することも可能である。
【0055】
更なる実施形態では、利用可能な設置スペースの性質に応じて、任意選択で半径方向又は軸方向にオフセットされる2つの揺動要素9間のエネルギー蓄積器として、2つ以上のスプリングユニット15が使用されることにも留意されたい。
【0056】
更に、摩擦装置32が
図2、7及び12において見ることができ、これも振り子式揺動ダンパ1内で構成されている。この摩擦装置32は、とりわけ、支持ディスク36を有し、一次コンポーネント2と二次コンポーネント3との間の相対運動を減衰させるようなやり方で、一次コンポーネント2と二次コンポーネント3との間で作用する。
【0057】
図7では、二次コンポーネント3が、出力フランジ11に加えて、それにしっかりと接続されたハブ要素16を有することも見ることができる。ハブ要素16は、
図18によるハイブリッドパワートレイン20の分離クラッチ25につながる中間シャフト43に直接接続されている二次コンポーネント3の部分である。
【0058】
二次コンポーネント3はまた、周方向に分散して配置された複数のフランジプレート31を有し、フランジプレート31は、プレートの形態で半径方向に延在している。フランジプレート31は、出力フランジ11に取り付けられ、すなわちリベット止めされている。各フランジプレート31は、ストップ51と相互作用するカウンタストップ53を形成する。したがって、ばねユニット15/圧縮ばね52に対する本発明による過負荷保護は、以下でより詳細に説明するように、マスリング33とフランジプレート31との相互作用によって提供される。
【0059】
マスリング33は、再び
図3~5に詳細に示されるように、半径方向外側の完全に周方向リング領域54を有する。このリング領域54は、典型的には、一次コンポーネント2に、対応する遠心質量を与えるためにマス体を形成する。更なる実施形態では、マスリング33は、代替的に、周方向に互いに隣接する複数のサブセグメントから構成される。
【0060】
マスリング33は、その半径方向内側で、やはり完全に円周状の連続的なストップリング領域58を形成する。このストップリング領域58には、周方向に分散して配置された複数(ここでは3つ)のタブ50が半径方向内向きに突出している。第1の例示的な実施形態では、これらのタブ50には、原則として任意と見なすことができる窪み48が設けられている。タブ50は、周方向に均一に分散して配置されている。各タブ50は、1つの円周側に向かって少なくとも1つのストップ51を形成する。この例示的な実施形態では、互いに反対側に面する各タブ50の円周側はストップ51を形成するので、各タブ50は、合計2つのストップ51を有する。
【0061】
移行領域55は、(半径方向内側の)ストップリング領域58と、上記のストップリング領域58の半径方向外側に配置された(半径方向外側の)リング領域54との間に半径方向に実装されており、実質的にU字形/弓形に延在している。したがって、この移行領域55は、リング領域54又はストップリング領域58に対して軸方向に広がっている。
【0062】
更に、移行領域55は、その剛性、すなわちそのねじり剛性(周方向)に関して、リング領域54よりも弱くなるように特別に設計されていることが分かる。この目的のために、移行領域55には、周方向に分散して配置された複数の円周領域に脆弱点56が導入される。各脆弱点56は、具体的には凹部57として実装され、特にこの凹部57が設けられる。凹部57は、U字形に延在する移行領域55の半径方向内側、すなわちストップ51に半径方向に面する側に配置されていることも分かる。それぞれの凹部57は、移行領域55を貫通する貫通孔を形成する。その結果、ストップ51は、特定の弾性を介してリング領域54に対して意図的に連結されている。
【0063】
図6は、マスリング33が、リベット接続を形成するように、リベットボルト46によって、リング領域54に直接隣接する移行領域55の半径方向側で一次コンポーネント2の他のコンポーネントに接続されていることを特によく示している。リベットボルト46を受容するために、周方向に分散して配置された複数のリベット穴60がある。
【0064】
マスリング33は、有利には一体的に作られる。この目的のために、マスリング33は、好ましくは、金属シート/スチールシートから作られる。
【0065】
ストップ51とカウンタストップ53との相互作用について、
図1、7、及び8にて再度注目されたい。各フランジプレート31は、周方向で反対側に面するその2つの円周側にカウンタストップ53を形成するので、各フランジプレート31は、合計2つのカウンタストップ53を有する。
【0066】
フランジプレート31は、カウンタストップ53を形成するフランジプレート31の部分が、タブ50によって形成されたストップ51と半径方向及び軸方向の両方で同じ高さにあり、したがって、それらが周方向/回転方向接触することができるようなやり方で延在する。したがって、タブ50は、フランジプレート31のカウンタストップ53と接触することができる、標的化されたストップ51を形成する。ストップ51及びカウンタストップ53は、一次コンポーネント2が二次コンポーネント3に対して回転すると、圧縮ばね52が移動してブロックする前/完全に弾性的に圧縮される前に互いに接触するようなやり方で位置付けられている。
【0067】
代替的な実施形態では、揺動要素9に2つの中間ストップが設けられ、そのうちの揺動要素9の第1の中間ストップはストップ51と相互作用し/ストップ51と直接接触することができ、揺動要素9の第2の中間ストップはカウンタストップ53と相互作用し/カウンタストップ53と直接接触することができる。次いで、揺動要素9の第2の中間ストップは、第1の中間ストップの半径方向内側に位置付けされる。
【0068】
更に、ストップ51は、理論的には、連続的な周方向のストップリング領域58の代わりに、シートハブ/ハブ要素16に取り付けることもできる。
【0069】
フランジプレート31に関して、
図7はまた、各フランジプレート31が軸方向の(axial)/軸方向(axially)に広がった窪み30を形成し(カウンタストップ53を形成する部分に関して)、この窪み30の領域で出力フランジ11にリベット留めされていることを示している。更なる実施形態では、窪み30は、好ましくは、ここで実装されるようにフランジプレート31の中央ではなく、衝撃耐性を更に増加させるようにするために、リベット開口部の周りに局所的にのみ形成される。次いで、フランジプレート31は、スチール材DD12から作られることが好ましい。
【0070】
再度
図1で段階的に見ることができるように、フランジプレート31が窓49を形成する場合も好都合である。
【0071】
また、
図8に関連して、ハブ要素16が周方向に分散して配置された複数の(軸方向の)貫通孔18を有し、それら貫通孔18が、入力フランジ10をクランクシャフト23に取り付けるねじのねじ頭よりも大きくなるように寸法付けされるようなやり方で寸法付けられている場合、ハブ要素16に関して好都合であることも見ることもできる。
【0072】
図18に戻ると、ハイブリッドパワートレイン20は、好ましくは、クランクシャフト23、したがってクラッチ28a、28b及び分離クラッチ25を有するキャリア27も同軸に横方向に、すなわち、自動車21の車両縦軸29に対して垂直に、配置されるようなやり方で使用されることに留意されたい。しかしながら、更なる実施形態では、これらのコンポーネントはまた、車両縦軸29に対して縦方向/平行に配向される。
【0073】
最後に、
図13~16は、第2の例示的な実施形態を示している。ここで、フランジプレート31は、窓49なしで形成することもできる。更に、マスリング33は、第1の例示的な実施形態のように半径方向の凹部/窪み48を有する代わりに、半径方向内向きに突出するそのタブ50の側で一定の内径を有するように設計されている。各揺動要素9には4つのリベット要素35も設けられている。
【0074】
換言すれば、本発明によれば、減衰ユニット(振り子式揺動ダンパ1)は、振り子式揺動ダンパ又はクラッチディスクなどの圧縮ばね52をこの高トルクから保護するために、別個の衝撃保護機能を備えて実装される。これは、対のストップ51及びストップフランジ(フランジプレート31)を有するマスリング33を備えて実装される。内燃エンジン22とトランスミッション38との間の減衰ユニットとしても使用される振り子式揺動ダンパ1において必要な質量慣性モーメントを達成するために、マスリング33が使用され、マスリング33は、ストップ51がこのマスリング33上に意図的に設けられるという追加の機能が設けられている。したがって、マスリング33は、一次マス(一次コンポーネント2)の一部であり、圧縮ばね52が移動してブロックする前に、衝撃が発生した場合に、ストップフランジにストップ51を提供する。
【0075】
ストップフランジは、二次マス(二次コンポーネント3)に装着されており、このため、一次マスに対して周方向に相対的に移動する。伝達されるトルクに応じて、二次マスと一次マスとの間に特定のねじれ角がある。通常の動作中、ストップ51は接触しないので、トルクは、ストップフランジを介して伝達されない。しかしながら、実際のエンジントルクをはるかに超える衝撃が加わると、ねじれ角が大きくなりすぎて、ストップフランジがストップ51でマスリング33に対して移動するため、トルクはストップフランジを介して伝達され、圧縮ばね52は付勢されなくなる。直径が大きくなり、それによりトルクのレバーアームも大きくなればなるほど、可能な限り大きな直径にあるマスリング33が耐えなければならない周方向の力は小さくなる。
【0076】
より柔軟な接続を実現するために、マスリング33も応力が最適化されるように設計されている。マスリング33自体は閉じられており、一次マスの残りの部分に接続できるようにするためにリベット穴60を有する。したがって、リベット穴60及び閉じたリング(リング領域54)は、これらの点で大きな変形が生じないように、可能な限り剛性のユニットを形成する。ストップ51自体は、マスリング33上に露出しており、閉じたマスリング33に連続的に接続されていない。これは、ストップ51と閉じたリングとの間に凹部57があることを意味する。その結果、ストップ51は、閉じたリング及びリベットの領域と比較して、かなり柔軟に接続されている。したがって、衝撃トルクに耐えることができるように、ここでより大きな変形が生じ得る。
【符号の説明】
【0077】
1 振り子式揺動ダンパ
2 一次コンポーネント
3 二次コンポーネント
4 リング要素
5 内側
6 第1のローラ体
7 第1のガイドトラック
8 第2のガイドトラック
9 揺動要素
10 入力フランジ
11 出力フランジ
12 第2のローラ体
13 第3のガイドトラック
14 第4のガイドトラック
15 ばねユニット
16 ハブ要素
17 凹部
18 貫通孔
19 トランスミッションリング
20 ハイブリッドパワートレイン
21 自動車
22 内燃エンジン
23 クランクシャフト
24 電動駆動機械
25 分離クラッチ
26 ロータ
27 キャリア
28a 第1のクラッチ
28b 第2のクラッチ
29 車両縦軸
30 窪み
31 フランジプレート
32 駆動装置
33 マスリング
34a 第1の揺動プレート
34b 第2の揺動プレート
35 リベット要素
36 支持ディスク
37 ホイール
38 トランスミッション
39a 第1のトランスミッション入力シャフト
39b 第2のトランスミッション入力シャフト
40 ロータシャフト
41 ギヤ段
42a 第1のクラッチコンポーネント
42b 第2のクラッチコンポーネント
43 中間シャフト
44 差動装置段
45 歯
46 リベットボルト
47 リベット突起
48 窪み
49 窓
50 タブ
51 ストップ
52 圧縮ばね
53 カウンタストップ
54 リング領域
55 移行領域
56 脆弱点
57 凹部
58 ストップリング領域
59 回転軸
60 リベット穴