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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】需要側装置及び発電側装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/00 20060101AFI20240814BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20240814BHJP
   H02J 3/46 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
H02J3/00 170
H02J13/00 311R
H02J3/46
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023021684
(22)【出願日】2023-02-15
(62)【分割の表示】P 2019213976の分割
【原出願日】2019-11-27
(65)【公開番号】P2023071748
(43)【公開日】2023-05-23
【審査請求日】2023-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】中村 一尊
【審査官】大濱 伸也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/229895(WO,A1)
【文献】特開2005-210833(JP,A)
【文献】特開2005-065426(JP,A)
【文献】特開2002-345154(JP,A)
【文献】特開2017-211836(JP,A)
【文献】特開2006-166608(JP,A)
【文献】特開2013-118725(JP,A)
【文献】特開2017-163780(JP,A)
【文献】特開2009-085182(JP,A)
【文献】特開2007-267446(JP,A)
【文献】特開2018-169860(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00-5/00
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第三者エンティティによって管理される電力系統を介して、所定エンティティに属する発電施設から前記所定エンティティに属する需要施設に対して、前記発電施設から出力される電力を送電する自己託送を行う自己託送システムにおいて前記需要施設を管理する需要側装置であって、
前記需要側装置は、前記所定エンティティとして前記電力系統から調達する電力の値として想定される調達電力の計算値が対象時間において閾値を超えないように前記調達電力の計算値を監視する需要側制御部を備え、
前記調達電力の計算値は、前記電力系統から前記需要施設に供給される需要電力の実績値と前記発電施設から前記電力系統に出力される出力電力の計画値との差分である、需要側装置。
【請求項2】
第三者エンティティによって管理される電力系統を介して、所定エンティティに属する発電施設から前記所定エンティティに属する需要施設に対して、前記発電施設から出力される電力を送電する自己託送を行う自己託送システムにおいて前記発電施設を管理する発電側装置であって、
前記発電側装置は、前記所定エンティティとして前記電力系統から調達する電力の値として想定される調達電力の計算値が対象時間において閾値を超えないように、前記発電施設の出力電力の計画値を前記需要施設に割り当てる割当制御を実行する発電側制御部を備え
前記調達電力の計算値は、前記電力系統から前記需要施設に供給される需要電力の実績値と前記発電施設から前記電力系統に出力される出力電力の計画値との差分である、発電側装置。
【請求項3】
前記発電側制御部は、前記発電施設の出力電力の計画値から前記電力系統で生じる損失に相当する値を差し引いた上で前記割当制御を実行する、請求項2に記載の発電側装置。
【請求項4】
前記発電側制御部は、前記出力電力の実績値を前記出力電力の計画値に近づける出力電力制御を実行する、請求項2に記載の発電側装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己託送システム及び自己託送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、第三者エンティティによって管理される電力系統を介して、発電施設から需要施設に対して発電施設から出力される電力を送電する仕組み(以下、自己託送システム)が知られている。
【0003】
例えば、自己託送システムにおいて、需要施設において単位時間(例えば、30分)当たりの需要電力が閾値を超えないように、発電施設から電力系統に出力される出力電力を増大する技術(以下、ピークカット制御)が提案されている(例えば、特許文献1)。或いは、自己託送システムにおいて、買電コスト、託送コスト及び自己発電コストなどのコストを最小化するように、2以上の施設間で電力を融通する技術が提案されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-163780号公報
【文献】特開2017-211836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、ピークカット制御は、単位時間当たりの需要電力の実績値が閾値を超えないように、発電施設の出力電力の実績値を増大する制御である。しかしながら、出力電力の実績値及び需要電力の実績値は時々刻々と変化する値であるため、適切なピークカット制御を行うためには精緻な制御が必要とされる。一方で、発電施設及び需要施設が地理的に互いに離れていることから、出力電力の計画値と出力電力の実績値とを近づける制御が発電施設側に要求されることが想定される。
【0006】
発明者等は、上述した状況を鋭意検討した結果、ピークカット制御において出力電力の実績値を出力電力の計画値で置き換えても、実質的な問題が生じる可能性が低いという新たな知見を見出した。
【0007】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、発電施設から需要施設に対して電力系統を介して電力を送電する仕組みにおいて、適切なピークカット制御を容易に実現することを可能とする自己託送システム及び自己託送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の特徴に係る自己託送システムは、第三者エンティティによって管理される電力系統を介して、所定エンティティに属する発電施設から前記所定エンティティに属する需要施設に対して、前記発電施設から出力される電力を送電する自己託送を行うシステムである。前記自己託送システムは、前記発電施設を管理する発電側装置と、前記需要施設を管理する需要側装置と、を備える。前記需要側装置は、前記所定エンティティとして前記電力系統から調達する電力の値として想定される調達電力の計算値が対象時間において閾値を超えないように前記調達電力の計算値を監視する需要側制御部を備える。前記調達電力の計算値は、前記電力系統から前記需要施設に供給される需要電力の実績値と前記発電施設から前記電力系統に出力される出力電力の計画値との差分である。
【0009】
第2の特徴に係る自己託送方法は、第三者エンティティによって管理される電力系統を介して、所定エンティティに属する発電施設から前記所定エンティティに属する需要施設に対して、前記発電施設から出力される電力を送電する自己託送を行う方法である。前記自己託送方法は、前記需要施設を管理する需要側装置が、前記所定エンティティとして前記電力系統から調達する電力の値として想定される調達電力の計算値が対象時間において閾値を超えないように前記調達電力の計算値を監視するステップと、を備え、前記調達電力の計算値は、前記電力系統から前記需要施設に供給される需要電力の実績値と前記発電施設から前記電力系統に出力される出力電力の計画値との差分である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、発電施設から需要施設に対して電力系統を介して電力を送電する仕組みにおいて、適切なピークカット制御を容易に実現することを可能とする自己託送システム及び自己託送方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る自己託送システム100を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る発電側装置500を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る需要側装置600を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る割当制御を説明するための図である。
図5図5は、実施形態に係る割当制御を説明するための図である。
図6図6は、実施形態に係る第1メッセージを示す図である。
図7図7は、実施形態に係る第2メッセージを示す図である。
図8図8は、実施形態に係る自己託送方法を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る自己託送方法を示す図である。
図10図10は、変更例1に係る自己託送システム100を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下において、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものである。
【0013】
[実施形態]
(自己託送システム)
以下において、実施形態に係る自己託送システムについて説明する。図1に示すように、自己託送システム100は、発電施設200と、需要施設300と、施設400と、発電側装置500と、需要側装置600と、第三者サーバ700と、を有する。
【0014】
ここで、発電施設200及び需要施設300は、所定エンティティに属する。特に限定されるものではないが、所定エンティティは、地理的に離れた場所に2以上の施設を有するエンティティである。例えば、所定エンティティは、大規模な生産拠点を有する企業、大規模な商用施設を運営する企業(例えば、鉄道会社など)である。発電施設200及び需要施設300は、所定エンティティとは異なる第三者エンティティによって管理される電力系統20によって接続される。例えば、第三者エンティティは、基幹電力系統(図1では、電力系統20)を管理する電力会社などのエンティティであり、発電事業者であってもよく、送配電事業者であってもよい。第三者エンティティは、電力小売事業者であってもよい。さらに、発電施設200、需要施設300、施設400、発電側装置500、需要側装置600及び第三者サーバ700は、ネットワーク30によって接続される。特に限定されるものではないが、ネットワーク30は、インターネット網を含んでもよく、移動体通信網を含んでもよい。ネットワーク30は、VPN(Virtual Private Network)を含んでもよい。
【0015】
発電施設200は、所定エンティティに属する施設である。発電施設200は、電力線21を介して電力系統20と接続される。電力線21は、所定エンティティによって管理される電力線であってもよく、電力系統20の一部であってもよい。
【0016】
図1では、発電施設200として、発電施設200A及び発電施設200Bが例示されている。発電施設200A及び発電施設200Bは、地理的に離れた位置に設けられてもよい。発電施設200Aは、分散電源210Aと、PCS220Aと、EMS230Aと、を有する。発電施設200Bは、分散電源210Bと、PCS220Bと、EMS230Bと、を有する。発電施設200A及び発電施設200Bは同様の構成を有するため、以下においては、発電施設200A及び発電施設200Bを区別せずに発電施設200について説明する。
【0017】
発電施設200は、分散電源210と、PCS(Power Conditioning System)220と、EMS(Energy Management System)230と、を有する。分散電源210は、電力を出力する装置である。分散電源210は、再生可能エネルギーを利用して電力を出力する装置であってもよい。例えば、分散電源210は、太陽電池装置であってもよい。PCS220は、分散電源210から出力される直流電力を交流電力に変換する電力調整装置である。EMS230は、発電施設200の電力を管理する。EMS230は、クラウドサービスによって提供されてもよい。EMS230は、少なくとも発電側装置500と通信を行う機能を有する。
【0018】
ここで、発電施設200は、発電施設200から出力される電力を計測するスマートメータを有していてもよい。スマートメータは、発電側装置500と通信を行う機能を有していてもよい。
【0019】
需要施設300は、発電施設200と同様に所定エンティティに属する施設である。実施形態では、2以上の需要施設300が設けられていてもよい。需要施設300は、電力線22を介して電力系統20と接続される。電力線22は、所定エンティティによって管理される電力線であってもよく、電力系統20の一部であってもよい。
【0020】
需要施設300は、負荷310と、EMS320と、を有する。負荷310は、電力系統20から供給される電力を消費する。例えば、需要施設300が生産拠点である場合には、負荷310は、生産設備を含んでもよい。需要施設300が商用施設である場合には、負荷310は、エアーコンディショナー、照明機器などを含んでもよい。EMS320は、需要施設300の電力を管理する。EMS320は、クラウドサービスによって提供されてもよい。EMS320は、少なくとも需要側装置600と通信を行う機能を有する。
【0021】
ここで、需要施設300は、電力系統20から需要施設300に供給される電力を計測するスマートメータを有していてもよい。スマートメータは、需要側装置600と通信を行う機能を有していてもよい。
【0022】
施設400は、需要側装置600によって管理される施設である。施設400は、上述した所定エンティティとは異なるエンティティに属する。施設400は、電力系統20から供給される電力を消費する負荷を有する。例えば、負荷は、エアーコンディショナー、照明機器などを含んでもよい。
【0023】
ここで、施設400は、電力系統20から施設400に供給される電力を計測するスマートメータを有していてもよい。スマートメータは、需要側装置600と通信を行う機能を有していてもよい。
【0024】
発電側装置500は、発電施設200を管理する装置である。発電側装置500は、発電施設200に設けられる分散電源210を管理してもよく、発電施設200に設けられるPCS220を管理してもよい。発電側装置500を管理するエンティティは、所定エンティティ及び第三者エンティティと異なってもよい。例えば、発電側装置500は、分散電源210の運転状態を監視する保守サーバであってもよい。発電側装置500の詳細については後述する(図2を参照)。
【0025】
需要側装置600は、需要施設300及び施設400(以下、施設群と称することもある)を管理する装置である。需要側装置600を管理するエンティティは、所定エンティティ及び第三者エンティティと異なってもよい。このようなエンティティは、小売事業者であってもよく、リソースアグリゲータなどの事業者であってもよい。このようなエンティティは、発電事業者であってもよく、送配電事業者であってもよい。需要側装置600の詳細については後述する(図3を参照)。
【0026】
第三者サーバ700は、自己託送に関連する様々な事項の確認を行うサーバである。自己託送とは、発電施設200から需要施設300に対して、電力系統20を介して、発電施設200から出力される電力を送電する仕組みである。第三者サーバ700を管理するエンティティは、所定エンティティ及び第三者エンティティと異なってもよい。例えば、このようなエンティティは、電力広域的運営推進機関であってもよい。第三者サーバ700は、送配電事業者であってもよく、電力小売事業者であってもよい。例えば、第三者サーバ700は、以下の点について確認する。
【0027】
第1に、第三者サーバ700は、発電施設200から出力される電力(ここでは、自己託送によって送電される電力と同義)の出力計画値と発電施設200から出力される電力の出力実績値との差異を確認してもよい。出力計画値及び出力実績値は、単位時間(例えば、30分)毎に集計される。出力計画値と出力実績値との差異が許容閾値を超える場合に、所定エンティティにペナルティが課されてもよい。出力計画値と出力実績値との差異が許容閾値を超えない場合に、所定エンティティにインセンティブが付されてもよい。ペナルティ及びインセンティブは、金銭的なものであってもよい。
【0028】
第2に、第三者サーバ700は、需要側装置600によって管理される施設群に対して電力系統20から供給される電力の総需要計画値と施設群に対して電力系統20から供給される電力の総需要実績値との差異を確認してもよい。総需要計画値及び総需要実績値は、単位時間(例えば、30分)毎に集計される。総需要計画値と総需要実績値との差異が許容閾値を超える場合に、所定需要側装置600を管理するエンティティにペナルティが課されてもよい。総需要計画値と総需要実績値との差異が許容閾値を超えない場合に、需要側装置600を管理するエンティティにインセンティブが付されてもよい。ペナルティ及びインセンティブは、金銭的なものであってもよい。
【0029】
第3に、第三者サーバ700は、需要側装置600によって管理される施設群に対して電力系統20から調達される総調達計画値と施設群に電力系統20から調達される電力の総調達実績値との差異を確認してもよい。総調達計画値及び総調達実績値は、単位時間(例えば、30分)毎に集計される。総調達計画値と総調達実績値との差異が許容閾値を超える場合に、需要側装置600を管理するエンティティにペナルティが課されてもよい。総調達計画値と総調達実績値との差異が許容閾値を超えない場合に、需要側装置600を管理するエンティティにインセンティブが付されてもよい。ペナルティ及びインセンティブは、金銭的なものであってもよい。
【0030】
ここで、総調達計画値は、総需要計画値から出力計画値を除いた値である。総調達実績値は、総需要実績値から出力実績値を除いた値である。或いは、総調達実績値は、総需要実績値から出力計画値を除いた値であってもよい。なお、総調達計画値は、発電施設200から需要施設300への送電ロスを考慮して補正された値であってもよい。或いは、出力計画値は、発電施設200から需要施設300への送電ロスを考慮して補正された値であってもよい。同様に、総調達実績値は、発電施設200から需要施設300への送電ロスを考慮して補正された値であってもよい。或いは、出力実績値は、発電施設200から需要施設300への送電ロスを考慮して補正された値であってもよい。送電ロスの考慮とは、計画値又は実績値から送電ロスに相当する値を減算することである。
【0031】
第4に、第三者サーバ700は、需要施設300を対象として、調達計画値と調達実績値との差異を確認してもよい。調達計画値及び調達実績値は、単位時間(例えば、30分)毎に集計される。調達計画値と調達実績値との差異が許容閾値を超える場合に、所定エンティティにペナルティが課されてもよい。調達計画値と調達実績値との差異が許容閾値を超えない場合に、所定エンティティにインセンティブが付されてもよい。ペナルティ及びインセンティブは、金銭的なものであってもよい。
【0032】
ここで、調達計画値は、需要施設300に電力系統20から供給される電力の需要計画値から出力計画値を除いた値である。調達実績値は、需要施設300に電力系統20から供給される電力の需要実績値から出力実績値を除いた値である。
【0033】
特に限定されるものではないが、発電施設200内の通信は、第1プロトコルに従って行われてもよい。第1プロトコルとしては、ECHONET Lite(登録商標)に準拠するプロトコル、SEP(Smart Energy Profile)2.0、KNX、或いは、独自の専用プロトコルを用いることができる。発電施設200と発電側装置500との間の通信は、第1プロトコルとは異なる第2プロトコルに従って行われてもよい。第2プロトコルとしては、Open ADR(Automated Demand Response)に準拠するプロトコル、或いは、独自の専用プロトコルを用いることができる。
【0034】
需要施設300内の通信は、第1プロトコルに従って行われてもよい。第1プロトコルとしては、ECHONET Lite(登録商標)に準拠するプロトコル、SEP2.0、KNX、或いは、独自の専用プロトコルを用いることができる。需要施設300と需要側装置600との間の通信は、第1プロトコルとは異なる第2プロトコルに従って行われてもよい。第2プロトコルとしては、Open ADRに準拠するプロトコル、或いは、独自の専用プロトコルを用いることができる。
【0035】
発電側装置500と需要側装置600との間の通信、発電側装置500と第三者サーバ700との間の通信、需要側装置600と第三者サーバ700との間の通信は、第2プロトコルに従って行われてもよい。
【0036】
実施形態では、このような背景下において、発電施設200から需要施設300に対する自己託送を前提として、需要施設300のピークカット制御を実行する仕組みが提供される。ピークカット制御とは、対象時間において電力系統20から需要施設300に供給される需要電力を閾値以下に抑制する制御である。対象時間は、出力計画値及び需要計画値の策定対象である所定期間に含まれる単位時間(例えば、30分)である。所定期間は、1日であってもよく、1週間であってもよく、1ヶ月であってもよく、1年であってもよい。調達電力は、需要電力から出力電力を差し引いた電力である。ピークカット制御で用いる閾値は、上述した許容閾値と異なる概念であることに留意すべきである。
【0037】
ここで、発明者等は、鋭意検討の結果、出力計画値と出力実績値とを近づける制御が発電施設200側に要求される点に着目し、ピークカット制御において出力電力の実績値を出力電力の計画値で置き換えても、実質的な問題が生じる可能性が低いという新たな知見を見出した。実施形態では、このような新たな知見に基づいて、ピークカット制御で監視すべき需要電力を調達電力の計算値で代替する。調達電力の計算値は、需要電力の実績値(上述した需要実績値)と出力電力の計画値(上述した出力計画値)との差分である。
【0038】
このようなケースにおいて、需要側装置600は、調達電力の計算値が対象時間において閾値を超えないように、調達電力の計算値を監視する。出力計画値は予め決められているため、調達電力の計算値は、時々刻々と変化する需要実績値(又は、需要見込値)に影響される。従って、調達電力の計算値の監視については、需要実績値(又は、需要見込値)の監視と考えてもよい。
【0039】
例えば、需要施設300が1つである場合には、1以上の発電施設200の出力計画値の一部又は全てが1つの需要施設300に割り当てられる。需要施設300が2以上である場合には、1以上の発電施設200の出力計画値の一部又は全てが2以上の需要施設300のそれぞれに割り当てられる。
【0040】
(発電側装置)
以下において、実施形態に係る発電側装置について説明する。図2に示すように、発電側装置500は、通信部510と、管理部520と、制御部530と、を有する。
【0041】
通信部510は、通信モジュールによって構成される。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n、ZigBee、Wi-SUN、LTE、5Gなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
【0042】
通信部510は、単位時間毎に集計された出力計画値を発電施設200から受信する。出力計画値は、所定期間を対象とする出力計画値であってもよい。所定期間は、1日であってもよく、1週間であってもよく、1ヶ月であってもよく、1年であってもよい。例えば、所定期間が1日である場合に、通信部510は、n日目の出力計画値をn-1日目以前のいずれかのタイミングで受信する。
【0043】
通信部510は、単位時間毎に集計された出力実績値を発電施設200から受信してもよい。出力実績値は、所定期間を対象とする出力実績値であってもよい。所定期間は、1日であってもよく、1週間であってもよく、1ヶ月であってもよく、1年であってもよい。例えば、所定期間が1日である場合に、通信部510は、n日目の出力実績値をn+1日目以降のいずれかのタイミングで受信する。
【0044】
通信部510は、発電施設200から出力される電力の出力計測値を発電施設200から受信してもよい。このようなケースにおいて、出力実績値は、出力計測値を単位時間毎に集計することによって得られる。通信部510は、単位時間よりも短い時間間隔(例えば、1分)で出力計測値を受信してもよい。
【0045】
通信部510は、単位時間毎に集計された出力計画値を第三者サーバ700に送信する。通信部510は、単位時間毎に集計された出力計画値を需要側装置600に送信する。例えば、所定期間が1日である場合に、通信部510は、n日目の出力計画値をn-1日目以前のいずれかのタイミングで送信する。
【0046】
通信部510は、単位時間毎に集計された出力実績値を第三者サーバ700に送信する。通信部510は、単位時間毎に集計された出力実績値を需要側装置600に送信してもよい。例えば、所定期間が1日である場合に、通信部510は、n日目の出力実績値をn+1日目以降のいずれかのタイミングで送信する。
【0047】
以下においては、自己託送を目的として発電施設200から電力系統20に出力される電力に関する第1電力情報要素を含むメッセージを第1メッセージと称する。第1メッセージは、発電側装置500から需要側装置600に送信されるメッセージである。第1メッセージは、上述した出力計画値を少なくとも含む。第1メッセージは、出力計測値及び出力実績値の少なくともいずれか1つを示す情報要素を含んでもよい。第1メッセージの詳細については後述する(図6)。
【0048】
通信部510は、分散電源210の運転状態を発電施設200から受信してもよい。運転状態は、分散電源210の出力電力及びPCS220の出力電力の少なくともいずれか1つを含んでもよい。運転状態は、分散電源210が正常に運転しているか否かを示す情報を含んでもよく、PCS220が正常に運転しているか否かを示す情報を含んでもよい。
【0049】
管理部520は、不揮発性メモリなどのメモリ又は/及びHDD(Hard disc drive)などの記憶媒体によって構成されており、様々な情報を格納する。
【0050】
管理部520は、出力計画値及び出力実績値を管理する。管理部520は、出力計測値及び出力見込値を管理してもよい。出力見込値は、単位時間の満了時点において想定される出力実績値(見込値)である。管理部520は、分散電源210の運転状態を管理してもよい。
【0051】
制御部530は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)によって構成されてもよく、通信可能に接続された複数の回路(集積回路及び又はディスクリート回路(discrete circuits)など)によって構成されてもよい。
【0052】
制御部530は、発電側装置500を構成する要素を制御する。例えば、制御部530は、出力計画値及び出力実績値の送信を通信部510に指示する。制御部530は、単位時間の満了時点において出力実績値が出力計画値から乖離すると想定される場合に、出力実績値を出力計画値に近づける出力電力制御を実行してもよい。このような出力電力制御は、PCS220の出力電力を増大又は減少する制御を含んでもよい。
【0053】
ここで、制御部530は、単位時間の満了時点において出力実績値が出力計画値から乖離するか否かを出力見込値に基づいて判定してもよい。制御部530は、単位時間における出力計測値の推移に基づいて出力見込値を推定してもよい。制御部530は、出力計測値の線形予測によって出力見込値を推定してもよい。制御部530は、出力計測値と属性との相関関係の機械学習によって出力見込値を推定してもよい。属性は、時間帯、曜日、季節、天候(日射量、気温、湿度など)を含んでもよい。
【0054】
実施形態では、制御部530は、2以上の需要施設300が設けられるケースにおいて、2以上の需要施設300のそれぞれにおいて調達電力の計算値が対象時間において閾値を超えないように、出力計画値を2以上の需要施設300のそれぞれに割り当てる割当制御を実行してもよい。制御部530は、2以上の発電施設200が設けられるケースにおいて、割当制御において、2以上の発電施設200のそれぞれの出力計画値を2以上の需要施設300のそれぞれに割り当ててもよい。このような割当制御において、制御部530は、対象時間よりも前において、2以上の需要施設300のそれぞれの需要計画値に基づいて割当制御を実行してもよい。言い換えると、割当制御の実行タイミングは、出力計画値及び需要計画値の策定タイミング後であり、出力計画値及び需要計画値の策定対象である所定期間の開始前である。
【0055】
(需要側装置)
以下において、実施形態に係る需要側装置について説明する。図3に示すように、需要側装置600は、通信部610と、管理部620と、制御部630と、を有する。
【0056】
通信部610は、通信モジュールによって構成される。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n、ZigBee、Wi-SUN、LTE、5Gなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
【0057】
通信部610は、施設群に含まれる施設(需要施設300及び施設400)のそれぞれに電力系統から供給される電力の需要計画値を施設群に含まれる施設のそれぞれから受信してもよい。需要計画値は、単位時間毎に集計されていてもよい。需要計画値は、所定期間を対象とする需要計画値であってもよい。所定期間は、1日であってもよく、1週間であってもよく、1ヶ月であってもよく、1年であってもよい。例えば、所定期間が1日である場合に、通信部610は、n日目の需要計画値をn-1日目以前のいずれかのタイミングで受信する。
【0058】
通信部610は、施設群に含まれる施設のそれぞれに電力系統から供給される電力の需要実績値を施設群のそれぞれから受信する。需要実績値は、単位時間毎に集計されていてもよい。需要実績値は、所定期間を対象とする需要実績値であってもよい。所定期間は、1日であってもよく、1週間であってもよく、1ヶ月であってもよく、1年であってもよい。例えば、所定期間が1日である場合に、通信部610は、n日目の需要実績値をn+1日目以降のいずれかのタイミングで受信する。
【0059】
通信部610は、施設群について総需要計測値を施設群から受信してもよい。このようなケースにおいて、総需要実績値は、総需要計測値を単位時間毎に集計することによって得られる。通信部510は、単位時間よりも短い時間間隔(例えば、1分)で需要計測値を受信してもよい。
【0060】
通信部610は、需要施設300について需要計測値を需要施設300から受信してもよい。このようなケースにおいて、需要実績値は、需要計測値を単位時間毎に集計することによって得られる。通信部510は、単位時間よりも短い時間間隔(例えば、1分)で需要計測値を受信してもよい。
【0061】
以下においては、自己託送を目的として需要施設300から電力系統20に出力される電力に関する第2電力情報要素を含むメッセージを第2メッセージと称する。第2メッセージは、需要側装置600から発電側装置500に送信されるメッセージである。第2メッセージは、上述した需要計画値を少なくとも含む。第2メッセージは、需要計測値及び需要実績値の少なくともいずれか1つを示す情報要素を含んでもよい。第2メッセージの詳細については後述する(図7)。
【0062】
通信部610は、単位時間毎に集計された施設群の総調達計画値を第三者サーバ700に送信する。総調達計画値は、所定期間を対象とする総調達計画値であってもよい。所定期間は、1日であってもよく、1週間であってもよく、1ヶ月であってもよく、1年であってもよい。例えば、所定期間が1日である場合に、通信部610は、n日目の総調達計画値をn-1日目以前のいずれかのタイミングで送信する。
【0063】
通信部610は、単位時間毎に集計された施設群の総調達実績値を第三者サーバ700に送信する。例えば、所定期間が1日である場合に、総調達計画値は、所定期間を対象とする総調達計画値であってもよい。所定期間は、1日であってもよく、1週間であってもよく、1ヶ月であってもよく、1年であってもよい。例えば、所定期間が1日である場合に、通信部610は、n日目の総調達実績値をn+1日目以降のいずれかのタイミングで送信する。
【0064】
通信部610は、単位時間毎に集計された需要施設300の調達計画値を第三者サーバ700に送信する。例えば、所定期間が1日である場合に、通信部610は、n日目の調達計画値をn-1日目以前のいずれかのタイミングで送信する。
【0065】
通信部610は、単位時間毎に集計された需要施設300の調達実績値を第三者サーバ700に送信する。例えば、所定期間が1日である場合に、通信部610は、n日目の調達実績値をn+1日目以降のいずれかのタイミングで送信する。
【0066】
通信部610は、単位時間毎に集計された施設群の総需要計画値を第三者サーバ700に送信してもよい。例えば、所定期間が1日である場合に、通信部610は、n日目の総需要計画値をn-1日目以前のいずれかのタイミングで送信する。
【0067】
通信部610は、単位時間毎に集計された施設群の総需要実績値を第三者サーバ700に送信してもよい。例えば、所定期間が1日である場合に、通信部610は、n日目の総需要実績値をn+1日目以降のいずれかのタイミングで送信する。
【0068】
通信部610は、負荷310の運転状態を需要施設300から受信してもよい。通信部610は、施設400に設けられる負荷310の運転状態を施設400から受信してもよい。運転状態は、負荷310の消費電力を含んでもよい。運転状態は、負荷310が正常に運転しているか否かを示す情報を含んでもよい。
【0069】
管理部620は、不揮発性メモリなどのメモリ又は/及びHDD(Hard disc drive)などの記憶媒体によって構成されており、様々な情報を格納する。
【0070】
管理部620は、施設群について総調達計画値及び総調達実績値を管理する。管理部620は、需要施設300について調達計画値及び調達実績値を管理してもよい。管理部620は、施設群について総需要計画値及び総需要実績値を管理してもよい。管理部620は、需要施設300について需要計画値及び需要実績値を管理してもよい。管理部620は、総需要計測値、総需要見込値、需要計測値及び需要見込値を管理してもよい。総需要見込値は、単位時間の満了時点において想定される総需要実績値(見込値)である。需要見込値は、単位時間の満了時点において想定される需要実績値(見込値)である。管理部620は、負荷310の運転状態を管理してもよい。
【0071】
制御部630は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)によって構成されてもよく、通信可能に接続された複数の回路(集積回路及び又はディスクリート回路(discrete circuits)など)によって構成されてもよい。
【0072】
制御部630は、需要側装置600を構成する要素を制御する。例えば、制御部630は、施設群について総調達計画値及び総調達実績値の送信を通信部610に指示する。制御部630は、需要施設300について調達計画値及び調達実績値の送信を通信部610に指示してもよい。
【0073】
制御部630は、総需要計画値及び総需要実績値の送信を通信部510に指示してもよい。制御部630は、単位時間の満了時点において総需要実績値が総需要計画値から乖離すると想定される場合に、総需要実績値を総需要計画値に近づける制御を実行してもよい。このような制御は、施設400に設けられる負荷の消費電力を増大又は減少する制御を含んでもよい。
【0074】
ここで、制御部630は、単位時間の満了時点において総需要実績値が総需要計画値から乖離するか否かを総需要見込値に基づいて判定してもよい。制御部630は、単位時間における総需要計測値の推移に基づいて総需要見込値を推定してもよい。制御部630は、総需要計測値の線形予測によって総需要見込値を推定してもよい。制御部630は、総需要計測値と属性との相関関係の機械学習によって総需要見込値を推定してもよい。属性は、時間帯、曜日、季節を含んでもよい。
【0075】
同様に、制御部630は、需要計画値及び需要実績値の送信を通信部510に指示してもよい。制御部630は、単位時間の満了時点において需要実績値が需要計画値から乖離すると想定される場合に、需要実績値を需要計画値に近づける制御を実行してもよい。このような制御は、負荷310の消費電力を増大又は減少する制御を含んでもよい。
【0076】
ここで、制御部630は、単位時間の満了時点において需要実績値が需要計画値から乖離するか否かを需要見込値に基づいて判定してもよい。制御部630は、単位時間における需要計測値の推移に基づいて需要見込値を推定してもよい。制御部630は、需要計測値の線形予測によって需要見込値を推定してもよい。制御部630は、需要計測値と属性との相関関係の機械学習によって需要見込値を推定してもよい。属性は、時間帯、曜日、季節を含んでもよい。
【0077】
実施形態では、制御部630は、所定エンティティとして電力系統20から調達する電力の値として想定される調達電力の計算値が対象時間において閾値を超えないように調達電力の計算値を監視する。上述したように、調達電力の計算値は、需要実績値と出力計画値との差分である。2以上の需要施設300が設けられる場合には、制御部630は、上述した監視を需要施設300毎に実行する。
【0078】
さらに、制御部630は、調達電力の計算値が対象時間において閾値を超えないように、対象時間において需要電力を制御する需要電力制御を実行してもよい。上述したように、調達電力の計算値は、需要実績値と出力計画値との差分である。従って、需要実績値から出力計画値を除いた調達電力の計算値が対象時間の満了時点で閾値を超えると想定される場合には、調達電力の計算値を減少する必要がある。このような需要電力制御は、需要施設300に設けられる負荷の消費電力の制御を含む。2以上の需要施設300が設けられる場合には、制御部630は、需要電力制御を需要施設300毎に実行する。
【0079】
ここで、調達電力の計算値が対象時間において閾値を超えないように出力計画値が割り当てられるケースを想定すると、需要実績値が需要計画値と一致していれば、調達電力の計算値が閾値を超えることがない。従って、需要実績値を需要計画値に近づける制御は、需要電力制御の一例と考えてもよい。
【0080】
上述した調達電力の計算値の監視及び需要電力制御は、上述したピークカット制御の一例である。
【0081】
(割当制御)
以下において、実施形態に係る割当制御について説明する。ここでは、発電施設200として発電施設A及び発電施設Bが設けられており、需要施設300として需要施設A及び需要施設Bが設けられるケースを例示する。
【0082】
このようなケースにおいて、需要施設A及び需要施設Bの需要計画値が図4に示す値である状況について考える。
【0083】
図4に示すように、需要施設Aについては、単位時間N及び単位時間N+1において需要計画値が閾値を大幅に超えており、単位時間N+2において需要計画値が閾値を少し超えている。従って、需要施設Aについて、調達電力の計算値が閾値を超えない状況を実現するには、単位時間N及び単位時間N+1において出力計画値として大きな値を割り当てる必要があり、単位時間N+2において出力計画値として小さな値を割り当てればよい。
【0084】
一方で、需要施設Bについては、単位時間Nにおいて需要計画値が閾値を下回っており、単位時間N+1において需要計画値が閾値を少し超えており、単位時間N+2において需要計画値が閾値を大幅に超えている。従って、需要施設Bについて、調達電力の計算値が閾値を超えない状況を実現するには、単位時間Nにおいて出力計画値を割り当てる必要がなく、単位時間N+1において出力計画値として小さな値を割り当てればよく、単位時間N+2において出力計画値として大きな値を割り当てる必要がある。
【0085】
ここで、発電側装置500は、図4に示す需要計画値に基づいて割当制御を実行する。上述したように、割当制御は、2以上の需要施設300のそれぞれにおいて調達電力の計算値が対象時間において閾値を超えないように、出力計画値を2以上の需要施設のそれぞれに割り当てる制御である。
【0086】
例えば、図5に示すように、発電側装置500は、単位時間N及び単位時間N+1において、発電施設Aの出力計画値の全て及び発電施設Bの出力計画値の一部を需要施設Aに割り当て、発電施設Bの出力計画値の残りを需要施設Bに割り当てる。一方で、発電側装置500は、単位時間+2において、発電施設Aの出力計画値の一部及び発電施設Bの出力計画値の全てを需要施設Bに割り当て、発電施設Aの出力計画値の残りを需要施設Aに割り当てる。
【0087】
図5では、割当制御の一例を説明しているに過ぎない。2以上の需要施設300のそれぞれにおいて調達電力の計算値が対象時間において閾値を超えないように割当制御が実行されればよい。例えば、単位時間Nにおいては、需要施設Bの調達電力の計算値が閾値を超えていないため、需要施設Bに出力計画値を割り当てなくてもよい。
【0088】
さらには、発電施設の出力計画値の全てがいずれかの需要施設に割り当てられる必要がなく、調達電力の計算値が閾値を超えないのであれば、発電施設の出力計画値の一部は第三者エンティティに売却されてもよい。
【0089】
(第1メッセージ及び第2メッセージ)
以下において、実施形態に係る第1メッセージ及び第2メッセージについて説明する。
【0090】
第1に、第1メッセージについて図6を参照しながら説明する。上述したように、第1メッセージは、発電側装置500から需要側装置600に送信されるメッセージである。
【0091】
図6に示すように、第1メッセージは、発電施設識別情報、需要施設識別情報及び第1電力情報を含む。
【0092】
発電施設識別情報は、第1メッセージに含まれる第1電力情報について、自己託送に係る発電施設200を識別する情報要素である。
【0093】
需要施設識別情報は、第1メッセージに含まれる第1電力情報について、自己託送に係る需要施設300を識別する情報要素である。
【0094】
第1電力情報は、出力計画値を少なくとも含む。ここで、出力計画値は、図4及び図5で説明した割当制御が実行された後において、各需要施設300に割り当てられた出力計画値である。すなわち、出力計画値は、各需要施設300を区別可能に割り当てられた値である。第1電力情報は、出力計測値及び出力実績値の少なくともいずれか1つを示す情報要素を含んでもよい。出力計測値及び出力実績値については、各需要施設300に割り当てられた値ではなく、需要側装置600として把握すべき値であってもよい。
【0095】
例えば、2以上の需要施設300が設けられるケースにおいては、図6に示すように、発電施設識別情報、需要施設識別情報及び第1電力情報を1セットの情報要素群として、第1メッセージが2セット以上の情報要素群を含んでもよい。同様に、2以上の発電施設200が設けられるケースにおいては、第1メッセージが2セット以上の情報要素群を含んでもよい。さらに、発電施設識別情報は、2以上の発電施設200のそれぞれを識別する情報要素を含むように構成されてもよい。第1メッセージは、需要施設300に割り当てられた出力計画値が需要施設300毎に把握可能な態様を有していればよい。第1メッセージは、発電施設識別情報を含まなくてもよい。
【0096】
但し、第1電力情報が出力計測値又は出力実績値を含む場合には、第1メッセージは1セットの情報要素群を含んで入ればよい。
【0097】
第2に、第2メッセージについて図7を参照しながら説明する。上述したように、第2メッセージは、需要側装置600から発電側装置500に送信されるメッセージである。
【0098】
図7に示すように、第2メッセージは、需要施設識別情報、発電施設識別情報、経路情報及び第2電力情報を含む。
【0099】
需要施設識別情報及び発電施設識別情報については、上述した第1メッセージに含まれる情報要素と同様であるため、その詳細な説明については省略する。
【0100】
第2電力情報は、需要計画値を少なくとも含む。需要計画値は、各需要施設300を区別可能に策定された値である。第2電力情報は、需要計測値及び需要実績値の少なくともいずれか1つを示す情報要素を含んでもよい。需要計測値及び需要実績値については、各需要施設300を区別可能に策定された値ではなく、需要側装置600として把握すべき値であってもよい。
【0101】
例えば、2以上の需要施設300が設けられるケースにおいては、図7に示すように、発電施設識別情報、需要施設識別情報及び第1電力情報を1セットの情報要素群として、第2メッセージが2セット以上の情報要素群を含んでもよい。同様に、2以上の発電施設200が設けられるケースにおいては、第2メッセージが2セット以上の情報要素群を含んでもよい。さらに、発電施設識別情報は、2以上の発電施設200のそれぞれを識別する情報要素を含むように構成されてもよい。第2メッセージは、需要施設300に割り当てられた需要計画値が需要施設300毎に把握可能な態様を有していればよい。第2メッセージは、発電施設識別情報を含まなくてもよい。
【0102】
但し、第2電力情報が需要計測値又は需要実績値を含む場合には、第2メッセージは1セットの情報要素群を含んで入ればよい。
【0103】
ここで、発電施設識別情報及び需要施設識別情報は、発電施設200から需要施設300に対して自己託送で送電される電力について電力系統20で損失を特定するための情報要素の一例である。電力系統20で損失は、需要施設識別情報によって特定されてもよく、発電施設識別情報及び需要施設識別情報の双方によって特定されてもよい。電力系統20で損失は、損失の量(損失量)で表されてもよく、損失の割合(損失率)で表されてもよい。ここで、電力系統20で損失は、需要施設300が接続される電力線の電圧の高さによって固定的に定められてもよい。例えば、低圧電圧の損失率が7.1%であり、高圧電圧の損失率が4.2%であり、特別高圧電圧の損失率が2.9%であってもよい。
【0104】
このように、第1メッセージ及び第2メッセージの少なくともいずれか1つは、自己託送で送電される電力について電力系統20で損失を特定するための情報要素を含んでいればよい。従って、需要施設識別情報によって損失を特定可能である場合には、第1メッセージ及び第2メッセージの少なくともいずれか1つは、発電施設識別情報を含まなくてもよい。
【0105】
(自己託送方法)
第1に、実施形態に係る自己託送方法について、第三者サーバ700に対して計画値を通知する流れについて説明する。
【0106】
図8に示すように、ステップS11において、発電施設200は、出力計画値を発電側装置500に送信する。
【0107】
ステップS12において、発電側装置500は、発電施設200から受信する出力計画値を第三者サーバ700に送信する。
【0108】
ステップS13において、第三者サーバ700は、発電側装置500から受信する出力計画値を管理する。
【0109】
ステップS14において、需要施設300は、総需要計画値を需要側装置600に送信する。
【0110】
ステップS15において、施設400は、総需要計画値を需要側装置600に送信する。このような処理によれば、需要側装置600は、総需要計画値を取得することができる。
【0111】
ステップS16において、発電側装置500は、第2メッセージを需要側装置600から受信する。ここでは、第2メッセージは、各需要施設300を区別可能な態様で需要計画値を含む。発電側装置500は、第2メッセージに基づいて需要施設300の調達計画値を把握してもよい。
【0112】
ステップS17において、発電側装置500は、2以上の需要施設300のそれぞれにおいて調達電力の計算値が対象時間において閾値を超えないように、出力計画値を2以上の需要施設300のそれぞれに割り当てる割当制御を実行する。発電側装置500は、第2メッセージに含まれる需要計画値に基づいて割当制御を実行する。
【0113】
ステップS18において、需要側装置600は、第1メッセージを発電側装置500から受信する。ここでは、第1メッセージは、各需要施設300を区別可能な態様で出力計画値を含む。
【0114】
ステップS19において、需要側装置600は、出力計画値を表示するための表示データを需要施設300に送信する。ここで、表示データは、電力系統20で生じる損失が反映された出力計画値を表示するためのデータであってもよい。表示データは、電力系統20で生じる損失を特定可能な出力計画値を表示するためのデータであってもよい。
【0115】
ステップS20において、需要施設300は、表示データに基づいて出力計画値を表示する。出力計画値(GUI;Graphical User Interface)は、電力系統20で生じる損失が反映された態様でもよく、電力系統20で生じる損失を特定可能な態様であってもよい。
【0116】
ステップS21において、需要側装置600は、総調達計画値を管理する。
【0117】
ステップS22において、需要側装置600は、総調達計画値を第三者サーバ700に送信する。需要側装置600は、需要施設300を対象とする調達計画値を第三者サーバ700に送信してもよい。
【0118】
ステップS23において、第三者サーバ700は、需要側装置600から受信する総調達計画値を管理する。第三者サーバ700は、需要施設300を対象とする調達計画値を管理してもよい。
【0119】
第2に、実施形態に係る自己託送方法について、第三者サーバ700に対して実績値を通知する流れについて説明する。
【0120】
図7に示すように、実績値を通知する流れの前段階として、発電側装置500及び需要側装置600がステップS30A及びステップ30Bを実行してもよい。
【0121】
ステップS30Aにおいて、発電側装置500は、各発電施設200について、単位時間の満了時点において出力実績値が出力計画値から乖離すると想定される場合に、出力実績値を出力計画値に近づける出力電力制御を実行してもよい。
【0122】
ステップS30Bにおいて、需要側装置600は、各需要施設300についてピークカット制御を実行する。具体的には、需要側装置600は、各需要施設300について、単位時間の満了時点において調達電力の計算値が閾値を超えないように調達電力の計算値(需要見込値と考えてもよい)を監視する。需要側装置600は、各需要施設300について、単位時間の満了時点において調達電力の計算値が対象時間において閾値を超えないように需要電力を制御する需要電力制御を実行する。需要電力制御は、需要実績値を需要計画値に近づける制御を含んでもよい。
【0123】
ステップS31において、発電施設200は、出力実績値を発電側装置500に送信する。
【0124】
ステップS32において、発電側装置500は、発電施設200から受信する出力実績値を第三者サーバ700に送信する。
【0125】
ステップS33において、需要側装置600は、第1メッセージを需要側装置600から受信する。ここでは、第1メッセージは、第1電力情報として出力実績値を示す情報要素を含む。
【0126】
ステップS34において、需要側装置600は、出力実績値を表示するための表示データを需要施設300に送信する。ここで、表示データは、電力系統20で生じる損失が反映された出力実績値を表示するためのデータであってもよい。表示データは、電力系統20で生じる損失を特定可能な出力実績値を表示するためのデータであってもよい。
【0127】
ステップS35において、需要施設300は、表示データに基づいて出力実績値を表示する。出力実績値(GUI;Graphical User Interface)は、電力系統20で生じる損失が反映された態様でもよく、電力系統20で生じる損失を特定可能な態様であってもよい。
【0128】
ステップS36において、需要施設300は、総需要実績値を需要側装置600に送信する。
【0129】
ステップS37において、施設400は、総需要実績値を需要側装置600に送信する。
【0130】
ステップS38において、発電側装置500は、第2メッセージを需要側装置600から受信する。ここでは、第2メッセージは、第2電力情報として需要施設300の需要実績値を示す情報要素を含む。発電側装置500は、第2メッセージに基づいて需要施設300の調達実績値を把握してもよい。
【0131】
ステップS39において、需要側装置600は、総需要実績値を第三者サーバ700に送信する。需要側装置600は、需要施設300を対象とする需要実績値を第三者サーバ700に送信してもよい。
【0132】
ステップS40において、第三者サーバ700は、出力計画値と出力実績値との差異を確認してもよい。第三者サーバ700は、総需要計画値と総需要実績値との差異を確認してもよい。第三者サーバ700は、施設群を対象として、総調達計画値と総調達実績値との差異を確認してもよい。第三者サーバ700は、需要施設300を対象として、調達計画値と調達実績値との差異を確認してもよい。
【0133】
ここで、総調達計画値は、ステップS21で需要側装置600から受信する情報によって特定される。総調達実績値は、ステップS32で発電側装置500から受信する出力実績値及びステップS39で需要側装置600から受信する総需要実績値によって特定される。調達実績値は、ステップS32で発電側装置500から受信する出力実績値及びステップS39で需要側装置600から受信する需要実績値によって特定される。
【0134】
(作用及び効果)
実施形態では、ピークカット制御において出力実績値を出力計画値で置き換えても、実質的な問題が生じる可能性が低いという新たな知見に基づいて、ピークカット制御で監視すべき需要電力を調達電力の計算値で代替する。調達電力の計算値は、需要実績値と出力計画値との差分である。このような構成によれば、ピークカット制御で制御すべきパラメータとして、時々刻々と変化する出力実績値を意識せずに、調達電力の計算値(すなわち、需要実績値)を監視すればよい。従って、ピークカット制御に伴う制御負荷が軽減され、ピークカット制御の精度の向上も見込める。
【0135】
実施形態では、発電側装置500は、2以上の需要施設300のそれぞれにおいて調達電力の計算値が対象時間において閾値を超えないように、出力計画値を2以上の需要施設300のそれぞれに割り当てる割当制御を実行する。このような構成によれば、調達電力の計算値が閾値を超える可能性を低減することができる。
【0136】
実施形態では、需要側装置600は、単位時間の満了時点において調達電力の計算値が対象時間において閾値を超えないように需要電力を制御する需要電力制御を実行する。このような構成によれば、調達電力の計算値が閾値を超える可能性を低減することができる。
【0137】
実施形態では、ピークカット制御で監視すべき需要電力を調達電力の計算値で代替する。このような構成によれば、需要実績値を需要計画値に近づける制御は、需要電力制御の一例と考えられる。言い換えると、需要実績値と需要計画値との差異が許容閾値を超えない目的の一環としてピークカット制御が実現される。
【0138】
[変更例1]
以下において、実施形態の変更例1について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0139】
変更例1では、自己託送システム100に設けられる補助電源が設けられるケースについて例示する。補助電源は、発電側装置500が制御可能な電源であってもよく、需要側装置600が制御可能な電源であってもよい。
【0140】
図10に示すように、発電施設200は、図1に示す構成に加えて、蓄電装置240と、PCS250と、を有する。需要施設300は、図1に示す構成に加えて、蓄電装置340と、PCS350と、を有する。他の構成については図1と同様であるため、その説明については省略する。
【0141】
蓄電装置240は、電力を蓄積する装置であり、発電側装置500が制御可能な補助電源の一例である。PCS250は、蓄電装置240から出力される直流電力を交流電力に変換し、或いは、電力系統20から供給される交流電力を直流電力に変換する。
【0142】
蓄電装置340は、電力を蓄積する装置であり、需要側装置600が制御可能な補助電源の一例である。PCS350は、蓄電装置340から出力される直流電力を交流電力に変換し、或いは、電力系統20から供給される交流電力を直流電力に変換する。
【0143】
このようなケースにおいて、発電側装置500は、出力実績値が出力計画値から乖離している場合に、出力実績値を出力計画値に近づけるように蓄電装置240(或いは、PCS250)を制御する。同様に、需要側装置600は、需要実績値が需要計画値から乖離している場合に、需要実績値を需要計画値に近づけるように蓄電装置340(或いは、PCS350)を制御する。
【0144】
このようなケースにおいて、需要側装置600は、各需要施設300の需要電力制御において、蓄電装置340を制御してもよい。蓄電装置340は、需要電力制御で用いる分散電源の一例である。このような分散電源は、蓄電装置340に限定されるものではなく、太陽電池装置を含んでもよく、燃料電池装置を含んでもよい。
【0145】
[変更例2]
以下において、実施形態の変更例2について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0146】
変更例2では、発電側装置500は、自己託送で送電される電力について電力系統20で生じる損失に基づいて割当制御を実行する。発電側装置500は、電力系統20で損失が生じる前提下において、損失に相当する値を出力計画値から差し引いた上で、調達電力の計算値が対象時間において閾値を超えないように出力計画値を割り当てる。ここで、発電施設200と需要施設300との組合せ等によって損失が定まるため、割当制御において用いる損失は、出力計画値を割り当てる需要施設300毎に異なってもよい。
【0147】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0148】
実施形態では、分散電源210が太陽電池装置であるケースについて主として説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。分散電源210は、外部環境(例えば、天候、気温、湿度など)によって出力電力が変動し得る分散電源であればよい。分散電源210は、再生可能エネルギーによって電力を出力する分散電源であってもよい。分散電源210は、風力発電装置を含んでもよく、水力発電装置を含んでもよく、バイオマス発電装置を含んでもよく、地熱発電装置を含んでもよい。
【0149】
実施形態では、発電施設200を管理する装置として発電側装置500を例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。発電施設200を管理する装置は、EMS230であってもよい。
【0150】
実施形態では、発電側装置500が出力電力制御を実行する。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。出力電力制御の実行主体は各発電施設200に設けられるEMS230であってもよい。
【0151】
実施形態では、需要施設300を管理する装置として需要側装置600を例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。需要施設300を管理する装置は、EMS320であってもよい。
【0152】
実施形態では、需要側装置600が需要電力制御を実行する。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。需要電力制御の実行主体は各需要施設300に設けられるEMS320であってもよい。
【0153】
実施形態では、需要施設300は、発電施設200と同じ所定エンティティに属するケースについて例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。需要施設300は、所定エンティティとは異なるエンティティに属してもよい。
【0154】
実施形態では、発電側装置500は、出力計画値を発電施設200から受信する。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。発電側装置500は、自ら出力計画値を策定してもよい。例えば、発電側装置500は、直近の数日間の出力実績値に基づいて出力計画値を策定してもよい。発電側装置500は、発電施設200の出力電力と属性との相関関係の機械学習によって出力計画値を策定してもよい。特に限定されるものではないが、属性は、分散電源210の出力電力に影響するパラメータ(例えば、時間帯、曜日、季節、天候、気温、湿度など)であってもよい。
【0155】
実施形態では、需要側装置600は、需要計画値を需要施設300から受信する。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。需要側装置600は、自ら需要計画値(総需要計画値)を策定してもよい。例えば、需要側装置600は、直近の数日間の需要実績値(総需実績画値)に基づいて需要計画値(総需要計画値)を策定してもよい。需要側装置600は、需要施設300の需要電力と属性との相関関係の機械学習によって需要計画値を策定してもよい。特に限定されるものではないが、属性は、需要施設300の需要電力に影響するパラメータ(時間帯、曜日、季節など)であってもよい。
【0156】
実施形態では特に触れていないが、発電側装置500は、出力計測値の積算によって出力実績値を取得してもよい。需要側装置600は、需要計測値の積算によって需要実績値(総需実績画値)を取得してもよい。
【0157】
実施形態では特に触れていないが、上述した機械学習は、いわゆるディープラーニングを含んでもよい。さらに、機械学習は、AI(Artificial intelligence)を用いて実行されてもよい。
【0158】
実施形態では特に触れていないが、発電施設200は、負荷を有していてもよい。このようなケースにおいて、出力計画値は、PCS220の出力電力の計画値と負荷の需要電力の計画値との差分であってもよい。同様に、出力実績値は、PCS220の出力電力の実績値と負荷の需要電力の実績値との差分であってもよい。
【0159】
実施形態では特に触れていないが、需要施設300は、分散電源を有していてもよい。このようなケースにおいて、需要計画値は、分散電源の出力電力の計画値と負荷310の需要電力の計画値との差分であってもよい。同様に、需要実績値は、分散電源の出力電力の実績値と負荷310の需要電力の実績値との差分であってもよい。
【0160】
実施形態では、自己託送システム100に設けられる補助電源として蓄電装置240及び蓄電装置340を例示した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。補助電源は、発電施設200及び需要施設300に設けられていなくてもよい。補助電源は、燃料電池装置、バイオマス発電装置、地熱発電装置、太陽電池装置、風力発電装置などであってもよい。
【0161】
実施形態では、PCS220及びPCS250が別々に設けられる。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。PCS220及びPCS250は、1つのマルチDCリンクのPCSによって構成されてもよい。
【0162】
実施形態では特に触れていないが、電力とは、瞬時電力(kW)であってもよく、一定期間(例えば、30分)の積算電力量(kWh)であってもよい。例えば、計画値及び実績値は、積算電力量(kWh)で表されてもよい。計測値及び予測値は、瞬時電力(kW)で表されてもよい。但し、計測値及び予測値についても、時間の積算によって積算電力量(kWh)で表されてもよい。
【符号の説明】
【0163】
20…電力系統、21…電力線、22…電力線、30…ネットワーク、100…自己託送システム、200…発電施設、210…分散電源、220…PCS、230…EMS、240…蓄電装置、250…PCS、300…需要施設、310…負荷、320…EMS、340…蓄電装置、350…PCS、400…施設、500…発電側装置、510…通信部、520…管理部、530…制御部、600…需要側装置、610…通信部、620…管理部、630…制御部、700…第三者サーバ
図1
図2
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図10