(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】スキッドプレート
(51)【国際特許分類】
A01D 34/64 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
A01D34/64 M
(21)【出願番号】P 2023073153
(22)【出願日】2023-04-27
【審査請求日】2023-04-27
(32)【優先日】2022-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】511234781
【氏名又は名称】フスクバルナ アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】マルティン エロンソン
(72)【発明者】
【氏名】ロニー オルセン
(72)【発明者】
【氏名】スバンテ ラルソン
(72)【発明者】
【氏名】ペータル アーリン
(72)【発明者】
【氏名】マルクス ペッテション
【審査官】星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-177716(JP,A)
【文献】特開2010-136728(JP,A)
【文献】特開2019-201574(JP,A)
【文献】実開昭52-001561(JP,U)
【文献】特開昭63-181919(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0100523(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 34/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット芝刈り機の
カッティングヘッド(1b)の下部に配置されるためのスキッドプレート(2b)であって、
前記カッティングヘッド(1b)のハブ(6b)のための中央開口部(13)を有するほぼ円形プレートと、取付け手段(14,15)と、を備え、
前記スキッドプレート(2b)は
前記取付け手段(14,15)によって前記ロボット芝刈り機に取り付け可能であり、
前記円形プレートの縁部(7)は、前記円形プレートの主平面(8)に対して横方向に延びるように曲げられ、前記縁部(7)の外周縁(11)は単一平面内に延び
、
前記スキッドプレート(2b)の上方には、前記カッティングヘッド(1b)によって回転されるカッティングディスク(3b)が配置され、該カッティングディスク(3b)は、該カッティングディスク(3b)の周囲に近接して配置された多数のナイフ(4b)を有し、
前記円形プレートの中央部分(10)は、前記円形プレートの前記主平面(8)から距離を置いた平面内に延在し、
前記中央部分(10)の平面は前記外周縁(11)と同じ高さに配置され、
前記カッティングヘッド(1b)の前記ハブ(6b)は前記スキッドプレート(2b)の前記中央開口部(13)を通って延在する、
スキッドプレート(2b)。
【請求項2】
前記縁部(7)の断面は少なくとも部分的に円周部分の形態を有する、請求項1に記載のスキッドプレート(2b)。
【請求項3】
前記円周部分は1~30mmの半径を有する、請求項2に記載のスキッドプレート(2b)。
【請求項4】
前記円周部分の半径は前記スキッドプレート(2b)の厚さよりも大きい、請求項2に記載のスキッドプレート(2b)。
【請求項5】
前記中央部分(10)の平面と前記円形プレートの主平面(8)との間の距離は1~30mmである、請求項
1に記載のスキッドプレート(2b)。
【請求項6】
前記取付け手段(14,15)は締結要素(14)のための開口部(15)を有し、前記中央開口部(13)及び前記締結要素(14)のための前記開口部(15)は、前記中央部分(10)に配置される、請求項
1に記載のスキッドプレート(2b)。
【請求項7】
前記スキッドプレート(2b)は鋼から製造される、請求項1に記載のスキッドプレート(2b)。
【請求項8】
回転可能なカッティングヘッド(
1b)に接続された電気モータであって、少なくとも1つのナイフ(4b)をその周囲に有するカッティングディスク(3b)に接続された電気モータと、
前記カッティングヘッド(1b)及び前記カッティングディスク(3b)の下方に配置された、請求項1~
7の何れか一項に記載のスキッドプレート(2b)と、を備えるロボット芝刈り機。
【請求項9】
前記カッティングディスク(3b)の前記ナイフ(4b)は、前記スキッドプレート(2b)の上方及び部分的に半径方向外側に延在するように配置される、請求項
8に記載のロボット芝刈り機。
【請求項10】
前記カッティングディスク(3b)への前記ナイフ(4b)の取り付けのための取付け手段(5b)は、前記スキッドプレート(2b)の前記外周縁(11)の高さより下に延在する、請求項
8に記載のロボット芝刈り機。
【請求項11】
前記カッティングヘッド(1b)のハブ(6b)は前記スキッドプレート(2b)の前記中央開口部(13)を通って延在し、前記スキッドプレート(2b)の主平面(8)は前記ハブ(6b)の下方に配置される、請求項
8に記載のロボット芝刈り機。
【請求項12】
前記ナイフ(4b)は前記カッティングディスク(3b)上に枢動可能に配置される、請求項
8に記載のロボット芝刈り機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット芝刈り機用のスキッドプレートであって、ハブ用の中央開口部を有する略円形プレートと、取付け手段とを備え、スキッドプレートはロボット芝刈り機に取り付け可能であるスキッドプレートに関する。
本開示はまた、回転可能なカッティングヘッドに接続され、カッティングヘッドは周囲に少なくとも1つのナイフを有するカッティングディスクに接続される、電気モータを備えるロボット芝刈り機に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフ場のフェアウェイなど、芝品質に対する要求が高い地域では、低い刈り取り高さで芝を刈り取ることができる芝刈り機が求められている。同時に、芝刈り機は芝を刈り取ること、すなわち、過度に低い高さで芝を刈り取ること、又は地面さえも剥がすことを避けなければならない。この剥がれの課題は、地面が不均一である場所において強調され、そして草が褐色に変色するか又は完全に除去される場所をもたらすことがある。
【0003】
特許文献1は芝刈り機を開示しており、芝刈り機は、刈り取りナイフから地上に残された物体を保護するように設計されている。芝刈り機は、回転可能なカッティングディスクの下に底部ディスクを備える。底部ディスクは、カッティングディスク上のナイフを越えて延在する複数の突起部分を有する。
【0004】
突起部分はかなり広く、底部ディスクの円周の約半分にわたって延在し、したがって、底部ディスクが芝刈り機に取り付けられていない場合、ナイフによって到達可能である領域の半分にわたって延在する。
【0005】
底部ディスクは、地面上で偶発的に遭遇する物体を保護するガードとしても役立ち得る。同時に、剥がれのリスクは制限される。しかし、芝刈りの結果が損なわれ、芝刈りの品質に対する要求が高い地域では、その結果は満足のいくものではない。ゴルフ場のフェアウェイのように、刈り取り高さが低く設定される領域では、この問題は特に顕著である。
【0006】
特許文献1の構造に関するさらなる問題は、ナイフが地面からかなりの距離にあり、最低の高さであっても、低い刈り取り高さが必要とされる用途には適切でない場合があることである。
【0007】
したがって、不均一な地面状態を有する場所で芝を剥がすことなく、低い刈り取り高さで高品質の芝刈りを提供する芝刈り機が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【0009】
本開示の目的は、上述の問題の一部又は全部を解決するか、又は少なくとも軽減することである。この目的のために、最初に概説したスキッドプレートが提供され、円形プレートの縁部は円形プレートの主平面に対して横方向に延在するように曲げられ、その外周縁は単一平面内に延在する。
【0010】
これにより、実質的に浅底ボウル状の外形を有するスキッドプレートが得られる。スキッドプレートは芝刈り機のカッティングヘッドの下面に配置されたとき、偶発的に地面に食い込み、芝を剥がす原因となる鋭い縁部を全く提供しない。スキッドプレートの外縁はその主平面に対して横方向に向けられ、これは芝刈り機に取り付けられた位置で地面から離れる方向に向けられることを意味する。
【0011】
スキッドプレートの一実施形態では、その縁部の断面が少なくとも部分的に、円周部分の形態を有する。
【0012】
これにより、芝刈り機に取り付けられたときに地面と接触する可能性が最も高いスキッドプレートの部分は、芝に対して穏やかであり得、剥がれは回避され得る。
【0013】
スキッドプレートの一実施形態では、円周部分が1~30mmの半径を有する。
【0014】
これにより、スキッドプレートの全高が制限され、これは、非常に低い刈り高さが所望され得る用途において有利であり得る。特に好ましい実施形態では半径が5~15mmの間隔であり、さらにより好ましくは約10mmである。
【0015】
さらなる実施形態では、円周部分の半径がスキッドプレートの厚さよりも大きい。
【0016】
これにより、芝生を剥がし、刈り取り、又は他の方法で損傷する可能性がある鋭い屈曲部が排除される。
【0017】
さらなる実施形態では、円形プレートの中央部分が円形プレートの主平面から距離をおいて平面内に延在する。
【0018】
これにより、スキッドプレートのオフセットされた中間部分が得られる。そのようなオフセット部分は、カッティングヘッドのハブのソケットとして、そうでければその横断方向にスキッドプレートを越えて延在する締結要素等として有効であり得る。
【0019】
さらなる実施形態では、中央部分の平面が外周縁と実質的に同じ高さに配置される。
【0020】
これにより、上述のソケットの高さ/深さは、スキッドプレートの総外形寸法を増加させることなく最大化することができる。これは、低い刈り取り高さが望まれる場合に有利である。
【0021】
さらに別の実施形態では、中央部分の平面と円形プレートの主平面との間の距離が1~30mmである。
【0022】
上述のように、プレートの低い高さは、可能な限り低い刈り取り高さを達成するために望ましい。特に好ましい実施形態では距離が3~10mmの間隔であり、さらにより好ましくは約5mmである。
【0023】
いくつかの実施形態では、締結要素のための中央開口部及び開口部が中央部分に配置される。
【0024】
これにより、締結要素及びカッティングヘッドのハブは、スキッドプレートの限られた部分に集中され、スキッドプレートの残りの部分を可能な限り滑らかなままにする。中央部分が円形スキッドプレートの主平面からオフセットされる実施形態では、ハブ又は締結要素のいずれの部分も、芝刈り機に取り付けられたときにスキッドプレートの主平面を越えて延在することができない。これらの部品によって芝を削る危険性は排除され、一方、外側寸法は最小限に保たれる。
【0025】
いくつかの実施形態では、スキッドプレートが鋼から製造される。
【0026】
これにより、耐久性のあるスキッドプレートを提供することができる。プレートの変形の危険性は最小限に抑えられ、場合によっては鋭い縁部を有する変形したプレートが、望ましくない形状による芝生の予期しない剥がれを引き起こす危険性が排除される。
【0027】
第2の態様によれば、上述の問題の一部又は全部がロボット芝刈り機によって解決され、又は少なくとも軽減され、本開示によるスキッドプレートがカッティングディスクの下に配置される。
【0028】
これにより、芝を削る危険性が著しく低減又は排除される芝刈り機が達成される。丸みを帯びた下縁部分は芝刈り機が刈り取られる領域を横切って移動するときに、主に地面に接触する部分である可能性が最も高い。
【0029】
第2の態様の一実施形態では、カッティングディスクのナイフがスキッドプレートの上方に、かつスキッドプレートの半径方向外側に部分的に延在するように配置される。
【0030】
これにより、ナイフはスキッドプレートの全周にわたって草に接触し得、刈り取り結果は高品質であり得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、カッティングディスクへのナイフの取り付けのための取付け手段がスキッドプレートの外周縁の高さより下に延在する。
【0032】
これにより、スキッドプレートをカッティングディスクに非常に近接して取り付けることが可能であり得る。取付け手段は、スキッドプレートの上に完全に収容される必要はなく、下方に延在すること、すなわちスキッドプレート内に部分的に入れ子にされることが可能であってもよい。したがって、カッティングディスク及びその上のナイフは、芝刈り機内の地面レベルの非常に近くに取り付けることができる。スキッドプレートのみが、ナイフから地面を分離し、それによって、芝生の剥がれを防ぐことができる。
【0033】
いくつかの実施形態ではカッティングヘッドのハブがスキッドプレートの中央開口部を通って延在し、スキッドプレートの主平面はハブの下に配置される。
【0034】
これにより、芝刈り機内の刈り取り装置の外形寸法がさらに最小限に抑えられる。カッティングヘッドのハブは軸方向及び半径方向の両方に見られるように、スキッドプレートの外側限界内に完全に配置されてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、ナイフがカッティングディスク上に枢動可能に配置される。
【0036】
これにより、芝生を剥がすリスクを排除するためのさらなる手段が提供される。ナイフは、刈り取り抵抗が高すぎる場合、内側に枢動することができる。ナイフが地面又は芝生の下部に接触した場合において、開示されたスキッドプレートの提供にもかかわらず、ナイフは回転するカッティングディスクと共に前方に移動し得ないが、カッティングディスク及びスキッドプレートの外周の内側に降伏し、枢動し得る。したがって、芝は、それによって損傷されない可能性がある。
【0037】
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載された特徴の全ての可能な組み合わせによって具現化され得ることに留意されたい。さらに、装置について記載された様々な実施形態は本発明の第2の態様に従って定義された方法と全て組み合わせ可能であり、逆もまた同様であることが理解されるのであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本発明の上記ならびに追加の目的、特徴、及び利点は添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態の以下の例示的かつ非限定的な詳細な説明を通してよりよく理解され、同じ参照番号は同様の要素に使用される。
【
図1a】
図1aは従来技術によるスキッドプレートを有するカッティングヘッドの側面からの概略図である。
【
図1b】
図1bは本開示によるスキッドプレートを有するカッティングヘッドの
図1aによる図である。
【
図2】
図2は
図1bによるカッティングヘッド及びスキッドプレートの側方から見た断面図である。
【
図3】
図3は
図1b及び
図2のスキッドプレート及びカッティングヘッドの下から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
すべての図は模式図であり、必ずしも縮尺通りではなく、一般に、実施形態を説明するために必要な部分のみを示し、他の部分は省略されてもよい。
【0040】
図1aは、従来技術によるスキッドプレート2aを有するカッティングヘッド1aを示す。スキッドプレート2aの上方には、カッティングヘッド1aによって回転されるカッティングディスク3aが配置されている。多数のナイフ4aがカッティングディスク3a上に、その周囲に近接して配置される。ナイフ4aは、先行技術から知られているテクノロジーのいずれかに従って、取付け手段5aと共に枢動可能に又は固定して配置されてもよい。カッティングヘッド1aのハブ6aは、スキッドプレート2aの下方に延びている。
【0041】
低い高さでの芝刈りを達成するために、スキッドプレート2aは、それに非常に近い地面に沿って移動しなければならない。地面が不均一である場合、スキッドプレート2aの外縁及びナイフ4aの両方が側方から地面に接触し、芝生を剥がすことは明らかである。カッティングヘッド1aは多くの用途において、わずかに前方に傾いており、カッティングディスク3a及びスキッドプレート2aもわずかに傾いている。これにより、芝生を剥がすリスクが高まる。
【0042】
図1bは、本開示によるスキッドプレート2bを有するカッティングヘッド1bを示す。カッティングヘッド1bには、従来技術に対応するカッティングディスク3bが取り付けられている。多数のナイフ4bが、従来技術から知られている方法で、カッティングディスク3bに取り付けられる。ナイフ4bはいくつかの実施形態では固定されてもよいが、障害物に遭遇したときに降伏するように、ナイフが枢動可能に取り付けられている場合、特に有利である。取付け手段5bは
図1bでは見ることができないが、
図2で見ることができる。
【0043】
スキッドプレート2bは、好ましくはスキッドプレート2bがカッティングディスク3bを回転させるモータによって回転させられないように、軸受装置9を介してカッティングヘッドに接続される。スキッドプレート2bはロボット芝刈り機の動きに従って並進運動で芝と接触して摺動することができるが、芝に有害であり得る一定の回転を回避する。
【0044】
スキッドプレート2bの開示された実施形態は、スキッドプレート2bの下方に対向面と一致する主平面8を有する円形プレートを備える。
【0045】
スキッドプレート2bは、円形プレートの主平面8に対して横方向に延在する縁部7を有する。したがって、本開示のスキッドプレート2bは、軸方向において、従来技術のスキッドプレート2aよりも幾分大きい程度を有する。
【0046】
図1b及び
図2に示すように、縁部7は上方に曲げられ、スキッドプレート2bはボウル状の形態となる。外周縁11は実質的に円形状であり、単一の平面内で連続的に延在する。縁部7の内側において、縁部7の外縁/上縁の高さと主平面8の高さとの間には、自由空間が存在する。この自由空間には、ナイフ4bの取付け手段5bが収容されていてもよい。自由空間が実質的に円い形態であるので、取付け手段5bは、カッティングヘッド1bの中心軸の周りでカッティングディスク3bと共に回転可能であってもよい。
【0047】
カッティングディスク3bの回転中、取付け手段5bは縁部7の内側で外周縁の高さよりも下に、円運動で中心軸の周りを移動する。取付け手段5aは地面に近接して移動するが、スキッドプレート2bの主平面8によってそこから分離されるだけで、刈り取られる芝に干渉しない。
【0048】
図2はまた、スキッドプレート2bの中央部分10が主平面8からオフセットされていることを示す。図示の実施形態では、中央部分10がスキッドプレート2bの外周縁11と実質的に同じ高さに配置されている。結果として得られるソケット12は、縁部7と同様の軸方向の延伸方向を有する。したがって、スキッドプレート2bの軸方向の最大全高さは、中央部分10によって実質的に影響を受けない。
【0049】
ソケット12はオフセットプレートを貫通する中央開口部13を有し、ハブ6は、スキッドプレート2bの取り付け位置でそこを通って延びることができる。開口部13はスキッドプレート2bの主平面8からオフセットされているので、ソケット12はその中にハブ6を全体的に収容することができる。ハブ6はソケット12の外側に延びていなくてもよく、スキッドプレート2bは芝刈り中に地面から最小距離に配置されてもよい。
【0050】
また、スキッドプレート2bをハブ6に固定するための1つ以上の締結要素14が、ソケット12内に配置され、完全に収容される。スキッドプレート2bには、1つ以上の開口部15が設けられている。これらの締結要素14は、
図3においても見ることができる。ハブ6も締結要素14もソケット12の外側に延在しないので、非常に低い刈り取り高さが可能であり得る。いくつかの実施形態では、締結要素14を貫通する孔15の代わりに、他の取付け手段を考慮することができる。例えば、バヨネットマウントを使用することができる。
【0051】
本発明によれば、ロボット芝刈り機において、ナイフ4bは、カッティングディスク3b上に配置され、それによって回転される。スキッドプレート2bは、ナイフ4bの下に配置され、カッティングディスク3bとスキッドプレート2bとの間の狭いスロットを通って延在する。スキッドプレート2bは取付け手段5bを収容するように設計されているので、カッティングディスク3bとスキッドプレート2bとの間の溝は最小であり得、ナイフ4bは地面の非常に近くで回転し得る。
【0052】
開示されたスキッドプレート2bを既存のカッティングヘッドに取り付けることを可能にするために、上述の全ての利点と共に、カッティングディスク3bの軸方向寸法は、従来技術によるカッティングディスク3aの軸方向寸法よりも大きくてもよい(
図1a)。カッティングディスク3a、3bは同じレベルで芝刈り機に取り付けられるが、開示されたカッティングディスク3bのより大きな軸方向寸法はナイフ4bを従来技術よりも地面に対して近づけて配置され得る。特に有利な実施形態では、ナイフが従来技術よりも地面に約10mm近づけて配置することができる。上述の開示されたスキッドプレート2bは、ナイフ4bと地面との間の残りの空間に良好に配置され得る。
【0053】
ナイフ4bは枢動可能に配置されることが好ましいので、ナイフは障害物又は過度の抵抗に遭遇した場合、スキッドプレート2bの周囲内で多かれ少なかれ、屈曲し、逆回転することができる。この特徴は、芝生を剥がすリスクを最小限に抑える。スキッドプレート2bの縁部7の緩やかな曲線は、芝生を剥がすリスクを最小限に抑えるという同じ効果を有する。これらの2つの特徴は互いに独立して機能するが、ロボット芝刈り機におけるそれらの組み合わせはもちろん特に有利である。
【0054】
本発明は主に、いくつかの実施形態を参照して上述された。しかしながら、当業者によって容易に理解されるように、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内で、上記で開示されたもの以外の他の実施形態が等しく可能である。
【0055】
請求項において、単語「有する(comprising)」は他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外しない。
なお、本発明の態様(構成)として以下に示すものがある。
[態様1]
ロボット芝刈り機のためのスキッドプレート(2b)であって、
ハブ(6b)のための中央開口部(13)を有するほぼ円形プレートと、取付け手段(14,15)と、を備え、
前記スキッドプレート(2b)は前記ロボット芝刈り機に取り付け可能であり、前記円形プレートの縁部(7)は、前記円形プレートの主平面(8)に対して横方向に延びるように曲げられ、前記縁部(7)の外周縁(11)は単一平面内に延びる、スキッドプレート(2b)。
[態様2]
前記縁部(7)の断面は少なくとも部分的に円周部分の形態を有する、態様1に記載のスキッドプレート(2b)。
[態様3]
前記円周部分は1~30mmの半径を有する、態様1又は2に記載のスキッドプレート(2b)。
[態様4]
前記円周部分の半径は前記スキッドプレート(2b)の厚さよりも大きい、態様2又は3に記載のスキッドプレート(2b)。
[態様5]
前記円形プレートの中央部分は前記円形プレートの前記主平面(8)から距離を置いた平面内に延在する、態様1~4の何れか一項に記載のスキッドプレート(2b)。
[態様6]
前記中央部分(10)の平面は前記外周縁(11)とほぼ同じ高さに配置される、態様5に記載のスキッドプレート(2b)。
[態様7]
前記中央部分(10)の平面と前記円形プレートの主平面(8)との間の距離は1~30mmである、態様5又は6に記載のスキッドプレート(2b)。
[態様8]
前記中央開口部(13)及び前記締結要素(14)のための前記開口部(15)は、前記中央部分(10)に配置される、態様5~7の何れか一項に記載のスキッドプレート(2b)。
[態様9]
前記スキッドプレート(2b)は鋼から製造される、態様1~8の何れか一項に記載のスキッドプレート(2b)。
[態様10]
回転可能なカッティングヘッド(1a、1b)に接続された電気モータであって、少なくとも1つのナイフ(4b)をその周囲に有するカッティングディスク(3b)に接続された電気モータと、前記カッティングディスク(3b)の下方に配置された、態様1~9の何れか一項に記載のスキッドプレート(2b)と、を備えるロボット芝刈り機。
[態様11]
前記カッティングディスク(3b)の前記ナイフ(4b)は、前記スキッドプレート(2b)の上方及び部分的に半径方向外側に延在するように配置される、態様10に記載のロボット芝刈り機。
[態様12]
前記カッティングディスク(3b)への前記ナイフ(4b)の取り付けのための取付け手段(5b)は、前記スキッドプレート(2b)の前記外周縁(11)の高さより下に延在する、態様10又は11に記載のロボット芝刈り機。
[態様13]
前記カッティングヘッド(1b)のハブ(6b)は前記スキッドプレート(2b)の前記中央開口部(13)を通って延在し、前記スキッドプレート(2b)の主平面(8)は前記ハブ(6b)の下方に配置される、態様10~12の何れか一項に記載のロボット芝刈り機。
[態様14]
前記ナイフ(4b)は前記カッティングディスク(3b)上に枢動可能に配置される、態様10~13の何れか一項に記載のロボット芝刈り機。