(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】ワイヤレス電力伝送システムを保護するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H02J 50/80 20160101AFI20240814BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20240814BHJP
【FI】
H02J50/80
H02J50/12
(21)【出願番号】P 2023089949
(22)【出願日】2023-05-31
(62)【分割の表示】P 2022000705の分割
【原出願日】2017-01-30
【審査請求日】2023-06-27
(31)【優先権主張番号】201641003928
(32)【優先日】2016-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】カピル・ジャ
(72)【発明者】
【氏名】プラディープ・ヴィジャヤン
(72)【発明者】
【氏名】ヤシュ・ヴィーアー・シン
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0013663(US,A1)
【文献】特開平11-027870(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0152114(US,A1)
【文献】特開2006-074848(JP,A)
【文献】特開2014-171278(JP,A)
【文献】特開2015-089267(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/80
H02J 50/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス電力を受信するための装置であって、
非接触電力伝送ユニットの一次コイルからAC電圧を有する誘導電力をワイヤレスで受信するよう構成された二次コイル、
変換ユニットであって、
前記二次コイルから前記誘導電力を受信し、
前記AC電圧を有する前記誘導電力を、出力DC電圧を有する出力電力に変換し、
前記出力DC電圧を有する前記出力電力を電気負荷に供給する
よう構成された変換ユニット、
電圧信号を前記非接触電力伝送ユニットの対応する送受信機に通信するように構成された送受信機であって、前記電圧信号は、前記電気負荷にわたる前記出力DC電圧を表す、送受信機、
前記変換ユニットと電気的に結合された少なくとも1つのスイッチを含む、スイッチングユニット、および
前記スイッチングユニットに電気的に結合された制御器であって、前記出力DC電圧を調整し、前記変換ユニットの1つまたは複数の構成部品を過電圧による損傷から保護するように構成され、
前記出力DC電圧を調整するために、前記制御器は、前記出力DC電圧が電圧基準値を上回り、閾値を下回る場合に、前記出力DC電圧を前記電圧基準値に調整するように前記少なくとも1つのスイッチを制御し、
前記1つまたは複数の構成部品を過電圧による損傷から保護するために、前記制御器は、前記出力DC電圧が前記閾値を超えることに応答して、前記少なくとも1つのスイッチに前記変換ユニットを減結合させる、制御器、を備える、装置。
【請求項2】
前記送受信機は、前記非接触電力伝送ユニットの前記対応する送受信機からリセット信号を受信するようにさらに構成され、前記リセット信号は、前記制御器に、前記リセット信号の処理に応答して、前記変換ユニットを介して前記電気負荷に出力電力を供給することを可能にさせる、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記制御器は、前記スイッチングユニットの制御信号のデューティサイクルを決定し、前記制御信号を生成して前記スイッチングユニットに供給して前記出力電力を調整するように構成される、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記制御器は、前記電気負荷にわたる前記出力DC電圧に少なくとも部分的に基づいて制御信号のデューティサイクルを決定するように構成される、請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記制御器は、異なる出力DC電圧に対応するデューティサイクルを示すルックアップテーブルを使用して前記デューティサイクルを決定するように構成される、請求項3記載の装置。
【請求項6】
前記送受信機によって通信される前記電圧信号は、前記非接触電力伝送ユニットに、前記電気負荷にわたる前記出力DC電圧を表す前記電圧信号に基づいて、前記非接触電力伝送ユニットの送信機側変換ユニットのスイッチング周波数を調整させるように通信される、請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記送信機側変換ユニットの前記スイッチング周波数は、前記一次コイルから受信した前記AC電圧を有する前記誘導電力を制御する、請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記送受信機によって通信される前記電圧信号は、前記非接触電力伝送ユニットに前記誘導電力を調整させるように通信される電圧を調整するために通信される、請求項1記載の装置。
【請求項9】
前記装置の前記スイッチングユニットは、前記電圧信号に基づいて前記誘導電力を送信機側変換ユニットが調整することができるよりも速く前記出力電力を調整するように動作可能である、請求項1記載の装置。
【請求項10】
前記電気負荷が車両の1つまたは複数のバッテリを含む、請求項1記載の装置。
【請求項11】
ワイヤレス電力伝送システムの装置によって実行される方法であって、
非接触電力伝送ユニットの一次コイルからAC電圧を有する誘導電力を二次コイルを介して受信し、
変換ユニットによって、前記AC電圧を有する前記誘導電力を、出力DC電圧を有する出力電力に変換し、
前記出力DC電圧を有する前記出力電力が電気負荷に供給され、
第1の送受信機によって、前記非接触電力伝送ユニットの第2の送受信機に電圧信号を通信し、前記電圧信号は、前記電気負荷にわたる前記出力DC電圧を表し、
前記変換ユニットに結合されたスイッチングユニットに電気的に結合された制御器により、少なくとも1つのスイッチを制御し、前記出力DC電圧が閾値基準値よりも大きく、閾値より小さい場合、前記閾値基準値に対する前記出力DC電圧を調整し、
前記制御器によって、前記出力DC電圧が前記閾値を超えたときに前記少なくとも1つのスイッチに前記変換ユニットを減結合させ、前記少なくとも1つのスイッチに前記変換ユニットと減結合させることが、前記変換ユニットの1つまたは複数の構成部品を過電圧による損傷から保護すること、を含む、方法。
【請求項12】
前記第1の送受信機が、前記非接触電力伝送ユニットの前記第2の送受信機から、前記スイッチングユニットを非活性化するためのリセット信号を受信し、
前記リセット信号に基づいて、前記変換ユニットを介した前記電気負荷への出力電力の前記供給を可能とすることをさらに含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記スイッチングユニットを制御することは、
前記スイッチングユニットの制御信号のデューティサイクルを決定し、
前記制御信号を生成して前記スイッチングユニットに供給して前記出力電力を調整することを含む、請求項11記載の方法。
【請求項14】
前記制御信号の前記デューティサイクルを決定することは、前記電気負荷にわたる前記出力DC電圧に少なくとも部分的に基づいて前記デューティサイクルを決定することを含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記デューティサイクルを決定することは、異なる出力DC電圧に対応するデューティサイクルを示すルックアップテーブルを参照することを含む、請求項13記載の方法。
【請求項16】
前記第1の送受信機によって通信される前記電圧信号は、前記非接触電力伝送ユニットに、前記電気負荷にわたる前記出力DC電圧を表す前記電圧信号に基づいて、前記非接触電力伝送ユニットの送信機側変換ユニットのスイッチング周波数を調整させるように通信される、請求項11記載の方法。
【請求項17】
前記送信機側変換ユニットの前記スイッチング周波数は、前記一次コイルから受信した前記AC電圧を有する前記誘導電力を制御する、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記第1の送受信機によって通信される前記電圧信号は、前記非接触電力伝送ユニットに、前記電気負荷にわたる前記出力DC電圧に基づいて、前記非接触電力伝送ユニットに前記誘導電力を調整させるように通信される、請求項11記載の方法。
【請求項19】
前記装置の前記スイッチングユニットは、前記電圧信号に基づいて調整されることができる送信機側変換ユニットが前記誘導電力を調整することができるよりも速く前記電気負荷にわたる前記出力DC電圧を調整するように動作可能である、請求項11記載の方法。
【請求項20】
前記電気負荷に供給される前記出力電力にわたる前記出力DC電圧は、第1の閾値と第2の閾値との間にある、請求項1記載の装置。
【請求項21】
前記電気負荷に供給される前記出力電力にわたる前記出力DC電圧は、第1の閾値と第2の閾値との間にある、請求項11記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つのスイッチは、前記変換ユニットにわたって結合される、請求項1記載の装置。
【請求項23】
前記少なくとも1つのスイッチは、前記少なくとも1つのスイッチが作動されるとき、前記二次コイルを短絡する、請求項22に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般にワイヤレス電力伝送システムに関し、より詳しくはワイヤレス電力伝送システムを保護するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1つまたは複数の産業において、電気自動車またはハイブリッド車は、車両を駆動するために電力を供給する1つまたは複数の電池を含む。一例において、電池は、車両内の車軸を駆動するために電動機にエネルギーを供給し、次いでそれによって、車両が駆動される。電池は電力を供給するのに使用され、したがって、枯渇することがあり、外部電源から充電する必要がある。
【0003】
概して、電力伝送システムは、例えば車両内の電池などの1つまたは複数の電気負荷に電源から電力を伝送するのに広く使用される。典型的には、電力伝送システムは、接触ベースの電力伝送システムであるかまたは非接触電力伝送システムであり得る。接触ベース
の電力伝送システムにおいて、プラグ、ソケットコネクタ、および電線などの構成部品が、電池を充電するために物理的に電池に結合される。しかし、環境影響により、そのようなコネクタおよび電線は、損傷したりまたは腐食したりすることがある。また、高電流および高電圧が電池を充電するのに使用される。したがって、電源と車両内の電池との間に物理的接続を確立させることにより、厄介な安全対策が関与することがある。また、この電力伝送システムは、非接触電力伝送システムに比較してかさばり、重くなることがある。
【0004】
非接触電力伝送システムにおいて、電力変換器が、入力電力を車両内の電池などの電気負荷にさらに送信される伝送可能な電力に変換するのに使用される。電力変換器は、入力電力を伝送可能な電力に変換するために特定のスイッチング周波数において動作されるスイッチを含む。典型的には、負荷に応じて、電力変換器のスイッチング周波数は、電力伝送システムの出力電圧を調節または制御するために変更される。しかし、電気負荷が切り離され、または変更された場合、電力伝送システムの出力電圧は、非常に短い時間に非常に高い値に達することがある。そのような出力電圧の突然の増加は、動作の障害をもたらすことがあり、電力伝送システム内の1つまたは複数の構成部品を損傷することもある。
【0005】
したがって、電力伝送システムを保護するためのシステムおよび方法の改善が必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、ワイヤレス電力伝送システムが開示される。ワイヤレス電力伝送システムは、入力電力の第1のDC電圧を第1のAC電圧に変換するように構成された第1の変換ユニットを含む。さらに、ワイヤレス電力伝送システムは、第1の変換ユニットに通信可能に結合され、第1のAC電圧を有する入力電力を第1の変換ユニットから受信し、入力電力を送信するように構成された非接触電力伝送ユニットを含む。また、ワイヤレス電力伝送システムは、非接触電力伝送ユニットに通信可能に結合され、非接触電力伝送ユニットから入力電力を受信し、入力電力の第1のAC電圧を第2のDC電圧に変換するように構成された第2の変換ユニットを含む。第2のDC電圧を有する入力電力は、電気負荷に送信される。さらに、ワイヤレス電力伝送システムは、非接触電力伝送ユニットおよび第2の変換ユニットに結合され、電気負荷の両端間の第2のDC電圧が第1の閾値よりも大きい場合、第2の変換ユニットを非接触電力伝送ユニットから減結合するように構成されたスイッチングユニットを含む。
【0007】
本発明の別の実施形態によれば、ワイヤレス電力伝送システムを保護するためのスイッチングユニットが開示される。スイッチングユニットは、電気負荷に結合されるように構成された第2の変換ユニットの両端間に電気的に結合されるように構成されたスイッチを含む。また、スイッチングユニットは、スイッチに電気的に結合され、電気負荷の両端間で決定された出力DC電圧が第1の閾値よりも大きい場合、スイッチを作動させるために第1の制御信号を送るように構成された制御器を含む。スイッチは、第2の変換ユニットを非接触電力伝送ユニットから減結合するために作動される。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、ワイヤレス電力伝送システムを保護するための方法が開示される。方法は、第1の変換ユニットによって、入力電力の第1のDC電圧を第1のAC電圧に変換するステップを含む。さらに、方法は、第1のAC電圧を有する入力電力を第1の変換ユニットから受信するステップと、非接触電力伝送ユニットによって送信するステップとを含む。また、方法は、第2の変換ユニットによって、入力電力の第1のAC電圧を第2のDC電圧に変換するステップを含む。さらに、方法は、第2のDC電圧を有する入力電力を第2の変換ユニットから電気負荷に送信するステップを含む。さらに、
方法は、電気負荷の両端間の第2のDC電圧が第1の閾値よりも大きい場合、スイッチングユニットによって、第2の変換ユニットを非接触電力伝送ユニットから減結合するステップを含む。
【0009】
本開示のこれらのおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の詳細な説明を、図面全体を通して同じ文字が同じ部分を表す添付の図面を参照して読むと、よりよく理解することになろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態による、スイッチングユニットを有するワイヤレス電力伝送システムを表す構成図である。
【
図2】本発明の実施形態による、ワイヤレス電力伝送システムの回路図である。
【
図3】本発明の別の実施形態による、ワイヤレス電力伝送システムの回路図である。
【
図4】本発明の実施形態による、ワイヤレス電力伝送システムを保護するための方法を例示する流れ図である。
【
図5】本発明の実施形態による、ワイヤレス電力伝送システム内の変換ユニットを減結合し、結合するための方法を例示する流れ図である。
【
図6】本発明の実施形態による、ワイヤレス電力伝送システムの出力電圧を調節するための方法を例示する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に詳細に説明するように、ワイヤレス電力伝送システムを保護するためのシステムおよび方法の様々な実施形態が開示される。また、ワイヤレス電力伝送システムの出力電圧を調節するためのシステムおよび方法の様々な実施形態が開示される。具体的には、本明細書に開示するシステムおよび方法は、ワイヤレス電力伝送システム内の1つまたは複数の構成部品を保護するためにスイッチングユニットを採用する。より具体的には、スイッチングユニットは、ワイヤレス電力伝送システムの出力電圧が望ましくない値まで増加した場合、システム内の1つまたは複数の構成部品を減結合する。さらに、スイッチングユニットは、ワイヤレス電力伝送システムに結合された電気負荷が大幅に変化した場合でも、ワイヤレス電力伝送システムの出力電圧を制御または調節するのに使用することができる。
【0012】
図1は、本発明の実施形態による、ワイヤレス電力伝送システム100の図式による表示である。ワイヤレス電力伝送システム100は、電池、軽負荷、携帯電話のようなモバイルデバイス、ラップトップコンピュータ、HVACシステムなどの1つまたは複数の電気負荷132に電源102から電力を送信するのに使用される。特に、自動車産業において、電気自動車またはハイブリッド車は、車両を駆動するために電力を供給する1つまたは複数の電池を含む。そのような電池は、ワイヤレス電力伝送システム100を介して電源102から充電することができる。一実施形態において、ワイヤレス電力伝送システム100は、非接触電力伝送システムと称することもできる。
【0013】
例示する実施形態において、ワイヤレス電力伝送システム100は、第1の変換ユニット104(インバータ)と、制御ユニット106と、非接触電力伝送ユニット108と、第2の変換ユニット110(整流器)とを含む。第1の変換ユニット104は、電源102および制御ユニット106に電気的に結合される。電源102は、第1のDC電圧112を有する入力電力を第1の変換ユニット104に供給するように構成される。いくつかの実施形態において、入力電力は、約100Wから約6.6kWまでの範囲にあることができる。一実施形態において、電源102は、ワイヤレス電力伝送システム100の一部であることができる。別の実施形態において、電源102は、ワイヤレス電力伝送システム100の外部に位置決めすることができる。
【0014】
第1の変換ユニット104は、第1のDC電圧112を有する入力電力を電源102から受信するように構成される。さらに、第1の変換ユニット104は、入力電力の第1のDC電圧112を第1のAC電圧114に変換するために、決定されたスイッチング周波数において動作するように構成される。特に、制御ユニット106は、ワイヤレス電力伝送システム100に結合された電気負荷132に基づいて第1の変換ユニット104のスイッチング周波数を決定することができる。一例において、制御ユニット106は、あらかじめ記憶された命令またはプログラムに基づいて1つまたは複数の機能を実施するデジタル回路またはプロセッサを含むことができる。入力電力の第1のDC電圧112を第1のAC電圧114に変換し次第、第1の変換ユニット104は、第1のAC電圧114を有する入力電力を非接触電力伝送ユニット108に送信するようにさらに構成される。
【0015】
非接触電力伝送ユニット108は、互いに磁気的に結合された2つ以上のコイルまたはコイル116の配列を含む。コイル116は、第1のAC電圧114を有する入力電力を第1の変換ユニット104から第2の変換ユニット110にワイヤレスで送信するのに使用される。コイル116を使用して電力を送信することに関する詳細は、
図2を参照して以下により詳細に説明する。
【0016】
第2の変換ユニット110は、スイッチングユニット130を介して非接触電力伝送ユニット108に電気的に結合される。第1のAC電圧114を有する電力を非接触電力伝送ユニット108から受信し次第、第2の変換ユニット110は、第1のAC電圧114を有する電力を第2のDC電圧118を有する出力電力に変換するように構成される。さらに、第2の変換ユニット110は、第2のDC電圧118を有する出力電力を電気負荷132に送信するように構成される。一例において、出力電力は、ワイヤレス電力伝送システム100に結合された1つまたは複数の電池を含む電気負荷を充電するのに使用することができる。
【0017】
さらに、ワイヤレス電力伝送システム100は、共に帰還ループ126を形成する、センサ120と、第1の送受信機122と、第2の送受信機124とを含む。センサ120は、第2のDC電圧(出力電圧)118を感知するのに使用される。帰還ループ126は、第2のDC電圧118を表す電圧信号(Vo)128を第1の送受信機122および第2の送受信機124を介してセンサ120から制御ユニット106に通信するのに使用される。さらに、制御ユニット106は、電気負荷132の両端間の第2のDC電圧118を制御または調節するために、受信した電圧信号(Vo)128に基づいて第1の変換ユニット104のスイッチング周波数を調整または変更するのに使用することができる。
【0018】
しかし、電圧信号(Vo)128が第1の送受信機122と第2の送受信機124との間のワイヤレス通信路を使用して通信されるので、制御ユニット106は、ある時間遅延後に電圧信号(Vo)128を受信する可能性がある。一実施形態において、遅延は、約1ミリ秒から約5ミリ秒までの範囲にあることができる。制御ユニット106は、電圧信号(Vo)128を通信する際の遅延により電気負荷132の両端間の第2のDC電圧118を適時に制御することができない可能性がある。その結果、第2のDC電圧118は、臨界値を超えて増加することがあり、次いでそれによって、ワイヤレス電力伝送システム100内の第2の変換ユニット110および/または他の構成部品が損傷することがある。臨界値は、それを超えるとワイヤレス電力伝送システム100内の構成部品が損傷することがある電圧値であり得る。一実施形態において、臨界値は、約400Vから約500Vまでの範囲にあることができる。
【0019】
臨界値を超える第2のDC電圧118の増加に関連した問題を克服するために、例示的なワイヤレス電力伝送システム100は、第2の変換ユニット110を損傷から保護する
ためのスイッチングユニット130を含む。特に、スイッチングユニット130は、非接触電力伝送ユニット108および第2の変換ユニット110に電気的に結合される。スイッチングユニット130は、第2のDC電圧118が第1の閾値(VoMax)よりも大きい場合、第2の変換ユニット110を非接触電力伝送ユニット108から減結合するように構成される。第1の閾値(VoMax)は、臨界値よりも小さくてよい。一実施形態において、第1の閾値(VoMax)は、約350Vから約450Vまでの範囲にあることができる。
【0020】
入力電力は、第2の変換ユニット110を非接触電力伝送ユニット108から減結合することによって第2の変換ユニット110または電気負荷132に送信されない。その結果、電気負荷132の両端間の第2のDC電圧118を第1の閾値(VoMax)未満に低減することができる。スイッチングユニット130は、第2のDC電圧118が臨界値に達するのを防止するように構成され、次いでそれによって、第2の変換ユニット110が損傷から保護される。第2の変換ユニット110の保護は、
図2を参照してより詳細に説明する。
【0021】
さらに、一実施形態において、スイッチングユニット130は、電気負荷132の両端間の第2のDC電圧118を調節または制御するのに使用することができる。第2のDC電圧118が電圧基準値(Voref)よりも大きい場合、スイッチングユニット130は、第2の変換ユニット110を非接触電力伝送ユニット108から減結合せずに第2のDC電圧118を調節または制御するように構成される。第2のDC電圧118の調節は、
図3を参照してより詳細に説明する。
【0022】
図2を参照すると、本発明の実施形態による、ワイヤレス電力伝送システム200の回路図が示される。ワイヤレス電力伝送システム200は、
図1のワイヤレス電力伝送システム100と同様である。ワイヤレス電力伝送システム200は、電気自動車またはハイブリッド車における1つまたは複数の電池などの電気負荷232に電源202から入力電力を送信するのに使用される。
【0023】
ワイヤレス電力伝送システム200は、第1の変換ユニット204と、制御ユニット206と、非接触電力伝送ユニット208と、第2の変換ユニット210と、スイッチングユニット212と、第1の送受信機214と、第2の送受信機216とを含む。ワイヤレス電力伝送システム200は、他の構成部品を含むことができ、
図2に示す構成部品に限定されない可能性があることに留意することができる。
【0024】
例示する実施形態において、第1の変換ユニット204は、電源202に電気的に結合され、第1のDC電圧218を有する入力電力を電源202から受信するように構成される。第1の変換ユニット204は、第1の変換ユニット204の入力端子と出力端子との間に電気的に結合された複数のスイッチ220とダイオード222とを含む。一例において、スイッチ220は、MOSFETやIGBTなどの電子スイッチを含むことができる。複数のスイッチ220およびダイオード222は、DC/AC変換器を形成するように配列される。
【0025】
スイッチ220は、入力電力の第1のDC電圧218を第1のAC電圧224に変換するために第1の変換ユニット204のスイッチング周波数に基づいて作動され、動作停止される。特に、制御ユニット206は、ワイヤレス電力伝送システム200に結合された電気負荷232に基づいて第1の変換ユニット204のスイッチング周波数を決定するように構成される。さらに、制御ユニット206は、入力電力の第1のDC電圧218を第1のAC電圧224に変換するためにスイッチング周波数を表す1つまたは複数のゲート信号226を複数のスイッチ220に送るように構成される。第1のAC電圧224を有
する入力電力は、第1の変換ユニット204から非接触電力伝送ユニット208に送信される。
【0026】
非接触電力伝送ユニット208は、第1のAC電圧224を有する入力電力を受信するために第1の変換ユニット204に電気的に結合される。非接触電力伝送ユニット208は、一次コイル228と二次コイル230とを含む。一次コイル228は、第1の変換ユニット204に電気的に結合される。同様に、二次コイル230は、第2の変換ユニット210に電気的に結合される。一次コイル228および二次コイル230は、互いに磁気的に結合される。
【0027】
非接触電力伝送ユニット208は、一次コイル228および二次コイル230に加えて、磁界収束コイル234と補償コイル236とを含む。磁界収束コイル234は、一次コイル228と二次コイル230との間に位置決めされる。磁界収束コイル234は、一次コイル228および二次コイル230に磁気的に結合される。同様に、補償コイル236は、二次コイル230に磁気的に結合される。非接触電力伝送ユニット208は、第1の変換ユニット204から第2の変換ユニット210に電力を伝送するために2つ以上のコイルを含むことができることに留意することができる。
【0028】
さらに、第1の変換ユニット204からの第1のAC電圧224を有する入力電力は、一次コイル228および磁界収束コイル234を同時に励振するように構成される。一次コイル228によって発生された磁界は、磁界収束コイル234を介して二次コイル230に向かって収束される。二次コイル230は、磁界を受信し、磁界を第1のAC電圧224を有する入力電力に変換するように構成される。次いで、第1のAC電圧224を有する電力は、二次コイル230から第2の変換ユニット210に送信される。一実施形態において、磁界収束コイル234は、一次コイル228と二次コイル230との間の結合を高めるために入力電力によって同時に励振されるアレイで配列された1つまたは複数の共振器に電気的に結合される。補償コイル236は、非接触電力伝送ユニット208のインピーダンスを第2の変換ユニット210に合わせるように構成される。
【0029】
第2の変換ユニット210は、第1のAC電圧224を有する電力を第2のDC電圧238を有する出力電力に変換するように構成される。特に、第2の変換ユニット210は、第2の変換ユニット210の入力端子と出力端子との間に電気的に結合された複数のダイオード、MOSFET、またはIGBT240を含む。第2のDC電圧238を有する電力は、電気負荷232に送信される。一実施形態において、電気負荷232は、第2の変換ユニット210から受信した電力を使用することによって充電される電池でもよい。本明細書において、「出力電圧」および「第2のDC電圧」という用語は、互換可能に使用することができることに留意することができる。
【0030】
さらに、ワイヤレス電力伝送システム200は、共に帰還ループ242を形成する、センサ244と、第1の送受信機214と、第2の送受信機216とを含む。帰還ループ242は、負荷情報および/または第2のDC電圧情報を制御ユニット206に通信するのに使用される。より具体的には、センサ244は、電気負荷232の両端間の第2のDC電圧238を決定するために第2の変換ユニット210の出力端子に電気的に結合される。一実施形態において、センサ244は、電圧センサでよい。そのような実施形態において、センサ244は、決定された第2のDC電圧238を表す電圧信号(Vo)246を第1の送受信機214に送信するように構成される。
【0031】
第1の送受信機214は、電圧信号(Vo)246を第2の送受信機216のアンテナ250に向かって送信するように構成されたアンテナ248を含む。一実施形態において、第1の送受信機214は、電気負荷232に近接して位置決めすることができ、第2の
送受信機216は、第1の変換ユニット204または電源202に近接して位置決めすることができる。第2の送受信機216は、第1の送受信機214によって送信された電圧信号(Vo)246を受信するように構成される。さらに、第2の送受信機216は、受信した電圧信号(Vo)246を制御ユニット206に送信するように構成される。
【0032】
制御ユニット206は、第2のDC電圧238を表す電圧信号(Vo)246に基づいて電気負荷232の変化を決定するように構成される。電圧信号(Vo)246を受信することに応答して、制御ユニット206は、第1の変換ユニット204のスイッチング周波数を決定または調整するように構成される。さらに、制御ユニット206は、第1の変換ユニット204の第1のAC電圧224を制御するためにスイッチング周波数を表すゲート信号226を第1の変換ユニット204に送るように構成され、次いでそれによって、電気負荷232の両端間の第2のDC電圧238が制御される。言い換えれば、制御ユニット206は、帰還ループ242を介して受信した電圧信号(Vo)246に基づいてワイヤレス電力伝送システム200の第2のDC電圧238を制御または調節するように構成される。
【0033】
図1の実施形態と同様に、臨界値を超える第2のDC電圧238の増加に関連した問題を克服するために、例示的なワイヤレス電力伝送システム200は、第2の変換ユニット210を損傷から保護するように構成されたスイッチングユニット212を含む。スイッチングユニット212は、スイッチ252と制御器254とを含む。制御器254は、スイッチ252およびセンサ244に電気的に結合される。
【0034】
例示する実施形態において、スイッチ252は、第2の変換ユニット210の両端間に電気的に結合される。スイッチ252は、スイッチ252が第1の制御信号を制御器254から受信した場合に作動される。具体的には、スイッチ252は、二次コイル230を短絡するために作動されまたは閉じられ、次いでそれによって、第2の変換ユニット210が二次コイル230から減結合される。同様に、スイッチ252は、スイッチ252が第2の制御信号を制御器254から受信した場合に動作停止され得る。具体的には、スイッチ252は、二次コイル230を第2の変換ユニット210に結合するために動作停止されまたは開かれる。
【0035】
制御器254は、第1の比較器256と、第2の比較器258と、フリップフロップユニット260とを含む。第1の比較器256および第2の比較器258は、フリップフロップユニット260の入力端子に電気的に結合される。制御器254の入力端子が、第1の比較器256および第2の比較器258に結合される。制御器254の出力端子が、フリップフロップユニット260に結合される。
【0036】
制御器254は、第2のDC電圧238を表す電圧信号(Vo)246をセンサ244から受信するように構成される。さらに、受信した電圧信号(Vo)246は、第1の比較器256および第2の比較器258に送信される。第1の比較器256は、第2のDC電圧238を第1の閾値(VoMax)と比較するように構成される。第2のDC電圧238が第1の閾値(VoMax)よりも大きい場合、第1の比較器256は、制御器254の出力端子において第1の制御信号を発生させるためにフリップフロップユニット260をトリガするように構成される。
【0037】
同様に、第2の比較器258は、第2のDC電圧238を表す電圧信号(Vo)246を受信するように構成される。さらに、第2の比較器258は、受信した第2のDC電圧238を第2の閾値(VoMin)と比較するように構成される。本明細書では、第2の閾値(VoMin)は、第1の閾値(VoMax)よりも小さいことに留意されたい。第2のDC電圧238が第2の閾値(VoMin)よりも小さい場合、第2の比較器258は
、制御器254の出力端子において第2の制御信号を発生させるためにフリップフロップユニット260をトリガするように構成される。
【0038】
ワイヤレス電力伝送システム200の通常動作の間、スイッチ252は、第2の変換ユニット210を非接触電力伝送ユニット208に結合するために動作停止される。電気負荷232の両端間の第2のDC電圧238は、第1の送受信機214および第2の送受信機216を介してセンサ244から受信した電圧信号(Vo)246に基づいて制御ユニット206によって制御または調節される。制御器254は、第2のDC電圧238が第1の閾値(VoMax)よりも小さい場合、スイッチ252を作動させないかまたは閉じない。
【0039】
ある状況において、全負荷232または負荷232の一部が突然第2の変換ユニット210から切り離されまたは減結合された場合、負荷232の両端間の第2のDC電圧238は、第1の閾値(VoMax)を超えて増加することがある。センサ244は、この第2のDC電圧238を表す電圧信号(Vo)246を決定し、制御器254および第1の送受信機214に送る。制御器254において、第1の比較器256は、第2のDC電圧238を第1の閾値(VoMax)と比較する。第2のDC電圧238が第1の閾値(VoMax)よりも大きい場合、第1の比較器256は、スイッチ252に送信される第1の制御信号を発生させて、スイッチ252を動作停止させるためにフリップフロップユニット260をトリガする。その結果、第2の変換ユニット210は、非接触電力伝送ユニット208から減結合される。
【0040】
同時に、第1の制御信号は、制御器254から第1の送受信機214に送信される。さらに、第1の送受信機214は、センサ244から受信した電圧信号(Vo)246および制御器254から受信した第1の制御信号を第2の送受信機216に送信する。電圧信号(Vo)246および第1の制御信号は、制御ユニット206にさらに送信される。
【0041】
電圧信号(Vo)246および第1の制御信号を受信し次第、制御ユニット206は、受信した第1の制御信号に基づいてスイッチ252がワイヤレス電力伝送システム200において作動されていると決定する。その結果、制御ユニット206は、第1の変換ユニット204を動作停止させる。一実施形態において、制御ユニット206は、スイッチ220を動作停止させまたは開くために第1の電力変換ユニット204内のスイッチ220にゲート信号226を送る。その結果、第1の変換ユニット204は、非接触電力伝送ユニット208および第2の変換ユニット210に電力を送信することから動作停止され、または中断される。
【0042】
さらに、所定の時間後、制御ユニット206は、リセット信号262を第2の送受信機216に送り、リセット信号262は、第1の送受信機214にさらに送信される。第1の送受信機214は、リセッ信号262を制御器254内のフリップフロップユニット260に送る。リセット信号262を受信することに応答して、フリップフロップユニット260は、リセットし、制御器254の出力端子において第2の制御信号を発生させる。発生された第2の制御信号は、スイッチ252を動作停止させまたは開くためにスイッチ252に送信され、したがって、第2の変換ユニット210は、非接触電力伝送ユニット208に結合されて、第2の変換ユニット210が、第2のDC電圧238を有する電力を電気負荷232に継続して供給することが可能になる。
【0043】
同時に、制御器254における発生された第2の制御信号は、第1の送受信機214に送信される。第1の送受信機214は、第2の制御信号に加えて、負荷232の両端間の第2のDC電圧238を表す電圧信号(Vo)246を受信する。さらに、第1の送受信機214は、電圧信号(Vo)246および第2の制御信号を第2の送受信機216に送
信し、それらの信号は制御ユニット206にさらに送信される。
【0044】
電圧信号(Vo)246および第2の制御信号を第2の送受信機216から受信し次第、制御ユニット206は、第2のDC電圧238が第1の閾値(VoMax)以下であるか否かを決定する。第2のDC電圧238が第1の閾値(VoMax)以下である場合、制御ユニット206は、第1の変換ユニット204を作動させるためにゲート信号226を第1の変換ユニット204内のスイッチ220に送る。さらに、制御ユニット206は、電気負荷232の両端間の第2のDC電圧238に基づいて第1の変換ユニット204のスイッチング周波数を調整または変更する。一実施形態において、制御ユニット206は、電気負荷232の両端間の第2のDC電圧238を調節または制御するために第1の変換ユニット204のスイッチング周波数を調整または変更する。第2のDC電圧238が第1の閾値(VoMax)よりも大きい場合、制御ユニット206は、別のリセット信号を制御器254に送るために所定の時間待機する。第2のDC電圧238が、リセット信号を所定の回数送信した後、継続して第1の閾値(VoMax)よりも大きい場合、制御ユニット206は、システム200を動作停止させる。
【0045】
したがって、スイッチングユニット212および制御ユニット206を採用することによって、第2のDC電圧238は、臨界値を超えて増加するのが防止される。その結果、第2の変換ユニット210は、電気負荷232がワイヤレス電力伝送システム200から切り離されまたは減結合されても損傷から保護される。
【0046】
図3を参照すると、本発明の別の実施形態による、ワイヤレス電力伝送システム300の回路図。ワイヤレス電力伝送システム300は、スイッチングユニット212内の制御器302が第2の変換ユニット210の第2のDC電圧238(出力電圧)を調節または制御するように構成されることを除いて、
図2のワイヤレス電力伝送システム200と同様である。
【0047】
動作の間、電気負荷232がワイヤレス電力システム300から切り離された場合、負荷232の両端間の第2のDC電圧238は、電圧基準値(Voref)を超えて増加することがある。第2のDC電圧238が臨界値を超えて増加しないように第2のDC電圧238を制御または調節することが必要である。一例において、電圧基準値(Voref)は臨界値よりも小さい。
【0048】
センサ244は、電気負荷232の両端間の第2のDC電圧238を決定する。さらに、センサ244は、第2のDC電圧238を表す電圧信号(Vo)246を制御器302に送信する。制御器302において、第2のDC電圧238は、電圧基準値(Voref)と比較される。第2のDC電圧238が電圧基準値(Voref)よりも大きい場合、制御器302は、スイッチ252を制御するために、決定されたデューティサイクルを有する制御信号304を発生させる。一実施形態において、制御器302は、ルックアップテーブルを使用してデューティサイクルを決定または選択することができる。例えば、第2のDC電圧238が90ボルトである場合、90ボルトに対応する0.75のデューティサイクルがルックアップテーブルから選択される。別の例において、第2のDC電圧238が170ボルトである場合、170ボルトに対応する0.5のデューティサイクルがルックアップテーブルから選択される。さらに別の例において、第2のDC電圧238が250ボルトである場合、250ボルトに対応する0.25のデューティサイクルがルックアップテーブルから選択される。
【0049】
制御器302は、負荷232の両端間の第2のDC電圧238を調節または制御するために、決定されたデューティサイクルを有する制御信号304をスイッチ252に送信する。特に、制御信号304は、決定されたデューティサイクルを有するスイッチングパル
スを有する。スイッチングパルスは、負荷232の両端間の第2のDC電圧238を調節または制御するためにスイッチ252に送信される。
【0050】
同時に、電圧信号(Vo)246は、センサ244から第1の送受信機214に送信される。さらに、第1の送受信機214は、電圧信号(Vo)246を第2の送受信機216に送信し、次いで、電圧信号(Vo)246は制御ユニット206に送信される。
【0051】
制御ユニット206において、ゲート信号226が、第2のDC電圧238に基づいて発生される。さらに、制御ユニット206は、第1の変換ユニット204のスイッチング周波数を調整または変更するためにゲート信号226を第1の変換ユニット204内のスイッチ220に送信する。その結果、第1の変換ユニット204からの第1のAC電圧224は調節され、次いでそれによって、負荷232の両端間の第2のDC電圧238が制御または調節される。しかし、制御ユニット206を使用する第2のDC電圧238の調節は、制御器302を使用する第2のDC電圧の調節の後に行われる。したがって、制御器302は、制御ユニット206による第2のDC電圧238の調節に比較して第2のDC電圧238のより速い調節を実施することができる。
【0052】
したがって、負荷232の両端間の第2のDC電圧238は、第2のDC電圧238が臨界値に到達する前に、スイッチングユニット212を採用することによって調節または制御される。その結果、第2の変換ユニット210は、電気負荷232がワイヤレス電力伝送システム300から切り離されても、損傷が防止される。
【0053】
図4を参照すると、本発明の態様による、ワイヤレス電力伝送システムを保護するための方法400を例示する流れ図が示される。方法400は、
図1および2の構成部品を参照して説明する。ステップ402において、入力電力の第1のDC電圧が第1のAC電圧に変換される。第1の変換ユニットが、第1のDC電圧を有する入力電力を受信するために電源に結合される。第1の変換ユニットは、入力電力の第1のDC電圧を第1のAC電圧に変換するために、決定されたスイッチング周波数において動作される。
【0054】
続いて、ステップ404において、方法は、第1のAC電圧を有する入力電力を受信するステップと送信するステップとを含む。特に、非接触電力伝送ユニットが、第1のAC電圧を有する入力電力を受信するために第1の変換ユニットに電気的に結合される。非接触電力伝送ユニットは、第1のAC電圧を有する入力電力を第2の変換ユニットに送信する。さらに、ステップ406において、入力電力の第1のAC電圧は、第2のDC電圧に変換される。第2の変換ユニットは、第1のAC電圧を有する入力電力を受信するために非接触電力伝送ユニットに電気的に結合される。さらに、第2の変換ユニットは、入力電力の第1のAC電圧を第2のDC電圧に変換する。ステップ408において、第2のDC電圧を有する入力電力は、第2の変換ユニットから電気負荷に送信される。一実施形態において、電気負荷は、第2の変換ユニットから受信した第2のDC電圧を有する入力電力を使用して充電される1つまたは複数の電池でよい。
【0055】
ステップ410において、第2の変換ユニットは、電気負荷の両端間の第2のDC電圧が第1の閾値(VoMax)よりも大きい場合、非接触電力伝送ユニットから減結合される。具体的には、スイッチングユニットが、第2の変換ユニットを非接触電力伝送ユニットから減結合するのに使用される。その結果、電気負荷の両端間の第2のDC電圧は、第1の閾値(VoMax)未満に低減され、それにより、第2の変換ユニットが過電圧による損傷から保護される。さらに、決定された第2のDC電圧が第2の閾値(VoMin)よりも小さい場合、スイッチングユニットは、第2のDC電圧を有する電力を継続して電気負荷に供給するために第2の変換ユニットを非接触電力伝送ユニットに結合する。
【0056】
図5を参照すると、本発明の実施形態による、ワイヤレス電力伝送システムにおける第2の変換ユニットを減結合し、結合するための方法を例示する流れ図が示される。具体的には、方法500は、
図4のステップ410に関与するステップを含む。ステップ502において、電気負荷の両端間の第2のDC電圧を表す電圧信号(Vo)がセンサによって送信される。より具体的には、センサは、電圧信号(Vo)を制御器に送信する。さらに、センサは、第1の送受信機および第2の送受信機を介して電圧信号(Vo)を制御ユニットに送信する。
【0057】
続いて、ステップ504において、制御器は、第2のDC電圧を表す電圧信号(Vo)が第1の閾値(VoMax)よりも大きいか否かを決定する。第2のDC電圧を表す電圧信号(Vo)が第1の閾値(VoMax)よりも大きい場合、制御器は、ステップ506において示すように、スイッチを作動させるかまたは閉じるために第1の制御信号をスイッチに送信する。その結果、第2の変換ユニットは、非接触電力伝送ユニットから減結合され、それにより、負荷の両端間の第2のDC電圧は、第1の閾値(VoMax)未満に低減される。より具体的には、第2のDC電圧は、第1の閾値(VoMax)よりも大きい臨界値に到達するのが防止される。臨界値は、それを超えると第2の変換ユニットが損傷されることがある電圧値であり得る。同時に、制御器は、第1の送受信機および第2の送受信機を介して第1の制御信号を制御ユニットに送る。
【0058】
さらに、ステップ508において、制御器は、第2のDC電圧を表す電圧信号(Vo)が第2の閾値(VoMin)よりも小さいか否かを決定する。第2のDC電圧を表す電圧信号(Vo)が第2の閾値(VoMin)よりも小さい場合、制御器は、ステップ510において示すように、スイッチを動作停止させるかまたは開くために第2の制御信号をスイッチに送る。その結果、第2の変換ユニットは、電力を受信し電気負荷に供給するために非接触電力伝送ユニットに結合される。
【0059】
ステップ512において、制御ユニットは、電圧信号(Vo)および第1の制御信号を受信する。制御ユニットは、第1の送受信機および第2の送受信機を介して電圧信号(Vo)をセンサから受信する。制御ユニットは、第1の送受信機および第2の送受信機を介して第1の制御信号を制御器から受信する。
【0060】
続いて、ステップ514において、制御ユニットは、第1の制御信号が制御器から受信された場合、第1の変換ユニットを動作停止させる。第1の変換ユニットは、入力電力の第2の変換ユニットへの供給を防止するために動作停止される。さらに、ステップ516において、制御ユニットは、所定の時間後、第1の送受信機および第2の送受信機を介してリセット信号を制御器に送信する。リセット信号を受信することに応答して、制御器は、第2の制御信号を発生させる。さらに、制御器は、スイッチを動作停止させまたは開くために第2の制御信号をスイッチに送る。その結果、第2の変換ユニットは、ステップ508において、電力を受信し電気負荷に供給するために非接触電力伝送ユニットに結合される。
【0061】
同時に、ステップ518において、制御器は、第1の送受信機および第2の送受信機を介して第2の制御信号を制御ユニットに送信する。さらに、センサは、第1の送受信機および第2の送受信機を介して電圧信号(Vo)を制御ユニットに送信する。続いて、ステップ520において、制御ユニットは、第2のDC電圧を表す電圧信号(Vo)が第1の閾値(VoMax)以下であるか否かを決定する。第2のDC電圧が第1の閾値(VoMax)以下である場合、制御ユニットは、第1の変換ユニットを作動させるためにゲート信号を送信する。その結果、入力電力は、非接触電力伝送ユニットを介して第2の変換ユニットに供給される。さらに、電気負荷は、第2のDC電圧を有する電力を第2の変換ユニットから受信する。その結果、ワイヤレス電力伝送ユニット内の1つまたは複数の構成部
品が、負荷の両端間の第2のDC電圧の増加から保護される。
【0062】
図6を参照すると、本発明の実施形態による、ワイヤレス電力伝送システムの出力電圧を調節するための方法を例示する流れ図が示される。ステップ602において、入力電力の第1のDC電圧が第1のAC電圧に変換される。具体的には、第1の変換ユニットが、第1のDC電圧を有する入力電力を受信するために電源に結合される。さらに、第1の変換ユニットは、入力電力の第1のDC電圧を第1のAC電圧に変換するために、決定されたスイッチング周波数において動作される。
【0063】
続いて、ステップ604において、方法は、第1のAC電圧を有する入力電力を受信するステップと送信するステップとを含む。特に、非接触電力伝送ユニットが、第1のAC電圧を有する入力電力を受信するために第1の変換ユニットに電気的に結合される。さらに、非接触電力伝送ユニットは、第1のAC電圧を有する入力電力を第2の変換ユニットに送信する。
【0064】
さらに、ステップ606において、入力電力の第1のAC電圧は、第2のDC電圧に変換される。第2の変換ユニットは、第1のAC電圧を有する入力電力を受信するために非接触電力伝送ユニットに電気的に結合される。さらに、第2の変換ユニットは、入力電力の第1のAC電圧を第2のDC電圧に変換する。ステップ608において、第2のDC電圧を有する入力電力は、第2の変換ユニットから電気負荷に送信される。一実施形態において、電気負荷は、第2の変換ユニットから受信した第2のDC電圧を有する入力電力によって充電される1つまたは複数の電池でよい。
【0065】
さらに、ステップ610において、電気負荷の両端間の第2のDC電圧は、電気負荷の両端間の第2のDC電圧が電圧基準値(Voref)よりも大きい場合、調節される。スイッチングユニットが、第2の変換ユニットに電気的に結合され、電気負荷の両端間の第2のDC電圧を調節するように構成される。特に、第2の変換ユニットの出力端子に結合されたセンサが、電気負荷の両端間の第2のDC電圧を決定するのに使用される。さらに、センサに結合された制御器が、第2のDC電圧に基づいて、決定されたデューティサイクルを有する制御信号を発生させるのに使用される。より具体的には、制御器は第2のDC電圧を電圧基準値(Voref)と比較する。第2のDC電圧が電圧基準値(Voref)よりも大きい場合、制御器は、第2のDC電圧に対応するデューティサイクルを決定または選択する。さらに、制御器は、選択または決定されたデューティサイクルを有する制御信号を発生させる。その後、制御器は、電気負荷の両端間の第2のDC電圧を調節して、第2の変換を過電圧による損傷から保護するために、決定されたデューティサイクルを有する制御信号をスイッチに供給する。
【0066】
本明細書において論じる例示的な実施形態によれば、例示的なシステムおよび方法は、負荷が切り離されたとき、ワイヤレス電力伝送システム内の1つまたは複数の構成部品を保護することを容易にする。さらに、例示的なシステムおよび方法は、負荷が切り離されたとき、出力電圧を制御または調節することを容易にする。その結果、システム内の1つまたは複数の構成部品は、システム内の構成部品を互いに減結合せずに保護される。
【0067】
本明細書において本開示のある特徴だけを例示し、説明してきたが、多くの修正および変更が当業者には思いつくことであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、すべてのそのような修正および変更を本開示の真の精神内に含まれるものとして包含することが意図されていないことを理解されたい。
【符号の説明】
【0068】
100 ワイヤレス電力伝送システム
102 電源
104 第1の変換ユニット(インバータ)
106 制御ユニット
108 非接触電力伝送ユニット
110 第2の変換ユニット(整流器)
112 第1のDC電圧
114 第1のAC電圧
116 コイル
118 第2のDC電圧
120 センサ
122 第1の送受信機
124 第2の送受信機
126 帰還ループ
128 電圧信号(Vo)
130 スイッチングユニット
132 電気負荷
200 ワイヤレス電力伝送システム
202 電源
204 第1の変換ユニット、第1の電力変換ユニット
206 制御ユニット
208 非接触電力伝送ユニット
210 第2の変換ユニット
212 スイッチングユニット
214 第1の送受信機
216 第2の送受信機
218 第1のDC電圧
220 スイッチ
222 ダイオード
224 第1のAC電圧
226 ゲート信号
228 一次コイル
230 二次コイル
232 電気負荷
234 磁界収束コイル
236 補償コイル
238 第2のDC電圧(出力電圧)
240 ダイオード、MOSFET、またはIGBT
242 帰還ループ
244 センサ
246 電圧信号(Vo)
248 アンテナ
250 アンテナ
252 スイッチ
254 制御器
256 第1の比較器
258 第2の比較器
260 フリップフロップユニット
262 リセット信号
300 ワイヤレス電力伝送システム
302 制御器
304 制御信号
400 方法
402、404、406、408、410 ステップ
500 方法
502、504、506、508、510、512、514、516、518、520、522 ステップ
600 方法
602、604、606、608、610 ステップ