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特許7538359極性シート捲回隙間の検出方法、その検出装置、その検出システム、電子機器及び不揮発性コンピュータ記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】極性シート捲回隙間の検出方法、その検出装置、その検出システム、電子機器及び不揮発性コンピュータ記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/14 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
G01B11/14 H
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023552546
(86)(22)【出願日】2022-01-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(86)【国際出願番号】 CN2022071380
(87)【国際公開番号】W WO2023133690
(87)【国際公開日】2023-07-20
【審査請求日】2023-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】許彬彬
【審査官】山▲崎▼ 和子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-204353(JP,A)
【文献】特開2018-170103(JP,A)
【文献】特開平04-294407(JP,A)
【文献】特開2009-170136(JP,A)
【文献】特開2016-058179(JP,A)
【文献】特開2006-145298(JP,A)
【文献】特表2023-543525(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0370882(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
H01M 4/00-4/62
10/00-10/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
極性シートを切断した後に決定された陽極領域の第1幅、陰極領域の第2幅及び保護領域の第3幅を取得するステップであって、前記陽極領域は第1極性シートの表面全体を覆い且つ前記陰極領域及び前記保護領域は第2極性シートの表面全体を覆っている、ステップと、
セパレータ、前記第1極性シート及び第2極性シートの捲回後の2つの側のエッジのサンプリング画像を受信するステップと、
前記サンプリング画像において、前記第1極性シートと第2極性シートとの間の隙間を特定するステップと、
前記第1幅、第2幅、第3幅及び前記第1極性シートと第2極性シートとの間の隙間に基づいて、前記陽極領域と陰極領域との間の隙間及び前記陽極領域と保護領域との間の隙間を計算するステップと、を含むことを特徴とする、極性シート捲回隙間の検出方法。
【請求項2】
前記サンプリング画像において、前記第1極性シートと前記セパレータとの間の隙間及び前記第2極性シートと前記セパレータとの間の隙間を特定するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1極性シートが第2極性シート上に積層され、前記保護領域の一部を覆う場合、前記サンプリング画像において、前記第1極性シートと第2極性シートとの間の隙間を特定する前記ステップは具体的に、
前記サンプリング画像において、前記陽極領域の第1側のエッジと前記保護領域の第1側のエッジとの間に存在する第1隙間を特定するステップを含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1幅、第2幅、第3幅及び前記第1極性シートと第2極性シートとの間の隙間に基づいて、前記陽極領域と陰極領域との間の隙間及び前記陽極領域と保護領域との間の隙間を計算する前記ステップは具体的に、
前記第3幅から前記第1隙間を減算して、前記陽極領域の第1側のエッジと陰極領域の第1側のエッジとの間に存在する第2隙間を取得するステップと、
前記第1幅から前記第2隙間及び前記第2幅を順に減算して、前記陽極領域の第2側のエッジと前記陰極領域の第2側のエッジとの間に存在する第3隙間を取得するステップと、を含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記サンプリング画像において、前記第1極性シートと前記セパレータとの間の隙間を特定し、且つ前記サンプリング画像において、前記第2極性シートと前記セパレータとの間の隙間を特定する前記ステップは具体的に、
第1側に位置するサンプリング画像において、第1極性シートのエッジとセパレータのエッジとの間に存在する隙間を特定し、且つ第2極性シートのエッジとセパレータのエッジとの間に存在する隙間を特定するステップと、
第2側に位置するサンプリング画像において、第1極性シートのエッジとセパレータのエッジとの間に存在する隙間を特定するステップと、を含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第2極性シートが第1極性シート上に積層され、前記陽極領域の一部を覆う場合、前記サンプリング画像において、前記第1極性シートと第2極性シートとの間の隙間を特定する前記ステップは具体的に、
前記サンプリング画像において、前記陰極領域の第1側のエッジと前記陽極領域の第1側のエッジとの間に存在する第4隙間を特定するステップを含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記第1幅、第2幅、第3幅及び前記第1極性シートと第2極性シートとの間の隙間に基づいて、前記陽極領域と陰極領域との間の隙間及び前記陽極領域と保護領域との間の隙間を計算する前記ステップは具体的に、
前記第1幅から前記第4隙間を減算し、前記第1極性シートと前記第2極性シートとの間の重なり部分の第4幅を取得するステップと、
前記第2幅を第3幅と加算した後、さらに前記第4幅を減算して、前記保護領域の第1側のエッジと前記陽極領域の第1側のエッジとの間に存在する第5隙間を取得するステップと、
前記第3幅から前記第5隙間を減算して、前記陰極領域の第2側のエッジと前記陽極領域の第2側のエッジとの間に存在する第6隙間を取得するステップと、を含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記サンプリング画像において、前記第1極性シートと前記セパレータとの間の隙間を特定し、且つ前記サンプリング画像において、前記第2極性シートと前記セパレータとの間の隙間を特定する前記ステップは具体的に、
第1側に位置するサンプリング画像において、第2極性シートのエッジとセパレータのエッジとの間に存在する隙間を特定するステップと、
第2側に位置するサンプリング画像において、第2極性シートのエッジとセパレータのエッジとの間に存在する隙間、及び第1極性シートのエッジとセパレータのエッジとの間に存在する隙間を特定するステップと、を含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
極性シートを切断した後に決定された陽極領域の第1幅、陰極領域の第2幅及び保護領域の第3幅を取得するために用いられる幅データ受信モジュールであって、前記陽極領域は第1極性シートの表面全体を覆い且つ前記陰極領域及び前記保護領域は第2極性シートの表面全体を覆っている、幅データ受信モジュールと、
前記第1極性シート、第2極性シート及びセパレータの捲回後の2つの側のエッジの少なくとも一部を含むサンプリング画像を受信することに用いられる画像データ受信モジュールと、
前記サンプリング画像において、前記第1極性シートと第2極性シートとの間の隙間を特定し、且つ前記第1幅、第2幅、第3幅及び前記第1極性シートと第2極性シートとの間の隙間に基づいて、前記陽極領域と陰極領域との間の隙間及び前記陽極領域と保護領域との間の隙間を計算することに用いられる隙間計算モジュールと、を含むことを特徴とする、極性シート捲回隙間の検出装置。
【請求項10】
捲芯の両側に位置し、第1極性シート、第2極性シート及びセパレータが捲回された後に形成される測定対象サンプルの2つの側のエッジの画像情報を収集することに用いられる少なくとも2組の画像収集機器と、
前記画像収集機器に通信接続され、前記画像収集機器が取得した画像情報を受信して上記請求項1~8のいずれか一項に記載の極性シート捲回隙間の検出方法を実行することに用いられるプロセッサと、を含むことを特徴とする、極性シート捲回隙間の検出システム。
【請求項11】
プロセッサと、前記プロセッサに通信接続されるメモリと、を含み、前記メモリにコンピュータプログラムコマンドが記憶され、前記コンピュータプログラムコマンドが前記プロセッサにより呼び出されると、前記プロセッサに請求項1~8のいずれか一項に記載の極性シート捲回隙間の検出方法を実行させることを特徴とする、電子機器。
【請求項12】
コンピュータプログラムコマンドが記憶され、前記コンピュータプログラムコマンドがプロセッサにより呼び出されると、請求項1~8のいずれか一項に記載の極性シート捲回隙間の検出方法を実行することを特徴とする、不揮発性コンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願はマシンビジョン分野に関し、具体的には極性シート捲回隙間の検出方法、その検出装置その検出システム、電子機器及び不揮発性コンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
捲回セルの製造工程において、順に積層された陽極極性シート、セパレータ、陰極極性シート及びセパレータを捲芯で捲回成形する必要がある。捲回成形された後の陽極極性シート、セパレータ、陰極極性シート及びセパレータの間の隙間は、予め設定されたプロセス要件を満たして、捲回セルに短絡などの危険な状況が発生しないことを保証する必要がある。
【0003】
工業用カメラに基づき実施される従来のマシンビジョン検出手段は、捲回成形された後の陽極極性シート、陰極極性シート及びセパレータの間の隙間を検出するために用いられる。しかしながら、これらマシンビジョン検出手段は構造設計、コストの制御及び実際の応用シーンとのマッチング状況などの問題に制限されて、少なからず欠点が存在する。その検出精度及び検出効率をいずれも向上させることが期待されている。
【発明の概要】
【0004】
上記課題を鑑み、本願は、極性シート隙間検出の効率及び精度を向上させることができる極性シート捲回隙間の検出方法、その検出装置及びその検出システムを提供する。
【0005】
第1態様によれば、本願は、極性シート捲回隙間の検出方法を提供する。該検出方法は、極性シートを切断した後に決定された陽極領域の第1幅、陰極領域の第2幅及び保護領域の第3幅を取得するステップであって、陽極領域は第1極性シートの表面全体を覆い且つ陰極領域及び保護領域は第2極性シートの表面全体を覆っている、ステップと、セパレータ、第1極性シート及び第2極性シートの捲回された後の2つの側のエッジのサンプリング画像を受信するステップと、サンプリング画像において、第1極性シートと第2極性シートとの間の隙間を特定するステップと、第1幅、第2幅、第3幅及び第1極性シートと第2極性シートとの間の隙間に基づき、陽極領域と陰極領域との間の隙間及び陽極領域と保護領域との間の隙間を計算するステップと、を含む。
【0006】
本願実施例の技術的解決手段において、前に実行される極性シートの切断工程で取得された極性シートの幅データを参照して極性シート隙間の検出結果を計算して取得し、画像を収集するカメラを予め較正する必要がなく、検出ステップを簡略化すると同時に検出の精度を向上させる。
【0007】
いくつかの実施例において、該方法は、サンプリング画像において、第1極性シートとセパレータとの間の隙間、及び第2極性シートとセパレータとの間の隙間を特定するステップをさらに含む。上記技術的解決手段において、収集された極性シートの捲回後の画像に基づいて極性シートとセパレータとの間の隙間を直接計算する方法をさらに提供し、捲回工程における検出のニーズをより効果的に満たす。
【0008】
いくつかの実施例において、第1極性シートが第2極性シート上に積層され、保護領域の一部を覆う場合、サンプリング画像において、第1極性シートと第2極性シートとの間の隙間を特定する上記ステップは、具体的に、サンプリング画像において、陽極領域の第1側のエッジと保護領域の第1側のエッジとの間に存在する第1隙間を特定するステップを含む。上記技術的解決手段において、第1極性シートが第2極性シートに積層されている場合、極性シートの捲回後のサンプリング画像に基づいて保護領域と陽極領域との間の隙間をどのように迅速に計算するかという具体的な方法を提供し、これは高い検出精度を有する。
【0009】
いくつかの実施例において、上記第1幅、第2幅、第3幅及び第1極性シートと第2極性シートとの間の隙間に基づいて、陽極領域と陰極領域との間の隙間及び陽極領域と保護領域との間の隙間を計算するステップは、具体的に、第3幅から第1隙間を減算して、陽極領域の第1側のエッジと陰極領域の第1側のエッジとの間に存在する第2隙間を取得するステップと、第1幅から第2隙間及び第2幅を順に減算して、陽極領域の第2側のエッジと陰極領域の第2側のエッジとの間に存在する第3隙間を取得するステップと、を含む。上記技術的解決手段において、第1極性シートが第2極性シートに積層されている場合、前に実行される極性シートの切断工程で取得された極性シートの幅データ及び極性シートの捲回後のサンプリング画像を利用して、第1極性シートと第2極性シートの異なる領域間の隙間をどのように推定するかという方法を提供し、これは高い検出精度を有する。さらに、該計算方法は極性シートの捲回前のサンプリング画像を使用する必要がなく、設置すべきカメラの数を削減させる。
【0010】
いくつかの実施例において、サンプリング画像において、第1極性シートとセパレータとの間の隙間を特定し、且つサンプリング画像において、第2極性シートとセパレータとの間の隙間を特定する上記ステップは、具体的に、第1側に位置するサンプリング画像において、第1極性シートのエッジとセパレータのエッジとの間に存在する隙間を特定し、且つ第2極性シートのエッジとセパレータのエッジとの間に存在する隙間を特定するステップと、第2側に位置するサンプリング画像において、第1極性シートのエッジとセパレータのエッジとの間に存在する隙間を特定するステップと、を含む。上記技術的解決手段において、サンプリング画像において極性シートにおける2つの側とセパレータとの間の隙間を迅速に計算する方法を提供し、捲回工程における検出のニーズを効果的に満たすことができる。
【0011】
いくつかの実施例において、第2極性シートが第1極性シート上に積層され、陽極領域の一部を覆う場合、サンプリング画像において、第1極性シートと第2極性シートとの間の隙間を特定する上記ステップは、具体的に、サンプリング画像において、陰極領域の第2側のエッジと陽極領域の第2側のエッジとの間に存在する第4隙間を特定するステップを含む。上記技術的解決手段において、第2極性シートが第1極性シートに積層されている場合、極性シートの捲回後のサンプリング画像を利用して保護領域と陽極領域との間の隙間をどのように迅速に計算するかという具体的な方法を提供する。該隙間の計算方法は予め較正されたデータを利用する必要がない。従って、高い検出精度を有する。
【0012】
いくつかの実施例において、第1幅、第2幅、第3幅及び第1極性シートと第2極性シートとの間の隙間に基づいて、陽極領域と陰極領域との間の隙間及び陽極領域と保護領域との間の隙間を計算する上記ステップは、具体的に、第1幅から第4隙間を減算して、第1極性シートと第2極性シートとの間の重なり部分の第4幅を取得するステップと、第2幅を第3幅と加算した後、さらに第4幅を減算して、保護領域の第1側のエッジと陽極領域の第1側のエッジとの間に存在する第5隙間を取得するステップと、第3幅から第5隙間を減算して、陰極領域の第2側のエッジと陽極領域の第2側のエッジとの間に存在する第6隙間を取得するステップと、を含む。上記技術的解決手段において、第2極性シートが第1極性シートの上に積層されている場合、前に実行される極性シートの切断工程で取得された極性シートの幅データ及び極性シートの捲回後のサンプリング画像を利用して、第1極性シートと第2極性シートの異なる領域間の隙間をどのように推定するかを提供する。該隙間の計算方法は極性シートの捲回前のサンプリング画像を使用する必要がなく、設置すべきカメラの数を削減させる。
【0013】
いくつかの実施例において、サンプリング画像において、第1極性シートとセパレータとの間の隙間を特定し、及びサンプリング画像において、第2極性シートとセパレータとの間の隙間を特定する上記ステップは、具体的に、第1側に位置するサンプリング画像において、第2極性シートのエッジとセパレータのエッジとの間に存在する隙間を特定するステップと、第2側に位置するサンプリング画像において、第2極性シートのエッジとセパレータのエッジとの間に存在する隙間、及び第1極性シートのエッジとセパレータのエッジとの間に存在する隙間を特定するステップと、を含む。上記技術的解決手段において、第2極性シートが第1極性シートの上に積層されている場合、サンプリング画像に基づいて極性シートにおける2つの側とセパレータとの間の隙間をどのように迅速に計算するかという方法を提供し、捲回工程における検出のニーズを効果的に満たすことができる。
【0014】
第2態様によれば、本願は極性シート捲回隙間の検出装置を提供する。該検出装置は、極性シートを切断した後に決定された陽極領域の第1幅、陰極領域の第2幅及び保護領域の第3幅を取得し、陽極領域は第1極性シートの表面全体を覆い、陰極領域及び保護領域は第2極性シートの表面全体を覆うことに用いられる幅データ受信モジュールと、第1極性シート、第2極性シート及びセパレータの捲回後の2つの側のエッジの少なくとも一部を含むサンプリング画像を受信することに用いられる画像データ受信モジュールと、サンプリング画像において、第1極性シートと第2極性シートとの間の隙間を特定し、且つ第1幅、第2幅、第3幅及び第1極性シートと第2極性シートとの間の隙間に基づいて、陽極領域と陰極領域との間の隙間及び陽極領域と保護領域との間の隙間を計算することに用いられる隙間計算モジュールと、を含む。
【0015】
本願実施例の技術的解決手段において、前に実行される極性シートの切断工程で取得された極性シートの幅データから、極性シート隙間の検出結果を計算して取得することにより、画像を収集するカメラを予め較正する必要がなく、検出ステップを簡略化すると同時に検出の精度を向上させる。
【0016】
第3態様によれば、本願は極性シート捲回の検出システムを提供する。該極性シート捲回の検出システムは、捲芯の両側に位置し、第1極性シート、第2極性シート及びセパレータが捲回された後に形成される測定対象サンプルの2つの側のエッジの画像情報を収集することに用いられる少なくとも2組の画像収集機器と、画像収集機器に通信接続され、画像収集機器が取得した画像情報を受信して上記極性シート捲回隙間の検出方法を実行することに用いられるプロセッサと、を含む。
【0017】
本願実施例の技術的解決手段において、極性シート隙間を計算する場合、前に実行される極性シートの切断工程で取得された極性シートの幅データ及び極性シートの捲回後の画像情報のみを利用する。これにより極性シートの捲回前の画像情報を収集するカメラを削減し、且つ画像を収集するカメラを予め較正する必要がなく、検出の精度を向上させる。
【0018】
第4態様によれば、本願は電子機器を提供する。該電子機器は、プロセッサと、プロセッサに通信接続されたメモリと、を含む。メモリにコンピュータプログラムコマンドが記憶され、コンピュータプログラムコマンドがプロセッサにより呼び出されると、プロセッサに上記極性シート捲回隙間の検出方法を実行させる。
【0019】
本願実施例の技術的解決手段において、電子機器は、前に実行される極性シートの切断工程で取得された極性シートの幅データから、極性シート隙間の検出結果を計算して取得することにより、画像を収集するカメラを予め較正する必要がなく、検出ステップを簡略化すると同時に検出の精度を向上させる。
【0020】
第5態様によれば、本願は不揮発性コンピュータ記憶媒体を提供する。該不揮発性コンピュータ記憶媒体にコンピュータプログラムコマンドが記憶され、コンピュータプログラムコマンドがプロセッサにより呼び出されると、上記極性シート捲回隙間の検出方法を実行する。
【0021】
本願実施例の技術的解決手段において、前に実行される極性シートの切断工程で取得された極性シートの幅データから、極性シート隙間の検出結果を計算して取得することにより、画像を収集するカメラを予め較正する必要がなく、検出ステップを簡略化すると同時に検出の精度を向上させる。
【0022】
上記説明は本願の技術的解決手段の概要に過ぎず、本願の技術的解決手段をより明確に理解するために、明細書の内容に従って実施することができ、且つ本願の上記及び他の目的、特徴及び利点をより明確に理解できるようにするために、以下に本願の具体的な実施形態を挙げる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
当業者にとって、様々な他の利点及び利益は、以下の好ましい実施形態の詳細な説明を読むことによって明確になる。図面は、好ましい実施形態を示すことが目的であり、本願を限定するものとみなされるべきではない。図面において、同じ部材は同じ符号を使用する。
【0024】
図1】本願のいくつかの実施例に係る極性シート捲回隙間の検出システムの構造概略図である。
図2】本願のいくつかの実施例に係る第1極性シート及び第2極性シートの概略図である。
図3】本願のいくつかの実施例に係る極性シート捲回隙間の検出方法の方法フローチャートである。
図4a】本願のいくつかの実施例に係るサンプリング画像の概略図であり、第1極性シートが第2極性シートの上に積層されている場合を示す。
図4b】本願の別の実施例に係るサンプリング画像の概略図であり、第2極性シートが第1極性シートの上に積層されている場合を示す。
図5】本願の別の実施例に係る極性シート捲回隙間の検出方法の方法フローチャートであり、極性シートとセパレータとの間の隙間を計算する過程を示す。
図6a】本願のいくつかの実施例に係る極性シート捲回隙間の検出方法の方法フローチャートであり、図4aに示すサンプリング画像に基づく隙間の計算方法を示す。
図6b】本願の別の実施例に係る極性シート捲回隙間の検出方法の方法フローチャートであり、図4bに示すサンプリング画像に基づく隙間の計算方法を示す。
図7a】本願のいくつかの実施例に係る捲回成形された測定対象サンプルの概略図であり、第1極性シートが第2極性シートの上に積層されている場合を示す。
図7b】本願の別の実施例に係る捲回成形された測定対象サンプルの概略図であり、第2極性シートが第1極性シートの上に積層されている場合を示す。
図8】本願のいくつかの実施例に係る極性シート捲回隙間の検出装置の概略図である。
図9】本願のいくつかの実施例に係る電子機器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に図面を参照しながら、本願の技術的解決手段の実施例を詳細に説明する。以下の実施例は本願の技術的解決手段をより明確に説明するためにのみ用いられ、例に過ぎず、これにより本願の保護範囲を限定するものではない。
【0026】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本願の当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語は、単に具体的な実施例を説明することが目的であり、本願を限定することを意図したものではない。本願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」及び「有する」という用語及びそれらの類語は、排他的ではないものを意図している。
【0027】
本願の実施例の説明において、「第1」「第2」等の用語は異なる対象を区別するためのものであるに過ぎず、相対的な重要性を示す又は暗示し又は示された技術的特徴の数量、特定の順序又は主従関係を暗示的に示すものと理解すべきではない。本願の実施例の説明において、特に明確に限定しない限り、「複数」は2つ以上である。
【0028】
本明細書における「実施例」への言及は、実施例に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が、本願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。本明細書の各所に該「実施例」という語が出現しても、必ずしも全てが同じ実施例を指すわけではなく、他の実施例と相互に排他的で独立した又は代替的な実施例を指すものでもない。当業者は、本明細書に記載の実施例は他の実施例と組み合わせることができることを明示的かつ暗示的に理解する。
【0029】
本願の実施例の記載における「及び/又は」という用語は、単に関連対象の関連関係を説明しているに過ぎず、3種類の関係が存在可能であることを示し、例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在する、AとBが同時に存在する、Bが単独で存在する、という3つの状況を示すことができる。なお、本明細書において記号「/」は、一般的に前後の関連対象が「又は」の関係であることを示す。
【0030】
本願の実施例の説明において、「複数」という用語は2つ以上(2つを含む)を指し、同様に、「複数組」は2組以上(2組を含む)を指し、「複数枚」は2枚以上(2枚を含む)を指す。
【0031】
本願の実施例の説明において、「中心」「縦方向」「横方向」「長さ」「幅」「厚さ」「上」「下」「前」「後」「左」「右」「垂直」「水平」「上部」「底部」「内」「外」「時計回り」「反時計回り」「軸方向」「径方向」「周方向」等の用語が指示する方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づき、本願の実施例を説明しやすくし、説明を簡略化するためのものに過ぎず、対象の装置や素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成され及び操作されるべきであることを指示又は暗示するものではなく、従って本願の実施例を限定するものと理解すべきではない。
【0032】
本願の実施例の説明において、特に明確に規定及び限定しない限り、「取り付ける」「つながっている」「接続」「固定」等の用語は広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体であってもよい。機械的接続であってもよく、電気的接続であってもよい。直接つながっていてもよく、中間媒体を介して間接的につながっていてもよく、2つの素子内部の連通又は2つの部品の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本願実施例における具体的な意味を理解することができる。
【0033】
現在、捲回セルの製造工程において、塗布や切断などの工程を経て製造された陽極極性シート、陰極極性シート及び陽極極性シートと陰極極性シートを隔離するためのセパレータは、捲芯で捲回成形する必要がある。本願では、上記陽極極性シート、陰極極性シート及びセパレータが捲芯で捲回成形される過程を「捲回工程」と称する。
【0034】
捲回工程が完了した後、手作業又はマシンビジョン等の方法で、順に積層された陽極極性シート、陰極極性シート及びセパレータの間の隙間を検出して、隙間の大きさがプロセス要件を満たしていることを保証する。本願では、説明を簡単にするために、捲回成形された陽極極性シートと陰極極性シートとの間の隙間を「極性シート捲回隙間」と称する。
【0035】
陽極極性シートと陰極極性シートが捲回成形されると、2つの層の重なる部分の領域が相互に遮蔽されるという問題が存在する。そのため、マシンビジョンに基づく極性シート隙間の検出過程において、一般的には複数の異なるカメラを設置し、極性シートの捲回前及び極性シートの捲回後の画像情報をそれぞれ収集し、且つ捲回前に収集された画像と捲回後に収集された画像情報に基づいて陽極極性シートと陰極極性シートとの間の隙間を算定する必要がある。
【0036】
本出願人らは、上記隙間検出方法を使用する場合、使用前に、異なる位置にあるカメラを予め較正し、対応する較正データを生成することで実際の距離計算をサポートする必要があることに注目した。そのため、検出された極性シート捲回隙間の結果は、較正データに基づくものである。較正データと実際の製造状況に大きな偏差が発生すると、検出結果の精度に重大な影響を及ぼす。
【0037】
上記極性シート捲回隙間の検出方法に存在する欠点を解消するために、出願人らは、研究の結果、前の工程で取得された陽極極性シート及び陰極極性シートの幅データ及び極性シートの捲回後の画像情報を参照して、陽極極性シートと陰極極性シートとの間の隙間を算定できることを発見した。この方法は較正データに依存せずに計算を行い、極性シート捲回隙間の検出ステップを効果的に簡略化して、検出効率と検出精度を向上させることができる。例えば、検出精度を保証するためにカメラの較正作業を周期的に繰り返す必要がなく、又は製造ラインの極性シートのサイズが変更された場合にカメラの較正作業を改めて行う必要もない。
【0038】
本願のいくつかの実施例によれば、図1を参照すると、図1は本願のいくつかの実施例に係る極性シート捲回隙間の検出システムの構造概略図である。該検出システムは、少なくとも2組の画像収集機器110と、プロセッサ120と、を含む。
【0039】
画像収集機器110は、特定のサンプリング領域の画像情報を収集するための機器である。具体的には任意の適切な型番及びカメラを選択して使用することができる。画像収集機器110は2組設置することができ、任意の適切なタイプの支持固定構造を介して捲芯200の両側にそれぞれ設置され、捲芯200に向けられ且つ撮影を行ってサンプリング領域A1及びA2の画像情報を取得する。サンプリング領域A1及びA2は、捲回成形される極性シート及びセパレータの両側にそれぞれ位置する。
【0040】
図2は2組の画像収集機器110を例としているが、当業者には理解されるように、実際の状況のニーズに応じてより多くの画像収集機器110を設置して、より広い範囲の画像情報を収集することを選択してもよく、図2に示されるものに限定されない。
【0041】
プロセッサ120は論理演算機能を有する電子計算デバイスであり、サーバ又は産業用コンピュータなどを含むがそれらに限定されない。一方では、プロセッサは有線又は無線の方式で画像収集機器110との間に通信接続を確立することができ、画像収集機器110が収集した画像信号を受信することに用いられる。一方では、プロセッサ120は極性シートの幅データも受信する。該極性シートの幅データは、前に実行される極性シートの製造工程から得られ、適切なデータ伝送方式を介してプロセッサ120に提供される。
【0042】
操作の過程で、塗布及び切断などの過程を経て製造された極性シート310及びセパレータ320は、捲芯200で捲回成形され、極性シートとセパレータが順に積層された測定対象サンプルが形成される。画像収集機器110は、サンプリング領域A1及びA2の画像情報を周期的に撮影する。
【0043】
測定対象サンプルの2つの側のエッジの少なくとも一部を含むこれらの画像情報は、画像収集機器110とプロセッサ120との間の通信接続チャネルを介してプロセッサ120に伝送することができる。
【0044】
プロセッサ120はさらに、前の工程で取得された極性シート上の各領域(例えば、陽極領域、陰極領域及び保護領域)の幅データを受信し、且つ画像収集機器110が撮影して提供する画像情報を参照し、画像処理及び分析計算などのマシンビジョン検出方法の一連のステップを実行した後、極性シート捲回隙間を算定する。
【0045】
本願実施例が提供する検出システムにおける利点は、極性シートの検出を実施する検出過程で、カメラの較正データを使用する必要がなく、検出ステップを簡略化することができ、検出の精度向上にも役立つことである。
【0046】
本願実施例が提供する検出システムの他の利点は、極性シートの捲回前の画像情報を収集するための画像収集機器を設置する必要がないため、検出システムのカメラの数を削減し、システムの実現コストを低下させることができることである。
【0047】
なお、本願実施例は対称に設置された2つの画像収集機器を例として説明している。当業者には理解されるように、この設計はサンプリング領域に適合させたものである。サンプリング領域の位置又は大きさが変化する場合、実際の状況のニーズに応じてより多く設置し、又は異なる位置に画像収集機器を設置することを選択してもよく、図1に示される状況に限定されない。
【0048】
本願のいくつかの実施例によれば、図3は本願のいくつかの実施例に係る極性シート捲回隙間の検出方法の方法フローチャートである。該極性シート捲回隙間の検出方法は上記プロセッサによって実行することができる。図3を参照すると、該極性シート捲回隙間の検出方法はステップS301~S304を含む。
【0049】
ステップS301では、極性シートを切断した後に決定された陽極領域の第1幅、陰極領域の第2幅及び保護領域の第3幅を取得する。
【0050】
典型的な捲回セルには、陽極及び陰極として用いられる2つの極性シートが含まれてもよい。本実施例においてそれぞれ「第1極性シート」及び「第2極性シート」と命名する。図2を参照すると、捲回工程に入る第1極性シート311及び第2極性シート312は一般的に長尺形のストリップ状を呈し、且つ捲回工程の完了後に必要に応じて切断されてもよい。
【0051】
「陽極領域」とは陽極材料が塗布されることで形成され、第1極性シート311の表面全体を覆う領域A31である。「陰極領域」とは陰極材料が第2極性シート312の表面に塗布されることで形成された領域A32である。「保護領域」とは保護材料が第2極性シート312の表面に塗布されることで形成された領域A33である。
【0052】
第2極性シート312の表面において、陰極領域A32と保護領域A33との間は隣接しており、それにより第2極性シート312の表面全体を覆う。言い換えると、第2極性シートの表面は陰極領域と保護領域の2つの部分に分割されている。
【0053】
本実施例において、該「幅」とは、捲芯の回転軸線方向に延伸する各領域の長さである。第1幅は図2においてw1で示され、第2幅は図2においてw2で示され、第3幅は図2においてw3で示される。なお、上記「第1」、「第2」及び「第3」は異なる領域又は極性シートを区別するためだけに用いられ、領域又は極性シートの具体的な実現を限定するために用いられるものではない。
【0054】
上記第1幅w1、第2幅w2及び第3幅w3の具体的な数値は、極性シートの製造に関連する塗布、切断などの前工程の実行装置から取得することができ、セルの製造過程における既知のデータ情報である。それは、無線通信ネットワークなどの任意の適切なデータ伝送方式を介してプロセッサ120に伝送されてもよく、手作業で入力する方式でプロセッサ120に提供されてもよい。
【0055】
ステップS302では、セパレータ、第1極性シート及び第2極性シートの捲回後の2つの側のエッジのサンプリング画像を受信する。
【0056】
「セパレータ」は、2つの極性シートの間に配置されて、リチウムイオン電池の陽極と陰極を隔離して、電池内部の短絡を防止するための薄膜である。また、セパレータ320は第1極性シート311及び第2極性シート312に比較して、透明に近い薄膜である。積層状態で収集して取得されたサンプリング画像において、第1極性シート311及び第2極性シート312を遮蔽することがない。
【0057】
「サンプリング画像」は、画像収集機器で撮影して取得された画像情報であり、捲芯で捲回された後に積層された極性シートとセパレータの2つの側のエッジの状態を表示することができる。具体的には、画像収集機器のサンプリング領域、例えば図4a及び図4bに示されるようなサンプリング領域により特定されてもよい。
【0058】
ステップS303では、サンプリング画像において、第1極性シートと第2極性シートとの間の隙間を特定する。
【0059】
「第1極性シートと第2極性シートとの間の隙間」とは、第1極性シートと第2極性シートが積層された状態における2つの極性シートのエッジ間の距離である。図2を参照すると、ストリップ状を呈する第1極性シートと第2極性シートはそれぞれ左側及び右側に位置するエッジを有する。従って、「第1極性シートと第2極性シートとの間の隙間」は、左側に位置するエッジ間の隙間であってもよく、右側に位置するエッジ間の隙間であってもよい。
【0060】
引き続き図4a及び図4bを参照すると、捲回工程において、第1極性シートと第2極性シートとの間は一定の距離ずらされる。従って、どのような積層順序が使用されたとしても、常に一方の側のエッジのサンプリング画像において第1極性シートと第2極性シートのエッジを特定することができる。それに対応して、他方の側のサンプリング画像において一方の極性シートのエッジは遮蔽される。
【0061】
2つの極性シートのエッジを特定することができる側のサンプリング画像において、適切な画像処理ステップに基づいて2つのエッジ間の距離を計算し、第1極性シートと第2極性シートとの間の隙間とすることができる。
【0062】
ステップS304では、第1幅、第2幅、第3幅及び第1極性シートと第2極性シートとの間の隙間に基づいて、陽極領域と陰極領域との間の隙間及び陽極領域と保護領域との間の隙間を計算する。
【0063】
陽極領域、陰極領域及び保護領域のそれぞれの幅、及び2つの極性シート間の特定の側のエッジ間の距離が既知である場合、2つの極性シート間の積層関係により、遮蔽された部分の位置をさらに推定し、それにより必要な隙間検出結果を検出して取得することができる。
【0064】
本願実施例が提供する検出方法における利点は、前の工程で提供された各領域の幅データを取得する方式により、保護領域、陽極領域及び陰極領域間の隙間を計算する場合、カメラを予め較正する較正データ及び極性シートの捲回前の画像情報を使用する必要がなく、検出のステップを効果的に簡略化し、検出結果の精度を向上させ、異なるサイズ又はタイプの極性シートの隙間検出に迅速に適応させることにも有利であり、改めて較正を行う必要がないことである。
【0065】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、図5を参照すると、極性シート隙間検出を実行する過程で、上記図3に示す第1極性シート及び第2極性シート上の各領域間の隙間の大きさを計算するステップに加えて、
サンプリング画像において、第1極性シートとセパレータとの間の隙間及び第2極性シートとセパレータとの間の隙間を特定するステップS305がさらに含まれてもよい。
【0066】
図4a及び図4bに示すように、第1極性シートと第2極性シートがずらされている場合、第1極性シートと第2極性シートの一方の側のエッジは、サンプリング画像から明確に取得することができる。他方の側のエッジは、第1極性シートと第2極性シートの積層順序によってはサンプリング画像に撮影され取得されるか又は遮蔽される可能性がある。従って、本実施例においては、「極性シートとセパレータとの間の隙間」という用語により、第1極性シート又は第2極性シートの特定の側のエッジと、対応する側のセパレータのエッジとの間の距離が示される。
【0067】
このような設計により、収集された極性シートの捲回後のサンプリング画像に基づいて極性シートとセパレータとの間の隙間を直接計算することができ、セパレータが第1極性シートと第2極性シートを十分に隔離することを保証して、捲回工程における検出のニーズをより良好に満たすことができる。
【0068】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、捲芯で捲回された後、第1極性シートが第2極性シート上に積層され、保護領域の一部が第1極性シートの陽極領域に遮蔽される(図4aに示されるような状況)場合、図6aを参照すると、上記第1極性シートと第2極性シートとの間に存在する隙間を計算するステップS303は、具体的に、
サンプリング画像において、陽極領域の第1側のエッジと保護領域の第1側のエッジとの間に存在する第1隙間を特定するステップS3031を含む。
【0069】
「第1側」とは、第2極性シートの保護領域に近い側のエッジを指す。例えば、図4aに示す積層方式では、第1側に位置するサンプリング領域A1のサンプリング画像において第1極性シートと第2極性シートのエッジを同時に表示することができ、第1側と対向する側に位置するサンプリング画像は第1極性シートのエッジだけを表示し、第2極性シートのエッジは光が透過不能な陽極領域で遮蔽される。このような設計により、図4aに示される極性シートの積層方式において、極性シートの捲回後のサンプリング画像に基づいて保護領域と陽極領域との間の隙間をどのように迅速に計算するかを提供する。高い検出精度を有する。
【0070】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、図6aを引き続き参照すると、上記保護領域、陰極領域及び陽極領域間の隙間を計算するステップS304は具体的に、ステップS3041、S3043を含む。
【0071】
ステップS3041では、第3幅から第1隙間を減算して、陽極領域の第1側のエッジと陰極領域の第1側のエッジとの間に存在する第2隙間を取得する。
【0072】
図4aに示すように、既知の保護領域が有する幅から、ステップS3031で計算して取得された第1隙間L1を減算することにより、保護領域の他方の側のエッジの所在位置を特定することができる。保護領域と陰極領域との間が接触しているためである。従って、陰極領域及び陽極領域の第1側の隙間は計算することができる。
【0073】
ステップS3043では、第1幅から第2隙間及び第2幅を順に減算して、陽極領域の第2側のエッジと陰極領域の第2側のエッジとの間に存在する第3隙間を取得する。
【0074】
「第2側」とは、第1側と対向する他方の側のエッジを指す。本実施例において、説明を簡単にするためにサンプリング領域A1及びA2に対応する側のエッジを「第1側」及び「第2側」と命名する。
【0075】
陽極領域の第1幅から陰極領域の第2幅を減算することで、陽極領域の陰極領域を超える長さの合計、すなわち陽極領域と陰極領域の2つの側のエッジの隙間の合計を得ることができる。これにより、第1側に位置する隙間が既知である場合、それから隙間の合計を減算することで、第1極性シート及び第2極性シートの第2側の2つのエッジ間の距離を表す第3隙間を得ることができる。
【0076】
このような設計により、前に実行される極性シートの切断工程で取得された極性シートの幅データ及び極性シートの捲回後のサンプリング画像をどのように利用して、陽極領域と陰極領域との間の隙間を計算するかという方法を提供する。該計算方法は、高い検出精度を有する。さらに、極性シートの捲回前のサンプリング画像を使用する必要がなく、設置すべきカメラの数を削減させる。
【0077】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、図6aを引き続き参照すると、図4aに示される極性シートの積層方式において、セパレータと極性シートとの間の隙間を計算するステップS305は具体的に、ステップS3051、S3053、S3055を含む。
【0078】
ステップS3051では、第1側に位置するサンプリング画像において、第1極性シートのエッジとセパレータのエッジとの間に存在する隙間を特定する。
【0079】
「第1側に位置するサンプリング画像」とは、サンプリング領域A1に対応する画像情報を指す。図4aに示すように、セパレータの透明度が高いため、該サンプリング画像において、第1極性シートとセパレータのこの側におけるエッジを直接取得することができる。
【0080】
ステップS3053では、第1側に位置するサンプリング画像において、第2極性シートのエッジとセパレータのエッジとの間に存在する隙間を特定する。
【0081】
図4aに示される積層方式において、第2極性シートの第1側に位置するエッジも同様にサンプリング画像において直接観察し取得することができる。従って、サンプリング画像において第2極性シートとセパレータのエッジとの間の隙間も直接計算し取得することができる。
【0082】
ステップS3055では、第2側に位置するサンプリング画像において、第1極性シートのエッジとセパレータのエッジとの間に存在する隙間を特定する。
【0083】
対応して、「第2側に位置するサンプリング画像」とは、サンプリング領域A2に対応する画像情報を指す。図4aに示すように、該サンプリング画像において第1極性シートのエッジを直接観察することができ、従って、適切な画像処理方法を介してそれとセパレータのエッジとの間の隙間を計算して取得することができる。
【0084】
第2側のサンプリング画像において第2極性シートのエッジを知ることはできないが、第2極性シートの第2側のエッジとセパレータのエッジとの間の間隔は、第1極性シートの第2側のエッジとセパレータのエッジとの間の間隔よりも常に大きいと考えられる。従って、ステップS3055で計算して取得されたセパレータの隙間がプロセス要件を満たす場合、第2極性シートの第2側とセパレータとの間の隙間も常にプロセス要件を満たすと判断することができる。
【0085】
このような設計により、図4aに示される積層方式において、サンプリング画像において極性シートにおける2つの側とセパレータとの間の隙間を迅速に計算する方法を提供し、捲回工程における検出のニーズを効果的に満たすことができる。
【0086】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、捲芯で捲回された後、第2極性シートが第1極性シート上に積層され、陽極領域の一部が第2極性シートに遮蔽される(図4bに示されるような状況)場合、図6bを参照すると、上記第1極性シートと第2極性シートとの間に存在する隙間を計算するステップS303は、具体的に、
サンプリング画像において、陰極領域の第2側のエッジと陽極領域の第2側のエッジとの間に存在する第4隙間を特定するステップS3032を含む。
【0087】
「第2側」とは、第2極性シートの陰極領域に近い側のエッジを指し、又は陰極領域が所在するエッジである。図4bに示すように、第2側に位置するサンプリング画像において、第1極性シートと第2極性シートのエッジを同時に表示することができる。従って、適切な画像処理方法を介して第1極性シートと第2極性シートの第2側のエッジ間の距離を表す第4隙間L3を計算して取得することができる。
【0088】
このような設計により、図4bに示される極性シートの積層方式において、極性シートの捲回後のサンプリング画像に基づいて陰極領域と陽極領域との間の隙間をどのように迅速に計算するかを提供する。前もって較正されたデータ及び極性シートの捲回前の画像情報を利用する必要がなく、高い検出精度を有する。
【0089】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、図6bを引き続き参照すると、上記保護領域、陰極領域及び陽極領域間の隙間を計算するステップS304は具体的に、ステップS3042、S3044、S3046を含む。
【0090】
S3042では、第1幅から第4隙間を減算し、第1極性シートと第2極性シートとの間の積層部分の第4幅を取得する。
【0091】
図4bに示すように、第1幅から第4隙間を減算することにより、陽極領域の第2極性シートに覆われた部分の全長を得ることができる。本実施例において、「第4幅」と呼ぶことができる。該第4幅に基づいて、陽極領域の第1側エッジに位置する場所を実質的に特定することができる。
【0092】
S3044では、第2幅を第3幅と加算した後、さらに第4幅を減算して、保護領域の第1側のエッジと陽極領域の第1側のエッジとの間に存在する第5隙間を取得する。
【0093】
第2極性シートは陰極領域と保護領域から構成され、第2幅と第3幅を加算した後第2極性シートの幅を得ることができる。いくつかの実施例において、好ましくは、該第2極性シートの幅は、前に実行されるプロセスの実行結果から直接取得することもできる。
【0094】
第2極性シートの幅から第4幅を減算することで、第1極性シートと第2極性シートの第1側のエッジ間の距離を表すために用いられる第5隙間を得ることができる。
【0095】
ステップS3046では、第3幅から第5隙間を減算して、陰極領域の第1側のエッジと陽極領域の第1側のエッジとの間に存在する第6隙間を取得する。
【0096】
第3幅から第5隙間を減算した後、保護領域に覆われた陽極領域の幅情報を取得することができる。本実施例において、「第6隙間」で表されるものは、陽極領域と陰極領域の第1側のエッジ間の距離にも相当する。
【0097】
このような設計により、前に実行される極性シートの切断工程で取得された極性シートの幅データ及び極性シートの捲回後のサンプリング画像をどのように利用して、陽極領域と陰極領域との間の隙間を計算するかという方法を提供する。該計算方法は、高い検出精度を有する。さらに、極性シートの捲回前のサンプリング画像を使用する必要がなく、設置すべきカメラの数を削減させる。
【0098】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、図6bを引き続き参照すると、図4bに示される極性シートの積層方式において、セパレータと極性シートとの間の隙間を計算するステップS305は具体的に、ステップS3052、S3054、S3056を含む。
【0099】
ステップS3052では、第1側に位置するサンプリング画像において、第2極性シートのエッジとセパレータのエッジとの間に存在する隙間を特定する。
【0100】
上記実施例とは逆に、第1極性シートと第2極性シートとの積層方式が異なるため、図4bに示すように、サンプリング領域A1で取得されたサンプリング画像において、第2極性シートのエッジだけを直接観察することができる。
【0101】
この側のサンプリング画像において第1極性シートのエッジを知ることはできないが、第1極性シートの第1側のエッジとセパレータのエッジとの間の間隔は、第2極性シートの第1側のエッジとセパレータのエッジとの間の間隔よりも常に大きいと考えられる。従って、ステップS3052で計算して取得されたセパレータの隙間がプロセス要件を満たす場合、第1極性シートとセパレータとの間の隙間もプロセス要件を満たすと判断することができる。
【0102】
ステップS3054では、第2側に位置するサンプリング画像において、第2極性シートのエッジとセパレータのエッジとの間に存在する隙間を特定する。
【0103】
セパレータは透明度が高い。そのため、サンプリング領域A2に対応するサンプリング画像において、第2極性シート及び第1極性シートの第2側に位置するエッジはいずれもサンプリング画像において直接観察して特定することができる。
【0104】
ステップS3056では、第2側に位置するサンプリング画像において、第1極性シートのエッジとセパレータのエッジとの間に存在する隙間を特定する。
【0105】
上記ステップS3055と同様に、エッジを特定することができる場合、適切な画像処理方法を介して2つの極性シートのエッジとセパレータエッジとの間の隙間を計算して取得することができる。
【0106】
このような設計により、図4bに示される積層方式において、サンプリング画像において極性シートにおける2つの側とセパレータとの間の隙間を迅速に計算する方法を提供し、捲回工程における検出のニーズを効果的に満たすことができる。
【0107】
本願を十分に説明するために、以下に図7a及び図7bに示される極性シートの2種類の積層方式を参照しながら、捲芯で捲回成形した後の測定対象サンプルの隙間検出過程について詳細に説明する。
【0108】
図7a及び図7bを参照すると、図における符号a及びgはそれぞれセパレータ320の第1側及び第2側のエッジを示す。符号b及びdはそれぞれ保護領域の第1側及び第2側のエッジを示し、符号d及びeはそれぞれ陰極領域の第1側及び第2側のエッジを示し、符号c及びfはそれぞれ陽極領域の第1側及び第2側のエッジを示す。
【0109】
第1極性シートと第2極性シートの積層関係が図7aに示すとおりである場合、上記各検出項目の計算方法は、以下の表1に示すとおりである。
【0110】
【表1】
【0111】
但し、Lmnは、2つの下付き文字mとnとの間の距離を示す。従って、Labは第2極性シートとセパレータとの第1側における間隔を示し、Lacは第1極性シートとセパレータとの第1側における間隔を示し、Lbcは保護領域と陽極領域との第1側における間隔を示し、Lcdは陰極領域と陽極領域との第1側における間隔を示し、Lefは陰極領域と陽極領域との第2側における間隔を示し、Lfg陽極領域セパレータとの第2側における間隔を示し、Lbdは保護領域の幅を示し、Ldeは陰極領域の幅を示す。
【0112】
bd及びLdeはいずれも前に実行される極性シートの製造工程から特定され、且つプロセッサに格納することで呼び出すことができる。
【0113】
「サンプリング画像から検出される」とは、エッジがサンプリング画像から認識できることを意味する。従って、プロセッサは適切な画像処理ステップを実行することにより2つのエッジ間の間隔を計算し取得することができる。
【0114】
第1極性シートと第2極性シートの積層関係が図7bに示すとおりである場合、上記各検出値の計算方法は以下の表2に示すとおりである。
【0115】
【表2】
【0116】
但し、Lmnは、2つの下付き文字mとnとの間の距離を示す。従って、Legは第2極性シートとセパレータとの第2側における間隔を示し、Lfgは第1極性シートとセパレータとの第2側における間隔を示し、Lefは陰極領域と陽極領域との第2側における間隔を示し、Lcdは陰極領域と陽極領域との第1側における間隔を示し、Lbc保護領域と陽極領域との第1側における間隔を示し、Labは第2極性シートとセパレータとの第1側における間隔を示し、Lcfは陽極領域の幅を示し、Ldeは陰極領域の幅を示し、Lbdは陰極領域の幅を示す。
【0117】
cf、bd及びLdeはいずれも前に実行される極性シートの製造工程から特定され、且つプロセッサに格納することで呼び出すことができる。
【0118】
「サンプリング画像から検出される」とは、エッジがいずれもサンプリング画像から認識でき、遮蔽されないことを意味する。従って、プロセッサは適切な画像処理ステップを実行することにより2つのエッジ間の間隔を計算し取得することができる。
【0119】
プロセッサは、上記検出項目の具体的な数値を計算し取得した後、それを予め設定した基準値と比較することができ、それにより捲回成形後の積層された第1極性シート、第2極性シート及びセパレータ間の隙間がプロセス要件を満たすことを保証する。各検出値に対応する基準値は、当業者がセル製造のプロセス要件に基づいて設定することができ、ここでは具体的に限定されない。
【0120】
本願実施例が提供する隙間検出方法における利点は、必要な隙間検出値を計算する時に、予めカメラを較正する較正データ及び極性シートの捲回前の画像情報を使用する必要がないことである。これにより、極性シートのタイプ又はサイズが変更されても迅速に調整することができ、煩雑な較正ステップを改めて実行する必要がない。且つ、長期間の使用過程で、検出結果の精度を保証することができ、較正データと実際の状況の間に存在する大きな偏差という問題を考慮する必要がない。
【0121】
本願のいくつかの実施例によれば、図8を参照すると、図8は本願実施例に係る極性シート捲回隙間の検出装置である。該検出装置800は、幅データ受信モジュール810と、画像データ受信モジュール820と、隙間計算モジュール830と、を含む。
【0122】
該幅データ受信モジュール810は極性シートを切断した後に決定された陽極領域の第1幅、陰極領域の第2幅及び保護領域の第3幅を取得することに用いられる。陽極領域は第1極性シートの表面全体を覆い、陰極領域及び保護領域は第2極性シートの表面全体を覆う。画像データ受信モジュール820は、第1極性シート、第2極性シート及びセパレータの捲回後の2つの側のエッジの少なくとも一部を含むサンプリング画像を受信することに用いられる。隙間計算モジュール830は、サンプリング画像において、第1極性シートと第2極性シートとの間の隙間を特定し、且つ第1幅、第2幅、第3幅及び第1極性シートと第2極性シートとの間の隙間に基づいて、陽極領域と陰極領域との間の隙間及び陽極領域と保護領域との間の隙間を計算することに用いられる。
【0123】
本願実施例が提供する検出装置における利点は、前に実行される極性シートの切断工程で取得された各領域の幅データを参照することにより、捲回成形後の極性シート隙間を計算し、画像を収集するカメラを予め較正する必要がなく、検出ステップを簡略化すると同時に検出の精度を向上させることである。
【0124】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、図8を引き続き参照すると、該検出装置は、セパレータ隙間計算モジュール840をさらに含む。
【0125】
該セパレータ隙間計算モジュール840は、サンプリング画像において、第1極性シートとセパレータとの間の隙間、及び第2極性シートとセパレータとの間の隙間を特定することに用いられる。このような設計により、収集された極性シートの捲回後の画像に基づいて極性シートとセパレータとの間の隙間を直接計算することができ、捲回工程における検出のニーズをより良好に満たすことができる。
【0126】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、第1極性シートが第2極性シート上に積層され、保護領域の一部を覆う場合、上記隙間計算モジュール830は具体的に、サンプリング画像において、陽極領域の第1側のエッジと保護領域の第1側のエッジとの間に存在する第1隙間を特定するステップに用いられる。このような設計により、第1極性シートが第2極性シートに積層されている場合、極性シートの捲回後のサンプリング画像に基づいて保護領域と陽極領域との間の隙間を迅速に計算する高い検出精度を有する方法を提供する。
【0127】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、算定された第1隙間及び以前に取得された幅データに基づいて、上記隙間計算モジュール830は具体的に、第3幅から第1隙間を減算して、陽極領域の第1側のエッジと陰極領域の第1側のエッジとの間に存在する第2隙間を取得することと、第1幅から第2隙間及び第2幅を順に減算して、陽極領域の第2側のエッジと陰極領域の第2側のエッジとの間に存在する第3隙間を取得することと、に用いられる。
【0128】
このような設計により、第1極性シートが第2極性シートに積層されている場合、前に実行される極性シートの切断工程で取得された極性シートの幅データ及び極性シートの捲回後のサンプリング画像を利用して、第1極性シートと第2極性シートの異なる領域間の隙間をどのように推定するかを提供する。
【0129】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、第1極性シートが第2極性シート上に積層され、保護領域の一部を覆う場合、上記セパレータ隙間計算モジュール840は具体的に、第1側に位置するサンプリング画像において、第1極性シートのエッジとセパレータのエッジとの間に存在する隙間を特定し、及び第2極性シートのエッジとセパレータのエッジとの間に存在する隙間を特定することと、第2側に位置するサンプリング画像において、第1極性シートのエッジとセパレータのエッジとの間に存在する隙間を特定することと、に用いられる。このような設計により、サンプリング画像において極性シートにおける2つの側とセパレータとの間の隙間を迅速に計算する方法を提供し、捲回工程における検出のニーズを効果的に満たすことができる。
【0130】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、第2極性シートが第1極性シート上に積層され、陽極領域の一部を覆う場合、上記隙間計算モジュール830は具体的に、サンプリング画像において、陰極領域の第2側のエッジと陽極領域の第2側のエッジとの間に存在する第4隙間を特定することに用いられる。このような設計により、第2極性シートが第1極性シートに積層され、陽極領域の一部が遮蔽されている場合、極性シートの捲回後のサンプリング画像を利用して保護領域と陽極領域との間の隙間を迅速に計算する方法を提供する。
【0131】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、算定された第4隙間及び以前に取得された幅データに基づいて、上記隙間計算モジュール830は具体的に、第1幅から第4隙間を減算して、第1極性シートと第2極性シートとの間の重なり部分の第4幅を取得することと、第2幅を第3幅と加算した後、さらに第4幅を減算して、保護領域の第1側のエッジと陽極領域の第1側のエッジとの間に存在する第5隙間を取得することと、第3幅から第5隙間を減算して、陰極領域の第2側のエッジと陽極領域の第2側のエッジとの間に存在する第6隙間を取得することと、に用いられる。
【0132】
このような設計により、第2極性シートが第1極性シートの上に積層され、陽極領域の一部が遮蔽されている場合、前に実行される極性シートの切断工程で取得された極性シートの幅データ及び極性シートの捲回後のサンプリング画像を利用して、第1極性シートと第2極性シートの異なる領域間の隙間をどのように推定するかを提供する。
【0133】
本願のいくつかの実施例によれば、好ましくは、第2極性シートが第1極性シート上に積層され、陽極領域の一部を覆う場合、上記セパレータ隙間計算モジュール840は具体的に、第1側に位置するサンプリング画像において、第2極性シートのエッジとセパレータのエッジとの間に存在する隙間を特定することと、第2側に位置するサンプリング画像において、第2極性シートのエッジとセパレータのエッジとの間に存在する隙間、及び第1極性シートのエッジとセパレータのエッジとの間に存在する隙間を特定することと、に用いられる。このような設計により、第2極性シートが第1極性シートの上に積層され、陽極領域の一部が遮蔽されている場合、サンプリング画像に基づいて極性シートにおける2つの側とセパレータとの間の隙間をどのように迅速に計算するかという方法を提供し、捲回工程における検出のニーズを効果的に満たすことができる。
【0134】
なお、本願実施例においては、実行しようとする方法ステップに応じて、極性シート隙間の検出装置の機能モジュールを分割する。いくつかの実施例において、実際の状況の必要に応じて、本願実施例におけるマシンビジョン検出装置内の1つ又は複数の機能モジュール(例えば幅データ受信モジュール、画像データ受信モジュール、隙間計算モジュール、セパレータ隙間計算モジュール)をより多くの機能モジュールに分割して、対応する方法ステップを実行してもよい。他の実施例において、本願実施例におけるマシンビジョン検出装置内の1つ又は複数の機能モジュールをより少ない機能モジュールに統合して、対応する方法ステップを実行してもよい。
【0135】
本願のいくつかの実施例によれば、図9を参照すると、図9は本願実施例が提供する電子機器の構造概略図である。該電子機器は上記検出装置を実行するための任意の適切なタイプの電子計算プラットフォームであってもよく、ここでその具体的な実現は限定されない。
【0136】
該電子機器は、プロセッサ910と、通信インタフェース920と、メモリ930と、通信バス940と、を含む。
【0137】
プロセッサ910、通信インタフェース920及びメモリ930は通信バス940を介して互いの通信を実現させる。通信インタフェース920は、他の機器(例えば画像収集機器)との通信接続に用いられる。プロセッサ910はプログラム950を呼び出すことより、上記実施例における検出方法のうちの1つ又は複数の方法ステップを実行し、又は上記実施例における検出装置のうちの1つ又は複数の機能モジュールを実現するために用いられる。具体的に、プログラム950はプログラムコード又はコンピュータ動作コマンドを含むことができる。
【0138】
本実施例において、使用されるハードウェアのタイプに応じて、プロセッサ910は中央処理装置、その他の汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ又はその他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジックデバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネントであってもよい。
【0139】
メモリ930はプログラム950を記憶するために用いられる。メモリ930は高速RAMメモリを含むことができ、さらに不揮発性メモリ、例えば少なくとも1つのディスクメモリを含むことができる。
【0140】
本願実施例はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。該コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、不揮発性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であってもよい。該コンピュータ読み取り可能な記憶媒体はコンピュータプログラムを記憶する。
【0141】
コンピュータプログラムがプロセッサで実行されると、上記実施例における検出方法のうちの1つ又は複数の方法ステップを実行し、又は上記実施例における検出装置のうちの1つ又は複数の機能モジュールを実現する。完全なコンピュータプログラム製品は、本願実施例に開示されたコンピュータプログラムを含む1つ又は複数のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(磁気ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリなどを含むがこれらに限定されない)において具現化される。
【0142】
最後に説明すべき点は以下のとおりである。以上の各実施例は本願の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、それを制限するものではない。前述の実施例を参照して本願を詳細に説明したが、当業者は以下のことを理解すべきである。それは依然として前記各実施例に記載の技術的解決手段を修正し、又はそのうち一部又は全部の技術的特徴を等価置換することができ、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の実質を本願の各実施例の技術的解決手段の範囲から逸脱させるものではなく、それらはいずれも本願の特許請求の範囲及び明細書の範囲に包含されるべきである。特に、各実施例で言及した各技術的特徴は、構造的な矛盾がない限り、いずれも任意の方法で組み合わせることができる。本願は、本明細書に開示された特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲に含まれる全ての技術的解決手段を含む。

図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6a
図6b
図7a
図7b
図8
図9