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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-13
(45)【発行日】2024-08-21
(54)【発明の名称】ミシン
(51)【国際特許分類】
   D05B 1/10 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
D05B1/10 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024006389
(22)【出願日】2024-01-18
【審査請求日】2024-01-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502298365
【氏名又は名称】星鋭縫▲じん▼機股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】卓 瑞榮
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-121322(JP,A)
【文献】特開2002-325993(JP,A)
【文献】特開2022-138687(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D05B 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1駆動シャフトと、前記第1駆動シャフトに接続されたリンクと、前記リンクに従動させられる針棒とを含み、前記リンクは、前記第1駆動シャフトに接続され前記第1駆動シャフトに従って円形軌跡で運動する第1端と、前記針棒に接続されガイドレール内で動作する第2端とを備え、前記第2端は直線軌跡で運動し、前記直線軌跡は前記円形軌跡と重畳する部分がなく、前記直線軌跡の動作範囲の水平高さは前記円形軌跡の水平高さより高い上縫製ユニットと、
前記第1駆動シャフトと連動関係にある第2駆動シャフトと、前記第2駆動シャフトに接続された伝動リンク組と、前記伝動リンク組に接続された下フック駆動軸と、前記下フック駆動軸に設けられ前記針棒上の複数の針と共に作業する下フックと、前記下フック駆動軸が中に穿設されるガイド部品とを含み、前記伝動リンク組は、前記下フック駆動軸に接続された第1スイングアームと、前記第2駆動シャフトに接続された第2スイングアームと、前記第2スイングアームに接続されたロッカーアームと、前記ロッカーアームと前記第1スイングアームを接続させたコネクティングロッドとを含み、前記ガイド部品は離隔して設けられ前記下フック駆動軸が穿設される2つのガイドリングとして成形され、前記2つのガイドリングは、前記下フック駆動軸が直線往復運動しかできないように制限する下縫製ユニットと、
を含むことを特徴とするミシン。
【請求項2】
前記ミシンが、ハウジングを備え、前記ハウジングが、前記下フックが前記直線往復運動において変位する空間を確定することを特徴とする請求項1に記載のミシン。
【請求項3】
前記ガイド部品が、前記2つのガイドリングの間に位置する直線レールとして成形され、前記下フック駆動軸は、カラーと、前記カラーに設けられ前記直線レール内で動作する制限ブロックとを備えることを特徴とする請求項2に記載のミシン。
【請求項4】
前記第2駆動シャフトが、固定カラーを備え、前記ガイド部品には、前記固定カラーに組み付けられる取付けバンプが成形されていることを特徴とする請求項3に記載のミシン。
【請求項5】
前記針棒上のこれらの針の配列方向は前記下フック及び前記下フック駆動軸に平行であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のミシン。
【請求項6】
前記第1駆動シャフトが、前記リンクを接続させるためのカム部品を備え、前記リンクの前記カム部品における組立位置は、前記カム部品の軸心からオフセットしていることを特徴とする請求項に記載のミシン。
【請求項7】
前記ミシンが、前記第1駆動シャフト及び前記第2駆動シャフトを連動させるベルトを備え、前記第1駆動シャフトは、前記ベルトに接続された第1プーリを備え、前記第2駆動シャフトは、前記ベルトに接続された第2プーリを備えることを特徴とする請求項に記載のミシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミシンに関し、特に、針棒のストローク距離及び下フックの走行方向を変えるミシンである。
【背景技術】
【0002】
現代の紡績産業技術の成熟及び材料技術の発展により、材質と特性が従来の布地と異なる様々な布地が開発されており、また、現代人は、服を着るのは服装の適切さだけでなく、服装の機能性と効能も求める。機能性服装の機能設計を満たすために、より多様な縫製方式が必要であり、これにより、機能性布地及び機能性服装の縫製のニーズを満たす。異なる機能性布地及び効能の設定に対して、針棒のストローク距離及び下フックの方向を変えるミシンを設計するのは、機能性布地の縫製のニーズに対応することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の主な目的は、従来のミシンは機能性布地に必要な縫製のニーズに対応できないという課題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記の目的を達成するために、上縫製ユニットと、下縫製ユニットとを含むミシンを提供し、当該上縫製ユニットは、第1駆動シャフトと、当該第1駆動シャフトに接続されたリンクと、当該リンクに従動させられる針棒とを含み、当該リンクは、当該第1駆動シャフトに接続され当該第1駆動シャフトに従って円形軌跡で運動する第1端と、当該針棒に接続されガイドレール内で動作する第2端とを備え、当該第2端は直線軌跡で運動し、当該直線軌跡は当該円形軌跡と重畳する部分がなく、当該直線軌跡の動作範囲の水平高さは当該円形軌跡の水平高さより高い。当該下縫製ユニットは、当該第1駆動シャフトと連動関係にある第2駆動シャフトと、当該第2駆動シャフトに接続された伝動リンク組と、当該伝動リンク組に接続された下フック駆動軸と、当該下フック駆動軸に設けられ当該針棒上の複数の針と共に作業する下フックと、当該下フック駆動軸が中に穿設されるガイド部品とを含む。当該伝動リンク組は、当該下フック駆動軸に接続された第1スイングアームを含み、当該ガイド部品は離隔して設けられ当該下フック駆動軸が穿設される2つのガイドリングとして成形され、当該2つのガイドリングは、当該下フック駆動軸が直線往復運動しかできないように制限する。
【0005】
一実施例では、当該ミシンが、ハウジングを備え、当該ハウジングが、当該下フックが当該直線往復運動において変位する空間を確定する。
【0006】
一実施例では、当該ガイド部品が、当該2つのガイドリングの間に位置する直線レールとして成形され、当該下フック駆動軸は、カラーと、当該カラーに設けられ当該直線レール内で動作する制限ブロックとを備える。
【0007】
一実施例では、当該第2駆動シャフトが、固定カラーを備え、当該ガイド部品には、当該固定カラーに組み付けられる取付けバンプが成形されている。
【0008】
一実施例では、当該伝動リンク組が、当該第2駆動シャフトに接続された第2スイングアームと、当該第2スイングアームに接続されたロッカーアームと、当該ロッカーアームと当該第1スイングアームを接続させたコネクティングロッドとを含む。
【0009】
一実施例では、当該針棒上のこれらの針の配列方向は当該下フック及び当該下フック駆動軸に平行である。
【0010】
一実施例では、当該第1駆動シャフトが、当該リンクを接続させるためのカム部品を備え、当該リンクの当該カム部品における組立位置は、当該カム部品の軸心からオフセットしている。
【0011】
一実施例では、当該ミシンが、当該第1駆動シャフト及び当該第2駆動シャフトを連動させるベルトを備え、当該第1駆動シャフトは、当該ベルトに接続された第1プーリを備え、当該第2駆動シャフトは、当該ベルトに接続された第2プーリを備える。
【発明の効果】
【0012】
上記のように実施される本発明は、従来のものと比べて以下の特徴を有する。本発明では、上縫製ユニットの構成設計により、これらの針の最上点に位置する時の針板に対するストローク距離は、これらの針の最下点に位置する時の針板に対するストローク距離より大きく、編みのニーズ、及び、下縫製ユニットを併設する本発明の設計に適合し、下フックは、下フック駆動軸に駆動されて直線往復運動を行うことで、ミシンはより新規な機能性布地の縫製のニーズに対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のミシンの斜視構造模式図である。
図2】本発明の一実施例の斜視構造模式図その1である。
図3】本発明の一実施例の斜視構造模式図その2である。
図4】本発明のミシンの部分部品模式図である。
図5】本発明の一実施例の側面模式図その1である。
図6】本発明の一実施例の側面模式図その2である。
図7】本発明の一実施例の側面模式図その3である。
図8】本発明の一実施例の断面模式図その1である。
図9】本発明の一実施例の断面模式図その2である。
図10】本発明の一実施例の断面模式図その3である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、図面を参照して、技術内容を詳細に説明する。
図1図8を参照すると、本発明は、ミシン10を提供し、ミシン10は、上縫製ユニット20と、下縫製ユニット30とを含み、上縫製ユニット20は、第1駆動シャフト21と、リンク22と、針棒23と、ガイドレール24とを備え、リンク22は、第1駆動シャフト21の動作に従動させられ、そしてリンク22は針棒23を従動させ、リンク22は、第1端221と、第2端222とを備え、第1端221は、第1駆動シャフト21に接続され、第2端222は、針棒23に接続されガイドレール24内で動作する。針棒23は下縫製ユニット30に向かって複数の針27を備え、これらの針27同士は互いに干渉せず且つ同じ方向に配列される。第1端221は第1駆動シャフト21の回転に従って円形軌跡25で運動し、リンク22は第1駆動シャフト21に従動させられ、第2端222は第1端221に連動して運動し、第2端222はガイドレール24内に収容され、ガイドレール24は直線経路のレールであるため、第2端222はガイドレール24に制限されて直線軌跡26でしか運動することができない。詳細に言えば、ガイドレール24は第1駆動シャフト21上に位置し、当該直線軌跡は当該円形軌跡と重畳する部分がなく、ミシン10の組み立てが完了した時に、リンク22の第2端222は第1端221より高い。
【0015】
下縫製ユニット30は、第2駆動シャフト31と、伝動リンク組32と、下フック駆動軸33と、下フック34と、ガイド部品35とを含み、第2駆動シャフト31は、第1駆動シャフト21と連動関係にあり、第2駆動シャフト31はベルト43を介して第1駆動シャフト21に連動する。伝動リンク組32は第2駆動シャフト31に接続され、伝動リンク組32は下フック駆動軸33に接続され、伝動リンク組32の従動で下フック駆動軸33は往復して動作し、下フック駆動軸33の一端に下フック34が設けられ、下フック駆動軸33が往復して動作する時に、下フック34も往復して動作する。下フック駆動軸33にガイド部品35が設けられ、ガイド部品35は2つのガイドリング351として成形され、2つのガイドリング351は離隔して設けられ下フック駆動軸33が中に穿設され、且つ2つのガイドリング351が伝動リンク組32に適合して設けられ、これにより、下フック駆動軸33は直線往復運動しかできないように制限する。
【0016】
また、図1図8を参照すると、一実施例では、ミシン10が、ハウジング40を備え、ハウジング40が、下フック34が当該直線往復運動において変位する空間41を確定し、ハウジング40は針板42を備え、針板42は、下フック34上に設けられる。また、図5図7を参照すると、一実施例では、リンク22の第1端221の針板42に対する高さは、常に第2端222の針板42に対する高さより低く、つまり、ガイドレール24の針板42に対する高さは常に第1駆動シャフト21の針板42に対する高さより高く、直線軌跡26の動作範囲の水平高さは円形軌跡25の水平高さより高い。また、針棒23上のこれらの針27は針板42に向かって設けられ、これらの針27の針板42の最上点と針板42との間に位置する距離は第1ストローク距離231であり、これらの針27の針板42の最下点と針板42との間に位置する距離は第2ストローク距離232であり、第1ストローク距離231は第2ストローク距離232より大きく、これにより、編みのニーズを満たす。
【0017】
また、図3を参照すると、ガイド部品35は、2つのガイドリング351によって下フック駆動軸33に架設され、一実施例では、ガイド部品35が、2つのガイドリング351の間に位置する直線レール352として成形され、直線レール352は下フック駆動軸33に平行である。下フック駆動軸33は、カラー331と、制限ブロック332とを備え、カラー331は、2つのガイドリング351の間に位置し、これにより、カラー331は2つのガイドリング351の間でしか動作できないように制限し、カラー331に制限ブロック332が設けられ、制限ブロック332は直線レール352に適合して設計され、制限ブロック332は直線レール352内でしか動作できず、したがって、カラー331は直線レール352によって、その動作が当該直線往復運動だけであるように制限される。
【0018】
また、図3を参照すると、一実施例では、第2駆動シャフト31が、固定カラー311を備え、ガイド部品35には取付けバンプ312が成形され、取付けバンプ312は固定カラー311に組み付けられ、且つ取付けバンプ312は直線レール352に装着され、取付けバンプ312の設置では直線レール352内の動作に干渉しないことが前提である。
【0019】
また、図3を参照すると、一実施例では、伝動リンク組32が、第1スイングアーム321と、第2スイングアーム322と、ロッカーアーム323と、コネクティングロッド324とを含む。第2スイングアーム322の一端は第2駆動シャフト31に接続され、ロッカーアーム323は第2スイングアーム322とコネクティングロッド324とを接続させ、コネクティングロッド324は第1スイングアーム321の一端に接続され、第1スイングアーム321の他端は下フック駆動軸33に接続される。第1スイングアーム321の下フック駆動軸33と接続した部分が2つのガイドリング351の間に位置し、第1スイングアーム321は下フック駆動軸33の動作を伝動し、詳細に言えば、第1スイングアーム321の揺動する距離は2つのガイドリング351の間に位置し、且つ第1スイングアーム321の動作方向はカラー331によって制限される。
【0020】
また、図8図10を参照すると、一実施例では、針棒23上のこれらの針27の配列方向は下フック34及び下フック駆動軸33に平行であり、当実施例の設置で、これらの針27の配列方向は縫製方向に垂直である。
【0021】
また、図2図7を参照すると、一実施例では、第1駆動シャフト21が、リンク22を接続させるためのカム部品211を備え、カム部品211は第1駆動シャフト21の回転に従動し、リンク22のカム部品211における組立位置は、カム部品211の軸心からオフセットしており、リンク22は第1端221でカム部品211に組み立てられ、第1端221はカム部品211の回転で円形軌跡25を形成させる。また、図1図5を参照すると、第1端221はカム部品211の12時位置に位置し、つまり、第1端221は針板42に対する最上点に位置し、この時にリンク22は針棒23に平行であり、これらの針27の位置は針板42に対して最高であり、これらの針27と針板42との間の距離は第1ストローク距離231である。さらに図6を参照すると、カム部品211の回転により、第1端221はカム部品211の3時位置に位置し、この時にこれらの針27は針板42上の少なくとも1つの穴を通過することができ、これらの針27の針板42に入っている針板42に対する他側が、即ち、空間41の範囲である。さらに図7を参照すると、第1端221はカム部品211の6時位置に位置し、つまり、第1端221は針板42に対する最下点に位置し、この時にリンク22は針棒23に平行であり、これらの針27の位置は針板42に対して最低であり、これらの針27と針板42との間の距離は第2ストローク距離232である。なお、編みのニーズに対応するために、第1ストローク距離231は第2ストローク距離232より大きい。
【0022】
また、図2を参照すると、ミシン10は、ベルト43を備え、一実施例では、ベルト43が第1駆動シャフト21及び第2駆動シャフト31を連動させるためのものであり、第1駆動シャフト21はベルト43に接続された第1プーリ212を備え、第2駆動シャフト31はベルト43に接続された第2プーリ313を備え、第2駆動シャフト31は第2プーリ313によってベルト43を従動させて、第1プーリ212を連動させて第1駆動シャフト21を回転させ、ベルト43は第1プーリ212及び第2プーリ313に適合する歯部431を備える。
【符号の説明】
【0023】
10 ミシン
20 上縫製ユニット
21 第1駆動シャフト
211 カム部品
212 第1プーリ
22 リンク
221 第1端
222 第2端
23 針棒
231 第1ストローク距離
232 第2ストローク距離
24 ガイドレール
25 円形軌跡
26 直線軌跡
27 針
30 下縫製ユニット
31 第2駆動シャフト
311 固定カラー
312 取付けバンプ
313 第2プーリ
32 伝動リンク組
321 第1スイングアーム
322 第2スイングアーム
323 ロッカーアーム
324 コネクティングロッド
33 下フック駆動軸
331 カラー
332 制限ブロック
34 下フック
35 ガイド部品
351 ガイドリング
352 直線レール
40 ハウジング
41 空間
42 針板
43 ベルト
431 歯部
【要約】
【課題】機能性布地に必要な縫製のニーズに対応できるようにミシンを改良する。
【解決手段】上縫製ユニットと、下縫製ユニットとを含むミシンであって、上縫製ユニットは、第1駆動シャフトと、第1駆動シャフトに接続されたリンクと、リンクに従動させられる針棒とを含み、リンクは、第1駆動シャフトに接続された第1端と、針棒に接続されガイドレール内で動作する第2端とを備える。下縫製ユニットは、第2駆動シャフトと、第2駆動シャフトに接続された伝動リンク組と、伝動リンク組に接続された下フック駆動軸と、下フックと、下フック駆動軸が中に穿設されるガイド部品とを含み、伝動リンク組は、下フック駆動軸に接続された第1スイングアームを含み、ガイド部品は、下フック駆動軸が穿設される2つのガイドリングとして成形され、2つのガイドリングは、下フック駆動軸が直線往復運動しかできないように制限する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10