(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】LEDブラケット、発光ユニット及び発光アセンブリ(LED BRACKET,LIGHT-EMITTING UNIT,AND LIGHT-EMITTING ASSEMBLY)
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20240815BHJP
H01L 33/64 20100101ALI20240815BHJP
H01L 33/48 20100101ALI20240815BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20240815BHJP
F21V 9/32 20180101ALI20240815BHJP
F21V 9/08 20180101ALI20240815BHJP
F21Y 107/70 20160101ALN20240815BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240815BHJP
【FI】
H01L33/62
H01L33/64
H01L33/48
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V19/00 450
F21V9/32
F21V9/08 200
F21Y107:70
F21Y115:10 300
(21)【出願番号】P 2023535480
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(86)【国際出願番号】 CN2021137073
(87)【国際公開番号】W WO2022122013
(87)【国際公開日】2022-06-16
【審査請求日】2023-06-23
(31)【優先権主張番号】202011639540.6
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202011641293.3
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202120148167.8
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202120216659.6
(32)【優先日】2021-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202023003674.7
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202023005249.1
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110323230.1
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110365627.7
(32)【優先日】2021-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110665700.2
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202121528970.0
(32)【優先日】2021-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521083670
【氏名又は名称】シェンツェン ジュフェイ オプトエレクトロニクス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN JUFEI OPTOELECTRONICS CO., LTD
【住所又は居所原語表記】No. 4, Eling Industrial Zone, Pinghu Street, Longgang District Shenzhen, Guangdong 518111, China
(73)【特許権者】
【識別番号】522410123
【氏名又は名称】深▲セン▼市月明光学科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】柯 有譜
(72)【発明者】
【氏名】劉 会萍
(72)【発明者】
【氏名】李 運華
(72)【発明者】
【氏名】孫 平如
(72)【発明者】
【氏名】譚 青青
(72)【発明者】
【氏名】譚 鎮良
(72)【発明者】
【氏名】▲しん▼ 美正
(72)【発明者】
【氏名】施 華平
(72)【発明者】
【氏名】梁 世飛
(72)【発明者】
【氏名】楊 麗敏
(72)【発明者】
【氏名】何 剛
(72)【発明者】
【氏名】黎 明権
(72)【発明者】
【氏名】許 輝
(72)【発明者】
【氏名】王 伝虎
(72)【発明者】
【氏名】宋 均楠
(72)【発明者】
【氏名】許 文欽
(72)【発明者】
【氏名】高 四清
(72)【発明者】
【氏名】王 東東
(72)【発明者】
【氏名】張 志強
(72)【発明者】
【氏名】李 金虎
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-015471(JP,A)
【文献】特開2015-156456(JP,A)
【文献】特開2018-137321(JP,A)
【文献】特開2014-159565(JP,A)
【文献】国際公開第2013/061943(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDチップとLEDブラケットとを含む発光ユニットであって、前記LEDブラケットはボウル状カップを有し、前記LEDチップは前記ボウル状カップの底部に設けられる藍色光LEDチップを含み、
前記発光ユニットは前記ボウル状カップ内に設けられるパッケージ層を更に含み、前記パッケージ層は赤色媒体と緑色媒体とを含み、前記赤色媒体と前記緑色媒体は
混合されて前記ボウル状カップに充填されると共に前記藍色光LEDチップを覆い、前記藍色光LEDチップは前記赤色媒体と前記緑色媒体を励起させ、白色光を射出し、前記白色光の正規化スペクトログラムは、
前記スペクトログラムは赤色光波長帯と緑色光波長帯を含み、前記赤色光波長帯の半値全幅は80nm~100nmであり、前記赤色光波長帯のピークは第1ピークであり、前記第1ピークに対応する相対的光パワーは0.75~0.95であり、前記第1ピークに対応する波長は645nm~665nmであり、前記緑色光波長帯の半値全幅は45nm~70nmであり、前記緑色光波長帯のピークは第2ピークであり、前記第2ピークに対応する波長は500nm~520nmである、上記条件を満足する、
発光ユニット。
【請求項2】
前記第2ピークに対応する相対的光パワーは0.4~0.7であり、
請求項1に記載の発光ユニット。
【請求項3】
前記正規化スペクトログラムは、藍色光波長帯を更に含み、前記藍色光波長帯の半値全幅は15nm~30nmであり、前記藍色光波長帯のピークは第3ピークであり、前記第3ピークに対応する相対的光パワーは0.9~1であり、前記第3ピークに対応する波長は445nm~455nmである、
請求項1に記載の発光ユニット。
【請求項4】
前記正規化スペクトログラムは、黄色光波長帯を更に含み、前記黄色光波長帯に対応する波長範囲は560nm~590nmであり、黄色光波長帯の相対的光パワーは0.05~0.25である、
請求項1に記載の発光ユニット。
【請求項5】
前記正規化スペクトログラムは、青色光波長帯を更に含み、前記青色光波長帯に対応する波長範囲は460nm~490nmであり、青色光波長帯の相対的光パワーは0.15~0.35である、
請求項1に記載の発光ユニット。
【請求項6】
前記正規化スペクトログラムは、紫色光波長帯を更に含み、前記紫色光波長帯に対応する波長範囲は350nm~420nmであり、前記紫色光波長帯の相対的光パワーは0.1未満である、
請求項1に記載の発光ユニット。
【請求項7】
前記正規化スペクトログラムは、前記赤色光波長帯と隣接する赤外線波長帯を更に含み、前記赤外線波長帯に対応する波長は780nmを超え、前記赤外線波長帯の相対的光パワーは0.1未満である、
請求項1に記載の発光ユニット。
【請求項8】
前記赤色媒体の材質は窒化物を含み、前記緑色媒体の材質はβ-Sialon及び/又はケイ酸塩を含み、前記藍色光LEDチップの材質は窒化ガリウムを含み、
請求項1に記載の発光ユニット。
【請求項9】
前記赤色媒体と前記緑色媒体との比率範囲は1:13~1:4である、
請求項1に記載の発光ユニット。
【請求項10】
前記パッケージ層は前記ボウル状カップに充填される封止材を更に含み、前記赤色媒体及び前記緑色媒体の混合物と前記封止材との混合比率範囲が1:8~1:1.8である、
請求項9に記載の発光ユニット。
【請求項11】
前記白色光がCIE1931色度図において、X軸における分布範囲は0.32~0.38であり、Y軸における分布範囲は0.275~0.34であり、且つ前記白色光の色温度範囲は4000K~6200Kである、
請求項1に記載の発光ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、LED(LightEmittingDiode、LEDチップ)分野に関し、特にLEDブラケット、発光ユニット及び発光アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
チップLEDは、照明、装飾、バックライト、ディスプレイなどの分野で幅広く応用されている。チップLEDは、LEDブラケットと、LEDブラケットに設けられるLEDチップと、を含む。従来のチップLEDのLEDブラケットは、通常、基板と、基板に設けられるパッケージと、含み、パッケージにLEDチップを収容するためのボウル状カップが形成される。しかし、従来のLEDブラケットのボウル状カップの側壁は強度が低いため、例えば板材のひずみなどによる外力影響を受けて折れやすい。
【0003】
そのため、LEDブラケットの強度を如何に向上させることは、現在、早急に解決すべき技術問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術の欠陥を鑑み、本願は、関連技術においてLEDブラケットの強度が低く、外力を受けて折れやすい問題を解決するために、LEDブラケット、発光ユニット及び発光アセンブリを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は、パッケージと、その一部が上記パッケージに覆われる基板と、を含むLEDブラケットであって、上記パッケージにボウル状カップが形成され、上記基板の一部は上記ボウル状カップの底部として上記ボウル状カップ内にあり、上記基板は上記ボウル状カップ内にある2つの導電領域を含むと共に、上記2つの導電領域の間に両者を絶縁隔離する絶縁領域が設けられ、
上記基板が基板本体と、上記基板本体から上記ボウル状カップの側壁内まで延びる支持部と、を含み、上記支持部は上記側壁内で一方の上記導電領域から他方の上記導電領域へ延びると共に、少なくとも上記絶縁領域の上記側壁に対応する側壁領域まで延びる、LEDブラケット。
【0006】
同一の発明概念に基づき、本願は、LEDチップと、上述したようなLEDブラケットと、を含む発光ユニットであって、上記LEDチップは上記ボウル状カップの底部に設けられ、上記LEDチップの正・負極は上記2つの導電領域にそれぞれ電気的に接続され、
上記ボウル状カップ内に設けられるパッケージ層を更に含む、発光ユニットを提供する。
【0007】
同一の発明概念に基づき、本願は、回路板と、上述したような発光ユニットと、を含む発光アセンブリであって、上記発光ユニットは上記回路板に設けられると共に、上記回路板に電気的に接続される、発光アセンブリを更に提供する。
【発明の効果】
【0008】
本願は、LEDブラケット、発光ユニット及び発光アセンブリであって、そのうち、LEDブラケットの基板は基板本体と、基板本体からLEDブラケットのボウル状カップの側壁内まで延びる支持部と、を含むLEDブラケット、発光ユニット及び発光アセンブリを提供し、当該支持部によりボウル状カップの側壁の強度を向上させることで、LEDブラケットの全体強度を向上させることができる。また、支持部はボウル状カップの側壁内でLEDブラケットの一方の導電領域から他方の導電領域へ延びると共に、少なくともこの2つの導電領域を絶縁隔離する絶縁領域の側壁に対応する側壁領域まで延び、即ち、支持部は2つの導電領域のボウル状カップの側壁に投影する2つの領域の間の領域まで延びており、この領域はLEDブラケットの強度の最も弱い領域であり、支持部がこの領域まで延びることで、LEDブラケットの強度を更に向上させ、特にLEDブラケットの強度の最も弱い部分が効果的に補強され、LEDブラケットが外力を受けて折れる状況の発生は最大限で避けることができる。本願により提供される発光ユニット及び発光アセンブリはより優れた強度のLEDブラケットを採用したため、発光ユニット及び発光アセンブリの全体強度と信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本願の実施例1により提供されるLEDブラケットの上面
図1である。
【
図2】本願の実施例1により提供されるLEDブラケットの上面
図2である。
【
図3】本願の実施例1により提供されるLEDブラケットの上面
図3である。
【
図4】本願の実施例1により提供されるLEDブラケットの上面
図4である。
【
図5】
図4におけるLEDブラケットのA-A断面図である。
【
図6】本願の実施例1により提供されるLEDブラケットの上面
図5である。
【
図7】本願の実施例2により提供されるLEDブラケットの構成
図1である。
【
図8】本願の実施例2により提供されるLEDブラケットの構成
図2である。
【
図9】本願の実施例2により提供されるLEDブラケットの構成
図3である。
【
図10】本願の実施例2により提供される第1凹溝の構成
図1である。
【
図11】本願の実施例2により提供される第1凹溝の構成
図2である。
【
図12】本願の実施例2により提供される第1凹溝の構成
図3である。
【
図13】本願の実施例2により提供されるLEDブラケットの構成
図4である。
【
図14】本願の実施例2により提供されるLEDブラケットの構成
図5である。
【
図15】本願の実施例2により提供される発光アセンブリの構成図である。
【
図16】本願の実施例3により提供されるLEDブラケットの構成
図1である。
【
図17】本願の実施例3により提供されるLEDブラケットの構成
図2である。
【
図18】本願の実施例3により提供されるLEDブラケットの構成
図3である。
【
図19】本願の実施例3により提供されるLEDブラケットの構成
図4である。
【
図20】本願の実施例3により提供されるLEDブラケットの構成
図5である。
【
図21】本願の実施例3により提供される発光ユニットの構成図である。
【
図22】本願の実施例4により提供されるLEDブラケットの基板の構成
図1である。
【
図23】本願の実施例4により提供されるLEDブラケットの基板の構成
図2である。
【
図24】本願の実施例4により提供されるLEDブラケットの基板の構成
図3である。
【
図25】本願の実施例4により提供される発光ユニットの構成図である。
【
図26】本願の実施例5により提供されるLEDブラケットの構成
図1である。
【
図27】本願の実施例5により提供されるLEDブラケットの構成
図2である。
【
図28】本願の実施例5により提供されるLEDブラケットの構成
図3である。
【
図29】本願の実施例5により提供されるLEDブラケットの上面
図1である。
【
図30】本願の実施例5により提供されるLEDブラケットの上面
図2である。
【
図31】本願の実施例5により提供されるLEDブラケットの上面
図3である。
【
図32】本願の実施例5により提供されるLEDブラケットの構成
図4である。
【
図33】本願の実施例5により提供される発光ユニットの構成図である。
【
図34】本願の実施例6により提供される従来の正規化スペクトログラムの模式
図1である。
【
図35】本願の実施例6により提供される従来の正規化スペクトログラムの模式
図2である。
【
図36】本願の実施例6により提供される発光ユニットの構成
図1である。
【
図38】本願の実施例6により提供される改善後の正規化スペクトログラムの模式
図1である。
【
図39】本願の実施例6により提供される発光ユニットの構成
図2である。
【
図41】本願の実施例6により提供される改善後の正規化スペクトログラム2である。
【
図42】本願の実施例7により提供される発光ユニットの構成
図1である。
【
図43】本願の実施例7により提供される発光ユニットの構成
図2である。
【
図44】本願の実施例7により提供される発光ユニットの構成
図3である。
【
図45】本願の実施例7により提供される発光ユニットの構成
図4である。
【
図46】本願の実施例7により提供される発光ユニットの構成
図5である。
【
図47】本願の実施例7により提供されるLEDブラケットの上面におけるジグザグ状構造の構成図である。
【
図48】本願の実施例7により提供される発光ユニットの構成
図6である。
【
図49】本願の実施例8により提供される回路板の構成
図1である。
【
図50】本願の実施例8により提供される回路板の上面図である。
【
図51】本願の実施例8により提供される発光アセンブリの構成図である。
【
図52】本願の実施例8により提供される電子機器の折れ曲れ状態の模式図である。
【
図53】本願の実施例8により提供される電子機器の構成図である。
【
図54】本願の実施例9により提供される回路板の構成
図2である。
【
図55】本願の実施例9により提供される発光アセンブリの構成
図1である。
【
図56】本願の実施例9により提供される発光アセンブリの構成
図2である。
【
図57】本願の実施例9により提供される発光アセンブリの構成
図3である。
【
図58】本願の実施例9により提供される発光アセンブリの構成
図4である。
【
図59】本願の実施例9により提供される発光アセンブリの構成
図5である。
【
図60】本願の実施例9により提供される放熱リブの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本願を容易に理解するために、関連図面を参照しながら本願についてより全面的に記述する。図面は本願の好適な実施形態を示している。しかし、本願は本明細書で記述される実施形態に限定されず、様々な形態で実現できる。逆に、これらの実施形態を提供する目的は、本願により開示された内容についてより全面的に理解するためである。
【0011】
別途で定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、当業者が通常で理解するものと同じ意味を有する。本願の明細書で使用される用語は、具体的な実施形態を記述するためのものに過ぎず、本願を限定するためのものではない。
【0012】
なお、本願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面における「第1」、「第2」などの用語は、類似する対象を区別するために使用され、必ず特定の順序又は優先順位を説明するために使用されるわけではない。このように使用される数字は、ここで本願の実施例を説明しやすくするために、適切であれば交換可能であることを理解すべきである。また、「含む」及び「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図し、例えば、一連のステップやユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は機器は、必ずしも明らかに挙げられたステップやユニットに限定されず、明らかに挙げられていない、又は、これらのプロセス、方法、製品や機器に固有の他のステップやユニットを含むことができる。
【0013】
本願において、「上」、「下」、「内」、「中」、「外」、「前」、「後」などの用語で示される方位又は位置関係は図面に示される方位又は位置関係に基づく。これらの用語は主に本願及びその実施例をより好適に記述するためのものであり、示される装置、エレメント又は構成部分が特定の方位を必ず有すること、或いは特定の方位で構築と操作を行うこと、を限定するためのものではない。また、上記用語の一部は方位又は位置関係を示すために利用される他に、その他の意味を示すために利用されてもよく、例えば、用語「上」は特定の場合で特定の依存関係又は接続関係を示すために利用されてもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて、これらの用語の本願における具体的な意味を理解してもよい。また、用語「設定」、「接続」、「固定」は、広義的に理解すべきである。例えば、「接続」は、固定的な接続、取り外し可能な接続、或いは一体的な構造であってもよく、機械的な接続、或いは電気的な接続であってもよく、直接的な接続、或いは中間媒体を介する間接的な接続、或いは2つの装置、エレメント又は構成部分同士の内部連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて、上記用語の本願における具体的な意味を理解してもよい。
【0014】
なお、矛盾がない限り、本願の実施例及び実施例の特徴を互いに組み合わせることができる。以下、図面を参照しながら実施例に合わせて本願を詳しく説明する。
【実施例1】
【0015】
本実施例は、構造が簡単であり、コストが低く、良品率が高く、全体強度が優れるLEDブラケットを提供し、当該LEDブラケットは照明、装飾、バックライト、ディスプレイなどの分野に利用されてもよいが、これらに限定されない。当該LEDブラケットはパッケージと、その一部がパッケージに覆われる基板と、を含み、パッケージにボウル状カップが形成され、基板の一部がボウル状カップの底部としてボウル状カップ内にあり、基板はボウル状カップ内にある2つの導電領域を含むと共に、2つの導電領域の間に両者を絶縁隔離する絶縁領域が設けられ、基板は基板本体と、基板本体からボウル状カップの側壁内まで延びる支持部と、を含み、当該支持部によりボウル状カップの側壁の強度を向上させることで、LEDブラケットの全体強度を向上させることができ、本実施例において、支持部は側壁内で一方の導電領域から他方の導電領域へ延びると共に、少なくとも絶縁領域の側壁に対応する側壁領域まで延び、通常、この側壁領域がLEDブラケットの強度の最も弱い領域であり、支持部がこの領域まで延びることで、LEDブラケットの強度の最も弱い部分が効果的に補強され、LEDブラケットが外力を受けて折れる状況の発生は最大限で避けることができる。
【0016】
一例において、パッケージは様々な樹脂(これらに限定されない)などの材料を利用して射出成形、流し込み、型プレス(これらに限定されない)などの方法により基板上に形成される。パッケージに形成されるボウル状カップはLEDチップを収容するために利用される。本例において、ボウル状カップの横断面形状は自由に設定でき、例えば、矩形、円形、グラウンド形、楕円形、台形(これらに限定されない)などの規則的な形状に設定してもよく、必要に応じて不規則な形状に設定してもよいが、ここで詳しく説明しない。
【0017】
一例において、基板本体の材質は、例えば、樹脂、セラミックスなどの絶縁材質であってもよいが、これらに限定されず、基板を1つだけ含んでもよく、本例における2つの導電領域は同一の基板本体に設けられてもよく、本例における基板は2つのサブ基板を含んでもよく、この場合、2つの導電領域は2つのサブ基板の基板本体にそれぞれ設けられてもよく、本例における導電領域は、基板本体に対応する導電層を設けることで導電領域を形成してもよいが、これらに限定されず、導電層同士は絶縁領域により絶縁隔離される。
【0018】
別の例において、基板本体の材質は、例えば、導電性金属などの導電性材質であってもよく、基板は2つのサブ基板を含んでもよく、この場合、2つのサブ基板は絶縁領域により絶縁隔離され、2つのサブ基板がボウル状カップ内にある領域はそれぞれ2つの導電領域を構成する。無論、幾つかの応用シーンにおいて、基板は2つのサブ基板を含んでもよく、且つ一方のサブ基板の材質は導電性材質であり、他方のサブ基板の材質は絶縁材質である。
【0019】
本例において、絶縁領域は、2つの導電領域の間に設けられて両者を絶縁隔離するギャップを含んでもよいが、これらに限定されず、2つの導電領域の間に設けられる絶縁材質を含んでもよく、例えば、様々な絶縁接着剤又は絶縁樹脂などを含むが、これらに限定されない。また、本例における絶縁領域のボウル状カップ開口に近づく面は、少なくとも1つの導電領域のボウル状カップ開口に近づく面より高く、又は少なくとも1つの導電領域のボウル状カップ開口に近づく面より低く、又は少なくとも1つの導電領域のボウル状カップ開口に近づく面と同じ高さに設けられ、具体的にその汎用性を向上させるために様々な需要に応じて自由に設けることができる。
【0020】
本例において、支持部と基板本体を一体成形構造に設定することで、LEDブラケットの構造を簡略化し、その集積度と強度を向上させる。無論、両者を非一体成形構造に設定してもよい。また、支持部は応用の需要に応じてその数及び具体的な位置を自由に設定でき、以下、容易に理解するために、本実施例は、基板は絶縁領域により絶縁隔離される2つのサブ基板を含み、2つのサブ基板がボウル状カップ内にある領域はそれぞれ2つの導電領域を構成することを、例として説明する。
【0021】
本例において、支持部は、そのうちの一方のサブ基板の基板本体からボウル状カップの側壁内まで延びる支持部、又はそのうちの一方のサブ基板の基板本体の対向する両側からボウル状カップの対向する2つの側壁内までそれぞれ延びる2つの支持部、又は2つのサブ基板の基板本体の対向する両側からボウル状カップの対向する2つの側壁内までそれぞれ延びる2つの支持部など、を含んでもよい。本例において、2つのサブ基板をそれぞれ第1サブ基板と第2サブ基板と呼び、2つの導電領域をそれぞれ第1導電領域と第2導電領域とする。
【0022】
一応用例は
図1に示されるLEDブラケットの上面図を参照する。また、本発明におけるLEDブラケットの構造をより好適に示すために、図面ではパッケージを透視図法により処理し、上面視を示す図面では斜線部は側壁の頂部であり、そのうち、第1サブ基板11の面積は比較的に大きく、第2サブ基板12の面積は比較的に小さく、且つ第1サブ基板11との間に絶縁領域13を挟み、第1サブ基板11と第2サブ基板12は何れもパッケージ10により部分的に覆われる。パッケージに形成されるボウル状カップにおいて、第1サブ基板11と第2サブ基板12は部分的に露出され、それぞれ第1導電領域D1と第2導電領域D2とする。LEDチップは第1導電領域D1に設けられてもよく、第1導電領域D1と第2導電領域D2を横断してもよい。本実施例において、第1サブ基板11はその基板本体から延びる支持部14を含み、当該支持部14は第1サブ基板11の基板本体からボウル状カップの側壁内まで延び、側壁内で第1導電領域D1の当該側壁に対応する第2領域T2から第2導電領域D2の当該側壁に対応する第3領域T3へ延びると共に、少なくとも絶縁領域13の側壁に対応する側壁領域、即ち、
図1における第1領域T1まで延び、これにより、LEDブラケットの強度の最も弱い部分が効果的に補強され、LEDブラケットが外力を受けて折れる状況の発生は最大限で避ける。本例において、例えば、
図4に示されるように、支持部14は第1領域T1を通過すると共に、第2領域T2内まで延びてもよく、例えば、
図1~
図3に示される支持部14のように、支持部14は第2領域T2内まで延びなくてもよい。本例における支持部14はパッケージ10により全体的に覆われ、即ち、その全体が側壁内まで延びてもよく、その一部だけがパッケージ10により覆われてもよい(例えば、
図2に示される)ことは理解すべきである。
【0023】
本例において、支持部14のボウル状カップ開口に近づく面は基板本体のボウル状カップ開口に近づく面と同じ高さにあり、即ち、両者は同じ平面にあってもよく、又は支持部14のボウル状カップ開口に近づく面は基板本体のボウル状カップ開口に近づく面と同じ平面になくてもよい。例えば、支持部14のボウル状カップ開口に近づく面は基板本体のボウル状カップ開口に近づく面より高く設けられ、即ち、支持部14は基板本体の高さ方向(即ち、ボウル状カップ開口に近づく方向)で突出するように設けられてもよく、言い換えれば、支持部14は側壁内でボウル状カップのカップ縁へ延びることで、当該側壁の全体強度を更に向上させ、特に、LEDブラケットが例えば板材のひずみによる下から上に向かう外力を受けた場合、側壁が折れる可能性を更に低下させることができる。また、本例における絶縁領域13の側壁に対応する第1領域T1は、絶縁領域13と側壁が接触する領域の側壁に対応する領域を指す。言い換えれば、上面視では、絶縁領域13の延長方向は支持部14と交差する部分を有し、且つ当該部分における支持部14は基板本体と同じ平面になく、立体的な補強構造を形成することで、側壁の強度を確保する。幾つかの応用シーンにおいて、絶縁領域13の板材がより変形しやすく、支持部14が第1領域T1に進入することで、LEDブラケットの側壁における強度の比較的に弱い部分がより好適に補強される。しかし、幾つかの具体的な応用シーンにおいて、支持部14は同時に第2導電領域D2から離れる方向へ延びる部分を更に含んでもよく、その他の部分の側壁も同様に補強される。
【0024】
本例において、支持部14は基板本体の側辺から上へ直接的に延びてもよく、基板本体の側辺から水平に一定の距離を延びてから上へ延びてもよい。上へ延びる場合、支持部14は垂直的な突起を含んでもよく、斜め上の突起を含んでもよい。例えば、
図2に示される例において、矩形断面の支持部14は基板本体の側辺の頂部に近づく位置から直接的に延び、当該支持部14の厚さは基板本体の厚さより小さく設けられてもよく、当該支持部14は第1サブ基板11の基板本体に沿って第2サブ基板12の方向へ延びると共に第1領域T1に進入するように設けられる。本例において、支持部14の形状は必要に応じて設定でき、例えば、半分C形(
図3に示される)、逆L形などの形状又はその他の形状或いはこれらの形状の組合せを含むが、これらに限定されず、例えば、
図1に示される半分グラウンド形と矩形の組合せである。
【0025】
図1~
図3に示される例において、支持部は何れも一方のサブ基板の基板本体の片側から延びる。本実施例において、LEDブラケットは一方のサブ基板の基板本体の対向する両側からボウル状カップの対向する2つの側壁内までそれぞれ延びる2つの支持部、又は基板本体の対向する両側及び基板本体のパッケージに覆われるその他の領域からボウル状カップ側壁内までそれぞれ延びる3つの支持部を含むことで、ブラケットの全体強度を更に向上させることは理解すべきである。例えば、
図4と
図5に示されるLEDブラケットは、
図1~
図3に示される例に対して、第1サブ基板11の基板本体の対向する両側にボウル状カップの対向する2つの側壁内までそれぞれ延びる2つの支持部14を有する。これにより、LEDブラケットの絶縁領域3の長さ方向における側壁に対応する第1領域T1の強度を向上させ、即ち、
図1~
図3に示されるLEDブラケットに対して、その全体強度を倍以上に向上させることができる。
【0026】
本実施例において、LEDブラケットは2つのサブ基板の基板本体の片側からボウル状カップの側壁内までそれぞれ延びる2つの支持部を含んでもよい。例えば、
図6に示されるLEDブラケットは、
図1~
図3に示される例に対して、第1サブ基板11の片側にボウル状カップの一方の側壁内まで延びる支持部14を有し、第2サブ基板12の基板本体の片側にもボウル状カップの他方の側壁内まで延びる支持部14を有し、この2つの支持部14はボウル状カップの対向する2つの側面にある。
図1~
図3に示されるLEDブラケットに対して、その全体強度を倍以上に向上させることもできる。上記例によれば、本実施例において、支持部14の数及び位置を自由に設定できると共に、その構造が簡単であるため、様々な応用シーンの需要に応じて対応できる。
【0027】
本実施例の幾つかの例において、
図4に示されるように、支持部14は基板本体に接続される第1支持体141と第1支持体141から延びる第2支持体142とを含み、第2支持体142は第1支持体141から延びてから、第2サブ基板へ一定の距離を延び、絶縁領域の対応する第1領域T1に進入するように設けられてもよい。幾つかの応用例において、第1支持体141と第2支持体142は一体成形であってもよい。第1支持体141は水平方向にのみ基板本体の側辺に垂直な方向又は垂直でない方向に沿って延び、第2支持体142は第1支持体141から延びてから高さ方向で突出しながら第2サブ基板へ延びてもよく、第1支持体141は一定の高さで突起し、第2支持体142は第1支持体141から延びてから水平に第2サブ基板へ延びてもよく、又は、第1支持体141と第2支持体142は何れも高さ方向で突出し、第1領域T1に進入する第2支持体142の少なくとも一部が基板本体より高ければよい。第1支持体141と第2支持体142を有する2段式の支持体構造により、側壁の強度が補強されると共に、ブラケットとパッケージとの結合力が確保され、一応用例において、第1支持体141の突起の勾配が第2支持体142より緩く設けられることができ、より緩い第1支持体141によりブラケットとパッケージとの結合力を増強させることで、ブラケットとパッケージとの結合がより安定的になり、外力を受けて分離しにくくなる。
【0028】
側壁内まで延びる支持部14の部分は、何れも側壁の強度をある程度で増強させることができることは理解すべきである。幾つかの実施形態において、
図5に示されるように、
図5は
図4に示されるLEDブラケットのA-A断面の模式図である。支持部14の第1支持体141は弧状の接続領域を更に含み、即ち、支持部14の基板本体に近づく部分は弧状部143であってもよく、本例において、弧状部143は支持部14が高さ方向で突出した場合に存在する弧状のコーナー部を指し、当該弧状部143により支持部14と基板本体との間が滑らかになると共に、パッケージとの接触面を更に増大させ、気密性の向上に繋がり、且つ侵入された湿気を支持部の方向へ誘導し、LEDブラケットの内部が湿るリスクを低下させる。
【0029】
幾つかの例において、
図5に示されるように、支持部14が設けられる側辺に垂直な断面において、支持部14は水平方向で基板本体から離れる方向へ延び、支持部14の先端延長方向と基板本体との夾角θは90°以上且つ180°未満であり、即ち、支持部14の壁内における先端延長方向と基板本体との夾角は90°以上且つ180°未満であるため、LEDブラケットの成形難易度を低下させる。しかし、側壁の強度を増強させるために、支持部14と基板本体との夾角に関係なく、支持部14がパッケージの側壁に包まれることが望ましいことは理解すべきである。LEDブラケットが2つ以上の支持部14を含む場合、この2つの支持部14の先端延長方向と基板本体との夾角を同じに設定することができ、LEDブラケットの両側の強度を一致させる。
【0030】
本実施例において、支持部14はパッケージより硬い材料を選定してもよく、一例において、当該パッケージは例えば、プラスチックなどの材料であってもよく、支持部の硬度は使用されるプラスチックより高い。支持部14は金属材料、セラミックス材料又は高強度の樹脂材料或いはその他の材料などであってもよく、幾つかの実施形態において、第1サブ基板11は導電性基板であり、その基板本体と支持部14は導電性金属材料を使用し、例えば、第1サブ基板は銅基板、アルミニウム基板、鉄基板、銀基板などを含むが、これらに限定されず、支持部は基板本体と同じ材料であり、例えば、金属材料であり、且つ第1サブ基板を一体成形することで、構造の一体性を確保する。支持部14を形成する過程において、支持部14は第1サブ基板からの延長領域であってもよく、プレス、エッチングなどのプロセスにより必要とする形状などに形成される。支持部14を成形してから、プラスチックなどの材料でパッケージングし、側壁などのパッケージ構造を形成する。
【0031】
本実施例の上記各例により提供されるLEDブラケットにおいて、第1サブ基板11と第2サブ基板12のうちの少なくとも1つにボウル状カップの側壁内まで延びる少なくとも1つの支持部14が形成され、支持部14は基板本体から延びて基板本体から高さ方向で突出すると共に、支持部14は第2サブ基板12に近づく方向へ延びて絶縁領域3の対応する第1領域T1に進入する。本実施例のLEDブラケットは、上記支持部14により側壁の強度が補強され、特に絶縁領域3の対応する第1領域T1の強度を顕著に向上させ、側壁が例えば板材のひずみなどによる外力を受けて折れる状況は減少され、LEDブラケット及びLEDブラケットで製造されたLED発光デバイスの品質が確保される。本実施例により提供されるLEDブラケットで製造された発光ユニット、及び当該発光ユニットを採用して製造された発光アセンブリの全体強度と信頼性も向上されることは見込まれる。
【実施例2】
【0032】
従来のLEDデバイスパッケージにおいて、LEDチップがLEDブラケットの基板の導電領域内に設けられると共に、封止材でLEDチップをパッケージングすることで、LEDデバイスという発光ユニットを得る。LEDデバイスは高温、高湿、塩霧環境で動作する可能性があるため、封止材と基板とのガタツキ、更に剥離などの状況が発生し、LEDデバイスに対する保護が無効となる。
【0033】
本実施例は、上記の問題を解決するために、基板と封止材との接触面積がより大きく、結合強度がより強く、封止材と基板とのガタツキ、更に剥離などの状況の発生がなるべく避けられる、LEDブラケットを提供する。
【0034】
本実施例におけるLEDブラケットは、上記実施例に示されるLEDブラケットを採用してもよく、その他の構造のLEDブラケットを採用してもよく、本実施例が限定しないことは理解すべきである。本実施例において、LEDブラケットは基板を含み、
図7に示されるように、基板は基板本体21と、基板本体21の第1表面に設けられる第1導電層22と第2導電層23と、を含み、第1導電層22と第2導電層23は絶縁領域により隔離され、2つの導電領域を形成する。本実施例におけるLEDブラケットは基板本体21に設けられるパッケージを含んでもよく、当該パッケージは様々な封止材を採用してもよいが、これらに限定されない。
【0035】
本実施例において、第1導電層22と第2導電層23のうちの少なくとも1つのエッジに複数の第1凹溝25が設けられることで、基板本体における封止材と接触する導電層がより大きい側面積を有すると共に、導電層のエッジ(即ち、側壁)に複数の第1凹溝25が設けられることで、基板本体と封止材との結合面積がより大きく、即ち、封止材と本実施例の基板本体とがより頑丈に接着されるため、結合強度を向上させ、封止材と基板本体とのガタツキ又は剥離などの状況の発生が減少される。
【0036】
図7に示されるように、本例において、第1導電層22と第2導電層23の両方のエッジに複数の第1凹溝25が設けられるが、第1導電層22と第2導電層23のうちの一方のエッジ(即ち、1つの側面)に第1凹溝25が設けられてもよく、その複数のエッジに第1凹溝25がそれぞれ設けられてもよいため、封止材との結合面積及び結合強度を更に向上させることは理解すべきである。
【0037】
本例において、基板本体21に少なくとも2つの導電貫通孔24が設けられると共に、第1導電層22と第2導電層23はそれぞれ異なる導電貫通孔24に電気的に接続され、
図9に示されるように、本例において、基板は基板本体の第2表面に覆われる第3導電層26と第4導電層27を更に含み、第3導電層26は対応する導電貫通孔24を介して第1導電層22に電気的に接続され、第4導電層27はその他の対応する導電貫通孔24を介して第2導電層23に電気的に接続され、本例において、基板本体の第1表面と第2表面は対向する2つの面であり、例えば、基板本体の正面と背面であってもよいが、これらに限定されない。
【0038】
そのうち、第1導電層22及び/又は第2導電層23のエッジにある複数の第1凹溝25の導電層の高さ方向における厚さは、導電層の高さと一致してもよく、導電層の高さより小さくてもよい。例えば、
図7に示される状況は、第1凹溝25の導電層の高さ方向における厚さは導電層の高さと一致する。別の例は
図8に示されるように、第1凹溝25の導電層の高さ方向における厚さは導電層の高さより小さい状況である。
【0039】
第1導電層22及び/又は第2導電層23のエッジに複数の第1凹溝が追加で形成され、従来の矩形又はその他の形状の導電層と比べてより大きい側面積を有すると共に、第1導電層22及び/又は第2導電層23の側壁の粗さが通常より高いため、第1導電層22と第2導電層23が設けられる片側に封止材を設ける場合、封止材との結合がより強い。また、幾つかの実施過程において、最終的に形成されたLED発光デバイスの気密性もこの理由で向上される。本実施例の各導電層はボンディングパット、ピンを含むが、これらに限定さらず、例えば、幾つかの実施形態において、上記第1導電層22と第2導電層23はLEDチップを設けるためのボンディングパットであってもよく、第3導電層26と第4導電層27はピンとしてもよい。また、幾つかの従来の基板において、例えば、正極又は負極ボンディングパットとする導電層に1つの第1凹溝又は類似する形状が形成されるが、実際には、このような構造はボンディングパットの正負極を区別するためものだけであり、封止材の接着性を意図的に増強させるためのものではなく、且つ幾つかの基板において、マークを印刷することで正負極を区別する。本実施例の基板において、第1導電層22及び/又は第2導電層23に複数の第1凹溝25があり、これらの第1凹溝25の位置は導電層のエッジに沿って一定の周期で連続的且つ規律的に並んでもよく、実際の基板形状及び/又はその後に組み込まれるLEDチップなどの電子デバイスの配置に応じて設けられてもよい。
【0040】
図9に示されるように、本実施例における導電貫通孔24が基板本体21の第1表面から第2表面まで貫通し、導電貫通孔24の位置及び数が実際の状況に応じて選定してもよく、第1導電層22と第2導電層23が近づきすぎないように、第1導電層22と第2導電層23の対応する導電貫通孔24は一定の距離で離れる。任意選択的に、導電貫通孔24に導電性金属層を設けることで基板本体の両面の接続を実現してもよく、対応する導電層が互いに電気的に接続されるように、導電性金属層が基板本体の第1表面及び第2表面に対応する導電層と接触される。導電性金属層の材料は任意の導電性金属であってもよく、金、銀、銅、白金などを含むが、これらに限定されない。導電性金属層は例えば、真空スパッタリングなどのフィルム成形プロセスで導電貫通孔に設けられてもよく、その他のフィルム成形プロセスで製造されてもよい。本例において、導電性金属層は導電貫通孔24に充満しなくてもよく、例示的に、導電貫通孔24は孔径50μm~200μmとなるように設けられ、導電性金属層は導電貫通孔の内壁に形成され、その厚さは15μm未満となるように設けられてもよい。別の例において、導電貫通孔24は導電性金属材料に充満されてもよく、又は導電性金属棒に充填されることで、基板の両面の対応する導電層を電気的に接続する効果が同じく実現できる。
【0041】
幾つかの例において、第1導電層22、第2導電層23、第3導電層26及び第4導電層27は銅層を含み、その形成方法は導電貫通孔24における導電性金属層の形成方法と類似する方法を採用してもよいが、これらに限定さらず、ここで詳しく説明しない。本例において、銅層の厚さは実際のデバイスの大きさ又は仕様などの必要に応じて設定でき、一例として、銅層の厚さは約20μm~100μmであり、第1導電層22、第2導電層23、第3導電層26及び第4導電層27は同じ厚さであってもよく、異なる厚さであってもよい。また、第1導電層22と第2導電層23は同じ厚さであり、第3導電層26と第4導電層27は同じ厚さであるが、第1導電層22と第3導電層26が同じ厚さとならないように、設けられてもよい。
【0042】
幾つかの例において、第1導電層22、第2導電層23、第3導電層26及び第4導電層27の少なくとも1つは金属メッキ層を更に含み、ここの金属メッキ層は、例えば、金メッキ、銀メッキ、白金メッキ、又は幾つかの合金など、任意の化学性質が銅より安定的な導電性金属を含んでもよい。導電層は金属メッキ層により相応する金属の表面性質を有し、裸銅を導電層とする場合と比べて、より安定的である。
【0043】
本実施例において、基板における上記第1凹溝25はエッチング、切断などを含む(これらに限定されない)方法で製造されてもよい。例示的に、基板本体21に例えば、真空スパッタリングなどの方法で全面の銅層を形成してから、エッチング、切断などの方法で銅層を必要とされる形状に製造してもよく、この過程で第1凹溝25も製造される。上記金属メッキ層は第1凹溝25の製造完了後に形成してもよく、これにより、第1導電層22及び/又は第2導電層23の側壁にも必要とされる金属が被覆される。本実施例の基板の製造過程において、導電層の表面が滑らかになるように研磨してから、導電層に金属を被覆してもよい。
【0044】
本実施例における基板本体はセラミックス板材を含んでもよく、即ち、本実施例の基板は例えば、ALN、AL203などのセラミックス基板であってもよい。その他の実施形態において、基板本体はその他の絶縁材料であってもよい。
【0045】
本実施例における基板本体において、第1導電層22と第2導電層23の第1凹溝25は様々な形状であってもよいことは理解すべきであり、幾つかの実施形態において、第1凹溝25の形状は弧状、矩形、ジグザグ状のうちの少なくとも1種を含んでもよい。例えば、
図7に示される第1導電層22と第2導電層23のエッジの周期性(即ち、各第1凹溝25の間の間隔が一定である)配列は矩形の第1凹溝25があり、
図10に示される導電層のエッジの周期性配列は弧状の第1凹溝25があり、
図11に示される導電層のエッジの周期性配列はジグザグ状の第1凹溝25があり、
図12に示されるのは別の形態のジグザグ状の第1凹溝25である。第1凹溝はその他の形状であってもよく、その大きさと配列方法が自由に設定できることは理解すべきであり、複数の第1凹溝が確保できれば、封止材と接触する第1導電層と第2導電層の側面積が大きくなり、封止材の接着性を増大させる効果が得られる。
【0046】
幾つかの実施形態において、1つの第1導電層22、1つの第2導電層23、1つの第3導電層26及び1つの第4導電層27の対応する領域に1つ又は複数のLEDチップが設けられることは理解すべきである。また、基板に複数のこのような領域が設けられてもよい。
【0047】
本実施例の基板において、第1導電層及び/又は第2導電層のエッジに複数の第1凹溝が形成されることで、第1導電層及び/又は第2導電層の比較的に粗い側表面の表面積を増大させ、封止材でパッケージングした後に、封止材が第1導電層及び/又は第2導電層の側壁とより大きい面積で接触することで、基板が封止材とより頑丈に結合し、最終的に製造されたLED発光デバイスにおける封止材の剥離の状況が減少され、最終的に製造されたLED発光デバイスの品質を向上させた効果は得られる。
【0048】
本実施例は、LED発光デバイスとも呼ばれ、
図13に示されるように、基板本体21と、LEDチップ28と、パッケージ層29と、を含む、発光ユニットを更に提供する。LEDチップ28が基板本体21の第1表面に設けられ、LEDチップ28の正極は第1導電層22に溶着され、LEDチップ28の負極は第2導電層23に溶着され、パッケージ層29は基板本体21の第1表面に設けられ、第1導電層22、第2導電層23及びLEDチップ28を覆うと共に、パッケージ層29は第1導電層22及び/又は第2導電層23のエッジの第1凹溝25に進入する。
【0049】
上記発光ユニットにおいて、パッケージ層29は封止材層であってもよいが、これらに限定されず、パッケージ層29は第1導電層22及び/又は第2導電層23のエッジの第1凹溝25に進入することで、基板における比較的に粗い第1導電層22及び/又は第2導電層23の側壁との接触面積を増大させ、基板との結合強度が効果的に向上される。
【0050】
本実施例の一例において、必要に応じて、発光ユニットはツェナーダイオードを更に含んでもよく、ツェナーダイオードは基板本体21の第1表面に設けられ、即ち、LEDチップ28の同一面に設けられ、ツェナーダイオードの正極は第2導電層23に溶着され、負極が第1導電層22に溶着されると共に、ツェナーダイオードもパッケージ層に覆われる。逆接続されるツェナーダイオードはLEDチップを保護することができる。ツェナーダイオードをLEDチップの同一面に設けることで、ツェナーダイオードも封止材層に覆われて保護される。その他の素子はLED発光デバイスに更に含まれてもよく、回路構造に許容される場合、同じくLEDチップの同一面に設けられてもよい。
【0051】
本実施例の一例において、第1導電層22と第2導電層23のエッジにおける複数の第1凹溝25はLEDチップ28に覆われる領域以外の位置にあり、発光ユニットがツェナーダイオードを更に含む場合、複数の第1凹溝25は更にツェナーダイオードに覆われる領域以外の位置にある。素子は基板に組み込まれた後、その一部の領域は第1導電層22又は第2導電層23と接触でき、面積がより大きい第1導電層22又は第2導電層23により熱の導出が実現でき、第1凹溝25が素子以外の位置に設けられることで、第1導電層22又は第2導電層23による素子熱の導出が確保される。
【0052】
図14は
図13に示される発光ユニットで使用される基板であり、第1導電層22と第2導電層23における第1凹溝25はそれぞれ第1導電層22及び第2導電層23のエッジに沿って設けられ、第1導電層22と第2導電層23の長さ方向で基板の中心から離れる片側に比較的に多くの第1凹溝25が設けられ、実際に、この部分の第1凹溝25が周期的に設けられてもよく、第1導電層22と第2導電層23の幾つかの隅にも第1凹溝25が形成され、且つ第1導電層又は第2導電層の長さ方向で基板の中心に近づく片側にも少量の第1凹溝25が設けられる。本例において、第1導電層22と第2導電層23における第1凹溝は何れもLEDチップ28とツェナーダイオードに覆われる位置に設けられておらず、第1導電層22と第2導電層23が上記素子に覆われる位置に比較的に多くの第1凹溝25ができる限り設けられることで、基板と封止材層(図示していない)との接着性を良好にさせることが分かる。実際の応用において、基板における第1凹溝25は最終の素子配置に応じて選定してもよく、素子に覆われる領域を避けながら、第1導電層22と第2導電層23の一定の表面積を確保すると共に、第1導電層22と第2導電層23のエッジにできる限り沿って第1凹溝25を形成し、基板と封止材層との結合強度を増強させ、且つ幾つかの実施過程において、これにより気密性も向上され、LED発光デバイスの最終品質の確保に繋がる。
【0053】
本実施例において、基板と本実施例のLED発光チップの製造過程について更に説明する。当該LED発光チップの製造過程は、下記のステップを含む。
【0054】
S101:適切な基板本体を選定して孔を開け、例えば、基板本体21の左下と右上領域にそれぞれ1つの孔を開け、例示的に、孔径が50μm~200μmである。当該ステップにおいて、開けた孔は即ちその後に導電貫通孔に形成される孔である。
【0055】
S102:基板本体の正面、反面及び孔にスパッタリングで金属層を形成し、例えば、基板本体21にスパッタリングで比較的に薄い金属層を形成し、厚さは15μm未満に選んでもよい。当該金属層は導電性金属であってもよく、例えば、銅などである。
【0056】
S103:基板本体の表面に回路を転写し、電気メッキにより金属層に厚い銅層を被覆する。
【0057】
S104:厚い銅層を必要とされる導電層形状に製造し、エッチング又は切断を実施して
図14に示される例の基板の外形を得る。
【0058】
S105:導電層の表面が滑らかになるように研磨する。
【0059】
S106:導電層の表面を電気メッキにより処理し、完成品の基板を得て、例えば、電気メッキの方法により、銅層の表面に金属メッキ層を形成する。
【0060】
S107:基板に素子を設け、封止材でパッケージングする。
【0061】
例示的に、素子が共晶はんだによる溶着など(を含むが、これらに限定されない)の方法により基板に設けられ、素子はツェナーダイオード、LEDチップなどを含み、基板にこれらの素子を固定してから、圧縮などの方法で封止材層を製造する。幾つかの具体的な例において、封止材層の厚さは200μm~400μmであってもよく、封止材層は、例えば、シリカゲルなどの絶縁のゴム材料であってもよい。幾つかの例において、封止材層が基板における素子の最高表面より高くなることで、各素子が覆われて保護されるように確保できることは理解すべきである。封止材層の圧縮完了後に、オーブンに入れてベーキングにより硬体化させ、例示的に、シリカゲルパッケージ層は温度120℃~170℃でベーキングにより硬体化される。基板にLEDチップを設ける領域が複数含まれる場合、硬体化されたLED発光デバイスを切断して単独のLED発光デバイスを得ることは理解すべきである。
【0062】
本実施例は、
図15に示されるように、回路板210と、発光ユニットと、を含み、当該発光ユニットが本実施例の上記各例に示されるLED発光デバイスであり、回路板210が配線層211を含み、第3導電層26と第4導電層27が配線層211に溶着される、発光アセンブリを更に提供する。当該発光アセンブリの回路板210に、相応する回路パターンと、LED発光デバイスを駆動して発光させる素子とが配置されてもよいことは理解すべきである。本実施例の発光装置におけるLED発光デバイスの封止材層と基板との結合力がより強く、基板から剥離しにくく、発光装置の品質が高い。
【実施例3】
【0063】
従来のLEDパッケージ構造において、パッケージと基板との結合性が悪く、気密性が悪く、光減衰などの問題が発生しやすい。当該問題に対して、本実施例は、新型LEDブラケットを提供し、LEDブラケットの基板とパッケージが接触される領域、即ち、基板がパッケージに覆われる領域に第2凹溝が追加され、パッケージにより第2凹溝に階段状構造が形成され、基板に覆われるパッケージの一部が第2凹溝内に充填され、第2凹溝によりパッケージと基板との接触面積を増大させ、基板とパッケージとの結合力及び気密性が増強される。また、当該ブラケットはLEDパッケージに応用されて発光ユニットが得られる場合、第2凹溝が設けられることで、従来の案と比べて、パッケージの内壁の傾斜度が大きくなり、必要とされる結合強度が依然として確保されるため、発光ユニットの光の射出角度が大きくなる。本実施例におけるLEDブラケットは、上記実施例(例えば実施例1)に示されるLEDブラケットを採用してもよく、その他の構造のLEDブラケットを採用してもよく、本実施例が限定しないことは理解すべきである。
【0064】
以下、容易に理解するために、図面に示される幾つかの例を参照しながら説明する。
【0065】
図16に示されるLEDブラケットにおいて、当該ブラケットは基板3と、基板3に設けられるパッケージ32とを含み、基板3のパッケージ32に接続される片側に第2凹溝31が開設され、パッケージ32は基板3の一部表面を覆うと共に第2凹溝31に充填される。本実施例の幾つかの例において、基板3は導電伝熱層として利用されてもよく、材料は銅合金、アルミニウム、金、銀、銅などであってもよいが、これらに限定されない。パッケージ32が基板の周辺を囲いながら充填物を充填することで形成される保護構造は、その材料は熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂などであってもよいが、これらに限定されない。
【0066】
本実施例の一例において、LEDブラケットに開設される第2凹溝31は深さが0.05mm~0.3mmであってもよいが、これらに限定されず、幅が0.05~0.5mmであってもよいが、これらに限定されず、具体的に、パッケージ32とする充填物材料の粒径を考慮した上で、通常、十分に充填できるように、幅と深さは最大粒径の2倍以上である必要がある。
【0067】
本実施例の幾つかの例において、基板3は絶縁領域34により隔離される2つの導電領域を有し、本例における当該絶縁領域34は帯状の孔溝構造であり、当該絶縁領域34内に絶縁材質の充填物が充填されることで、2つの導電領域同士の電気的な隔離が実現される。
【0068】
本実施例の一例において、
図16に示されるように、パッケージ32の内壁がホッパー状であると共に、開口寸法は基板3から離れる方向に向けて徐々に大きくなり、即ち、パッケージ32に囲われて形成されるボウル状カップの開口寸法はボウル状カップの底部から基板3から離れる方向に向けて徐々に大きくなる。パッケージ32の内壁が第2凹溝31の溝口のボウル状カップ中心に近づく片側(即ち、第2凹溝31の溝口の基板3エッジから離れる片側)に接続されると共に、パッケージ32の内壁の基板3断面に投影する形状は直線L1であり、即ち、パッケージ32の内壁形状は丸台又は角台構造の側面であり、そのうち、本例における基板3の断面は基板3の表面に垂直する。当該構造において、基板3とパッケージ32との結合部に第2凹溝31が設けられ、パッケージ32の内部がより斜めにでき、必要とされる結合強度が依然として確保されることができ、LEDパッケージ構造に応用される場合、射出する光とLED中心軸との角度がより大きいため、LEDパッケージの光の射出角度θ1が大きくなる。
【0069】
幾つかの実施形態において、
図17に示されるように、パッケージ32の内壁がホッパー状であると共に、開口寸法は基板3から離れる方向に向けて徐々に大きくなり、パッケージ32の内壁が第2凹溝31の溝口のボウル状カップ中心に近づく片側に接続されると共に、パッケージ32の内壁の基板3の断面における形状は曲線L2であり、曲線の具体的な形状は円弧、楕円弧、放物線を含むが、これらに限定されない。同様に、当該構造において、基板3とパッケージ32の内壁との結合部に第2凹溝31が設けられ、パッケージ32の内部がより斜めにでき、必要とされる結合強度が依然として確保されることができ、LEDパッケージ構造に応用される場合、射出する光とLED中心軸との角度がより大きいため、LEDパッケージの光の射出角度が大きくなる。
【0070】
幾つかの実施形態において、
図18に示されるように、パッケージ32の内壁がホッパー状であると共に、開口寸法は基板3から離れる方向に向けて徐々に大きくなり、パッケージ32は第2凹溝31の両側の基板3の表面を覆う。パッケージ32の内壁の基板3の断面における形状は基板3の表面に垂直に接続される第1段35と、基板3の表面に対して傾斜して設けられる第2段36と、を含む。パッケージ32が第2凹溝31の両側の基板3の表面を覆うことで、パッケージ32は第2凹溝31の両側に階段構造が形成され、基板3とパッケージ32との結合強度が更に増強され、気密性も更に向上される。パッケージ32の内壁の第1段35はパッケージ32の厚さを確保するために使用され、第2段36は徐々に拡大する開放式開口を形成し、光の射出角度を増大するために使用される。
【0071】
幾つかの実施形態において、
図16~
図18に示されるように、基板3の第2凹溝31が設けられる片側にチップ(LEDチップを含むが、これらに限定されない)を固定するための第3凹溝33が更に開設され、第3凹溝33は基板3の任意の導電領域内に開設されてもよい。一例において、第3凹溝33は基板3の表面において皿穴の形態で存在し、その深さが0.05mm~0.3mmであってもよいが、これらに限定されず、幅が固定されるチップの辺より大きくてもよく、これにより、チップを第3凹溝33の内部に入るようにする。第3凹溝33はパッケージ32のカップ深さを増加する働きも果たしており、当業者に知られているように、LEDパッケージにおいて、パッケージングされた製品の気密性を確保するために、チップの上にあるパッケージ層が一定の厚さを有することで、チップの信頼性に支障が出るほどの外部環境の影響を受けにくい。本実施例において、第3凹溝33の働きは、LEDパッケージの高さが足りない場合でも、第3凹溝33の深さによりパッケージの厚さを確保し、パッケージ層の高さを確保した前提で、LEDパッケージの大きさをできる限り小さくすることである。当該構造は、チップと基板3との間にあるボンディングワイヤ310が封止材の表面に露出しないようにすることで、光の減衰とデッドライトの可能性を低減させることができる。
【0072】
なお、本実施例により提供されるLEDパッケージ用ブラケットのその他の構成及び操作は当業者によく知られており、何れも従来技術における関連装置の構造を参照できるため、ここで詳しく記述しない。
【0073】
本実施例は本実施例により提供されるLEDブラケットを含む発光ユニットを更に提供し、
図19~
図21に示されるように、本実施例における発光ユニットはLEDチップ38を含み、LEDチップ38がチップ固定用ゲル37によりパッケージ32の内側の基板3の表面(即ち、ボウル状カップ内)に固定され、LEDチップ38がボンディングワイヤ310(これらに限定されない)により基板3に電気的に接続され、パッケージ層39はパッケージ32により形成されるボウル状カップ内に設けられ、LEDチップ38を密封する。基板3に第3凹溝33が開設される場合、第3凹溝33はLEDパッケージのチップ固定領域であり、第3凹溝33はボウル状カップ形状のパッケージ32の内部にあり、LEDチップ38はチップ固定用ゲル37により第3凹溝33の内部に固定され、LEDチップ38がボンディングワイヤ310により基板3に電気的に接続される。
【0074】
容易に理解するために、以下、本実施例はLEDブラケットの一製造過程を例として説明する。当該LEDブラケットの製造過程は、下記のステップを含むが、これらに限定されない。
【0075】
基板3の製造:基板3の中央部に第3凹溝33を開設し、第3凹溝33の周辺に第2凹溝31を開設し、そのうち、第2凹溝31は深さが0.05mm~0.3mmであり、幅が0.05~0.5mmであり、第3凹溝33は深さが0.05~0.3mmであり、幅がLEDチップ38の辺より大きい。
【0076】
ブラケットの形成:充填物で形成されるパッケージ32が第2凹溝31及び金型により第2凹溝31内まで延び、基板3とパッケージ32によりブラケット構造が形成される。
【0077】
チップ固定用設備と治具により第3凹溝33内のチップ固定領域にチップ固定用ゲル37を置いてから、チップ固定用設備と治具によりチップ固定用ゲル37にLEDチップ38を置き、硬化処理によりLEDチップ38を第3凹溝33内に固定する。
【0078】
ボンディングワイヤ設備と治具によりチップ固定とベーキング後の材料に対してボンディングワイヤを実施し、LEDチップ38がボンディングワイヤ310により基板3に電気的に接続される。使用されるボンディングワイヤ310は金線、銀線又は合金線を含むが、これらに限定されない。
【0079】
ゲル設備によりボンディングワイヤが実施された材料に蛍光ゲル又は封止材を付け、蛍光ゲル又は封止材が付けられた材料をベーキングにより硬化させ、パッケージ層39を形成する。最終的に得られた発光ユニット製品は、気密性が良好であり、製品の信頼性が高く、光の射出角度が大きく、輝度が高いため、室内と室外で高い信頼性が要求される製品に応用できる。本例におけるLEDチップは正装LEDチップであり、必要に応じてフリップLEDチップ又は縦型LEDチップに取り替えてもよいことは理解すべきである。
【0080】
本実施例により開示された発光ユニットは、上記実施例により提供されるブラケットを含むため、当該ブラケットを有する発光ユニットが上記の全ての技術効果を有し、ここで詳しく説明しない。発光ユニットのその他の構成及び操作は当業者によく知られており、ここで詳しく記述しない。本明細書の一部の実施例は漸進又は並列の方法で記述されており、各実施例により重点として説明されたのはその他の実施例との相違点であり、各実施例の相同又は類似の部分は互いに参照すればよいため、ここで詳しく説明しない。
【実施例4】
【0081】
従来のLEDブラケットにおいて、通常、基板本体の表面に銅メッキ層と銀メッキ層と順に設けられることで、LEDブラケットの全体性能を向上させる。しかし、LEDチップがはんだ付けの方法により基板表面に接続された場合、銅メッキ層における大量の銅イオンが銀メッキ層に遷移し、銀メッキ層の表面における錫と結合して銅錫化合物が形成されることで、ホールが形成され、良品率が比較的に低い。
【0082】
上記問題について、本実施例は、基板を含む新型LEDブラケットであって、基板が基板本体(即ち、基板本体)を含み、基板本体の第1表面に絶縁領域により絶縁隔離される2つの導電領域が設けられ、そのうち、少なくとも1つの導電領域が基板本体の第1表面に順に積層される第1銅メッキ層とニッケルメッキ層と第2銅メッキ層と銀メッキ層とを含むと共に、第1銅メッキ層の厚さが第2銅メッキ層の厚さより厚く設けられ、ニッケルメッキ層は第1銅メッキ層における銅イオンの第2銅メッキ層への遷移を阻害するために使用される、新型LEDブラケットを提供する。基板本体の表面に第1銅メッキ層とニッケルメッキ層と第2銅メッキ層と銀メッキ層とが順に積層されることで、LEDブラケットの全体性能を効果的に向上させ、そのうち、第2銅メッキ層の厚さが比較的に薄く、第2銅メッキ層における少量の銅イオンだけが銀メッキ層に遷移することで、銅イオンと銀メッキ層の表面における錫はんだにより大量の銅錫化合物が形成されてホールが形成されることは効果的に避けられ、また、ニッケルメッキ層が存在することにより、第1銅メッキ層における銅イオンの第2銅メッキ層への遷移が阻害されるため、第2銅メッキ層における遷移銅イオンの含有量の増加が効果的に抑制され、銅錫化合物が大量に形成されず、良品率が向上される。本実施例におけるLEDブラケットのその他の構造は、上記各実施例に示されるLEDブラケットの構造を採用してもよく、本実施例のLEDブラケットに適用されるその他の構造を採用してもよく、本実施例が限定しないことは理解すべきである。以下、容易に理解するために、本実施例は図面に示される例を参照しながら説明する。
【0083】
図22に示されるLEDブラケットの基板は、基板本体40と、基板本体40の表面に順に積層される第1銅メッキ層41とニッケルメッキ層42と第2銅メッキ層43と銀メッキ層44と、を含み、そのうち、基板本体40は、担持の働きを果たすために、一定の構造強度を有する。なお、基板本体40が熱伝導率の高い材料により製造されることで、LEDチップが動作して発熱する場合、発生された熱がLEDブラケットにより伝導され、効果的な放熱が実現される。具体的な一実施例において、基板本体40の製造材料は、例えば、金属材料のような導電性材料であってもよい。基板本体40の材料は導電性材料を含むが、これらに限定されず、その他の任意の一定の構造強度を有する高熱伝導率材料により製造されてもよく、ここで基板本体40の材料を詳しく限定しないことは理解すべきである。
【0084】
本実施例の一例において、基板本体40は背向する第1表面401と第2表面402とを含み、第1表面401と第2表面402に何れも第1銅メッキ層41とニッケルメッキ層42と第2銅メッキ層43と銀メッキ層44とが積層される。そのうち、第1表面401における金属メッキ層はLEDチップに接続され、第2表面402における金属メッキ層は回路板に接続される。電気メッキの方法により(これらに限定されない)基板本体40の表面に上記金属メッキ層が形成されることは理解すべきであり、電気メッキ過程において、基板本体40の1つの表面だけに金属メッキ層が形成されるのは比較的に困難であり、操作もより複雑であるため、第1表面401と第2表面402の両方に上記金属メッキ層が形成されてプロセスの難易度を低下させ、加工効率を向上させる。なお、基板本体40の表面に第1銅メッキ層41とニッケルメッキ層42と第2銅メッキ層43と銀メッキ層44とが形成される方法は電気メッキを含むが、これらに限定されず、金属蒸着、化学メッキ又はその他の任意の相応する機能の要求に応じる方法で加工してもよく、ここで上記金属メッキ層の形成方法を詳しく限定しない。
【0085】
第1銅メッキ層41は基板本体40の表面に設けられる。通常の製造プロセスにおいて、基板本体40の表面の平坦度が悪いという問題があり、基板本体40をそのまま回路板に取り付ける場合、基板本体40と回路板との間に隙間又はホールがあるため、良品率が低くなることは理解すべきである。同様に、LEDチップをそのままデコボコな基板本体40の表面に取り付ける場合、LEDチップの動作効果に一定の影響を与える。基板本体40の第1表面401と第2表面402に第1銅メッキ層41が設けられることで、LEDブラケットの表面の平坦度が改善され、LEDブラケットと回路板との間における隙間又はホールが効果的に避けられ、なお、LEDチップを比較的に平坦な第1銅メッキ層41に取り付けることで、その動作効果が同様に効果的に向上される。
【0086】
本実施例の一例において、第1銅メッキ層41の厚さ範囲は0.5μm~5μmである。第1銅メッキ層41の厚さが0.5μm未満である場合、第1銅メッキ層41の厚さは薄すぎるため、基板本体40の表面の凹みを補正することが難しく、平坦化の効果が得られず、対応するLEDブラケットと回路板との間に隙間又はホールが依然として存在し、且つLEDチップを相対応するLEDブラケットに取り付ける際に、その動作効果が依然として一定の影響を受けるが、第1銅メッキ層41の厚さが5μmを上回る場合、第1銅メッキ層41の厚さが厚いため、製造コストがある程度で増加される。これにより、第1銅メッキ層41の厚さが0.5μm以上且つ5μm以下である場合、LEDブラケットの表面の平坦度が確保されると共に、製造コストが効果的に減少される。
【0087】
ニッケルメッキ層42は第1銅メッキ層41と第2銅メッキ層43との間に設けられる。通常のプロセスにおいて、LEDブラケットと回路板との間及びLEDチップとLEDブラケットとの間ははんだ付けの方法で固定して接続され、銀メッキ層44の表面にはんだ層があり、一定の時間で動作した後、第1銅メッキ層41における銅イオンは第2銅メッキ層43容易に遷移するため、第2銅メッキ層43における銅イオンが多くなり、大量の銅イオンが第2銅メッキ層43から上記銀メッキ層44に遷移し、当該銀メッキ層44の表面における錫と結合して銅錫化合物が形成され、大量の銅錫化合物によりLEDブラケットと回路板との間及びLEDブラケットとLEDチップとの間にホールが形成されやすいため、良品率が低下される。ニッケルメッキ層42の存在により第1銅メッキ層41における銅イオンの第2銅メッキ層43への遷移が効果的に阻害され、更に大量の銅イオンが銀メッキ層44に遷移して銀メッキ層の表面におけるはんだと多くの銅錫化合物を形成することは効果的に避けられる。
【0088】
LEDチップに接続される銀メッキ層44は、輝度を向上させるために、LEDチップから発射される光を反射することは更に理解すべきである。ニッケルメッキ層42の存在により、大量の銅イオンが上記銀メッキ層44に遷移して銀メッキ層44の反射率を低下させることは効果的に避けられ、更に当該銀メッキ層44の相応する反射機能が確保される。
【0089】
本実施例の一例において、ニッケルメッキ層42の厚さ範囲は0.125μm~2.5μmである。ニッケルメッキ層42の厚さが0.125μm未満である場合、ニッケルメッキ層42の厚さが薄すぎるため、ニッケルメッキ層42により銅イオンの遷移が効果的に阻害されることは困難であり、大量の銅錫化合物の形成が抑制されず、銀メッキ層44の反射率が相応する要求に応じることは確保できないが、ニッケルメッキ層42の厚さが2.5μmを上回る場合、ニッケルメッキ層42の厚さが厚いため、製造コストがある程度で増加されることは理解すべきである。これにより、ニッケルメッキ層42の厚さが0.125μm以上且つ2.5μm以下である場合、銅イオンの遷移が阻害されると共に、製造コストが効果的に減少される。
【0090】
第2銅メッキ層43がニッケルメッキ層42と銀メッキ層44との間に設けられると共に、第2銅メッキ層43の厚さが第1銅メッキ層41の厚さより小さくなる。銀メッキ層44が直接的にニッケルメッキ層42の表面に設けられる場合、銀メッキ層44とニッケルメッキ層42との結合度が悪く、銀メッキ層44がニッケルメッキ層42の表面から容易に剥離されるため、LEDブラケットの安定性が悪いが、ニッケルメッキ層42と銀メッキ層44との間に第2銅メッキ層43を設けることで、第2銅メッキ層43と銀メッキ層44との結合度が比較的に良いため、LEDブラケットの構造の安定性が効果的に向上されることは理解すべきである。第2銅メッキ層43の厚さは第1銅メッキ層41の厚さより小さく、即ち、第2銅メッキ層43の厚さが比較的に薄くべきであり、これにより、第2銅メッキ層43における銅イオンの含有量が少なく、大量の銅イオンの第2銅メッキ層43から銀メッキ層44への遷移が効果的に抑制され、銅錫化合物により形成されるホールの数がある程度で減少され、良品率が効果的に向上されると共に、銀メッキ層44の反射率が相応する要求に応じることは確保されることも理解すべきである。
【0091】
本実施例の一例において、第2銅メッキ層43の厚さ範囲は0.0625μm~1μmである。第2銅メッキ層43の厚さが0.0625μm未満である場合、第2銅メッキ層43の厚さが薄すぎるため、第2銅メッキ層43は結合の働きを果たせず、銀メッキ層44が依然として剥離しやすく、LEDブラケットの構造の安定性が効果的に確保できず、第2銅メッキ層43の厚さが1μmを上回る場合、第2銅メッキ層43の厚さが厚すぎるため、第2銅メッキ層43における銅イオンの含有量が比較的に多く、銅イオンが第2銅メッキ層43から回路板に接続される銀メッキ層44に大量に遷移しやすく、更に当該銀メッキ層44の表面における錫と大量の銅錫化合物が形成されてホールが形成され、良品率が低下されることは理解すべきである。同時に、大量の銅イオンがLEDチップに接続される銀メッキ層44に容易に遷移するため、当該銀メッキ層44の反射率が低下され、相応する機能の要求に応じることはできない。これにより、第2銅メッキ層43の厚さが0.0625μm以上且つ1μm以下である場合、銀メッキ層44と効果的に結合できると共に、大量の銅イオンの銀メッキ層44への遷移が避けられる。
【0092】
銀メッキ層44が第2銅メッキ層43のニッケルメッキ層42から離れる片側に設けられる。基板本体40の第1表面401に近づく片側において、LEDチップが銀メッキ層44の表面に設けられ、銀メッキ層44の反射率が比較的に高いため、LEDチップから発射される光が銀メッキ層44により反射され、その輝度効果が効果的に向上されるが、基板本体40の第2表面402に近づく片側において、回路板が銀メッキ層44の表面に接続さ、通常、回路板とLEDブラケットとがはんだ付けの方法で固定して接続され、銀メッキ層44とはんだ層との結合度がニッケルメッキ層42とはんだ層との結合度より優れるため、銀メッキ層44の存在により回路板とLEDブラケットとが効果的に固定されて剥離しにくく、構造の安定性が向上されることは理解すべきである。なお、LEDブラケットと回路板との接続方式がはんだ付けによる接続を含むが、これらに限定されず、その他の任意の相応する機能の要求に応じる接続方法で接続されてもよく、ここでLEDブラケットと回路板との接続方式を詳しく限定しない。
【0093】
本実施例の一例において、銀メッキ層44の厚さ範囲は0.25μm~5μmである。銀メッキ層44の厚さが0.25μm未満である場合、銀メッキ層44の厚さが薄すぎるため、基板本体40の第1表面401に近づく銀メッキ層44は光を反射する働きを果たせにくく、基板本体40の第2表面402に近づく銀メッキ層44ははんだ層と結合する働きを果たせにくいが、銀メッキ層44の厚さが5μmを上回る場合、銀メッキ層44の厚さが厚すぎるため、銀の価格が高く、製造コストがかなり増加されることは理解すべきである。これにより、銀メッキ層44の厚さが0.25μm以上且つ5μm以下である場合、光の反射及びはんだ層との結合の要求に同時に応じることができ、製造コストが効果的に減少される。
【0094】
本実施例により提供されるLEDブラケットは、基板本体40の表面に第1銅メッキ層41とニッケルメッキ層42と第2銅メッキ層43と銀メッキ層44とが順に積層されることで、LEDブラケットの全体性能を効果的に向上させ、そのうち、第2銅メッキ層43の厚さが比較的に薄く、第2銅メッキ層43における少量の銅イオンだけが銀メッキ層44に遷移することで、銅イオンと銀メッキ層44の表面における錫はんだにより大量の銅錫化合物が形成されてホールが形成されることは効果的に避けられ、また、ニッケルメッキ層42が存在することにより第1銅メッキ層41における銅イオンの第2銅メッキ層43への遷移が阻害されるため、第2銅メッキ層43における遷移銅イオンの含有量の増加が効果的に抑制され、銅錫化合物が大量に形成されず、良品率が向上される。
【0095】
図23及び
図24を併せて参照すると、
図23は本実施例の別の一例におけるLEDブラケットの構成図であり、
図24は本実施例の別の一例におけるLEDブラケットの構成図である。本実施例の一例において、LEDブラケットはパラジウムメッキ層45を更に含み、パラジウムメッキ層45は銀メッキ層44の第2銅メッキ層43から離れる片側に設けられ、パラジウムメッキ層45は銀メッキ層44を保護するために使用される。パラジウムメッキ層45の構造が比較的に安定であり、パラジウムメッキ層45は銀メッキ層44の表面に覆われることで、銀メッキ層44の抗酸化能力、抗硫化能力及び耐腐食能力を向上させ、LEDブラケットの性能がある程度で向上されることは理解すべきである。本例においてパラジウムメッキ層45の厚さ範囲は0.0025μm~0.25μmである。パラジウムメッキ層45の厚さが0.0025μm未満である場合、パラジウムメッキ層45の厚さが薄すぎるため、パラジウムメッキ層45の銀メッキ層44に対する保護効果が十分に果たせず、銀メッキ層44が容易に酸化、硫化、更に腐食されるが、パラジウムメッキ層45の厚さが0.25μmを上回る場合、パラジウムメッキ層45の厚さが厚すぎるため、パラジウムの価格が高く、製造コストがかなり増加されることは理解すべきである。これにより、パラジウムメッキ層45の厚さが0.0025μm以上且つ0.25μm以下である場合、銀メッキ層44が効果的に保護されると共に、製造コストが減少される。
【0096】
本実施例の一例において、基板本体40の表面に金属メッキ層が形成されてから、酸化防止剤に浸漬させた後に、洗浄して乾燥させ、LEDブラケットの抗酸化能力を更に向上させることができる。
【0097】
図24に示されるように、本実施例の別の一例において、製造コストを更に低下させるために、LEDチップに接続される銀メッキ層44の表面だけにパラジウムメッキ層45が設けられてもよい。通常、回路板に接続される銀メッキ層44ははんだ層に覆われ、はんだ層は当該銀メッキ層44に対して一定の保護効果を果たすことができる。LEDチップに接続される銀メッキ層44の大部分は空気に曝露されるため、LEDチップに接続される銀メッキ層44の表面だけにパラジウムメッキ層45が設けられて、当該銀メッキ層44が保護される。
【0098】
図25に示される発光ユニット(即ち、LEDモジュール)の構成図を参照する。当該発光ユニットはLEDチップ404と、パッケージ層405と、本実施例により提供されるLEDブラケットと、を含み、パッケージ層405とLEDチップ404は何れも基板403の表面に設けられると共に、LEDチップ404はボウル状カップの底部にある。LEDブラケットとパッケージ層405との間にはんだ層を更に設けることができ、即ち、LEDブラケットとパッケージ層405とははんだ付けの方法で固定されてもよく、無論、導電性ゲルで固定されてもよいことは理解すべきである。本実施例により提供される発光ユニットは、本願の任意の実施例により提供されるLEDブラケットが取り付けられることで、発光ユニットの良好な全体性能が確保されると共に、発光ユニットの良品率が効果的に向上される。本実施例は当該LEDパッケージデバイスがパッケージと、上記発光ユニットと、を含むLEDパッケージデバイスを更に提供し、パッケージは発光ユニットを収容してパッケージによる保護が実現される。本実施例により提供されるLEDパッケージデバイスは、本実施例により提供される発光ユニットが取り付けられることで、LEDパッケージデバイスの良好な全体性能が確保されると共に、ディスプレイ装置の良品率が効果的に向上される。
【0099】
本実施例は、本実施例により提供される発光ユニット又はLEDパッケージデバイスを含む、発光アセンブリを更に提供する。本実施例により提供される発光アセンブリは、本実施例により提供される発光ユニット又はLEDパッケージデバイスが取り付けられることで、発光アセンブリの良好な全体性能が確保されると共に、ディスプレイ装置の良品率が効果的に向上される。
【実施例5】
【0100】
デバイス技術応用の発展につれて、インストルメントパネル、スイッチ、シンボル、電話、及びファックスなどの工業設備表示灯、バックライト、小型設備、スマートウェアラブル設備バックライト表示灯、及び寸法制限のあるニキシー管バックライト表示灯はLEDパッケージに対して超薄、小型がますます強く要求されている。ニキシー管、スマートウェアラブル設備などの製品は軽量化、薄型化の傾向がある。
従来のLEDチップパッケージでは、通常、絶縁接着剤で正装チップを基板に固定してから、ボンディングワイヤ材でチップの正負極と基板の正負極と接続し、最後に、蛍光ゲルを圧縮により基板に注入する。この構造では、製品の厚さを薄くできず、超薄型LED製品の応用要求を満足できない。
【0101】
上記の問題について、本実施例は、基板本体のボウル状カップ内にある領域に、第1表面から第2表面へ凹むと共に第2表面を貫通していない第4凹溝が開設され、そのうち、第2表面がボウル状カップから離れており、基板は、第4凹溝内に設けられると共に絶縁領域により絶縁隔離される第1ボンディングパットと第2ボンディングパットを含み、第1ボンディングパットと第2ボンディングパットは第4凹溝の底壁から基板本体の第2表面まで延び、第1ボンディングパットと第2ボンディングパットの第4凹溝内にある部分がそれぞれ2つの導電領域を構成する。基板に凹溝を開設し、チップの少なくとも一部を凹溝内に収容してパッケージングする構造により、チップが第1表面に露出する高さを減少させ、全体的にLED製品の厚さを薄くし、超薄型LED製品の応用要求を満足する。以下、容易に理解するために、本実施例は図面に示される例を参照しながら説明する。
【0102】
図26~
図28に示されるように、本実施例はLEDブラケットを提供し、当該LEDブラケットは、上記各実施例に示されるLEDブラケットを採用してもよく、その他の構造のLEDブラケットを採用してもよく、本実施例はLEDブラケットを限定しない。本実施例により提供されるLEDブラケットは、基板と、第1ボンディングパット51と、第2ボンディングパット52と、LEDチップ53と、を含む。基板1は基板本体5を含み、基板本体5は背向する第1表面501と第2表面502とを含み、基板本体5の第1表面501に第4凹溝54が開設され、第4凹溝54は第2表面502を貫通していない。第1ボンディングパット51と第2ボンディングパット52は絶縁領域により隔離され、間隔をあけて基板本体5に設けられ、また、第1ボンディングパット51と第2ボンディングパット52は第4凹溝54の底壁から第2表面502まで延びる。LEDチップ53の少なくとも一部は第4凹溝54内に収容され、LEDチップ53の第1電極は第1ボンディングパット51に接続され、LEDチップ53の第2電極は第2ボンディングパット52に接続される。
【0103】
本実施例において、基板本体5はPCB板であってもよいが、これらに限定されず、PCB板に第4凹溝54が設けられ、第4凹溝54は第1表面501から第2表面502へ凹むと共に第2表面502を貫通しておらず、第4凹溝54はLEDチップ53を収容し、且つ第4凹溝54の底壁にLEDチップ53に対応する配線が印刷されている。LEDチップ53は実際の必要に応じて1つ以上に設置でき、その取付け位置が実際の必要に応じて決定され、本実施例はこれについて限定しない。基板本体5の厚さはLEDチップ53より小さく、又はLEDチップ53の発光面が基板本体5の第1表面501より高い場合、第4凹溝54の深さはLEDチップ53の厚さより小さく、LEDチップ53の一部が第4凹溝54内に収容され、
図27及び
図28に示されるように、基板本体5の厚さはLEDチップ53の厚さより大きく、且つLEDチップ53が第1表面501から突出しない場合、第4凹溝54の深さはLEDチップ53の厚さ以上であり、LEDチップ53は第4凹溝54の内部に完全に収容され、このような構造により、LEDチップ53がより良好に保護され、第4凹溝54の外側に露出されて衝突などによって損傷されることは防止される。任意選択的に、LEDチップ53はLEDモジュールの構造がよりコンパクトであるように、フリップLEDチップを採用する。その他の実施例において、正装LEDチップ、縦型LEDチップなどの構造を選定してもよい。
【0104】
第1ボンディングパット51と第2ボンディングパット52は導電機能を有する金属材質であり、又は外面に導電性金属層が設けられると共に、第1ボンディングパット51と第2ボンディングパット52との間に間隔が設けられる。任意選択的に、第1ボンディングパット51は第1端511と第2端512を含むと共に、第1ボンディングパット51は第1端511から第2端512へ延びる。そのうち、第1端511は第4凹溝54内に収容され、第2端512は基板本体5の第2表面502に接続される。類似的に、第2ボンディングパット52は第3端521と第4端522とを含むと共に、第2ボンディングパット52は第3端521から第4端522へ延び、第3端521は第4凹溝54内に収容され、第4端522は第2表面502に接続される。LEDチップ53の正極は第1ボンディングパット51の第1端511に接続され、LEDチップ53の負極は第2ボンディングパット52の第3端521に接続される。第1ボンディングパット51と第2ボンディングパット52の位置は互いに交換でき、即ち、任意の一方のボンディングパットが第1ボンディングパット51である場合、他方のボンディングパットが第2ボンディングパット52であることは理解すべきである。
【0105】
基板本体5に第4凹溝54を開設し、LEDチップ53の少なくとも一部を第4凹溝54内に収容してパッケージングする構造により、LEDチップ53が第1表面501に露出する高さを減少させ、全体的にLED製品の厚さを薄くし、超薄型LED製品の応用要求を満足する。
【0106】
一実施例において、
図29~
図31に示されるように、第4凹溝54の形状はLEDチップ53の形状に対応する。任意選択的に、
図29に示されるように、LEDチップ53が1つであると共に矩形である場合、矩形の第4凹溝54が開設されてもよく、
図30に示されるように、LEDチップ53が1つであると共に円形である場合、円形の第4凹溝54が開設されてもよく、
図31に示されるように、LEDチップ53が複数であると共に不規則な配列である場合、第4凹溝54の形状が対応する不規則な形状である。第4凹溝54がLEDチップ53を収容できるように、第4凹溝54の底壁面積はLEDチップ53の第1表面501における正投影の面積より常に大きいことは理解すべきである。第4凹溝54の形状をLEDチップ53に対応して設けることで、第4凹溝54の形状と大きさを自由に調製できるため、第4凹溝54の加工に有利であり、基板本体5の面積及びLEDチップ53の形状と配置に応じて第4凹溝54の形状と大きさをリアルタイムで調製することにも有利であり、様々な要求に適する。
【0107】
一実施例において、
図26、
図29及び
図31に示されるように、第4凹溝54が1つ以上であり、各第4凹溝54内にあるLEDチップ53が1つ以上である。任意選択的に、
図29に示されるように、基板本体5に1つの第4凹溝54が開設されると共に、第4凹溝54内にあるLEDチップ53が1つであり、
図31に示されるように、基板本体5に1つの第4凹溝54が開設されると共に、第4凹溝54の内部に複数のLEDチップ53が設けられる。第4凹溝54の数を自由に調整することで、必要に応じて複数のLEDチップ53を1つの凹溝内に設け、第4凹溝54の複数回加工を避けてもよく、第4凹溝54の数を追加して基板本体5の切断面積を減少することで、構造の強度を向上させてもよい。
【0108】
一実施例において、
図26に示されるように、基板本体5は背向する第1側面55と第2側面56とを含み、第1ボンディングパット51の第1端511は第4凹溝54の底壁から第1表面501と第1側面55を介して第2表面502まで延び、第2端512を形成し、第2ボンディングパット52の第3端521は第4凹溝54の底壁から第1表面501と第2側面56を介して第2表面502まで延びて、第4端522を形成し、第1ボンディングパット51の第1端511と第2ボンディングパット52の第3端521は第4凹溝54内で第4凹溝54の底壁の垂直二等分線Bに対して対称的に設けられると共に、第1端511と第3端521が間隔をあけて設けられる。任意選択的に、第1端511と第3端521との間に絶縁物質が設けられると共に、絶縁物質が第1端511と第3端521にそれぞれ接触され、第1ボンディングパット51と第2ボンディングパット52が絶縁物質により電気的に隔離されると同時に、絶縁物質が第1ボンディングパット51と第2ボンディングパット52にそれぞれ接触されることで、より均一に伝熱される。
【0109】
一実施例において、
図26及び
図27に示されるように、LEDチップパッケージ構造は補強材57を更に含む。例えば、
図27に示されるように、第4凹溝54の底壁において、第1ボンディングパット51と第2ボンディングパット52の間に第1隙間L1を有し、第1隙間L1は第1ボンディングパット51と第2ボンディングパット52を隔離し、正負極のボンディングパットを形成するために使用され、第1隙間L1の大きさはLEDチップ53の正負極の間隔の距離に応じて設定され、LEDチップ53の正負極の間隔の距離が大きい場合、第1隙間L1が大きく、LEDチップ53の正負極の間隔の距離が小さい場合、第1隙間L1が小さい。補強材57は第2表面502に設けられ、補強材57の第2表面502における正投影は第1隙間L1の第2表面502における正投影を完全に覆う。補強材57を設けることで、基板本体5の第1ボンディングパット51と第2ボンディングパット52との間における厚さの薄すぎによる撓みやすい欠点は補われ、LEDパッケージ構造の第1隙間L1における厚さが増加され、構造の強度が向上される。
【0110】
一実施例において、
図26及び
図27に示されるように、第2表面502において、第1ボンディングパット51と第2ボンディングパット52との間に第2隙間L2を有する。任意選択的に、第1ボンディングパット51の第2端512と第2ボンディングパット52の第4端522との間に第2隙間L2が設けられ、第1ボンディングパット51と第2ボンディングパット52を隔離し、第1ボンディングパット51と第2ボンディングパット52が電気的に隔離されることで、第1ボンディングパット51と第2ボンディングパット52にそれぞれ正負極のボンディングパットを形成させる。任意選択的に、第2隙間L2の間に絶縁物質が設けられることで、絶縁物質により第1ボンディングパット51と第2ボンディングパット52が電気的に隔離されると同時に、絶縁物質により第1ボンディングパット51と第2ボンディングパット52が一体に接続されることで、均一に伝熱される。
【0111】
一実施例において、
図26~
図28に示されるように、補強材57と第1ボンディングパット51又は第2ボンディングパット52が一体構造となっている。任意選択的に、
図27に示されるように、補強材57と第1ボンディングパット51が一体構造となり、補強材57は第1ボンディングパット51の第2端512で第1側面55のある片側から第2側面56のある片側へ延びると共に、補強材57の第2表面502における正投影は第1隙間L1の第2表面502における正投影を完全に覆い、
図28に示されるように、補強材57と第2ボンディングパット52が一体構造となり、補強材57は第2ボンディングパット52の第4端522で第2側面56のある片側から第1側面55のある片側へ延びると共に、補強材57の第2表面502における正投影の面積は第1隙間L1の第1表面501における正投影の面積より大きい。補強材57と第1ボンディングパット51又は第2ボンディングパット52が一体構造とすることで、LEDパッケージ構造の強度を向上させると同時に、第1ボンディングパット51又は第2ボンディングパット52と基板本体5との接触面積がより大きくさせるため、放熱しやすく、取り付けしやすいようにする。
【0112】
一実施例において、
図32に示されるように、補強材57は第2隙間L2に設けられると共に、補強材57の幅が第2隙間L2より小さく、第1ボンディングパット51及び第2ボンディングパット52と何れも間隔をあけて設けられる。補強材57は第2表面502に密着され、その第2表面502における正投影の面積は第1隙間L1の第1表面501における正投影の面積より大きい。補強材57は金属又は一定の構造強度を有する非金属材料により製造され、金属材料は例えば銅であり、非金属材料は例えばセラミックスなどである。任意選択的に、補強材57は第2表面502に取り外し可能に接続される。補強材57を第2隙間L2に設けることで、基板本体5の第1隙間L1における厚さの薄いことによる折れやすい問題は避けられ、また、補強材57は第1ボンディングパット51及び第2ボンディングパット52と互いに独立であるため、必要に応じて自由に取り付けられる。
【0113】
一実施例において、
図26に示されるように、補強材57の基板本体5に背向する表面にソルダーレジスト層58が設けられる。補強材58と第1ボンディングパット51又は第2ボンディングパット52は一体構造となり、補強材57の基板本体5に背向する表面は導電性を有する金属材質であり、ソルダーレジスト層58は耐酸性、耐溶解性、及び絶縁性能を有する材料から構成され、例えば、インク層である。そのため、補強材57の基板本体5に背向する表面に保護層を形成するためのソルダーレジスト層58を塗布し、外部の水分などの要因による補強材57の腐食の防止に繋がると共に、その高絶縁性によりチップマウント時に素子が想定位置に傾斜することによる短絡問題は防止される。
【0114】
本実施例は、上記任意の実施例に記載のLEDブラケットにより製造される発光ユニットを含む、発光アセンブリを提供する。当該発光アセンブリは汎用照明装置であってもよく、例えば、LED発光ダイオード、高出力セラミックスLED光源などであり、道路照明、建物照明、景観照明、室内照明などのハイエンドマーケットに利用される。LEDバックライト液晶テレビ、スマートウェアラブル設備などのディスプレイ装置のバックライト光源であってもよい。本実施例により提供されるLEDチップパッケージ構造により、光源の厚さが小さくなり、ディスプレイ装置の薄型化に繋がり、超薄型ディスプレイ装置の応用要求を満足する。
【0115】
本実施例は、上記実施例に記載のLEDチップのパッケージ構造の製造と当該LEDチップのパッケージ構造によるパッケージングとを含む、LEDチップパッケージング方法を更に提供する。当該方法は、下記を含むが、これらに限定されない。
【0116】
基板本体5に第4凹溝54が開設される。任意選択的に、基板本体5は背向する第1表面501と第2表面502とを含む。任意選択的に、レーザーカットの方法で基板本体5の第1表面501に第4凹溝54が開設され、第4凹溝54が第1表面501から第2表面502へ凹むが、第2表面502を貫通しておらず、基板本体5が第4凹溝54により正極と負極の2つの領域に分けられる。任意選択的に、深さ制御付きルータ加工、両面芯板積層などの方法により基板本体5に第4凹溝54を加工してもよい。
【0117】
基板本体5に間隔をあけて第1ボンディングパット51と第2ボンディングパット52が設けられる。任意選択的に、第1ボンディングパット51と第2ボンディングパット52は導電機能を有する金属材質であり、又は外面に導電機能を有する金属メッキ層が塗布される。第1ボンディングパット51は第1端511と第2端512とを含み、第1端511は第4凹溝54内に収容されると共に第4凹溝54の底壁に接続され、第2端512は基板本体5の第2表面502に接続され、第1ボンディングパット51は第1端511から第2端512まで延びる。類似的に、第2ボンディングパット52は第3端521と第4端522とを含み、第3端521は第4凹溝54内に収容され、第4端522は第2表面502に接続されると共に、第2ボンディングパット52は第3端521から第4端522へ延びる。第1端511と第3端521との間、及び第2端512と第4端522との間に何れも間隔が設けられる。
【0118】
LEDチップ53が第1ボンディングパット51及び第2ボンディングパット52に接続される。任意選択的に、はんだ59は3Dスチールメッシュにより基板本体5の第4凹溝54内印刷され、よく使われるはんだ59は銀ペースト、錫ペースト、フラックスなどを含み、3Dスチールメッシュの開口パターンがLEDチップ53の電極に応じて設計され、その後、LEDチップ53ははんだ59に置かれる。選定されるはんだ59が銀ペーストである場合、恒温170℃、時間1Hの条件でベーキングを行う。選定されるはんだ59が錫ペースト又はフラックスである場合、はんだ59における金属粒子が酸化されないように、最高炉温290℃、時間30s、窒素ガス雰囲気の条件でリフローはんだ付けを行い、このステップでは、はんだ59によりLEDチップ53の第1電極が第1ボンディングパット51に接続され、LEDチップ53の第2電極が第2ボンディングパット52に接続される。
【0119】
レーザーカットの方法で基板本体5に第4凹溝54が開設されることで、より高い加工精度と加工効率を有し、完成品の良品率が向上される。第1ボンディングパット51及び第2ボンディングパット52の一端が第4凹溝54の底壁に収容され、LEDチップ53の第1電極及び第2電極が第4凹溝54内で第1ボンディングパット51及び第2ボンディングパット52にそれぞれ接続されることで、LEDチップの基板本体5から突出する高さが低下され、更にLED製品の厚さが低減される。
【0120】
更に、
図32及び
図33に示されるように、基板本体5に間隔をあけて第1ボンディングパット51と第2ボンディングパット52が設けられ、具体的に、下記を含む。
【0121】
第1ボンディングパット51と第2ボンディングパット52は第4凹溝54の底壁の垂直二等分線Bに対して対称的に設けられる。任意選択的に、第1ボンディングパット51の第1端511と第2ボンディングパット52の第3端521が第4凹溝54内で垂直二等分線Bの両側にそれぞれ設けられると共に、第1端511及び第3端521の垂直二等分線Bまでの距離が同じであることで、構造は対称的になり、LEDパッケージ構造の厚さ不均一による撓みや損害が避けられる。
【0122】
第2表面502に補強材57が設けられる。任意選択的に、2つの独立の金属ブロック又は金属プレートを第1ボンディングパット51と第2ボンディングパット52とし、第1ボンディングパット51と第2ボンディングパット52の一端が第4凹溝54の底壁に収容されると共に、第1ボンディングパット51と第2ボンディングパット52との間に第1隙間L1を有し、第1ボンディングパット51と第2ボンディングパット52の他端は第2表面502まで延びる。補強材57は同様に金属構造であると共に、第2表面502に設けられ、第2表面502における正投影が第1隙間L1の第2表面502における正投影を完全に覆う。補強材57を設けることで、基板本体5の第1ボンディングパット51と第2ボンディングパット52との間における厚さの薄すぎによる撓み安育、損傷しやすい欠点は補われ、LEDパッケージ構造の第1隙間L1における厚さが増加され、構造の強度が向上される。
【0123】
更に、
図26~
図28に示されるように、第2表面502に補強材57が設けられ、下記を含み、即ち、補強材57と第1ボンディングパット51又は第2ボンディングパット52が一体構造となっている。任意選択的に、基板本体5は対向する第1側面55と第2側面56とを含み、補強材57と第1ボンディングパット51が一体構造となる場合、第2端512から第1側面55までの距離が第3端521から第1側面55までの距離より大きくなるように、補強材57は第1ボンディングパット51の第2端512から第2ボンディングパット52の第4端522へ延びる。補強材57と第2ボンディングパット52が一体構造となる場合、第4端522から第2側面56までの距離が第1端511から第2側面56までの距離より大きくなるように、補強材57は第2ボンディングパット52の第4端522から第1ボンディングパット51の第2端512へ延びる。
【0124】
任意選択的に、別の実施例において、補強材57は単独の金属ブロック又はその他の一定の構造強度を有する材料により製造される構造であり、補強材57は第1ボンディングパット51又は第2ボンディングパット52と接着又は溶着される。
【0125】
任意選択的に、補強材57は第1ボンディングパット51又は第2ボンディングパット52と間隔をあけると共に、補強材57の第2表面502における正投影が第1隙間L1の第2表面502における正投影を完全に覆う。
【0126】
第2表面502に補強材57が設けられることで、基板本体5の第1隙間L1における厚さの薄すぎによる損傷しやすい問題は避けられる。
【0127】
幾つかの例において、
図26及び
図33に示されるように、第2表面502に補強材57が設けられ、下記を更に含み、補強材57の基板本体5に背向する表面にソルダーレジスト層58が設けられる。任意選択的に、補強材57とLEDパッケージ構造の負極のボンディングパットが一体構造となる場合、補強材57の基板本体5に背向する表面に液体フォトイメージャブルソルダーマスクが塗布され、液体フォトイメージャブルソルダーマスクは緑色、赤色、白色などの任意の色のソルダーレジストインクであってもよく、ソルダーレジストインクは使用前に粘着状態であり、印刷、プレベーキング、アライメント、露光、現像、硬化の後にソルダーレジスト層58が形成され、補強材57の基板本体5に背向する表面が完全に覆われる。ソルダーレジスト層58は耐腐食、耐高温、高絶縁性などの優位性を有するため、LEDパッケージ構造に対して良好な保護効果を有し、且つその高絶縁性により素子の短絡しやすい問題は避けられる。
【0128】
幾つかの例において、
図33に示されるように、補強材57の基板本体5に背向する表面にソルダーレジスト層58が設けられた後に、パッケージを切断することを更に含んでもよい。任意選択的に、まず、配置されたエポキシ樹脂蛍光ゲル510を圧縮機に入れ、相応するパラメータを調整し、予熱されて洗浄された半製品に対してパッケージ処理を行う。パッケージングを完了させてベーキングした後に、切断機に相応する厚さのブレードを取り付け、基板本体5の全体に相応する切断処理を行い、最後に必要とされる製品を得る。
【実施例6】
【0129】
生鮮食品照明灯は、生鮮食品照明専用に設計される新型の特殊照明であり、生鮮食品の色特徴を鮮明にして、購買意欲を掻き立てる。市場で使用される既存の生鮮食品照明灯のスペクトルは主に普通の白色光又は単色光の混合であり、色の精細化管理及び被照射体に応じる色の復元能力の個別的且つ合理的な調整が考慮されていない。市場によくある生鮮食品照明灯は、通常、白色ビーズランプ+赤色ビーズランプの案であり、そのミックス光効果が比較的に悪い。藍色光チップ+緑色蛍光粉+赤色蛍光粉の案を採用することもあり、励起される生鮮食品白色光の正規化スペクトログラムが
図34又は
図35に示され、2つの正規化スペクトログラムにおける赤色光波長帯のピークに対応する波長は600nm未満であり、赤色光の透過性は不十分であり、生鮮食品照明はクロスカラーとなり、生鮮肉類の色の復元度が低い。また、2つの正規化スペクトログラムにおける赤色光波長帯のピークの相対的光パワー(即ち、相対的光強度)は0.75未満であり、生鮮食品の赤色の発色効果が比較的に悪い。なお、赤色光波長帯と緑色光波長帯が繋がっているため、黄色光が発生しやすく、黄色光により生鮮肉類の赤色飽和度が影響されて、消費者を容易に誤解させる茶色が示される。これは従来の生鮮食品照明灯に一般的に存在する問題である。
【0130】
上記の問題について、本実施例は生鮮食品照明灯に応用できる(これらに限定されない)の2種類の発光ユニットを提供し、当該発光ユニットは、優位性として、生鮮食品の色が良好に復元でき、ある程度で黄色光の発生を抑制し、黄色光による生鮮肉類の赤色飽和度への影響が避けられ、生鮮食品照明の色の復元度が更に向上され、購買意欲を影響する茶色が押さえられ、生鮮肉類に比較的に相応する赤色が示される。本実施例により提供される発光ユニットは様々な生鮮食品照明装置に応用でき、例えば、生鮮豚肉、生鮮牛肉などの生鮮肉類の照明に応用できるが、これらに限定されない。生鮮食品照明装置は、生鮮食品照明灯、又は生鮮食品照明機能を有する冷蔵庫やフリーザーなどの電子機器を選んでもよい。以下、容易に理解するために、本実施例は2種類の発光ユニットについて例示的に説明する。
【0131】
一例の発光ユニットは、
図36及び
図37に示されるように、LEDブラケット60と(上記各実施例に示されるLEDブラケットを選定してもよく、その他の構造のブラケットを選定してもよく、本実施例はLEDブラケットを限定しない。)、赤色光LEDチップ61と、藍色光LEDチップ62と、パッケージ層と、を含み、そのうち、パッケージ層は緑色媒体63を含む。LEDブラケット60は基板を有し、赤色光LEDチップ61と藍色光LEDチップ62は何れも基板に設けられ、緑色媒体63は赤色光LEDチップ61と藍色光LEDチップ62を覆う。赤色光LEDチップ61と藍色光LEDチップ62は緑色媒体63を励起させ、白色光を射出する。且つ射出される白色光の正規化スペクトログラムは下記の条件を満足する。正規化スペクトログラムは第1赤色光波長帯と緑色光波長帯とを含み、第1赤色光波長帯の半値全幅は15nm~30nmであり、第1赤色光波長帯のピークは第1ピークであり、第1ピークに対応する相対的光パワーは0.9~1であり、第1ピークに対応する波長は645nm~665nmである。
【0132】
任意選択的に、赤色光LEDチップ61は垂直構造又は水平構造であってもよく、同様に、藍色光LEDチップ62も垂直構造又は水平構造であってもよい。赤色光LEDチップ61と藍色光LEDチップ62はチップ固定用ゲルによりLEDブラケット60の底部に固定され、150℃の条件で1~2Hベーキングすることで、チップ固定用ゲルを完全に硬化させる。そのうち、水平構造のチップの場合、シリコーン樹脂の透明チップ固定用ゲルを採用するが、垂直構造のチップの場合、シリコーン樹脂の銀添加チップ固定用ゲルを採用する。赤色光LEDチップ61及び藍色光LEDチップ62とLEDブラケット60との間にボンディングワイヤを設ける必要があり、通常、ボンディングワイヤは0.9mil80%Auであり、任意選択的にM又はSワイヤアークプロセスを採用する。ボンディングワイヤの配置及び接続方法は、LEDブラケット60の構造と、赤色光LEDチップ61及び藍色光LEDチップ62の構造との組合せによって決定され、回路の導通が実現できればよい。垂直構造の赤色光LEDチップ61と水平構造の藍色光LEDチップ62が好ましく、ブラケットと、藍色光LEDチップ62と、赤色光LEDチップ61とが順にボンディングワイヤにより接続される。
【0133】
図38に示されるように、白色光の正規化スペクトログラムは下記の条件を満足する。
【0134】
正規化スペクトログラムは第1赤色光波長帯を含み、第1赤色光波長帯の半値全幅は15nm~30nmである。具体的に、第1赤色光波長帯の半値全幅は15nm、18nm、24nm、27nm、30nmなどを選んでもよく、そのうち、好ましくは30nmであり、且つ半波長範囲は640nm~670nmである。
【0135】
第1赤色光波長帯のピークは第1ピークであり、第1ピークに対応する相対的光パワーは0.9~1であり、第1ピークに対応する波長は645nm~665nmである。具体的に、第1ピークに対応する相対的光パワー(即ち、相対的光強度)は0.9、0.92、0.95、0.99、1などであり、そのうち、好ましくは1である。第1ピークに対応する波長は645nm、651nm、654nm、659nm、665nmなどを選んでもよく、そのうち、好ましくは660nmである。
【0136】
赤色光LEDチップ61と藍色光LEDチップ62を設けて緑色媒体63を励起させる案では、励起される第1赤色光波長帯の半値全幅は15nm~30nmとなり、エネルギーが比較的に集中し、赤色光飽和度が高く、且つ第1赤色光波長帯の第1ピークの波長は650nm~670nmであり、赤色光の透過性が強く、生鮮肉類の色が良好に復元でき、同時に、第1赤色光波長帯の第1ピークに対応する相対的光パワーは0.9~1であり、生鮮食品の赤色の発色効果が良好である。また、上記パラメータの第1赤色光波長帯は、ある程度で黄色光の発生を抑制し、黄色光による生鮮肉類の赤色飽和度への影響が避けられ、生鮮食品照明の色の復元度が更に向上され、購買意欲を影響する茶色が押さえられ、生鮮肉類に比較的に相応する赤色が示される。
【0137】
一実施形態において、
図38に示されるように、正規化スペクトログラムは緑色光波長帯を更に含む。緑色光波長帯の半値全幅は35nm~60nmである。具体的に、緑色光波長帯の半値全幅は35nm、41nm、48nm、53nm、57nm、60nmなどを選んでもよく、そのうち、好ましくは60nmであり、且つ半波長範囲は510nm~570nmである。緑色光波長帯の半値全幅を35nm~60nmにすることで、緑色光波長帯は白色生鮮食品の発色効果に影響せず、赤色生鮮食品の発色効果にも影響しない。緑色光波長帯の半値全幅が35nm以下である場合、プロセスコストが比較的に高く、色が不調和になりやすく、白色がクロスカラーとなりやすく、生鮮肉類の白色部位の色復元に不利であるが、緑色光波長帯の半値全幅が60nm以上である場合、白色光で緑色光波長帯が占める比率が大きすぎ、赤色光が影響されやすく、赤色がクロスカラーとなりやすく、生鮮肉類の赤色部位の発色に不利である。
【0138】
緑色光波長帯のピークは第2ピークであり、第2ピークに対応する相対的光パワーは0.2~0.4であり、第2ピークに対応する波長は530nm~550nmである。具体的に、第2ピークに対応する相対的光パワーは0.2、0.24、0.29、0.34、0.38、0.4などを選んでもよい。第2ピークに対応する波長は530nm、532nm、538nm、544nm、550nmなどを選んでもよく、そのうち、好ましくは540nmである。第2ピークの相対的光パワーを0.2~0.4にすることで、白色発色に影響しない同時に、赤色発色を良好にでき、生鮮食品照明のクロスカラーを避けることに有利である。第2ピークに対応する波長は530nm~550nmであり、第1赤色光波長帯の第1ピークとの距離が大きく、赤色光発色が影響されにくい。
【0139】
一実施形態において、
図38に示されるように、正規化スペクトログラムは黄色光波長帯を更に含み、黄色光波長帯に対応する波長範囲は585nm~630nmであり、黄色光ボトムの相対的光パワーは0.15未満である。具体的に、黄色光波長帯の左側は緑色光波長帯と繋がり、右側は赤色光波長帯と繋がる。黄色光波長帯は凹み状であり、即ち、黄色光波長帯の左側及び右側に対応する相対的光パワーは中央部に対応する相対的光パワーより高い。黄色光ボトムの相対的光パワーを0.15未満にすることで、黄色光の発生が更に抑制され、黄色光による生鮮肉類の赤色飽和度への影響が避けられ、茶色も押さえられ、生鮮肉類に比較的に相応する赤色の発色に有利である。
【0140】
一実施形態において、
図38に示されるように、正規化スペクトログラムは藍色光波長帯を更に含み、藍色光波長帯の半値全幅は15nm~30nmである。具体的に、藍色光波長帯の半値全幅は15nm、17nm、19nm、22nm、26nm、29nm、30nmなどを選んでもよく、そのうち、好ましくは15nmであり、且つ半波長範囲は435nm~465nmである。藍色光波長帯の半値全幅を15nm~30nmにすることで、藍色光波長帯は生鮮食品赤色の発色に影響せずに、生鮮食品の要求を満たす白色を発生することができる。藍色光波長帯の半値全幅が15nm以下である場合、製造過程が難しく、ウェハ基板が厳しく要求されることは理解すべきである。藍色光波長帯の半値全幅が30nm以上である場合、ウェハ全体の輝度がかなり低下され、白色光が不調和になり、青白く見え、白色部位の鮮度見栄え効果に不利である。
【0141】
藍色光波長帯のピークは第3ピークであり、第3ピークに対応する相対的光パワーが0.3~0.5であり、第3ピークに対応する波長は445nm~455nmである。具体的に、第3ピークの相対的光パワーは0.3、0.34、0.39、0.44、0.5などを選んでもよい。第3ピークに対応する波長は445nm、447nm、449nm、451nm、452nm、454nm、455nmなどを選んでもよく、そのうち、好ましくは450nmである。第3ピークの相対的光パワーを0.3~0.5にすることで、白色発色に影響しない同時に、赤色発色を良好にでき、生鮮食品照明のクロスカラーを避けることに有利である。第2ピークに対応する波長は445nm~455nmであり、白色部位生鮮食品の要求を満たす白色を良好に発生できる。
【0142】
スペクトルの放射分布を的確に定義するために、赤色光波長帯の第1ピークに対応する相対的光パワーは0.9~1であり、緑色光波長帯に対応する相対的光パワーは0.2~0.4であり、藍色光波長帯の第3ピークに対応する相対的光パワーは0.3~5であることは理解すべきである。
【0143】
一実施形態において、
図38に示されるように、正規化スペクトログラムは青色光波長帯を更に含み、青色光波長帯に対応する波長範囲は465nm~515nmであり、青色光ボトムの相対的光パワーは0.1未満である。具体的に、青色光波長帯の左側は藍色光波長帯と繋がり、右側は緑色光波長帯と繋がる。青色光波長帯は凹み状であり、即ち、青色光波長帯の左側及び右側に対応する相対的光パワーは中央部に対応する相対的光パワーより高い。青色光ボトムの相対的光パワーを0.1未満にすることで、青色光の発生が抑制され、青色光による生鮮食品赤色への影響が避けられ、及び青色光による生鮮食品白色への影響が避けられ、生鮮肉類の鮮度見栄え効果の向上に有利である。
【0144】
一実施形態において、
図38に示されるように、正規化スペクトログラムは紫色光波長帯を更に含み、紫色光波長帯に対応する波長範囲は350nm~420nmであり、紫色光波長帯の相対的光パワーは0.1未満である。具体的に、紫色光波長帯は藍色光波長帯の左側と繋がる。紫色光波長帯は対応する波長の減少に伴って減少する(ある程度まで減少した後にほとんど変わらない)。紫色光波長帯の相対的光パワーを0.1未満にすることで、青白く見える確率の低減に繋がり、更に白色部位の鮮度見栄え効果が向上される。
【0145】
一実施形態において、
図38に示されるように、正規化スペクトログラムは第1赤色光波長帯と隣接する第2赤色光波長帯を更に含み、第2赤色光波長帯に対応する波長範囲は680nm~780nmであり、第2赤色光波長帯の相対的光パワーは0.1未満である。具体的に、第2赤色光波長帯の左側は第1赤色光波長帯と繋がる。第2赤色光波長帯の相対的光パワーを0.1未満にすることで、赤色光の飽和度の向上に繋がり、赤色部位の鮮度見栄え効果が向上される。
【0146】
一実施形態において、
図36及び
図37に示されるように、緑色媒体63の材質はβ-Sialonを含み、藍色光LEDチップ62の材質は窒化ガリウム(GaN)を含み、赤色光LEDチップ61の材質はアルミニウムインジウムガリウムリン(AlGaInP)を含む。上記材質によって赤色光波長帯、藍色光波長帯、及び緑色光波長帯の半値全幅及びピークに対応する波長位置が決定されるため、本発明の実施例により提供される正規化スペクトログラムに合致する白色光の取得に繋がることは理解すべきである。
【0147】
一実施形態において、発光ユニットはボウル状カップ65に充填される封止材64を更に含み、緑色媒体63と封止材64との混合比率範囲は1:12~1:2である。具体的に、緑色媒体63と封止材64との混合比率は1:12、1:11、1:10.5、1:8、1:6.5、1:4.5、1:3、1:2などを選んでもよい。封止材64と緑色媒体63は攪拌機により均一に混合され、攪拌条件は200s~400s、速度1000n/min~2000n/minを選んでもよく、これにより、封止材64と緑色媒体63の均一混合に有利である。また、封止材64と緑色媒体63の混合物がLEDブラケット60のボウル状カップ65に注ぎ込まれた後、150℃で3~4Hベーキングすることで、混合物を硬化させ、パッケージを完成する。緑色媒体63と封止材64の混合比率を1:12~1:2にすることで、第1ピーク、第2ピーク、及び第3ピークの高さ(相対的光パワー)の調節に有利であり、スペクトルの放射分布がより的確に定義されることは理解すべきである。
【0148】
一実施形態において、CIE1931(CIE1931色空間とも呼ばれる)色度図において、白色光のX軸における分布範囲は0.31~0.39であり、Y軸における分布範囲は0.3~0.4であり、且つ白色光の色温度範囲は4000K~7000Kであり、具体的に、色温度は4000K、4300K、4500K、4900K、5120K、5870K、6370K及び700などである。白色光の色温度を4000K~7000Kにすることで、本発明の実施例により提供される発光ユニットの鮮度見栄え効果が十分に示されると共に、光が人間の肉眼に適応されやすく、眩しい又は暗すぎるというような問題はない。なお、白色光のCIE1931分布が比較的に合理であり、鮮度見栄え効果の向上に繋がる。
【0149】
別の一例の発光ユニットは
図39及び
図40に示されるように、発光ユニットはLEDブラケット70と、藍色光LEDチップ71と、赤色媒体72と、緑色媒体73と、を含む。LEDブラケット70はボウル状カップ75を有し、藍色光LEDチップ71はボウル状カップ75に設けられ、赤色媒体72と緑色媒体73は混合されてボウル状カップ75に充填されると共に、藍色光LEDチップ71を覆う。藍色光LEDチップ71は赤色媒体72と緑色媒体73を励起させ、白色光を射出する。
【0150】
任意選択的に、本例における藍色光LEDチップ71は正装構造又はフリップ構造を選んでもよい。例えば、正装構造の場合、藍色光LEDチップ71はチップ固定用ゲルによりLEDブラケット70に固定され、150℃の条件で1~2Hベーキングすることで、チップ固定用ゲルを完全に硬化させる。フリップ構造の場合、藍色光LEDチップ71は高温錫ペーストによりLEDブラケット70に固定され、リフローはんだ付けを行い、リフローはんだ付けの最高炉温は290℃であり、時間は約30sであり、更に窒素ガス雰囲気で行う必要があり、はんだを完全に溶融させ、藍色光LEDチップ71及びLEDブラケット70に完全に密着させる。また、正装構造の藍色光LEDチップ71の場合、ボンディングワイヤプロセスを行う必要があり、通常、ボンディングワイヤは0.9mil80%Auであり、S又はMワイヤアークプロセスを採用する。ボンディングワイヤの配置及び接続方法は、LEDブラケット70の構造と藍色光LEDチップ71の構造との組合せによって決定され、回路の導通が実現できればよい。
【0151】
図41に示されるように、本例において白色光の正規化スペクトログラムは下記の条件を満足する。
【0152】
スペクトログラムは赤色光波長帯と緑色光波長帯を含み、赤色光波長帯の半値全幅は80nm~100nmであり、赤色光波長帯のピークは第1ピークであり、第1ピークに対応する相対的光パワーは0.75~0.95であり、第1ピークに対応する波長は645nm~665nmであり、緑色光波長帯の半値全幅は45nm~70nmであり、緑色光波長帯のピークは第2ピークであり、第2ピークに対応する波長は500nm~520nmである。具体的に、赤色光波長帯の半値全幅は80nm、84nm、86nm、89nm、94nm、96nm、100nmなどを選んでもよく、好ましくは100nmであり、且つ半波長範囲は610nm~710nmである。第1ピークに対応する相対的光パワーは0.75、0.79、0.84、0.89、0.93、0.95などを選んでもよい。第1ピークに対応する波長は645nm、646nm、649nm、653nm、659nm、663nm、665nmなどを選んでもよく、好ましくは660nmである。緑色光波長帯の半値全幅は45nm、46nm、49nm、53nm、55nm、61nm、67nm、69nm、70nmなどを選んでもよく、好ましくは70nmであり、且つ半波長範囲は480nm~550nmである。第2ピークに対応する波長は500nm、503nm、509nm、511nm、516nm、519nm、520nmなどを選んでもよい。
【0153】
緑色光波長帯の半値全幅が45nm以下である場合、プロセスコストが比較的に高く、色が不調和になりやすく、白色がクロスカラーとなりやすく、生鮮肉類の白色部位の色復元に不利であるが、緑色光波長帯の半値全幅が70nm以上である場合、白色光で緑色光波長帯が占める比率が大きすぎ、赤色光と干渉し、赤色がクロスカラーとなりやすく、生鮮肉類の赤色部位の発色に不利である。藍色光LEDチップ71を設けて赤色媒体72及び緑色媒体73を励起させる案では、励起される赤色光波長帯の第1ピークに対応する波長は645nm~665nmであり、赤色光の透過性が強く、生鮮食品の色が良好に復元でき、第1ピークに対応する相対的光パワーは0.75~0.95であり、赤色の発色効果が良好である。同時に、緑色光波長帯の第2ピークに対応する波長は500nm~520nmであり、且つ緑色光波長帯の半値全幅は45nm~70nmであり、緑色光波長帯は赤色光波長帯を干渉しにくく、且つ黄色光の発生がしにくく、黄色光による生鮮肉類の赤色飽和度への影響が避けられ、生鮮食品照明の色の復元度が更に向上され、購買意欲を影響する茶色が押さえられ、生鮮肉類に比較的に相応する赤色が示される。
【0154】
一実施形態において、
図41に示されるように、第2ピークに対応する相対的光パワーは0.4~0.7である。具体的に、第2ピークに対応する相対的光パワーは0.4、0.5、0.6、0.7などを選んでもよい。第2ピークの相対的光パワーを0.4~0.7にすることで、緑色光の飽和度の高すぎによる赤色のクロスカラー、及び飽和度の低すぎによる白色のクロスカラーが避けられる。
【0155】
一実施形態において、
図41に示されるように、正規化スペクトログラムは黄色光波長帯を更に含み、黄色光波長帯に対応する波長範囲は560nm~590nmであり、黄色光ボトムの相対的光パワーは0.05~0.25である。具体的に、黄色光波長帯の左側は緑色光波長帯と繋がり、右側は赤色光波長帯と繋がる。黄色光波長帯は凹み状であり、即ち、黄色光波長帯の左側及び右側に対応する相対的光パワーは中央部に対応する相対的光パワーより高い。黄色光ボトムの相対的光パワーを0.05~0.25にすることで、黄色光の発生が更に抑制され、黄色光による鮮肉類の赤色飽和度への影響が避けられ、茶色も押さえられ、生鮮肉類に比較的に相応する赤色の発色に有利である。
【0156】
一実施形態において、
図41に示されるように、正規化スペクトログラムは藍色光波長帯を更に含み、藍色光波長帯の半値全幅は15nm~30nmである。具体的に、藍色光波長帯の半値全幅は15nm、17nm、19nm、22nm、26nm、29nm、30nmなどを選んでもよく、そのうち、好ましくは15nmであり、且つ半波長範囲は435nm~465nmである。藍色光波長帯の半値全幅を15nm~30nmにすることで、藍色光波長帯は生鮮食品赤色の発色に影響せずに、生鮮食品の要求を満たす白色を発生することができる。藍色光波長帯の半値全幅が15nm以下である場合、製造過程が難しく、ウェハ基板が厳しく要求されることは理解すべきである。藍色光波長帯の半値全幅が30nm以上である場合、ウェハ全体の輝度がかなり低下され、白色光が不調和になり、青白く見え、白色部位の鮮度見栄え効果に不利である。
【0157】
藍色光波長帯のピークは第3ピークであり、第3ピークに対応する相対的光パワーは0.9~1であり、第3ピークに対応する波長は445nm~455nmである。具体的に、第3ピークの相対的光パワーは0.9、0.91、0.93、0.96、0.98及び1などを選んでもよく、好ましくは1である。第3ピークに対応する波長は445nm、447nm、449nm、451nm、452nm、454nm、455nmなどを選んでもよく、そのうち、好ましくは450nmである。第3ピークの相対的光パワーを0.9~1にすることで、白色発色に影響しない同時に、赤色発色を良好にでき、生鮮食品照明のクロスカラーを避けることに有利である。第3ピークに対応する波長は445nm~455nmであり、白色部位生鮮食品の要求を満たす白色が良好に発生できる。
【0158】
スペクトルの放射分布を的確に定義するために、赤色光波長帯の第1ピークに対応する相対的光パワーは0.75~0.95であり、緑色光波長帯に対応する相対的光パワーは0.4~0.7であり、藍色光波長帯の第3ピークに対応する相対的光パワーは0.9~1であることは理解すべきである。
【0159】
一実施形態において、
図41に示されるように、正規化スペクトログラムは青色光波長帯を更に含み、青色光波長帯に対応する波長範囲は460nm~490nmであり、青色光ボトムの相対的光パワーは0.15~0.35である。具体的に、青色光波長帯の左側は藍色光波長帯と繋がり、右側は緑色光波長帯と繋がる。青色光波長帯は凹み状であり、即ち、青色光波長帯の左側及び右側に対応する相対的光パワーは中央部に対応する相対的光パワーより高い。青色光ボトムの相対的光パワーを0.15~0.35にすることで、青色光の発生が抑制され、青色光による生鮮食品赤色への影響が避けられ、及び青色光による生鮮食品白色への影響が避けられ、生鮮肉類の鮮度見栄え効果の向上に有利である。
【0160】
一実施形態において、
図41に示されるように、正規化スペクトログラムは紫色光波長帯を更に含み、紫色光波長帯に対応する波長範囲は350nm~420nmであり、紫色光波長帯の相対的光パワーは0.1未満である。具体的に、紫色光波長帯は藍色光波長帯の左側と繋がる。紫色光波長帯は対応する波長の減少に伴って減少する(ある程度まで減少した後にほとんど変わらない)。紫色光波長帯の相対的光パワーを0.1未満にすることで、青白く見える確率の低減に繋がり、更に白色部位の鮮度見栄え効果が向上される。
【0161】
一実施形態において、
図41に示されるように、正規化スペクトログラムは赤色光波長帯と隣接する赤外線波長帯を更に含み、赤外線波長帯に対応する波長は780nmを超え、赤外線波長帯の相対的光パワーは0.1未満である。具体的に、赤外線波長帯の左側は赤色光波長帯と繋がる。赤外線波長帯の相対的光パワーを0.1未満にすることで、赤色光の飽和度の向上に繋がり、赤色部位の鮮度見栄え効果が向上される。
【0162】
一実施形態において、
図41に示されるように、赤色媒体72の材質は窒化物を含み、緑色媒体73の材質はβ-Sialon及び/又はケイ酸塩を含み、藍色光LEDチップ71の材質は窒化ガリウム(GaN)を含む。具体的に、緑色媒体73はβ-Sialonとケイ酸塩のうちの1つだけ含んでもよく、β-Sialonとケイ酸塩を同時に含んでもよい。上記材質によって赤色光波長帯、藍色光波長帯、及び緑色光波長帯の半値全幅及びピークに対応する波長位置が決定されるため、本発明の実施例により提供される正規化スペクトログラムに合致する白色光の取得に繋がることは理解すべきである。
【0163】
一実施形態において、
図41に示されるように、赤色媒体72と緑色媒体73との比率範囲は1:13~1:4である。具体的に、赤色媒体72と緑色媒体73との比率は1:13、1:12、1:9、1:7、1:6、1:5、1:4.5、1:4などを選んでもよい。赤色媒体72と緑色媒体73の混合比率を適切にすることで、第1ピーク、第2ピーク、及び第3ピークの高さ(相対的光パワー)の調節に有利であり、スペクトルの放射分布が的確に定義される。
【0164】
一実施形態において、
図41に示されるように、発光ユニットはボウル状カップ75に充填される封止材50を更に含む。赤色媒体72及び緑色媒体73の混合物と封止材50との混合比率範囲は1:8~1:1.8である。具体的に、赤色媒体72及び緑色媒体73の混合物と封止材50との比率は1:8、1:7、1:6、1:5.5、1:5、1:4.5、1:3、1:2及び1:1.8などを選んでもよい。赤色媒体72及び緑色媒体73の混合物と封止材50が攪拌機により均一に混合され、攪拌条件は200s~400s、速度1000n/min~2000n/minを選んでもよく、これにより、封止材50と緑色媒体73の均一混合に有利である。また、封止材50と緑色媒体73の混合物がLEDブラケット70のボウル状カップ75に注ぎ込まれた後、150℃の条件で3~4Hベーキングすることで、混合物を硬化させ、パッケージを完成する。緑色媒体73と封止材50との混合比率を1:12~1:2にすることで、第1ピーク、第2ピーク、及び第3ピークの高さの調節に有利であり、スペクトルの放射分布がより的確に定義されることは理解すべきである。
【0165】
一実施形態において、CIE1931色度図において、白色光のX軸における分布範囲は0.32~0.38であり、Y軸における分布範囲は0.275~0.34であり、且つ白色光の色温度範囲は4000K~6200Kである。具体的に、色温度は4000K、4230K、4500K、4900K、5120K、5530K、5870K、6200Kなどを選んでもよい。白色光の色温度を4500K~8000Kにすることで、本発明の実施例により提供される発光ユニットの鮮度見栄え効果が十分に示されると共に、光が人間の肉眼に適応されやすく、眩しい又は暗すぎるというような問題はない。なお、白色光のCIE1931色度範囲が比較的に合理であり、鮮度見栄え効果が確保される。
【実施例7】
【0166】
現在、バックライトモジュールは、ディスプレイユニットの重要部品の1つとして、ディスプレイユニットに光源を提供するために使用され、軽量化、薄型化、節電、HDR(High-DynamicRange、ハイダイナミックレンジ)がディスプレイユニットの発展トレンドであり、これらのニーズにより、バックライトモジュールにおけるLED発光ユニットは小さい寸法、高い輝度、大きい射出角度などの性能が要求される。従来のLED発光ユニットでは、LEDチップの射出角度がLEDブラケットにより限定されており、LEDチップの光の射出角度がLEDブラケットにより限定されるため、LED発光ユニットの全体発光輝度と射出角度が影響される。LEDチップの発光表面からバックライトモジュールの射出面までの光混合距離又はLEDの数を追加することで輝度と射出角度を増加させる場合、ディスプレイデバイスの軽量化、薄型化、節電などの要求が満足できないため、LED発光ユニットの射出角度を如何に増加させるのは早急に解決すべき問題である。
【0167】
上記の問題について、本実施例は、LEDチップと、LEDブラケットとを含む、射出角度が改善された発光ユニットを提供し、本実施例におけるLEDブラケットは、上記各実施例に示されるLEDブラケットを採用してもよく、その他のボウル状カップ構造を有するLEDブラケットを採用してもよく、本実施例はLEDブラケットを限定しない。そのうち、LEDチップはLEDブラケットのボウル状カップの底部に設けられ、LEDチップの正・負極は2つの導電領域にそれぞれ電気的に接続される。発光ユニットはボウル状カップ内に設けられるパッケージ層を更に含み、当該パッケージ層は順に充填される第1封止材層と第2封止材層とを含み、第1封止材層はLEDチップを覆い、第2封止材層のLEDチップから離れる面は球面の突出形状であり、LEDチップ表面から射出される光は第1封止材層と球面で突出する第2封止材層とを介してLEDデバイス外へ屈折され、第2封止材層のLEDチップから離れる面が球面の突出形状であることで、LEDデバイスの射出角度が増大されるため、更に全体の射出角度が更に増大され、射出角度が増大されると同時に、LEDデバイスの発光輝度が向上される。以下、容易に理解するために、本実施例は図面に示される幾つかの例を参照しながら説明する。
【0168】
図42に示されるように、本実施例の一例により提供される発光ユニットはLEDブラケット8を含み、LEDブラケット8は正極基板81(即ち、一方の導電領域)と、負極基板82(即ち、他方の導電領域)と、正極基板81と負極基板82を絶縁隔離する隔離領域83とを含み、LEDチップ84を更に含み、LEDブラケット8のパッケージは正極基板81及び負極基板82の表面に設けられると共に囲いながらボウル状カップが形成され、LEDチップ84は正極基板81と負極基板82の少なくとも1つの基板に設けられ、LEDブラケット8と正極基板81及び負極基板82により形成されるボウル状構造内に第1封止材層85と第2封止材層86が順に充填され、第1封止材層85はLEDチップ84を覆い、第2封止材層86のLEDチップ84から離れる面は球面の突出形状であり、第1封止材層85と第2封止材層86により湿気が隔離されてLEDチップ84が保護されると同時に、LEDチップ84から射出される光は第1封止材層85と第2封止材層86により屈折、反射、拡散反射されることで、LEDチップ84の表面から射出される光が周辺に屈折され、発光ユニットの射出角度が増大される。
【0169】
本例において、
図42に示されるように、第2封止材層86は第1封止材層85を完全に覆い、そのうち、第1封止材層85及び/又は第2封止材層86は透明ゲルの硬化により形成される透明ゲル層であってもよく、当該透明ゲルは、エポキシ樹脂、シリカゲル、シリコーン樹脂などを含むが、これらに限定されず、無論、第1封止材層85及び/又は第2封止材層86は透明ゲルと蛍光粉により混合されて硬化される蛍光ゲル層であってもよい。
【0170】
本例における正極基板81と負極基板82は導電性基板であり、本実施例における導電性基板は様々な導電性材質により構成される基板であってもよく、例えば、様々な金属導電性基板であってもよく、銅基板、アルミニウム基板、鉄基板、銀基板などのうちの1種を含むが、これらに限定されず、導電性基板は導電性材料を含む混合材料導電性基板であってもよく、例えば、導電性ゴムなどであり、銀ペースト、絶縁接着剤などのチップ固定用ゲルによりLEDチップ84が少なくとも1つの導電性基板に固定されることは理解すべきである。そのうち、LEDチップ84は正装LEDチップであってもよく、この場合、ボンディングワイヤにより基板に電気的に接続され、フリップLEDチップであってもよく、この場合、共晶プロセスにより基板に電気的に接続される。そのうち、LEDチップ84の発光面に様々な厚さの反射層が覆われ、必要に応じて、様々な材質と厚さの反射層が採用されることで、チップの射出半値角が増大され、更に発光ユニットの射出角度が更に増大される。
【0171】
本例において、
図42に示されるように、第1封止材層85のLEDブラケット8と正極基板81及び負極基板82により形成されるボウル状構造における高さhはパッケージの高さHを超えない。第1封止材層85がLEDチップ84を覆うため、第1封止材層85のボウル状構造における最低高さhはLEDチップ84の高さh1を超えることは理解すべきであり、幾つかの応用シーンにおいて、第1封止材層85のボウル状構造における最低高さhはボンディングワイヤを覆うものであり、ボンディングワイヤが覆われる場合、LEDチップ84も覆われることは理解すべきであり、そのうち、第1封止材層85は、LEDチップ84を完全に覆うことで、LEDチップ84の表面から射出される光を第2封止材層86及びLEDブラケット8へそれぞれ屈折させて拡散反射させ、LEDチップ84の光の射出角度を増大させる。
【0172】
本実施例の別の例において、
図43に示されるように、第1封止材層85の上面とLEDブラケットの上面とは同じ高さにある。
【0173】
本実施例の幾つかの例において、第1封止材層85のLEDチップ84から離れる表面はLEDチップ84へ凹む弧状面であってもよく、第1封止材層85の凹み弧状面により光の反射角と屈折角が変化され、光がLEDブラケット8及び第2封止材層86に容易に射出されるため、発光ユニットからの光の射出がより均一になるようにさせ、
図43及び
図44に示されるように、発光ユニットの光の射出角度が更に増大され、そのうち、第1封止材層85へ凹む場合の最低高さはLEDチップ84と同じ高さになるものであり、そのうち、第1封止材層85はLEDブラケット8と接触する位置から直接的に凹んでもよく、第1封止材層85は透明ブラケットから一定の距離で水平に保持されてから凹んでもよいことは理解すべきであり、幾つかの例において、第1封止材層85は水平構造であり、凹むことはないことは理解すべきである。
【0174】
本実施例の幾つかの例において、
図45に示されるように、第2封止材層86の幅Eはボウル状構造の上面の幅e以下であるため、第2封止材層86は発光ユニットのボウル状構造に限定され、その結合強度が向上され、第2封止材層86の幅Eが最低でも第1封止材層85のLEDチップ84から離れる面の表面の幅E1であるため、第1封止材層85は完全に覆われ、そのうち、LEDチップ84が第1封止材層85により完全に覆われることで、LEDチップ84の表面から射出される光がそれぞれ第2封止材層86及びLEDブラケット8へ屈折、拡散反射され、LEDチップ84から射出される光は第1封止材層85により第2封止材層86へ屈折され、更に第2封止材層86により屈折、拡散反射されることで、LEDチップ84の光の射出角度が増大されることは理解すべきであり、
図43及び
図44に示されるように、第1封止材層85が凹む場合、第2封止材層86の第1封止材層85に近づく片側の表面は第1封止材層85へ突出すると共に、突出する位置と第1封止材層85の凹む位置とが合致することは理解すべきである。
【0175】
第2封止材層86のLEDチップ84から離れる面は球面の突出形状であり、凸レンズ状を形成し、光を発散させることで、発光ユニットの光の射出角度が増大されることは理解すべきであり、そのうち、第2封止材層86の高さが限定されず、即ち、第2封止材層86の突出するラジアンが限定されず、好ましくは、
図44に示されるように、第2封止材層86の自身の高さkをLEDブラケット8の高さKを超えないようにすることで、第2パッケージの突出するラジアンを合理的な範囲内に押さえる。本実施例の幾つかの例において、第1封止材層85の屈折率が第2封止材層86の屈折率より大きく、且つ第2封止材層86の屈折率が空気の屈折率より大きいため、LEDチップ84から射出される光が第1封止材層85により屈折されて第2封止材層86に到達し、更に第2封止材層86により外部へ屈折されることで、LEDチップ84の真正面から射出される光の多くは周辺に屈折され、発光ユニットの射出角度が増大され、発光ユニットの射出角度が最大で180°に達する。
【0176】
本実施例の幾つかの例において、LEDブラケット8のボウル状カップに形成されるパッケージは透明ブラケットであってもよいが、これに限定されない。即ち、LEDブラケット8は透明材質を採用してもよく、例えば、透明樹脂、PPA(Polyphthalamide、ポリフタルアミド)などの透明熱可塑性プラスチック、EMC(EpoxyMoldingCompound、エポキシ樹脂封止材)などの透明熱硬化性プラスチックであり、LEDチップ84から射出される光が直接的にLEDブラケット8を通過して外部に到達させることで、発光ユニットの射出角度が更に増大される。幾つかの例において、LEDブラケット8は非透明ブラケットに採用される材料を使用してもよいことは理解すべきであり、例えば、エポキシ樹脂類(EP、Epoxideresin)、耐高温ナイロン(PPAプラスチック)、ポリフタルアミド(PPA、Polyphthalamide)、ポリ-1,4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT、Poly1,4-cyclohexylenedimethyleneterephthalate)、液晶ポリマー(LCP、Liquid Crystal Polymer)、シートモールディングコンパウンド(SMC、Sheetmolding compound)、エポキシモールディングコンパウンド(EMC、Epoxy molding compound)、不飽和ポリエステル(UP)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET、Polyethylene terephthalate)、ポリカーボネート(PC、Polycarbonate)、ポリヘキサメチレンアジポアミド(nylon66)、ガラス繊維などである。
【0177】
本実施例の幾つかの例において、LEDチップ84にDBR(distributedbraggreflectors、分布ブラッグ反射層)が設けられており、例えば、LEDチップ84の正面にDBRが被覆され、正面からの光の射出が減少され、側壁からの光の射出面積が増加されることで、射出角度が更に増大され、更に透明のLEDブラケット8を組合せることで、発光ユニット側壁の光の射出効率が更に向上され、全体の光の射出効率が更に向上される。
【0178】
本実施例の幾つかの例において、LEDブラケット8の上面がジグザグ状Cであり、
図46及び
図47に示されるように、LEDブラケット8の上面がジグザグ状であることは、第2封止材層86とLEDブラケット8が結合する場合、第2封止材層86とLEDブラケット8との結合能力を増強させることができ、同時に、LEDブラケット8の上面がジグザグ状であることは、第2封止材層86の流動性を押さえ、第2封止材層86の成形を制御する目的を達成する。
【0179】
本実施例の幾つかの例において、LEDチップ84は、赤色光LEDチップ、緑色光LEDチップ、藍色光LEDチップ及び黄色光LEDチップのうちの少なくとも1種を含む。具体的に応用の必要に応じて自由に設定でき、ここで詳しく説明しない。
【0180】
本実施例の幾つかの例において、絶縁領域83を更に含み、絶縁領域83が絶縁隔離帯に設けられるが、これらに限定されず、絶縁隔離帯は正極基板81と負極基板82との間にあり、両者を絶縁隔離し、絶縁隔離帯の材質はLEDブラケット8の材質と相同であってもよく、相異であってもよいことは理解すべきである。
【0181】
よりよく理解するために、本実施例はより具体的な例を提供して発光ユニットについて説明する。
図48に示されるように、第1封止材層85はLEDチップ84を覆い、第1封止材層85の上面はLEDブラケットの上面と同じ高さにあり、且つ第1封止材層85のLEDチップ84から離れる表面はLEDチップ84へ凹む弧状面であり、第2封止材層86の幅はボウル状構造の上面の幅と同じであり、第1封止材層85を完全に覆うと共に、第2封止材層6の第1封止材層85に近づく片側の表面は第1封止材層85へ突出し、突出する位置と第1封止材層85へ凹む位置とが合致する。第2封止材層86のLEDチップ84から離れる面が球面の突出形状であり、凸レンズ状を形成し、光を発散させることで、発光ユニットの光の射出角度が更に増大される。
【0182】
本実施例は発光アセンブリを更に提供し、当該発光アセンブリはバックライトモジュールであってもよいが、これらに限定されず、駆動回路と上記発光ユニットとを含み、駆動回路は発光ユニットに接続されており、当該バックライトモジュールはより大きい発光角度を有するため、その発色効果が向上されると共に、同じ回路板面積の前提でより少ない発光ユニットを設けることで、同じ又は更に優れる発色効果が得られ、コストがより低い。本実施例は、上記バックライトモジュールと背板とを含み、バックライトモジュールの駆動回路と発光ユニットが背板に設けられる、ディスプレイユニットを更に提供する。
【実施例8】
【0183】
本実施例は発光アセンブリを提供し、当該発光アセンブリは、バックライトモジュール、照明モジュールなどであってもよいが、これらに限定されず、回路板と、回路板に設けられると共に回路板に対応する回路に電気的に接続される発光ユニットと、を含む。本実施例における発光ユニットは、上記各実施例に示される発光ユニットを採用してもよく、その他の構造(例えば、ブラケット無し式LED)の発光ユニットを採用してもよく、本実施例は発光ユニットを限定しない。
【0184】
発光アセンブリがバックライトモジュールである場合、バックライトモジュールは折畳み式ディスプレイにおいて幅広く応用される。従来技術のバックライトモジュールは、折畳み式ディスプレイの繰返し折り曲げと折り曲げからの回復の過程において、バックライトモジュールに採用されるフレキシブルプリント基板の背面支持板に対する相対的なオフセットが発生しやすいため、バックライトモジュールの一部が支持板により保護されないままとなる。当該問題に対して、本実施例の一例は当該問題を解決できるバックライトモジュールを提供し、本例におけるバックライトモジュールの回路板はフレキシブルプリント基板であり、バックライトモジュールは支持板と磁気シートとを更に含み、フレキシブルプリント基板は補強板と基材板とを含み、補強板は基材板に固定され、支持板に支持溝が設けられ、支持溝に少なくとも一部の補強板が収容され、即ち、補強板は全体的に支持溝内に設けられてもよく、又はその一部だけ支持溝内に設けられて、一部が支持溝外にあってもよい。支持溝に基材板に向かう開口端が設けられ、支持溝の開口端は基材板に覆われ、支持溝に溝底面が更に設けられ、磁気シートが溝底面に固定され、磁気シートと補強板とが正面で対向して平行に設けられ、磁気シートと補強板とが磁気により嵌め合うことにより、バックライトモジュールは繰返し折り曲げと折り曲げからの回復の過程において、磁気で互いに吸着される2つのマグネットにより上記フレキシブルプリント基板と上記支持板が折れ曲れる前の状態に回復し、バックライトモジュールの構造の安定性が向上される。以下、容易に理解するために、本実施例は図面に示される例を参照しながら説明する。
【0185】
一例において、支持板の厚さは支持溝の高さより大きく設けられ、支持板は支持溝に設けられ、支持板の天井面は支持溝から突出して支持溝外に位置することで、フレキシブルプリント基板と支持板との間に一定の隙間ができ、当該隙間は、折り曲げの過程においてフレキシブルプリント基板と支持板が折り曲げとひずみから回復するための一定のスペースを提供でき、又は折り曲げの過程において両者が接触する場合の摩擦力を低減させることができる。
【0186】
別の例において、
図49及び
図50に示されるように、フレキシブルプリント基板90は基材板901と、ボンディングパット903と、発光ユニット904と、補強板905とを有し、基材板901は溶着部902を含み、溶着部902に第1面9021と第1面9021に背向する第2面9022とが設けられ、ボンディングパット903は第1面9021に固定され、発光ユニット904は第1面9021に固定され、発光ユニット904のピンペアは対応するボンディングパット903にスタック溶接され、補強板905は溶着部902の第2面9022に密着され、補強板905とボンディングパット903は対応して設けられる。
【0187】
フレキシブルプリント基板90は折り曲げと導電の働きが実現でき、従来技術では、発光ユニット904のフレキシブルプリント基板90への固定方法として、一般的に、デバイスの両端のピンをフレキシブルプリント基板90に固定する方法を採用し、フレキシブルプリント基板90の折り曲げの過程において、発光ユニット904の曲げ強度はフレキシブルプリント基板90を折り曲げるための曲げ力より弱く、フレキシブルプリント基板90が発光ユニット904の折り曲げに対して保護していないため、繰返し折り曲げの過程において、発光ユニット904が曲げ力を受けて折れやすい。本実施例において、補強板905はフレキシブルプリント基板90の発光ユニット904から離れる片側に密着され、補強板905は硬質材料を採用し、補強板905が溶着部902に密着されることで、フレキシブルプリント基板90を折り曲げるための曲げ力が補強板905に伝わり、補強板905の内部応力がフレキシブルプリント基板90を折り曲げるための曲げ力と対抗するために用いられ、溶着部902の折り曲げが発生せず、発光ユニット904が第1面9021に固定されると共に、発光ユニット904と補強板905は対応して設けられ、第1面9021にある発光ユニット904が断裂することはない。補強板905により溶着部902の硬度が増強されるため、溶着部902に固定される発光ユニット904が曲げ力を受けることはなく、発光ユニット904がフレキシブルプリント基板90の折り曲げにより壊れることはない。
【0188】
フレキシブルプリント基板90は導電層906を含み、導電層906は第1面9021に設けられ、アレイで配置される発光ユニット904が導電層906により導通される。導電層906の働きは発光ユニット904の電極の導出を実現することであり、本実施形態において、導電層906の材質は錫であってもよく、錫は導電機能を良好に果たすと共に、ボンディングパット903と基材板901を容易に溶着して固定でき、無論、銀、銅、アルミニウム、金などのその他の導電性材質に取り替えてもよい。
【0189】
本実施例の幾つかの例において、補強板905は磁性材料を選定してもよく、その優位性として、外部設備に対応する金属材料が設けられるため、フレキシブルプリント基板90が外部設備に取り付けられた場合、従来のネジ又は接着取り付け方法を採用せず、補強板905は磁気吸着力を有するため、フレキシブルプリント基板90が支持板912に直接的に取り付けられる。補強板905は従来の取り付け方法と比べて、取り付けが容易であり、工程が簡単であり、且つ材料が節約でき、その他の固定パーツを添加する必要がないため、生産コストが削減される。
【0190】
本実施例におけるフレキシブルプリント基板90は折畳みスクリーンに応用される場合、折畳みスクリーンの特性により一定の伸縮特性が要求されると共に、フレキシブルプリント基板90が損害されないことは必要であり、フレキシブルプリント基板90が従来の密着の固定方法により支持板に固定された後、フレキシブルプリント基板90が折り曲げ、又は折畳む場合、溶着部902は比較的に大きい引張力を受け、フレキシブルプリント基板90の回路が切断される可能性がある。本実施例において、補強板905が磁性材料を採用し、補強板905は磁気吸着の方法により支持板912に固定され、複数の溶着部902は磁気吸着により支持板912に固定されており、スクリーンが折り曲げ、又は折畳む場合、接着の固定方法と比べて、磁気吸着の方法で固定される補強板905はより良好な緩衝効果を有し、フレキシブルプリント基板90に対しても保護効果を果たすことができる。
【0191】
図51に示されるように、本願は発光アセンブリを更に提供し、当該発光アセンブリはバックライトモジュール91であってもよく、バックライトモジュール91はフレキシブルプリント基板90と、支持板912と、磁気シート913とを含み、フレキシブルプリント基板90は補強板905と、基材板901とを含み、補強板905は基材板901に固定され、支持板912に支持溝9121が設けられ、支持溝9121に少なくとも一部の補強板905が収容され、支持溝9121に基材板901に向かう開口端が設けられ、支持溝9121の開口端が基材板901に覆われ、支持溝9121に溝底面9124が更に設けられ、磁気シート913は溝底面9124に固定され、磁気シート913と補強板905とは正面で対向して平行に設けられ、磁気シート913と補強板905とは磁気により嵌め合う。支持板912はフレキシブルプリント基板90を固定するためのものであり、従来技術では、支持板912はフレキシブルプリント基板90と直接的に密着されて固定するため、折畳みスクリーン又は曲面スクリーンに応用される場合、支持板912によりフレキシブルプリント基板90が簡単に割れ、製品の品質に対して大きな潜在的な欠陥となる。本実施形態において、支持板912に複数の支持溝9121が設けられ、複数の支持溝9121はフレキシブルプリント基板90の複数の溶着部902に対応して設けられ、支持溝9121の溝底面9124は第2面9022に平行する。フレキシブルプリント基板90は支持板912に対応して取付けられ、磁気シート913は磁性物質を有する材料であり、本実施形態において、磁気シート913はマグネットを採用してもよく、磁気シート913の補強板905に対向する面の磁極は補強板905の磁極と逆であり、即ち、磁気シート913のN極面は補強板905のS極に対向し、又は磁気シート913のS極面は補強板905のN極に対向し、磁気シート913の補強板905に背向する面は溝底面9124に密着して固定され、磁気シート913と補強板905との間に互いに吸引する磁力があるため、フレキシブルプリント基板90が支持板912に固定される。一実施例において、磁気シート913は支持板912に固定され、補強板905は発光ユニット904に固定され、補強板905と磁気シート913は磁気吸着により固定されると共に、補強板905と磁気シート913は互いに密着される。補強板905と磁気シート913との固定により、発光ユニット904と支持板912との相対的な位置の固定が実現され、製品の構造の安定性が向上される。
【0192】
図51に示されるように、磁気シート913と補強板905は間隔をあけている。支持溝9121の側壁にその溝口に近づく溝側面9122を有し、当該溝側面9122に接続されると共に溝口と支持溝9121の溝底面との間に位置する板密着面9123を更に有し、図に示されるように、本例において、板密着面9123が階段面に形成され、板密着面9123と溝底面9124が間隔をあけられ、補強板905と溝側面9122との間に隙間があり、補強板905は板密着面9123に密着される。支持板912、補強板905と磁気シート913との間に互いに吸引される力があり、支持板912が折り曲げた場合、フレキシブルプリント基板90が偏向力を受け、フレキシブルプリント基板90の支持板912に対する相対的な移動の傾向が発生し、この場合、磁気吸着力により偏向力に対抗する偏向磁気吸着力が発生され、支持板912が折り曲げるにつれて、フレキシブルプリント基板90が受けた偏向力が大きくなり、フレキシブルプリント基板90の受けた偏向力がフレキシブルプリント基板90と磁気シート913との間の偏向磁気吸着力より大きくなる場合、フレキシブルプリント基板90と支持板912はずらされる。
【0193】
バックライトモジュール91の折り曲げ動作が終了し、バックライトモジュール91が平坦に回復する過程において、磁気シート913と補強板905との間に互いに吸引する偏向磁気吸着力があり、発光ユニット904と支持板912が正面で対向する場合の相対的な位置に回復するように誘導され、磁気シート913と補強板905との間にある磁気吸着力が発光ユニット904及び支持板912に対して誘導機能を果たしている。従来技術と比べて、本実施形態における支持板912に溶着部902に対応して支持溝9121が設けられ、支持溝9121を収容するための磁気シート913が追加されており、本実施形態はよりエコ的であり、カプセル化プロセスの過程が必要とされず、生産コストが低下されると共に、磁気吸着の方法によりフレキシブルプリント基板90が支持板912に固定され、フレキシブルプリント基板90と支持板912が直接的に対応して設けられれば、組立てが完了し、取り付けの過程が簡略化される。
【0194】
溝側面9122と板密着面9123を設ける目的は、フレキシブルプリント基板90と支持板912がずらす場合、フレキシブルプリント基板90が磁気シート913に平行な平面に沿って移動し、板密着面9123が補強板905に密着され、即ち、補強板905がフレキシブルプリント基板90と板密着面9123及び溝側面9122との間に位置すること、補強板905が支持板912に対して相対的に移動する場合、フレキシブルプリント基板90が補強板905に従いながら第2面9022に平行な方向に沿って移動し、フレキシブルプリント基板90と支持板912との密着が確保され、この過程における折畳みスクリーン又は曲面スクリーンの不均一な表示又は光のスポットなどの状況が避けられることである。
【0195】
本実施形態において、補強板905に第3面9051と第4面9052が設けられ、第3面9051はフレキシブルプリント基板90の第2面9022に密着され、第4面9052は磁気シート913に正面で対向し、磁気シート913に第5面9131と第6面9132が設けられ、第5面9131は補強板905に向かい、第6面9132は溝底面9124に密着される。本実施形態において、第5面9131の面積は第4面9052の面積より小さく、その働きは、補強板905と磁気シート913との間の磁気範囲がより大きく、補強板905が磁気シート913の吸引力を受ける範囲はより広くなることである。フレキシブルプリント基板90と支持板912との相対的な移動範囲がより大きく、折畳みスクリーン又は曲面スクリーンの曲がる程度もより大きくなる。
【0196】
本実施形態において、補強板905とフレキシブルプリント基板90との密着部分は第3面9051であり、即ち、第3面9051の面積は補強板905のフレキシブルプリント基板90に対する保護面積である。そのため、第3面9051の面積が増加されることで、フレキシブルプリント基板90に対する保護が増強されるが、バックライトモジュール91の折畳みに不利である。本実施形態において、補強板905の保護領域は発光ユニット904に正面で対向し、即ち、第3面9051の領域はボンディングパット903の領域に対応する。バックライトモジュール91の使用過程において、良好な折畳み効果があると共に、補強板905の発光ユニット904に対する保護が影響されない。
【0197】
本実施例は電子機器を更に提供し、
図52及び
図53に示されるように、電子機器92は制御回路板95とケース93とを更に含み、制御回路板95はケース93に収容され、制御回路板95は何れもバックライトモジュール91と導通して接続し、制御回路板95はフレキシブルプリント基板90に電気的に接続され、ケース93に第1エッジ側935が設けられ、支持板912に第1エッジ側935に正面で対向する第2エッジ側9126が設けられ、第2エッジ側9126が第1エッジ側935に固定される。
【0198】
電子機器92は、制御回路板95のフレキシブルプリント基板90から離れる片側にあるアクチュエータ94を更に含み、アクチュエータ94により電子機器92が受けた電圧を調節する。
【0199】
本実施形態において、電子機器92はテレビ、タブレット又は携帯電話であってもよい。バックライトモジュール91は主に折畳みスクリーン又は曲面スクリーンを有する電子機器92に応用される。例えば、電子機器92が携帯電話である場合、ケース93はバックライトモジュール91の折畳み領域に対応して設けられ、ユーザーの使用過程において、バックライトモジュール91はケース93と共に折り曲げ、電子機器92の開きと折畳みが実現される。従来技術と比べて、バックライトモジュール91における補強板905により、バックライトモジュール20は繰返し折り曲げができると共に、フレキシブルプリント基板90における発光ユニット904が損害されず、バックライトモジュール91の使用寿命が増加され、電子機器92の品質が向上される。
【実施例9】
【0200】
発光アセンブリの使用過程において、発光ユニットが大量に発熱するため、発光アセンブリの放熱問題は設計過程において考慮すべき重要なポイントである。例えば、従来技術では、LEDチップの表面に熱伝導体が設けられ、且つファンによる強制対流により熱伝導体から熱が導出され、或いはポンプにより水冷の熱交換を実施するが、放熱過程において、別途でエネルギーが必要とされる。当該問題に対して、本実施例の別の例は、放熱性能が良好である省エネの発光アセンブリを更に提供する。当該発光アセンブリの回路板は上記例におけるフレキシブルプリント基板を採用してもよく、剛性回路板を採用してもよい。本例において回路板を限定しない。
【0201】
本例における発光アセンブリは、駆動チップと自励振動型ヒートパイプとを更に含み、そのうち、回路板はビーズランプ領域と駆動チップ領域とを含み、発光ユニットと駆動チップはそれぞれビーズランプ領域と駆動チップ領域に設けられ、自励振動型ヒートパイプの蒸発部は駆動チップ領域に設けられ、自励振動型ヒートパイプ内に作動媒体が設けられると共に、蒸発部にある作動媒体が駆動チップから離れる方向へ移動し、自励振動型ヒートパイプの凝縮部に近づき、駆動チップ領域の熱は自励振動型ヒートパイプにより駆動チップから離れる凝縮部に伝導されて放熱され、且つ自励振動型ヒートパイプの熱交換形態は受動式熱交換であり、別途で外部により駆動される必要がなく、駆動チップ領域からの熱だけで動作でき、エネルギーが節約される他に、熱伝導効果が優れる。以下、容易に理解するために、本実施例は図面に示される例を参照しながら説明する。
【0202】
本実施例により提供される発光アセンブリは、
図54~
図60に示されるように、回路板101と自励振動型ヒートパイプ104とを含む。
【0203】
回路板101はビーズランプ領域と駆動チップ領域とを含み、ビーズランプ領域に複数の発光ユニット102が設けられ、当該発光ユニット102は上記各実施例に示される発光ユニット102であってもよく、その他の発光ユニット102を採用してもよく、例えば、LEDチップ又はその他の構造のLEDビーズランプを直接的に採用してもよく、これらの発光ユニット102は様々な色の発光ユニットを含むが、これらに限定されず、発光ユニット102はLEDアレイに配置されてもよく、その他の配置方法を採用してもよく、ここで詳しく説明しない。駆動チップ領域は発光ユニット102を駆動して発光させるための駆動チップ103を含むが、これらに限定されず、当該駆動チップ領域にその他のチップが設けられてもよく、1つ又は複数の駆動チップ103を含んでもよい。
【0204】
幾つかの応用例において、
図54に示されるように、回路板101は両面回路板であり、アレイで配置される発光ユニット102が設けられるビーズランプ領域と、駆動チップが回路板101の片側の中央部に設けられる駆動チップ領域とを含み、駆動チップと発光ユニット102がそれぞれ回路板101の両面に配置される。回路板101に複数の駆動チップ103が設けられ、駆動チップ103は回路板101における回路パターンにより発光ユニット102に接続されると共に、発光ユニット102を駆動する。
【0205】
図55に示されるように、本実施例の発光アセンブリは自励振動型ヒートパイプ104を更に含み、当該自励振動型ヒートパイプ104の蒸発部は駆動チップ領域に設けられ、自励振動型ヒートパイプ104内で蒸発部にある作動媒体が駆動チップ103から離れる方向へ移動し、自励振動型ヒートパイプ104の凝縮部に近づく。自励振動型ヒートパイプの蒸発部は駆動チップ領域に設けられ、駆動チップ領域における、例えば、駆動チップ103などのデバイスから放出される熱を導出するために使用されており、通常、駆動チップ103の放熱量が大きく、発光アセンブリの駆動チップ103などのデバイスが設けられる領域が発光アセンブリにおける比較的に高温の領域でもあることは理解すべきである。自励振動型ヒートパイプ104の凝縮部は駆動チップ103から離れる位置に設けられるため、凝縮部が比較的に低温の領域にあり、自励振動型ヒートパイプ104で伝導される熱が効果的に放出される。
図56に示されるように、自励振動型ヒートパイプ104の内部において、液体プラグ1041と気体プラグ1042により構成される作動媒体がランダムに交互に充填され、熱伝導が行わない場合に、これらの作動媒体はバランスよい静止状態にあり、静止状態にある作動媒体は主に気体プラグ1042同士の圧力、液体プラグ1041への毛管力、作動媒体への重力を受ける。外部により加熱される場合、毛管力、重力、及び気体プラグ1042の気泡の熱膨張による圧力は、作動媒体の流れの動力となる。本例において、自励振動型ヒートパイプ内の流体である作動媒体は蒸発部で駆動チップ領域の過量熱を吸収してから、凝縮部まで流れ、熱が凝縮部で空気に放出されることで、駆動チップ領域の放熱効果が果たされる。自励振動型ヒートパイプを応用することで、駆動チップ領域の熱が素早く導出され、且つ自励振動型ヒートパイプは別途で外部による駆動が必要とされず、駆動チップ領域から放出される熱だけで動作でき、省エネ効果が得られ、熱伝導効果が良好である。
【0206】
幾つかの応用例において、発光ユニット102と駆動チップ103は回路板101の同一面で混じりながら配置されず、即ち、発光ユニット102と駆動チップ103は回路板101の同一面の異なる位置にあってもよく、或いは回路板101の異なる面の対応する位置又は対応しない位置にあってもよく、自励振動型ヒートパイプ104が直接的に駆動チップ103に設けられてもよく、その大きさと配置の位置を調整することで、発光ユニット102の発光を阻害することはない。別の幾つかの実施過程において、熱伝導性が優れる回路板101を使用してもよく、発光ユニット102と駆動チップ103が混じりながら回路板の同一面に配置されてもよく、自励振動型ヒートパイプが回路板の別の面に設けられ、自励振動型ヒートパイプにより駆動チップから回路板へ伝導される熱が素早く導出される。
【0207】
幾つかの応用例において、
図57に示されるように、発光アセンブリは熱伝導シート105を更に含み、当該熱伝導シート105は自励振動型ヒートパイプ104と駆動チップ103との間に設けられる。熱伝導シート105により駆動チップ103の熱が自励振動型ヒートパイプ104に均一に伝導され、自励振動型ヒートパイプ104の実際の放熱効率が向上される。当該熱伝導シートは銅シート又はその他の熱伝導性の良い材料により形成される熱伝導シートであってもよい。
【0208】
幾つかの応用例において、熱伝導シート105と自励振動型ヒートパイプ104及び/又は駆動チップ103との間にシリコーングリースが設けられる。一例として、熱伝導シート105の両面にシリコーングリースが設けられ、熱伝導シート105の一面が駆動チップ領域に密着されて、駆動チップ領域の駆動チップ103に接触され、自励振動型ヒートパイプ104は熱伝導シート105の別の面に密着される。実際の応用において、熱伝導シート105が駆動チップ103又は自励振動型ヒートパイプ104に接触される領域だけにシリコーングリースが設けられてもよく、熱伝導シート105の両面にそれぞれ全体的にシリコーングリースが設けられてもよい。シリコーングリースを設けることで、熱伝導シート105と自励振動型ヒートパイプ104及び/又は駆動チップ103との接続に繋がるだけでなく、シリコーングリースにより熱伝導の接触面積が拡大され、熱伝導の効率が保証できる。
【0209】
幾つかの応用例において、自励振動型ヒートパイプ104は放熱リブを含み、当該放熱リブは自励振動型ヒートパイプ104のパイプに接触し、自励振動型ヒートパイプ104のパイプにおける熱は放熱リブに伝導され、放熱リブにより放熱され、追加される放熱リブにより自励振動型ヒートパイプの有効放熱面積が増大され、熱が空気により高効率的に放出される。放熱リブは具体的に凝縮部に設けられると共に、凝縮部のパイプに接触し、凝縮部の熱が素早く放出される。無論、本実施例は、放熱リブは自励振動型ヒートパイプのその他の位置に設けられる可能性を排除するものではなく、例えば、放熱リブが凝縮部から自励振動型ヒートパイプの、蒸発部と凝縮部との間にある断熱部まで設けられてもよい。
【0210】
幾つかの応用例において、例えば、
図58及び
図59に示されるように、自励振動型ヒートパイプの凝縮部は回路板から露出してもよく、そのうち、
図58は回路板101の発光ユニット102が設けられる面を示し、
図59は回路板101の駆動チップ103が設けられる面を示す(発光ユニットと駆動チップは図示せず)。自励振動型ヒートパイプ104の凝縮部は回路板101以外の領域に設けられ、回路板101の駆動チップ領域の熱が自励振動型ヒートパイプ104により導出された後、回路板101以外に伝導されて放熱されることで、放熱の効果が更に保証され、大量の熱が回路板101に溜まることは避けられる。なお、実際の応用において、当該自励振動型ヒートパイプ104の凝縮部は回路板から露出するが、当該発光アセンブリが使用される発光装置の内部にある。凝縮部が回路板101以外の領域にあるため、その周辺に大きなスペースがあり、これらの実施形態において、放熱リブは当該凝縮部に差し込まれる構造となるように設けられてもよく、例えば、
図60に示される放熱リブ106の具体的な構造において、放熱リブ106は全体的に矩形シート状であり、放熱リブ106に複数の貫通孔1061が開設され、各貫通孔1061の孔径は自励振動型ヒートパイプ104のパイプの外径と一致し、自励振動型ヒートパイプ104のパイプがこれらの貫通孔1061を通過することで、放熱リブ106が自励振動型ヒートパイプ104のパイプに設けられると共に、パイプに接触させられ、自励振動型ヒートパイプ104に複数の放熱リブ106が設けられることで、放熱効率が向上される。
【0211】
幾つかの応用例において、駆動チップ領域に複数の駆動チップ103が設けられ、各駆動チップ103の少なくとも一部が自励振動型ヒートパイプ104の蒸発部の回路板101における投影に覆われる。即ち、自励振動型ヒートパイプ104は駆動チップ領域の全ての駆動チップ103を完全に覆うことで、各駆動チップ103の熱が効果的に導出されることを保証する。幾つかの例において、自励振動型ヒートパイプ104と駆動チップ130との間に熱伝導シート105が設けられ、熱伝導シート105の大きさは駆動チップ領域の大きさ以上に設けられてもよく、熱伝導シート105は同様に全ての駆動チップ103を覆い、自励振動型ヒートパイプ104が当該熱伝導シート105の別の面に設けられる。更に
図59に示されるように、本実施例の自励振動型ヒートパイプ104は複数のU型パイプを含み、U型パイプ同士がU型ベンド管により連通され、自励振動型ヒートパイプ104の内部が循環されて導通されると共に、U型パイプの長さ方向における両端はそれぞれ蒸発部と凝縮部である。即ち、自励振動型ヒートパイプ内の流体である作動媒体が同じ方向に向かって流れ続けると、元の位置に戻ることができる。これらのU型パイプが順に配列され、且つU型パイプ同士の隙間が狭く設けられ、即ち、U型パイプ同士が緊密に配列され、同じ面積範囲内でより多くのU型パイプが設けられることができ、放熱能力が保証される。その他の実施形態において、自励振動型ヒートパイプはその他の形状に取り替えてもよく、ここで詳しく説明しない。
【0212】
本実施例の発光アセンブリは回路板と自励振動型ヒートパイプとを含み、自励振動型ヒートパイプの蒸発部は回路板の駆動チップ領域に設けられ、凝縮部の位置は当該駆動チップ領域から離れ、自励振動型ヒートパイプにより駆動チップ領域の熱が導出されると共に、凝縮部で放熱され、別途でエネルギーにより駆動される必要がなく、省エネとなる。また、自励振動型ヒートパイプは微小化構造に製造されることに有利であり、均一に熱伝導でき、発光アセンブリにおけるスペースが小さくても、良好な効果が発揮できる。
【0213】
本願の上記各実施例の記載によれば、上記各実施例により提供されるLEDブラケット、発光ユニット及び発光アセンブリは様々な発光分野に応用でき、例えば、バックライトモジュールに製造されてディスプレイバックライト分野(テレビ、ディスプレイ、携帯電話などの端末のバックライトモジュールであってもよい)、ボタンバックライト分野、撮影分野、家庭用照明分野、医療用照明分野、装飾分野、自動車分野、交通分野などに応用されることが分かる。ボタンバックライト分野に応用される場合、携帯電話、計算機、キーボードなどのボタンを有するボタンバックライト光源としてもよく、撮影分野に応用される場合、カメラのフラッシュランプに製造されてもよく、家庭用照明分野に応用される場合、フロアランプ、スタンド、照明灯、シーリングライト、ダウンライト、投光器などに製造されてもよく、医療用照明分野に応用される場合、無影灯、低電磁照明灯に製造されてもよく、装飾分野に応用される場合、例えば、様々なイルミネーション、景観照明灯、広告灯などの様々な装飾灯に製造されてもよく、自動車分野に応用される場合、自動車ランプ、自動車表示灯などに製造されてもよく、交通分野に応用される場合、様々な交通信号灯に製造されてもよく、様々な街灯に製造されてもよい。上記応用は本実施例に示される幾つかの応用に過ぎず、本実施例における発光装置の応用は上記例の分野に限定されないことは理解すべきである。
【0214】
本願の応用は上記例に限定されるものではなく、当業者にとって、上記説明を基に改善又は変換してもよく、これらの全ての改善及び変換は本願の添付される特許請求の保護範囲内に含まれることは理解すべきである。