(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】不正者端末用の通信検出器
(51)【国際特許分類】
G08B 25/10 20060101AFI20240815BHJP
G08B 21/00 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
G08B25/10 A
G08B21/00 A
(21)【出願番号】P 2024514457
(86)(22)【出願日】2023-12-18
(86)【国際出願番号】 JP2023045363
【審査請求日】2024-04-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517125650
【氏名又は名称】株式会社テレ・ポーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】河本 浩樹
(72)【発明者】
【氏名】滝川 政志
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第202102566(CN,U)
【文献】中国実用新案第201689514(CN,U)
【文献】国際公開第2014/119338(WO,A1)
【文献】特開2017-174162(JP,A)
【文献】中国実用新案第201051742(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 21/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定領域内で不正者が所持する不正者端末による通信の有無を検出する通信検出器であって、
前記不正者を監視するために前記特定領域内を移動する監視者により所持される本体と、
前記本体に設けられてプログラムが記憶され、かつ、前記不正者端末と前記不正者が身体に装着するウェアラブル端末との間で通信が行われたか否かを判断するための閾値が記憶された記憶装置と、
前記本体に設けられ、かつ、前記記憶装置に記憶された前記プログラムを読み込んで処理を実行する制御回路と、
前記本体に設けられたアラート発生器と、
を有し、
前記制御回路は、
前記不正者端末と前記ウェアラブル端末との間における通信強度と前記閾値とを比較することにより、前記不正者端末と前記ウェアラブル端末との間で通信が行われたか否かを判断する第1処理と、
前記不正者端末と前記ウェアラブル端末との間で通信が行われたと判断されると、前記アラート発生器でアラートを発生させる第2処理と、
を実行する、不正者端末用の通信検出器。
【請求項2】
請求項1記載の不正者端末用の通信検出器であって、
前記制御回路は、
前記特定領域に置かれている複数のテーブルのそれぞれ
を識別する第3処理と、
前記複数のテーブルのうち、前記ウェアラブル端末との間で通信が行われた前記不正者端末を所持している不正者が利用しているテーブルを特定する第4処理と、
を更に実行する、不正者端末用の通信検出器。
【請求項3】
請求項2記載の不正者端末用の通信検出器であって、
前記本体には、前記不正者端末と前記ウェアラブル端末との間で通信される電波信号を受信するアンテナが、更に設けられ、
前記制御回路は、前記特定領域内における前記監視者の移動経路を判断する第5処理を更に実行し、
前記制御回路が実行する前記第4処理は、前記監視者が所定のテーブルの両側をそれぞれ移動し、かつ、前記所定のテーブルの両側でそれぞれ前記アンテナが電波信号を受信した場合に、前記不正者が利用しているテーブルを特定する、不正者端末用の通信検出器。
【請求項4】
請求項1記載の不正者端末用の通信検出器であって、
前記特定領域は、受験会場を含み、
前記不正者は、受験者を含む、不正者端末用の通信検出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、特定の領域内の不正者端末で通信が行われているかどうかを検出する不正者端末用の通信検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の領域内で行われる不正者端末の通信を検出する不正者端末用の通信検出システムの一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されている通信検出システムは、複数の電波検出装置(通信検出器)及び電子機器を有する。複数の電波検出装置は、第1の通信方式での無線通信が禁止または制限された特定の領域内に設置される。各電波検出装置は、第1の通信方式での無線通信による電波を検出する検出部と、電波検出装置を一意に識別するための装置識別情報及び前記検出部の検出結果を含む報告信号を第2の通信方式で送信する送信部と、閾値を設定する閾値設定部と、を備えている。また、検出部は、第1の通信方式での無線通信による電波を受信する受信部と、受信部が受信した電波に基づく信号強度が閾値以上であれば、第1の通信方式による無線通信が行われていると判定する判定部と、を有する。
【0003】
各電波検出装置は、試験会場の受験者用の机の両端にそれぞれ配置されている。受験者用の机は、試験会場に行列状に配置されている。電子機器は、試験会場の試験官用の机に配置されている。電子機器と電波検出装置との間で無線通信可能である。電波検出装置は、受験者が携帯端末(不正者端末)を用いて第1の通信方式、つまり、セルラー方式により外部と無線通信が行われていると判定すると、その判定結果を含む報告信号を電子機器へ送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明者は、特許文献1記載されている通信検出システムによると、不正者端末が外部の基地局から受信する到来電波(下り電波)の強度は、不正者端末と基地局との距離等に応じて変動し、不正者端末から発信される上り電波を検出する判定部は、判定に用いる閾値を上り電波の強度に応じて変更する必要がある、という課題、電波検出装置を各机に設けなければならずコストが上昇するという課題、全ての電波検出装置について閾値の設定を行なわなければならず、管理が面倒である、という課題を認識した。
【0006】
本実施形態の目的は、不正者端末とウェアラブル端末との間で通信が行なわれているかどうかを判定するために記憶装置に記憶されている閾値を変更せずに済み、かつ、コストを低減可能であり、かつ、管理が容易な不正者端末用の通信検出器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態は、特定領域内で不正者が所持する不正者端末による通信の有無を検出する不正者端末用の通信検出器であって、前記不正者を監視するために前記特定領域内を移動する監視者により所持される本体と、前記本体に設けられてプログラムが記憶され、かつ、前記不正者端末と前記不正者が身体に装着するウェアラブル端末との間で通信が行われたか否かを判断するための閾値が記憶された記憶装置と、前記本体に設けられ、かつ、前記記憶装置に記憶された前記プログラムを読み込んで処理を実行する制御回路と、前記本体に設けられたアラート発生器と、を有し、前記制御回路は、前記不正者端末と前記ウェアラブル端末との間における通信強度と前記閾値とを比較することにより、前記不正者端末と前記ウェアラブル端末との間で通信が行われたか否かを判断する第1処理と、前記不正者端末と前記ウェアラブル端末との間で通信が行われたと判断されると、前記アラート発生器でアラートを発生させる第2処理と、を実行する、不正者端末用の通信検出器を開示している。
【発明の効果】
【0008】
本実施形態において、不正者端末とウェアラブル端末との間では通信強度が一定であるため、不正者端末用の通信検出器が、不正者端末とウェアラブル端末との間で通信が行なわれているかどうかを判定するために記憶部に記憶されている閾値を変更せずに済む、という効果と、不正者端末用の通信検出器の数を低減可能であるためコストを低減できるという効果と、多数の通信検出器の記憶部に記憶されている閾値を変更せずに済むため、通信検出器の管理が容易であるという効果と、を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】不正者端末用の通信検出器及び通信検出コンピュータ及び通信検出システムの一例を示すブロック図である。
【
図2】特定領域の一例である受験会場を模式的に示す平面図である。
【
図3】通信検出システムで行われる通信管理方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(背景)
携帯電話端末の通信状況を検出する技術は、例えば、特開2010-68461号公報、特開2010-109913号公報、特開2011-24131号公報等に開示されていた。これらの文献では、振込め詐欺の被害が社会問題となった頃に携帯電話感受装置という、携帯電話端末から発する電波を感知すると備え付きスピーカーから注意喚起のアナウンスが発報するものである。特に、還付金詐欺は近所のATM(Automatic Teller Machine:現金自動預け払い機)があるコーナーまで携帯電話によって誘導され、さらに、振込操作も誘導されることが要因であったため、ATMコーナーで携帯電話で通話をしている人がいた場合、壁面に設置した携帯電話の上りCH(チャンネル)の電波を検知して発報する仕組の物であった。
【0011】
ただ、携帯電話端末から発する上りCHの電波の強度と互換性が、携帯電話基地局の下りの電波環境によって異なる。例えば、基地局からの到来電波が弱い場合には、上りCHの電波の強度は強く、逆に基地局からの到来電波が強い場合は、上りCHの電波の強度は弱くなる。したがって、当機能を継続するためには、ATMコーナー毎に、周辺の基地局から到来する電波環境の変化に対する最適な閾値への変更が要求される。仮に、電波強度の変化毎に閾値の変更をしない場合、ATMコーナー外の通行人が使用する携帯電話からの電波も感知してしまい、注意喚起のアナウンスが止まない状況となり、実効性に乏しかった。本開示の通信検出器は、このような課題に対応する技術を提供する。
【0012】
(本件の概要)
本実施形態では、不正者端末用の通信検出器及び通信検出コンピュータ及び通信検出システムの一例が、図面を参照して説明されている。
図1のように、通信検出システム10は、不正者端末とウェアラブル端末との間で近距離無線通信が行われたか否かを検出する不正通信検出システムである。通信検出システム10は、通信検出コンピュータ11、及び不正者端末用の通信検出器の一例である携帯型検出器12を備えている。通信検出コンピュータ11と携帯型検出器12との間で双方向通信ができる。複数の監視者14は、特定領域で移動、例えば、
図2に示す受験会場13内で移動できる。複数の監視者14は、それぞれ携帯型検出器12を所持する。通信検出システム10は、受験者15が所持している受験者端末(不正者端末)16と、ウェアラブル端末17,18との間で相互に近距離無線通信、例えば、電波通信が行われたか否かを検出するシステムである。受験者端末16とウェアラブル端末17,18との間における近距離無線の通信強度は、略一定である。このため、受験者端末16と、ウェアラブル端末17,18との間で相互に近距離無線通信が行われたか否かを判断するために、携帯型検出器12の記憶装置に記憶されている閾値を変更せずに済む。
【0013】
(受験会場)
図2は、受験会場13の一例を示す平面図である。受験会場13は、建築物内に設けられている。受験会場13は、第1側壁21、第2側壁22、第3側壁23、第4側壁24により区画された空間である。
図2では、第1側壁21と第3側壁23とが平行に配置され、第2側壁22と第4側壁24とが平行に配置された例を示している。受験会場13を真上から平面視すると、受験会場13は、四角形、例えば、長方形または正方形である。受験会場13には、第2側壁22と第4側壁24との間に複数列のテーブル列A1,A2,A3,A4,A5,A6が配置されている。テーブル列A1,A2,A3,A4,A5,A6のそれぞれは、第1側壁21と第3側壁23との間に間隔をおいて配置された複数のテーブル25を有する。
【0014】
そして、テーブル列とテーブル列との間にそれぞれ通路26が設けられている。通路26は、第2側壁22及び第4側壁24に沿って配置されている。また、第1側壁21とテーブル列A1,A2,A3,A4,A5,A6との間に通路27が設けられている。第2側壁22とテーブル列A6との間に通路28が設けられている。さらに、第3側壁23とテーブル列A1,A2,A3,A4,A5,A6との間に通路29が設けられ、第4側壁24とテーブル列A1との間に通路30が設けられている。
【0015】
さらに、受験会場13で異なる複数箇所、例えば、受験会場13の4隅には、
図1に示す中継器31が設けられている。中継器31は、近距離無線用の中継器であり、例えば、Wi-Fi(登録商標)アクセスポイント、ビーコン等を含む。Wi-Fiアクセスポイントは、無線LAN規格の電波信号を送信及び受信する。ビーコンは、近距離無線の電波信号、例えば、Bluetooth (登録商標)規格の電波信号を送信及び受信する。
【0016】
(受験者)
受験者15は、受験会場13へ電子機器を持ち込むことが制限されているため、電子機器の電源をオフにして鞄内へ収納することが決められている。受験者15が所持している電子機器は、受験者端末16、ウェアラブル端末17,18等を含む。ウェアラブル端末17,18は、受験者端末16との間で近距離無線通信を行なえる通信機器である。ウェアラブル端末17,18は、受験者15の身体に装着されているもの、テーブル25上に置かれているもの、のうちの何れでもよい。受験者端末16は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等を含む。受験者端末16は、制御回路、表示部、操作部、通信装置、記憶装置等を有するコンピュータである。
【0017】
通信装置は、中継器31との間でWi-Fi通信が可能である。記憶装置には、制御回路により読み込まれる非一時的なプログラム、非一時的なアプリケーション、各種の情報及びデータが格納されている。表示部は、例えば、ディスプレイであり、表示部は、文字、映像、画像等を表示する。操作部は、受験者15により操作される。制御回路は、記憶装置に記憶されている非一時的なプログラム、非一時的なアプリケーション、各種の情報及びデータ、操作部の操作内容等に応じて各種の処理、判断、制御等をおこない、表示部の表示内容、通信装置の入力信号及び出力信号を処理する。
【0018】
ウェアラブル端末17は、中継器31との間で相互に通信が可能な電子機器であり、ウェアラブル端末17は、例えば、カメラ付き時計、カメラ付き指輪、カメラ付きネックレス、カメラ付きペンダント、カメラ付きペン等を含む。ウェアラブル端末17は、受験者端末16により制御される。そして、ウェアラブル端末17は、カメラで撮影した映像を電波信号に変換して、受験者端末16へ送ることができる。
【0019】
ウェアラブル端末18は、受験者端末16との間で中継器31を介さずに相互に通信が可能な電子機器である。ウェアラブル端末18は、受験者端末16により制御される。ウェアラブル端末18は、例えば、音声を出力する音声イヤホンを含む。ウェアラブル端末17,18は、受験者15の身体へ装着することができる機器である。また、受験者端末16は、受験会場13の外部に設置されている基地局32を介して、協力者端末33との間で相互に通信が可能である。協力者端末33は、受験会場13の外に居る協力者により操作されるコンピュータである。
【0020】
このため、受験者15は、受験問題をウェアラブル端末17に含まれるカメラで撮影し、その映像を基地局32を介して協力者端末33へ送ることができる。協力者は、協力者端末33から受験問題の解答、例えば、映像、画像、文章、音声を、基地局32を介して受験者端末16へ送ることができる。受験者15は、受験者端末16を操作して、解答を目視すること、または、ウェアラブル端末18のイヤホンで解答の音声を聞くこと、等の不正行為を行ない得る。
【0021】
(通信検出コンピュータ)
通信検出コンピュータ11は、受験管理者により運営される。通信検出コンピュータ11は、制御回路40、補助記憶装置41、通信装置42、操作部43等を備えたコンピュータである。通信検出コンピュータ11は、サーバ、ワークステーション、メインフレーム、スーパーコンピュータ等のうち、何れの形態であってもよい。また、通信検出コンピュータ11は、単数型コンピュータ、または、分散型コンピュータの何れでもよい。通信装置42は、電波または電気、光を受信及び発信して、ネットワークを介して携帯型検出器12との間で相方向通信を行なう無線通信機である。
【0022】
補助記憶装置41には、非一時的なアプリケーション、非一時的なプログラム、各種の情報及びデータ等が、記憶されている。各種の情報及びデータ等は、受験会場13の情報及び受験者情報を含む。受験会場13の情報は、受験会場13を真上から平面視した模式図と、受験会場13に配置されている複数のテーブル列の数、及び各テーブル列の位置、各テーブル列に含まれる各テーブル25の数及び各テーブル25の位置、各テーブル25毎にそれぞれ付されたテーブル識別番号、等を含む。各テーブル25毎にテーブル識別番号は異なり、テーブル識別番号により、各テーブル25を識別できる。
【0023】
また、受験者情報は、各テーブル列の各テーブル25に対応して着席する各受験者15の受験番号及び氏名を含む。受験番号は、各受験者15毎に異なり、各受験者15を識別できる。各受験者15の受験者情報と、各テーブル25毎に付された識別番号とが関連付けられている。このため、複数の受験者15が同一のテーブル25に対応する椅子へ着席していても、テーブル25及び受験者15をそれぞれ特定できる。操作部43は、受験管理者により操作される。受験管理者は、操作部43を操作して、受験会場13の情報及び受験者情報の更新、変更、訂正等を行なえる。
【0024】
制御回路40は、演算処理回路、主記憶装置、入力ポート、出力ポート、等を備えている。制御回路40は、操作部43、補助記憶装置41及び通信装置42との間で、相互に通信することができる。制御回路40は、補助記憶装置41に記憶されている非一時的なアプリケーション、非一時的なプログラム等を読み込むことにより、各種の処理、例えば、判断、比較、制御を行ない、かつ、各種の処理結果を補助記憶装置41へ記憶する。補助記憶装置41には、各種の情報及びデータが蓄積される。
【0025】
制御回路40は、各種の処理を行なうために、情報処理部44及び中継器制御部45を構成する。情報処理部44は、受験会場13の情報、受験者情報、携帯型検出器12から取得する情報、携帯型検出器12へ送る情報、等を処理する。
【0026】
(携帯型検出器)
携帯型検出器12は、各監視者14がそれぞれ所持して受験会場13内を移動、つまり、歩行できるようなサイズ及び重量で構成されている。携帯型検出器12は、監視者14の身体の一部、例えば、衣服のポケット、衣服のベルト等へ着脱することができる構造を有する。携帯型検出器12は、本体63、制御回路50、補助記憶装置51、通信装置52、操作部53、アンテナ54、アラート発生器55、電源56等を備えたコンピュータである。本体63は、合成樹脂または金属により構成されたケーシングであり、制御回路50、補助記憶装置51、通信装置52、操作部53、アンテナ54、アラート発生器55、電源56は、本体63に設けられている。
【0027】
通信装置52は、電波または電気、光を受信及び発信して、中継器31を介するか、または、中継器31を介することなく、通信検出コンピュータ11との間で相方向通信を行なう無線通信器である。補助記憶装置51には、非一時的なアプリケーション、非一時的なプログラム、各種の情報及びデータ等が記憶される。補助記憶装置51に記憶される各種の情報及びデータは、通信検出コンピュータ11から取得した情報及びデータ、携帯型検出器12で検出される情報及びデータ、通信検出コンピュータ11から取得せずに予め記憶される情報及びデータを含む。
【0028】
操作部53は、監視者14により操作される。監視者14が操作部53を操作すると、補助記憶装置51に記憶される閾値の設定を行なえる。閾値は、携帯型検出器12で電波信号を受信したか否かを判断するために用いれる基準値である。なお、携帯型検出器12は、通信検出コンピュータ11から取得した閾値を補助記憶装置51へ記憶する処理を実行することもできる。アンテナ54は、制御回路50に接続されており、アンテナ54は、受験者端末16とウェアラブル端末17,18との間における上りの電波信号、及び下りの電波信号を受信できる。上りの電波信号は、ウェアラブル端末17,18から受験者端末16へ送られる電波信号である。下りの電波信号は、受験者端末16からウェアラブル端末17,18へ送られる電波信号である。
【0029】
制御回路50は、演算処理回路、主記憶装置、入力ポート、出力ポート、等を備えている。制御回路50は、操作部53、補助記憶装置51、アラート発生器55、通信装置52との間で、相互に通信することができる。制御回路50は、補助記憶装置51に記憶されている非一時的なアプリケーション、非一時的なプログラム等を読み込んで起動し、補助記憶装置51に記憶されている閾値、操作部53の操作内容、アンテナ54で受信される電波信号、通信検出コンピュータ11から取得した情報及びデータ等に基づいて、各種の処理、例えば、判断、比較、制御を行ない、かつ、各種の処理結果を補助記憶装置51へ記憶する。
【0030】
制御回路50は、受験者端末16からウェアラブル端末17,18へ送信される電波信号(下り)、受験者端末16がウェアラブル端末17,18から受信する電波信号(上り)のうち、少なくとも一方の電波信号の有無を検出できる。また、制御回路50は、検出した実際の電波信号の強度が、補助記憶装置51に記憶されている閾値を超えたか否かを判断できる。さらに、制御回路50は、アラート発生器55を制御する。制御回路50は、行った処理、制御、判断結果を含む情報及びデータを、通信検出コンピュータ11へ常時送ることができる。
【0031】
制御回路50は、各種の処理、制御、判断等を行なうために、情報処理部57、電波信号処理部58、及びアラート制御部62を構成する。情報処理部57は、受験会場13の情報、及び受験者情報等を処理する。電波信号処理部58は、アンテナ54が受信した電波信号を処理する。アラート制御部62は、受験者端末16とウェアラブル端末17,18との間で電波信号による通信が行われた場合に、アラート発生器55でアラートを発生させる。
【0032】
アラート発生器55は、表示部59、振動モータ60、イヤホン61、等を含む。表示部は、ディスプレイ、発光ダイオード(LED:light-emitting diode)ランプ等を含む。ディスプレイは、受験会場13の情報及びデータ、通信検出コンピュータ11から取得した指令等を表示できる。振動モータ60は、電力が供給されると本体63を振動させる電動モータである。イヤホン61は、通信装置52へ無線または有線で接続されている。イヤホン61は、監視者14の耳へ装着される。イヤホン61は、通信装置52から出力される信号に応じた音声を出力する。また、イヤホン61は、振動機能を備えた骨伝導イヤホンであってもよい。電源56は、本体63に搭載されている電子部品、例えば、振動モータ60、表示部59等へ電力を供給するバッテリである。バッテリは、充電及び放電が可能な二次電池である。
【0033】
(通信検出方法)
図3のフローチャートは、通信検出システム10で実行される通信検出方法の一例である。通信検出コンピュータ11は、ステップS10において、各種の情報、データ、制御信号等を携帯型検出器12へ送る。通信検出コンピュータ11は、ステップS10において、例えば、受験会場13の情報及び受験者情報を携帯型検出器12へ送る。また、通信検出コンピュータ11は、ステップS10において、各種の情報、データ等を携帯型検出器12から取得して処理できる。通信検出コンピュータ11は、ステップS10において、例えば、各携帯型検出器12から監視者14の位置情報を取得して処理し、かつ、各監視者14の位置情報をそれぞれ補助記憶装置41へ記憶する。なお、通信検出コンピュータ11は、ステップS10の処理を常時行える。
【0034】
各監視者14の位置情報は、
図2に示す受験会場13において、携帯型検出器12を所持している各監視者14を識別する情報、各監視者14の現在位置、及び各監視者14の移動経路を含む。各監視者14を識別する情報は、受験会場13に居る監視者14の人数、各監視者14を識別する識別記号、各監視者14がそれぞれ所持している携帯型検出器12を識別する識別記号、等を含む。各監視者14の現在位置は、受験会場13内で各監視者14がそれぞれ居る位置である。各監視者14の現在位置は、例えば、各監視者14がテーブル列A1,A2,A3,A4,A5,A6の間にある通路26のうちの何れに居るか、各監視者14が、通路27,28,29,30の何れに居るか、各監視者14が、何れのテーブル25同士の間に居るか、等を含む。各監視者14の移動経路は、各監視者14の現在位置の移動履歴から判断される。
【0035】
監視者14の移動経路は、監視者14が何れのテーブル列と何れのテーブル列との間を移動したか、監視者14が何れの通路を移動したか、監視者14が何れの移動方向で移動したか、を意味する。監視者14の移動方向は、監視者14が第1側壁21から第3側壁23へ向けて移動する第1方向B1と、監視者14が第3側壁23から第1側壁21へ向けて移動する第2方向B2と、監視者14が第2側壁22から第4側壁24へ向けて移動する第3方向B3と、監視者14が第4側壁24から第2側壁22へ向けて移動する第4方向B4と、を含む。
【0036】
監視者14は、ステップS20で携帯型検出器12を操作して閾値を設定し、設定した閾値を補助記憶装置51へ記憶させる。また、携帯型検出器12は、閾値を通信検出コンピュータ11へ送る。通信検出コンピュータ11は、取得した閾値を補助記憶装置41へ記憶する。閾値は無線信号の電波強度(dBm:decibels relative to a milliwatt)であり、かつ、受験者端末16とウェアラブル端末17,18との間で通信が行われているか否かを判断するための基準値である。例えば、電波信号の周波数が2.4Ghzの場合は、閾値として“-65dBm”を設定でき、電波信号の周波数が5.0Ghzの場合は、閾値として“-60dBm”を設定できる。監視者14は、ステップS20の操作を行った後、携帯型検知器を所持して試験会場内で移動、つまり、歩行する。
【0037】
携帯型検出器12は、ステップS21において、通信検出コンピュータ11から各種の情報、データ、制御信号等を取得する。携帯型検出器12は、ステップS21において、通信検出コンピュータ11から、例えば、受験会場13の情報及び受験者情報を取得して処理し、かつ、補助記憶装置51へ記憶する。携帯型検出器12は、ステップS21において、通信検出コンピュータ11へ各種の情報、データ等を送る。携帯型検出器12は、ステップS21において、例えば、受験が行われている間、監視者14の位置情報を生成し、生成した位置情報を補助記憶装置51へ記憶し、かつ、通信検出コンピュータ11へ送る。なお、携帯型検出器12は、ステップS21の処理を常時実行できる。
【0038】
監視者14の位置情報に含まれる現在位置は、例えば、携帯型検出器12が、中継器31に含まれる複数のアクセスポイントから受信する電波信号の強度、各アクセスポイントから携帯型検出器12までの電波信号の到達時間の差、等に基づいて判断できる。また、監視者14の現在位置は、携帯型検出器12が、中継器31に含まれる複数のビーコンから受信する信号の強度、各ビーコンから携帯型検出器12までの信号の到達時間の差、等に基づいて判断できる。
【0039】
携帯型検出器12は、ステップS22において、電波信号を検知したか否かを判断する。携帯型検出器12は、ステップS22でYesと判断すると、ステップS23において、電波信号を検出したこと及びその位置を表示部59で出力する。電波信号を検出したことは、例えば、表示部59に含まれる発光ダイオードランプを点灯させる。
【0040】
また、携帯型検出器12は、ステップS24において、監視者14が、何れか1つのテーブル列、例えば、テーブル列A1のうち、第1側壁21から○番目に位置するテーブル25の両側の通路26,30のそれぞれを、第1方向B1及び第2方向B2の少なくとも1つの方向に沿って歩行した場合に、電波信号を検出したか否かを判断する。
【0041】
ここで、所定のテーブル25の両側の通路26,30を歩行した監視者14が、同一人であるか別人であるかは問わない。携帯型検出器12は、監視者14の移動履歴に基づいて、ステップS24の判断を行なう。ステップS24の判断により、受験者端末16と通信を行なっている受験者15が居る単数のテーブル25を特定できる。携帯型検出器12は、ステップS24でYesと判断すると、ステップS25において、検出された電波信号の強度が、閾値を超えたか否か、つまり、受験者端末16による通信の有無を判断する。ステップS25の判断に用いられる閾値は、ステップS20で設定されたものである。
【0042】
なお、携帯型検出器12は、ステップS22でYesと判断した場合、ステップS24を実行せずにステップS25に進むこともできる。さらに、通信検出コンピュータ11が、ステップS22でYesと判断された情報を、ステップS10で何れかのテーブル25の片側の通路に位置する携帯型検出器12から取得した場合に、他の携帯型検出器12に対し、“テーブル25の反対側の通路を歩行してください”という指令信号を送ることも可能である。この指令信号を受信した携帯型検出器12を所持している監視者14は、指令を受けた“テーブル25の反対側の通路”を歩行できる。
【0043】
携帯型検出器12は、ステップS25でYesと判断する、つまり、受験者端末16で通信が行われたと判断すると、ステップS26でアラートを発生する。携帯型検出器12が発生するアラートは、発行ダイオードランプの点滅、発光ダイオードランプの点灯、振動モータ60による携帯型検出器12の本体の振動、イヤホン61に含まれる骨電動イヤホンの振動、イヤホン61における音声出力、等のうちの何れでもよい。携帯型検出器12が発生するアラートが、発光ダイオードランプの点灯または点滅である場合、電波信号強度に応じて、点灯させる発光ダイオードランプの数を異ならせてもよい。例えば、検出された電波強度が高くなることに伴い、点灯させる発光ダイオードランプの数を増加させることができる。
【0044】
監視者14は、アラート発生器55がアラートを発生した現在位置から、最も近いテーブル25に座っている受験者15について、身体または鞄等に携帯型検出器12を接近させることで、受験者端末16で電波信号の通信を行なった1名の受験者15を特定できる。携帯型検出器12は、受験者15が特定されると、特定された受験者15の情報、つまり、不正受験者情報を通信検出コンピュータ11へ送り、ステップS22へ進む。不正受験者情報は、受験番号及び氏名である。
【0045】
なお、携帯型検出器12は、ステップS22でNoと判断した場合、または、ステップS24でNoと判断した場合、または、ステップS25でNoと判断した、つまり、受験者端末16で通信が行われていないと判断した場合は、ステップS22へ進む。通信検出コンピュータ11は、ステップS11において携帯型検出器12から不正情報を取得して処理し、かつ、補助記憶装置41へ記憶する。
【0046】
(応用例)
通信検出システム10で行われる通信検出方法の応用例は、次のようなものを含む。例えば、通信検出コンピュータ11が
図3のステップS22、ステップS24、ステップS25の判断を行なうこともできる。具体的に説明すると、携帯型検出器12がステップS22でYesと判断した場合に、その事実を示す情報、及びその他の情報を、携帯型検出器12から通信検出コンピュータ11へ送る。すると、通信検出コンピュータ11の制御回路40は、
図3のステップS10において、携帯型検出器12から、“受験者端末16で電波通信が行われた”という情報を取得する。
【0047】
そして、通信検出コンピュータ11は、ステップS10の後にステップS24及びステップS25の判断を行ない、通信検出コンピュータ11がステップS25でYesと判断すると、通信検出コンピュータ11は、再度、ステップS10で携帯型検出器12へアラートを発生する制御信号を送る。すると、携帯型検出器12がステップS26の処理を実行する。なお、複数の携帯型検出器12がテーブル25の両側の通路で電波信号を受信した場合、通信検出コンピュータ11は、ステップS26において、複数の携帯型検出器12へそれぞれ制御信号を送る。
【0048】
(実施形態の効果)
基地局32と受験者端末16との間における通信電波、具体的には到達電波(下り)の強度は、環境、例えば、基地局32と受験者端末16との距離、受験者端末16と基地局32との間に存在する障害物の有無、障害物の数、障害物の密度、障害物の高さ、天候、等の外乱により変動する。このため、受験者端末16が基地局32から受信する到達電波の実際の強度と閾値とを比較して、受験者端末16と基地局32と間における通信の有無を判断しようとすると、環境に応じて閾値を変更しなければならず、かつ、受験者端末16と基地局32との間における通信の有無の判断結果も不正確になる可能性がある。
【0049】
これに対して、本実施形態の携帯型検出器12は、受験者端末16とウェアラブル端末17,18との間で行われる電波通信の強度と、補助記憶装置51に記憶されている閾値とを比較して、受験者端末16とウェアラブル端末17,18との間で通信が行われているか否かを判断する。そして、受験者端末16及びウェアラブル端末17,18は、同じ受験会場13内に存在しており近距離通信を行う。このため、受験者端末16とウェアラブル端末17,18との間における通信電波の強度は、略一定である。したがって、受験者端末16とウェアラブル端末17,18との間における通信の有無を検出する携帯型検出器12の補助記憶装置51に記憶する閾値を変更せずに済み、かつ、受験者端末16とウェアラブル端末17,18との間で通信が行われているか否かの判断精度を保持できる。
【0050】
監視者14が携帯型検出器12を所持して受験会場13内を移動できるため、不正行為が推定される受験者15に接近できる。したがって、不正行為を行なっている受験者15を正確に特定でき、不正行為を行なっていない受験者15を、不正を行なっている受験者15として誤認することを防止できる。また、アラート発生器55で発生するアラートは、受験者15に気付かれる可能性が低い。したがって、受験者15の受験の妨げ、及び集中力の妨げになることを防止できる。さらに、携帯型検出器12がステップS24でYesと判断した後、ステップS25の判断を行なうと、誤認を確実に防止できる。
【0051】
また、監視者14は、携帯型検出器12を所持して受験会場13内を移動できるため、各テーブル25にそれぞれ検出器を設ける場合に比べて、携帯型検出器12の数を減少させることができる。したがって、携帯型検出器12の製造コスト、及び通信検出システム10の構築コストを低減できる。さらに、携帯型検出器12の数が減少するため、全テーブルに通信検出器を設け、かつ、全ての通信検出器の記憶部に記憶されている閾値をそれぞれ変更するような従来技術に比べて、携帯型検出器12の管理が容易である。さらに、携帯型検出器12の数が減少するため、携帯型検出器12から取得する情報及びデータを、処理及び記憶する通信検出コンピュータ11の処理量が減少し、補助記憶装置41に記憶される情報量及びデータ蓄積量が減少する。したがって、通信検出コンピュータ11における処理の迅速化を図ること、及び補助記憶装置41の容量を減少させること、ができる。
【0052】
また、携帯型検出器12の補助記憶装置51に、予め受験会場13の情報、及び各監視者14の位置情報の一部が記憶されていれば、
図3のステップS21において、通信検出コンピュータ11から、受験会場13の情報、及び各監視者14の位置情報を取得せずに済む。つまり、携帯型検出器12は、通信検出コンピュータ11から情報及び制御信号を取得することなく、
図3の通信検出方法を実行できる。このため、携帯型検出器12で得られた情報及びデータを、処理及び記憶する制御回路50の処理量が減少し、補助記憶装置51に記憶される情報量及びデータ蓄積量が減少する。したがって、携帯型検出器12における処理の迅速化を図ること、及び補助記憶装置51の容量を減少させること、ができる。
【0053】
(補足説明)
本実施形態で開示された事項の技術的意味の一例は、次の通りである。携帯型検出器12は、不正者端末用の通信検出器の一例である。本体63は、本体の一例である。補助記憶装置51は、記憶装置の一例である。制御回路50は、制御回路の一例である。アラート発生器55は、アラート発生器の一例である。アンテナ54は、アンテナの一例である。受験会場13は、特定領域の一例である。受験者15は、不正者の一例である。受験者端末16は、不正者端末の一例である。ウェアラブル端末17,18は、ウェアラブル端末の一例である。
【0054】
ステップS22,24,25の判断は、制御回路が実行する第1処理の一例である。ステップS26の処理は、制御回路が実行する第2処理の一例である。ステップS21の処理は、制御回路が実行する第3処理の一例である。ステップS24の処理は、制御回路が実行する第4処理の一例である。ステップS22の処理は、制御回路が実行する第5処理の一例である。
【0055】
本実施形態は、図面を用いて開示されたものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。特定領域は、側壁等の遮蔽物により区画されていない空間であってもよい。例えば、受験者が受験会場から一時的に化粧室へ行くことが許可された場合、携帯型検出器を所持した監視者が、廊下、階段、通路等を移動することにより、受験者が所持している受験者端末とウェアラブル端末との間の電波通信を、携帯型検出器で検出して、
図3に示す通信検出方法を実行すること、及び
図3の応用例に応答する通信検出方法を実行することが可能である。このような場合、廊下、階段、通路、化粧室等は、特定領域に相当する。また、テーブルの有無は問われない。つまり、特定領域内における利用者の移動が制限されていること、つまり、利用者の位置が固定されている環境であれば、通信検出器及び通信検出コンピュータ及び通信検出システムにより、不正者端末で電波信号の通信を行なっている1名の利用者を特定可能である。
【0056】
また、携帯型検出器が検出する受験者端末とウェアラブル端末との間における電波通信の規格は、Wi-Fi、Bluetooth 以外の規格、例えば、WIMAX(登録商標・Worldwide Interoperability for Microwave Access)であってもよい。また、携帯型検出器が検出する近距離無線通信は、電波通信以外の通信、例えば、赤外線通信であってもよい。
【0057】
本実施形態で説明した受験は、大学受験、高校受験、中学受験、等の他、資格試験、昇進試験、定期試験、等を含む。また、受験会場の平面視で、受験会場は、円形、楕円形、三角形、五角形、六角形、等、どのような形状でもよい。また、受験会場は、建築物の内部、または建築物の外部の何れであってもよい。
【0058】
本実施形態及び図面に開示されている“通信検出コンピュータ”は、“不正情報処理コンピュータ”と定義することもできる。また、“処理部”は、“処理回路”と定義することもできる。また“記憶装置”は、“記憶回路”と定義することもできる。さらに“制御部”は、“制御回路”と定義することもできる。さらに、“操作部”は、“操作器”と定義することもできる。さらに、“ウェアラブル端末”は、“装着型コンピュータ”と定義することもできる。さらに、“受験者端末”は、“受験者コンピュータ”と定義することもできる。
【0059】
本実施形態には、次の通信検出コンピュータ及び通信検出システムも開示されている。例えば、特定領域内で不正者が所持する不正者端末による通信の有無を検出するために前記特定領域内に居る監視者により所持される不正者端末用の通信検出器に接続され、かつ、プログラムが格納された記憶装置と、前記記憶装置に記憶された前記プログラムを読み込んで処理を実行する制御回路と、を有する通信検出コンピュータであって、前記制御回路は、前記不正者端末用の通信検出器から取得する情報を処理することにより、前記不正者端末と、前記不正者が身体に装着しているウェアラブル端末との間における通信の有無を判断する第1処理と、前記不正者端末と前記ウェアラブル端末との間で通信が行われたと判断されると、前記通信検出器でアラートを発生させる制御信号を前記不正者端末用の通信検出器へ送る第2処理と、を実行する、通信検出コンピュータが開示されている。
【0060】
また、特定領域内で不正者が所持する不正者端末による通信の有無を検出するために前記特定領域内に設けられる不正者端末用の通信検出器と、前記不正者端末用の通信検出器との間で双方向通信を行う通信検出コンピュータと、を有し、前記通信検出コンピュータは、プログラムが格納された記憶装置と、前記記憶装置に記憶された前記プログラムを読み込んで処理を実行する制御回路と、を有する、通信検出システムであって、前記不正者端末用の通信検出器は、前記不正者を監視するために前記特定領域内を移動する監視者により所持され、かつ、アラート発生器を備え、前記制御回路は、前記不正者端末用の通信検出器から取得する情報を処理することにより、前記不正者端末と、前記不正者が身体に装着しているウェアラブル端末との間で通信が行われたか否かを判断する第1処理と、前記不正者端末と前記ウェアラブル端末との間で通信が行われたと判断されると、前記アラート発生器でアラートを発生させる制御信号を前記不正者端末用の通信検出器へ送る第2処理と、を実行する、通信検出システムが開示されている。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本実施形態は、特定の領域内の不正者端末とウェアラブル端末との間で通信が行われたか否かを判断する、不正者端末用の通信検出器として利用可能である。
【符号の説明】
【0062】
10…通信検出システム、11…通信検出コンピュータ、12…携帯型通信検出器、16…受験者端末、17,18…ウェアラブル端末、50…制御回路、41,51…補助記憶装置、54…アンテナ、55…アラート発生器、63…本体
【要約】
【課題】不正者端末とウェアラブル端末との間で通信が行われているか否かを判断するために記憶装置に記憶されている閾値を変更せずに済み、かつ、コストを低減可能であり、かつ、管理の容易な不正者端末用の通信検出器を提供する。
【解決手段】受験者端末16による通信の有無を検出する不正者端末用の通信検出器であって、本体63に設けられてプログラム及び閾値が記憶された補助記憶装置51と、本体63に設けられ、かつ、プログラムを読み込んで処理を実行する制御回路50と、本体63に設けられたアラート発生器55と、を有し、制御回路50は、受験者端末16とウェアラブル端末17,18との間における電波強度と閾値とを比較して、受験者端末16とウェアラブル端末17,18との間で通信が行われたか否かを判断する第1処理と、受験者端末16とウェアラブル端末17,18との間で通信が行われたと判断されるとアラート発生器55でアラートを発生させる第2処理と、を実行する携帯型検出器12を構成した。
【選択図】
図1