(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】サーバ装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/847 20140101AFI20240815BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240815BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240815BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20240815BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240815BHJP
A63F 13/48 20140101ALI20240815BHJP
A63F 13/795 20140101ALI20240815BHJP
【FI】
A63F13/847
G06Q50/10
A63F13/69
A63F13/35
A63F13/79
A63F13/48
A63F13/795
(21)【出願番号】P 2020187156
(22)【出願日】2020-11-10
(62)【分割の表示】P 2019082226の分割
【原出願日】2019-04-23
【審査請求日】2022-04-21
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】西田 哲史
【審査官】白形 優依
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-209311(JP,A)
【文献】特開2017-006270(JP,A)
【文献】特開2018-042648(JP,A)
【文献】特開2018-042746(JP,A)
【文献】特開2015-039591(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
一のユーザがホストユーザとなってマッチング要求を行うことで、当該ホストユーザと、当該ホストユーザと異なるゲストユーザとを含む複数のユーザが参加可能なマルチプレイゲームを提供し、
前記複数のユーザの状態を、所定の権利が付与された権利付与状態と、前記所定の権利が付与されていない通常状態とのいずれかの状態に設定し、
前記複数のユーザの中に前記権利付与状態にある
ゲストユーザ
が含まれている場合に、前記マルチプレイゲームをプレイ可能に制御し、
前記権利付与状態にあるユーザを含む前記複数のユーザが参加した前記マルチプレイゲームが終了した場合に、通常状態のユーザを権利付与状態に切り替え、前記権利付与状態のユーザの少なくとも1人のユーザを通常状態に切り替える、
情報処理装置。
【請求項2】
一のユーザがホストユーザとなってマッチング要求を行うことで、当該ホストユーザと、当該ホストユーザと異なるゲストユーザとを含む複数のユーザが参加可能なマルチプレイゲームをプロセッサが提供し、
前記複数のユーザの状態を、所定の権利が付与された権利付与状態と、前記所定の権利が付与されていない通常状態とのいずれかの状態にプロセッサが設定し、
前記複数のユーザの中に前記権利付与状態にある
ゲストユーザ
が含まれている場合に、前記マルチプレイゲームをプレイ可能に制御し、
前記権利付与状態にあるユーザを含む前記複数のユーザが参加した前記マルチプレイゲームが終了した場合に、通常状態のユーザを権利付与状態に切り替え、前記権利付与状態のユーザの少なくとも1人のユーザを通常状態に切り替える、
情報処理方法。
【請求項3】
プロセッサが、
一のユーザがホストユーザとなってマッチング要求を行うことで、当該ホストユーザと、当該ホストユーザと異なるゲストユーザとを含む複数のユーザが参加可能なマルチプレイゲームを提供し、
前記複数のユーザの状態を、所定の権利が付与された権利付与状態と、前記所定の権利が付与されていない通常状態とのいずれかの状態に設定し、
前記複数のユーザの中に前記権利付与状態にある
ゲストユーザ
が含まれている場合に、前記マルチプレイゲームをプレイ可能に制御し、
前記権利付与状態にあるユーザを含む前記複数のユーザが参加した前記マルチプレイゲームが終了した場合に、通常状態のユーザを権利付与状態に切り替え、前記権利付与状態のユーザの少なくとも1人のユーザを通常状態に切り替える、
処理を実行するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数のユーザが参加可能なゲーム(マルチプレイゲームと呼ぶ)をホストするサーバが知られている。このサーバに対して複数のユーザがそれぞれ、スマートフォン等の携帯端末を用いてアクセスし、マルチプレイゲームに参加することができる。
【0003】
従来、このようなマルチプレイゲームの参加者に対して、マルチプレイゲームをホストする側から報酬を提供する技術がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記従来例の報酬型の技術では、プレイヤは、マルチプレイゲームを一度行えば報酬を得ることができ、それで満足してしまう場合があり、マルチプレイゲームのプレイ(マルチプレイ)を十分に促進できない場合があった。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、マルチプレイゲームの利用を促進できるサーバ装置及びプログラムを提供することを、その目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記従来例の問題点を解決する本発明の一態様は、複数のユーザが参加可能なマルチプレイゲームのサービスを提供するサーバ装置であって、前記複数のユーザの状態を、所定の権利を付与した権利付与状態と、所定の権利を付与していない通常状態とのいずれかの状態に設定する設定手段と、前記マルチプレイゲームに参加する前記複数のユーザの状態の組み合わせに基づき、前記複数のユーザの少なくとも1人のユーザの状態を前記権利付与状態または前記通常状態のいずれの状態にするかを制御する設定制御手段と、を含むこととしたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、マルチプレイゲームの利用が促進される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態に係るサーバ装置を含む情報処理システムの構成例を表すブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係るサーバ装置の例を表す機能ブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係るサーバ装置が保持する状態情報テーブルの内容例を表す説明図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係るサーバ装置の動作例を表す流れ図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係るサーバ装置の動作によるユーザの状態情報の変化の例を表す説明図である。
【
図6】本発明の実施の形態に係るサーバ装置が保持するカウント値の情報の例を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係るサーバ装置10を含む情報処理システム1は、
図1に例示するように、サーバ装置10と、複数の端末装置20とを含んで構成される。
【0011】
サーバ装置10は、
図1に例示するように、制御部11と、記憶部12と、通信部13とを含んで構成される。また端末装置20は、スマートフォンやパーソナルコンピュータ等であり、サーバ装置10に対してネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0012】
サーバ装置10の制御部11は、CPUなどのプログラム制御デバイスであり、記憶部12に格納されたプログラムに従って動作する。本実施の形態では、この制御部11は、複数のユーザが参加可能なマルチプレイゲームのサービスを提供する。またこの制御部11は、当該サービスにおいて、複数のユーザの状態を、所定の権利を付与した権利付与状態と、所定の権利を付与していない通常状態とのいずれかの状態に設定する。そして制御部11は、マルチプレイゲームに参加する複数のユーザの状態の組み合わせに基づき、複数のユーザの少なくとも1人のユーザの状態を権利付与状態または通常状態のいずれの状態にするかを制御する。この制御部11の詳しい動作については、後に述べる。
【0013】
記憶部12は、ディスクデバイスやメモリデバイスであり、制御部11によって実行されるプログラムを保持している。このプログラムは、DVD-ROM等のコンピュータ可読、かつ非一時的な記憶媒体に格納されて提供され、この記憶部12に複写されてもよい。また本実施の形態の記憶部12は、制御部11のワークメモリとしても動作する。
【0014】
通信部13は、ネットワークインタフェース等であり、制御部11から入力される指示に従い、ネットワークを介して端末装置20に対して情報を送出する。また、この通信部13は、端末装置20から受信した情報を制御部11に出力する。
【0015】
次に本実施の形態の制御部11の動作について説明する。本実施の形態の例では、この制御部11は、複数のユーザが参加可能なマルチプレイゲームのサービスを提供する。
【0016】
具体的に制御部11は、
図2に例示するように、マッチング要求処理部21と、マルチプレイゲームサービス部22と、状態設定部23と、状態制御部24とを含んで構成される。
【0017】
以下の説明において本実施の形態の制御部11は、各端末装置20のユーザを、予め登録されたユーザ名及びパスワード等の認証情報によって認証しているものとする。制御部11のマッチング要求処理部21は、いずれかの端末装置20からマルチプレイの開始要求(マッチング要求)を受けると、マルチプレイゲームの開始処理を行い、まず当該マッチング要求を行った端末装置20のユーザ(ホストユーザと呼ぶ)とともにマルチプレイゲームをプレイするユーザのグループであるプレイグループを設定する(マルチプレイゲームに参加する所定の最大参加者数以下のユーザの一時的なグループを形成して、当該グループに属するユーザのリストを記憶する)。
【0018】
そしてマッチング要求処理部21は、マルチプレイゲームが開始されていない(ユーザの参加を待ち受ける状態にある)プレイグループのリスト(多数ある場合はランダムに、あるいは予め定めた基準に基づいて選択した所定数のプレイグループのリスト)を、マッチング要求を行っていないユーザの端末装置20宛に送出して提示させる。
【0019】
このリストの提示を受けたユーザが、端末装置20にて、当該リスト上のプレイグループの一つを選択して参加要求を行うと、マッチング要求処理部21は、当該参加要求を受けて、選択されたプレイグループに当該参加要求をしたユーザ(以下、ゲストユーザとも称す)を追加することを試みる。ここで、参加要求のときに選択したプレイグループに属するユーザの数が、既に予め定めた最大参加者数を超えていたときには、マッチング要求処理部21は、当該参加要求を行ったユーザの端末装置20に対してエラーを表示させる。
【0020】
また、参加要求のときに選択したプレイグループに属するユーザの数が、既に予め定めた最大参加者数を超えていなければ、選択されたプレイグループに当該参加要求をしたゲストユーザを追加する。
【0021】
この処理によりマッチング要求処理部21は、最大参加者数以下の端末装置20ごとにマルチプレイゲームをプレイするグループ(プレイグループ)を設定する。マッチング要求処理部21は、また、マッチング要求によりプレイグループを設定したホストユーザからマルチプレイ実行の指示を受けて、当該ホストユーザが属するプレイグループに属するユーザの数が予め定めた最小催行人数(例えば2人)を超えるときに、マルチプレイゲームの実行を開始するよう、当該ホストユーザが属するプレイグループを特定する情報とともにマルチプレイゲームサービス部22に対して指示する。
【0022】
マルチプレイゲームサービス部22は、マッチング要求処理部21からゲームの実行の開始の指示を受けて、当該指示とともに受け入れた情報で特定されるプレイグループに属する端末装置20のユーザに対してマルチプレイゲーム(プレイグループ内の端末装置20のユーザが一斉に参加するゲーム)のサービスを提供する。このマルチプレイゲームのサービスに係る処理については、広く知られているので、ここでの詳しい説明は省略する。
【0023】
状態設定部23は、管理者から入力される指示等により、各端末装置20のユーザについて、当該ユーザの状態を表す情報(状態情報)を、所定の権利を付与した権利付与状態と、所定の権利を付与していない通常状態とのいずれかの状態に設定する。本実施の形態の例では、この状態設定部23は、端末装置20のユーザごとに、ユーザを特定する情報(認証情報に含まれるユーザ名等でよい)と、ユーザの状態を表す状態情報とを関連付けて、状態設定テーブル情報として記憶する(
図3)。
【0024】
具体的に、この状態設定部23は、ゲームサービス中で行われるイベントの開始時にゲームの管理者(運営者)が選択したユーザ(例えばゲーム中で著名なユーザなど)について、そのユーザに対して権利付与状態であることを表す状態情報を設定する。あるいは、この状態設定部23は、ランダムに選択したユーザについてそのユーザに対して権利付与状態であることを表す状態情報を設定することとしてもよいし、これらを組み合わせて、ゲームの管理者が選択したユーザとランダムに選択したユーザとを権利付与状態としてもよい。
【0025】
また上記の所定の権利は、任意に定めてもよいし、マルチプレイゲームに関わる権利を定めてもよい。例えば、ゲームが、育成型のゲーム(登場するキャラクタを、ゲーム上のアイテムである強化素材を集めて強化するもの)である場合、この所定の権利は、強化素材の入手権利、あるいは入手量を増大させる権利であってもよい。また、キャラクタを集めるゲームであれば、特定のキャラクタについてマルチプレイゲームをプレイしたときに限り(あるいはマルチプレイでない場合には低い確率で提供される特定のキャラクタを、マルチプレイゲームをプレイしたときには、比較的高い確率で)提供することとしておき、この所定の権利を、開始させる権利としてもよい。
【0026】
このように所定の権利を、マルチプレイゲームを開始させる権利とする場合、マッチング要求処理部21は、プレイグループを設定させる要求であるマッチング要求を、所定の権利を有するユーザ(権利付与状態を表す状態情報が関連付けられたユーザ)からのみ受け入れることとする。この例では、所定の権利を有するユーザ以外は、プレイグループのホストユーザとなり得ないこととなり、所定の権利を有しないユーザは、所定の権利を有するユーザがホストユーザとなって設定したプレイグループに参加することができるのみとなる。
【0027】
あるいは、マッチング要求処理部21は任意のユーザがマッチング要求を行うことを可能としてもよい。この場合、上記所定の権利としては、同じプレイグループに属してマルチプレイゲームをプレイした他のユーザに対して所定の報酬(例えば上記の強化素材や特定のキャラクタ等)を与える権利としてもよい。つまりこの例では、誰がマルチプレイゲームのホストユーザとなってもよいが、通常状態のユーザとしては、マルチプレイゲームのプレイの際に、上記所定の権利を有する権利付与状態のユーザが同じプレイグループに属していた(一緒にプレイした)ならば、何らかの特別な報酬が与えられ、マルチプレイゲームのプレイの際に、上記所定の権利を有する権利付与状態のユーザが同じプレイグループに属していなければ、上記の特別な報酬は与えられない、ということとなる。
【0028】
状態制御部24は、マルチプレイゲームに参加する複数のユーザの状態の組み合わせに係る条件を含む制御条件に基づいて、複数のユーザの少なくとも1人のユーザの状態を権利付与状態または通常状態のいずれの状態にするかを制御する。具体的にこの状態制御部24は、上記制御条件により権利付与状態とすることとしたユーザに権利付与状態であることを表す情報を関連付けて状態設定テーブル情報を更新する。またこの状態制御部24は、上記の制御条件により、通常状態とすることとしたユーザに通常状態であることを表す情報を関連付けて状態設定テーブル情報を更新する。
【0029】
ここでユーザを権利付与状態とする制御条件(第1条件に相当する)は、具体的には、ユーザが通常状態であり、かつ、次のいずれかであること:
(1)権利付与状態にあるユーザがホストユーザとなったプレイグループに属して、マルチプレイゲームを行ったこと、
(2)権利付与状態にあるユーザが属しているプレイグループに属して、マルチプレイゲームを行ったこと、
(3)権利付与状態にあるユーザが予め定めた人数以上属しているプレイグループに属して、マルチプレイゲームを行ったこと
などとして定める。
【0030】
また、ユーザを通常状態とする制御条件(第2条件に相当する)は、具体的には、ユーザが権利付与状態であり、かつ、マルチプレイゲームのホストユーザとなってマルチプレイゲームを行ったこと、などとして定める。なお、このユーザを権利付与状態とする制御条件、あるいはユーザを通常状態とする制御条件は、ここで例示したものに限られるものではない。
【0031】
[動作]
本実施の形態のサーバ装置10は以上の構成を備え、次のように動作する。なお、以下の例では、権利付与状態にあるユーザに与えられる所定の権利は、マルチプレイのホストユーザとなる権利であるものとする。またゲームサービスの管理者は、一部のユーザを選択して、選択したユーザを権利付与状態としておく。
【0032】
本実施の形態のサーバ装置10は、
図4に例示する処理を行い、マッチング要求の入力画面を提供する(S1)。この際、提供先の端末装置20のユーザが権利付与状態にあるときには、マッチング要求の入力が可能な画面を提供し、当該ユーザが通常状態であるときにはマッチング要求の入力が不能な画面(マッチング要求のためのボタンをタップできないものとした画面など)を提供する。これにより、権利付与状態にあるユーザのみがホストユーザとなり得ることとなる。
【0033】
ここで、権利付与状態にあるユーザの端末装置20からマッチング要求を受けると(S2)、サーバ装置10は、当該ユーザをホストユーザとしたプレイグループを設定する(S3)。そしてこのプレイグループへの参加者を募る画面をプレイグループに属していないユーザの端末装置20に提示させる(S4)。
【0034】
そしてサーバ装置10は、上記画面を提示させた端末装置20のユーザから参加要求を受けると(S5)、当該ユーザをプレイグループに属したものとして設定する(S6)。
【0035】
その後、ホストユーザからマルチプレイゲームの実行開始の指示を受けると、サーバ装置10は、ホストユーザが属するプレイグループに属するユーザに対してマルチプレイゲーム(プレイグループ内の端末装置20のユーザが一斉に参加するゲーム)のサービスを提供する(S7)。
【0036】
サーバ装置10は、マルチプレイゲームが終了すると、当該プレイグループに属しているユーザのうち通常状態にあるユーザに関連付けられた状態情報を、権利付与状態に設定して、状態設定テーブルを更新する(S8)。
【0037】
またサーバ装置10は、当該プレイグループに属しているユーザのうち権利付与状態にあるユーザに関連付けられた状態情報を、通常状態に設定して、状態設定テーブルを更新する(S9)。
【0038】
そしてサーバ装置10は、当該プレイグループを解散する(S10)。つまり、当該プレイグループに関する情報を削除して、処理を終了する。
【0039】
すなわち本実施の形態のこの例では、
図5(a)に例示するように、当初、権利付与状態にあるユーザAがホストユーザとなったプレイグループに、通常状態のユーザB,Cと、権利付与状態にある別のユーザDとが参加してマルチプレイゲームを行った場合、マルチプレイゲームの終了後、ホストユーザとなったユーザAは通常状態に設定され、ユーザB,Cは権利付与状態に設定される。またユーザDについてはホストユーザでないので権利付与状態のままとされる。
【0040】
なお、ここで通常状態となったユーザAは、その後、他の権利付与状態にあるユーザがホストユーザとなって実行されたマルチプレイゲームに参加することで、再度権利付与状態となる。
【0041】
また、例えば、一度権利付与状態となった後には通常状態に設定することがないようにしてもよい。この例では、
図5(b)に示すように、権利付与状態にあるユーザAがホストユーザとなったプレイグループに、通常状態のユーザB,Cと、権利付与状態にある別のユーザDとが参加してマルチプレイゲームを行った場合、マルチプレイゲームの終了後、ユーザB,Cは権利付与状態に設定され、ユーザA,Dについては権利付与状態のままとされる。この
図5(b)の例では、権利付与状態のユーザの数が単調増加することとなる。
【0042】
またこの例では権利付与状態のユーザ数が予め定めた基準値を上回ったときに、権利付与状態のユーザに対して何らかの報酬を与えることとしてもよい。
【0043】
さらに、マルチプレイゲームを行ったプレイグループに属するユーザのうち、権利付与状態にあるユーザを、ホストユーザであると否とに関わらず通常状態に設定してもよい。この例では
図5(c)に示すように、権利付与状態にあるユーザAがホストユーザとなったプレイグループに、通常状態のユーザB,Cと、権利付与状態にある別のユーザDとが参加してマルチプレイゲームを行った場合、マルチプレイゲームの終了後、ユーザB,Cは権利付与状態に設定され、ユーザA,Dについては通常状態に設定されることとなる。
【0044】
[マルチプレイ開始の別の条件に係る例]
また、ここでの動作例では、権利付与状態のユーザのみがホストユーザとなり得る例について述べたが本実施の形態はこの例に限られない。
【0045】
例えば、サーバ装置10は、処理S1のマッチング要求の入力画面の提供は、提供先の端末装置20のユーザが権利付与状態にあるか否かに関わらず行うこととする。
【0046】
そしてサーバ装置10は、いずれかのユーザの端末装置20からマッチング要求を受けると、当該マッチング要求を行ったユーザをホストユーザとしたプレイグループを設定する。そしてこのプレイグループへの参加者を募る画面をプレイグループに属していないユーザの端末装置20に提示させる。
【0047】
サーバ装置10は、その後、上記画面を提示させた端末装置20のユーザから参加要求を受けると、当該ユーザをプレイグループに属したものとして設定する。そしてその後、ホストユーザからマルチプレイゲームの実行開始の指示を受けたときに、サーバ装置10は、当該ホストユーザが属するプレイグループに属するユーザのうちに、権利付与状態の状態情報が関連付けられたユーザが存在するか否かを調べ、存在する場合に、当該プレイグループの各ユーザに対してマルチプレイゲーム(プレイグループ内の端末装置20のユーザが一斉に参加するゲーム)のサービスを提供する。
【0048】
また、ホストユーザからマルチプレイゲームの実行開始の指示を受けたときに、当該ホストユーザが属するプレイグループに属するユーザのうちに、権利付与状態の状態情報が関連付けられたユーザが存在しない場合は、サーバ装置10は、マルチプレイゲームの実行が開始できない旨のメッセージをホストユーザが使用する端末装置20に提示してもよい。
【0049】
この例では、プレイグループに属する複数のユーザのうちに、権利付与状態にあるユーザが存在している場合に、マルチプレイゲームの実行の開始が許可される。
【0050】
[カウントを行う例]
さらに本実施の形態のサーバ装置10は、ユーザごとに、当該ユーザに関連付けられた状態情報の更新回数をカウントして記録してもよい。この例ではサーバ装置10は、ユーザの状態情報を更新するごとに、当該更新の対象となったユーザの状態情報を通常状態から権利付与状態に設定した回数Npまたは、権利付与状態から通常状態に設定した回数Nnの少なくとも一方をカウントして、当該カウントの結果をユーザに関連付けて記憶しておく(
図6)。
図6では、ユーザの状態情報を通常状態から権利付与状態に設定した回数Npと、権利付与状態から通常状態に設定した回数Nnとをカウントして、ユーザに関連付けて記録した例を示している。
【0051】
この例のサーバ装置10は、このカウントの結果を所定の処理に供する。例えばサーバ装置10は、通常状態から権利付与状態に設定した回数Npが所定の回数しきい値を超えたユーザに対して、所定の報酬(キャラクタの提供や、強化素材の提供など)を供与してもよい。
【0052】
また本実施の形態のサーバ装置10は、通常状態のユーザとともにマルチプレイゲームを行った権利付与状態のユーザについて、ともにマルチプレイゲームを行った通常状態のユーザが権利付与状態として設定されたときには、当該権利付与状態に設定した通常状態であったユーザの数の累計(影響者数累計)をカウントしてもよい。
【0053】
例えば、ホストユーザとなった権利付与状態にあるユーザAが、通常状態にあるユーザB,Cと、権利付与状態にあるユーザDとともにプレイグループに所属してマルチプレイゲームを行い、サーバ装置10がユーザB,Cを権利付与ユーザに設定したとき、サーバ装置10はユーザAについて、影響者数累計のカウント値を、2だけインクリメントする。
【0054】
なお、このとき、ユーザDについては、サーバ装置10は、予め定めた規則に応じて影響者数累計のカウント値を2だけインクリメントするか否かを決定すればよい。
【0055】
この影響者数累計のカウント値もまた、ゲームに関する所定の処理に供されてもよい。例えばサーバ装置10は、この影響者数累計のカウント値が予め定めた影響者数しきい値を超えたユーザについて、所定の報酬を付与することとしてもよい。
【0056】
[確率による例]
またここまでの説明では、権利付与状態にあるユーザとともにマルチプレイゲームを行った通常状態のユーザは、必ず権利付与状態となることとしたが、本実施の形態はこれに限られない。例えば権利付与状態にあるユーザとともにマルチプレイゲームを行った、通常状態のユーザは、予め定められた確率に応じて権利付与状態となることとしてもよい。この場合は、確率r(0≦r≦1)を予め定めておき、権利付与状態にあるユーザとともにマルチプレイゲームを行った通常状態のユーザのそれぞれについて、0以上1以下の乱数Mを発生させる。そしてM<rなる乱数Mに対応するユーザについては権利付与状態を表す状態情報を関連付けて状態設定テーブルを更新し、そうでないユーザについては通常状態のままとする。
【0057】
また権利付与状態にあるユーザがマルチプレイゲームを行った場合(あるいは条件によってはそのホストユーザとなった場合)も同様に、常に通常状態に戻るのではなく、予め定められた確率に応じて通常状態となるようにしてもよい。この場合も、通常状態に戻る確率Rr(0≦Rr≦1)を予め定めておき、マルチプレイゲームを行った(あるいは条件によっては、ホストユーザとなった)権利付与状態のユーザのそれぞれについて、0以上1以下の乱数Mを発生させる。そしてM<Rrなる乱数Mに対応するユーザについては通常状態を表す状態情報を関連付けて状態設定テーブルを更新し、そうでないユーザについては権利付与状態のままとする。
【0058】
[報酬の内容を権利付与状態のユーザの数により決定する例]
またマルチプレイゲームを実行して得られる報酬の内容については、当該マルチプレイゲームを一緒にプレイした、同じプレイグループのユーザに、権利付与状態にあるユーザが何人いたかによって異ならせてもよい。例えば、マルチプレイゲームを実行したときに、強化素材を基本的にN個提供する報酬を与える場合、同じプレイグループのユーザのうちに、権利付与状態のユーザがk人存在していたときには、この強化素材をk×N個提供することとしてもよい。
【0059】
また、マルチプレイゲームを一緒にプレイした、同じプレイグループのユーザに、通常状態にあるユーザが何人いたかによって報酬を異ならせてもよい。例えば、マルチプレイゲームを実行したときに、強化素材を基本的にN個提供する報酬を与える場合、同じプレイグループのユーザのうちに、通常状態のユーザがp人存在していたときには、この強化素材をp×N個提供することとしてもよい。
【0060】
さらにサーバ装置10は、通常状態から権利付与状態に移行させたユーザの数により報酬を異なるように制御してもよい。
【0061】
[実施形態の効果]
本実施の形態の一例のように報酬が与えられるマルチプレイゲームのホストユーザとなる条件が権利付与状態であるか否かにより定められることとすると、プレイ可能なゲームを豊富化するため、ユーザには権利付与状態となろうとする動機付けが与えられる。従って当該マルチプレイゲームを行うことで権利付与状態となり得る状態とすることで、マルチプレイゲームの利用が促進される。
【0062】
さらに、マルチプレイゲームを行ったときに、権利付与状態と通常状態とが切り替わるように構成し、何度でも権利付与状態に復帰できるようにしたうえで、権利付与状態になった回数に応じた報酬を提供することで、さらに、何度でもマルチプレイゲームを行うことが動機付けられ、マルチプレイゲームの利用が促進されることとなる。
【符号の説明】
【0063】
10 サーバ装置、11 制御部、12 記憶部、13 通信部、20 端末装置、21 マッチング要求処理部、22 マルチプレイゲームサービス部、23 状態設定部、24 状態制御部。