(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置およびコンピュータシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240815BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240815BHJP
【FI】
G06Q50/10
A63F13/79 520
(21)【出願番号】P 2023064078
(22)【出願日】2023-04-11
(62)【分割の表示】P 2021146325の分割
【原出願日】2021-09-08
【審査請求日】2023-06-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】綾野 智章
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/080537(WO,A1)
【文献】特開2014-198183(JP,A)
【文献】特開2018-108202(JP,A)
【文献】特許第6710401(JP,B1)
【文献】特許第6804073(JP,B1)
【文献】国際公開第2020/092900(WO,A2)
【文献】国際公開第2021/062160(WO,A1)
【文献】特開2023-028578(JP,A)
【文献】「SKE48 12th Anniversary Fes 2020 ~12公演一挙披露祭~」SKE48コラボ「いきなりNFTトレカ」 10月3日(土)より販売開始,[online],株式会社 PR TIMES,2020年09月20日,[令和5年10月3日検索],インターネット:<URL:https://web.archive.org/web/20200920024307/https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000065299.html>
【文献】[NFT Studio]NFT Studioで購入したNFTの2次流通方法について,[online],note株式会社,2021年07月19日,[令和5年10月3日検索],インターネット:<URL:https://note.com/nftstudio/n/nc9f437f74bef>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
第1価値媒体を定義する第1ノンファンジブルトークン(第1NFT)と、第2価値媒体を定義する第2ノンファンジブルトークン(第2NFT)と、を、第1ユーザにそれぞれ関連付ける第1関連付け手段、
前記第1ユーザから、前記第1NFTと前記第2NFTとを関連付ける要求を受け付ける第1受付手段、
前記要求に応じて、前記第1NFTと前記第2NFTとを関連付ける第2関連付け手段、
前記第2NFTが定義する前記第2価値媒体に基づいて、前記第1価値媒体の状態を変更させる第1変更手段、
前記第1NFTおよび前記第2NFTについて、前記第1ユーザとの関連付けを解除して、第2ユーザに関連付ける第3関連付け手段、として機能させ、
前記第3関連付け手段は、
前記第1ユーザに関連付けられた前記第1NFTと前記第2NFTとが互いに関連付けられていることを条件として、前記第1NFTと前記第2NFTを一括して前記第1ユーザとの関連付けを解除して第2ユーザに関連付け、
前記第1ユーザに関連付けられた前記第1NFTと前記第2NFTとが互いに関連付けられていない場合は、前記第1NFTを単独で前記第1ユーザとの関連付けを解除して前記第2ユーザへ関連付けることを許容する一方、前記第2NFTを単独で前記第1ユーザとの関連付けを解除して前記第2ユーザへの関連付けることを制限する、
プログラム。
【請求項2】
第1価値媒体を定義する第1ノンファンジブルトークン(第1NFT)と、第2価値媒体を定義する第2ノンファンジブルトークン(第2NFT)と、を、第1ユーザにそれぞれ関連付ける第1関連付け部と、
前記第1ユーザから、前記第1NFTと前記第2NFTとを関連付ける要求を受け付ける第1受付部と、
前記要求に応じて、前記第1NFTと前記第2NFTとを関連付ける第2関連付け部と、
前記第2NFTが定義する前記第2価値媒体に基づいて、前記第1価値媒体の状態を変更させる第1変更部と、
前記第1NFTおよび前記第2NFTについて、前記第1ユーザとの関連付けを解除して、第2ユーザに関連付ける第3関連付け部、とを備え、
前記第3関連付け部は、
前記第1ユーザに関連付けられた前記第1NFTと前記第2NFTとが互いに関連付けられていることを条件として、前記第1NFTと前記第2NFTを一括して前記第1ユーザとの関連付けを解除して第2ユーザに関連付け、
前記第1ユーザに関連付けられた前記第1NFTと前記第2NFTとが互いに関連付けられていない場合は、前記第1NFTを単独で前記第1ユーザとの関連付けを解除して前記第2ユーザへ関連付けることを許容する一方、前記第2NFTを単独で前記第1ユーザとの関連付けを解除して前記第2ユーザへの関連付けることを制限する、
情報処理装置。
【請求項3】
第1価値媒体を定義する第1ノンファンジブルトークン(第1NFT)と、第2価値媒体を定義する第2ノンファンジブルトークン(第2NFT)と、を、第1ユーザにそれぞれ関連付ける第1関連付け部と、
前記第1ユーザから、前記第1NFTと前記第2NFTとを関連付ける要求を受け付ける第1受付部と、
前記要求に応じて、前記第1NFTと前記第2NFTとを関連付ける第2関連付け部と、
前記第2NFTが定義する前記第2価値媒体に基づいて、前記第1価値媒体の状態を変更させる第1変更部と、
前記第1NFTおよび前記第2NFTについて、前記第1ユーザとの関連付けを解除して、第2ユーザに関連付ける第3関連付け部、とを備え、
前記第3関連付け部は、
前記第1ユーザに関連付けられた前記第1NFTと前記第2NFTとが互いに関連付けられていることを条件として、前記第1NFTと前記第2NFTを一括して前記第1ユーザとの関連付けを解除して第2ユーザに関連付け、
前記第1ユーザに関連付けられた前記第1NFTと前記第2NFTとが互いに関連付けられていない場合は、前記第1NFTを単独で前記第1ユーザとの関連付けを解除して前記第2ユーザへ関連付けることを許容する一方、前記第2NFTを単独で前記第1ユーザとの関連付けを解除して前記第2ユーザへの関連付けることを制限する、
コンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置およびコンピュータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アバターなどのゲーム媒体にこのゲーム媒体に装着させる洋服やアクセサリなどの他のゲーム媒体を関連付けて、ゲーム媒体の外観を変更させる、例えば、アバターの画像を洋服を装着した画像に変更して表示する技術が知られている(特許文献1参照)。また、この技術では、この変更された外観に対して、プレイヤから入力されたテキスト情報(例えば、アバターにしゃべらせる内容など)を合成させて、さらに変更させることもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで近年、ブロックチェーン技術を用いたゲームなどにおいて、ゲーム内のアイテムやキャラクタなどのゲーム媒体を含む価値媒体を定義するNFT(Non-Fungible Token)、言い換えればNFT化された価値媒体がユーザ間で取引されることがある。取引対象となるNFT化された価値媒体は、外観などの状態により価値が変わることがある。このため、NFT化された価値媒体がどのような状態にあるかは重要な取引のポイントとなり得る。しかしながら、上記従来技術では、他の価値媒体またはプレイヤから入力された情報を関連付けて価値媒体の外観などの状態を変更するのみであり、NFT化された価値媒体の状態の変更するにあたって興趣性の改善の余地がある。
【0005】
本開示は、NFT化された価値媒体の状態を変更するにあたって興趣性を改善できるプログラム、情報処理装置およびコンピュータシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面は、コンピュータを、
第1価値媒体を定義する第1ノンファンジブルトークン(第1NFT)と、第2価値媒体を定義する第2ノンファンジブルトークン(第2NFT)と、を、第1ユーザにそれぞれ関連付ける第1関連付け手段、
前記第1ユーザから、前記第1NFTと前記第2NFTとを関連付ける要求を受け付ける第1受付手段、
前記要求に応じて、前記第1NFTと前記第2NFTとを関連付ける第2関連付け手段、
前記第2NFTが定義する前記第2価値媒体に基づいて、前記第1価値媒体の状態を変更させる第1変更手段、
前記第1NFTおよび前記第2NFTについて、前記第1ユーザとの関連付けを解除して、第2ユーザに関連付ける第3関連付け手段、
前記第2ユーザから、前記第1NFTと前記第2NFTとの関連付けを解除する要求を受け付ける第2受付手段、
前記要求に応じて、前記第1NFTと前記第2NFTとの関連付けを解除する解除手段、
前記解除に応じて、前記第1価値媒体の状態を変更させる第2変更手段、として機能させる、
プログラムである。
【0007】
また、第1の側面において、前記第3関連付け手段は、
前記第1NFTと前記第2NFTとが関連付けられていることを条件として、前記第1NFTと前記第2NFTを一括して前記第2ユーザに関連付け、
前記第1NFTと前記第2NFTとが関連付けられていない場合は、前記第1NFTを単独で前記第2ユーザへ関連付けることを許容する一方、前記第2NFTを単独で前記第2ユーザへの関連付けることを制限することができる。
【0008】
また、第1の側面において、前記第2関連付け手段は、対価の支払いを要することなく、前記第1NFTと前記第2NFTとの関連付けを行うこと、および、前記第1NFTと前記第2NFTとの関連付けを解除すること、の少なくとも一方を許容することができる。
【0009】
また、第1の側面において、前記第3関連付け手段は、前記第1NFTと前記第2NFTとが関連付けられているか否かに関わらず、前記第1NFTを単独で前記第2ユーザへ関連付けることを許容するとともに、前記第2NFTを単独で前記第2ユーザに関連付けることを許容することができる。
【0010】
また、第1の側面において、前記第2関連付け手段は、対価の支払いを条件として、前記第1NFTと前記第2NFTを関連付けること、および、前記第1NFTと前記第2NFTとの関連付けを解除すること、の少なくともいずれかを許容することができる。
【0011】
また、第1の側面において、第3関連付け手段は、前記第2ユーザによる購入対価の支払いを条件として、前記第1NFTおよび/または前記第2NFTについて、前記第1ユーザとの関連付けを解除して、第2ユーザに関連付け、
前記第2関連付け手段は、関連付けの対価の前記第2ユーザによる支払いを条件として、前記第1NFTと前記第2NFTとを前記関連付け、
前記解除手段は、解除の対価の前記第2ユーザによる支払いを条件として、前記第1NFTと前記第2NFTとの関連付けを解除することができる。
【0012】
また、第1の側面において、前記第1関連付け手段は、第1プラットフォームにおいて、前記第1NFTおよび前記第2NFTそれぞれが前記第1ユーザに関連付けられたことを示す付与情報を、前記第1ユーザに関連付け、
前記第3関連付け手段は、第2プラットフォームにおいて、前記第1NFTおよび前記第2NFTそれぞれが前記第2ユーザに関連付けられたことを示す取引情報を、前記第2ユーザに関連付けることができる。
【0013】
また、第1の側面において、前記第1プラットフォームでは、前記第1NFTおよび前記第2NFTそれぞれに対して、前記第1NFTおよび前記第2NFTをそれぞれ前記第1ユーザに関連付けるための第1購入対価が設定され、前記第1購入対価は、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザとは異なる購入元に対して支払われるものであり、
前記第1関連付け手段は、前記第1プラットフォームにおいて、前記第1NFTおよび前記第2NFTそれぞれの前記第1購入対価が前記購入元に対して支払われたことを条件に、前記第1NFTおよび前記第2NFTを前記第1ユーザに関連付け、
前記第2関連付け手段は、前記第2プラットフォームにおいて、前記第1ユーザと前記第2ユーザとの間で設定された第2購入対価が支払われたことを条件に、前記第1NFTおよび前記第2NFTそれぞれについて、前記第1ユーザとの関連付けを解除し、前記第2ユーザと関連付けることができる。
【0014】
また、第1の側面において、前記第2関連付け手段は、前記第1購入対価のうちから前記購入元により徴収される徴収料金を前記購入元に対して支払い、前記徴収料金が差し引かれた前記第1購入対価を前記第1ユーザに支払うことを条件として、前記第1NFTおよび前記第2NFTそれぞれについて、前記第1ユーザとの関連付けを解除し、前記第2ユーザと関連付けることができる。
【0015】
第2の側面は、
第1価値媒体を定義する第1ノンファンジブルトークン(第1NFT)と、第2価値媒体を定義する第2ノンファンジブルトークン(第2NFT)と、を、第1ユーザにそれぞれ関連付ける第1関連付け部と、
前記第1ユーザから、前記第1NFTと前記第2NFTとを関連付ける要求を受け付ける第1受付部と、
前記要求に応じて、前記第1NFTと前記第2NFTとを関連付ける第2関連付け部と、
前記第2NFTが定義する前記第2価値媒体に基づいて、前記第1価値媒体の状態を変更させる第1変更部と、
前記第1NFTおよび前記第2NFTについて、前記第1ユーザとの関連付けを解除して、第2ユーザに関連付ける第3関連付け部と、
前記第2ユーザから、前記第1NFTと前記第2NFTとの関連付けを解除する要求を受け付ける第2受付部と、
前記要求に応じて、前記第1NFTと前記第2NFTとの関連付けを解除する解除部と、
前記解除に応じて、前記第1価値媒体の状態を変更させる第2変更部と、を備える、
サーバ装置である。
【0016】
第3の側面は、
第1価値媒体を定義する第1ノンファンジブルトークン(第1NFT)と、第2価値媒体を定義する第2ノンファンジブルトークン(第2NFT)と、を、第1ユーザにそれぞれ関連付ける第1関連付け部と、
前記第1ユーザから、前記第1NFTと前記第2NFTとを関連付ける要求を受け付ける第1受付部と、
前記要求に応じて、前記第1NFTと前記第2NFTとを関連付ける第2関連付け部と、
前記第2NFTが定義する前記第2価値媒体に基づいて、前記第1価値媒体の状態を変更させる第1変更部と、
前記第1NFTおよび前記第2NFTについて、前記第1ユーザとの関連付けを解除して、第2ユーザに関連付ける第3関連付け部と、
前記第2ユーザから、前記第1NFTと前記第2NFTとの関連付けを解除する要求を受け付ける第2受付部と、
前記要求に応じて、前記第1NFTと前記第2NFTとの関連付けを解除する解除部と、
前記解除に応じて、前記第1価値媒体の状態を変更させる第2変更部と、を備える、
コンピュータシステムである。
【0017】
本開示によれば、NFT化された価値媒体の状態を変更するにあたって興趣性を改善できるプログラム、情報処理装置およびコンピュータシステムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施形態におけるプラットフォームシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態におけるプラットフォームシステムの概要を説明するための図である。
【
図3】本実施形態におけるプラットフォームシステムの概要を説明するための図である。
【
図4】本実施形態におけるプラットフォームシステムのデータ構成の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態におけるゲームシステムの一連の動作を表すシーケンス図である。
【
図6】本実施形態におけるゲームシステムの一連の動作を表すシーケンス図である。
【
図7】本実施形態におけるプラットフォームシステムの概要を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示の実施形態(以下、「本実施形態」ともいう)にかかるプラットフォームシステム1について、図面を参照して説明する。
【0020】
<プラットフォームシステムの説明>
プラットフォームシステム1は、コンピュータシステムの一態様であり、ゲームに関する価値媒体を発行し、それを流通させるプラットフォームを提供するシステムである。ゲームに関する価値媒体は、デジタルデータによって定義され(表され)、例えば、ノンファンジブルトークン(Non-Fungible Token、以下「NFT」ともいう)によって定義されてもよい。本実施形態では、この価値媒体をゲーム媒体とし、価値媒体を定義するNFTを、ゲーム媒体を定義するNFTとする例を説明する。しかしながら、本発明にかかる価値媒体や価値媒体を定義するNFTをこれらに限る趣旨ではない。
【0021】
本実地形態にかかるNFTで定義されたデジタルトレーディングカード(以下、単に「デジタルカード」または「カード」ともいう)、すなわちNFT化されたデジタルトレーディングカードを、以下、「NFTトレカ」ともいう。なお、以下、ゲーム媒体を定義するNFTを、「ゲーム媒体のNFT」または単に「NFT」ともいう。
【0022】
「ゲーム媒体」とは、ゲームに関する要素である。ゲーム媒体は、例えば、デジタルカード、プレイヤキャラクタとして使用するキャラクタの名称、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)などが含まれる。
【0023】
ゲーム媒体がデジタルカードの場合など、ゲーム媒体(価値媒体)に対応付ける画像を「媒体画像」ともいう。媒体画像は、例えば、デジタルカードの一部として表示される。また、媒体画像は、例えば、プレイヤの操作によって進行されたゲームの少なくとも一部のシーンを示すゲーム画像と、ゲームが行われた現実のイベントを示す現実情報画像とを含む。
【0024】
プラットフォームシステム1では、一次流通として、プラットフォームシステム1を運営する企業やゲームの運営会社、または小売業者などが、NFTトレカなどのNFTをオンライン上で販売することができる。以下、プラットフォームシステム1における一次流通を実現するための環境(例えば、ハードウェアやソフトウェアなどの動作環境)を、「第1プラットフォーム」ともいう。また、プラットフォームシステム1では、二次流通として、販売されたNFTを、ユーザ間の取引で売買することができる。以下、プラットフォームシステム1における二次流通を実現するための環境を、「第2プラットフォーム」ともいう。
【0025】
プラットフォームシステム1では、ユーザは、他のゲーム媒体を合体させて、合体先のゲーム媒体の状態を変更することができる。また、プラットフォームシステム1では、ユーザは、合体させた複数のゲーム媒体を分解することができる。以下、複数のゲーム媒体を合体させたり分解させたりしてゲーム媒体の状態を変更することを「カスタマイズ」ともいう。
【0026】
ゲーム媒体の状態とは、例えば、ゲーム媒体の外観(ゲーム媒体の画像)、パラメータ、または音声などである。プラットフォームシステム1では、複数のゲーム媒体を合体させることで、ゲーム媒体の画像を変更させたり、ゲーム媒体から音声を出力させたりすることができる。
【0027】
本実施形態にかかるゲームは、例えば、複数のプレイヤの操作によって進行される対戦ゲームであり、いわゆるeスポーツである。しかしながら、本実施形態にかかるゲームをこれに限定する趣旨ではない。
【0028】
図1に示すように、プラットフォームシステム1は、サーバ装置2および複数のユーザ装置5にて構成される。プラットフォームシステム1では、サーバ装置2および複数のユーザ装置5が通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続されている。
【0029】
サーバ装置2は、プラットフォームシステム1を運営する運営者(以下、「システム運営者」ともいう)が使用する情報処理装置である。サーバ装置2は、所定のプログラムを実行することにより、NFTをユーザに販売するためのECサーバやユーザ間のNFTの取引を管理する機能を実現する。
【0030】
ユーザ装置5は、ユーザが使用する情報処理装置である。ユーザ装置5は、スマートフォンやラップトップなどの汎用的な端末装置であってもよいし、プラットフォームシステム1専用の装置であってもよい。ユーザ装置5は、所定のプログラムを実行することにより、価値媒体の取引をするためのUIをユーザに提供する。所定のプログラムとは、例えば、プラットフォームシステム1専用のアプリケーションプログラム(以下、「トレカアプリ」ともいう)であってもよいし、情報処理装置に汎用的に備わっているWebブラウザであってもよい。ユーザ装置5は、例えば、通信ネットワーク6を介して、サーバ装置2やアプリケーションストアからトレカアプリを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。トレカアプリは、例えば、ユーザが所有するNFTを格納し、管理するウォレット機能を備えてもよい。
【0031】
プラットフォームシステム1では、ユーザのアカウント認証のために、ユーザ識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、トレカアプリやWebブラウザからのログイン時、ユーザ装置5からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2においてアカウント認証の処理が実行される。そして、アカウント認証を経て、サーバ装置2とユーザ装置5との相互通信が可能となる。ログイン後、ユーザ装置5は、サーバ装置2からNFTトレカの取引に必要なデータをサーバ装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてNFTトレカの画像や音声をディスプレイおよびスピーカに出力させる。
【0032】
ここで
図2を参照して、プラットフォームシステム1におけるゲーム媒体の状態の変更の一例を説明する。
【0033】
図2に示すように、プラットフォームシステム1では、ユーザは、NFTトレカを構成するカードC1(
図2では、「カードNFT(本体)」と表記)やカードパーツPなどのゲーム媒体を、ゲームの運営会社などが運営する公式ショップで購入することができる。この公式ショップは、第1プラットフォームが実現するオンラインショップサービスの一つである。
【0034】
第1プラットフォームでは、カードC1を定義する第1NFTおよびカードパーツPを定義する第2NFTそれぞれに対して、第1NFTおよび第2NFTをそれぞれユーザに関連付けるための対価(以下、「第1購入対価」ともいう)が設定される。第2NFTは、第1NFTと異なる種類のNFTであり、例えば、第1NFTと関連付けて利用できるものであってもよい。第1購入対価は、公式ショップでゲームの運営会社などから消費者であるユーザがゲーム媒体を購入するために支払われる対価、すなわちBtoC取引の対価である。また、第1購入対価は、第1ユーザおよび第2ユーザとは異なる、システム運営者やゲーム運営者、または小売り業者などの購入元(販売元)に対して支払われるものである。
【0035】
第1プラットフォームでは、具体的には、サーバ装置2が提供するWebサイト(ECサイト)やトレカアプリの公式ショップの画面に表示されたこれらのゲーム媒体に対して、ユーザが購入を希望するものを選択して購入を指示(以下、「購入指示」ともいう)し、この購入指示に応じてユーザに購入されたゲーム媒体を関連付ける(付与する)。また、ユーザは、この公式ショップでゲーム媒体を購入するにあたって、公式ショップでゲーム媒体を販売するゲームの運営会社などに第1購入対価を支払う。
【0036】
カードC1は、NFTトレカの素体であり本体である。カードC1は、それ単体でもNFTトレカを構成することができる。カードC1を定義するデータは、NFTである。すなわち、カードC1は、NFT化されたゲーム媒体である。カードC1は第1ゲーム媒体の一態様であり、カードC1のNFTは、第1ゲーム媒体を定義する第1NFTの一態様である。
【0037】
カードパーツPは、NFTトレカを構成する部品である。カードパーツPを定義するデータも、NFTである。すなわち、カードパーツPも、NFT化されたゲーム媒体である。カードパーツPは、例えば、NFTトレカの枠を飾るフレームP1(
図2では、「カード枠」と表記)、NFTトレカに表示されるプロeスポーツ選手などのプレイヤのサインを示すサインパーツP2(
図2では、「選手サイン」と表記)、プロeスポーツ選手が所属するチームのマークのシールやゲームのキャラクタのシールなどを示すシールパーツP3(
図2では、「シール」と表記)などが含まれる。サインパーツP2およびシールパーツP3は、NFTトレカの画像の様々な箇所に自由に配置させることができる。カードパーツPは、言い換えれば、カードC1をカスタマイズできるゲーム媒体である。カードパーツPは第2ゲーム媒体の一態様であり、カードパーツPのNFTは、第2ゲーム媒体を定義する第2NFTの一態様である。
【0038】
本例では、ユーザが、カードC1の第1NFTと、フレームP1の第2NFT、と、サインパーツP2の第2NFTとを購入したものとする。
【0039】
プラットフォームシステム1では、ユーザは、購入したカードC1の第1NFTに、同じく購入したフレームP1の第2NFTおよびサインパーツP2の第2NFTを関連付けることができる。このように関連付けることで、ユーザは、カードC1をフレームP1およびサインパーツP2で装飾する(いわゆる、デコる)ことができる。言い換えれば、ユーザは、カードC1に、フレームP1およびサインパーツP2それぞれを合体させることができる。
【0040】
具体的には、先ず、サーバ装置2に、ユーザから、カードC1の第1NFTにフレームP1の第2NFTを関連付ける要求を行う。サーバ装置2は、この関連付けの要求に応じて、カードC1の第1NFTにフレームP1の第2NFTを関連付ける。サーバ装置2は、このようにNFT同士が関連付けられたフレームP1に基づいて、カードC1の状態の一つである外観を変更する。すなわち、サーバ装置2は、フレームP1に基づいて、カードC1の画像をフレームP1で縁取られた画像に変更する。次いで、ユーザから、カードC1の第1NFTにサインパーツP2の第2NFTを関連付ける要求を行う。サーバ装置2は、この関連付けの要求に応じて、カードC1の第1NFTにサインパーツP2の第NFTを関連付ける。サーバ装置2は、このようにNFT同士が関連付けられたサインパーツP2に基づいて、カードC1の外観をさらに変更する。このフレームP1およびサイン画像P1に基づき外観が変更されたカードC1を、カスタマイズカードC1’とする。サーバ装置2は、カードC1にフレームP1およびサインパーツP2で装飾させたカスタマイズカードC1’の画像を生成し、このカスタマイズカードC1’の画像をユーザ装置5に表示させる。
【0041】
プラットフォームシステム1では、ユーザは、カスタマイズカードC1’におけるフレームP1およびサインパーツP2により装飾された外観をさらに変更することができる。例えば、ユーザは、サインパーツP2の装飾をカスタマイズカードC1’からはずすことができる。具体的には、サーバ装置2に、ユーザから、カードC1の第1NFTとサインパーツP2の第2NFTとの関連付けの解除を要求(以下、「解除要求」ともいう)する。サーバ装置2は、この解除要求に応じて、カードC1の第1NFTとサインパーツP2の第2NFTとの関連付けを解除する。サーバ装置2は、この解除に応じて、カスタマイズカードC1’の外観を変更する。すなわち、サーバ装置2は、この解除に応じて、カスタマイズカードC1’の画像からサインパーツP2を除いた状態のカスタマイズカードC1’’の画像をユーザ装置5に表示させる。なお、このはずされた(解除された)サインパーツP2の第2NFTは、カードC1の第1NFTと再度関連付けたり、別のカード本体の第1NFTと関連付けたりすることができる。
【0042】
上記構成によれば、プラットフォームシステム1は、ユーザに、NFTを関連付けたり解除したりすることで、NFTトレカのカード本体の状態をフレームやサインパーツなどに基づいて自由に変更させることができる。NFTトレカはその状態によって価値が変わることがあるため、NFTトレカの状態を変更させるにあたって、ユーザは、価値が上がるように創意工夫を凝らしたり人気のデザインを模索したりすることにより面白さを感じることができる。したがって、プラットフォームシステム1は、NFT化されたゲーム媒体の状態を変更するにあたって興趣性を改善できる。
【0043】
ここで
図3を参照して、プラットフォームシステム1におけるユーザ間の取引の一例を説明する。
【0044】
図3に示すように、プラットフォームシステム1では、二次流通として、第1ユーザは、公式ショップから購入したカードやカスタマイズしたカードを第2ユーザに販売(転売)することができる。本例では、システム運営者が、ユーザ間の取引を仲介するものとする。プラットフォームシステム1の第2プラットフォームが、このようなユーザ間のNFTの電子商取引が可能なNFTマーケットプレイスを実現する。
【0045】
第2プラットフォームでは、第1ユーザから第2ユーザがNFTで定義されたゲーム媒体を購入するにあたって支払う対価(以下、「第2購入対価」ともいう)が、第1ユーザと第2ユーザとの間で設定される。第2購入対価は、ユーザ(消費者)間でNFTを購入するために支払われる対価、すなわちCtoC取引の対価である。このような構成によれば、システム運営者やゲーム運営者などの中央管理者がNFTの価値を一方的に設定するのではなく、第1ユーザと第2ユーザとの間の合意形成により設定できるため、取引を行うユーザによりそった価値設定を行うことができる。
【0046】
プラットフォームシステム1では、このようなユーザ間の取引において、取引の仲介手数料や販売するカードの著作権料などの料金を徴収することができる。以下、プラットフォームシステム1でのユーザ間の取引において徴収するこれらの料金を、総称して「徴収料金」ともいう。なお、この徴収料金について、サーバ装置2は、例えば、NFTトレカなどの取引対象の販売価格に基づいて設定してもよい。例えば、サーバ装置2は、NFTトレカの販売価格に所定の掛け率(例えば、30%)を掛けて算出した金額を徴収料金の金額として設定して徴収してもよい。
【0047】
第1ユーザから第2ユーザにNFTトレカを販売する態様は、例えば、(1)カード本体(
図3では、「素NFT」と表記)をそのまま販売する、(2)カスタマイズしたカードを販売する、(3)複数のカードをまとめて販売(まとめ売り)する、(4)eスポーツ大会でのTOP4の試合の画像が使用されたカードを1つのセットとして販売する、などの様々な態様が可能である。
【0048】
プラットフォームシステム1では、二次流通として、第1ユーザから第2ユーザにカードパーツPの第2NFT単体で販売すること(第2NFTを第2ユーザに移転させること)が制限されている。例えば、プラットフォームシステム1では、カードパーツPの第2NFTの販売そのものが不可とされていてもよいし、カードパーツPの第2NFTの販売回数(移転の回数)に上限が設けられていてもよい。カードパーツPの第2NFTの販売回数の上限は、例えば、カードパーツPの種類ごとに異なってもよい。また、例えば、シールパーツP3の販売回数の上限(例えば、3回までなど)は、フレームパーツP1の上限(例えば、100回までなど)より少なく設定されてもよい。
【0049】
例えば、上記の例のように徴収料金について取引対象の販売価格に所定の掛け率を掛けた金額を設定する場合、取引対象にカードパーツP単体を含めると、カード本体やカスタマイズされたカードと比較して徴収料金が低額となってしまうことがある。上記構成によれば、取引対象にカードパーツP単体を含めることを制限できるため、徴収料金が低額となってしまうことを抑制できる。
【0050】
<サーバ装置の構成>
図1に戻って説明を続ける。以下、サーバ装置2のハードウェア構成および機能構成について説明する。
【0051】
サーバ装置2は、ネットワークインタフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインタフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0052】
ネットワークインタフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介して各ユーザ装置5と通信可能接続されている。
【0053】
記憶部22は、主記憶装置、補助記憶装置または外部記憶装置などのプログラムやデータを記憶する装置である。記憶部22は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるプログラムの一部を含む各種プログラムの他、ユーザDB221、トークンDB222などの各種データなどが記憶されている。
【0054】
本実施形態にかかるプログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0055】
ユーザDB221には、ゲームをプレイするユーザのユーザ識別情報ごとに、ユーザが所有するNFTを識別するカード識別情報(カード番号かつシリアル番号)、プラットフォームシステム1内にて使用可能な電子的価値の残高、ユーザの属性を示す属性情報などが、対応付けられて記憶されている。以降、これらの情報を総称して「ユーザ情報」ともいう。ここで「電子的価値」とは、例えば、デジタル通貨(電子マネーや暗号資産(仮想通貨))であってもよい。
【0056】
トークンDB222には、プラットフォームシステム1で流通するNFTのNFT番号かつシリアル番号ごとに、パラメータ、発売日時(発行日時)、販売元(発行元)、総発行数、現在の所有者、取引の履歴などが、対応付けられて記憶されている。ここで「NFT番号」とは、NFTの種類を示す番号である。また「シリアル番号」とは、同じ種類のNFTにおいて発行されたNFTそれぞれに割り振られた固有の番号である。また、未販売のNFTの場合、トークンDB222には、NFT、すなわちゲーム媒体を定義するシリアル番号ごとに固有のデジタルデータそのものが対応付けられて記憶されていてもよい。NFTには、その真正性を証明する電子証明書および現在の所有者を証明する電子証明書の少なくともいずれかの電子証明書が含まれていてもよい。そしてユーザに販売された際に、このNFTがユーザ装置5に移動し(送信され)、トレカDB222から削除されてもよい。以降、これらの情報を総称して「NFT情報」ともいう。
【0057】
「パラメータ」とは、例えば、NFTトレカなどのゲーム媒体の戦力、攻撃力、防御力、体力(HP)、賢さ、スキルレベル、スキルの種類、ランク、またはレアリティなどである。
【0058】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置2の動作を制御する、すなわちデータの演算、加工及び転送並びにプログラムの実行や他の装置の制御などを担う処理装置(例えば、プロセッサなど)である。制御部23は、記憶部22に格納されているプログラムを実行することにより、サーバ装置2における様々な機能を実現することができる。
【0059】
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231、照合手段232、受付手段233、関連付け手段234、変更手段235、および解除手段236として機能する。
【0060】
―情報処理手段―
情報処理手段231は、各ユーザ装置5との間で各種データを送受信する。情報処理手段231が受信する主なデータとしては、表示情報の要求、ユーザの操作に応じた各種要求(例えば、デジタルカードの指定要求やガチャの抽選要求、デジタルカードを購入する際の決済要求など)、ユーザ情報、NFT情報(NFTそのものを含む)などが挙げられる。情報処理手段231が送信する主なデータとしては、トレカアプリ、NFT情報などが挙げられる。また、情報処理手段231は、例えば、Webサイトやトレカアプリを介してNFTトレカなどをユーザ装置5に表示させるための表示情報を生成してもよい。
【0061】
-照合手段―
照合手段232は、ユーザ装置5から受信したユーザの識別情報を用いて、ユーザアカウントの認証を行う。
【0062】
-受付手段―
受付手段233は、ユーザから、各種選択や指示、または要求などを受け付ける。受付手段233は、例えば、公式ショップで販売されている第1NFTや第2NFTを第1ユーザが購入する場合、第1ユーザからの第1NFTや第2NFTの購入指示を受け付ける。
【0063】
-第1受付手段―
受付手段233は、第1受付手段2331を備えてもよい。第1受付手段2331は、第1ユーザから、第1NFTと第2NFTとを関連付ける要求を受け付ける。第1受付手段2331は、例えば、第1ユーザから、カードC1とカードパーツPとを関連付ける要求を受け付ける。言い換えれば、第1受付手段2331は、第1ユーザから、カードC1にカードパーツPを合体させる要求を受け付ける。
【0064】
-第2受付手段―
受付手段233は、第2受付手段2332を備えてもよい。第2受付手段2332は、第2ユーザから、第1NFTと第2NFTとの関連付けを解除する要求を受け付ける。言い換えれば、第2受付手段2332は、第2ユーザから、合体させたカードC1とカードパーツPを分解する要求を受け付ける。
【0065】
-関連付け手段―
関連付け手段234は、受付手段233が受け付けたユーザからの要求に応じて、ユーザとNFT、またはNFT同士を関連付ける。
【0066】
-第1関連付け手段―
関連付け手段234は、第1関連付け手段2341を備える。第1関連付け手段2341は、第1ゲーム媒体を定義する第1NFTと、第2ゲーム媒体を定義する第2NFTと、を、第1ユーザにそれぞれ関連付ける。言い換えれば、第1関連付け手段2341は、第1NFTと第2NFTとを第1ユーザに付与する。第1関連付け手段2341は、例えば、第1ユーザからの購入指示に応じて、カードC1を定義する第1NFTと、カードパーツPを定義する第2NFTとを、第1ユーザにそれぞれ関連付ける。また、第1関連付け手段2341は、この関連付けの際に、第1ユーザが指定した決済方法(例えば、銀行の口座からの引き落としや電子的価値による決済など)により、この関連付けの対価(第1購入対価)の支払い決済をするための処理を行ってもよい。
【0067】
第1関連付け手段2341は、例えば、第1プラットフォームにおいて、第1NFTおよび第2NFTそれぞれが第1ユーザに関連付けられたことを示す情報(以下、「付与情報」ともいう)を生成または取得し、この付与情報を第1ユーザに関連付けてもよい。具体的には、第1関連付け手段2341は、第1ユーザのユーザ情報と付与情報とを関連付けて記憶部22に記憶させてもよい。
【0068】
第1関連付け手段2341は、例えば、第1プラットフォームにおいて、第1NFTおよび第2NFTそれぞれの第1購入対価が購入元に対して支払われたことを条件に、第1NFTおよび第2NFTを第1ユーザに関連付けてもよい。このような構成によれば、一次流通において、NFTをユーザが購入するにあたって対価を要することができる。
【0069】
-第2関連付け手段―
関連付け手段234は、第2関連付け手段2342を備える。第2関連付け手段2342は、第1受付手段2331が受け付けたユーザからの要求に応じて、第1NFTと第2NFTとを関連付ける。第2関連付け手段2342は、第1NFTおよび第2NFTが関連付けられたことを示す情報(以下、「カスタマイズ情報」ともいう)を生成し、第1NFTが定義する第1ゲーム媒体および第2NFTが定義する第2ゲーム媒体の少なくともいずれかに関連付けて記憶部22に記憶させる。
【0070】
第2関連付け手段2342は、例えば、対価の支払いを要することなく、第1NFTと第2NFTとの関連付けを行うこと、および、第1NFTと第2NFTとの関連付けを解除すること、の少なくとも一方を許容してもよい。第2関連付け手段2342は、例えば、カードC1の第1NFTとカードパーツPの第2NFTとの関連付けを行うこと、言い換えれば、カードC1にカードパーツPを合体させることを、その対価の支払いを要することなく許容してもよい。他方、第2関連付け手段2342は、例えば、カードC1の第1NFTとカードパーツPの第2NFTの関連付けを解除すること、言い換えれば、カードC1とカードパーツPを分解することを、その対価の支払いを要することなく許容してもよい。
【0071】
このような構成によれば、ユーザは、対価の支払いを気にすることなく、第1NFTと第2NFTとの関連付けやこの関連付けの解除を行うことができる。例えば、カードC1にカードパーツPを合体させたり合体させたカードC1とカードパーツPを分解させたりしてNFTトレカをカスタマイズすることを、ユーザは、対価の支払いなしに自由に行うことができる。このため、第1NFTと第2NFTとの関連付けやこの関連付けの解除のしやすい、ユーザにとって使い勝手のよいプラットフォームシステムを提供することができる。
【0072】
第3関連付け手段2343は、例えば、第2プラットフォームにおいて、第1ユーザと第2ユーザとの間で設定された第2購入対価が支払われたことを条件に、第1NFTおよび第2NFTそれぞれについて、第1ユーザとの関連付けを解除し、第2ユーザと関連付けてもよい。このような構成によれば、二次流通において、NFTをユーザ間で取引するにあたって対価を要することができる。
【0073】
第3関連付け手段2343は、例えば、第2購入対価のうちから購入元により徴収される徴収料金を購入元に対して支払い、徴収料金が差し引かれた第2購入対価を第1ユーザに支払うことを条件として、第1NFTおよび第2NFTそれぞれについて、第1ユーザとの関連付けを解除し、第2ユーザと関連付けてもよい。このような構成によれば、第2購入対価から仲介手数料や著作権料などの徴収料金を差し引いて徴収するため、ユーザ間の取引において確実に徴収することができる。
【0074】
-第3関連付け手段―
関連付け手段234は、第3関連付け手段2343を備える。第3関連付け手段2343は、第1ユーザに関連付けられている第1NFTおよび第2NFTについて、第1ユーザとの関連付けを解除して、第2ユーザに関連付ける。言い換えれば、第3関連付け手段2343は、第1NFTおよび第2NFTそれぞれを、第1ユーザから第2ユーザに移転させる。第3関連付け手段2343は、この解除および関連付けの際に、第2ユーザが指定した決済方法により、この解除および関連付け(移転)の対価の支払い決済をするための処理を行ってもよい。
【0075】
第3関連付け手段2343は、例えば、第1ユーザが所有するカードC1の第1NFTおよびフレームパーツP1の第2NFTそれぞれについて、第1ユーザから第2ユーザに販売された場合、これらのNFTと第1ユーザとの関連付けを解除して、これらのNFTを第2ユーザに関連付ける。言い換えれば、第3関連付け手段2343は、カードC1の第1NFTおよびフレームパーツP1の第2NFTそれぞれを、第1ユーザから第2ユーザに移転させる。
【0076】
第3関連付け手段2343は、例えば、第1NFTと第2NFTとが関連付けられていることを条件として、第1NFTと第2NFTを一括して第2ユーザに関連付けてもよい。第3関連付け手段2343は、例えば、第1ユーザが所有するカードC1の第1NFTおよびフレームパーツP1の第2NFTについて、これらのNFTが関連付けられていることを条件として、これらを一括してカスタマイズカードC1’’として、第2ユーザに関連付けてもよい。
【0077】
第3関連付け手段2343は、例えば、第1NFTと第2NFTとが関連付けられていない場合は、第1NFTを単独で第2ユーザへ関連付けることを許容する一方、第2NFTを単独で第2ユーザへの関連付けることを制限してもよい。第3関連付け手段2343は、例えば、第1ユーザが所有するカードC1の第1NFTとフレームパーツP1の第2NFTとが関連付けられていない場合、言い換えれば、これらのNFTが個別に分かれている状態の場合、カードC1の第1NFTを単独で第2ユーザに関連付けること(移転させること)を許容し、カードパーツPの第2NFTを単独で関連付けることを制限してもよい。
【0078】
上記構成によれば、第3関連付け手段2343は、それ単独でもNFTトレカを構成することができるカードC1の第1NFTと比較して、それ単独ではNFTトレカを構成することができないカードパーツPに対して一定の取引制限を適用することができる。
【0079】
例えば、上記の例のように徴収料金について取引対象の販売価格に所定の掛け率を掛けた金額を設定する場合、取引対象にカードパーツP単体を含めると、カード本体やカスタマイズされたカードと比較して徴収料金が低額となってしまうことがある。上記構成によれば、第3関連付け手段2343は、取引対象にカードパーツP単体を含めることを制限できるため、徴収料金が低額となってしまうことを抑制できる。
【0080】
第3関連付け手段2343は、例えば、第2プラットフォームにおいて、第1NFTおよび第2NFTそれぞれが第2ユーザに関連付けられたことを示す情報(以下、「取引情報」ともいう)を生成または取得し、第2ユーザに関連付ける。取引情報は、言い換えれば、NFTごとにユーザ間の取引の履歴を示す情報である。具体的には、第3関連付け手段2343は、第2ユーザのユーザ情報と取引情報とを関連付けて記憶部22および/またはユーザ装置5に記憶させてもよい。このような構成によれば、NFTの最新の所有者である第2ユーザからたどってこのNFTの取引情報を検索することができる。
【0081】
<付与情報、カスタマイズ情報および取引情報>
ここで、
図4を参照して、付与情報、カスタマイズ情報および取引情報の一例を説明する。本例では、付与情報、カスタマイズおよび取引情報がNFT情報に含まれているものとする。NFT情報は、NFT番号とシリアル番号とを複合キーとして、各NFTを一意に識別する。
【0082】
(1)
図4の二点鎖線の枠で囲まれた部分が示すように、第1関連付け手段2341は、例えば、第1プラットフォームにおいて、第1NFT(NFT番号「c-1」およびシリアル番号「001」)が第1ユーザに関連付けられた場合、この関連付けを示す付与情報(「#付与」のタグと付与日時「2021/3/1」)を第1ユーザに関連付けてもよい。
【0083】
(2)
図4の破線の枠で囲まれた部分が示すように、第2関連付け手段2342は、例えば、カードC1の第1NFTと、フレームP1の第2NFT(NFT番号「p-1」およびシリアル番号「001」)と、を関連付けた場合、この関連付けを示すカスタマイズ情報(「#合体」のタグと合体日時「2021/3/3」)を第1ユーザに関連付けてもよい。また、解除手段236は、例えば、この第1NFTと第2NFTとの関連付けを解除場合、この解除を示すカスタマイズ情報(「#分解」のタグと分解日時「2021/4/5」)を第1ユーザに関連付けてもよい。
【0084】
(3)
図4の一点鎖線の枠で囲まれた部分が示すように、第3関連付け手段2343は、例えば、カードC1の第1NFTとサインパーツP2の第2NFT(NFT番号「p-2」およびシリアル番号「001」)を一括して第1ユーザとの関連付けを解除して、第2ユーザに関連付けられたことを示す取引情報(「#移転」のタグと移転日時)を第2ユーザに関連付けてもよい。
【0085】
-変更手段―
図1に戻って説明を続ける。変更手段235は、ゲーム媒体の状態を変更する。言い換えれば、変更手段235は、ユーザの操作に応じて、ゲーム媒体をカスタマイズ(他のゲーム媒体を合体させたり分解させたり)する。
【0086】
-第1変更手段―
変更手段235は、第1変更手段2351を備える。第1変更手段2351は、第1NFTと関連付けられた第2NFTが定義する第2ゲーム媒体に基づいて、第1ゲーム媒体の状態を変更させる。第1変更手段2351は、例えば、サインパーツP2に基づいて、カードC1の外観を変更させる。言い換えれば、第1変更手段2351は、
図2のカスタマイズカードC1’のように、サインパーツP2の画像を上から重ねた(貼り付けた)カードC1の画像をユーザ装置5に表示させる。
【0087】
-第2変更手段―
変更手段235は、第2変更手段2352を備える。第2変更手段2352は、後述する解除手段236による解除に応じて、第1ゲーム媒体の状態を変更させる。第2変更手段2352は、例えば、カードC1の第1NFTとカードパーツPの第2NFTとの関連付けを解除に応じて、カードC1の状態を変更する。言い換えれば、第2変更手段2352は、カードC1を、カードパーツPを合体させる前の状態に戻す。
【0088】
上記構成によれば、第2変更手段2352は、移転先の第2ユーザにおいて、第1NFTと第2NFTとの関連付けを解除に応じて、第1ゲーム媒体の状態を変更することができる。例えば、カードC1を定義する第1NFTとサインパーツP2を定義する第2NFTとの関連付けを解除に応じて、カードC1に合体させたサインパーツP2を分解しすることもできる。このように、第2変更手段2352は、NFTの関連付けを解除することで、NFTトレカのカード本体の状態を変更させることができる。ユーザは、他のユーザから購入した、第2NFTのカードパーツPを第1NFTのカードC1に付けたままにすることもはずすことも、さらにはずした第2NFTのカードパーツPを他の第1NFTのカード本体に付けることもできる。したがって、第2変更手段2352は、NFT化されたゲーム媒体の状態を変更するにあたって興趣性を改善できる。
【0089】
―解除手段-
解除手段236は、第2受付手段2332が受け付けた解除要求に応じて、第1NFTと第2NFTとの関連付けを解除する。言い換えれば、解除手段236は、カードC1の第1NFTとカードパーツPの第2NFTとの関連付けを解除することで、合体させたカードC1とカードパーツPを分解する。解除手段236は、このようにカードC1とカードパーツPを分解することができる。
【0090】
<プラットフォームシステムの動作の流れ>
図5~6を参照して、プラットフォームシステム1における一次流通および二次流通での取引の処理と取引されたゲーム媒体のカスタマイズの処理の流れ・相互作用の一例について説明する。
【0091】
図5は、一次流通として第1NFTおよび第2NFTを第1ユーザが購入してから第1NFTが定義する第1ゲーム媒体の状態を変更するまでの処理の流れ・相互作用を示すシーケンス図である。
【0092】
図5に示すように、まず、第1ユーザ装置5aは、第1ユーザから、購入指示として、第1ゲーム媒体を定義する第1NFTと、第2ゲーム媒体を定義する第2NFTと、を、第1ユーザにそれぞれ関連付ける要求を受け付ける(ステップst11)。次いで、第1ユーザ装置5aは、この要求をサーバ装置2に送信する(ステップst12)。
【0093】
次いで、サーバ装置2の受付手段233は、第1NFTと第2NFTとを第1ユーザにそれぞれ関連付ける要求を受け付ける(ステップst13)。次いで、第1関連付け手段2341は、第1NFTと第2NFTとを第1ユーザにそれぞれ関連付ける(ステップst14)。
【0094】
次いで、サーバ装置2の第1関連付け手段2341は、第1ユーザに関連付けた第1NFTと第2NFTとを第1ユーザ装置5aにそれぞれ送信する(ステップst15)。第1ユーザ装置5aは、第1NFTと第2NFTとを受信すると、それぞれが定義するゲーム媒体の画像や音声を出力させる(ステップst16)。
【0095】
次いで、第1ユーザ装置5aは、第1ユーザから、第1NFTと第2NFTとを関連付ける要求を受け付ける(ステップst17)。次いで、第1ユーザ装置5aは、この要求をサーバ装置2に送信する(ステップst18)。
【0096】
次いで、サーバ装置2の第1受付手段2331は、第1NFTと第2NFTとを関連付ける要求を受け付ける(ステップst19)。次いで、第2関連付け手段2342は、第1NFTと第2NFTとを関連付ける(ステップst20)。
【0097】
次いで、第1変更手段2351は、第1NFTと関連付けた第2NFTが定義する第2ゲーム媒体に基づいて、第1ゲーム媒体の状態を変更させる。本例では、第1変更手段2351は、第2ゲーム媒体に基づいて、第1ゲーム媒体のパラメータを変更させる例を説明する。具体的には、第1変更手段2351は、第1ゲーム媒体の状態を変更させる処理の一つとして、第1ゲーム媒体のパラメータの変更を反映させるための変更情報を生成する。(ステップst21)。次いで、第1変更手段2351は、第1ゲーム媒体の状態を変更させる処理の一つとして、生成した変更情報を第1ユーザ装置5aに送信する(ステップst21)。第1ユーザ装置5aは、受信した変更情報を第1NFTに反映させて第1ゲーム媒体のパラメータを変更し、パラメータが変更された第1ゲーム媒体を出力させる(ステップst22)。
【0098】
図6は、二次流通として第1ユーザから販売された第1NFTおよび第2NFTを第2ユーザが購入してから第1NFTが定義する第1ゲーム媒体の状態を変更するまでの処理の流れ・相互作用を示すシーケンス図である。
【0099】
図6に示すように、第1ユーザ装置5aは、第1ユーザから、関連付けた第1NFTおよび第2NFTを販売するために、NFTマーケットプレイスにこれらを出品するための要求(以下、「出品要求」ともいう)を受け付ける(ステップst31)。本例では、この出品要求に出品対象の第1NFTおよび第2NFTが含まれているものとする。次いで、第1ユーザ装置5aは、この出品要求をサーバ装置2に送信する(ステップst32)。
【0100】
次いで、サーバ装置2の受付手段233は、第1NFTおよび第2NFTの出品要求を受け付ける(ステップst33)。サーバ装置2の情報処理手段231は、この出品要求に基づいて、NFTマーケットプレイスにおける第1NFTおよび第2NFTを出品表示させるための表示情報を生成する(ステップst34)。情報処理手段231は、生成した表示情報を第1ユーザ装置5aおよび第2ユーザ装置5bそれぞれに送信する(ステップst35)。第1ユーザ装置5aおよび第2ユーザ装置5bそれぞれは、受信した表示情報に基づいて、Webサイトやトレカアプリを介して、第1NFTおよび第2NFTの出品を表示させる(ステップst36)。
【0101】
次いで、第2ユーザ装置5bは、第2ユーザから、表示された第1NFTおよび第2NFTを第1ユーザから購入するために、これらのNFTと第2ユーザとを関連付ける要求を受け付ける(ステップst37)。次いで、第2ユーザ装置5bは、この要求をサーバ装置2に送信する(ステップst38)。
【0102】
次いで、サーバ装置2の受付手段233は、第2ユーザから、第1NFTおよび第2NFTと、第2ユーザとを関連付ける要求を受け付ける(ステップst39)。第3関連付け手段2343は、第1NFTおよび第2NFTと、第1ユーザとの関連付けを解除する。第3関連付け手段2343は、この解除に応じて、第1ユーザ装置5aに対して、第1NFTおよび第2NFTを第2ユーザに移転させるために、第1NFTおよび第2NFTの移動を要求する(ステップst41)。第1ユーザ装置5aは、この要求に応じて、第1NFTおよび第2NFTをサーバ装置2に送信する(ステップst42)。サーバ装置2は、送信された第1NFTおよび第2NFTを第2ユーザ装置5bに送信する(ステップst43)。なお、第1NFTおよび第2NFTの移転の他の例として、サーバ装置2が、第1ユーザ装置5aに記憶されている第1NFTおよび第2NFTを削除させ(または無効にさせ)、第1NFTおよび第2NFTを新たに生成して第2ユーザ装置5bに生成した第1NFTおよび第2NFTを送信してもよい。サーバ装置2は、第1NFTおよび第2NFTと第2ユーザとを関連付ける(ステップst44)。
【0103】
次いで、第2ユーザ装置5bは、第2ユーザから、第1NFTと第2NFTとの関連付けを解除する要求を受け付ける(ステップst45)。次いで、第2ユーザ装置5bは、この要求をサーバ装置2に送信する(ステップst46)。
【0104】
次いで、サーバ装置2の第2受付手段2332は、第2ユーザから、第1NFTと第2NFTとの関連付けを解除する要求を受け付ける(ステップst47)。解除手段236は、第1NFTと第2NFTとの関連付けを解除する(ステップst48)。
【0105】
次いで、第2変更手段2352は、上記解除に応じて、第1ゲーム媒体の状態を変更させる。具体的には、第2変更手段2352は、第1ゲーム媒体の状態を変更させる処理の一つとして、第1ゲーム媒体のパラメータをさらに変更する、言い換えれば第1変更手段2351による第1ゲーム媒体のパラメータの変更を戻すための変更情報を生成する。(ステップst49)。次いで、第2変更手段2352は、第1ゲーム媒体の状態を変更させる処理の一つとして、生成した変更情報を第2ユーザ装置5bに送信する(ステップst50)。第2ユーザ装置5bは、受信した変更情報を第1NFTに反映させて、第1ゲーム媒体のパラメータをさらに変更し(第1変更手段2351による変更前に戻し)、パラメータがさらに変更された第1ゲーム媒体を出力させる(ステップst51)。
【0106】
以上をまとめると、サーバ装置2の制御部23(コンピュータ)を、第1ゲーム媒体を定義する第1ノンファンジブルトークン(第1NFT)と、第2ゲーム媒体を定義する第2ノンファンジブルトークン(第2NFT)と、を、第1ユーザにそれぞれ関連付ける第1関連付け手段2341、第1ユーザから、第1NFTと第2NFTとを関連付ける要求を受け付ける第1受付手段2331、要求に応じて、第1NFTと第2NFTとを関連付ける第2関連付け手段2342、第2NFTが定義する第2ゲーム媒体に基づいて、第1ゲーム媒体の状態を変更させる第1変更手段2351、第1NFTおよび第2NFTについて、第1ユーザとの関連付けを解除して、第2ユーザに関連付ける第3関連付け手段2343、第2ユーザから、第1NFTと第2NFTとの関連付けを解除する要求を受け付ける第2受付手段2332、要求に応じて、第1NFTと第2NFTとの関連付けを解除する解除手段236、解除に応じて、第1ゲーム媒体の状態を変更させる第2変更手段2352、として機能させるものである。
【0107】
<効果>
本実施形態によれば、ユーザは、NFTを関連付けたり解除したりすることで、NFTトレカのカード本体の状態をフレームやサインパーツなどに基づいて変更させることができる。NFTトレカはその状態によって価値が変わることがあるため、NFTトレカの状態を変更させるにあたって、ユーザは、価値が上がるように創意工夫を凝らしたり人気のデザインを模索したりすることにより面白さを感じることができる。したがって、NFT化されたゲーム媒体の状態を変更するにあたって興趣性を改善できる。
【0108】
[変形例]
なお、本発明を上記実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記実施形態に限定されない。以下のような場合も本発明に含まれる。
【0109】
[第1変形例]
上記実施形態では、NFTが定義するゲーム媒体がデジタルカードである例を説明したが、本発明にかかるNFTが定義するゲーム媒体はこれに限定されない。NFTが定義するゲーム媒体は、例えば、ゲームで使用するアイテムやキャラクタなどであってもよい。また、NFTが定義する価値媒体は、ゲーム媒体に限定されない。すなわち、NFTが定義する価値媒体は、特定のゲーム内で使用されるものではない、単に収集やユーザ間における取引を目的としたデジタルカードなどであってもよい。この場合、NFTが定義する価値媒体には媒体画像が対応付けられる一方、ゲームで使用するためのゲームパラメータなどは対応付けられない。
【0110】
[第2変形例]
上記実施形態では、プラットフォームシステム1の二次流通において、カードパーツP2の第2NFT単体で販売すること(ユーザ間で移転されること)が制限される例を説明したが、本発明にかかるNFTの販売態様はこれに限定されない。例えば、二次流通において、第2ゲーム媒体を定義する第2NFT単体で販売することを許容してもよい。また、例えば、上記実施形態で示した例のように取引対象の販売価格に所定の掛け率を掛けた金額を徴収料金として設定するような場合、カードパーツPの第2NFT単体を販売することを許容すると徴収料金が低額となってしまうことがある。これに対して、プラットフォームシステム1において、NFTトレカのカスタマイズの対価を徴収することでカバーしてもよい。
【0111】
ここで、
図7を参照して、二次流通において第2NFT単体で販売することを許容する際のNFTトレカのカスタマイズの対価を徴収方法の一例について説明する。
【0112】
図7に示すように、プラットフォームシステム1では、例えば、カードパーツによりカード本体をカスタマイズする際に、その対価を徴収するようにしてもよい。カスタマイズの対価の徴収方法としては、例えば、以下のような方法が考えられる。
(ア)カスタマイズをする際に必要なゲーム媒体(
図7では、「カスタマイズアイテム」と表記)を販売し、このゲーム媒体を購入し所有すること(ユーザに関連付けられていること)を条件として、ユーザはNFTトレカをカスタマイズすることができる。
(イ)カスタマイズをする際に都度、カスタマイズの対価をユーザに要求し、このカスタマイズの対価の支払い決済を行う。カスタマイズの対価は、例えば、カードC1にカードパーツPを合体させる対価(
図7では、「合体対価」と表記)、または合体させたカードC1とカードパーツPとを分解させる対価(
図7では、「分解対価」と表記)などが含まれる。
【0113】
第2関連付け手段2342は、例えば、対価の支払いを条件として、第1NFTと第2NFTを関連付けること、および、第1NFTと第2NFTとの関連付けを解除すること、の少なくともいずれかを許容してもよい。具体的には、第2関連付け手段2342は、例えば、関連付けの対価の支払いを条件として、カードC1の第1NFTとフレームP1の第2NFTを関連付けること、カードC1にフレームP1を合体させることを許容してもよい。
【0114】
上記構成によれば、第1NFTと第2NFTを関連付けることやこの関連付けを解除することについて、これらの対価を徴収することができる。例えば、プラットフォームシステム1の運営やNFTトレカに掲載されたプロeスポーツ選手への支払いに充当させるために、資金を集める必要があることが考えられる。このように資金を集める際に、このようなNFTトレカのカスタマイズの対価を徴収することでこのような資金の資金源とすることができる。特に、第2NFTを単体で販売することを許容することで徴収料金が低額となってしまう場合、その代わりの資金源とすることができる。
【0115】
第2関連付け手段2342は、例えば、関連付けの対価の第2ユーザによる支払いを条件として、第1NFTと第2NFTとを関連付けてもよい。このような構成によれば、第1NFTと第2NFTを関連付けるための対価が支払われることが関連付けの前提となるため、関連付けの対価を確実に徴収することができる。
【0116】
第3関連付け手段2343は、例えば、第1NFTと第2NFTとが関連付けられているか否かに関わらず、第1NFTを単独で第2ユーザへ関連付けることを許容するとともに、第2NFTを単独で第2ユーザに関連付けることを許容してもよい。第3関連付け手段2343は、カードC1の第1NFTとサインパーツP2の第2NFTが関連付けられていなくても(合体されていなくても)、サインパーツP2の第2NFT単体を、第1ユーザとの関連付けを解除して、第2ユーザに関連付けることを許容してもよい。言い換えれば、第3関連付け手段2343は、第2NFT単体で、第1ユーザから第2ユーザに移転(販売→購入)させることができる。
【0117】
上記構成によれば、第3関連付け手段2343は、第1NFTと第2NFTとが関連付けられているか否かに関わらず、第1NFTおよび第2NFTそれぞれを単独で第2ユーザへ関連付けることができる。このため、ユーザは、第2NFT単体でも第2ユーザに移転させることができるため、二次流通において、NFTトレカに関するNFTをより自由に流通させることができる。したがって、第3関連付け手段2343は、二次流通におけるNFTトレカに関するNFTの流通を促進することができる。
【0118】
第3関連付け手段2343は、例えば、第1NFTおよび/または第2NFTの購入の対価(以下、「購入対価」ともいう)の第2ユーザによる支払いを条件として、第1NFTおよび/または第2NFTについて、第1ユーザとの関連付けを解除して、第2ユーザに関連付けてもよい。第3関連付け手段2343は、例えば、第2ユーザによる購入対価の支払い決済が完了したことを検出した際、この検出に応じて、第1NFTおよび/または第2NFTについて、第1ユーザとの関連付けを解除して、第2ユーザに関連付けてもよい。
【0119】
解除手段236は、例えば、解除の対価の第2ユーザによる支払いを条件として、第1NFTと第2NFTとの関連付けを解除してもよい。解除手段236は、例えば、第2ユーザによる解除の対価の支払い決済が完了したことを検出した際、この検出に応じて第1NFTと第2NFTとの関連付けを解除してもよい。このような構成によれば、第1NFTと第2NFTとの関連付けの解除の対価が支払われることが解除の前提となるため、解除の対価を確実に徴収することができる。
【0120】
[第3変形例]
上記実施形態では、NFTをそれぞれ個別にユーザに関連付ける例を説明したが、本発明にかかるNFTのユーザへの関連付けの形態はこれに限定されない。例えば、NFTトレカを複数組み合わせてNFTの集合(いわゆる、セットやパックなど)を生成し、生成したNFTの集合ごとにユーザに付与してもよい。
【0121】
制御部23は、組み合わせ手段(不図示)として機能してもよい。組み合わせ手段は、複数のNFTを組み合わせることで複数のNFTの集合を生成する。NFTの集合とは、例えば、カードC1を定義する第1NFTのパックやカードパーツPを定義する第2NFTのセット、カードC1を定義する第1NFTとカードパーツPを定義する第2NFTの一組セットなどである。組み合わせ手段は、例えば、eスポーツ大会の決勝リーグかつファイナルラウンドのパックとして、eスポーツ大会の決勝リーグが全部で10試合あった場合、この10試合それぞれでプレイされたゲームのファイナルラウンドそれぞれの媒体画像が対応付けられた10個のカードC1を集めたパックを生成してもよい。
【0122】
[第4変形例]
上記実施形態では、プラットフォームシステム1が販売するNFTを表示させて、ユーザがその中からNFTを指定して購入する例を説明したが、本実施形態にかかるNFTの販売方法はこれに限定されにない。NFTの販売方法は、例えば、複数のNFTの中から抽選テーブルなどの抽選条件に基づいて1以上のNFTを選択する抽選(いわゆる「ガチャ」)であってもよい。NFTの販売方法は、例えば、複数のNFTを選択する抽選(いわゆる「パックガチャ」)であってもよい。
【0123】
記憶部22には、例えば、後述する抽選手段が用いる抽選テーブル(不図示)が記憶されていてもよい。抽選テーブルは、一般にガチャと呼ばれる抽選を抽選手段(後述)が行う際に用いるものであって、選択対象となるNFTに関する情報を複数含む。抽選テーブルには、NFTに関する情報(例えば、名称、パラメータなど)と、抽選による選択割合(いわゆる、当選確率や提供割合)とが、対応付けられている。
【0124】
「ガチャ」とは、サーバ装置2にて、抽選テーブルの中から、所定の選択割合に基づき任意のNFTを抽選により選択する方法である。選択された任意のNFTは、ユーザに付与される。“ガチャで選択したゲーム媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する”とは、「抽選処理で選択されたNFTが定義するゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連付ける/関連付けられている」ことと同義である。
【0125】
第1関連付け手段2341は、例えば、抽選手段により抽選を実行し、抽選の実行結果によりNFTをユーザに関連付けることであってもよい。第1関連付け手段2341は、例えば、抽選手段が選択したNFTのNFT情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とを、トークンDB222にて関連付ける。これにより、このユーザには、この抽選した(ガチャを引いた)結果当選したNFTが付与される。
【0126】
―抽選手段-
関連付け手段234は、例えば、抽選手段(不図示)を含んでもよい。抽選手段は、ユーザの抽選の実行指示に応じて抽選を実行する。抽選手段は、例えば、ユーザの抽選指示に応じて、記憶部22に記憶されている抽選テーブル(不図示)の中から、NFTごとの選択割合に基づいて1以上のNFTを抽選により選択する。
【0127】
[第5変形例]
上記実施形態では示していないが、プラットフォームシステム1の第2プラットフォームのユーザ間の取引において分散型台帳技術(例えば、ブロックチェーン技術)を活用してもよい。例えば、第2プラットフォームにおいて、ユーザ(エッジ)側で取引情報を分散させて管理するために、第1ユーザ装置5aや第2ユーザ装置5bを含む複数のユーザ装置5それぞれに分散させて記憶させてもよい。このような構成によれば、ユーザ間の取引を示す取引情報をユーザ装置5に分散させてユーザ間で共有することができるので取引情報の改ざんを防止することができる。また、取引情報をユーザ間で分散して管理するため、例えば特定のゲームを運営する運営者が集中管理する必要がなく、特定のゲーム運営者によらない様々なゲームをまたいでNFTトレカを使用することができる。
【0128】
第2プラットフォームにおいて、例えば、NFTの価値、すなわちNFTをユーザ間で移転するための対価の設定は、NFTを移転させる取引をするユーザ(上記の例では、第1ユーザと第2ユーザ)だけではなくプラットフォームシステム1のネットワークに参加する複数のユーザの合意形成に基づいて設定されてもよい。
【0129】
[他の実施形態]
上記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0130】
ゲームは、アクションゲーム、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、ボードゲーム、およびパズルゲームなどであってもよく、様々な種類のゲームに適用することができる。
【0131】
上記実施形態では、サーバ装置2および複数のユーザ装置5が一体となってプログラムを機能させる場合を例示したが、これに限定されない。プログラムのすべての手段、すなわち、受付手段、関連付け手段、変更手段、解除手段などが、サーバ装置2単体、ユーザ装置5単体、サーバ装置およびユーザ装置5とは別の通信端末単体、これらのうち組み合わせられる2つの装置(例えば、サーバ装置2とユーザ装置5での分散処理など)、に備えられていてもよい。また、サーバ装置、ユーザ装置、通信端末を一体となって機能させる場合、どの手段をどの装置にて機能させるかも、適宜変更が可能である。
【0132】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0133】
1 プラットフォームシステム
2 サーバ装置
23 制御部
233 受付手段
2331 第1受付手段
2332 第2受付手段
234 関連付け手段
2341 第1関連付け手段
2342 第2関連付け手段
2343 第3関連付け手段
235 変更手段
2351 第1変更手段
2352 第2変更手段
236 解除手段
5 ユーザ装置