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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】保護システム
(51)【国際特許分類】
   H02H 7/26 20060101AFI20240815BHJP
【FI】
H02H7/26 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024005382
(22)【出願日】2024-01-17
【審査請求日】2024-02-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003942
【氏名又は名称】日新電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】濱▲崎▼ 晃旗
(72)【発明者】
【氏名】長崎 則久
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-346434(JP,A)
【文献】特表2000-511392(JP,A)
【文献】実開昭53-027419(JP,U)
【文献】特開平10-248167(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106684850(CN,A)
【文献】特開昭62-007338(JP,A)
【文献】特開昭52-107547(JP,A)
【文献】国際公開第2021/024455(WO,A1)
【文献】特開2014-017938(JP,A)
【文献】特開2009-186266(JP,A)
【文献】特開2007-101208(JP,A)
【文献】特開平06-237525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3相交流の電力系統を保護する保護システムであって、
前記電力系統における中性点に接続されている保護ユニットを備えており、
前記中性点は、前記保護ユニットを介して接地されており、
前記保護ユニットは、
中性点補償リアクトルと、
前記中性点補償リアクトルと直列に接続されている中性点キャパシタと、を備えており、
前記保護システムは、前記保護ユニットの上流に位置している遮断器を備えており、
前記遮断器は、前記電力系統における連系点に位置しており、
前記電力系統における定格角周波数をω と表記し、
前記保護ユニットのリアクタンスをXと表記し、
前記遮断器の電流零ミス評価時間の長さをTと表記し、
前記中性点キャパシタのキャパシタンスをCと表記した場合に、
下記の式(1)、
【数1】
…(1)
が満たされている、保護システム。
【請求項2】
3相交流の電力系統を保護する保護システムであって、
前記電力系統における中性点に接続されている保護ユニットを備えており、
前記中性点は、前記保護ユニットを介して接地されており、
前記保護ユニットは、
中性点補償リアクトルと、
前記中性点補償リアクトルと直列に接続されている中性点キャパシタと、を備えており、
前記保護システムは、前記保護ユニットの上流に位置している遮断器を備えており、
前記遮断器は、前記電力系統における連系点に位置しており、
前記保護システムは、前記保護ユニットに並列に接続されている付加的な中性点補償リアクトルを備えており、
前記付加的な中性点補償リアクトルは、前記中性点に接続されており、かつ、接地されており、
前記電力系統における定格角周波数をωと表記し、
前記保護ユニットのリアクタンスをXと表記し、
前記遮断器の電流零ミス評価時間の長さをTと表記し、
前記中性点キャパシタのキャパシタンスをCと表記した場合に、
下記の式(2)、
【数2】
…(2)
が満たされている保護システム。
【請求項3】
前記保護ユニットの容量は、前記付加的な中性点補償リアクトルの容量よりも大きい、請求項に記載の保護システム。
【請求項4】
前記保護ユニットは、前記電力系統において1相地絡事故が発生した場合に、共振電流を生じさせる、請求項1または2に記載の保護システム。
【請求項5】
前記電力系統では、前記電力系統における連系点と前記保護ユニットとの間に、3相の変圧器が位置しており、
前記中性点は、前記変圧器のY結線の合流点に位置している、請求項1または2に記載の保護システム。
【請求項6】
前記電力系統では、前記電力系統における連系点と前記保護ユニットとの間に、3相の変圧器が位置しており、
前記変圧器は、接地変圧器であり、
前記中性点は、前記接地変圧器の千鳥巻線の合流点に位置している、請求項1または2に記載の保護システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、3相交流の電力系統を保護する保護システムに関する。
【背景技術】
【0002】
3相交流の電力系統を保護するための様々な技術が提案されている。一例として、下記の特許文献1には、3相短絡事故または3相地絡事故に対処することを目的とした技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特公平5-22458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の一態様の目的は、3相交流の電力系統における1相地絡事故に対処することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る保護システムは、3相交流の電力系統を保護する保護システムであって、前記電力系統における中性点に接続されている保護ユニットを備えており、前記中性点は、前記保護ユニットを介して接地されており、前記保護ユニットは、中性点補償リアクトルと、前記中性点補償リアクトルと直列に接続されている中性点キャパシタと、を備えている。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一態様によれば、3相交流の電力系統における1相地絡事故に対処できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】参考形態における電力系統の一構成例を示す。
図2】参考形態における中性点補償リアクトルの接続関係の例を示す。
図3】参考形態において1相地絡事故が発生した場合の各電流を模式的に示す。
図4】実施形態1における電力系統の一構成例を示す。
図5】実施形態1における保護ユニットの接続関係の例を示す。
図6】実施形態1において1相地絡事故が発生した場合の各電流を模式的に示す。
図7】比較例におけるシミュレーション結果を示す。
図8】実施例におけるシミュレーション結果を示す。
図9】実施形態2における電力系統の一構成例を示す。
図10】実施形態2において1相地絡事故が発生した場合の各電流を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔参考形態〕
実施形態1の説明に先立ち、参考形態について述べる。説明の便宜上、参考形態にて説明した構成要素(コンポーネント)と同じ機能を有する構成要素については、以降の各実施形態では、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。また、簡潔化のため、公知技術と同様の事項についても、説明を適宜省略する。
【0009】
本明細書において述べる各コンポーネントおよび各数値はいずれも、特に矛盾のない限り単なる例示である。それゆえ、例えば、特に矛盾のない限り、各コンポーネントの位置関係および接続関係は各図の例に限定されない。本明細書における「接続されている」という記載は、内容上矛盾のない限り、「電気的に接続されている」ことを意味する。
【0010】
上述の通り、特許文献1の技術は、電力系統における3相短絡事故または3相地絡事故に対処することを目的としている。ただし、特許文献1では、電力系統における1相地絡事故については考慮されていない。したがって、従来技術では、電力系統における1相地絡事故に適切に対処できない場合がある。参考形態では、このことについて述べる。
【0011】
図1は、参考形態における3相交流の電力系統120Rの一構成例を示す。電力系統120Rは、従来技術の例である。図1では、3相電路は太線によって示されており、単相電路は細線によって示されている。
【0012】
電力系統120Rは、3相交流の電源1を有している。一例として、電源1は、任意の再生可能エネルギー発電設備(例:風力発電設備)であってよい。電源1は、送電ケーブル8を介して、不図示の別の発電設備に接続されている。したがって、電源1は、図1に示す連系点P2を介して、当該別の発電設備と接続可能である。
【0013】
図1における符号2は、電源1の背後インピーダンスを示す。電力系統120Rは、電源1と送電ケーブル8との間に、遮断器4を有している。図1の例における遮断器4は、連系点P2における事故電流を遮断するように配置されている。図1では、連系点P2よりも電源1に近い側に位置している事故点P1において、1相地絡事故が生じた場合が例示されている。
【0014】
事故点P1において1相地絡事故が生じた場合、送電ケーブル8から遮断器4に向かって電流が流れる。図1における電流iCABLEは、送電ケーブル8から遮断器4に向かって流れる電流を表す。
【0015】
図1の例では、電源1は、遮断器4を介して、送電ケーブル8および電気設備13Rに並列に接続されている。電気設備13Rは、例えば、電源1からの電力の供給を受ける受電設備である。電力系統120Rは、電源1の電圧を変換する変圧器11を有していてよい。図1の例では、変圧器11は、電気設備13Rの内部に位置している。変圧器11は、3相の変圧器である限り、任意のタイプの変圧器であってよい。図1では、変圧器11として、3相3巻線変圧器が例示されている。
【0016】
図1の例では、変圧器11の1次側巻線はY結線されており、変圧器11の2次側巻線はΔ結線されている。変圧器11の1次側は、電源1に接続されている。変圧器11の2次側は、電気設備13R内の不図示の負荷に接続されている。
【0017】
電力系統の仕様次第では、かなり長い送電ケーブルが使用される場合がある。このことから、送電ケーブルは、比較的大きいキャパシタンスを有している場合がある。そこで、電力系統では、送電ケーブルのキャパシタンスを補償するために、中性点補償リアクトル10が設けられる場合がある。中性点補償リアクトルは、NGLと略記されてよい。
【0018】
図1に示す通り、電力系統120Rは、電気設備13Rの内部に中性点補償リアクトル10を有している。図2は、参考形態における中性点補償リアクトル10の接続関係の例を示す。図2では、中性点補償リアクトル10と変圧器11との接続関係が主に例示されている。
【0019】
中性点補償リアクトル10は、任意のタイプのリアクトルであってよい。一例として、中性点補償リアクトル10として、空芯リアクトルが用いられてよい。中性点補償リアクトル10のリアクタンスは、送電ケーブル8のキャパシタンスに対応するように設定されている。したがって、中性点補償リアクトル10のリアクタンスは、比較的大きい。
【0020】
電力系統120Rは、3相電路の中性点NPを有しているものとする。図2の例では、中性点NPは、変圧器11のY結線の合流点に位置している。図2における電圧V0は、中性点NPの電圧を示す。電圧V0は、中性点電圧とも称される。当業者にとって既知の通り、中性点電圧は、電力系統120Rにおける零相電圧に等しい。
【0021】
図2に示す通り、中性点補償リアクトル10の一端は、中性点NPに接続されている。中性点補償リアクトル10の他端は、接地されている。図2の例では、中性点補償リアクトル10の他端に接続されている接地端子が、符号GNによって示されている。
【0022】
電力系統120Rの事故点P1において1相地絡事故が生じた場合、中性点補償リアクトル10から遮断器4に向かって電流が流れる。図2における電流iは、中性点補償リアクトル10から遮断器4に向かって流れる電流を表す。
【0023】
図3は、電力系統120Rにおける1相地絡事故が発生した場合に生じる各電流を模式的に示す。図3の各グラフにおいて、横軸は時点tを示し、縦軸は電流値を示す。図3の例における初期時点であるt=0は、事故が発生した時点を示す。
【0024】
図3における符号310は、電流iCABLEの時間推移の例を示す。図3の例におけるiCABLEは、零相電流を示す。実際のiCABLEは零相電流成分に加えて正相電流成分を含んでいるが、図3の例では当該正相電流成分については考慮しない。図3の例では、当該正相電流成分が、例えば電力系統120Rに別途設置されている正相補償用の分路リアクトル(不図示)によって補償されていることを前提としている。
【0025】
図3のiCABLEは、直流成分を含まない交流電流である。iCABLEの周波数は、電力系統120Rの定格周波数(基本波周波数)に等しい。図3の例では、t=0においてiCABLEが最大値をとるものとする。
【0026】
図3における符号320は、電流iの時間推移の例を示す。電力系統120Rにおいて1相地絡事故が生じた場合、電力系統120Rにおける3相交流電圧に不平衡が生じる。このことから、電力系統120Rにおいて1相地絡事故が生じた場合、非零のV0(例:正のV0)が生じる。
【0027】
非零のV0が中性点補償リアクトル10に印加されることに起因して、iは、直流成分iDCを含むこととなる。符号320の例におけるiDCは、時間経過に伴って単調減少する正の信号である。t=0におけるiDCの値は、地絡故障の発生タイミングに応じて(より具体的には、地絡故障時の対地電圧の位相に応じて)定まる。
【0028】
また、電力系統120Rにおいて、iはiCABLEと逆位相の交流成分を含むこととなる。このことから、中性点補償リアクトル10は送電ケーブル8の電流を補償するように設けられるため、符号320の例におけるiは、下記の式(1)、
=-iCABLE+iDC …(1)
によって表される。
【0029】
本明細書では、遮断器4に流れる電流をiCBと表記する。図3における符号330は、iCBの時間推移の例を示す。図1の回路構成によれば、電力系統120Rにおいて1相地絡事故が生じた場合におけるiCBは、下記の式(2)、
CB=i+iCABLE …(2)
によって表される。
【0030】
そして、式(2)に式(1)を代入することにより、下記の式(3)、
CB=(-iCABLE+iDC)+iCABLE=iDC …(3)
が得られる。
【0031】
すなわち、電力系統120Rでは、1相地絡事故が生じた場合におけるiCBは、iDCと等しい。符号330のグラフは、このことを例示している。
【0032】
図1に示す通り、電力系統120RにおけるiDCは、接地端子GNを経由して事故点P1に流れ、連系点P2を通って、当該接地端子GNへと戻る。このように、電力系統120Rでは、1相地絡事故が発生した場合に、長期間に亘って直流電流が遮断器4に流れ続けるおそれがある。すなわち、電力系統120Rでは、1相地絡事故が発生した場合に、iCBの零クロス点が長期間に亘って生じないという現象が生じるおそれがある。当該現象は、電流零ミスと称される。
【0033】
上述の特許文献1に開示されている技術は、3相短絡事故または3相地絡事故が発生した場合における電流零ミスを防止することを目的としている。しかしながら、特許文献1では、1相地絡事故については考慮されていない。このように、従来技術では、1相地絡事故への対処が十分ではない。
【0034】
〔実施形態1〕
本願の発明者ら(以下では、「発明者ら」と略記)は、従来技術における上述の問題点を踏まえ、実施形態1を新たに創作した。図4は、実施形態1における電力系統100の一構成例を示す。図4は、図1と対になる図である。電力系統100は、当該電力系統100を保護する保護システム110を有している。この点において、電力系統100は、参考形態における電力系統120Rと異なる。
【0035】
図4の電力系統100において、遮断器4は、保護システム110の構成要素であってよい。遮断器4は、以下に述べる保護ユニット12よりも上流に位置していればよい。図4の例においても、遮断器4は、電力系統100における連系点P2に位置している。遮断器4を有する保護システム110は、遮断器システムと称されてもよい。
【0036】
保護システム110は、上述の電力系統120Rにおける中性点補償リアクトル10に替えて、保護ユニット12を有している。説明の便宜上、実施形態1における電気設備を、電気設備13と称する。図5は、実施形態1における保護ユニット12の接続関係の例を示す。図5では、保護ユニット12と変圧器11との接続関係が主に例示されている。図5は、図2と対になる図である。
【0037】
実施形態1における変圧器11は、連系点P2と保護ユニット12との間に位置している。実施形態1においても、中性点NPは、変圧器11のY結線の合流点に位置している。ただし、中性点NPの位置は、必ずしもこの例に限定されない。
【0038】
例えば、変圧器11は、接地変圧器であってもよい。この場合、中性点NPは、当該接地変圧器の千鳥巻線の合流点に位置していてもよい。
【0039】
図5に示す通り、中性点NPは、保護ユニット12を介して接地されていればよい。すなわち、中性点NPは、保護ユニット12を介して、接地端子GNに接続されていればよい。
【0040】
保護ユニット12は、上述の中性点補償リアクトル10を有している。そして、保護ユニット12は、キャパシタ6をさらに有している。キャパシタ6は、中性点補償リアクトル10に対応付けられたコンポーネントである。このことから、キャパシタ6は、中性点キャパシタと称されてもよい。
【0041】
以下に述べる通り、キャパシタ6は、電力系統100における電流零ミスを防止することを目的として設けられている。このことから、キャパシタ6は、例えば、「ゼロクロスキャパシタ」と称されてもよい。キャパシタ6は、従来技術では想定されていなかった新規なコンポーネントである。
【0042】
保護ユニット12において、キャパシタ6は、中性点補償リアクトル10と直列に接続されている。図5では、中性点補償リアクトル10が中性点NPに接続されており、キャパシタ6が接地端子GNに接続されている構成が例示されている。ただし、中性点補償リアクトル10とキャパシタ6との位置関係は、この例に限定されない。例えば、保護ユニット12において、キャパシタ6が中性点NPに接続されており、中性点補償リアクトル10が接地端子GNに接続されていてもよい。
【0043】
実施形態1におけるiは、保護ユニット12から遮断器4に向かって流れる電流を表す。上述の通り、保護ユニット12では、中性点補償リアクトル10とキャパシタ6とが直列に接続されている。したがって、実施形態1におけるiは、中性点補償リアクトル10およびキャパシタ6のそれぞれに流れる電流に等しい。
【0044】
保護ユニット12では、互いに直列に接続された中性点補償リアクトル10とキャパシタ6とによって、電気的な共振現象を生じさせることができる。したがって、例えば、保護ユニット12によれば、電力系統100において1相地絡事故が発生した場合に、共振電流を生じさせることができる。
【0045】
上述の通り、電力系統100において1相地絡事故が発生した場合に、非零の零相電流V0が生じうる。保護ユニット12は、当該零相電流V0に対応する共振電流iRESOを生じさせる。このことから、電力系統100において1相地絡事故が発生した場合に生じるiは、iRESOを含みうる。iRESOは、iの共振成分と称されてもよい。
【0046】
(iRESOに関する説明)
以下、iRESOおよび関連する各要素について、数理的に検討する。実施形態1では、t=0において、iRESOが最大値を取る場合を考える。この場合、iRESOは、下記の式(4)、
【数1】
…(4)
によって表される。
【0047】
式(4)において、Vは保護ユニット12に印加される電圧(すなわち中性点NPの電圧V0)のピーク値である。Lは、中性点補償リアクトル10のインダクタンスである。Cは、キャパシタ6のキャパシタンスである。ωは、電力系統100における定格角周波数である。ωは、ω=2πfとして与えられる。fは、電力系統100における定格周波数である。
【0048】
実施形態1では、保護ユニット12のリアクタンスをXと表記する。Xは、下記の式(5)、
【数2】
…(5)
によって与えられる。
【0049】
あるいは、Xは、下記の式(6)、
【数3】
…(6)
によって表すこともできる。QL1は、保護ユニット12の容量(Capacity)である。
【0050】
式(4)に式(5)を代入することにより、下記の式(7)、
【数4】
…(7)
が得られる。
【0051】
図6は、電力系統100において1相地絡事故が発生した場合に生じる各電流を模式的に示す。図6は、図3と対になる図である。図6において、符号610はiCABLEの時間推移の例を示し、符号620はiの時間推移の例を示し、符号630はiCBの時間推移の例を示す。図6におけるiCABLEは、図3におけるiCABLEと同等である。
【0052】
実施形態1におけるiは、参考形態におけるiDCに替えて、iRESOを含んでいる。したがって、符号620の例におけるiは、下記の式(8)、
=-iCABLE+iRESO …(8)
として表される。
【0053】
実施形態1におけるiCBも、上述の式(2)によって表される。したがって、式(2)に式(8)を代入することにより、下記の式(9)、
CB=(-iCABLE+iRESO)+iCABLE=iRESO …(9)
が得られる。
【0054】
すなわち、電力系統100では、1相地絡事故が発生した場合におけるiCBは、iRESOと等しい。符号630のグラフは、このことを例示している。以上の通り、実施形態1におけるiCBは、参考形態におけるiCBとは異なり、iDCを含んでいない。
【0055】
したがって、実施形態1によれば、参考形態に比べて、iCBの零クロス点を早期に発生させることができる。図6から理解できる通り、iRESOの周期が短いほど、iCBの零クロス点をより早期に発生させることができる。iCBがiDCを含んでいない場合、iCBの零クロス点は、iRESOの半周期ごとに存在する。
【0056】
実施形態1では、ある時点(例:遮断器4の開極動作時点)から所定の時間T以内に、iCBの零クロス点が存在していれば、遮断器4に遮断動作(ターンオフ)を正常に行わせることができるものとする。実施形態1におけるTは、遮断器4の電流零ミス評価時間の長さとして与えられる。電流零ミス評価時間の例については後述する。
【0057】
実施形態1では、TがiRESOの半周期よりも長ければ、1相地絡事故が生じた場合に、遮断器4に遮断動作を確実に行わせることができる。そこで、実施形態1では、下記の式(10)、
【数5】
…(10)
が満たされるように、LおよびCが選択されている。式(10)における右辺は、iRESOの半周期を表す。
【0058】
ここで、上述の(5)をLについて解くことにより、下記の式(11)、
【数6】
…(11)
が得られる。
【0059】
そして、式(10)に式(11)を代入することにより、下記の式(12)、
【数7】
…(12)
が得られる。
【0060】
式(12)をCについて解くことにより、下記の式(13)、
【数8】
…(13)
が得られる。
【0061】
式(13)における右辺は、Tおよびωの値次第では、理論的には負の値を取りうる。ただし、実施形態1では、保護ユニット12を電流の基本波成分に対する補償リアクトルとして機能させるために、Cが正であることが想定されている。
【0062】
したがって、実施形態1では、下記の式(14)、
【数9】
…(14)
が満たされるように、保護システム110が構成されているものとする。すなわち、式(14)における右辺が負または0とならないように、Tが設定されている(例:遮断器4が選定されている)。
【0063】
(シミュレーション結果の例)
発明者らは、保護システム110の有効性を検討するために、シミュレーションを行った。具体的には、発明者らは、電力系統100における1相地絡事故についてシミュレーションを行った。発明者らは、電力系統100における3つの相(U相、V相、およびW相)のうち、U相に地絡が生じた場合をシミュレーションした。
【0064】
シミュレーション条件は、
・電力系統100の定格電圧:154kV
・電力系統100の定格周波数(f):50Hz
・送電ケーブル8の容量:100Mvar
<中性点補償リアクトル10のみの場合:以下に述べる図7の場合>
・中性点補償リアクトル10の容量:100MVA
<保護ユニット12を設ける場合:以下に述べる図8の場合>
・中性点補償リアクトル10の容量:105MVA
・キャパシタ6の容量:5Mvar
・保護ユニット12の容量(QL1):100Mvar
の通りである。
【0065】
まず、発明者らは、比較例として、上述の式(14)を満たすCが設けられていない場合についてシミュレーションを行った。具体的には、発明者らは、比較例として、キャパシタ6が設けられていない場合についてシミュレーションを行った。比較例は、上述の参考形態に相当する。
【0066】
図7は、比較例におけるシミュレーション結果を示す。以下の説明では、連系点P2の電圧をVp2と表記する。Vp2は、連系点電圧とも称される。図7における符号710は、比較例におけるVp2を示す。シミュレーションでは、3相分のVp2が導出されている。シミュレーションにおける事故発生時点は、t0=0.195s(秒)に設定されている。したがって、符号710のグラフでは、t0以降、Vp2のU相電圧が0Vに維持されている。
【0067】
図7における符号720は、比較例におけるiCBを示す。実施形態1では、事故発生時点から30ms程度経過した時点において、遮断器4の開極操作(遮断器4の接点を物理的に開く操作)がなされることが想定されている。そこで、シミュレーションでは、事故発生時点から0.030s後(すなわち、30ms後)の時点t1が、遮断器4の開極操作時点として設定されている。t1=0.195s+0.030s=0.225sである。
【0068】
そして、実施形態1における遮断器4では、開極操作時点から60ms程度の時間範囲が、電流零ミス評価時間として想定されている。そこで、シミュレーションでは、T=60msに設定されている。シミュレーションでは、t1が電流零ミス評価時間の始点として設定されている。そして、t1から0.060s後(すなわち、60ms後)の時点teが、電流零ミス評価時間の終点として設定されている。
【0069】
したがって、シミュレーションにおけるteは、シミュレーション開始時点から、遮断器4のリレー動作時間と開極操作時間とを含む零ミス評価時間といえる。図7の例では、te=t1+T=0.225s+0.060ms=0.285sである。このように、シミュレーションにおけるteは、t1よりも0.090s後(すなわち、90ms後)の時点として設定されている。
【0070】
符号720のグラフに示す通り、比較例では、電流零ミス評価時間内にiCBの零クロス点が存在していない。また、比較例では、t0から長時間が経過しても(例:t0から200ms以上経過しても)、iCBの零クロス点が生じていない。このように、比較例におけるiCBは、上述の符号330の例に対応する。
【0071】
以上の通り、キャパシタ6が設けられていない場合には、電力系統100において1相地絡事故が生じた場合の電流零ミスに十分に対処できない(例:遮断器4によって事故電流を電流零ミス評価時間内に遮断できない)ことが、シミュレーションによって示された。
【0072】
次いで、発明者らは、実施例として、上述の式(14)を満たすCが設けられている場合についてシミュレーションを行った。実施例は、実施形態1に相当する。上述のシミュレーション条件を式(14)に適用することにより、下記の式(15)、
【数10】
…(15)
が得られる。
【0073】
そして、式(15)の右辺を計算することにより、下記の式(16)、
0μF<C<1410μF …(16)
が得られる。
【0074】
したがって、実施例では、式(16)が満たされるようにCが設定されていればよい。一例として、発明者らは、実施例におけるCを、C=765μFに設定した。このCの値は、X/X=5%という関係を満たすように選択されている。Xはキャパシタ6のリアクタンスであり、Xは中性点補償リアクトル10のリアクタンスである。
【0075】
図8は、実施例におけるシミュレーション結果を示す。図8は、図7と対になる図である。図8における符号810は、実施例におけるVp2を示す。符号810のグラフは、符号710のグラフと同等である。
【0076】
図8における符号820は、実施例におけるiCBを示す。実施例におけるiCBは、上述の符号630の例に対応する。符号820のグラフに示す通り、実施例では、電流零ミス評価時間内にiCBの零クロス点が存在している。実施例では、t0から70ms後の時点tzcが、iCBの零クロス点である。
【0077】
このように、実施例では、上述の式(14)を満たすキャパシタ6を設けることにより、比較例に比べて早期にiCBの零クロス点を発生させることができる。以上の通り、中性点補償リアクトル10とキャパシタ6とを組み合わせることの有効性(すなわち、保護ユニット12の有効性)が、発明者らによるシミュレーションを通じて確認された。
【0078】
(効果)
以上の通り、保護ユニット12によれば、従来技術とは異なり、3相交流の電力系統における1相地絡事故に対処することが可能となる。具体的には、電力系統において1相地絡事故が生じた場合の電流零ミスに有効に対処できる。その結果、例えば、電力系統において1相地絡事故が生じた場合の事故電流を、遮断器4によって早期に遮断することが可能となる。
【0079】
また、図4に示す通り、実施形態1によれば1つの保護ユニット12、つまり、1相分の保護ユニット12を設けるのみで、上述の各効果を得ることができる。このため、既存の設備に対する簡便な構成追加のみによって、1相地絡事故への有効な対処が可能となる。したがって、実施形態1の電流零ミス対処手法は、コスト面においても有益である。
【0080】
また、上述の通り、実施形態1では、中性点補償リアクトル10として空芯リアクトルが用いられている。空芯リアクトルでは、鉄心リアクトルとは異なり、リアクトルにおける分数調波振動が生じない。したがって、中性点補償リアクトル10として空芯リアクトルを用いた場合には、当該分数調波振動に起因する過電圧および過電流が中性点補償リアクトル10に生じない。
【0081】
(実施形態1における補足)
(1)図4の例とは異なり、保護システム110は、互いにそれぞれ並列に接続された複数の保護ユニット12を有していてもよい。一例として、保護システム110は、3つの保護ユニット12を有していてもよい。実施形態1における保護システム110は、中性点補償リアクトル10と同数のキャパシタ6を有していればよい。
【0082】
(2)実施形態1では、電力系統100において1相地絡事故が生じた場合について例示した。ただし、保護システム110は、1相地絡事故以外の事故にも対処可能であることに留意されたい。例えば、保護システム110は、2相地絡事故にも対処可能である。
【0083】
〔実施形態2〕
本開示の一態様に係る保護システムでは、中性点補償リアクトルの数とキャパシタの数とが同じでなくともよい。実施形態2では、中性点補償リアクトルの数とキャパシタの数とが相異している保護システムの例について述べる。
【0084】
図9は、実施形態2における電力系統100の一構成例を示す。図9は、図4と対になる図である。図9に示す通り、実施形態2における電力系統100は、保護システム110に替えて、保護システム110Aを有している。
【0085】
保護システム110Aは、保護ユニット12の中性点補償リアクトル10とは異なる、付加的な中性点補償リアクトル18Aを有している。説明の便宜上、中性点補償リアクトル10は第1中性点補償リアクトルと称されてもよく、中性点補償リアクトル18Aは第2中性点補償リアクトルと称されてもよい。このように、保護システム110Aは、2つの中性点補償リアクトルと1つのキャパシタとを有している。
【0086】
図9に示す通り、中性点補償リアクトル18Aは、保護ユニット12の外部に位置している。そして、中性点補償リアクトル18Aは、保護ユニット12と並列に接続されている。したがって、中性点補償リアクトル18Aは、中性点NPに接続されているとともに、接地されている。
【0087】
図9の例では、保護ユニット12に対応する接地端子を符号GN1によって表し、中性点補償リアクトル18Aに対応する接地端子を符号GN2によって表す。説明の便宜上、接地端子GN1は第1接地端子と称されてもよく、接地端子GN2は第2接地端子と称されてもよい。接地端子GN1は、実施形態1における接地端子GNに対応する。保護ユニット12は、接地端子GN1に接続されている。中性点補償リアクトル18Aは、接地端子GN2に接続されている。
【0088】
図9に示す通り、実施形態2では、保護ユニット12から遮断器4に向かって流れる電流を、in1と表記する。その一方、中性点補償リアクトル18Aから遮断器4に向かって流れる電流を、in2と表記する。
【0089】
図10は、実施形態2の電力系統100において1相地絡事故が発生した場合に生じる各電流を模式的に示す。図10は、図6と対になる図である。図10において、符号1010はiCABLEの時間推移の例を示し、符号1020はin2の時間推移の例を示し、符号1030はin1の時間推移の例を示し、符号1040はiCBの時間推移の例を示す。図10におけるiCABLEは、図6におけるiCABLEと同等である。
【0090】
上述の通り、中性点補償リアクトル18Aは、キャパシタ6に接続されていない。したがって、実施形態2におけるin2は、参考形態におけるiに対応する。このことから、符号1120の例におけるin2は、下記の式(17)、
n2=-α×iCABLE+iDC …(17)
として表される。αは、保護ユニット12のインピーダンスと中性点補償リアクトル18Aとのインピーダンスとの比率によって定まる係数である。
【0091】
その一方、実施形態2におけるin1は、実施形態におけるiに対応する。このことから、符号1130の例におけるin1は、下記の式(18)、
n1=-(1-α)×iCABLE+iRESO …(18)
として表される。
【0092】
図9の回路構成によれば、実施形態2の電力系統100において1相地絡事故が生じた場合におけるiCBは、下記の式(19)、
CB=in1+in2+iCABLE …(19)
によって表される。
【0093】
したがって、式(19)に、式(17)および式(18)を代入することにより、下記の式(20)、
CB=iRESO+iDC …(20)
が得られる。
【0094】
このように、実施形態2の電力系統100において1相地絡事故が発生した場合におけるiCBは、iRESOにiDCが重畳した波形となる。符号1040のグラフは、このことを例示している。
【0095】
以上の通り、実施形態2では、実施形態1とは異なり、iCBはiDCを含んでいる。しかしながら、実施形態2においても、実施形態1と同じく、iCBはiRESOを含んでいる。したがって、保護システム110Aを適切に設計することにより、1相地絡事故への対処が可能となる。
【0096】
一例として、式(20)におけるiRESOの振幅が、同式におけるiDCの最大値よりも大きければ、実施形態2のiCBには零クロス点が存在することとなる。そこで、実施形態2では、in1がin2よりも大きくなるように、保護システム110Aが構成されている。
【0097】
実施形態2では、中性点補償リアクトル18Aの容量をQL2と表記する。実施形態2では、保護ユニット12の容量QL1がQL2よりも大きくなるように、保護システム110Aが構成されている。
【0098】
すなわち、実施形態2では、下記の式(21)、
L1>QL2 …(21)
が満たされている。
【0099】
式(21)を満たすように保護システム110Aを構成することにより、in1をin2よりも大きくすることができる。したがって、実施形態2のiCBの零クロス点をより確実に発生させることができる。
【0100】
上述の通り、実施形態2におけるiCBは、iDCを含んでいる。したがって、実施形態2では、iRESOの半周期ごとにiCBの零クロス点が存在しない場合もありうる。ただし、例えば、上述の式(21)を満たしていれば、iRESOの1周期ごとにiCBの零クロス点が存在することが保証される。
【0101】
そこで、実施形態2では、上述の式(12)に替えて、下記の式(22)、
【数11】
…(22)
が満たされるように、保護システム110Aが構成されていればよい。
【0102】
式(22)に基づいて、実施形態1と同様の考え方によって、実施形態2においてCが満たすべき条件式を導出すれば、下記の式(23)、
【数12】
…(23)
が得られる。
【0103】
したがって、実施形態2では、実施形態1における上述の式(14)に替えて、式(23)が満たされるように、保護システム110Aが構成されていればよい。式(23)を満たす保護システム110Aによれば、実施形態1の保護システム110と同様に、1相地絡事故への有効な対処が可能となる。
【0104】
〔まとめ〕
本開示の態様1に係る保護システムは、3相交流の電力系統を保護する保護システムであって、前記電力系統における中性点に接続されている保護ユニットを備えており、前記中性点は、前記保護ユニットを介して接地されており、前記保護ユニットは、中性点補償リアクトルと、前記中性点補償リアクトルと直列に接続されている中性点キャパシタと、を備えている。
【0105】
本開示の態様2に係る保護システムは、前記態様1において、前記保護ユニットの上流に位置している遮断器を備えていてよく、前記遮断器は、前記電力系統における連系点に位置していてよい。
【0106】
本開示の態様3に係る保護システムでは、前記態様2において、前記電力系統における定格角周波数をωと表記し、前記保護ユニットのリアクタンスをXと表記し、前記遮断器の電流零ミス評価時間の長さをTと表記し、前記中性点キャパシタのキャパシタンスをCと表記した場合に、上述の式(14)が満たされていてよい。
【0107】
本開示の態様4に係る保護システムは、前記態様2において、前記保護ユニットに並列に接続されている付加的な中性点補償リアクトルを備えていてよく、前記付加的な中性点補償リアクトルは、前記中性点に接続されており、かつ、接地されていてよく、前記電力系統における定格角周波数をωと表記し、前記保護ユニットのリアクタンスをXと表記し、前記遮断器の電流零ミス評価時間の長さをTと表記し、前記中性点キャパシタのキャパシタンスをCと表記した場合に、上述の式(23)が満たされていてよい。
【0108】
本開示の態様5に係る保護システムでは、前記態様4において、前記保護ユニットの容量は、前記付加的な中性点補償リアクトルの容量よりも大きくともよい。
【0109】
本開示の態様6に係る保護システムでは、前記態様1から5のいずれか1つにおいて、前記保護ユニットは、前記電力系統において1相地絡事故が発生した場合に、共振電流を生じさせてよい。
【0110】
本開示の態様7に係る保護システムでは、前記態様1から6のいずれか1つにおいて、前記電力系統では、前記電力系統における連系点と前記保護ユニットとの間に、3相の変圧器が位置していてよく、前記中性点は、前記変圧器のY結線の合流点に位置していてよい。
【0111】
本開示の態様8に係る保護システムでは、前記態様1から6のいずれか1つにおいて、前記電力系統では、前記電力系統における連系点と前記保護ユニットとの間に、3相の変圧器が位置していてよく、前記変圧器は、接地変圧器であってよく、前記中性点は、前記接地変圧器の千鳥巻線の合流点に位置していてよい。
【0112】
〔付記事項〕
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0113】
100 電力系統
110 保護システム
4 遮断器
6 キャパシタ(中性点キャパシタ)
10 中性点補償リアクトル(中性点キャパシタと直列に接続されている中性点補償リアクトル)
11 変圧器
12 保護ユニット
18A 中性点補償リアクトル(付加的な中性点補償リアクトル)
110A 保護システム(付加的な中性点補償リアクトルを有する保護システム)
NP 中性点
P2 連系点
RESO 共振電流
【要約】
【課題】3相交流の電力系統における1相地絡事故に対処する。
【解決手段】3相交流の電力系統(100)を保護する保護システム(110)は、電力系統(100)における中性点に接続されている保護ユニット(12)を備えている。当該中性点は、保護ユニット(12)を介して接地されている。保護ユニット(12)は、中性点補償リアクトル(10)と、中性点補償リアクトル(10)と直列に接続されている中性点キャパシタ(例:キャパシタ6)と、を備えている。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10