IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 京セラドキュメントソリューションズ株式会社の特許一覧

特許7538472印刷ジョブ送信装置および印刷ジョブ送信プログラム
<>
  • 特許-印刷ジョブ送信装置および印刷ジョブ送信プログラム 図1
  • 特許-印刷ジョブ送信装置および印刷ジョブ送信プログラム 図2
  • 特許-印刷ジョブ送信装置および印刷ジョブ送信プログラム 図3
  • 特許-印刷ジョブ送信装置および印刷ジョブ送信プログラム 図4
  • 特許-印刷ジョブ送信装置および印刷ジョブ送信プログラム 図5
  • 特許-印刷ジョブ送信装置および印刷ジョブ送信プログラム 図6
  • 特許-印刷ジョブ送信装置および印刷ジョブ送信プログラム 図7
  • 特許-印刷ジョブ送信装置および印刷ジョブ送信プログラム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】印刷ジョブ送信装置および印刷ジョブ送信プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240815BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
G06F3/12 360
G06F3/12 303
B41J29/38 201
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020132471
(22)【出願日】2020-08-04
(65)【公開番号】P2022029234
(43)【公開日】2022-02-17
【審査請求日】2023-07-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140796
【弁理士】
【氏名又は名称】原口 貴志
(72)【発明者】
【氏名】同前 和樹
(72)【発明者】
【氏名】宮本 京勲
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-301727(JP,A)
【文献】特開2015-186096(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/12
B41J29/00-29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブを画像形成装置に送信する印刷ジョブ送信部と、
前記画像形成装置によって管理されている、印刷ジョブの実行の順序としてのジョブ実行順序の変更を前記画像形成装置に要求する順序変更要求部と、
前記画像形成装置によって管理されている前記ジョブ実行順序を取得して、取得した前記ジョブ実行順序を通知する順序通知部と
を備え、
前記順序通知部は、前記順序変更要求部によって新たなジョブ実行順序への変更が前記画像形成装置に要求された後、前記画像形成装置から取得した前記ジョブ実行順序と、前記新たなジョブ実行順序との差異がなくなるまで、特定の時間が経過する度に前記画像形成装置から前記ジョブ実行順序を取得し、
前記順序通知部は、前記画像形成装置から取得した前記ジョブ実行順序と、前記新たなジョブ実行順序との差異がない場合に、前記画像形成装置から取得した前記ジョブ実行順序を通知し、
前記順序通知部は、前記特定の時間を更新し、
前記順序通知部は、前記画像形成装置から取得した前記ジョブ実行順序と、前記新たなジョブ実行順序との差異がなくなるまでに要した時間に基づいて、更新後の前記特定の時間を決定することを特徴とする印刷ジョブ送信装置。
【請求項2】
前記順序通知部は、前記画像形成装置から取得した前記ジョブ実行順序と、前記新たなジョブ実行順序との差異がなくなるまでに要した時間と、更新前の前記特定の時間とに基づいて、更新後の前記特定の時間を決定することを特徴とする請求項1に記載の印刷ジョブ送信装置。
【請求項3】
印刷ジョブを画像形成装置に送信する印刷ジョブ送信部と、
前記画像形成装置によって管理されている、印刷ジョブの実行の順序としてのジョブ実行順序の変更を前記画像形成装置に要求する順序変更要求部と、
前記画像形成装置によって管理されている前記ジョブ実行順序を取得して、取得した前記ジョブ実行順序を通知する順序通知部と
をコンピューターに実現させ、
前記順序通知部は、前記順序変更要求部によって新たなジョブ実行順序への変更が前記画像形成装置に要求された後、前記画像形成装置から取得した前記ジョブ実行順序と、前記新たなジョブ実行順序との差異がなくなるまで、特定の時間が経過する度に前記画像形成装置から前記ジョブ実行順序を取得し、
前記順序通知部は、前記画像形成装置から取得した前記ジョブ実行順序と、前記新たなジョブ実行順序との差異がない場合に、前記画像形成装置から取得した前記ジョブ実行順序を通知し、
前記順序通知部は、前記特定の時間を更新し、
前記順序通知部は、前記画像形成装置から取得した前記ジョブ実行順序と、前記新たなジョブ実行順序との差異がなくなるまでに要した時間に基づいて、更新後の前記特定の時間を決定することを特徴とする印刷ジョブ送信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷ジョブを送信する印刷ジョブ送信装置および印刷ジョブ送信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷を実行する画像形成装置と、画像形成装置に印刷ジョブを送信する印刷ジョブ送信装置とを備えている画像形成システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この画像形成装置は、複数の印刷ジョブの実行の順序(以下「ジョブ実行順序」という。)を複数管理可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-215752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1において、画像形成装置が管理しているジョブ実行順序を変更する場合、印刷ジョブ送信装置から画像形成装置にジョブ実行順序の変更を要求した後、画像形成装置が管理しているジョブ実行順序を印刷ジョブ送信装置が画像形成装置から取得して、取得したジョブ実行順序を印刷ジョブ送信装置が利用者に通知する方法が考えられる。しかしながら、この方法において、ジョブ実行順序の変更の完了を画像形成装置が印刷ジョブ送信装置に通知しない構成である場合には、画像形成装置がジョブ実行順序の変更を完了する前に印刷ジョブ送信装置が画像形成装置からジョブ実行順序を取得してしまったとき、変更後のジョブ実行順序を印刷ジョブ送信装置が利用者に通知することができないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、変更後のジョブ実行順序の通知が失敗する可能性を低減することができる印刷ジョブ送信装置および印刷ジョブ送信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の印刷ジョブ送信装置は、印刷ジョブを画像形成装置に送信する印刷ジョブ送信部と、前記画像形成装置によって管理されている、印刷ジョブの実行の順序としてのジョブ実行順序の変更を前記画像形成装置に要求する順序変更要求部と、前記画像形成装置によって管理されている前記ジョブ実行順序を取得して、取得した前記ジョブ実行順序を通知する順序通知部とを備え、前記順序通知部は、前記順序変更要求部によって新たなジョブ実行順序への変更が前記画像形成装置に要求された後、前記画像形成装置から取得した前記ジョブ実行順序と、前記新たなジョブ実行順序との差異がなくなるまで、特定の時間が経過する度に前記画像形成装置から前記ジョブ実行順序を取得し、前記順序通知部は、前記画像形成装置から取得した前記ジョブ実行順序と、前記新たなジョブ実行順序との差異がない場合に、前記画像形成装置から取得した前記ジョブ実行順序を通知することを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の印刷ジョブ送信装置は、新たなジョブ実行順序への変更を画像形成装置に要求した後、画像形成装置から取得したジョブ実行順序と、新たなジョブ実行順序との差異がなくなるまで、特定の時間が経過する度に画像形成装置からジョブ実行順序を取得し、画像形成装置から取得したジョブ実行順序と、新たなジョブ実行順序との差異がない場合に、画像形成装置から取得したジョブ実行順序を通知するので、変更後のジョブ実行順序の通知が失敗する可能性を低減することができる。
【0008】
本発明の印刷ジョブ送信装置において、前記順序通知部は、前記画像形成装置から取得した前記ジョブ実行順序と、前記新たなジョブ実行順序との差異がなくなるまでに要した時間に基づいて、前記特定の時間を決定しても良い。
【0009】
この構成により、本発明の印刷ジョブ送信装置は、画像形成装置から取得したジョブ実行順序と、新たなジョブ実行順序との差異がなくなるまでに要した時間に基づいて、画像形成装置からジョブ実行順序を取得する時間間隔を決定するので、画像形成装置においてジョブ実行順序の変更が完了してから、画像形成装置から取得したジョブ実行順序を通知するまでの時間を短縮することができ、その結果、通知されるジョブ実行順序のリアルタイム性を向上することができる。
【0010】
本発明の印刷ジョブ送信プログラムは、印刷ジョブを画像形成装置に送信する印刷ジョブ送信部と、前記画像形成装置によって管理されている、印刷ジョブの実行の順序としてのジョブ実行順序の変更を前記画像形成装置に要求する順序変更要求部と、前記画像形成装置によって管理されている前記ジョブ実行順序を取得して、取得した前記ジョブ実行順序を通知する順序通知部とをコンピューターに実現させ、前記順序通知部は、前記順序変更要求部によって新たなジョブ実行順序への変更が前記画像形成装置に要求された後、前記画像形成装置から取得した前記ジョブ実行順序と、前記新たなジョブ実行順序との差異がなくなるまで、特定の時間が経過する度に前記画像形成装置から前記ジョブ実行順序を取得し、前記順序通知部は、前記画像形成装置から取得した前記ジョブ実行順序と、前記新たなジョブ実行順序との差異がない場合に、前記画像形成装置から取得した前記ジョブ実行順序を通知することを特徴とする。
【0011】
この構成により、本発明の印刷ジョブ送信プログラムを実行するコンピューターは、新たなジョブ実行順序への変更を画像形成装置に要求した後、画像形成装置から取得したジョブ実行順序と、新たなジョブ実行順序との差異がなくなるまで、特定の時間が経過する度に画像形成装置からジョブ実行順序を取得し、画像形成装置から取得したジョブ実行順序と、新たなジョブ実行順序との差異がない場合に、画像形成装置から取得したジョブ実行順序を通知するので、変更後のジョブ実行順序の通知が失敗する可能性を低減することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の印刷ジョブ送信装置および印刷ジョブ送信プログラムは、変更後のジョブ実行順序の通知が失敗する可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施の形態に係る画像形成システムのブロック図である。
図2図1に示す画像形成装置のブロック図である。
図3図1に示す印刷ジョブ送信装置のブロック図である。
図4】ジョブリスト画面を表示する場合の図3に示す印刷ジョブ送信装置の動作のフローチャートである。
図5図4に示す動作によって表示されるジョブリスト画面の一例である。
図6】画像形成装置におけるジョブ実行順序を変更する場合の図1に示す画像形成システムの動作のシーケンス図である。
図7】ジョブ実行順序の変更を画像形成装置に要求した場合の図3に示す印刷ジョブ送信装置の動作のフローチャートである。
図8図3に示す待機時間情報に示される待機時間の更新の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0015】
まず、本発明の一実施の形態に係る画像形成システムの構成について説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態に係る画像形成システム10のブロック図である。
【0017】
図1に示すように、画像形成システム10は、印刷を実行する画像形成装置20を備えている。画像形成システム10は、画像形成装置20と同様の構成の画像形成装置を、画像形成装置20以外に少なくとも1つ備えることが可能である。画像形成装置は、例えば、MFP(Multifunction Peripheral)、プロダクションプリンターなどによって構成されている。
【0018】
画像形成システム10は、画像形成装置に印刷ジョブを送信するコンピューターとしての印刷ジョブ送信装置30を備えている。画像形成システム10は、印刷ジョブ送信装置30と同様の構成の印刷ジョブ送信装置を、印刷ジョブ送信装置30以外に少なくとも1つ備えることが可能である。印刷ジョブ送信装置30は、例えば、PC(Personal Computer)によって構成されている。
【0019】
画像形成システム10における画像形成装置と、画像形成システム10における印刷ジョブ送信装置とは、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク11経由で互いに通信可能である。
【0020】
図2は、画像形成装置20のブロック図である。
【0021】
図2に示すように、画像形成装置20は、種々の操作が入力される例えばボタンなどの操作デバイスである操作部21と、種々の情報を表示する例えばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部22と、用紙などの記録媒体に画像を印刷する印刷デバイスであるプリンター23と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部24と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶デバイスである記憶部25と、画像形成装置20全体を制御する制御部26とを備えている。
【0022】
制御部26は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、制御部26のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAM(Random Access Memory)とを備えている。制御部26のCPUは、記憶部25または制御部26のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0023】
なお、画像形成装置20は、印刷ジョブの実行の順序、すなわち、ジョブ実行順序を管理している。画像形成装置20は、ジョブ実行順序の変更が印刷ジョブ送信装置から要求された場合に、ジョブ実行順序の変更の要求を受け取った旨については印刷ジョブ送信装置に通知するが、ジョブ実行順序の変更の完了については印刷ジョブ送信装置に通知しない。
【0024】
図3は、印刷ジョブ送信装置30のブロック図である。
【0025】
図3に示すように、印刷ジョブ送信装置30は、種々の操作が入力される例えばキーボード、マウスなどの操作デバイスである操作部31と、種々の情報を表示する例えばLCDなどの表示デバイスである表示部32と、LAN、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部33と、各種の情報を記憶する例えば半導体メモリー、HDDなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部34と、印刷ジョブ送信装置30全体を制御する制御部35とを備えている。
【0026】
記憶部34は、印刷ジョブを送信するための印刷ジョブ送信プログラム34aを記憶している。印刷ジョブ送信プログラム34aは、例えば、印刷ジョブ送信装置30の製造段階で印刷ジョブ送信装置30にインストールされていても良いし、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリーなどの外部の記憶媒体から印刷ジョブ送信装置30に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上から印刷ジョブ送信装置30に追加でインストールされても良い。
【0027】
記憶部34は、画像形成装置20から取得したジョブ実行順序を示す取得順序情報34bを記憶可能である。
【0028】
記憶部34は、新たなジョブ実行順序として指定されたジョブ実行順序を示す指定順序情報34cを記憶可能である。
【0029】
記憶部34は、画像形成装置20からジョブ実行順序を取得する際の待機時間を示す待機時間情報34dを記憶している。待機時間情報34dに示される待機時間のデフォルト値は、例えば、4秒である。
【0030】
記憶部34は、画像形成装置20からのジョブ実行順序の取得の実行回数を示す実行回数情報34eを記憶している。
【0031】
制御部35は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、制御部35のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAMとを備えている。制御部35のCPUは、記憶部34または制御部35のROMに記憶されているプログラムを実行する。
【0032】
制御部35は、印刷ジョブ送信プログラム34aを実行することによって、印刷ジョブを画像形成装置20に送信する印刷ジョブ送信部35aと、画像形成装置20によって管理されているジョブ実行順序の変更を画像形成装置20に要求する順序変更要求部35bと、画像形成装置20によって管理されているジョブ実行順序を取得して、取得したジョブ実行順序を通知する順序通知部35cとを実現する。
【0033】
次に、画像形成システム10の動作について説明する。
【0034】
まず、印刷ジョブのリストを示すジョブリスト画面を表示する場合の印刷ジョブ送信装置30の動作について説明する。
【0035】
図4は、ジョブリスト画面を表示する場合の印刷ジョブ送信装置30の動作のフローチャートである。
【0036】
印刷ジョブ送信装置30の利用者は、印刷ジョブ送信プログラム34aが起動されている状態で、ジョブリスト画面の表示を操作部31から印刷ジョブ送信装置30に指示することができる。印刷ジョブ送信装置30の順序通知部35cは、ジョブリスト画面の表示が指示されると、図4に示す動作を実行する。
【0037】
図4に示すように、印刷ジョブ送信装置30の順序通知部35cは、画像形成装置20からジョブ実行順序を取得する(S101)。
【0038】
順序通知部35cは、S101の処理の後、S101において取得したジョブ実行順序を取得順序情報34bに保存する(S102)。
【0039】
順序通知部35cは、S102の処理の後、S101において取得したジョブ実行順序を示すジョブリスト画面を表示部32に表示して(S103)、図4に示す動作を終了する。
【0040】
図5は、ジョブリスト画面の一例である。
【0041】
図5に示すジョブリスト画面においては、画像形成装置20によって順次印刷が実行される印刷ジョブのリストである「Active Job List」と、印刷の実行の指示があるまで画像形成装置20に印刷の実行を待機させる設定であるHold設定が付与されている印刷ジョブのリストである「Hold Job List」と、画像形成装置20による印刷の実行が終了した印刷ジョブのリストである「Completed Job List」とを、操作部31を介した指示に応じて切り替えて表示することが可能である。図5に示す例では、「Completed Job List」が表示されている。各リストは、例えば、印刷ジョブの識別情報としてのジョブIDと、印刷ジョブの名称とを印刷ジョブ毎に含んでいる。各リストには、印刷ジョブ送信装置30の印刷ジョブ送信部35aによって送信された印刷ジョブだけでなく、印刷ジョブ送信装置30以外の印刷ジョブ送信装置の印刷ジョブ送信部によって送信された印刷ジョブも含まれることが可能である。各リストにおいて、上に表示されている印刷ジョブほど、実行の順序が早い。
【0042】
次に、画像形成装置20におけるジョブ実行順序を変更する場合の画像形成システム10の動作について説明する。
【0043】
図6は、画像形成装置20におけるジョブ実行順序を変更する場合の画像形成システム10の動作のシーケンス図である。
【0044】
印刷ジョブ送信装置30の利用者は、表示部32に表示されているジョブリスト画面に示されているジョブ実行順序に対して、新たなジョブ実行順序を指定することによって、ジョブ実行順序の変更を操作部31から印刷ジョブ送信装置30に指示することができる。ここで、印刷ジョブ送信装置30の利用者は、「Active Job List」、「Hold Job List」および「Completed Job List」のいずれかを特定して、特定したリストのジョブ実行順序の変更を指示することができる。印刷ジョブ送信装置30の順序変更要求部35bは、ジョブ実行順序の変更が指示されると、図6に示す動作を実行する。
【0045】
図6に示すように、印刷ジョブ送信装置30の順序変更要求部35bは、利用者によって指定された新たなジョブ実行順序が、取得順序情報34bに示されているジョブ実行順序と異なる場合、ジョブ実行順序の変更を画像形成装置20に要求する(S121)。順序変更要求部35bは、利用者によって指定された新たなジョブ実行順序を、S121における要求に含める。
【0046】
順序変更要求部35bは、S121の処理の後、利用者によって指定された新たなジョブ実行順序を指定順序情報34cに保存する(S122)。
【0047】
画像形成装置20の制御部26は、S121における要求を受け取ると、ジョブ実行順序の変更の要求を受け取った旨を印刷ジョブ送信装置30に通知する(S123)。
【0048】
制御部26は、S123の処理の後、画像形成装置20が管理しているジョブ実行順序を、S121における要求に含まれる新たなジョブ実行順序に変更する(S124)。制御部26は、S121における要求を受け取った後、画像形成装置20側の任意のタイミングで、S124の処理を実行する。
【0049】
次に、ジョブ実行順序の変更を画像形成装置20に要求した場合の印刷ジョブ送信装置30の動作について説明する。
【0050】
図7は、ジョブ実行順序の変更を画像形成装置20に要求した場合の印刷ジョブ送信装置30の動作のフローチャートである。
【0051】
印刷ジョブ送信装置30の順序通知部35cは、S121においてジョブ実行順序の変更を画像形成装置20に要求すると、図7に示す動作を実行する。
【0052】
図7に示すように、順序通知部35cは、実行回数情報34eに示される実行回数を0に設定する(S141)。
【0053】
順序通知部35cは、S141の処理の後、待機時間情報34dに示される待機時間が経過したと判断するまで、待機時間情報34dに示される待機時間が経過したか否かを判断する(S142)。S142における待機時間は、印刷ジョブ送信装置30が画像形成装置20におけるジョブ実行順序の変更の完了の後に画像形成装置20からジョブ実行順序を取得する可能性を向上するためのものである。
【0054】
順序通知部35cは、待機時間情報34dに示される待機時間が経過したとS142において判断すると、画像形成装置20からジョブ実行順序を取得する(S143)。
【0055】
順序通知部35cは、S143の処理の後、実行回数情報34eに示される実行回数を1増加させる(S144)。
【0056】
順序通知部35cは、S144の処理の後、S143において取得したジョブ実行順序と、取得順序情報34bに示されているジョブ実行順序とに差異があるか否かを判断する(S145)。例えば、順序通知部35cは、取得順序情報34bに示されているジョブ実行順序がジョブA、ジョブB、ジョブCの順序である場合に、S143において取得したジョブ実行順序がジョブA、ジョブB、ジョブCの順序であるとき、S143において取得したジョブ実行順序と、取得順序情報34bに示されているジョブ実行順序とに差異がないとS145において判断する。一方、順序通知部35cは、取得順序情報34bに示されているジョブ実行順序がジョブA、ジョブB、ジョブCの順序である場合に、S143において取得したジョブ実行順序が例えばジョブB、ジョブC、ジョブAの順序や、ジョブB、ジョブA、ジョブCの順序であるとき、S143において取得したジョブ実行順序と、取得順序情報34bに示されているジョブ実行順序とに差異があるとS145において判断する。
【0057】
順序通知部35cは、S143において取得したジョブ実行順序と、取得順序情報34bに示されているジョブ実行順序とに差異がないとS145において判断すると、図7に示す動作の開始からの経過時間が特定の上限時間に達したか否かを判断する(S146)。特定の上限時間は、例えば5秒である。
【0058】
順序通知部35cは、図7に示す動作の開始からの経過時間が特定の上限時間に達していないとS146において判断すると、S142の処理を実行する。
【0059】
順序通知部35cは、図7に示す動作の開始からの経過時間が特定の上限時間に達したとS146において判断すると、タイムオーバーによるエラーが発生したことを表示部32による表示によって通知して(S147)、図7に示す動作を終了する。なお、タイムオーバーによるエラーは、例えば、画像形成装置20の内部要因などによって発生する可能性がある。
【0060】
順序通知部35cは、S143において取得したジョブ実行順序と、取得順序情報34bに示されているジョブ実行順序とに差異があるとS145において判断すると、S143において取得したジョブ実行順序と、指定順序情報34cに示されているジョブ実行順序とに差異があるか否かを判断する(S148)。例えば、順序通知部35cは、指定順序情報34cに示されているジョブ実行順序がジョブB、ジョブC、ジョブAの順序である場合に、S143において取得したジョブ実行順序がジョブB、ジョブC、ジョブAの順序であるとき、S143において取得したジョブ実行順序と、指定順序情報34cに示されているジョブ実行順序とに差異がないとS148において判断する。一方、順序通知部35cは、指定順序情報34cに示されているジョブ実行順序がジョブB、ジョブC、ジョブAの順序である場合に、S143において取得したジョブ実行順序が例えばジョブB、ジョブA、ジョブCの順序であるとき、S143において取得したジョブ実行順序と、指定順序情報34cに示されているジョブ実行順序とに差異があるとS148において判断する。
【0061】
順序通知部35cは、S143において取得したジョブ実行順序と、指定順序情報34cに示されているジョブ実行順序とに差異があるとS148において判断すると、画像形成装置20におけるジョブ実行順序が利用者による指定とは異なるものに変更されたエラーが発生したことを表示部32による表示によって通知して(S149)、図7に示す動作を終了する。なお、画像形成装置20におけるジョブ実行順序が利用者による指定とは異なるものに変更されたエラーは、例えば、画像形成装置20の内部要因などによって発生する可能性がある。
【0062】
順序通知部35cは、S143において取得したジョブ実行順序と、指定順序情報34cに示されているジョブ実行順序とに差異がないとS148において判断すると、S143において取得したジョブ実行順序を取得順序情報34bに保存する(S150)。
【0063】
順序通知部35cは、S150の処理の後、S143において取得したジョブ実行順序を表示部32による表示によって通知する(S151)。例えば、順序通知部35cは、S143において取得したジョブ実行順序を示すジョブリスト画面を表示部32に表示することによって、S143において取得したジョブ実行順序を通知する。
【0064】
順序通知部35cは、S151の処理の後、待機時間情報34dに示される待機時間と、実行回数情報34eに示される実行回数とに基づいて、待機時間情報34dに示される待機時間を更新する(S152)。例えば、順序通知部35cは、待機時間情報34dに示される待機時間をT、実行回数情報34eに示される実行回数をNとすると、「T×(N-1)+T/2」を、更新後の待機時間にする。
【0065】
順序通知部35cは、S152の処理の後、図7に示す動作を終了する。
【0066】
図8は、待機時間情報34dに示される待機時間の更新の一例を示す図である。
【0067】
図8に示す例では、画像形成装置20へのジョブ実行順序の変更の1回目の要求においては、待機時間情報34dに示される待機時間Tが4秒である。また、ジョブ実行順序の1回目の取得によって画像形成装置20におけるジョブ実行順序の変更の完了が確認されており、実行回数情報34eに示される実行回数Nは1回である。したがって、画像形成装置20へのジョブ実行順序の変更の2回目の要求における、待機時間情報34dに示される待機時間は、「4×(1-1)+4/2」、すなわち、2秒になる。
【0068】
また、画像形成装置20へのジョブ実行順序の変更の2回目の要求においては、待機時間情報34dに示される待機時間Tが2秒である。また、ジョブ実行順序の2回目の取得によって画像形成装置20におけるジョブ実行順序の変更の完了が確認されており、実行回数情報34eに示される実行回数Nは2回である。したがって、画像形成装置20へのジョブ実行順序の変更の3回目の要求における、待機時間情報34dに示される待機時間は、「2×(2-1)+2/2」、すなわち、3秒になる。
【0069】
また、画像形成装置20へのジョブ実行順序の変更の3回目の要求においては、待機時間情報34dに示される待機時間Tが3秒である。また、ジョブ実行順序の1回目の取得によって画像形成装置20におけるジョブ実行順序の変更の完了が確認されており、実行回数情報34eに示される実行回数Nは1回である。したがって、画像形成装置20へのジョブ実行順序の変更の4回目の要求における、待機時間情報34dに示される待機時間は、「3×(1-1)+3/2」、すなわち、1.5秒になる。
【0070】
また、画像形成装置20へのジョブ実行順序の変更の4回目の要求においては、待機時間情報34dに示される待機時間Tが1.5秒である。また、ジョブ実行順序の2回目の取得によって画像形成装置20におけるジョブ実行順序の変更の完了が確認されており、実行回数情報34eに示される実行回数Nは2回である。したがって、画像形成装置20へのジョブ実行順序の変更の5回目の要求における、待機時間情報34dに示される待機時間は、「1.5×(2-1)+1.5/2」、すなわち、2.25秒になる。
【0071】
以上に説明したように、印刷ジョブ送信装置30は、新たなジョブ実行順序への変更を画像形成装置20にS121において要求した後、画像形成装置20から取得したジョブ実行順序と、新たなジョブ実行順序との差異がなくなる(S145でYESおよびS148でNO)まで、特定の時間が経過する度に画像形成装置20からジョブ実行順序を取得し(S142でYESおよびS143)、画像形成装置20から取得したジョブ実行順序と、新たなジョブ実行順序との差異がない場合(S145でYESおよびS148でNO)に、画像形成装置20から取得したジョブ実行順序を通知する(S151)ので、変更後のジョブ実行順序の通知が失敗する可能性を低減することができる。
【0072】
印刷ジョブ送信装置30は、画像形成装置20から取得したジョブ実行順序と、新たなジョブ実行順序との差異がなくなるまでに要した時間に基づいて、画像形成装置20からジョブ実行順序を取得する時間間隔を決定する(S152)ので、画像形成装置20においてジョブ実行順序の変更がS124において完了してから、画像形成装置20から取得したジョブ実行順序を通知する(S151)までの時間を短縮することができ、その結果、通知されるジョブ実行順序のリアルタイム性を向上することができる。
【0073】
なお、待機時間情報34dに示される待機時間は、必要以上に短くしすぎると、印刷ジョブ送信装置30が画像形成装置20からジョブ実行順序を取得する回数が必要以上に増加し、その結果、ネットワーク11、画像形成装置20および印刷ジョブ送信装置30に加わる負荷が必要以上に増加する。しかしながら、印刷ジョブ送信装置30は、画像形成装置20から取得したジョブ実行順序と、新たなジョブ実行順序との差異がなくなるまでに要した時間に基づいて、画像形成装置20からジョブ実行順序を取得する時間間隔を決定する(S152)ので、待機時間情報34dに示される待機時間を必要以上に短くしすぎることがなく、その結果、ネットワーク11、画像形成装置20および印刷ジョブ送信装置30に加わる負荷が必要以上に増加することを抑えることができる。したがって、印刷ジョブ送信装置30は、例えば、画像形成装置20における印刷速度の低下を抑えることができる。
【0074】
印刷ジョブ送信装置30は、画像形成装置20から取得したジョブ実行順序と、新たなジョブ実行順序との差異がなくなるまでに要した時間に基づいて、画像形成装置20からジョブ実行順序を取得する時間間隔を決定する方法として、本実施の形態において、「T×(N-1)+T/2」という式を用いる方法を採用している。しかしながら、印刷ジョブ送信装置30は、画像形成装置20から取得したジョブ実行順序と、新たなジョブ実行順序との差異がなくなるまでに要した時間に基づいて、画像形成装置20からジョブ実行順序を取得する時間間隔を決定する方法として、「T×(N-1)+T/2」という式を用いる方法以外の方法を採用しても良い。
【符号の説明】
【0075】
20 画像形成装置
30 印刷ジョブ送信装置(コンピューター)
34a 印刷ジョブ送信プログラム
35a 印刷ジョブ送信部
35b 順序変更要求部
35c 順序通知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8