(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
H05B 47/175 20200101AFI20240815BHJP
【FI】
H05B47/175
(21)【出願番号】P 2020219747
(22)【出願日】2020-12-29
【審査請求日】2023-08-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】加藤 剛
(72)【発明者】
【氏名】白田 伸弥
(72)【発明者】
【氏名】岩本 隆志
(72)【発明者】
【氏名】辻 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】川越 真
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-235636(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00、47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導灯の制御装置であって、
外部電源からの電力を変換して出力する電力変換回路と;
前記電力変換回路から供給される電力または蓄電池から供給される電力により光源を点灯させる点灯回路と;
前記電力変換回路から供給される電力または前記蓄電池から供給される電力を所定の検出電圧に変換して自動火災報知器との接点に対して供給する電圧供給回路と;
前記電圧供給回路の出力側の電圧を検出する電圧検出部と;
前記電圧検出部による検出に基づいて前記点灯回路を制御する制御回路と;
前記電力変換回路から供給される電力または前記蓄電池から供給される電力を所定の制御電圧に変換して前記制御回路に供給する制御電源回路と;
を備え
、
前記電圧供給回路は、前記制御電源回路から前記制御電圧を入力し、前記制御電圧よりも低い前記検出電圧に変換する
ことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
誘導灯の制御装置であって、
外部電源からの電力を変換して出力する電力変換回路と;
前記電力変換回路から供給される電力または蓄電池から供給される電力により光源を点灯させる点灯回路と;
前記電力変換回路から供給される電力または前記蓄電池から供給される電力を所定の検出電圧に変換して自動火災報知器との接点に対して供給する電圧供給回路と;
前記電圧供給回路の出力側の電圧を検出する電圧検出部と;
前記電圧検出部による検出に基づいて前記点灯回路を制御する制御回路と;
前記外部電源からの電力の供給を検出する外部電源検出部と;
を備え、
前記電圧供給回路は、前記外部電源検出部が前記外部電源からの電力の供給を始めて検出してから前記検出電圧の供給を開始する
ことを特徴とする制御装置。
【請求項3】
前記電圧供給回路は、前記電力変換回路から供給される電力または前記蓄電池から供給される電力を前記制御回路が動作する制御電圧よりも高い前記検出電圧に降圧または昇圧する電圧生成部を有する
ことを特徴とする請求項
2記載の制御装置
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、誘導灯の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、施設などに備えられる避難誘導システムでは、自動火災報知器に連動する信号装置から誘導灯に対して動作信号を出力し、動作信号を入力した誘導灯の制御装置により点滅表示や誘導音による積極的な避難誘導を行っている。
【0003】
この誘導灯の制御装置は、信号装置と連携するように構成されているが、誘導灯に備えようとする機器によっては自動火災報知器との連携も図ることが好ましい場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、自動火災報知器との連携を図り、光源の点灯を制御できる制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の制御装置は、誘導灯の制御装置である。電力変換回路は、外部電源からの電力を変換して出力する。点灯回路は、電力変換回路から供給される電力または蓄電池から供給される電力により光源を点灯させる。電圧供給回路は、電力変換回路から供給される電力または蓄電池から供給される電力を所定の検出電圧に変換して自動火災報知器との接点に対して供給する。電圧検出部は、電圧供給回路の出力側の電圧を検出する。制御回路は、電圧検出部による検出に基づいて点灯回路を制御する。制御電源回路は、電力変換回路から供給される電力または蓄電池から供給される電力を所定の制御電圧に変換して制御回路に供給する。電圧供給回路は、制御電源回路から制御電圧を入力し、制御電圧よりも低い検出電圧に変換する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の制御装置によれば、自動火災報知器との連携を図り、光源の点灯を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態を示す誘導灯の第2表示部が消灯状態の正面図である。
【
図2】同上誘導灯の第2表示部が点灯状態の正面図である。
【
図5】第2の実施形態を示す誘導灯の制御装置の回路図である。
【
図6】第3の実施形態を示す誘導灯の制御装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、第1の実施形態を、
図1ないし
図4を参照して説明する。
【0010】
図1ないし
図3に、非常口などの避難経路に対応して天井面や壁面に設置される誘導灯10を示す。この誘導灯10は、自動火災報知器から得られる接点制御に基づいて誘導灯10による誘導経路への進入禁止を表示する動的避難誘導システムに対応したものである。
【0011】
誘導灯10は、本体11と、この本体11に設けられた第1表示ユニット12および第2表示ユニット13とを備えている。
【0012】
本体11の前面側を表示面側とし、この本体11の表示面側は第1表示ユニット12が配置されるように開口されている。
【0013】
本体11内には、蓄電池20が収容されている。蓄電池20は、充放電可能な二次電池が用いられている。蓄電池20は、第1表示ユニット12用と第2表示ユニット13用とに個別に用いられていてもよいし、共通に用いられてもよい。
【0014】
本体11内には、電源ユニット21が収容されている。電源ユニット21は、第1表示ユニット12の点灯を制御する制御装置と、第2表示ユニットの点灯を制御する制御装置とを備えている。第1表示ユニット12の点灯を制御する制御装置は、商用交流電源などの外部電源の供給時つまり常時に、外部電源の電力を所定の電力に変換し、第1表示ユニット12を点灯させるとともに蓄電池20を充電し、また、常時あるいは外部電源の遮断時つまり停電時に、蓄電池20の電力を所定の電力に変換して第1表示ユニット12を点灯させる。また、第2表示ユニット13の点灯を制御する制御装置については後述する。
【0015】
また、第1表示ユニット12は、本体11の表示面側に配置されている。第1表示ユニット12は、第1光源部31、本体11の表示面側に配置される第1導光板32、およびこの第1導光板32の前面側に配置された第1表示板33を有している。第1表示板33には第1表示パターン34が表示されている。この第1表示板33が第1表示部30として構成されている。
【0016】
第1導光板32は、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの光透過性を有する合成樹脂により四角形板状に形成されている。第1導光板32は、第1光源部31に対向する上部側の端面に光が入射する入射面を有し、前面側の一主面に入射面から入射した光が出射する出射面を有する。なお、第1導光板32には、出射面に対向する反対側の面に、入射面から入射した光が出射面から出射するように配光手段を設けてもよい。配光手段としては、光透過制御材(白色顔料)の入ったインクが規則的に印刷されたドット印刷、出射面に対向する面に複数の凹凸を設けるプリズムカット形状またはドット加工、出射面に対向する面を研磨して微細な凹凸を設ける粗面加工などが含まれる。
【0017】
第1表示板33は、光透過性を有する合成樹脂により四角形のシート状に形成されている。第1表示板33には、誘導を示す絵柄、文字、矢印などのピクトグラムを含む第1表示パターン34が形成された領域と、第1表示パターン34が形成されていない他の領域とで構成されている。なお、
図1および
図2には、説明を簡単にするために第1表示パターン34を簡略化して四角形状で示すが、実際には避難誘導を示す絵柄などが表示される。第1表示パターン34は、緑色のインクにより、例えばシルクスクリーン印刷やインクジェット印刷などの印刷により形成されている。また、第1表示板33の第1表示パターン34以外の領域は、白色のインクにより、例えばシルクスクリーン印刷やインクジェット印刷などの印刷により形成されている。そして、第1導光板32から第1表示板33に光が出射され、第1表示パターン34は緑色に表示され、第1表示パターン34がない領域は白色で表示される。したがって、第1表示部30は、第1表示パターン34がある緑の領域と、第1表示パターン34がない白の領域の2色の領域を有している。なお、第1表示板33は第1導光板32と一体に形成されていてもよく、第1導光板32の前面側に第1表示パターン34を形成してもよい。
【0018】
第1光源部31は、発光モジュールにより構成されている。第1光源部31は、基板35、およびこの基板35に実装されたLED素子などの固体発光素子である第1光源36を有している。第1光源36は、例えば白色光を放射する。第1光源36は、第1導光板32の入射面に対向され、光を入射面から第1導光板32内に放射する。そして、第1光源36は外部電源または蓄電池20の電力により常時点灯され、第1表示部30を常時表示させる。
【0019】
また、第2表示ユニット13は、本体11の表示面側に配置されており、本体11に配置されている第1表示ユニット12のさらに前面側に配置されている。第2表示ユニット13は、第2表示部40、赤色光を放射する第2光源部41、これら第2表示部40および第2光源部41を備えて本体11に取り付けられる取付枠42を備えている。
【0020】
第2表示部40は、本体11に配置されている第1表示部30の前面側に対向して配置される。すなわち、第2表示部40は、第1表示部30の投影面上に配置され、第1表示部30から出射される光が通過するように構成されている。また、第2表示部40は、第1表示部30に対して前方に離隔して配置されている。
【0021】
第2表示部40は、第1表示部30の前面側に配置される第2導光板43により形成されている。第2導光板43は、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの無色透明で光透過性を有する合成樹脂により四角形板状に形成されている。第2導光板43は、第2光源部41に対向する上部側の端面に赤色光が入射する入射面を有し、入射面に入射した赤色光は下部側の端面に向かって導光する。
【0022】
第2導光板43の背面側には、進入禁止を示す絵柄、文字などのピクトグラムを含む表示パターンとしての第2表示パターン44が形成されている。第2表示パターン44は、例えば、白色のシルクスクリーン印刷やインクジェット印刷などの印刷や凹凸加工などにより「×」印のパターン形状に形成されている。そして、第2導光板43内を導光した赤色光が第2表示パターン44で乱反射し、第2表示部40の前面側に出射する。これによって、第2表示部40は、赤色光で第2表示パターン44の形状に表示する。このため、第2表示部40による表示は、第1表示部30とは色および形状が異なる。第2表示部40の第2表示パターン44が設けられた領域は所定の透過率を有しており、第2表示パターン44がない領域は第2表示パターン44が設けられた領域よりも高い透過率となっている。このため、第1表示部30の前面側から放射された光は第2表示パターン44が設けられた領域では所定の透過率で減衰し、その他の領域では第2導光板43が無色透明の場合には略そのまま透過する。
【0023】
第2光源部41は、発光モジュールにより構成されている。第2光源部41は、基板45、およびこの基板45に実装されたLED素子などの固体発光素子である光源としての第2光源46を有している。第2光源46は、例えば赤色光を放射する。第2光源46は、第2導光板43の入射面に対向され、光を入射面から第2導光板43に入射する。
【0024】
取付枠42は、前後に開口する枠状に形成され、開口内に第2表示部40を形成した第2導光板43を保持し、上部側に第2光源部41を保持している。取付枠42は、本体11の前面側から取り付けられ、ねじなどで一体的に固定されている。
【0025】
なお、誘導灯10は、前面側の片面のみを表示面側とする片面表示タイプであるが、前面側と反対側の両面を表示面側とする両面表示タイプであってもよい。
【0026】
また、誘導灯10は、積極的な避難誘導を行うために音声案内などの誘導音を発する誘導音案内機能および点滅光源を点滅表示する点滅機能を備えていてもよい。
【0027】
次に、
図4に、第2表示ユニット13の点灯を制御する電源ユニット21の制御装置50を示す。
図4には、制御装置50が直上階制御機能を有する場合を示すものである。
図4には、施設に設置される避難誘導システムにおいて、ある階に設置される誘導灯10の制御装置50と、この誘導灯10が設置された階に対して直上階に設置される誘導灯10の制御装置50とが連携する場合を示す。なお、
図4の破線は、ある階と直上階との境界を示す。
【0028】
制御装置50は、例えば商用交流電源などの外部電源Eから供給される電力を整流後に所定の電力に変換する電力変換回路51を備えている。電力変換回路51は、一次側と二次側とを絶縁したフライバックコンバータなどのDC-DCコンバータが用いられる。第1の実施形態の電力変換回路51では、例えば17Vなどの所定の直流電圧に変換する。
【0029】
電力変換回路51の出力端にはダイオードD1のアノードが接続され、ダイオードD1のカソードに充電回路52が接続されている。充電回路52は、電力変換回路51から供給される直流電圧を例えば7~10.5Vなどの所定の直流電圧に変換して蓄電池20に供給し、蓄電池20を充電する。
【0030】
充電回路52と蓄電池20との間には、点灯回路53が接続されている。点灯回路53は、常時に充電回路52から供給される直流電圧、または、常時あるいは停電時に蓄電池20から供給される直流電圧を、所定の点灯電圧に変換して第2光源46に供給し、第2光源46を点灯させる。第1の実施形態の点灯回路53では、充電回路52または蓄電池20から供給される直流電圧を例えば24Vなどに昇圧して供給する。
【0031】
電力変換回路51の出力側のダイオードD1のカソードと充電回路52との間にダイオードD2のアノードが接続され、充電回路52と蓄電池20との間にダイオードD3のアノードが接続され、これらダイオードD2,D3のカソードに電圧生成部54の入力端が接続されている。第1の実施形態の電圧生成部54は、常時に電力変換回路51から供給される直流電圧、または、常時あるいは停電時に蓄電池20から供給される直流電圧を、例えば24Vなどの検出電圧(接点電圧)に昇圧する昇圧回路55が用いられている。第1の実施形態の電圧生成部54である昇圧回路55は、後述する制御電圧よりも高い検出電圧に昇圧する。
【0032】
昇圧回路55の出力端には、限流抵抗R1と、この限流抵抗R1にアノードが接続されたダイオードD4との直列回路が接続されている。ダイオードD4のカソードは、誘導灯10の電源ユニット21が備える接点である接点制御端子56に接続されている。接点制御端子56は、自動火災報知器と接続されて誘導停止信号(進入禁止信号)の入力に応じて動作する接点である。ダイオードD4のカソードと接点制御端子56との間には、接点制御端子56に対する誘導停止信号に応じた電圧の変化を検出する電圧検出部57が接続されている。電圧検出部57は、誘導停止信号を検出する誘導停止信号検出部であり、検出結果を制御部である制御回路58に送る。
【0033】
そして、電圧生成部54である昇圧回路55、ダイオードD2,D3,D4および限流抵抗R1などにより、常時に電力変換回路51から供給される電力、または、常時あるいは停電時に蓄電池20から供給される電力を、所定の検出電力に変換して自動火災報知器との接点である接点制御端子56に供給する電圧供給回路59が構成されている。
【0034】
また、制御回路58は、電力変換回路51、充電回路52、点灯回路53および昇圧回路55の動作を制御する。制御回路58は、電圧検出部57により検出される電圧を監視し、電圧の変化に応じて自動火災報知器からの誘導停止信号を検出すると、点灯回路53を動作させて第2光源46を点灯させる。
【0035】
制御回路58には、外部電源Eからの電力の供給を検出する外部電源検出部60から検出信号が入力される。検出信号は、外部電源検出部60と制御回路58とを絶縁するフォトカプラを通じて送られる。制御回路58は、外部電源検出部60が外部電源Eからの電力の供給を始めて検出するまでは蓄電池20から電力が供給されても電圧供給回路59を動作させず、外部電源検出部60が外部電源Eからの電力の供給を始めて検出した後に電圧供給回路59を動作させて検出電圧の供給を開始する
制御回路58は、制御電源回路61から供給される制御電圧により動作する。制御電源回路61は、レギュレータ62で構成されている。電力変換回路51の出力側でダイオードD1のカソードと充電回路52との間にダイオードD5のアノードが接続され、充電回路52と蓄電池20との間にダイオードD6のアノードが接続され、これらダイオードD5,D6のカソードにレギュレータ62が接続されている。レギュレータ62は、3端子レギュレータなどの電圧レギュレータが用いられ、常時にダイオードD5を通じて電力変換回路51から供給される直流電圧、または、常時あるいは停電時にダイオードD6を通じて蓄電池20から供給される直流電圧を、例えば3.3Vなどの所定の制御電力に変換し、制御回路58に供給する。
【0036】
そして、電力変換回路51、充電回路52、点灯回路53、制御回路58および制御電源回路61などにより、停電時にも対応可能とする非常灯ユニット63が構成されている。
【0037】
また、制御装置50は、誘導灯10が点滅表示や誘導音による積極的な避難誘導を行う機能を備える場合、点滅表示や誘導音を制御する点滅誘導音制御ユニットとの連携が図れるように構成されている。点滅誘導音制御ユニットは、自動火災報知器に連動する信号装置からの誘導信号である動作信号に応じて点滅表示や誘導音の出力を制御する。そして、制御装置50は、点滅誘導音制御ユニットと連携を図るために動作信号処理回路64を備えている。動作信号処理回路64は、自動火災報知器に連動する信号装置から入力される動作信号を処理し、処理した動作信号を制御回路58に送る。動作信号処理回路64は、例えばフォトカプラを用いて信号装置が接続される一次側と制御回路58が接続される二次側とを絶縁している。
【0038】
動作信号処理回路64には、正常時に信号装置から有電圧の動作信号が入力され、火災時に信号装置から動作信号が入力されなくなるように構成されている。この場合、動作信号処理回路64で処理した信号を入力する制御回路58では、動作信号が動作信号処理回路64に入力されているときには誘導信号の入力なし、入力されなくなったときには誘導信号の入力ありと判断して処理する。
【0039】
また、制御装置50の直上階制御機能は、誘導灯10の設置階でかつ設置場所近傍の煙感知器が煙を感知したために誘導灯10による積極的な避難誘導ができない条件が生じると、その条件が生じた階の直上階の誘導灯10においても積極的な避難誘導はできないとして扱い、直上階の誘導灯10に対して積極的な避難誘導を停止させる機能である。
【0040】
制御装置50は、直上階の誘導灯10を制御する直上階制御回路65を備えている。直上階制御回路65は、直上階に設置される誘導灯10の接点制御端子56に接続され、制御回路58の制御により、誘導停止信号を直上階の誘導灯10の接点制御端子56に出力する。
【0041】
次に、誘導灯10の動作を説明する。
【0042】
誘導灯10は、
図1に示すように、第1表示部30を常時表示し、避難経路を表示する。第2表示部40は、接点制御端子56に自動火災報知機または直下階の誘導灯10から誘導停止信号が入力されていない状態では表示をしない。
【0043】
また、接点制御端子56に自動火災報知機または直下階の誘導灯10から誘導停止信号が入力された場合、
図2に示すように、第2表示部40を表示し、つまり「×」印の進入禁止を表示する。これにより、避難者は、誘導灯10の「×」印の進入禁止の表示を確認し、他の避難経路に向かって避難することが可能となる。
【0044】
そして、第1表示部30を制御する制御装置は、常時において、外部電源Eから電力により、第1表示部30を点灯するとともに蓄電池を充電し、また、停電時において、蓄電池から放電される電力により、第1表示部30を点灯する。
【0045】
また、第2表示部40を制御する制御装置50は、常時において、電力変換回路51で外部電源Eを変換した所定の直流電圧により、制御電源回路61が制御電源を制御回路58に供給し、充電回路52が蓄電池20を充電し、電圧供給回路59が接点制御端子56に検出電圧を供給する。または、制御装置50は、常時あるいは停電時において、蓄電池20から放電される直流電圧により、制御電源回路61が制御電源を制御回路58に供給し、電圧供給回路59が接点制御端子56に検出電圧を供給する。
【0046】
制御装置50の制御回路58は、電圧検出部57により検出される電圧を監視し、自動火災報知器または直下階の誘導灯10の制御装置50からの誘導停止信号が入力されたか否かを判断する。
【0047】
制御回路58は、電圧検出部57により検出される電圧の変化に応じて自動火災報知器または直下階の誘導灯10の制御装置50からの誘導停止信号を検出すると、点灯回路53を動作させて第2光源46を点灯し、「×」印の進入禁止を表示する。
【0048】
また、制御回路58は、電圧検出部57により検出される電圧の変化に応じて自動火災報知器または直下階の誘導灯10の制御装置50からの誘導停止信号が検出されなくなると、点灯回路53を停止させて第2光源46を消灯し、「×」印の進入禁止を非表示とする。
【0049】
このように、制御装置50では、常時および停電時のいずれにおいても、接点制御端子56に所定の検出電圧を供給し、自動火災報知器からの誘導停止信号の入力を検出し、第2光源46を点灯できるため、自動火災報知器との連携を図り、第2光源46の点灯を制御できる。
【0050】
さらに、制御装置50は、直上階制御機能を有する場合、誘導灯10の設置階でかつ設置場所近傍の煙感知器が煙を感知したために誘導灯10による積極的な避難誘導ができない条件が生じると、直上階の誘導灯10の接点制御端子56に対して誘導停止信号を出力し、直上階の誘導灯10の第2光源46を点灯しないように制御できる。
【0051】
また、電圧供給回路59は、常時に電力変換回路51から供給される電力、または、常時あるいは停電時に蓄電池20から供給される電力を、電圧生成部54で制御回路58が動作する制御電圧よりも高い検出電圧に昇圧し、この検出電圧を接点制御端子56に供給することにより、検出精度を向上できる。
【0052】
また、電力変換回路51は、外部電源Eから供給される電力を、制御電圧よりも高くかつ検出電力よりも低い例えば17Vなどの直流電圧に変換することにより、この直流電圧を入力する充電回路52の負担を軽減することができる。
【0053】
【0054】
図5には制御装置50の直上階制御機能の図示を省略している。あるいは、制御装置50は、直上階制御機能を備えていなくてもよい。
【0055】
電力変換回路51は、外部電源Eから供給される電力を整流後に、第1の実施形態よりも高い例えば30Vなどの直流電圧に変換する。
【0056】
電圧供給回路59は、電力変換回路51の出力側のダイオードD1のカソードと充電回路52との間に電圧生成部54の入力端が接続されている。さらに、充電回路52と蓄電池20との間に蓄電池20の電力を昇圧して放電させる放電回路70が接続され、この放電回路70にダイオードD3のアノードが接続され、このダイオードD3のカソードに電圧生成部54の入力端が接続されている。第2の実施形態の電圧生成部54は、常時に電力変換回路51から供給される直流電圧、または、常時あるいは停電時に蓄電池20から放電回路70を通じて供給される直流電圧を、例えば24Vなどの検出電圧(接点電圧)に変換するレギュレータ71が用いられている。第2の実施形態の電圧生成部54の場合も、制御電圧よりも高い検出電圧に昇圧する。
【0057】
そして、第2の実施形態の制御装置50は、第1の実施形態と同様に動作し、同様の作用効果が得られる。
【0058】
さらに、電力変換回路51は、外部電源Eから供給される電力を、制御電圧および検出電圧よりも高い例えば30Vなどの直流電圧に変換することにより、昇圧せずに検出電圧を生成でき、ノイズの発生を軽減できる。
【0059】
なお、蓄電池20の放電電圧が24Vよりも高い場合には、電圧生成部54には、常時に電力変換回路51から供給される直流電圧、または、常時あるいは停電時に蓄電池20から供給される直流電圧を、例えば24Vなどの検出電圧(接点電圧)に降圧する降圧回路が用いられる。
【0060】
【0061】
図6には制御装置50の直上階制御機能の図示を省略している。あるいは、制御装置50は、直上階制御機能を備えていなくてもよい。
【0062】
電力変換回路51は、外部電源Eから供給される電力を整流後に、第1の実施形態と同様の例えば17Vなどの直流電圧に変換する。
【0063】
電圧供給回路59は、制御電源回路61のレギュレータ62の制御電圧の出力端に接続された限流抵抗R2と、この限流抵抗R2にアノードが接続されたダイオードD7とを備え、ダイオードD7のカソードが接点制御端子56に接続されている。第3の実施形態の電圧供給回路59は、制御電圧よりも低い検出電圧を接点制御端子56に供給する。
【0064】
そして、第3の実施形態の制御装置50は、第1の実施形態と同様に動作し、同様の作用効果が得られる。
【0065】
さらに、電圧供給回路59は、制御電源回路61から制御電圧を入力し、制御電圧よりも低い検出電圧に変換して供給するため、制御装置50の構成を簡略化できる。
【0066】
なお、制御装置50は、誘導灯10に限らず、非常灯などにも適用できる。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0068】
10 誘導灯
46 光源である第2光源
50 制御装置
51 電力変換回路
53 点灯回路
54 電圧生成部
56 接点である接点制御端子
57 電圧検出部
58 制御回路
59 電圧供給回路
60 外部電源検出部
61 制御電源回路
E 外部電源