(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】肘掛け
(51)【国際特許分類】
A47B 21/03 20060101AFI20240815BHJP
【FI】
A47B21/03
(21)【出願番号】P 2024070947
(22)【出願日】2024-04-24
【審査請求日】2024-04-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523480668
【氏名又は名称】株式会社SABBATH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【氏名又は名称】松田 朋浩
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【氏名又は名称】西木 信夫
(72)【発明者】
【氏名】古瀬 伸治
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-063416(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2023-0092382(KR,A)
【文献】国際公開第98/049922(WO,A1)
【文献】特開2006-087448(JP,A)
【文献】特開2020-177610(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02373309(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 21/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
机の天板上に配置されるスライドベースと、
当該スライドベースに対して所定方向にスライド可能に支持されたスライダーと、
上記スライドベースに設けられ、上記天板の側縁部を挟持および挟持解除が可能な挟持部と、を備え
、
上記スライドベースは、上記所定方向に沿って相対移動可能な第1本体及び第2本体を有し、
上記挟持部は、
上記第1本体の上記所定方向の一端から下向きに突出する第1挟持片と、
上記第2本体の上記所定方向の他端から下向きに突出する第2挟持片と、を有する、肘掛け。
【請求項2】
上記スライドベースは、上記所定方向の端面に開口を有する箱状を呈し、
上記スライダーは、上記スライドベースに収容された収容位置と、上記開口を通じて上記スライドベースから引き出された引出位置との間でスライド可能である、請求項
1に記載の肘掛け。
【請求項3】
机の天板上に配置されるスライドベースと、
当該スライドベースに対して所定方向にスライド可能に支持されたスライダーと、
上記スライドベースに設けられ、上記天板の側縁部を挟持および挟持解除が可能な挟持部と、を備え、
上記挟持部は、上記天板の後ろの側縁部を上下に挟む
、肘掛け。
【請求項4】
上記スライダーに、ユーザの肘が載せられる肘載せ部、及びマウスパッドが載せられるパッド載置部が設けられている、請求項
1に記載の肘掛け。
【請求項5】
上記パッド載置部の幅は、上記肘載せ部の幅よりも広い、請求項
4に記載の肘掛け。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえばパソコン作業が行われる机に装着する肘掛けの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パソコン作業において、とりわけマウスを操作する動作は、作業者にとって身体に負担がかかる。そのため、従来の事務用机は、作業者が肘を載置することができる載置板が設けられ、この載置板が天板に沿ってスライドすることができる構造を備えている(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された机では、作業者が上記載置板を引き出すことにより、マウスを操作する際に上記載置板に肘を載せることができ、身体への負担が少ないパソコン作業をすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の机では、作業者の肘を支持するという機能を発揮するために、机の構造の一部として載置板を備えている。そのため、作業者は、肘を載置することができる専用の高価な机を購入しなければならなかった。
【0006】
本発明はかかる背景のもとになされたものであって、その目的は、既存の机に簡単に着脱することができ、パソコン作業において肘を載置できる簡易且つ安価なアタッチメントとしての肘掛けを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 上記課題を解決するために、本件発明の肘掛けは、机の天板上に配置されるスライドベースと、当該スライドベースに対して所定方向にスライド可能に支持されたスライダーと、上記スライドベースに設けられ、上記天板の側縁部を挟持および挟持解除が可能な挟持部と、を備える。
【0008】
この構成によれば、挟持部が机の天板の側縁部を挟み込むことにより、スライドベースが机の天板上に固定される。この挟持部は、天板の挟持を解除することができるので、スライドベースは、ユーザが所望する天板上の位置に着脱自在に取り付けられる。スライダーは、スライドベースに対して所定方向にスライド可能であるから、ユーザは、マウス操作に最適な位置にスライダーを移動させることができる。この肘掛けは、アタッチメントとして既存の机に着脱可能であり、しかも構造がシンプルで安価である。
【0009】
(2) 上記スライドベースは、上記所定方向に沿って相対移動可能な第1本体及び第2本体を有していてもよい。上記挟持部は、上記第1本体の上記所定方向の一端から下向きに突出する第1挟持片と、上記第2本体の上記所定方向の他端から下向きに突出する第2挟持片と、を有する。
【0010】
挟持部を構成する第1挟持片が第1本体に設けられ、第2挟持片が第2本体に設けられ、第1本体及び第2本体は互いに相対移動が可能であるから、第1挟持片と第2挟持片との間の距離を天板の奥行長さに応じて自由に調整することができる。したがって、この肘掛けは、奥行の長さが異なる種々の机に着脱可能である。
【0011】
(3) 上記スライドベースは、上記所定方向の端面に開口を有する箱状を呈し、上記スライダーは、上記スライドベースに収容された収容位置と、上記開口を通じて上記スライドベースから引き出された引出位置との間でスライド可能であってもよい。
【0012】
スライダーは、スライドベースに収容された収容位置、及びスライドベースから引き出された引出位置の間でスライド可能であるから、使用しない場合にはスライドベース内に収容することができる。
【0013】
(4) 上記挟持部は、上記天板の後ろの側縁部を上下に挟んでもよい。
【0014】
この肘掛けは、天板の後ろの側縁部で固定されるから、天板の奥行の長さに拘らず天板に取り付けることができる。つまり、この肘掛けは、机の種類に拘らず使用することができる。
【0015】
(5) 上記スライダーに、ユーザの肘が載せられる肘載せ部、及びマウスパッドが載せられるパッド載置部が設けられていてもよい。
【0016】
肘載せ部及びパッド載置部の両方がスライダーに設けられていてもよい。
【0017】
(6) 上記パッド載置部の幅は、上記肘載せ部の幅よりも広い。
【0018】
肘載せ部の幅がパッド載置部の幅よりも狭くされることにより、肘掛けがコンパクトになる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る肘掛けは、アタッチメントとして既存の机に着脱可能であり、しかも構造がシンプルで安価である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る肘掛け10の外観斜視図である。
【
図2】
図2は、肘掛け10の部品ごとの分解斜視図である。
【
図4】
図4(A)は、スライダー60が収容位置にある場合の肘掛け10の縦断面図であり、
図4(B)は、スライダー60が引出位置にある場合の肘掛け10の縦断面図である。
【
図6】
図6は、肘掛け10の机11への取り付け及び使用を説明する説明図であり、(A)は机11への取付状態を示し、(B)は使用状態を示す。
【
図7】
図7は、第1実施形態の変形例に係る肘掛け100の斜視図であり、(A)は調整部材110が初期位置にある状態を示し、(B)は調整部材110が最大引出位置にある状態を示す。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係る肘掛け130の斜視図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係る肘掛け130の縦断面図である。
【
図10】
図10(A)は、第3実施形態に係る肘掛け150の斜視図であり、
図10(B)は、肘掛け150の分解斜視図である。
【
図11】
図11(A)は、第3実施形態に係る肘掛け150の横断面図であり、
図11(B)は、
図11(A)におけるB-B断面図である。
【
図12】
図12は、肘掛け150の机11への取り付け及び使用を説明する説明図であり、(A)は机11への取付状態を示し、(B)は使用状態を示す。
【
図13】
図13は、第3実施形態の変形例に係る肘掛け190の斜視図である。
【
図14】
図14は、第4実施形態に係る肘掛け200の斜視図であり、(A)は机11に取り付けた状態を示し、(B)は使用状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施形態が、適宜図面が参照されつつ説明される。なお、本実施の形態は、本発明に係る肘掛けの一態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様が変更されてもよいことは言うまでもない。
【0022】
[第1実施形態]
【0023】
図1は、本発明の第1実施形態に係る肘掛け10の外観斜視図である。
図2は、肘掛け10の部品ごとの分解斜視図である。
図3は、肘掛け10の全分解斜視図である。
図4は、肘掛け10の縦断面図である。
図5は、肘掛け10の横断面図である。
図6(A)は、肘掛け10の机11への取付状態を説明する説明図であり、
図6(B)は、肘掛け10の使用状態を説明する説明図である。
【0024】
[肘掛け10の概要]
【0025】
図6が示すように、肘掛け10は、ユーザによって既存の机11の天板12に取り付けられて使用される。肘掛け10は、ユーザが机11においてパーソナルコンピュータ13を使用する際に、ユーザの肘(不図示)を支持する。ユーザは、肘掛け10に肘を載せてマウス15の操作を行う。
【0026】
図1が示すように、肘掛け10は、スライドベース20、スライダー60、及びピンチ部材80を備える。スライドベース20、スライダー60、及びピンチ部材80は、合成樹脂製であってもよいし、一部或いは全部が金属製であってもよい。
【0027】
[スライドベース20]
【0028】
スライドベース20は、スライダー60をスライド可能に支持する部材である。
【0029】
図2が示すように、スライドベース20は、ベース本体21及び挟持片22を備える。
【0030】
ベース本体21は、中空の直方体状であり、前面23、後面24、上面25、下面26、左側面27、右側面28、及び傾斜面29を有する。
【0031】
前後方向8におけるベース本体21の長さ(奥行長さ)Dは、左右方向9におけるベース本体21の長さ(幅)W1よりも長い。また、上下方向7におけるベース本体21の長さ(高さ)H1は、上記幅W1よりも短い。つまり、ベース本体21は、前後方向8に長い扁平な形状である。
【0032】
上面25は、マウスパッド14(
図6(B)参照)が載置される。また、上面25は、手首など、ユーザの腕の一部が載せられる。
【0033】
開口30が、前面23に設けられている。ユーザは、開口30を通じてスライダー60をスライドベース20から引き出し(
図6(B)参照)、或いは引き出されたスライダー60をスライドベース20内に押し込む(
図6(A)参照)。開口30が設けられた前面23は、特許請求の範囲に記載された「所定方向の端面」に相当する。
【0034】
傾斜面29は、上面25の前端から開口30の上に向かって延びている。つまり、傾斜面29は、上面25の前端から前方斜め下に向かって傾斜している。
図6(B)が示すように、傾斜面29は、スライドベース20の上面25とスライダー60の上面63との間に段差が形成されることを防止する。上面25、63間に段差が形成されないから、ユーザが肘掛け10に肘を載せやすくなる。つまり、肘掛け10の使い勝手が良くなる。
【0035】
図2が示すように、ベース本体21の後端部31には、左右一対の軸受け孔32が設けられている。軸受け孔32は、後端部31の左側壁33及び右側壁34にそれぞれ設けられている。軸受け孔32は、円形部35及び扇部36を有している。円形部35には、ピンチ部材80の回動軸84、85の軸部89が挿入される。扇部36には、回動軸84、85の支持リブ90が挿入される。ベース本体21は、後端部31において、ピンチ部材80を回動可能に支持する。
【0036】
図4が示すように、ベース本体21の後端部31の上下方向7の長さ(高さ)H2は、ピンチ部材80の回動を阻害しないように、上記高さH1よりも短くされている。
【0037】
また、
図2が示すように、後端部31の左右方向9の長さ(幅)W2は、上記幅W1(=W3)よりも短くされている。そして、
図1が示すように、スライドベース20の左側面27とピンチ部材80の左側面91とは概ね面一であり、かつベース本体21の右側面28とピンチ部材80の右側面92とは概ね面一である。
【0038】
図2が示すように、挟持片22は、ベース本体21の前端から下向きに突出している。挟持片22は、前後方向8において、ピンチ部材80の下部と対向している。
図4(B)が示すように、挟持片22は、ピンチ部材80の下部とともに、机11の天板12(
図6参照)の前後の側縁部を挟む。挟持片22は、特許請求の範囲に記載された「第1挟持片」に相当する。
【0039】
図2が示すように、挟持片22の後面37に複数の溝38が設けられている。溝38は、左右方向9に沿って延びている。複数の溝38は、上下方向7において並んでいる。複数の溝38は、後面37と机11の天板12の側縁部との間の摩擦力を増加させ、肘掛け10が机11から脱落したり位置ずれしたりすることを防止する。
【0040】
図3が示すように、スライドベース20は、上ベース41及び下ベース42を有している。上ベース41は、ベース本体21の上部を構成し、下面が開口する矩形箱状である。上ベース41は、開口30及び挟持片22を有している。下ベース42は、ベース本体21の下部を構成し、上面が開口する矩形箱状である。
【0041】
上ベース41が有する挟持片22には、嵌合孔43が設けられている。下ベース42には、嵌合孔43に挿入される嵌合片44が設けられている。また、下ベース42の後部には、ネジ45が挿通される挿通孔46が設けられている。一方、
図4が示すように、上ベース41の後部には、ネジ45が螺合するネジ孔47が設けられている。上ベース41と下ベース42とは、嵌合孔43に挿入される嵌合片44と、ネジ孔47に螺合するネジ45とにより、相互に結合されている。
【0042】
図3及び
図5が示すように、下ベース42は、左右一対のスライド突起48、49を有している。スライド突起48は、下ベース42の左内側面50から内向き(右向き)に突出している。スライド突起49は、下ベース42の右内側面51から内向き(左向き)に突出している。2つのスライド突起48と、2つのスライド突起49とが下ベース42にそれぞれ設けられている。2つのスライド突起48は、前後方向8において離間している。また、2つのスライド突起49は、前後方向8において離間している(
図3参照)。
【0043】
図5が示すように、スライド突起48、49は、スライダー60に設けられたガイド溝67、68に嵌っている。スライドベース20は、スライド突起48、49により、スライダー60を前後方向8に沿ってスライド可能に支持している。前後方向8は、特許請求の範囲に記載された「所定方向」に相当する。
【0044】
図3が示すように、下ベース42は、底面52から上向きに突出する複数の摺動リブ53、脱落防止リブ54、支持リブ55、及び複数の支持リブ56を有する。
【0045】
摺動リブ53は、前後方向8に沿って延びている。複数の摺動リブ53は、左右方向9において並んでいる。
図3に示される例では、3本の摺動リブ53が下ベース42に設けられている。
図4が示すように、スライダー60が前後方向8に沿ってスライドされる際、スライダー60の後摺動凸部70が、摺動リブ53上を摺動する。
【0046】
図3が示すように、脱落防止リブ54は、左右方向9に沿って延びている。脱落防止リブ54は、摺動リブ53の前に位置している。
図4(B)が示すように、スライダー60がスライドベース20から引き出されると、スライダー60がスライドベース20から脱落する前に、スライダー60の後摺動凸部70が脱落防止リブ54に当接する。つまり、脱落防止リブ54は、スライドベース20からのスライダー60の脱落を防止する。
【0047】
図3が示すように、支持リブ55は、左右方向9に沿って延びている。支持リブ55は、脱落防止リブ54の前方に位置する。
図4(B)が示すように、支持リブ55は、スライダー60の後摺動凸部70が脱落防止リブ54に当接した引出位置において、脱落防止リブ54とともにスライダー60を支持する。
【0048】
図3が示すように、支持リブ56は、前後方向8に沿って延びている。支持リブ56は、支持リブ55の前方に位置している。複数の支持リブ56は、左右方向9において並んでいる。
図3に示される例では、3本の支持リブ56が下ベース42に設けられている。
図4(A)が示すように、支持リブ56は、収容位置において、スライダー60の前支持凸部71を支持する。
【0049】
図4及び
図5が示すように、上ベース41は、天面57から下向きに突出する複数の押さえリブ58を有する。押さえリブ58は、前後方向8に沿って延びている。複数の押さえリブ58は、左右方向9において並んでいる。
図5に示す例では、7つの押さえリブ58が設けられている。押さえリブ58は、ユーザの肘がスライダー60に載せられた場合に、スライダー60の上面63に当接してスライダー60の後部を上から押さえ込む。
【0050】
このように、スライドベース20は、スライド突起48、49、摺動リブ53、脱落防止リブ54、支持リブ55、56により、前後方向8に沿ってスライド可能にスライダー60を支持している。また、摺動リブ53、脱落防止リブ54、支持リブ55、56、及び押さえリブ58は、スライドベース20の強度を高めている。
【0051】
図3が示すように、下ベース42の後端部31には、左右一対の支持リブ96が設けられている。左側の支持リブ96は、左側の軸受け孔32の近傍に位置し、右側の支持リブ96は、右側の軸受け孔32の近傍に位置している。コイルバネ93の一端部94が、支持リブ96に支持されている。
【0052】
[スライダー60]
【0053】
図2が示すように、スライダー60は、直方体状であって、前面61、後面62、上面63、下面64、左側面65、及び右側面66を備える。スライダー60は、前後方向8に長い扁平な形状であって、且つスライドベース20よりも小さい。つまり、スライダー60は、スライドベース20に収容可能である。
【0054】
図5が示すように、スライダー60は、左右一対のガイド溝67、68を有している。ガイド溝67は、スライダー60の左側面65に設けられており、前後方向8に沿って延びている。ガイド溝68は、スライダー60の右側面66に設けられており、前後方向8に沿って延びている。スライドベース20のスライド突起48がガイド溝67に嵌っており、スライドベース20のスライド突起49がガイド溝68に嵌っている。スライダー60は、左右一対のガイド溝67、68によって前後方向8にスライド可能に支持されている。スライダー60は、スライドベース20に収容された収容位置(
図4(A)、
図6(A)参照)と、スライドベース20から引き出された引出位置(
図4(B)、
図6(B)参照)との間でスライドされる。
【0055】
図2が示すように、スライダー60の前面61には、ユーザが指を掛ける指掛け凹部69が設けられている。なお、指掛け凹部69に代えて、ユーザが指を掛ける指掛け突起が前面61に設けられていてもよい。
【0056】
スライダー60は、後摺動凸部70及び前支持凸部71を有している。後摺動凸部70は、下面64の後端部から下向きに突出している。前支持凸部71は、下面64の前端部から下向きに突出している。後摺動凸部70は、スライダー60が収容位置から引出位置までスライドされる際に、スライドベース20の摺動リブ53(
図3参照)の上端に摺接する。前支持凸部71は、収容位置(
図4(A)参照)において、スライドベース20の支持リブ56の上端に当接する。
【0057】
図3が示すように、スライダー60は、スライダー本体72及びカバー73を備える。スライダー本体72は、上面が開口する矩形箱状であり、ガイド溝67、68、指掛け凹部69を有している。カバー73は、矩形板状であり、上面63を有している。
【0058】
スライダー本体72は、挿通孔75を備える。カバー73は、ネジ孔76(
図4参照)を備える。ネジ74が、挿通孔75に挿通された後、ネジ孔76に螺合される。複数のネジ74により、カバー73がスライダー本体72に取り付けられる。
【0059】
[ピンチ部材80]
【0060】
図2が示すように、ピンチ部材80は、ピンチ本体81、左右一対の突出片82、83、及び左右一対の回動軸84、85を備える。ピンチ部材80は、特許請求の範囲に記載された「第2挟持片」に相当する。
【0061】
ピンチ本体81は、上下方向7及び左右方向9に延びる矩形板状である。ピンチ本体81の左右方向9の長さ(幅)W3は、スライドベース20の上記幅W1と略同一である。
【0062】
ピンチ本体81の上部には、スライドベース20の後端部31が挿入される開口86が設けられている。開口86の上下方向7の長さL1は、後端部31の上下方向7の長さ(高さ)H2よりも十分に長くされている。したがって、ピンチ部材80は、回動の際に後端部31に接触しない。
【0063】
ピンチ本体81における開口86の上側の部分は、ユーザが押し操作するハンドルである。
図1が示すように、当該ハンドルは、スライドベース20の上面25よりも上方に位置している。ユーザは、当該ハンドルを前方に押すことにより、ピンチ部材80を回動させる。
【0064】
ピンチ本体81の下部は、前後方向8において挟持片22と対向している。ピンチ本体81の前面87と、挟持片22の後面37との間の離間距離L2は、天板12の前後方向8の長さL3(
図6(A)参照)と同一或いはL3よりも僅かに長い。ピンチ部材80の下部は、挟持片22とともに天板12の側縁部を前後に挟む。
【0065】
図2が示すように、ピンチ本体81の前面87の下部には、複数の溝88が設けられている。溝88は、左右方向9に沿って延びている。複数の溝88は、上下方向7に並んでいる。複数の溝88は、前面87と机11の天板12(
図6参照)の側縁部との間の摩擦力を増加させる。複数の溝88は、肘掛け10が机11から脱落することや位置ずれすることを防止する。
【0066】
突出片82は、前面87の左端部から前向きに突出している。突出片82は、開口86の左に位置している。突出片83は、前面87の右端部から前向きに突出している。突出片83は、開口86の右に位置している。突出片82と突出片83とは、左右方向9において対向している。
【0067】
回動軸84は、左の突出片82から内向き(右向き)に突出している。回動軸85は、右の突出片83から内向き(左向き)に突出している。回動軸84と回動軸85とは、左右対称であり、左右方向9において対向している。
【0068】
回動軸84、85は、円柱状の軸部89と、軸部89の周面から上向きに突出する支持リブ90とをそれぞれ有する。軸部89は、スライドベース20の軸受け孔32の円形部35に挿入される。支持リブ90は、軸受け孔32の扇部36に挿入される。ピンチ部材80は、回動軸84、85により回動可能にスライドベース20の後端部31に支持されている。
【0069】
図3に示されたねじりコイルバネ93が、回動軸84、85にそれぞれ取り付けられている。具体的には、回動軸84、85の軸部89がねじりコイルバネ93に挿入されている。ねじりコイルバネ93の一端部94は、スライドベース20の支持リブ96に当接され、他端部95は、スライドベース20の支持リブ90に当接されている。左右一対のねじりコイルバネ93は、ピンチ部材80の下部が前方に向かう向きにピンチ部材80を付勢している。なお、
図3では、左側のねじりコイルバネ93の図示が省略されている。
【0070】
[肘掛け10の動作]
【0071】
ユーザは、スライドベース20の挟持片22を机11の天板12(
図6参照)の前側の側縁部に当接させた後、ピンチ部材80の上端部(ハンドル)を手前に押してピンチ部材80を回動させつつスライドベース20を天板12の上に載置する。その後、ユーザは、ピンチ部材80から手を離す。ピンチ部材80は、ねじりコイルバネ93の付勢力により回動し、天板12の後ろの側縁部に後方から当接する。ピンチ部材80及び挟持片22により、机11の天板12の側縁部が前後に挟まれる。その結果、スライドベース20が天板12に固定される(
図6(A)参照)。
【0072】
ユーザは、スライダー60の指掛け凹部69に指を掛けて、スライドベース20からスライダー60を引き出す(
図6(B)参照)。ユーザは、スライドベース20の上面25にマウスパッド14を置き、スライダー60の上面63に肘を載せ、且つスライドベース20の上面25に手首を載せて、マウスパッド14上のマウス15を操作する。
【0073】
ユーザは、パーソナルコンピュータ13の使用後、スライダー60をスライドベース20に押し込んで、スライダー60をスライドベース20に収容させる。
【0074】
ユーザは、ピンチ部材80の上端部(ハンドル)を手前に押してピンチ部材80を回動させて肘掛け10の固定を解除し(挟持解除)、机11から取り外す。
【0075】
[第1実施形態の作用効果]
【0076】
ユーザは、ピンチ部材80を回動させることによって肘掛け10を天板12の所望する位置に着脱することができる。したがって、肘掛け10は、アタッチメントとして既存の机に着脱可能であり、しかも構造がシンプルで安価である。
【0077】
スライダー60は、スライドベース20に収容された収容位置(
図6(A)参照)、及びスライドベース20から引き出された引出位置(
図6(B)参照)の間でスライド可能であるから、使用しない場合にはスライドベース20内に収容することができる。
【0078】
スライダー60は、スライドベース20に収容された収容位置(
図6(A)参照)、及びスライドベース20から引き出された引出位置(
図6(B)参照)の間でスライド可能であるから、スライダー60の上面63及びスライドベース20の上面25の両方を、ユーザの肘及びマウスパッド14を載せる面として使用することができる。
【0079】
スライドベース20は、スライダー60の上面63と自己の上面25との間の段差を解消する傾斜面29を備える。傾斜面29によって段差が解消されるから、肘掛け10の使い勝手が良くなる。
【0080】
ユーザが押し操作するピンチ部材80の上端部(ハンドル)は、スライドベース20の上面25よりも上方に位置する。したがって、ユーザは、ピンチ部材80の下部を押し操作する場合よりも、ピンチ部材80の回動を容易に行うことができる。
【0081】
[第1実施形態の変形例]
【0082】
本変形例では、机11の前後方向8の長さに応じて長さを調整可能な肘掛け100(
図7参照)が説明される。なお、第1実施形態と同一の構成には第1実施形態と同一の符号が付されて説明が省略される。
【0083】
図7は、本変形例に係る肘掛け100の斜視図である。詳細には、
図7(A)は、長さの調整前の肘掛け100の斜視図である。
図7(B)は、長さの調整後の肘掛け100の斜視図である。
【0084】
[肘掛け100]
【0085】
図7が示すように、肘掛け100は、ピンチ部材80(
図1参照)に代えて、調整部材110及び固定ネジ119を備える。また、肘掛け100は、スライドベース20に代えてスライドベース120を備える。つまり、肘掛け100は、スライドベース120、スライダー60、調整部材110、及び固定ネジ119を備える。スライドベース120及び調整部材110は、合成樹脂製であってもよいし、一部或いは全部が金属製であってもよい。
【0086】
[調整部材110]
【0087】
調整部材110は、板状の本体111及び挟持片112を有する。調整部材110は、特許請求の範囲に記載された「第2本体」に相当する。
【0088】
本体111の上面113には、複数のガイド溝114が設けられている。ガイド溝114は、前後方向8に沿って延びている。複数のガイド溝114は、左右方向9において並んでいる。
図7に示される例では、2つのガイド溝114が本体111に設けられている。ガイド溝114には、スライドベース120に設けられた不図示のスライド突起が嵌っている。当該スライド突起とガイド溝114との嵌合は、スライド突起48及びガイド溝67、68(
図5参照)の嵌合と同じであるので、詳しい説明は省略される。
【0089】
本体111は、当該スライド突起及びガイド溝114により、前後方向8に沿ってスライド可能に支持されている。調整部材110は、スライドベース120に収容された初期位置(
図7(A)参照)と、スライドベース120から後方に引き出された最大引出位置(
図7(B)参照)との間でユーザによってスライドされる。
【0090】
挟持片112は、本体111の後端から下向きに突出している。挟持片112は、前後方向8においてスライドベース120の挟持片22と対向している。挟持片112は、特許請求の範囲に記載された「第2挟持片」に相当する。
【0091】
挟持片112の前面115には、複数の溝116が設けられている。溝116は、左右方向9に沿って延びている。複数の溝116は、上下方向7において並んでいる。
【0092】
[スライドベース120]
【0093】
スライドベース120は、上記後端部31(
図2参照)に代えて、上記ガイド溝114に嵌るスライド突起(不図示)を備える。
【0094】
上記スライド突起は、スライドベース120の天面(不図示)から下向きに突出しており、且つ前後方向8に沿って延びている。スライドベース120のベース本体21及び挟持片22は、特許請求の範囲に記載された「第1本体」に相当する。
【0095】
スライドベース120は、ネジ孔121を備えている。ネジ孔121は、スライドベース120の上壁118の後端部に位置しており、上壁118を上下方向7において貫通している。ネジ孔121には、調整部材110を固定する固定ネジ119が螺合する。
【0096】
スライドベース120の他の構成は、スライドベース20の構成と同じである。
【0097】
[固定ネジ119]
【0098】
固定ネジ119は、スライドベース120のネジ孔121に取り付けられている。固定ネジ119は、スライドベース120の上壁118を貫通している。
【0099】
ユーザによって固定ネジ119が回転されることにより、固定ネジ119の先端が調整部材110の上面113に当接する。その結果、調整部材110がスライドベース120に対して固定される。
【0100】
調整部材110が初期位置(
図7(A)参照)にある場合における挟持片112と挟持片22との間の離間距離はL4(
図7(A)参照)であり、調整部材110が最大引出位置にある場合における挟持片112と挟持片22との間の離間距離はL5(
図7(B)参照)である。つまり、肘掛け100は、天板12の奥行長さL3(
図6(A)参照)がL4からL5までの机11に取り付け可能である。なお、L4<L5である。
【0101】
[肘掛け100の動作]
【0102】
ユーザは、調整部材110を最大引出位置までスライドベース120から引き出した後、スライドベース120を机11の天板12上に載置する。次いで、ユーザは、調整部材110の挟持片112が天板12の後ろの側縁部に当接するまで調整部材110を前方にスライドさせる。そして、ユーザは、固定ネジ119を回転させて調整部材110を固定する。ユーザは、マウスパッド14(
図6(B)参照)をスライドベース120の上面25上に置き、且つスライダー60をスライドベース20から引き出して肘を載せる。
【0103】
ユーザは、固定ネジ119を逆回転させて調整部材110の固定を解除し(挟持解除)、肘掛け100を机11から取り外す。
【0104】
[第1実施形態の変形例の作用効果]
【0105】
本変形例に係る肘掛け100は、天板12の奥行長さL3(
図6(B)参照)に応じてその長さを自由に調整することができる。したがって、肘掛け100は、奥行の長さが異なる種々の机11に使用することができる。
【0106】
[第1実施形態のその他の変形例]
【0107】
第1実施形態では、スライド突起48、49がスライドベース20の左右の側壁に設けられ、ガイド溝67、68がスライダー60の左右の側壁に設けられた例が説明された。もっとも、スライド突起48、49がスライドベース20の上壁或いは下壁に設けられ、ガイド溝67、68がスライダー60の上壁或いは下壁に設けられていてもよい。
【0108】
第1実施形態では、スライドベース20にスライド突起48、49が設けられ、スライダー60にガイド溝67、68が設けられた例が説明された。もっとも、スライド突起48、49がスライダー60に設けられ、ガイド溝67、68がスライドベース20に設けられていてもよい。
【0109】
第1実施形態では、スライド突起48、49及びガイド溝67、68によってスライダー60がスライドベース20にスライド可能に支持された例が説明された。もっとも、スライダー60は、前後方向8に沿ってスライド可能であれば、どのような方法及び構成によってスライドベース20に支持されていてもよい。
【0110】
スライダー60のスライドにおける摺動抵抗を低減するため、ローラ(いわゆる回転コロ)がスライダー60或いはスライドベース20に設けられていてもよい。
【0111】
[第2実施形態]
【0112】
第2実施形態では、机11の天板12(
図6参照)の後ろの側縁部を上下に挟むことで天板12に固定される肘掛け130(
図8参照)が説明される。なお、第1実施形態と同一の構成には第1実施形態と同一の符号が付されて説明が省略される。
【0113】
図8は、第2実施形態に係る肘掛け130の斜視図である。
図9は、第2実施形態に係る肘掛け130の縦断面図である。
【0114】
[肘掛け130]
【0115】
図8が示すように、肘掛け130は、スライドベース131及びスライダー60を備える。スライドベース131及びスライダー60は、合成樹脂製であってもよいし、一部或いは全部が金属製であってもよい。
【0116】
[スライドベース131]
スライドベース131は、上記後端部31(
図2参照)及び挟持片22(
図2参照)に代えて、挟持機構140を備える。
【0117】
挟持機構140は、当接片141、支持片142、及び固定ネジ143を備える。
【0118】
当接片141は、板状であり、スライドベース131の後端から下向きに突出している。
【0119】
支持片142は、当接片141の下端から前向きに突出しており、上下方向7においてスライドベース131の下面26と対向している。
【0120】
支持片142は、固定ネジ143が螺合するネジ孔145を備える。例えば、左右一対の2個のネジ孔145が支持片142に設けられている。
【0121】
固定ネジ143は、ネジ孔145に取り付けられている。
図9が示すように、ユーザによって固定ネジ143が回転されると、固定ネジ143の先端が机11の天板12の下面に当接する。固定ネジ143及びスライドベース131の下面26により、天板12の後ろの側縁部が上下に挟み込まれる。つまり、肘掛け130は、後端部において机11の天板12に固定される。固定ネジ143及びスライドベース131の下面26は、特許請求の範囲に記載された「挟持部」に相当する。
【0122】
[第2実施形態の動作]
【0123】
ユーザは、スライドベース131の後端部が机11の天板12の後面より後ろに位置するように肘掛け130を天板12の上に載置した後、肘掛け130を前方に移動させ、当接片141に天板12の後面を当接させる。つまり、ユーザは、天板12の後ろの側縁部をスライドベース131の下面26と支持片142との間に挿入させる。
【0124】
次いで、ユーザは、固定ネジ143を回転させ、固定ネジ143の先端を天板12の下面に当接させ、固定ネジ143とスライドベース131の下面26とで天板12の後ろの側縁部を上下に挟み込ませる。つまり、ユーザは、固定ネジ143を用いて肘掛け130を天板12に固定する。ユーザは、マウスパッド14(
図6(B)参照)をスライドベース131の上面25上に置き、且つスライダー60をスライドベース131から引き出して肘を載せる。
【0125】
ユーザは、固定ネジ142を逆回転させることにより固定を解除し、肘掛け130を机11から取り外す。
【0126】
[第2実施形態の作用効果]
【0127】
ユーザが肘を肘掛け130のスライダー60に載せた場合、天板12の前端を支点にして、スライドベース131の後端に上向きの力が作用する。当該力は、固定ネジ143及び支持片142によって受けられる。つまり、ユーザがスライダー60に肘を載せても、肘掛け130は、机11から外れない。本実施形態に係る肘掛け130は、後端部のみで天板12に固定されるから、前端部及び後端部の両方で天板12に固定する場合(肘掛け10、100)よりも、天板12への着脱が容易である。
【0128】
また、本実施形態に係る肘掛け130は、後端部のみで天板12に固定されるから、天板12の前後方向8の長さ(奥行長さ)に拘らず、天板12に固定することができる。つまり、本実施形態の肘掛け130では、前後方向8における長さを調整する機構が不要である。その結果、本実施形態の肘掛け130は、長さ調整機構を有する場合(肘掛け100)よりも構成が簡単になる。
【0129】
[第2実施形態の変形例]
【0130】
第2実施形態では、スライドベース131の下面26及び固定ネジ143によって天板12を上下に挟む例が説明された。もっとも、天板12を上下に挟むことができれば、スライドベース131の下面26及び固定ネジ143以外の構成が採用されてもよい。
【0131】
[第3実施形態]
【0132】
第3実施形態では、スライダー170がスライドベース151上をスライドする肘掛け150(
図10参照)が説明される。なお、第1実施形態及び第2実施形態と同一の構成には第1実施形態及び第2実施形態と同一の符号が付されて説明が省略される。
【0133】
図10(A)は、第3実施形態に係る肘掛け150の斜視図である。
図10(B)は、第3実施形態に係る肘掛け150の分解斜視図である。
図11(A)は、肘掛け150の横断面図である。
図11(B)は、
図11(A)におけるB-B断面図であって、肘掛け150の水平断面図である。
図12は、第3実施形態に係る肘掛け150の使用を説明する説明図である。詳細には、
図12(A)は、スライダー170がスライドベース151を覆う初期位置にある状態における肘掛け150及び机11の斜視図である。
図12(B)は、スライダー170が初期位置から手前にスライドされた状態における肘掛け150及び机11の斜視図である。
【0134】
[肘掛け150]
【0135】
図10が示すように、肘掛け150は、スライドベース151及びスライダー170を備える。スライドベース151及びスライダー170は、合成樹脂製であってもよいし、一部或いは全部が金属製であってもよい。
【0136】
[スライドベース151]
【0137】
スライドベース151は、ベース本体152、スライド突起161、162、及び挟持機構140を備える。
【0138】
ベース本体152は、前後方向8に長い矩形枠状であり、左桟153、右桟154、前桟155、後桟156、及び複数の連結桟157を有している。
【0139】
ベース本体152は、位置決め孔群158、159を備える。位置決め孔群158は、左桟153に設けられている。位置決め孔群159は、右桟154に設けられている。位置決め孔群158及び位置決め孔群159は、複数の位置決め孔160をそれぞれ有している。複数の位置決め孔160は、前後方向8に沿って並んでいる。位置決め孔160は、左右方向9において左桟153及び右桟154をそれぞれ貫通している。
【0140】
スライド突起161は、左桟153の上端から外向き(左向き)に突出しており、且つ前後方向8に沿って延びている。スライド突起162は、右桟154の上端から外向き(右向き)に突出しており、且つ前後方向8に沿って延びている。
【0141】
挟持機構140は、第2実施形態で説明された挟持機構140(
図8参照)と同一の構成であり、当接片141、支持片142、及び固定ネジ143を備える。当接片141は、ベース本体152の後桟156から下向きに突出している。固定ネジ143及び一番後ろの連結桟157により、机11の天板12(
図12参照)の後ろの側縁部が上下に挟み込まれる。固定ネジ143及び連結桟157は、特許請求の範囲に記載された「挟持部」に相当する。
【0142】
[スライダー170]
【0143】
図10及び
図11が示すように、スライダー170は、下面及び後面が開口する矩形箱状であって、上壁171、左壁172、右壁173、前壁174、左底壁175、及び右底壁176を備える。また、スライダー170は、前後方向8に長い扁平形状である。
【0144】
図11(A)が示すように、スライダー170は、上壁171の下面から下向きに突出する左右一対の押さえ突起177、178を有する。押さえ突起177、178は、前後方向8に沿ってそれぞれ延びている。左の押さえ突起177の先端(下端)は、スライドベース151のスライド突起161に当接或いは近接する。右の押さえ突起178の先端(下端)は、スライドベース151のスライド突起162に当接或いは近接する。
【0145】
スライダー170は、左右一対の支持突起179、180を備える。支持突起179は、左底壁175から上向きに突出し、且つ前後方向8に沿って延びている。支持突起180は、右底壁176から上向きに突出し、且つ前後方向8に沿って延びている。
【0146】
支持突起179の先端(上端)は、スライドベース151のスライド突起161に当接する。つまり、支持突起179は、押さえ突起177とともにスライド突起161を上下に挟み込む。つまり、支持突起179は、押さえ突起177とともに、スライド突起161が嵌るガイド溝を形成している。
【0147】
支持突起180の先端(上端)は、スライドベース151のスライド突起162に当接する。つまり、支持突起180は、押さえ突起178とともにスライド突起162を上下に挟み込む。つまり、支持突起180は、押さえ突起178とともに、スライド突起162が嵌るガイド溝を形成している。
【0148】
スライドベース151は、スライド突起161、162により、スライダー170を前後方向8に沿ってスライド可能に支持している。
【0149】
スライダー170は、板バネ181を備えている。
図11(B)が示すように、板バネ181は、中央の湾曲部182と、板状の端部183、184とを有している。板バネ181は、支持突起179の右側面及び支持突起180の左側面にそれぞれ固定されている。具体的には、板バネ181の一方の端部183(或いは端部184)のみが当該右側面或いは当該左側面に固着されている。板バネ181は、一方の端部183のみが固定されているから、湾曲部182が押された場合、当該湾曲部182が押し潰されて変形し、位置決め孔160から外れる。つまり、スライダー170の位置決めが解除される。
【0150】
[肘掛け150の動作]
【0151】
ユーザは、スライドベース151の後端部が机11の天板12(
図12(A)参照)の後面より後ろに位置するように肘掛け150を天板12の上に載置した後、肘掛け130を前方に滑らせ、当接片141に天板12の後面を当接させる。これにより、ベース本体152と支持片142との間に天板12の後ろの側縁部が挿入される。
【0152】
次いで、ユーザは、固定ネジ143を回転させ、固定ネジ143の先端を天板12の下面に当接させ、固定ネジ143とベース本体152とで天板12の後ろの側縁部を上下に挟み込ませる。つまり、ユーザは、肘掛け130を天板12に固定する(
図12(A)参照)。
【0153】
ユーザは、スライダー170を手で掴んで前方に引き寄せる。そうすると、板バネ181の湾曲部182がスライドベース151における2つの位置決め孔160の間の部分に押されて潰れ(変形し)、スライダー170の位置決めが解除される。位置決めが解除されたスライダー170は、ユーザが所望の位置まで前方にスライドされる。ユーザがスライダー170から手を離すと、板バネ181の湾曲部182が位置決め孔160に嵌り、スライダー170が固定される。
【0154】
ユーザは、スライダー170の上壁171にマウスパッド14を載置し、当該上壁171に肘を載せてマウス15の操作を行う。スライダー170の上壁171は、特許請求の範囲に記載された「肘載せ部」及び「パッド載置部」に相当する。
【0155】
[第3実施形態の作用効果]
【0156】
スライダー170は、スライドベース151に収容されず、スライドベース151を覆うから、スライダーがスライドベースに収容される場合(第1実施形態、第2実施形態)に比べ、肘掛け150の高さを低くすることができる。つまり、本実施形態の肘掛け150は、肘掛け10、100、130に比べコンパクトにすることができる。また、スライダー170を収容するためにスライドベース151を中空にする必要がないから、スライドベース151の強度を、中空にする場合(第1実施形態、第2実施形態のスライドベース20、120、131)よりも高めることができる。
【0157】
[第3実施形態の変形例]
【0158】
本変形例では、マウスパッド14を載せる部分が肘を載せる部分よりも広くされた肘掛け190(
図13参照)が説明される。なお、第3実施形態と同一の構成には、第3実施形態と同一の符号が付されて説明が省略される。
【0159】
図13は、本変形例に係る肘掛け190の斜視図である。
【0160】
肘掛け190は、スライドベース151及びスライダー191を備える。スライダー191は、合成樹脂製であってもよいし、一部或いは全部が金属製であってもよい。
【0161】
[スライダー191]
【0162】
スライダー191は、幅狭部192及び幅広部193を備える。幅広部193の左右方向9の長さ(幅)W5は、幅狭部192の左右方向9の長さ(幅)W4よりも長い。幅広部193は、マウスパッド14が載置される。幅狭部192は、肘が載せられる。幅狭部192は、特許請求の範囲に記載された「肘載せ部」に相当する。幅広部193は、特許請求の範囲に記載された「パッド載置部」に相当する。
【0163】
スライダー191の他の構成は、スライダー170の構成と同じである。
【0164】
[第3実施形態の変形例の作用効果]
【0165】
本変形例では、スライダー191において、マウスパッド14が載せられる部分(幅広部193)だけ、他の部分(幅狭部192)よりも幅広とされている。したがって、スライダー191の全体に亘ってマウスパッド14のサイズと同程度のサイズにする場合(第3実施形態の肘掛け150)よりも、肘掛け190をコンパクトにすることができる。
【0166】
[第3実施形態のその他の変形例]
【0167】
第3実施形態では、板バネ181が用いられた例が説明された。もっとも、板バネ181に代えて、他の形状のバネ材やゴムなどの他の弾性部材が用いられてもよい。
【0168】
第3実施形態では、スライダー170を前後に押すことで板バネ181の湾曲部182に負荷を加えて湾曲部182を変形させてスライダー170の位置決めを解除する例が説明された。もっとも、湾曲部182を押し潰して変形させるつまみがスライダー170に設けられていてもよい。ユーザは、当該つまみを押し操作してスライダー170の位置決めを解除し、当該つまみを押し操作しながらスライダー170を前後にスライドさせる。ユーザが当該つまみから手を離すと、板バネ181の湾曲部182が元の形状に復帰して位置決め孔160に嵌り、スライダー170がスライドベース151に対して固定される。
【0169】
第3実施形態では、板バネ181によってスライダー170がスライドベース151に固定される例が説明された。もっとも、固定ネジなどの他の固定方法によってスライダー170がスライドベース151に固定されてもよい。
【0170】
第3実施形態では、机11の天板12への取付機構として挟持機構140が用いられた例が説明された。もっとも、挟持機構140に代えて、第1実施形態で説明されたピンチ部材80、或いは第1実施形態の変形例で説明された調整部材110が用いられてもよい。
【0171】
[第4実施形態]
【0172】
第4実施形態では、回動によって伸長される肘掛け200が(
図14参照)が説明される。なお、第1実施形態、第2実施形態、及び第3実施形態と同一の構成には第1実施形態、第2実施形態、及び第3実施形態と同一の符号が付されて説明が省略される。
【0173】
図14(A)は、第4実施形態に係る肘掛け200の斜視図であって、スライダー201の回動体210がスライダ本体202の上にある状態を示す。
図14(B)は、第4実施形態に係る肘掛け200の斜視図であって、回動体210が使用位置に回動された状態を示す。
【0174】
[肘掛け200]
【0175】
肘掛け200は、スライドベース151及びスライダー201を備える。スライダー201は、合成樹脂製であってもよいし、一部或いは全部が金属製であってもよい。
【0176】
[スライダー201]
【0177】
スライダー201は、スライダ本体202及び回動体210を備える。
【0178】
スライダ本体202は、スライダー170と同一の構成を有しており、前後方向8に沿ってスライド可能にスライドベース151に支持されている。
【0179】
スライダ本体202は、回動体210を回動可能に支持するための凹部203及び左右一対の軸受け孔204をさらに備えている。
【0180】
凹部203は、スライド本体212の上面205の前端部及び前面206に設けられている。
【0181】
一方(左側)の軸受け孔204は、凹部203を区画する左側面に設けられている。他方(右側)の軸受け孔204は、凹部203を区画する右側面208に設けられている。
【0182】
[回動体210]
【0183】
回動体210は、直方体状である。回動体210の前後方向8の長さ(奥行長さ)L6は、スライダ本体202の前後方向8の長さ(奥行長さ)L7と略同一、或いはL7よりも短い。
【0184】
回動体210は、左右一対の回動軸211を備えている。左側の回動軸211は、回動体210の左側面213から外向き(左向き)に突出している。右側の回動軸211は、回動体210の右側面214から外向き(右向き)に突出している。回動軸211は、スライダ本体202の軸受け孔204に挿入されている。回動体210は、回動軸211により、スライダ本体202に回動可能に支持されている。
【0185】
回動体210は、スライダ本体202の上に位置する初期位置(
図14(A)参照)と、スライダ本体202の前方に位置する使用位置(
図14(B)参照)との間で回動される。
【0186】
スライダ本体202は、初期位置において下面となり使用位置において上面となる支持面215を備える。初期位置において支持面215は、スライダ本体202の上面205と当接している。使用位置において支持面215は、当該上面205と概ね面一である。
【0187】
[肘掛け200の動作]
【0188】
ユーザは、肘掛け200を机11の天板12に取り付けた後、回動体210を初期位置から使用位置に回動させる。次いで、ユーザは、所望の位置までスライダー201を前後にスライドさせて位置調整を行う。ユーザは、スライダ本体202にマウスパッド14(
図6(B)参照)を載せ、回動体210に肘を載せてマウス15(
図6(B)参照)を操作する。
【0189】
[第4実施形態の作用効果]
【0190】
回動体210が初期位置から使用位置に回動されることにより、スライダー201の前後方向8の長さが2倍になる。したがって、ユーザが肘を載せてマウス15を操作するのに必要な長さを確保することができ、且つ使用しない場合はコンパクトに折り畳むことができる。
【0191】
[第4実施形態の変形例]
【0192】
第4実施形態では、机11の天板12への取付機構として挟持機構140(
図10参照)を有するスライドベース151が用いられた例が説明された。もっとも、挟持機構140に代えて、第1実施形態で説明されたピンチ部材80、或いは第1実施形態の変形例で説明された調整部材110が用いられてもよい。
【0193】
第4実施形態では、回動軸211によって回動体210が回動可能にスライダ本体202に支持された例が説明された。もっとも、回動軸211に代えて蝶番が用いられてもよい。蝶番の一端は回動体210に固定され、他端はスライダ本体202に固定される。
【符号の説明】
【0194】
8・・・前後方向(所定方向)
10、100、130、150、190、200・・・肘掛け
11・・・机
12・・・天板
13・・・パーソナルコンピュータ
14・・・マウスパッド
15・・・マウス
20、120、151・・・スライドベース
21・・・ベース本体(第1本体)
22・・・挟持片(挟持部)
26・・・下面(挟持部)
80・・・ピンチ部材(挟持部)
60、170、201・・・スライダー
110・・・調整部材(第2本体)
112・・・挟持片(挟持部)
140・・・挟持機構
143・・・固定ネジ(挟持部)
157・・・連結桟(挟持部)
171・・・上壁(肘載せ部、パッド載置部)
192・・・幅狭部(肘載せ部)
193・・・幅広部(パッド載置部)
【要約】
【課題】既存の机に簡単に着脱することができ、パソコン作業において肘を載置できる簡易且つ安価なアタッチメントとしての肘掛けを提供する。
【解決手段】肘掛け10は、スライドベース20、スライダー60、及びピンチ部材80を備える。スライドベース20は、スライダー60をスライド可能に支持する。スライダー60は、スライドベース20に収容された収容位置と、スライドベース20から引き出された引出位置との間でスライドする。ピンチ部材80は、スライドベース20に回動可能に支持されており、かつねじりコイルバネによって付勢されている。スライドベース20は、ピンチ部材80とともに机11の天板12を前後に挟む挟持片22を有する。肘掛け10は、ピンチ部材80及び挟持片22により、机11の天板12に着脱自在に取り付けられる。
【選択図】
図6