(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】情報提供システム、情報提供方法、および情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240815BHJP
G06T 13/20 20110101ALI20240815BHJP
G06T 13/40 20110101ALI20240815BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20240815BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20240815BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06T13/20 500
G06T13/40
G06T19/00 300A
G06F3/0481
(21)【出願番号】P 2024052544
(22)【出願日】2024-03-27
【審査請求日】2024-05-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507009009
【氏名又は名称】株式会社博報堂DYホールディングス
(73)【特許権者】
【識別番号】520242447
【氏名又は名称】株式会社MESON
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】目黒 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】平沼 英翔
(72)【発明者】
【氏名】小林 佑樹
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-121496(JP,A)
【文献】特開2022-138645(JP,A)
【文献】特開2023-181713(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06T 13/20
G06T 13/40
G06T 19/00
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの行動履歴に基づいて当該ユーザごとの実地域への愛着度を算出する愛着度算出部と、
前記ユーザの行動履歴に基づいて、前記ユーザに対応した仮想キャラクターを生成する仮想キャラクター生成部と、
前記実地域への愛着度に基づいて、前記仮想キャラクターが仮想空間において活動可能な地域として仮想地域を設定する地域設定部と、
前記ユーザごとに前記愛着度、前記仮想キャラクター、および前記活動可能な前記仮想地域を記憶する記憶部と、
前記ユーザの操作によって前記仮想キャラクターを前記仮想空間において操作可能とする操作受付部と、
前記設定された前記活動可能な地域において、前記仮想キャラクターが前記ユーザに操作されることによって、前記実地域に関する情報を前記ユーザに提供する情報提供部と、
前記仮想空間、前記仮想キャラクター、および前記ユーザが操作する前記仮想キャラクターの操作情報を表示情報として生成する表示情報生成部と、
前記生成された表示情報をユーザが保有する端末装置に送信する送信部と、
を含むことを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記行動履歴は、前記ユーザが前記実地域に訪問した訪問履歴情報および前記ユーザが前記実地域で関わった他のユーザとの接触履歴情報の少なくとも一方を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記愛着度算出部は、前記ユーザが前記実地域に訪問した回数、前記実地域に滞在した期間、前記実地域での行動範囲、および前記実地域で訪問した施設の数のいずれか1つに基づいて前記ユーザごとの前記実地域への愛着度を算出する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記愛着度算出部は、前記ユーザが前記実地域で実際に会った人数、実際に会った人数のうち会話をした人数、および当該会話の期間のいずれか1つに基づいて前記ユーザごとの前記実地域への愛着度を算出する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記記憶部は、前記実地域に対応する前記仮想空間の情報を更に記憶しており、
前記地域設定部は、前記ユーザの前記愛着度が高い前記実地域に対応する前記仮想空間を前記活動可能な地域を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記仮想キャラクター生成部は、前記ユーザが前記実地域で訪問した場所、訪問した施設、購入した商品、利用したサービス、および摂取した飲食物のいずれか1つに基づいて前記ユーザに対応した仮想キャラクターを生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記仮想キャラクター生成部は、前記ユーザの健康状態、および精神状態のいずれか1つに基づいて前記ユーザに対応した仮想キャラクターを生成する
ことを特徴とする請求項1または6に記載の情報提供システム。
【請求項8】
前記情報提供部は、前記ユーザに対応した前記仮想キャラクターが前記仮想空間に存在する他のユーザが操作する他の仮想キャラクターに接触することで前記実地域に関する情報を前記ユーザに提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項9】
前記操作受付部は、前記ユーザの操作によって前記仮想キャラクターが前記他の仮想キャラクターに話しかけることを可能とし、
前記情報提供部は、前記他の仮想キャラクターを操作する他のユーザからの会話情報を前記実地域に関する情報として前記ユーザに提供する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報提供システム。
【請求項10】
前記仮想キャラクター生成部は、前記ユーザの仮想キャラクターの発話内容または前記他のユーザの仮想キャラクターからの発話に応じて更に前記ユーザの仮想キャラクターの表情を補正する
ことを特徴とする請求項9に記載の情報提供システム。
【請求項11】
前記記憶部は、前記ユーザごとに前記他のユーザに公開を可能とする前記ユーザの情報を更に記憶している
ことを特徴とする請求項8~10のいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項12】
前記記憶部は、複数のユーザが投稿した前記実地域に関する情報を記憶しており、
前記情報提供部は、前記ユーザが前記仮想キャラクターを前記仮想空間において特定の場所または施設に移動したことに応じて前記記憶部に記憶された前記実地域に関する情報を前記ユーザに提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項13】
ユーザの行動履歴に基づいて当該ユーザごとの実地域への愛着度を算出するステップと、
前記ユーザの行動履歴に基づいて、前記ユーザに対応した仮想キャラクターを生成するステップと、
前記実地域への愛着度に基づいて、前記仮想キャラクターが仮想空間において活動可能な地域として仮想地域を設定するステップと、
前記ユーザごとに前記愛着度、前記仮想キャラクター、および前記活動可能な前記仮想地域を記憶するステップと、
前記ユーザの操作によって前記仮想キャラクターを前記仮想空間において操作可能とするステップと、
前記設定された前記活動可能な地域において、前記仮想キャラクターが前記ユーザに操作されることによって、前記実地域に関する情報を前記ユーザに提供するステップと、
前記仮想空間、前記仮想キャラクター、および前記ユーザが操作する前記仮想キャラクターの操作情報を表示情報として生成するステップと、
前記生成された表示情報をユーザが保有する端末装置に送信するステップと、
を含むことを特徴とする情報提供方法。
【請求項14】
コンピュータに、
ユーザの行動履歴に基づいて当該ユーザごとの実地域への愛着度を算出する機能と、
前記ユーザの行動履歴に基づいて、前記ユーザに対応した仮想キャラクターを生成する機能と、
前記実地域への愛着度に基づいて、前記仮想キャラクターが仮想空間において活動可能な地域として仮想地域を設定する機能と、
前記ユーザごとに前記愛着度、前記仮想キャラクター、および前記活動可能な前記仮想地域を記憶する機能と、
前記ユーザの操作によって前記仮想キャラクターを前記仮想空間において操作可能とする機能と、
前記設定された前記活動可能な地域において、前記仮想キャラクターが前記ユーザに操作されることによって、前記実地域に関する情報を前記ユーザに提供する機能と、
前記仮想空間、前記仮想キャラクター、および前記ユーザが操作する前記仮想キャラクターの操作情報を表示情報として生成する機能と、
前記生成された表示情報をユーザが保有する端末装置に送信する機能と、
を実現させることを特徴とする情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システム、情報提供方法、および情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
仮想空間においてユーザが操作するアバターなどのキャラクターが動作可能とされるVR(ヴァーチャルリアリティ)技術が知られている。このような仮想空間において、ユーザは、自動生成された仮想キャラクターと会話したり、仮想施設に訪れたりすることができる。または、同一の仮想空間において、他のユーザのアバターを介して他のユーザと会話が可能とされることもある。例えば、メタバース空間において、仮想施設にて商品やサービスを購入可能な場合もある。
【0003】
また、現実空間に付加的なデジタル情報を追加するAR(オーグメンテッドリアリティ)技術も知られている。現実空間にアバターなどのキャラクターを生成可能であり、ユーザは、これらの自動生成されたアバターなどのキャラクターと会話することができる。
【0004】
例えば、特許文献1には、現実世界に対応した仮想空間情報を保持する記憶部と、ユーザの指示に基づいて、仮想空間情報に基づいて、仮想空間内をユーザが移動した場合に、仮想空間のうちユーザによって指定された空間を表示可能な表示部と、を有する仮想空間提示システムが開示されている。この仮想空間提示システムにおいて記憶部は、現実世界においてユーザの立入が制限されない領域と、現実世界においてユーザの立入が制限される領域と、を記憶している。そして、表示部は、ユーザが現実世界において立入が許可されている場合に、その領域を仮想空間においてもユーザの移動可能な仮想空間として表示可能とする。
【0005】
近年、同一地域や近隣の住民との会話や関係性が減少している。世代によっては、他者との会話などに恐怖を感じることもある。一方、同一地域や近隣の住民との会話が活発だったり、地域の場所を多く知ることによって、感情が豊かになったり、犯罪が少なくなったりするという研究結果も知られている。すなわち、人柄や治安などの人の要素、その土地の名産物、ランドマーク、歴史的価値、医療福祉施設、景観、イベントなどの場所要素からなるその地域への愛着度が高い方が社会や人類として好ましいと言える。
【0006】
しかしながら、特許文献1などの一般的なVRやARの技術では、同一地域や近隣住民との会話を促進することはできない。更には、ユーザの地域への愛着度も向上することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、発明者らは、同一地域や近隣での活動や会話を促進することで地域への愛着度を向上できる情報提供システム、情報提供方法、および情報提供プログラムを考案するに至った。すなわち、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、同一地域や近隣での活動や会話を促進することを可能とする情報提供システム、情報提供方法、および情報提供プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明の第1態様は、ユーザの行動履歴に基づいて当該ユーザごとの実地域への愛着度を算出する愛着度算出部と、上記ユーザの行動履歴に基づいて、上記ユーザに対応した仮想キャラクターを生成する仮想キャラクター生成部と、上記実地域への愛着度に基づいて、上記仮想キャラクターが仮想空間において活動可能な地域として仮想地域を設定する地域設定部と、上記ユーザごとに上記愛着度、上記仮想キャラクター、および上記活動可能な上記仮想地域を記憶する記憶部と、上記ユーザの操作によって上記仮想キャラクターを上記仮想空間において操作可能とする操作受付部と、上記設定された上記活動可能な地域において、上記仮想キャラクターが上記ユーザに操作されることによって、上記実地域に関する情報をユーザに提供する情報提供部と、上記仮想空間、上記仮想キャラクター、および上記ユーザが操作する上記仮想キャラクターの操作情報を表示情報として生成する表示情報生成部と、上記生成された表示情報をユーザが保有する端末装置に送信する送信部と、を含むことを特徴とする情報提供システムに関する。
【0010】
(2)上記(1)において、上記行動履歴は、上記ユーザが上記実地域に訪問した訪問履歴情報および上記ユーザが上記実地域で関わった他のユーザとの接触履歴情報の少なくとも一方を含んでもよい。
【0011】
(3)上記(2)において、上記愛着度算出部は、上記ユーザが上記実地域に訪問した回数、上記実地域に滞在した期間、上記実地域での行動範囲、および上記実地域で訪問した施設の数のいずれか1つに基づいて上記ユーザごとの上記実地域への愛着度を算出してもよい。
【0012】
(4)上記(2)または(3)において、上記愛着度算出部は、上記ユーザが上記実地域で実際に会った人数、実際に会った人数のうち会話をした人数、および当該会話の期間のいずれか1つに基づいて上記ユーザごとの上記実地域への愛着度を算出してもよい。
【0013】
(5)上記(1)において、上記記憶部は、上記実地域に対応する上記仮想空間の情報を更に記憶してもよく、上記地域設定部は、上記ユーザの上記愛着度が高い上記実地域に対応する上記仮想空間を上記活動可能な地域を設定してもよい。
【0014】
(6)上記(1)において、上記仮想キャラクター生成部は、上記ユーザが上記実地域で訪問した場所、訪問した施設、購入した商品、利用したサービス、および摂取した飲食物のいずれか1つに基づいて上記ユーザに対応した仮想キャラクターを生成してもよい。
【0015】
(7)上記(1)または(6)において、上記仮想キャラクター生成部は、上記ユーザの健康状態、および精神状態のいずれか1つに基づいて上記ユーザに対応した仮想キャラクターを生成してもよい。
【0016】
(8)上記(1)において、上記情報提供部は、上記ユーザに対応した上記仮想キャラクターが上記仮想空間に存在する他のユーザが操作する他の仮想キャラクターに接触することで上記実地域に関する情報を上記ユーザに提供してもよい。
【0017】
(9)上記(8)において、上記操作受付部は、上記ユーザの操作によって上記仮想キャラクターが上記他の仮想キャラクターに話しかけることを可能としてもよく、上記情報提供部は、上記他の仮想キャラクターを操作する他のユーザからの会話情報を上記実地域に関する情報として上記ユーザに提供してもよい。
【0018】
(10)上記(9)において、上記仮想キャラクター生成部は、上記ユーザの仮想キャラクターの発話内容または上記他のユーザの仮想キャラクターからの発話に応じて更に上記ユーザの仮想キャラクターの表情を補正してもよい。
【0019】
(11)上記(8)~(10)において、上記記憶部は、上記ユーザごとに上記他のユーザに公開を可能とする上記ユーザの情報を更に記憶してもよい。
【0020】
(12)上記(1)において、上記記憶部は、複数のユーザが投稿した上記実地域に関する情報を記憶してもよく、上記情報提供部は、上記ユーザが上記仮想キャラクターを上記仮想空間において特定の場所または施設に移動したことに応じて上記記憶部に記憶された上記実地域に関する情報を上記ユーザに提供してもよい。
【0021】
(13)本発明の第2態様は、ユーザの行動履歴に基づいて当該ユーザごとの実地域への愛着度を算出するステップと、上記ユーザの行動履歴に基づいて、上記ユーザに対応した仮想キャラクターを生成するステップと、上記実地域への愛着度に基づいて、上記仮想キャラクターが仮想空間において活動可能な地域として仮想地域を設定するステップと、上記ユーザごとに上記愛着度、上記仮想キャラクター、および上記活動可能な上記仮想地域を記憶するステップと、上記ユーザの操作によって上記仮想キャラクターを上記仮想空間において操作可能とするステップと、上記設定された上記活動可能な地域において、上記仮想キャラクターが上記ユーザに操作されることによって、上記実地域に関する情報を上記ユーザに提供するステップと、上記仮想空間、上記仮想キャラクター、および上記ユーザが操作する上記仮想キャラクターの操作情報を表示情報として生成するステップと、上記生成された表示情報をユーザが保有する端末装置に送信するステップと、を含むことを特徴とする情報提供方法に関する。
【0022】
(14)本発明の第3態様は、コンピュータに、ユーザの行動履歴に基づいて当該ユーザごとの実地域への愛着度を算出する機能と、上記ユーザの行動履歴に基づいて、上記ユーザに対応した仮想キャラクターを生成する機能と、上記実地域への愛着度に基づいて、上記仮想キャラクターが仮想空間において活動可能な地域として仮想地域を設定する機能と、上記ユーザごとに上記愛着度、上記仮想キャラクター、および上記活動可能な上記仮想地域を記憶する機能と、上記ユーザの操作によって上記仮想キャラクターを上記仮想空間において操作可能とする機能と、上記設定された上記活動可能な地域において、上記仮想キャラクターが上記ユーザに操作されることによって、上記実地域に関する情報を上記ユーザに提供する機能と、上記仮想空間、上記仮想キャラクター、および上記ユーザが操作する上記仮想キャラクターの操作情報を表示情報として生成する機能と、上記生成された表示情報をユーザが保有する端末装置に送信する機能と、を実現させることを特徴とする情報提供プログラムに関する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、同一地域や近隣での活動や会話を促進することを可能とする情報提供システム、情報提供方法、および情報提供プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】情報提供システムによる処理の一例を説明するための模式図である。
【
図2】情報提供システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図3】ユーザの端末装置の概略構成の一例を示す図である。
【
図5】ユーザデータベースの構造の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態にかかる情報提供システムによる仮想キャラクターの生成処理の一連の流れの動作シーケンスの一例を示す図である。
【
図7】本実施形態にかかる情報提供システムによる仮想キャラクターの補正処理の一連の流れの動作シーケンスの一例を示す図である。
【
図8】本実施形態にかかる情報提供システムによる実地域ごとの愛着度の算出処理の一連の流れの動作シーケンスの一例を示す図である。
【
図9】本実施形態にかかる情報提供システムによる実地域ごとの愛着度の算出処理の一連の流れの動作シーケンスの一例を示す図である。
【
図10】本実施形態にかかる情報提供システムによる実地域の情報提供処理の一連の流れの動作シーケンスの一例を示す図である。
【
図11】本実施形態にかかるユーザの端末装置に表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図12】本実施形態にかかるユーザの端末装置に表示される表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本開示の一側面に係る情報提供システム1、情報提供方法、および情報提供プログラムについて図を参照しつつ説明する。但し、本開示の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0026】
(情報提供システム1による処理の概要)
図1は、情報提供システム1による処理の一例を説明するための模式図である。
【0027】
情報提供システム1は、複数のユーザの端末装置2を含み、これらの複数のユーザの端末装置2と相互に通信されるサーバ3を有する。サーバ3は、現実空間を基に生成された仮想空間の情報を記憶する仮想空間データベース311および複数のユーザの情報を記憶するユーザデータベース312を備えている。
情報提供システム1に含まれる記憶部は、サーバ3のサーバ記憶部313であって、サーバ記憶部313は仮想空間データベース311及びユーザデータベース312を含む(
図4参照)。
【0028】
サーバ3は、複数のユーザの端末装置2からの要求に応じて、仮想空間データベース311に記憶されている仮想空間の少なくとも一部を複数のユーザの端末装置2に送信する。更にサーバ3は、ユーザデータベース312に記憶されるそれぞれのユーザに対応する仮想キャラクターを当該仮想空間に生成して表示し、当該仮想キャラクターを介して仮想空間に対応する現実空間の情報をユーザに提供する。なお、ユーザデータベース312の詳細については、後述するが、ユーザごとに仮想空間において活動できる地域が記憶されている。
【0029】
なお、上述した
図1の説明は、本発明の内容への理解を深めるための説明にすぎない。本発明は、具体的には、次に説明する各実施の形態において実施され、且つ、本発明の原則を実質的に超えずに、さまざまな変形例によって実施されてもよい。このような変形例はすべて、本発明および本明細書の開示範囲に含まれる。
【0030】
(情報提供システム1の概略構成)
図2は、情報提供システム1の概略構成の一例を示す図である。
【0031】
情報提供システム1は、複数のユーザの端末装置2、2、2・・・と、サーバ3と、を有する。以下では、複数のユーザの端末装置2を単にユーザの端末装置2と称する場合がある。ユーザの端末装置2、2、2・・・およびサーバ3は、例えば、インターネット4などの通信ネットワークを介してそれぞれ相互に接続される。また、ここではインターネット4が1つ例示されているが、インターネット4が複数のネットワークからなる場合は、それぞれのネットワーク間にゲートウェイ(図示しない)を適宜設けてもよい。サーバ3で実行されるプログラム(例えば、管理プログラム)とは、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)などの通信プロトコルを用いて通信を行う。なお、サーバ3は、クラウドサーバであってもよい。
【0032】
(ユーザの端末装置2の概略構成)
図3は、ユーザの端末装置2の概略構成の一例を示す図である。
【0033】
端末装置2は、無線通信ネットワークへの接続、Webアクセスなどを実行する。そのために、端末装置2は、端末通信部211と、端末記憶部212と、端末操作部213と、端末表示部214と、端末処理部215と、端末撮像部216とを備える。
【0034】
なお、端末装置2としては、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)を想定するが、本発明はこれに限定されない。端末装置2は、本発明が適用可能であればよく、例えば、タブレットPCやノートPC、携帯電話(所謂「フィーチャーフォン」)、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機、携帯音楽プレイヤ、タブレット端末、などでもよい。また、端末装置2は、AR(オーグメンテッドリアリティ)グラスやVR(ヴァーチャルリアリティ)グラスなどのウェアラブル端末であってもよい。
【0035】
端末通信部211は、通信インターフェース回路を備え、端末装置2をインターネット4に接続する。端末通信部211は、ネットワークを介して端末処理部215から供給されたデータをサーバ3などに送信する。また、端末通信部211は、ネットワークを介してサーバ3などから受信したデータを端末処理部215に供給する。
【0036】
端末記憶部212は、例えば、半導体メモリ装置を備える。端末記憶部212は、端末処理部215での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データなどを記憶する。例えば、端末記憶部212は、ドライバプログラムとして、端末操作部213を制御する入力デバイスドライバプログラム、端末表示部214を制御する出力デバイスドライバプログラムなどを記憶する。また、端末記憶部212は、アプリケーションプログラムとして、ユーザが端末操作部213を操作することによって入力された操作情報などをサーバ3に送信するための送信プログラムなどを記憶する。各種プログラムは、例えばCD-ROM、DVD-ROMなどのコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラムなどを用いて端末記憶部212にインストールされてもよい。また、端末記憶部212は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
【0037】
端末操作部213は、端末装置2の操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネルであるが、マウス、またはキーボタンなどを端末装置2の外部に接続してもよい。ユーザは、端末操作部213を用いて、仮想空間中に生成されているユーザの仮想キャラクターをどのように制御するか選択決定することができる。また、ユーザは、端末操作部213を用いて、仮想空間におけるユーザの仮想キャラクターの設定や、ユーザごとの仮想空間におけるセキュリティー設定などを入力することができる。端末操作部213は、ユーザにより操作されると、その操作に対応する信号を発生する。そして、発生した信号は、端末処理部215に送信される。なお、端末装置2がウェアラブル端末である場合、端末操作部213は、ウェアラブル端末の傾きなどの信号を生成してもよい。
【0038】
端末表示部214も、映像や画像などの表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどである。端末表示部214は、端末処理部215から供給された映像データに応じた映像や、画像データに応じた画像などを表示する。
【0039】
端末処理部215は、一または複数個のプロセッサおよびその周辺回路を備える。端末処理部215は、端末装置2の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPUである。端末処理部215は、端末装置2の各種処理が端末記憶部212に記憶されているプログラムや端末操作部213の操作などに基づいて適切な手順で実行されるように、端末通信部211や端末表示部214などの動作を制御する。端末処理部215は、端末記憶部212に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラムやドライバプログラム、アプリケーションプログラムなど)に基づいて処理を実行する。また、端末処理部215は、複数のプログラム(アプリケーションプログラムなど)を並列に実行することができる。
【0040】
端末処理部215は、端末装置2の外部から受信した画面表示情報をユーザに閲覧可能な画面表示として処理をする機能や、ユーザからの端末操作部213の操作内容に基づく処理を端末装置2の外部に送信可能な信号に変換して端末通信部211に送る機能を備える。これらの機能は、端末処理部215が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ、またはファームウェアとして端末装置2に実装されてもよい。
【0041】
端末撮像部216は、端末装置2に備え付けられた撮像部である。端末撮像部216は、ユーザが行動する実空間から収集した街並みや一時的に収集される移動体や物品の画像情報を取得する。
【0042】
(サーバ3の概略構成)
図4は、サーバ3の概略構成の一例を示す図である。
【0043】
サーバ3は、複数の仮想空間の情報を記憶する仮想空間データベース311および複数のユーザの情報を記憶するユーザデータベース312を含むサーバ記憶部313を備える。サーバ3は、ユーザの行動履歴に基づいて当該ユーザごとの現実空間における地域である実地域への愛着度を算出し、その愛着度に基づいて、仮想キャラクターが仮想空間において活動可能な地域を設定し、設定された仮想空間における活動可能な地域において、仮想キャラクターがユーザの端末装置2を介して操作されることによって、実地域に関する情報をユーザの端末装置2へ提供可能とする。また、サーバ3は、ユーザの行動履歴に基づいて、ユーザに対応した当該ユーザを表現した仮想キャラクターを生成する。そして、サーバ3は、これらの仮想空間、仮想キャラクター、およびユーザが操作する仮想キャラクターの操作情報を表示情報として生成し、ユーザの端末装置2に表示情報を送信する。以上のような機能を実現するために、サーバ3は、サーバ記憶部313の他に、愛着度算出部314、仮想キャラクター生成部315、地域設定部316、操作受付部317、情報提供部318、および表示情報生成部319を含むサーバ処理部320およびサーバ通信部321を更に備える。
【0044】
仮想空間データベース311は、現実空間における地域である実地域に対応付けて仮想空間情報を記憶している。仮想空間情報は、実地域における地図情報や写真情報であってもよく、実地域を模写したアニメーションデータでもよい。なお、実地域の情報は、仮想空間データベース311に記憶されていてもよく、地図情報を提供する外部のサーバに記憶されていてもよい。また、仮想空間情報として、実地域における地図情報や写真情報をそのまま使用する際には、この仮想空間情報もサーバ記憶部313に記憶されていなくてもよい。
【0045】
仮想空間データベース311は、端末撮像部216から定期的に実空間の画像や動画を受信することで、定期的に更新されるとよい。例えば、ユーザの端末装置2がヘッドセットやARメガネの場合に、それらに備えられた撮像部から常に情報を受信することができる。これによって、実空間に存在している移動体や物品などを細かく仮想空間情報にリアルタイムで反映することができる。これは、ビジュアルポジショニングシステム(VPS)などの既存の技術を用いることができる。
【0046】
実地域は、ユーザの行動範囲の一単位であり、地図情報を単に数100平方メートル単位で分割した領域であってもよく、市区町村単位でも丁単位や町内会の範囲でもよい。または、実地域は、1つの集合住宅単位であってもよい。本発明において実地域は、ユーザの自転車または徒歩での行動圏内に近いことが好ましい。
【0047】
ユーザデータベース312は、複数のユーザのユーザ識別情報(ユーザID)に対応付けて、ユーザの実際の活動地域である実活動地域、当該実活動地域に対する愛着度、実活動地域に対応する仮想空間での活動地域でのユーザの仮想キャラクターの活動の可否、仮想キャラクターのタイプなどの仮想キャラクターの情報、ユーザの現実空間または仮想空間での購入履歴、ユーザの健康状態などを記憶している。
【0048】
サーバ記憶部313は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置および光ディスク装置の内の少なくとも一つを有し、バスを介してサーバ3と接続される。サーバ記憶部313は、サーバ処理部320による処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データなどを記憶する。例えば、サーバ記憶部313は、ドライバプログラムとして、サーバ通信部321を制御する通信デバイスドライバプログラムなどを記憶する。コンピュータプログラムは、例えばCD-ROM、DVD-ROMなどのコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラムなどを用いてサーバ記憶部313にインストールされてもよい。また、サーバ記憶部313は、仮想空間データベース311およびユーザデータベース312などを記憶する。
【0049】
また、サーバ記憶部313は、複数のユーザが投稿した実地域に関する情報を記憶する。具体的には、実地域ごとに投稿された実地域に関する情報をまとめた掲示板情報である。または、実地域における施設における商品やサービスの情報をまとめた掲示板情報である。更に、サービスは、鉄道などの交通機関の役務であってもよく、公園などの施設の情報であってもよい。更にサーバ記憶部313は、複数のユーザの複数の仮想キャラクター同士が仮想空間において会話した際の会話履歴や仮想物品または仮想役務の授受履歴などを一時的に記憶する一時記憶部としても機能する。
【0050】
なお、サーバ記憶部313は、一つの記憶領域からなってもよく、複数の記憶領域からなってもよい。更に、サーバ記憶部313は、サーバ3の内部に存在しない場合があってもよい。例えば、クラウドサーバなどがその一例である。
【0051】
サーバ処理部320は、愛着度算出部314、仮想キャラクター生成部315、地域設定部316、操作受付部317、情報提供部318、表示情報生成部319を含む。サーバ処理部320による機能は、サーバ処理部320が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ、またはファームウェアとしてサーバ3に実装されてもよい。なお、サーバ処理部320の処理内容は後述する。また、サーバ処理部320の構成要素の切り分けは、一例であって、どの構成要素がどの処理を行うかは、本実施形態の記載に限定されない。
【0052】
愛着度算出部314は、複数のユーザの行動履歴を基に1つまたは複数の実地域への愛着度を算出する。具体的には、愛着度算出部314は、複数のユーザの行動履歴を基に1つまたは複数の実地域に訪問した訪問履歴情報を基に愛着度を算出する。例えば、愛着度の評価項目は、複数のユーザの行動履歴を基にユーザが実地域に訪問した回数、実地域に滞在した期間、実地域での行動範囲、および実地域で訪問した施設の数の少なくとも1つから選択される。愛着度は、直近の所定期間における実地域に訪問した回数、実地域に滞在した期間、実地域での行動範囲、および実地域で訪問した施設の数から算出されてもよく、ユーザの全過去の実地域に訪問した回数、実地域に滞在した期間、実地域での行動範囲、実地域で訪問した施設の数から算出されてもよい。すなわち、直近の実地域への愛着度を利用することもできるが、その地域に昔から住んでいたユーザの愛着度を用いることもできる。また、直近の愛着度とそれよりも前の愛着度とで異なる重み付けをすることもできる。これによって、直近のユーザと昔住んでいたようなユーザとのバランスを適切に保つことができる。また、愛着度は、場所要素として、その地域の名産物、ランドマーク、歴史的価値、医療福祉施設、景観、イベントなどを考慮することもできる。この場合、愛着度として場所要素を、ユーザを基に算出された愛着度に加算することもできる。
【0053】
愛着度算出部314は、複数のユーザの行動履歴を基にユーザが実地域で関わった他のユーザとの接触履歴情報を基に愛着度を算出する。例えば、愛着度の評価項目は、複数のユーザの行動履歴を基にユーザが実地域で実際に会った人数、実際に会った人数のうち会話をした人数、当該会話の期間のいずれか1つから選択される。愛着度は、直近の所定期間におけるユーザが実地域で実際に会った人数、実際に会った人数のうち会話をした人数、当該会話の期間から算出されてもよく、ユーザの全過去のユーザが実地域で実際に会った人数、実際に会った人数のうち会話をした人数、当該会話の期間から算出されてもよい。すなわち、直近の実地域への愛着度を利用することもできるが、その地域に昔から住んでいたユーザの愛着度を用いることもできる。また、直近の愛着度とそれよりも前の愛着度とで異なる重み付けをすることもできる。これによって、直近のユーザと昔住んでいたようなユーザとのバランスを適切に保つことができる。また、愛着度は、人的要素として、実地域に存在する人の人柄や治安などを考慮することもできる。この場合、愛着度として人的要素を、ユーザを基に算出された愛着度に加算することもできる。
【0054】
ユーザの行動履歴は、ユーザの端末装置2を介して取得することができる。ユーザの端末装置2の位置情報や購買履歴などの一般的な履歴を用いることができる。また、愛着度の最終的な数値としては、個々の評価項目の点数の合算値であってもよく、当該合算値から求められた所定段階評価でもよく、実地域における絶対的な割合として算出されてもよく、実地域における相対的な割合として算出されてもよい。更に、愛着度は、訪問履歴情報および接触履歴情報から求められる愛着度の合算値であってもよく、いずれか1つの愛着度だけを用いることもできる。なお、本実施形態において、愛着度は、百分率として算出されたものを用いることとする。
【0055】
仮想キャラクター生成部315は、複数のユーザの行動履歴を基に個々のユーザを表現した仮想キャラクターを生成する。行動履歴には、ユーザが実地域で訪問した場所、訪問した施設、購入した商品、利用したサービス、および摂取した飲食物が含まれ、これらのいずれか1つに基づいてユーザを表現した仮想キャラクターが生成される。なお、購入した商品や利用したサービスなどの購買履歴は、現実空間および仮想空間のいずれのものであってもよい。また、現実空間における購買履歴は、ユーザの行動範囲に限定してもよく、ECなどの実地域に紐づかない履歴を用いてもよい。仮想空間における購買履歴は、ユーザが活動可能な地域に限定してもよく、仮想空間での専用ECの利用履歴であってもよい。更に、仮想キャラクター生成部315は、複数のユーザのバイオリズム情報を基に個々のユーザを表現した仮想キャラクターを補正してもよい。バイオリズム情報には、例えば健康状態や精神状態が含まれる。すなわち、健康状態には寝不足、風邪、空腹、酔っている、暑いなどが含まれる。また、精神状態には、悲しい、嬉しい、泣きたい、辛い、忙しいなどが含まれる。これらのバイオリズム情報は、ウェアラブル端末などのユーザの端末装置2を介してユーザの人体から直接取得したり、ユーザの端末装置2を用いた通話(音声またはテキスト)履歴を用いて取得することができる。なお、ユーザの仮想キャラクターは、複数のプリセットパターンから基本形を選択しておき、ユーザによって選択されたパターンに行動履歴やバイオリズム情報に応じた仮想キャラクターが生成される。なお、ここで生成とは、サーバ3がサーバ記憶部313に記憶されている画像データを選択して、仮想キャラクター生成部315が仮想キャラクターを生成することだけでなく、例えば外部のサーバなどから画像データなどをインポートすることも含む。
【0056】
地域設定部316は、愛着度算出部314が算出した実地域への愛着度に基づいて、仮想キャラクター生成部315が生成した仮想キャラクターが仮想空間において活動可能とされる地域である仮想地域を設定する。具体的に、地域設定部316は、ユーザが活動している1つ以上の実地域のそれぞれにおける愛着度を基に、1つ以上の実地域に対応する仮想空間でユーザに対応する仮想キャラクターが活動可能かを判定する。その判定結果が活動可能である場合に、当該実地域に対応する仮想地域を仮想キャラクターが活動可能な仮想地域を設定する。すなわち、地域設定部316は、ユーザの愛着度が高い実地域に対応する仮想空間を活動可能な仮想地域として設定する。例えば、地域設定部316は、実地域における愛着度が所定レベル以上である場合に当該実地域に対応する仮想地域を仮想キャラクターが活動可能な仮想地域として設定する。この所定レベルは、全地域において一律に設定されていてもよく、個々の地域ごとに異なるレベルが設定されていてもよい。また、ユーザ数が少ない地域では、所定レベルを低く設定することで、全仮想地域にユーザが活動できるようにすることができる。
【0057】
操作受付部317は、ユーザの操作によってユーザに対応する仮想キャラクターを仮想空間において操作を可能とするための機能を提供する。具体的には、ユーザの端末装置2に対して仮想キャラクターの操作を促したり、仮想キャラクターによる会話や書き込みを促したりする。そして、操作受付部317によって提供された操作を可能とする機能を、端末操作部213をユーザが操作することで仮想キャラクターが仮想空間において操作される。
【0058】
情報提供部318は、地域設定部316が設定した活動可能な地域において、仮想キャラクターがユーザに操作されることによって、実地域に関する情報を入手可能とする。例えば、情報提供部318は、ユーザに対応する仮想キャラクターが仮想空間に存在する他のユーザが操作する他のユーザに対応する他の仮想キャラクターに接触することで実地域に関する情報を入手可能とする。具体的には、操作受付部317は、ユーザの操作によって他のユーザに対応する仮想キャラクターに話しかけることを可能とし、情報提供部318は、他の仮想キャラクターを操作する他のユーザからの会話情報を実地域に関する情報としてユーザに提供することができる。他のユーザについても、実地域に対する愛着度が高いため、実地域に愛着度が高いユーザが当該実地域に対応する仮想地域に活動しているため、他のユーザに話しかけることで、ユーザは実地域に関する情報を入手することができる。なお、情報提供部318から提供される情報は、テキストなどの文字情報や写真や動画などの画像情報であってもよく、音声情報などの画面表示を伴わない情報であってもよい。
【0059】
また、サーバ記憶部313は、複数のユーザが投稿した実地域に関する情報を記憶しており、情報提供部318は、ユーザが仮想キャラクターを仮想空間において特定の場所または施設に移動したことに応じてサーバ記憶部313に記憶された実地域に関する情報をユーザに提供することができる。例えば、実地域に存在する施設に対応する施設が仮想地域にも存在する場合に、その仮想地域に存在する施設に仮想キャラクターがユーザによって移動されることによって、実地域に存在する施設に関する情報をサーバ記憶部313から得ることができる。また、ユーザは、仮想地域に存在する施設に仮想キャラクターを移動することによって、実地域に存在する施設に関する情報をサーバ記憶部313に記憶させることができる。更に、特定の場所とは、観光名所、公園、駅、交差点、番地など座標または座標範囲を有する場所であればよい。
【0060】
表示情報生成部319は、仮想空間(仮想地域)、仮想キャラクター、およびユーザが操作する仮想キャラクターの操作情報を表示情報として生成する。また、表示情報生成部319は、情報提供部318が提供する実地域に関する情報がテキストなどの文字情報や写真や動画などの画像情報である場合に、実地域に関する情報も表示情報として生成する。
【0061】
サーバ通信部321は、サーバ3をインターネット4に接続するための通信インターフェース回路を有する。サーバ通信部321は、複数のユーザの端末装置2から行動履歴、バイオリズム情報、操作情報(仮想キャラクターの動作やユーザの会話情報)、および実地域に関する情報などを受信する。また、サーバ通信部321は、情報提供部318が提供する実地域に関する情報や表示情報生成部319が生成した表示情報を複数のユーザの端末装置2に送信する。なお、サーバ通信部321は、本発明における送信部に相当することができる。
【0062】
(テーブルのデータ構造)
図5は、ユーザデータベース312の構造の一例を示す図である。
【0063】
図5は、複数のユーザの情報を記憶するユーザデータベース312の一例を示す表である。ユーザデータベース312は、複数のユーザのユーザ識別情報(ユーザID)に対応付けて、現実空間における活動地域である実地域として活動地域、当該実地域に対する愛着度、当該実地域に対応する仮想地域においてユーザが活動可能かを示す仮想地域での活動可否、ユーザが事前に選択している仮想キャラクターの基本タイプ、現実空間または仮想空間における購買履歴(図中では、購入商品のみの履歴としている)、バイオリズム情報の一例として健康状態などが記憶されている。なお、この例では、A町に限定したユーザのデータベースを示しているが、実際は1人のユーザに複数の国、都道府県、市町村などでの行動履歴が記憶されていてもよい。この例では、K0002には、複数の実活動地域が記憶されている。実活動地域は、ユーザが活動する範囲が広がるほど増える。
【0064】
また、図示しないが、ユーザデータベース312には、ユーザごとに他のユーザに公開を可能とするユーザの情報を更に記憶していてもよい。すなわち、ユーザが公開したくない情報を他のユーザに開示することを制限することができる。
【0065】
(仮想キャラクターの生成処理)
図6は、本実施形態にかかる情報提供システム1による仮想キャラクターの生成処理の一連の流れの動作シーケンスの一例を示す図である。
【0066】
まず、図示しないが、ユーザによって、ユーザ自身に合った仮想キャラクターの基本パターンを選択しておく必要がある。これは、サーバ記憶部313に記憶された複数パターンから選択することとしてもよいが、ユーザ自身によって撮影された画像を基にサーバ処理部320が選択することとしてもよい。ユーザが選択する仮想キャラクターは、ユーザ自身が自由に選択できるが、ユーザ自身の外観に類似しているものをサーバ3が自動的に選択してもよい。なお、ユーザの外観のみならずユーザの内面的特徴である性格、個性、嗜好などユーザが自認するユーザの特徴を表現できるような仮想キャラクターであればよく、仮想キャラクターは、動物やロボットなどのキャラクター、アイコン、スタンプなどを選択することもできる。男性が女性の仮想キャラクターを選択するなど性別に縛られること無く選択することも可能であり、仮想キャラクターがユーザの特徴を表現できていればよい。
【0067】
以下に説明する動作シーケンスは、予めサーバ記憶部313に記憶されているプログラムに基づいて、主にサーバ処理部320により、サーバ3の各要素と協働して実行される。更に、以下に説明する動作シーケンスは、予めユーザの端末装置2の端末記憶部212に記憶されているプログラムに基づいて、主にユーザの端末装置2の端末処理部215により、端末装置2の各要素と協働して実行される。また、以下に説明する動作シーケンスにおいて、サーバ3は、サーバ通信部321を介して端末装置2と各種の情報を送受信する。
【0068】
まず、サーバ3は、ユーザの端末装置2からユーザの新たな行動履歴が取得されたか否かを判断する(ステップS101)。サーバ3は、新たな行動履歴が取得されない場合(ステップS101がNO)、ステップS101を繰り返す。すなわち、ユーザが何も行動をしていない限り、仮想キャラクターについても変更されないこととなる。
【0069】
一方、ユーザの端末装置2から新たな行動履歴が取得された場合(ステップS101がYES)、サーバ3は、ユーザが訪問した施設の情報を取得する(ステップS102)。そして、サーバ3は、ユーザが訪問した施設において、ユーザが購入(無料も含む)した商品またはサービスの情報を取得する(ステップS103)。更にサーバ3は、ユーザが当該施設またはそれ以外で摂取した飲食物の情報を取得する(ステップS104)。これらの取得の処理の順序は、任意であり適宜入れ替えることができる。
【0070】
次にサーバ3は、ユーザから仮想キャラクターの生成について要望情報を取得する(ステップS105)。なお、サーバ3がユーザから要望情報を取得していない場合、処理はステップS107に移行する。
【0071】
ユーザから要望情報を取得した場合(ステップS105がYES)、サーバ3は、入力されたユーザの要望が許容範囲の要望であるかを判断する(ステップS106)。許容範囲とは、仮想キャラクターを生成する際に考慮するユーザからの要望情報において、仮想キャラクターがユーザ自身と大きく異なってしまうことがないように予め定められた範囲である。仮想キャラクターがそれまで使用していた仮想キャラクターと異なり過ぎてしまう場合、他のユーザが別ユーザの仮想キャラクターと見間違えてしまう可能性もあることから、大きな変更は許容しないことが好ましい。例えば、ユーザの身長や体系を大きく変えてしまったり、性別を変えてしまうようなことを防ぐことが求められる。
【0072】
ユーザの要望があらかじめ定められた許容範囲を超えてしまっている場合(ステップS106がNO)、サーバ3は処理をステップS105に戻して、再度ユーザから要望情報を取得し直す。一方、ユーザの要望があらかじめ定められた許容範囲内である場合(ステップS106がYES)、サーバ3は、ユーザに対応する仮想キャラクターを生成する(ステップS107)。
【0073】
ステップS107でサーバ3は、ユーザが購入した商品を基に仮想キャラクターに当該商品を保持(着衣)させることができたり、利用したサービスによって仮想キャラクターの外見を変更することができる。利用したサービスとは、美容院であれば頭髪の色や長さ、日焼けサロンであれば肌の色、ネイルサロンであれば爪の装飾などを変更することができる。また、摂取した飲食物の内容によって、飲食に対する満足度を仮想キャラクターの表情に表現したり、飲酒した際には、仮想キャラクターの顔の色を変更することができる。更に、許容範囲内のユーザの要望とは、ユーザの行動履歴から把握し切れない、髭の長さや購入品以外で保持させたい物品などの指定である。サーバ3は、これらの許容範囲内のユーザの要望も本ステップS107にて、仮想キャラクターに適応する。
【0074】
(仮想キャラクターの補正処理)
図7は、本実施形態にかかる情報提供システム1による仮想キャラクターの補正処理の一連の流れの動作シーケンスの一例を示す図である。
【0075】
以下に説明する動作シーケンスは、予めサーバ記憶部313に記憶されているプログラムに基づいて、主にサーバ処理部320により、サーバ3の各要素と協働して実行される。更に、以下に説明する動作シーケンスは、予めユーザの端末装置2の端末記憶部212に記憶されているプログラムに基づいて、主にユーザの端末装置2の端末処理部215により、端末装置2の各要素と協働して実行される。また、以下に説明する動作シーケンスにおいて、サーバ3は、サーバ通信部321を介して端末装置2と各種の情報を送受信する。
【0076】
まず、サーバ3は、ユーザの端末装置2からバイオリズム情報が取得されたか否かを判断する(ステップS201)。サーバ3は、バイオリズム情報が取得されない場合(ステップS201がNO)、ステップS201を繰り返す。なお、このステップ201の処理は、定期的に繰り返されてもよく、ユーザの端末装置2が新たなバイオリズム情報を取得するまで繰り返されてもよい。
【0077】
ユーザの端末装置2から新たなバイオリズム情報が取得された場合(ステップS201がYES)、サーバ3は、ユーザの健康状態の情報を取得する(ステップS202)。そして、サーバ3は、ユーザの精神状態の情報を取得する(ステップS203)。サーバ3は、これらの健康状態や精神状態以外の情報を取得してもよい。これらの取得の処理の順序は、任意であり適宜入れ替えることができる。
【0078】
次にサーバ3は、取得したユーザの健康状態や精神状態に基づいて、ユーザに対応する仮想キャラクターを補正する(ステップS204)。
【0079】
ステップS204でサーバ3は、ユーザの健康状態が発熱状態である場合には、ユーザの仮想キャラクターの顔の色を変更したり、表情を補正することができる(
図5のユーザK0002)。また、ユーザの健康状態が寝不足である場合、ユーザの仮想キャラクターの目を閉じた状態に補正することができる(
図5のユーザK0001)。また、精神状態としては、
図5に例示していないが、嬉しい状態や悲しい状態が挙げられる。これらの精神状態に応じて、ユーザの仮想キャラクターの表情を補正することができる。
【0080】
(行動履歴に応じた実地域ごとの愛着度の算出処理)
図8は、本実施形態にかかる情報提供システム1による実地域ごとの愛着度の算出処理の一連の流れの動作シーケンスの一例を示す図である。
【0081】
以下に説明する動作シーケンスは、予めサーバ記憶部313に記憶されているプログラムに基づいて、主にサーバ処理部320により、サーバ3の各要素と協働して実行される。更に、以下に説明する動作シーケンスは、予めユーザの端末装置2の端末記憶部212に記憶されているプログラムに基づいて、主にユーザの端末装置2の端末処理部215により、端末装置2の各要素と協働して実行される。また、以下に説明する動作シーケンスにおいて、サーバ3は、サーバ通信部321を介して端末装置2と各種の情報を送受信する。
【0082】
まず、サーバ3は、ユーザの端末装置2からユーザの新たな行動履歴が取得されたか否かを判断する(ステップS301)。サーバ3は、新たな行動履歴が取得されない場合(ステップS301がNO)、ステップS301を繰り返す。すなわち、ユーザが何も行動をしていない限り、実地域に対する愛着度が更新されないこととなる。
【0083】
一方、ユーザの端末装置2から新たな行動履歴が取得された場合(ステップS301がYES)、サーバ3は、ユーザが実地域に訪問した回数を取得する(ステップS302)。ユーザが複数の実地域を訪問している場合、サーバ3は、それぞれの実地域に対する訪問回数を取得する。この回数は、それぞれのユーザにおける累積訪問回数とすることが好ましい。そして、サーバ3は、ユーザが訪問した実地域での滞在期間(日数または時間)を取得する(ステップS303)。この期間は、それぞれのユーザにおける累積訪問期間とすることが好ましい。更にサーバ3は、ユーザが訪問した実地域の行動範囲を取得する(ステップS304)。この行動範囲は、それぞれのユーザにおける累積行動範囲とすることが好ましい。これらの取得の処理の順序は、任意であり適宜入れ替えることができる。
【0084】
次にサーバ3は、ユーザの個々の実地域に対応する愛着度を算出する(ステップS305)。愛着度の算出手法は、本発明を限定するものではなく、予めサーバ記憶部313に記憶されているものとする。愛着度の算出手法は、ユーザがどの程度、その実地域に愛着を持っているかを示すことができれば、どのような手法であってもよい。
【0085】
(接触履歴に応じた実地域ごとの愛着度の算出処理)
図9は、本実施形態にかかる情報提供システム1による実地域ごとの愛着度の算出処理の一連の流れの動作シーケンスの一例を示す図である。
【0086】
以下に説明する動作シーケンスは、予めサーバ記憶部313に記憶されているプログラムに基づいて、主にサーバ処理部320により、サーバ3の各要素と協働して実行される。更に、以下に説明する動作シーケンスは、予めユーザの端末装置2の端末記憶部212に記憶されているプログラムに基づいて、主にユーザの端末装置2の端末処理部215により、端末装置2の各要素と協働して実行される。また、以下に説明する動作シーケンスにおいて、サーバ3は、サーバ通信部321を介して端末装置2と各種の情報を送受信する。
【0087】
まず、サーバ3は、ユーザの端末装置2からユーザの新たな人物に接触した接触履歴が取得されたか否かを判断する(ステップS401)。サーバ3は、新たな接触履歴が取得されない場合(ステップS401がNO)、ステップS401を繰り返す。すなわち、ユーザが新たに人物に接触しない限り、実地域に対する愛着度が更新されないこととなる。ここで接触とは、行動履歴を基にユーザが実地域で実際に会った人数、実際に会った人数のうち会話をした人数、当該会話の期間などの接触体験が挙げられる。
【0088】
ユーザの端末装置2から新たな人物への接触履歴が取得された場合(ステップS401がYES)、サーバ3は、ユーザが実地域で実際に会った人の数を取得する(ステップS402)。この人数は、それぞれのユーザにおける累積接触回数とすることが好ましい。そして、サーバ3は、実際に会った人数のうち会話をした人数を取得する(ステップS403)。この人数は、それぞれのユーザにおける累積会話人数とすることが好ましい。更にサーバ3は、ユーザが実地域において人物に会った期間や人物との会話の期間を取得する(ステップS404)。この期間は、いずれかであってもよく、両方であってもよい。更に、この期間は、それぞれのユーザにおける累積期間とすることが好ましい。これらの取得の処理の順序は、任意であり適宜入れ替えることができる。
【0089】
次にサーバ3は、ユーザの個々の実地域に対応する愛着度を算出する(ステップS405)。愛着度の算出手法は、本発明を限定するものではなく、予めサーバ記憶部313に記憶されているものとする。愛着度の算出手法は、ユーザがどの程度、その実地域に愛着を持っているかを示すことができれば、どのような手法であってもよい。
【0090】
ユーザの愛着度は、本実施形態において百分率で表されており、
図5においてユーザK0001のA町〇丁目に対する愛着度は、87%であり、ユーザK0002のA町△丁目に対する愛着度は、69%である。
【0091】
(実地域の情報提供処理)
図10は、本実施形態にかかる情報提供システム1による実地域の情報提供処理の一連の流れの動作シーケンスの一例を示す図である。
【0092】
以下に説明する動作シーケンスは、予めサーバ記憶部313に記憶されているプログラムに基づいて、主にサーバ処理部320により、サーバ3の各要素と協働して実行される。更に、以下に説明する動作シーケンスは、予めユーザの端末装置2の端末記憶部212に記憶されているプログラムに基づいて、主にユーザの端末装置2の端末処理部215により、端末装置2の各要素と協働して実行される。また、以下に説明する動作シーケンスにおいて、サーバ3は、サーバ通信部321を介して端末装置2と各種の情報を送受信する。
【0093】
まず、サーバ3は、ユーザの端末装置2からユーザの操作入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS501)。サーバ3は、ユーザから操作入力が取得されない場合(ステップS501がNO)、ステップS501を繰り返す。
【0094】
一方、ユーザの端末装置2から操作入力が取得された場合(ステップS501がYES)、サーバ3は、愛着度算出部314が算出した実地域ごとの愛着度を取得する(ステップS502)。次にサーバ3は、ユーザから取得した操作入力の内容が取得された愛着度に基づいて地域設定部316が設定した活動可能な仮想地域を取得する(ステップS503)。これらの取得の処理の順序は、任意であり適宜入れ替えることができる。なお、この活動可能地域の設定は、事前に処理を行って、サーバ記憶部313に予め記憶しておいてもよい。
【0095】
次に、サーバ3は、ユーザから取得された操作入力の内容が、ユーザの活動可能な仮想地域内に含まれるかを判断する(ステップS504)。なお、ユーザから取得された操作入力の内容が、ユーザの活動可能な仮想地域を外れている場合(ステップS504がNO)、サーバ3は、ユーザの操作入力を再度取得するために処理をステップS501に戻す。
【0096】
一方、ユーザから取得された操作入力の内容が、ユーザの活動可能な仮想地域内である場合(ステップS504がYES)、サーバ3は、ユーザの操作内容に基づいて、仮想キャラクターを仮想空間内に生成する(ステップS505)。この時、既に仮想キャラクター自体は、仮想キャラクター生成部315によって生成されており、本ステップS505では、仮想キャラクター生成部315によってユーザの操作入力に基づいた仮想キャラクターをユーザの操作入力に基づいた仮想地域に生成する。なお、仮想キャラクター生成部315は、事前に仮想キャラクター自体を生成している必要はなく、ここのステップで初めて生成することとしてもよい。
【0097】
次に、サーバ3は、ユーザの端末装置2から仮想キャラクターに対する操作入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS506)。サーバ3は、ユーザから仮想キャラクターに対する操作入力が取得されない場合(ステップS506がNO)、ステップS506を繰り返す。
【0098】
次に、サーバ3は、ユーザから実地域の情報を取得する要求があるか否かを判断する(ステップS507)。なお、ユーザから実地域の情報を取得する要求がない場合(ステップS507がNO)、ユーザから更なる仮想キャラクターに対する操作入力を受け付けるために処理をS506に戻す。
【0099】
一方、ユーザから実地域の情報を取得する要求がある場合(ステップS507がYES)、実地域の情報をユーザの端末装置2に提供する(ステップS508)。
【0100】
ここで、ユーザは、仮想空間において他のユーザに対応する仮想キャラクターと会話することで実地域の情報を取得することが考えられる。
図5の場合にユーザK0001であれば、同一の実地域A町〇丁目への愛着度が高いため、互いに当該実地域に対応する仮想地域が活動可能地域となる。よって、ユーザK0001およびK0002は、互いに同一の仮想地域において会話が可能となる。一方、同一の実地域A町〇丁目が活動範囲のユーザK0004は、当該実地域の愛着度が33%と低いため、当該実地域に対応する仮想地域が活動可能地域とならない。よって、ユーザK0001およびK0002から、ユーザK0004への会話が不可となる。また、異なる実活動地域であるユーザK0002のA町△丁目に対応する仮想地域には、ユーザK0001は、活動が制限されるため、ユーザK0001は、ユーザK0002と会話することができない。
【0101】
(端末装置2の画面構成)
図11は、本実施形態にかかるユーザの端末装置2に表示される表示画面の一例を示す図である。
【0102】
図11には、ユーザの端末装置2における、仮想空間の仮想地域を表現した仮想背景601、ユーザの仮想キャラクター602、ユーザが仮想空間内で実地域に関する情報をコメントしたコメント欄603、および当該コメントを入力するための入力欄604が模式されている。なお、入力欄604には、ユーザにコメントを促すために「まちにコメントを残そう」と薄い文字が表示されている。ユーザは、仮想キャラクターを操作して、実地域に対応する所定の施設や場所において、当該施設や場所に関するコメントを発言することができる。このコメントは、サーバ記憶部313に記憶され、他のユーザが当該施設や場所に他のユーザに対応する仮想キャラクターが訪れた際に、表示(閲覧)可能となる。ユーザは、所定の施設や場所において他のユーザがコメントした内容を閲覧できると共に、他のコメントを残すことができる。このようにして、実際の施設や場所自体に残すことができない有効なコメントを仮想空間であれば残すことができる。よって、ユーザや他のユーザの実地域への愛着度をより向上することができる。また、このコメントは、場所に関する公共の情報発信であってよい。例えば、自治体からのアナウンスなどを仮想空間内で仮想キャラクターを操作することによって取得できるようにしてもよい。この際、場所についてコメントを出来るユーザを自治体関係者などに限定することもできる。
【0103】
そして、詳細は割愛するが、ユーザは、仮想背景601または仮想キャラクター602を操作することで、仮想空間内を移動することができる。
【0104】
(端末装置2の画面構成)
図12は、本実施形態にかかるユーザの端末装置2に表示される表示画面の一例を示す図である。
【0105】
図12には、ユーザの端末装置2における、仮想空間の仮想地域を表現した仮想背景601、ユーザの仮想キャラクター602、ユーザが仮想空間内で実地域に関する情報をコメントした会話欄603、および他の仮想キャラクターに対する発言を入力するための入力欄604が模式されている。なお、入力欄604には、ユーザに会話を促すため、また誰との会話画面かをユーザに示すために「ガクと会話しよう」と薄い文字が表示されている。更に、
図12においては、他のユーザに対応する他の仮想キャラクター702(図中では2人)および他のユーザ(他の仮想キャラクター)が発言した会話欄703が表示されている。なお、
図11の例では、ユーザに対応する仮想キャラクターが「ガク」であったが、
図12の例では、ユーザに対応する仮想キャラクターが「ひー」に置き換わっており、「ガク」が他のユーザに対応する他の仮想キャラクターに変更されている点に注意されたい。
【0106】
ユーザは、仮想キャラクターを操作して、他のユーザに対応する他の仮想キャラクターに会話することで、現状ユーザの仮想キャラクターおよび他のユーザの他の仮想キャラクターが活動している仮想地域に対応する実地域に関する情報を取得することができる。このようにして、実地域では、簡単に会話することができないユーザ同士であっても、仮想空間内であれば会話し易くなる。よって、ユーザや他のユーザの実地域への愛着度をより向上することができる。
【0107】
そして、詳細は割愛するが、ユーザは、仮想背景601、仮想キャラクター602、または他の仮想キャラクター702を操作することで、仮想空間内を移動したり、仮想空間内で他の仮想キャラクターに話しかけることができる。
【0108】
以上説明したように、本実施形態にかかる情報提供システム1は、サーバ3に記憶されている仮想空間の全てではなく、ユーザが現実空間において活動している範囲において、所定の愛着度を持っている仮想地域においてのみ活動することができるため、ユーザ同士が実地域に関する情報を取得したり、実地域に関する情報をやり取りすることができる。これによって、通常では得にくかった実地域に関する情報を容易に取得できるようになる。更に、実地域においても実際に実地域に関する情報を取得することを促すことができ、更には実地域に対する愛着度が高めることができる。
【0109】
また、本発明は、ユーザの行動履歴に基づいて当該ユーザごとの実地域への愛着度を算出するステップと、上記ユーザの行動履歴に基づいて、上記ユーザに対応した仮想キャラクターを生成するステップと、上記実地域への愛着度に基づいて、上記仮想キャラクターが仮想空間において活動可能な地域として仮想地域を設定するステップと、上記ユーザごとに上記愛着度、上記仮想キャラクター、および上記活動可能な上記仮想地域を記憶するステップと、上記ユーザの操作によって上記仮想キャラクターを上記仮想空間において操作可能とするステップと、上記設定された上記活動可能な地域において、上記仮想キャラクターが上記ユーザに操作されることによって、上記実地域に関する情報を上記ユーザに提供するステップと、上記仮想空間、上記仮想キャラクター、および上記ユーザが操作する上記仮想キャラクターの操作情報を表示情報として生成するステップと、上記生成された表示情報をユーザが保有する端末装置2に送信するステップと、を含むことを特徴とする情報提供方法としても成り立つ。
【0110】
また、本発明は、コンピュータに、ユーザの行動履歴に基づいて当該ユーザごとの実地域への愛着度を算出する機能と、上記ユーザの行動履歴に基づいて、上記ユーザに対応した仮想キャラクターを生成する機能と、上記実地域への愛着度に基づいて、上記仮想キャラクターが仮想空間において活動可能な地域として仮想地域を設定する機能と、上記ユーザごとに上記愛着度、上記仮想キャラクター、および上記活動可能な上記仮想地域を記憶する機能と、上記ユーザの操作によって上記仮想キャラクターを上記仮想空間において操作可能とする機能と、上記設定された上記活動可能な地域において、上記仮想キャラクターが上記ユーザに操作されることによって、上記実地域に関する情報を上記ユーザに提供する機能と、上記仮想空間、上記仮想キャラクター、および上記ユーザが操作する上記仮想キャラクターの操作情報を表示情報として生成する機能と、上記生成された表示情報をユーザが保有する端末装置2に送信する機能と、を実現させることを特徴とする情報提供プログラムとしても成り立つ。
【0111】
当業者は、本発明の精神および範囲から外れることなく、様々な変更、置換および修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
【0112】
(変形例1)
本実施形態において、ユーザは、仮想空間において、実地域に対応する施設や場所に訪れることで実地域に関する情報を入手できる構成としたが、仮想空間において同一の仮想地域に活動可能なユーザ同士または実地域での活動範囲が酷似するユーザ同士で当該実地域に関する情報を共有できるようにしてもよい。すなわち、現実空間では消えつつある回覧板のような仕組みを仮想空間では維持することができる。また、仮想空間では、従来の回覧板のように、情報を回覧しなくても一同が同時に同じ情報を閲覧することができるが、従来の回覧板のような運用をしてもよい。具体的には、区会長や町内会長を仮想空間で設定し、長を筆頭に組織を形成し、共有すべき情報をユーザ間で一人ずつ回覧することができる。
【0113】
(変形例2)
本実施形態において、ユーザは、仮想空間においてユーザの操作入力に応じて仮想キャラクターを移動させることによって、実地域に関する情報を入手していたが、ユーザに対応する仮想キャラクターが予め設定している条件に合致する他のユーザが当該仮想空間内の所定範囲内に入った際にユーザにその旨をアラートすることができる。あるいは、ユーザが予め条件を設定していなくても、ユーザの嗜好情報に酷似する他のユーザが仮想空間において所定範囲内に入った際にユーザにその旨をアラートすることができる。すなわち、現実空間において、ユーザの範囲内にユーザが予め設定した条件の他のユーザが存在してもユーザの嗜好条件などに酷似する他のユーザが存在してもアラートがされることはないが、本情報提供システム1では、アラートをすることができる。また、ユーザの操作を待たずとも、仮想キャラクター自身が自律的に他のユーザに対応する仮想キャラクターに会話するよう設定できてもよい。この場合、ユーザの操作を待つまでの所定時間の期間だけを仮想キャラクターが自律的に会話できるようにしてもよい。
【0114】
(変形例3)
本実施形態において、ステップS204でサーバ3は、ユーザの精神状態に応じてとユーザの仮想キャラクターの表情を補正することとしたが、仮想キャラクター生成部315は、ユーザの仮想キャラクターの発話内容や他のユーザの仮想キャラクターからの発話に応じて更に仮想キャラクターの表情を補正してもよい。
【0115】
(変形例4)
また、本実施形態において、ユーザまたはユーザの仮想キャラクターを支持するユーザをサーバ記憶部313が記憶していてもよい。所謂「いいね」機能やフォロワーの情報をサーバ記憶部313が記憶している。そして、仮想キャラクター同士の会話の際に、当該キャラクターの近傍にユーザを支持する他のユーザの仮想キャラクターを表示してもよい。支持するユーザの数に応じて、仮想キャラクターの表示を変えてもよい。例えば、支持するユーザが多くなると、仮想キャラクターを大きく表示したり、支持するユーザの仮想キャラクターが団体芸を披露するなど特別な動作をすることもできる。このようにすることで、支持するユーザが多い仮想キャラクターを目立たせることができて、発言力が高かったり、信頼できる仮想キャラクターであることが容易に判断することができる。
【0116】
(本発明の適用範囲)
本実施形態にかかる情報提供システム1は、複数のユーザの端末装置2を介して当該複数のユーザが相互にインターネット4などを介して、サーバ3が記憶する仮想空間において、それぞれのユーザに対応する仮想キャラクターがユーザの活動範囲内の実地域に対応する仮想空間で互いに活動(歩行や会話)することができる。すなわち、本実施形態にかかる情報提供システム1は、サーバ3に記憶されている仮想空間の全てではなく、ユーザが現実空間において活動している範囲において、所定の愛着度を持っている仮想地域においてのみ活動することができるため、ユーザ同士が実地域に関する情報を取得したり、実地域に関する情報をやり取りすることができる。これによって、通常では得にくかった実地域に関する情報を容易に取得できるようになる。更に、実地域においても実際に実地域に関する情報を取得することを促すことができ、更には実地域に対する愛着度を高めることができる。
【符号の説明】
【0117】
1 情報提供システム
2 端末装置
211 端末通信部
212 端末記憶部
213 端末操作部
214 端末表示部
215 端末処理部
216 端末撮像部
3 サーバ
311 仮想空間データベース
312 ユーザデータベース
313 サーバ記憶部
314 愛着度算出部
315 仮想キャラクター生成部
316 地域設定部
317 操作受付部
318 情報提供部
319 表示情報生成部
320 サーバ処理部
321 サーバ通信部
4 インターネット
【要約】
【課題】同一地域や近隣での活動や会話を促進することを可能とする情報提供技術を提供する。
【解決手段】情報提供システムは、ユーザの行動履歴に基づいてユーザごとの実地域への愛着度を算出し、ユーザの行動履歴に基づいてユーザに対応した仮想キャラクターを生成し、実地域への愛着度に基づいて仮想キャラクターが仮想空間において活動可能な地域として仮想地域を設定し、ユーザごとに愛着度、仮想キャラクター、および活動可能な仮想地域を記憶し、ユーザの操作によって仮想キャラクターを仮想空間において操作可能とし、設定された活動可能な地域において仮想キャラクターがユーザに操作されることによって実地域に関する情報をユーザに提供し、仮想空間、仮想キャラクター、およびユーザが操作する仮想キャラクターの操作情報を表示情報として生成し、生成された表示情報をユーザが保有する端末装置に送信する。
【選択図】
図10