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特許7538508アクセスポイント、調査ログ取得方法、および調査ログ取得プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】アクセスポイント、調査ログ取得方法、および調査ログ取得プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/08 20090101AFI20240815BHJP
   H04W 24/02 20090101ALI20240815BHJP
   H04W 88/08 20090101ALI20240815BHJP
【FI】
H04W24/08
H04W24/02
H04W88/08
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023111918
(22)【出願日】2023-07-07
(62)【分割の表示】P 2022061637の分割
【原出願日】2022-04-01
(65)【公開番号】P2023153129
(43)【公開日】2023-10-17
【審査請求日】2023-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077838
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 憲保
(74)【代理人】
【識別番号】100129023
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 敬
(72)【発明者】
【氏名】村田 篤史
【審査官】岡本 正紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-201650(JP,A)
【文献】特開2007-158485(JP,A)
【文献】国際公開第2013/157377(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線スキャンにより無線LAN(Local Area Network)を介して受信した無線データを含む受信信号の電波状態を測定して、測定したスキャンデータをデータベースに格納する状態管理部と、
前記データベースに格納された前記スキャンデータを無線コンソール用に調査ログとして保管する調査ログ保管データベースと、
前記受信信号として受信した接続要求が前記調査ログを確認するための無線コンソール用SSID(Service Set Identifier)である場合に、前記調査ログ保管データベースに保管されている前記調査ログを、前記接続要求を送信した無線端末へ送信するように制御する制御部と、
を備えるアクセスポイント。
【請求項2】
前記状態管理部は、前記無線スキャンにより受信した前記受信信号の電波状態を測定する電波状態測定部を含む、
請求項1に記載のアクセスポイント。
【請求項3】
前記制御部は、
前記受信した接続要求が通信用SSIDであるか前記無線コンソール用SSIDであるかを判別するSSID判別部と、
該SSID判別部により前記受信した接続要求が前記無線コンソール用SSIDであると判別された場合に、前記調査ログ保管データベースにアクセスして前記調査ログを読み取って、前記無線端末へ送信するように制御する第1の通信制御部と、
を含む請求項1又は2に記載のアクセスポイント。
【請求項4】
前記第1の通信制御部は、前記調査ログ保管データベースにのみアクセスできるように構成されている、請求項3に記載のアクセスポイント。
【請求項5】
前記調査ログ保管データベースへの前記調査ログの書き込みは、前記データベースからのみ許可されるように構成されている、請求項3に記載のアクセスポイント。
【請求項6】
前記通信用SSIDのビーコンと前記無線コンソール用SSIDのビーコンとを送信する送信部を更に備える、請求項3に記載のアクセスポイント。
【請求項7】
前記データベースと有線ネットワークとに接続された有線送受信部を更に備え、
前記制御部は、前記SSID判別部により前記受信した接続要求が前記通信用SSIDであると判別された場合に、前記有線送受信部を経由して前記有線ネットワークと通信するように制御する第2の通信制御部を含む、
請求項3に記載のアクセスポイント。
【請求項8】
アクセスポイントから調査ログを取得する調査ログ取得方法であって、
前記アクセスポイントは、無線スキャンにより無線LAN(Local Area Network)を介して受信した無線データを含む受信信号の電波状態を測定して得られたスキャンデータを格納するデータベースと、前記データベースに格納された前記スキャンデータを無線コンソール用に前記調査ログとして保管する調査ログ保管データベースと、を含み、
前記調査ログ取得方法は、
前記受信信号として受信した接続要求が前記調査ログを確認するための無線コンソール用SSID(Service Set Identifier)である場合に、前記調査ログ保管データベースに保管されている前記調査ログを、前記接続要求を送信した無線端末へ送信するように制御する、
調査ログ取得方法。
【請求項9】
前記受信した接続要求が通信用SSIDであるか前記無線コンソール用SSIDであるかを判別し、
前記受信した接続要求が前記無線コンソール用SSIDであると判別された場合に、前記調査ログ保管データベースにアクセスして前記調査ログを読み取って、前記無線端末へ送信するように制御する、
請求項8に記載の調査ログ取得方法。
【請求項10】
アクセスポイントであるコンピュータに、前記アクセスポイントから調査ログを取得させる調査ログ取得プログラムであって、
前記アクセスポイントは、無線スキャンにより無線LAN(Local Area Network)を介して受信した無線データを含む受信信号の電波状態を測定して得られたスキャンデータを格納するデータベースと、前記データベースに格納された前記スキャンデータを無線コンソール用に前記調査ログとして保管する調査ログ保管データベースと、を含み、
前記調査ログ取得プログラムは、前記コンピュータに、
前記受信信号として受信した接続要求が通信用SSID(Service Set Identifier)であるか前記調査ログを確認するための無線コンソール用SSIDであるかを判別するSSID判別手順と、
該SSID判別手順により前記受信した接続要求が前記無線コンソール用SSIDであると判別された場合に、前記調査ログ保管データベースにアクセスして前記調査ログを読み取って、前記接続要求を送信した無線端末へ送信するように制御する通信制御手順と、
を実行させるための調査ログ取得プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線LAN(Local Area Network)を利用したアクセスポイント、調査ログ取得方法、および調査ログ取得プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、スマートフォンやタブレット端末の普及によってここ数年で無線LANを利用した通信が爆発的に増えている。現在では駅前や大型量販店、百貨店などで大量の無線LANが使用されている。
【0003】
ところで、無線LANにおいては、媒体アクセス制御方式として、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)と言う方式が採用されている。CSMA/CAは、無線LANの通信規格のIEEE802.11a、802.11b、802.11gの通信手順として採用されている。このCSMA/CAの仕組みにより、無線通信端末は、通信開始前に周囲の電波を受信して同一チャンネルに現在通信を行っている他の無線通信端末がいないかを確認(Carrier Sense)し、他の無線通信端末の通信が行われていない場合に通信を開始する(Multiple Access)。
【0004】
例えば、同じチャンネルを使用する他の無線通信端末が多数存在するとする。この場合、CSMA/CAでは、まず、それぞれの無線通信端末が今通信している他の無線通信端末が無いか否かを確認する。そして、CSMA/CAでは、他の無線通信端末の通信が確認された段階で、自身の無線通信端末はランダムな長さの待ち時間を取り、その待ち時間が経過した後に再度現在通信を行っている他の無線通信端末がいないかの確認を行う(Collision Avoidance)。
【0005】
このため、無線通信端末の使用者からはなかなか通信が終わらずに、クレームとなる事例が発生している。
【0006】
特許文献1は、利用者が無線LANを利用する可能性が高い場所について通信状態の良否を示す指標を効率良く測定し、その測定結果を運用管理者に遅滞なく把握させる技術を開示している。
【0007】
特許文献1に開示された無線端末装置では、当該無線端末装置が移動中であるかそうでないかを判別し、移動していないと判断した時の無線LANの通信状態の良否を示す指標を所定の宛先に転送する機能を実現している。
【0008】
特許文献1では、通信状態の良否を示す指標の具体例として、同じチャンネルを使用するアクセスポイントとの電波干渉や、アクセスポイントから送信される通信電波の通信電力の大きさ(電界強度)、アクセスポイントから送信したフレームのCRC(Cyclic Redundancy Check)エラー率やフレーム再送率などを挙げている。
【0009】
特許文献1に開示の無線端末装置は、アクセスポイントへMAC(Media Access Control)フレームを送信し、アクセスポイントから送信されたMACフレームを受信する。また、無線端末装置は、無線LANのアクセスポイントから送信される通信電力を測定する通信電力機能を有している。この通信電力機能を利用して無線端末装置の利用者の勤務場所に敷設された無線LANのサイトサーベイ(すなわち、当該無線LANについての通信状態の良否の計測)が実現される。無線端末装置は、上記サイトサーベイを実現するための構成として、加速度センサ、移動判定部、計時部、測定制御部、無線制御部、通信電力測定部、BSSID(Basic Service Set Identifier)判定部、測定結果記録手段、メール送信制御部、メール送信部、およびメール送信先情報保持手段を有している。BSSID判定部は、入力されたMACフレームから何れのアクセスポイントから送信されたものであるかを示す情報を測定制御部へ出力する。BSSID判定部は、復号化部から与えられたMACフレームのヘッダ部に含まれるアクセスポイントのアドレス(BSSID)を読み出し、当該BSSIDを当該MACフレームの送信元を示す情報として測定制御部へ出力する。
【0010】
また、特許文献2は、サイトサーベイ方法に関する技術的思想を開示している。特許文献2は、「無線LANシステムにおいては、アクセスポイント(以下、「AP」と称す)の設置時に、サイトサーベイと呼ばれる作業を行う。」ことや、「サイトサーベイとは、APに最適なチャンネルを設定するために、APの設置場所周辺の無線LANの通信環境を調査する作業である。」ことを記載している。
【0011】
特許文献2に開示された無線LANシステムは、制御装置であるコントローラと、複数のAPと、複数の端末であるSTAと、ハブと、を有している。STAは、メモリと、通信部と、制御部と、を有している。制御部は、メモリ管理部と、スキャン部と、を有している。
【0012】
特許文献2において、STAのスキャン部は、接続する無線LANネットワーク内のAPとのリンク確立時に、まず、周辺にどのようなAPが存在するか確認するためのスキャン処理を行う。スキャン処理では、スキャン部は、使用可能な全てのチャンネル上に順次プローブリクエストをブロードバンドで送出し、そのチャンネル上に存在する周辺のAPからプローブレスポンスを受信する。これにより、スキャン部は、周辺のAPのAP情報として、プローブレスポンスに設定されている無線LANネットワーク識別ID(以下、「SSID」と称す)やMACアドレス(以下、「BSSID」と称す)を取得し、また、プローブレスポンスを受信した時の電界強度(以下、「RSSI(Received Signal Strength Indicator)」と称す)を測定し取得することができる。STAのメモリ管理部は、スキャン部にて行われたスキャン処理により得られた外部APのAP情報を、リンクを確立するAPの接続チャンネルの外部AP情報として、メモリに格納する。コントローラの収集部は、各SATから外部AP情報を収集する。具体的には、収集部は、各STAに対し、外部AP情報の送信要求を行い、各STAから外部AP情報を収集する。ここで収集された外部AP情報は、メモリ管理部により、APにおいて現在使用している接続チャンネルごとに、メモリに格納されることになる。
【0013】
このように、特許文献2では、各端末(各STA)がスキャン処理により周辺APの情報を取得し、制御装置(コントローラ)が各端末(各STA)の外部APの情報を収集している。
【0014】
特許文献3は、障害発生後にリアルタイムなログ情報を容易に収集できる通信システムを開示している。特許文献3に開示された通信システムは、通信装置と、第一基地局と、ログ収集端末と、第二基地局と、LANとを備える。
【0015】
通信装置は、第一基地局との間で無線通信リンクを確立し得る通信装置である。無線通信リンクには、所定のSSID(Service Set Identifier)、及び、所定の暗号化方式で無線通信が行われる。無線通信は、例えば、IEEE802.11a、b、g、n規格などに適合する無線LANにより実現される。通信装置は、特定のSSIDを検出したことをトリガとして、自らのログ情報を、ビーコンフレームに載せブロードキャスト送信する機能を有する。
【0016】
第一基地局は、通信装置との間で無線通信リンクを確立し得る基地局である。第一基地局は、LANを通じて、他のネットワーク(例えば、インターネットなどの外部ネットワークなど)と接続し、通信装置と他のネットワークとの間の通信を中継することができる。第一基地局は、例えば、無線回路モジュールを備える無線アクセスポイントである。
【0017】
ログ収集端末は、通信装置との間で無線通信を確立し得る端末である。ログ収集端末は、通信装置と第一基地局との間で行われる無線通信のやりとり、通信装置の動作記録などを随時、ログ情報として収集するために使用する通信端末である。ログ収集端末のユーザは、通信装置がブロードキャスト送信するビーコンフレームに載せたログ情報をキャプチャにより取得し、これを解析して不具合の原因究明に役立てる。
【0018】
第二基地局は、周囲の装置に向けて無線フレームを送信する基地局である。第二基地局は、自装置に予め定められた特定のSSIDを少なくとも1つ以上備えている。第二基地局は、周囲の装置に対し、この特定のSSIDをビーコンフレームに格納して送信する。また、第二基地局は、特定のSSIDを2つ(以後、デバッグ開始用SSIDと、デバッグ終了用SSID)備え、それぞれ所定の条件下でビーコンフレームに格納して送信してもよい。デバッグ開始用SSIDは、通信装置との無線通信において、通信装置がビーコンフレームに格納された当該SSIDを取得することにより、通常モードからデバッグモードにモードを切り替える契機となる情報である。一方、デバッグ終了用SSIDは、通信装置との無線通信において、通信装置がビーコンフレームに格納された当該SSIDを取得することにより、デバッグモードから通常モードにモードを切り替える契機となる情報である。第二基地局は、例えば、無線回路モジュールを備える無線アクセスポイントである。
【0019】
通信装置と第一基地局との間で通信障害が発生した場合、その障害の原因を解析すべく、ログ収集端末および第二基地局が持ち込まれ、通信装置が第二基地局からのデバッグ開始用SSIDを検知することを契機として通信装置のモードがデバッグモードに遷移し、ログ情報をビーコンフレームに搭載する。そのビーコンフレームが通信装置からブロードキャスト送信され、ログ収集端末がログ情報を収集する。
【0020】
通信装置は、無線通信部と、判断部と、通信制御部と、記憶部と、フレーム生成部と、通信モードフラグとを備える。無線通信部は、自装置(通信装置)が備える無線インタフェースを介して、第一基地局およびログ収集端末とそれぞれ、無線通信に関する種々の処理を行う。無線通信部は自装置と第一基地局との間で行われる無線通信のやりとりに関する情報を記憶部にログ情報として一時的に保持する。無線通信部は、デバッグモードの際、ログ情報を載せたビーコンフレームを、所定の送信出力でブロードキャスト送信する。記憶部は、通信モードが通常モードとデバッグモードとの間を遷移するか否かの判断時に参照するデバッグ開始用SSIDおよびデバッグ終了用SSIDを記憶している。
【0021】
特許文献4は、効率的に無線環境情報を取得しスループットの低下を回避する無線システムを開示している。特許文献4に開示された、複数基地局無線通信システムは、M個の無線基地局と、ネットワークと、複数基地局コントローラと、から構成される。基地局は、例えば無線LAN(Local Area Network)におけるアクセスポイント(AP:Access Point)である。各無線基地局は、無線環境監視装置を備えている。無線環境監視装置は、各基地局において無線環境情報を取得する装置である。無線環境情報とは、例えば、無線通信に用いているチャネルの所定時間における通信を行っていない時間の割合を示す空き時間率(BUSY率)やパケット誤り率(PER:Packet Error Rate)等である。また、無線LANの場合、空き時間率の代わりにSSID(Service Set Identifier)数や再送発生頻度を用いることもできる。また、パケット誤り率の代わりにFER(Frame Error Ratio)を用いてもよい。
【0022】
基地局は、少なくとも無線リソースパラメータ設定部、通信部、異常通知部、記憶部を備えている。無線リソースパラメータ設定部は、複数基地局コントローラが決定した無線リソースのパラメータを自基地局に設定する。無線リソースのパラメータとは、例えば、使用する周波数、帯域、送信電力、チャネル等である。通信部は、アンテナを介して当該基地局を利用する端末局と無線による通信を行う。また、通信部は、ネットワークを介して複数基地局コントローラと通信を行う。異常通知部は、自基地局で通信状況の異常があったときに通信部を介して異常の発生を周辺基地局に通知する。また、異常通知部は、通信部を介して複数基地局コントローラに異常が生じた無線通信チャネルについて測定した無線環境情報を送信する。記憶部は、自基地局の無線リソースパラメータの値や周辺基地局の識別情報などを記憶している。
【0023】
無線環境監視装置は少なくとも環境情報測定部、伝送品質判定部、ログ記録部、記憶部を備えている。環境情報測定部は、チャネルごとの空き時間率とパケット誤り率を測定する。伝送品質判定部は、環境情報測定部が測定した空き時間率とパケット誤り率とから無線通信の伝送品質を判定する。具体的には伝送品質判定部は、2段階に設定された閾値(閾値1及び閾値2)と空き時間率やパケット誤り率とを比較して通信環境の劣化を判断する。ログ記録部は、伝送品質判定部が通信環境が劣化したと判断した場合に空き時間率とパケット誤り率とを含む情報をログに出力する。記憶部は、予め定められた閾値1及び閾値2などを記録している。
【0024】
詳述すると、環境情報測定部が、定期的に自基地局が通信に用いているチャネルにおいて通信伝送状況を監視し、空き時間率とパケット誤り率とを測定する。伝送品質判定部は、空き時間率が閾値1 BUSYより大きく且つパケット誤り率が閾値1 PERより大きい場合、環境情報測定部から取得した空き時間率とパケット誤り率とをログ記録部へ出力する。伝送品質判定部は、空き時間率が閾値2 BUSYより大きいか、又はパケット誤り率が閾値2 PERより大きい場合、ログ記録部に出力した情報を基地局の異常通知部へ出力する。異常通知部は、無線環境監視装置の伝送品質判定部から異常の生じたチャネルの識別情報とそのチャネルの空き時間率とパケット誤り率とそれらを測定した時刻とを取得すると通信部に複数基地局コントローラへそれらの情報を伝送する指示を行う。通信部はネットワークを介して複数基地局コントローラへ異常のあったチャネル、空き時間率、パケット誤り率、時刻を含む情報を送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【文献】特開2017-143544号公報
【文献】特開2010-213040号公報
【文献】特開2019-180012号公報
【文献】特開2015-146507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
しかしながら、特許文献1~4には、次に述べるような問題がある。
【0027】
特許文献1では、たとえ上述した指標がわかったとしても、無線LANの障害に関しては、実際にはアクセスポイントから確認できない無線LAN以外の電波が原因だったり、器材のノイズだったりする場合がある。また、特許文献1は、無線端末装置の内部構成や動作については記載しているが、アクセスポイントの内部構成や動作については何ら開示も示唆もしていない。
【0028】
無線LAN以外の電波が原因だったり、器材のノイズだったりする場合、特許文献2に開示されているような、現地でのサイトサーベイや電波調査を実施することになる。しかしながら、特許文献2は、アクセスポイントの設置時でのサイトサーベイについて開示しているにすぎず、無線LANの障害時でのサイトサーベイについては何ら開示も示唆もしていない。しかも、特許文献2は、端末(STA)や制御装置(コントローラ)の内部構成や動作については記載しているが、アクセスポイントの内部構成や動作については何ら開示も示唆もしていない。
【0029】
特許文献3は、障害発生後にリアルタイムなログ情報を容易に収集できる通信システムを開示している。しかしながら、特許文献3も、通信装置の内部構成や動作については記載しているが、無線アクセスポイントである基地局の内部構成や動作については何ら開示も示唆もしていない。すなわち、特許文献3において、通信装置と第一基地局との間で行われる無線通信のやりとりに関する情報は、ログ情報として通信装置の記憶部に一時的に保持される。第二基地局からのデバック開始用SSIDを検知することを契機として、通信装置は、ログ情報を搭載したビーコンフレームをブロードキャスト送信する。ログ収集端末は、ビーコンフレームに載せたログ情報をキャプチャにより取得しているだけである。
【0030】
一方、特許文献4は、基地局(アクセスポイント)の内部構成や動作について開示している。特許文献4に開示された基地局(アクセスポイント)では、通信環境が劣化したと判断された、空き時間率とパケット誤り率とを含む情報をログ情報としてログ記録部に記録している。基地局(アクセスポイント)の通信部は、ログ記録部に記録しているログ情報のうち、閾値より大きいログ情報を、通信用ネットワークを介して接続されたコントローラへ送信している。したがって、特許文献4では、基地局(アクセスポイント)に記録されたログ情報を取得するためには、通信用ネットワーク(ネットワーク網)を介して接続されたコントローラを必要とする。
【0031】
前述したような現地調査では、通信用ネットワーク(ネットワーク網)に接続することなく、アクセスポイントに記録されたログ情報を取得することが望まれる。
【0032】
しかしながら、調査先では機器(アクセスポイント)の調査ログが確認できなかったり、例えば、後日調査結果と調査ログとを確認した時に必要な情報が無かったりなどの、トラブルが生じることがある。
【0033】
上述したように、無線LANの障害に関しては、現地でのサイトサーベイや電波調査を実施する場合が多い。しかしながら、調査先では機器(アクセスポイント)の調査ログを確認できなかったり、例えば、後日調査結果と調査ログとを確認した時に必要な情報が無かったりなどする。その結果、無線LANの障害原因がつかめずに、原因究明に時間がかかることがある。したがって、設置されたアクセスポイントから調査ログを、ネットワーク網に接続せずに安全に取得する方法が必要となる。
【0034】
すなわち、無線LANを利用したアクセスポイントに関しては、無線LANの障害時に、現地でのサイトサーベイや電波調査を実施する。しかしながら、調査先では機器(アクセスポイント)の調査ログが確認できなかったり、リアルタイムでアクセスポイントの状態を調査ログで追えずに障害原因が特定できなかったりなどの問題がある。
【0035】
本発明の目的は、上述した課題を解決するアクセスポイント、調査ログ取得方法、および調査ログ取得プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0036】
本発明のアクセスポイントは、無線スキャンにより無線LAN(Local Area Network)を介して受信した無線データを含む受信信号の電波状態を測定して、測定したスキャンデータをデータベースに格納する状態管理部と;前記データベースに格納された前記スキャンデータを無線コンソール用に調査ログとして保管する調査ログ保管データベースと;前記受信信号として受信した接続要求が前記調査ログを確認するための無線コンソール用SSID(Service Set Identifier)である場合に、前記調査ログ保管データベースに保管されている前記調査ログを、前記接続要求を送信した無線端末へ送信するように制御する制御部と;を備える。
【0037】
本発明の調査ログ取得方法は、アクセスポイントから調査ログを取得する方法であって、前記アクセスポイントは、無線スキャンにより無線LAN(Local Area Network)を介して受信した無線データを含む受信信号の電波状態を測定して得られたスキャンデータを格納するデータベースと;前記データベースに格納された前記スキャンデータを無線コンソール用に前記調査ログとして保管する調査ログ保管データベースと;を含み、前記調査ログ取得方法は、前記受信信号として受信した接続要求が前記調査ログを確認するための無線コンソール用SSID(Service Set Identifier)である場合に、前記調査ログ保管データベースに保管されている前記調査ログを、前記接続要求を送信した無線端末へ送信するように制御する。
【0038】
本発明の調査ログ取得プログラムは、アクセスポイントであるコンピュータに、前記アクセスポイントから調査ログを取得させるプログラムであって、前記アクセスポイントは、無線スキャンにより無線LAN(Local Area Network)を介して受信した無線データを含む受信信号の電波状態を測定して得られたスキャンデータを格納するデータベースと;前記データベースに格納された前記スキャンデータを無線コンソール用に前記調査ログとして保管する調査ログ保管データベースと;を含み、前記調査ログ取得プログラムは、前記コンピュータに、前記受信信号として受信した接続要求が通信用SSID(Service Set Identifier)であるか前記調査ログを確認するための無線コンソール用SSIDであるかを判別するSSID判別手順と、該SSID判別手順により前記受信した接続要求が前記無線コンソール用SSIDであると判別された場合に、前記調査ログ保管データベースにアクセスして前記調査ログを読み取って、前記接続要求を送信した無線端末へ送信するように制御する通信制御手順と、を実行させる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、ネットワーク網に直接繋がなくとも、調査ログの取得のみを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の第1実施形態に係るアクセスポイントの構成を示すブロック図である。
図2図1に示されたアクセスポイントの通信用SSID、無線コンソール用SSIDの設定例を示す図である。
図3図1に示したアクセスポイントと第1および第2の無線端末の動作方法を説明するための図である。
図4図1に示したアクセスポイントの動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
先ず、本発明の実施形態の概要について説明する。
【0042】
本発明の実施形態に係るアクセスポイントは、無線LANの無線機能を以て通常の無線通信を行える通信用SSIDと、調査ログの確認のみができる無線コンソール用SSIDとの両方を送出することができる。通信用SSIDは、通常SSIDとも呼ばれる。アクセスポイントは、無線モジュールの無線スキャンによって得た電波干渉、チャンネル使用率等の情報を専用データベースに保管しておくことができる。その結果、無線端末は、調査ログが確認できる無線コンソール用SSIDからいつでも調査ログを確認することができる。
【0043】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0044】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るアクセスポイントA1の構成を示すブロック図である。アクセスポイントA1は、無線送受信部11と、状態管理部12と、制御部13とを含む。無線送受信部11は、上記無線モジュールとして働く。
【0045】
無線送受信部11は、無線LANを介した無線データを含む無線信号(電波)の送受信を行う。詳述すると、無線送受信部11は、受信部101と送信部102とを含む。受信部101は、無線LANを介して無線データを含む無線信号を受信信号として受信する。送信部102は、無線LANを介して無線データを含む無線信号を送信信号として送信する。
【0046】
状態管理部12は、当該アクセスポイントA1の状態を管理する。詳述すると、状態管理部12は、無線送受信部11の受信部101に接続されている。状態管理部12は、電波状態測定部103と、データベース104とを含む。データベース104は、アクセスポイントA1のメインの記憶媒体として働く。すなわち、データベース104は、ファームウェアや機器自体のイベントログ情報などの各種ログデータを格納する。電波状態測定部103は、無線スキャン(電波スキャン)によって、受信した無線データを含む無線信号(受信信号)の電波状態を測定する。データベース104は、その電波スキャンの測定データの結果を、各種ログデータの1つであるスキャンデータ(無線スキャンのログデータ)として格納する。ここで、「無線スキャン(電波スキャン)」とは、周囲の無線LANアクセスポイントのビーコンを各チャンネルでスキャンし、どのアクセスポイントがどのSSIDで、どのチャネルで通信を行っており、どの程度の電波強度で見えているか、また、そのSSIDでの無線通信がどの程度通信時間を占有しているか(チャンネル使用率にあたる)などを確認する機能をいう。なお、「ビーコン」については後で詳述するが、ビーコンは、基本的に無線LANアクセスポイントが無線端末に自分の存在を伝えるために定期的(例えば、100ミリ秒毎)に送信している無線フレームである。
【0047】
アクセスポイントA1は、上記専用データベースとして、調査ログ保管データベース108を備える。調査ログ保管データベース108は、状態管理部12のデータベース104に接続されている。調査ログ保管データベース108は、データベース104に格納されたスキャンデータ(無線スキャンのログデータ)を、無線コンソール用に調査ログとして格納(保管)する。詳述すると、アクセスポイントA1は、データベース104に格納されている各種ログデータのうち、上述した無線スキャンで入手できる電波干渉やチャンネル占有率等の、無線スキャンのログデータのみを、調査ログとして調査ログ保管データベース108に保存する。なお、無線スキャンのログデータの調査ログ保管データベース108への書き込みタイミングについては後述する。
【0048】
制御部13は、当該アクセスポイントA1の全体の動作を制御する。詳述すると、制御部13は、無線送受信部11と調査ログ保管データベース108とに接続されている。制御部13は、SSID判別部105と、第1の通信制御部106と、第2の通信制御部107とからなる。図1では、第1の通信制御部106を「通信制御部A」として図示し、第2の通信制御部107を「通信制御部B」として図示している。
【0049】
SSID判別部105は、無線送受信部11の受信部101から来た通信(受信信号)がどのSSIDからの通信(受信信号)かを判別する。第1の通信制御部(通信制御部A)106は、後述するように、無線コンソール用SSIDからの通信を制御する。第2の通信制御部(通信制御部B)107は、通常SSIDの通信を制御する。
【0050】
アクセスポイントA1は、さらに、有線送受信部109を備える。有線送受信部109は、状態管理部12のデータベース104と、制御部107の第2の通信制御部(通信制御部B)107と、有線LAN(図示せず)とに接続されている。有線送受信部109は、第2の通信制御部(通信制御部B)107とデータベース104の情報を、有線LAN側の装置(図示せず)とやり取りし、通信を行う。
【0051】
以上、本発明の第1の実施形態に係るアクセスポイントA1の構成について述べた。しかしながら、図1に図示していない、無線LAN端末に関する部位については、本発明と直接の関係が無いため、その詳細な構成を省略する。
【0052】
図2は、アクセスポイントA1の通信用SSIDW1、無線コンソール用SSIDW2の設定例を示す図である。
【0053】
SSID判別部105は、受信部101で受信した受信信号の接続要求が、通信用SSIDW1であるか、無線コンソール用SSIDW2であるかを判別する。接続要求が通信用SSIDW1であった場合、制御部13は、第2の通信制御部(通信制御部B)107と通信するように動作する。接続要求が無線コンソール用SSIDW2であった場合、制御部13は、第1の通信制御部(通信制御部A)106と通信するように動作する。
【0054】
第1の通信制御部(通信制御部A)106は、調査ログ保管データベース108のみにアクセスできるように構成(設計)され、調査ログの読み取りのみが許可されている。調査ログ保管データベース108への調査ログの書き込みは、データベース104からのみ許可される。詳述すると、基本的には、周囲の電波環境の無線スキャンに関しても、ある一定の間隔(例えば、デフォルト10分に1回で、設定で可変など)で実行される。アクセスポイントA1は、上述した無線スキャンのログデータのデータベース104への書き込みが終了した時点で、調査ログ保管データベース108にその無線スキャンのログデータを調査ログとして書き込み、保管する。
【0055】
図3は、アクセスポイントA1と第1および第2の無線端末P1、P2の動作方法を説明するための図である。第1の無線端末P1は、通信用ネットワーク(ネットワーク網)へ接続し通信を行う目的の無線端末である。第2の無線端末P2は、アクセスポイントA1の調査ログの入手を行う目的の無線端末である。
【0056】
前述したように、アクセスポイントA1は、通信用SSIDW1と無線コンソール用SSIDW2との両方を送出する機能を有する。無線送受信部11は、通信用SSIDW1や無線コンソール用SSIDW2などの無線情報を保存するためのフラッシュメモリ(図示せず)を含む。アクセスポイントA1は、フラッシュメモリから通信用SSIDW1と無線コンソール用SSIDW2とを読み込んで、無線送受信部11の送信部102から、送信信号として、通信用SSIDW1のビーコンと無線コンソール用SSIDW2のビーコンとを送信する。ここで、「ビーコン」とは、前述したように、無線LANアクセスポイントが定期的に自分の存在を周囲の無線端末に周知するための無線フレームである。したがって、このビーコンの情報に基づいて、無線端末はアクセスポイントとの接続を行う。ビーコンには、無線LANとして接続する際に、アクセスポイントがサポートしている機能情報や、無線LANアクセスポイントに繋げるためのSSIDの情報などが付与される。ビーコンは、通常、100ミリ秒毎に定期的に無線送信される。よって、アクセスポイントA1は、通信用SSIDW1と無線コンソール用SSIDW2との用途の異なる別のビーコンを、2種類ほぼ同時に(全く同時には送信できないので連続で)送信している。このように、アクセスポイントA1は、基本的には常にビーコンを送信しているが、障害時にのみ、無線コンソール用SSIDW2のビーコンを送信するように設定してもよい。
【0057】
図4は、図1に示したアクセスポイントA1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0058】
最初に、通信用ネットワーク(ネットワーク網)へ接続し通信を行う目的の第1の無線端末P1が、アクセスポイントA1の通信用SSIDW1のビーコンを受信する場合の動作について説明する。
【0059】
この場合、第1の無線端末P1は、アクセスポイントA1に対して通信用SSIDW1への接続要求を送信する(ステップ201)。
【0060】
したがって、アクセスポイントA1の受信部101は、第1の無線端末P1からの接続要求を受信する(ステップ202)。アクセスポイントA1のSSID判別部105は、接続要求に基づいて、その受信した電波の接続要求先が通信用SSIDW1のものか、無線コンソール用SSIDW2のものかを判別する(ステップ203)。
【0061】
第1の無線端末P1の場合は通信用SSIDW1に対して接続要求を行っている。この為、SSID判別部105は第1の無線端末P1との通信を第2の通信制御部(通信制御部B)107へと振り分け、有線送受信部109を経由して通常のネットワーク(有線LAN)との通信が可能となる(ステップ204)。
【0062】
アクセスポイントA1は、しばらく通信を行い、通信切断・通信タイムアウトがあり次第(ステップ205、ステップ206のYES)、無線通信を終了する(ステップ207、ステップ208)。
【0063】
次に、アクセスポイントA1の調査ログの入手を行う目的の第2の無線端末P2が、アクセスポイントA1の無線コンソール用SSIDW2のビーコンを受信する場合の動作について説明する。
【0064】
この場合、第2の無線端末P2は、アクセスポイントA1に対して無線コンソール用SSIDW2への接続要求を送信する(ステップ201)。
【0065】
したがって、アクセスポイントA1の受信部101は、第2の無線端末P2からの接続要求を受信する(ステップ202)。アクセスポイントA1のSSID判別部105は、接続要求に基づいて、その受信した電波の接続要求先が通信用SSIDW1のものか、無線コンソール用SSIDW2のものかを判別する(ステップ203)。
【0066】
第2の無線端末P2は無線コンソール用SSIDW2に対して接続要求を行っている。この為、SSID判別部105は、第2の無線端末P2との通信を第1の通信制御部(通信制御部A)106へと振り分ける。その結果、第2の無線端末P2には第1の通信制御部(通信制御部A)106からDHCP(dynamic host configuration protocol)でIP(internet protocol)アドレスを自動設定し、検査ログ保管データベース108からの調査ログ(ログデータ)の取得が可能となる(ステップ209)。
【0067】
アクセスポイントA1は、しばらく通信を行い、通信切断・通信タイムアウトがあり次第(ステップ210、ステップ211のYES)、無線通信を終了する(ステップ207、ステップ208)。
【0068】
この際、第1の通信制御部(通信制御部A)106から検査ログ保管データベース108へのアクセスは、読み取りのみが許可されている。したがって、第1の通信制御部(通信制御部A)106から検査ログ保管データベース108へのデータの書き込みなどは一切行えず、調査ログを取得する事のみが可能である。また、第1の通信制御部(通信制御部A)106は有線送受信部109と通信できない。そのため、無線コンソール用SSIDW2を経由してネットワーク網に侵入することはできない。
【0069】
これにより、第2の無線端末P2は、現地調査などの際にも調査ログが確認できる無線コンソール用SSIDからいつでも調査ログを確認できる。その結果、アクセスポイントA1をネットワーク網に直接繋がなくとも、ログ取得・調査を行うことが可能となる。
【0070】
そのため、本発明のように外部に直接繋ぐことが出来ずにアクセスポイントの調査ログだけを読み取ることのできる無線コンソールを持つアクセスポイントA1によって、障害調査時の原因究明を容易にすることが出来るようになる。
【0071】
なお、アクセスポイントA1の制御部13の各部は、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを用いて実現可能である。ハードウェアとしては、CPU(central processing unit)とROM(read only memory)やRAM(random access memory)から成るプログラムメモリとを含む。ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせた形態では、プログラムメモリに調査ログ取得プログラムが格納され、該調査ログ取得プログラムに基づいてCPU等のハードウェアを動作させることによって、各部を各種手段として実現する。また、該調査ログ取得プログラムは、記録媒体に記録されて頒布されても良い。当該記録媒体に記録された調査ログ取得プログラムは、有線、無線、又は記録媒体そのものを介して、メモリに読込まれ、制御部等を動作させる。尚、記録媒体を例示すれば、オプティカルディスクや磁気ディスク、半導体メモリ装置、ハードディスクなどが挙げられる。
【0072】
上記実施の形態を別の表現で説明すれば、制御部13として動作させるコンピュータ(CPU)を、プログラムメモリに格納(展開)された調査ログ取得プログラムに基づき、SSID判別部105、第1の通信制御部(通信制御部A)106、および第2の通信制御部(通信制御部B)107として動作させることで実現することが可能である。
【0073】
次に本実施形態の効果について説明する。
【0074】
本実施形態の調査ログ取得方法によれば、ネットワーク網に直接繋がなくとも、ログ取得・調査を行うことが可能となる。その理由は、調査ログだけを読み取ることのできる無線コンソール用SSIDW2を持つアクセスポイントA1によって障害調査を行なっているからである。
【0075】
(他の実施形態)
本発明は、上述した無線LAN以外にもBluetoothなどの異なる無線規格においても同様の無線コンソールを実装してもよい。
【0076】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、オフィスや商店など、室内におけるアクセスポイントを利用するケース全般で利用可能である。
【符号の説明】
【0078】
A1 アクセスポイント
11 無線送受信部
101 受信部
102 送信部
12 状態管理部
103 電波状態測定部
104 データベース
13 制御部
105 SSID判別部
106 第1の通信制御部(通信制御部A)
107 第2の通信制御部(通信制御部B)
108 調査ログ保管データベース(専用データベース)
109 有線送受信部
図1
図2
図3
図4