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特許7538567塗装用遮蔽保護具、製造方法及びワークの塗装方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】塗装用遮蔽保護具、製造方法及びワークの塗装方法
(51)【国際特許分類】
   B05B 12/20 20180101AFI20240815BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20240815BHJP
   B05D 1/32 20060101ALI20240815BHJP
   B05D 1/04 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
B05B12/20
B05D7/24 302C
B05D7/24 301A
B05D1/32 E
B05D1/04 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023208300
(22)【出願日】2023-12-11
【審査請求日】2023-12-11
(31)【優先権主張番号】202311367763.5
(32)【優先日】2023-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523466488
【氏名又は名称】青島虹聯聖博工貿有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100145470
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 健一
(72)【発明者】
【氏名】張徳智
(72)【発明者】
【氏名】肇雪梅
【審査官】大塚 美咲
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-066659(JP,U)
【文献】特開2009-195782(JP,A)
【文献】特開2002-079152(JP,A)
【文献】登録実用新案第3236445(JP,U)
【文献】特開2004-033973(JP,A)
【文献】実開昭63-118980(JP,U)
【文献】特開平01-284357(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 12/20
B05D 1/04
B05D 7/24
B05D 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル遮蔽本体(1)を含み、前記フレキシブル遮蔽本体(1)の内部には、前記フレキシブル遮蔽本体(1)を支持するためのフレキシブル支持部材(2)が設けられ、前記フレキシブル支持部材(2)は、前記フレキシブル遮蔽本体(1)を塗装対象ワークの表面に貼り合わせることができ、
前記フレキシブル支持部材(2)には、少なくとも一つの取付溝(3)が設けられ、前記取付溝(3)内には吸着部材(4)が設けられ、
前記フレキシブル遮蔽本体(1)の縁には塗装液を排出するためのガイド溝(5)が設けられ、
前記ガイド溝(5)の外側には、塗装中の塗装液による塗装用遮蔽保護具への衝撃を緩衝するための傾斜緩衝部(6)が接続され、
前記傾斜緩衝部(6)の厚さは、前記ガイド溝(5)の片側から外側に向かって徐々に薄くなることを特徴とする塗装用遮蔽保護具。
【請求項2】
前記傾斜緩衝部(6)の傾斜角は10°~30°であることを特徴とする請求項1に記載の塗装用遮蔽保護具。
【請求項3】
前記傾斜緩衝部(6)の最薄部の厚さは0.01mm~0.3mmであることを特徴とする請求項1に記載の塗装用遮蔽保護具。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の塗装用遮蔽保護具を製造するための塗装用遮蔽保護具の製造方法であって、
金型と加硫機を用いてフレキシブル遮蔽本体(1)の下半分を射出成形して半製品を製造するステップ1と、
予め製造されたフレキシブル支持部材(2)と吸着部材(4)を、ステップ1で製造されたフレキシブル遮蔽本体(1)の下半分の予め設計された対応する位置に配置するステップ2と、
ステップ2でフレキシブル支持部材(2)と吸着部材(4)が配置された半製品を完成品形状に射出成形するステップ3と、を含むことを特徴とする塗装用遮蔽保護具の製造方法。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載の塗装用遮蔽保護具を用いて塗装遮蔽を行うことを含み、ここで、塗装遮蔽は漆塗装、静電塗装、電気泳動または粉体塗装の遮蔽を含み、または塗装遮蔽は塗装前処理の遮蔽を含むことを特徴とするワークの塗装方法。
【請求項6】
ワーク表面の形状に基づいて前記フレキシブル遮蔽本体の形状を決定することを含む請求項1~3のいずれか1項に記載の塗装用遮蔽保護具を製造するステップ1と、
製造された複数の塗装用遮蔽保護具を塗装対象ワークの表面に接合吸着させるステップ2と、
スプレー塗装又はスプレー塗装前処理をするステップ3と、
塗装用遮蔽保護具を取り外すステップ4と、を含むことを特徴とする請求項に記載のワークの塗装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は塗装用保護具用品の分野に属し、特に塗装用遮蔽保護具、製造方法及びワークの塗装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
塗装は現代製品を製造する工程における重要な一環である。防錆、防食塗装の品質は製品の品質全体にとって重要なポイントの一つである。製品の外観品質は製品の防護、装飾性能を反映するだけでなく、製品の価値を構成する重要な要素でもある。
【0003】
中国特許CN214637947Uの「塗装遮蔽に用いられる新型保護具」(出願番号202023072990.X)は塗装遮蔽に用いられる新型保護具を開示し、フレキシブル遮蔽板を含み、前記フレキシブル遮蔽板の背面周囲には複数の係止溝が設けられ、前記係止溝内には取り外し自在な磁石ブロックが嵌め込まれ、ワーク表面の塗装防護問題を解決する。しかし、該技術ではフレキシブル遮蔽板の強度が低く、フレキシブル遮蔽板における磁石が落ちやすく、製品不良をもたらし、しかも防水・防油を行わず、異形及び大きいサイズ又は極細極長ワークの遮蔽防護作業に期待される効果が得られなかった。
【0004】
以上の問題を解決するために、塗装用遮蔽保護具、製造方法及びワークの塗装方法を提案し、保護具の強度を増加し、大きいサイズ及び異形ワーク塗装時の防水や防油などの防護問題を解決する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術問題に対して、本発明の実施例は塗装用遮蔽保護具、製造方法及びワークの塗装方法を提供し、大きいサイズ及び異形ワークの塗装防護問題を効果的に解決できるようになる。
【0006】
本発明の実施例の第1態様は塗装用遮蔽保護具を提供し、
フレキシブル遮蔽本体を含み、前記フレキシブル遮蔽本体の内部には、前記フレキシブル遮蔽本体を支持するためのフレキシブル支持部材が設けられ、前記フレキシブル支持部材は、前記フレキシブル遮蔽本体を塗装対象ワークの表面に貼り合わせることができる。
【0007】
本発明に記載の塗装用遮蔽保護具において、前記フレキシブル支持部材には、少なくとも一つの取付溝が設けられ、前記取付溝内には吸着部材が設けられており、吸着部材は磁石であることが好ましく、磁石はフェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石、センダスト磁石などの耐熱が200°C以上の磁石であり、磁力が強くなり、耐熱性に優れ、高温でも高い磁性を持ち、高温環境下の吸着固定に適している。
【0008】
本発明に記載の塗装用遮蔽保護具において、前記フレキシブル遮蔽本体の縁には塗装液を排出するためのガイド溝が設けられている。
【0009】
本発明に記載の塗装用遮蔽保護具において、前記ガイド溝の外側には、塗装中の塗装液による前記塗装用遮蔽保護具への衝撃を緩衝するための傾斜緩衝部が接続されている。
【0010】
本発明に記載の塗装用遮蔽保護具において、前記傾斜緩衝部の傾斜角は10°~30°であり、好ましくは19°である。
【0011】
本発明に記載の塗装用遮蔽保護具において、前記傾斜緩衝部の厚さは、前記ガイド溝の片側から外側に向かって徐々に薄くなり、かつ前記傾斜緩衝部の最薄部の厚さは0.01mm~0.3mmであり、好ましくは0.1mm~0.2mmである。
【0012】
本発明の実施例の第2態様は塗装用遮蔽保護具の製造方法を提供し、前記製造方法は、前記塗装用遮蔽保護具を製造するために用いられ、
金型と加硫機を用いてフレキシブル遮蔽本体の下半分を射出成形して半製品を製造するステップ1と、
予め製造されたフレキシブル支持部材と吸着部材を、ステップ1で製造されたフレキシブル遮蔽本体の下半分の予め設計された対応する位置に配置するステップ2と、
ステップ2でフレキシブル支持部材と吸着部材が配置された半製品を完成品形状に射出成形するステップ3と、を含む。
【0013】
本発明の実施例の第3態様はワークの塗装方法を提供し、本発明に記載の塗装用遮蔽保護具を用いて塗装遮蔽を行うことを含み、ここで、塗装遮蔽は漆塗装、静電塗装、電気泳動または粉体塗装の遮蔽を含み、または塗装遮蔽はりん酸塩処理のような塗装前処理の遮蔽を含む。
【0014】
本発明に記載のワークの塗装方法は、以下のステップを含み、
ステップ1、ワーク表面の形状に基づいて前記フレキシブル遮蔽本体の形状を決定することを含む本発明に記載の塗装用遮蔽保護具を製造することと、
ステップ2、製造された複数の塗装用遮蔽保護具を塗装対象ワークの表面に接合吸着させることと、
ステップ3、スプレー塗装又はスプレー塗装前処理をする。塗装には漆塗装、静電塗装、電気泳動または粉体塗装などのいずれか一つの塗装方式が含まれているか、あるいは漆塗装、静電塗装、電気泳動または粉体塗装などの前にも本発明に記載の塗装用遮蔽保護具を用いて遮蔽を行うことができ、例えばりん酸塩処理段階で本発明に記載の塗装用遮蔽保護具を用いて遮蔽を行うことができ、
ステップ4、塗装用遮蔽保護具を取り外す。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施例が提供する技術方案において、塗装用遮蔽保護具、製造方法及びワークの塗装方法は、フレキシブル遮蔽本体の内部には、フレキシブル支持部材が設けられ、及びフレキシブル遮蔽本体の縁にはガイド溝と傾斜緩衝部が設けられ、従来技術に対して、
第1、内部に設けられたフレキシブル支持部材は支持調節を行うことができ、異形及び大サイズ製品の遮蔽を支持し、フレキシブル支持部材の強度が低すぎることによる遮蔽物の変形と皺を効果的に解決する。
【0016】
第2、フレキシブル支持部材の内部に設けられた耐熱性磁石は所定の位置に固定され、位置決めが正確ではなく、磁石が落ちやすく製品の性能に影響を与える問題をよりよく解決し、製造過程において手動で磁石をはめ込むことによる人員への損傷リスクを低減する。
【0017】
第3、シリカゲルやゴムなどの材質を採用して磁石を被覆することにより、磁石に対する酸塩基の腐食を遮蔽し、耐熱性磁石を真空状態で繰り返し利用することができ、極めて破損しにくく、使用頻度と耐用年数を増加させる。
【0018】
第4、サマリウム、コバルト、ニッケル、Siなどの耐熱性元素を磁石に加えることで、磁石が200℃以上高温で消磁する問題を解決する。
【0019】
第5、保護具の外周に19°の斜辺と0.1mm-0.2mmの軟体シリカゲル隔離ベルトを増加することにより、保護具の防水、防油効果を増加させ、保護具の縁を通じて塗料が遮蔽保護具表面に浸透することを効果的に回避し、特に密度が0.7g/cm3以上かつ温度が0~400℃、特に4~300℃の液体が保護具の縁を通じて遮蔽保護具の表面に浸透することを効果的に回避する。
【0020】
第6、本製品は、過去紙テープ、POM板材+紙テープ、金属保護具+ボルトの方式などに比べて、消耗品コスト及び人件費を大幅に削減し、また、本製品は着脱が簡便であり、加えて本製品の重量は伝統的な金属保護具の重量より大半低下し、労働者の作業効率を大幅に向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施例における塗装用遮蔽保護具の構造概略図。
図2】本発明の実施例における塗装用遮蔽保護具のフレキシブル遮蔽本体の構造形状概略図の一である。
図3】本発明の実施例における塗装用遮蔽保護具のフレキシブル遮蔽本体の構造形状概略図の二である。
図4】本発明の実施例における塗装用遮蔽保護具のフレキシブル遮蔽本体の構造形状概略図の三である。
図5】本発明の実施例における塗装用遮蔽保護具のフレキシブル遮蔽本体の構造形状概略図の四である。
図6】本発明の実施例における塗装用遮蔽保護具のフレキシブル遮蔽本体の構造形状概略図の五である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施例における図面に関連して、本発明の実施例における技術的態様を明確に、完全に説明する。明らかに、説明された実施例は本発明の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく得られる他のすべての実施例は、本発明の保護の範囲に属する。
【0023】
本発明の実施例の説明において、「中心」、「縦」、「横」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語が示す方位または位置関係は、図面に示す方位または位置関係に基づくものであり、単に本発明の実施例の説明を容易にし、説明を簡略化するために、指し示したり暗示したりするのではなく、指し示す装置や要素は特定の方位、特定の方位で構成され、動作されなければならないので、本発明の実施形態に対する制限とは理解できない。さらに、「第1」、「第2」、「第3」という用語は、説明の目的のためだけに使用され、相対的な重要性を示したり暗示したりするために理解されていない。
【0024】
本発明の実施例の説明において、特に明確な規定及び限定がない限り、用語「繋ぐ」、「接続する」は広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、または一体接続であってもよい、機械的接続でもよいし、電気的接続でもよい、直接接続してもよいし、中間媒体を介して間接的に接続してもよい。当業者であれば、本発明の実施例における上記用語の具体的な意味を具体的に理解することができる。
【0025】
本発明の実施例では、特に明確な規定及び限定がない限り、第1特徴は、第2特徴「上」又は「下」において、第1及び第2特徴が直接接触してもよく、又は第1及び第2特徴が中間媒体を介して間接的に接触してもよい。また、第1特徴は、第2特徴の「の上」、「上方」、および「上面」にあるが、第1特徴は、第2特徴の真上または斜め上にあるか、または、第1特徴の水平高さが第2特徴より高いことを示すだけである。第1特徴が第2特徴の「の下」、「下方」、および「下面」にあるのは、第1特徴が第2特徴の直下または斜め下にあるか、または第1特徴の水平高さが第2特徴よりも小さいことを示すだけである。
【0026】
本明細書の説明において、参照用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」、または「いくつかの例」などの説明は、その実施例または例に関連して説明された具体的な特徴、構造、材料、または特徴が本発明の実施例の少なくとも1つの実施例または例に含まれることを意味する。本明細書において、上述の用語の概略的な表現は、必ずしも同じ実施例または例を対象とする必要はない。さらに、記載された特定の特徴、構造、材料、または特徴は、いずれか1つまたは複数の実施例または例において適切な方法で結合することができる。さらに、矛盾することなく、当業者は、本明細書に記載されている異なる実施例または例、および異なる実施例または例の特徴を組み合わせて組み合わせることができる。
【0027】
図1-2を参照ください、本発明の実施例における塗装用遮蔽保護具の一つに実施例は、
フレキシブル遮蔽本体1を含み、前記フレキシブル遮蔽本体1の内部には、前記フレキシブル遮蔽本体1を支持するためのフレキシブル支持部材2が設けられ、前記フレキシブル支持部材2は、前記フレキシブル遮蔽本体を塗装対象ワークの表面に貼り合わせることができるとともに、フレキシブル支持部材がキールとして役割を果たす。前記フレキシブル支持部材には、少なくとも一つの取付溝3が設けられ、前記取付溝3内には吸着部材4が設けられており、例として、吸着部材は磁石であり、酸塩基化学物の腐食を受けにくいようにフレキシブル遮蔽本体はシリカゲル材質またはゴム材質を採用しており、しかもフレキシブル遮蔽本体の材質に添加剤を添加し、添加剤は蛍光体、紫外線吸収剤の一種または複数を含み、蛍光体を添加するのは主に光線条件の悪い環境での使用が容易になり、紫外線吸収剤を添加するのは主に日光の強い環境での使用が容易になり、強い日光の下で老化が発生することを避け、その耐用年数に影響を与える。フレキシブル支持部材はばね鋼板などを採用し、ばね鋼板などは塗装対象ワーク表面によりよく貼り合わせることができ、フレキシブル遮蔽本体は使用環境と要求に応じてカスタマイズして設計調整することができる。磁石はフェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石、センダスト磁石などの耐熱性磁石を採用しであり、磁石は200°以上の高温に耐えて消磁しない。製品が高温乾燥炉内で作業する磁石の消磁問題を解決することができ、シリカゲルは高温乾燥炉内で作業できるように高温シリカゲルを採用する。
【0028】
また、保護具の耐用年数が上限に達した後、フレキシブル支持部材と磁石を取り出して、新材料素材として新製品に入れて繰り返して使用することができ、リサイクルすることにより、フレキシブル支持部材と磁石の損失を最小限に抑え、コストを下げ、危険廃棄物の生産をゼロにすることができる。保護具に取り付けられた磁石の数は必要な大きさに応じて調整することができ、磁力が大きいほど吸着が強固に平らになる。ワークの生産過程におけるパラメータを調整することができる。
【0029】
一つの具体的な実施例において、前記フレキシブル遮蔽本体1の縁には塗装液を排出するためのガイド溝5が設けられている。
【0030】
さらに、前記ガイド溝5の外側には、塗装中の塗装液による前記塗装用遮蔽保護具への衝撃を緩衝するための傾斜緩衝部6が接続されている。
【0031】
さらに、前記傾斜緩衝部6の傾斜角は10°~30°であり、好ましくは19°である。
【0032】
本発明に記載の塗装用遮蔽保護具において、前記傾斜緩衝部の厚さは、前記ガイド溝5の片側から外側に向かって徐々に薄くなり、かつ前記傾斜緩衝部6の最薄部の厚さは0.01mm~0.3mmであり、好ましくは0.1mm~0.2mmである。
【0033】
ガイド溝と傾斜緩衝部により水遮断の問題を効果的に解決し、塗装中に余分な塗料はガイド溝を通じて排出され、液体をガイド溝を通じて排出するようにガイド溝の両端は開口に設けられ、保護具の外周に19°の斜辺を増加し、0.1mm-0.2mmの軟体シリカゲル隔離ベルトにより保護具の防水効果を増加し、保護具の直角に対する水流の衝撃力を回避する。
【0034】
以上、本発明の実施例における塗装用遮蔽保護具について説明したが、以下、本発明の実施例におけるワークの塗装方法について説明し、本発明の実施例におけるワーク塗装方法の1つの実施例は、
本発明に記載の塗装用遮蔽保護具を用いて塗装遮蔽を行うことを含み、ここで、塗装遮蔽は漆塗装、静電塗装、電気泳動または粉体塗装の遮蔽を含み、または塗装遮蔽はりん酸塩処理のような塗装前処理の遮蔽を含む。
【0035】
本発明に記載のワークの塗装方法は、以下のステップを含み、
ステップ1、ワーク表面の形状に基づいて前記フレキシブル遮蔽本体の形状を決定することを含む本発明に記載の塗装用遮蔽保護具を製造することと、図1-6に示すのは、ワーク表面の形状に基づいて決定されたフレキシブル遮蔽本体のいくつかの形状であり、図1-6はいくつかの形状のみを挙げているが、図面に挙げた形状に限定されない、
ステップ2、製造された複数の塗装用遮蔽保護具を塗装対象ワークの表面に接合吸着させることと、
ステップ3、スプレー塗装又はスプレー塗装前処理をすることと、塗装には漆塗装、静電塗装、電気泳動または粉体塗装などのいずれかの塗装方式が含まれているか、あるいは漆塗装、静電塗装、電気泳動または粉体塗装などの前にも本発明に記載の塗装用遮蔽保護具を用いて遮蔽することができ、例えばりん酸塩処理段階で本発明に記載の塗装用遮蔽保護具を用いて遮蔽することができ、
ステップ4、塗装用遮蔽保護具を取り外す。
【0036】
以下、本発明の実施例における塗装用遮蔽保護具の製造方法について説明し、本発明の実施例における塗装用遮蔽の製造方法の一実施例は、
前記製造方法は、前記塗装用遮蔽保護具を製造するためのものであり、以下のステップを含み、
ステップ1、金型と加硫機を用いてフレキシブル遮蔽本体1の下半分を射出成形して半製品を製造することと、例として、シリカゲル材質を2回射出成形した。ステップ1では保護具の半製品として、シリカゲルは別々の成形を行う。上型温度170°、下型温度130°設備加圧10-50T、秒数130s、
ステップ2、予め製造されたフレキシブル支持部材2と吸着部材4を、ステップ1で製造されたフレキシブル遮蔽本体1の下半分の予め設計された対応する位置に配置することと、
例として、予め定められた寸法で切断されたばね鋼(金属材料に限らず)を一定の厚さでワイヤカット、かつ極めて正確に穿孔してフレキシブル支持部材を製造し、ネオジム鉄ホウ素(ネオジム-鉄-ホウ素に限定されない)磁石元素をフレキシブル支持部材の指定孔に嵌入し、穿孔(穿孔プロセスに限定されない)して固定し、次に、ステップ1で射出成形した半製品ブランクに固定することと、
ステップ3、ステップ2でフレキシブル支持部材2と吸着部材4が配置された半製品を完成品形状に射出成形することと、
例として、上下に射出成形されたブランクとフレキシブル支持部材金属(金属に限定されない)のフレキシブル支持部材半製品を合わせて位置決めし、ダイカストし、二次加硫に相当する。時間130s、設備圧力10-50T、金型温度160-220°。
【0037】
以上に製造された塗装用遮蔽保護具について、磁石及びフレキシブル支持部材の内付け方式は保護具自身を吸着時の平たん度を強化し、保護具の縁とワークの接合面の接触問題をより良く向上させる。
【0038】
保護具外周吸着面を19°斜角面に設けることにより、水を避ける過程における設備側面に対する水流の直角衝撃力を解決し、浸入の可能性を減らす。
【0039】
保護具の外側とワーク吸着側のガイド溝を増やすことにより、水の流れが保護具とワークの外周に衝突すると、ガイド溝は水を自然に排出することができる。
【0040】
前記ガイド溝と保護具外周に0.1mm-0.2mm軟体シリカゲル隔離ベルトを追加することにより、保護具の防水効果を向上させる。
【0041】
本実施例では、フレキシブル支持部材は磁性ドットをよりよく固定し、異形、大サイズ、すなわち長くて細い部位の作業要求を解決することができる。全体的にシリカゲルにより磁石を被覆することにより、磁石が外に暴露されて酸塩基による腐食を回避し、保護具の使用頻度と耐用年数を大幅に増加し、保護具の平たん度を増加して保護具の縁とワークの隙間問題を解決する。外周にシリカゲルの19°斜角面を増加することにより、直角に対する水流の衝撃力を解決する。保護具の外側とワーク吸着側のガイド溝を増やすことにより、自然に排水することができる。ガイド溝と外周の切断角の間に0.1mm-0.2mmシリカゲル軟体隔離ベルトを増加することにより、保護具の防水、防油効果を最大限に向上させ、ペンキ、塗料などの塗装液などが保護具の縁から遮蔽表面に浸入するのを防止する。
【0042】
以上の実施例は、本発明の技術的態様を説明するためにのみ使用され、それに限定されるものではない。前述の実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は、前述の各実施例に記載された請求項を修正したり、その一部の技術的特徴を同等に置き換えたりすることができ、これらの修正または置換は、対応する技術案の本質を本発明の各実施例の技術案の精神と範囲から逸脱させるものではない。
【符号の説明】
【0043】
1、フレキシブル遮蔽本体;2、フレキシブル支持部材;3、取付溝;4、吸着部材;5、ガイド溝;6、傾斜緩衝部。
【要約】      (修正有)
【課題】塗装用遮蔽保護具の強度を増加し、大きいサイズ及び異形ワーク塗装時の防水、防油効果を増加させる、塗装用遮蔽保護具、製造方法及びワークの塗装方法を提供する。
【解決手段】塗装用遮蔽保護具はフレキシブル遮蔽本体1を含み、前記フレキシブル遮蔽本体の内部には、前記フレキシブル遮蔽本体を支持するためのフレキシブル支持部材2が設けられ、前記フレキシブル支持部材は、前記フレキシブル遮蔽本体を塗装対象ワークの表面に貼り合わせることができる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6