(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】土留め壁
(51)【国際特許分類】
E02D 17/04 20060101AFI20240815BHJP
E02D 5/04 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
E02D17/04 E
E02D5/04
(21)【出願番号】P 2024098421
(22)【出願日】2024-06-19
(62)【分割の表示】P 2022210966の分割
【原出願日】2022-12-27
【審査請求日】2024-06-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519157990
【氏名又は名称】株式会社アストリード
(74)【代理人】
【識別番号】100080090
【氏名又は名称】岩堀 邦男
(72)【発明者】
【氏名】管野 雄文
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-183617(JP,A)
【文献】特開2015-221993(JP,A)
【文献】特開平9-78573(JP,A)
【文献】特開2022-120301(JP,A)
【文献】特開平10-18287(JP,A)
【文献】特開2021-181721(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 17/04
E02D 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉鎖囲い壁状の土留め壁であって、X方向及びY方向に沿う直線部分と複数の角部とによって構成される土留め施工領域と、X方向及びY方向に沿って配列され且つH型鋼を有する親杭と、セメントミルクによって形成される円筒状の側壁と、前記セメントミルクによって形成される前記側壁と一部が交わる中間壁とを備え、
前記土留め施工領域のX方向及びY方向沿って配列され且つ前記直線部分における前記親杭の前記H型鋼のそれぞれの一方側のフランジは、前記土留め施工領域の内方側に対向すると共にX方向及びY方向に沿って内方側の前記フランジが直線状に揃うように配置され、
前記親杭は下端から深さの中間まで前記H型鋼がセメントミルクによってコンクリート支持部として形成され、前記側壁と前記中間壁の深さは前記親杭の深さよりも浅く設定され、前記側壁の下方と前記親杭のコンクリート支持部の上方とが交わる共に前記側壁の一部は前記H型鋼の両前記フランジ間の空隙内に収められてなることを特徴とする土留め壁。
【請求項2】
請求項1に記載の土留め壁において、前記中間壁は2個としてなることを特徴とする土留め壁。
【請求項3】
請求項1に記載の土留め壁において、前記中間壁は1個としてなることを特徴とする土留め壁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建築現場における土留め壁に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ビル等の建物を建てる際には、敷地を所定深さに掘削する掘削工事が行われ、また、この掘削工事を行うには、必ず、土留工事が必要となる。土留工事は、掘削工事を行うとき、周囲地盤が崩壊したり、周囲地盤からの土砂や水が流出したりすることが多いことから、作業に危険性を伴うことも多いので、それらを保護するために、掘削した側面を保護するために必須の工事である。そして、土留工事が必要な場合は、工事現場の土質、地下水位、周辺の建築物や地盤上の荷重等を充分検討して工事方法を決めることが必要となる。
【0003】
従来より、土留工事としては次のような工法が知られている。すなわち、最も一般的な工法として、親杭・横矢板工法が挙げられる。この親杭・横矢板工法として、まず、地中に親杭としてのH型鋼を同じ所定間隔で直列状に埋めこみ、そのH型鋼間に人力で複数枚の横矢板を隙間なく填め込んでいく土留め壁が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-204834号公報
【文献】特開2008-208599号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に開示された技術では、複数本のH型鋼を埋め込んでおいて、それらのH型鋼間に多数枚の横矢板を嵌め込むので、敷地を所定深さに掘削しなければならず、その掘削作業が大掛かりとなり、H型鋼間に複数枚の横矢板を隙間なく填め込むための準備段階に多くの手間と時間が掛かる、という問題がある。
【0006】
また、所定深さに掘削しなければならないが、地質が悪く地盤が脆かったり、土砂の圧力が強すぎたりする場所には不向きである、という問題もある。例えば、現場が河の近くであった場合等には、現場敷地を掘るうちに水が流出し、作業が困難となる。
【0007】
さらに、H型鋼間に人力で複数枚の横矢板を隙間なく填め込んで行くための技能が必要となるが、そのような技能を身に付けた熟練の矢板職人が少なくなっており、作業が思うように捗らない、という問題や、横矢板に適した木材の入手が困難となっているうえ、大きな建設現場になればなるほど、夥しい数の矢板が必要となるので、横矢板の入手が一層困難となっている、という問題も生じている。
【0008】
さらに、土留めとしてセメントを使用したものが特許文献2等で存在するが、この場合では、セメントの使用量が多く、費用が高くなり、施工時間も多くなる。本発明では、敷地の地質に関係なく、また敷地を深堀りすることなく土留め壁を容易に形成することができる土留め壁施工方法、土留め壁、および掘削ガイド装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、発明者は上記課題を解決すべく鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、閉鎖囲い壁状の土留め壁であって、X方向及びY方向に沿う直線部分と複数の角部とによって構成される土留め施工領域と、X方向及びY方向に沿って配列され且つH型鋼を有する親杭と、セメントミルクによって形成される円筒状の側壁と、前記セメントミルクによって形成される前記側壁と一部が交わる中間壁とを備え、
前記土留め施工領域のX方向及びY方向沿って配列され且つ前記直線部分における前記親杭の前記H型鋼のそれぞれの一方側のフランジは、前記土留め施工領域の内方側に対向すると共にX方向及びY方向に沿って内方側の前記フランジが直線状に揃うように配置され、前記親杭は下端から深さの中間まで前記H型鋼がセメントミルクによってコンクリート支持部として形成され、前記側壁と前記中間壁の深さは前記親杭の深さよりも浅く設定され、前記側壁の下方と前記親杭のコンクリート支持部の上方とが交わる共に前記側壁の一部は前記H型鋼の両前記フランジ間の空隙内に収められてなることを特徴とする土留め壁としたことにより、上記課題を解決した。
【0010】
請求項2の発明を、請求項1に記載の土留め壁において、前記中間壁は2個としてなることを特徴とする土留め壁としたことにより、上記課題を解決した。請求項3の発明を、前記中間壁は1個としてなることを特徴とする土留め壁としたことにより、上記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明では、土留め壁は、土留め施工領域の直線部分において、H型鋼を有する親杭と、セメントミルクによって形成される円筒状の側壁と、前記セメントミルクによって形成される前記側壁と一部が交わる中間壁とを備えたものである。そして、前記土留め施工領域のX方向及びY方向沿って配列される前記親杭の前記H型鋼のそれぞれの一方側のフランジは、前記土留め施工領域の内方側に対向すると共にX方向及びY方向に沿って内方側の前記フランジが直線状に揃うように配置され、前記親杭は上下方向における深さの中間まで前記H型鋼がセメントミルクによってコンクリート支持部が形成され、前記側壁と前記中間壁の深さは前記親杭の深さよりも浅く設定され、前記側壁の下方と前記親杭のコンクリート支持部の上方とが交わる構成となっている。
【0012】
このような構成により、親杭はH型鋼を有しており、且つ該H型鋼の下方部分がコンクリート支持部によって強固に支持されたものである。このコンクリート支持部と側壁の下方とが上下方向に交わる構成とし、且つ該側壁の一部は前記H型鋼の前記フランジ間に収められたことにより、側壁は親杭に強固に支持されることとなる。そして、前記親杭は下端から深さの中間まで前記H型鋼がセメントミルクによって強力なコンクリート支持部が形成され、側壁の深さは親杭の深さよりも浅く設定されていることにより、使用するセメントミルクの量も少なくし、施工費用の削減のみならず、環境保全にも寄与することができる。請求項2の発明では、請求項1に記載の土留め壁において、前記中間壁は2個としたことにより、円筒状とした中間壁は外径を小さくすることができ、土留め施工領域の有効面積を大きくできる。請求項3の発明では、前記中間壁は1個としたことにより、より簡易な構成で、施工費の削減ができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】(A)は本発明に係る土留め壁の一部を示す要部斜視図、(B)は土留め壁の要部縦断正面図、(C)は(B)のX1-X1矢視断面図、(D)は(B)のX2-X2矢視断面図、(E)は(B)の(α)部拡大図である。
【
図2】(A)は土留め施工領域における土留め壁の横断平面略示図、(B)は(A)の(β)部拡大図、(C)は(A)の(γ)部拡大図、(D)は単位壁体において中間壁を1個とした要部横断平面略示図である。
【
図3】(A)~(C)は親杭の構造を示す横断平面図及び縦断正面図である。
【
図4】(A)~(C)は側壁及び中間壁の構造を示す横断平面図及び縦断正面図である。
【
図5】親杭の施工を示す工程1~工程3の図である。
【
図6】親杭の施工が完了するまでを示す工程4~工程6の図である。
【
図7】側壁の施工が完了するまでの工程7~工程10の図である。
【
図8】中間壁の施工が完了するまでの工程11~工程14の図である。
【
図9】(A)は掘削ガイド装置の分解斜視図、(B)は掘削用ドリルの下方の一部と掘削ガイド装置とを連結した状態の斜視図である。
【
図10】(A)は掘削用ドリルに掘削ガイド装置を装着した正面図、(B)は掘削ガイド装置を分解した正面図、(C)は掘削ガイド装置の要部断面図、(D)は掘削ガイド装置と掘削用ドリルの連結部分の断面図である。
【
図11】(A)~(C)は掘削ガイド装置の使用状態を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、図面に基づいて本発明における土留め壁と、土留め壁施工方法と、掘削ガイド装置の実施形態について説明する。まず、土留め壁から説明し、次いで土留め壁施工方法と、掘削ガイド装置を説明する。土留め壁は、閉鎖囲い壁状に施工されている〔
図2(A)参照〕。具体的には、最初に土留め施工領域Aが設定される。該土留め施工領域Aとは、土留め壁を施工する土地,敷地に土留め壁を施工するための領域を設定することである〔
図2(A)参照〕。土留め壁を構成する親杭B1,側壁4及び中間壁5は土留め施工領域Aの領域境界線に沿って施工される〔
図2(A)参照〕。
【0015】
土留め施工領域Aは、X方向及びY方向に沿う直線部分と複数の角部とによって構成される〔
図2(A)参照〕。該土留め施工領域Aを決定するX方向の線を領域境界線Jxとし
、Y方向の線を領域境界線Jyとする。また、土留め施工領域Aには、外に向かう角部である出隅角部To、内側に向かって凹む角部である入隅角部Tiが存在する。
【0016】
ここで、発明の説明を行う上で、便宜上、方向を示す文言としてX方向及びY方向を用いており、原則として土留め施工領域Aの横方向をX方向とし、領域境界線Jxを横方向線とし、また、縦方向をY方向とし、領域境界線Jyを縦方向線とている(
図2参照)。しかし、X方向及びY方向については、X方向を縦方向とし、Y方向を横方向と置き換え、領域境界線Jxを縦方向線とし、領域境界線Jyを横方向線としても構わない。
【0017】
また、土留め施工領域Aに土留め壁を施工する構造物として前述した親杭B1と、側壁4と、中間壁5とが存在する〔
図1(A),(B),(C),
図2,
図4(C)等参照〕。そして、土留め施工領域Aの領域境界線に沿って親杭B1が所定間隔をおいて配置され、土留め施工領域Aの領域境界線に沿って配列された複数の親杭B1においてそれぞれの隣接する親杭B1,B1間に側壁4,4と2つ又は1つの中間壁5とが形成されている。
【0018】
側壁4の一部と中間壁5の一部同士が幅方向(水平方向)にて交わり部分を有し、これらが連続状に繋がることにより土留め施工領域Aに土留め壁が構成される。そして、隣接する両親杭B1,B間に構成される側壁4と中間壁5によって構成される部分的な壁体を単位壁体B2と称することにする(
図2参照)。
【0019】
親杭B1は、親杭穴部1と、杭芯としてのH型鋼2と、コンクリート支持部3とから構成され〔
図3(A)参照〕、親杭穴部1にH型鋼2が埋め込まれ〔
図3(B)参照〕、コンクリート支持部3によってH型鋼2が親杭穴部1に固定支持される〔
図3(C)参照〕。親杭B1の施工において、まず土留め施工領域Aにおいて親杭B1を施工しようとする位置に、H型鋼2が打ち込まれるための親杭穴部1が掘削される(
図5の工程2参照)。
【0020】
H型鋼2の地面への打ち込みが作業を容易とするために、掘削作業機のドリル軸により、H型鋼2のH型の断面形状よりも大きな内径となる親杭穴部1が掘削される。該親杭穴部1にH型鋼2が直立状に挿入される〔
図3(B),(C),
図6工程5参照〕。H型鋼2の全長は、親杭穴部1の深さ全長よりも僅かに長いものが使用され、H型鋼2は親杭穴部1に完全に打ち込まれた状態において、H型鋼2の上方先端部分は親杭穴部1の開口から僅かに突出するようにしている。
【0021】
親杭穴部1の開口と底面とに亘る全深長においてその底面から親杭穴部1の全深長の略中間箇所までの部分にコンクリート支持部3が設けられている〔
図1(B),(D),
図3(B),(C)参照〕。該コンクリート支持部3は、H型鋼2をその長手方向の底部から中間の位置までの部分をコンクリート内に埋め込むように被覆し、且つコンクリート支持部3の外周及び底面は、親杭穴部1の内周及び底部に密接し、H型鋼2が親杭穴部1に確実に固定支持される構成となっている〔
図1(A),(B),(D)参照〕。
【0022】
コンクリート支持部3は、親杭穴部1内に注入した液体状のセメントミルクが固化することによって形成されるものである。そして、親杭穴部1には、前記コンクリート支持部3上に掘削時に排土して開口部周辺に盛られた盛土を、親杭穴部1の開口を塞ぐようにするまで埋め戻される〔
図3(C),
図6工程6参照〕。このような構成の親杭B1が前記土留め施工領域Aの領域境界線Jx及び領域境界線Jyに沿って所定間隔をおいて施工される〔
図2(A)参照〕。
【0023】
次に、隣接する親杭B1,B1間に施工される単位壁体B2について、側壁4の施工を説明する。側壁4は原則として2つ施工される〔
図1(A),(B),(C)参照〕。該側壁4は、側壁穴部41と該側壁穴部41に注入されたセメントミルクが固化した側壁コンクリート部42とから構成される。側壁4は略円筒状である〔
図1(A),(C),
図2(B),(C),(D)参照〕。
【0024】
さらに、側壁4の円筒状の外形の一部は、親杭B1のH型鋼2の両フランジ21,21間の空隙Sに入り込んでおり、その側壁4の空隙Sに入り込んだ部分はH型鋼2のウェブ22に当接又は近接するように構成されている〔
図1(A),(C),
図2参照〕。また、側壁穴部41は、親杭穴部1と一部同士が必然的に交じり合う構造となる〔
図1(B),
図4(A),(B),
図7工程8,工程9等参照〕。
【0025】
側壁4は、親杭B1の深さよりも浅く設定されている。具体的には、親杭部Bの深さに対して、側壁4の深さは略半分より僅かに多い程度である〔
図1(B),(E),
図4(A),(B)参照〕。そして、側壁4の下方と、親杭B1のコンクリート支持部3の上方とは深さ方向(又は上下方向)において交わる部分を有するものである〔
図1(A),(B),(C),(E)参照〕。
【0026】
親杭B1と側壁4における上記構成について換言すると、側壁4の深さ寸法は、親杭穴部1の開口からコンクリート支持部3の上端までの深さ寸法よりも大きくなっている(
図1参照)。つまり、親杭穴部1の開口からコンクリート支持部3の上端までの深さ寸法をH1とし、側壁4の側壁コンクリート部42又は側壁穴部41の深さをH2とすると、
H2>H1である。
【0027】
そして、コンクリート支持部3と側壁4の側壁コンクリート部42との上下方向(深さ方向)における交わり箇所を交わり部90とすると、該交わり部90の上下方向における交わり寸法hは、
h=H2-H1である。
ここで、親杭B1のコンクリート支持部3と側壁4の側壁コンクリート部42との上下方向(深さ方向)における交わり寸法hは〔
図1(B),(E)参照〕、具体的には親杭B1の深さを約10m程度とすると、交わり部90の交わり寸法hは約1m程度である。
【0028】
つまり、親杭B1のコンクリート支持部3の上方部分と、側壁4の下方部分とが上下方向における交わり部90を有し、コンクリート支持部3と側壁4の側壁コンクリート部42との深さ方向(又は上下方向)における一部同士が連続して繋がる部分となる。また、交わり部90の交わり寸法hは、上記数値に限定されず、親杭穴部1及び側壁穴部41の深さ寸法の大小に応じて適宜変更され、約0.5m程度乃至約2m程度とすることもある。
【0029】
ここで、側壁4の側壁穴部41の掘削及びセメントミルクの注入作業は、親杭B1のコンクリート支持部3の施工のためのセメントミルクが完全に固化する前で、まだ流体状のときに行われる。つまり、コンクリート支持部3のコンクリート部分がまだ固化に至らず液状状態であり、側壁4を形成するセメントミルクと混ざり合うことができる状態のときに、側壁4における側壁穴部41と該側壁穴部41へのセメントミルク注入作業が行われる。
【0030】
これによって、親杭B1のコンクリート支持部3と、側壁4のセメントミルクの固化によって形成される側壁コンクリート部42が混ざり合ってコンクリート支持部3と側壁4の側壁コンクリート部42が一体化する〔
図1,
図4(B),(C)参照〕。
【0031】
また、親杭B1の親杭穴部1に盛土が埋め戻された箇所と、側壁4とは交わることになる。ここで親杭B1の親杭穴部1に埋め戻された盛土と、側壁4の側壁穴部41にセメントミルクが注入される過程で、そのセメントミルクが親杭穴部1側にも流れ込み、親杭穴部1内に埋め戻された盛土と側壁穴部41に注入されたセメントミルクとが混ざり合う。
【0032】
そして、親杭穴部1内で且つコンクリート支持部3の上方に側壁穴部41に注入されたセメントミルクが盛土と混ざり合ってモルタル状態となり、これが固化されて、コンクリート支持部3の上方にも該コンクリート支持部3と略同一直径の円筒状壁部が構成されることになる。この円筒状壁部はモルタル状のものであり、コンクリート支持部3とは性質が異なるものの、十分な強度を有しており、前記円筒状壁部と側壁4とが上下方向に連続的に交じり合うこととなり、親杭B1と側壁4とが連続する壁部を構成することになる。
【0033】
次に、中間壁5の深さは、前記側壁4の深さと同一又は略同一としている〔
図1(A),(B),
図4(C)参照〕。また、中間壁5の外径は、側壁4の外径よりも大きく形成されている。さらに中間壁5の上下方向に直交する断面と、側壁4の上下方向に直交する断面とは交わるように構成されている。つまり、側壁4と中間壁5とは上下方向に連続して部分的に交じり合う構造である。
【0034】
中間壁5は、中間壁穴部51と中間壁コンクリート部52とから構成され、まず、中間壁穴部51が掘削され、該中間壁穴部51にセメントミルクが注入されて、このセメントミルクが固化して中間壁コンクリート部52が形成されることによって中間壁5が形成されるものである〔
図4(C),
図8工程12~工程14参照〕。
【0035】
ここで、中間壁5の中間壁穴部51の掘削及びセメントミルクの注入作業は、前記側壁穴41の側壁コンクリート部42の施工のためのセメントミルクが完全に固化する前で、まだ流体状のときに行われる。つまり、側壁コンクリート部42のコンクリート部分がまだ固化に至らず液状状態であり、中間壁5を形成するセメントミルクと混ざり合うことができる状態のときに、中間壁5における中間壁穴部51と該中間壁穴部51へのセメントミルク注入作業が行われる。
【0036】
これによって側壁4の側壁コンクリート部42と、中間壁5の中間壁コンクリート部52のセメントミルクの固化によって形成される中間壁コンクリート部52が混ざり合って側壁4の側壁コンクリート部42と中間壁5の中間壁コンクリート部52が一体化する。
【0037】
単位壁体B2において、前記中間壁5は、該中間壁5の両側に位置する両側壁4,4の間に2個形成されたり〔
図1,
図2(A)~(C)参照〕、又は1個形成される〔
図2(D)参照〕。単位壁体B2において中間壁5が2個形成される場合では、この2個の中間壁5,5同士が深さ方向(上下方向)に沿って交わるようにして形成されている。ここで、中間壁5の中間壁穴部51を掘削するときには、掘削ガイド装置6が使用されることもある。
【0038】
該掘削ガイド装置6の構造及び使用法については後述する。1組の単位壁体B2において、中間壁5が1個の場合では、単位壁体B2における両側の親杭B1,B1のH型鋼2,2の間隔は狭くなるように構成される。単位壁体B2内に中間壁5が1個の場合は、土留め施工領域Aが比較的小規模の場合に多く用いられる。
【0039】
親杭B1,単位壁体B2を構成する側壁4及び中間壁5は、以上述べたような配列にて、土留め施工領域AのX方向における領域境界線Jxと、Y方向における領域境界線Jyに沿って配置される(
図2参照)。そして、出隅角部ToにおけるX方向側に配列された親杭B1のH型鋼2の内方側のフランジ21の端縁は、つまり、土留め施工領域Aの内方に位置するフランジ21の土留め施工領域Aの外方側に位置する端縁は、領域境界線Jxと領域境界線Jyとの交差点に位置する(
図2参照)。
【0040】
また、出隅角部ToにおけるY方向側に配列された親杭B1のH型鋼2の内方側のフランジ21の端縁は、つまり、土留め施工領域Aの内方に位置するフランジ21の土留め施工領域Aの外方側に位置する端縁は、領域境界線Jxと領域境界線Jyとの交差点から所定距離離れた位置に配置される。土留め施工領域Aにおける領域境界線Jx及び領域境界線Jyに沿って配置される親杭B1のH型鋼2の内方側のフランジ21は、それぞれが配置される領域境界線Jx及び領域境界線Jyに沿いながら一列状に揃うようにして配置される(図
2参照)。
【0041】
土留め施工領域Aの出隅角部Toにおける領域境界線Jx側に位置する親杭B1のH型鋼2に対して、領域境界線Jx側で親杭B1に最も近い位置に存在する側壁4は、そのまま領域境界線Jxに沿ってH型鋼2の両フランジ21,21間に納まる(
図2参照)。また、領域境界線Jy側で領域境界線Jx側の親杭B1に最も近い位置に存在する領域境界線Jy側の側壁4はそれ以外の中間壁5,側壁4の直線状の列に対して領域境界線Jx側の親杭B1のH型鋼2に向かって傾斜するように配列され、H型鋼2の両フランジ21,21間に収まる構成とする。
【0042】
また、土留め施工領域Aの領域境界線Jxと領域境界線Jyとによる入隅角部Tiに位置する親杭B1のH型鋼2については、該H型鋼2のウェブ22がX方向とY方向に対して45度傾斜して配置されている〔
図2(A),(C)参照〕。入隅角部Tiに位置する親杭B1のH型鋼2のフランジ21,21には、領域境界線Jxと領域境界線Jyにおける入隅角部Tiに最も近い位置の側壁4,4が収まるように構成されている。
【0043】
以上述べた土留め施工領域Aの側壁4及び中間壁5については、略円筒状とした中間壁5の直径(外径)は、略円筒状とした側壁4の直径(外径)と同等以上とすることが好ましく、好適には中間壁5の直径(外径)は、側壁4の直径(外径)よりも大きくすることが最も好適である。さらに、土留め施工領域Aにおいて出隅角部Toにおける親杭B1に対して隣接するY方向に配列される側壁4と親杭B1のH型鋼2との間に隙間ができる場合が生じることもある。この場合には、補助的に側壁4を増設し、親杭B1と側壁4との間の隙間を埋めることもある〔
図2(A),(B)参照〕。
【0044】
次に、土留め壁の施工方法及び必要な装置について説明する。施工に関する説明の前に、土留め壁の施工に必要な装置について説明する。主に使用される装置としては、リーダレス杭打機Cであり、該リーダレス杭打機Cは、車体7と、掘削装置8とからなる。車体7は、操縦室を有する本体部71に履帯72を備えて自走することができる車両であり、本体部71には伸縮するブーム73を備えている(
図5参照)。
【0045】
掘削装置8は、掘削ドリル81と、該掘削ドリル81を軸周方向に回動させるオーガ82と、該掘削ドリル81の先端に装着される先端掘削機構部83と、ループヘッド84を備えている。先端掘削機構部83は、掘削ドリル81に交換自在に取付けられるようになっている。先端掘削機構部83の上方には、必要に応じて掘削ガイド装置6が設けられることもある(
図11参照)。
【0046】
ループヘッド84は、掘削ドリル81に設けられているスクリュー状の外径および先端掘削機構部83の外径よりも大きな外径に形成されており、このループヘッド84の下端部(先端部)にも掘削刃(図略)が装着されている。ループヘッド84は、スクリュー状に形成されており、先端掘削機構部83の掘削刃及びループヘッド84の掘削刃により掘り起こされた土が上方に導かれるようになっている。
【0047】
また、ループヘッド84と先端掘削機構部83とは同一軸に装着されており、この軸は、取付ボルトを介して掘削ドリル81に着脱自在に取付けられている。ここで、特に図示しないが、前記ループヘッド84の周りにはループ材が装着されることがあり、これによって、側壁穴部41の施工のおいて親杭B1のH型鋼2にループヘッド84が直接、接触することを防止することもある。
【0048】
次に、土留め壁の施工について説明する。土留め壁を施工する領域を決定するために、X方向及Y方向に沿う直線部分と複数の角部とによって構成される土留め施工領域Aを設定する(
図2参照)。土留め施工領域Aにおける直線部分は、前述したように、X方向に沿う領域境界線Jxとし、Y方向に沿う領域境界線Jyとする。そして、領域境界線Jxと領域境界線Jyとの交差する出隅角部Toと入隅角部Tiとが設定される。
【0049】
土留め施工領域Aの領域境界線Jx及び領域境界線Jyに掘削装置8の掘削ドリル81及びループヘッド84,先端掘削機構部83によって、親杭穴部1を掘削する〔
図5工程1,工程2参照〕。次いで、親杭穴部1の上下方向における全深長の底部から中間箇所までセメントミルクを注入する〔
図5工程3参照〕。セメントミルクの注入は、管状の掘削ドリル81を介して地上からポンプを介して前記ループヘッド84及び先端掘削機構部83からセメントミルクを噴出する。ループヘッド84及び先端掘削機構部83は、セメントミルクを噴出できるように噴射口が設けられたものが使用される。
【0050】
次に、親杭穴部1にH型鋼2を挿入し、親杭穴部1を掘削した時に生じた盛り土を親杭穴部1に埋め戻して親杭B1を構成する〔
図6工程4,工程5参〕。H型鋼2は可能な限り正確に垂直状の親杭穴部1に埋め込まれ、H型鋼2の上方は、親杭穴部1の開口から僅かに突出するように設定される。このようにして、親杭B1を土留め施工領域Aの領域境界線Jx及び領域境界線Jyに沿って所定間隔に施工して配置する〔
図6工程6参照〕。
【0051】
次に、側壁4を施工する工程に移る。具体的には、隣接する親杭B1,B1間で且つそれぞれのH型鋼2の両フランジ21,21間の空隙Sに、側壁4の一部が収まり且つ該側壁4の下方の一部が親杭B1のセメントミルク注入部分つまり固化するとコンクリート支持部3となる部分の上方箇所と交わるようにして側壁穴部41を掘削する〔
図7工程7,工程8参照〕。
【0052】
そして、側壁穴部41にセメントミルクを注入して円筒状の側壁コンクリート部42を施工する〔
図7工程9,工程10参照〕。このような側壁4をすべての親杭B1の両フランジ21,21間の空隙Sに収まるように施工する。このとき、親杭B1の幅方向両側には側壁4,4の幅方向の一部が両フランジ21,21間の両空隙に収まる構造となる。ここで、側壁4の施工は、側壁穴部41の掘削及びセメントミルクの注入工程は、親杭B1のコンクリート支持部3を構成するセメントミルクが固化する前の柔軟な状態のときに行われる。
【0053】
側壁4の施工工程において、側壁穴部41は、親杭部Bの親杭穴部1と幅方向の一部同士が交わる。そして、親杭穴部1には、コンクリート支持部3の上面に盛土が埋め戻されているが、親杭穴部1に埋め戻された盛土は、極めて柔軟にほぐされた状態なので、側壁穴部41に注入するセメントミルクは、親杭穴部1側に流入し、埋め戻された盛土の適宜に混ざり合い、モルタル状態となって固化する。このため、側壁4と親杭B1とは強固に交じり合い、壁体を構成してゆくものとなる。
【0054】
次に、中央壁5を施工する工程に移る。まず、隣接する親杭B1,B1間に位置する両側壁4,4間に該側壁4の側壁穴部41と同等深さで且つ側壁穴部41と直径方向に交わるようにして中間壁穴部51を掘削する〔
図8工程11,工程12参照〕。次いで、該中間壁穴部51にセメントミルクを注入する。中間壁穴部51内でセメントミルクが固化すると中間壁コンクリート部52が形成され、前記側壁4の側壁コンクリート部42と幅方向の一部同士が交わるようにして中間壁5の施工を完了する〔
図8工程13,工程14参照〕。ここで、中間壁5の施工に後述する掘削ガイド装置6が使用されることもある。
【0055】
次に、掘削ガイド装置6について説明する。該掘削ガイド装置6は、中間壁5の施工において、掘削ドリル81,ループヘッド84及び先端掘削機構部83の掘削装置8にて中間壁穴部51を掘削するときの先端掘削機構83の位置決めの役目をなす(
図11参照)。また、掘削開始からは掘削ドリル81,ループヘッド84及び先端掘削機構部83の進行方向を正確に維持するための案内としての役目をなすものである。
【0056】
つまり、中間壁穴部51を掘削装置8にて掘削するときに中間壁穴部51に、掘削ドリル部81は、近接する側壁4の側壁穴41の方向に偏って近づかないようにして、中間壁穴部51を正確な位置に掘削する役目をなすものである。さらに、掘削ガイド装置6のブレード材63は、掘削作業において土や、注入するセメントミルクを可動範囲内において撹拌する役目も有している。
【0057】
掘削ガイド装置6は、ガイド本体61と、2つのブレード保持材62と、2つのブレード保持材62とから構成される(
図9,
図10参照)。ガイド本体61は、軸支部61aと連結凸部61bと被連結部61cを有する。前記軸支部61aには、2つの前記ブレード保持材62が装着される。
【0058】
また前記連結凸部61bは、掘削ドリル81の下端に連結する役目をなすものであり、断面が円形状又は多角形等に形成されている。掘削ドリル81の下端には、連結凸部61bが挿入する被連結孔81aが形成されている。そして、連結凸部61bが掘削ドリル81の被連結孔81aに挿入し、ボルト・ナット等の固着具64にて固着される。また、ガイド本体61の被連結部61cには、掘削装置8のループヘッド84及び先端掘削機構部83等を連結する役目を有するものである〔
図10(A),(B)参照〕。
【0059】
ブレード保持材62は、略半円アーチ状の軸受部62aと該軸受部62aの幅方向両端より外方に延在する連結板部62bと、前記軸受部62aの所定位置から径方向に延在するブレード取付板部62cとから構成される。両ブレード保持材62,62は、両軸受部62a,62aが前記ガイド本体61の軸支部61aを挟持する〔
図9(A)参照〕。
【0060】
両軸受部62a,62aが対称的に合わさって構成される円形内周の内径は、軸支部61aの外径に略等しく設定される。そして、前記連結板部62b,62b同士がボルト・ナット等の固着具64にて固着され、両ブレード保持材62,62がガイド本体61の軸支部61aに回動自在に装着される。前記連結板部62b及び前記ブレード取付板部62cには、ボルト・ナット等の固着具64用のボルト孔が形成されている。
【0061】
ブレード材63は、ブレード保持材62に対して交換できるように取付けられる。また、ブレード材63は長手方向に直交する断面形状が略T字状に形成されている。ブレード材63は、その長手方向一方側に前記ブレード取付板部62cへの取付のためのボルト・ナット等の固着具64用のボルト孔が形成されている。
【0062】
ブレード材63は、ブレード保持材62のブレード取付板部62cにボルト・ナット等の固着具64を介して固着される。ここで、ブレード取付板部62c,62c同士の連結説において、ボルト孔を縦方向に配列することで、ボルト・ナット等の固着具64についても、縦方向の配列となり、掘削作業時の土の抵抗を少なくすることができる。
【0063】
両ブレード保持材62,62がガイド本体61の軸支部61aに装着された状態では、両ブレード取付板部62c,62c同士は、両軸受部62aの断面円形の直径の延長上に位置するように設定される。つまり、軸支部61aの断面直径中心に対して略点対称となるように両ブレード取付板部62c,62cが設けられ、両ブレード取付板部62c,62cに装着される2つのブレード材63,63も略点対称の位置関係となる。
【0064】
ブレード材63は、長手方向において種々の異なる長さのものが準備される。そして、掘削ガイド装置6に2つのブレード材63が装着される。そして、中間壁5が2個とした場合では、隣接する両親杭B1,B1の間に中間壁5が2つの場合では、それぞれの中間壁5は、隣接する両親杭B1,B1間の両H型鋼2,2の中心から偏った位置に設けられることとなる。
【0065】
そのため、2つのブレード材63,63は長手方向に異なる長さのものが使用されることになる。つまり、一方の中間壁5が両H型鋼2,2の中間より一方のH型鋼2側に偏った位置に施工され、他方の中間壁5は他方のH型鋼2側に偏った位置に施工されるため、2つのブレード材63,63の長さを異なるものとして、両方の先端が両H型鋼2,2に当接することができるようにしたものである。また、隣接する両親杭B1間の間に中間壁5が1つの場合では、該中間壁5は隣接する両親杭B1,B1間の両H型鋼2,2の中心に位置することとなり、2つのブレード材63は長手方向に同一長さのものが使用される。
【0066】
ガイド本体61に装着されたブレード保持材62を介して装着されたブレード材63は、掘削ドリル81の回動によって回動するガイド本体61と共に、水平面上を回動することができ、且つブレード材63がH型鋼2のフランジ21に当接したときには、ブレード保持材62,62と共に回動が停止するものである(
図11参照)。
【0067】
掘削ガイド装置6の2個のブレード材63の先端は親杭B1のH型鋼2の両フランジ21,21の間に入り込み、ブレード材63の先端はH型鋼2のフランジ21,21又はウェブ22に近接又は当接する。そして、掘削ドリル81が回転する共に掘削ガイド装置6自体も回転しようとするが、ブレード材63がフランジ21,21に当接することで掘削ガイド装置6はガイド本体61の軸支部61aに対して空転することとなり、掘削ドリル81の軸芯は、隣接する両親杭B1のH型鋼2によって一定の位置に維持され、付近の側壁4の側壁穴部41に影響されることなく、正確に中間壁5の中間壁穴部51を掘削することができる。
【0068】
掘削ガイド装置6の使用について、説明する。掘削ガイド装置6は、中間壁5の施工時において中間壁穴部51を正確な位置で垂直を維持しながら掘削する役目をなすものである。掘削ガイド装置6の2つのブレード材63,63のそれぞれの先端部分を隣接する親杭B1,B1の隣接するH型鋼2,2の各々の両フランジ21,21とウェブ22によって構成される空隙Sに挿入させる。
【0069】
このとき、掘削ガイド装置6の両ブレード材63,63の先端部分は、H型鋼2の両フランジ21,21又はウェブ22に当接できるようにセットされる。そして、掘削ドリル81,ループヘッド84,先端掘削機構83により掘削が開始され、両ブレード材63,63が両H型鋼2,2を略案内レール状に使用して、正確な掘削作業を行い、また、中間壁穴部51に近接する側壁穴41に影響されることなく、掘削作業を行うことができる。
【0070】
また、特に、図示しないが、親杭B1のコンクリート支持部3の上方部分と、側壁4の下方部分とが上下方向において交わることなく、近接した状態とすることもある。この場合でも、側壁穴部41にセメントミルクを注入することで、親杭穴部1のコンクリート支持部3の上方の埋め戻された盛土にセメントミルクが流入し、モルタル状態となり、これが固化することで、実質的に親杭B1と側壁4が一体化することになる。
【符号の説明】
【0071】
A…土留め施工領域、B1…親杭、B2…単位壁体、1…親杭穴部、2…H型鋼、
21…フランジ、3…コンクリート支持部、4…側壁、41…側壁穴部、5…中間壁、
51…中間壁穴部、6…掘削ガイド装置、61…ガイド本体、61a…軸支部、
62…ブレード保持材、62a…軸受部、62b…連結板部、
62c…ブレード取付板部、63…ブレード保持材、90…交わり部。