(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】火災報知システム
(51)【国際特許分類】
G08B 17/00 20060101AFI20240815BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20240815BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
G08B17/00 C
G08B25/04 H
G08B25/10 Z
(21)【出願番号】P 2020163541
(22)【出願日】2020-09-29
【審査請求日】2023-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】中山 学
【審査官】田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3102897(JP,U)
【文献】特開2013-235554(JP,A)
【文献】特開平06-277309(JP,A)
【文献】特開2016-151799(JP,A)
【文献】特開2007-096667(JP,A)
【文献】特開2017-078922(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 17/00-17/12
G08B 19/00-31/00
H04M 11/00-11/10
H04W 4/00-99/00
H03J 9/00- 9/06
H04Q 9/00- 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
火災監視対象である建物の屋外に設置され、火災が発生したことを感知した場合に火災信号を出力する炎感知器と、
前記建物の屋内に設置され、前記炎感知器から前記火災信号を受信した場合には、前記建物で火災が発生したことを知らせる無線信号を出力する警報器子機と、
前記火災監視対象である前記建物から離れ
ており、前記建物の監視員がいる設備の屋内に設置され、前記警報器子機から出力された前記無線信号を受信することで、前記建物で火災が発生したことを
前記監視員に対して報知する警報器親機と
を備え、
前記炎感知器および前記警報器子機は、前記建物に設けられたAC電源から電源が供給され、
前記警報器親機は、前記設備に設けられたAC電源から電源が供給され
、
前記設備の屋内に設置された前記警報器親機と、前記建物の屋内に設置された前記警報器子機とは、
前記無線信号による通信を直接行うことができる許容距離以内に地理的に配置されている場合には、互いに通信を直接行い、
前記無線信号による通信を直接行うことができる前記許容距離よりも離れて地理的に配置されている場合には、前記警報器親機と前記警報器子機との間に設けられ、前記警報器子機から受信した前記無線信号を前記警報器親機に転送する中継器の役割を果たすリピータを介して通信を行う
火災報知システム。
【請求項2】
前記炎感知器は、複数の炎感知器として構成され、
前記建物の屋外に設置された前記複数の炎感知器のそれぞれは、
前記建物の高さ方向において、異なる高さ位置に設置されるか、
監視視野が前記建物の中心側方向を向くように取り付けられるか、または、
監視視野が互いに重なるようにして、前記建物の全周にわたって取り付けられており、
前記警報器子機は、前記複数の炎感知器のいずれかから前記火災信号を受信した場合には、前記建物で火災が発生したことを知らせる前記無線信号を出力する
請求項1に記載の火災報知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災報知システムに関し、特に、常時は人がいない建物における火災感知に適した火災報知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年発生した文化財の火災事故により、文化財の防災対策への関心が高まっている。特に、常時は人がいない建物における火災感知に適した火災報知システムが強く望まれている。
【0003】
文化財を例に説明すると、文化財の過去の火災原因は、「放火」、「飛火」、「花火」等、外装の火災の割合が70%程度を占めている。このことより、屋内のみならず、屋外での火災原因を確実に検知することが求められている。
【0004】
重要文化財などにおける放火を検知する従来技術として、以下のような放火検知システムがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に係るシステムは、炎検知部を有する炎センサと、人体検知部を有する人体センサと、炎検知部の感度を設定する感度設定部と、人体検知部が人体を検知したときに侵入信号を送信する送信部と、侵入信号を受信する受信部とを備えている。
【0005】
特許文献1に係るシステムは、侵入信号を受信した時、感度設定部の感度を高感度に切り替えるように制御している。そして、炎センサにより炎が検出された場合には、火災信号が受信機に無線で送信され、火災信号と侵入信号とを受信した受信機は、放火が発生したと判断し、放火信号を携帯端末に移報している。
【0006】
この結果、通常は感度を低感度に設定して、屋外に設置しても、太陽光などによって誤報が生じることを抑制した上で、携帯端末を所持する管理者に対して、火災が検知されたことを迅速に報知することを実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来技術には、以下のような問題がある。
特許文献1に係るシステムは、放火をターゲットとして、常時は人がいない建物の屋外における火災発生を、人体を検出した際に感度を高めて監視している。しかしながら、上述したように、火災原因は、「放火」に限られず、「飛火」、「花火」等も考えられ、これら全ての火災原因に起因した外装の火災を確実に検知することが重要となる。
【0009】
このような観点で、特許文献1に係るシステムは、侵入信号が検知されない限り、高感度での放火発生検出を行うことができず、想定される外装の火災を確実に検出することができない。
【0010】
また、屋外に炎感知器を設置する場合には、太陽光による誤報を防止するとともに、雨水の影響を抑制することも考慮することが重要である。従って、これらの事情を考慮した上で、常時は人がいない建物の外装の火災の検出に適した火災報知システムを確立することが強く望まれている。
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、常時は人がいない建物の外装の火災の検出に適した火災報知システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る火災報知システムは、火災監視対象である建物の屋外に設置され、火災が発生したことを感知した場合に火災信号を出力する炎感知器と、建物の屋内に設置され、炎感知器から火災信号を受信した場合には、建物で火災が発生したことを知らせる無線信号を出力する警報器子機と、火災監視対象である建物から離れており、建物の監視員がいる設備の屋内に設置され、警報器子機から出力された無線信号を受信することで、建物で火災が発生したことを監視員に対して報知する警報器親機とを備え、炎感知器および警報器子機は、建物に設けられたAC電源から電源が供給され、警報器親機は、設備に設けられたAC電源から電源が供給され、設備の屋内に設置された警報器親機と、建物の屋内に設置された警報器子機とは、無線信号による通信を直接行うことができる許容距離以内に地理的に配置されている場合には、互いに通信を直接行い、無線信号による通信を直接行うことができる許容距離よりも離れて地理的に配置されている場合には、警報器親機と警報器子機との間に設けられ、警報器子機から受信した無線信号を警報器親機に転送する中継器の役割を果たすリピータを介して通信を行うものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、常時は人がいない建物の外装の火災の検出に適した火災報知システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施の形態1における火災報知システムを含む全体構成を示した図である。
【
図2】本発明の実施の形態1における火災報知システムに含まれる各構成要件について、地理的配置とともに一例を示した説明図である。
【
図3】本発明の実施の形態1において、神社に対して炎感知器を取り付けた具体例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の火災報知システムの好適な実施の形態につき、図面を用いて説明する。
本発明に係る火災報知システムは、監視対象である建物の屋外に炎感知器を設置し、炎感知器からの信号を受信して警報器親機に無線信号を送信する警報器子機が屋内に設けられ、炎感知器および警報器子機には有線により電源が供給される構成を備える点を技術的特徴としている。
【0016】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における火災報知システムを含む全体構成を示した図である。本実施の形態1に係る火災報知システムは、M個の検知部10(1)~10(M)と、通信制御部20とを備えて構成される。
【0017】
M個の検知部10(1)~10(M)は、火災の監視対象である建物に設置され、火災を検出したことを示す火災信号を、無線で送信する機能を備えている。M個の検知部10(1)~10(M)のそれぞれは、同一の構成を備えており、以下では、特に区別する必要がない場合には、単に検知部10として説明する。検知部10が設置される建物の一例としては、常時は人がいない、文化財に相当する神社、寺院、城等が挙げられる。
【0018】
一方、通信制御部20は、検知部10が設置された建物から離れた位置にあり、監視員等がいる設備に設置され、検知部10から送信された火災信号を無線受信する機能を備えている。通信制御部20が設置される設備の一例としては、社務所、管理センター等が挙げられる。
【0019】
通信制御部20は、インターネット等のネット通信網30を介して、外部装置であるサーバ40およびL個の携帯端末50(1)~50(L)と相互通信可能な構成を備えている。従って、通信制御部20は、火災信号を受信した場合には、外部装置に対して、無線信号により、火災が発生したことを報知することができる。
【0020】
次に、本実施の形態1に係る火災報知システムの主要な構成要素である検知部10および通信制御部20の具体的な構成および機能について説明する。
【0021】
まず、検知部10について説明する。検知部10は、無線式警報器子機11、N台の炎感知器12(1)~12(N)、およびAC電源13を備えて構成されている。N個の炎感知器12(1)~12(N)のそれぞれは、同一の構成を備えており、以下では、特に区別する必要がない場合には、単に炎感知器12として説明する。
【0022】
無線式警報器子機11は、火災の監視対象である建物の屋内に設けられ、AC電源13から電源が供給されている。一方、炎感知器12は、建物の外装の火災を検出できるように、建物の屋外に設けられ、AC電源13から電源が供給されている。なお、
図1では、無線式警報器子機11を介して炎感知器12に、AC電源13から電源が供給される場合を例示している。
【0023】
ここで、本実施の形態1における「建物の屋外」とは、建物の外装の火災を検出するために適した、建物の軒下、建物の縁下など、建物自体の屋内以外の位置を意味している。
【0024】
炎感知器12は、建物の屋外に設置されるため、雨水等が機器の内部に入り込まないように防水機能を備えていることが望ましい。ただし、炎感知器12は、雨水等の影響を受けにくい軒下等に設置される場合には、防水機能は必須ではない。また、炎感知器12に防水機能を持たせる場合にも、完全な防水機能の代わりに簡易的な防水機能を付加することで対応可能である。
【0025】
建物の屋内に設置された無線式警報器子機11と、建物の屋外に設置されたN台の炎感知器12(1)~12(N)のそれぞれとは、有線で接続されている。炎感知器12は、炎の発生を検出した場合には、無線式警報器子機11に対して検知信号を出力する。
【0026】
無線式警報器子機11は、いずれかの炎感知器12から検知信号を受信した場合には、監視対象である建物で火災が発生したことを示す火災信号を、無線式警報器親機21に対して無線信号として送信する。
【0027】
次に、通信制御部20について説明する。通信制御部20は、無線式警報器親機21、AC電源23、および受信機24を備えて構成されている。
【0028】
無線式警報器親機21は、監視対象である建物から離れた位置にあり、監視員等がいる設備の屋内に設けられ、AC電源23から電源が供給されている。また、受信機24も設備の屋内に設けられるとともに、無線式警報器親機21と有線で接続され、かつ、AC電源23から電源が供給されている。なお、
図1では、無線式警報器親機21を介して受信機24に、AC電源23から電源が供給される場合を例示している。
【0029】
無線式警報器親機21は、無線式警報器子機11から無線信号として送信された火災信号を受信することで、常時は人がいない建物において火災が発生したと判断する。また、受信機24は、無線式警報器親機21において火災が発生したと判断された場合には、無線式警報器親機21から作動信号を受信し、音響鳴動、盤面表示等によって火災が発生したことを報知することができる。さらに、ネット通信網30を介して、外部装置に対して、建物で火災が発生したことを報知するための報知信号を送信することもできる。
【0030】
この結果、外部装置に相当するサーバ40および携帯端末50(1)~50(L)は、ネット通信網30を介して報知信号を受信でき、火災の監視対象である建物において火災が発生したことを知ることができる。
【0031】
上述したような
図1に示した基本構成を踏まえて、具体的な地理的配置を含めたシステム構成について、
図2を例に説明する。
図2は、本発明の実施の形態1における火災報知システムに含まれる各構成要件について、地理的配置とともに一例を示した説明図である。
【0032】
図2においては、常時は人がいない建物として、神社1と神社2が例示されているともに、神社1および神社2から離れた位置にあり、監視員等がいる設備として社務所3が例示されている。
図2の例では、神社2は、社務所3から数百メートル離れた山の上に設けられており、神社1は、神社2と比較して社務所3により近い位置に設けられている。
【0033】
そして、神社1には検知部10(1)が設けられ、神社2には検知部10(2)が設けられ、社務所3には通信制御部20が設けられている。具体的には、神社1においては、警報器子機11が神社1の屋内に設けられており、2つの炎感知器12(1)、12(2)が神社1の屋外の軒下に設けられている。同様に、神社2においては、警報器子機11が神社2の屋内に設けられており、2つの炎感知器12(1)、12(2)が神社2の屋外の軒下に設けられている。
【0034】
また、社務所3においては、無線式警報器親機21および受信機24が社務所3の屋内に設けられている。
【0035】
神社1と社務所3とは、比較的近い位置関係にあり、神社1内の無線式警報器子機11と、社務所3内の無線式警報器親機21とは、互いに無線通信を直接行うことができる構成となっている。
【0036】
一方、神社2と社務所3とは、
図2に示したように、数百メートル離れた比較的遠い位置関係にある。従って、神社2内の無線式警報器子機11と、社務所3内の無線式警報器親機21とは、互いに無線通信を直接行うことができない。このような場合には、無線式警報器子機11から受信した無線信号を無線式警報器親機21に転送する中継器の役割を果たすリピータを設けることが考えられる。
【0037】
具体的には、神社2と社務所3との間には、
図1では図示しなかった無線式リピータ60、および無線式リピータ60に電源を供給するためのAC電源63が設けられている。このような構成を採用することで、神社2内の無線式警報器子機11と、社務所3内の無線式警報器親機21とは、無線式リピータ60を介して、互いに無線通信を行うことができる。無線式リピータ60を屋外に設置する場合には、例えば樹脂製の防水ボックスに入れるとよい。
【0038】
次に、文化財である建物としての一例である神社に対して、炎感知器12を取り付ける場合について説明する。
図3は、本発明の実施の形態1において、神社に対して炎感知器12を取り付けた具体例を示した説明図である。
【0039】
神社などは、軒下部分が大きい屋根を有することが一般的であり、炎感知器12は、この屋根の軒下部分に取り付けられる。
図3に示すように、軒下部分に炎感知器12(1)、12(2)を取り付けることで、炎感知器12(1)、12(2)には太陽光などの外光が入射せず、誤報を起こすことがない。ただし、より確実に外光を遮光するためには、遮光カバーを炎感知器12(1)、12(2)に取り付けた上で、軒下に設置するようにしてもよい。
【0040】
また、
図3に示すように、高床式の構造となっている神社の場合には、炎感知器12(3)、12(4)を軒下ではなく縁下(床下)に設けるようにしてもよい。この場合であっても、炎感知器12(3)、12(4)が地面(下側)を向くように設置されている限りは、外光による誤報を防止できる。さらに、縁下(床下)に設けられる炎感知器12(3)、12(4)は、縁下で発生した放火または飛び火によって建物に火がつくことを迅速かつ確実に検知できる。
【0041】
このように、炎検知器12(1)~12(4)は、防護対象物である建物において、美観を損ねないよう人の目につきにくい箇所に取り付けられる。また、
図3に示すように、炎検知器12(1)~12(4)は、建物の高さ方向において、異なる高さ位置に複数設置されることで、監視する死角をなくして確実に火災の発生を検知できる。
【0042】
また、軒下に設けられる炎感知器12(1)、12(2)は、センサ部の視野が建物の中心側方向を向くように取り付けられる。これは、建物を見に来た観光客が手にするライターなどの火を感知することを防ぐためと、放火または飛び火によって建物に火がつくことを迅速かつ確実に検知できるようにするためである。
【0043】
複数の炎感知器12は、建物全体を監視できるように、2以上の炎感知器12の監視視野が互いに重なるようにして、建物の全周にわたって取り付けられることが望ましい。なお、建物に直接炎感知器12を取り付ける代わりに、建物の近傍に建物の高さよりも高いポールを設置して、そのポールに、建物の屋根部まで監視できるように炎感知器12を取り付けるようにしてもよい。
【0044】
このような
図2あるいは
図3に示したレイアウトを有する火災報知システムの特徴を整理すると、以下のような構成1~構成4を有し、効果1~効果4を実現できることとなる。
【0045】
(構成1)炎感知器12は、建物である神社1または神社2の軒下(建物の屋外)に設けられている。
(効果1)このように炎感知器12を建物の屋外に配置する構成を採用することで、雨水の影響を受けにくくすることができる。また、炎感知器12を神社1あるいは神社2の屋外に配置する構成を採用することで、外装の火災をより確実に検出することが可能となる。
【0046】
(構成2)神社1または神社2である建物の中に、炎感知器12から送信される検知信号を有線で受信して、無線式警報器親機21に対して、建物で火災が発生したことを報知するための火災信号を無線信号として送信する無線式警報器子機11を設けている。
(効果2)このように炎感知器12を無線式警報器子機11と有線で接続し、AC電源を供給できる構成を採用することで、無線タイプの炎感知器とは異なり、電池寿命あるいは電池交換の心配なしに、安定した電源供給を確立でき、確実に動作することを保証することができる。
【0047】
(構成3)神社1または神社2である建物から離れた社務所3に、無線信号を受ける無線式警報器親機21が設けられている。
(効果3)このように、火災を知らせる無線信号を遠隔地で受信できる構成を採用することで、文化財である神社1または神社2には、常時人がいないような場合であっても、火災を知らせる無線信号を社務所3にある無線式警報器親機21で受信することで、文化財で火災が発生したことを、社務所3にいる管理者に確実に報知することができる。
【0048】
(構成4)無線式警報器親機21と無線式警報器子機11との距離が、無線通信を直接行うことができる許容距離よりも離れている場合には、無線通信を中継できる無線式リピータ60が無線式警報器親機21と無線式警報器子機11との間に設けられている。
(効果4)このような中継機能を活用することで、無線式警報器子機11から無線信号を直接受信できない距離に無線式警報器親機を設置する場合にも、無線式リピータ60を介して容易に無線通信システムを構築することができる。
【0049】
本実施の形態1に係る火災報知システムによれば、構成1~3を兼ね備えることで、効果1~3を得ることができる。さらに、本実施の形態1に係る火災報知システムによれば、構成4をさらに備えることで、効果4を得ることができる。この結果、常時は人がいない建物の外装の火災の検出に適した火災報知システムを実現することができる。
【符号の説明】
【0050】
1、2 神社(建物)、3 社務所(設備)、10 検知部、11 無線式警報器子機(警報器子機)、12 炎感知器、13 AC電源、20 通信制御部、21 無線式警報器親機(警報器親機)、23 AC電源、24 受信機、30 ネット通信網、40 サーバ、50 携帯端末、60 無線式リピータ、63 AC電源。