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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】商品陳列棚用ブラケット及び商品陳列棚
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/00 20060101AFI20240815BHJP
   A47F 5/10 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
A47F5/00 C
A47F5/10
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020105200
(22)【出願日】2020-06-18
(65)【公開番号】P2021194448
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-06-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136331
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 陽一
(72)【発明者】
【氏名】長澤 信宏
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-126484(JP,A)
【文献】特開2019-217225(JP,A)
【文献】特開2019-092912(JP,A)
【文献】特開平05-329039(JP,A)
【文献】特開2005-211241(JP,A)
【文献】登録実用新案第3109549(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 5/00
A47F 5/10
A47F 3/06
A47B 96/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラケット本体と棚板支持部材とストッパーとを備え、ブラケット本体は、商品陳列棚の支柱に着脱自在に取付けられるものであり、棚板支持部材は、棚板を着脱自在に支持するものであって、ブラケット本体に対して前後方向に移動可能に設けてあり、ストッパーは、操作部を有し、棚板支持部材とブラケット本体の間に係脱自在に設けてあり、棚板支持部材を後退した位置で前方への移動を規制するものであり、操作部を前後方向の軸回りに回転自在に設けて左右方向から操作することでストッパーが解除されることを特徴とする商品陳列棚用ブラケット。
【請求項2】
請求項1記載の商品陳列棚用ブラケットを備えることを特徴とする商品陳列棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗の商品陳列棚の棚板を前後方向にスライド自在とするための商品陳列棚用ブラケット及び商品陳列棚に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、店員が商品の陳列を容易に行えるように、棚板を前後にスライドできるようにした商品陳列棚が知られている。かかる商品陳列棚においては、棚板が勝手に前方に飛び出さないようにすることが求められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、棚板が勝手に前方に飛び出すのを防止できる商品陳列棚用ブラケット及び商品陳列棚の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による商品陳列棚用ブラケットは、ブラケット本体と棚板支持部材とストッパーとを備え、ブラケット本体は、商品陳列棚の支柱に着脱自在に取付けられるものであり、棚板支持部材は、棚板を着脱自在に支持するものであって、ブラケット本体に対して前後方向に移動可能に設けてあり、ストッパーは、操作部を有し、棚板支持部材とブラケット本体の間に係脱自在に設けてあり、棚板支持部材を後退した位置で前方への移動を規制するものであり、操作部を前後方向の軸回りに回転自在に設けて左右方向から操作することでストッパーが解除されることを特徴とする。
【0005】
請求項2記載の発明による商品陳列棚は、請求項1記載の商品陳列棚用ブラケットを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明による商品陳列棚用ブラケットは、ブラケット本体と棚板支持部材とストッパーとを備え、ブラケット本体は、商品陳列棚の支柱に着脱自在に取付けられるものであり、棚板支持部材は、棚板を着脱自在に支持するものであって、ブラケット本体に対して前後方向に移動可能に設けてあり、ストッパーは、操作部を有し、棚板支持部材とブラケット本体の間に係脱自在に設けてあり、棚板支持部材を後退した位置で前方への移動を規制するものであり、操作部を前後方向の軸回りに回転自在に設けて左右方向から操作することでストッパーが解除されるので、棚板が勝手に前方に飛び出すのを防止できる。
【0007】
請求項2記載の発明による商品陳列棚は、請求項1記載の商品陳列棚用ブラケットを備えていることで、棚板を前方に引き出せるので棚板に商品を陳列したりするのに都合がよく、しかも棚板が勝手に前方に飛び出すことがない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(a)は本発明の商品陳列棚用ブラケットの一実施形態を示す平面図、(b)は同側面図、(c)は同底面図、(d)は同正面図である。
図2】(a)は同商品陳列棚用ブラケットの前部を拡大した側面図、(b)は同正面図、(c)は同底面図、(d)はストッパーにより棚板支持部材の前方への移動が規制された状態を示す底面図である。
図3】同商品陳列棚用ブラケットの分解斜視図である。
図4】同商品陳列棚用ブラケットを使用する商品陳列棚の分解斜視図である。
図5】同商品陳列棚の斜視図である。
図6】同商品陳列棚の斜視図であって、棚板を途中まで引き出した状態を示す。
図7】同商品陳列棚の斜視図であって、棚板を限界まで引き出した状態を示す。
図8】棚板を引き出す際の手順を示す斜視図である。
図9】棚板を収納する際のストッパーの動きを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1~3は、本発明の商品陳列棚用ブラケット1L,1Rの一実施形態を示しており、図4~7は、同商品陳列棚用ブラケット1L,1Rを使用する商品陳列棚8の一実施形態を示している。
本商品陳列棚用ブラケット1L,1Rは、図4に示すように、左右対称な商品陳列棚用ブラケット(右)1Rと商品陳列棚用ブラケット(左)1Lの2つを一組とし、これを既存の商品陳列棚8の前後スライド機構を有しない単なる板状の棚板支持ブラケット9と付け替えた上で、その上に既存の商品陳列棚8の棚板6を載せることで、図5~7に示すように、棚板6を前後にスライドできるようにするものである。
【0010】
商品陳列棚用ブラケット1L,1Rは、図1,3に示すように、ブラケット本体2と棚板支持部材3とストッパー4とスライドレール10を有している。
ブラケット本体2は、上内側縦壁11と下外側縦壁12と両縦壁11,12を繋ぐ横壁13とを有し、正面視でクランク状に曲がった形になっている。下外側縦壁12は、後端部に爪片14を上下方向に間隔をおいて複数設けてあり、当該爪片14を商品陳列棚8の支柱5に上下方向に間隔をおいて多数形成されたスリット状の取付孔15に引っ掛けることで(図4参照)、商品陳列棚用ブラケット1L,1Rを支柱5に高さ調整可能に且つ着脱自在に取付けできる。上内側縦壁11には、スライドレール10の内側レール16aがリベット17で固定される。上内側縦壁11の後端部の上縁部には、連結材取付部18が内側に突出して設けてある。連結材取付部18には、図4,6に示すように、棒状の連結材19の端部がねじ20で取付けられ、左右の商品陳列棚用ブラケット1L,1Rを連結材19で繋ぐことで、商品陳列棚用ブラケット1L,1Rの左右方向の振れを規制している。
横壁13の前端部には、ストッパー4と係合する係合部21が設けてある。係合部21は、図2に示すように、棚板支持部材3が前方にスライドしようとしたときにストッパー4後側の係合部22と当接して棚板支持部材3の前方への移動を規制する被係合部21aと、被係合部21aの内側に後方に突出して形成された鉤部21bと、被係合部21a及び鉤部21bの前方に形成されたテーパー部21cを有している。
【0011】
棚板支持部材3は、棚板6を着脱自在に支持するものであって、図1,3に示すように、平らな板状に形成され、スライドレール10の外側レール16bにリベット17で固定されている。棚板支持部材3は、ブラケット本体2の下外側縦壁12と面一状に配置されており、これにより本商品陳列棚用ブラケット1L,1Rを既存の通常のブラケット9と交換できる。棚板支持部材3は、上縁部に棚板6との係合部23が設けてあり、図4に示すように、棚板6を上方から載せると、棚板支持部材3の上縁で棚板6の裏面を受け、且つ係合部23に棚板6が係合して棚板6が棚板支持部材3に支持される。
【0012】
ストッパー4は、図2,3に示すように、丸棒を曲げて略コ字型に形成したものであり、前側に設けた操作部7と、後側に設けた係合部22と、操作部7と係合部22とを繋ぐ前後方向軸24とを有しており、操作部7は係合部22よりも短くなっている。ストッパー4は、前後方向軸24を取付金具25により回動自在に保持し、スライドレール10の前方の棚板支持部材3の前端部内側面に取付けてあり、手を触れない状態では操作部7と係合部22は自重で垂下するようになっている。
【0013】
スライドレール10は、市販品であって、外側レール16bと内側レール16aとをベアリングを内蔵した連結材26で連結して構成されており、外側レール16bと内側レール16aが長手方向に相対的に移動することで約2倍の長さに伸縮自在となっている。
【0014】
次に、棚板6を前方に引き出す際の操作方法を説明する。棚板6を収納した状態(後方にスライドした状態)では、図8(a)に示すように、ストッパー4の係合部22がブラケット本体2の係合部21の被係合部21aに当接することにより棚板6の前方への移動が規制されている。この状態のままでは、ストッパー4の係合部22がブラケット本体2の係合部21の鉤部21bに当たってストッパー4を解除できないため、図8(b)に示すように、棚板6をいったん後方に押してストッパー4の係合部22をブラケット本体2の係合部21の被係合部21aから後方に離間させる。その上で、図8(c)に示すように、ストッパー4の操作部7を指で内側に押してストッパー4を前後方向軸24回りに内側に回動させる。すると、ストッパー4の係合部22がブラケット本体2の係合部21から外れるので、棚板6の前部を持って手前に引っ張れば、図8(d)に示すように、棚板6を前方に引き出すことができる。
【0015】
一方、棚板6を収納する際には、棚板6の前部を持って後方に押すと、図9(a)に示すように、ストッパー4の係合部22がブラケット本体2の係合部21のテーパー部21cに当たり、その後、棚板6が後方に移動するにつれて、図9(b)に示すように、ストッパー4の係合部22がブラケット本体2の係合部21のテーパー部21cに押されてストッパー4が前後方向軸24回りに内側に回動する。棚板6を一番奥までスライドさせると、図9(c)に示すように、ストッパー4の係合部22がブラケット本体2の係合部21を乗り越え、自重により垂下する。これにより、図9(d)に示すように、ストッパー4の係合部22がブラケット本体2の係合部21の被係合部21aに係止して、棚板6の前方への移動が規制される。このように本商品陳列棚用ブラケット1L,1Rは、棚板6を後方に押すだけで、自動的にストッパー4を効かせることができる。
【0016】
以上に述べたように本商品陳列棚用ブラケット1L,1Rは、ブラケット本体2と棚板支持部材3とストッパー4とを備え、ブラケット本体2は、商品陳列棚8の支柱5に着脱自在に取付けられるものであり、棚板支持部材3は、棚板6を着脱自在に支持するものであって、ブラケット本体2に対して前後方向に移動可能に設けてあり、ストッパー4は、操作部7を有し、棚板支持部材3とブラケット本体2の間に係脱自在に設けてあり、棚板支持部材3を後退した位置で前方への移動を規制するので、棚板6が勝手に前方に飛び出すのを防止できる。
また、本商品陳列棚用ブラケット1L,1Rは、棚板支持部材3をブラケット本体2に取付けているスライドレール10の前方にストッパー4を設けたので、市販のスライドレール10をそのまま用いることができ、コストダウンが可能である。しかも、ストッパー4が前方に位置することでストッパー4の操作がしやすい。また、ストッパー4を設けることで商品の陳列空間が狭くなることもない。
ストッパー4は、操作部7が前後方向軸24回りに回動可能に設けてあり、操作部7を垂下した状態から棚板6の幅方向内側に動かすことで解除されるようにしたので、バネ等が不要でストッパー4の構造を単純にでき、耐久性、動作の安定性が優れている。また、客が棚板6から商品を取り出す際に手などがストッパー4に当たってもストッパー4が解除されず、したがって客が誤ってストッパー4を解除して棚板6が飛び出す心配がない。
さらに、本商品陳列棚用ブラケット1L,1Rは、ブラケット本体2の係合部21に鍵部21bを後方に突出して設けたことで、特に本ブラケット1L,1Rが前下がりの状態で取付けてあったときに、棚板6をいったん後方に押し込まないとストッパー4を解除できないため、棚板6が不用意に前方に飛び出すのをより確実に防止できる。
さらに、本商品陳列棚用ブラケット1L,1Rは、棚板6を後方にスライドさせたときにストッパー4と当接してストッパー4を解除方向に動かすテーパー部21cを有しているので、棚板6を後方にスライドするだけで自動的にストッパー4を効かせられ、ストッパー4をかけ忘れることもない。
また、本商品陳列棚用ブラケット1L,1Rは、連結材取付部18を有しており、左右の商品陳列棚用ブラケット1L,1Rを連結材19で連結することで、左右方向の振れを規制できる。
本商品陳列棚用ブラケット1L,1Rは、ブラケット本体2を上内側縦壁11がスライドレール10の内側に位置するように正面視クランク状に形成したことで、左右の商品陳列棚用ブラケット1L,1Rのブラケット本体2同士を連結材19で連結するのが容易になる。左右の商品陳列棚用ブラケット1L,1Rの棚板支持部材3同士を連結材19で連結した場合には、棚板6を前方に引き出した際に連結材19が棚板6と共に前方に移動するため、左右方向の振れを抑える効果が弱くなるが、本実施形態のようにブラケット本体2同士を連結材19で連結してあることで、棚板6を前方に引き出した際にも連結材19によりブラケット本体2の左右方向の振れが規制されるため、棚板6の左右方向の振れを効果的に規制できる。
本商品陳列棚は、このような商品陳列棚用ブラケット1L,1Rを備えていることで、棚板6を前方に引き出せるので棚板6に商品を陳列したりするのに都合がよく、しかも棚板6が勝手に前方に飛び出すことがない。
【0017】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。ブラケット本体と棚板支持部材とストッパーの具体的な形状、材質は、適宜変更することができる。ストッパーの構造、ストッパーが設けられる位置についても、適宜変更することができる。本発明の商品陳列棚用ブラケットは、あらゆる形態の商品陳列棚に利用することができる。
【符号の説明】
【0018】
1L,1R 商品陳列棚用ブラケット
2 ブラケット本体
3 棚板支持部材
4 ストッパー
5 支柱
6 棚板
7 操作部
8 商品陳列棚
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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