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特許7538637空調システム、ファンモジュール、空調モジュール、及び空調装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】空調システム、ファンモジュール、空調モジュール、及び空調装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/007 20060101AFI20240815BHJP
   F24F 1/04 20110101ALI20240815BHJP
   F24F 6/00 20060101ALI20240815BHJP
   F24F 8/30 20210101ALI20240815BHJP
   F24F 8/80 20210101ALI20240815BHJP
【FI】
F24F7/007 101
F24F1/04
F24F6/00 Z
F24F8/30
F24F8/80 250
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020117833
(22)【出願日】2020-07-08
(65)【公開番号】P2022015160
(43)【公開日】2022-01-21
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(72)【発明者】
【氏名】桂 成龍
【審査官】広瀬 雅治
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0114336(KR,A)
【文献】特開平02-223746(JP,A)
【文献】特開2014-128749(JP,A)
【文献】特開2013-160471(JP,A)
【文献】登録実用新案第3076705(JP,U)
【文献】実開昭63-071493(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0056008(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0080507(KR,A)
【文献】特開2011-117442(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/007
F24F 1/04
F24F 6/00
F24F 8/30
F24F 8/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風するファンモジュールと、
前記ファンモジュールに取り付け可能である複数の空調モジュールと、を備え、
前記複数の空調モジュールは、互いに異なる空調機能を有し、
前記複数の空調モジュールは、
前記空調機能として、前記ファンモジュールが生成する風を加湿する機能を有する加湿モジュールと、
前記空調機能として、前記ファンモジュールが生成する風を加熱する機能を有するヒーターモジュールと、を含み、
前記加湿モジュールは、前記ファンモジュール及び前記ヒーターモジュールよりも下側、かつ、前記ヒーターモジュールよりも送風方向の下流側となるように、前記ファンモジュールに取り付け可能である、
空調システム。
【請求項2】
前記ファンモジュールは、送風方向の上流側及び下流側に、前記複数の空調モジュールのうち2つの空調モジュールが取り付け可能である、
請求項1に記載の空調システム。
【請求項3】
前記ファンモジュール及び前記複数の空調モジュールの各々は、少なくとも一端側に開口が設けられた筒状の筐体を有し、
前記複数の空調モジュールは、前記ファンモジュールに対して前記開口同士が重なるように取り付け可能である、
請求項1又は2に記載の空調システム。
【請求項4】
前記複数の空調モジュールは、
前記空調機能として、前記ファンモジュールが生成する風の風量を増加させる機能を有するターボモジュールと、
前記空調機能として、前記ファンモジュールが生成する風にイオンを付加する機能を有するイオン発生モジュールと、
前記空調機能として、前記ファンモジュールが生成する風を除湿する機能を有する除湿モジュールと、
前記空調機能として、前記ファンモジュールが生成する風を消臭する機能を有する消臭モジュールと、
のうち、少なくともいずれか1つを含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の空調システム。
【請求項5】
請求項1~のいずれか1項に記載の空調システムに用いられるファンモジュール。
【請求項6】
請求項1~のいずれか1項に記載の空調システムに用いられる空調モジュール。
【請求項7】
請求項1~のいずれか1項に記載の空調システムに用いられるファンモジュールと、
請求項1~のいずれか1項に記載の空調システムに用いられる複数の空調モジュールのうち、前記ファンモジュールに取り付けられた少なくとも1つの空調モジュールと、を備える、
空調装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調システム、ファンモジュール、空調モジュール、及び空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、酸素発生器を取り付け可能な携帯用扇風機が開示されている。特許文献1の携帯用扇風機では、携帯用扇風機として手軽に涼を取るだけでなく、スポーツの直後に不足した体内の酸素を補充できると同時に涼を取ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特公平7-18427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、扇風機としての機能と、扇風機に酸素発生機能を付加しているだけであるため、更にその他の機能が必要な場合は、別途、その必要な機能に特化した装置を用意しなければならなくなる。
【0005】
したがって、本発明の一態様は、様々な機能を有する空調装置を実現することが可能な空調システム、ファンモジュール、空調モジュール、及び空調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る空調システムは、送風するファンモジュールと、前記ファンモジュールに取り付け可能である複数の空調モジュールと、を備え、前記複数の空調モジュールは、互いに異なる空調機能を有する。
【0007】
本発明の一態様に係るファンモジュールは、前記空調システムに用いられる。
【0008】
本発明の一態様に係る空調モジュールは、前記空調システムに用いられる。
【0009】
本発明の一態様に係る空調装置は、前記空調システムに用いられるファンモジュールと、前記空調システムに用いられる複数の空調モジュールのうち、前記ファンモジュールに取り付けられた少なくとも1つの空調モジュールと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A図1Aは、実施形態に係る空調システムに含まれるファンモジュール、及び複数の空調モジュールそれぞれを示す概略斜視図である。
図1B図1Bは、実施形態に係る空調システムに含まれるバッテリーモジュール、スタンドモジュール、及び吹出し口モジュールを示す概略斜視図である。
図1C図1Cは、実施形態に係る空調システムに含まれるファンモジュール及び空調モジュールと、外部電源との接続関係を示すブロック図である。
図2A図2Aは、図1A及び図1Bに示す空調システムにおけるファンモジュール及び空調モジュールを有する空調装置の第1実施形態の第1例を示す概略斜視図である。
図2B図2Bは、図1A及び図1Bに示す空調システムにおけるファンモジュール及び空調モジュールを有する空調装置の第1実施形態の第2例を示す概略斜視図である。
図2C図2Cは、図1A及び図1Bに示す空調システムにおけるファンモジュール及び空調モジュールを有する空調装置の第1実施形態の第3例を示す概略斜視図である。
図2D図2Dは、図1A及び図1Bに示す空調システムにおけるファンモジュール及び空調モジュールを有する空調装置の第1実施形態の第4例を示す概略斜視図である。
図3A図3Aは、図1A及び図1Bに示す空調システムにおけるファンモジュール及び空調モジュールを有する空調装置の第2実施形態の第1例を示す概略斜視図である。
図3B図3Bは、図1A及び図1Bに示す空調システムにおけるファンモジュール、空調モジュール、及び吹出し口モジュールを有する空調装置の第2実施形態の第2例を示す概略斜視図である。
図3C図3Cは、図1A及び図1Bに示す空調システムにおけるファンモジュール及び空調モジュールを有する空調装置の第2実施形態の第3例を示す概略斜視図である。
図4A図4Aは、図1A及び図1Bに示す空調システムにおけるファンモジュール及びバッテリーモジュールを有する空調装置の第3実施形態の第1例を示す概略斜視図である。
図4B図4Bは、図1A及び図1Bに示す空調システムにおけるファンモジュール、空調モジュール、及びバッテリーモジュールを有する空調装置の第3実施形態の第2例を示す概略斜視図である。
図5図5は、図1A及び図1Bに示す空調システムにおけるファンモジュール及びスタンドモジュールを有する空調装置の第4実施形態を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。この実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0012】
(空調システム)
本開示の空調システム1000の構成について、図1A及び図1Bを参照して説明する。
【0013】
図1Aに示すように、空調システム1000は、ファンモジュール10と、ファンモジュール10に取り付け可能である複数の空調モジュール20、30、40、50、60、70と、を備えている。以下の説明では、複数の空調モジュール20、30、40、50、60、70を区別する場合、ターボモジュール20、イオン発生モジュール30、加湿モジュール40、除湿モジュール50、ヒーターモジュール60、消臭モジュール70という。空調システム1000は、図1Bに示すように、バッテリーモジュール80と、吹出し口モジュール90と、スタンドモジュール100と、を更に備えている。
【0014】
ファンモジュール10は、筒状の筐体11を有している。筐体11の一端側(図1Aにおける下側)には、吸込み口(開口)12が設けられている。筐体11の他端側(図1Aにおける上側)には、吹出し口(開口)13が設けられている。筐体11の側面には、外部接続端子14及び電源ボタン15が設けられている。ファンモジュール10は、筐体11内にファンを有している。ファンモジュール10には、筐体11の一端側及び他端側それぞれに、給電コネクタC1(図1C参照)が設けられている。給電コネクタC1は、ファンモジュール10に取り付けられる空調モジュール20、30、40、50、60、70のうち、ファンモジュール10からの電力を必要とする空調モジュールに電力を供給する。ファンモジュール10からの電力を必要とする空調モジュールとは、本実施形態においては、ターボモジュール20、イオン発生モジュール30、除湿モジュール50、及び消臭モジュール70である。また、ファンモジュール10には、筐体11の一端側及び他端側それぞれに、受電コネクタ(図示せず)が設けられている。受電コネクタは、後述するヒーターモジュール60に設けられる給電コネクタと電気的及び機械的に接続可能に構成されている。
【0015】
図1Cに示すように、ファンモジュール10は、電源部16を備えている。電源部16は、ファンを駆動する駆動電力を生成する電源回路である。電源部16は、外部接続端子14と電気的に接続されている。外部接続端子14は、例えばUSB規格に準拠した汎用コネクタである。外部接続端子14は、外部電源300と直接的、又はUSBケーブルを介して間接的に接続可能に構成されている。外部電源300は、例えばバッテリーモジュール80、電源アダプタ等である。
【0016】
バッテリーモジュール80は、例えばリチウムイオン電池等のバッテリーと、出力回路と、充電回路と、を有している。また、図1Bに示すように、バッテリーモジュール80は、給電コネクタ81及び充電コネクタ82を有している。出力回路は、バッテリーの放電電圧を所定の定電圧に変換し、給電コネクタ81を介して定電圧を出力するように構成されている。給電コネクタ81は、例えばUSB規格に準拠した汎用コネクタであり、外部接続端子14と直接的に接続可能である。
【0017】
電源アダプタは、商用電源から供給される交流電圧を所定の直流電圧に変換する定電圧回路を有している。電源アダプタは、例えばUSBケーブルを介して外部接続端子14と間接的に接続可能である。
【0018】
電源部16は、外部接続端子14を介して外部電源(バッテリーモジュール80、電源アダプタなど)から供給される電力を用いて、ファンを駆動する駆動電力を生成する。ファンの駆動回路は、電源部16から供給される駆動電力を用いてファンを駆動する。ファンが駆動することによって、筐体11の吸込み口12側(上流側)から吹出し口13側(下流側)に向かう風が生成される。また、駆動回路は、ユーザによって電源ボタン15(図1A参照)が操作される度に、ファンの駆動と停止とを切り換えるように構成されている。例えば、電源ボタン15は、電源部16と駆動回路との間を導通及び遮断するオルタネート型スイッチである。駆動回路は、電源ボタン15がオン状態であり、電源部16から駆動電力が供給されている期間のみ、ファンを駆動させる。なお、駆動回路は、上述のように、ユーザによって電源ボタン15が操作される度に、ファンの駆動と停止の2状態のみを切り換える構成に代えて、例えば、次のように構成されてもよい。駆動回路は、ユーザによって電源ボタン15が操作される度に、小さい風量でのファンの駆動、大きい風量でのファンの駆動、及びファンの停止を順次切り替えるように構成されてもよい。
【0019】
また、電源部16は、外部接続端子14を介して外部電源から供給される電力を用いて、ファンモジュール10に取り付けられる空調モジュールの動作電力を生成するように構成されている。電源部16は、生成した動作電力を、給電コネクタC1(図1C参照)を介して空調モジュールに供給する。給電コネクタC1は、空調モジュールに設けられた受電コネクタC2(図1C参照)と電気的及び機械的に接続可能に構成されている。空調モジュールは、給電コネクタC1、及び受電コネクタC2を介して電源部16から供給された動作電力を用いて動作する。なお、給電コネクタC1は、電源部16を介さず、電源ボタン15を介して外部接続端子14と電気的に接続され、外部電源から供給される電力を空調モジュールに中継するように構成されていてもよい。
【0020】
ターボモジュール20は、筒状の筐体21を有している。筐体21の一端側(図1Aにおける下側)には、吸込み口22が設けられている。筐体21の他端側(図1Aにおける上側)には、吹出し口23が設けられている。ターボモジュール20は、筐体21内にファンを有している。ターボモジュール20は、空調機能として、ファンモジュール10が生成する風の風量を増加させる機能を有している。
【0021】
ターボモジュール20には、筐体21の一端側及び他端側それぞれに、受電コネクタC2(図1C参照)及び中継コネクタ(図示せず)が設けられている。受電コネクタC1は、ファンモジュール10に設けられた給電コネクタC1(図1C参照)、又は他の空調モジュールに設けられた中継コネクタが電気的及び機械的に接続可能に構成されている。中継コネクタは、筐体21の反対側に設けられた受電コネクタC2と電気的に接続されている。中継コネクタは、ターボモジュール20に取り付けられる他の空調モジュールの受電コネクタC2と電気的及び機械的に接続可能に構成され、受電コネクタC2を介してファンモジュール10から供給された動作電力を、他の空調モジュールに中継する。
【0022】
ターボモジュール20は、受電コネクタC2を介してファンモジュール10から供給される動作電力を用いてファンを駆動する。ファンが駆動することによって、筐体21の吸込み口22側(上流側)から吹出し口23側(下流側)に向かう風が生成される。ターボモジュール20は、ターボモジュール20のファンが生成する風の向きと、ファンモジュール10のファンが生成する風の向きと、が同じとなるように、ファンモジュール10に取り付けられる。例えば、ターボモジュール20は、筐体21の吸込み口22が、ファンモジュール10の筐体11の吹出し口13と重なるように、ファンモジュール10に取り付けられる。又は、ターボモジュール20は、筐体21の吹出し口23が、ファンモジュール10の筐体1の吸込み口12と重なるように、ファンモジュール10に取り付けられる。これにより、ターボモジュール20のファンが生成する風の向きが、ファンモジュール10のファンが生成する風の向きと同じとなるので、ファンモジュール10が生成する風の風量が増加する。
【0023】
イオン発生モジュール30は、筒状の筐体31を有している。筐体31の一端側(図1Aにおける下側)には、開口32が設けられている。筐体31の他端側(図1Aにおける上側)には、開口33が設けられている。イオン発生モジュール30は、空調機能として、ファンモジュール10が生成する風にイオンを付加する機能を有している。
【0024】
イオン発生モジュール30には、筐体31の一端側及び他端側それぞれに、受電コネクタC2(図1C参照)及び中継コネクタ(図示せず)が設けられている。受電コネクタC2及び中継コネクタは、ターボモジュール20の受電コネクタC2及び中継コネクタと同様の構成であるので、説明を省略する。イオン発生モジュール30は、受電コネクタC2を介して電源部16(図1C参照)から供給される動作電力を用いて動作する。
【0025】
具体的には、イオン発生モジュール30は、イオンを発生させるイオン発生装置である。イオン発生モジュール30は、一対の放電電極、及び電圧発生回路を有している。一対の放電電極は、筐体31内に設けられている。電圧発生回路は、電源部16(図1C参照)から供給される電力を用いて、一対の放電電極に高電圧を印加するように構成されている。各放電電極に高電圧が印加されると、プラズマクラスター(登録商標)イオンが筐体31内に発生する。具体的には、一方の放電電極からプラスイオンH(HO)m(mは任意の自然数)が発生し、他方の放電電極からマイナスイオンO2(HO)n(nは任意の自然数)が発生する。プラズマクラスターイオンは、除菌効果、脱臭効果、ウイルスの作用抑制効果、及び静電気抑制効果を有することが知られている。
【0026】
イオン発生モジュール30は、ファンモジュール10のファンが生成した風が筐体31を通過するように、ファンモジュール10に取り付けられる。これにより、筐体31内において、ファンモジュール10のファンが生成した風にイオン(プラズマクラスターイオン)が付加される。
【0027】
加湿モジュール40は、筒状の筐体41を有している。筐体41の一端側(図1Aにおける下側)には、当該一端側の開口を塞ぐように板状の底部42が設けられている。筐体41の他端側(図1Aにおける上側)には、開口43が設けられている。筐体41の側面には、開口44が設けられている。また、図示は省略するが、加湿モジュール40においては、筐体41内に、例えば、加湿用の水が入れられるタンク、及び加湿フィルタが収納されている。
【0028】
加湿モジュール40は、空調機能として、ファンモジュール10が生成する風を加湿する機能を有している。具体的には、加湿モジュール40は、ファンモジュール10における筐体11の一端側又は他端側に取り付けられることにより、開口43、44を介して筐体41内をファンモジュール10が生成した風が通過する。この風が加湿フィルタに当たって、加湿フィルタの水が気化することにより、ファンモジュール10が生成した風が加湿される。
【0029】
除湿モジュール50は、筒状の筐体51を有している。筐体51の一端側(図1Aにおける下側)には、当該一端側の開口を塞ぐように板状の底部52が設けられている。筐体51の他端側(図1Aにおける上側)には、開口53が設けられている。筐体51の側面には、開口54が設けられている。また、図示は省略するが、除湿モジュール50においては、筐体51内に、ペルチェ素子、及び除湿された水が溜められるトレイが収納されている。除湿モジュール50は、空調機能として、ファンモジュール10が生成する風を除湿する機能を有している。
【0030】
除湿モジュール50は、筐体51の開口53に、受電コネクタC2(図1C参照)が設けられている。受電コネクタC2は、ターボモジュール20の受電コネクタC2と同様の構成であるので、説明を省略する。除湿モジュール50は、受電コネクタC2を介して電源部16(図1C参照)から供給される動作電力を用いて動作する。
【0031】
具体的には、除湿モジュール50は、ファンモジュール10における筐体11の一端側又は他端側に取り付けられることにより、開口53、54を介して筐体51内をファンモジュール10が生成した風が通過する。また、除湿モジュール50では、電源部16(図1C参照)から供給される電力を用いて、ペルチェ素子に電圧を印可し、ペルチェ素子の吸熱面(低温側)と放熱面(高温側)に温度差を発生させる。ペルチェ素子は、筐体51内において、吸熱面にファンモジュール10が生成した風が当たるように設けられている。除湿モジュール50では、ファンモジュール10が生成した風がペルチェ素子の吸熱面に当たって結露することにより、ファンモジュール10が生成する風を除湿する。
【0032】
ヒーターモジュール60は、筒状の筐体61を有している。筐体61の一端側(図1Aにおける下側)には、当該一端側の開口を塞ぐように板状の閉塞部62が設けられている。筐体61の他端側(図1Aにおける上側)には、開口63が設けられている。筐体61の側面には、開口64が設けられている。更に、ヒーターモジュール60は、ACプラグ65を有している。ヒーターモジュール60は、空調機能として、ファンモジュール10が生成する風を加熱する機能を有している。
【0033】
具体的には、ヒーターモジュール60は、図示は省略するが、内部に電熱線などの発熱部材が設けられている。ヒーターモジュール60は、ファンモジュール10における筐体11の一端側又は他端側に取り付けられることにより、開口63、64を介して筐体61内をファンモジュール10が生成した風が通過する。ヒーターモジュール60では、発熱部材が発熱することによって筐体61を通過する空気が温められる。
【0034】
また、ヒーターモジュール60は、電源回路(図示せず)を備えている。電源回路は、ACプラグ65が例えば壁等に設けられたコンセントに接続されることにより、商用電源から電力が供給される。電源回路は、商用電源から供給された電力を用いて、発熱部材を発熱させる。これにより、USB規格に準拠した電力に比べて、より大きな電力を発熱部材に供給することができ、発熱量を大きくすることができる。
【0035】
ヒーターモジュール60には、筐体61の他端側に、給電コネクタ(図示せず)が設けられている。給電コネクタは、ヒーターモジュール60の電源回路に電気的に接続されている。また、給電コネクタは、上述したファンモジュール10の受電コネクタと電気的及び機械的に接続可能に構成されている。ファンモジュール10は、ヒーターモジュール60の給電コネクタ、及びファンモジュール10の受電コネクタを介してヒーターモジュール60の電源回路から電源部16(図1C参照)に供給される動作電力によって動作する。また、ファンモジュール10は、当該動作電力を電源部16から他の空調モジュールに、給電コネクタC1、及び受電コネクタC2を介して供給し、他の空調モジュールは、当該動作電力を用いて動作する。
【0036】
ただし、ヒーターモジュール60も、他の空調モジュールと同様、ファンモジュール10の電源部16(図1C参照)から供給される動作電力を用いて動作するよう構成してもよい。この場合、筐体61の他端(開口63)側に、ファンモジュール10又は他の空調モジュールから供給される電力を受ける受電コネクタC2が設けられる。
【0037】
消臭モジュール70は、筒状の筐体71を有している。筐体71の一端側(図1Aにおける下側)には、当該一端側の開口を塞ぐように板状の閉塞部72が設けられている。筐体71の他端側(図1Aにおける上側)には、開口73が設けられている。筐体71の側面には、開口74が設けられている。消臭モジュール70は、空調機能として、ファンモジュール10が生成する風を消臭する機能を有している。
【0038】
具体的には、消臭モジュール70は、ファンモジュール10における筐体11の一端側又は他端側に取り付けられることにより、開口73、74を介して筐体71内をファンモジュール10が生成した風が通過する。また、消臭モジュール70は、図示は省略するが、光触媒と、光触媒に光を照射するLED(Light Emitting Diode)と、を備えている。光触媒は、LEDから照射された光に反応して、臭い成分を分解する。光触媒は、筐体71内において、ファンモジュール10が生成した風の風路を囲むように設けられている。消臭モジュール70では、ファンモジュール10が生成した風が筐体71を通過することにより、ファンモジュール10が生成する風を消臭する。
【0039】
図1Bに示すように、バッテリーモジュール80は、バッテリー(図示せず)と、給電コネクタ81と、充電コネクタ82と、を有している。充電コネクタ82は、例えばUSB規格に準拠した汎用コネクタであり、外部接続部材(例えば、USBケーブルのUSB端子)が電気的及び機械的に接続可能に構成されている。バッテリーモジュール80の充電回路は、充電コネクタ82に外部接続部材を介して外部電源が電気的に接続された場合、外部電源からの供給電力を用いてバッテリーを充電する。また、上述したように、バッテリーモジュール80は、給電コネクタ81が、ファンモジュール10の外部接続端子14に接続可能であり、ファンモジュール10に電力を供給可能に構成されている。すなわち、バッテリーモジュール80は、図1Cに示す外部電源300として機能する。
【0040】
吹出し口モジュール90は、筒状の筐体91を有している。筐体91の一端側(図1Bにおける下側)には、開口92が設けられている。筐体91の他端側(図1Bにおける上側)には、当該他端側の開口を塞ぐように板状の閉塞部93が設けられている。また、筐体91の側面には、2つの開口94が互いに向かい合うように設けられている。筐体91は、開口92と2つの開口94を介して、ファンモジュール10が生成した風が通過可能に構成されている。
【0041】
スタンドモジュール100は、ファンモジュール10が載置され、ファンモジュール10を固定可能に構成された載置台101を備えている。載置台101は、ファンモジュール10の筐体11の側面を挟み込むようにファンモジュール10を保持可能に構成されている。また、載置台101は、筐体11の側面を挟み込んでいる部分を支点として、ファンモジュール10を回転可能に保持する。これにより、載置台101は、ファンモジュール10が生成する風の向きを調整可能に、ファンモジュール10を保持することができる。
【0042】
ファンモジュール10は、送風方向の上流(筐体11の吸込み口(開口)12)側及び下流(筐体11の吹出し口(開口)13)側に、複数の空調モジュール20、30、40、50、60、70のうち2つの空調モジュールが機械的に取り付け可能に構成されている(図1A参照)。すなわち、複数の空調モジュール20、30、40、50、60、70は、ファンモジュール10に対して、筒状の筐体11、21、31、41、51、61、71の開口同士が同軸となるように取り付け可能に構成されている。具体的には、筒状の筐体11の一端側の開口12又は他端側の開口13に、筒状の筐体21、31の一端側の開口22、32又は他端側の開口23、33が重なるように取り付け可能である。また、筒状の筐体11の一端側の開口12又は他端側の開口13に、筒状の筐体41、51、61、71の他端側の開口43、53、63、73が重なるように取り付け可能である。同様に、ファンモジュール10は、送風方向の上流(筐体11の吸込み口(開口)12)側及び下流(筐体11の吹出し口(開口)13)側に、吹出し口モジュール90が機械的に取り付け可能に構成されている(図1A図1B参照)。すなわち、吹出し口モジュール90は、ファンモジュール10に対して、筒状の筐体91の開口同士が同軸となるように取り付け可能に構成されている。具体的には、筒状の筐体11の一端側の開口12又は他端側の開口13に、筒状の筐体91の一端側の開口92が重なるように取り付け可能である。なお、本実施形態においては、筒状の筐体11、21、31、41、51、61、71、91は、断面が円形である場合を示しているが、これに限られない。筒状の筐体11、21、31、41、51、61、71、91の筐体の断面、すなわち開口形状が互いに同一であれば、矩形であっても構わない。
【0043】
また、空調モジュール20、30、40、50、60、70、及び吹出し口モジュール90は、ファンモジュール10のみではなく、他の空調モジュール20、30、40、50、60、70、及び吹出し口モジュール90に取り付け可能である。空調モジュール20、30、40、50、60、70、及び吹出し口モジュール90は、いずれか2つが、筒状の筐体21、31、41、51、61、71、91の開口同士が重なるように取り付け可能に構成されている。
【0044】
また、ファンモジュール10、ターボモジュール20、イオン発生モジュール30は、それぞれ一端(開口12、22、32)側、及び他端(開口13、23、33)側の両方に、他の空調モジュール、ファンモジュール10、又は吹出し口モジュール90を取り付け可能に構成されている。加湿モジュール40、除湿モジュール50、ヒーターモジュール60、消臭モジュール70は、いずれも他端(開口43、53、63、73)側、すなわち、一方側のみに他の空調モジュール、ファンモジュール10、又は吹出し口モジュール90を取り付け可能に構成されている。
【0045】
<空調装置>
次に、本開示の空調装置の第1~第3実施形態について、図1A図1Bに加えて図2A図2D図3A図3C図4A図4B、及び図5を参照して説明する。
【0046】
[第1実施形態]
図2A図2Dは、それぞれ空調装置の第1実施形態の第1例~第4例を示している。本実施形態は、図1A図1Bに示す空調システム1000から、ファンモジュール10及び必要な空調モジュールを用いて、加湿器を実現するものである。
【0047】
(第1例)
図2Aに示すように、本実施形態の第1例の空調装置1aは、図1Aに示すファンモジュール10に加湿モジュール40を取り付けて構成されている。このように、空調システム1000におけるファンモジュール10と加湿モジュール40とを組み合わせることにより、加湿器として使用可能な空調装置1aが得られる。
【0048】
空調装置1aにおいては、加湿モジュール40の開口43(図1A参照)がファンモジュール10の吸込み口12(図1A参照)と向かい合うように、ファンモジュール10に加湿モジュール40が取り付けられている。
【0049】
このような構成により、空調装置1aでは、ファンモジュール10の電源ボタン15が押されると、ファンモジュール10が電源部16(図1C参照)で生成された駆動電力を用いてファンを駆動する。これにより、ファンモジュール10の送風方向に風の流れが発生する。すなわち、空調装置1aには、矢印で示す方向に風の流れが発生する。したがって、加湿モジュール40の開口44から風が吸い込まれ、加湿モジュール40内で加湿された風がファンモジュール10の吹出し口13から吹き出される。こうして、空調装置1aは、加湿器として機能する。
【0050】
(第2例)
図2Bに示すように、本実施形態の第2例の空調装置1bは、図2Aに示す空調装置1aに、更に図1Aに示すターボモジュール20が取り付けられて構成されている。このように、空調システム1000におけるファンモジュール10と、加湿モジュール40と、ターボモジュール20とを組み合わせることにより、加湿量の多い加湿器として使用可能な空調装置1bが得られる。
【0051】
空調装置1bにおいては、図2Aに示す空調装置1aと同様の構成に、ターボモジュール20の吸込み口22(図1A参照)がファンモジュール10の吹出し口13と向かい合うように、ファンモジュール10にターボモジュール20が取り付けられている。
【0052】
このような構成により、空調装置1bでは、ファンモジュール10の電源ボタン15が押されると、図2Aの空調装置1aと同様、ファンモジュール10が電源部16(図1C参照)で生成された駆動電力を用いてファンを駆動する。更に、ターボモジュール20が受電コネクタC2を介して電源部16から供給された動作電力を用いてファンを駆動する。こうして、ファンモジュール10の送風方向に風の流れが発生し、更に、ターボモジュール20によって、その風の風量が増加する。すなわち、空調装置1bには、矢印で示す方向に、図2Aの空調装置1aにおいて発生する風よりも風量の大きい風の流れが発生する。したがって、加湿モジュール40の開口44から空調装置1aよりも風量の大きい風が吸い込まれ、この風が加湿モジュール40内で加湿されて、ファンモジュール10を介してターボモジュール20の吹出し口23から吹き出される。このように、空調装置1bによれば、加湿モジュール40の開口44から吸い込まれる風の風量が大きくなることにより、加湿量を多くすることが可能となる。こうして、空調装置1bは、加湿量の多い加湿器として機能する。
【0053】
(第3例)
図2Cに示すように、本実施形態の第3例の空調装置1cは、図2Aに示す空調装置1aに、更に図1Aに示すイオン発生モジュール30が取り付けられて構成されている。このように、空調システム1000におけるファンモジュール10と、加湿モジュール40と、イオン発生モジュール30とを組み合わせることにより、空気清浄機能付きの加湿器として使用可能な空調装置1cが得られる。
【0054】
空調装置1cにおいては、図2Aに示す空調装置1aと同様の構成に、イオン発生モジュール30の開口32(図1A参照)がファンモジュール10の吹出し口13と向かい合うように、ファンモジュール10にイオン発生モジュール30が取り付けられている。
【0055】
このような構成により、空調装置1cでは、ファンモジュール10の電源ボタン15が押されると、図2Aに示す空調装置1aと同様に、ファンモジュール10が電源部16(図1C参照)で生成された駆動電力を用いてファンを駆動する。これにより、矢印で示す方向に風の流れが発生する。また、イオン発生モジュール30が受電コネクタC2を介して電源部16から供給された動作電力を用いてイオンを発生する。こうして、加湿モジュール40の開口44から風が吸い込まれ、加湿モジュール40内で加湿された風がファンモジュール10を介して、イオン発生モジュール30の開口33から吹き出される。このように、空調装置1cにおいては、加湿モジュール40内で加湿された風に、更にイオンが付加されて、イオン発生モジュール30の開口33から吹き出される。こうして、空調装置1cは、空気清浄機能付きの加湿器として機能する。
【0056】
(第4例)
図2Dに示すように、本実施形態の第4例の空調装置1dは、図2Bに示す空調装置1bに、更に図1Aに示すイオン発生モジュール30が取り付けられて構成されている。このように、空調システム1000におけるファンモジュール10と、加湿モジュール40と、ターボモジュール20と、イオン発生モジュール30とを組み合わせることにより、空気清浄機能付きで、且つ加湿量の多い加湿器として使用可能な空調装置1dが得られる。
【0057】
空調装置1dにおいては、図2Bに示す空調装置1bと同様の構成に、イオン発生モジュール30の開口32(図1A参照)がターボモジュール20の吹出し口23と向かい合うように、ターボモジュール20にイオン発生モジュール30が取り付けられている。つまり、イオン発生モジュール30は、ターボモジュール20を介して、ファンモジュール10に間接的に取り付けられている。
【0058】
このような構成により、空調装置1dでは、ファンモジュール10の電源ボタン15が押されると、ファンモジュール10が電源部16(図1C参照)で生成された駆動電力を用いてファンを駆動する。更に、ターボモジュール20が受電コネクタC2を介して電源部16から供給された動作電力を用いてファンを駆動する。また、イオン発生モジュール30が中継コネクタを介して電源部16から供給された動作電力を用いてイオンを発生する。こうして、加湿モジュール40の開口44から風量の大きい風が吸い込まれ、この風量の大きい風が加湿モジュール40内で加湿されて、ファンモジュール10及びターボモジュール20を介して、イオン発生モジュール30の開口33からが吹き出される。このように、空調装置1dによれば、図2Bに示す空調装置1bと同様、加湿モジュール40の開口44から吸い込まれる風の風量が大きくなることにより、加湿量を多くすることが可能となる。更に、空調装置1dによれば、加湿モジュール40内で加湿された風に、イオン発生モジュール30においてイオンが付加されることから、空調装置1dは、空気清浄機能付きで、且つ加湿量の多い加湿器として機能する。
【0059】
このように、第1実施形態の空調装置1a~1dによれば、ファンモジュール10に加湿モジュール40を取り付けることにより、加湿器を得ることができる。更に、ターボモジュール20やイオン発生モジュール30を適宜追加で取り付けることにより、使用環境やユーザの好み等に応じた加湿器を実現することができる。
【0060】
[第2実施形態]
図3A図3Cは、それぞれ空調装置の第2実施形態の第1例~第3例を示している。本実施形態は、図1Aに示す空調システム1000から、ファンモジュール10及び必要な空調モジュールを用いて、ファンヒーターを実現するものである。
【0061】
(第1例)
図3Aに示すように、本実施形態の第1例の空調装置2aは、図1Aに示すファンモジュール10にヒーターモジュール60を取り付けて構成されている。このように、空調システム1000におけるファンモジュール10とヒーターモジュール60とを組み合わせることにより、ファンヒーターとして使用可能な空調装置2aが得られる。
【0062】
空調装置2aにおいては、ヒーターモジュール60の開口63(図1A参照)がファンモジュール10の吸込み口12(図1A参照)と向かい合うように、ファンモジュール10にヒーターモジュール60が取り付けられている。
【0063】
このような構成により、空調装置2aでは、ファンモジュール10の電源ボタン15が押されると、ファンモジュール10は、ヒーターモジュール60の電源回路から供給される動作電力を用いてファンを駆動する。すなわち、ファンモジュール10は、ヒーターモジュール60の給電コネクタ、及びファンモジュール10の筐体11の一端側の受電コネクタを介してヒーターモジュール60の電源回路から電源部16(図1C参照)に供給される動作電力を用いてファンを駆動する。これにより、ファンモジュール10の送風方向に風の流れが発生する。また、ヒーターモジュール60が、ヒーターモジュール60の電源回路で生成された電力を用いて、発熱部材を発熱させる。したがって、ヒーターモジュール60の開口64から矢印で示す方向に風が吸い込まれ、ヒーターモジュール60内の発熱部材により加熱された風がファンモジュール10の吹出し口13から吹き出される。こうして、空調装置2aは、ファンヒーターとして機能する。
【0064】
(第2例)
図3Bに示すように、本実施形態の第2例の空調装置2bは、図3Aに示す第1例の空調装置2aに、図1Bに示す吹出し口モジュール90を取り付けて構成されている。このように、空調装置2bは、ファンモジュール10とヒーターモジュール60とを有していることにより、図3Aに示す空調装置2aと同様、ファンヒーターとして機能する。
【0065】
更に、空調装置2bにおいては、吹出し口モジュール90の開口92がファンモジュール10の吹出し口13(図1A参照)と向かい合うように、ファンモジュール10に吹出し口モジュール90が取り付けられている。
【0066】
このような構成により、空調装置2bでは、ファンモジュール10の電源ボタン15が押されると、図3Aの空調装置2aと同様、ファンモジュール10は、ヒーターモジュール60の電源回路から電源部16(図1C参照)に供給される動作電力を用いてファンを駆動する。これにより、ファンモジュール10の送風方向に風の流れが発生する。すなわち、空調装置2bには、矢印で示す方向に風の流れが発生する。また、ヒーターモジュール60がその電源回路で生成された電力を用いて、発熱部材を発熱させる。したがって、ヒーターモジュール60の開口64から矢印で示す方向に風が吸い込まれ、ヒーターモジュール60内で加熱された風が吹出し口モジュール90の吹出し口94から吹き出される。空調装置2bによれば、ヒーターモジュール60内で加熱された風が横方向に吹出されるため、例えば、卓上等でユーザの両手の間に置いて使用すれば、ユーザがパソコンのキーボードを打つ等の作業を行う際、両手を温めることができる。
【0067】
(第3例)
図3Cに示すように、本実施形態の第3例の空調装置2cは、図1Aに示すファンモジュール10に、ヒーターモジュール60、加湿モジュール40、ターボモジュール20、及びイオン発生モジュール30を取り付けて構成されている。このように、空調装置2cは、ファンモジュール10とヒーターモジュール60とを有していることにより、図3Aに示す空調装置2aと同様、ファンヒーターとして機能する。更に、空調装置2cは、加湿モジュール40と、ターボモジュール20と、イオン発生モジュール30とを有していることにより、加湿機能を有するとともに、風量が大きく、空気清浄機能も有するファンヒーターとして機能する。
【0068】
空調装置2cにおいては、加湿モジュール40の開口43(図1A参照)がファンモジュール10の吹出し口13(図1A参照)と向かい合うように、ファンモジュール10に加湿モジュール40が取り付けられている。また、ターボモジュール20の吹出し口23(図1A参照)がファンモジュール10の吸込み口12と向かい合うように、ファンモジュール10にターボモジュール20が取り付けられている。更に、イオン発生モジュール30の開口32(図1A参照)がターボモジュール20の吸込み口22と向かい合うように、ターボモジュール20にイオン発生モジュール30が取り付けられている。つまり、イオン発生モジュール30は、ターボモジュール20を介して、ファンモジュール10に間接的に取り付けられている。そして、ヒーターモジュール60の開口63(図1A参照)がイオン発生モジュール30の開口33(図1A参照)と向かい合うように、イオン発生モジュール30にヒーターモジュール60が取り付けられている。つまり、ヒーターモジュール60は、ターボモジュール20及びイオン発生モジュール30を介して、ファンモジュール10に間接的に取り付けられている。
【0069】
このような構成により、空調装置2cでは、ファンモジュール10の電源ボタン15が押されると、図3Aの空調装置2aと同様、ファンモジュール10は、ヒーターモジュール60の電源回路から電源部16(図1C参照)に供給される動作電力を用いてファンを駆動する。すなわち、ファンモジュール10は、ヒーターモジュール60の給電コネクタ、及びファンモジュール10の筐体11の他端側の受電コネクタを介してヒーターモジュール60の電源回路から電源部16(図1C参照)に供給される動作電力を用いてファンを駆動する。更に、ターボモジュール20が受電コネクタC2を介して電源部16から供給された動作電力を用いてファンを駆動する。また、イオン発生モジュール30が中継コネクタを介して電源部16から供給された動作電力を用いてイオンを発生する。また、ヒーターモジュール60がその電源回路で生成された電力を用いて、発熱部材を発熱させる。したがって、ファンモジュール10の送風方向に風の流れが発生し、ターボモジュール20によって、その風の風量が増加する。よって、空調装置2cには、矢印で示す方向に、風量の大きい風の流れが発生する。したがって、ヒーターモジュール60の開口64から風量の大きい風が吸い込まれ、その風がヒーターモジュール60内で加熱され、その風にイオンが付加され、更にその風が加湿されて、加湿モジュール40の開口44から吹き出される。こうして、空調装置2cは、加湿機能及び空気清浄機能付きで、且つ風量及び加湿量の大きいファンヒーターとして機能する。
【0070】
なお、本例の空調装置2cにおいて、例えば、ターボモジュール20及びイオン発生モジュール30は省略しても構わない。あるいは、ターボモジュール20及びイオン発生モジュール30のいずれか一方を省略してもよい。すなわち、使用環境やユーザの好み等に応じて、適宜、空調システム1000におけるファンモジュール10と、空調モジュールと、吹出し口モジュール90等とを組み合わせて、ファンヒーターを実現すればよい。
【0071】
図3Cに示す空調装置2cでは、図示のように、加湿モジュール40が一番下に、ヒーターモジュール60が一番上になるように、卓上等に置いて使用されることを想定している。しかし、これに限らず、上下を逆にする、すなわち、ヒーターモジュール60が一番下に、加湿モジュール40が一番上になるように、卓上等に置いて使用しても構わない。
【0072】
なお、図示は省略するが、上記第1実施形態の空調装置1a~1d、及び第2実施形態の空調装置2a~2cのいずれにおいても、各空調装置を構成しているファンモジュール10、空調モジュール(20、30、40、60)、及び吹出し口モジュール90は、単に上下に重ねて置かれているのではなく、上下に隣接するモジュール同士が取り付けられて接続された状態を維持するためのロック機構が設けられている。
【0073】
[第3実施形態]
図4A及び図4Bは、それぞれ空調装置の第3実施形態の第1例及び第2例を示している。本実施形態は、図1A及び図1Bに示す空調システム1000から、ファンモジュール10、バッテリーモジュール80及び必要な空調モジュールを用いて、携帯扇風機を実現するものである。なお、本実施形態では、ファンモジュール10は、空調モジュールとしても用いられる。
【0074】
(第1例)
図4Aに示すように、本実施形態の第1例の空調装置3aは、図1Aに示すファンモジュール10に図1Bに示すバッテリーモジュール80を取り付けて構成されている。このように、空調システム1000におけるファンモジュール10とバッテリーモジュール80とを組み合わせることにより、携帯扇風機として使用可能な空調装置3aが得られる。
【0075】
空調装置3aにおいては、バッテリーモジュール80の給電コネクタ81がファンモジュール10の外部接続端子14(図1A参照)に接続されることにより、バッテリーモジュール80がファンモジュール10に取り付けられている。
【0076】
このような構成により、空調装置3aでは、ファンモジュール10の電源ボタン15が押されると、ファンモジュール10の電源部16C(図1C参照)が、バッテリーモジュール80から供給された電力を用いて駆動電力を生成し、ファンが駆動する。これにより、ファンモジュール10の送風方向、すなわち吸込み口12側から吹出し口13側に向かう方向に、矢印で示すように風の流れが発生する。また、バッテリーモジュール80は、ファンモジュール10のグリップを兼ねる。こうして、空調装置3aは、携帯扇風機として機能する。
【0077】
なお、本例では、空調システム1000における空調モジュール20、30、40、50、60、70は使用していない。しかし、ファンモジュール10は、単体で、空調機能として、風を送風する機能を有していることから、ファンモジュール10は、空調モジュールであるともいえる。したがって、本例では、ファンモジュール10を空調モジュールとしても利用している。
【0078】
(第2例)
図4Bに示すように、本実施形態の第2例の空調装置3bは、図4Aに示す空調装置3aに、更に図1Aに示すターボモジュール20が取り付けられて構成されている。このように、空調システム1000におけるファンモジュール10とターボモジュール20とを組み合わせることにより、風量の大きい携帯扇風機として使用可能な空調装置3bが得られる。なお、図示は省略するが、空調装置3bにおいて、ファンモジュール10とターボモジュール20とは、単に左右に並べて置かれているのではなく、ファンモジュール10とターボモジュール20とが接続された状態を維持するためのロック機構が設けられている。
【0079】
空調装置3bにおいても、バッテリーモジュール80の給電コネクタ81がファンモジュール10の外部接続端子14(図1A参照)に接続されることにより、バッテリーモジュール80がファンモジュール10に取り付けられている。
【0080】
空調装置3bにおいては、図4Aに示す空調装置3aと同様の構成に、ターボモジュール20の吹出し口23(図1A参照)がファンモジュール10の吸込み口12と向かい合うように、ファンモジュール10にターボモジュール20が取り付けられている。
【0081】
このような構成により、空調装置3bでは、空調装置3aと同様に、ファンモジュール10の電源ボタン15が押されると、ファンモジュール10の電源部16C(図1C参照)が、バッテリーモジュール80から供給された電力を用いて駆動電力を生成し、ファンが駆動する。更に、ターボモジュール20が受電コネクタC2を介して電源部16から供給された動作電力を用いてファンを駆動する。これにより、図4Aの空調装置3aと同様、ファンモジュール10の送風方向に風の流れが発生する。つまり、ターボモジュール20の吸込み口22側からファンモジュール10の吹出し口13側に向かう方向に風の流れが発生するが、ターボモジュール20によって、その風の風量が増加する。すなわち、空調装置3bには、矢印で示す方向に、図4Aの空調装置3aにおいて発生する風よりも風量の大きい風の流れが発生する。こうして、空調装置3bは、風量の大きい携帯扇風機として機能する。
【0082】
なお、本実施形態では、ファンモジュール10を空調モジュールとして用いる第1例と、ファンモジュール10にターボモジュール20を取り付けた第2例のみを示したが、第1例及び第2例それぞれに、更に、例えばイオン発生モジュール30を取り付ける等、適宜、その他の空調モジュールを取り付けて、更なる空調機能を備えた空調装置として使用することも可能である。
【0083】
[第4実施形態]
図5は、空調装置の第4実施形態の一例を示している。本実施形態は、図1A及び図1Bに示す空調システム1000から、ファンモジュール10及びスタンドモジュール100を用いて、卓上扇風機を実現するものである。なお、本実施形態においても、上記第3実施形態の第1例の空調装置3aと同様、ファンモジュール10は、空調モジュールとしても用いられる。
【0084】
図5に示すように、本実施形態の一例の空調装置4は、図1Aに示すファンモジュール10が、立てられた状態、すなわち、筒状の筐体11の中心軸を水平に向けられた状態で、図1Bに示すスタンドモジュール100の載置台101の上に固定されて構成されている。
【0085】
このように、空調システム1000におけるファンモジュール10とスタンドモジュール100とを組み合わせることにより、卓上扇風機として使用可能な空調装置4が得られる。
【0086】
なお、本実施形態においても、ファンモジュール10にターボモジュール20を取り付けたり、イオン発生モジュール30を取り付けたりする等、適宜、その他の空調モジュールを取り付けて更なる空調機能を備えた空調装置として使用することも可能である。
【0087】
以上説明した空調装置の実施形態及び変形例では、空調システム1000におけるファンモジュール10や各種空調モジュールを用いて、加湿器、ファンヒーター、及び扇風機を実現する例を示した。しかしながら、空調システム1000を用いて実現できる機器は、加湿器、ファンヒーター、及び扇風機に限られない。例えば、ファンモジュール10に、図1Aに示す除湿モジュール50を取り付けた除湿器、消臭モジュール70を取り付けた消臭器、消臭モジュール70と加湿モジュール40とを取り付けた消臭加湿器等を実現することも可能である。その他、使用環境やユーザの好み等に応じて、ファンモジュール10に、適宜必要な空調モジュールを組み合わせて取り付けることにより、様々な機能を有する空調装置を得ることができる。
【符号の説明】
【0088】
1000 空調システム
10 ファンモジュール
20 ターボモジュール(空調モジュール)
30 イオン発生モジュール(空調モジュール)
40 加湿モジュール(空調モジュール)
50 除湿モジュール(空調モジュール)
60 ヒーターモジュール(空調モジュール)
70 消臭モジュール(空調モジュール)
80 バッテリーモジュール
90 吹出し口モジュール
100 スタンドモジュール
11、21、31、41、51、61、71、91 筐体
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5