(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】制御システム、および情報制御装置
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20240815BHJP
G06Q 50/40 20240101ALI20240815BHJP
【FI】
G07B15/00 501
G06Q50/40
(21)【出願番号】P 2020119552
(22)【出願日】2020-07-10
【審査請求日】2023-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】保木本 隆生
(72)【発明者】
【氏名】古用 晋一朗
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-154492(JP,A)
【文献】特開2012-164299(JP,A)
【文献】特開2010-087605(JP,A)
【文献】特開2019-159795(JP,A)
【文献】特開平05-346931(JP,A)
【文献】特開2003-331326(JP,A)
【文献】特開2006-243836(JP,A)
【文献】特開2012-164054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
G06Q 50/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体または対象者の身体から情報を読み取る複数種類の読取装置と、
接続された読取装置によって読み取られた読取情報に基づいて、開閉部材または出力装置のうち少なくとも一方を含む機器を制御するための情報を出力する制御装置と、を備え、
前記複数種類の読取装置のそれぞれと前記制御装置は、装着されることで両者を接続する複数種類の筐体のそれぞれに着脱可能であ
り、
前記制御装置は、
自身が装着された前記筐体の種類を判定する第1判定部と、
前記筐体に装着された前記読取装置の種類を判定する第2判定部と、
判定された前記筐体の種類と前記読取装置の種類の組み合わせに対応する入出場処理プログラムを決定するプログラム決定部と、を備える、
制御システム。
【請求項2】
前記制御装置は、
自身に接続された前記読取装置の種類を判別し、
前記読取情報に対して、前記判別した前記読取装置の種類に応じた処理を行った結果に基づいて、前記機器を制御する、
請求項1記載の制御システム。
【請求項3】
前記制御装置は、
自身が装着された前記筐体の種類を判別し、
前記判別した前記筐体の種類に基づいて、前記機器への制御内容を決定する、
請求項1または2記載の制御システム。
【請求項4】
前記複数種類の読取装置は、ICカードとの通信によって前記読取情報を読み取る読取装置、コード画像から光学的に前記読取情報を読み取る読取装置、前記対象者を撮像するカメラと画像認識装置を含み前記対象者の特徴量を前記読取情報として読み取る読取装置のうち一部または全部を含む、
請求項1から3のうちいずれか1項記載の制御システム。
【請求項5】
前記複数種類の筐体は、前記機器である開閉部材を備える筐体、および、前記機器である出力装置を備える筐体を含む、
請求項1から4のうちいずれか1項記載の制御システム。
【請求項6】
前記読取装置と前記機器とが前記制御装置に接続されることで、前記制御装置が前記筐体に装着されることなく、前記機器は前記制御装置により制御可能である、
請求項1から5のうちいずれか1項記載の制御システム。
【請求項7】
媒体または対象者の身体から情報を読み取る複数種類の読取装置と、
接続された読取装置によって読み取られた読取情報に基づいて、出力装置を含む機器を制御するための情報を出力する制御装置と、を備え、
前記複数種類の読取装置のそれぞれと前記制御装置は、装着されることで両者を接続する複数種類の筐体のそれぞれに着脱可能であり、
前記制御装置は、
前記筐体に装着された前記読取装置の種類及び装着位置を判定する第3判定部と、
判定された前記読取装置の種類
及び装着位置を示す情報を、前記出力装置から出力させる
出力制御部と、を備える、
制御システム。
【請求項8】
請求項1に記載の制御システムと、
前記複数種類の筐体のうち少なくとも一つと、
を備える情報制御装置。
【請求項9】
前記複数種類の筐体のうち少なくとも一部は、前記複数種類の読取装置のうち二以上の読取装置を同時に装着可能である、
請求項8記載の情報制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、制御システム、および情報制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駅の改札には、ICカードと磁気券の両方を利用可能な改札機が設置されている場合が多い。この改札機は、ICカードや磁気券から効力情報や入場記録などを読み取り、読み取った情報に基づいて入出場処理を行う。しかしながら、駅の中には、利用旅客が少ないため係員が常駐していない駅や、年に1回のイベント時に多数の旅客が利用する駅などがあり、このような駅に上述したような改札機を設置することは、管理や費用の面から困難な場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、利用特性に応じて必要な構成を交換することができる制御システム、および情報制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の制御システムは、複数種類の読取装置と、制御装置とを持つ。複数種類の読取装置は、媒体または対象者の身体から情報を読み取る。制御装置は、接続された読取装置によって読み取られた読取情報に基づいて、開閉部材または出力装置のうち少なくとも一方を含む機器を制御するための情報を出力する。前記複数種類の読取装置のそれぞれと前記制御装置は、装着されることで両者を接続する複数種類の筐体のそれぞれに着脱可能である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】改札機と着脱ユニットとの関係の一例を示す図。
【
図5】読取ユニット700の収容態様の一例を示す図。
【
図7】ICカード読取ユニット700-1の構成図。
【
図8】コード画像読取ユニット700-2の構成図。
【
図15】制御装置800を中心とした自動改札機300の構成図。
【
図16】入出場処理プログラム851に含まれる第1プログラムDBの一例を示す図。
【
図17】入出場処理プログラム851に含まれる第2プログラムDBの一例を示す図。
【
図18】簡易改札機400を水平方向に表から見た図。
【
図19】可搬改札機500を水平方向に表から見た図。
【
図23】事前登録時の処理概要の一例を示すシーケンス図。
【
図24】制御装置800による準備処理の一例を示すフローチャート。
【
図25】読取ユニット700の案内画像の一例を示す図。
【
図26】身体認証に基づく入場処理の一例を示すシーケンス図。
【
図27】媒体情報に基づく入場処理の一例を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の制御システムおよび情報制御装置を、図面を参照して説明する。
【0008】
[第1実施形態]
図1は、実施形態の制御システム1の一例を示す図である。制御システム1は、例えば、一以上のユーザ端末装置100と、一以上の発券機200と、一以上の自動改札機300と、一以上の簡易改札機400と、一以上の可搬改札機500と、DBサーバ装置900とを備える。
【0009】
自動改札機300と、簡易改札機400と、可搬改札機500は、例えば、鉄道施設に設置され、利用者の通過を許可または禁止するものであり、実施形態の制御システムを含む情報制御装置の一例である。これに限られず、実施形態の制御システムを含む情報制御装置は、遊園地や映画館等の施設の入場口に設置され、これら施設への入場の可否を判定する装置であってもよい。以下、自動改札機300と簡易改札機400と可搬改札機500とを区別しない場合、単に改札機と記す。
【0010】
ユーザ端末装置100、発券機200、自動改札機300、簡易改札機400、および可搬改札機500は、ネットワークNWを介してDBサーバ装置900と接続されている。なお、ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ装置、無線基地局などを含む。
【0011】
ユーザ端末装置100は、利用者が所有する通信端末であって、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。利用者は、ユーザ端末装置100を用いて、改札機を利用するために必要な情報をDBサーバ装置900に事前に登録しておく。改札機を利用するために必要な情報には、乗車券として利用される媒体に関する媒体情報、利用者の身体的特徴を示す情報(以下、身体情報と記す)、および乗車券の購入条件などが含まれる。
【0012】
媒体情報には、各媒体あるいは各利用者を識別する識別情報が含まれる。例えば、媒体情報には、電子マネーがチャージ可能なICカード乗車券に割り当てられている識別情報(以下、ICカードIDと記す)、コード画像券に割り当てられている識別情報であって、コード化されてコード画像に含まれる識別情報(以下、コード画像IDと記す)、クレジットカード等の非接触決済カードに割り当てられている識別情報(以下、クレジットカードIDと記す)等が含まれる。ICカード乗車券は、例えば、事前に電子マネーをチャージしておき、運賃を電子マネーで精算する乗車券として利用される。コード画像券は、例えば二次元コードのコード画像が紙媒体に印刷された乗車券として利用される。コード画像には、効力情報やコード画像IDがコード化されている。なお、コード画像券は、ユーザ端末装置100に表示されてもよい。ユーザ端末装置100にコード画像が表示される場合、コード画像IDとして、例えばワンタイムパスワードが利用可能である。クレジットカードは、例えば、クレジットカードIDで利用者を特定し、運賃を後で精算する乗車券として利用される。
【0013】
身体情報には、例えば、顔の特徴を示す特徴量データ、虹彩の特徴を示す特徴量データ、指紋パターンの特徴を示す特徴量データ、静脈パターンの特徴を示す特徴量データ等が含まれる。なお、身体情報は、特徴量データが算出される前のデータ(例えば、画像データやセンサの検出結果等)であってもよい。詳細な説明は省略するが、身体情報には、人間が歩く姿の特徴を示す特徴データが含まれてもよく、DBサーバ装置900は、この特徴データに基づいて歩容認証を行ってもよい。
【0014】
乗車券の購入条件には、例えば、購入する乗車券の種別、乗車券の利用区間、乗車券の利用期間等が含まれる。
【0015】
発券機200は、例えば、鉄道施設に設置され、乗車券を発券や、ICカード乗車券への電子マネーのチャージ等の処理を実行する。また、発券機200は、カメラ、指紋センサ、赤外線センサ等を備え、上述した改札機を利用するために必要な情報を取得し、DBサーバ装置900に登録してもよい。
【0016】
自動改札機300は、開閉部材を備える筐体を含む情報制御装置の一例である。自動改札機300は、通行者の通行を制御するための開閉部材として、物理的に通行者の通行を制限する扉が搭載され、扉によって通行者の通行を制限する改札機の一例である。開閉部材は、扉に限られず、開閉するバーであってもよい。自動改札機300は、例えば、多くの旅客が利用する駅や、駅員や係員が常駐している駅などに設置される。
【0017】
簡易改札機400と可搬改札機500は、出力装置を備える情報制御装置の一例である。簡易改札機400と可搬改札機500は、画像や動画や音声や光などを出力する出力装置が搭載され、出力装置によって通行可否を通行者に通知する改札機の一例である。出力装置には、例えば、表示装置、スピーカ、照明装置などが含まれる。
【0018】
簡易改札機400は、物理的に通行者の通行を制御する扉等を備えない点で自動改札機300と異なり、例えば、表面と裏面で入場と出場とを管理するようなポール形状をしている。簡易改札機400は、例えば、扉等の不具合を修正することができる駅員や係員が不在の無人駅などに設置される。
【0019】
可搬改札機500は、表示装置やスピーカなどの出力装置が、入出場処理を実行する制御装置に接続されることで、改札機筐体に装着されることなく動作可能な改札機である。例えば、可搬改札機500は、ケーブルや無線通信等で電気的に出力装置、読取装置、および制御装置と接続されていればよく、制御装置が取り付けられる改札機筐体を備えていなくてもよい。可搬改札機500は、例えば、年に一回多数の旅客が集まるイベント時に一時的に設置される。
【0020】
なお、自動改札機300は、開閉部材だけでなく、出力装置を備える情報制御装置の一例でもある。図示しないが、本制御システム1には、出力装置を備えずに、開閉部材だけを備える改札機が含まれてもよい。
【0021】
自動改札機300、簡易改札機400、および可搬改札機500には、例えば、表示ユニット600と、一以上の読取ユニット700と、制御装置800とが装着可能である。表示ユニット600は上述した表示装置の一例であり、読取ユニット700は上述した読取装置の一例である。
【0022】
自動改札機300、簡易改札機400、および可搬改札機500は、一の読取ユニット700により通行者の媒体あるいは身体から読み取られた情報(以下、通行者情報と記す)を、DBサーバ装置900に送信する。また、自動改札機300、簡易改札機400、および可搬改札機500は、二以上の読取ユニット700を同時に装着可能である。複数の読取ユニット700が取り付けられている場合、自動改札機300、簡易改札機400、および可搬改札機500は、先に取得された通行者情報をDBサーバ装置900に送信し、先に通行者情報を取得した読取ユニット以外の読取ユニットによる読み取りを無効化する。
【0023】
表示ユニット600、一以上の読取ユニット700、および制御装置800は、複数種類の改札機筐体のそれぞれに着脱可能な着脱ユニットであって、異なる種類の改札機、例えば自動改札機300、簡易改札機400、および可搬改札機500の間で共通して利用可能である。改札機筐体は、表示ユニット600、読取ユニット700、および制御装置800が装着されることで、表示ユニット600および読取ユニット700と制御装置800とを接続する。つまり、改札機筐体は、これらのユニットや装置が装着される収容部同士を接続する電力ケーブルや通信ケーブル(あるいは無線通信)を備え、これらのユニットや装置が装着されることで両者を接続する構成を備える。これにより、ユニットや装置が交換される度に、接続のための作業が必要なくなる。
【0024】
表示ユニット600は、ディスプレイを備え、制御装置800と電気的に接続され、所定の案内画像等を表示する。表示ユニット600は、改札機筐体と一体的に形成されていてもよく、既存のディスプレイで代用されてもよい。
【0025】
読取ユニット700は、通行者の媒体または身体から通行者情報を読み取る読取装置であり、読み取った情報を制御装置800に出力する。
【0026】
制御装置800は、複数種類の読取ユニット700のいずれにも対応可能であり、自身に接続された読取ユニット700により読み取られた通行者情報に基づいて、開閉部材または出力装置のうち少なくとも一方を含む機器を制御するための情報を出力する。例えば、自動改札機300に取り付けられた場合、制御装置800は、通行者情報に基づいて通行者の入出場を判定する処理を実行し、判定結果を表示ユニット600に表示するとともに扉部を動作させて通行者の通行を制御する。簡易改札機400あるいは可搬改札機500に取り付けられた場合、制御装置800は、通行者情報に基づいて通行者の入出場を判定する処理を実行し、判定結果を表示部に表示させて通行者の通行を制御する。なお、可搬改札機500に取り付けられる制御装置800は、既存のデスクトップコンピュータやノートパソコン等に置き換えられてもよい。
【0027】
DBサーバ装置900は、ユーザ端末装置100から受信した利用者の媒体情報や身体情報を自身のデータベースに登録すると共に、乗車券の購入指示を受信した場合、乗車券の購入条件に応じた乗車券の精算処理を実行して、購入された乗車券の効力情報を利用者の媒体情報や身体情報と対応付けてデータベースに登録する。
【0028】
また、通行者の媒体や身体から読み取った情報を改札機から受信した場合、DBサーバ装置900は、受信した情報を検索キーとしてデータベースを検索し、通行者に与えられている権限情報である乗車券の効力情報を読み出して改札機の制御装置800に送信する。この場合、制御装置800は、受信した効力情報に基づいて、通行者の入出場を判定する処理を実行する。
【0029】
図2は、改札機と着脱ユニットとの関係の一例を示す図である。改札機には、それぞれ読み取る情報の種類が異なる一以上の読取ユニット700が取り付け可能である。一以上の読取ユニット700には、例えば、ICカード乗車券との通信によって情報を読み取るICカード読取ユニット700-1と、媒体に印刷あるいはユーザ端末装置100に表示されているコード画像から光学的に情報を読み取るコード画像読取ユニット700-2と、クレジットカードなどの無線通信可能な媒体から情報を読み取る無線読取ユニット700-3とが含まれる。これらは、通行者が保持する媒体から媒体情報を読み取る読取装置の一例である。
【0030】
また、一以上の読取ユニット700には、通行者の身体から情報を読み取るものが含まれてよく、例えば、通行者の顔から情報を読み取る顔読取ユニット700-4、通行者の虹彩から情報を読み取る虹彩読取ユニット700-5、通行者の指紋から情報を読み取る指紋読取ユニット700-6、通行者の静脈から情報を読み取る静脈読取ユニット700-7等が含まれてよい。これらは、通行者の身体から情報を読み取る読取装置の一例であって、通行者を撮像するカメラや指紋パターンや静脈パターンを取得するセンサと、画像認識装置とを含み、通行者の身体の特徴量データを通行者情報として読み取る。
【0031】
改札機には、用意されている全ての読取ユニット700を改札機に取り付けなくてよく、改札機に取り付ける読取ユニット700の種類と個数は、改札機の管理者によって任意に選択されてよい。例えば、通行者の媒体から情報を読み取る読取ユニット700と、いずれか一つの読取ユニット700であってもよく、通行者の身体から情報を読み取る読取ユニット700との組み合わせであってもよく、前者だけの複数種類の読取ユニット700の組み合わせであってもよく、後者だけの複数種類の読取ユニット700の組み合わせであってもよい。
【0032】
また、制御装置800は、読取ユニット700の種類や読み取った情報によっては、DBサーバ装置900と通信せずに、入出場を判定し、開閉部材や出力装置等の機器を動作させてもよい。例えば、コード画像券が一回のみ使用できる乗車券として利用される場合や、改札機内で使用済フラグを保持していて使用済フラグを用いて入出場が判定される場合は、DBサーバ装置900と通信しなくてすむ。
【0033】
[ユーザ端末装置100]
図3は、ユーザ端末装置100の一例を示す構成図である。ユーザ端末装置100は、例えば、通信部110と、入力部120と、表示部130と、端末カメラ140と、端子接続部150と、記憶部160と、アプリ実行部170とを備える。
【0034】
通信部110は、セルラー網やWi-Fi網等を用いて、ネットワークNWに接続するためのハードウェアを有する。例えば、通信部110は、アンテナおよび送受信装置などを有する。入力部120は、例えば、表示部130と一体として形成されるタッチパネルTP、各種キー、ボタン、ダイヤルスイッチ、マウスなどのうち一部または全部を含む。表示部130は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)表示装置などである。
【0035】
端末カメラ140は、対象物の静止画(写真)あるいは動画を撮像し、アプリ実行部170に出力し、アプリ実行部170が撮像画像の画像データを記憶部160に記憶させる。端子接続部150は、複数の端子を備え、例えば、外部の指紋センサ151や赤外線センサ153と接続される。指紋センサ151は、指紋パターンのデータを取得する装置であり、赤外線センサ153は、静脈パターンのデータを取得する装置である。なお、指紋センサ151や赤外線センサ153は、ユーザ端末装置100に内蔵されていてもよい。
【0036】
記憶部160は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SDカード、レジスタなどによって実現される。記憶部160には、登録アプリ161が格納されている。登録アプリ161は、例えば、利用者の媒体情報や身体情報を登録するためのインターフェースを表示部130に表示させ、インターフェースを介して入力された情報に基づく処理をユーザ端末装置100に実行させるアプリケーションプログラム(以下、単にアプリと記す)である。
【0037】
アプリ実行部170は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサが、記憶部160に記憶された登録アプリ(プログラム)161を実行することにより実現される。登録アプリ161は、例えば、ネットワークNWを介して他装置からダウンロードされてもよいし、予めユーザ端末装置100にプリインストールされていてもよい。
【0038】
アプリ実行部170は、利用者の媒体情報や身体情報を、DBサーバ装置900のデータベースに登録させる。例えば、アプリ実行部170は、端末カメラ140により撮像された画像データや、指紋センサ151により取得された指紋パターンのデータ、赤外線センサ153により取得された静脈パターンのデータ等を、DBサーバ装置900に送信する。これに限られず、アプリ実行部170は、画像データや指紋パターンや静脈パターンに基づいて特徴量データを算出し、算出した特徴量データをDBサーバ装置900に送信してもよい。
【0039】
アプリ実行部170は、利用者を特定する情報を組み合わせて、例えば、利用者の媒体情報と身体情報を、一の媒体情報と他の媒体情報を、一の身体情報と他の身体情報を、それぞれ対応付けてDBサーバ装置900のデータベースに登録させてもよい。
【0040】
[発券機200]
図4は、発券機200の一例を示す構成図である。発券機200は、例えば、通信部210と、発券機カメラ220と、指紋センサ230と、赤外線センサ240と、タッチパネル250に含まれる入力部251および表示部252と、リーダライタ260と、印刷部270と、無線通信部280と、制御部290とを備える。
【0041】
通信部210は、ネットワークNWを介してDBサーバ装置900と通信する。発券機カメラ220は、対象物の静止画(写真)あるいは動画を撮像し、撮像画像の画像データを制御部290に出力する。指紋センサ230は、取得した指紋パターンのデータを制御部290に出力する。赤外線センサ240は、取得した静脈パターンのデータを制御部290に出力する。
【0042】
入力部251は、例えば、表示部252と一体として形成されるパネル操作部、各種キー、ボタン、ダイヤルスイッチ、マウスなどのうち一部または全部を含む。表示部252は、例えば、LCDや有機EL表示装置などである。
【0043】
リーダライタ260は、非接触ICカードと無線通信して情報の読み取り処理や情報の書き込み処理を実行する。印刷部270は、紙等の印刷媒体に所定の画像を印刷する機構を備える。無線通信部280は、クレジットカード等の非接触決済を実行するカード媒体と無線通信する。
【0044】
制御部290は、例えば、登録処理部291と、表示制御部292と、リーダライタ制御部293と、印刷制御部294と、無線通信制御部295と、発券処理部296とを備える。これらの機能部のうち一部または全部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサが、自身の記憶部に記憶されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、これらの構成要素の機能のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部:circuitryを含む)によって実現されていてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されていてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0045】
登録処理部291は、例えば、発券機カメラ220、指紋センサ230、および赤外線センサ240を用いて利用者の身体情報を取得し、且つ、入力部251を用いて乗車券の購入条件を取得した場合、身体情報に乗車券の購入条件を対応付けて、DBサーバ装置900のデータベースに登録させる。また、登録処理部291は、例えば、ICカードIDやクレジットカードIDなどを含む媒体情報を取得し、且つ、入力部251を用いて乗車券の購入条件を取得した場合、媒体情報に乗車券の購入条件を対応付けて、DBサーバ装置900のデータベースに登録させてもよい。
【0046】
表示制御部292は、各種操作画面や案内画面等を表示部252に表示させる。リーダライタ制御部293は、リーダライタ260を制御し、ICカード乗車券から所定の情報を読み出し、所定の情報をICカード乗車券に書き込む。印刷制御部294は、印刷部270を制御し、所定の画像を紙などの印刷媒体に印刷させる。無線通信制御部295は、無線通信部280を制御し、所定の情報をクレジットカードなどの非接触決済カードから読み取る。発券処理部296は、入力部251を用いて利用者から入力される指示に従い、ICカード乗車券を用いた乗車券の購入、コード画像を用いた乗車券の発券、非接触決済カードを用いた乗車券の購入を行う。
【0047】
例えば、ICカード乗車券を用いた乗車券の購入が指示された場合、発券処理部296は、チャージされている電子マネーでの精算処理を実行するとともに、乗車券の効力情報をリーダライタ制御部293に出力する。リーダライタ制御部293は、乗車券の効力情報をICカード乗車券に書き込む。なお、電子マネーのチャージが指示された場合、リーダライタ制御部293は、チャージされた電子マネーの金額を示す情報をICカード乗車券に書き込む。また、発券処理部296は、ICカードIDに、購入された乗車券の効力情報やチャージされた電子マネーの金額を対応付けて、DBサーバ装置900のデータベースに登録させてもよい。
【0048】
例えば、コード画像を用いた乗車券の購入が指示された場合、発券処理部296は、乗車券の効力情報をコード化したコード画像を生成し、印刷制御部294に出力する。印刷制御部294は、印刷部270を制御し、コード画像を印刷媒体に印刷させる。
【0049】
例えば、非接触決済カードを用いた乗車券の購入が指示された場合、発券処理部296は、クレジットカードでの支払い処理を実行するとともに、乗車券の購入条件とクレジットカードIDを登録処理部291に出力する。登録処理部291は、クレジットカードIDに乗車券の購入条件を対応付けて、DBサーバ装置900のデータベースに登録させる。つまり、支払いに用いられた媒体の識別情報と効力情報とを、DBサーバ装置900のデータベースに登録させてもよい。
【0050】
[読取ユニット700の収容態様]
読取ユニット700は、改札機筐体に装着されることで、例えば改札機に内蔵されている電源装置と接続されると共に、制御装置800と通信可能に接続される。制御装置800は、装着された読取ユニット700の種類や、装着された改札機内の位置を取得する。制御装置800は、
図5を参照して説明するように、制御装置800と接続されている読取ユニット検出部302の検出結果により読取ユニット700の種類や装着位置を検出する。これに限られず、制御装置800は、読取ユニット700と通信して種類と装着位置を取得してもよい。
【0051】
図5は、読取ユニット700の収容態様の一例を示す図である。ここでは、自動改札機300に収容される例について説明するが、簡易改札機400や可搬改札機500に収容される場合も同様であってよく、詳細な説明は省略する。
【0052】
自動改札機300は、一以上の読取ユニット700が着脱可能に設置される一以上の読取ユニット収容部320を備える。読取ユニット収容部320は、収容された状態の読取ユニット700の底面705と接する収容部設置面329を備える。収容部設置面329には、複数の改札機凹部301が設けられている。
【0053】
複数の改札機凹部301には、例えば、ICカード用凹部301-1と、コード画像用凹部301-2と、無線用凹部301-3と、顔認証用凹部301-4と、虹彩認証用凹部301-5と、指紋認証用凹部301-6と、静脈認証用凹部301-7とが含まれる。これら複数の改札機凹部301(301-1、301-2…)のそれぞれには、読取ユニット検出部302(302-1、302-2…)が設けられている。読取ユニット検出部302-1、302-2…は、互いに対応する改札機凹部301に読取ユニット700側の凸部が嵌め込まれた状態であるか否かを検出し、検出結果を制御装置800に出力する。改札機凹部301と読取ユニット検出部302の符号のハイフン(‐)の後ろの数字は、読取ユニット700の種類が同じ構成同士で、同じ数字が付されている。
【0054】
読取ユニット700の底面705には、読取ユニット700の種類に応じてそれぞれ異なる位置に読取ユニット凸部701が設置されている。その設置位置は、読取ユニット700が読取ユニット収容部320に収容された状態で向かい合う改札機凹部301の位置と対応している。読取ユニット700が読取ユニット収容部320に設置された場合、複数の改札機凹部301のいずれか一つに、読取ユニット700側に設けられた読取ユニット凸部701が嵌め込まれる。
【0055】
つまり、ICカード読取ユニット700-1のICカード用凸部701-1はICカード用凹部301-1と、コード画像読取ユニット700-2のコード画像用凸部701-2はコード画像用凹部301-2と、無線読取ユニット700-3の無線用凸部701-3は無線用凹部301-3と、顔読取ユニット700-4の顔認識用凸部701-4は顔認証用凹部301-4と、虹彩読取ユニット700-5の虹彩認証用凸部701-5は虹彩認証用凹部301-5、指紋読取ユニット700-6の指紋認証用凸部701-6は指紋認証用凹部301-6、静脈読取ユニット700-7の静脈認証用凸部701-7は静脈認証用凹部301-7と、各読取ユニット700が読取ユニット収容部320に収容された状態でそれぞれが対向する位置(嵌まる位置)に設置されている。
【0056】
読取ユニット検出部302は、改札機凹部301に凸部が嵌め込まれた状態であるか否かを検出することにより、読取ユニット収容部320に収容された読取ユニット700の種類を判定すするための情報を出力する。例えば、ICカード読取ユニット700-1が読取ユニット収容部320に収容された場合、読取ユニット検出部302-1だけが、ICカード用凹部301-1にICカード用凸部701-1が嵌め込まれた状態であることを検出する。この検出結果に基づいて、制御装置800は、読取ユニット収容部320にICカード読取ユニット700-1が取り付けられていることを判定することができる。なお、複数の読取ユニット700の機能を1ユニット化して着脱可能としてもよい。例えば、ICカード読み取りユニット700-1の機能と無線読取ユニット700-3の機能との両方の機能を有するハイブリッド読取ユニットとしてもよい。ハイブリッド読取ユニットは、例えば、底面705に、ICカード用凸部701-1と、無線用凸部701-3の両方を有する。こうすることで、ハイブリッド読取ユニットが装着されると、読取ユニット検出部302は、ICカード読み取りユニット700-1の機能と無線読取ユニット700-3の機能の両方を備える読取ユニット700が装着されたことを検出することができる。また、同様にして、顔読取ユニット700-4の機能と歩容読取ユニット(図示を省略する)の機能との両方を有するハイブリッド読取ユニットとしてもよい。この場合も同様にして、このハイブリッド読取ユニットは、底面705に、顔認証用凸部701-4と歩容用凸部(図示を省略する)の両方を有する。
【0057】
[制御装置800の収容態様]
制御装置800は、改札機筐体に装着されることで、例えば改札機に内蔵されている電源装置と接続されると共に、改札機に取り付けられているサブCPUやIC等と通信可能に接続され、装着された改札機の種類を取得する。制御装置800は、
図6を参照して説明するように、制御装置800と接続されている改札機検出部802により改札機の種類を検出する。これに限ら得ず、制御装置800は、改札機に取り付けられているサブCPUやIC等と、優先あるいは無線で通信して種類と装着位置を示す情報を取得してもよい。
【0058】
図6は、制御装置800の収容態様の一例を示す図である。制御装置800は、複数の制御装置凹部801(801-1、801-2、801-3)と、複数の改札機検出部802(802-1、802-2、802-3)とを含む。制御装置凹部801と改札機検出部802の符号のハイフン(‐)の後ろの数字は、1が自動改札機300、2が簡易改札機400、3が可搬改札機500にそれぞれ対応している。制御装置凹部801は、制御装置800の底面805であって、各改札機の種類に応じてそれぞれ異なる位置に設置されている。改札機検出部802は、互いに対応する制御装置凹部801に改札機側の凸部が嵌め込まれた状態であるか否かを検出し、検出結果を出力する。
【0059】
自動改札機300は、制御装置800が着脱可能に設置される制御装置収容部307を備える。制御装置収容部307は、収容された状態の制御装置800の底面805と接する収容部設置面308を備える。収容部設置面308には、制御装置800が制御装置収容部307に収容された状態で制御装置凹部801-1と向かい合う位置に、改札機凸部309が設けられている。例えば、制御装置800が制御装置収容部307に収容された場合、改札機検出部802-1は、改札機凸部309が制御装置800側に設けられた制御装置凹部801-1に嵌め込まれた状態であることを検出する。
【0060】
同様にして、簡易改札機400は、制御装置800が着脱可能に設置される制御装置収容部407を備える。制御装置収容部407は、収容された制御装置800の底面805と接する収容部設置面408を備える。収容部設置面408には、制御装置800が制御装置収容部407に収容された状態で制御装置凹部801-2と向かい合う位置に、改札機凸部409が設けられている。例えば、制御装置800が制御装置収容部407に収容された場合、改札機検出部802-2は、改札機凸部409が制御装置800側に設けられた制御装置凹部801-2に嵌め込まれた状態であることを検出する。
【0061】
可搬改札機500は、制御装置800が着脱可能に設置される制御装置収容部507を備えていてもよく、備えていなくてもよい。前者の場合、制御装置収容部507は、収容された制御装置800の底面805と接する収容部設置面508を備える。収容部設置面508には、制御装置800が制御装置収容部507に収容された状態で制御装置凹部801-3と向かい合う位置に、改札機凸部509が設けられている。制御装置800が制御装置収容部507に収容された場合、改札機検出部802-3は、改札機凸部509が制御装置800側に設けられた制御装置凹部801-3に嵌め込まれた状態であることを検出する。後者の場合、改札機凸部509はなく、そのため、改札機検出部802-1~802-3の全てが、制御装置凹部801のいずれにも改札機凸部が嵌め込まれていない状態であることを検出する。この検出結果に基づいて、制御装置800は、可搬改札機500に装着されたと判定する。
【0062】
[読取ユニット700]
次に、
図7~13を参照して、読取ユニット700のそれぞれの構成について説明する。なお、同一の名称を付す構成は同一の機能を備えており、詳細な説明は省略する。
【0063】
図7は、ICカード読取ユニット700-1の構成図である。ICカード読取ユニット700-1は、例えば、通信接続部711と、電力接続部712と、リーダライタ713と、エンコード/デコード714とを備える。通信接続部711は、制御装置800と電気的に接続される端子である。通信接続部711は、読取ユニット700が改札機筐体に装着されることで、ケーブルを介して制御装置800と通信可能に接続される。なお、無線通信で接続でもよい。電力接続部712は、読取ユニット700が改札機筐体に装着されることで、制御装置800が備える電源装置、あるいは取り付けられた改札機に搭載されている電源装置と接続される端子である。ICカード読取ユニット700-1は、電力接続部712を介して供給される電力を用いて、各処理を実行する。
【0064】
リーダライタ713は、自身のリーダ面に翳されたICカード乗車券と通信する。リーダライタ713は、例えば、アンテナを備え、13.56[MHz]等のISM(Industry Science Medical)帯の周波数帯域を利用してICカードと無線通信を行う。リーダライタ713は、例えば、ICカードID、乗車券や定期券の効力情報、入場駅情報、チャージ残高等がエンコードされた情報を読み取る。
【0065】
エンコード/デコード714は、リーダライタ713によってICカード乗車券から読み取られたエンコードされた情報をデコード(復号)し、通信接続部711を介して制御装置800に出力する。また、エンコード/デコード714は、制御装置800により指示された情報を暗号化してリーダライタ713に出力し、リーダライタ713が、エンコード/デコード714から入力された情報をICカード乗車券に書き込んでもよい。
【0066】
図8は、コード画像読取ユニット700-2の構成図である。コード画像読取ユニット700-2は、例えば、通信接続部721と、電力接続部722と、第1カメラ723と、第1画像処理部724とを備える。
【0067】
第1カメラ723は、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの固体撮像素子を備える。第1カメラ723は、自身のリーダ面に翳されたコード画像を撮像し、撮像したコード画像のデータを第1画像処理部724に出力する。
【0068】
第1画像処理部724は、画像データに基づいて特徴量を算出する画像認識装置に一例である。第1画像処理部724は、撮像されたコード画像に対して画像処理することにより、コード化されている情報を光学的に読み取る。コード化されている情報には、乗車券の効力情報や、利用者を識別する情報(例えば、ICカードID、クレジットカードID、コード画像ID等)が含まれる。第1画像処理部724は、通信接続部721を介して、読み取った情報を制御装置800に出力する。
【0069】
図9は、無線読取ユニット700-3の構成図である。無線読取ユニット700-3は、例えば、通信接続部731と、電力接続部732と、無線リーダ733と、エンコード/デコード734とを備える。
【0070】
無線リーダ733は、自身のリーダ面に翳されたクレジットカードと通信する。無線リーダ733は、例えば、アンテナを備え、所定の周波数帯域を利用してクレジットカードと無線通信を行う。無線リーダ733は、例えば、クレジットカードIDがエンコードされた情報を読み取る。クレジットカードに、乗車券や定期券の効力情報がエンコードされた情報が格納されている場合、無線リーダ733は、これらを読み取ってもよい。無線リーダ733は、上述のリーダライタ713よりも通信速度が遅いリーダである。
【0071】
エンコード/デコード734は、無線リーダ733によってクレジットカードから読み取られたエンコードされた情報をデコード(復号)し、通信接続部731を介して制御装置800に出力する。
【0072】
図10は、顔読取ユニット700-4の構成図である。顔読取ユニット700-4は、例えば、通信接続部741と、電力接続部742と、第2カメラ743と、第2画像処理部744とを備える。
【0073】
第2カメラ743は、改札機の通路を通行しようとする通行者の顔を撮像し、撮像した撮像画像データを第2画像処理部744に出力する。例えば、第2カメラ743は、改札機の通路の通行者の顔の高さに相当する所定範囲(例えば、地上から140~180[cm]の範囲)を撮像する高さや角度に設置されている。
【0074】
第2画像処理部744は、画像データに基づいて特徴量を算出する画像認識装置に一例である。第2画像処理部744は、第2カメラ743により撮像された撮像画像に対して所定の画像処理を実行し、撮像画像に含まれる顔の特徴を示す特徴量データを算出する。例えば、第2画像処理部744は、第2カメラ743により撮像された動画から静止画を切り出す切り出し処理と、切り出した静止画から顔の特徴点(目、鼻、口等の位置)を特定することで顔を検出する顔検出処理と、検出された顔の視線が合っている画像を検出する対象画像検出処理と、検出された顔の角度や大きさごとに決められた所定条件に基づいてベスト画像を顔認証の対象画像の中から選択するベストショット選択処理と、検出された顔の特徴量を算出して通行者の特徴量データを取得する特徴量算出処理と、を実行する。第2画像処理部744は、通信接続部741を介して、取得した顔の特徴量データを制御装置800に出力する。
【0075】
図11は、虹彩読取ユニット700-5の構成図である。虹彩読取ユニット700-5は、例えば、通信接続部751と、電力接続部752と、第3カメラ753と、第3画像処理部754とを備える。
【0076】
第3カメラ753は、改札機の通路を通行しようとする通行者の目の虹彩を撮像し、撮像した撮像画像データを第3画像処理部754に出力する。例えば、第3カメラ753は、改札機の通路の通行者の目の高さに相当する所定範囲(例えば、地上から140~180[cm]の範囲)を撮像する高さや角度に設置されている。
【0077】
第3画像処理部754は、画像データに基づいて特徴量を算出する画像認識装置に一例である。第3画像処理部754は、第3カメラ753により撮像された撮像画像に対して所定の画像処理を実行し、撮像画像に含まれる虹彩の特徴を示す特徴量データを算出する。例えば、第3画像処理部754は、第3カメラ753により撮像された動画から静止画を切り出す切り出し処理と、切り出した静止画から顔の特徴点(目、鼻、口等の位置)を特定することで顔を検出する顔検出処理と、検出された顔の画像から目の虹彩の範囲を切り出す虹彩画像切り出し処理と、切り出された虹彩の特徴量を算出して通行者の虹彩の特徴量データを取得する特徴量算出処理と、を実行する。第3画像処理部754は、通信接続部751を介して、取得した虹彩の特徴量データを制御装置800に出力する。
【0078】
図12は、指紋読取ユニット700-6の構成図である。指紋読取ユニット700-6は、例えば、通信接続部761と、電力接続部762と、指紋センサ763と、指紋パターン処理部764とを備える。
【0079】
指紋センサ763は、例えば静電容量方式を用いて、指紋の溝の凸凹を示すパターン(指紋パターン)を検出し、検出結果を指紋パターン処理部764に出力する。これに限られず、指紋センサ763は、光学式、電解強度測定方式、感圧式、感熱式等を用いて、指紋パターンを検出するものであってもよい。指紋パターン処理部764は、センサの検出結果に基づいて特徴量を算出する画像認識装置に一例である。指紋パターン処理部764は、指紋センサ763からの検出結果に基づいて、指紋パターンを画像で示したデータを生成し、あるいは指紋パターンに含まれる特徴量を算出し、制御装置800に出力する。
【0080】
図13は、静脈読取ユニット700-7の構成図である。静脈読取ユニット700-7は、例えば、通信接続部771と、電力接続部772と、静脈センサ773と、静脈パターン処理部774とを備える。
【0081】
静脈センサ773は、例えば赤外線をあてて指を撮像し、撮像した画像データを静脈パターン処理部774に出力する。静脈パターン処理部774は、センサの検出結果に基づいて特徴量を算出する画像認識装置に一例である。静脈パターン処理部774は、入力された画像データに基づいて、静脈パターンを画像で示したデータを生成し、あるいは静脈パターンに含まれる特徴量を算出し、制御装置800に出力する。
【0082】
[自動改札機300]
図14は、自動改札機300を上方から見た図である。主機310と従機340は、1つの通路を形成する改札機筐体である。例えば、主機310と従機340は、対向配置されることで、互いに区画された第1領域と第2領域を接続する通路390を形成する。例えば、第1領域は駅の構外であり、第2領域は駅の構内である。主機310と従機340は、LAN通信や近距離通信等により無線接続されているが、ケーブルを介して接続されてもよい。
【0083】
図示の例では、主機310が第1進路aを通行する通行者が使用する表示ユニット600と読取ユニット700を備える装置であって、従機340が第2進路bを通行する通行者が使用する表示ユニット600と読取ユニット700を備える装置である。表示ユニット600や読取ユニット700は、主機310および従機340の両方に対して着脱可能であり、図示の例では、主機310に取り付けられている。つまり、図示の自動改札機300は、第1進路aの通行者の通行を許可し、第2進路bの通行者の通行を禁止する。
【0084】
表示ユニット600や読取ユニット700は、時間帯に応じて主機310から取り外されて、従機340に付け替えられてもよい。例えば、第1進路aの通行者の方が第2進路bの通行者よりも多い時間帯では主機310側に、第2進路bの通行者の方が第1進路aの通行者よりも多い時間帯では従機340側に、表示ユニット600と読取ユニット700とが取り付けられる。
【0085】
上述の通り、主機310と従機340は通信可能に接続されているため、表示ユニット600や読取ユニット700が従機340に移されても、制御装置800は、主機310に搭載されたままでよい。
【0086】
主機310は、表示ユニット600と読取ユニット700と制御装置800とが着脱可能な改札機筐体であり、例えば、表示ユニット収容部311と、正面表示部312と、扉部313および314と、通過センサ315と、通路スピーカ316と、読取ユニット収容部320と、制御装置収容部307とを備える。
【0087】
読取ユニット収容部320は、着脱可能に読取ユニット700を収容する収容部であって、例えば、第1収容部321と、第2収容部322と、第3収容部323とを備える。第1収容部321と第2収容部322は、主機310の第1進路aの手前側(第1領域側)に設置され、第3収容部323は、主機310の第1進路aの奥側(第2領域側)に設置される。図示の例では、第1収容部321にはICカード読取ユニット700-1が、第2収容部322にはコード画像読取ユニット700-2が、第3収容部323には顔読取ユニット700-4が、それぞれ収容されている。
【0088】
なお、図示は省略するが、読取ユニット収容部320に読取ユニット700が収容されない場合、所定の蓋部材が嵌め込まれる。
【0089】
表示ユニット収容部311は、着脱可能に表示ユニット600を収容する収容部である。図示の例では、表示ユニット収容部311に表示ユニット611が収容されている。
【0090】
従機340は、表示ユニット600と読取ユニット700とが着脱可能な改札機筐体であり、例えば、表示ユニット収容部341と、正面表示部342と、扉部343および344と、通路スピーカ346と、読取ユニット収容部350とを備える。読取ユニット収容部350は、着脱可能に読取ユニット700を収容する収容部であって、例えば、第1収容部351と、第2収容部352と、第3収容部353とを備える。第1収容部351と第2収容部352は、従機340の第2進路bの手前側(第2領域側)に設置され、第3収容部353は、従機340の第2進路bの奥側(第1領域側)に設置される。図示の例では、読取ユニット収容部350のいずれにも読取ユニット700は収容されておらず、所定の蓋部材が嵌め込まれている。
【0091】
正面表示部312は、第1進路aを通過可能であるか否かを示すマークや図形、文字等を表示し、正面表示部342は、第2進路bを通過可能であるか否かを示すマークや図形、文字等を表示する。正面表示部312および342の表示内容または表示の有無は、制御装置800によって決定される。
【0092】
通過センサ315は、例えば主機310の通路側の側面に複数個設けられる。通過センサ315は、通路390内の利用者を検出する。通過センサ315は、例えば赤外線センサや、光センサなどで実現される。通過センサ315は、対向する従機340に設けられた通過センサと連携して通路内の利用者を検出するものであってもよい。
【0093】
通路スピーカ316および346は、制御装置800から受信した情報に基づいて、所定の案内音声などを出力する。
【0094】
制御装置800は、第1進路aを進入してくる利用者の通過を許可する第1動作モード(つまり、駅の構内への入場のみを許可するモード)に設定されている場合には、主機310側に取り付けられた読取ユニット700が取得した通行者情報に基づいて、第1進路aを進入してくる利用者の通行の可否を判定する。この第1動作モードに設定されている場合、制御装置800は、扉部314および344を開放状態に維持すると共に、通行の判定結果に基づいて、扉部313および343を開放状態または閉止状態に制御する。
【0095】
一方、第2進路bを進入してくる利用者の通過を許可する第2動作モード(つまり、駅の構外への出場のみを許可するモード)に設定されている場合、制御装置800は、従機340側に取り付けられた読取ユニット700が取得した通行者情報に基づいて、第2進路bを進入してくる利用者の通行の可否を判定する。この第2動作モードに設定されている場合、制御装置800は、扉部313および343を開放状態に維持すると共に、通行の判定結果に基づいて、扉部314および344を開放状態または閉止状態に制御する。
【0096】
なお、制御装置800は、読取ユニット検出部302の検出結果に基づいて、動作モードを決定してもよい。例えば、主機310側にのみ読取ユニット700が設置されており、従機340には読取ユニット700が設置されていないことが検出された場合、制御装置800は、第1動作モードに設定する。一方、従機340側にのみ読取ユニット700が設置されており、主機310には読取ユニット700が設置されていないことが検出された場合、制御装置800は、第2動作モードに設定する。
【0097】
これに限られず、自動改札機300は、第1進路aの通過と第2進路bの通過の双方を許可する第3動作モードに設定されてもよい。この第3動作モードに設定されている場合、制御装置800は、利用者が通過中でなければ、正面表示部312および342の双方に通過を許可することを示すマークや図形、文字等を表示させる制御を行う。この状態で、利用者がいずれかの側から進入し、主機310側の読取ユニット700と従機340の読取ユニット700とのいずれか一方により通行者情報が読み取られると、制御装置800は、他方の読取ユニット700による読取を無効化すると共に、利用者が進入してきていない側の正面表示部312または正面表示部342に、通過を禁止することを示すマークや図形、文字等を表示させる制御を行う。
【0098】
そして、主機310側と従機340の両方に読取ユニット700が設置されていることが検出された場合、制御装置800は、第3動作モードに設定する。第3動作モードに設定された場合、通過センサ315が第1領域から通路390に進入してくる通行者を検知したならば、第1動作モードに設定されている場合と同様の処理を実行し、通過センサ315が第2領域から通路390に進入してくる通行者を検知したならば、第2動作モードに設定されている場合と同様の処理を実行する。
【0099】
図15は、制御装置800を中心とした自動改札機300の構成図である。制御装置800は、第1インターフェース810と、第2インターフェース820と、第3インターフェース830と、通信部840と、記憶部850と、改札機コネクタ860と、制御部890とを備える。なお、主機310と従機340との無線通信による接続については、図示を簡略化している。
【0100】
第1インターフェース810は、第1収容部321に収容された読取ユニット700と制御部890とを電気的に接続するインターフェースである。第2インターフェース820は、第2収容部322に収容された読取ユニット700と制御部890とを電気的に接続するインターフェースである。第3インターフェース830は、第3収容部323に収容された読取ユニット700と制御部890とを電気的に接続するインターフェースである。ここでの例では、第1インターフェース810がICカード読取ユニット700-1と、第2インターフェース820がコード画像読取ユニット700-2と、第3インターフェース830が顔読取ユニット700-4と、それぞれ接続されている。
【0101】
通信部840は、例えば、NIC等の通信インターフェースを含む。通信部840は、制御部890による制御によって、LANなどの通信ネットワークを介し、DBサーバ装置900と通信を行う。
【0102】
記憶部850は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などによって実現される。記憶部850は、プロセッサが実行するプログラムを格納する他、入出場処理プログラム851、各駅の識別情報などを含む駅情報852や、区間ごとの運賃情報を含む運賃テーブル853等を格納する。
【0103】
改札機コネクタ860は、有線を介して、改札機のサブCPUやICと通信可能に接続される。これに限られず、制御装置800は、無線通信で改札機のサブCPUやICと通信してもよい。改札機コネクタ860は、例えば、改札機の種類を示す信号を改札機のサブCPUやICから受信し、第1判定部891に出力してもよい。改札機のサブCPUやICは、改札機に取り付けられている何らかの情報機器の一例である。
【0104】
制御部890は、例えば、第1判定部891と、第2判定部892と、通信処理部893と、入出場処理部895と、扉制御部896と、出力制御部897とを備える。これらの機能部のうち一部または全部は、例えば、CPUなどのプロセッサが、記憶部850に記憶されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、これらの構成要素の機能のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPU等のハードウェア(回路部:circuitryを含む)によって実現されていてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されていてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0105】
第1判定部891は、制御装置800が装着された改札機筐体の種類を判定する。例えば、第1判定部891は、互いに対応する制御装置凹部801に改札機側の凸部が嵌め込まれたことを検出した改札機検出部802の組み合わせに応じて、改札機の種類を判定する。例えば、第1判定部891は、改札機検出部802-1が改札機側の凸部を検出した場合、改札機の種類が自動改札機300であると判定し、改札機検出部802-2が改札機側の凸部を検出した場合、改札機の種類が簡易改札機400であると判定する。また、第1判定部891は、いずれの改札機検出部802-1も改札機側の凸部を検出しない場合、改札機の種類が可搬改札機500であると判定する。
【0106】
これに限られず、第1判定部891は、制御装置800が改札機に装着されることにより、改札機が備える何らかの情報機器と制御装置800とが接続され、改札機の種類を示す信号を受信して、受信した信号に基づいて改札機の種類を判定してもよい。
【0107】
第2判定部892は、制御装置800に接続された読取ユニット700の種類を判定する。例えば、第2判定部892は、互いに対応する改札機凹部301に各読取ユニット700側の凸部が嵌め込まれたことを検出した読取ユニット検出部302に応じて、読取ユニット700の種類を判定する。例えば、読取ユニット検出部302-1が読取ユニット700側の凸部を検出した場合、第2判定部892は、読取ユニット700の種類がICカード読取ユニット700―1であると判定する。
【0108】
これに限られず、第2判定部892は、読取ユニット700が改札機に装着されることにより、制御装置800が読取ユニット700と接続され、第1インターフェース810、第2インターフェース820、第3インターフェース830のいずれかを介して、読取ユニット700から自身の種類を示す信号を受信して、受信した信号に基づいて読取ユニット700の種類を判定してもよい。
【0109】
通信処理部893は、通信部840を用いて、読取ユニット700から入力された情報を、ネットワークNWを介してDBサーバ装置900に送信する。また、通信処理部893は、DBサーバ装置900から送信された情報を、通信部840を用いネットワークNWを介して受信し、入出場処理部895に出力する。
【0110】
入出場処理部895は、DBサーバ装置900から受信した情報(例えば、認証処理の結果や効力情報)に基づいて、通行の可否を判定する通行判定処理を実行する。
【0111】
例えば、入出場処理部895は、DBサーバ装置900から受信した乗車券効力を示す情報、乗車券状態を示す情報、チャージ残高等に基づいて、入出場の可否を判定する。例えば、入場処理において、入出場処理部895は、乗車券効力に含まれる利用区間に入場駅が含まれ、且つ、乗車券状態が未使用である場合、入場を許可する。例えば、出場処理において、入出場処理部895は、乗車券状態が入場済であって、且つ、入場駅から出場駅までの運賃をチャージ残高で精算可能な場合、出場を許可する。
【0112】
また、入出場処理部895は、通過センサ315-1が他の通過センサよりも先に通行者を検知した場合、第1領域から通路390に進入してくる通行者があると判定する。一方、通過センサ315-4が他の通過センサよりも先に通行者を検知した場合、入出場処理部895は、第2領域から通路390に進入してくる通行者があると判定する。
【0113】
扉制御部896は、通路390の通行を制限する制限機構であって、入出場処理部895から出力された扉制御信号に応じて扉部313,343あるいは扉部314,344を動作させる。
【0114】
出力制御部897は、例えば入出場処理部895による処理結果に応じて、所定の情報を、音声あるいは画像(動画も含む)のうち少なくとも一方を出力する出力装置から出力させる。出力装置には、例えば、正面表示部312,342、通路スピーカ316,346、および表示ユニット600が含まれる。
【0115】
また、出力制御部897は、改札機筐体に装着されている読取ユニット700の種類を示す情報や、改札機における読取ユニット700の装着位置を示す情報を、出力装置から出力させてもよい。
【0116】
入出場処理部895は、例えば、プログラム決定部895Xと、プログラム実行部895Yとを備える。プログラム決定部895Xは、入出場処理プログラム851を参照し、第1判定部891の判定結果と第2判定部892との判定結果とに基づいて、実行する入出場処理プログラムの種類を決定する。
【0117】
プログラム実行部895Yは、プログラム決定部895Xにより決定された入出場処理プログラムを、CPUなどのプロセッサが実行することにより実現される。具体的には、プログラム実行部895Yは、第1判定部891により決定された改札機の種類に基づいて、通行者の通行を制御するための機器への制御内容を決定する。例えば、自動改札機300に制御装置800が装着されていると判定された場合、制御装置800は、入出場処理の結果に応じて、扉部313,314,343,344の開閉動作内容の決定し、正面表示部312,342への表示内容を決定し、通路スピーカ316,346への出力内容を決定し、表示ユニット600への表示内容を決定する。例えば、簡易改札機400に制御装置800が装着されていると判定された場合、あるいは、可搬改札機500に制御装置800が装着されていると判定された場合、制御装置800は、入出場処理の結果に応じて、表示ユニット600への表示内容を決定する。
【0118】
また、プログラム実行部895Yは、第2判定部892により判定された読取ユニット700の種類に応じた処理を行った結果に基づいて、通行者の通行を制御するための機器を制御するための情報を出力する。例えば、ICカード読取ユニット700-1が第1収容部321に装着されていると判定された場合、制御装置800は、第1インターフェース810を介して取得した通行者情報に基づいて入出場の可否を判定し、判定結果に基づいて、扉部313,314,343,344、正面表示部312,342、通路スピーカ316,346、および表示ユニット600等を制御する。
【0119】
図16は、入出場処理プログラム851に含まれる第1プログラムDBの一例を示す図である。第1プログラムDBは、横軸の改札機筐体の種類と、縦軸の読取ユニット700の種類との組み合わせであって、一種類の読取ユニット700が装着されたとき組み合わせで定義されるプログラムを示すレコード情報である。なお、主機310と従機340にそれぞれ読取ユニット700が装着されている場合であっても、種類が同じ場合は、一種類である。
【0120】
図17は、入出場処理プログラム851に含まれる第2プログラムDBの一例を示す図である。第2プログラムDBは、同様に、横軸の改札機筐体の種類と縦軸の読取ユニット700の種類との組み合わせであって、複数種類の読取ユニット700が装着されたとき組み合わせで定義されるプログラムを示すレコード情報である。
【0121】
プログラム決定部895Xは、第2判定部892の判定結果に1種類の読取ユニット700しか含まれない場合、第1プログラムDBを参照して、第2判定部892の判定結果に含まれる種類の読取ユニット700に対応する入出場処理プログラムを、実行するプログラムに決定する。一方、第2判定部892の判定結果に二以上の種類の読取ユニット700が含まれる場合、プログラム決定部895Xは、第2プログラムDBを参照して、第2判定部892の判定結果に含まれる組み合わせに対応する入出場処理プログラムを、実行するプログラムに決定する。
【0122】
まず、第2判定部892の判定結果に1種類の読取ユニット700しか含まれない場合について説明する。
【0123】
例えば、第1判定部891により改札機の種類が自動改札機300であると判定され、且つ、第2判定部892により読取ユニット700の種類がICカード読取ユニット700-1であると判定された場合、プログラム決定部895Xは、入出場処理プログラムPA1を実行すると決定する。そして、入出場処理プログラムPA1を実行させることにより実現されたプログラム実行部895Yは、ICカード読取ユニット700-1により読み取られた情報(例えば、効力情報、チャージ残高、入場記録等)に基づいて、駅情報852および運賃テーブル853を参照して入出場の可否を判定する。これに限られず、プログラム実行部895Yは、ICカード読取ユニット700-1により読み取られた情報(例えば、ICカードID)をネットワークNWを介してDBサーバ装置900に送信し、DBサーバ装置900から受信した情報(例えば、効力情報、チャージ残高、入場記録等)に基づいて、入出場の可否を判定してもよい。
【0124】
例えば、第1判定部891により改札機の種類が自動改札機300であると判定され、且つ、第2判定部892により読取ユニット700の種類がコード画像読取ユニット700-2であると判定された場合、プログラム決定部895Xは、入出場処理プログラムPA2を実行すると決定する。そして、入出場処理プログラムPA2を実行させることにより実現されたプログラム実行部895Yは、コード画像読取ユニット700-2により読み取られた情報(例えば、効力情報)に基づいて、駅情報852および運賃テーブル853を参照して入出場の可否を判定する。これに限られず、プログラム実行部895Yは、コード画像読取ユニット700-2により読み取られた情報(例えば、コード画像ID)をネットワークNWを介してDBサーバ装置900に送信し、DBサーバ装置900から受信した情報(例えば、効力情報、チャージ残高、入場記録等)に基づいて、入出場の可否を判定してもよい。
【0125】
例えば、第1判定部891により改札機の種類が自動改札機300であると判定され、且つ、第2判定部892により読取ユニット700の種類が無線読取ユニット700-3であると判定された場合、プログラム決定部895Xは、入出場処理プログラムPA3を実行すると決定する。そして、入出場処理プログラムPA3を実行させることにより実現されたプログラム実行部895Yは、無線読取ユニット700-3により読み取られた情報(例えば、クレジットカードID)をネットワークNWを介してDBサーバ装置900に送信し、DBサーバ装置900から受信した情報(例えば、効力情報、チャージ残高、入場記録等)に基づいて、入出場の可否を判定する。
【0126】
例えば、第1判定部891により改札機の種類が自動改札機300であると判定され、且つ、第2判定部892により読取ユニット700の種類が顔読取ユニット700-4であると判定された場合、プログラム決定部895Xは、入出場処理プログラムPA4を実行すると決定する。そして、入出場処理プログラムPA4を実行させることにより実現されたプログラム実行部895Yは、顔読取ユニット700-4により読み取られた通行者の顔の特徴量データに基づく通行者の認証処理により、通行者が登録者と同一人物であることが認証された場合、登録者に与えられた権限(ここでは、鉄道利用に関する権限)に基づいて入出場の可否を判定する。例えば、プログラム実行部895Yは、顔読取ユニット700-4により読み取られた情報(例えば、通行者の顔の特徴量データ)をネットワークNWを介してDBサーバ装置900に送信し、DBサーバ装置900から受信した情報(例えば、効力情報、チャージ残高、入場記録等)に基づいて、入出場の可否を判定する。
【0127】
例えば、第1判定部891により改札機の種類が自動改札機300であると判定され、且つ、第2判定部892により読取ユニット700の種類が虹彩読取ユニット700-5であると判定された場合、プログラム決定部895Xは、入出場処理プログラムPA5を実行すると決定する。そして、入出場処理プログラムPA5を実行させることにより実現されたプログラム実行部895Yは、虹彩読取ユニット700-5により読み取られた通行者の虹彩の特徴量データに基づく通行者の認証処理により、通行者が登録者と同一人物であることが認証された場合、登録者に与えられた権限に基づいて入出場の可否を判定する。例えば、プログラム実行部895Yは、虹彩読取ユニット700-5により読み取られた情報(例えば、通行者の虹彩の特徴量データ)をネットワークNWを介してDBサーバ装置900に送信し、DBサーバ装置900から受信した情報(例えば、効力情報、チャージ残高、入場記録等)に基づいて、入出場の可否を判定する。
【0128】
例えば、第1判定部891により改札機の種類が自動改札機300であると判定され、且つ、第2判定部892により読取ユニット700の種類が指紋読取ユニット700-6であると判定された場合、プログラム決定部895Xは、入出場処理プログラムPA6を実行すると決定する。そして、入出場処理プログラムPA6を実行させることにより実現されたプログラム実行部895Yは、指紋読取ユニット700-6により読み取られた通行者の指紋パターンの特徴量データに基づく通行者の認証処理により、通行者が登録者と同一人物であることが認証された場合、登録者に与えられた権限に基づいて入出場の可否を判定する。例えば、プログラム実行部895Yは、指紋読取ユニット700-6により読み取られた情報(例えば、指紋パターンのデータ)をネットワークNWを介してDBサーバ装置900に送信し、DBサーバ装置900から受信した情報(例えば、効力情報、チャージ残高、入場記録等)に基づいて、入出場の可否を判定する。
【0129】
例えば、第1判定部891により改札機の種類が自動改札機300であると判定され、且つ、第2判定部892により読取ユニット700の種類が静脈読取ユニット700-7であると判定された場合、プログラム決定部895Xは、入出場処理プログラムPA7を実行すると決定する。そして、入出場処理プログラムPA7を実行させることにより実現されたプログラム実行部895Yは、静脈読取ユニット700-7により読み取られた通行者の静脈の特徴量データに基づく通行者の認証処理により、通行者が登録者と同一人物であることが認証された場合、登録者に与えられた権限に基づいて入出場の可否を判定する。例えば、プログラム実行部895Yは、静脈読取ユニット700-7により読み取られた情報(例えば、静脈パターンのデータ)をネットワークNWを介してDBサーバ装置900に送信し、DBサーバ装置900から受信した情報(例えば、効力情報、チャージ残高、入場記録等)に基づいて、入出場の可否を判定する。
【0130】
次に、第2判定部892の判定結果に二以上の種類の読取ユニット700が含まれる場合、例えば、ICカード読取ユニット700-1、コード画像読取ユニット700-2、および顔読取ユニット700-4が、第2判定部892の判定結果に含まれる場合の一例について説明する。
【0131】
この場合、プログラム決定部895Xは、第2プログラムDBを参照して、入出場処理プログラムPE2を、実行するプログラムに決定する。そして、入出場処理プログラムPE2を実行させることにより実現されたプログラム実行部895Yは、ICカード読取ユニット700-1、コード画像読取ユニット700-2、および顔読取ユニット700-4のうち、読み取り処理を有効とする読取ユニット700(以下、有効読取ユニットと記す)と、読み取り処理を無効とする読取ユニット700(以下、無効読取ユニットと記す)とを決定する。例えば、通行者ごとに、3つの読取ユニット700のうち最初に情報を読み取った読取ユニット700を有効読取ユニットに決定し、他の読取ユニット700を無効読取ユニットに決定する。
【0132】
そして、プログラム実行部895Yは、有効読取ユニットに決定された読取ユニット700の通行者情報に基づく入出場処理を実行する。この入出場処理については、上述した通り、第2判定部892の判定結果に1種類の読取ユニット700しか含まれない場合と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0133】
[簡易改札機400]
図18は、簡易改札機400を水平方向に表から見た図である。簡易改札機400は、例えば、表示ユニット600と読取ユニット700と制御装置800とが着脱可能な改札機筐体であり、例えば、表示ユニット収容部411と、通路スピーカ416と、読取ユニット収容部420と、制御装置収容部407とを備える。読取ユニット収容部420は、例えば、第1収容部421と、第2収容部422と、第3収容部423とを備える。なお、上述した自動改札機300の要素と同一の名称の要素は、異なる点を説明し、同様の構成や機能についての説明は省略する。
【0134】
第1収容部421と、第2収容部422と、第3収容部423とは、地上から低い順に配置されている。一番高い位置には、顔認証読取ユニット700-4や虹彩読取ユニット700-5が取り付けられ、低い方の第1収容部421や第2収容部422に、その他の読取ユニット700が取り付けられることが好ましい。図示の例では、第1収容部421にはICカード読取ユニット700-1が、第2収容部422にはコード画像読取ユニット700-2が、第3収容部423には顔読取ユニット700-4が、それぞれ収容されている。
【0135】
なお、図示しないが、簡易改札機400は、裏側に同様の構成を有していてもよい。こうすることで、表面は入場する通行者のための表示ユニット600と読取ユニット700とを収容し、裏面は出場する通行者のための表示ユニット600と読取ユニット700とを収容することができる。これに限られず、入場側と出場側に、それぞれ簡易改札機400を用意してもよい。時間帯によっては、表側に装着されていた表示ユニット600や読取ユニット700を、裏側に付け替えてもよく、その逆であってもよい。
【0136】
[可搬改札機500]
図19は、可搬改札機500を水平方向に表から見た図である。簡易改札機400は、例えば、表示ユニット600と読取ユニット700と制御装置800とが着脱可能な改札機筐体であり、例えば、表示ユニット収容部511と、通路スピーカ516と、読取ユニット収容部520とを備える。読取ユニット収容部520は、例えば、第1収容部521と、第2収容部522と、第3収容部523とを備える。なお、上述した簡易改札機400の要素と同一の名称の要素は、異なる点を説明し、同様の構成や機能についての説明は省略する。
【0137】
各収容部に収容された表示ユニット600と読取ユニット700とは、ケーブル550を介して、制御装置800と電気的に接続される。電源装置は、別に用意されてもよく、各収容部を備える筐体の中に搭載されていてもよい。
【0138】
[DBサーバ装置900]
図20は、DBサーバ装置900の構成図である。DBサーバ装置900は、例えば、通信部910と、制御部930と、記憶部950とを備える。通信部910は、例えば、NIC等の通信インターフェースを含む。通信部910は、制御部930による制御に従い、インターネットなどの通信ネットワークを介して、ユーザ端末装置100、発券機200、自動改札機300、簡易改札機400、および可搬改札機500と通信を行う。記憶部950は、例えば、RAM、ROM、HDDなどによって実現される。記憶部950は、プロセッサが実行するプログラムを格納する他、乗車券DB951や、精算DB952等を格納する。
【0139】
制御部930は、例えば、データ管理部931と、画像処理部932と、認証処理部933と、検索部934と、精算処理部935と、結果処理部936とを備える。これらの機能部のうち一部または全部は、例えば、CPUなどのプロセッサが、記憶部950に記憶されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、これらの構成要素の機能のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPU等のハードウェア(回路部:circuitryを含む)によって実現されていてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されていてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0140】
データ管理部931は、通信部910を用いて、ネットワークNWを介してユーザ端末装置100、発券機200、自動改札機300、簡易改札機400、および可搬改札機500から送信された情報を受信する。例えば、データ管理部931は、ユーザ端末装置100あるいは発券機200から受信した各種登録情報、自動改札機300、簡易改札機400、あるいは、可搬改札機500から受信した通行判定結果を示す情報、画像処理部932による画像処理の結果を示す情報等を、記憶部950の乗車券DB951や精算DB952の一部として格納する。
【0141】
例えば、データ管理部931は、ICカードIDなどの利用者を識別する識別情報であって、読取ユニット700によって媒体から読み取られる識別情報、あるいは、利用者の身体の特徴を示す特徴量データに、利用者に与えられた権限を示す権限情報が対応付けられたレコード情報をデータベースに登録する。
【0142】
図21は、乗車券DB951の内容の一例を示す図である。乗車券DB951は、例えば、ユーザIDに、乗車券効力と、ICカードIDと、コード画像IDと、クレジットカードIDと、顔特徴量と、虹彩特徴量と、指紋特徴量と、静脈特徴量と、乗車券状態とを対応付けたレコード情報である。ユーザIDは、各ユーザを識別する識別情報であって、例えば、DBサーバ装置900により割り当てられる。
【0143】
乗車券効力は、利用者に与えられた権限を示す情報の一例であって、乗車券の効力を示す情報である。乗車券の効力には、例えば、乗車券の種別(一日乗車券、あるいは定期券であることを示す情報)、鉄道の利用可能区間を示す情報、乗車券が購入された日時(購入日時)、乗車券の有効期限などの情報が含まれる。乗車券の効力は、ユーザ端末装置100あるいは発券機200からの各種登録情報に含まれる乗車券の購入条件に基づく情報である。
【0144】
顔特徴量と、虹彩特徴量と、指紋特徴量と、静脈特徴量とは、例えば、ユーザ端末装置100あるいは発券機200からの画像データや指紋パターンや静脈パターンに基づいて、画像処理部932により生成された特徴量データである。
【0145】
乗車券状態は、利用者の乗車券を用いた鉄道の利用状態を示す情報である。乗車券状態には、例えば、乗車券が利用されていない状態(未使用)、駅の構内に入場している状態(入場)、駅の構外に出場している状態(出場)、入場した駅の識別情報、出場した駅の識別情報等が含まれる。乗車券状態は、データ管理部931により更新される情報である。
【0146】
こうすることにより、データ管理部931は、利用者が改札機で使用できる様々な媒体情報や身体情報を登録することができる。従って、各駅で改札機に取り付けられる読取ユニット700の種類が異なることにより、入場駅で通行者情報を読み取った読取ユニット700の種類と、出場駅で通行者情報を読み取った読取ユニット700の種類が異なる場合であっても、通行判定処理を実行できるようになる。
【0147】
図22は、精算DB952の内容の一例を示す図である。精算DB952は、例えば、ユーザIDに、チャージ残高と、クレジット情報と、個人属性情報とを対応付けたレコード情報である。クレジット情報と個人属性情報は、ユーザ端末装置100あるいは発券機200から受信した各種登録情報の一部である。クレジット情報は、乗車券の精算に用いるクレジットカードに関する情報である。個人属性情報には、例えば、利用者の氏名、性別、年齢等が含まれる。チャージ残高は、チャージされている電子マネーの残高であって、例えば、利用した運賃を精算した後の残高である。チャージ残高は、精算処理部935により更新される情報である。
【0148】
画像処理部932は、ユーザ端末装置100あるいは発券機200から受信した情報(例えば、画像データ、指紋パターン、静脈パターン等)に対して所定の画像処理を実行し、特徴量データを算出する。算出された特徴量データは、データ管理部931によって乗車券DB951に登録される。なお、画像処理部932により特徴量データを算出する手法と、読取ユニット700により特徴量データを算出する手法とは、同じ手法である。
【0149】
認証処理部933は、改札機から通行者の身体の特徴量データを受信した場合、記憶部950の乗車券DB951を参照し、通行者が登録者と同一人物であることを証明するための認証処理を行う。例えば、認証処理部933は、乗車券DB951に登録されている全ての登録者の特徴量データと、改札機により取得された通行者の特徴量データとが類似する程度を示す照合スコアを登録者ごとに算出し、算出された照合スコアに基づいて、通行者と同一人物であると認められる登録者を判定する。これに限られず、認証処理部933は、認証処理において一般的に用いられるいずれかの手法を用いて、特徴量データを算出してよい。
【0150】
検索部934は、例えば、改札機から通行者の媒体情報を受信した場合、媒体情報をキーとして、効力情報などを検索してもよい。例えば、検索部934は、受信した媒体情報と関連付けられた情報(例えば、乗車券効力、乗車券状態)を、検索結果として得る。そして、検索部934は、検索により得られた情報を、通信部910を用い、ネットワークNWを介して自動改札機300に送信する。一方、媒体情報に対応付けられた効力情報がない場合、検索部934は、その旨を示す情報を、媒体情報を送信してきた改札機に送信する。
【0151】
また、検索部934は、例えば、認証処理部933による処理結果に基づいて記憶部950を検索して、認証処理により通行者と同一人物であると認められた登録者と関連付けられた情報(例えば、乗車券効力、乗車券状態)を、検索結果として得る。そして、検索部934は、検索により得られた登録者と関連付けられた情報を、通信部910を用い、ネットワークNWを介して自動改札機300に送信する。一方、認証処理により通行人が登録者のうちのいずれか一人と同一人物でないと認められた場合、検索部934は、認証により通行人が登録者と同一人物であると認められなかったことを示す情報を、身体の特徴量データを送信してきた改札機に送信する。
【0152】
精算処理部935は、ユーザ端末装置100あるいは発券機200から受信した乗車券の購入条件を示す情報に基づいて、乗車券購入処理を実行する。乗車券購入処理は、例えば、購入条件に応じた乗車券の料金を精算するための精算処理や、購入した乗車券の効力を示す情報に基づいて乗車券DB951を更新する処理等が含まれる。
【0153】
また、精算処理部935は、改札機から通行判定結果を示す情報を受信した場合、精算DB952を参照し、通行者が利用した運賃を精算するための精算処理を実行してもよい。例えば、出場が許可されたことを示す情報や、出場が許可された駅の識別情報等に基づいて、精算処理部935は、乗車券DB951の乗車券状態を参照し、入場した駅から出場が許可された駅までの運賃を算出し、算出した運賃をチャージ残高から減算する。精算処理部935は、利用者により指定された場合、クレジット情報に基づいて精算処理を実行してもよい。
【0154】
また、改札機から通行判定結果を示す情報を受信した場合、データ管理部931は、通行判定結果に基づいて、乗車券DB951に含まれる乗車券状態を更新する。例えば、入場が許可された場合、データ管理部931は、乗車券状態を、乗車券が利用されていない状態(未使用)から、駅の構内に入場している状態(入場)と入場駅の識別情報とを含む情報に書き換える。また、出場が許可された場合、データ管理部931は、乗車券状態を、駅の構内に入場している状態(入場)から、駅の構外に出場している状態(出場)と出場駅の識別情報とを含む情報に書き換える。
【0155】
[登録シーケンス]
図23は、事前登録時の処理概要の一例を示すシーケンス図である。ここでは、ユーザ端末装置100を用いて事前登録を行う例について説明するが、発券機200を用いた場合も同様である。
【0156】
まず、利用者が、ユーザ端末装置100に対して、登録に必要な情報の入力、自分の身体を撮影するなどの登録作業を実行する(ステップS1)。この登録作業により、ユーザ端末装置100は、各種登録情報を取得する(ステップS3)。例えば、ユーザ端末装置100は、媒体情報と、利用者の顔画像データと、乗車券の購入条件を示す情報とを含む各種登録情報をDBサーバ装置900に送信する(ステップS5)。
【0157】
DBサーバ装置900は、受信した画像データに対して所定の画像処理を実行し、利用者ごとに顔あるいは虹彩の特徴量データを算出する(ステップS7)。次いで、DBサーバ装置900は、乗車券の購入条件を示す情報に基づいて、乗車券の効力情報を生成し、乗車券購入処理を実行する(ステップS9)。
【0158】
そして、DBサーバ装置900は、ユーザ端末装置100から受信した媒体情報と、ステップS7で算出した特徴量データと、ステップS9で生成した効力情報とを、ユーザIDに対応付けて乗車券DB951に登録する(ステップS11)。ここで、DBサーバ装置900は、乗車券の購入条件に基づいて乗車券を購入するための各種処理結果に基づいて、乗車券DB951と精算DB952を更新してもよい。例えば、乗車券の料金を精算して精算DB952を書き換える。
【0159】
そして、DBサーバ装置900は、登録結果を示す情報をユーザ端末装置100に送信する(ステップS13)。そして、ユーザ端末装置100は、DBサーバ装置900から受信した登録結果を自身の表示部130に表示させる(ステップS15)。なお、上述においてDBサーバ装置900が特徴量データを算出する例について説明したが、これに限られない。例えば、ユーザ端末装置100のアプリ実行部170が特徴量データを算出し、算出した特徴量データをDBサーバ装置900に送信してもよい。
【0160】
[フローチャート]
図24は、制御装置800による準備処理の一例を示すフローチャートである。例えば、制御装置800は、電源がオンされたか否かを判定する(ステップS21)。電源がオンされた場合、制御装置800は、例えば、改札機検出部802の検出結果に基づいて、装着された改札機の種類を判定する(ステップS23)。次いで、制御装置800は、読取ユニット700が装着されたか否かを判定する(ステップS25)。読取ユニット検出部302のいずれかが検出した場合、制御装置800は、検出結果に基づいて、装着されたか否かを判定する(ステップS27)。
【0161】
そして、制御装置800は、ステップS23の判定結果と、ステップS27の判定結果とに基づいて、実行する入出場処理プログラムの種類を決定し(ステップS29)、決定されたプログラムに従って入出場処理を実行する(ステップS31)。制御装置800は、利用できる媒体や身体情報、および読取ユニット700の収容位置を示す読取ユニット700の案内画像を、表示ユニット600に出力する(ステップS33)。
【0162】
図25は、読取ユニット700の案内画像の一例を示す図である。読取ユニット700の案内画像には、例えば、自動改札機300の上からの簡略図、あるいは、簡易改札機400や可搬改札機500の表からの簡略図が表示される。簡略図の周辺には、通路の進行方向を示す矢印などの図形が表示される。この簡略図には、読取ユニット収容部に対応する箇所が各収容部を示す図形と、各収容部に収容されている読取ユニット700の種類を示す文字や図形が表示される。
【0163】
こうすることにより、利用者は、自分が利用したい読取ユニット700が装着されている改札機なのか、どこに媒体や身体の一部を翳せばよいのかなどを、簡単に把握することができる。
【0164】
[入出場シーケンス]
図26は、身体認証に基づく入場処理の一例を示すシーケンス図である。ここでは、自動改札機300について説明するが、他の改札機も同様であり、詳細な説明は省略する。
【0165】
例えば通行者が自動改札機300に進入してくると(ステップS51)、自動改札機300は、例えば、通行者の顔を撮像し(ステップS53)、撮像した画像データに対して所定の画像処理を実行して、通行者の顔の特徴量データを算出する(ステップS55)。これに限られず、自動改札機300は、通行者の顔を撮像して虹彩の特徴量データを算出してもよく、通行者の指紋パターンを読み取り指紋の特徴量データを算出してもよく、通行者の静脈パターンを読み取り静脈の特徴量データを算出してもよい。自動改札機300は、算出した第2特徴量データをDBサーバ装置900に送信する(ステップS57)。
【0166】
DBサーバ装置900は、特徴量データに基づく認証処理を実行し、通行者と同一人物であると認められる登録者を判定する(ステップS59)。例えば、認証処理により通行者が登録者のうちのいずれかと同一人物であると認められた場合、DBサーバ装置900は、判定された登録者のユーザIDに基づいて、通行者の乗車券効力や通行者の乗車券状態を示す情報を検索するデータベース検索処理を実行する(ステップS61)。ここで、DBサーバ装置900は、複数の身体情報を組み合わせて、身体認証の認証精度を上げてもよい。例えば、DBサーバ装置900は、顔認証と歩容認証とを組み合わせて、両方の認証で同一人物であると認められた場合、ステップS61の処理を実行するようにしてもよい。また、不正利用を防ぐため、DBサーバ装置900は、媒体情報と身体情報を組み合わせて、ステップS61の認証処理を実行してもよい。例えば、顔認証により同一人物であると認められた登録者の効力情報の一部または全部がコード画像券から読み取られた効力情報と合致する場合、認証が成功したとしてもよく、コード画像券から読み取られたコード画像IDが示す登録者と顔認証により同一人物であると認められた登録者とが合致した場合に、認証が成功したとしてもよい。
【0167】
そして、DBサーバ装置900は、認証処理の結果や検索結果(効力情報等)を自動改札機300に送信する(ステップS63)。例えば、認証により通行人が登録者のうちのいずれかと同一人物であると認められた場合、DBサーバ装置900は、データベース検索処理により得られた効力情報などを自動改札機300に送信する。一方、認証により通行人が登録者のうちのいずれかと同一人物であると認められない場合、DBサーバ装置900は、その旨(認証エラー)を示す情報を自動改札機300に送信する。
【0168】
次いで、自動改札機300は、DBサーバ装置900から受信した情報に基づいて、認証処理の結果を示す情報を生成し、生成した情報に基づいて入場を許可するか否かを判定する(ステップS65、S67)。入場を許可しない場合、処理を終了する。一方、入場を許可する場合、自動改札機300は、入場済であることを示す情報と、入場駅を示す情報とを、通行判定結果としてDBサーバ装置900に送信し(ステップS69)、扉部313および343あるいは扉部314および344を開放状態に制御する(ステップS71)。そして、DBサーバ装置900は、受信した情報に基づいて、記憶部950の乗車券状態を更新する(ステップS73)。
【0169】
図27は、媒体情報に基づく入場処理の一例を示すシーケンス図である。ここでは、自動改札機300について説明するが、他の改札機も同様であり、詳細な説明は省略する。
【0170】
例えば通行者が自動改札機300に媒体(ICカード乗車券、コード画像券、クレジットカード等)を翳すと(ステップS91)、自動改札機300は、媒体から情報を読み取り(ステップS93)、読み取った情報に効力情報が含まれるか否かを判定する(ステップS95)。例えば、読み取った情報に効力情報が含まれる場合、自動改札機300は、読み取った効力情報に基づいて、入場を許可するか否かを判定する(ステップS97、S99)。入場を許可しない場合、処理を終了する。一方、入場を許可する場合、自動改札機300は、入場駅を示す情報を媒体に書き込むとともに、入場済であることを示す情報と、入場駅を示す情報とを、DBサーバ装置900に送信し(ステップS101)、扉部313および343(あるいは扉部314および344)を開放状態に制御する(ステップS103)。そして、DBサーバ装置900は、受信した情報に基づいて、記憶部950の乗車券状態を更新する(ステップS105)。
【0171】
一方、ステップS95において、媒体から読み取った情報に効力情報が含まれない場合、自動改札機300は、媒体から読み取った情報に含まれる識別情報(ICカードID、コード画像ID、クレジットカードID等)を、DBサーバ装置900に送信する(ステップS107)。
【0172】
DBサーバ装置900は、受信した識別情報に基づいて、通行者の乗車券効力や通行者の乗車券状態を示す情報を検索するデータベース検索処理を実行し(ステップS109)、検索により通行者の乗車券効力や通行者の乗車券状態を示す情報を得る(ステップS111)。DBサーバ装置900は、検索により得た通行者の乗車券効力や通行者の乗車券状態を示す情報を、自動改札機300に送信する(ステップS113)。その後、ステップS97~S105の処理を実行する。
【0173】
以上説明した実施形態によれば、一の読取ユニット700を、自動改札機300の主機310から従機340に付け替えたり、自動改札機300から簡易改札機400あるいは可搬改札機500に付け替えたりすることができる。これにより、改札機を管理する管理者は、時間帯に応じて読取ユニット700を付け替えたり、一の駅の自動改札機300から取り外された読取ユニット700を別の駅の簡易改札機400や可搬改札機500に取り付けることができる。また、利用者のニーズの変化や、駅の利用態様の変化に応じて、改札機に取り付ける読取ユニット700の種類を簡単に変更することができる。
【0174】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、媒体または対象者の身体から情報を読み取る複数種類の読取装置と、接続された読取装置によって読み取られた読取情報に基づいて、開閉部材または出力装置のうち少なくとも一方を含む機器を制御するための情報を出力する制御装置と、を備え、前記複数種類の読取装置のそれぞれと前記制御装置は、装着されることで両者を接続する複数種類の筐体のそれぞれに着脱可能であることにより、利用特性に応じて必要な構成を交換することができる。
【0175】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0176】
例えば、自動改札機300、簡易改札機400、および可搬改札機500による一部の処理を、DBサーバ装置900に搭載させてもよい。同様にして、DBサーバ装置900による一部の処理を、自動改札機300と、簡易改札機400と、可搬改札機500は、自動改札機300、簡易改札機400、および可搬改札機500に搭載させてもよい。例えば、自動改札機300、簡易改札機400、および可搬改札機500は、DBサーバ装置900の認証処理部933、検索部934、乗車券DB951等を備え、特徴量データに基づいて認証処理やデータベース検索処理を実行してもよい。また、自動改札機300、簡易改札機400、および可搬改札機500は、自身のカメラによって撮像された画像データや各センサより取得された指紋パターンや静脈パターンのデータをそのままDBサーバ装置900に送信し、DBサーバ装置900が特徴量データを生成してもよい。また、自動改札機300、簡易改札機400、および可搬改札機500が実行する通行判定処理を、DBサーバ装置900が実行してもよい。
【0177】
なお、自動改札機300は、従機340に代えて、扉の開閉を制御する機構だけを備える補機を備えるものであってもよい。
【符号の説明】
【0178】
1…制御システム、100…ユーザ端末装置、200…発券機、300…自動改札機、301…改札機凹部、302…読取ユニット検出部、307…制御装置収容部、309…改札機凸部、310…主機、311…表示ユニット収容部、312…正面表示部、313…扉部、314…扉部、315…通過センサ、316…通路スピーカ、320…読取ユニット収容部、390…通路、600…表示ユニット、700…読取ユニット、701…読取ユニット凸部、800…制御装置、801…制御装置凹部、802…改札機検出部、900…DBサーバ装置