(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】情報収集装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20240815BHJP
E01C 23/00 20060101ALI20240815BHJP
E01C 23/01 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
G08G1/00 J
E01C23/00 Z
E01C23/01
(21)【出願番号】P 2020126994
(22)【出願日】2020-07-28
【審査請求日】2023-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000000929
【氏名又は名称】カヤバ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122323
【氏名又は名称】石川 憲
(72)【発明者】
【氏名】岡村 淳
【審査官】佐藤 吉信
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-141160(JP,A)
【文献】特開2004-265046(JP,A)
【文献】特開平08-297799(JP,A)
【文献】特開2001-283270(JP,A)
【文献】特開2020-090225(JP,A)
【文献】特開2018-055191(JP,A)
【文献】特開2007-106164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
E01C 23/00
E01C 23/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動情報を記憶可能な記憶部と、
車両のイグニッションスイッチを介さない電力供給ラインを通じて電源から電力供給を受けて前記情報を前記記憶部に記憶させる制御部と、
外部と通信可能な通信部と、
電力供給ラインに設置されるメインスイッチと、
前記メインスイッチをオンオフ制御するスイッチ制御部とを備え、
前記スイッチ制御部は、前記イグニッションスイッチのオン信号で前記メインスイッチをオンし、前記制御部からのオフ信号によって前記メインスイッチをオフし、
前記制御部は
、
前記イグニッションスイッチがオンされると前記情報を前記記憶部へ記憶させ、前記イグニッションスイッチがオフされると前記通信部を介して前記記憶部に記憶された前記情報を外部へ送信し、情報送信後に前記スイッチ制御部へオフ信号を出力する
とともに、
前記通信部が外部との通信を所定の接続トライ数以上連続して確立できない場合、前記通信部を介しての前記情報の送信をせず、前記スイッチ制御部へオフ信号を出力する
ことを特徴とする情報収集装置。
【請求項2】
振動情報を記憶可能な記憶部と、
車両のイグニッションスイッチを介さない電力供給ラインを通じて電源から電力供給を受けて前記情報を前記記憶部に記憶させる制御部と、
外部と通信可能な通信部と、
電力供給ラインに設置されるメインスイッチと、
前記メインスイッチをオンオフ制御するスイッチ制御部と、
前記情報を検知する複数の異なる情報検知部を備え、
前記スイッチ制御部は、前記イグニッションスイッチのオン信号で前記メインスイッチをオンし、前記制御部からのオフ信号によって前記メインスイッチをオフし、
前記制御部は、
前記イグニッションスイッチがオンされると所定の情報蓄積時間毎に同じサンプリングレートで情報を収集する異なる前記情報検知部で得られた全ての情報を纏めて記録するファイルを生成して前記記憶部へ記憶させ、前記イグニッションスイッチがオフされると前記通信部を介して前記記憶部に記憶された前記情報を外部へ送信し、前記通信部を介して前記ファイルの送信が終了すると送信済のファイルを前記記憶部から消去し、情報送信後に前記スイッチ制御部へオフ信号を出力する
ことを特徴とす
る情報収集装置。
【請求項3】
振動情報を記憶可能な記憶部と、
車両のイグニッションスイッチを介さない電力供給ラインを通じて電源から電力供給を受けて前記情報を前記記憶部に記憶させる制御部と、
外部と通信可能な通信部と、
電力供給ラインに設置されるメインスイッチと、
前記メインスイッチをオンオフ制御するスイッチ制御部とを備え、
前記スイッチ制御部は、前記イグニッションスイッチのオン信号で前記メインスイッチをオンし、前記制御部からのオフ信号によって前記メインスイッチをオフし、
前記制御部は、
前記イグニッションスイッチがオンされると前記情報を前記記憶部へ記憶させ、前記イグニッションスイッチがオフされると前記通信部を介して前記記憶部に記憶された前記情報を外部へ送信し、
情報送信後では前記スイッチ制御部へオフ信号を出力し、
前記通信部が前記記憶部
に記憶された情報を送信している間
では前記イグニッションスイッチがオンされると前記情報の送信を停止し、順次得られた情報を前記記憶部へ記憶させる
ことを特徴とす
る情報収集装置。
【請求項4】
振動情報を記憶可能な記憶部と、
車両のイグニッションスイッチを介さない電力供給ラインを通じて電源から電力供給を受けて前記情報を前記記憶部に記憶させる制御部と、
外部と通信可能な通信部と、
電力供給ラインに設置されるメインスイッチと、
前記メインスイッチをオンオフ制御するスイッチ制御部と、
前記イグニッションスイッチがオフされてから所定の通信許可時間より長い時間に設定される異常判定時間を経過しても前記メインスイッチがオフされない場合、前記スイッチ制御部へオフ信号を出力する異常監視部を備え、
前記スイッチ制御部は、前記イグニッションスイッチのオン信号で前記メインスイッチをオンし、前記制御部からのオフ信号によって前記メインスイッチをオフし、
前記制御部は、
前記イグニッションスイッチがオンされると前記情報を前記記憶部へ記憶させ、前記イグニッションスイッチがオフされると前記通信部を介して前記記憶部に記憶された前記情報を外部へ送信し、情報送信後に前記スイッチ制御部へオフ信号を出力し、
前記イグニッションスイッチがオフされてから前記通信許可時間から所定の情報蓄積時間中の収集された情報が記録されたファイルの送信に要する時間を引いた時間経過すると、前記記憶部に記憶された全ての前記情報の外部への送信が完了していなくても、送信中の前記ファイルを除いて新たなファイルの送信を行わず、所定の通信許可時間経過すると、前記スイッチ制御部へオフ信号を出力する
ことを特徴とす
る情報収集装置。
【請求項5】
前記通信部は、前記記憶部に記憶されている前記情報を複数同時に並列して送信する
ことを特徴とする請求項
1から4のいずれか一項に記載の情報収集装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報収集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
道路は、車両から受ける輪荷重の作用、温度変化や雨水の影響によって損傷して、ひび割れ、轍掘れ、コルゲーションやポットホールが発生する。このような道路の損傷を迅速に把握し、道路を維持管理するために、道路の路面性状を把握する作業が日常的に行われている。
【0003】
路面性状を把握する方法としては、一般に、路面の凹凸を把握するための情報を収集する情報収集装置を検査車に設置しておき、当該検査車で道路を走行した際に情報収集装置で収集された情報を解析することで路面性状を把握する方法がとられている。情報収集装置は、たとえば、検査車の車体の振動情報としてバウンス、ピッチングおよびローリング方向の角速度、前後・左右および上下の加速度、車体と路面との距離、検査車の走行速度、検査車の位置情報等といった多岐にわたる情報を収集している。
【0004】
このように検査車の道路走行時にセンサ類で得られた情報は、インターネット通信網等を介してサーバへ送信されて蓄積され、その後の道路性状の解析に供される。道路性状の解析では、たとえば、国際ラフネス指標(International Roughness Index)を求めることが行われる。なお、国際ラフネス指数とは、2軸4輪の車両の1輪だけを取り出した仮想車両モデルをクォーターカーとし、クォーターカーを時速80kmで路面を走行させたときの車両が受ける上下方向の運動変位の累積値と走行距離の比を路面のラフネスとするものであり、舗装路面の凹凸の評価指数である(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述したように、情報収集装置は、検査車が道路を走行した際に得られる路面の凹凸に関連する情報を収集した後、得られた情報を外部設置のサーバ等へ送信するが、情報送信はオペレータの操作によって行われる。また、情報収集装置がメモリカードに書き込み可能なドライブを備えている場合には、オペレータが情報を記憶したメモリカードから直接にサーバへ接続して読み込ませる場合もある。
【0007】
このように従来の情報収集装置では、情報の送信作業をオペレータが行っており、また、情報収集装置が収集する情報は大容量のデータとなることが多く、オペレータが送信作業を開始してから送信が完了して情報収集装置の電源を落とすまでに長時間を要するため、送信作業についてオペレータの負担が大きかった。
【0008】
そこで、本発明は、オペレータの作業負担を軽減できる情報収集装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するため、本発明の情報収集装置は、振動情報を記憶可能な記憶部と、車両のイグニッションスイッチを介さずに電力供給ラインを通じて電源から電力供給を受けて情報を記憶部に記憶させる制御部と、外部と通信可能な通信部と、電力供給ラインに設置されるメインスイッチと、メインスイッチをオンオフ制御するスイッチ制御部とを備え、スイッチ制御部は、イグニッションスイッチのオン信号でメインスイッチをオンし、制御部からのオフ信号によってメインスイッチをオフし、制御部は、イグニッションスイッチがオンされると情報を記憶部へ記憶させ、イグニッションスイッチがオフされると通信部を介して記憶部に記憶された情報を外部へ送信し、情報送信後にスイッチ制御部へオフ信号を出力するとともに、通信部が外部との通信を所定の接続トライ数以上連続して確立できない場合、通信部を介しての前記情報の送信をせず、スイッチ制御部へオフ信号を出力する。
【0010】
このように構成された情報収集装置は、オペレータがイグニッションスイッチをオフすると何らオペレータの操作を要せずに自動的に情報を外部へ送信して、情報の外部への送信が終了すると自動的にメインスイッチをオフするので、オペレータは長い時間を要する送信処理の終了まで情報収集装置の至近に留まる必要もない。また、情報収集装置における制御部は、通信部が外部との通信を所定の接続トライ数以上連続して確立できない場合、通信部を介しての情報の送信をせず、スイッチ制御部へオフ信号を出力するので、情報収集装置によれば、電源の無駄な電気エネルギの消費を抑制できる。
【0011】
また、上記した目的を達成するため、他の発明の情報収集装置は、振動情報を記憶可能な記憶部と、車両のイグニッションスイッチを介さない電力供給ラインを通じて電源から電力供給を受けて情報を記憶部に記憶させる制御部と、外部と通信可能な通信部と、電力供給ラインに設置されるメインスイッチと、メインスイッチをオンオフ制御するスイッチ制御部と、情報を検知する複数の異なる情報検知部を備え、スイッチ制御部は、イグニッションスイッチのオン信号で前記メインスイッチをオンし、制御部からのオフ信号によってメインスイッチをオフし、制御部は、イグニッションスイッチがオンされると所定の情報蓄積時間毎に同じサンプリングレートで情報を収集する異なる情報検知部で得られた全ての情報を纏めて記録するファイルを生成して記憶部へ記憶させ、イグニッションスイッチがオフされると通信部を介して記憶部に記憶された情報を外部へ送信し、通信部を介してファイルの送信が終了すると送信済のファイルを記憶部から消去し、情報送信後にスイッチ制御部へオフ信号を出力する。このように構成された情報収集装置は、オペレータがイグニッションスイッチをオフすると何らオペレータの操作を要せずに自動的に情報を外部へ送信して、情報の外部への送信が終了すると自動的にメインスイッチをオフするので、オペレータは長い時間を要する送信処理の終了まで情報収集装置の至近に留まる必要もない。また、このように構成された情報収集装置によれば、同じ情報が複数回に亘って外部へ送信される心配がなく、送信済みのファイルが記憶部から消去されるので記憶部のメモリリソースが不要なファイルによって占有されずに済むとともに、同じサンプリングレートで得られた情報については種類の異なる情報であっても一つのファイルに記録するので、各種車両情報毎に一つ一つファイルにするよりもデータ量として重くならずに済むため、メモリリソースを効率的に利用できるようなる。さらに、車両に関する情報を収集する情報検知部を備えているので、情報収集装置によれば、情報を収集する機能を持たない車両であっても車両へのセンサ等の設置により直ちに情報収集が可能である。
【0012】
上記した目的を達成するため、さらに他の発明の情報収集装置は、振動情報を記憶可能な記憶部と、車両のイグニッションスイッチを介さない電力供給ラインを通じて電源から電力供給を受けて情報を記憶部に記憶させる制御部と、外部と通信可能な通信部と、電力供給ラインに設置されるメインスイッチと、メインスイッチをオンオフ制御するスイッチ制御部とを備え、スイッチ制御部は、イグニッションスイッチのオン信号でメインスイッチをオンし、制御部からのオフ信号によってメインスイッチをオフし、制御部は、イグニッションスイッチがオンされると情報を記憶部へ記憶させ、イグニッションスイッチがオフされると通信部を介して記憶部に記憶された情報を外部へ送信し、情報送信後ではスイッチ制御部へオフ信号を出力し、通信部が記憶部に記憶された情報を送信している間ではイグニッションスイッチがオンされると情報の送信を停止し、順次得られた情報を記憶部へ記憶させる。このように構成された情報収集装置は、オペレータがイグニッションスイッチをオフすると何らオペレータの操作を要せずに自動的に情報を外部へ送信して、情報の外部への送信が終了すると自動的にメインスイッチをオフするので、オペレータは長い時間を要する送信処理の終了まで情報収集装置の至近に留まる必要もない。また、このように構成された情報収集装置によれば、車両が情報の送信中に走行する可能性がある状況では、情報の送信を停止して情報を収集して記憶部に記憶させるので、情報送信のために情報収集が可能な機会を逸してしまうことがなく、効率よく情報収集できる。
【0013】
上記した目的を達成するため、またさらに他の発明の情報収集装置は、振動情報を記憶可能な記憶部と、車両のイグニッションスイッチを介さない電力供給ラインを通じて電源から電力供給を受けて情報を記憶部に記憶させる制御部と、外部と通信可能な通信部と、電力供給ラインに設置されるメインスイッチと、メインスイッチをオンオフ制御するスイッチ制御部と、イグニッションスイッチがオフされてから所定の通信許可時間より長い時間に設定される異常判定時間を経過しても前記メインスイッチがオフされない場合、スイッチ制御部へオフ信号を出力する異常監視部を備え、スイッチ制御部は、イグニッションスイッチのオン信号で前記メインスイッチをオンし、制御部からのオフ信号によって前記メインスイッチをオフし、制御部は、イグニッションスイッチがオンされると情報を記憶部へ記憶させ、イグニッションスイッチがオフされると通信部を介して記憶部に記憶された情報を外部へ送信し、情報送信後にスイッチ制御部へオフ信号を出力し、イグニッションスイッチがオフされてから通信許可時間から所定の情報蓄積時間中の収集された情報が記録されたファイルの送信に要する時間を引いた時間経過すると、記憶部に記憶された全ての情報の外部への送信が完了していなくても、送信中のファイルを除いて新たなファイルの送信を行わず、所定の通信許可時間経過すると、スイッチ制御部へオフ信号を出力する。このように構成された情報収集装置は、オペレータがイグニッションスイッチをオフすると何らオペレータの操作を要せずに自動的に情報を外部へ送信して、情報の外部への送信が終了すると自動的にメインスイッチをオフするので、オペレータは長い時間を要する送信処理の終了まで情報収集装置の至近に留まる必要もない。また、このように構成された情報収集装置によれば、時間的に制限なく情報を送信するようなことがなくなるので電源の電気エネルギの消耗を抑制できる。さらに、このように構成された情報収集装置によれば、制御部の処理に異常が生じてオフ信号を出力できなくなっても、強制的にメインスイッチをオフしてそれ以上の電力消費を阻止でき、電源の電気エネルギの消耗を抑制できる。
【0014】
また、情報収集装置は、通信部が記憶部に記憶されている情報を複数同時に並列して送信してもよい。このように構成された情報収集装置によれば、情報送信の効率化を図って情報の送信時間を短縮できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の情報収集装置によれば、オペレータの作業負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】一実施の形態における情報収集装置を搭載した車両を示した図である。
【
図2】一実施の形態における情報収集装置のシステム構成を示した図である。
【
図3】一実施の形態の情報収集装置における情報検知部の構成を示した図である。
【
図4】一実施の形態の情報収集装置の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【
図5】一実施の形態の情報収集装置の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【
図6】一実施の形態の情報収集装置の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。
図1に示すように、一実施の形態の情報収集装置1は、四輪自動車である車両Vに搭載されて、情報を収集して、基地に設置されたサーバSへ収集した情報を送信する。情報収集装置1は、
図1および
図2に示すように、情報を記憶可能な記憶部2と、車両のイグニッションスイッチISを介さずに電力供給ラインPLを通じて電源Bから電力供給を受けて情報を記憶部2に記憶させる制御部Cと、外部のサーバSと通信可能な通信部3と、電力供給ラインPLに設置されるメインスイッチMSと、メインスイッチMSをオンオフ制御するスイッチ制御部4と、情報を検知する情報検知部5と、異常監視部6とを備えて構成されている。
【0021】
以下、情報収集装置1の各部について詳細に説明する。電源Bは、本実施の形態では、車両Vのバッテリとされており、イグニッションスイッチISを介さない車両上の電力供給ラインPLを通じて、メインスイッチMS経由で、電源Bを制御部Cに安定した電圧で電力供給する電源回路7に接続する。電源回路7は、本実施の形態では、電源Bが車両Vのバッテリとされており直流電源であるので、スイッチングレギュレータ等のDC-DCコンバータとされているが、電源Bから制御部Cへ安定した直流電圧を出力可能な回路を利用すればよい。なお、電源Bは、車両Vのバッテリとは別の電源であってもよい。
【0022】
また、電力供給ラインPLの途中であって、電源Bと電源回路7との間には、メインスイッチMSが設けられている。メインスイッチMSは、本実施の形態では、スイッチ制御部4からハイレベルの信号が入力されるとオン動作し、ローレベルの信号が入力されるとオフ動作するスイッチング素子とされるが、スイッチング素子の他にもリレー等といったスイッチ制御部4の制御によってオンオフ動作するスイッチであればよい。なお、メインスイッチMSは、スイッチ制御部4の制御によってオンオフ動作するスイッチであればよいので、スイッチ制御部4からローレベルの信号が入力されるとオン動作し、ハイレベルの信号が入力されるとオフ動作するFET(Field effect transistor)の利用も可能である。
【0023】
スイッチ制御部4は、本実施の形態では、イグニッションスイッチISがオンされるとイグニッションスイッチ経由の電源電圧の立ち上がりを検出して、ハイレベルの信号をメインスイッチMSへ出力してメインスイッチMSをオン動作させるとともに、制御部C或いは異常監視部6からのオフ信号を受け取るとローレベルの信号を出力してメインスイッチMSをオフ動作させる。本実施の形態の情報収集装置1のように、スイッチ制御部4は、
図2に示すように、D型のフリップフロップFFと、OR回路OCとでスイッチ制御部4を構成することができる。フリップフロップFFは、OR回路OCの出力信号が入力される初期化端子CLRを備え、クロック入力端子にイグニッションスイッチISのオン信号が入力されるとともに、D端子にハイレベルの信号が入力されている。また、フリップフロップFFのQ端子から出力される信号は、メインスイッチMSへ入力される。なお、イグニッションスイッチISのオン信号は、本実施の形態のように、イグニッションスイッチISに通じる配線から得てもよいし、車両VにおけるECU(Electronic Control Unit)等から得てもよい。
【0024】
フリップフロップFFは、イグニッションスイッチISがオンされて、入力端子に入力されイグニッションスイッチ連動の電圧レベルがローレベル(0V付近の電圧)からハイレベル(バッテリの電圧(12V等))へ立ち上がると、D端子に入力されているハイレベルを取り込んでQ端子から出力される信号をローレベルからハイレベルへ切換える。スイッチ制御部4は、イグニッションスイッチISのオン動作時の車両電源の立ち上がりをイグニッションスイッチISのオン信号として検知している。そして、Q端子がハイレベルになると、Q端子に接続されているメインスイッチMSにハイレベルの信号が入力されてメインスイッチMSがオンして、電源Bから電源回路7を通じて制御部Cへ電力が供給される。また、フリップフロップFFは、Q端子をハイレベルにしたのちに、初期化端子CLRがハイレベルになると、Q端子をローレベルに初期化する。Q端子がローレベルになると、メインスイッチMSは切断され、電力供給ラインPLからの電源回路7への電源供給が停止する。一度、イグニッションスイッチISがオンになり、メインスイッチMSがオンされると、制御部Cまたは異常監視部6によってメインスイッチMSがオフされるまで、イグニッションスイッチISの状態に関わらず、メインスイッチMSはオンのままとなり制御部Cへの電力供給が継続される。
【0025】
制御部Cは、イグニッションスイッチISのオンオフ状態をモニタ回路15を使って監視しており、イグニッションスイッチISがオンされた後に、メインスイッチMSをオフする条件が整うとハイレベルのオフ信号をOR回路OCのA端子に入力するが、それ以外の状態では、OR回路OCのA端子の電圧をローレベルとする。また、OR回路OCのB端子は、異常監視部6の出力端子に接続されている。異常監視部6は、制御部Cに異常を認める場合、OR回路OCのB端子にハイレベルのオフ信号を入力し、制御部Cに異常を認めない場合にはOR回路OCのB端子の電圧をローレベルに維持する。
【0026】
よって、OR回路OCは、制御部C或いは異常監視部6からオフ信号を受け取らない状態ではフリップフロップFFの初期化端子CLRの電圧をローレベルに維持するので、イグニッションスイッチISがオンされてフリップフロップFFのQ端子の電圧がハイレベルとなっている場合には、Q端子の電圧をそのままハイレベルに維持する。他方、OR回路OCは、制御部C或いは異常監視部6からオフ信号の入力を受けるとフリップフロップFFの初期化端子CLRの電圧をハイレベルとするので、フリップフロップFFのQ端子の電圧は初期化されてローレベルとなる。
【0027】
よって、フリップフロップFFは、イグニッションスイッチISがオンされてオン信号の立ち上がりによってQ端子をハイレベルとしてメインスイッチMSをオン動作させた後、OR回路OCからハイレベルの信号を受け取るとQ端子の電圧をローレベルとしてメインスイッチMSをオフ動作させる。また、この例では、スイッチ制御部4は、メインスイッチMSで切断されない電源で動作する。このスイッチ制御部4における回路は、非常に小さな回路のため消費電力は十分小さい。
【0028】
なお、スイッチ制御部4の具体的な回路構成は、一例であって、スイッチ制御部4は、他の回路構成の採用によって前述したスイッチ制御部4の動作を実現してもよい。つまり、スイッチ制御部4は、イグニッションスイッチISのオン状態、または、オフからオンへの遷移によってメインスイッチMSをオン動作させるとともに、制御部C或いは異常監視部6からのオフ信号の入力によってメインスイッチMSをオフ動作させるように構成されれば、回路構成は任意に変更可能である。
【0029】
情報検知部5は、
図3に示すように、車両Vの車体に装着されて車体の前後、左右、上下の3軸回りの角速度を検知する3軸ジャイロセンサ5aと、車両Vの車体に装着されて車体の前後、左右、上下の3軸の加速度を検知する加速度センサ5bと、車両Vの四輪各輪と車体との間に介装される図示しないダンパのストローク量を検知する4つのストロークセンサ5cと、四輪各輪の上下方向の加速度を検知する4つの加速度センサ5dと、車両Vの前方を撮影するカメラ5eと、全球測位衛星システムを利用して車両Vの位置情報を取得する位置検知装置5fとを備えている。なお、情報収集装置1は、本実施の形態では、情報検知部5で検知する情報以外にも、CAN(Controller Area Network)バスCbやオン・ボード・ダイアグノーシス(OBD)を通じて、予め車両Vに搭載されていて、車両Vの速度、ハンドルの舵角、ワイパーの駆動情報、アクセル開度、ブレーキ操作情報等を検知する車載センサから情報を収集する。また、情報検知部5は、車両Vに車載センサが搭載されていない場合には、車両Vの速度、ハンドルの舵角、ワイパーの駆動情報、アクセル開度、ブレーキ操作情報等を含んで構成されてもよい。また、情報検知部5は、車載センサから得られる情報と同じ情報を得るセンサについて含まずに構成されてもよく、得たい全ての情報が直接に車載センサから得られる場合には情報検知部5を省略することもできる。本実施の形態では、道路の性状判定に必要な車両の振動情報を主に収集しているが、収集する情報は振動情報に限られない。
【0030】
なお、本実施の形態の情報収集装置1では、3軸ジャイロセンサ5aと加速度センサ5bとは、同じサンプリングレートで角速度と加速度を検知するアナログのセンサとされ、4つのストロークセンサ5cは、3軸ジャイロセンサ5aと加速度センサ5bと異なるサンプリングレートでストローク変位を検知するアナログのセンサとされ、4つの加速度センサ5dは、デジタルのセンサとされており3軸ジャイロセンサ5a、加速度センサ5bおよびストロークセンサ5cとサンプリングレートを異にしている。また、カメラ5eおよび位置検知装置5fもまた独自のサンプリングレートでそれぞれ情報を検知する。
【0031】
記憶部2は、制御部Cによって制御され、制御部Cからの指令によって情報検知部5および車載センサで検知した情報を記憶する。記憶部2は、たとえば、フラッシュメモリ等の不揮発性の半導体メモリで構成されているが、フラッシュメモリに限定されず磁気ディスクなどとされてもよい。また、記憶部2は、光学ディスク等の記憶媒体と記憶媒体のデータを読み書き可能なドライブとでなる補助記憶装置を備えていてもよい。
【0032】
通信部3は、制御部Cによって制御されており、外部に設置されたサーバSと通信可能であって、記憶部2に記憶されている情報およびその他データをサーバSへ送信する。通信部3は、図示しないアンテナユニットを備えており、本実施の形態では、IEEE802.11規格の無線LAN(Local Area Network)通信を行う。
【0033】
制御部Cは、CPU(Central Processing Unit)10と、メモリ11と、インターフェース12と、これら装置を互いに通信可能に接続するバス14とを備える他、リセット回路13およびモニタ回路15を備えている。また、制御部Cは、記憶部2および通信部3に対してバス14を通じて相互に通信可能に接続されている。また、制御部Cは、情報検知部5が検知した情報を受け取ることができるように、情報検知部5にインターフェース12を介して接続されるともに、インターフェース12およびCANバスCbを通じて車載センサが検知した情報を受け取り可能となっている。
【0034】
CPU10は、オペレーティングシステムおよび他のプログラムの実行によって情報収集装置1における記憶部2および通信部3を制御し、また、情報検知部5および車載センサが検知した各種情報を処理する。メモリ11は、ROM(Read Only Memory)の他に、CPU10の演算処理に必要な記憶領域を提供するRAM(Random Access Memory)を備えており、CPU10の演算処理に使用されるプログラムをROMに格納している。なお、CPU10の演算処理に使用されるプログラムは、記憶部2に格納されていてもよい。
【0035】
リセット回路13は、メインスイッチMSがオンされると、リセット信号をCPU10へ送信する。CPU10は、リセット信号を受け取ると初期化され、安定した状態で起動できる。
【0036】
また、モニタ回路15は、本実施の形態では、コンパレータ回路とされており、イグニッションスイッチISから供給される電源の電圧に応じて出力を変化させる。他方、モニタ回路15は、イグニッションスイッチISがオン状態であれば、たとえば、イグニッションスイッチISより供給される電圧が8V以上になっている場合、CPU10へハイレベルの信号を出力し、イグニッションスイッチISがオフ状態で供給される電圧が8V未満になっている場合、CPU10へローレベルの信号を出力する。なお、比較される電圧については、イグニッションスイッチIS側から供給される電圧の値に応じて任意に決定できるので8V以外とされてもよく、ローレベルからハイレベルへの遷移と、ハイレベルからローレベルへの遷移でヒステリシスを持たせてもよい。なお、モニタ回路15は、コンパレータ回路以外の回路を採用してもよく、イグニッションスイッチISがオン状態である場合に出力の電圧をハイレベルとし、イグニッションスイッチISがオフ状態である場合に出力の電圧をローレベルとし、CPU10へ入力できればよい。なお、モニタ回路15は、イグニッションスイッチISのオンによって、電源電圧が入力端子に入力された際に出力をハイレベルの信号として出力するものであればよいので、コンパレータ回路以外の回路構成を採用してもよい。
【0037】
そして、制御部Cは、CPU10が情報収集装置1として機能するために必要なプログラムを実行することで、情報検知部5および車載センサが検知した各種情報を処理してファイルを生成して、記憶部2にファイルを記憶させ、さらに、記憶部2に記憶されたファイルを通信部3から外部のサーバSへ送信する。
【0038】
具体的には、制御部Cは、イグニッションスイッチISがオンされて、スイッチ制御部4がメインスイッチMSをオン動作させることにより、電力供給を受けて起動する。制御部Cは、起動処理が終了すると、情報検知部5および車載センサが検知した各情報にその情報が得られた時刻と関連付けしつつ、所定の情報蓄積時間毎にその情報蓄積時間内に得られた情報検知部5および車載センサが検知した各情報を記録するファイル群を生成するロガープロセスを実行して、記憶部2に記憶させる。
【0039】
具体的には、制御部Cは、ロガープロセスの実行により、センサの種類が同じであってサンプリングレートが同じセンサで検知した情報については、一つのファイルに情報を記録するようにしている。
【0040】
つまり、制御部Cは、前述の情報検知部5から得られる情報を例にして、情報蓄積時間を1分とすると、同じアナログセンサであってサンプリングレートが同じ3軸ジャイロセンサ5aと加速度センサ5bが検知した角速度と車体の加速度にそれぞれを情報が得られた時刻を関連付けし、情報蓄積時間である1分間の間に得られた角速度、加速度のデータを一つのファイルにして記憶部2に記憶させる。同様に、制御部Cは、同じアナログセンサであってサンプリングレートが同じ4つのストロークセンサ5cが検知したストローク変位にそれぞれを情報が得られた時刻を関連付けし、情報蓄積時間である1分間の間に得られたストローク変位のデータを一つのファイルにして記憶部2に記憶させる。また、制御部Cは、4つの加速度センサ5dが検知した4輪各輪の加速度にそれぞれを加速度が得られた時刻を関連付けし、情報蓄積時間である1分間の間に得られた4つの加速度のデータを一つのファイルにして記憶部2に記憶させる。さらに、制御部Cは、カメラ5eが撮影した画像データに画像データが得られた時刻を関連付けし、二秒間に得られた画像データを記憶部2に記憶させる。また、制御部Cは、位置検知装置5fが検知した位置情報に位置情報が得られた時刻を関連付けし、情報蓄積時間である1分間の間に得られた位置情報のデータを一つのファイルにして記憶部2に記憶させる。よって、たとえば、情報収集装置1が各情報を1時間にわたって収集すると、角速度と加速度のファイル、ストローク変位のファイル、車輪の加速度のファイルおよび位置情報のファイルがそれぞれ60個ずつ生成されて記憶部2に記憶される。ただし、画像のファイルは、2秒ごとに生成されるため、1800個生成されて記憶部2に記憶される。
【0041】
制御部Cは、車載センサから得られる舵角、ワイパー信号等といったOBD端子から得られる情報群については各情報がOBD端子から得られた時刻を関連付けしつつ、情報蓄積時間毎にこれらの情報群を記憶するファイルを生成して、記憶部2に記憶させる。なお、制御部Cは、同一の情報蓄積時間内に得られた各種情報を情報の種類毎に或いは全情報を一纏まりのファイルにして記憶部2に記憶させてもよい。
【0042】
また、制御部Cは、イグニッションスイッチISがオフされてモニタ回路15からローレベルの信号を受け取ると、イグニッションスイッチISがオフされたことを認識し、情報検知部5および車載センサから得られる情報を収集してファイルを生成する処理であるロガープロセスを終了する。この場合、制御部Cは、ファイル化されていない情報を情報蓄積時間に満たなくとも前述した方法でファイルを生成した後に記憶部2に記憶させる。
【0043】
制御部Cは、情報のファイル化が終了すると、通信部3を介して、情報を記録したファイルをサーバSへ送信する転送プロセスを実行する。具体的には、制御部Cは、通信部3とサーバSとの通信が確立された場合には、記憶部2に記憶されている複数のファイルを、本実施の形態では8つのファイルを同時に並列してサーバSへ送信する。たとえば、TCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)を利用してファイルの送信を行えば、一度に複数のファイルを送信することができる。制御部Cは、記憶部2に記憶されている全ファイルを古いものから順に一覧化(リスト化)し、一覧(リスト)に従って順番にファイルをサーバSへ送信する。制御部Cは、8つのファイルを並列して通信部3を介してサーバSへ同時に送信するが、1つのファイルの送信が完了し、サーバーSが確実に情報を受け取ったことを確認するごとに、送信が完了したファイルを記憶部2から消去し、前記リスト中で未送信のファイルのうち順番の若いファイルを選択して送信する。つまり、制御部Cは、8つの転送プロセスを同時に処理しており、各転送プロセスで1つのファイルの送信が終了すると記憶部2から転送が完了したファイルを消去し、前記リストにしたがって順次ファイルを送信するという処理を継続して行う。なお、一度に送信するファイル数は、予め記憶部2に記録されている設定ファイル中で指定された数を最大値とすればよく、1以上であれば8でなくともよい。
【0044】
制御部Cは、こうしてファイルの送信処理を行ってリストに記憶されていたすべてのファイルの送信が完了すると、ファイル転送プロセスを終了し、さらに必要であれば、制御部Cで実行されているオペレーティングシステムの終了処理を実施し、インターフェース12を介してスイッチ制御部4のOR回路OCへハイレベルのオフ信号を出力する。
【0045】
イグニッションスイッチISがオフされても、スイッチ制御部4におけるフリップフロップFFのQ端子の電圧は、初期化端子にハイレベルのオフ信号が入力されるまではハイレベルに維持されるので、メインスイッチMSは、イグニッションスイッチISのオフに伴って直ちにオフ動作することはない。
【0046】
そして、制御部Cは、イグニッションスイッチISがオフされても電源Bから電力供給を受けて、ロガープロセスを終了して転送プロセスを実行して全ファイルの送信が終了するまではオフ信号を出力しない。制御部Cからオフ信号の入力がなく、異常監視部6からもオフ信号の入力がない場合、スイッチ制御部4はメインスイッチMSをオン状態に維持するため、制御部Cは、イグニッションスイッチISがオフされても全ファイルの送信が完了するまで電源Bから電力供給を受けることができる。
【0047】
なお、制御部Cは、モニタ回路15からローレベルの信号、すなわち、イグニッションスイッチISのオフを受け取ると、タイマーをスタートする。タイマーのカウントした時間が、予め指定された通信許可時間以上となる場合には、現在実行中の全転送プロセスを終了し、インターフェース12を介して、ローレベルの信号をハイレベルのオフ信号に切り換えてスイッチ制御部4のOR回路OCに出力する。通信許可時間は、本実施の形態では、55分に設定されている。
【0048】
本実施の形態では、実行中の全転送プロセスは、通信許可時間を超えた場合、強制的に停止され、強制停止処理時に転送中だったファイルは、記憶部2に保存されて残される。制御部Cは、送信が完了したファイルについては記憶部2から削除する処理を行っているので、通信許可時間が経過した後で転送プロセスを強制終了すると、未送信のファイルのみが記憶部2に記憶された状態となる。制御部Cは、取得した時刻が古いファイルから順にサーバSへ送信するようにリストを作成したうえで、リストの順に従ってファイルをサーバSへ送信する。よって、カウントした時間が通信許可時間以上となり記憶部2に未送信のまま取り残されたファイルは、イグニッションスイッチISがオンされて情報収集装置1が起動した後、イグニッションスイッチISがオフされて通信状態となるとサーバSへ優先的に送信される。また、制御部Cは、通信許可時間を超えたときに、転送途中であったファイルは、次回にイグニッションスイッチISがオフされたときに、再度、先頭から転送し直す。
【0049】
また、モニタ回路15の出力は、異常監視部6にも入力されており、異常監視部6は、イグニッションスイッチISがオフされた後、制御部Cと同様に時間をカウントして、カウントした時間が通信許可時間よりも長い時間に設定される異常判定時間以上となると、制御部Cが異常であると判断してローレベルの信号をハイレベルのオフ信号に切り換えてスイッチ制御部4のOR回路OCに出力する。本実施の形態では、異常判定時間を60分に設定しており、異常監視部6は、イグニッションスイッチISがオフされた後、カウントした時間が60分以上となるとオフ信号に切り換えてスイッチ制御部4のOR回路OCに出力する。
【0050】
前述したように、制御部Cは、イグニッションスイッチISがオフされて時間が通信許可時間以上経過するとオフ信号をOR回路OCへ出力するが、制御部Cの処理に異常があるか、制御部C自体に異常があって、オフ信号を出力できない場合がある。このような場合でも、イグニッションスイッチISがオフされてからカウントした時間が異常判定時間以上となると異常監視部6がハイレベルのオフ信号をOR回路OCへ出力するので、フリップフロップFFの初期化端子CLRにハイレベルの信号が入力されてQ端子の電圧が初期化されてローレベルとなって、メインスイッチMSがオフ動作する。すると、制御部Cへの電力供給が途絶えて、制御部Cの動作が停止する。よって、本実施の形態の情報収集装置1では、制御部Cに異常が生じても異常監視部6によって電源Bからの電力供給を強制的に停止できる。
【0051】
情報収集装置1から前述のようにファイルを受信するサーバSは、車両Vの基地に設置されている。サーバSは、図示はしないが、コンピュータシステムであり、演算処理装置と、情報収集装置1から受信した情報を記憶するとともにサーバSの制御および前記情報の処理及び解析に必要なプログラムを記憶するとともに前記演算処理装置における処理に必要な記憶領域を提供する記憶装置と、キーボードやマウスといったオペレータの指示の入力を受け付ける入力装置と、表示装置と、これら装置を互いに通信可能に接続するバスとを備えている。なお、サーバSは、インターネット上のクラウドサーバとされてもよい。
【0052】
サーバSが設置される基地には、車両Vの駐車スペースが設けられており、駐車スペースの至近に、情報収集装置1における通信部3と相互に無線LAN通信が可能な通信部20が設置されている。通信部20は、図示しないアンテナユニットを備えておりサーバSに接続されていて、サーバSは、通信部20を介して情報収集装置1から送信されるファイルを受け取る。通信部20とサーバSは、有線で接続されてもよいし、駐車スペースとサーバSとの距離が長い場合、図示しない中継器やインターネットを介して無線通信できるようになっていてもよい。
【0053】
サーバSは、情報収集装置1から情報を纏めたファイルを受け取ると、ファイルを図示しないデータベースに格納する。ファイルは、サーバSを操作するオペレータによる解析に供され、たとえば、国際ラフネス指標の算出に用いられる他、その他道路性状の把握に利用される。
【0054】
本実施の形態の情報収集装置1は、以上のように構成されており、以下で述べる処理手順を実行することで動作し、イグニッションスイッチISがオンされると、自動で起動して情報を収集して記憶部2に記憶させ、イグニッションスイッチISがオフされると、自動で記憶部2に記憶された情報をサーバSへ順次送信する。情報収集装置1の具体的な処理手順を
図4から
図6に示したフローチャートに基づいて詳細に説明する。
【0055】
イグニッションスイッチISがオンされて電力供給を受けると情報収集装置1は、起動する(ステップF1)。そして、制御部Cは、イグニッションスイッチISがオフ状態であるか否かを判断する(ステップF2)。ステップF2の判断にて、モニタ回路15からローレベルの信号の入力があって、イグニッションスイッチISがオフ状態であると判断すると、制御部Cは、記憶部2に記憶されているファイルをサーバSへ送信するべく、通信部3と通信部20との無線接続を確立するために無線接続コマンドを実行する(ステップF3)。このケースは、イグニッションスイッチISが一旦オンされた直後にオフされたケースである。制御部Cは、無線接続コマンドの実行によって通信部3と通信部20との無線通信が確立したかを判断し(ステップF4)、無線通信が確立しない場合、無線接続コマンドを連続して実行した回数が予め設定される接続トライ数未満であるか否かを判断する(ステップF5)。無線接続コマンドの実行回数が接続トライ数未満の場合、ステップF3の処理へ戻って無線接続コマンドを実行する。この無線接続コマンドの実行と、無線通信の接続が確立したかの判断の処理を続けて、制御部Cは、ステップF5の判断で無線接続コマンドを連続して実行した回数が前記接続トライ数以上となると、オペレーティングシステムの終了処理を行って(ステップF6)から全ての実行中の処理を終了して、オフ信号をスイッチ制御部4へ出力する(ステップF7)。制御部Cがオフ信号を出力するとメインスイッチMSがオフされて、電源Bから制御部Cへの電力供給は停止される。無線接続コマンドを実行しても通信部3と通信部20との無線通信が確立しないのは、車両Vが基地におらず通信部20との通信ができない場合、或いは、情報収集装置1或いは通信部20或いはサーバSに異常が生じて通信が不能となった場合が考えられる。
【0056】
情報収集装置1が搭載された車両Vのオペレータは、たとえば、立ち寄り先、ガソリンスタンド等、基地以外でも車両Vを駐車させる機会があるため、車両Vが基地の駐車スペースにない状態でイグニッションスイッチISをオフする機会が多々ある。このように、車両Vが基地の駐車スペース以外に駐車されてイグニッションスイッチISがオフされた場合、情報収集装置1は、通信部20と無線LAN通信を行えないので、ファイルを送信する転送プロセスを実行することなく処理を自動的に終了してメインスイッチMSを速やかにオフすることができる。
【0057】
制御部Cの起動後のステップF2の判断で、イグニッションスイッチISがオン状態である場合、制御部Cは、情報検知部5および車載センサから得られる情報を収集してファイルを生成し、生成したファイルを記憶部2に記憶させるロガープロセスを実行する(ステップF8)。制御部Cは、ロガープロセスを実行中、常時、イグニッションスイッチISのオンオフ状態のモニタをし、イグニッションスイッチISがオフされたか否かの判断を継続して行う(ステップF9)。イグニッションスイッチISがオフされた場合、制御部Cは、ロガープロセスを終了して(ステップF10)、ステップF3へ移行して、無線通信コマンドを実行する。
【0058】
また、制御部Cは、ステップF4での判断において、通信部3と通信部20との無線通信が確立すると、イグニッションスイッチISのオフされてからの時間をカウントするタイマープロセスを起動する(ステップF11)。つづいて、制御部Cは、記憶部2に記憶されたファイルの一覧(リスト)を取得し(ステップF12)、通信部3からファイルをサーバSへ転送する新たな転送プロセスを起動する(ステップF13)。制御部Cは、転送プロセスを実行中、タイマープロセスの処理も同時に行って、イグニッションスイッチISのオフされてからの時間をカウントし続ける。制御部Cは、前述した通り、8個までの転送プロセスを同時に並列して起動して、同時に8個のファイルをサーバSへ転送する。1つの転送プロセスの処理において、制御部Cは、リストの順に従ってリスト中の送信されていない最も古いファイルを選択して通信部3から選択したファイルをサーバSへ送信し、サーバSからファイルを受領した旨のコードを受け取ると記憶部2から選択したファイルを削除する処理をした後、転送プロセスを終了する。制御部Cは、各転送プロセスの処理をモニタしており、各転送プロセスが前記した予め指定された数の転送プロセスを実行しているかチェックし(ステップF14)、前記転送プロセスに空きがある場合は、ステップF13へ戻り、新たな転送プロセスを起動する(ステップF13)。
【0059】
前記のあらかじめ指定された数の転送プロセスが、すでに実行されている場合は、次に、イグニッションスイッチISの状態をチェックする(ステップF15)。イグニッションスイッチISがオンされている場合、タイマープロセスを終了し(ステップF16)、制御部Cは、自身が実行している全ての転送プロセスの終了を待つ(ステップF17)。そして、制御部Cは、全転送プロセスが終了すると、ステップF8へ移行してロガープロセスを起動し、情報の収集を開始する。これは、データの転送が終了する前に、車両がオペレータによって再度計測開始の状態におかれた場合に相当する。
【0060】
他方、制御部Cは、ステップF15の判断でイグニッションスイッチISがオフ状態のまま維持されている場合、ステップF11の処理で起動されたタイマープロセスでカウントしている時間が通信許可時間から所定の情報蓄積時間中の収集された情報が記録されたファイルの送信に要する時間を引いた時間以上、たとえば、50分以上であるか否かを判断する(ステップF18)。制御部Cは、
図5に示すように、ステップF16の処理でタイマープロセスを終了しない限り、ファイルの転送を行う転送プロセスの実行と並行してタイマープロセスを実行する。
【0061】
制御部Cは、ステップF18の判断で、カウントした時間が50分未満であると判断した場合、ステップF19へ移行して、転送すべきファイルが未転送のまま残っているか否かを判断する。この判断の結果、未転送のファイルが残っている場合には、制御部Cは、ファイルを転送するために転送プロセスを起動するための空きがあるかを確認する処理(ステップF14)に戻る。
【0062】
前記判断の結果、未転送のファイルが残っておらず記憶部2にファイルが残っていない場合には、制御部Cは、現在実行中の転送プロセスの終了を待ち(ステップF20)、オペレーティングシステムの終了処理を行って(ステップF21)から全ての実行中の処理を終了して、オフ信号をスイッチ制御部4へ出力する(ステップF22)。
【0063】
他方、制御部Cは、ステップF18の判断においてタイマープロセスでカウントしている時間が50分以上であると判断する場合、これ以上の新たな転送プロセスの起動を行わない。つまり、タイマープロセスでカウントしている時間が50分を経過すると、制御部Cは、現在実行中の転送プロセスについては実行を継続するものの、これ以上、新たに転送プロセスを起動せず、転送処理を取りやめるための準備に入る。つづいて、制御部Cは、ステップF18の判断処理を実行し、カウントしている時間が50分以上であると判断する場合、ステップF23に移り、全転送プロセスが終了したかをチェックする(ステップF23)。全てのプロセスが終了していない場合、次にタイマープロセスでカウントしている時間がステップF18の判断後にさらに通信許可時間である55分以上経過したか否かを判断する(ステップF24)。
【0064】
一方、全てのプロセスが終了している場合は、ステップF21に進み、オペレーティングシステムの終了処理を実行する。
【0065】
制御部Cは、カウントした時間が55分に満たない場合には、ステップF23に進み転送プロセスの終了をチェックする。カウントした時間が、55分を超えた場合は、転送プロセスを強制終了し(ステップF25)、その後ステップF21に進む。
【0066】
つまり、制御部Cは、ステップF18の処理での基準となる50分にステップF24の5分を加えたトータルで55分を予め指定される通信許可時間とし、イグニッションスイッチISがオフされてからの時間が通信許可時間である55分以上となったか判断していることになる。ここで、制御部Cは、カウントした時間が50分を経過すると、新たな転送プロセスの起動を行わず、続く5分間の間、実行中の転送プロセスの処理を行う。1分程度の短い時間に設定される情報蓄積時間中の収集された情報が記録されたファイルの送信に要する時間は5分以内であるため、このステップF23、F24の処理によって制御部Cは、転送プロセスの終了を待つことになる。
【0067】
制御部Cは、ステップF23の判断で55分が経過したと判断すると、全転送プロセスが終了しているか否かにかかわらず、現在実行中の転送プロセスを全て強制的に停止させる処理を行う(ステップF25)。そして、制御部Cは、ステップF21の処理へ移行して、オペレーティングシステムの終了処理を行って、オフ信号をスイッチ制御部4へ出力する(ステップF22)。
【0068】
なお、情報収集装置1の異常によって前記通信許可時間である55分の経過のさらに5分後までに制御部Cがオフ信号をスイッチ制御部4へ出力できない場合、異常監視部6がスイッチ制御部4へオフ信号を出力してメインスイッチMSがオフ動作し、制御部Cへの電力供給が途絶えて制御部Cの動作が停止する。
【0069】
以上のように、情報収集装置1は、情報を記憶可能な記憶部2と、車両のイグニッションスイッチISを介さない電力供給ラインPLを通じて電源から電力供給を受けて車両Vに関する情報を記憶部2に記憶させる制御部Cと、サーバ(外部)Sと通信可能な通信部3と、電力供給ラインPLに設置されるメインスイッチMSと、メインスイッチMSをオンオフ制御するスイッチ制御部4とを備え、スイッチ制御部4は、車両のイグニッションスイッチISのオン信号でメインスイッチMSをオンし、制御部Cからのオフ信号によってメインスイッチMSをオフし、制御部Cは、イグニッションスイッチISがオンされると情報を記憶部2へ記憶させ、イグニッションスイッチISがオフされると通信部3を介して記憶部2に記憶された情報を外部へ送信し、情報送信後にスイッチ制御部4へオフ信号を出力する。
【0070】
このように構成された情報収集装置1は、車両のイグニッションスイッチISを介さない電力供給ラインPLを通じて電源から電力供給を受けているので、スイッチ制御部4の制御によって制御部C、前記記憶部2および前記通信部3への電力の供給と遮断を自身で制御できる。そして、情報収集装置1は、スイッチ制御部4が車両のイグニッションスイッチISのオン信号で前記制御部C、前記記憶部2および前記通信部3へ電源Bから電力供給させ、制御部Cからのオフ信号によってメインスイッチMSをオフすることで前記制御部C、前記記憶部2および前記通信部3への電力供給を遮断する。制御部Cは、イグニッションスイッチISがオンされるとメインスイッチMSがオンするので電源Bから電力供給を受けて情報を収集して記憶部2に情報を記憶させ、イグニッションスイッチISがオフされると通信部3を介して記憶部2に記憶した情報を外部へ送信し、情報送信後にスイッチ制御部4へメインスイッチMSをオフする信号(オフ信号)を出力する。よって、情報収集装置1によれば、車両Vのオペレータが車両Vを走行させるためにイグニッションスイッチISをオンすると、何らオペレータの操作を要せずに自動的に車両Vの走行時に得られる情報を収集し、オペレータがイグニッションスイッチISをオフすると何らオペレータの操作を要せずに自動的に情報を外部へ送信し自動的にメインスイッチMSをオフする。情報収集装置1は、情報の外部への送信が終了すると自動的にメインスイッチMSをオフするので、オペレータは長い時間を要する送信処理の終了まで情報収集装置1の至近に留まる必要もない。以上のように、情報収集装置1は、オペレータのイグニッションスイッチISのオンオフ操作以外の操作を要求しないので、オペレータの作業負担を飛躍的に軽減できる。
【0071】
また、本実施の形態の情報収集装置1は、通信部3が記憶部2に記憶されている情報を複数同時に並列して送信する。ファイル化された情報を一つずつ送信する場合、一般的に、TCP/IPを用いて通信する場合、送信先である外部のサーバSが送信元の情報収集装置1から情報を受け取る際に両者の間で、要求・応答のネゴシエーションが必要となり、待ち時間が生じ、前記1分程度の情報を格納した小さいファイルをたくさん送信する場合にロスタイムが大きくなるが、本実施の形態の情報収集装置1のように、並列して前記ファイル化された情報を複数(本実施の形態では8個)並行して送るようにすれば、1つの情報送信が終了してアクナレッジを待つ間にも他の情報を送信し続けることができるので、ネゴシエーションに要する時間が発生しても情報送信の効率化が図られ情報の送信時間を短縮できる。
【0072】
情報蓄積時間を長く設定し、ファイルサイズを大きくすると、転送のスループットを上げることは可能だが、短時間のみでサーバSが設置される基地に車両Vを駐車した場合にファイルの送信が完了できず、送信が中断されてしまい次回の駐車時に初めからそのファイルを送信しなくてはならなくなる。これに対し、本実施の形態の情報収集装置1のように、情報蓄積時間を1分程度にする場合、たとえば、基地から車両が発車した後に、所用などで車両が基地に戻って5分程度駐車して再度発車するような場合等、基地で車両が短い時間駐車する際にも記憶部2に記憶されているファイルの幾つかをサーバSへ送信できる。
【0073】
また、本実施の形態の情報収集装置1において制御部Cは、通信部3がサーバ(外部)Sとの通信を所定の接続トライ数以上連続して確立できない場合、通信部3を介しての情報の送信をせず、スイッチ制御部4へオフ信号を出力する。このように構成された情報収集装置1は、サーバ(外部)Sと通信可能な距離に車両Vがない場所に駐車された場合も、無駄な情報の送信処理を行わず速やかに自動的にメインスイッチMSをオフさせる。したがって、情報収集装置1によれば、電源Bの無駄な電気エネルギの消費を抑制でき、電源Bが車両Vのバッテリである場合にはバッテリのあがりを防止できる。
【0074】
さらに、本実施の形態の情報収集装置1において制御部Cは、所定の情報蓄積時間毎に同じサンプリングレートで得られた情報群を纏めてファイルを生成して記憶部2へ記憶させ、通信部3を介してファイルの送信が終了すると送信済のファイルを記憶部2から消去する。このように構成された情報収集装置1によれば、同じ情報が複数回に亘ってサーバ(外部)Sへ送信される心配がなく、送信済みのファイルが記憶部2から消去されるので記憶部2のメモリリソースが不要なファイルによって占領されずに済むとともに、同じサンプリングレートで得られた情報については種類の異なる情報であっても一つのファイルに記録するので、各種車両情報毎に一つ一つファイルにするよりもデータ量として重くならずに済むため、メモリリソースを効率的に利用できるようなる。
【0075】
また、本実施の形態の情報収集装置1において制御部Cは、通信部3が記憶部2に記憶された情報を送信している間にイグニッションスイッチISがオンされると情報の送信を停止し、走行時に順次得られる新しい情報を記憶部2へ記憶させる。このように構成された情報収集装置1によれば、車両Vが情報の送信中に走行する可能性がある状況では、情報の送信を停止して情報を収集して記憶部2に記憶させるので、情報送信のために情報収集が可能な機会を逸してしまうことがなく、効率よく情報収集できる。
【0076】
そして、さらに、本実施の形態の情報収集装置1は、車両Vに関する情報を収集する情報検知部5を備えているので、情報を収集する機能を持たない車両Vであっても車両Vへの設置により直ちに情報収集が可能である。
【0077】
また、本実施の形態の情報収集装置1において制御部Cは、イグニッションスイッチISがオフされてから通信許可時間経過すると、記憶部2に記憶された情報全部のサーバ(外部)Sへの送信が完了していなくても、スイッチ制御部4へオフ信号を出力する。このように構成された情報収集装置1によれば、時間的に制限なく情報を送信するようなことがなくなるので電源Bの電気エネルギの消耗を押さえることができ、車両Vのバッテリを電源Bとする場合にはバッテリのあがりを防止できる。
【0078】
さらに、本実施の形態の情報収集装置1は、イグニッションスイッチISがオフされてから通信許可時間より長い時間に設定される異常判定時間を経過してもメインスイッチMSがオフされない場合、スイッチ制御部4へオフ信号を出力する異常監視部6を備えている。このように構成された情報収集装置1によれば、制御部Cの処理に異常が生じてオフ信号を出力できなくなっても、強制的にメインスイッチMSをオフしてそれ以上の電力消費を阻止できる。よって、情報収集装置1によれば、電源Bの電気エネルギの消耗を押さえることができ、車両Vのバッテリを電源Bとする場合にはバッテリのあがりを防止できる。
【0079】
なお、本実施の形態の情報収集装置1では、イグニッションスイッチISのオフからタイマーが時間をカウントして、50分の経過で現在実行中のプロセスは実行するが新たな転送プロセスの起動をせず、55分の経過で実行中の転送プロセスを強制終了する。情報収集装置1の異常によって、それでも制御部Cがオフ信号をスイッチ制御部4へ出力できない場合には60分の経過でハードウェアへの電力供給を強制的に遮断する。よって、本実施の形態の情報収集装置1は、電力消費を防ぐための手立てとして前記三つの手立てを備えており、車両Vのバッテリを電源Bとする場合に確実にバッテリのあがりを防止できる。
【0080】
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形、および変更が可能である。
【符号の説明】
【0081】
1・・・情報収集装置、2・・・記憶部、3・・・通信部、4・・・スイッチ制御部、5・・・情報検知部、6・・・異常監視部、B・・・電源、C・・・制御部、IS・・・イグニッションスイッチ、PL・・・電力供給ライン、MS・・・メインスイッチ