(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】コイルリフター
(51)【国際特許分類】
B66C 1/24 20060101AFI20240815BHJP
B66C 1/28 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
B66C1/24 D
B66C1/28 D
(21)【出願番号】P 2020137615
(22)【出願日】2020-08-17
【審査請求日】2023-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000006839
【氏名又は名称】日鉄建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085291
【氏名又は名称】鳥巣 実
(74)【代理人】
【識別番号】100117798
【氏名又は名称】中嶋 慎一
(74)【代理人】
【識別番号】100166899
【氏名又は名称】鳥巣 慶太
(74)【代理人】
【識別番号】100221006
【氏名又は名称】金澤 一磨
(73)【特許権者】
【識別番号】591045840
【氏名又は名称】日鉄物流株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100085291
【氏名又は名称】鳥巣 実
(74)【代理人】
【識別番号】100117798
【氏名又は名称】中嶋 慎一
(74)【代理人】
【識別番号】100166899
【氏名又は名称】鳥巣 慶太
(74)【代理人】
【識別番号】100221006
【氏名又は名称】金澤 一磨
(72)【発明者】
【氏名】黒羽 正規
(72)【発明者】
【氏名】小林 啓一
(72)【発明者】
【氏名】石野 達也
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-116376(JP,U)
【文献】実開平04-046088(JP,U)
【文献】実開平02-099887(JP,U)
【文献】特開2019-131308(JP,A)
【文献】特開昭57-199784(JP,A)
【文献】実開昭53-020775(JP,U)
【文献】特開昭58-216882(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01033342(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 1/00- 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイル材を運搬するコイルリフターであって、
移動可能にかつ昇降可能に吊り下げられたリフター本体と、該リフター本体に支持部材を介して取り付けられるCフックとを備え、
前記リフター本体は、一対のアームと、該一対のアームに前記支持部材を係止する一対の爪とを有し、
前記支持部材は、前記一対の爪が係合する被係合部を有することを特徴とする、
コイルリフター。
【請求項2】
前記一対のアームは、接近・離隔可能に設けられた一対の可動アームと、
前記一対の爪は、前記アームの下部に起伏可能に設けられ、前記支持部材を係止する倒伏位置と、前記支持部材の係止を解除する起立位置とを選択可能である、
前記支持部材は、前記Cフックが支持手段を介して吊り下げられる枠本体を備え、該枠本体は、前記一対の爪が前記倒伏位置にあるときに係合する前記被係合部を有する、
請求項1記載のコイルリフター。
【請求項3】
前記Cフックは、上辺部、下辺部及びそれらを一側で結合する結合部を有し、
前記リフター本体は、前記爪が前記被係合部に係合して前記支持部材を係止した状態で、前記Cフックの下辺部を前記コイル材の内穴に挿入し、前記コイル材を運搬する、
請求項2記載のコイルリフター。
【請求項4】
前記支持手段は、上端部が前記枠本体に固定され対向して垂下される一対の支持板と、前記一対の支持板の下端部の間に設けられている支持軸部と、前記枠本体と前記上辺部のCフック開放側部分とを結合する第1結合部材と、前記枠本体と前記上辺部のCフック閉じ側部分とを結合する第2結合部材とを含み、
前記Cフックは、前記上辺部が前記支持軸部に回転可能に結合されている、
請求項3記載のコイルリフター。
【請求項5】
前記第1及び第2結合部材は、前記Cフックの開放側部分が上向きに傾斜するように、高さの異なる連結台を介して前記Cフックの上辺部に結合されている、
請求項4記載のコイルリフター。
【請求項6】
前記被係合部は、前記支持板に形成され前記爪が挿入される挿入穴で、前記支持軸部の上方に配置されている、
請求項4または5記載のコイルリフター。
【請求項7】
前記爪は、基端部が前記アームに回転可能に支持され、
前記倒伏位置では該爪の軸線が水平方向で前記支持部材を係止する状態となり、前記起立位置では前記爪の軸線が鉛直方向で前記係止を解除する状態となる、
請求項2記載のコイルリフター。
【請求項8】
前記爪は、前記挿入穴に対し外側から中央側に挿入される、
請求項6記載のコイルリフター。
【請求項9】
前記支持板は、前記挿入穴が設けられている部分の中央側に補強板が設けられている、
請求項6記載のコイルリフター。
【請求項10】
前記支持部材は、前記リフター本体との結合が解除された状態では、置き台上に載置され、
前記置き台上に載置された状態では、前記Cフックが吊り下げられる状態を維持している、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のコイルリフター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼板をロール状に丸めてあるコイル材(金属帯コイル)をつかみ、運搬するコイルリフターに関する。
【背景技術】
【0002】
製鉄工場では、冷延鋼板や熱延鋼板をコイル状にして運搬するが、コイル材は重量物であるので、コイル材は、ほとんどの場合、天井クレーンを使用して運搬される。運搬作業は、天井クレーンの走行・横行、コイルリフターの巻上げ・巻下げ、コイル材の掴み・放し等の作業から構成される。
【0003】
コイルリフターは、接近・離隔可能な一対のアームと、各アームの下端に設けられ、コイル材の内穴に挿入される爪部と、を備える(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そして、一対のアーム同士を接近させることで、各アームの下端に設けた向かい合う爪部を、コイル材の内穴に挿入すれば、コイルリフターを持ち上げた際に、爪部がコイル材に係合しコイル材を支持しているので、コイルリフターによってコイル材を持ち上げることができる。
ところで、前述したところのコイル材は、コイルリフターによって所定位置まで運搬される途中で、用途に応じた幅に切断されて複数のコイル材とされる場合がある。このような場合、特許文献1記載のリフターでは、一対のアーム同士を接近させて、各アームの下端の爪部を、コイル材の内穴に両側から挿入し、前記コイル材を持ち上げて運搬するようにしているので、切断した後の複数のコイル材を前記リフターによって同時に持ち上げようとすると、切断して短幅にした複数のコイル材のうち真ん中に位置している短幅のコイル材が落下してしまうおそれがある。つまり、前記リフターでは、切断した後の複数のコイル材を同時に持ち上げて一緒に運搬することができない場合がある。
そこで、従来は、切断した後の複数のコイル材を運搬する場合には、天井クレーンに吊り下げている、前記リフターをCフックに交換し、そのCフックを用いて、切断した後の複数の短幅のコイル材すべてを、一緒に運搬するようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記リフターとCフックとの交換作業は、面倒で、時間を要するので、コイル材の運搬作業の作業効率が低く、リフターによる運搬とCフックによる運搬との使い分けを簡単にできることが求められていた。
【0007】
本発明は、リフター本体がCフックを支持できるようにして、リフター本体による運搬とCフックによる運搬との使い分けを簡単にすることができるコイルリフターを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる一の態様のコイルリフターは、コイル材を運搬するコイルリフターであって、移動可能にかつ昇降可能に吊り下げられたリフター本体と、該リフター本体に支持部材を介して取り付けられるCフックとを備え、前記リフター本体は、一対のアームと、該一対のアームに前記支持部材を係止する一対の爪とを有し、前記支持部材は、前記一対の爪が係合する被係合部を有することを特徴とする。
【0009】
このようにすれば、リフター本体側の爪が、Cフックが取り付けられている支持部材の被係合部に係合することで、リフター本体がCフックを支持できるようになっているので、リフター本体がCフックを短時間で効率よく支持することができる。よって、リフター本体による運搬とCフックによる運搬の使い分けを簡単にすることができる。
【0010】
この場合、このコイルリフターは、前記一対のアームが、接近・離隔可能に設けられた一対の可動アームと、前記一対の爪が前記アームの下部に起伏可能に設けられ、前記支持部材を係止する倒伏位置と、前記支持部材の係止を解除する起立位置とを選択可能であり、前記支持部材は前記Cフックが支持手段を介して吊り下げられる枠本体を備え、該枠本体は前記一対の爪が前記倒伏位置にあるときに係合する前記被係合部を有する。このようにすれば、支持部材の枠本体に被係合部を有し、これにリフター本体の一対の爪が係合することで、リフター本体とCフックとが支持部材を介してしっかりと結合される。
【0011】
また、このコイルリフターは、前記Cフックが、上辺部、下辺部及びそれらを一側で結合する結合部を有し、前記リフター本体が、前記爪が前記被係合部に係合して前記支持部材を係止した状態で、前記Cフックの下辺部を前記コイル材の内穴に挿入し、前記コイル材を運搬する。このようにすれば、コイル材の内穴へCフックの下辺部を挿入することで、コイル材を持ち上げることができる。
【0012】
この場合、このコイルリフターは、前記支持手段が、上端部が前記枠本体に固定され対向して垂下される一対の支持板と、前記一対の支持板の下端部の間に設けられている支持軸部と、前記枠本体と前記上辺部のCフック開放側部分とを結合する第1結合部材と、前記枠本体と前記上辺部のCフック閉じ側部分とを結合する第2結合部材とを含み、前記Cフックは、前記上辺部が前記支持軸部に回転可能に結合されていることが望ましい。このようにすれば、コイル材の内穴へのCフックの下辺部の挿入が容易になる。
【0013】
また、このコイルリフターは、前記第1及び第2結合部材は、前記Cフックの開放側部分が上向きに傾斜するように、高さの異なる連結台を介して前記Cフックの上辺部に結合されている、ことが望ましい。このようにすれば、コイル材の内穴に、Cフックの下辺部を挿入しやすい。
【0014】
また、このコイルリフターは、前記被係合部は、前記支持板に形成され前記爪が挿入される挿入穴で、前記支持軸部の上方に配置されていることが望ましい。このようにすれば、爪の挿入が容易になる。
【0015】
また、このコイルリフターは、前記爪が、基端部が前記アームに回転可能に支持され、
前記倒伏位置では該爪の軸線が水平方向で前記支持部材を係止する状態となり、前記起立位置では前記爪の軸線が鉛直方向で前記係止を解除する状態となることが望ましい。このようにすれば、爪を起伏動作させることで、支持枠の係止・係止解除をスムーズに行うことができる。
【0016】
また、このコイルリフターは、前記爪が前記挿入穴に対し外側から中央側に挿入されることが望ましい。このようにすれば、爪の挿入が容易になる。
【0017】
また、このコイルリフターは、前記支持板が、前記挿入穴が設けられている部分の中央側に補強板が設けられていることが望ましい。このようにすれば、爪が挿入される部分の強度が確保される。
【0018】
また、このコイルリフターは、前記支持部材が、前記リフター本体との結合が解除された状態では、置き台上に載置され、前記置き台上に載置された状態では、前記Cフックが吊り下げられる状態を維持していることが望ましい。このようにすれば、リフター本体によるCフックの吊り下げをスムーズに行える。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、リフター本体側の爪が、Cフックが取り付けられている支持部材の被係合部に係合することで、リフター本体がCフックを支持するようにしているので、リフター本体がCフックを短時間で効率よく支持することができる。よって、リフター本体による運搬とCフックによる運搬の使い分けを簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明にかかるコイルリフターの一実施の形態を示す正面図である。
【
図3】前記コイルリフターに用いるリフター本体の側面図である。
【
図4】前記コイルリフターに用いる支持枠とCフックとの関係を示す正面図である。
【
図6】Cフック及び支持枠が置き台に載置された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態にかかるコイルリフターを図面に基づき説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。
【0022】
(1.コイルリフターの構造)
図1は本発明の一実施形態にかかるコイルリフターを示す正面図であり、
図2は同側面図である。
図3はコイルリフターに用いるリフター本体の側面図である。
図4は前記コイルリフターに用いる支持枠とCフックとの関係を示す正面図、
図5は同側面図である。
【0023】
図1~
図5に示すように、コイルリフター1は、鋼板をロール状に丸めてある長幅のコイル材Cを運搬するものである。このコイルリフター1は、移動可能にかつ昇降可能に吊り下げられたリフター本体2と、上辺部3a、下辺部3b及びそれらを一側で結合する結合部3cとを有するCフック3と、Cフック3が吊り下げられる支持枠4とを備える。
【0024】
そして、リフター本体2が支持枠4を保持した状態で、Cフック3の下辺部3bをコイル材Cの内穴Ca(
図4参照)に挿入し、コイル材Cを持ち上げ、所望の目的地まで運搬するものである。なお、リフター本体2は、天井クレーンなどの1つの運搬クレーンのフックFに係止されることで、前記運搬クレーンによって目的地まで移動したり、昇降したりできるようになっている。
【0025】
つまり、コイルリフター1は、リフター本体2単独ではなく、リフター本体2と、Cフック3を吊り下げる支持枠4とが着脱可能に結合された状態で、Cフック3の下辺部3bをコイル材Cの内穴Caに挿入して、コイル材Cを持ち上げて所望の目的地まで運搬し、前記目的地に降ろすものである。
【0026】
そして、この運搬状態でのコイル材Cの吊り方は、後述する支持軸部5bの真下に、対象となるコイル材Cの重心が位置する吊り方となり、運搬中に揺れないようにバランスが確保されている。
【0027】
リフター本体2は、鉛直方向に延びる一対の可動アーム2a,2aを有し、一対の可動アーム2a,2aは接近・離隔可能に設けられ、これら一対の可動アーム2a,2aの下部に一対の爪部材2b,2bがそれぞれ起伏可能に設けられている。爪部材2b,2bは、支持枠4を係止する倒伏位置と、支持枠4の係止を解除する起立位置とを選択的に取り得る。なお、可動アーム2a,2aの前面及び後面には、ほぼ上から下まで、緩衝材(材質:S45C,厚さ:9mm程度)が取り付けられている。
【0028】
可動アーム2a,2aは、周知の構造(リフター本体2の上側部分2cに収納される、例えばモータよるラックピニオン駆動にて可動アーム2a,2aの接近・離隔を行う構造)によって接近・離隔動作が行われ、過負荷時には、モータに負荷がかからぬよう機械的保護が取り付けられている。可動アーム2a,2aの開閉限では、それをセンサが検出して自動的にモータを停止させる。
【0029】
また、爪部材2b,2bの倒伏位置と起立位置(可動アーム2a内への収納状態)との切り替えも、周知の切替機構を介してモータの駆動により行われる。同様に、過負荷時には、モータに損傷がないように保護装置が設けられている。
【0030】
支持枠4は、Cフック3が、支持手段5を介して吊り下げられる枠本体4aを有する。支持手段5は、上端部が枠本体4aに固定され対向して平行に垂下される1対の支持板5a,5aと、1対の支持板5a,5aの下端部の間に設けられている支持軸部5bとを有する。そして、枠本体4aには、上辺部3aのCフック開放側部分が第1結合部材5cを介して、上辺部3aのCフック閉じ側部分が第2結合部材5dを介してそれぞれ結合されている。Cフック3は、上辺部3aが支持軸部5bに回転可能に結合されている。
【0031】
第1及び第2結合部材5c,5dは、それぞれ、上端部が支持枠に4に結合され、下端部が、Cフック3の上辺部3aに設けられた第1及び第2連結台6a,6bに連結されている。また、第1及び第2結合部材5c,5dは、
図1に示すように、略ハの字形状に配置されている。
【0032】
第2連結台6bは、第1連結台6aよりも高さが高いので、Cフック開放側部分(結合部3cがある側と反対側)が上向きに傾斜するように(つまりCフック開放側部分がCフック閉じ側部分よりも上側になるように)Cフック3が支持されていることになる。ここで、Cフック開放側部分が上向きに5°程度傾斜する状態にしているが、連結台を同じ高さとして、水平状態にしてもよい。
【0033】
また、支持板5a,5aには、前記倒伏位置にあるとき、爪部材2b,2bが、外側から中央側に挿入(係合)される挿入穴5aa,5aa(被係合部)がそれぞれ形成されている。挿入穴5aa,5aaは、支持軸部5bの上方に位置している。
【0034】
爪部材2b,2bは、基端部が可動アーム2a,2a内に回転可能に支持され、その結果、可動アーム2a,2aに対し起伏可能に設けられている。つまり、前記倒伏位置では爪部材の2b,2bの軸線が水平方向で挿入穴5aa,5aaに挿入され、支持枠4を係止する状態となり、前記起立位置では、同軸線が鉛直方向で挿入穴5aa,5aaへの挿入が解除され、支持枠4の係止を解除する状態となる。支持板5a,5aは、挿入穴5aa,5aaが設けられている部分の中央側に補強板7,7が設けられ、強度が高められている。
【0035】
また、枠本体4aの下側の支持板5a,5aの挿入穴5aa,5aaに爪部材2b,2bを挿入して係止するようにしているので、可動アーム2a,2aで枠本体4aを挟むようになり、枠本体4a自体を係止する場合に比べて、支持枠4(枠本体4a)の保持が安定する。
【0036】
なお、支持枠4は、リフター本体2との結合が解除された状態では、
図6に示すように、置き台11上に載置され、置き台11上に載置された状態では、Cフック3の吊り下げ状態を維持している。コイル材Cの運搬時には、置き台11に置かれた状態からリフター本体2によって、Cフック3及び支持枠4が持ち上げられ、それらが一体となってコイルリフター1とされる。
【0037】
(2.コイルリフターの動作)
続いて、コイルリフター1の動作の一例について説明する。
コイル材Cを運搬する際には、まず、リフター本体2が置き台11上に移動し、枠本体4aの外側まで下降する。それから、爪部材2b,2bを起立位置から倒伏位置に変位させ、可動アーム2a,2aが接近することで、爪部材2b,2bを挿入穴5aa,5aaに挿入する。
【0038】
これにより、リフター本体2が爪部材2b,2bを介して支持枠4を係止する状態となり、コイルリフター1とされる。そして、置き台11上から、リフター本体2と共に、支持枠4つまり枠本体4aとCフック3が持ち上げられ、コイル材Cの保管場所に移動する。
【0039】
次いで、運搬しようとするコイル材Cの一側に移動し、コイル材Cの内穴Caを穴検出センサ(図示せず)が検出するまで下降する。
【0040】
検出されると、Cフック3の下辺部3bが内穴Ca内に挿入され、光電センサ等の検出センサによってコイル材Cが掴まれたことが検出されると、移動が停止され、コイル材Cの掴みが完了する。長幅のコイル材であっても複数の短幅のコイル材であっても、Cフック3の下辺部3bは長さが長いので、Cフック3の下辺部3bを挿入することで、保持する(掴む)ことができる。
【0041】
掴みが完了すると、コイル材Cは持ち上げられ、所定の場所に運搬される。その所定の場所でコイル材Cは降ろされ、Cフック3の下辺部3bがコイル材Cの内穴Ca内から引き出され、コイル材Cの掴みが解除される。
【0042】
このように、Cフック3の下辺部3bを、コイル材Cの一方の側から挿入することで、コイル材3を持ち上げ、運搬することができるので、コイル材Cの一方の側だけにCフック3が下降できるスペースがあればよい。また、端に位置するコイル材Cを持ち上げれば、隣のコイル材Cの一方の側に、Cフック3が下降できるスペースができるので、隣り合うコイル材C同士の間に大きな間隔がなくてもよい。
【0043】
例えばコイル材Cが、運搬途中において、用途に応じた幅に切断されて複数の短幅のコイル材とされる場合であっても、切断した後の複数の短幅のコイル材も、Cフック3の下辺部3bを、一方の側から挿入することで、短幅のコイル材3のすべてを持ち上げることができる。よって、長幅のコイル材はリフター本体2による運搬とし、複数の短幅のコイル材はCフック3による運搬とするという具合に、それらの使い分けを簡単にすることができる。
なお、作業が終了すると、支持枠4(Cフック3を含む)は、リフター本体2により運搬されて、置き台11に戻される。
【0044】
(3.その他の実施形態)
以上のとおり、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。例えば、本発明は以下のような形態とすることも可能である。
【0045】
(i)前記実施の形態では、Cフック3は、開放側部分が上方に位置するように傾斜させているが、ほぼ水平状態とすることも可能である。
【0046】
(ii)爪部材2b,2bが係合する被係合部は、挿入穴5aa,5aaに限定されず、爪部材が係脱可能に係合する凹部などとすることも可能である。
【0047】
(iii)Cフック3は、横走行時に振れが発生するので、少しでも治まり易くなるよう緩衝機構を設けることができる。
(iv)コイル材Cは、鋼板をロール状に丸めてあるものに限らず、丸めてあるものの材料は制限されない。例えば紙をロール状に丸めてあるものも含まれる。
【符号の説明】
【0048】
1 コイルリフター
2 リフター本体
2a 可動アーム
2b 爪部材
2c 上側部分
3 Cフック
3a 上辺部
3b 下辺部
3c 結合部
4 支持枠
4a 枠本体
5 支持手段
5a 支持板
5aa 挿入穴
5b 支持軸部
5c,5d 結合部材
6a,6b 連結台
7 補強板
11 置き台
C コイル材
Ca 内穴