(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】特典付与システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0226 20230101AFI20240815BHJP
【FI】
G06Q30/0226
(21)【出願番号】P 2020144345
(22)【出願日】2020-08-28
【審査請求日】2023-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】591275481
【氏名又は名称】株式会社アイ・オー・データ機器
(74)【代理人】
【識別番号】110000844
【氏名又は名称】弁理士法人クレイア特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川久保 優
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-063085(JP,A)
【文献】国際公開第2020/262333(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投稿者が作成したコンテンツリストのコンテンツを利用者が全て入手した場合、特典を前記利用者に付与するための特典付与システムであって、
前記特典付与システムは、ネットワークを介して相互に接続される、コンテンツリストサーバと、利用者端末と、投稿者端末と、から構成され、
前記投稿者により前記投稿者端末から前記コンテンツリストサーバに前記コンテンツリストと前記コンテンツリストに関連付けされる前記特典と、が設定され、
前記コンテンツリストサーバは、前記コンテンツリストと、前記コンテンツリストに関連付けされている前記特典と、を開示し、
前記利用者端末は、前記
利用者の入手済コンテンツのコンテンツ識別子を読み出して前記コンテンツリストサーバに送信し、
前記利用者端末が、前記利用者の
前記入手済コンテンツの情報を前記コンテンツリストサーバに送信した場合、前記コンテンツリストサーバは、前記コンテンツ識別子をデータベースで検索することにより、前記利用者が前記コンテンツを入手済であるかどうかを判定した後、前記利用者の前記入手済コンテンツに前記コンテンツリストの前記コンテンツがすべて含まれているかどうかを確認し、
前記コンテンツリストの前記コンテンツがすべて含まれている場合には、前記コンテンツリストサーバは、前記利用者に前記特典を付与する、特典付与システム。
【請求項2】
前記コンテンツは、デジタルコンテンツである、請求項1に記載の特典付与システム。
【請求項3】
前記コンテンツは音楽コンテンツであって、前記コンテンツ識別子はTOC(Table of Contents)またはMusicIDである、請求項1に記載の特典付与システム。
【請求項4】
前記コンテンツは製品であって、前記コンテンツ識別子は、型名、購入年月日、および製造番号を含む前記製品の固有情報である、請求項1に記載の特典付与システム。
【請求項5】
前記特典が、デジタルコンテンツであって、ネットワーク経由でダウンロードによる提供が可能な場合は、前記特典の付与は、ダウンロードサーバのネットワーク上のアドレス情報の提供であり、
前記特典が、前記ネットワーク経由でダウンロードによる提供が不可能な場合は、前記特典の付与は、前記利用者の住所への前記特典の発送である、請求項1から4のいずれか1項に記載の特典付与システム。
【請求項6】
前記利用者端末が前記利用者の前記入手済コンテンツの情報を前記コンテンツリストサーバに送信し、前記利用者の前記入手済コンテンツに前記コンテンツリストの前記コンテンツがすべて含まれていない場合に、前記コンテンツリストサーバは前記入手済コンテンツが含まれる前記コンテンツリストと前記コンテンツリストに関連付けされている前記特典の情報とを前記利用者端末に送信する、請求項1から5のいずれか1項に記載の特典付与システム。
【請求項7】
1つの前記コンテンツリストに複数の前記特典が関連付けされる、または、
1つの前記特典に複数の前記コンテンツリストが関連付けされる、請求項1から6のいずれか1項に記載の特典付与システム。
【請求項8】
前記コンテンツリストサーバで開示された前記コンテンツリストに、前記コンテンツリストの前記投稿者以外の投稿者が自ら提供する前記特典を関連付けすることができる、請求項1から7のいずれか1項に記載の特典付与システム。
【請求項9】
前記コンテンツリストサーバで開示された前記特典に、前記特典の提供者以外の投稿者が、前記特典の提供者の了解を得て別のコンテンツリストを関連付けすることができる、請求項1から8のいずれか1項に記載の特典付与システム。
【請求項10】
投稿者が作成したコンテンツリストのコンテンツを利用者が全て入手した場合、特典を前記利用者に付与するための特典付与システムであって、
前記特典付与システムは、ネットワークを介して相互に接続される、コンテンツリストサーバと、利用者端末と、投稿者端末と、から構成され、
前記投稿者により前記投稿者端末から前記コンテンツリストサーバに前記コンテンツリストと前記コンテンツリストに関連付けされる前記特典と、が設定され、
前記コンテンツリストサーバは、前記コンテンツリストと、前記コンテンツリストに関連付けされている前記特典と、を開示し、
前記利用者端末は、前記利用者の入手済コンテンツに前記コンテンツリストの前記コンテンツがすべて含まれているかどうかを、データベースで検索することにより確認し、
前記コンテンツリストの前記コンテンツがすべて含まれている場合には、前記利用者端末が前記コンテンツリストの前記コンテンツを入手済であることを前記コンテンツリストサーバに送信し、前記コンテンツリストサーバは前記利用者に前記特典を付与する、特典付与システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特典付与システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特典付与システムに関しては、多くの発明が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1(特許6683878号公報)には、広告主、コンテンツの配信者及びユーザの三者がメリットを享受しうるような特典の配信を可能にする特典配信システムに関して、特定のコンテンツを視聴したユーザに特典を取得させる特典付与部であって、特典は少なくとも当該特典を使用可能な現実の店舗またはネットワーク上の仮想店舗と関連付けられている、特典付与部と、特典の使用が可能な店舗にユーザが現実空間またはネットワーク空間において所定の程度以上に接近した場合に、店舗への接近を示す接近情報をユーザのユーザ端末に通知する通知部と、ユーザが特典を前記店舗において使用した場合に、特典の取得の契機となったコンテンツに関するコンテンツ情報をユーザに提示する提示部と、を備え、所定の広告主の商品及びサービス等に関する特典を配信するシステムが開示されている。
【0004】
また、特許文献2(特開2018-185682号公報)には、ポイントサイト経由で複数のアイテムを同じ時期にあわせて購入した場合に、ユーザにメリットを提供でき、当該メリットをユーザに効果的に訴求可能なポイント還元装置に関して、登録部、受付部、取得部、算出部、通知部および還元部を有し、登録部は、各アイテムの購入によって還元されるポイントである還元ポイントまたはポイント還元率を登録し、受付部は、各アイテムの購入希望を受け付け、取得部は、購入希望を受け付けた各アイテムについて、ユーザが購入したことを示す情報を取得し、算出部は、第1のアイテムの購入時点から所定時間内にユーザが第2のアイテムを購入した場合の還元ポイントまたはポイント還元率を増加させて算出し、通知部は、所定時間内に第2のアイテムを購入することによりポイントが増加する旨をユーザに通知し、還元部は、ユーザにポイントを還元する、ポイントサーバ200が開示されている。
【0005】
また、特許文献3(国際公開2012/002490号公報)には、更に数品の商品を購入していれば受けられる特典をユーザが見逃してしまう可能性を低減させることのできる商品購入支援装置等を提供する商品購入支援装置に関して、商品の購入時に受けられる特典、および特典の適用に必要な特典適用条件を、特典情報として特典ごとに保持し、特典適用条件が満足されない場合に、ユーザが所望する商品に加えて当該商品とは別商品を購入すれば特典適用条件を満足することとなる別商品を抽出し、別商品および特典適用条件をユーザに提示するための提示情報を端末に提供する商品購入支援装置が開示されている。
【0006】
また、特許文献4(特開2015-065545号公報)には、視聴者の放送番組に対する視聴時間や視聴回数に応じて、ポイントや特典を、視聴者へ適切なタイミングで付与する放送番組の視聴者向けポイント付与システムに関して、視聴者が放送番組の視聴に用いる利用者装置が、放送事業者が放送する放送番組を特定する放送信号を含んだ放送番組データを受信して該データを再生し、利用者装置が、この再生された放送番組データから視聴した番組の識別子を特定する放送信号を検出し、ネットワークを介して視聴記録に応じて視聴者にポイントを付与するポイントサーバにユーザ識別子とともに送信し、ポイントサーバがこれを受けて視聴者にポイントを付与する、視聴者向けポイント付与システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許6683878号公報
【文献】特開2018-185682号公報
【文献】国際公開2012/002490号公報
【文献】特開2015-065545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
最近、音楽コンテンツの供給形態が、CD、ダウンロード販売、およびストリーミングによる供給など、多様化している。これに伴い、ある1つの音楽コンテンツを購入した利用者の把握が困難になり、音楽コンテンツを購入した利用者に特典を付与する場合の障害にもなっている。
また、この傾向は音楽コンテンツに限定されず、映像コンテンツにおいても同様である。特に、今後の5Gによる通信の高速化において、この傾向が加速される。
また、音楽または/および映像のコンテンツだけでなく、電気製品などの商品の購入においても、実店舗からの購入、ネット販売を通じた購入など、購入形態の多様化が進んでおり、同様に、商品を購入した利用者の把握および特典の付与が困難になってきている。
また、音楽コンテンツについては、従来のCD、またはアナログレコードでは、ジャケットに触れて楽しむ、音楽鑑賞時にジャケットを飾るといった楽しみ方があったが、ダウンロード販売された音楽コンテンツに対しては、触ることのできる「物」がないとの課題もある。
【0009】
また、最近、ネットワーク環境の充実に伴い、いわゆるプロでない、素人による活動が活発になっている。しかし、例えば、自分が好きな音楽のリストを作り、そのジャケットの絵を描き、音楽のリストに含まれたコンテンツを入手した同好の士に特典として提供したいとしても、提供する場がないとの課題もある。
【0010】
特許文献1に記載の特典配信システムは、ユーザに向けてコンテンツを配信するシステムに適用する特典配信システムであって、特典配信の対象となるユーザはそのシステムでコンテンツを入手したユーザに限定される。
すなわち、例えば音楽コンテンツであれば、この配信システムを通じて音楽コンテンツを入手したユーザのみが特典配信の対象であり、その音楽コンテンツをCDで購入したユーザは特典配信の対象とはならない。
また、このコンテンツを配信するシステムには、素人がコンテンツリスト、または特典を提供することはできない。
【0011】
特許文献2に記載のポイント還元装置の場合も、ポイントサーバの受付部が購入希望を受け付けたアイテムがポイント還元の対象であり、アイテムがポイントサーバを経由せず購入された場合にはそのアイテムはポイント還元の対象とはならない。
また、ポイントサーバによって、素人がコンテンツリスト、または特典を提供することはできない。
【0012】
特許文献3に記載の商品購入支援装置の場合は、複数の店舗が参加するショッピングサイトを運営するために設置されるショッピングサーバとユーザ端末とがネットワークを介して接続されており、ショッピングサーバはユーザ端末から商品の注文を受け付け、ユーザ端末のユーザと店舗との間で売買契約を成立させるための処理を行う。したがって、この場合もこのショッピングサイトを通じて商品を購入したユーザが特典付与の対象である。
また、音楽コンテンツのダウンロードまたは素人によるコンテンツリスト、あるいは特典提供には対応できない。
【0013】
特許文献4に記載のポイント付与システムは、再生された放送番組データから視聴した番組の識別子を特定する放送信号を検出し、ネットワークを介して視聴記録に応じて視聴者にポイントを付与する。したがって、視聴したコンテンツに応じてポイントを付与することが可能ではあるが、コンテンツは放送番組に限定されており、当然音楽コンテンツのダウンロード、CDの購入など、多様な入手方法に対応することはできない。また、素人によるコンテンツリスト、あるいは特典提供にも対応できない。
【0014】
本発明の主な目的は、コンテンツを入手した利用者に対する特典の付与にあたって、多様化したコンテンツ供給形態に対応できるコンテンツ入手者の把握方法を備えた特典付与システムを提供することにある。
本発明の第2の目的は、音楽コンテンツなどをダウンロードによりデジタルデータとして入手した利用者に対して、特典として、空のCD-Rと音楽コンテンツに対応したCDジャケットなど、デジタルデータをリアルなモノ、触れられる「物」とするためのツールを特典として提供することのできる特典付与システムを提供することにある。
本発明の第3の目的は、プロの音楽家および/または画家、またはそれらではない素人がコンテンツリストおよび/または特典を提供することにより、コンテンツの広がりに参画できる特典付与システムを提供することにある。なお、この場合のコンテンツリストおよび特典としては、例えば、コンテンツを入手した利用者自身が他の利用者のために作成した好きな音楽のリストと利用者自身が描いたジャケットの絵などであってもよい。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(1)
一局面に従う特典付与システムは、投稿者が作成したコンテンツリストのコンテンツを利用者が全て入手した場合、特典を利用者に付与するための特典付与システムであって、特典付与システムはネットワークを介して相互に接続される、コンテンツリストサーバと利用者端末と投稿者端末とから構成され、投稿者により投稿者端末からコンテンツリストサーバにコンテンツリストとコンテンツリストに関連付けされる特典とが設定され、コンテンツリストサーバはコンテンツリストとコンテンツリストに関連付けされている特典を開示し、利用者端末が、利用者の入手済コンテンツの情報をコンテンツリストサーバに送信した場合、コンテンツリストサーバは利用者の入手済コンテンツにコンテンツリストのコンテンツがすべて含まれているかどうかを確認し、コンテンツリストのコンテンツがすべて含まれている場合には、コンテンツリストサーバは利用者に特典を付与する。
【0016】
従来の特典付与システムは、コンテンツを配信するシステム、あるいはショッピングサイトなど、コンテンツ/商品の購入システムに付属しており、コンテンツを配信するシステム、あるいはショッピングサイトなどを通じて商品を購入した利用者が特典付与の対象であった。この場合、例えば音楽コンテンツでは、CDの購入、音楽コンテンツのダウンロードなど、いろいろな方法でコンテンツを入手することができるため、従来の特典付与システムでは、コンテンツを入手した利用者を正確に把握することができず、コンテンツを入手した利用者全員に特典を付与することが困難であった。これに対して、一局面に従う特典付与システムでは、利用者端末が利用者の入手済コンテンツの情報をコンテンツリストサーバに送信するため、利用者がどのような方法でそのコンテンツを入手したかによらず、コンテンツリストのコンテンツをすべて入手することにより、コンテンツリストに関連付けされている特典を得ることができる。
【0017】
また、一局面に従う特典付与システムでは、コンテンツリストが、例えばCDアルバムの全曲のリストであってもよいし、複数のCDアルバムから抽出された複数の曲で構成されたリストであってもよい。したがって、例えば、ある歌手の評判の良い曲を複数のアルバムから選曲してコンテンツリストを作成し、そのコンテンツリストの特典として空のCD-Rとコンテンツに対応したCDジャケットとを提供することにより、利用者はダウンロードあるいはCDリッピング等、複数の異なる入手手段によりコンテンツリストのコンテンツをすべて入手し、特典の付与を受け、CD-Rにコピーし、ジャケットを貼り付けることによって、その歌手の架空のベストアルバムCDを作成することができる。
【0018】
(2)
第2の発明にかかる特典付与システムは、一局面に従う特典付与システムにおいて、コンテンツはデジタルコンテンツであって、利用者端末は入手済コンテンツのコンテンツ識別子を読み出して前記コンテンツリストサーバに送信し、コンテンツリストサーバはコンテンツ識別子をデータベースで検索することにより、利用者がコンテンツを入手済であるかどうかを判定してもよい。
【0019】
この場合、利用者端末が入手済コンテンツのコンテンツ識別子を読み出してコンテンツリストサーバに送信し、コンテンツリストサーバがデータベースで検索することで、利用者がコンテンツを入手済であるかどうかを判断することができる。
ただし、特典の投稿者あるいは提供者が、コンテンツの入手の有無は利用者の自己申告のみでよいとする場合は、コンテンツの入手済かどうかの判断を省略してもよい。
【0020】
デジタルコンテンツが映像コンテンツの場合は、例えば、TV-Anytimeフォーラムが標準化したCRID(Content reference identifier)という識別子があり、これをコンテンツ識別子として使用してもよい。
また、YouTube(登録商標)では投稿されたコンテンツに対してContentIDを付与しており、ContentIDをコンテンツ識別子として使用してもよい。この場合、次のような利用法が考えられる。
個人で音楽を作っている人が、自分が作った音楽を集めたコンテンツリスト情報(プレイリスト)と特典情報を用意する。
絵を描く人が、自分が作った絵を集めたコンテンツリスト情報(いわゆる、画集)と特典情報を用意する。
音楽を作っている人が自分の曲でコンテンツリスト情報(プレイリスト)を作成して投稿し、そのコンテンツリストに対して、別の人物である絵を描く人などが画集を作って特典情報としてリンクさせる。
この場合のデータベースはTV-Anytimeフォーラムおよびその継承団体が設けたデータベース、あるいはYouTube(登録商標)のデータベースである。
また、識別子は上記に限らず、各コンテンツを識別できる情報ならばどのようなものであっても良い。例えば、電子透かしの技術を利用すれば、投稿者が、画像、動画、または音楽などのデジタルコンテンツに各種情報を埋め込むことができる。このような技術を利用して、各コンテンツを識別できるように識別子をコンテンツに埋め込んでも良い。また、投稿者がコンテンツの識別情報として、コンテンツリストサーバにそれらの識別子を登録している場合は、コンテンツサーバはコンテンツリストサーバ内のデータベースでそれらを検索することが可能である。
【0021】
(3)
第3の発明にかかる特典付与システムは、一局面に従う特典付与システムにおいて、コンテンツは音楽コンテンツであって、利用者端末は入手済コンテンツのTOC(Table of Contents)またはMusicID(登録商標)を読み出してコンテンツリストサーバに送信し、コンテンツリストサーバはTOCまたはMusicIDをデータベースで検索することにより、利用者がコンテンツを入手済であるかどうかを判断してもよい。
なお、TOCとはCDの情報の先頭部に記録された、トラックNoおよび各トラックの長さが記載された情報のことであり、CDDB(登録商標:Compact Disc Database)などのデータベースにアクセスすることにより、TOCの情報に対応したアルバムおよび曲の情報を取得することができる。
また、MusicIDはGracenoteが開発した、音楽データからその特徴を抽出し、曲名などを特定するアプリケーションで抽出された識別子であり、MusicIDを用いてCDDBなどのデータベースで検索することにより、アナログレコードなどの音楽データからでも曲名などを特定することができる。また、この場合のデータベースとは例えば上記CDDBである。
【0022】
この場合、利用者端末が入手済コンテンツのTOCまたはMusicIDを読み出してコンテンツリストサーバに送信し、コンテンツリストサーバがデータベースで検索することで、利用者がコンテンツを入手済であるかどうかを判断することができる。
ただし、特典の投稿者あるいは提供者が、コンテンツの入手の有無は利用者の自己申告のみでよいとする場合は、コンテンツの入手済かどうかの判断を省略してもよい。
【0023】
(4)
第4の発明にかかる特典付与システムは、一局面に従う特典付与システムにおいて、コンテンツは製品であって、利用者端末は製品の固有情報をコンテンツリストサーバに送信し、コンテンツリストサーバは製品の固有情報をデータベースで検索することにより利用者が製品を入手済であるかどうかを確認してもよい。
この場合の製品の固有情報とは、例えば、購入済製品の型名、購入年月日、および製造番号などである。
【0024】
この場合、テレビとレコーダー、ネットワーク製品(無線アクセスポイントなど)とハードディスクといった関連商品を(コンテンツ)リストとして開示し、それらの関連商品にプラスアルファするものを特典として、関連商品をすべて入手(購入)した利用者に特典を付与するようにする。
なお、この場合には、コンテンツリストサーバが利用者の入手済コンテンツにコンテンツリストのコンテンツがすべて含まれているかどうかを確認するにあたって、例えば、利用者端末から送付された関連商品の製造番号が実際に存在し、購入年月日との間で矛盾がないこと、および、その製造番号が他の利用者端末から送付された製造番号と重複していないことを確認することが望ましい。
この場合のデータベースは、例えば、製品の製造元あるいは販売元が設ける、製品の型名、製造番号、製造時期などのデータベースである。
【0025】
(5)
第5の発明にかかる特典付与システムは、一局面から第4の発明にかかる特典付与システムにおいて、特典がデジタルコンテンツであって、ネットワーク経由でダウンロードによる提供が可能な場合は、特典の付与は、ダウンロードサーバのネットワーク上のアドレス情報の提供であり、特典がネットワーク経由でダウンロードによる提供が不可能な場合は、特典の付与は、利用者の住所への特典の発送であってもよい。
なお、ネットワーク上のアドレス情報とは例えば、ウェブページの保存場所および/または電子メールの宛先を示すURL(Uniform Resource Locator)である。
【0026】
特典をネットワーク経由でダウンロードが可能なものに限定すれば、特典の付与は容易になる。しかし、例えば音楽の供給がCD「物」からストリーミング「データ」へと変わっているように、いろいろなコンテンツがダウンロード販売、ストリーミングによる供給など、バーチャルなモノへと変わってきている中では、単なるデータでは無く、リアルなモノ、触れられる「物」が欲しいという要望が出てきている。したがって、ネットワーク経由ではダウンロードができない、リアルなモノ、触れられる「物」を特典として提供することは大いに有効であると考えられる。
【0027】
(6)
第6の発明にかかる特典付与システムは、一局面から第5の発明にかかる特典付与システムにおいて、利用者端末が利用者の入手済コンテンツの情報をコンテンツリストサーバに送信し、利用者の入手済コンテンツにコンテンツリストのコンテンツがすべて含まれていない場合に、コンテンツリストサーバは入手済コンテンツが含まれるコンテンツリストとコンテンツリストに関連付けされている特典の情報とを利用者端末に送信してもよい。
【0028】
この場合、利用者は、自分の欲しい特典を付与されるためには、この後、どのコンテンツを入手すれば良いかがわかり、便利である。
また、コンテンツの提供者にとっては、利用者が残りのコンテンツを購入するための有効な動機付けとすることができる。
【0029】
(7)
第7の発明にかかる特典付与システムは、一局面から第7の発明にかかる特典付与システムにおいて、1つのコンテンツリストに複数の特典が関連付けされてもよい、または、1つの特典に複数のコンテンツリストが関連付けされてもよい。
【0030】
1つのコンテンツリストに複数の特典が関連付けされている場合、その中に利用者のより欲しがる特典が含まれている可能性が高まり、利用者がコンテンツを購入するための有効な動機付けとすることができる。
また、1つの特典に複数のコンテンツリストが関連付けされている場合は、利用者は特典を入手するにあたって、自分の欲しいコンテンツの入ったコンテンツリストを選ぶことができ、便利である。
【0031】
(8)
第8の発明にかかる特典付与システムは、一局面から第7の発明にかかる特典付与システムにおいて、コンテンツリストサーバで開示されたコンテンツリストに、コンテンツリストの投稿者以外の投稿者が自ら提供する特典を関連付けすることができるようにしてもよい。
【0032】
例えば、コンテンツリストがCDアルバム内の曲リストの場合、そのCDアルバムのファンがCDアルバムのジャケットとして使いたい絵を自分で描き、特典として提供してもよい。この場合は、そのCDアルバムの所有者はその絵をジャケットとして使いたければ申し込むことができるし、その絵が欲しい利用者はコンテンツリストのコンテンツを入手する(CDを購入する、音楽をダウンロードするなど)ことにより、その絵を特典として入手することができる。例えば、絵師等が絵を描いてもよく、素人が絵を描いても良い。
【0033】
(9)
第9の発明にかかる特典付与システムは、一局面から第8の発明にかかる特典付与システムにおいて、コンテンツリストサーバで開示された特典に、特典の提供者以外の投稿者が、特典の提供者の了解を得て別のコンテンツリストを関連付けすることができるようにしてもよい。
【0034】
例えば、レコード会社が「ベスト オブ ○○」という企画を立て、空のCD-Rとジャケットとを特典として提供し、「ベスト オブ ○○」にふさわしいコンテンツリストを募集するといったことが考えられる。この場合、特典の提供者はレコード会社であり、この特典に関連付けるコンテンツリストは一般の投稿者から募集することになる。そして、レコード会社は最も応募の多かった、あるいはその他の理由で、最もふさわしいと思われる1つまたは複数のコンテンツリストを特典に関連付けすればよい。
具体的には、「ベスト オブ アイドルユニット」、「ベスト オブ ドライブ」、「ベスト オブ クリスマスソング」、等、季節、シチュエーション等において企画することができる。
【0035】
(10)
他の局面に従う特典付与システムは、投稿者が作成したコンテンツリストのコンテンツを利用者が全て入手した場合、特典を利用者に付与するための特典付与システムであって、特典付与システムは、ネットワークを介して相互に接続される、コンテンツリストサーバと、利用者端末と、投稿者端末と、から構成され、投稿者により投稿者端末からコンテンツリストサーバにコンテンツリストとコンテンツリストに関連付けされる特典と、が設定され、コンテンツリストサーバはコンテンツリストとコンテンツリストに関連付けされている特典を開示し、利用者端末は、利用者の入手済コンテンツにコンテンツリストのコンテンツがすべて含まれているかどうかを確認し、コンテンツリストのコンテンツがすべて含まれている場合には、利用者端末がコンテンツリストのコンテンツを入手済であることをコンテンツリストサーバに送信し、コンテンツリストサーバは利用者に特典を付与する。
【0036】
一局面に従う特典付与システムでは、入手済コンテンツの確認をコンテンツリストサーバが行うのに対して、他の局面に従う特典付与システムでは、入手済コンテンツの確認を利用者端末が行う点で異なる。最近では、スマートフォンなどの利用者端末にCDレコ(登録商標)、ADレコなどのように、ダウンロード、CDリッピング、またはLPレコード再生により入手した音楽コンテンツの曲名等をGracenote社のCDDB等で検索して確認することのできるアプリケーションがインストールされている場合も多い。そういった場合には、入手済コンテンツの確認を利用者端末で行うことにより、コンテンツリストサーバの負荷を軽くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】第1の実施形態の特典付与システムの構成を示す模式図である。
【
図2】
図2(a)は第1の実施形態のコンテンツリストの形式、
図2(b)は特典の形式、
図2(c)はコンテンツリストと特典との関連付けの形式の一例を示す表である。
【
図3】第1の実施形態の特典付与システムにおける特典付与工程の一例を示す模式的フローチャートである。
【
図4】第2の実施形態の特典付与システムにおける特典付与工程の一例を示す模式的フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付す。また、同符号の場合には、それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さないものとする。
【0039】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態における特典付与システム100の構成を示す模式図であり、
図2はコンテンツリストサーバ20に開示されるコンテンツリストの一例を示す表であり、
図3は特典付与システム100における特典付与工程の一例を示す模式的フローチャートである。
【0040】
(特典付与システム100の構成)
図1に示すように、第1の実施形態の特典付与システム100は利用者端末10、コンテンツリストサーバ20、投稿者端末40、データベース50をネットワーク30で接続して構成されている。
このうち、利用者端末10はパーソナルコンピュータ、スマートフォンなどであり、例えば、CDレコ(登録商標)アプリケーションがインストールされたスマートフォンが好適である。利用者端末10は通信装置を備え、無線、または有線のネットワーク30を通じてコンテンツリストサーバ20に接続可能である。
コンテンツリストのコンテンツが音楽コンテンツであった場合、利用者端末10は入手した音楽コンテンツのTOC(Table of Contents)情報、またはMusicID情報を読み出せることが望ましい。
コンテンツが映像を含むコンテンツの場合は、映画コンテンツなどであれば、利用者端末10はCRID(Content reference identifier)を、YouTube(登録商標)のコンテンツであればContentIDを読み出せることが望ましい。
また、電子透かし技術を利用して識別情報が埋め込まれているコンテンツの場合は、その識別情報を読み出せることが望ましい。
【0041】
コンテンツリストサーバ20は、例えばパーソナルコンピュータまたはインターネット上の管理サーバ装置であり、演算装置、記憶装置、通信装置、表示装置、入出力インターフェース等を備える。記憶装置は、投稿者端末40から投稿されたコンテンツリストとコンテンツリストに関連付けられた特典の情報とのセットを記憶する。通信装置は、ネットワーク30を通じて、利用者端末10、投稿者端末40、およびデータベース50と通信する。
【0042】
データベース50はコンテンツリストサーバ20からの要求に応じてコンテンツに関するデータを提供する。データベース50が提供するデータの内容は、コンテンツリストのコンテンツの内容によって異なる。
例えば、コンテンツが音楽コンテンツであれば、データベース50はコンテンツリストサーバ20からTOCのデータ、またはMusicIDのデータを受信して、曲名、アルバム名、演奏者などのデータを提供する。
また、コンテンツが製品であれば、データベース50はコンテンツリストサーバ20から、製品の型名、製造番号等を受信して、その製造番号の製品が市場に出ているかどうか、製造時期はいつかなどのデータを提供する。
したがって、特典付与システム100は、コンテンツリストサーバ20に記憶されるコンテンツリストの種類に合わせてそれぞれ必要なデータベース50を準備する必要がある。
ただし、例えば、TOCのデータ、またはMusicIDのデータを受信して、曲名、アルバム名、演奏者などのデータを提供するデータベース50は、Gracenote社が公開しており、したがって、データベース50は商用のデータベース50を利用することができる場合もある。
また、例えば、投稿者が電子透かし技術を利用して画像、動画、または音楽などのコンテンツに著作者名、コンテンツのID、および/またはコンテンツ名など、コンテンツを識別するための識別情報を埋め込んでいる場合は、投稿者はその識別情報をコンテンツリストサーバ20にコンテンツの識別情報として投稿すればよく、その場合、コンテンツリストサーバ20はデータベース50で検索することなく、コンテンツリストサーバ20内で検索することも可能である。
【0043】
投稿者端末40はパーソナルコンピュータ、スマートフォンなどであり、通信装置を備え、無線、または有線のネットワーク30を通じてコンテンツリストサーバ20に接続可能である。
投稿者は投稿者端末40を通じてコンテンツリストサーバ20にコンテンツリスト、およびコンテンツリストに関連付けられる特典の情報を投稿する。コンテンツリストと特典の情報との投稿は、1人の投稿者が1台の投稿者端末40を使って両方を投稿する場合もあるし、別々の投稿者がそれぞれの投稿者端末40を使ってコンテンツリストと特典の情報とを投稿する場合もある。
【0044】
(コンテンツリストの形式例)
図2(a)に、コンテンツリストの形式の一例、
図2(b)に特典の形式の一例、
図2(c)にはコンテンツリストと特典との関連付けの形式の一例を示す。
図2(a)のコンテンツリストにおいて、コンテンツリストID欄にはコンテンツリストの識別番号および名前が記入される。各コンテンツの識別情報には、音楽コンテンツであれば曲名、演奏者名など、製品コンテンツであれば製品名、型名など、そのコンテンツを識別するための情報が記入される。また、コンテンツリスト3のように別のコンテンツリストのコンテンツをすべてコンテンツとして含む場合は、コンテンツの識別情報の欄にコンテンツリストIDを記入してもよい。補足情報の欄には、例えば、コンテンツリストの投稿者のハンドルネーム、あるいは投稿者のコンテンツリストに対するコメント、コンテンツリストのコンテンツの入手先のURLの情報、あるいは、コンテンツリストに対する評価情報(いわゆる「いいね」の数など)などが記入される。
【0045】
図2(b)の特典リストにおいて、特典IDには特典の識別番号および名前が記入される。特典の内容には具体的な特典の内容、例えば、音楽コンテンツ用の特典であれば、「空のCD―R、ジャケットの絵、および歌詞カード」など、電気製品コンテンツ用の特典であれば、「オーディオケーブル、または、USBメモリ」などが記入される。入手方法の欄には特典がダウンロードによって提供されるか、郵便物として発送されるかなどが記入される。補足情報の欄には、例えば、特典の投稿者(提供者)のハンドルネーム、コメントなどが記入される。特典の投稿者あるいは提供者が、コンテンツの入手の有無は利用者の自己申告のみでよいとする場合はその情報も補足情報の欄に記載される。
【0046】
図2(c)の関連付け情報においてはコンテンツリストIDと特典IDとの関連付けが記入される。この場合、1つのコンテンツリストに対して複数の特典が提供される場合、複数のコンテンツリストに対して1つの特典が提供される場合、および複数のコンテンツリストに対して複数の特典が提供される場合がある。複数のコンテンツリストが記入されている場合は、それらのうちのどれか1つのコンテンツリストのコンテンツをすべて入手すれば特典が提供されるのか、または、すべてのコンテンツリストのコンテンツをすべて入手する必要があるのかも記入される。また、複数の特典が記入されている場合は、複数の特典のうちの利用者が選択した1つの特典が提供されるのか、すべての特典が提供されるのかも記入される。
【0047】
(特典付与工程フローチャート)
図3は、特典付与システム100における特典付与工程のフローチャートの一例である。
図3では、利用者端末10、コンテンツリストサーバ20、投稿者端末40、およびデータベース50の間のやり取りを中心に特典付与の流れを説明している。
以下、ステップごとにその動作を説明する。
【0048】
(ステップS1)
投稿者が投稿者端末40を介してコンテンツリストサーバ20に接続し、コンテンツリストと特典の情報を関連付けて投稿する。この場合、ある投稿者がコンテンツリストを投稿した後、別の投稿者がそのコンテンツリストに関連付けて特典の情報を投稿してもよい。また、すでに投稿されたある特典の情報に対して、別の投稿者が、特典の提供者の了解を得たうえで、コンテンツリストを関連付けて投稿してもよい。コンテンツリストサーバ20は、これら投稿されたコンテンツリストと特典の情報にコンテンツリストIDおよび特典IDを割り振り、それぞれコンテンツリスト情報と特典情報として管理する。また、コンテンツリストと特典との関連付けに関しては、関連付けIDを割り振って関連付け情報として管理する。(
図2(a)(b)(c)参照)
また、音楽コンテンツの場合は、投稿者は、利用者がコンテンツを入手したことを確認するにあたって、例えばTOCまたはMusicID情報などの音楽コンテンツを識別するための情報が必要かどうかも指定することが望ましい。映像コンテンツおよびその他のデジタルコンテンツの場合も同様である。
また、コンテンツリストのコンテンツのうちの一部に、シークレットコンテンツ(例えば音楽であれば曲名が記載されていないコンテンツおよび/または、利用者がその曲を入手済みとなるまで曲名が利用者端末10に開示されないコンテンツ)を含めてもよい。この場合に、コンテンツの名前の代わりにヒントとなる情報をそのシークレットコンテンツの情報として記載するようにしてもよい。
また、コンテンツリストには、投稿者が推奨するコンテンツリスト内の各コンテンツの再生順番の情報を含んでいても良い。
また、コンテンツリスト情報には、各コンテンツを購入可能なURLの情報を内包していても良い。この場合、利用者はコンテンツリストを見ながら容易にコンテンツを入手することができる。また、各コンテンツを購入可能なURLの情報はコンテンツリストサーバ20がコンテンツリストに追加してもよい。
また、コンテンツが製品の場合は、製品の製造元、あるいは販売元が推奨する製品の組み合わせ、例えば、テレビとDVDレコーダーとオーディオ機器とをコンテンツリストとして登録し、オプションのケーブルなどのアクセサリーパーツを特典として登録してもよい。
【0049】
(ステップS2)
利用者が利用者端末10を介して、コンテンツリストサーバ20にコンテンツリストとコンテンツリストに関連付けられた特典の開示を要求する。
この場合、利用者はすでに入手済みのコンテンツの情報を、利用者端末10を介してコンテンツリストサーバ20に送信することが望ましい。コンテンツリストサーバ20は、利用者端末10から送信されてきたコンテンツを含むコンテンツリストIDと、そのコンテンツリストIDに関連付けされている関連付けIDとを抽出する。
また、コンテンツリストサーバ20は、例えば音楽コンテンツであれば、そのジャンル別、演奏者別などの分類された表示機能、あるいはキーワードによる検索機能などを備えていることが望ましい。また、音楽コンテンツの場合は、利用者がコンテンツを入手したことを確認するにあたって、例えばTOCまたはMusicID情報などの情報が必要かどうかも利用者端末10に開示することが望ましい。映像コンテンツおよびその他のデジタルコンテンツの場合も同様である。また、コンテンツリスト、特典、関連付けについて、評価の高い方から順番に表示できることが望ましい。
また、利用者の入手済みコンテンツを含むコンテンツリストが複数ある場合には、それらのコンテンツリストに対して、利用者が入手済みであるコンテンツの割合(コンテンツの入手率)が高いコンテンツリストから順に提示しても良い。
なお、利用者はコンテンツをまったく未入手の場合もある。その場合は、コンテンツ未入手という情報がコンテンツリストサーバ20に利用者端末10を介して送信される。
【0050】
(ステップS3)
コンテンツリストサーバ20は要求されたコンテンツリストとコンテンツリストに関連付けられた特典の情報をWEBに表示するか、またはファイルとして転送する。すなわち、コンテンツリストサーバ20は、利用者端末10からの要求に合致する関連付けIDのコンテンツリストと特典の情報を利用者端末10に送信する。
なお、利用者がコンテンツを未入手である場合は、コンテンツリストサーバ20は関連付けIDを抽出することができない。その場合は、利用者が指定した検索キーワード(例えば音楽コンテンツであれば、そのジャンル名など)に合致するコンテンツリストID、特典ID、関連付けIDを表示するようにしても良い。またその際、評価の高い順に表示するようにしても良い。
(ステップS4)
利用者は、利用者端末10を介して、コンテンツリストサーバ20のコンテンツリストに評価情報、いわゆる「いいね」を投稿できる。この場合、例えば、コンテンツリストに対する「いいね」、特典に対する「いいね」、コンテンツリストと特典が関連付けされた関連付に対して「いいね」(いわゆる総合的な「いいね」)、投稿者に対する「いいね」などを投稿できるようにするのが望ましい。
それらの評価情報はコンテンツリストサーバ20内に記録され、他の利用者から投稿された「いいね」の数などを含め、コンテンツリストサーバ20が集計した評価情報は、ステップS3のWEB表示、またはファイル転送時に一緒に開示される。
【0051】
(ステップS5)
利用者はコンテンツリストに掲載されたコンテンツを入手する。
例えばコンテンツが音楽コンテンツであれば、利用者はCDのリッピング、音楽ダウンロードサイトからのダウンロードなど複数の異なる入手手段により、利用者端末10(例えばCDレコなどのアプリケーションをインストールした端末)に保存する。また、音楽コンテンツがLPレコードなどのアナログソースであればアナログソースを取りこむことのできる利用者端末10(例えばADレコなどのアプリケーションをインストールした端末)を用いることが望ましい。
例えばコンテンツが電気製品であれば、利用者端末10に製品の固有情報、例えば型名、購入年月日、製造番号などを保存できるようにし、製品の購入時にそれらの情報を入力する。製品購入時の情報は、例えばQRコード(登録商標)および/またはNFC(近距離無線通信)で提供され、利用者は利用者端末10のカメラおよび/またはNFC受信部によって、それらの情報を取得できることが望ましい。
【0052】
(ステップS6)
利用者はコンテンツリストのコンテンツを入手した後、利用者端末10からコンテンツリストサーバ20に入手済コンテンツを報告する。
例えばコンテンツが音楽コンテンツであれば、入手済コンテンツの報告にあたって、そのコンテンツの識別情報として入手したコンテンツの曲名および/またはTOC情報あるいはMusicID情報を送信する。ただし、特典の投稿者あるいは提供者が、入手済コンテンツのTOC情報またはMusicID情報は不要で、入手済コンテンツの曲名を自己申告するだけでよいと判断している場合は、入手済コンテンツのTOC情報またはMusicID情報の送信は不要である。その場合、利用者が利用者端末10に曲名を入力することによって利用者端末10からコンテンツリストサーバ20へ曲名が送信されるようにしても良い。映像コンテンツの場合も同様である。
例えば電気製品であれば、入手した製品の固有情報、例えば型名、購入年月日、製造番号などを送信する。また、例えば、電子透かし技術を利用して識別情報が埋め込まれている画像、動画、または音楽などのコンテンツの場合は、その識別情報を送信する。
【0053】
(ステップS7、S8)
コンテンツリストサーバ20は、利用者端末10から送られた入手済コンテンツについて、それが本当に入手済であるかどうかを確認する。
コンテンツが音楽コンテンツの場合は、コンテンツリストサーバ20は、利用者端末10から送られてきたコンテンツを識別するための情報であるTOC情報またはMusicID情報をGracenote社のCDDBなどのデータベース50に送信し、データベース50から得た曲名と、コンテンツリストサーバ20のコンテンツリスト情報内のコンテンツの識別情報との整合性を確認する。例えば、TOC情報等をデータベース50に送信した結果、データベース50から得た曲名とコンテンツリストサーバ20内のコンテンツの識別情報の曲名とが一致していることを確認する。ただし、コンテンツリストサーバ20は特典情報内の補足情報を確認し、特典の投稿者あるいは提供者が、入手済コンテンツのTOC情報またはMusicID情報は不要で、入手済コンテンツの曲名を自己申告するだけでよいと判断している場合は、この確認は不要である。その場合は、利用者が利用者端末10に曲名を入力することによって利用者端末10からコンテンツリストサーバ20へ送信された曲名とコンテンツリストサーバ20のコンテンツリスト情報内のコンテンツの識別情報との整合性を確認してもよい。
コンテンツが電気製品などの場合は、特典の提供者(通常、製品の製造元あるいは販売元)に製品の型名、購入年月日、製造番号などを入力して、その製造番号の製品が市場に出ているかどうか、製造時期はいつかなどのデータを検索できるデータベース50を用意してもらい、データベース50から受け取ったデータに基づき、利用者端末10から送られてきた情報に矛盾がないことを確認する。また、その製造番号の製品が別の利用者端末10から送信されていないことも確認する。
また、例えば電子透かし技術を利用して識別情報を埋め込んだコンテンツの場合は、利用者端末10から送られてきた、その識別情報とコンテンツリストサーバ20内のコンテンツの識別情報とが一致していることを確認する。もちろん、コンテンツリストサーバ20のコンテンツの情報として、例えばコンテンツの名称を登録する。そして、データベース50には、コンテンツの名称と識別情報を対応付けて管理させ、コンテンツリストサーバ20は利用者端末10から送られてきた識別情報をデータベース50に送信した結果、得られたコンテンツの名称と、コンテンツリストサーバ20内のコンテンツの名称との一致を確認する構成としても良い。
【0054】
(ステップS9)
コンテンツリストサーバ20は、利用者端末10から送られてきた入手済コンテンツにコンテンツリストのすべてのコンテンツが含まれているかどうかを確認する。コンテンツリストにシークレットコンテンツが含まれている場合は、シークレットコンテンツも含めてコンテンツリストと送られてきた入手済コンテンツとの比較を行う。
(ステップS10)
利用者端末10から送られてきた入手済コンテンツにコンテンツリストのすべてのコンテンツが含まれている場合は、コンテンツリストサーバ20はその旨を利用者端末10に送信し、例えば利用者が特典を希望する場合に、コンテンツリストサーバ20は利用者に特典を提供する。
付与する特典がネットワーク30を通じてダウンロードできるものであれば、コンテンツリストサーバ20は利用者端末10に、ダウンロードすることのできるサイトのURLとダウンロードするためのパスワードを送信する。なお、例えばダウンロードすることができるURLを都度変更して送信し、利用者が特典をダウンロードした後にそのURLを無効化する場合は、パスワードの送信は不要としても良い。
付与する特典がデータではなく「物」である場合は、コンテンツリストサーバ20は利用者端末10から利用者の住所などの個人情報を入手し、コンテンツリストサーバ20は特典の提供者に利用者への特典の発送を依頼する。なお、予め利用者がコンテンツリストサーバ20に対して住所などの個人情報を利用者登録として登録している場合は、その情報を利用して特典の発送を依頼してもよい。
なお、特典は無料でも良いし、有料でも良い。利用者が有料の特典を希望する場合は、クレジットカード支払いまたは銀行振り込みといった一般的な購入処理が行われる。
【0055】
(ステップS11)
利用者端末10から送られてきた入手済コンテンツにコンテンツリストのすべてのコンテンツが含まれていない場合は、コンテンツリストサーバ20はコンテンツリストのうちの未入手コンテンツの情報を利用者端末10に送信する。そうした場合、利用者は希望する特典を得るためにどのコンテンツを入手すべきなのかを把握することができる。
また、例えば、コンテンツリストに関連付けされている特典は、そのコンテンツリスト内のコンテンツを全て入手済みとなった場合に利用者にとって意味を成すものとすることができる。例えば、コンテンツリストが複数の音楽を含む音楽アルバムを想定したものであって、その特典がその音楽アルバムを意識したジャケット、CDケース、歌詞カード等の場合である。その場合は、その特典を利用者が満足できる形で入手するために、どのコンテンツを入手すれば良いかを把握することができる。
また、利用者の入手済コンテンツを含むコンテンツリストが複数ある場合には、複数のコンテンツリストとその特典を提示する。その際、評価情報がコンテンツリストに含まれている場合は、評価の高い順に提示することが望ましい。
また、利用者の入手済みコンテンツを含むコンテンツリストが複数ある場合には、それらのコンテンツリストに対して、利用者が入手済みであるコンテンツの割合(コンテンツの入手率)が高いコンテンツリストから順に提示しても良い。
【0056】
[第2の実施形態]
第2の実施形態の特典付与システム100は入手済コンテンツのチェックを利用者端末10で行い、コンテンツリストサーバ20では行わない点が第1の実施形態の特典付与システム100と異なる。
第2の実施形態のコンテンツリストの形式、特典の形式、およびコンテンツリストと特典との関連付けの形式は、
図2に記載の第1の実施形態のコンテンツリストの形式、特典の形式、およびコンテンツリストと特典との関連付けの形式と同一である。
図4は、第2の実施形態の特典付与システム100における特典付与工程の一例を示す模式的フローチャートである。以下に、第2の実施形態の特典付与システム100における特典付与工程について、第1の実施形態の特典付与システム100における特典付与工程との違いを説明する。
【0057】
第2の実施形態においても、コンテンツリストと特典との提供(ステップS1)、コンテンツリスト特典の開示要求(ステップS2)、コンテンツリストと特典との開示(ステップS3)、コンテンツリストの評価(ステップS4)、コンテンツの入手(ステップS5)までの工程は第1の実施形態と同一である。
【0058】
(ステップS12、S13)
利用者端末10は入手済コンテンツがコンテンツリストのコンテンツであることを、データベース50を利用して確認する。または、コンテンツリストサーバ20から取得したコンテンツリスト内の識別情報を直接確認する。例えば、利用者端末10にCDレコ(登録商標)がインストールされていれば、CDDBを使って検索することによって、ダウンロードした、あるいはCDリッピングした音楽コンテンツがどのアルバムのどの曲であり、だれが演奏しているかを容易に確認することができる。本システムで使用するプログラムも同様の手法で確認しても良い。
ただし、利用者端末10は、コンテンツリストサーバ20から取得した特典情報内の補足情報を確認し、特典の投稿者あるいは提供者が、入手済コンテンツの曲名を利用者が自己申告するだけでよいと判断している場合は、入手済コンテンツのチェックは行わなくてもよい。
【0059】
(ステップS14)
利用者端末10はコンテンツリストサーバ20から取得したコンテンツリストのコンテンツがすべて入手済であるかどうかを確認し、未入手コンテンツがある場合は未入手コンテンツを入手する。
【0060】
(ステップS15)
コンテンツリストのコンテンツがすべて入手済である場合、利用者端末10はコンテンツリストサーバ20にコンテンツリストのコンテンツをすべて入手した旨を報告する。
【0061】
(ステップS16)
コンテンツリストサーバ20は利用者に特典を提供する。
【0062】
最近では、スマートフォンなどの利用者端末10にCDレコ、ADレコなどのように、ダウンロード、CDリッピング、またはLPレコード再生により入手した音楽コンテンツの曲名等をGracenote社のCDDB等で検索して確認することのできるアプリケーションがインストールされている場合も多い。すなわち、利用者端末側でも容易に入手済みコンテンツの確認を行うことは可能である。そういった場合には、入手済コンテンツの確認を利用者端末10で行うことにより、コンテンツリストサーバ20の負荷を軽くすることができる。
第2の実施形態の特典付与システム100は、このような、CDレコ、ADレコなどのアプリケーションと同様に音楽コンテンツの曲名等を検索することができるアプリケーションがインストールされた利用者端末10を用いて特典付与システム100を構成する場合に用いることが望ましい。
【0063】
本発明において、特典付与システム100が『特典付与システム』に相当し、ネットワーク30が『ネットワーク』に相当し、コンテンツリストサーバ20が『コンテンツリストサーバ』に相当し、利用者端末10が『利用者端末』に相当し、投稿者端末40が『投稿者端末』に相当し、データベース50が『データベース』に相当する。
【0064】
本発明の好ましい実施形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0065】
10 利用者端末
20 コンテンツリストサーバ
30 ネットワーク
40 投稿者端末
50 データベース
100 特典付与システム