(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】タッチ入力システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20240815BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20240815BHJP
G06F 3/04812 20220101ALI20240815BHJP
G06F 3/04883 20220101ALI20240815BHJP
G06F 3/03 20060101ALI20240815BHJP
G06F 3/0346 20130101ALI20240815BHJP
【FI】
G06F3/041 580
G06F3/044 120
G06F3/04812
G06F3/04883
G06F3/03 400
G06F3/0346 421
G06F3/0346 425
(21)【出願番号】P 2020172599
(22)【出願日】2020-10-13
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 宙也
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-519583(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0082976(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0363011(US,A1)
【文献】特開2015-049539(JP,A)
【文献】特開2003-085590(JP,A)
【文献】特開2018-116346(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/03 - 3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面に画像を表示する表示パネルと、
前記表示画面に対するタッチ入力操作を検出するタッチパネルと、
前記タッチパネルに対して前記タッチ入力操作を行う入力装置と、
前記入力装置の前記表示画面に対する傾きを検出する傾き検出部と、
前記表示画面における第1基準座標を判定する第1基準座標判定部と、
前記表示画面における入力を判定する入力判定部と、
前記表示画面における画像の表示を制御する表示制御部と、
を備える、タッチ入力システムであって、
前記第1基準座標判定部は、前記入力装置が前記タッチパネルに対して浮遊したホバー状態において、前記傾き検出部が検出した前記入力装置の前記表示画面に対する傾きに基づき前記第1基準座標を判定し、
前記入力判定部は、前記ホバー状態から前記入力装置が前記タッチパネルに対して接触したタッチ状態に遷移した場合に、前記ホバー状態において前記第1基準座標判定部が判定した前記第1基準座標を基準位置として、前記タッチ状態において前記タッチパネルが検出した前記タッチ入力操作に基づく入力を判定
し、
前記第1基準座標判定部は、前記表示画面における第2基準座標を基準として、前記入力装置の前記表示画面に対する傾きの方向に、前記入力装置の前記表示画面に対する傾きの大きさに対応した移動量だけ移動させた座標を、前記第1基準座標として判定し、
前記第1基準座標判定部は、予め設定された前記表示画面における設定位置を前記第2基準座標とする、タッチ入力システム。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記ホバー状態において、前記表示画面における前記第1基準座標を表示する所定の画像を表示する、請求項1に記載のタッチ入力システム。
【請求項3】
前記タッチ入力操作は、前記表示画面上に筆記することにより画像を描画する筆記入力操作であり、
前記入力判定部は、前記ホバー状態において前記第1基準座標判定部が判定した前記第1基準座標を筆記入力の開始位置として、前記タッチ状態において前記タッチパネルが検出した前記筆記入力操作に基づく
前記筆記入力を判定し、
前記表示制御部は、前記入力判定部が判定した前記筆記入力に対応した画像を前記表示画面に表示する、請求項1または2に記載のタッチ入力システム。
【請求項4】
前記タッチパネルは、前記ホバー状態において前記表示画面における前記入力装置の直下の位置である前記入力装置のホバー座標を検出し、
前記第1基準座標判定部は、前記タッチパネルにより検出された前記入力装置の
前記ホバー座標を前記第2基準座標とする、請求項
1に記載のタッチ入力システム。
【請求項5】
前記入力装置は、前記第1基準座標の判定の有効状態と無効状態のいずれかの状態を選択して設定する設定操作を行う設定操作部と、当該設定操作の情報を表示装置に送信する入力装置側通信部とを有し、
前記表示装置は、前記入力装置側通信部と通信する表示装置側通信部をさらに有し、
前記第1基準座標判定部は、
前記有効状態が設定されている場合に、前記第1基準座標の判定を行い、
前記無効状態が設定されている場合に、前記第1基準座標の判定を行わない、請求項1から
4のいずれかに記載のタッチ入力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチ入力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ペン型入力装置でタッチパネルにタッチ入力操作を行うタッチ入力システムが知られている。一般的なタッチ入力システムでは、操作者によって操作されるペン型入力装置の届く位置にタッチ入力操作を行うことができる一方で、ペン型入力装置の届かない位置にはタッチ入力操作を行うことはできない。
【0003】
そのため、表示装置とは離れた位置から表示装置を操作することも検討されている(特許文献1参照)。特許文献1には、2次元表示された3次元情報を有するオブジェクトを選択または操作するために、ディスプレイ上に磁界発生源を固定した上で、ペン先の3次元位置および傾きを計測して入力情報として用いることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の操作方法では、磁界を利用して操作を遠隔的に入力しており、操作を高精度に行うことは困難である。特に、表示画面に筆記入力操作を行う場合、操作者がペン先を空間的上に動かして筆記入力しようとしても、ペン先の動きを高精度に検知することは困難であり、表示画面に操作者の意図しない情報が入力されることがある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、タッチパネルの離れた位置に高精度にタッチ入力操作可能なタッチ入力システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るタッチ入力システムは、表示画面に画像を表示する表示パネルと、前記表示画面に対するタッチ入力操作を検出するタッチパネルと、前記タッチパネルに対して前記タッチ入力操作を行う入力装置と、前記入力装置の前記表示画面に対する傾きを検出する傾き検出部と、前記表示画面における第1基準座標を判定する第1基準座標判定部と、前記表示画面における入力を判定する入力判定部と、前記表示画面における画像の表示を制御する表示制御部と、を備える。前記第1基準座標判定部は、前記入力装置が前記タッチパネルに対して浮遊したホバー状態において、前記傾き検出部が検出した前記入力装置の前記表示画面に対する傾きに基づき前記第1基準座標を判定する。前記入力判定部は、前記ホバー状態から前記入力装置が前記タッチパネルに対して接触したタッチ状態に遷移した場合に、前記ホバー状態において前記第1基準座標判定部が判定した前記第1基準座標を基準位置として、前記タッチ状態において前記タッチパネルが検出した前記タッチ入力操作に基づく入力を判定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、タッチパネルの離れた位置に高精度にタッチ入力操作できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態のタッチ入力システムの模式的な斜視図である。
【
図2A】本実施形態のタッチ入力システムにおけるタッチ入力操作を説明するための模式的な斜視図である。
【
図2B】本実施形態のタッチ入力システムにおけるタッチ入力操作を説明するための模式的な斜視図である。
【
図2C】本実施形態のタッチ入力システムにおけるタッチ入力操作を説明するための模式的な斜視図である。
【
図3A】本実施形態のタッチ入力システムの模式的な斜視図である。
【
図3B】本実施形態のタッチ入力システムの模式的な斜視図である。
【
図3C】本実施形態のタッチ入力システムの模式的な斜視図である。
【
図4】本実施形態のタッチ入力システムのブロック図である。
【
図5】本実施形態のタッチ入力システムの模式的な斜視図である。
【
図6A】本実施形態のタッチ入力システムにおけるタッチ入力操作を説明するための模式的な斜視図である。
【
図6B】本実施形態のタッチ入力システムにおけるタッチ入力操作を説明するための模式的な斜視図である。
【
図6C】本実施形態のタッチ入力システムにおけるタッチ入力操作を説明するための模式的な斜視図である。
【
図6D】本実施形態のタッチ入力システムにおけるタッチ入力操作を説明するための模式的な斜視図である。
【
図7】本実施形態のタッチ入力システムのブロック図である。
【
図8A】本実施形態のタッチ入力システムにおける基準位置を説明するための模式的な斜視図である。
【
図8B】本実施形態のタッチ入力システムにおける基準位置を説明するための模式的な斜視図である。
【
図8C】本実施形態のタッチ入力システムにおける基準位置を説明するための模式的な斜視図である。
【
図9】本実施形態のタッチ入力システムのブロック図である。
【
図10A】本実施形態のタッチ入力システムにおけるタッチ入力操作を説明するための模式的な斜視図である。
【
図10B】本実施形態のタッチ入力システムにおけるタッチ入力操作を説明するための模式的な斜視図である。
【
図10C】本実施形態のタッチ入力システムにおけるタッチ入力操作を説明するための模式的な斜視図である。
【
図10D】本実施形態のタッチ入力システムにおけるタッチ入力操作を説明するための模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明によるタッチ入力システムの実施形態を説明する。なお、図中、同一または相当部分には同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
まず、
図1を参照して、本実施形態のタッチ入力システム100を説明する。
図1は、タッチ入力システム100の模式的な斜視図である。
【0012】
図1に示すように、タッチ入力システム100は、表示装置200と、入力装置300とを備える。表示装置200は、画像を表示する。入力装置300は、表示装置200に対する操作を入力する。入力装置300を用いて表示装置200に対する操作を入力することにより、表示装置200によって表示される画像が変化する。
【0013】
表示装置200は、表示画面200sを有する。表示画面200sには、画像が表示される。典型的には、表示画面200sは矩形状である。ただし、表示画面200sは矩形状でなくてもよい。
【0014】
入力装置300は、長手方向に延びた棒形状である。例えば、入力装置300の一方の端部は、テーパ状に細く延びており、入力装置300の中央部および他方の端部は、円柱形状である。入力装置300は、ペン形状であってもよい。
【0015】
表示装置200は、表示パネル210と、タッチパネル220とを有する。表示パネル210は、表示画面200sに画像を表示する。例えば、表示パネル210は、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイを含む。
【0016】
表示パネル210は、複数の行および複数の列からなるマトリクス状に配列された複数の画素を有する。複数の画素には、行および列に応じて座標が割り当てられる。
【0017】
タッチパネル220は、入力装置300によるタッチ入力操作を検知する。タッチパネル220は、入力装置300によるタッチ入力操作の行われた位置および操作内容を検知する。タッチパネル220は、複数の行および複数の列からなるマトリクス状に配列された複数の検知素子を有する。複数の検知素子には、行および列に応じて座標が割り当てられる。
【0018】
典型的には、タッチパネル220は、静電容量方式である。ただし、タッチパネル220の方式は特に限定されない。タッチパネル220は、静電容量方式、超音波方式、抵抗膜方式、赤外線方式またはこれらのいずれの組合せのいずれかによってタッチ入力操作を検知してもよい。
【0019】
タッチパネル220は、表示パネル210の上に配置される。もしくは、タッチパネル220は、表示パネル210と一体化した構造である。典型的には、タッチパネル220は透明である。このため、表示パネル210の画像は、タッチパネル220を介して視認できる。
【0020】
上述したように、タッチパネル220は、入力装置300によるタッチ入力操作を受け付ける。例えば、タッチパネル220は、入力装置300によってタッチされたタイミング、タッチされた位置、および/または、タッチ入力操作を受け付ける。なお、タッチパネル220は、入力装置300以外によるタッチ入力操作を受け付け可能であってもよい。例えば、タッチパネル220は、操作者の指によるタッチ入力操作を受け付け可能であってもよい。
【0021】
入力装置300は、タッチパネル220に対してタッチ入力操作する。典型的には、入力装置300は、表示装置200に接触することにより、表示装置200に対してタッチ入力操作できる。
【0022】
なお、入力装置300は、表示装置200に近接することにより、タッチパネル220に対して入力操作可能であってもよい。このような入力操作は、ホバー操作とも呼ばれる。
【0023】
入力装置300が表示装置200に対して所定の領域に位置する場合、入力装置300は表示装置200に対してホバー状態になる。入力装置300が表示装置200に対してホバー状態である場合に、表示装置200は、表示装置200の表示画面200sに対する入力装置300の傾きに基づいて基準座標を判定する。表示装置200は、基準座標に特定の画像を表示してもよい。また、入力装置300からの入力により、基準座標に位置するオブジェクト(例えば、アイコン)を選択できる。
【0024】
次に、
図1~
図2Cを参照して、本実施形態のタッチ入力システム100を説明する。ここでは、主に
図2A~
図2Cを参照してタッチ入力システム100におけるタッチ入力操作を説明する。
図2A~
図2Cは、タッチ入力システム100におけるタッチ入力操作を説明するための模式的な斜視図である。
【0025】
図2Aに示すように、入力装置300が表示装置200に対して離れて位置する場合、入力装置300は、タッチパネル220に対してタッチ入力操作を行わない。また、入力装置300の向きにかかわらず、表示装置200の画像は変化しない。
【0026】
図2Bに示すように、入力装置300がタッチパネル220にタッチすることにより、表示装置200はタッチ状態に遷移する。このとき、入力装置300は、タッチパネル220に対してタッチ入力操作する。一例として、入力装置300がタッチパネル220の所定の領域に対してタップ操作することにより、表示パネル210において、タッチパネル220のタップ操作された領域に表示されたオブジェクト(例えば、アイコン)を選択できる。この場合、選択されたオブジェクトに対応するソフトウェアプログラムが起動してもよい。または、選択されたオブジェクトに対応するフォルダが開いてもよい。
【0027】
なお、タッチパネル220に対する入力装置300のタッチ入力操作は、タップ操作に限定されない。タッチパネル220に対する入力装置300のタッチ入力操作は、ダブルタップ操作であってもよい。あるいは、タッチパネル220に対する入力装置300のタッチ入力操作は、表示画面200s上に筆記することにより画像を描画する筆記入力操作であってもよい。
【0028】
図2Cに示すように、入力装置300がタッチパネル220にタッチしたままタッチパネル220上で動くことにより、表示装置200に対してタッチ入力操作できる。例えば、入力装置300がタッチパネル220にタッチしたまま文字「A」を書くように動くことにより、表示パネル210は、文字「A」を表示する。このように、タッチパネル220に対する入力装置300のタッチ入力操作において表示画面200s上に筆記することにより、画像を描画する筆記入力操作できる。
【0029】
次に、
図1~
図3Cを参照して本実施形態のタッチ入力システム100を説明する。ここでは、主に
図3A~
図3Cを参照してタッチ入力システム100におけるホバー状態を説明する。
図3A~
図3Cは、タッチ入力システム100の模式的な斜視図である。
【0030】
図3Aに示すように、表示装置200の全面にホバー領域HBが形成される。入力装置300がホバー領域HB内に位置すると、表示装置200は、入力装置300を検知する。表示装置200は、入力装置300による入力操作を検知してもよい。一方で、入力装置300がホバー領域HB内に位置しないと、表示装置200は、入力装置300を検知できない。例えば、ホバー領域HBは、表示装置200の表示画面200sの全面の上に略均等に形成される。
【0031】
例えば、表示装置200から出力された無線信号によってホバー領域HBが形成される。この場合、無線信号は、表示装置200の表示画面200sの全面から略均等に出力される。無線信号を出力する無線信号送信部は、表示パネル210またはタッチパネル220に配置されてもよい。
【0032】
本明細書において、入力装置300が表示装置200にタッチすることなくホバー領域HB内に位置し、表示装置200によって入力装置300が検知されるときの入力装置300をホバー状態という。この場合、入力装置300は、タッチパネル220に対して浮遊する。
【0033】
図3Bに示すように、入力装置300がホバー状態であると、表示装置200は、入力装置300を検知する。ここでは、入力装置300は、表示装置200の表示画面200sに対してやや傾いている。
【0034】
なお、
図3Bには図示しないが、表示装置200は、入力装置300に応じてポインターカーソルを表示してもよい。例えば、表示装置200は、入力装置300の直下にポインターカーソルを表示してもよい。あるいは、入力装置300が表示装置200の表示画面200sに対して傾いていることから、ポインターカーソルは、入力装置300の端部の向く方向に表示されてもよい。
【0035】
図3Cに示すように、入力装置300がホバー状態において表示画面200sに対して傾くと、表示装置200は、表示画面200sに対する入力装置300の傾きに対応して所定の画像を表示する。
【0036】
表示装置200は、表示画面200sに対する入力装置300の傾きに基づいて基準座標Rcを判定し、基準座標Rcの位置に、所定の画像を表示する。ここでは、表示装置200は、所定の画像として、ポインターカーソルPcを表示する。ポインターカーソルPcは、表示画面200sに対する入力装置300の傾きに対応する場所に位置する。例えば、ポインターカーソルPcは、表示画面200sに対する入力装置300の傾きに応じて移動する。
【0037】
次に、
図1~
図4を参照して、本実施形態のタッチ入力システム100を説明する。
図4は、タッチ入力システム100のブロック図である。
【0038】
図4に示すように、タッチ入力システム100において、表示装置200は、表示パネル210およびタッチパネル220に加えて、筐体202と、表示装置側通信部230と、傾き検出部240と、第1基準座標判定部250と、入力判定部260と、表示制御部270とをさらに有する。
【0039】
表示装置200は、プロセッサーおよびメモリを含む。プロセッサーは、中央処理演算素子(Central Processing Unit:CPU)または特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等によって構成されるハードウェア回路である。筐体202は、表示パネル210、タッチパネル220、表示装置側通信部230、プロセッサーおよびメモリを収容する。プロセッサーは、メモリに記憶された制御プログラムを読み出して実行することによって、表示パネル210と、タッチパネル220と、表示装置側通信部230を制御する。また、プロセッサーは、メモリに記憶された制御プログラムを読み出して実行することによって、傾き検出部240と、第1基準座標判定部250と、入力判定部260と、表示制御部270として機能する。
【0040】
表示装置側通信部230は、入力装置300と通信する。表示装置側通信部230は、入力装置300に対して特定の信号を送信する。また、表示装置側通信部230は、入力装置300から別の信号を受信する。例えば、表示装置側通信部230は、入力装置300から、表示画面200sに対する入力装置300の傾きを示す信号を受信する。
【0041】
また、表示装置側通信部230は、入力装置300がホバー状態であるか否かを確認するための信号を出力する。例えば、表示装置側通信部230は、無線信号を出力し、無線信号を受信する。典型的には、入力装置300がホバー状態である場合、表示装置側通信部230から出力された信号は、入力装置300の存在に応じて変化する。これにより、表示装置200は、入力装置300がホバー状態であるか否かを検知できる。また、入力装置300がホバー状態である場合、表示装置側通信部230から出力された信号は入力装置300に受信され、入力装置300は、信号の受け取りを示す信号を表示装置側通信部230に送信してもよい。
【0042】
傾き検出部240は、表示画面200sに対する入力装置300の傾きを検出する。表示装置側通信部230は、入力装置300の姿勢に応じて変化する信号を受信し、傾き検出部240は、この信号に基づいて、表示画面200sに対する入力装置300の傾きを検出する。
【0043】
なお、表示画面200sに対する入力装置300の傾き自体は、入力装置300において取得されてもよく、表示装置200において取得されてもよい。例えば、表示装置側通信部230が、入力装置300から、表示画面200sに対する入力装置300の姿勢に応じて変化する信号を受信する場合、傾き検出部240は、この信号に基づいて表示画面200sに対する入力装置300の傾きを取得してもよい。あるいは、入力装置300が、表示画面200sに対する入力装置300の傾き自体を取得し、入力装置300が、表示画面200sに対する入力装置300の傾きを示す信号を表示装置側通信部230に送信してもよい。この場合、傾き検出部240は、入力装置300において生成され表示装置側通信部230を介して受信した信号に基づいて表示画面200sに対する入力装置300の傾きを検出する。
【0044】
第1基準座標判定部250は、表示画面200sにおける基準座標Rcを判定する。第1基準座標判定部250は、入力装置300がタッチパネル220に対して浮遊したホバー状態において、傾き検出部240が検出した入力装置300の表示画面200sに対する傾きに基づいて基準座標Rcを判定する。本明細書において、基準座標Rcを第1基準座標と記載することがある。
【0045】
入力判定部260は、表示画面200sにおける入力を判定する。入力判定部260は、ホバー状態から入力装置300がタッチパネル220に対して接触したタッチ状態に遷移した場合に、ホバー状態において第1基準座標判定部250が判定した基準座標Rcを基準位置として、タッチ状態においてタッチパネル220が検出したタッチ入力操作に基づく入力を判定する。入力装置300がタッチパネル220に対してタッチ入力操作を行う場合、入力判定部260は、入力装置300から表示画面200sへの入力を判定する。
【0046】
例えば、入力装置300がタッチパネル220に対してタップ操作することにより、基準座標Rcに位置するオブジェクト(例えば、アイコン)を選択できる。この場合、選択されたオブジェクトに対応するソフトウェアプログラムが起動してもよい。または、選択されたオブジェクトに対応するフォルダが開いてもよい。
【0047】
また、入力装置300がタッチパネル220にタッチしたままタッチパネル220上で動くことにより、表示装置200に対してタッチ入力操作できる。例えば、入力装置300がタッチパネル220にタッチしたまま文字「A」を書くように動くことにより、表示パネル210は、基準座標Rcに文字「A」を表示する。このように、タッチパネル220に対する入力装置300のタッチ入力操作において表示画面200s上に筆記することにより、基準座標Rcに画像を描画する筆記入力操作できる。
【0048】
表示制御部270は、表示パネル210を制御する。表示制御部270は、入力判定部260における判定結果に基づいて、表示パネル210に表示される画像を制御する。
【0049】
入力装置300は、筐体302と、先端部310と、入力装置側通信部320とを有する。筐体302は、先端部310および入力装置側通信部320を収容する。筐体302は、長手方向に延びる。筐体302は、使用者が手で握るために略円筒状に形成された部分を有する。例えば、筐体302は、絶縁性材料からなる。
【0050】
先端部310は、筐体302の先端に配置される。タッチパネル220が静電容量方式の場合、先端部310は、導電性材料からなる。先端部310が表示装置200に接触すると、タッチパネル220における接触位置近傍の電荷分布が変化する。このため、タッチパネル220は、タッチ位置を取得できる。
【0051】
入力装置側通信部320は、表示装置200と通信する。入力装置側通信部320は、表示装置側通信部230から送信された信号を受信する。また、表示装置側通信部230は、表示装置側通信部230に別の信号を送信する。例えば、入力装置側通信部320は、入力装置300の姿勢に応じて変化する信号を表示装置側通信部230に送信してもよい。また、入力装置側通信部320は、入力装置300の識別情報および/または筆圧に関する情報を示す信号を表示装置側通信部230に送信してもよい。
【0052】
表示装置側通信部230は、いわゆるUplink信号を出力してもよい。また、入力装置側通信部320は、いわゆるDownlink信号を出力してもよい。典型的には、Uplink信号の信号到達距離は、Downlink信号の信号到達距離よりも長い。例えば、Uplink信号の信号到達距離は、5cm以上1m以下であり、Downlink信号の信号到達距離は、1cm以上20cm以下である。
【0053】
あるいは、入力装置側通信部320は、応答信号として近距離無線通信規格に準拠した信号を表示装置側通信部230に送信してもよい。一例では、入力装置側通信部320は、Bluetooth(登録商標)に準拠した信号を応答信号として表示装置側通信部230に送信する。
【0054】
次に、
図1~
図5を参照して本実施形態のタッチ入力システム100における傾きの検出の一例を説明する。
図5は、タッチ入力システム100の模式的な斜視図である。
【0055】
図5に示すように、入力装置300において、入力装置側通信部320は、第1送信部320aと、第2送信部320bとを有する。第1送信部320aは、先端部310の近くに位置し、第2送信部320bは、先端部310に対して第1送信部320aよりも離れて位置する。
【0056】
第1送信部320aおよび第2送信部320bは、それぞれ信号を出力する。また、第1送信部320aおよび第2送信部320bから出力される信号には、それぞれ出力元を示す情報が付与されている。第1送信部320aおよび第2送信部320bから出力された信号は、表示画面200sの全面にわたって配置された表示装置側通信部230において受信される。
【0057】
図5に示すように、第1送信部320aから出力された信号は、第1送信部320aの直下において受信され、第2送信部320bから出力された信号は、第2送信部320bの直下において受信される。入力装置300が表示画面200sに対して傾いている場合、第1送信部320aから出力された信号の受信位置と、第2送信部320bから出力された信号の受信位置と、第1送信部320aと第2送信部320bの距離の情報から、傾き検出部240は、三角比により、表示画面200sに対する入力装置300の傾きを取得できる。
【0058】
ここでは、
図5を参照して、傾き検出部240が、表示画面200sに対する入力装置300の傾きを検出する一例を説明したが、本実施形態はこれに限定されない。
【0059】
入力装置300が、固定された表示装置200の表示画面200sに対する入力装置300の傾きを取得する場合、入力装置300は、加速度センサーを含んでもよい。この場合、入力装置側通信部320は、加速度センサーの測定結果を示す信号を表示装置側通信部230に送信する。傾き検出部240は、表示装置側通信部230において受信した信号に基づいて、表示画面200sに対する入力装置300の傾きを検出できる。
【0060】
次に、
図1~
図6Dを参照して本実施形態のタッチ入力システム100を説明する。
図6A~
図6Dは、タッチ入力システム100の模式的な斜視図である。
【0061】
図6Aに示すように、入力装置300が表示装置200に対してホバー領域HBの外側に位置する。
【0062】
図6Bに示すように、入力装置300は、表示装置200に対して傾いた状態でホバー領域HB内に進入してホバー状態になる。この場合、表示装置側通信部230は、入力装置側通信部320との通信により、表示画面200sに対する入力装置300の傾きを示す信号を取得する。傾き検出部240は、表示画面200sに対する入力装置300の傾きを検出する。
【0063】
第1基準座標判定部250は、入力装置300がタッチパネル220に対して浮遊したホバー状態において、傾き検出部240が検出した入力装置300の表示画面200sに対する傾きに基づき基準座標Rcを判定する。表示制御部270は、ホバー状態において、表示画面200sにおける基準座標Rcを表示するための所定の画像としてポインターカーソルPcを表示する。
【0064】
図6Cに示すように、入力装置300が、表示装置200の表示画面200sに近づいてタッチパネル220の座標Tcにおいてタッチする。ここでは、入力装置300は、基準座標Rcを判定した位置から表示画面200sに対して直線的に接近し、タッチパネル220の座標Tcにおいて接触する。
【0065】
このとき、ポインターカーソルPcの位置は、基準座標Rcのままである。入力装置300がタッチパネル220の座標Tcに接触することにより、タッチパネル220において基準座標Rcにタッチ入力操作が行われる。ここでは、入力装置300はタッチパネル220の座標Tcに対してタッチしているにもかかわらず、基準座標Rcにタッチしたのと同様にタッチ入力操作が行われる。
【0066】
一例として、入力装置300がタッチパネル220の座標Tcにおいてタップ操作することにより、基準座標Rcに位置するオブジェクト(例えば、アイコン)を選択できる。この場合、基準座標Rcに位置するオブジェクトに対応するソフトウェアプログラムが起動してもよい。または、基準座標Rcに位置するオブジェクトに対応するフォルダが開いてもよい。
【0067】
図6Dに示すように、タッチパネル220に対する入力装置300のタッチ入力操作として筆記入力操作をしてもよい。ここでは、タッチ入力操作は、タッチパネル220の座標Tcを開始位置として筆記することにより画像を描画する筆記入力操作である。この場合、入力判定部260は、ホバー状態において第1基準座標判定部250が判定した基準座標Rcを筆記入力の開始位置として、タッチ状態においてタッチパネル220が検出した筆記入力操作に基づく筆記入力を判定する。表示制御部270は、入力判定部260が判定した筆記入力に対応した画像を表示画面200sに表示する。
【0068】
本実施形態のタッチ入力システム100によれば、入力装置300はタッチパネル220と座標Tcにおいて接触するが、入力装置300による入力操作は、基準座標Rcにおけるタッチ入力操作とされる。このため、タッチ入力システム100では、入力装置300を用いてタッチパネル220の離れた位置に高精度にタッチ入力操作できる。
【0069】
上述したように、基準座標Rcは、表示画面200sに対する入力装置300の傾きに応じて判定される。なお、基準座標Rcを判定する際の基準となる座標は、予め設定されてもよい。あるいは、基準座標Rcを判定する際の基準となる座標は、入力装置300の姿勢に応じて設定されてもよい。
【0070】
次に、
図1~
図8を参照して基準座標Rcを判定する際の基準となる基準座標Rdを説明する。
図7は、タッチ入力システム100のブロック図である。
図7のブロック図は、入力装置300が第2基準座標判定部252をさらに有する点を除いて、
図4を参照して上述したタッチ入力システム100のブロック図と同様の構成を有しており、冗長を避ける目的で重複の記載を省略する。
【0071】
図7に示すように、タッチ入力システム100において、入力装置300は、第2基準座標判定部252をさらに有する。第2基準座標判定部252は、表示画面200sにおける基準座標Rcを判定する際の基準となる基準座標Rdを判定する。本明細書において、基準座標Rdを第2基準座標と記載することがある。基準座標Rdは、予め設定されてもよい。あるいは、基準座標Rdは、入力装置300の姿勢に応じて設定されてもよい。
【0072】
第1基準座標判定部250は、基準座標Rdに基づいて表示画面200sにおける基準座標Rcを判定する。第1基準座標判定部250は、入力装置300の表示画面200sに対する傾きに基づき、基準座標Rdを基準として基準座標Rcを判定する。例えば、入力装置300が表示画面200sに対して右下斜め方向に傾いた場合、第1基準座標判定部250は、基準座標Rdを基準として右下斜め方向に位置する基準座標Rcを判定する。
【0073】
次に、
図1~
図8Cを参照して基準座標Rcを判定する際の基準となる基準座標Rdを説明する。
図8A~
図8Cは、本実施形態のタッチ入力システム100における基準座標Rdを説明するための模式的な斜視図である。
【0074】
図8Aに示すように、基準座標Rdは予め設定されており、基準座標Rdは、表示画面200sの中央に位置する。表示画面200sの基準座標Rdに特定の画像が表示されることが好ましい。例えば、表示画面200sの基準座標Rdに基準画像Rgが表示されることが好ましい。
【0075】
このとき、第2基準座標判定部252は、表示画面200sにおける基準座標Rcを判定する前の基準座標Rdを判定し、第1基準座標判定部250は、基準座標Rdを第2基準座標とする。ここでは、基準座標Rdは、表示画面200sにおいて予め設定された位置を示す。表示制御部270は、基準座標Rdに表示された基準画像Rgと重なるようにポインターカーソルPcが表示されるように表示パネル210を制御してもよい。
【0076】
図8Bに示すように、表示画面200sに対してホバー領域HB内において入力装置300が傾くと、基準座標Rdに対して入力装置300の傾きに応じた位置として基準座標Rcが判定され、基準座標RcにポインターカーソルPcが表示される。
【0077】
詳細には、傾き検出部240が、表示画面200sに対する入力装置300の傾きを検出すると、第1基準座標判定部250は、表示画面200sにおける基準座標Rdを基準として、入力装置300の表示画面200sに対する傾きの方向に、入力装置300の表示画面200sに対する傾きの大きさに対応した移動量だけ移動させた座標を、基準座標Rcとして判定する。ここでは、基準座標Rcは、入力装置300の端部の向いた方向に位置する。表示制御部270は、基準座標RcにポインターカーソルPcが表示されるように表示パネル210を制御する。
【0078】
その後、入力判定部260は、表示画面200sにおける入力を判定する。
図6Cを参照して上述したように、入力判定部260は、ホバー状態から入力装置300がタッチパネル220に対して接触したタッチ状態に遷移した場合に、ホバー状態において第1基準座標判定部250が判定した基準座標Rcを基準位置として、タッチ状態においてタッチパネル220が検出したタッチ入力操作に基づく入力を判定する。
【0079】
なお、
図8Bでは、基準座標Rcは、入力装置300の端部の向いた方向に位置していたが、本実施形態はこれに限定されない。基準座標Rcは、入力装置300の端部の向いた方向に位置しなくてもよい。例えば、基準座標Rcの位置は、入力装置300の端部の向いた方向を越えて移動してもよい。
【0080】
図8Cに示すように、表示画面200sに対してホバー領域HB内において入力装置300が傾くと、基準座標Rdに対して入力装置300の傾きに応じた位置として基準座標Rcが判定され、基準座標RcにポインターカーソルPcが表示される。
【0081】
詳細には、傾き検出部240は、表示画面200sに対する入力装置300の傾きを検出する。第1基準座標判定部250は、表示画面200sにおける基準座標Rdを基準として、表示画面200sに対する入力装置300の傾きに基づいて基準座標Rcを判定する。ここでは、基準座標Rcは、入力装置300の端部の向きの変化した方向に、入力装置300の向きが変化した量を超えて移動する。表示制御部270は、基準座標Rdに基準画像Rgが表示されるように表示パネル210を制御する。
【0082】
その後、入力判定部260は、表示画面200sにおける入力を判定する。
図6Cを参照して上述したように、入力判定部260は、ホバー状態からタッチ状態に遷移した場合に、ホバー状態において第1基準座標判定部250が判定した基準座標Rcを基準位置として、タッチ状態においてタッチパネル220が検出したタッチ入力操作に基づく入力を判定する。
【0083】
以上のように、基準座標Rcを判定する際の基準座標Rdは、予め設定されてもよい。これにより、所定の位置を基準として基準座標Rcを判定できる。なお、基準座標Rcを判定する際の基準座標Rdは、入力装置300の姿勢に応じて設定されてもよい。
【0084】
次に、
図1~
図10Cを参照して本実施形態のタッチ入力システム100を説明する。
図9は、タッチ入力システム100のブロック図である。
図9のブロック図は、入力装置300が設定操作部330をさらに有する点を除いて、
図4を参照して上述したタッチ入力システム100のブロック図と同様の構成を有しており、冗長を避ける目的で重複の記載を省略する。
【0085】
図9に示すように、タッチ入力システム100において、入力装置300は、設定操作部330をさらに有する。設定操作部330により、基準座標Rcの判定の有効状態と無効状態のいずれかの状態を選択して設定する設定操作できる。
【0086】
設定操作部330は、筐体302に設けられたボタンを含んでもよい。例えば、操作者は、ボタンを押圧した状態で、基準座標Rcを判定する操作を行ってもよい。この場合、操作者は、ボタンを押圧しなければ、通常の入力操作を行うことができる。例えば、通常の入力操作では、入力装置300がホバー状態である場合、基準座標は入力装置300の直下に位置してもよい。
図9において、ホバー座標Hcは、ホバー状態において表示画面200sにおける入力装置300の直下の位置を示す。
【0087】
あるいは、操作者は、ボタンを一方側にスライドした状態で、基準座標Rcを判定する入力操作を行ってもよい。この場合、操作者は、ボタンを他方側にスライドさせることにより、通常の入力操作を行うことができる。入力装置側通信部320は、この設定操作を示す信号を表示装置側通信部230に送信する。
【0088】
第1基準座標判定部250は、設定操作部330の設定に応じて基準座標Rcの判定の有無を変更する。詳細には、第1基準座標判定部250は、設定操作部330において基準座標Rcの判定の有効状態が設定されている場合に、基準座標Rcを判定する。一方で、第1基準座標判定部250は、設定操作部330において基準座標Rcの判定の無効状態が設定されている場合に、基準座標Rcを判定しない。このとき、第1基準座標判定部250は、ホバー座標Hcを判定してもよい。このように、基準座標Rcの有効および無効は、設定操作部330の設定に応じて選択可能であってもよい。
【0089】
次に、
図1~
図10Dを参照して基準座標Rcを判定する際の基準となる基準座標Rdを説明する。
図10A~
図10Dは、本実施形態のタッチ入力システム100における基準座標Rdを説明するための模式的な斜視図である。ここでは、基準座標Rcとしてホバー座標Hcを判定する際の基準は、入力装置300に応じて設定される。
【0090】
図10Aに示すように、表示装置200の全面にホバー領域HBが形成される。入力装置300がホバー領域HB内に位置しないと、表示装置200は、入力装置300を検知できない。
【0091】
図10Bに示すように、入力装置300がホバー状態であると、表示装置200は、入力装置300を検知する。ここでは、入力装置300は、表示装置200の表示画面200sに対して傾いている。
【0092】
例えば、設定操作部330が基準座標Rcの判定を無効にしている場合、タッチパネル220は、入力装置300のホバー座標Hcを検出する。ホバー座標Hcは、ホバー状態において表示画面200sにおける入力装置300の直下の位置を示す。この場合、表示装置200は、ホバー座標Hcに、所定の画像としてポインターカーソルPcを表示する。
【0093】
例えば、入力装置300の存在により、表示装置200から出力される無線信号が変化するため、表示装置側通信部230によって受信される信号により、入力装置300の位置を特定できる。このため、表示パネル210は、入力装置300の直下にあるホバー座標Hcに、所定の画像を表示できる。
【0094】
図10Cに示すように、設定操作部330において基準座標Rcの判定を無効から有効に切り換わると、表示装置200は、表示画面200sに対する入力装置300の傾きに対応してポインターカーソルPcを移動させて表示する。
【0095】
表示装置200は、表示画面200sに対する入力装置300の傾きに基づいて基準座標Rcを判定し、基準座標Rcの位置にポインターカーソルPcを表示する。ポインターカーソルPcは、表示画面200sに対する入力装置300の傾きに対応する場所に位置する。ポインターカーソルPcは、表示画面200sに対する入力装置300の傾きに応じて移動する。
【0096】
第1基準座標判定部250は、入力装置300がタッチパネル220に対して浮遊したホバー状態において、傾き検出部240が検出した入力装置300の表示画面200sに対する傾きに基づき基準座標Rcを判定する。表示制御部270は、ホバー状態において、表示画面200sにおける基準座標Rcを表示するための所定の画像としてポインターカーソルPcを表示する。
【0097】
図10Dに示すように、入力装置300が、表示装置200の表示画面200sに近づいてタッチパネル220の座標Tcにおいてタッチする。ここでは、入力装置300は、基準座標Rcを判定した位置から表示画面200sに対して直線的に接近し、タッチパネル220の座標Tcに接触する。
【0098】
このとき、ポインターカーソルPcの位置は、基準座標Rcのままである。入力装置300がタッチパネル220の座標Tcに接触することにより、タッチパネル220において基準座標Rcにタッチ入力操作が行われる。
【0099】
一例として、入力装置300がタッチパネル220の座標Tcにおいてタップ操作することにより、基準座標Rcに位置するオブジェクト(例えば、アイコン)を選択できる。この場合、基準座標Rcに位置するオブジェクトに対応するソフトウェアプログラムが起動してもよい。または、基準座標Rcに位置するオブジェクトに対応するフォルダが開いてもよい。
【0100】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施形態として実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果を実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、タッチ入力システムの分野に有用である。
【符号の説明】
【0102】
100 タッチ入力システム
200 表示装置
210 表示パネル
220 タッチパネル
230 表示装置側通信部
240 傾き検出部
250 第1基準座標判定部
260 入力判定部
270 表示制御部
300 入力装置
320 入力装置側通信部