(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】製造指示・補修指示伝票作成装置、製造指示・補修指示伝票作成方法および製造指示・補修指示伝票作成プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20240815BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
G06Q50/04
G05B19/418 Z
(21)【出願番号】P 2020193388
(22)【出願日】2020-11-20
【審査請求日】2023-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉野 慶祐
(72)【発明者】
【氏名】太田 隼人
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】松尾 真人
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-161042(JP,A)
【文献】特開2002-006933(JP,A)
【文献】特開2007-083299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える製造指示・補修指示伝票作成装置であって、
前記制御部は、
受注対象物を識別するための入力された受注対象物識別データと、前記受注対象物について行う作業を識別するための入力された作業識別データと、を受注情報として登録する受注登録手段と、
前記作業識別データと、前記作業を行う際に必要な情報であって前記受注対象物についての製造指示または補修指示に関する具体的情報である製造・補修情報と、を含む製造・補修情報保持マスタから、前記受注登録手段が登録した前記受注情報中の前記作業識別データと紐づく製造・補修情報を取得する製造・補修情報取得手段と、
前記受注登録手段が登録した前記受注情報中の前記受注対象物識別データを1つずつ別々に含み、かつ、前記製造・補修情報取得手段で取得した前記製造・補修情報を共通して含む製造指示・補修指示伝票を作成する伝票作成手段と、
を備えること、
を特徴とする製造指示・補修指示伝票作成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記受注登録手段が登録した前記受注情報から、前記製造指示・補修指示伝票の作成指示を行うための画面において入力された抽出条件に合致する受注情報を抽出する抽出手段を更に備え、
前記製造・補修情報取得手段は、前記製造・補修情報保持マスタから、前記抽出手段で抽出した前記受注情報中の前記作業識別データと紐づく製造・補修情報を取得し、
前記伝票作成手段は、前記抽出手段が抽出した前記受注情報中の前記受注対象物識別データを1つずつ別々に含み、かつ、当該取得した製造・補修情報を共通して含む前記製造指示・補修指示伝票を作成すること、
を特徴とする請求項1に記載の製造指示・補修指示伝票作成装置。
【請求項3】
前記受注対象物が、鋼材であり、
前記作業が、前記鋼材について行われる補修の作業であり、
前記製造・補修情報が、製造もしくは補修に関する工程情報、製造もしくは補修を自社内で行うか外注するかに関する情報、製造もしくは補修を行う場所に関する情報ならびに製造もしくは補修に用いる原材料に関する情報からなる群から選択される少なくとも1つの情報であること、
を特徴とする請求項1または2に記載の製造指示・補修指示伝票作成装置。
【請求項4】
制御部を備える情報処理装置で実行される製造指示・補修指示伝票作成方法であって、
前記制御部で実行される、
受注対象物を識別するための入力された受注対象物識別データと、前記受注対象物について行う作業を識別するための入力された作業識別データと、を受注情報として登録する受注登録ステップと、
前記作業識別データと、前記作業を行う際に必要な情報であって前記受注対象物についての製造指示または補修指示に関する具体的情報である製造・補修情報と、を含む製造・補修情報保持マスタから、前記受注登録ステップが登録した前記受注情報中の前記作業識別データと紐づく製造・補修情報を取得する製造・補修情報取得ステップと、
前記受注登録ステップが登録した前記受注情報中の前記受注対象物識別データを1つずつ別々に含み、かつ、前記製造・補修情報取得ステップで取得した前記製造・補修情報を共通して含む製造指示・補修指示伝票を作成する伝票作成ステップと、
を含むこと、
を特徴とする製造指示・補修指示伝票作成方法。
【請求項5】
制御部を備える情報処理装置に実行させるための製造指示・補修指示伝票作成プログラムであって、
前記制御部に実行させるための、
受注対象物を識別するための入力された受注対象物識別データと、前記受注対象物について行う作業を識別するための入力された作業識別データと、を受注情報として登録する受注登録ステップと、
前記作業識別データと、前記作業を行う際に必要な情報であって前記受注対象物についての製造指示または補修指示に関する具体的情報である製造・補修情報と、を含む製造・補修情報保持マスタから、前記受注登録ステップが登録した前記受注情報中の前記作業識別データと紐づく製造・補修情報を取得する製造・補修情報取得ステップと、
前記受注登録ステップが登録した前記受注情報中の前記受注対象物識別データを1つずつ別々に含み、かつ、前記製造・補修情報取得ステップで取得した前記製造・補修情報を共通して含む製造指示・補修指示伝票を作成する伝票作成ステップと、
を含むこと、
を特徴とする製造指示・補修指示伝票作成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造指示・補修指示伝票作成装置、製造指示・補修指示伝票作成方法および製造指示・補修指示伝票作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、圧延ライン実績値を用いて組織・材質予測モデルにより組織・材質を圧延後直ちに計算し、製品組織・材質の検査すり抜けを防止し、製造工程修正までの遅れ時間を最小化し不良品発生を抑制し、配送先変更に伴う無駄なコストの発生を防止し、製品の再製造の遅れによる納期遅延を防止することが可能となり、圧延ラインのトータルの操業効率を大幅に向上させることができる圧延ラインの組織・材質管理システムが開示されている(特許文献1の0013段落参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のように、商品やサービスのコストや原価等を正確に把握することは重要である。例えば、鋼材の補修を業務として行う業界等においては、鋼材毎の原価管理等を正確に行うことが重要である。
【0005】
しかしながら、原価等を正確に把握するためには、製造指示を行う段階で(製造工程に回す過程で)、鋼材毎に、製造工程および原材料等を入力する必要があるため、業務負担が非常に大きいという問題があった。特に、鋼材等の場合、各鋼材で製造工程および原材料等が共通であるにも関わらず、製造工程および原材料等を鋼材の数分入力するのは、非常に業務効率が悪く、改善が求められていた。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、製造工程および原材料等の情報を共通にする受注対象物に関して、製造指示を行う段階で当該情報を受注対象物の数分入力せずとも、製造指示または補修指示の伝票を前記受注対象物毎に自動で分割して作成することで、業務の利便性と原価管理等の正確性を両立可能とする製造指示・補修指示伝票作成装置、製造指示・補修指示伝票作成方法および製造指示・補修指示伝票作成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る製造指示・補修指示伝票作成装置は、制御部を備える製造指示・補修指示伝票作成装置であって、前記制御部が、受注対象物を識別するための入力された受注対象物識別データと、前記受注対象物について行う作業を識別するための入力された作業識別データと、を受注情報として登録する受注登録手段と、前記作業識別データと、前記作業を行う際に必要な情報であって前記受注対象物についての製造指示または補修指示に関する具体的情報である製造・補修情報と、を含む製造・補修情報保持マスタから、前記受注登録手段が登録した前記受注情報中の前記作業識別データと紐づく製造・補修情報を取得する製造・補修情報取得手段と、前記受注登録手段が登録した前記受注情報中の前記受注対象物識別データを1つずつ別々に含み、かつ、前記製造・補修情報取得手段で取得した前記製造・補修情報を共通して含む製造指示・補修指示伝票を作成する伝票作成手段と、を備えること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る製造指示・補修指示伝票作成装置は、前記制御部が、前記受注登録手段が登録した前記受注情報から、前記製造指示・補修指示伝票の作成指示を行うための画面において入力された抽出条件に合致する受注情報を抽出する抽出手段を更に備え、前記製造・補修情報取得手段は、前記製造・補修情報保持マスタから、前記抽出手段で抽出した前記受注情報中の前記作業識別データと紐づく製造・補修情報を取得し、前記伝票作成手段は、前記抽出手段が抽出した前記受注情報中の前記受注対象物識別データを1つずつ別々に含み、かつ、当該取得した製造・補修情報を共通して含む前記製造指示・補修指示伝票を作成すること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る製造指示・補修指示伝票作成装置は、前記受注対象物が、鋼材であり、前記作業が、前記鋼材について行われる補修の作業であり、前記製造・補修情報が、製造もしくは補修に関する工程情報、製造もしくは補修を自社内で行うか外注するかに関する情報、製造もしくは補修を行う場所に関する情報ならびに製造もしくは補修に用いる原材料に関する情報からなる群から選択される少なくとも1つの情報であること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る製造指示・補修指示伝票作成方法は、制御部を備える情報処理装置で実行される製造指示・補修指示伝票作成方法であって、前記制御部で実行される、受注対象物を識別するための入力された受注対象物識別データと、前記受注対象物について行う作業を識別するための入力された作業識別データと、を受注情報として登録する受注登録ステップと、前記作業識別データと、前記作業を行う際に必要な情報であって前記受注対象物についての製造指示または補修指示に関する具体的情報である製造・補修情報と、を含む製造・補修情報保持マスタから、前記受注登録ステップが登録した前記受注情報中の前記作業識別データと紐づく製造・補修情報を取得する製造・補修情報取得ステップと、前記受注登録ステップが登録した前記受注情報中の前記受注対象物識別データを1つずつ別々に含み、かつ、前記製造・補修情報取得ステップで取得した前記製造・補修情報を共通して含む製造指示・補修指示伝票を作成する伝票作成ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る製造指示・補修指示伝票作成プログラムは、制御部を備える情報処理装置に実行させるための製造指示・補修指示伝票作成プログラムであって、前記制御部に実行させるための、受注対象物を識別するための入力された受注対象物識別データと、前記受注対象物について行う作業を識別するための入力された作業識別データと、を受注情報として登録する受注登録ステップと、前記作業識別データと、前記作業を行う際に必要な情報であって前記受注対象物についての製造指示または補修指示に関する具体的情報である製造・補修情報と、を含む製造・補修情報保持マスタから、前記受注登録ステップが登録した前記受注情報中の前記作業識別データと紐づく製造・補修情報を取得する製造・補修情報取得ステップと、前記受注登録ステップが登録した前記受注情報中の前記受注対象物識別データを1つずつ別々に含み、かつ、前記製造・補修情報取得ステップで取得した前記製造・補修情報を共通して含む製造指示・補修指示伝票を作成する伝票作成ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、製造工程および原材料等の情報を共通にする受注対象物に関して、製造指示を行う段階で当該情報を受注対象物の数分入力せずとも、製造指示または補修指示の伝票を前記受注対象物毎に自動で分割して作成することで、業務の利便性と原価管理等の正確性を両立可能とするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、製造指示・補修指示伝票作成装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る処理フローの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、製造工程指示マスタの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、製造指示確定処理画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、作成される製造指示伝票の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る製造指示・補修指示伝票作成装置、製造指示・補修指示伝票作成方法および製造指示・補修指示伝票作成プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0015】
本実施形態に係る製造指示・補修指示伝票作成装置100は、あらゆる業界および業種において広く使用可能であるが、例えば、量産型の製造業全般において使用可能であり、特に、鋼材補修を行う業界においては極めて有用である。
【0016】
本実施形態において、受注対象物は、共通の製造・補修工程や原材料等を有するものであれば如何なるものであってもよいが、例えば、鋼材である。
【0017】
[1.概要]
鋼材補修を主な業務として行っている業界では、収支や製造状況を厳密に把握するため、補修の契約毎、鋼材毎の在庫管理や原価管理が求められる。そのため、受注時に補修対象の鋼材番号を指定し、後続の処理を鋼材毎で管理する必要がある。
【0018】
しかしながら、製造工程に回す過程の中で、鋼材毎に納期や原材料情報などを入力して製造指示を掛ける必要があり、業務負担が非常に大きかった。
【0019】
そこで、本実施形態においては、例えば、基本的には1つの契約を締結しているため鋼材毎に補修工程等に大きな違いがないという特性を生かし、契約単位で処理を行うことにより、同一の納期や原材料などの情報に基づき、製造指示伝票を鋼材単位で自動分割できるようにした。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0020】
[2.構成]
本実施形態に係る製造指示・補修指示伝票作成装置100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、製造指示・補修指示伝票作成装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
製造指示・補修指示伝票作成装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、製造指示・補修指示伝票作成装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0022】
製造指示・補修指示伝票作成装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。製造指示・補修指示伝票作成装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0023】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、製造指示・補修指示伝票作成装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、製造指示・補修指示伝票作成装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0024】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0025】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0026】
記憶部106は、例えば、製造・補修情報保持マスタとしての製造工程指示マスタ106aと、受注情報106bと、を備えている。
【0027】
製造工程指示マスタ106aは、
図3に示すように、例えば、受注対象物について行う作業を識別するための作業識別データ(商品コードおよび商品名)と、前記作業を行う際に必要な情報であって前記受注対象物についての製造指示または補修指示に関する具体的情報である製造・補修情報と、等を含む。当該製造・補修情報は、
図3に示すように、例えば、構成パターン、製造もしくは補修に関する工程情報(工程番号および工程内容)、製造もしくは補修を自社内で行うか外注するかに関する情報(製造指示区分名)、製造もしくは補修を行う場所に関する情報(製造先名)ならびに製造構成マスタで登録した構成品を前記工程に紐づけるための払出品番等の情報である。また、前記製造・補修情報は、図示しないが、例えば、製造または補修に用いる原材料に関する情報であってもよい。
【0028】
受注情報106bは、
図4に示すように、例えば、受注番号と、前記作業識別データ(商品コードおよび商品名)と、製造納期と、製造開始日と、受注明細数と、前記受注対象物を識別するための受注対象物識別データ(鋼材No)と、前記受注対象物の受注数量(鋼材数量)と、等を含む。
【0029】
制御部102は、製造指示・補修指示伝票作成装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0030】
制御部102は、機能概念的に、例えば、(1)受注対象物を識別するための入力された受注対象物識別データと、前記受注対象物について行う作業を識別するための入力された作業識別データと、を受注情報として登録する受注登録手段としての受注登録部102aと、(2)前記受注登録手段が登録した前記受注情報から、前記製造指示・補修指示伝票の作成指示を行うための画面において入力された抽出条件に合致する受注情報を抽出する抽出手段としての抽出部102bと、(3)前記作業識別データと、前記作業を行う際に必要な情報であって前記受注対象物についての製造指示または補修指示に関する具体的情報である製造・補修情報と、を含む製造・補修情報保持マスタから、前記受注登録手段が登録した前記受注情報中の前記作業識別データと紐づく製造・補修情報を取得する製造・補修情報取得手段としての製造・補修情報取得部102cと、(4)前記受注登録手段が登録した前記受注情報中の前記受注対象物識別データを1つずつ別々に含み、かつ、前記製造・補修情報取得手段で取得した前記製造・補修情報を共通して含む製造指示・補修指示伝票を作成する伝票作成手段としての伝票作成部102dと、を備えている。
【0031】
受注登録部102aは、入力された前記受注対象物識別データ(鋼材No)と、入力された前記作業識別データ(商品コードおよび商品名)と、を受注情報106bとして記憶部106に登録する。
【0032】
抽出部102bは、受注登録部102aが記憶部106に登録した受注情報106bから、製造指示・補修指示伝票の作成指示を行うための画面である製造指示確定処理画面(
図5参照)において入力された抽出条件に合致する受注情報106bを抽出する。
【0033】
製造・補修情報取得102cは、前記作業識別データ(商品コードおよび商品名)と、前記製造・補修情報(工程内容等)と、を含む製造工程指示マスタ106a(
図3参照)から、受注登録部102aが記憶部106に登録した受注情報106b中の前記作業識別データ(商品コードおよび商品名)と紐づく前記製造・補修情報(工程内容等)を取得する。
【0034】
抽出部102bが受注情報106bを抽出している場合には、製造・補修情報取得102cは、前記作業識別データ(商品コードおよび商品名)と、前記製造・補修情報(工程内容等)と、を含む製造工程指示マスタ106a(
図3参照)から、抽出部102bで抽出した受注情報106b中の前記作業識別データ(商品コードおよび商品名)と紐づく前記製造・補修情報(工程内容等)を取得してもよい。
【0035】
伝票作成部102dは、受注登録部102aが登録した受注情報106b中の前記受注対象物識別データ(鋼材No)を1つずつ別々に含み、かつ、製造・補修情報取得102cで取得した前記製造・補修情報(工程内容等)を共通して含む製造指示・補修指示伝票(
図6参照)を作成する。
【0036】
抽出部102bが受注情報106bを抽出している場合には、伝票作成部102dは、抽出部102bが抽出した受注情報106b中の前記受注対象物識別データ(鋼材No)を1つずつ別々に含み、かつ、製造・補修情報取得102cで取得した前記製造・補修情報(工程内容等)を共通して含む前記製造指示・補修指示伝票(
図6参照)を作成してもよい。
【0037】
[3.処理の具体例]
本項目では、本実施形態に係る処理の具体例を説明する。本実施形態における処理フローとしては、
図2に示すように、受注入力により、1明細(1施工契約)に対して、複数の鋼材番号を紐づけて入力することができる。続けて、
図2に示すように、製造指示確定処理を行うことにより、製造工程指示マスタ106aに設定された工程情報等を用いて、製造指示伝票を作成することができる。なお、製造指示伝票は、施工契約単位で、受注時に入力をした鋼材番号分、自動分割して作成する。
【0038】
本項目においては、前記受注対象物が鋼材であり、かつ、前記作業が、前記鋼材について行われる補修の作業であるという場面を想定して説明をする。また、本項目における説明の前提として、製造工程指示マスタ106aは、
図3に示す内容で予め登録されているものとする。
【0039】
[3-1.受注登録処理]
まず、
図4に示すように、受注入力が行われる。本例では、鋼材No:001~010の鋼材(鋼材数量は1)に対して、「101:シンクロール補修」の作業を行う旨の受注入力が行われる。また、
図4に示すように、当該受注の受注番号として「JU00001」が入力され、当該作業の開始日として「2020/9/12」が入力され、当該作業の納期として「2020/9/30」が入力される。受注登録部102aは、これらの入力された情報を、受注情報106bとして記憶部106に登録する。
【0040】
このように、受注入力の時点で同一明細で補修対象の鋼材NOを入力することにより、後続処理である製造指示確定処理において、鋼材NO毎に製造指示伝票を自動分割することが可能となる。
【0041】
[3-2.製造指示確定処理]
続いて、抽出部102bは、[3-1]で受注登録部102aが登録した受注情報106bから、
図5の製造指示確定処理画面において入力された抽出条件に合致する受注情報106bを抽出する。具体的には、
図5の製造指示確定処理画面においては、出荷日として「2020/9/30」が入力され、受注番号として「JU0001」が入力されているため、抽出部102bは、[3-1]で登録された受注情報106bを抽出する。
【0042】
抽出部102bは、当該抽出した受注情報106bの情報を、
図5に示すように、製造指示確定処理画面に初期表示する。当該初期表示された情報のうち、製造指示伝票の作成時に、「製造納期」および「製造開始日」は変更されることがあるが、「製造指示数」は一般的には変更されない。
【0043】
[3-3.製造・補修情報取得処理]
続いて、製造・補修情報取得部102cは、
図3の製造工程指示マスタ106aから、[3-2]で抽出部102bが抽出した受注情報106b中の作業「101:シンクロール補修」と紐づく情報として、構成パターン1に係る具体的情報を取得する。具体的には、「工程番号:10、工程内容:受入、製造指示区分名:内作、製造先名:自社倉庫、払出品番:A001」、「工程番号:20、工程内容:溶接、製造指示区分名:外作、製造先名:〇〇工業株式会社」、「工程番号:30、工程内容:仕入加工、製造指示区分名:内作、製造先名:自社倉庫、払出品番:B002、C003」、「工程番号:40、工程内容:補修、製造指示区分名:内作、製造先名:自社倉庫」および「工程番号:999、工程内容:検査、製造指示区分名:内作、製造先名:自社倉庫」という具体的情報を取得する。
【0044】
[3-4.伝票作成処理]
最後に、伝票作成部102dは、製造指示確定処理画面からの指示を受けると、[3-2]で抽出部102bが抽出した受注情報106b中の受注対象物である鋼材No:001~010の鋼材(鋼材数量は1)を1つずつ別に含み、かつ、[3-3]で製造・補修情報取得部102cが取得した前記具体的情報を共通して含む製造指示・補修指示伝票を作成する。
【0045】
具体的には、伝票作成部102dは、鋼材No:001に対応する製造指示伝票として、製造指示番号SS00001~SS00005の5明細を含む製造指示伝票を作成する。同様に、伝票作成部102dは、鋼材毎に5明細を含む製造指示伝票を作成し、鋼材は鋼材No:001~010の10個が存在するため、合計で10の製造指示伝票を作成する。作成した製造指示伝票のうち、鋼材No:001に対応する製造指示伝票および鋼材No:010に対応する製造指示伝票を、一例として
図6に示している。
【0046】
各製造指示伝票は、
図6にXで囲んで示すように、受注入力時に入力された鋼材No(鋼材No:001~010)をそれぞれ別々に含み、また、受注入力時に入力された鋼材数量1を製造指示数として含む。一方で、各製造指示伝票は、
図6にYで囲んで示すように、製造工程等に関する具体的情報に関しては、[3-3]で製造・補修情報取得部102cが取得した情報を共通して含んでいる。
【0047】
このように、本実施形態に係る製造指示・補修指示伝票作成装置100によれば、受注入力については10本の鋼材に対してまとめて行ったが、受注入力時に入力された鋼材Noおよび鋼材数量に基づいて、製造指示伝票を自動分割することができる(=製造指示伝票を鋼材No毎に分けることができる)ため、鋼材No毎の在庫管理、原価管理および製造実績管理等が可能となる。つまり簡単にいうと、本実施形態に係る製造指示・補修指示伝票作成装置100によれば、受注入力については、製造工程等を共通にする鋼材を対象としてまとめて行う一方で、製造指示伝票は鋼材毎に自動で分けることができるため、簡便な操作によって、鋼材毎の精密な製造実績管理等を行うことができる。
【0048】
[4.本実施形態のまとめ]
以上説明してきたように、本実施形態に係る製造指示・補修指示伝票作成装置100によれば、製造工程および原材料等の情報を共通にする受注対象物に関して、製造指示を行う段階で当該情報を受注対象物の数分入力せずとも、製造指示または補修指示の伝票を前記受注対象物毎に自動で分割して作成することで、業務の利便性と原価管理等の正確性を両立することができる。
【0049】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0050】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0051】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0052】
また、製造指示・補修指示伝票作成装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0053】
例えば、製造指示・補修指示伝票作成装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて製造指示・補修指示伝票作成装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0054】
また、このコンピュータプログラムは、製造指示・補修指示伝票作成装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0055】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0056】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0057】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0058】
また、製造指示・補修指示伝票作成装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、製造指示・補修指示伝票作成装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0059】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、例えば、商品の補修を行う業界において有用であり、特に、コイルセンターにおいては極めて有用である。
【符号の説明】
【0061】
100 製造指示・補修指示伝票作成装置
102 制御部
102a 受注登録部
102b 抽出部
102c 製造・補修情報取得部
102d 伝票作成部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 製造工程指示マスタ
106b 受注情報
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク