(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】面状発光装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240815BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20240815BHJP
F21V 23/06 20060101ALI20240815BHJP
H01L 33/58 20100101ALI20240815BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240815BHJP
F21Y 105/00 20160101ALN20240815BHJP
【FI】
F21S2/00 439
F21S2/00 436
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V23/06
H01L33/58
F21Y115:10
F21Y105:00
(21)【出願番号】P 2020559232
(86)(22)【出願日】2019-12-03
(86)【国際出願番号】 JP2019047259
(87)【国際公開番号】W WO2020116457
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】P 2018226893
(32)【優先日】2018-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000131430
【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100160716
【氏名又は名称】遠藤 力
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 崇
(72)【発明者】
【氏名】石原 一哉
【審査官】五閑 統一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-247412(JP,A)
【文献】特開2017-50342(JP,A)
【文献】特開2000-30520(JP,A)
【文献】特開2008-305713(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 19/00
F21V 23/06
H01L 33/62
F21Y 115/10
F21Y 103/10
F21Y 113/10
G02F 1/333
G02F 1/33357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の方向に伸延した基板と、
前記基板上に、前記所定の方向に沿って配置される複数の発光素子を含む第1列及び第2列であって、前記所定の方向に沿って間隔をあけて並ぶ第1列及び第2列と、
前記複数の発光素子の前記第1列を封止する第1封止材と、
前記複数の発光素子の前記第2列を封止する第2封止材と、
前記第1列を囲むように前記基板上に配置される第1枠体と、
前記第2列を囲むように前記基板上に配置される第2枠体と、
前記基板上に配置され、前記複数の発光素子と電気的に接続された複数の電極と、
を有する線状発光部と、を備え、
前記
第1枠体及び前記
第2枠体は、前記所定の方向に伸延した形状を有し、
前記
第1枠体は、前記所定の方向における前記第2
枠体に近い一方の端部側に配置される第1部分、及び、前記所定の方向における前記第2
枠体から遠い他方の端部側に配置される第2部分を含み、前記第1部分の光の透過率は、前記第2部分の透過率より高く、
前記
第2枠体は、前記所定の方向における前記第1
枠体に近い一方の端部側に配置される第3部分、及び、前記所定の方向における前記第1
枠体から遠い他方の端部側に配置される第4部分を含み、前記第3部分の光の透過率は、前記第4部分の透過率より高い、ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記第1封止材が配置される領域は、前記線状発光部の第1発光領域を規定し、
前記第2封止材が配置される領域は、前記線状発光部の第2発光領域を規定し、
前記第1発光領域の前記第2発光領域から離隔した第1領域の発光強度は、前記第1領域よりも前記第2発光領域に近接した前記第1発光領域の第2領域の発光強度より弱く、
前記第2発光領域の前記第1発光領域に近接した第3領域の発光強度は、前記第3領域よりも前記第1発光領域から離隔した前記第2発光領域の第4領域の発光強度より強い、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1列及び前記第2列に含まれる前記複数の発光素子は、前記所定の方向に並ぶ列を形成しており、
前記列において、前記発光素子同士の間隔は少なくとも部分的に異なっている、
請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第1列では、前記第1領域に配置される前記発光素子同士の第1間隔は、前記第2領域に配置される前記発光素子同士の第2間隔より広く、
前記第2列では、記第3領域に配置される前記発光素子同士の第3間隔は、前記第4領域に配置される前記発光素子同士の第4間隔より狭い、請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記第1枠体の高さは前記第1封止材の表面の位置よりも高く、前記第2枠体の高さは前記第2封止材の表面の位置よりも高い、請求項2~4の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項6】
所定の方向に伸延した基板と、
前記基板上に、前記所定の方向に沿って配置される複数の発光素子を含む第1列及び第2列であって、前記所定の方向に沿って間隔をあけて並ぶ第1列及び第2列と、
前記第1列を囲むように前記基板上に配置される第1枠体と、
前記第2列を囲むように前記基板上に配置される第2枠体と、
前記複数の発光素子を封止するために前記第1枠体の内側に配置される第1封止材と、
前記複数の発光素子を封止するために前記第2枠体の内側に配置される第2封止材と、
前記基板上に配置され、前記複数の発光素子と電気的に接続された複数の電極と、
を有する線状発光部と、
前記第1列に対向する第1平坦部、前記第2列に対向する第2平坦部、及び前記第1平坦部と前記第2平坦部との間に配置され、及び前記線状発光部に向かって突出する突出部を有する入射面、及び、前記入射面から入射した光を出射する出射面を有する導光板と、を備え、
前記突出部は、前記第1枠体の前記第2枠体側の端部に対向するように傾斜して配置される第1入光面と、前記第2枠体の前記第1枠体側の端部に対向するように傾斜して配置される第2入光面とを備える、ことを特徴とする発光装置。
【請求項7】
前記第1枠体の内側領域は、前記線状発光部の第1発光領域を規定し、
前記第2枠体の内側領域は、前記線状発光部の第2発光領域を規定する、請求項5又は6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記第1列に対向する第1平坦部、前記第2列に対向する第2平坦部、及び前記第1平坦部と前記第2平坦部との間に配置され、及び前記線状発光部に向かって突出する突出部を有する入射面、及び、前記入射面から入射した光を出射する出射面を有する導光板を更に備え、
前記突出部は、前記第1発光領域と前記第2発光領域との間の領域に近接するように配置される、請求項7に記載の発光装置。
【請求項9】
前記突出部は、前記第1発光領域と前記第2発光領域との間の領域に当接するように配置される、請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】
前記突出部の高さは、前記第1枠体及び前記第2枠体の高さよりも高い、請求項8又は9に記載の発光装置。
【請求項11】
所定の方向に伸延した基板と、
前記基板上に、前記所定の方向に沿って配置される複数の発光素子を含む列と、
前記複数の発光素子の前記列を封止する封止材と、
前記列を囲むように前記基板上に配置される枠体と、
前記基板上に配置され、前記複数の発光素子と電気的に接続された複数の電極と、
を有する線状発光部と、を備え、
前記
枠体は、前記所定の方向に伸延した形状を有し、前記
枠体は、第1部分及び、第2部分を含み、前記第1部分の光の透過率は、前記第2部分の透過率より高い、ことを特徴とする発光装置。
【請求項12】
前記封止材が配置される領域は、前記線状発光部の発光領域を規定し、
前記発光領域の第1領域の発光強度は、第2領域の発光強度より弱い、請求項11に記載の発光装置。
【請求項13】
前記列において、前記発光素子同士の間隔は少なくとも部分的に異なっている、請求項11に記載の発光装置。
【請求項14】
前記列では、前記発光領域に配置される前記発光素子同士の第1間隔は、発光素子同士の第2間隔より広い、請求項12に記載の発光装置。
【請求項15】
前記列を囲むように前記基板上に配置される1枠体を更に有し、
前記枠体の高さは前記封止材の表面の位置よりも高い、請求項11に記載の発光装置。
【請求項16】
前記基板の裏面は、樹脂よりも高い熱伝導率の金属の表面処理層が形成される、請求項1又は11に記載の発光装置。
【請求項17】
前記基板の前記所定の方向に直交する方向の端部は、第1封止材及び第2封止材、又は前記封止材の端部と一致する、請求項1又は11に記載の発光装置。
【請求項18】
前記基板の裏面は、凹凸が形成される、請求項1又は11に記載の発光装置。
【請求項19】
前記複数の発光素子に電力を供給する接続パッド、又は前記線状発光部の動作を検査するための電圧が印加される検査電極を更に有する、請求項1又は11に記載の発光装置。
【請求項20】
前記複数の発光素子は、前記所定の方向に直交する方向に交互に位置をずらしながら、前記所定の方向に沿って線状に配置される、請求項1又は11に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、面状発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶パネル装置等の透過型の表示パネル装置、シーリングライト等の照明装置及びデジタルサイネージ等の情報表示装置において、光を面状に発光する面状発光装置が光源として用いられている。
【0003】
様々な情報を表示する表示パネル装置及び情報表示装置は、太陽の光がある明るい屋外で使用される場合がある。また、照明装置も、広い部屋で用いられる場合には、部屋の隅々まで光を照らすように、高い輝度の光を照射することが求められる場合がある。
【0004】
例えば、液晶パネル装置等の透過型の表示パネル装置は、高機能携帯端末の表示部として使用されており、様々な環境において使用され得る。
【0005】
液晶パネル等の透過型の表示パネルを背面から照らす面状発光装置は、透過型表示パネルを背面から照らすのでバックライト装置ともいわれる。
【0006】
バックライト装置は、液晶パネル等の透過型の表示パネル装置を背面から照らして画像の形成に寄与する。
【0007】
面状発光装置は、発光装置が発光する光を入射する入射面と入射した光を出射する出射面とがほぼ直交して配置されるエッジ型の面状発光装置と、入射面と出射面とが対向して配置される直下型の面状発光装置との2つの形式が知られている。
【0008】
エッジ型の面状発光装置は、1つ以上の側面を持つ導光板を備え、導光板の1つの側面が発光装置の発光領域と対向して配置される入射面として用いられる。入射面から入射した光は、導光板内を伝搬しながら、入射面に対してほぼ直交して配置される出射面から出射する。1つ以上の側面を持つ導光板は、長辺を形成する側面と短辺を形成する側面とを有するが、入射面として長辺を形成する側面が用いられることが多い。エッジ型の多くの面状発光装置は、導光板の長手方向に伸延する入射面に対向して配置される線状発光部を光源として備える。
【0009】
例えば、特開2010-146931号公報の
図1には、4個のLEDチップがリードフレームに実装された3個のパッケージと、この3個のパッケージが直線的に取り付けられた長尺状の絶縁基板とを有する線状発光部が示される。また、特開2010-146931号公報の
図5には、線状発光部を備えたエッジ型の面状照明装置が示される。
【発明の概要】
【0010】
近年、屋外等の明るい環境下においても、表示パネル装置の充分な視認性を確保するために、バックライト装置が出射する光の輝度を更に向上することが求められている。
【0011】
輝度を向上する方法として、線状発光部が有するLEDチップの数を増加することがある。
【0012】
しかし、特開2010-146931号公報に記載された線状発光部では、絶縁基板の長さは固定されているので、絶縁基板に取り付けられるパッケージの数を増やすことは容易ではない。また、一つのパッケージに実装されるLEDチップの数は、リードフレームの放熱性及び加工精度等の制約を受けるので、実装されるLEDチップの数を大きく増大することも困難である。
【0013】
例えば、特開2013-214362号公報に記載されるように、照明装置及び情報表示装置においても、表示パネル装置と同様に、面状発光装置の輝度を向上することが求められている。
【0014】
本明細書では、高い輝度の光を出射可能な面状発光装置を提供することを目的とする。
【0015】
本明細書に開示する面状発光装置は、線状発光部と、導光板とを備える。線状発光部は、所定の方向に伸延した基板と、基板上に、所定の方向に沿って配置される複数の発光素子を含む第1列及び第2列と、第1列を囲むように基板上に配置される第1枠体と、第2列を囲むように基板上に配置される第2枠体と、複数の発光素子を封止するために第1枠体の内側に配置される第1封止材と、複数の発光素子を封止するために第2枠体の内側に配置される第2封止材と、基板上に配置され、複数の発光素子と電気的に接続された複数の電極と、を有する。第1列及び第2列は、所定の方向に沿って間隔をあけて並ぶ。導光板は、第1列に対向する第1平坦部、第2列に対向する第2平坦部、及び第1平坦部と第2平坦部との間に配置され、及び線状発光部に向かって突出する突出部を有する入射面、及び、入射面から入射した光を出射する出射面を有する。突出部は、第1枠体の第2枠体側の端部に対向するように傾斜して配置される第1入光面と、第2枠体の第1枠体側の端部に対向するように傾斜して配置される第2入光面とを備える。
【0016】
また、面状発光装置において、第1枠体の内側領域は、線状発光部の第1発光領域を規定し、第2枠体の内側領域は、線状発光部の第2発光領域を規定することが好ましい。
【0017】
また、面状発光装置において、第1発光領域と第2発光領域との間の領域に近接するように配置されることが好ましい。
【0018】
また、面状発光装置において、突出部は、第1発光領域と第2発光領域との間の領域に当接するように配置されることが好ましい。
【0019】
また、面状発光装置において、突出部の高さは、第1枠体及び第2枠体の高さよりも高いことが好ましい。
【0020】
また、面状発光装置において、第1枠体及び第2枠体は、所定の方向に伸延した形状を有し、第1枠体は、所定の方向における第2枠体に近い一方の端部側に配置される第1部分、及び、所定の方向における第2枠体から遠い他方の端部側に配置される第2部分を含み、第1部分の光の透過率は、第2部分の透過率より高く、第2枠体は、所定の方向における第1枠体に近い一方の端部側に配置される第3部分、及び、所定の方向における第1枠体から遠い他方の端部側に配置される第4部分を含み、第3部分の光の透過率は、第4部分の透過率より高いことが好ましい。
【0021】
また、面状発光装置において、第1発光領域の第2発光領域から離隔した第1領域の発光強度は、第1領域よりも第2発光領域に近接した第1発光領域の第2領域の発光強度より弱く、第2発光領域の第1発光領域に近接した第3領域の発光強度は、第3領域よりも第1発光領域から離隔した第2発光領域の第4領域の発光強度より強いことが好ましい。
【0022】
また、面状発光装置において、第1列及び第2列に含まれる複数の発光素子は、所定の方向に並ぶ列を形成しており、列において、発光素子同士の間隔は少なくとも部分的に異なっていることが好ましい。
【0023】
また、面状発光装置において、第1列では、第1領域に配置される発光素子同士の第1間隔は、第2領域に配置される発光素子同士の第2間隔より広く、第2列では、記第3領域に配置される発光素子同士の第3間隔は、第4領域に配置される発光素子同士の第4間隔より狭いことが好ましい。
【0024】
また、面状発光装置において、第1枠体の高さは第1封止材の表面の位置よりも高く、第2枠体の高さは第2封止材の表面の位置よりも高いことが好ましい。
【0025】
上述した本明細書に開示する面状発光装置は、高い輝度の光を出射可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本明細書に開示する面状発光装置の一実施形態の斜視図である。
【
図2】本明細書に開示する面状発光装置の一実施形態の分解斜視図である。
【
図3】本明細書に開示する面状発光装置の一実施形態の要部の平面図である。
【
図4】本明細書に開示する面状発光装置の一実施形態の線状発光部の拡大平面図である。
【
図6】本明細書に開示する面状発光装置の一実施形態の線状発光部の配線部の拡大平面図である。
【
図7】(A)は、
図1のA-A’線拡大断面図であり、(B)は、(A)の要部の拡大図である。
【
図9】本明細書に開示する面状発光装置の一実施形態の線状発光部の変形例1の拡大平面図である。
【
図11】本明細書に開示する面状発光装置の一実施形態の線状発光部の変形例2の拡大平面図である。
【
図12】本明細書に開示する面状発光装置の一実施形態の線状発光部の変形例3の拡大平面図である。
【
図14】本明細書に開示する面状発光装置の一実施形態の線状発光部の変形例4の拡大平面図である。
【
図15】本明細書に開示する面状発光装置の一実施形態の線状発光部の変形例5の拡大断面図である。
【
図16】本明細書に開示する面状発光装置の一実施形態の線状発光部の変形例6の拡大断面図である。
【
図17】本明細書に開示する面状発光装置の変形例の斜視図である。
【
図21】変形例8に係る面状発光装置の
図8に対応する拡大平面図である。
【
図22】本明細書に開示する面状発光装置の一実施形態の線状発光部の変形例9の拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本明細書で開示する面状発光装置の好ましい一実施形態を、図を参照して説明する。但し、本発明の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
【0028】
本明細書では、液晶パネル等の透過型の表示パネルを背面から照らす光源として使用される面状発光装置を例にして以下に説明を行うが、本明細書で開示する面状発光装置の用途はこれに限定されるものではない。例えば、本明細書で開示する面状発光装置は、照明装置及び情報表示装置の光源としても使用され得る。
【0029】
図1は、本明細書に開示する面状発光装置の一実施形態の斜視図である。
図2は、本明細書に開示する面状発光装置の一実施形態の分解斜視図である。
図3は、本明細書に開示する面状発光装置の一実施形態の要部の平面図である。
図4は、本明細書に開示する面状発光装置の一実施形態の線状発光部の拡大平面図である。
図5は、
図4のB-B’線断面図である。
図6は、本明細書に開示する面状発光装置の一実施形態の線状発光部の配線部の拡大平面図である。
図7(A)は、
図1のA-A’線拡大断面図であり、
図7(B)は、
図7(A)の要部の拡大図である。
図8は、
図3の要部の拡大平面図である。
【0030】
本実施形態の面状発光装置10は、線状発光部11と、導光板12と、反射シート14と、スペーサ15と、拡散シート16と、集光シート17と、反射型偏光板18と、線状発光部11~反射型偏光板18を内部に収納する収納ケース10aとを備える。面状発光装置10は、所定の方向に伸延した扁平な直方体の形状を有する。
【0031】
下ケース13は、底部13aと、4つの側部13b、13c、13d及び13eを有する。底部13aと、4つの側部13b、13c、13d及び13eに囲まれて、空間13fが形成される。空間13fの上方は、外部に露出している。
【0032】
上ケース19が空間13fを覆うように下ケース13上に配置されて、収納ケース10aが形成される。
【0033】
下ケース13の底部13aは矩形の形状を有する。導光板12と、反射シート14と、拡散シート16と、集光シート17と、反射型偏光板18の輪郭は、概ね底部13aの形状と一致する。
【0034】
反射シート14は、底部13a上に配置される。更に、反射シート14上に、導光板12と、拡散シート16と、集光シート17と、反射型偏光板18が、輪郭を概ね一致させて順番に配置され、上ケース19が、反射型偏光板18を覆うように、下ケース13上に配置される。
【0035】
上ケース19は、大きな開口部19aを有しており、開口部19aから反射型偏光板18が露出する。線状発光部11が出射した光は、開口部19aから面状発光装置10の外部へ面状に出射される。
【0036】
導光板12は、線状発光部11が出射する光を入射する入射面12bと、入射面12bから入射した光を出射する出射面12dと、出射面12dと対向する反射面12aと、入射面12bと対向する対向面12cを有する。導光板12は、面状発光装置10の長手方向に伸延した、扁平な直方体の形状を有する。導光板12は、入射面12bから入射した光を導光しながら進行方向を変化させて、入射面12bと直交する略矩形状の出射面12dから出射する。導光板12は、線状発光部11が発光する光を伝搬する材料を用いて形成される。導光板12は、例えば、ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂等の樹脂を用いて形成される。また、導光板12は線状発光部11から高輝度の光を入射し得るので、耐光性の高い材料を用いて形成してもよい。耐光性の高い材料として、例えば、ガラスを用いることができる。
【0037】
入射面12bは、導光板12の長手方向に伸延した矩形の形状を有する。
【0038】
入射面12bの長手方向の両側には、突起部12eが配置される。線状発光部11は、下ケース13内において、一対の突起部12eと入射面12bとに囲まれた空間に配置される。
【0039】
導光板12の反射面12aには、微細な凹凸構造が設けられている。導光板12内で反射面12aに進んだ光は、この凹凸構造により進行方向が出射面12d側へ変えられて、出射面12dから出射する。
【0040】
なお、導光板12の形状は、長手方向に伸延した矩形に限定されるものではない。導光板12の形状は、面状発光装置10が組み込まれる装置が出射する光の面形状に対応させて適宜決定され得る。例えば、導光板12の形状は、正方形、4角形以外の多角形、楕円形であってもよい。また、例えば、面状発光装置10が、照明装置の光源として用いられる場合には、導光板12の形状は、円形、楕円形、多角形の形状であってもよい。
【0041】
線状発光部11は、面状発光装置10の長手方向に伸延した、細長い矩形の形状を有する。線状発光部11は、実装基板11j及び回路基板11iを有する基板部11dと、複数の発光素子11gを含む第1発光素子列11p1及び第2発光素子列11p2とを有する。線状発光部11は、第1発光素子列11p1を囲むように実装基板11j上に配置される第1枠体11a1と、第2発光素子列11p2を囲むように実装基板11j上に配置される第2枠体11a2とを更に有する。線状発光部11は、複数の発光素子11gを封止するために第1枠体11a1の内側に配置される第1封止材11b1と、複数の発光素子11gを封止するために第2枠体11a2の内側に配置される第2封止材11b2とを更に有する。線状発光部11は、第1枠体11a1と第2枠体11a2との間で実装基板11j上に配置されるコネクタ11cと、検査電極11e、11fを有する。コネクタ11cは、外部電源から供給される電力を第1発光素子列11p1及び第2発光素子列11p2の複数の発光素子11gに供給する。
図4に示すように、線状発光部11の長手方向を、以下X軸方向ともいう。また、線状発光部11の長手方向と直交する幅方向を、以下Y軸方向ともいう。また、第1発光素子列11p1及び第2発光素子列11p2のそれぞれは、第1列及び第2列とも称される。
【0042】
線状発光部11の長手方向において、第1端部11m側から第2端部11n側に向かって、第1発光領域11l1と、コネクタ11cと、検査電極11e、11fと、第2発光領域11l2とが順番に配置される。
【0043】
第1枠体11a1に囲まれた第1封止材11b1の表面は、光を出射する第1発光領域11l1を形成する。同様に、第2枠体11a2に囲まれた第2封止材11b2の表面は、光を出射する第2発光領域11l2を形成する。すなわち、第1枠体11a1の内側領域が線状発光部11の第1発光領域11l1を規定し、第2枠体11a2の内側領域が線状発光部11の第2発光領域11l2を規定する。
【0044】
図3及び
図8に示すように、上述した導光板12の入射面12bは、第1枠体11a1内の第1発光素子列11p1と対向する第1平坦部d1と、第2枠体11a2内の第2発光素子列11p2と対向する第2平坦部d2と、突出部d3を有する。第1平坦部d1は、平坦な面を有しており、第1枠体11a1との間隔はほぼ一定である。第2平坦部d2も、平坦な面を有しており、第2枠体11a2との間隔はほぼ一定である。突出部d3は、第1平坦部d1及び第2平坦部d2よりも、線状発光部11側に向かって突出し、第1枠体11a1と第2枠体11a2との間の領域に近接するように配置される。
【0045】
突出部d3は、第1入光面d31と、第2入光面d32と、先端部d33を有し、コネクタ11c及び検査電極11e、11fに向かって突出する。第1入光面d31は、第1枠体11a1の第2枠体11a2側の端部である第1部分f1に対向し、第1発光素子列11p1に含まれる複数の発光素子11gから出射した光が入射するように、第1平坦部d1の一端から傾斜して配置される。第2入光面d32は、第2枠体11a2の第1枠体11a1側の端部である第1部分f1に対向し、第2発光素子列11p2に含まれる複数の発光素子11gから出射した光が入射するように、第2平坦部d2の一端から傾斜して配置される。先端部d33は、第1入光面の一端と第2入光面の一端との間に第1平坦部d1及び第2平坦部d2に平行に延伸する。第1入光面d31及び第2入光面d32が第1平坦部d1及び第2平坦部d2の延伸方向から傾斜して延伸することで、突出部d3は、テーパ状の形状を有する。また、突出部d3の高さは、第1枠体11a1及び第2枠体11a2の高さよりも高い。
【0046】
第1入光面d31及び第2入光面d32の延伸方向と、第1平坦部d1及び第2平坦部d2の延伸方向との間の傾斜角θは、30°以上70°以下であることが好ましい。傾斜角θが30°未満であると、突出部d3の幅が広くなり突起部d3及び突起部d3の周辺部に暗部が生じるおそれかある。傾斜角θが70°より大きくなると、突起部d3に十分な光が入射せずに突起部d3及び突起部d3の周辺部に暗部が生じるおそれかある。
【0047】
第1発光領域11l1は、第1端部11m側の突起部12eと、突出部d3との間に配置される。突起部12eは、導光板12の入射面12bに直交する方向に延伸する側面を有する。一方、突出部d3は、導光板12の入射面12bから傾斜して延伸する第1入光面d31を有する。第1平坦部d1の側面は、入射面12bに直交する方向に延伸し、第1入光面d31は、入射面12bから傾斜して延伸するので、第1発光領域11l1は、導光板12の入射面12bから突出する非対称な形状を有する凸部に囲まれるように配置される。同様に、第2発光領域11l2は、導光板12の入射面12bから突出する非対称な形状を有する凸部に囲まれるように配置される。
【0048】
コネクタ11c及び検査電極11e、11fと対向する突出部d3は、第1平坦部d1及び第2平坦部d2のように、第1発光領域11l1又は第2発光領域11l2と対向しないが、第1入光面d31及び第2入光面d32から光が照射される。
【0049】
また、入射面12bは、突出部d3を有することで、第1平坦部d1及び第2平坦部d2の間に突出部d3を有していない場合と比べて、第1発光素子列11p1及び第2発光素子列11p2が出射する光をより多く入射することができる。
【0050】
面状発光装置10は、入射面12bの突出部p3に入射する光量と、第1平坦部p1及び第2平坦部p2に入射する光量との差が小さくなるので、導光板12の出射面12dから出射する光の面内の均一性を向上できる。
【0051】
例えば、線状発光部11の長手方向の寸法は約340mmとしてもよく、幅方向の寸法は約4mmとしてもよく、線状発光部11の厚さは約1.4mmとしてもよい。
【0052】
実装基板11jは、細長い矩形の形状を有する。実装基板11jの長手方向は、線状発光部11の長手方向と一致し、実装基板11jの幅方向は、線状発光部11の幅方向と一致する。実装基板11jは、例えば、アルミニウム等の金属、又はセラミックス等の電気絶縁性の材料を用いて形成される。実装基板11jは、平坦な表面を有し、この平坦な表面上に、複数の発光素子11gが配置される。実装基板11jの表面を平坦にすることで、複数の発光素子11gは、高い密度で実装基板11j上に配置可能になる。
【0053】
例えば、実装基板11jの厚さは約0.9mmとしてもよい。
【0054】
回路基板11iは、実装基板11jと同じ輪郭を有し、実装基板11j上に配置される。回路基板11iの長手方向は、線状発光部11の長手方向と一致し、回路基板11iの幅方向は、線状発光部11の幅方向と一致する。
【0055】
回路基板11iは、幅方向の中央部に、長手方向に並んだ2つの細長い第1開口部11о1及び第2開口部11о2を有する。第1開口部11о1及び第2開口部11о2から実装基板11jの平坦な表面が露出する。回路基板11iは、接着シート等の接着材によって実装基板11j上に貼り付けられる。回路基板11iは、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂又はポリエステル樹脂等の電気絶縁性の樹脂を用いて形成される。
【0056】
図6に示すように、回路基板11iの表面には、第1開口部11о1及び第2開口部11о2を挟むように、一対の配線部20、21が配置される。一対の配線部20、21は、回路基板11iの長手方向に伸延するように、回路基板11iの幅方向に間隔を開けて配置される。配線部20、21は、例えば、金又は銅等の導電体が、回路基板11i上にパターニングされて形成される。配線部20、21は、複数の発光素子11gと電気的に接続される電極としても機能する。配線部20、21は、コネクタ11cを介して外部から電力が供給される。
【0057】
配線部20、21の間には、複数の発光素子11gが、線状発光部11の長手方向に沿って配置される。
【0058】
配線部20、21における長手方向の中央部20d、21dには、コネクタ11cが配置される。コネクタ11cは、外部電源(図示せず)から供給される電力を配線部20、21に供給する。また、配線部20、21における長手方向の中央部20d、21dに隣接して、コネクタ11cを、ハンダ等を用いて回路基板11iに接合するための接合パッド24a、24bが配置される。
【0059】
図6に示すように、配線部20及び配線部21における第1端部11m側の端部20b、21b同士は、ツェナーダイオード23を介して電気的に接続される。同様に、配線部20及び配線部21における第2端部11n側の端部20a、21a同士も、ツェナーダイオード23を介して電気的に接続される。ツェナーダイオード23は、配線部20と配線部21との間に過電圧が印加されたときにツェナー電圧を流すことで、複数の発光素子11gに対して過電圧が印加されることを防止する。
【0060】
また、配線部20、21における長手方向の中央部20d、21dには、コネクタ11cと隣接して検査電極11e、11fが配置される。検査電極11e、11fは、製造工程において線状発光部11の動作を検査するための電圧を印加するために用いられる。
【0061】
コネクタ11cには、外部電源からケーブル25を介して電力が供給される。コネクタ11cに接続されるケーブル25は、反射シート14の開口部14a及び下ケース13の底部13aに設けられた開口部13gを通って外部へ延出可能である。
【0062】
配線部21には、発光素子11gを実装基板11j上に配置する時のマーカとして機能する複数の凹部21cが配置される。
【0063】
また、配線部20には、ワイヤ11hを実装基板11j上に配置する時のマーカとして機能する複数の凹部20cが配置される。
【0064】
回路基板11i及び配線部20、21は、コネクタ11cが配置される領域及び検査電極11e、11fを除いて、絶縁性の膜であるソルダレジスト11kによって覆われて保護される。
【0065】
発光素子11gは、例えば、矩形上に形成された青色の光を出射する半導体発光素子である。発光素子11gは、例えば、LEDダイである。LEDダイは、発光ダイオードのダイにカソード端子及びアノード端子が電気的に接続された素子である。複数の発光素子11gが、回路基板11iの第1開口部11о1内の実装基板11j上に、線状発光部11の長手方向に沿って直線状に配置される。複数の発光素子11gは、線状発光部11の長手方向に並ぶ第1発光素子列11p1を形成する。同様に、複数の発光素子11gは、線状発光部11の長手方向に並ぶ第2発光素子列11p2を形成する。第1発光素子列11p1と、第2発光素子列11p2は、線状発光部11の長手方向において、コネクタ11c及び検査電極11e、11fを挟んで配置される。
【0066】
発光素子11gは、その上面が実装基板11jの表面と平行に配置されることが好ましい。発光素子11gは、例えば、実装基板11j上にダイボンドにより接着される。発光素子11gとして、例えば発光波長域が440~455nmのInGaN系化合物半導体等を用いることができる。
図4に示す例では、矩形の発光素子11gは、辺同士を互いに対向させて実装基板11j上に配置されているが、発光素子11gを45度回転させて、互いの頂点同士を対向させるように、発光素子11gを実装基板11j上に配置してもよい。
【0067】
発光素子11gが、実装基板11j上に直接配置されることにより、発光する発光素子11gが生じる熱を実装基板11jに効率よく伝達できるので、発光素子11gの温度が上昇することが抑制される。発光素子11gを実装基板11j上に直接配置して発光素子11gが発した熱を実装基板11jから効率よく放熱できるので、線状発光部11は、発光素子11gを高い密度で、実装基板11j上に配置できる。
【0068】
発光素子11gは、カソード端子K及びアノード端子Aを有する。近接する発光素子11g同士は、カソード端子Kとアノード端子Aとが、ワイヤ11hを用いて互いに電気的に接続される。複数の発光素子11gが、電気的に接続されて一つの列を形成する。各列の両端に位置する発光素子11gのカソード端子K又はアノード端子Aは、ワイヤ11hを介して配線部20、21と電気的に接続される。
【0069】
第1発光素子列11p1及び第2発光素子列11p2では、8個の発光素子11gが直列接続された13列の発光素子群が、配線部20、21の間に並列接続されている。すなわち、第1発光素子列11p1及び第2発光素子列11p2のそれぞれは、104個の発光素子11gを有する。なお、ワイヤ11hは、封止材11bにより封止されているが、図では、分りやすくするために、実線で示している。
【0070】
外部電源からコネクタ11cを介して、配線部20、21に直流電圧が印加されることによって、発光素子11gは発光する。
【0071】
線状発光部11では、複数の発光素子11gが実装基板11j上に直接配置されるので、線状発光部11の長手方向において、単位長さあたりに多数の発光素子11gを配置することが可能となる。
【0072】
一列あたりに配置される発光素子11gの数は、駆動回路の出力電圧に応じて適宜決定され得る。また、線状発光部11に配置される列の数は、面状発光装置に求められる輝度に応じて適宜決定され得る。
【0073】
例えば、発光素子11gを平面視した寸法は、約0.6mm×0.6mmとしてもよい。また、隣接する発光素子11gの間隔は、約1.4mmとしてもよい。発光素子11gが配置される実装基板11jの表面が平坦であるとき、隣接する発光素子11gの間隔は、約0.1mm程度にしてもよい。
【0074】
第1枠体11a1は、直線状に配置される複数の発光素子11gを囲むように、回路基板11iの第1開口部11о1に沿って配置される。第1枠体11a1の長手方向は、線状発光部11の長手方向と一致する。第1枠体11a1の幅方向は、線状発光部11の幅方向と一致する。第1枠体11a1は、線状発光部11の長手方向に伸延した環状の形状を有する。第1枠体11a1は、ダム材とも称される。
【0075】
第1枠体11a1は、長尺状のほぼ同じ幅の連続体が、環状に配置されて形成される。
【0076】
第2枠体11a2は、直線状に配置される複数の発光素子11gを囲むように、回路基板11iの第2開口部11о2に沿って配置される。第2枠体11a2の長手方向は、線状発光部11の長手方向と一致する。第2枠体11a2の幅方向は、線状発光部11の幅方向と一致する。第2枠体11a2は、線状発光部11の長手方向に伸延した環状の形状を有する。第2枠体11a2は、ダム材とも称される。
【0077】
第2枠体11a2は、長尺状のほぼ同じ幅の連続体が、環状に配置されて形成される。
【0078】
図8に示すように、第1枠体11a1と第2枠体11a2との間には、コネクタ11c及び検査電極11e、11fが配置される。コネクタ11c及び検査電極11e、11fと対向するように、導光板12の突出部d3が配置される。突出部d3と第1枠体11a1内の第1発光領域11l1又は第2枠体11a2内の第2発光領域11l2との距離は、第1平坦部d1と第1発光領域11l1との距離及び第2平坦部d2と第2発光領域11l2との距離よりも長い。突出部d3に入射する光量は、第1平坦部d1及び第2平2坦部d2に入射する光量よりも少ないので、導光板12の出射面12dにおいて、長手方向の中央の光強度は、長手方向の両側よりも弱くなるおそれがある。本実施形態の線状発光部11では、以下に説明するように、突出部d3に対しても、光が十分に照射される。
【0079】
図4に示すように、第1枠体11a1は、長手方向におけるコネクタ11cが配置される第2端部11n側に配置される第1部分f1、及び、長手方向におけるコネクタ11cが配置されない第1端部11m側に配置される第2部分f2を含む。第2部分f2は、複数の発光素子11gに基づいて生成される光の透過率が、第1部分f1よりも低い。すなわち、第1部分f1は、複数の発光素子11gに基づいて生成される光の透過率が、第2部分f2よりも高い。複数の発光素子11gに基づいて生成される光は、発光素子11gが出射する光と、後述する蛍光体により波長変換された光を含む。第1部分f1及び第2部分f2は、連続体の一部を形成する。
【0080】
第1部分f1は、第1枠体11a1の内方に向かって凹に湾曲した形状を有する。第2部分f2は、第1枠体11a1の幅方向に間隔を開けて対向して配置される一対の直線部と、第1枠体11a1の内方に向かって凹に湾曲した形状を有し、一対の直線部における第1端部11m側の端部同士を接続する湾曲部とを有する。第1部分f1は、第2部分f2の一対の直線部における第2端部11n側の端部同士を接続する。
【0081】
発光素子11gから第1枠体11a1の第1部分f1に向けて出射された光及び蛍光体により波長変換された光は、第1枠体11a1を透過する。一方、発光素子11gから第1枠体11a1の第2部分f2に向けて出射された光及び蛍光体により波長変換された光は、第1枠体11a1の内側、すなわち発光素子11g側の表面で反射されて線状発光部11の上方に出射される。
【0082】
本実施形態の線状発光部11では、光を出射する第1発光領域11l1は、封止材11bの表面及び第1部分f1の表面を含む。
【0083】
上述した第1枠体11a1の第1部分f1及び第2部分f2の説明は、第2枠体11a2の第1部分f1及び第2部分f2に対しても適宜適用される。例えば、第2発光領域11l2は、封止材11bの表面及び第1部分f1の表面を含む。第2枠体11a2は、長手方向におけるコネクタ11cが配置される第1端部11m側に配置される第1部分f1、及び、長手方向におけるコネクタ11cが配置されない第2端部11n側に配置される第2部分f2を含む。第2発光領域11l2の第1部分f1は第3部分とも称され、第2発光領域11l2の第2部分f2は第4部分とも称される。第2発光領域11l2では、第1部分f1は、複数の発光素子11gに基づいて生成される光の透過率が、第2部分f2よりも高い。
【0084】
図8に示すように、第1発光領域11l1が出射する光の一部は、第1部分f1を透過して、導光板12の突出部d3を照射する。また、第2部分f2に囲まれた第1発光領域11l1から出射した光は、対向する導光板12の第1平坦部d1を照射する。
【0085】
また、第2発光領域11l2が出射する光の一部は、第1部分f1を透過して、導光板12の突出部d3を照射する。また、第2部分f2に囲まれた第2発光領域11l2から出射した光は、対向する導光板12の第2平坦部d2を照射する。
【0086】
線状発光部11では、入射面12bにおける長手方向の中央に入射する光量と、入射面12bにおける長手方向の両側に入射する光量との差が小さくなるので、導光板12の出射面12dから出射する光の面内の均一性を向上できる。
【0087】
第1部分f1における複数の発光素子11gに基づいて生成される光の透過率は、好ましくは50~100%、より好ましくは75~100%である。
【0088】
第2部分f2における複数の発光素子11gに基づいて生成される光の透過率は、好ましくは0~50%、より好ましくは0~25%である。
【0089】
第1部分f1における複数の発光素子11gに基づいて生成される光の反射率は、好ましくは0~50%、より好ましくは0~25%である。
【0090】
第2部分f2における複数の発光素子11gに基づいて生成される光の反射率は、好ましくは50~100%、より好ましくは75~100%である。
【0091】
第1部分f1は、例えば、シリコン樹脂又はエポキシ樹脂等の樹脂を用いて形成される。また、第1部分の幅は1mmとしてもよく、第1部分f1の高さは0.5mmとしてもうよい。
【0092】
第2部分f2は、白色の樹脂で形成されることが好ましい。第2部分f2は、例えば、酸化チタン等の微粒子が分散されたシリコン樹脂又はエポキシ樹脂等の樹脂を用いて形成される。また、第2部分f2の幅は1mmとしてもよく、第2部分f2の高さは0.5mmとしてもよい。
【0093】
第1封止材11b1は、第1発光素子列11p1を形成する複数の発光素子11gを封止するために第1枠体11a1の内側で実装基板11j上に配置される。第1封止材11b1は、複数の発光素子11gに基づいて生成される光に対して透光性を有する樹脂に蛍光体が含有された部材である。複数の発光素子11gに基づいて生成される光は、発光素子11gが出射する光と、蛍光体により波長変換された光を含む。蛍光体は、発光素子11gが出射した青色光を吸収して黄色光に波長変換する、例えばYAG(yttrium aluminum garnet)等の粒子状の蛍光体材料である。青色光と蛍光体により波長変換された黄色光とが混合されることにより白色光が得られる。第1封止材11b1は、例えば、エポキシ樹脂又はシリコン樹脂等の樹脂に蛍光体が含有されて形成され得る。第1封止材11b1は、青色光を吸収して他の色の光(赤色、緑色等)に波長変換する蛍光体を有していてもよい。また、第1封止材11b1は、蛍光体を有さなくてもよい。
【0094】
図5に示すように、実装基板11jの表面を基準として、第1枠体11a1の高さ(頂点の位置)は、第1封止材11b1の表面の位置よりも高い。例えば、第1枠体11a1の高さを、第1封止材11b1の表面の位置よりも0.1mm高くしてもよい。
【0095】
上述した第1封止材11b1の説明は、第2封止材11b2に対しても適宜適用される。例えば、実装基板11jの表面を基準として、第2枠体11a2の高さ(頂点の位置)は、第2封止材11b2の表面の位置よりも高い。
【0096】
反射シート14は、導光板12の反射面12aから出射した光を、反射面12a側に向かって反射する。反射シート14は、例えば、光反射機能を有する金属板、フィルム、箔、銀蒸着膜が形成されたフィルム、アルミニウム蒸着膜が形成されたフィルム、又は白色シート等を用いることができる。
【0097】
反射シート14の厚さは、例えば、約0.2mmとすることができる。
【0098】
拡散シート16は、導光板12の出射面12dから出射した光が拡散しながら透過する。拡散シート16は、例えば、ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂等の樹脂にシリカ粒子等を分散して形成される。
【0099】
拡散シート16の厚さは、例えば、約0.1mmとすることができる。
【0100】
集光シート17は、拡散シート16から入射した光の配光分布を調整して、反射型偏光板18に向かって出射する。集光シート17は、反射型偏光板18側の面に微小な集光群を有する。集光シート17として、例えばプリズムシートを用いることができる。
【0101】
集光シート17の厚さは、例えば、約0.2mmとすることができる。
【0102】
反射型偏光板18は、集光シート17から入射した光のS成分及びP成分の中の何れか一方の成分を透過し、他方の成分を反射する。反射された成分の光は、反射シート14側に向かって進行した後、反射型偏光板18に再度入射するまでの間に反射型偏光板18を透過する成分の光に変換される。反射型偏光板18は、例えば、樹脂により形成される多層膜構造を有する。
【0103】
反射型偏光板18の厚さは、例えば、約0.4mmとすることができる。
【0104】
なお、導光板12上に配置されるシートは、上述した例に限定されるものではない。例えば、面状発光装置10が、一般の照明装置の光源として使用される場合、導光板12上に、第1の拡散シートと、第2の拡散シートとを順番に配置してもよい。また、面状発光装置10が、大型のディスプレイ装置の光源として使用される場合、導光板12上に、第1の拡散シートと、第2の拡散シートと、集光シートとを順番に配置してもよい。また、面状発光装置10が、大型、中型又は小型のディスプレイ装置の光源として使用される場合、導光板12上に、拡散シートと、集光シートとを順番に配置してもよい。また、面状発光装置10が、小型のディスプレイ装置の光源として使用される場合、導光板12上に、拡散シートと、第1の集光シートと、第2の集光シートを順番に配置してもよい。
【0105】
図3は、下ケース13と、下ケース13内に配置された反射シート14と、導光板12と、接着材10bと、線状発光部11と、スペーサ15を示す平面図である。
【0106】
図3に示すように、線状発光部11は、その長手方向を、下ケース13の長手方向と一致させて、接着材10bを介して、下ケース13の側部13b上に固定される。接着材10bは、高い熱伝導性を有することが好ましい。なお、接着材10bは、線状発光部11の長手方向の全体にわたって配置されなくてもよい。この場合、接着材10bが配置されない線状発光部11と側部13bとの間に熱伝導グリースが配置されてもよい。また、線状発光部11における実装基板11jの裏面に凹凸を形成することで、実装基板11jと接着材10bとの間の接着強度は、向上する。実装基板11jの裏面の凹凸は、例えば、サンドブラスト等の機械的処理、エッチング等の化学的処理又はプラズマ等の物理的処理を用いて形成される。
【0107】
導光板12は、その入射面12bが、線状発光部11の第1発光領域11l1及び第2発光領域11l2と対向するように、下ケース13の空間13fに収納される(
図7(B)参照)。また、導光板12は、一対の突起部12eが、線状発光部11の長手方向の第1端部11m及び第2端部11nと当接するように、下ケース13の空間13fに配置される。
【0108】
導光板12の対向面12cにおける長手方向の両端部と、下ケース13の側部13cとの間には弾性を有するスペーサ15が配置される。導光板12は、対向面12cにおける長手方向の両端部がスペーサ15によって、線状発光部11側に押圧される。導光板12における一対の突起部12eが、線状発光部11の長手方向の第1端部11m及び第2端部11nを押圧するので、導光板12が下ケース13の空間13f内に固定される。
【0109】
また、
図4に示すように、線状発光部11では、実装基板11jにおける長手方向と直交する幅方向の中心を通る中心軸L1と、第1枠体11a1及び第2枠体11a2における長手方向と直交する幅方向の中心を通る中心軸L2とは一致していない。第1枠体11a1及び第2枠体11a2は、中心軸L2に対してほぼ線対称に形成される。その結果、第1枠体11a1及び第2枠体11a2と実装基板11jにおけるY軸の正方向側の端縁との距離S1は、第1枠体11a1及び第2枠体11a2と実装基板11jにおけるY軸の負方向側の端縁との距離S2よりも広くなる。
【0110】
図7(B)に示すように、線状発光部11の発光領域11lの光軸と、導光板12の入射面12bの光軸とが一致することで、線状発光部11が発光した光は、導光板12の入射面12bに効率よく入射される。
【0111】
収納ケース10a内では、導光板12の反射面12aの下には反射シート14のみが配置され、導光板12の出射面12dの上には、拡散シート16、集光シート17及び反射型偏光板18が配置される。導光板12の上下それぞれに配置されるシートの厚さが相違するので、線状発光部11では、距離S1が距離S2よりも長くすることで、線状発光部11の発光領域11lの光軸と、導光板12の入射面12bの光軸とは略一致する。
【0112】
次に、上述した本実施形態の面状発光装置10の動作について、以下に説明する。
【0113】
外部電力がコネクタ11cに供給されて、線状発光部11の発光素子11gは発光する。線状発光部11が線状に発光した光は、
図7(B)に示すように、発光領域11lから導光板12の入射面12bへ入射する。
【0114】
線状発光部11の第1封止材11b1及び第2封止材11b2の表面から出射した多くの光は、導光板12の入射面12bへ向かう。また、線状発光部11の第1封止材11b1及び第2封止材11b2の表面から出射した光の一部は、第1枠体11a1及び第2枠体11a2に向かって進行する。第1枠体11a1及び第2枠体11a2に向かった光は、第1枠体11a1及び第2枠体11a2の表面で反射して、導光板12の入射面12bへ向かう。第1枠体11a1及び第2枠体11a2に向かった光は、導光板12の入射面12bへ向かうように導光される。第1封止材11b1及び第2封止材11b2の表面の位置と、第1枠体11a1及び第2枠体11a2の高さとの関係は、線状発光部11の寸法又は線状発光部11と導光板12との位置関係に基づいて適宜設計可能である。また、面状発光装置10では、第1枠体11a1及び第2枠体11a2の高さを高くして、第1枠体11a1及び第2枠体11a2と導光板12の入射面12bとの距離を近接させることで、線状発光部11が発光した光は、効率よく入射面12bへ入射できる。
【0115】
導光板12の入射面12bへ入射した光は、導光板12を対向面12c側に向かって進行しながら、徐々に出射面12dから拡散シート16へ向かって出射する。また、一部の光は、反射シート14により反射されて、出射面12dから拡散シート16へ向かって出射する。線状発光部11が線状に発光した光は、導光板12の出射面12dから面状に出射する光に変換される。
【0116】
導光板12の出射面12dから面状に出射する光は、拡散シート16、集光シート17及び反射型偏光板18を透過して、面状発光装置10の外部へ出射される。
【0117】
上述した本実施形態の面状発光装置によれば、複数の発光素子が高い密度で配置される線状発光部を備えるので、高い輝度であり且つ面内の光強度の均一性の高い面状の光を出射可能である。
【0118】
次に、上述した本実施形態の面状発光装置が備える線状発光部の変形例1~変形例8を、
図9~
図22を参照しながら、以下に説明する。線状発光部の変形例では、例えば第1発光領域の第2発光領域から離隔した第1領域の発光強度は、第1領域よりも第2発光領域に近接した第1発光領域の第2領域の発光強度より弱くしてもよい。また、第2発光領域の第1発光領域に近接した第3領域の発光強度は、第3領域よりも第1発光領域から離隔した第2発光領域の第4領域の発光強度より強くしてもよい。
【0119】
図9は、本明細書に開示する面状発光装置の一実施形態の線状発光部の変形例1の拡大平面図である。
【0120】
本変形例の線状発光部31では、複数の発光素子11gは、上述した実施形態と同様に、線状発光部31の長手方向に並ぶ第1発光素子列11p1及び第2発光素子列11p2を形成する。以下、第1発光素子列11p1に対する説明は、第2発光素子列11p2に対しても適宜適用される。
【0121】
第1発光素子列11p1では、コネクタ11cに近接して配置される第2端部11n側における隣接する発光素子11g同士の間隔P2は、コネクタから離隔して配置されない第1端部11m側における隣接する発光素子11g同士の間隔P1より狭い。なお、
図9では、複数の発光素子11gは、見やすくするために実線で示され、一方、第1枠体11a1及び第2枠体11a2は、鎖線で示される。
【0122】
図10に示すように、線状発光部31の長手方向において、第1発光素子列11p1は、第1端部11m側から第2端部11n側に向かって、第1領域R1及び第2領域R2に分かれている。第1領域R1には、8個の発光素子11gが間隔P1で配置される列が8個形成され、第2領域R2には、8個の発光素子11gが間隔P2で配置される列が4個形成される。第1発光素子列11p1では、第1領域R1に配置される発光素子11g同士の第1間隔は、第2領域R2に配置される発光素子11g同士の第2間隔より広い。
【0123】
同様に、第2発光素子列11p2は、第1端部11m側から第2端部11n側に向かって、第3領域R3及び第4領域R4に分かれている。第3領域R3には、8個の発光素子11gが間隔P2で配置される列が4個形成され、第4領域R4には、8個の発光素子11gが間隔P1で配置される列が8個形成される。第2発光素子列11p2では、第3領域R3に配置される発光素子11g同士の第1間隔は、第4領域R4に配置される発光素子11g同士の第2間隔より狭い。
【0124】
第1発光素子列11p1の第2領域R2における複数の発光素子11gのX軸方向の単位長さあたりの密度(以下、線密度ともいう)は、第1発光素子列11p1の第1領域R1における複数の発光素子11gの線密度よりも高い。第1発光素子列11p1の第1領域R1の発光強度は、第1発光素子列11p1の第2領域R2の発光強度より弱い。
【0125】
同様に、第2発光素子列11p2の第3領域R3における複数の発光素子11gのX軸方向の単位長さあたりの密度(以下、線密度ともいう)は、第2発光素子列11p2の第4領域R4における複数の発光素子11gの線密度よりも高い。第3発光素子列11p3の第1領域R1の発光強度は、第4発光素子列11p4の第2領域R2の発光強度より強い。
【0126】
これにより、線状発光部31の発光強度は、線状発光部31の第2領域R2及び第3領域R3において強く、第1領域R1及び第4領域R4において弱くなる。
【0127】
本変形例の線状発光部31では、第1発光素子列11p1の第2領域R2及び第2発光素子列11p2の第3領域R3における複数の発光素子11gの線密度を、第1領域R1及び第4領域R4における複数の発光素子11gの線密度よりも高くする。第2領域R2及び第3領域R3において第1領域R1及び第4領域R4よりも発光素子11gの線密度を高くすることで、入射面12bにおける長手方向の中央に入射する光量と、入射面12bにおける長手方向の両側に入射する光量との差を小さくする。入射面12bの中央に入射する光量と入射面12bの両側に入射する光量の差を小さくすることで、導光板12の出射面12dから出射する光の面内の均一性をさらに向上できる。なお、本変形例の線状発光部31では、第1枠体11a1及び第2枠体11a2のすべての部分が、第2部分f2を用いて形成されていてもよい。また、第1発光素子列11p1の長手方向におけるコネクタ11c側の端部以外の部分において、発光素子11g同士の間隔を異ならせてもよい。同様に、第2発光素子列11p2の長手方向におけるコネクタ11c側の端部以外の部分において、発光素子11g同士の間隔を異ならせてもよい。第1発光素子列11p1及び第2発光素子列11p2に含まれる複数の発光素子11gは、所定の方向に並ぶ列を形成し、所定の方向に並ぶ列において、発光素子11g同士の間隔は少なくとも部分的に異なってもよい。
【0128】
また、導光板12の長手方向の両端部の側面に反射シートを配置することにより、導光板12の出射面12dから出射する光の面内の均一性を向上してもよい。その他の構成は、上述した実施形態と同様である。
【0129】
図11は、本明細書に開示する面状発光装置の一実施形態の線状発光部の変形例2の拡大平面図である。
【0130】
本変形例の線状発光部41では、複数の発光素子11gは、上述した実施形態と同様に、線状発光部41の長手方向に並ぶ第1発光素子列11p1及び第2発光素子列11p2を形成する。以下、第1発光素子列11p1に対する説明は、第2発光素子列11p2に対しても適宜適用される。
【0131】
第1発光素子列11p1では、第2端部11n側に配置された発光素子11g1から出射される光の強度は、第1端部11m側に配置された発光素子11g2から出射される光の強度より大きい。
【0132】
発光素子11g1は、例えば、上述した変形例1の第2領域R2に配置される。また、発光素子11g2は、上述した変形例1の第1領域R1に配置される。
図11に示す例では、発光素子11g1は、第1発光素子列11p1の長手方向における第2端部11n側の端部に2個配置されており、それ以外の位置には、発光素子11g2が配置される。
【0133】
発光素子11g1が出射する光の強度は、発光素子11g2が出射する光の強度よりも、5%以上大きいことが好ましく、さらに10%以上大きいことがより好ましい。
【0134】
本変形例の線状発光部41のその他の構成は、上述した実施形態と同様である。
【0135】
本変形例の線状発光部41によれば、導光板12の出射面12dから出射する光の面内の均一性をさらに向上できる。なお、本変形例の線状発光部41では、第1枠体11a1及び第2枠体11a2のすべての部分が、第2部分f2を用いて形成されていてもよい。
【0136】
図12は、本明細書に開示する面状発光装置の一実施形態の線状発光部の変形例3の拡大平面図である。
【0137】
本変形例の線状発光部51では、複数の発光素子11gは、上述した実施形態と同様に、線状発光部51の長手方向に並ぶ第1発光素子列11p1及び第2発光素子列11p2を形成する。以下、第1発光素子列11p1に対する説明は、第2発光素子列11p2に対しても適宜適用される。
【0138】
第1発光素子列11p1では、複数の発光素子11gの配置される領域をX軸方向に射影した場合、
図13に示すように、隣接する発光素子11gの射影成分11x同士が重なっている。一方、上述した実施形態では、複数の発光素子11gの配置される領域をX軸方向に射影した場合、隣接する発光素子11gの射影成分同士は重ならない。
【0139】
具体的には、
図12に示すように、発光素子11gは、Y軸の正方向及び負方向に交互に位置をずらしながら、X軸方向に沿って線状に配置される。対向する一対の頂点がX軸方向に伸延した直線L3上に並ぶように各発光素子11gが配置される第1の列と、対向する一対の頂点がX軸方向に伸延した直線L4上に並ぶように各発光素子11gが配置される第2の列とが形成されている。その他の構成は、上述した実施形態と同様である。
【0140】
本変形例では、上述した実施形態よりも更に高い線密度で、複数の発光素子11gは、実装基板11j上に配置される。また、上述した実施形態では、隣接する発光素子11gは、辺同士が対向するように配置されており、互いが発光する光が干渉しあって弱め合う場合があった。一方、本変形例では、
図12に示すように、隣接する発光素子11gの位置関係が、辺同士が対向して配置される位置関係からずれることにより、互いが発光する光が干渉しあって弱め合うことが抑制される。
【0141】
図14は、本明細書に開示する面状発光装置の一実施形態の線状発光部の変形例4の拡大平面図である。
【0142】
本変形例の線状発光部61では、線状発光部61のY軸方向において、第1枠体11a1及び第2枠体11a2から外方へ伸延する実装基板11j及び回路基板11iが取り除かれている。その他の構成は、上述した実施形態と同様である。
【0143】
これにより、線状発光部61のY軸方向の寸法を低減することができる。Y軸方向の寸法の小さい線状発光部61を用いることにより、厚さのより薄い面状発光装置10を提供することができる。
【0144】
図15は、本明細書に開示する面状発光装置の一実施形態の線状発光部の変形例5の拡大平面図である。
【0145】
本変形例の線状発光部71では、上述した変形例4に対して、枠体が配置されない点が異なる。第1封止材11b1及び第2封止材11b2の表面が、第1発光領域11l1及び第2発光領域11l2を形成する点は、上述した実施形態と同様である。その他の構成は、上述した変形例4と同様である。
【0146】
例えば、本変形例の第1封止材11b1及び第2封止材11b2は、高いチキソトロピー性を有する材料を用いて形成することにより、枠体を用いることなく形成することができる。チキソトロピー性を有する材料は、応力を加えることにより流動性が増加し、応力を加えることを停止することにより流動性が低下する。まず、応力が加えられて流動性の高い状態の第1封止材11b1及び第2封止材11b2の材料を、複数の発光素子11gを埋め込むように実装基板11j上に流し込む。次に、材料に応力を加えることを停止して流動性を低下させた後、材料を硬化することにより第1封止材11b1及び第2封止材11b2が得られる。また、高いチキソトロピー性を有する材料ではなく、高い粘度を有する材料を用いて、第1封止材11b1及び第2封止材11b2を形成してもよい。
【0147】
図16は、本明細書に開示する面状発光装置の一実施形態の線状発光部の変形例6の拡大断面図である。
図16は、
図5に対応する拡大断面図である。
【0148】
本変形例の線状発光部81は、実装基板11jが、下ケース13と接合可能である点が、上述した実施形態とは異なる。
【0149】
実装基板11jの下ケース13側の面には、下ケース13と接合するための表面処理層11qが形成される。例えば、実装基板11jがアルミニウム基板の場合、アルミニウム基板の表面を銅イオンでスパッタリングすることにより、銅メッキ層である表面処理層11qを、実装基板11jに形成してもよい。なお、表面処理層11qを形成する方法は、上述した方法に限定されるものではない。例えば、銅箔を、実装基板11jの裏面に接合して、表面処理層11qを形成してもよい。また、
図16において破線で示されるように、第1枠体11a1の内側の端部が、回路基板11iの内側の端部よりも内側に配置されることで、第1枠体11a1は、第1枠体11a1の一部が実装基板11j上に配置されるように形成されてもよい。
【0150】
表面処理層11qは、はんだ等の接合層11rを介して、下ケース13と接合される。
【0151】
表面処理層11q及び接合層11rの熱伝導率は、樹脂等により形成される接着材よりも高い。これにより、発光素子11gが発生したより多くの熱を、実装基板11jを介して下ケース13へ伝導することができる。また、線状発光部71と下ケース13との接合強度が向上する。その他の構成は、上述した実施形態と同様である。
【0152】
図17は本明細書に開示する面状発光装置の変形例の斜視図であり、
図18は
図17に示す面状発光装置の分解斜視図であり、
図19は
図18に示す線状発光部の拡大断面図であり、
図20は
図8に対応する拡大平面図である。
【0153】
変形例7に係る面状発光装置10´は、線状発光部11´を線状発光部11の代わりに有することが面状発光装置10と相違する。線状発光部11´以外の面状発光装置10´の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付され面状発光装置10の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0154】
線状発光部11´は、コネクタ11c及び検査電極11e、11fの配置が線状発光部11と相違する。線状発光部11では、コネクタ11c及び検査電極11e、11fは、第1発光領域11l1と第2発光領域11l2との間に配置される。一方、線状発光部11´では、コネクタ11c及び検査電極11e、11fは、第1端部11mに近接しに配置される。
【0155】
面状発光装置10´では、突出部d3は、第1発光領域11l1と第2発光領域11l2との間の領域に近接するように配置される。面状発光装置10´は、一対の突起部12eが第1端部11m及び第2端部11nに当接すると共に、突出部d3が第1発光領域11l1と第2発光領域11l2との間の領域に近接するように配置されるので、線状発光部11´の発熱による湾曲を防止できる。面状発光装置10´は、線状発光部11´の発熱による湾曲を防止することで、第1発光領域11l1と第2発光領域11l2と、入射面12bとの間の距離を一定に維持して均一な発光が可能になる。
【0156】
なお、面状発光装置10´では、突出部d3は、第1発光領域11l1と第2発光領域11l2との間の領域に近接するように配置される。しかしながら、実施形態に係る面状発光装置では、突出部d3は、第1発光領域11l1と第2発光領域11l2との間の領域に当接するように配置されてもよい。
【0157】
図21は、変形例8に係る面状発光装置の
図8に対応する拡大平面図である。
【0158】
変形例8に係る面状発光装置では、突出部d3は、第1発光領域11l1と第2発光領域11l2との間の領域に当接するように配置される。変形例8に係る面状発光装置は、突出部d3が第1発光領域11l1と第2発光領域11l2との間の領域に当接することで、線状発光部11´の発熱による湾曲の防止の効果を大きくできる。
【0159】
図22は、本明細書に開示する面状発光装置の一実施形態の線状発光部の変形例9の拡大平面図である。
【0160】
線状発光部11´´は、コネクタ11cの代わりに一対の接続パッド11s及び11tを有することが線状発光部11´と相違する。一対の接続パッド11s及び11t以外の線状発光部11´´の構成委要素の構成及び機能は、同一符号が付された線状発光部11´の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0161】
一対の接続パッド11s及び11tのそれぞれは、不図示のケールブ等の電気配線と半田等により電気的に接続されることで、第1発光領域11l1及び第2発光領域11l2に実装される複数の発光素子11gのそれぞれに電力を供給する。
【0162】
本開示では、上述した実施形態の面状発光装置は、本開示の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。また、一の変形例が有する構成要件は、他の変形例にも適宜適用することができる。
【0163】
例えば、上述した実施形態では、面状発光装置は、液晶パネル等の透過型の表示パネルを背面から照らす光源として使用されていたが、本開示で開示する面状発光装置の用途はこれに限定されるものではない。本開示で開示する面状発光装置は、面状に発光する光源として利用可能である。例えば、本開示で開示する面状発光装置は、照明装置及び情報表示装置を含む面状に発光する光源を利用する装置において使用可能である。
【0164】
また、上述した実施形態では、面状発光装置は、エッジ型のバックライト装置であったが、面状発光装置は、直下型のバックライト装置であってもよい。
【0165】
また、上述した実施形態では、線状発光部は、同じ波長の光を発光する発光素子を有していたが、線状発光部は、異なる波長の光を発光する複数の種類の発光素子を有していてもよい。例えば、線状発光部は、封止材に含まれる蛍光体により波長変換が行われない赤外線を発光する発光素子を有していてもよい。この場合、発光素子が発光する赤外線は、他の波長の光と共に導光板を伝搬して面状発光装置から出射される。面状発光装置から出射される赤外線を、例えば、虹彩認識等の生体認証を行うために利用してもよい。
【0166】
また、上述した実施形態では、導光板の入射面は、突出部を有していたが、入射面は、突出部を有しておらず、平坦な面を有していてもよい。