(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】包装体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 75/62 20060101AFI20240815BHJP
B65D 75/54 20060101ALI20240815BHJP
B65D 33/00 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
B65D75/62 B
B65D75/54
B65D33/00 A
(21)【出願番号】P 2021012246
(22)【出願日】2021-01-28
【審査請求日】2024-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】鶴永 華帆
【審査官】森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-066839(JP,A)
【文献】特開2009-269622(JP,A)
【文献】特開平10-101097(JP,A)
【文献】特開2009-091001(JP,A)
【文献】特開2003-276738(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0134230(US,A1)
【文献】特開2013-095482(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/52-75/70
B65D 33/00-33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムを構成材料に含み、被包装物品が収容される包装体であって、
前面に縦接合部を有する筒体と、前記縦接合部から前記筒体の背面の少なくとも一部まで覆うカバー部分とを有し、
前記筒体の上下端部において、前記被包装物品側から、前記筒体の前記前面と前記背面とが前記縦接合部を除いて横方向に接合された第1横接合部、及び、前記カバー部分で覆われた領域の前記筒体の前記前面及び前記背面と、前記カバー部分とが横方向に接合された第2横接合部、をこの順に有し、
前記カバー部分の内面及び前記カバー部分で覆われた前記筒体の外面には、前記被包装物品を視認することができない不透明化処理が施されている包装体。
【請求項2】
前記カバー部分が、前記フィルムの一端から所定の幅分を延長したものであり、前記縦接合部が、前記カバー部分を除いて合掌貼りされたものである請求項1記載の包装体。
【請求項3】
前記縦接合部が、前記前面の中心に位置し、前記カバー部分が、前記前面の中心から前記筒体の背面の前記縦接合部に対応する領域まで覆っている請求項1又は2記載の包装体。
【請求項4】
前記包装体が、ピロー包装体である請求項1から3いずれか1項記載の包装体。
【請求項5】
前記包装体が、ガゼット部を有するガゼット包装体である請求項1から3いずれか1項記載の包装体。
【請求項6】
前記第2横接合部が、前記包装体の側縁から前記縦接合部側に向かって徐々に小さくなっている請求項1から5いずれか1項記載の包装体。
【請求項7】
前記カバー部分の内面及び前記カバー部分で覆われた前記筒体の外面に、前記カバー部分の外面及び前記カバー部分で覆われていない前記筒体の外面それぞれの表面に施された商品表示が表示されていない請求項1から6いずれか1項記載の包装体。
【請求項8】
前記カバー部分の内面及び前記カバー部分で覆われた前記筒
体の外面に、おむつ、尿取りパッド、生理用品、おりものシート、軽失禁製品以外の商品表示又は広告が施されている請求項1から7いずれか1項記載の包装体。
【請求項9】
前記カバー部分の内面及び前記カバー部分で覆われた前記筒体の外面に、クーポン券、応募券、
又は割引
券の為の印刷領域を含む請求項1から8いずれか1項記載の包装体。
【請求項10】
前記カバー部分の内面及び前記カバー部分で覆われた前記筒体の外面に、デジタル変換可能な商品コードが表示されている請求項1から9いずれか1項記載の包装体。
【請求項11】
開封用ミシン目が、前記カバー部分で覆われていない領域の前記筒体のいずれか、及び/又は、前記カバー部分で覆われた領域の前記筒体に設けられている請求項1から10いずれか1項記載の包装体。
【請求項12】
請求項1から11いずれか1項記載の包装体を製造する製造方法であって、
前記フィルムの幅方向の一端から前記カバー部分を残して、前記フィルムを縦方向に接合して、前面に縦接合部を有する筒体を形成するA工程と、
前記筒体の前記上下端部において、前記筒体の前記前面と前記背面とを、前記縦接合部を除いて横方向に接合して、第1横接合部を形成するB工程と、
前記カバー部分で、前記縦接合部から前記筒体の背面の少なくとも一部まで覆うC工程と、
前記第1横接合部の外側であって、前記筒体の前記前面と前記背面と前記カバー部分とを横方向に接合して、第2横接合部を形成するD工程と、
を有する包装体の製造方法。
【請求項13】
前記包装体が、ガゼット包装体であり、前記包装体の側面となる部分にガゼット部を形成する工程を有する請求項12記載の包装体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品の包装には、さまざまな形態がある。例えば、特許文献1には、個包装の包装形態としてピロー包装が開示されている。また、特許文献2には、複数の個包装を内包するパッケージ包装体としてガセット包装が開示されている。ピロー包装やガセット包装の表面には、商品の詳細な説明、模式図、広告等の表示(以下、商品表示と記載する)が印刷されており、購入者は、その商品表示を参考に所望の商品を購入するのが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-095481号公報
【文献】特表2012-528766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、その商品表示があるがゆえ、店の内外で持ち歩く場合は、他人に認知されやすいという問題がある。また、手提げ袋内又は買い物ビニール袋内に入れて移動する際、袋の中の製品が透けて見える、又は、袋の出し入れ口から他人に認知されやすいという問題がある。商品が尿漏れ用又は生理用製品である場合には、購入者は、羞恥心から、他人に認知されたくないと感じる。このため、他人に尿漏れ用等の吸収性物品を購入したことを外観で認知され難い包装形態が求められる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、購入時に、表面に施された商品表示が視認できないようにできる包装体及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意研究の結果、包装体の外装フィルムの一部を延長して包装体を覆い、購入時に、その延長部分を反転させることで、商品の表面に施された商品表示を内側にすることができ、購入時に商品表示が視認されない包装体が得られることを見出し、本発明に至った。
なお、「購入時」とは、購入前、会計場所での購入作業時、及び購入後を含む意味である。
【0006】
すなわち、本発明は、フィルムを構成材料に含み、被包装物品が収容される包装体であって、前面に縦接合部を有する筒体と、縦接合部から筒体の背面の少なくとも一部まで覆うカバー部分とを有し、筒体の上下端部において、被包装物品側から、筒体の前面と背面とが縦接合部を除いて横方向に接合された第1横接合部、及び、カバー部分で覆われた領域の筒体の前面及び背面とカバー部分とが横方向に接合された第2横接合部、をこの順に有し、カバー部分の内面及びカバー部分で覆われた筒体の外面には、被包装物品を視認することができない不透明化処理が施されている包装体である。
【0007】
カバー部分は、フィルムの一端から所定の幅分を延長したものであり、縦接合部は、カバー部分を除いて合掌貼りされたものであることが好ましい。
【0008】
縦接合部は、前面の中心に位置し、カバー部分は、前面の中心から筒体の背面の縦接合部に対応する領域まで覆っていることが好ましい。
【0009】
本発明の包装体は、ピロー包装体であってもよい。
【0010】
本発明の包装体は、ガゼット部を有するガゼット包装体であってもよい。
【0011】
第2横接合部が、包装体の側縁から縦接合部側に向かって徐々に小さくなっていることが好ましい。
【0012】
カバー部分の内面及びカバー部分で覆われた筒体の外面に、カバー部分の外面及びカバー部分で覆われていない筒体の外面それぞれの表面に施された商品表示が表示されていないことが好ましい。
【0013】
カバー部分の内面及びカバー部分で覆われた筒体11の外面に、おむつ、尿取りパッド、生理用品、おりものシート、軽失禁製品以外の商品表示又は広告が施されていることが好ましい。
【0014】
カバー部分の内面及びカバー部分で覆われた筒体の外面に、クーポン券、応募券、割引券、又はキャンペーン用QRLの為の印刷領域を含むことが好ましい。
【0015】
カバー部分の内面及びカバー部分で覆われた筒体の外面に、デジタル変換可能な商品コードが表示されていることが好ましい。
【0016】
開封用ミシン目が、カバー部分で覆われていない領域の筒体のいずれか、及び/又は、
カバー部分で覆われた領域の筒体に設けられていることが好ましい。
【0017】
本発明の包装体を製造する製造方法であって、フィルムの幅方向の一端からカバー部分を残して、フィルムを縦方向に接合して、前面に縦接合部を有する筒体を形成するA工程と、筒体の上下端部において、筒体の前面と背面とを、縦接合部を除いて横方向に接合して、第1横接合部を形成するB工程と、カバー部分で、縦接合部から筒体の背面の少なくとも一部まで覆うC工程と、第1横接合部の外側であって、筒体の前面と背面とカバー部分とを横方向に接合して、第2横接合部を形成するD工程と、を有する包装体の製造方法である。
【0018】
本発明の包装体の製造方法は、包装体が、ガゼット包装体であり、包装体の側面となる部分にガゼット部を形成する工程を有してもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、購入時に、表面に施された商品表示が視認できないようにできる包装体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態の包装体の平面図及び断面図である。
【
図2】第2横接合部の他の実施形態を示す平面図である。
【
図3】一実施形態の包装体のカバー部分を反転させる前後を示す斜視図である。
【
図4】一実施形態の包装体のカバー部分を反転させる前後を示す断面図である。
【
図5】包装体の製造方法におけるA工程を示す平面図及び断面図である。
【
図6】包装体の製造方法におけるB工程を示す平面図及び断面図である。
【
図7】包装体の製造方法におけるC工程を示す平面図及び断面図である。
【
図8】包装体の製造方法におけるD工程を示す平面図及び断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明するが、これらは例示の目的で掲げたもので、これらにより本発明を限定するものではない。
【0022】
[包装体]
本実施形態の包装体について、
図1~
図5を参照しながら説明する。
図1(a)に、本実施形態の包装体の平面図を示し、
図1(b)に
図1(a)におけるX1-X1断面図を示す。
本実施形態の包装体10は、ガゼット部(
図5参照)を有するガゼット包装体である。
包装体10は、
図1に示すように、フィルム12を構成材料に含み、被包装物品20が収容されるものである。本発明の包装体10に収容される被包装物品20としては、おむつ、尿取りパッド、生理用品、軽失禁製品等の吸収性物品とすることができる。
【0023】
包装体10は、
図1(b)に示すように、前面13に縦接合部15を有する筒体11と、縦接合部15から筒体11の背面14の中心まで覆うカバー部分16を有する。
カバー部分16は、
図1(b)に示すように、フィルム12の一端15aから所定の幅分を延長したものであり、縦接合部15は、カバー部分16を除いて合掌貼りされたものである(
図5(b)参照)。また、合掌貼りする際の折り位置15aが、筒体11の前面13の幅方向(X方向)の中心に位置して、カバー部分16のフィルム12の一端12aが、縦接合部15の折り位置15aと上下方向で一致するように設けられている。すなわち、カバー部分16は、縦接合部15から筒体11の背面14の、縦接合部15に対応する領域まで覆うような構成になっていることが好ましい。
このような構成にすることにより、後述するが、カバー部分16を反転させた際、反転前においてカバー部16によって覆われていない筒体11領域の略全体を覆うことができる。なお、
図1(b)に示すカバー部分16は、合掌張りされる一方のフィルムを延長したものとされているが、他方のフィルムも一方のフィルムに沿わせて延長させ覆ってもよい。
【0024】
本実施形態では、カバー部分16が、筒体11の左側のみを覆っているが、カバー部分16は、縦接合部15から筒体11の背面14の少なくとも一部まで覆うものであってもよい。つまり、
図1(b)を参照して説明すると、フィルム12aの先端が、側面を覆って、背面14の左半分の領域のいずれかまで、又は背面14の右半分の領域のいずれかまで、延びていてもよい。このように少なくとも背面14の一部の領域まで覆うことで、カバー部分16を反転させた後、カバー部を筒体11の前面13、側面、背面を覆ったまま、筒体11上に保持することができる。
【0025】
包装体10は、筒体11の上下端部(Y方向)において、被包装物品20側から、筒体11の前面13と背面14とが縦接合部15を除いて横方向(X方向)に接合された第1横接合部17、及び、カバー部分16で覆われた領域の筒体11の前面13及び背面14とカバー部分16とが横方向に接合された第2横接合部18、をこの順に有する。
【0026】
第1横接合部17は、筒体11の前面13と背面14とが縦接合部15を除いて横方向に接合されたものであり、第1横接合部17を形成することにより、被包装物品20の収容空間を設けている。なお、本実施形態では、ガゼット部19(
図5参照)を有するため、第1横接合部17は、筒体11の前面13と背面14とガゼット部19とが一緒に接合されている。
【0027】
第2横接合部18は、筒体11の前面13と背面14とカバー部分16とが横方向に接合されている。ここでも、上記同様、ガゼット部19も一緒に接合されている。第2横接合部18を設けることによって、カバー部分16が反転可能に接合される。
【0028】
第2横接合部18は、反転する場合に指を掛けやすくするために、
図2に示すように、包装体10の側縁10aから縦接合部15側に向かって幅が徐々に小さくなっていてもよい。このように側縁10a側を幅広にして接合面積を増やすことで、接合したシート同士間の剥離強度が高まるため、反転時に端部の接合が剥離することを防ぐことができる。
逆に、側縁10a側を縦接合部15側に向かって幅が徐々に大きくなっていてもよい。このように側縁10a側を幅狭にして接合面積を減やすことで、カバー部分16と接合部で周囲を囲まれた領域に指や手を挿入し反転させる際、指や手が不意に縦接合部15側(開口側)に向けて抜けることを防止することができ、反転し易くすることができる。
側縁10aから縦接合部15側に向かう幅の変化は、連続的になだらかに小さく、又は大きく変化させてもよいし、非連続的に階段的に変化させてもよい。
また、
図2には、側縁10aから縦接合部15側に向かって、連続する接合部が記載されているが、一部接合部が設けられていない非接合部を途中に設けてもよい。非接合部を設けることにより、接合加工時に発生するカバー部分16における皺を防止することができる。
【0029】
カバー部分16の内面及びカバー部分16で覆われた筒体11の外面には、被包装物品20を視認することができない不透明化処理が施されている。本実施形態では、
図3(b)に示すように、不透明な色で全面に花柄模様が印刷されている。
ここで、「不透明化処理」とは、内部に収容された被包装物品20が、外部から視認されないように、不透明又は半透明な処理であればよく、フィルム12の全面を不透明又は半透明な単色又は多色印刷をしたものであってもよく、フィルム12の全面に不透明又は半透明な色で模様を印刷したものであってもよい。
【0030】
図3(a)に示すように、包装体10は、上面、すなわち、筒体11の前面13及びカバー部分16に、商品表示が印刷されている。
包装体10は、
図4(a)に示すように、反転前には、カバー部分16は筒体11の左側を覆っている。次に、カバー部分16を反転させる。
図4(b)で説明すると、筒体11の右側をカバー部分16が覆うように反転させる。そうすると、
図3(b)に示すように、花柄模様が表面に現れる。
このような構成であることにより、購入時にカバー部分16を反転させれば、包装体10の表面に印刷された商品表示を隠すことができるので、吸収性物品等を購入したことを他人に認識されることがない。
【0031】
カバー部分16を反転させる前の状態において、カバー部分16の内面及びカバー部分16で覆われた筒体11の外面に、カバー部分16の外面及びカバー部分16で覆われていない筒体11の外面それぞれの表面に施された商品表示が表示されていないことが好ましい。このような形態にすることにより、反転させたとき、反転前に記載された商品表示を単純に内側に向けて隠すことができる。
【0032】
カバー部分16を反転させる前の状態において、カバー部分16の内面及びカバー部分16で覆われた筒体11の外面に、不透明性又は半透明の領域が略全面に亘り施されていることが好ましい。不透明又は半透明な領域を設けることで、反転した後に反転前の商品表示を完全に隠すことができる。
【0033】
カバー部分16を反転させる前の状態において、カバー部分16の内面及びカバー部分16で覆われた筒体11の外面に、おむつ、尿取りパッド、生理用品、おりものシート、軽失禁製品以外の商品表示又は広告が施されていてもよい。吸収性物品に関係ない商品表示又は広告を施すことで、第三者に内容物の商品イメージを全く想像させないようにすることができる。
【0034】
カバー部分16を反転させる前の状態において、カバー部分16の内面及びカバー部分16で覆われた筒体11の外面に、クーポン券、応募券、割引券、又はキャンペーン用QRLの為の印刷領域を含んでもよい。このような形態にすることにより、商品を購入した人以外に内容を知られず、購入者のみに伝えることができる。
【0035】
会計時に、商品表示を反転させたい場合は、カバー部分16の内面及びカバー部分16で覆われた筒体11の外面に、デジタル変換可能な商品コードが表示されていてもよい。商品コードとしては、文字、図形、数字等の組合せからなるものであればよく、商品バーコード、QRコード等が挙げられる。
【0036】
また、開封用ミシン目は、カバー部分16で覆われていない領域の筒体11のいずれか、及び/又は、カバー部分16で覆われた領域の筒体11に設けられていてもよい。開封用ミシン目が、カバー部分16で覆われていない領域の筒体11のいずれかに設けられている場合は、使用時に、反転したカバー部分16を戻した場合に有用である。また、開封用ミシン目が、カバー部分16で覆われた領域の筒体11に設けられている場合は、、カバー部分16を反転させた後、使用時にカバー部分16を戻すことなく、そのまま開封ができる。
【0037】
本実施形態では、ガゼット部19を有するガゼット包装体について説明したが、本発明の包装体は、ピロー包装体であってもよい。
【0038】
[包装体の製造方法]
本発明の包装体の製造方法を、
図5~
図8を参照しながら説明する。
図1~
図4と同要素には同符号を付し、説明を省略する。
図5~
図8は、製造ラインの一部を示したものである。
【0039】
(A工程)
図5(a)に、A工程の平面図を示し、
図5(b)に
図5(a)におけるX2-X2断面図を示す。
A工程は、
図5に示すように、フィルム12の幅方向(X方向)の一端12aからカバー部分16を残して、フィルム12を縦方向(Y方向)に接合して、前面13に縦接合部15を有する筒体11を形成する工程である。フィルム12には、長尺フィルムを用いることができる。製造装置には、公知のガゼット包装装置を用いることができる。
縦接合部15は、フィルム12を折り位置15aで折り、他端と裏面どうしを合わせて合掌貼りで接合して形成する。
合掌貼りを行うと同時に又は前後において、筒体11の内部には、被包装物品20が配置されている。
【0040】
本実施形態の包装体10は、ガゼット包装体であるので、A工程において、筒体11を形成した後、側面となる部分にガゼット部19を形成する工程を有する。
【0041】
(B工程)
図6(a)にB工程の平面図を示し、
図6(b)に
図6(a)におけるX3-X3断面図を示す。
B工程は、
図6に示すように、筒体11の上下端部において、筒体11の前面13と筒体11の背面14とを、縦接合部15を除いて横方向に接合して、第1横接合部17を形成する工程である。本実施形態では、第1横接合部17の形成では、
図6(b)に示すように、筒体11の前面13と背面14とガゼット部19とを一緒に接合する。接合には、熱シールを用いることができる。
【0042】
(C工程)
図7(a)にC工程の平面図を示し、
図7(b)に
図7(a)におけるX4-X4断面図を示す。
C工程は、
図7に示すように、カバー部分16で、縦接合部15から筒体11の背面14の少なくとも一部まで覆う工程である。本実施形態では、カバー部分16は、縦接合部15から、筒体11の背面14の中心まで覆う。具体的には、縦接合部15を紙面左側に倒し、カバー部分16で、折り位置15aから、左側ガゼット部を覆って、背面14に亘って覆う。カバー部分16は、予め背面14の中心まで筒体11を覆うような幅で設けられている。
【0043】
(D工程)
図8(a)にD工程の平面図を示し、
図8(b)に
図8(a)におけるX5-X5断面図を示す。
D工程は、第1横接合部17の外側であって、筒体11の前面13と背面14とカバー部分16とを横方向(X方向)に接合して、第2横接合部18を形成する。本実施形態では、第2横接合部18は、
図8(b)に示すように、カバー部分16と、筒体11の前面13と背面14とガゼット部19とが一緒に接合されている。また、
図7(b)に示すように、カバー部分16の折り位置15aと、カバー部分16のフィルム12の一端12aが、上下方向で一致しているため、カバー部分16を有する部分を接合すれば、第1横接合部17で接合していない縦接合部15を同時に封止することができる。
D工程では、接合と同時に、カット位置30でカットして、個々の商品に分割してもよい。
接合には、第1横接合部17と同様に熱シールを用いることができる。
【0044】
フィルム12の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンまたはポリエステル、ポリエチレンテレフタレートを用いることができる。
【0045】
フィルム12の厚みは、30μm以上100μm以下であることが好ましく、40μm以上90μm以下であることがより好ましく、50μm以上80μm以下であることが更に好ましい。フィルム12の厚みが30μm以上であることにより、フィルム12が破れることなく、被包装物品20を収容することができる。フィルム12の厚みが、100μm以下であることにより、接合部が固くなり包装がごわつく又は固くなるのを抑えることができる。
フィルム12の厚みはJIS Z 1702に基づいて測定する値である。
【0046】
本発明の包装体の製造方法は、ピロー包装体についても適用可能である。
【0047】
以上、本発明を、実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態の範囲には限定されないことは言うまでもなく、上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0048】
10 包装体
10a (包装体の)側縁
11 筒体
12 フィルム
12a (フィルムの)一端
13 前面
14 背面
15 縦接合部
15a 折り位置
16 カバー部分
17 第1横接合部
18 第2横接合部
19 ガゼット部分
20 被包装物品
30 カット位置