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  • 特許-逆打ち工法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】逆打ち工法
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/02 20060101AFI20240815BHJP
【FI】
E04G21/02 103Z
E04G21/02 103A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021072449
(22)【出願日】2021-04-22
(65)【公開番号】P2022166977
(43)【公開日】2022-11-04
【審査請求日】2023-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】古池 章紀
(72)【発明者】
【氏名】生井 康丈
(72)【発明者】
【氏名】和家 由宜
(72)【発明者】
【氏名】塩野 寛之
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 健一
【審査官】櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-052375(JP,A)
【文献】特開2009-221787(JP,A)
【文献】特開平11-190134(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G21/00-21/10
E02D29/05-29/055
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先行して構築された先行躯体の下側にセメント系材料を打ち継いで後行躯体を形成する逆打ち工法であって、
圧入口が形成された型枠を前記先行躯体の下側に組み立てる型枠工程と、
前記圧入口からセメント系材料を圧入する打設工程と、を備えており、
前記型枠には、前記先行躯体の下端と前記後行躯体の上端との境界に面して挿通孔が貫通しており、
前記型枠工程では、前記挿通孔よりも大きな内径を有し、前記境界よりも高い位置において開口する排気管を、前記境界に面する挿通孔に連通させ、
前記打設工程では、前記排気管から前記型枠内の空気を排出するとともに、前記排気管を利用してセメント系材料の充填状況を確認することを特徴とする逆打ち工法。
【請求項2】
前記挿通孔の断面積が、前記圧入口の断面積よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載の逆打ち工法。
【請求項3】
前記打設工程では、前記排気管の所定の高さまでセメント系材料が流入したことを確認した段階で、前記開口を閉塞することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の逆打ち工法。
【請求項4】
前記型枠または前記排気管に、内部を視認可能な可視部が形成されており、
前記打設工程では、前記可視部からセメント系材料の充填状況を確認することを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の逆打ち工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、逆打ち工法に関する。
【背景技術】
【0002】
地下構造物等の施工において、先行して構築した先行躯体の下側にコンクリートを打設して後行躯体を形成する逆打ち工法が採用される場合がある。逆打ち工法では、先行躯体の下側に型枠を組み立て、型枠内にコンクリートを打設することにより後行躯体を形成する。
逆打ち工法では、型枠の上部に形成された投入口や先行躯体に形成された打設口からコンクリートを流し込むのが一般的である。しかし、コンクリートを上方から流し込むと、コンクリートが落下する際に材料分離が起きるおそれや、空気を巻き込むおそれがある。コンクリートに材料分離が生じると、ブリージングが発生し、先行躯体と後行躯体との境界部に隙間が形成されるおそれがある。また、コンクリートが空気を巻き込むと、打設後のコンクリートから排出された空気が先行コンクリートと後行コンクリートとの境界部に滞留するおそれがある。
そのため、特許文献1には、コンクリートの材料分離や空気の巻き込みを防止することを目的として、先行躯体の下側に形成された型枠の下部からコンクリートを圧入することにより後行躯体を形成する逆打ち工法が開示されている。特許文献1の逆打ち工法では、型枠の上部等に、空気抜き手段として貫通孔やスリットを形成しておくことで、先行躯体と後行躯体との境界部に空気が溜まることを防止している。また、空気抜き手段からコンクリートが流出することで、コンクリートの打設が完了したことを確認できる。
一方、コンクリートの硬化時に乾燥収縮が生じる場合がある。コンクリートに乾燥収縮が生じると、先行躯体と後行躯体との間に隙間が生じるおそれがある。また、空気抜き手段からコンクリートが流出すると、打設コンクリートの圧力が低下してしまい、先行躯体との密着性が確保できないおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平04-052375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、先行躯体の下側にセメント系材料を隙間なく充填することを可能とした逆打ち工法を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明は、圧入口が形成された型枠を先行躯体の下側に組み立てる型枠工程と、前記圧入口からセメント系材料を圧入する打設工程とを行うことにより、先行して構築された先行躯体の下側にセメント系材料を打ち継いで後行躯体を形成する逆打ち工法である。前記型枠には、前記先行躯体の下端と前記後行躯体の上端との境界に面して挿通孔が貫通している。前記型枠工程では、前記挿通孔よりも大きな内径を有し、前記境界よりも高い位置において開口する排気管を、前記境界に面する挿通孔に連通させる。また、前記打設工程では、前記排気管から前記型枠内の空気を排出するとともに、前記排気管を利用してセメント系材料の充填状況を確認する。
かかる逆打ち工法によれば、挿通孔を介して排出されたセメント系材料が排気管に流入したことを確認することで、セメント系材料が先行躯体の下端まで充填されたことを確認できる。また、排気管の開口は、先行躯体の下端よりも高い位置に配置されているため、挿通孔からセメント系材料が排出された後も型枠内の圧力が保持されて、セメント系材料を先行躯体の下面に密着させることができる。
【0006】
なお、前記挿通孔の断面積が、前記圧入口の断面積よりも小さければ、型枠内のセメント系材料の圧力の低下を抑制できる。
また、前記打設工程では、前記排気管の所定の高さまでセメント系材料が流入したことを確認した段階で、前記開口を閉塞するのが望ましい。こうすることで、セメント系材料をより確実に充填できる。
さらに、前記型枠または前記排気管に、内部を視認可能な可視部が形成されているのが望ましい。この場合には、前記打設工程において前記可視部からセメント系材料の充填状況を確認することで、セメント系材料の圧入停止のタイミングを決定できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の逆打ち工法によれば、先行躯体の下側にセメント系材料を隙間なく充填することで、高品質施工が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る構造物の一部を示す断面図である。
図2】型枠の設置状況を示す図であって、(a)は横断図、(b)は縦断図である。
図3】セメント系材料の打設状況を示す図であって、(a)は横断図、(b)は縦断図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態では、先行して構築された先行躯体2の下側に無収縮モルタル(セメント系材料)4を打ち継いで後行躯体3を形成する逆打ち工法について説明する。図1は、本実施形態の逆打ち工法により構築する構造物1の一部を示す断面図である。本実施形態では、地山を掘削することにより形成された空間に、ボックスカルバート(構造物1)を形成する場合において、先行して構築された天井部分(先行躯体2)と、床部分(第二先行躯体11)との間側に、壁部分(後行躯体3)を構築する。ボックスカルバートは、延長方向(図1の紙面垂直方向)に連続して形成するものとし、後行躯体3は、ボックスカルバートの延長方向(図1の紙面垂直方向)に沿って帯状に連続して構築する。
本実施形態の逆打ち工法は、型枠5を組み立てる型枠工程と、型枠5内に無収縮モルタル4を充填する打設工程とを備えている。図2に、型枠5の設置状況を示す。
【0010】
型枠5は、図2(a)および(b)に示すように、先行躯体2の下側に組み立てる。
型枠5には、圧入口6が形成されている。圧入口6は、図2(a)に示すように、型枠5の高さ方向中間に形成されている。圧入口6は、型枠5を貫通しており、無収縮モルタル4の輸送管を接続可能な輸送管用継手12が形成されている。図2(b)に示すように、本実施形態では、ボックスカルバートの延長方向(図2(b)の左右方向)に延設された型枠5の一方の端部に圧入口6が形成されている。
また、型枠5には、図2に示すように、先行躯体2の下端と後行躯体3の上端との境界面13に面して挿通孔7が貫通している。挿通孔7の頂点の高さ位置は、先行躯体2と後行躯体3の境界面13の高さ位置と同等以上とする。挿通孔7の断面積は、圧入口6の断面積よりも小さい。挿通孔7は、無収縮モルタル4が含有する骨材の最大粒径よりも大きな内径を有するものとする。本実施形態の挿通孔7の内径は30mmとする。本実施形態の挿通孔7は円形断面とするが、挿通孔7の断面形状は限定されるものではない。また、本実施形態では、図2(b)に示すように、複数の挿通孔7が、型枠5の長手方向に沿って所定の間隔をあけて形成されている。
【0011】
図2(a)に示すように、型枠5には、挿通孔7の位置に対応して、排気管8が接続される。排気管8は、挿通孔7に連通するように、型枠5に取り付ける。排気管8は、挿通孔7よりも大きな内径(本実施形態では、圧入口6に接続される輸送管と同じ内径)を有した管材である。排気管8の一端は、挿通孔7を覆った状態で型枠5に接続されていて、排気管8の他端(上端15)は、先行躯体2の下端と後行躯体3の上端との境界面13よりも高い位置において開口している。本実施形態の排気管8は、塩化ビニル管により構成されている。型枠5には、排気管8を取り付けるための排気管用継手14が形成されており、排気管8はこの排気管用継手14に取り付ける。排気管用継手14は、挿通孔7よりも大きな面積を有した円形部材からなり、挿通孔7を囲った状態で型枠5に形成されている。排気管8は、エルボー管を介してL字状を呈しており、排気管用継手14から横方向に延びた管路が、上向きに屈曲し、上端15が挿通孔7の頂点よりも所定長(本実施形態では1m)高い位置において上向きに開口している。
本実施形態では、排気管8(挿通孔7)の近傍の型枠5に、型枠5の内部(無収縮モルタル4の充填状況)を視認可能な可視部9が形成されている。可視部9は、型枠5の一部に、例えば、アクリル板等の透明な板材を使用することにより形成されている。本実施形態の可視部9は、後行躯体3の上端から下端の全高を視認可能となるように、型枠5の全高にわたって形成されている。
【0012】
図3に無収縮モルタル4の打設状況を示す。打設工程では、図3(a)に示すように、圧入口6から型枠5内に無収縮モルタル4を圧入する。無収縮モルタル4の圧入は、可視部9を通じて型枠5内の無収縮モルタル4の充填状況を視認しながら行う(図3(b)参照)。圧入口6から無収縮モルタル4を圧入すると、型枠5内の空気が排気管8から排出される。無収縮モルタル4の圧入をさらに続けることで無収縮モルタル4の打設面が上昇する。無収縮モルタル4の打設面が先行躯体2と後行躯体3との境界面13に到達すると、挿通孔7から無収縮モルタル4の一部が排出されて、排気管8内に流入する。作業員は、排気管8内への無収縮モルタル4の流入を確認することで、挿通孔7の近傍において、無収縮モルタル4の打設面(無収縮モルタル4の上面)が先行躯体2の下面に到達したことを確認できる。本実施形態では、可視部9において無収縮モルタル4の上昇が確認できたら、蓋材10を準備するとともに、排気管8への無収縮モルタル4の流入状況を観察する。その後、排気管8の所定の高さまでセメント系材料が流入したことを確認した段階で、図3(b)に示すように、排気管8の先端に蓋材10を取り付けて、排気管8を閉塞する。蓋材10の固定方法は限定されるものではなく、例えば、排気管8の先端外周囲に雄ネジや係止部を形成しておき、蓋材10を螺合または係合することにより固定してもよいし、接着剤などを利用して固定してもよい。
【0013】
本実施形態では、構造物1の一端側から他端側に向けて片押しにより無収縮モルタル4を圧入する。すなわち、無収縮モルタル4の注入は、一端側から他端側に向けて圧入することで、打継面を形成することなく、連続した躯体を形成する。本実施形態では、ブリージングが生じ難く、膨張率0%以上となるように配合調整された無収縮モルタルを使用する。型枠5内に無収縮モルタル4を圧入すると、型枠5内における無収縮モルタル4の打設面(上面)が上昇し、一端側から無収縮モルタル4が先行躯体2の下面に密着する。そのため、一端側の排気管8から順に、排気管8に蓋材10を取り付けていく。図3(b)では、圧入口6に最も近い排気管8aと、2番目に近い排気管8bについては、所定の高さまで無収縮モルタル4が流入したため、蓋材10を設置しており、3番目以降の排気管8(排気管8cおよび排気管8d)内には蓋材10が設置されていない。3番目の排気管8cには、無収縮モルタル4が流入しているものの、所定の高さに到達していないため、蓋材10が設置されていない。4番目の排気管8dについては、近傍の可視部9により、無収縮モルタル4が境界面13に到達していないことが確認できるため、蓋材10が設置されていない。
【0014】
本実施形態の逆打ち工法によれば、無収縮モルタル4の注入時に、型枠5内の空気が挿通孔7から排出されるため、先行躯体2の下面に空気溜りが形成されることを防止できる。また、挿通孔7を介して排出された無収縮モルタル4が排気管8に流入したことを確認することで、無収縮モルタル4が先行躯体2の下端まで充填されたことを確認できる。さらに、挿通孔7の断面積が、圧入口6の断面積よりも小さいため、挿通孔7から無収縮モルタル4が流出している状態であっても、型枠5内での無収縮モルタル4の圧力を一定の大きさに維持できる。
また、排気管8の開口は、先行躯体2の下端よりも高い位置に配置されているため、挿通孔7から無収縮モルタル4が排出された後も型枠5内の圧力が保持されて、無収縮モルタル4を先行躯体2の下面に密着させることができる。
【0015】
また、排気管8の所定の高さまで無収縮モルタル4が流入したことを確認した段階で、排気管8の開口(先端)を蓋材10により閉塞することで、無収縮モルタル4をより確実に充填できる。すなわち、無収縮モルタル4が排気管8から排出されることを防止するとともに(吹出防止)、型枠5内に圧入された無収縮モルタル4の圧力低下を防止できる(圧逃げ防止)。
排気管8の断面積が挿通孔7の断面積よりも大きいため、挿通孔7から流出した無収縮モルタル4で排気管8内が直ちに満杯になることはない。そのため、排気管8内の無収縮モルタル4を確認する時間や蓋材10を設置する時間を確保できる。
また、型枠5に内部を視認可能な可視部9が形成されているため、無収縮モルタル4の充填状況を確認することができ、無収縮モルタル4の圧入停止のタイミングを決定しやすい。また、可視部9により充填状況を確認することで、蓋材10を設置するタイミング(排気管8が満杯になるタイミング)を予測することができ、ひいては、排気管8の開口(先端)から無収縮モルタル4が流出することを防止できる。そのため、型枠5内の圧力を維持でき、かつ、周囲が流出した無収縮モルタル4により汚れることを防止でき、なおかつ、無収縮モルタル4の注入量を必要最小限に抑えることができる。可視部9が、後行躯体3の下から上まで視認可能に形成されているため、無収縮モルタル4がどの高さまで充填されているか目視でき、また、無収縮モルタル4が上端(先行躯体2の下面)まで充填されたことが確認できる。
【0016】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
前記実施形態では、帯状に連なる後行躯体3を先行躯体2の下側に形成して、ボックスカルバートを構築する場合について説明したが、本発明の逆打ち工法を利用して構築する構造物1はボックスカルバートに限定されるものではなく、例えば、上下方向に長い柱等であってもよい。
また、前記実施形態では、先行躯体2の下側に打ち継ぐセメント系材料として、無収縮モルタル4を使用する場合について説明したが、セメント系材料は無収縮モルタル4に限定されるものではなく、例えば、高流動コンクリート等であってもよい。
【0017】
また、前記実施形態では、型枠5に一つの圧入口6が形成されている場合について説明したが、型枠5が有する圧入口6の数や配置は限定されるものではなく、例えば、型枠5の長手方向に沿って所定の間隔をあけて複数の圧入口6を形成してもよいし、型枠5の両端部にそれぞれ圧入口6を形成していてもよい。また、圧入口6の高さ位置は、型枠5の中間に限定されるものではなく、例えば、型枠5の高さ方向中間よりも低くてもよいし、高くてもよい。
型枠5に複数の圧入口6を形成する場合におけるセメント系材料の圧入は、最も一端側に形成された圧入口6からセメント系材料の圧入するのが望ましい。そして、当該圧入口6と他端側に隣接する他の圧入口6との間に形成された各挿通孔7において、無収縮モルタル4が先行躯体2の下面に到達し、排気管8内に流入した無収縮モルタル4が所定の高さまで上昇したことを確認できるまで、無収縮モルタル4を圧入する。当該圧入口6における無収縮モルタル4の圧入が完了したら、圧入口6に接続された輸送管を、他端側に隣接する他の圧入口6に移し替えて、無収縮モルタル4の圧入を再開する。上記作業を繰り返して、全ての圧入口6から無収縮モルタル4を圧入し、型枠5内に無収縮モルタル4を充填する。
また、複数の圧入口6を形成する場合には、複数の圧入口6から同時に無収縮モルタル4を注入してもよい。
【0018】
前記実施形態では、挿通孔7の近傍において、型枠5の一部に可視部9を形成する場合について説明したが、可視部9の形成箇所は限定されるものではない。例えば、挿通孔7の近傍の他、挿通孔7同士の中間部に形成してもよいし、排気管8の一部を透明管にすることで可視部9を形成してもよい。また、可視部9は、型枠5と排気管8の両方に形成してもよい。また、可視部9の形状や大きさは限定されるものではなく、適宜決定すればよい。
前記実施形態では、挿通孔7の数および配置は限定されるものではない。例えば、型枠5の圧入口6が形成された端部と反対側の端部のみに形成してもよい。また、圧入口6を複数形成する場合には、挿通孔7の間隔は圧入口6と同じにしてもよいし、圧入口6同士の間隔よりも小さくしてもよい。
前記実施形態では、排気管8の先端を蓋材10により遮蔽するものとしたが、排気管8の先端は必要に応じて遮蔽すればよい。また、排気管8を遮蔽する部材は蓋材10に限定されるものではなく、例えば、粘着テープ等を巻き付けて遮蔽してもよい。
排気管8先端の開口の位置は、挿通孔7の頂点(すなわち、先行躯体2と後行躯体3との境界面)よりも1m高い位置に限定されるものではなく、例えば、1m以上であってもよいし、1m以下であってもよい。
また、排気管8の断面積を挿通孔7の断面積よりも大きくしたが、排気管8の断面積は、挿通孔7を内包する形状であれば限定されるものではなく、例えば、挿通孔7の断面積と同等であってもよい。
【符号の説明】
【0019】
1 構造物
2 先行躯体
3 後行躯体
4 無収縮モルタル(セメント系材料)
5 型枠
6 圧入口
7 挿通孔
8 排気管
9 可視部
10 蓋材
図1
図2
図3