(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】軌道検測データの処理方法及び軌道検測データの処理装置
(51)【国際特許分類】
G01B 11/00 20060101AFI20240815BHJP
【FI】
G01B11/00 A
(21)【出願番号】P 2021089656
(22)【出願日】2021-05-27
【審査請求日】2023-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100100413
【氏名又は名称】渡部 温
(72)【発明者】
【氏名】坪川 洋友
(72)【発明者】
【氏名】三島 健吾
(72)【発明者】
【氏名】田中 駿
【審査官】山▲崎▼ 和子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-240262(JP,A)
【文献】特開2018-063225(JP,A)
【文献】特開2015-010960(JP,A)
【文献】特開2014-199208(JP,A)
【文献】特開2018-105751(JP,A)
【文献】特開2021-021277(JP,A)
【文献】特開2015-031672(JP,A)
【文献】特開2019-128294(JP,A)
【文献】特開2012-032177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
21/00-21/32
B61C 1/00-17/12
B61D 1/00-15/12
B61G 1/00-11/18
B61J 1/00-99/00
B61K 1/00-13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道用軌道に設けられるレールに設定される被測定箇所の変位を、前記レールの長手方向に沿って移動しながら光学式センサにより測定することで軌道検測データを取得し、
前記軌道検測データにおける前記被測定箇所の変位の前記レールの長手方向移動量に対する変化率を算出し、
前記変化率の絶対値が所定の閾値以上となった領域を前記光学式センサの測定不能領域であると判別すること
を特徴とする軌道検測データの処理方法。
【請求項2】
前記軌道検測データにおける前記測定不能領域を含む一部の領域に補間処理を施
し、その際に、
前記測定不能領域の前後に、それぞれ、正常区間(測定可能領域)の端の所定長さの付加領域を設定し、前記測定不能領域及び前記付加領域からなる領域に前記補間処理を施すこと
を特徴とする請求項
1に記載の軌道検測データの処理方法。
【請求項3】
前記補間処理を施した前記軌道検測データに移動平均処理を施すこと
を特徴とする請求項
2に記載の軌道検測データの処理方法。
【請求項4】
前記光学式センサにより左右一対の前記レールの前記被測定箇所の変位を測定し、
前記測定不能領域の判別は、左右の前記レールからそれぞれ得た前記軌道検測データに対して独立して行うこと
を特徴とする請求項1から請求項
3までのいずれか1項に記載の軌道検測データの処理方法。
【請求項5】
鉄道用軌道に設けられるレールに測定光を照射するとともに、前記レールからの反射光を受光して前記レールに設定される被測定箇所の変位を測定する光学式センサと、
前記光学式センサを前記レールの長手方向に沿って移動させるセンサ移動手段と、
前記光学式センサの出力を入力される軌道検測データの処理装置と、
を具備する軌道検測装置における軌道検測データの処理装置であって、
前記光学式センサを前記レールの長手方向に沿って移動させながら取得した前記光学式センサの出力に基づいて軌道検測データを生成する軌道検測データ生成部と、
前記軌道検測データにおける前記被測定箇所の変位の前記レールの長手方向移動量に対する変化率を算出し、前記変化率の絶対値が所定の閾値以上となった領域を前記光学式センサの測定不能領域であると判別する測定不能領域判別部と
を備えることを特徴とする軌道検測データの処理装置。
【請求項6】
さらに、前記軌道検測データにおける前記測定不能領域を含む一部の領域に補間処理を施す補
間処理部を備え、
該補
間処理部が、前記測定不能領域の前後に、それぞれ、正常区間(測定可能領域)の端の所定長さの付加領域を設定し、前記測定不能領域及び前記付加領域からなる領域に前記補
間処理を施すこと
を特徴とする請求項5に記載の軌道検測データの処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両が走行する軌道の軌道検測データの処理方法及び処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道事業者は、車両が安全に走行できる軌道状態であることを確認するために、軌道検測車等の各種機材を用いて、軌道の形状である軌道変位(軌道狂い)の測定(軌道検測)を行っている。
測定対象となる軌道変位として、例えば、高低変位、通り変位、軌間変位、平面性変位、水準変位などがある。
高低変位とは、レール頭頂面の長さ方向の凹凸をいう。
通り変位とは、レール側面の長さ方向の凹凸をいう。
軌間変位とは、軌間(左右レール間隔)の基本寸法に対する変位をいう。
平面性変位とは、軌道面の平面に対するねじれの状態を示すものである。
水準変位とは、左右レールの高さの差をいい、曲線区間においてカントが設定されている場合には、正規のカント量に対する増減量をいう。
【0003】
軌道検測に関する従来技術として、例えば特許文献1には、測定対象のレールに沿って移動可能な車輪を備えた台車に、レールの所定箇所の形状を測定するための非接触式の測定器と、測定器を制御して測定値を取得するデータ取得手段とを備え、測定対象のレールの頭頂面及びレール内側の車輪による摩耗が生じない2箇所を測定することが記載されている。
特許文献2には、メンテナンス性を向上しかつ測定エラーを抑制するため、レールにスリット状の光を照射してレールの表面を撮像し、画像データからレールの変位を測定する装置において、予め設定した基準位置および基準姿勢に対する装置の相対的な位置、及び、姿勢を検出し、検出された位置、姿勢に基づいてレールの変位データを補正することが記載されている。
特許文献3には、2次元センサを用いて取得した軌道のプロファイルデータの欠落や、擬似データに基づいて、2次元センサの前面に設けられているガラス面の状態を検出することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-101392号公報
【文献】特開2013-136352号公報
【文献】特開2014-199208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
軌道変位の測定を、光学式の非接触センサによって行う場合、例えば分岐器におけるクロッシング部のように局所的にレールが存在しない箇所(欠線部)においては、光学式センサの検出光が正常に反射しないため、軌道変位を正常に測定することができない。
このような欠線部は、軌道検測車による測定結果には、光飛びと称される著大かつスパイク状の変化となって表れる。
このため、分岐器区間の軌道変位の確認には、軌道検測車の測定値を使用できないという問題があった。
これに対し、軌道の変位が、予め設定した所定の閾値を超過した場合に光飛びが発生したものと判別することも考えられるが、鉄道軌道の場合、曲線区間での車両の通過を円滑とするために、軌間の拡大寸法(スラック)が設定される場合がある。このような場合には、軌道変位が微小な状態であっても著大な軌間変化が生じることから、閾値を適切に設定することは困難である。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、測定値の局所的な異常値の影響を抑制した軌道検測データの処理方法、及び、軌道検測データの処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明の一態様に係る軌道検測データの処理方法は、鉄道用軌道に設けられるレールに設定される被測定箇所の変位を、前記レールの長手方向に沿って移動しながら光学式センサにより測定することで軌道検測データを取得し、前記軌道検測データにおける前記被測定箇所の変位の前記レールの長手方向移動量に対する変化率を算出し、前記変化率の絶対値が所定の閾値以上となった領域を前記光学式センサの測定不能領域であると判別することを特徴とする。
これによれば、例えばスラックなどが設定されることによりレールの変位そのものに適切な閾値を設定することが困難な鉄道用軌道の軌道検測であっても、レールの長手方向移動量に対する変位の変化率に対して閾値を設定することによって、光飛びなどに起因する測定値の局所的な異常値を効率的に判別することができ、異常値が存在する領域及びその近傍のデータに対してデータ補間等の処理を施すことにより、他のデータに影響を及ぼすことなく異常値の影響を抑制することができる。
【0007】
本発明において、前記軌道検測データにおける前記測定不能領域を含む一部の領域に補間処理を施す構成とすることができる。
これによれば、光学式センサの測定不能領域が存在する場合に補間処理を施すことによって、欠線部などが存在する軌道であっても連続性を有する軌道検測データを得ることができる。
【0008】
本発明において、前記測定不能領域の前後にそれぞれ付加領域を設定し、前記測定不能領域及び前記付加領域からなる領域に前記補間処理を施す構成とすることができる。
これによれば、測定不能領域と判別された領域の直前又は直後に、比較的大きな変位の変動が存在する場合に、補間後のデータへの影響を抑制することができる。
【0009】
本発明において、前記レールの長手方向における間隔が所定値以下である複数の前記測定不能領域が判別された場合に、当該複数の前記測定不能領域を含む領域に連続的に前記補間処理を施す構成とすることができる。
これによれば、複数の測定不能領域が隣接して分布する場合に、複数の測定不能領域に一括して連続的に補間処理を施すことにより、良好な連続性を有する軌道検測データを得ることができる。
【0010】
本発明において、前記補間処理を施した前記軌道検測データに移動平均処理を施す構成とすることができる。
これによれば、測定不能領域の周辺に存在する波長成分を与えて軌道検測データの連続性を高めることができる。
【0011】
本発明において、前記光学式センサにより左右一対の前記レールの前記被測定箇所の変位を測定し、前記測定不能領域の判別は、左右の前記レールからそれぞれ得た前記軌道検測データに対して独立して行う構成とすることができる。
これによれば、左右のレールの一方にのみ欠線部などが存在する場合に、これに起因する測定不能領域の判別を、他方のレールの影響を受けることなく精度よく行うことができる。
【0012】
上述した課題を解決するため、本発明の一態様に係る軌道検測データの処理装置は、鉄道用軌道に設けられるレールに測定光を照射するとともに、前記レールからの反射光を受光して前記レールに設定される被測定箇所の変位を測定する光学式センサと、前記光学式センサを前記レールの長手方向に沿って移動させるセンサ移動手段と、前記光学式センサの出力を入力される軌道検測データの処理装置と、を具備する軌道検測装置における軌道検測データの処理装置であって、前記光学式センサを前記レールの長手方向に沿って移動させながら取得した前記光学式センサの出力に基づいて軌道検測データを生成する軌道検測データ生成部と、前記軌道検測データにおける前記被測定箇所の変位の前記レールの長手方向移動量に対する変化率を算出し、前記変化率の絶対値が所定の閾値以上となった領域を前記光学式センサの測定不能領域であると判別する測定不能領域判別部とを備えることを特徴とする。
本発明においても、上述した軌道検測データの処理方法に係る発明の効果と同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、測定値の局所的な異常値の影響を抑制した軌道検測データの処理方法、及び、軌道検測データの処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明を適用した軌道検測データの処理方法の実施形態において軌道検測データの取得に用いられる軌道検測車の構成を模式的に示す図である。
【
図2】実施形態の軌道検測車に設けられるレール変位検出器の構成を模式的に示す図である。
【
図3】実施形態の軌道検測データの処理方法においてレールに設定される測定箇所を示す図である。
【
図4】軌道検測の対象となる鉄道軌道に設けられる分岐器の構成の一例を示す図である。
【
図5】軌道検測車による分岐器測定時の車上データの出力イメージを示す図である。
【
図6】実施形態の軌道検測データの処理方法を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態の軌道検測データの処理方法における補間処理の一例を模式的に示す図である。
【
図8】実施形態の軌道検測データの処理方法による軌道検測データの一例を示す図である。
【
図9】実施形態の軌道検測データの処理方法による軌道検測データの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を適用した軌道検測データの処理方法及び軌道検測データの処理装置の実施形態について説明する。
図1は、実施形態の軌道検測データの処理方法において、軌道検測データの取得に用いられる軌道検測車の構成を模式的に示す図である。
軌道検測車1には、本発明を適用した軌道検測データの処理装置が搭載される。
また、軌道検測車1は、光学式センサであるレール変位検出器を、レールの長手方向に沿って移動させるセンサ移動手段としての機能を有する。
【0016】
軌道検測車1は、例えば、2軸のボギー台車を前後一対有する電車等の鉄道車両として構成されている。
軌道検測車1は、車体10、台車20、まくらばね30、高低用変換器40、通り用変換器50、レーザ基準装置60、レール変位検出器70、データ処理装置80等を備えている。
車体10は、床部を有する台枠の前後左右からそれぞれ妻構、側構を上方側へ立設し、上部に屋根構を設けた六面体状に形成されている。
車体10の内部には、乗員や各種機器類を収容する空間部である車室が設けられる。
【0017】
台車20は、車体10の下部に前後一対設けられた2軸ボギー台車である。
台車20は、台車枠21、輪軸22、軸箱23、釣合梁24等を有して構成されている。
台車枠21は、台車20の本体部を構成する部材であって、側部に設けられ前後方向に延在する左右一対の側梁の中央部を、まくらぎ方向に沿って延在する横梁で連結して構成されている。
台車枠21は、まくらばね30、及び、図示しない牽引装置等を介して車体10に取り付けられている。
台車枠21は、車体10に対して、上下並進方向、ロール方向、ピッチ方向、ボギー角付与方向等に相対変位可能となっている。
【0018】
輪軸22は、車軸の両端部を、左右一対の車輪に圧入固定して構成されている。
輪軸22は、台車枠21の前後に一対設けられる。
軸箱23は、輪軸22の車軸の両端部に形成されたジャーナル部を回転可能に支持する軸受や、潤滑装置、速度発電機などを備えている。
軸箱23は、図示しない軸箱支持装置を介して台車枠21に取り付けられる。
軸箱支持装置は、台車枠21に対して輪軸22が上下並進方向、ロール方向、ヨー方向(操舵方向)等に相対変位可能なよう、軸箱23が台車枠21に対して相対変位可能に支持する。
軸箱23と台車枠21との間には、図示しない軸ばね(1次ばね系)が設けられる。
軸ばねは、台車枠21に対する軸箱23の上下方向相対変位に応じた反力を発生する。
【0019】
釣合梁24は、各軸箱23に吊下げられるよう取り付けられ、前後方向に沿って延在する梁状の部材である。
釣合梁24は、レール変位検出器70が取り付けられる基部として機能する。
【0020】
まくらばね30は、車体10の下部と台車枠21の上部との間に設けられた例えば空気ばねなどのばね要素(2次ばね系)である。
まくらばね30は、車体10に対する台車枠21の上下方向相対変位に応じた反力を発生する。
まくらばね30の内部には、上下方向の伸縮に応じて空気が通過するオリフィスを有する減衰要素が設けられている。
【0021】
高低用変換器40は、車体10に対する軸箱23の上下方向変位を検出するものである。
高低用変換器40は、車体10の下部に取り付けられるとともに、変換器アームを介して軸箱23から突出したレバーに連結されている。
高低用変換器40は、軸箱23の車体10に対する上下方向変位に応じた変換器アームの揺動に応じた信号を出力する。
【0022】
通り用変換器50は、車体10に対する測定用車輪の左右方向(まくらぎ方向)変位を検出するものである。
通り用変換器50は、車体10の下部に取り付けられるとともに、変換器アームを介して測定用車輪の支持部から突出したレバーに連結されている。
通り用変換器50は、測定用車輪の車体10に対する左右方向変位に応じた変換器アームの揺動に応じた信号を出力する。
高低用変換器40、通り用変換器50は、接触式(機械式)の軌道検測装置を構成する。
【0023】
レーザ基準装置60は、レーザ光のビームによって、車体10の車室内に測定の基準線を形成するものである。
レーザ基準装置60は、レーザ出射部61、受光部62,63,64等を有して構成されている。
レーザ出射部61は、例えば、ガスレーザ等のレーザ発振器や、レーザ発振器が発生するレーザ光によってビームを形成する光学系などを備えている。
レーザ出射部61は、例えば、車体10の車室内における一方の端部側へ設けられ、車体10の前後方向に沿ったビーム65を反対側の妻構側へ出射する。
受光部62,63,64は、ビーム65の入射時に、ビーム65の光軸の位置を検出するものである。
受光部62,63,64は、車体10の車室内に、ビーム65の光軸方向に沿って順次配列されている。
【0024】
レール変位検出器70は、レーザ光を用いてレール頭面の高さ方向変位、レール側面の水平方向変位を検出する光学式センサである。
レール変位検出器70は、釣合梁24の端部に取り付けられている。
図2は、レール変位検出器の構成を模式的に示す図である。
レール変位検出部70には、出射部71、受光部72が設けられている。
【0025】
出射部71は、測定用のレーザ光を出射する部分であって、光源71a、出射光学系71b等を備えている。
光源71aは、例えば、半導体レーザなどのレーザ発振器を備えている。
出射光学系71bは、光源71aから出たレーザ光を所定の形態のビーム(測定光)として、測定対象のレールRに向けて出射させるものである。
出射光学系71bは、例えば、シリンドリカルレンズ等の光学素子を組み合わせて構成されている。
出射光学系71bから出たレーザビームは、測定対象のレールRの頭面及び側面に照射される。
【0026】
受光部72は、出射部71がレールRを照射した反射光を検出し、レールRの変位を検出するものである。
受光部72は、ミラー72a、カメラレンズ72b、PSD72c等を有する。
ミラー72aは、レールRから入射したレーザ光を反射してカメラレンズ72bへ導光するものである。
カメラレンズ72bは、ミラー72aから入射されたレーザ光を、PSD72cの受光部へ結像させる光学系である。
PSD72cは、レーザ光の入射位置を検出する位置検出素子である。
PSD72cの出力はデータ処理装置80に伝達され、光学式センサに基づく軌道検測データの記録、処理が行われる。
【0027】
図3は、実施形態の軌道検測データの処理方法においてレールに設定される測定箇所を示す図である。
レールRは、例えば、平底の普通レールであって、左右一対が所定の軌間離間した状態で平行に配置されている。
レールRは、頭部R1、腹部R2、底部R3等を有して構成されている。
頭部R1は、レールRの上部に設けられ、図示しない車輪と接するとともに、車輪の転動を案内する部分である。
腹部R2は、頭部R1の下部における幅方向中央部から、下方へ張り出して形成された平板状の部分である。
腹部R3は、レールRを図示しないまくらぎに取り付けるための基部となる部分である。
底部R3は、腹部R2の下端部から左右へ張り出して形成されている。
【0028】
一般的な軌道検測においては、上下方向変位の測定位置(被測定箇所)Pvは、頭部R1の上面部(頭面)の中央部に設定される。
また、左右方向変位の測定位置(被測定箇所)Phは、頭部R1の側面部であって、上述した測定位置Pvから所定の距離hだけ低い位置に設定される。
hは、例えば、14~16mm程度に設定されることが一般的である。
【0029】
データ処理装置80は、各センサから伝達される軌道検測データを記録し、所定の処理を施して出力する機能を有する。
データ処理装置80は、例えば、CPU等の情報処理装置、RAM、ROM、各種ディスクドライブ装置などの記憶装置、入出力インターフェイス及びこれらを接続するバス等を有するコンピュータを用いることができる。
なお、軌道検測データの処理を、車上に搭載されたデータ処理装置80によって行う構成に代えて、車上では各センサの出力データ(生データ)の記録のみを行い、その後のデータ処理は別途行うようにしてもよい。
データ処理装置80は、実施形態の軌道検測データの処理方法を実行する、実施形態の軌道検測データの処理装置(軌道検測データ生成部、測定不能領域判別部)として機能する。
【0030】
上述したレール変位検出器70のような光学式センサを用いた場合、レールRが局所的に途切れる欠線部においては、レーザ光の反射光を適切に検出することができず、いわゆる光飛びと称される異常値が検出される場合がある。
このような光飛びは、例えば、分岐器のトングレールの先端部や、クロッシング部等の欠線部において発生することが知られている。
【0031】
図4は、軌道検測の対象となる鉄道軌道に設けられる分岐器の構成の一例を示す図である。
図4に示す分岐器100は、例えば直進方向に設定された基準線と、基準線から左側に分岐する分岐線とを有する。
図4で左側となる前端(1線側)から順に、分岐器100は、ポイント部101、リード部102、クロッシング部103を有する。
ポイント部101は、左右一対のトングレールによって、車輪の進路を転換する部分である。
リード部102は、ポイント部101とクロッシング部103とを接続する部分である。
クロッシング部103は、基準線と分岐線とが交差する部分である。
【0032】
分岐器100は、右基本レール111、左基本レール112、右トングレール113、左トングレール114、右リードレール115、左リードレール116、ノーズレール117、右ウイングレール118、左ウイングレール119、右ガードレール120、左ガードレール121等を有する。
【0033】
右基本レール111は、分岐器100の前端から、後端における基準線側にかけて、前端側から進入する車両の右側の車輪を案内するものである。
右基本レール111は、例えば直線状に連続して延在している。
【0034】
左基本レール112は、分岐器100の前端から、後端における分岐線側にかけて、前端側から進入する車両の左側の車輪を案内するものである。
左基本レール112は、ポイント部101からリード部102へかけて、基準線側から左側へ分岐するよう曲線状に形成され、その他の領域では実質的に直線状となるよう連続して延在している。
【0035】
右トングレール113,左トングレール114は、前端側が左右に揺動することにより、車両の軌道(進路)を切り換える部分である。
右トングレール113,左トングレール114は、前端側のまくらぎ方向の厚さが薄くなるよう尖らせて形成されるとともに、その上面部には所定のトングレール頭頂面勾配が与えられている。
【0036】
右トングレール113は、列車が基準線側へ進行する際には、右基本レール111から離間するとともに、列車が分岐線側へ進行する際には、先端部が右基本レール111と密着するようになっている。
左トングレール114は、列車が基準線側へ進行する際には、先端部が左基本レール112と密着するとともに、列車が分岐線側へ進行する際には、先端部が左基本レール112から離間するようになっている。
【0037】
実施形態においては、右トングレール113,左トングレール114の後端部は、それぞれ右リードレール115、左リードレール116と連続して一体に形成されている。
分岐器1は、右トングレール113,左トングレール114が、右リードレール115、左リードレール116との接続部のたわみを利用して先端側が揺動するいわゆる弾性分岐器として構成されている。
【0038】
ノーズレール117は、クロッシング部103に設けられ、基準線側の左側レールと分岐線側の右側レールとが交わる箇所に設けられている。
ノーズレール117は、先端側の端部が鋭角に尖って形成されている。
【0039】
右ウイングレール118は、基準線側に進行する場合に、左側の車輪が左リードレール116からノーズレール117に乗り移る際に、脱線を防止するよう車輪を誘導するものである。
右ウイングレール118は、ノーズレール117における基準線側の部分の軌道内側に、間隔を隔てて対向して配置されている。
右ウイングレール118は、右リードレール115の後端側の端部から連続して一体に形成されている。
【0040】
左ウイングレール119は、分岐線側に進行する場合に、右側の車輪が右リードレール115からノーズレール117に乗り移る際に、脱線を防止するよう車輪を誘導するものである。
左ウイングレール119は、ノーズレール117における分岐線側の部分の軌道内側に、間隔を隔てて対向して配置されている。
左ウイングレール119は、左リードレール116の後端側の端部から連続して一体に形成されている。
【0041】
右ガードレール120は、基準線側に進行する場合に、左側の車輪が分岐線側に進行することを防止するよう車輪を誘導するものである。
右ガードレール120は、クロッシング部103において、右基本レール111の軌道内側に間隔を隔てて対向して配置されている。
【0042】
左ガードレール121は、分岐線側に進行する場合に、右側の車輪が基準線側に進行することを防止するよう車輪を誘導するものである。
左ガードレール121は、リード部102からクロッシング部103にかけて、左基本レール112の軌道内側に間隔を隔てて対向して配置されている。
【0043】
図5は、軌道検測車による分岐器測定時の車上データの出力イメージを示す図である。
ここで、軌間の変位は、左右のレール変位の和となる。
以上説明した分岐器100においては、列車が基準線側へ進行する場合には、左側の車輪が通過するレールに着目すると、クロッシング部103における左リードレール116の後端部と、ノーズレール117の前端部との間で、レールが途切れる欠線部が形成される。
また、左トングレール114の前端部の左基本レール112との接触箇所においても、左トングレール114の厚みに起因する段差が形成される。
一方、列車が分岐線側へ進行する場合には、右側の車輪が通過するレールに着目すると、クロッシング部102における右リードレール115の後端部と、ノーズレール117の前端部との間で、レールが途切れる欠線部が形成される。
また、右トングレール113の前端部の右基本レール111との接触箇所においても、右トングレール113の厚みに起因する段差が形成される。
このような欠線部や段差においては、レール変位検出器70の検出値が異常値となる、いわゆる光飛びが発生する。
【0044】
実施形態の軌道検測データの処理方法においては、以下説明する手法により、上述した光飛びに起因する異常値の影響を抑制している。
一般的な軌道検測車においては、軌道検測データとして以下説明するMデータ、リプレイデータ、車上データなどを取り扱っている。
Mデータは、鉄道事業者が普段の軌道管理(保線)に利用するデータである。
Mデータにおいては、所定の距離間隔(一例として0.25m)毎にサンプリングされた軌道変位及び車体動揺に関するデータに、所定のフィルタ処理を施している。
【0045】
リプレイデータは、例えば軌道検測車の不具合等の原因特定に利用されるデータである。
リプレイデータは、例えば、所定の距離間隔(一例として0.25m)毎にサンプリングされた軌道変位、車体動揺、偏心矢データ、及び、各センサ(レール変位検出器70等)の出力値履歴であるセンサデータなどを含む。
リプレイデータにおいてもMデータと同様に、各データに所定のフィルタ処理を施している。
ここで、Mデータ、リプレイデータに施されるフィルタ処理として、例えば、7次又は11次のメディアンフィルタ(中間値フィルタ)などがある。
【0046】
車上データは、通常は使用されることがないデータであって、例えば、所定の距離間隔(一例として0.25m)毎にサンプリングされたフィルタ処理前のセンサデータ(生データ)を有する。
車上データは、例えばデータ処理装置80に設けられたデータレコーダによって、所定の時間周期あるいは距離周期のサンプリングで測定が行われる。
車上データには、リプレイデータ等ではフィルタ処理によって除去される比較的短い波長の変位に関する情報が多く含まれるが、光飛びの影響を最も顕著に受けることになる。
そこで、実施形態の軌道検測データの処理方法では、以下説明する手法により、光飛び発生区間(測定不能領域)を判別し、光飛び発生区間を含む所定の区間においてのみ、車上データを直線補間することにより、比較的短い周期の変位に関する情報を含みかつ光飛びの影響を抑制した軌道検測データを得ている。
図6は、実施形態の軌道検測データの処理方法を示すフローチャートである。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
【0047】
<ステップS01:レール変位検出器測定値取得>
軌道検測車1によって軌道検測の対象となる区間を含む路線を走行し、レール変位検出器70によって、左右のレールの測定値(変位データ)を、所定の距離間隔(例えば0.25m毎)に取得し、データ処理装置80に記録する。
その後、ステップS02に進む。
【0048】
<ステップS02:隣り合うデータの変化量算出>
データ処理装置80は、ステップS01において取得した左右のレール変位検出器70の各測定値に対して、隣り合うデータ(一例として0.25m間隔)の差分をとって変化量を求める。
この変化量(差分)は、所定のレール長手方向移動量あたりのレール変位検出値の変化率を意味している。
その後、ステップS03に進む。
【0049】
<ステップS03:変化量移動平均処理>
データ処理装置80は、ステップS02において算出した変化量(差分)の履歴に対して移動平均処理を行い、比較的長い波長の変化(レール変位検出器70がもつドリフト成分)を取り除いた後、レール長手方向に沿った各位置における変化量の絶対値を算出する。
その後、ステップS04に進む。
【0050】
<ステップS04:光飛びデータ判別>
データ処理装置80は、ステップS03において左右のレールについてそれぞれ算出した変化量の絶対値を、予め設定された閾値と比較し、変化量の絶対値が閾値以上である場合には、当該箇所のデータを光飛びデータとする。
その後、ステップS05に進む。
【0051】
<ステップS05:光飛び発生区間設定>
データ処理装置80は、ステップS04において光飛びデータと判別されたデータが存在する領域を、光飛び発生区間(測定不能領域)として設定する。
なお、隣接して複数の光飛び発生区間が存在する場合に、これらを単一の光飛び設定区間として設定し、後述する補間処理、移動平均処理を一括して行うようにしてもよい。
例えば、複数の光飛び発生区間が、軌道長手方向に沿った間隔が所定値以下の状態で存在する場合に、このように連続して補間処理等を行うことができる。
その後、ステップS06に進む。
【0052】
<ステップS06:光飛び発生区間及び前後A(m)を直線補間>
データ処理装置80は、ステップS05において設定した光飛び設定区間、及び、その前後それぞれ所定の距離(例えばA(m))の付加領域を含む区間を直線補間区間として設定する。
図7は、実施形態の軌道検測データの処理方法における補間処理の一例を模式的に示す図である。
図7において、横軸は軌道長手方向に沿った位置を示し、縦軸は上段から順に、変位の変化量(光飛び検知データ)、車上データに基づく軌間測定値、実施形態の手法による光飛び除去後の軌間をそれぞれ示している。
データ処理装置80は、直線補間区間に存在するデータの両端を直線で結んだデータ(直線補間データ)を生成する。
その後、ステップS07に進む。
【0053】
<ステップS07:光飛び発生区間及び前後B(m)を移動平均処理>
データ処理装置80は、ステップS06において生成した直線補間データにおいて、光飛び発生区間、及び、その前後それぞれ所定の距離(例えばB(m))を含む区間に対して、移動平均処理を施す。
ここで、距離B(m)は、移動平均長を考慮して、上述した距離A(m)よりも大きく設定される。
この移動平均処理により、光飛び発生区間の周辺の波長成分を、車上データへのデータ置換が行われるデータ置換対象区間に与えることができる。
その後、ステップS08に進む。
【0054】
<ステップS08:データ置換実行>
データ処理装置80は、レール変位検出器70から得た左右それぞれのレール変位の車上データにおいて、光飛び発生区間、及び、その前後それぞれB(m)を含む区間のデータを、ステップS07において生成したデータ(直線補間及び移動平均処理後のデータ)へのデータ置換を実行する。
軌間変位、通り変位などの軌道変位量の演算は、このデータ置換後のデータを用いて行うことができる。
その後、一連の処理を終了する。
【0055】
以下、実施形態の軌道検測データの処理方法を適用した軌道検測データの一例について説明する。
図8は、実施形態の軌道検測データの処理方法による軌道検測データの一例を示す図である。
図8において、横軸は軌道長手方向に沿った位置を示し、縦軸は上段側から軌間変位、光飛び検知(判別)の有無、分岐器の有無、偏心矢による通り変位、10m弦による通り変位をそれぞれ示している。
また、車上データに基づく軌道変位を実線で示し、光飛び除去後のデータ(直線補間及び移動平均処理後のデータ)に基づく軌道変位を破線で示し、既存の検測車から出力される軌道変位(上述したMデータに相当する)を一点鎖線で図示している。
【0056】
図8に示すように、車上データにおいてはクロッシング部103の欠線部において軌間変位のデータが明らかに著大な異常値を示しているが、これらの箇所においては光飛び検知が成立しており、その結果、光飛び除去後(直線補間後)のデータへのデータ置換が行われることになる。
これにより、偏心矢による通り変位においては、欠線部における光飛びの影響が除去されているとともに、光飛びとは関係のない比較的短い波長のレール変位に関するデータは残存している。
また、10m弦による通り変位においては、実施形態の手法による光飛び除去後の軌道変位は、検測車から出力される軌道変位と類似する傾向を示しており、実施形態の妥当性が示されている。
【0057】
図9は、実施形態の軌道検測データの処理方法による軌道検測データの他の例を示す図である。
図9において、横軸は軌道長手方向に沿った位置を示し、縦軸は偏心矢による通り変位を示している。
また、車上データに基づく軌道変位を実線で示し、光飛び除去後のデータ(直線補間及び移動平均処理後のデータ)に基づく軌道変位を破線で示し、検測車から出力される軌道変位(Mデータ)を一点鎖線で図示している。
図9に示す例においては、既存の検測車から出力される軌道変位には光飛びの影響が残っているが、実施形態の手法を用いることにより、光飛びの影響を実質的に無視し得る程度まで除去できていることがわかる。
【0058】
また、既存の軌道検測車から出力されるMデータには、メディアンフィルタ処理が行われているため、比較的短い波長の軌道変位に関する情報が失われるが、実施形態の手法によれば、光飛び発生区間及びその直前、直後に限定して補間処理を行うため、補間処理を行う領域以外の領域では、短い波長の軌道変位に関するデータを有効に活用することができる。
さらに、分岐器における軌道変位検査は、一般に軌道の長手方向に沿って離散的に配列された既定の位置で行うことが定められているが、実施形態においては、光飛び検知データからクロッシング欠線部の位置を特定できるため、予め分岐器における軌道変位検査の測定位置と、クロッシング欠線部の距離を求めておくことで、軌道変位検査の自動化を図ることができる。
【0059】
以上説明した実施形態の軌道検測データの処理方法、処理装置によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)例えばスラックなどが設定されることにより、レールの変位そのものに適切な閾値を設定することが困難な鉄道用軌道の軌道検測であっても、レールの長手方向移動量に対するレールの被測定箇所の変位の変化率(隣り合うデータの変化量)に対して閾値を設定することによって、光飛びなどに起因する測定値の局所的な異常値を効率的に判別することができる。そして、異常値が存在する領域、及び、その近傍のデータに対して直線補間処理等を施すことにより、他の領域のデータに影響を及ぼすことなく異常値の影響を抑制することができる。
(2)軌道検測データにおける測定不能領域である光飛び発生区間を含む一部の領域に補間処理を施すことにより、欠線部などが存在する軌道であっても連続性を有する軌道検測データを得ることができる。
(3)光飛び発生区間の前後にそれぞれA(m)の付加領域を設定し、光飛び発生区間及び付加領域からなる領域に補間処理を施すことにより、光飛び発生区間の前後に比較的大きな変位の変動が存在する場合に、この変動による補間後のデータへの影響を抑制することができる。
(4)直線補間処理を施した軌道検測データに移動平均処理を施すことにより、光飛び発生区間の周辺に存在する波長成分を与えて軌道検測データの連続性を高めることができる。
(5)レール変位検出器70によって左右のレールの変位をそれぞれ検出し、左右のレールから得た車上データに対して独立して光飛び発生区間の判別を行うことにより、左右のレールの一方にのみ欠線部などが存在する場合に、これに起因する光飛び発生区間の判別を、他方のレールの影響を受けることなく精度よく行うことができる。
【0060】
(他の実施形態)
なお、本発明は上述した各実施形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。
(1)軌道検測データの処理方法、軌道検測データの処理装置や、適用の対象となる軌道検測機器、軌道等の構成は、上述した実施形態に限らず、適宜変更することができる。
例えば、実施形態においては軌道検測を軌道検測車によって行っているが、これに限らず、例えば公知である手押し式の軌道検測装置を用いてもよい。
また、光飛び除去処理の対象となる欠線部も、分岐器のトングレール部、クロッシング部に限らず、例えばレールの継ぎ目箇所など他の箇所であってもよい。
(2)実施形態においては、光飛び発生区間を含む領域の補間処理を行った後に移動平均処理を行っているが、移動平均処理は選択的なものであり、必ずしも行わなくてもよい。
(3)実施形態においては、光飛び発生区間を含む領域の補間処理を直線補間によって行っているが、補間処理の手法はこれに限らず適宜変更することができる。例えば、スプライン補間などの他の補間処理を行ってもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 軌道検測車 10 車体
20 台車 21 台車枠
22 輪軸 23 軸箱
24 釣合梁 30 まくらばね
40 高低用変換器 50 通り用変換器
60 レーザ基準装置 61 レーザ出射部
62,63,64 受光部 65 ビーム
70 レール変位検出器 71 出射部
71a 光源 71b 出射光学系
72 受光部 72a ミラー
72b カメラレンズ 72c PSD
80 データ処理装置
R レール R1 頭部
R2 腹部 R3 底部
Pv 上下方向変位の測定位置 Ph 左右方向変位の測定位置
100 分岐器 101 ポイント部
102 リード部 103 クロッシング部
111 右基本レール 112 左基本レール
113 右トングレール 114 左トングレール
115 右リードレール 116 左リードレール
117 ノーズレール 118 右ウイングレール
119 左ウイングレール 120 右ガードレール
121 左ガードレール