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特許7538803イミダゾキノリンアミン誘導体、医薬組成物、その使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】イミダゾキノリンアミン誘導体、医薬組成物、その使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20240815BHJP
   A61K 31/4745 20060101ALI20240815BHJP
   A61K 39/39 20060101ALI20240815BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20240815BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20240815BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20240815BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
C07D471/04 105C
C07D471/04 CSP
A61K31/4745
A61K39/39
A61P37/06
A61P37/08
A61P31/00
A61P35/00
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2021541715
(86)(22)【出願日】2020-01-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(86)【国際出願番号】 US2020015495
(87)【国際公開番号】W WO2020160054
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】62/799,806
(32)【優先日】2019-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521317380
【氏名又は名称】ユー,ニンフイ
(73)【特許権者】
【識別番号】521317391
【氏名又は名称】キャンウェル バイオテック リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】ユー,ニンフイ
【審査官】宮田 透
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-534248(JP,A)
【文献】特表2014-515406(JP,A)
【文献】国際公開第2018/049017(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/047824(WO,A1)
【文献】特表2008-511677(JP,A)
【文献】国際公開第2014/201245(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D、A61K、A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式(I)を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩であって、
【化1】
式中、
はC-Cアルキル基であり、
は(CHであり、ここで、mは1~8から選択される整数であり、
Lは
【化2】

から選択される、連結部分であり、および、
はC12-C32アルキル基である、
化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項2】
はC-Cアルキル基であり、mは3~8から選択される整数である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
はCアルキル基であり、前記化合物は構造式
【化3】
を有する、請求項1または2に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
はCアルキル基であり、mは4であり、前記化合物は構造式
【化4】
を有する、請求項1-3のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
はC16-C24アルキル基である、請求項1-4のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
Lは、
【化5】
から選択される、請求項1-5のいずれかに記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項7】
【化6】
の構造式を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項8】
【化7】
の構造式を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項9】
【化8】
の構造式を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項10】
【化9】
の構造式を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項11】
【化10】
の構造式を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項12】
【化11】
の構造式を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項13】
【化12】
の構造式を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項14】
【化13】
の構造式を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項15】
【化14】
の構造式を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項16】
【化15】
の構造式を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項17】
【化16】
の構造式を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項18】
【化17】
の構造式を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項19】
請求項1-18のいずれかに記載の化合物を含む、医薬組成物。
【請求項20】
自己免疫疾患、または関連する疾患もしくは障害を処置または軽減するための、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
移植片拒絶、または関連する疾患もしくは障害を処置または軽減するための、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項22】
アレルギー、または関連する疾患もしくは障害を処置または軽減するための、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項23】
免疫不全、または関連する疾患もしくは障害を処置または軽減するための、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項24】
感染症、敗血症、または関連する疾患もしくは障害を処置または軽減するための、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項25】
癌、または関連する疾患もしくは障害を処置または軽減するための、請求項19に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張および関連出願
本出願は、2019年2月1日に出願された米国仮出願第62/799,806号に対する優先権の利益を主張するものであり、当該文献の内容全体は、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は一般に、新規な化合物およびその治療的使用に関する。より具体的には、本発明は、Toll様受容体(TLR)、特に、TLR7および/またはTLR8へのアゴニスト活性を有する新規なイミダゾキノリンアミン誘導体と、その医薬組成物と、TLR7および/またはTLR8によって媒介された、あるいはTLR7および/またはTLR8に関連する特定の疾患または疾病、例えば、移植片拒絶、自己免疫、炎症アレルギー、喘息、感染症、敗血症、癌、および免疫不全を処置、軽減、あるいは予防する方法と、を提供する。
【背景技術】
【0003】
自然免疫および獲得免疫は、病原体感染に対する脊椎動物の防衛システムの2つの武器(arms)である(Isaza-Correa et al.2004 Nat Immunol 5:987-995;Kawai et al.2006 Nat Immunol 7:131-137;Kimbrell et al.2001 Nat Rev Genet 2:256-267)。TLRは、病原体関連分子パターンおよび損傷関連分子パターン(DAMP)を検出することができるため、自然免疫および獲得免疫の反応の最も重要な調節因子のうちの1つである(Basith et al.2012 Arch Pharm Res 35:1297-1316;Vijay 2018 Int Immunopharmacol 59:391-412.)。TLRは、脊椎動物と無脊椎動物の両方に高度に保存される。TLR1、2、4、5、6、および10は、細胞表面に位置するが、TLR3、7、8、9、11、12、および13は、エンドソーム/リソソームの小胞に局在化される。ヒトにおける10のTLR(TLR1-10)が、B細胞、樹状細胞(DC)、T細胞、単球、およびマクロファージによって発現される(Kawai et al.2011 Immunity 34:637-650;Lee et al.2012 Nat Rev Immunol 12:168-179)。TLR1-9の天然のリガンドは同定されているが、TLR10のリガンドはいまだに分かっていない。細菌、真菌、原生動物、およびウイルスによって発現された特定成分を認識するTLRの能力は、生得的反応の重要な要素である(Iwasaki et al.2015 Nat Immunol;16:343-353)。これらの微生物成分は主に3つのクラスに分類され得る:脂質およびリポペプチド(TLR2/1;TLR2/6;TLR2およびTLR4のアゴニスト);フラジェリン(TLR5のアゴニスト);ならびに、核酸(TLR3、TLR7、TLR8、およびTLR9のアゴニスト)。
【0004】
TLRを刺激して自然免疫系を活性化させることは、ここ数年にわたり治療戦略となってきた。TLR3、4、7、8、および9はすべて、癌の確認された標的であり、多くの会社がアゴニストおよびワクチンアジュバントを開発中である(Holldack 2013 Drug Discov Today 19:379-382)。とりわけ、TLR7は、膀胱癌および皮膚癌の局所治療における標的として概念実証を確立してきた。しかし、他のほとんどの癌に対してTLR7を標的とする全身療法の開発は、心臓毒性または骨髄抑制ゆえに困難であることが証明されている。最近の動物データにより、新しいクラスの改変TLR7アゴニストを、良好な毒物学プロファイルで全身的に投与することが可能なことが実証されており、全身的な癌の治療的介入においてこの標的が利用可能となっている。
【0005】
TLR7およびTLR8は、単球およびマクロファージを含む、抗原提示細胞(APC)のエンドソーム膜上に位置する。TLR7は形質細胞様DC(pDC)上で高度に発現されるが、TLR8は骨髄系DC(mDC)および単球上で主に発現される。TLR8を活性化すると、IL-6、IL-12、TNF-α、およびIFN-βなどの様々なサイトカインが結果として産生され、副刺激分子、例えば、CD40、CD80、CD83、およびCD86、MHC分子、ならびにケモカインレセプターの発現が増加する(Hussein et al.2014 Expert Opin Ther Pat 24:453-470)。さらに、TLR8を刺激すると、IFN-αおよびIFN-βの産生が引き起こされる。TLR7およびTLR8がウイルスのssRNAを認識することができるため、新しいTLR7およびTLR8のアゴニストを調査することで、新しい抗ウイルス性ワクチンの開発に結びつく可能性がある。
【0006】
リン脂質コンジュゲートを含む大きな一連のプリン誘導体は、TLR7アゴニストとして使用するために合成された。これらの化合物は、ワクチンアジュバントとして使用され、炎症、癌、および微生物感染症のような様々な障害を予防、阻害、または処置するために使用された(Hayashi et al.2011 Melanoma Res 21:66-75)。VTX-2337は、TLR8を刺激することによりヒト骨髄系DCの有力な活性化および1型極性化を誘導することができる、ベンゾ[b]アゼピン誘導体である。合成イミダゾキノリンであるイミキモドは、外性器疣贅(external genital warts)、表在型基底細胞癌、および日光角化症を処置するための5%の局所製剤において、FDAによって承認された最初のTLR7のアゴニストである(Hemmi et al.2002 Nat Immunol 3:196-200;Wang et al.2008 Oncogene 27:181-189)。イミダゾキノリンの小分子誘導体である852Aは、別のTLR7のアゴニストである。852Aの長期投与の活性、安全性、および免疫賦活性能力を、再発性の血液悪性腫瘍を有する患者の処置について、第II相試験で評価した(Weigel et al.2012 Am J Hematol 87:953-956)。しかし、この試験は、薬物がスポンサー(NCT00276159)からもはや入手可能ではなくなったために終了した。
【0007】
TLR7およびTLR8に関連する疾患または障害の管理のために現在利用可能な治療および方法は、不適切である。このような疾患および疾病を効果的に処置する新規かつ改良された治療に対する緊急かつ継続的なニーズが依然として存在している。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、TLR、特に、TLR7および/またはTLR8のアゴニストである新規なイミダゾキノリンアミン誘導体と、その医薬組成物と、TLR7および/またはTLR8によって媒介された、もしくはTLR7および/またはTLR8に関連する特定の疾患あるいは疾病、例えば、移植片拒絶、自己免疫、炎症アレルギー、喘息、感染症、敗血症、癌、ならびに免疫不全、および関連する疾患および疾病を処置、軽減、あるいは予防する方法と、に部分的に基づく。
【0009】
一態様では、本発明は一般に、構造式(I)を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な形態あるいは同位体誘導体に関し:
【0010】
【化1】
式中、
は、C-C(例えば、C-C、C-C、C-C)アルキル基であり;
は(CHであり、ここで、mは、1~8から選択される整数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8)であり;
Lは連結部分であり;および、
は、C-C32(例えば、C-C16、C16-C32、C16-C24)アルキル基である。
【0011】
別の態様では、本発明は一般に、本明細書で開示される化合物を含む医薬組成物に関する。
【0012】
さらに別の態様では、本発明は一般に、ヒトを含む哺乳動物の1つ以上の疾患または障害を処置、予防、または軽減するのに有効な、構造式(I)を有するある量の化合物、またはその薬学的に許容可能な形態あるいは同位体誘導体、および薬学的に許容可能な賦形剤、担体、あるいは希釈剤を含む医薬組成物に関し、
【0013】
【化2】
式中、
は、C-C(例えば、C-C、C-C、C-C)アルキル基であり;
は(CHであり、ここで、mは、1~8から選択される整数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8)であり;
Lは連結部分であり;および、
は、C-C32(例えば、C-C16、C16-C32、C16-C24)アルキル基である。
【0014】
さらに別の態様では、本発明は一般に、本明細書で開示される化合物を含む単位剤形に関する。
【0015】
さらに別の態様では、本発明は一般に、本明細書で開示される医薬組成物を含む単位剤形に関する。
【0016】
さらに別の態様では、本発明は一般に、疾患または障害を処置、軽減、または予防するための方法に関し、上記方法は、それを必要とする被験体に、ヒトを含む哺乳動物の自己免疫疾患、移植片拒絶、アレルギー、免疫不全、感染症、敗血症、癌、またはその関連する疾患あるいは障害の1つ以上を処置、軽減、または予防するのに有効な、構造式(I)を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な形態あるいは同位体誘導体、および薬学的に許容可能な賦形剤、担体、あるいは希釈剤を含む医薬組成物を投与する工程を含み:
【0017】
【化3】
式中、
は、C-C(例えば、C-C、C-C、C-C)アルキル基であり;
は(CHであり、ここで、mは、1~8から選択される整数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8)であり;
Lは連結部分であり;および、
は、C-C32(例えば、C-C16、C16-C32、C16-C24)アルキル基である。
【0018】
さらに別の実施形態では、本発明は一般に、免疫応答を調節するための方法に関し、上記方法は、それを必要とする被験体に、本明細書で開示される化合物を含む医薬組成物を投与する工程を含む。
【0019】
さらに別の態様では、本発明は一般に、TLR7および/またはTLR8媒介シグナル伝達を調節するための方法に関し、上記方法は、それを必要とする被験体に、本明細書で開示される化合物を含む医薬組成物を投与する工程を含む。
【0020】
さらに別の態様では、本発明は一般に、TLR7および/またはTLR8媒介細胞活性を調節することによって処置可能な疾病または障害を処置、軽減、または予防するための方法に関し、上記方法は、それを必要とする被験体に、本明細書で開示される化合物を含む医薬組成物を投与する工程を含む。
【0021】
さらに別の態様では、本発明は一般に、疾患または障害を処置、軽減、または予防するための方法に関し、上記方法は、それを必要とする被験体に、本明細書で開示される化合物を含む医薬組成物を投与する工程を含み、ここで、上記疾患または障害は、自己免疫疾患、移植片拒絶、アレルギー、免疫不全、感染症、敗血症、癌、あるいは関連する疾患または障害である。
【0022】
さらに別の態様では、本発明は一般に、疾病または障害を処置、軽減、または予防するための、本明細書で開示される化合物の使用に関する。
【0023】
さらに別の態様では、本発明は一般に、疾患または障害を処置、軽減、または予防するための薬剤の調製における、本明細書で開示される化合物、および薬学的に許容可能な賦形剤、担体、または希釈剤の使用に関する。
【0024】
定義
別段の定めのない限り、本明細書で使用されるすべての技術的用語および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。有機化学の一般的な原理、ならびに特定の官能性部分および反応性は、“Organic Chemistry”,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito:1999、および “March’s Advanced Organic Chemistry”,5th Ed.:Smith,M.B.and March,J.,John Wiley & Sons,New York:2001に記載されており、これらの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0025】
本発明の特定の化合物は、とりわけ、幾何学的形態または立体異性形態で存在し得る。本発明は、そのシス(cis)異性体およびトランス(trans)異性体、RエナンチオマーおよびSエナンチオマー、ジアステレオマー、(D)異性体、(L)異性体、ラセミ体混合物、ならびにこれらの他の混合物を含む、こうしたすべての化合物を、本発明の範囲内に属するものとみなす。追加の不斉炭素原子がアルキル基などの置換基に存在する場合がある。そのようなすべての化合物、ならびにそれらの混合物も、本発明に含まれることが意図される。
【0026】
様々な異性体比率のいずれかを含む異性体混合物が、本発明に従って利用されてもよい。例えば、2つの異性体のみが組み合わされる場合、50:50、60:40、70:30、80:20、90:10、95:5、96:4、97:3、98:2、99:1、または100:0の異性体比率を含む混合物が、本発明によって企図される。当業者は、同様の比率がさらに複雑な異性体混合物に対して企図されることを容易に認識する。
【0027】
例えば、本発明の化合物の特定のエナンチオマーが望ましい場合、それは、不斉合成によって、またはキラル補助基(chiral auxiliary)による誘導によって調製されてもよく、ここで、結果として生じるジアステレオマー混合物が分離され、補助基が切断されることで、純粋な所望のエナンチオマーが得られる。あるいは、分子が、アミノなどの塩基性官能基、またはカルボキシルなどの酸性官能基を含む場合、ジアステレオマー塩は、適切な光学活性の酸または塩基で形成され、その後、当該技術分野で周知の分別結晶またはクロマトグラフィー法によってこのように形成されたジアステレオマーが分割され、続いて、純粋なエナンチオマーが回収される。
【0028】
本発明の化合物の溶媒和物および多形体も本明細書で企図される。本発明の化合物の溶媒和物は、例えば、水和物を含む。
【0029】
特定の官能基および化学用語の定義が、以下により詳しく記載される。値の範囲が表記されるとき、それは、その範囲内の各値および部分範囲を含むように意図される。例えば、「C1-6アルキル」は、C、C、C、C、C、C、C1-6、C1-5、C1-4、C1-3、C1-2、C2-6、C2-5、C2-4、C2-3、C3-6、C3-5、C3-4、C4-6、C4-5、およびC5-6アルキルを包含するように意図される。
【0030】
本明細書で使用されるように、「アルキル」との用語は、炭素原子および水素原子のみからなり、不飽和を含有せず、1~10の炭素原子(例えば、C1-10アルキル)を有する、直線状、分枝状、または環状の炭化水素ラジカルを指す。「1~10」などの数の範囲は、本明細書で出てくるときは常に所定の範囲内の各整数を指す;例えば、「1~10の炭素原子」とは、アルキル基が、1つ、2つ、3つの炭素原子など、最大10の炭素原子からなり得ることを意味するが、本定義は、数の範囲が指定されていない「アルキル」の用語の出現もカバーする。いくつかの実施形態では、「アルキル」は、C1-6アルキル基であり得る。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~10、1~8、1~6、または1~3の炭素原子を有する。
【0031】
代表的な飽和した直鎖アルキルとしては、限定されないが、-メチル、-エチル、-n-プロピル、-n-ブチル、-n-ペンチル、および-n-ヘキシルが挙げられる;一方、飽和した分岐鎖アルキルとしては、限定されないが、-イソプロピル、-sec-ブチル、-イソブチル、-tert-ブチル、-イソペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2-メチルヘキシル、3-メチルヘキシル、4-メチルヘキシル、5-メチルヘキシル、2,3-ジメチルブチルなどが挙げられる。アルキルは、単結合によって親分子に結合する。
【0032】
本明細書において別段の定めのない限り、アルキル基は、独立して以下を含む置換基の1つ以上によって随意に置換される:アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルアリール、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アミジノ、イミノ、アジド、カーボネート、カルバマート、カルボニル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、シアノ、ハロ(F、Cl、Br、I)、ハロアルコキシ、ハロアルキル、エステル、エーテル、メルカプト、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボニル、ニトロ、オキソ、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、シリル、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミジル、スルホキシル、スルホネート、尿素、-Si(R、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)N(R、-C(O)N(R、-N(R)C(O)OR、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)N(R、-N(R)C(NR)N(R、-N(R)S(O)N(R(ここで、tは1または2である)、-P(=O)(R)(R)、または-O-P(=O)(OR、ここで、Rはそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、および、これらの部分の各々は本明細書に定義されるように随意に置換され得る。非限定的な実施形態では、置換されたアルキルは、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2-フルオロエチル、3-フルオロプロピル、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、ベンジル、およびフェネチルから選択され得る。
【0033】
本明細書で使用されるように、「脂肪族」または「脂肪族基」との用語は、完全に飽和しているか、もしくは1つ以上の不飽和単位を含有している直鎖(つまり、分岐していない)あるいは分岐鎖の、置換または非置換の炭化水素鎖、あるいは、完全に飽和しているか、もしくは1つ以上の不飽和単位を含有しているが、芳香族ではなく、残りの分子に対して単一の結合点を有する、単環式炭化水素または二環式炭化水素を意味する。別段の定めがない限り、脂肪族基は、1~6の脂肪族炭素原子を含有している。いくつかの実施形態では、脂肪族基は、1~5の脂肪族炭素原子を含有している。他の実施形態では、脂肪族基は、1~4の脂肪族炭素原子を含有している。さらに別の実施形態では、脂肪族基は1~3の脂肪族炭素原子を含有し、さらに別の実施形態では、脂肪族基は1~2の脂肪族炭素原子を含有している。いくつかの実施形態では、「脂環式(cycloaliphatic)」は、完全に飽和しているか、あるいは1つ以上の不飽和単位を含有しているが、芳香族でなく、残りの分子に対して単一の結合点を有する単環式C-C炭化水素を指す。例示的な脂肪族基は、直線状あるいは分岐状の、置換または非置換のC-Cアルキル基、C-Cアルケニル基、C-Cアルキニル基、および、(シクロアルキル)アルキル(シクロアルケニル)アルキル、またはアルケニル(シクロアルキル)などの複合型である。
【0034】
本明細書で使用されるように、「ヘテロ原子」との用語は、酸素、硫黄、窒素、またはリン(窒素、硫黄、あるいはリンの任意の酸化形態;任意の塩基性窒素の四級化形態、あるいは;複素環の置換可能な窒素、例えば、N(3,4-ジヒドロ-2H-ピロリルにおけるように)、NH(ピロリジニルにおけるように)、NR(N置換されたピロリジニルにおけるように)を含む)の1つ以上を意味する。
【0035】
本明細書で使用されるように、「不飽和の」との用語は、部分が1つ以上の不飽和単位を有することを意味する。
【0036】
本明細書で使用されるように、「アルキレン」との用語は、二価のアルキル基を指す。「アルキレン鎖」とは、ポリメチレン基、つまり、-(CH-であり、ここで、nは正の整数であり、好ましくは、1~6、1~4、1~3、1~2、または2~3の整数である。置換されたアルキレン鎖は、1つ以上のメチレン水素原子が置換基で置き換えられるポリメチレン基である。適切な置換基としては、置換された脂肪族基について以下に記載されるものが挙げられる。
【0037】
本明細書で使用されるように、「ハロゲン」との用語は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、またはヨウ素(I)を指す。本明細書で使用されるように、「ハロゲン化物」または「ハロ」との用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを意味する。「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」、「ハロアルキニル」、および「ハロアルコキシ」との用語は、1つ以上のハロ基で、またはそれらの組み合わせで置換される、アルキル、アルケニル、アルキニル、およびアルコキシの構造を含む。例えば、「フルオロアルキル」および「フルオロアルコキシ」との用語は、ハロアルキル基およびハロアルコキシ基をそれぞれ含み、ここで、ハロは、限定されないが、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1-フルオロメチル-2-フルオロエチルなどのフッ素である。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、およびアルコキシ基の各々は、本明細書で定義される通りであり、随意に、本明細書で定義されるようにさらに置換され得る。
【0038】
本明細書で使用されるように、「アルコキシ」との用語は、酸素を介して親分子の構造に結合される、直線状、分岐状、飽和した環状の構成およびそれらの組み合わせの、1~10の炭素原子(C1-10)を含む、基-O-アルキルを指す。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t-ブトキシ、ペントキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが挙げられる。「低級アルコキシ」は、1~6の炭素を含有するアルコキシ基を指す。いくつかの実施形態では、C1-3アルコキシは、1~3の炭素原子の直鎖アルキルと分岐鎖アルキルの両方を包含するアルコキシ基である。本明細書において別段の定めのない限り、アルコキシ基は、独立して以下を含む置換基の1つ以上によって随意に置換される:アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルアリール、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アミジノ、イミノ、アジド、カーボネート、カルバマート、カルボニル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、エステル、エーテル、メルカプト、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボニル、ニトロ、オキソ、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、シリル、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミジル、スルホキシル、スルホネート、尿素、-Si(R、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)N(R、-C(O)N(R、-N(R)C(O)OR、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)N(R、-N(R)C(NR)N(R、-N(R)S(O)N(R(ここで、tは1または2である)、-P(=O)(R)(R)、または-O-P(=O)(OR、ここで、Raはそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、および、これらの部分の各々は本明細書に定義されるように随意に置換され得る。
【0039】
本明細書で使用されるように、「芳香族」または「アリール」との用語は、炭素環式(例えば、フェニル、フルオレニル、およびナフチル)である共役π電子系を有する少なくとも1つの環を持つ、6~14の環原子(例えば、C6-14芳香族またはC6-14アリール)を有するラジカルを指す。いくつかの実施形態では、アリールはC6-10アリール基である。例えば、置換されたベンゼン誘導体から形成され、かつ環原子において自由原子価を有する二価のラジカルは、置換されたフェニレンラジカルとして命名される。他の実施形態では、自由原子価を有する炭素原子からの1つの水素原子を除去することによって名称が「-イル(-yl)」で終わる一価の多環式炭化水素ラジカルに由来する二価のラジカルは、対応する一価のラジカルの名称に「-イデン(idene)」を加えることによって命名され、例えば、2つの結合点を有するナフチル基はナフチリデンと命名される。「6~14のアリール」などの数の範囲は、本明細書中で出てくる場合は常に、所定の範囲内の各整数を指す;例えば、「6~14の環原子」は、アリール基が、最大14の環原子を含む、6つの環原子、7つの環原子などからなり得ることを意味する。この用語は、単環式または縮合環多環式(つまり、隣接する環原子対を共有する環)の基を含む。多環式アリール基は、二環、三環、四環などを含む。多環基において、1つの環のみが芳香族である必要があるため、インダニルなどの基はアリールの定義によって包含される。アリール基の非限定的な例としては、フェニル、フェナレニル、ナフタレニル、テトラヒドロナフチル、フェナントレニル、アントラセニル、フルオレニル、インドリル、インダニルなどが挙げられる。本明細書において別段の定めのない限り、アリール部分は、独立して以下を含む置換基の1つ以上によって随意に置換される:アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルアリール、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アミジノ、イミノ、アジド、カーボネート、カルバマート、カルボニル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、エステル、エーテル、メルカプト、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボニル、ニトロ、オキソ、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、シリル、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミジル、スルホキシル、スルホネート、尿素、-Si(R、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)N(R、-C(O)N(R、-N(R)C(O)OR、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)N(R、-N(R)C(NR)N(R、-N(R)S(O)N(R(ここで、tは1または2である)、-P(=O)(R)(R)、または-O-P(=O)(OR、ここで、Raはそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、および、これらの部分の各々は本明細書に定義されるように随意に置換され得る。
【0040】
本明細書で使用されるように、「シクロアルキル」および「カルボシクリル」との用語はそれぞれ、炭素および水素のみ含を含む単環式ラジカルまたは多環式ラジカルを指し、飽和されるか、または部分的に不飽和であり得る。部分的に不飽和のシクロアルキルは、炭素環が少なくとも1つの二重結合を含む場合は「シクロアルケニル」、または、炭素環が少なくとも1つの三重結合を含む場合は「シクロアルキニル」と命名され得る。シクロアルキル基は、3~13の環原子を有する基を含む(すなわち、C3-13シクロアルキル)。「3~10」などの数の範囲は、本明細書で出てくる場合は常に、所定の範囲内の各整数を指す;例えば、「3~13の炭素原子」は、シクロアルキル基が3つの炭素原子、4つの炭素原子、5つの炭素原子など、最大13の炭素原子からなり得ることを意味する。「シクロアルキル」との用語は、ヘテロ原子を含まない、架橋されたおよびスピロ縮合された環式構造も含む。この用語は、単環式または縮合環多環式(つまり、隣接する環原子対を共有する環)の基も含む。多環式アリール基は、二環、三環、四環などを含む。いくつかの実施形態では、「シクロアルキル」はC3-8シクロアルキルラジカルであり得る。いくつかの実施形態では、「シクロアルキル」はC3-5シクロアルキルラジカルであり得る。シクロアルキル基の例示的な例としては、限定されないが、以下の部分が挙げられる:C3-6カルボシクリル基としては、限定されないが、シクロプロピル(C)、シクロブチル(C)、シクロペンチル(C)、シクロペンテニル(C)、シクロヘキシル(C)、シクロヘキセニル(C)、シクロヘキサジエニル(C)などが挙げられる。C3-7カルボシクリル基の例としては、ノルボルニル(C)が挙げられる。C3-8カルボシクリル基の例としては、前述のC3-7カルボシクリル基の他に、シクロヘプチル(C)、シクロヘプタジエニル(C)、シクロヘプタトリエニル(C)、シクロオクチル(C)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニルなどが挙げられる。C3-13カルボシクリル基の例としては、前述のC3-8カルボシクリル基の他に、オクタヒドロ-1Hインデニル、デカヒドロナフタレニル、スピロ[4.5]デカニルなどが挙げられる。本明細書において別段の定めのない限り、シクロアルキル基は、独立して以下を含む置換基の1つ以上によって随意に置換される:アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルアリール、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アミジノ、イミノ、アジド、カーボネート、カルバマート、カルボニル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、エステル、エーテル、メルカプト、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボニル、ニトロ、オキソ、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、シリル、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミジル、スルホキシル、スルホネート、尿素、-Si(R、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)N(R、-C(O)N(R、-N(R)C(O)OR、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)N(R、-N(R)C(NR)N(R、-N(R)S(O)N(R(ここで、tは1または2である)、-P(=O)(R)(R)、または-O-P(=O)(OR、ここで、Rはそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、および、これらの部分の各々は本明細書に定義されるように随意に置換され得る。「シクロアルケニル」および「シクロアルキニル」との用語は、「シクロアルキル」についての上記記載を反映しており、ここで、接頭辞「alk」は「alken」または「alkyn」とそれぞれ置き換えられ、親の「アルケニル」または「アルキニル」との用語は本明細書に記載される通りである。例えば、シクロアルケニル基は3~13の環原子、例えば、5~8の環原子を有し得る。いくつかの実施形態において、シクロアルキニル基は、5~13の環原子を有し得る。
【0041】
本明細書で使用されるように、「ヘテロアルキル」との用語は、炭素以外の原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、リン、またはこれらの組み合わせである1つ以上の骨格鎖原子を有するアルキルラジカルを指す。数の範囲が与えられ得る、例えば、C1-4ヘテロアルキルは、この例では4原子長である合計の鎖長を指す。例えば、-CHOCHCHラジカルは、「C」ヘテロアルキルと呼ばれ、これは原子鎖長の記載にヘテロ原子中心を含む。親分子構造への接続は、ヘテロアルキル鎖中のヘテロ原子または炭素のいずれかを介して行われ得る。例えば、N含有ヘテロアルキル部分は、骨格原子の少なくとも1つが窒素原子である基を指す。ヘテロアルキルラジカル中の1つ以上のヘテロ原子は随意に酸化され得る。1つ以上の窒素原子はさらに、存在する場合、随意に四級化され得る。例えば、ヘテロアルキルは、1つ以上の窒素酸化物(-O-)置換基で置換された骨格鎖も含む。典型的なヘテロアルキル基としては、限定されないが、メトキシエタニル(-CHCHOCH)、エトキシメタニル(-CHOCHCH)、(メトキシメトキシ)エタニル(-CHCHOCHOCH)、(メトキシメトキシ)メタニル(-CHOCHOCH)、および(メトキシエトキシ)メタニル(-CHOCHCHOCH)などのエーテル;(-CHCHNHCH、-CHCHN(CH、-CHNHCHCH、-CHN(CHCH)(CH))などのアミンが挙げられる。
【0042】
本明細書で使用されるように、「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」との用語は、芳香族環系で提供される環炭素原子および1~6の環ヘテロ原子を有する、5~18員の単環式または多環式(例えば、二環式、三環、四環式などの芳香族環系のラジカル(例えば、環状のアレイで共有される6、10、または14のπ電子を有している)を指し、ここで、各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、リン、および硫黄から選択される。ヘテロアリールの多環式環系は、1つまたは両方の環に1つ以上のヘテロ原子を含み得る。「5~18」などの数の範囲は、本明細書中で出てくる場合は常に、所定の範囲内の各整数を指す;例えば、「5~18の環原子」は、ヘテロアリール基が、5つの環原子、6つ環原子など、最大18の環原子からなり得ることを意味する。いくつかの例では、ヘテロアリールは、5~14の環原子を有し得る。他の実施形態では、ヘテロアリールは、例えば、自由原子価を有する原子から1つの水素原子を除去することによって名称が「-イル(-yl)」で終わる一価のヘテロアリールラジカルに由来する二価のラジカルを有し、対応する一価のラジカルの名称に「-エン(ene)」を加えることにより命名され、例えば、2つの結合点を持つピリジル基はピリジレンである。
【0043】
例えば、N含有「ヘテロ芳香族」または「ヘテロアリール」部分は、環の骨格原子の少なくとも1つが窒素原子である芳香族基を指す。ヘテロアリールラジカル中の1つ以上のヘテロ原子は随意に酸化され得る。1つ以上の窒素原子はさらに、存在する場合、随意に四級化され得る。ヘテロアリールはまた、ピリジニルN-オキシドなどの1つ以上の窒素酸化物(-O-)置換基で置換された環系を含む。ヘテロアリールは、環の任意の原子を介して親分子構造に結合する。
【0044】
「ヘテロアリール」には、ヘテロアリール環が、上で定義されるように、親分子構造への結合点がアリール環またはヘテロアリール環のいずれかの上にある1つ以上のアリール基と縮合されるか、あるいは、ヘテロアリール環が、上で定義されるように、親分子構造への結合点がヘテロアリール環の上にある1つ以上のシクロアルキル基またはヘテロシクリル基と縮合される、環系がさらに含まれる。1つの環がヘテロ原子(例えば、インドリル、キノリニル、カルバゾリルなど)を含まない多環式ヘテロアリール基に関して、親分子構造への結合点は、いずれかの環、すなわち、ヘテロ原子を有する環(例えば、2-インドリル)またはヘテロ原子を含まない環(例えば、5-インドリル)のいずれかの上にあり得る。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、芳香族環系中で提供される環炭素原子と1~4のヘテロ原子を有する5~10員の芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は、窒素、酸素、リン、および硫黄から独立して選択される(「5~10員のヘテロアリール」)。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、芳香族環系中で提供される環炭素原子と1~4のヘテロ原子を有する5~8員の芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、リン、および硫黄から選択される(「5~8員のヘテロアリール」)。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、芳香族環系中で提供される環炭素原子と1~4のヘテロ原子を有する5~6員の芳香族環系であり、ここで、各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、リン、および硫黄から選択される(「5~6員のヘテロアリール」)。いくつかの実施形態では、5~6員のヘテロアリールは、窒素、酸素、リン、および硫黄から選択される1~3の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態では、5~6員のヘテロアリールは、窒素、酸素、リン、および硫黄から選択される1~2の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態では、5~6員のヘテロアリールは、窒素、酸素、リン、および硫黄から選択される1つの環ヘテロ原子を有する。
【0045】
ヘテロアリールの例としては、限定されないが、アゼピニル、およびアクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズインドリル、1,3-ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾ[d]チアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル(dioxepinyl)、ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、1,4-ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル(benzodioxinyl)、ベンゾオキサゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾチエノ[3,2-d]ピリミジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1、2-a]ピリジニル、カルバゾイル、シンノリニル、シクロペンタ[d]ピリミジニル、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、5,6-ジヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、5,6-ジヒドロベンゾ[h]シンノリニル、6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2-c]ピリダジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラザニル、フラノニル、フロ[3,2-c]ピリジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリミジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリダジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリジニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソキサゾリル、5,8-メタノ-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリニル、ナフチリジニル、1,6-ナフチリジノニル、オキサジアゾリル、2-オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、5,6,6a,7,8,9,10,10a-オクタヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、1-フェニル-lH-ピロリル、フェナジニル、フェノチアニジル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾロ[3,4-d]ピリミジニル、ピリジニル、ピリド[3,2-d]ピリミジニル、ピリド[3,4-d]ピリミジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリニル、5,6,7,8-テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリムジニル(pyrimdinyl)、6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4,5-c]ピリダジニル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアピラニル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、チエノ[2,3-d]ピリミジニル、チエノ[3,2-d]ピリミジニル、チエノ[2,3-c]プリジニル、およびチオフェニル(すなわち、チエニル)が挙げられる。本明細書において別段の定めのない限り、ヘテロアリール部分は、独立して以下を含む置換基の1つ以上によって随意に置換される:アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルアリール、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アミジノ、イミノ、アジド、カーボネート、カルバマート、カルボニル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、エステル、エーテル、メルカプト、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボニル、ニトロ、オキソ、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、シリル、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミジル、スルホキシル、スルホネート、尿素、-Si(R、-OR、-SR、-OC(O)-R、-N(R、-C(O)R、-C(O)OR、-OC(O)N(R、-C(O)N(R、-N(R)C(O)OR、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)N(R、-N(R)C(NR)N(R、-N(R)S(O)N(R(ここで、tは1または2である)、-P(=O)(R)(R)、または-O-P(=O)(OR、ここで、Rはそれぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり、および、これらの部分の各々は本明細書に定義されるように随意に置換され得る。
【0046】
本明細書で使用されるように、「TLR7および/またはTLR8リガンド」、「TLR7および/またはTLR8のためのリガンド」、ならびに「TLR7および/またはシグナル伝達アゴニスト」との用語は、本明細書で開示される化合物以外の分子を指し、この分子は、TLR8ドメイン以外のTLR7ドメインおよび/またはTLR8ドメインを介してTLR7および/またはTLR8と直接あるいは間接的に相互作用し、TLR7および/またはTLR8媒介シグナル伝達を誘導する。ある実施形態では、TLR7および/またはTLR8リガンドは、天然リガンド、つまり、自然界に見られるTLR7および/またはTLR8リガンドである。ある実施形態では、TLR7および/またはTLR8リガンドは、TLR7および/またはTLR8、例えば、ヒト活性によって調製された分子の天然リガンド以外の分子を指す。
【0047】
本明細書で使用されるように、「モジュレーター」との用語は、測定可能な親和性で、標的に結合し、および/または標的を活性化あるいは阻害するか、あるいは直接もしくは間接的に受容体活性の正常な制御に影響を与える化合物として定義される。ある実施形態では、モジュレーターは、約50μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満、あるいは約10nM未満のEC50および/または結合定数を有する。
【0048】
本明細書で使用されるように、「アゴニスト」との用語は、受容体(例えば、TLR)と組み合わせて、細胞応答を生じさせることができる化合物を指す。アゴニストは、受容体に直接結合するリガンドであってもよい。あるいは、アゴニストは、例えば、(a)受容体に直接結合する他の分子と複合体を形成すること、または(b)別の方法で、他の化合物が受容体に直接結合するように別の化合物の修飾をもたらすことによって、受容体と間接的に結合してもよい。アゴニストは、特定のTLRのアゴニスト(例えば、TLR7および/またはTLR8のアゴニスト)と呼ばれる場合もある。
【0049】
本明細書で使用されるように、「アンタゴニスト」との用語は、受容体への結合についてアゴニストまたは逆アゴニストと競合し、それによって、受容体に対するアゴニストまたは逆アゴニストの作用を遮断する化合物を指す。しかし、アンタゴニストは構成的な受容体の活性には影響を与えない。より具体的には、アンタゴニストは、TLR7またはTL8S受容体において、TLR7またはTLR8の活性を阻害する化合物である。
【0050】
本明細書で使用されるように、「阻害する」との用語は、生物学的活性の任意の測定可能な減少を指す。したがって、本明細書で使用されるように、「阻害する」または「阻害」は、正常な活性レベルの割合と呼ばれることがある。
【0051】
本明細書で使用されるように、活性薬剤の「有効量」との用語は、所望の生物学的応答を誘発するのに十分な量を指す。当業者によって理解されるように、本発明の化合物の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、化合物の薬物動態、処置されている疾患、投与形態、および患者などの要因に応じて変化することがある。
【0052】
本明細書で使用されるように、疾患または障害を「処置」あるいは「処置すること」は、疾患または障害が生じる前または後にそのような状態を軽減し、遅らせ、もしくは改善する方法を指す。処置は、疾患および/または根本的な病状の1つ以上の効果あるいは症状を対象とし得る。処置は任意の軽減であり得、限定されないが、疾患またはその疾患の症状の完全な除去であり得る。同等の未処置の対照と比較して、そのような軽減または予防の程度は、標準技術によって測定されるように、少なくとも5%、10%、20%、40%、50%、60%、80%、90%、95%、または100%である。
【0053】
本明細書で使用されるように、「予防する」、「予防すること」、または「予防」との用語は、疾患または疾病の発症、発生率、重症度、あるいは再発を予防、遅延、回避、または停止するための方法を指す。例えば、方法は、その方法を受けていない被験体と比較して、疾病または疾病にかかりやすい被験体においてその疾患または疾病あるいはその1つ以上の症状の発症、発生率、重症度、または再発の減少または遅延がある場合に、予防であると考えられる。開示される方法は、処置を受ける前の被験体の進行と比較して、上記方法を受けた後の疾患または疾病にかかりやすい被験体において疾患または疾病あるいは1つ以上の症状の発症、発生率、重症度、あるいは再発の軽減または遅延がある場合には、予防であると考えられる。骨粗鬆症の発症、発生率、重症度、あるいは再発の減少または遅延は、約5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100%、またはその間の任意の量の軽減であり得る。
【0054】
本明細書で使用されるように、開示される化合物の「薬学的に許容可能な形態」は、限定されないが、その薬学的に許容可能な塩、エステル、水和物、溶媒和物、多形体、異性体、プロドラッグ、および同位体標識された誘導体を含む。一実施形態では、「薬学的に許容可能な形態」としては、限定されないが、その薬学的に許容可能な塩、エステル、プロドラッグ、および同位体標識された誘導体が挙げられる。いくつかの実施形態では、「薬学的に許容可能な形態」としては、限定されないが、その薬学的に許容可能な異性体および立体異性体、プロドラッグ、ならびに同位体標識された誘導体が挙げられる。
【0055】
ある実施形態では、薬学的に許容可能な形態は、薬学的に許容可能な塩である。本明細書で使用されるように、「薬学的に許容可能な塩」との用語は、適切な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などなく被験体の組織に接触させて使用するのに適切であり、かつ合理的なベネフィット・リスク比に見合った塩を指す。薬学的に許容可能な塩は当該技術分野で周知である。例えば、Bergeらは、J.Pharmaceutical Sciences(1977)66:1-19において薬学的に許容可能な塩を詳述している。本明細書で提供される化合物の薬学的に許容可能な塩は、適切な無機および有機の酸および塩に由来するものを含む。薬学的に許容可能で無毒な付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸(perchioric acid)などの無機酸を用いて、または、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸などの有機酸を用いて、または、イオン交換などの当該技術分野で使用される他の方法を使用することによって形成されたアミノ基の塩である。他の薬学的に許容可能な塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ベシル酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩の塩などが挙げられる。いくつかの実施形態では、塩が由来し得る有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、乳酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などが挙げられる。
【0056】
塩は、親化合物の遊離塩基または遊離酸をそれぞれ適切な塩基または酸と反応させることなどによって、開示される化合物の単離および精製中にインサイチュで、あるいは別個に調製することができる。適切な塩基に由来する薬学的に許容可能な塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、およびN(C1-4アルキル)の塩が挙げられる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属の塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどが挙げられる。さらなる薬学的に許容可能な塩としては、適切な場合、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩、およびアリールスルホン酸塩などの対イオンを使用して形成された、無毒なアンモニウム、四級アンモニウム、およびアミンのカチオンが挙げられる。塩が由来し得る有機塩基としては、例えば、一級アミン、二級アミン、および三級アミン、天然に存在する置換されたアミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂などを含む置換されたアミン、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミンが挙げられる。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩基付加塩は、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、およびマグネシウム塩から選択され得る。
【0057】
ある実施形態では、薬学的に許容可能な形態は「溶媒和物」(例えば、水和物)である。本明細書で使用されるように、「溶媒和物」との用語は、非共有結合の分子間力によって結合された、化学量論または非化学量の溶媒をさらに含む、化合物を指す。溶媒和物は、開示される化合物またはその薬学的に許容可能な塩のものであり得る。溶媒が水である場合、溶媒和物は「水和物」である。薬学的に許容可能な溶媒和物および水和物は、例えば、1~約100、または1~約10、または1~約2、約3、または約4の溶媒あるいは水分子を含み得る、複合体である。本明細書で使用されるように、「化合物」との用語は、化合物、およびその化合物の溶媒和物、ならびにその混合物を含むことが理解されるだろう。
【0058】
ある実施形態では、薬学的に許容可能な形態はプロドラッグである。本明細書で使用されるように、「プロドラッグ」(または「プロ-ドラッグ」)との用語は、開示される化合物またはその化合物の薬学的に許容可能な形態をもたらすために、インビボで形質転換される化合物を指す。プロドラッグは、被験体に投与される時は不活性であり得るが、例えば、加水分解(例えば、血液中での加水分解)によって活性化合物へとインビボで変換される。ある場合では、プロドラッグは、親化合物よりも物理的特性および/または送達特性が改善されている。プロドラッグは、(例えば、経口投与後に血液への吸収の向上を可能にすることによって)被験体に投与された時に化合物のバイオアベイラビリティを増加させることができ、あるいは、親化合物と比べて対象の生物学的区画(例えば、脳またはリンパ系)への送達を増強する。例示的なプロドラッグとしては、親化合物に比べて水溶解度または腸膜を介した能動輸送が増大した、開示される化合物の誘導体が挙げられる。
【0059】
プロドラッグ化合物はしばしば、哺乳類動物生物における溶解性、組織適合性、または遅延放出といった長所を提供する(例えば、Bundgard,H.,Design of Prodrugs(1985),pp.7-9,21-24(Elsevier,Amsterdamを参照)。プロドラッグの説明は、Higuchi,T.,et al.,“Pro-drugs as Novel Delivery Systems,” A.C.S.Symposium Series,Vol.14、およびBioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987において提供され、両文献は参照により本明細書に完全に組み込まれる。プロドラッグの例示的な利点としては、限定されないが、親化合物に比べて生理的pHでの非経口投与に対して増強された水溶解度などの物理的性質、または、消化器官からの吸収の向上、または、長期保管のための薬物安定性の向上が挙げられる。
【0060】
当該技術分野で一般的に知られているプロドラッグには、周知の酸誘導体、例えば、親の酸と適切なアルコールを反応させることにより調製されたエステル、親の酸化合物とアミンを反応させることにより調製されたアミド、アシル化した塩基誘導体を形成するために反応させた塩基性基が含まれる。もちろん、他のプロドラッグ誘導体は、バイオアベイラビリティを向上させるために、本明細書で開示される他の特徴と組み合わせることができる。このように、当業者であれば、遊離のアミノ基、アミド(arnido)基、ヒドロキシ基、またはカルボキシル基を有する本開示の化合物のうち特定のものがプロドラッグに変換され得ることを理解するであろう。プロドラッグには、ペプチド結合を介して、本開示の化合物の遊離のアミノ基、ヒドロキシ基、またはカルボン酸基に共有結合されるアミノ酸残基、あるいは2つ以上の(例えば、2、3、または4つの)アミノ酸残基のポリペプチド鎖を有する化合物が含まれる。アミノ酸残基は、3文字の記号で一般に表される20の天然に存在するアミノ酸を含み、さらに、4-ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、デモシン(demosine)、イソデモシン(isodemosine)、3-メチルヒスチジン、ノルバリン、β-アラニン、ガンマ-アミノ酪酸、シトルリンホモシステイン、ホモセリン、オルニチン、およびメチオニンスルホンを含む。プロドラッグには、本明細書で開示される上記置換基のいずれかに共有結合するカーボネート、カルバメート、アミド、またはアルキルエステル部分を有する化合物も含まれる。
【0061】
本明細書で使用されるように、「薬学的に許容可能な」賦形剤、担体、または希釈剤との用語は、主題の医薬品を1つの臓器または身体の一部から、別の臓器または身体の一部へと運ぶまたは輸送することに関与する、液体または固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、または封入物質などの、薬学的に許容可能な材料、組成物、またはビヒクルを指す。各担体は、製剤の他の成分に適合可能であり、かつ患者に有害ではないという意味で、「許容可能」でなければならない。薬学的に許容可能な担体として機能することができる材料のいくつかの例としては、ラクトース、グルコース、およびスクロースなどの糖類;トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなどのデンプン;カルボキシルメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体;トラガカント粉末;麦芽;ゼラチン;タルク;カカオバターおよび座剤用ワックスなどの賦形剤;落花生油、綿実油、ひまわり油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、およびダイズ油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール;グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなどのポリオール;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル;寒天;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張食塩水;リンゲル溶液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;ならびに、医薬製剤中で利用される他の非毒性の適合物質が挙げられる。ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、およびポリエチレンオキシド-ポリプロピレンオキシドのコポリマーなどの湿潤剤、乳化剤、および潤滑剤、ならびに、着色料、剥離剤、コーティング剤、甘味料、調味料と芳香剤、防腐剤、および抗酸化剤も組成物中に存在し得る。
【0062】
本明細書で使用されるように、「単離された」または「精製された」との用語は、天然の状態で通常伴う成分を実質的または本質的に含まない材料を指す。純度および均質性は一般に、ポリアクリルアミドゲル電気泳動または高速液体クロマトグラフィーなどの分析化学技術を用いて決定される。
【0063】
本明細書で使用されるように、「被験体」との用語は、特定の処置のレシピエントである、ヒト、非ヒト霊長類、げっ歯類などを含むがこれらに限定されない任意の動物(例えば、哺乳動物)を指す。典型的に、「被験体」および「患者」との用語は、ヒト被験体に関して本明細書で交換可能に使用される。
【0064】
本明細書で使用されるように、「低用量」との用語は、任意のヒトの疾患または疾病の処置のための所定の投与経路のために製剤化された特定の化合物の最低標準推奨用量よりも少なくとも5%(例えば、少なくとも10%、20%、50%、80%、90%、またはさらには95%)少ないことを意味する。例えば、吸入による投与のために製剤化された薬剤の低用量は、経口投与のために製剤化された同じ薬剤の低用量とは異なる。
【0065】
本明細書で使用されるように、「高用量」との用語は、任意のヒトの疾患または疾病の処置のための特定の化合物の最高標準推奨用量よりも少なくとも5%(例えば、少なくとも10%、20%、50%、100%、200%、またはさらには300%)多いことを意味する。
【0066】
同位体標識された化合物も、本開示の範囲内である。本明細書で使用されるように、「同位体標識された化合物」とは、それぞれ本明細書に記載されているように、1つまたは複数の原子が、自然界で通常見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられた、その医薬塩およびプロドラッグを含む本開示の化合物を指す。本開示の化合物に組み込むことができる同位体の例としては、それぞれH、H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、および36Clなどの、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、および塩素の同位体が挙げられる。
【0067】
本開示の化合物を同位体標識することによって、化合物は、薬物および/または基質組織分布アッセイで有用である場合がある。トリチウム化(H)および炭素-14(14C)標識された化合物は、その調製の容易さと検出性のために特に好ましい。さらに、重水素(H)などのより重い同位体での置換は、より大きな代謝安定性に由来する特定の治療上の利点、例えば、インビボでの半減期の増加または必要投与量の減少をもたらすことができ、したがって、ある状況では好ましい場合がある。その医薬塩、エステル、およびプロドラッグを含む本開示の同位体標識された化合物は、当該技術分野で知られている任意の手段で調製することができる。通常豊富に存在する12Cを13Cに置き換えることからも、利点を得ることができる。(WO2007/005643、WO2007/005644、WO2007/016361、およびWO2007/016431を参照)。
【0068】
例えば、重水素(H)は、一次速度論的同位体効果(primary kinetic isotope effect)によって化合物の酸化的代謝を操作するために、本明細書に開示される化合物に組み込まれ得る。一次速度論的同位体効果は、同位体核の交換に起因する化学反応の速度の変動であり、この変動は、この同位体交換後に共有結合を形成するのに必要な基底状態エネルギーの変動によって引き起こされる。より重い同位体の交換は通常、化学結合のための基底状態エネルギーの低減を結果としてもたらし、したがって、律速の結合切断の速度を低下させる。結合切断が、複数の生成反応に同調して鞍点領域またはその近くで生じる場合、生成物の分配比を実質的に変更することができる。説明のために:重水素が非交換可能な位置で炭素原子に結合した場合、k/k=2-7の比率差が典型的である。この比率差が、酸化の影響を受けやすい本明細書で開示される化合物に成功裡に適用された場合、インビボでのこの化合物のプロファイルは大幅に変更され、改善された薬物動態特性を結果としてもたらすことができる。
【0069】
治療剤を発見および開発する際に、当業者は望ましいインビトロの特性を保持しながら、薬物動態パラメータを最適化することができる。薬物動態プロファイルが乏しい多くの化合物が、酸化的代謝の影響を受けやすいと仮定することは合理的である。現在利用可能なインビトロの肝ミクロソームのアッセイは、このタイプの酸化的代謝の過程に関する有用な情報を提供し、この情報により、そのような酸化的代謝に対する耐性を通じて安定性が改善された、本明細書に開示される化合物のうち重水素化された化合物の合理的な設計が可能になる。これにより、本明細書で開示される化合物の薬物動態プロファイルが有意に改善され、インビボの半減期(t/2)、最大治療効果の濃度(Cmax)、用量反応曲線下面積(AUC)、およびFの増大の点から;および、クリアランス、投与、および材料費の低減の点から、定量的に表すことができる。
【0070】
下記は、上記のものを説明するように意図される:酸化的代謝の攻撃の複数の潜在的部位、例えば、ベンジルの水素原子、および窒素原子に結合した水素原子を有する化合物は、水素原子の様々な組み合わせが重水素原子と取り替えられる一連のアナログとして調製され、これにより、これらの水素原子の一部、大部分、あるいはすべては重水素原子と取り替えられている。半減期決定により、酸化的代謝に対する耐性の改善が向上する程度を好ましくかつ正確に決定することが可能になる。このように、このタイプの重水素-水素交換の結果として、親化合物の半減期が最大100%延長され得ることが決定された。
【0071】
本明細書で開示される化合物中の重水素-水素交換はまた、望ましくない毒性の代謝産物を減少させるまたは除去するために、出発化合物の代謝産物スペクトルの好ましい変更を達成するために使用され得る。例えば、毒性の代謝産物が酸化的炭素-水素(C-H)結合切断によって生じる場合、特定の酸化が律速段階でなくても、重水素化アナログは不必要な代謝産物の産生を大幅に減少させるか除去すると合理的に仮定することができる。重水素-水素交換に関する最先端技術についてのさらに詳しい情報は、Hanzlik et al.,J.Org.Chem.55,3992-3997,1990、Reider et al.,J.Org.Chem.52,3326-3334,1987、Foster,Adv.Drug Res.14,1-40,1985、Gillette et al,Biochemistry 33(10)2927-2937,1994、およびJarman et al.Carcinogenesis 16(4),683-688,1993で見られ得る。
【0072】
本発明の化合物は、その調製後に、好ましくは単離および精製されることで、95重量%以上(「実質的に純粋」)の量を含む組成物を得て、これは、その後、本明細書に記載されているように使用または製剤化される。ある実施形態では、本発明の化合物は99%を超える純度である。
【0073】
本発明によって構想される置換基と変数の組み合わせは、安定した化合物の形成を結果としてもたらすもののみである。本明細書で使用されるように、「安定した」との用語は、製造を可能にするのに十分な安定性を保有し、本明細書に詳述された目的(例えば、被験体への治療的投与または予防的投与)に有用な十分な期間にわたって、化合物の保全性を維持する化合物を指す。
【0074】
本明細書における変数の任意の定義における化学基のリストの記述には、任意の単一の基としてまたは列挙された基の組み合わせとしてそのバリアブルの定義が含まれる。本明細書における変数の実施形態の記述には、任意の単一の実施形態として、または他の実施形態あるいはその一部と組み合わせて、その実施形態が含まれる。
【発明を実施するための形態】
【0075】
本発明は、TLR、特に、TLR7および/またはTLR8のアゴニストである新規なイミダゾキノリンアミン誘導体と、その医薬組成物と、TLR7および/またはTLR8によって媒介されるか、あるいはTLR7および/またはTLR8に関連する特定の疾患または疾病、例えば、移植片拒絶、自己免疫、炎症アレルギー、喘息、感染症、敗血症、癌、および免疫不全、または関連する疾患および疾病を処置、軽減、または予防する方法と、を提供する。
【0076】
一態様では、本発明は一般に、構造式(I)を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な形態あるいは同位体誘導体に関し:
【0077】
【化4】
式中、
は、C-C(例えば、C-C、C-C、C-C)アルキル基であり;
は(CHであり、ここで、mは、1~8から選択される整数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8)であり;
Lは連結部分であり;および、
は、C-C32(例えば、C-C16、C16-C32、C16-C24)アルキル基である。
【0078】
ある実施形態では、RはC-C(例えば、C、C、C、C)アルキル基であり、mは3~8から選択される整数(例えば、3、4、5、6、7、8)であり、RはC12-C32(例えば、C-C16、C16-C32、C16-C24)アルキル基である。
【0079】
ある実施形態では、構造式:
【0080】
【化5】
を有し、RはCアルキル基である。
【0081】
ある実施形態では、構造式:
【0082】
【化6】
を有し、RはCアルキル基であり、mは4である。
【0083】
ある実施形態では、RはC14-C20(例えば、C14-C16、C16-C18、C18-C20)アルキル基である。
【0084】
ある実施形態では、Lはアミノ基を含む。
【0085】
ある実施形態では、Lは非環式基である。
【0086】
ある実施形態では、Lは、3~7(例えば、3、4、5、6、7)員の環を含む。
【0087】
ある実施形態では、Lは、
【0088】
【化7】
から選択される。
【0089】
例示的なリンカー(L)は、Lが左側でRに結合し、右側でRに結合するように、化合物の残りに接続されてもよく、または、Lが右側でRに結合し、左側でRに結合するように、化合物の残りに接続されてもよいことに留意されたい。
【0090】
本発明の例示的な化合物としては、限定されないが、表1に列挙される化合物、またはその薬学的に許容可能な形態あるいは同位体誘導体が挙げられる。
【0091】
【表1-1】
【0092】
【表1-2】
【0093】
【表1-3】
【0094】
ある実施形態では、化合物は、
【0095】
【化8】
またはその薬学的に許容可能な形態あるいは同位体誘導体である。
【0096】
ある実施形態では、化合物は、
【0097】
【化9】
またはその薬学的に許容可能な形態あるいは同位体誘導体である。
【0098】
ある実施形態では、化合物は、
【0099】
【化10】
またはその薬学的に許容可能な形態あるいは同位体誘導体である。
【0100】
ある実施形態では、化合物は、
【0101】
【化11】
またはその薬学的に許容可能な形態あるいは同位体誘導体である。
【0102】
ある実施形態では、化合物は、
【0103】
【化12】
またはその薬学的に許容可能な形態あるいは同位体誘導体である。
【0104】
ある実施形態では、化合物は、
【0105】
【化13】
またはその薬学的に許容可能な形態あるいは同位体誘導体である。
【0106】
ある実施形態では、化合物は、
【0107】
【化14】
またはその薬学的に許容可能な形態あるいは同位体誘導体である。
【0108】
ある実施形態では、化合物は、
【0109】
【化15】
またはその薬学的に許容可能な形態あるいは同位体誘導体である。
【0110】
ある実施形態では、化合物は、
【0111】
【化16】
またはその薬学的に許容可能な形態あるいは同位体誘導体である。
【0112】
ある実施形態では、化合物は、
【0113】
【化17】
またはその薬学的に許容可能な形態あるいは同位体誘導体である。
【0114】
ある実施形態では、化合物は、
【0115】
【化18】
である。
【0116】
ある実施形態では、化合物は、
【0117】
【化19】
である。
【0118】
別の態様では、本発明は一般に、本明細書で開示される化合物を含む医薬組成物に関する。
【0119】
さらに別の態様では、本発明は一般に、ヒトを含む哺乳動物の1つ以上の疾患または障害を処置、予防、または軽減するのに有効な、構造式(I)を有するある量の化合物、またはその薬学的に許容可能な形態あるいは同位体誘導体、および薬学的に許容可能な賦形剤、担体、あるいは希釈剤を含む、医薬組成物に関し、
【0120】
【化20】
式中、
は、C-C(例えば、C-C、C-C、C-C)アルキル基であり;
は(CHであり、ここで、mは、1~8から選択される整数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8)であり;
Lは連結部分であり;および、
は、C-C32(例えば、C-C16、C16-C32、C16-C24)アルキル基である。
【0121】
ある実施形態では、本明細書で開示される医薬組成物は、自己免疫疾患、または関連する疾患あるいは障害を処置、軽減、または予防するのに有効である。
【0122】
ある実施形態では、本明細書で開示される医薬組成物は、移植片拒絶、または関連する疾患あるいは障害を処置、軽減、または予防するのに有効である。
【0123】
ある実施形態では、本明細書で開示される医薬組成物は、アレルギー、または関連する疾患あるいは障害を処置、軽減、または予防するのに有効である。
【0124】
ある実施形態では、本明細書で開示される医薬組成物は、免疫不全、または関連する疾患あるいは障害を処置、軽減、または予防するのに有効である
【0125】
ある実施形態では、本明細書で開示される医薬組成物は、感染症、敗血症、または関連する疾患あるいは障害を処置、軽減、または予防するのに有効である。
【0126】
ある実施形態では、本明細書で開示される医薬組成物は、癌、または関連する疾患あるいは障害を処置、軽減、または予防するのに有効である。
【0127】
さらに別の態様では、本発明は一般に、本明細書で開示される化合物を含む単位剤形に関する。
【0128】
さらに別の態様では、本発明は一般に、本明細書で開示される医薬組成物を含む単位剤形に関する。
【0129】
さらに別の態様では、本発明は一般に、疾患または障害を処置、軽減、または予防するための方法に関し、上記方法は、それを必要とする被験体に、ヒトを含む哺乳動物の自己免疫疾患、移植片拒絶、アレルギー、免疫不全、感染症、敗血症、癌、またはその関連する疾患あるいは障害の1つ以上を処置、軽減、または予防するのに有効な、構造式(I)を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な形態あるいは同位体誘導体、および薬学的に許容可能な賦形剤、担体、あるいは希釈剤を含む医薬組成物を投与する工程を含み:
【0130】
【化21】
式中、
はC-Cアルキル基であり;
は(CHであり、ここで、mは、1~8から選択される整数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8)であり;
Lは連結部分であり;および、
は、C-C32(例えば、C-C16、C16-C32、C16-C24)アルキル基である。
【0131】
ある実施形態では、上記方法は、自己免疫疾患、または関連する疾患あるいは障害を処置、軽減、または予防するためのものである。
【0132】
ある実施形態では、上記方法は、移植片拒絶、または関連する疾患あるいは障害を処置、軽減、または予防するためのものである。
【0133】
ある実施形態では、上記方法は、アレルギー、または関連する疾患あるいは障害を処置、軽減、または予防するためのものである。
【0134】
ある実施形態では、上記方法は、免疫不全、または関連する疾患あるいは障害を処置、軽減、または予防するためのものである。
【0135】
ある実施形態では、上記方法は、感染症および/または敗血症、または関連する疾患あるいは障害を処置、軽減、または予防するためのものである。
【0136】
ある実施形態では、上記方法は、癌、または関連する疾患あるいは障害を処置、軽減、または予防するためのものである。
【0137】
さらに別の実施形態では、本発明は一般に、免疫応答を調節するための方法に関し、上記方法は、それを必要とする被験体に、本明細書で開示される化合物を含む医薬組成物を投与する工程を含む。
【0138】
さらに別の態様では、本発明は一般に、TLR7および/またはTLR8媒介シグナル伝達を調節するための方法に関し、上記方法は、それを必要とする被験体に、本明細書で開示される化合物を含む医薬組成物を投与する工程を含む。
【0139】
さらに別の態様では、本発明は一般に、TLR7および/またはTLR8媒介細胞活性を調節することによって処置可能な疾患または障害を処置あるいは軽減するための方法に関し、上記方法は、それを必要とする被験体に、本明細書で開示される化合物を含む医薬組成物を投与する工程を含む。
【0140】
さらに別の態様では、本発明は一般に、疾患または障害を処置、軽減、または予防するための方法に関し、上記方法は、それを必要とする被験体に、本明細書で開示される化合物を含む医薬組成物を投与する工程を含み、ここで、上記疾患または障害は、自己免疫疾患、移植片拒絶、アレルギー、免疫不全、感染症、敗血症、癌、あるいは関連する疾患または障害である。
【0141】
ある実施形態では、化合物はTLR7のアゴニストである。
【0142】
ある実施形態では、化合物はTLR8のアゴニストである。
【0143】
さらに別の態様では、本発明は一般に、疾患または障害を処置、軽減、または予防するための、本明細書で開示される化合物の使用に関する。
【0144】
さらに別の態様では、本発明は一般に、疾患または障害を処置、軽減、または予防するための薬剤の調製における、本明細書で開示される化合物、および薬学的に許容可能な賦形剤、担体、または希釈剤の使用に関する。
【0145】
ある実施形態では、疾患または障害は、TLR7および/またはTLR8媒介シグナル伝達によって媒介されるか、あるいはTLR7および/またはTLR8に関連する。
【0146】
ある実施形態では、本明細書で示される化合物は、自己免疫疾患、移植片拒絶、アレルギー、免疫不全、感染症、敗血症、癌、またはその関連する疾患あるいは障害から選択される、疾患または障害を処置、軽減、または予防するために使用される。
【0147】
ある実施形態では、本明細書で開示される化合物は、自己免疫疾患、または関連する疾患あるいは障害を処置、軽減、または予防するために使用される。
【0148】
ある実施形態では、本明細書で開示される化合物は、移植片拒絶、または関連する疾患あるいは障害を処置、軽減、または予防するために使用される。
【0149】
ある実施形態では、本明細書で開示される化合物は、アレルギー、または関連する疾患あるいは障害を処置、軽減、または予防するために使用される。
【0150】
ある実施形態では、本明細書で開示される化合物は、免疫不全、または関連する疾患あるいは障害を処置、軽減、または予防するために使用される。
【0151】
ある実施形態では、本明細書で開示される化合物は、感染症および/または敗血症、または関連する疾患あるいは障害を処置、軽減、または予防するために使用される。
【0152】
ある実施形態では、本明細書で開示される化合物は、癌、または関連する疾患あるいは障害を処置、軽減、または予防するために使用される。
【0153】
ある実施形態では、本明細書で開示される化合物は、ワクチンアジュバントとして使用され、ならびに、炎症、癌、および微生物感染症のような様々な障害を予防、阻害、または処置するために使用される。
【0154】
本発明による化合物は、TLR、具体的には、TLR7およびTLR8のアゴニストとして使用され得る。
【0155】
本発明による化合物は、TLR7および/またはTLR8媒介シグナル伝達を調節するための方法を提供することができる。例えば、適切なTLR7および/またはTLR8のリガンドあるいはTLR7および/またはTLR8シグナル伝達アゴニストに応答して、TLR7および/またはTLR8媒介シグナル伝達を変更することが望ましい場合、本発明の方法は有用である。
【0156】
本発明による化合物は、疾患または疾病を処置または予防する際に使用されてもよく、上記疾患または疾病としては、限定されないが、癌、免疫複合体関連疾患(immune complex-associated diseases)、炎症性障害、免疫不全、移植片拒絶、移植片対宿主病、アレルギー、喘息、感染症、および敗血症が挙げられる。より具体的には、自己免疫、炎症、アレルギー、喘息、移植片拒絶を含む疾病の処置に有用な方法である。あるいは、感染症、癌、および免疫不全を含む疾病の処置に有用な方法は通常、適切なTLR7および/またはTLR8のリガンドに応答して、TLR7および/またはTLR8媒介シグナル伝達を増大させる、本明細書で開示される化合物を使用する。いくつかの例では、組成物は、TLR7および/またはTLR8リガンドもしくはシグナル伝達アゴニストに応答して、TLR7および/またはTLR8媒介シグナル伝達を阻害あるいは促進するために使用することができる。他の例では、組成物は、被験体のTLR7および/またはTLR8媒介免疫刺激を阻害あるいは促進するために使用することができる。
【0157】
本発明による化合物は、肝細胞癌、胆管細胞癌、および悪性中皮腫、膵臓癌、頭頚部癌、および血管腫(haemoangioma)の処置または予防に使用されてもよい。
【0158】
本発明による化合物は、患者の肥満症の処置または予防に使用されてもよい。本発明は、処置を必要とする患者のII型糖尿病を処置する方法を提供し、上記方法は、有効な量の本明細書で開示される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を上記患者に投与する工程を含む。好ましくは、患者はヒトである。本発明は、処置を必要とする患者の非アルコール性脂肪性肝炎を処置するための方法を提供し、上記方法は、有効な量の本明細書で開示される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を上記患者に投与する工程を含む。
【0159】
本発明は、肥満症を処置するための薬剤の製造における、本明細書で開示される化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。本発明は、治療的な体重減少をもたらす処置のための薬剤の製造における、本明細書で開示される化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。
【0160】
本発明の組成物中の化合物の量は、生体試料または患者において、TLR、特に、TLR7および/またはTLR8、あるいはその突然変異体を、ある程度まで調節するのに有効であるような量である。ある実施形態では、本発明の組成物中の化合物の量は、生体試料または患者において、TLRまたはその突然変異体をある程度まで調節するのに有効であるような量である。ある実施形態では、本発明の組成物は、そのような組成物を必要とする患者に投与するために製剤化される。
【0161】
経口投与用の固形剤形には、カプセル、錠剤、丸剤、粉末、および果粒剤が含まれる。そのような固形剤形では、本明細書に記載される化合物またはその誘導体は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなどの少なくとも1つの不活性な従来の賦形剤(あるいは、担体)、あるいは(i)例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤または増量剤、(ii)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシアなどの結合剤、(iii)例えば、グリセロールなどの保湿剤、(iv)例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンあるいはタピオカデンプン、アルギン酸、特定の複合ケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなどの、崩壊剤(v)例えば、パラフィンなどの溶解遅延剤(solution retarders)、(vi)例えば、四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、(vii)例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤、(viii)例えば、カオリンおよびベントナイトなどの吸着剤、および(iX)例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体のポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの潤滑剤、およびこれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、剤形は緩衝剤も含み得る。同様のタイプの固形組成物はまた、高分子量ポリエチレングリコールなどだけでなく、ラクトースまたは乳糖などの賦形剤を使用する、ソフトおよびハード充填ゼラチンカプセル剤中の充填剤として使用され得る。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤、および果粒剤などの固形剤形は、コーティングおよびシェル、例えば、腸溶コーティングおよび当該技術分野で知られている他のものを用いて調製され得る。
【0162】
経口投与用の液体剤形には、薬学的に許容可能なエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシル剤が含まれる。活性化合物に加えて、液体剤形は、当該技術分野で一般に使用される不活性な希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤、および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油、とりわけ、綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物などを含み得る。そのような不活性な希釈液に加えて、組成物はさらに、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味料、調味料、または芳香剤などの追加の薬剤を含み得る。
【0163】
本明細書で開示される材料、組成、および成分は、開示される方法および組成物に使用することができ、開示される方法および組成物とともに使用することができ、開示される方法および組成物の調整に使用することができ、または開示される方法および組成物の生成物である。これらの材料の組み合わせ、部分集合、相互作用、グループなどが開示される場合、これらの化合物のそれぞれの様々な個々のおよび集合的な組み合わせと順列は明示的に開示されないこともあるが、各々が具体的に企図され、本明細書に記載されることが理解される。例えば、ある方法が開示および議論され、その方法に含まれる多数の分子に対してなされ得る多数の修飾が議論される場合、その方法のありとあらゆる組み合わせと順列、および可能な修飾は、特に反対のことが示されない限り、具体的に企図されている。同様に、これらの任意の部分集合または組み合わせも、具体的に企図および開示される。この概念は、限定されないが、開示される組成物を使用する方法の工程を含む、本開示のすべての態様に適用される。したがって、実施可能な様々な追加の工程がある場合、これらの追加の工程のそれぞれは、開示される方法の任意の特定の方法の工程または方法の工程の組み合わせにおいて実施可能であり、そのような組み合わせまたは組み合わせの部分集合のそれぞれは、具体的に企図されており、かつ開示されているとみなされるべきであることが理解される。
【0164】
本発明の組成物は、経口的に、非経口的に、吸入噴霧剤によって、局所的に、直腸的に、経鼻的に、頬側に、膣に、または移植されたリザーバーを介して投与される。本明細書で使用されるように、「非経口的」との用語は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、関節滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、肝臓内、病巣内、腫瘍内、および頭蓋内の注射技術または注入技術を含む。
【0165】
本発明の薬学的に許容可能な組成物は、任意の経口的に容認可能な剤形で経口的に投与される。例示的な経口剤形は、カプセル、錠剤、水性懸濁液、または溶液である。経口使用のための錠剤の場合、一般的に使用される担体には、ラクトースおよびトウモロコシデンプンが含まれる。ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤も典型的に添加される。カプセル形態の経口投与の場合、有用な希釈液には、ラクトースおよび乾燥コーンスターチが含まれる。経口使用に水性懸濁液が必要とされる場合、有効成分は乳化剤および懸濁化剤と組み合わせられる。必要に応じて、特定の甘味剤、調味料、または着色剤も随意に添加されてもよい。
【0166】
あるいは、本発明の薬学的に許容可能な組成物は、直腸投与用の坐剤の形態で投与される。これらの組成物は、室温では固体であるが直腸温では液体であり、それにより直腸内で溶けて薬物を放出する適切な非刺激性賦形剤を、薬剤と混合することによって調製することができる。そのような材料としては、カカオバター、ミツロウ、およびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0167】
特に、処置の標的が、眼、皮膚、または下部胃腸管の疾患を含む、局所適用によって容易に到達可能な領域あるいは臓器を含む場合、本発明の薬学的に許容可能な組成物はまた、局所的に投与される。これらの領域または臓器のそれぞれのために、適切な局所製剤が容易に調製される。
【0168】
下部胃腸管のための局所適用は、肛門坐剤製剤(上記参照)、または適切な浣腸製剤で達成することができる。局所的な経皮パッチも使用される。
【0169】
局所適用の場合、提供された薬学的に許容可能な組成物は、1つ以上の担体に懸濁または溶解された活性成分を含有する適切な軟膏に製剤化される。この化合物の局所投与用の例示的な担体は、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ろう、および水である。あるいは、提供された薬学的に許容可能な組成物は、1つ以上の薬学的に許容可能な担体に懸濁または溶解された活性成分を含有する、適切なローションまたはクリームに製剤化され得る。適切な担体としては、限定されないが、鉱油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、および水が挙げられる。
【0170】
本発明の薬学的に許容可能な組成物は、経鼻エアロゾルまたは吸入によって任意に投与される。そのような組成物は、医薬製剤の技術分野において周知の技術に従って調製され、および、ベンジルアルコールあるいは他の適切な防腐剤、バイオアベイラビリティを増強する吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または他の従来の可溶化剤あるいは分散剤を使用して、生理食塩水中の溶液として調製される。
【0171】
最も好ましくは、本発明の薬学的に許容可能な組成物は、経口投与のために製剤化される。そのような製剤は、食物とともに、または食物なしで投与されてもよい。いくつかの実施形態では、本発明の薬学的に許容可能な組成物は、食物なしで投与される。他の実施形態では、本発明の薬学的に許容可能な組成物は、食物とともに投与される。
【0172】
単一の剤形を生成するために随意に担体物質と組み合わされる本発明の化合物の量は、処置される宿主および投与の特定の様式に応じて変化する。好ましくは、提供された組成物は、これらの組成物を受ける患者に化合物の0.01~100mg/kgの体重/日の投与量を投与することができるように製剤化されるべきである。
【0173】
任意の特定の患者に対する特定の投与量および処置レジメンは、使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康状態、性別、食事、投与時間、排出率、薬の組み合わせ、および処置医師の判断、ならびに処置されている特定の疾患の重症度を含む、様々な因子に依存することも理解されるべきである。組成物中の本発明の化合物の量はさらに、組成物中の特定の化合物に依存する。
【0174】
以下の例は、本発明の実施を例証することを意図しており、いかなる方法でも限定するものではない。
【実施例
【0175】
下記の実施例では、開示される発明に従って調製された化合物のある例示的な実施形態が記載される。以下の一般的な方法、および当業者に既知の他の方法が、本明細書に開示される化合物およびそのサブクラスならびに種に適用され得ることが理解されよう。
【0176】
H NMRは、重溶媒の残留シグナルを内部基準として使用して、Bruker 400MHzの光度計で記録した。化学シフト(δ)は、残留溶媒シグナルに対してppmで報告される(DMSO-d6におけるH NMRの場合、δ=2.50ppm;MeOD-d4におけるH NMRの場合、δ=3.31ppm)。
【0177】
LCMSは、ES(+)または(-)イオン化モードで動作する、Shimadzu LC/MS2020 Series(SunFire C18 3.5μm 504.6mm)上の四重極型質量分析計で得られた;T=40℃;流量=2.0mL/分;検出された波長:254nm。
【0178】
HPLCは以下の条件下で実施した:(Flash:Welchrom C18 5um 4.6x150mm);波長 254nmおよび214nm;移動相:A 水(0.03%のTFA);B MeCN(0.03%のTFA);流速:1mL/分;注入量:2μL;ランタイム:16分;平衡化:6分。
【0179】
分取HPLCは以下の条件で実施した:(Flash:Welchrom C18 250x19mm);波長 254nmおよび214nm;移動相:A 水(0.1%のHCl);B MeCN;流速:20mL/分;注入量:0.5mL;ランタイム:18分;平衡化:2分。
【0180】
実施例1.N1-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)オキシ)ブチル)-N2-ヘプタデシルオキサルアミド(1)
【0181】
【化22】
【0182】
スキーム1:
【0183】
【化23】
【0184】
工程1:アルゴン雰囲気下のDCM(300mL)中の1-1(22.0g、247mmol)の撹拌溶液に、ピリジン(29mL、371mmol)およびクロロ蟻酸ベンジル(42.3g、247mmol、250mLのDCM中)を0℃で添加した;混合物を室温に温め、16時間撹拌した。反応混合物を1NのHCl(400mL)で0℃で希釈した。有機層をブライン(400mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮することで、淡黄色固形物として1-2(29g、収率:52.7%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.38-7.31(m,5H),5.09(s,2H),3.75-3.55(m,2H),3.29-3.16(m,2H),1.58-1.55(m,4H).
【0185】
工程2:ジクロロメタン(600mL)中のN-ヒドロキシフタルイミド(23.3g、143mmol)、ベンジル(4-ヒドロキシブチル)カルバメート1-2(29.0g、130mmol)、およびトリフェニルフォスフィン(51.0g、195mmol)の溶液を、氷浴内で冷却し、ジクロロメタン(250mL)中のジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD、39.4g、195mmol)の溶液を、撹拌しながらゆっくりと添加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、室温に温め、4時間撹拌した。反応はTLC(PE/EA=2:1)により完了した。その反応物を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=2:1)によって精製することで、白色固形物として1-3(32g、収率:68.2%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.84-7.81(m,2H),7.77-7.72(m,2H),7.38-7.28(m,5H),5.09(s,2H),4.23(t,J=5.2 Hz,2H),3.34-3.29(m,2H),1.84-1.75(m,4H).
【0186】
工程3:EtOH(350mL)中の1-3(22.0g、59.8mmol)の溶液に、ヒドラジン(6.2g、11.5mLの水中)を添加し、反応物を室温で一晩撹拌した。反応物を冷凍庫で冷却し、結果として生じる固形物を濾過によって取り出した。その固形物をエタノール(400mL)で洗浄した。組み合わせた濾液を減圧下で濃縮し、ジエチルエーテル(400mL)を添加した。不溶性不純物を濾過によって取り除き、ジオキサン(100mL)中の3.0MのHC1をその溶液に添加した。沈殿物が直ちに形成された。混合物を室温で16時間撹拌し、固形物を濾過によって回収し、真空下で乾燥させることで、白色固形物として1-4(12g、収率:85.7%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO)δ7.36-7.27(m,5H),5.35(s,2 H),5.09(s,2H),4.91(s,1H),3.66(t,J=6.2 Hz,2H),3.24-3.19(m,2H),1.62-1.55(m,4H).MS m/z(ESI):239.1[M+H]
【0187】
工程4:イソプロパノール(20mL)中の1-4(10.0g、38.2mmol)の溶液に、1-4a(11.8g、49.6mmol)およびTEA(7.72g、76.4mmol)を添加し、反応混合物をアルゴン雰囲気下で100℃で16時間撹拌した。その混合物を真空下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=10:1)によって精製することで、黄色の油として1-5(14.5g、収率:85.3%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ9.25(s,1H),8.76(d,J=4.2 Hz,1H),8.49-8.37(m,1H),7.87(d,J=2.0 Hz,2H),7.38-7.31(m,5H),5.12(s,2H),4.58-4.35(m,2H),3.44-3.35(m,2H),3.11-3.00(m,2H),2.18-2.06(m,2H),2.02-1.94(m,2H),1.92-1.82(m,2H),1.03(t,J=6.4 Hz,3H).
【0188】
工程5:DCM(300mL)中の1-5(13.5g、30.3mmol)の溶液に、30%のH(67.5mL)およびm-CPBA(12.3g、60.6mmol)を0℃で添加し、反応混合物をアルゴン雰囲気下で、室温で16時間撹拌した。LCMS(MC18-197-066-1)により、55%の出発物質が残っていることが示された。m-CPBA(6.2g、15.2mmol)を混合物に添加し、その後、室温で2時間撹拌した;LCMSにより、38%の出発物質が残っていることが示された。m-CPBA(12.3g、60.6mmol)を混合物に添加し、その後、室温で16時間撹拌した;LCMSにより、17%の出発物質が残っていることが示された。水(200mL)を混合物に添加し、DCM(200mL2)で抽出し、組み合わせた有機層を、炭酸ナトリウム溶液(400mL)およびブライン(400mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮することで1-6(13g、粗製)を得て、これを次の工程で直接使用した。MS m/z(ESI):463.2[M+H]
【0189】
工程6:DCM(300mL)中の1-6(13g、28.1mmol)の溶液に、水酸化アンモニウム(13mLの28~30パーセントの水溶液)を0℃で添加し、50mLのジクロロメタンに溶解したTsCl(13.4g、70.3mmol)の溶液を、勢いよく撹拌しながらゆっくりと添加した。冷却浴を取り除き、反応物をさらに16時間撹拌した。所望の生成物がLCMSによって検出された。混合物を水(300mL)に添加し、DCM(200mL2)で抽出し、組み合わせた有機層を炭酸ナトリウム溶液(300mL2)およびブライン(400mL2)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=10:1)によって精製することで、黄色の油として1-7(7.0g、収率:54.3%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.11(d,J=8.0 Hz,1H),7.94(d,J=8.4 Hz,1H),7.65-7.61(m,1H),7.49-7.45(m,1H),7.40-7.36(m,5H),5.14(s,2H),4.96(s,1H),4.36(t,J=6.0 Hz,2H),3.41-3.36(m,2H),2.96(t,J=7.6 Hz,2H),2.05-2.00(m,2H),1.93-1.83(m,4H),1.53-1.47(m,2H),1.02(t,J=7.2 Hz,3H).MS m/z(ESI):462.6[M+H]
【0190】
工程7:濃塩酸(20mL)中の1-7(7.0g、15.2mmol)の溶液を、80℃で一晩撹拌した。LCMSにより、反応が完了したことが示された。混合物を室温に冷却し、水(30mL)に添加し、炭酸ナトリウム固形物を用いてpHを9~10に調整し、DCM/MeOH=10:1(50mL6)で抽出した。組み合わせた有機層を硫酸ナトリウムによって乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮することで、黄色の油として1-8(5.0g、粗製)を得て、次の工程で直接使用した。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.10(d,J=8.0 Hz,1H),7.79(d,J=8.4 Hz,1H),7.54(d,J=7.6 Hz,1H),7.34(t,J=7.6 Hz,1H),5.36(s,2H),4.32(t,J=6.8 Hz,2H),2.98-2.92(m,2H),2.86(t,J=6.8 Hz,2H),2.02(dd,J=15.2,6.8 Hz,2H),1.91(dd,J=15.2,7.4 Hz,2H),1.78-1.73(m,2H),1.71-1.62(m,2H),1.52-1.46(m,2H),1.00(t,J=7.2 Hz,3H).MS m/z(ESI):328.2[M+H]
【0191】
工程8:乾燥DCM(20mL)中の1-9a(0.51mL、5.88mmol)の溶液に、乾燥DCM(20mL)中の1-9(1.0g、3.92mmol)を0℃で滴下し、その後、混合物を0℃で1時間撹拌し、DIEA(507mg、3.92mmol)を滴下し、混合物を室温で4時間撹拌した。その混合物を真空中で濃縮することで、所望の生成物1-10(1.0g、粗製)を得て、これを次の工程で直接使用した。
【0192】
工程9:乾燥DCM(10mL)中の1-10(1.0g、粗製)の溶液に、乾燥DCM(10mL)中の1-8(100mg、0.306mmol)を0℃で滴下し、DIEA(79mg、0.612mmol)を滴下し、混合物を室温で16時間撹拌した。その混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮し、残渣を分取TLC(DCM/MeOH=10:1)によって精製することで、黄色固形物として化合物1(39.18mg、収率:20.1%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.87(t,J=6.0 Hz,1H),8.70(t,J=6.0 Hz,1H),8.13(d,J=8.0 Hz,1H),7.97(s,2H),7.74(d,J=8.4 Hz,1H),7.63(t,J=7.6 Hz,1H),7.48(t,J=7.6 Hz,1H),4.38(t,J=6.4 Hz,2H),3.28-3.23(m,2H),3.12(dd,J=13.4,6.8 Hz,2H),2.98(t,J=7.6 Hz,2H),1.95-1.87(m,2H),1.84(dd,J=15.0,7.6 Hz,2H),1.76(dd,J=15.0,7.6 Hz,2H),1.43(dd,J=14.9,7.4 Hz,4H),1.22(br.s,28H),0.94(t,J=7.6 Hz,3H),0.84(d,J=13.6 Hz,3H).MS m/z(ESI):637.4[M+H]
【0193】
実施例2.3-((4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)オキシ)ブチル)アミノ)-4-(ヘプタデシルアミノ)シクロブト-3-エン-1,2-ジオン(2)
【0194】
【化24】
【0195】
スキーム2:
【0196】
【化25】
【0197】
工程1:MeOH(6mL)中の2-1(200mg、1.177mmol)の溶液に、MeOH(10mL)中の2-2(300mg、1177mmol)を0℃で滴下し、その後、混合物を室温で4時間撹拌した。TLC(PE/EA=2:1)により、反応が完了したことが示された。混合物を真空中で濃縮することで、白色固形物として所望の生成物2-3(520mg、収率:91.4%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ4.82-4.77(m,2H),3.43-3.41(m,2H),1.64-1.59(m,3H),1.46(t,J=6.8 Hz,2H),1.32-1.26(m,28H),0.88(t,J=6.8 Hz,3H).
【0198】
工程2:MeOH(10mL)中の2-3(198mg、0.413mmol)および1-8(90mg、0.275mmol)の溶液に、DIEA(71mg、0.55mmol)を添加し、混合物を室温で16時間撹拌した。その混合物を真空中で濃縮し、残渣を分取HPLC(FA)によって精製することで、所望の生成物2(FA塩)を得て、これを炭酸ナトリウム溶液(10mL)を用いて中和することで、淡黄色固形物として遊離塩基(20.8mg、収率:10.3%)として生成物2を得た。H NMR(400MHz,CDCl,DMSO-d6)δ7.92(d,J=6.4 Hz,1H),7.60(d,J=6.8 Hz,1H),7.36(s,1H),7.19(d,J=6.4 Hz,1H),6.91(s,1H),6.79(s,1H),5.48(s,2H),4.21(d,J=16.0 Hz,2H),3.62(d,J=2.0 Hz,2H),3.48(d,J=1.9 Hz,2H),2.82-2.76(m,2H),1.94-1.86(m,2H),1.80-1.69(m,4H),1.47-1.40(m,2H),1.34(d,J=6.4 Hz,2H),1.10(br.s,26H),0.87-0.83(m,2H),0.76-0.67(m,6H).MS m/z(ESI):661.4[M+H]
【0199】
実施例3.N-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)オキシ)ブチル)-1-ヘキサデシルピペリジン-4-カルボキサミド(3)
【0200】
【化26】
【0201】
スキーム3:
【0202】
【化27】
【0203】
工程1:乾燥DMF(10mL)中のNaH(510mg、12.74mmol)の溶液に、3-1(1.0g、6.37mmol)を-25℃で添加した。反応混合物を-25℃で30分間撹拌し、その後、3-1a(2.91g、9.55mmol)を添加した。混合物を室温に温め、一晩撹拌した。HO(100mL)で希釈した後、混合物をEA(酢酸エチル、100mLX3)で抽出した。組み合わせた有機物をブライン上で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(PE/EA=100/1~10/1)によって精製することで、淡黄色の油として3-2(1.5g、収率:45.3%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ4.15-4.10(m,2H),2.89(d,J=5.5 Hz,2H),2.32-2.27(m,3H),1.99-1.89(m,4H),1.79-1.78(m,2H),1.48(s,2H),1.30-1.23(m,29H),0.88(t,J=5.5 Hz,3H).
【0204】
工程2:EtOH(25mL)中の3-2(500mg、6.37mmol)の溶液に、NaOH/HO(4N、15mL)を添加した。反応溶液を室温で一晩撹拌した。混合物を濃縮して、ほとんどのエタノールを除去した。水相をHCl(4N、15mL)で中和した。粗製生成物をEtOH(25mL)とともに1時間撹拌し、固形物を濾過によって集め、乾燥させることで、白色固形物として3-3(350mg、収率:75.6%)を得た。H NMR(400MHz,MeOD)δ3.45-3.43(m,2H),3.04-2.97(m,4H),2.38(s,1H),2.10-2.07(m,2H),1.92(s,2H),1.87(s,2H),1.31-1.26(m,26H),0.90(t,J=5.5 Hz,3H).
【0205】
工程3:乾燥DCM(25mL)中3-3(233mg、0.612mmol)の溶液に、1-8(100mg、0.306mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、116mg、0.612mmol)、およびDMAP(38mg、0.306mmol)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。HO(100mL)で希釈した後、混合物をDCM(100mL3)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製することで、オフホワイトの固形物として化合物3(16.12mg、収率:8%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.03(d,J=5.5 Hz,1H),7.80(s,1H),7.59(d,J=7.8 Hz,1H),7.47-7.43(m,1H),7.29-7.25(m,1H),6.60(s,2H),4.32(s,2H),3.15(d,J=8.2 Hz,2H),2.96-2.92(m,2H),2.83(d,J=7.2,7.2 Hz,2H),2.22-2.18(m,2H),2.05(s,1H),1.88-1.78(m,6H),1.66-1.54(m,6H),1.46-1.23(m,30H),0.95(t,J=5.5 Hz,3H),0.85(t,J=5.5 Hz,3H).MS m/z(ESI):663.5[M+H]
H NMR(400MHz,DMSO-d6)d 8.02(s,1H),7.80(s,1H),7.75(q,J=17.0 Hz,7.5 Hz,2H),7.35(d,J=7.5 Hz,2H),7.09(s,1H),7.06(m,2H),4.17(m,2H),4.02(t,J=1.0 Hz,1H),3.73(q,11.0 Hz,3 Hz,1H),3.22(m,2H),2.82(m,2H),2.75(t,J=3.0 Hz,1H),2.57(m,2H),2.39(m,1H),2.27(s,3H).2.09(m,2H),m/z: 478.2[M+H]
【0206】
実施例4.N-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)オキシ)ブチル)-1-ヘキサデシルピペリジン-4-カルボキサミド(4)
【0207】
【化28】
【0208】
スキーム4
【0209】
【化29】
【0210】
工程1:CHCN(500mL)中の4-1(30.0g、184mmol)および4-1a(70.1g、552mmol)の溶液に、TEA(37.2g、368mmol)およびKI(3.05g、18.4mmol)を添加し、混合物を70℃で24時間撹拌した。濃縮後に、残渣をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=8:1)によって精製することで、白色固形物として4-2(32g、収率:70%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.85-7.82(M,2H),7.79-7.73(m,2H),4.25(t,J=6.0 Hz,2H),3.68(t,J=6.4 Hz,2H),2.11-2.03(m,2H),1.99-1.92(m,2H).
【0211】
工程2:EtOH(1500mL)中の4-2(60g、238mmol)の溶液に、ヒドラジン(16.8g、30mLの水中)を添加し、反応物を室温で一晩撹拌した。その反応物を冷凍庫で冷却し、結果として生じる固形物を濾過によって取り出した。その固形物をエタノール(400mL)で洗浄した。組み合わせた濾液を減圧下で濃縮した。残渣をジエチルエーテル(500mL)と混合した。不溶性不純物を濾過によって取り除き、1,4-ジオキサン(100mL)中の4.0MのHC1を濾液に添加した。沈殿物が直ちに形成された。混合物を室温で2時間撹拌し、固形物を濾過によって回収し、真空下で乾燥させ、白色固形物として4-3(18.2g、収率:62.3%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ11.06(s,2H),4.03(t,J=6.0 Hz,2H),3.67(t,J=6.4 Hz,2H),1.80-1.69(m,4H).
【0212】
工程3:ピリジン(50mL)中の4-4(20g、112mmol)の溶液に、60mLのピリジン中のPyr.HCl(1.34g)および4-4a(41.6g、224mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。濃縮後、残渣を10%の炭酸ナトリウム溶液(100mL)で希釈し、30分間撹拌した。固形物を集め、PE/EA=5:1(100mL)を用いて粉にすることで、黄色固形物として4-5(25g、収率:86.2%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.07(s,1H),9.04(s,1H),8.20(dd,J=8.4,1.2 Hz,1H),8.09(dd,J=8.4,0.8 Hz,1H),7.86-7.75(m,2H),2.54-2.42(m,2H),1.71-1.49(m,2H),1.48-1.35(m,2H),0.94(t,J=7.2 Hz,3H).
【0213】
工程4:イソプロパナール(12mL)中の4-5(2.5g、9.54mmol)および4-3(2.5g、15.5mmol)の溶液を、マイクロ波下で、85℃で5時間撹拌した。濃縮後、残渣をカラムクロマトグラフィー(EA)によって精製することで、黄色の油として4-6(1.75g、収率:56%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ9.29(s,1H),9.05(d,J=7.0 Hz,1H),8.50(d,J=6.8 Hz,1H),8.15-7.79(m,2H),4.60-4.43(m,2H),3.72(t,J=5.0 Hz,2H),3.10(t,J=7.2 Hz,2H),2.32-2.26(m,2H),2.20-2.12(m,2H),2.02-1.97(m,2H),1.58-1.52(m,2H),1.04(t,J=7.2 Hz,3H).
【0214】
工程5:DCM(400mL)中の4-6(11g、33.2mmol)の溶液に、30%のH(55mL)およびm-CPBA(20.2g、60.6mmol)を0℃で添加し、反応混合物をアルゴン雰囲気下で、室温で16時間撹拌した。水(200mL)を混合物に添加し、DCM(200mL2)で抽出した。組み合わせた有機層を、炭酸ナトリウム溶液(400mL)およびブライン(400mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮することで4-7(10g、粗製)を得て、これを次の工程で直接使用した。MS m/z(ESI):348.1[M+H]
【0215】
工程6:DCM(100mL)中の4-7(5.0g、14.4mmol)の溶液に、水酸化アンモニウム水溶液(5mL)を0℃で添加し、40mLのジクロロメタン中のTsCl(6.84g、36.0mmol)の溶液を、勢いよく撹拌しながらゆっくりと添加した。冷却浴を取り除き、反応物をさらに16時間撹拌した。混合物を炭酸ナトリウム溶液(100mL)で希釈し、DCM(200mL2)で抽出した。組み合わせた有機層をブラインで洗浄し(400mL2)、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(EA/MeOH=10:1)によって精製することで、黄色の油として4-8(3.2g、収率:64%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.09(d,J=8.0 Hz,1H),7.90(d,J=8.0 Hz,1H),7.62(d,J=8.4 Hz,1H),7.45(t,J=7.6 Hz,1H),4.37(t,J=6.4 Hz,2H),3.69(t,J=6.0 Hz,2H),2.98-2.92(m,2H),2.14-2.11(m,2H),1.93-1.88(m,4H),1.52-1.47(m,2H),1.01(t,J=7.2 Hz,3H).MS m/z(ESI):347.2[M+H]
【0216】
工程7:4-8a(2mL)中の4-8(1.0g、2.89mmol)の溶液を、70℃で6時間撹拌した。LCMSにより60%の生成物が示された。混合物を水(10mL)で希釈し、EA(50mL10)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮することで黄色の油として4-9(500mg)を得て、これを次の工程で直接使用した。MS m/z(ESI):413.2[M+H]
【0217】
工程8:DCM(10mL)中の4-9(230mg、0.558mmol)の溶液に、ステアリン酸(332mg、1.116mmol)、EDC(212mg、1.116mmol)、およびDMAP(68mg、0.558mmol)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。その混合物をDCM(20mL)で希釈し、飽和塩化アンモニウム(40mL)およびブライン(30mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を分取HPLC(FA)によって精製することで、所望の生成物(FA塩)を得て、これを炭酸ナトリウム溶液(10mL)を用いて中和し、分取TLC(DCM/MeOH=10:1)によってさらに精製することで、黄色の油として遊離塩基4(26mg、収率:5.6%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.12(t,J=8.4 Hz,1H),7.93(d,J=8.4 Hz,1H),7.63(dd,J=8.4,7.2 Hz,1H),7.50(t,J=7.6 Hz,1H),4.44-4.33(m,2H),3.53-3.44(m,3H),2.99-2.89(m,3H),2.73(s,3H),2.51-2.48(m,1H),2.36-2.31(m,3H),2.34(dd,J=14.2,6.6 Hz,2H),2.17-2.11(m,2H),2.04-1.97(m,4H),1.92-1.80(m,4H),1.66-1.61(m,2H),1.53-1.47(m,2H),1.38-1.16(m,26H),1.03-0.93(m,3H),0.88(t,J=6.8 Hz,3H)MS m/z(ESI):679.5[M+H]
【0218】
実施例5.N1-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)オキシ)ブチル)-N3,N3-ジメチル-N1-オクタデシルプロパン-1,3-ジアミン(5)
【0219】
【化30】
【0220】
スキーム5
【0221】
【化31】
【0222】
DCM(12mL)中の4-9(90mg、0.218mmol)および5-1(67mg、0.262mmol)の溶液を室温で1時間撹拌し、NaBH(OAc)(138mg、0.654mmol)を混合物に添加し、さらに3時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、残渣を分取TLC(DCM/MeOH=10:1)によって精製することで、淡黄色の油として表題生成物5(54.4mg、収率:29.3%)を得た。H NMR(400MHz,MeOD)δ8.27(dd,J=8.0,0.8 Hz,1H),7.76(dd,J=8.4,0.8 Hz,1H),7.72-7.66(m,1H),7.58-7.53(m,1H),4.49(t,J=6.5 Hz,2H),3.06(dd,J=10.3,4.8 Hz,2H),3.03(d,J=7.4 Hz,2H),3.00-2.97(m,2H),2.89(dd,J=9.9,6.0 Hz,2H),2.75(s,6H),2.10-2.05(m,2H),1.99-1.91(m,6H),1.71-1.62(m,2H),1.53(dd,J=15.1,7.5 Hz,2H),1.39-1.37(m,4H),1.33-1.23(m,28H),1.03(t,J=7.2 Hz,3H),0.89(t,J=6.8 Hz,3H)..MS m/z(ESI):665.5[M+H]
【0223】
実施例6.N1-(4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)オキシ)ブチル)-N1-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N2-ヘプタデシルオキサルアミド(6)
【0224】
【化32】
【0225】
スキーム6
【0226】
【化33】
【0227】
工程1:乾燥DCM(15mL)中の4-9(150mg、0.364mmol)の溶液に、乾燥DCM(2mL)中の6-1(53.3mg、0.437mmol)を0℃で滴下し、DIEA(141mg、1.092mmol)を滴下した。混合物を室温で16時間撹拌した。混合物をHO(10mL)で希釈し、DCM(20mL3)で抽出した。組み合わせた有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣を分取TLC(DCM/MeOH=6:1)によって精製することで、黄色の油として所望の生成物6-2(80mg、収率:44.2%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.08(d,J=7.6 Hz,1H),7.92-7.87(m,1H),7.60(t,J=7.6 Hz,1H),7.47(t,J=7.6 Hz,1H),4.36(t,J=6.0 Hz,2H),3.89(d,J=5.2 Hz,2H),3.55(t,J=6.8 Hz,2H),3.44(dd,J=13.8,6.5 Hz,2H),3.00-2.93(m,2H),2.78-2.69(m,2H),2.57(s,3H),2.52-2.48(m,2H),2.39(s,6H),2.01(d,J=8.8 Hz,2H),1.91(dd,J=8.0,2.8 Hz,2H),1.57-1.51(m,2H),1.01(t,J=7.2 Hz,3H).MS m/z(ESI):499.2[M+H]
【0228】
工程2;MeOH/HO=4:1(5mL)中の6-2(60mg、0.12mmol)の溶液に、NaOH(24mg、0.60mmol)を添加した。反応溶液を室温で30分間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、残渣を水で希釈し、HClを用いてpH=5~6に調節した。水溶液をDCM/MeOH=10:1(30mLx2)で抽出し、真空中で乾燥および濃縮することで白色固形物として6-3(50mg、粗製)を得て、これを次の工程で直接使用した。MS m/z(ESI):485.6[M+H]
【0229】
工程3:DCM/DMF=4:1(5mL)中の6-3(50mg、0.103mmol)の溶液に、6-3a(52.9mg、0.206mmol)、EDCI(39.1mg、0.206mmol)、およびHOBt(27.8mg、0.206mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。その混合物を真空中で濃縮し、残渣を分取HPLC(HCl)によって精製することで、黄色固形物として化合物6(10.03mg、収率:13.5%、HCl塩)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ14.84(s,1H),12.42(s,1H),9.01(s,1H),8.13(d,J=1.6 Hz,1H),7.93(s,1H),7.63(s,1H),7.52(d,J=8.0 Hz,1H),6.89(s,1H),4.50-4.39(m,2H),4.02-3.84(m,2H),3.67-3.51(m,2H),3.30-3.10(m,4H),3.04-2.94(m,2H),2.88-2.86(m,4H),2.39-2.29(m,2H),2.09-1.98(m,4H),1.91-1.89(m,2H),1.56-1.51(m,4H),1.30-1.25(m,30H),1.01(t,J=6.0 Hz,3H),0.88(t,J=6.8 Hz,3H).MS m/z(ESI):722.6[M+H]
【0230】
実施例7.3-((4-((4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イル)オキシ)ブチル)(3-(ジメチルアミノ)プロピル)アミノ)-4-(ヘプタデシルアミノ)シクロブト-3-エン-1,2-ジオン(7)
【0231】
【化34】
【0232】
スキーム7
【0233】
【化35】
【0234】
MeOH(10mL)中の4-9(230mg、0.558mmol)および7-1(400mg、0.837mmol)の溶液に、DIEA(144mg、1.116mmol)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。その混合物を真空中で濃縮し、残渣を分取TLC(DCM/MeOH=10:1)によって精製することで、淡黄色の油として所望の生成物7(21.03mg、収率:4.9%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.61(s,1H),8.03(d,J=8.0 Hz,1H),7.80(d,J=8.0 Hz,1H),7.50(t,J=7.6 Hz,1H),7.41(t,J=7.6 Hz,1H),4.37(t,J=6.4 Hz,2H),3.82(d,J=6.4 Hz,2H),3.72-3.65(m,2H),3.60-3.47(m,2H),2.91(t,J=7.6 Hz,2H),2.75-2.65(m,2H),2.44(s,6H),2.05-2.01(m,2H),1.93-1.91(m,2H),1.87-1.81(m,2H),1.65-1.58(m,2H),1.45(dd,J=15.0,7.5 Hz,2H),1.27-1.22(m,30H),0.96(t,J=7.2 Hz,3H),0.84(d,J=7.0 Hz,3H).MS m/z(ESI):746.5[M+H]
【0235】
実施例8.2-ブチル-1-(4-(4-ヘプタデシル-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ブトキシ)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(8)
【0236】
【化36】
【0237】
スキーム8
【0238】
【化37】
【0239】
工程1:乾燥DMF(1mL)中の8-1(450mg、1.411mmol)の溶液に、8-1a(1M)を添加した。反応混合物を75℃で3時間反応させた。反応溶液を氷水浴下で、HO(50mL)で希釈し、その後、PE/EA=1/1(50mLx3)で抽出した。組み合わせた有機物を飽和食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(石油エーテル)によって精製することで、白色固形物として8-2(300mg、収率:80%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ2.20-2.16(m,2H),1.93(t,J=4.0 Hz,1H),1.54-1.49(m,2H),1.40-1.26(m,28H),0.88(t,J=8.0 Hz,3H).
【0240】
工程2:DMF(10mL)中の4-8(450mg、1.3mmol)の溶液に、NaN(169mg、2.6mmol)を添加し、混合物を80℃で16時間撹拌した。混合物を水(100mL)で希釈し、EA(50mL3)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=1:1)によって精製することで、黄色の油として8-3(450mg)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.00(d,J=8.0 Hz,1H),7.81(d,J=8.4 Hz,1H),7.51(t,J=7.6 Hz,1H),7.34(t,J=7.6 Hz,1H),4.90(s,2H),4.27(t,J=6.4 Hz,2H),3.41(t,J=6.4 Hz,2H),2.93-2.79(m,2H),2.08-1.93(m,2H),1.93-1.63(m,4H),1.47-1.38(m,2H),0.94(t,J=7.2 Hz,3H).MS m/z(ESI):354.2[M+H]
【0241】
工程3:THF/HO=1:1(20mL)中の8-3(200mg、0.567mmol)の溶液に、CuSO(18mg、0.113mmol)およびL-アスコルビン酸ナトリウム(45mg、0.227mmol)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を水(20mL)で希釈し、EA(30mL2)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(80mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を分取HPLC(水/MeCN中のHCl)によって精製することで所望の生成物(HCl塩)を得て、これを飽和炭酸ナトリウム中で一晩撹拌することで、白色固形物として遊離生成物3(103.44mg、収率:29.4%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.04(d,J=7.6 Hz,1H),7.83(d,J=8.4 Hz,1H),7.56(t,J=7.2 Hz,1H),7.37(t,J=7.2 Hz,1H),7.30(s,1H),5.88(s,2H),4.48(t,J=6.4 Hz,2H),4.31(t,J=6.0 Hz,2H),2.92(t,J=7.6 Hz,2H),2.73(t,J=7.6 Hz,2H),2.27-2.21(m,2H),2.02-1.98(m,2H),1.92-1.85(m,2H),1.70-1.65(m,2H),1.52-1.46(m,2H),1.33-1.25(m,28H),0.99(t,J=7.2 Hz,3H),0.88(t,J=6.4 Hz,3H).MS m/z(ESI):618.5[M+H]
【0242】
実施例9.2-ブチル-1-(4-(5-ヘプタデシル-1,3,4-オキザジアゾール-2-イル)ブトキシ)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(9)
【0243】
【化38】
【0244】
スキーム9
【0245】
【化39】
【0246】
工程1:DMSO(60mL)中の4-8(2.7g、7.78mmol)の溶液に、KCN(1.01g、15.6mmol)を添加し、混合物を80℃で16時間撹拌した。混合物を水(100mL)で希釈し、EA(100mL3)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=0:1)によって精製することで、黄色固形物として9-1(2.6g、収率:87%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.04(dd,J=8.0,1.2 Hz,1H),7.83(d,J=8.0 Hz,1H),7.55(dd,J=11.2,4.4 Hz,1H),7.37(s,1H),6.04(s,2H),4.35(d,J=8.0 Hz,2H),2.93(d,J=8.0 Hz,2H),2.56(d,J=7.2 Hz,2H),2.20-2.14(m,2H),2.03(dd,J=10.0,5.8 Hz,2H),1.89(d,J=7.6 Hz,2H),1.50(dd,J=15.0,7.5 Hz,2H),1.01(t,J=7.2 Hz,3H).
【0247】
工程2:濃塩酸(2mL)中の9-1(800mg、2.37mmol)の溶液を、100℃で4時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物を水(5mL)で希釈し、EA(20mL8)で抽出した。組み合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮することで、黄色固形物色として9-2(650mg、収率:77%)を得た。MS m/z(ESI):357.2[M+H]
【0248】
工程3:DCM/DMF=4:1(25mL)中の9-2(260mg、0.73mmol)の溶液に、ステアロヒドラジド(stearohydrazide)(435mg、1.46mmol)、EDCI(277mg、1.46mmol)、およびHOBt(197mg、1.46mmol)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、残渣を分取HPLC(HCl)によって精製することで、黄色固形物として化合物9-3(120mg、収率:25.8%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.97(d,J=8.0 Hz,1H),7.80(d,J=8.2 Hz,1H),7.53(d,J=7.0 Hz,1H),7.31(s,1H),4.23(t,J=4.4 Hz,2H),2.94-2.83(m,2H),2.42(t,J=6.2 Hz,2H),2.30-2.22(m,2H),2.07-1.97(m,4H),1.87(dd,J=15.4,7.5 Hz,3H),1.69(d,J=6.8 Hz,4H),1.53-1.47(m,3H),1.37-1.21(m,36H),1.00(t,J=7.2 Hz,3H),0.88(t,J=6.8 Hz,3H).MS m/z(ESI):637.5[M+H]
【0249】
工程4:POCl(2mL)中の9-3(120mg、0.189mmol)の溶液を、50℃で3時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物を炭酸ナトリウム溶液(30mL)に注ぎ、EA(30mL2)で抽出した。組み合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を分取TLC(DCM/MeOH=10:1)によって精製することで、淡黄色の油として化合物9(34.32mg、収率:29.3%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.07(d,J=8.0 Hz,1H),7.83(d,J=8.4 Hz,1H),7.56(t,J=7.6 Hz,1H),7.38(t,J=7.6 Hz,1H),6.07(s,2H),4.35(t,J=5.6 Hz,2H),2.97(dt,J=15.4,7.3 Hz,4H),2.83(t,J=7.6 Hz,2H),2.14(dd,J=16.1,2.9 Hz,4H),1.89(dt,J=15.3,7.6 Hz,2H),1.79(dd,J=14.8,7.5 Hz,2H),1.49(dd,J=15.0,7.4 Hz,2H),1.31-1.25(m,28H),1.00(t,J=7.2 Hz,3H),0.88(t,J=6.8 Hz,3H).MS m/z(ESI):619.5[M+H]
【0250】
実施例10.2-ブチル-1-(4-(5-ヘプタデシル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ブトキシ)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(10)
【0251】
【化40】
【0252】
スキーム10
【0253】
【化41】
【0254】
工程1:アルゴン雰囲気下のEtOH(20mL)中の9-1(500mg、1.48mmol)の撹拌溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(512mg、7.42mmol)およびTEA(749mg、7.42mmol)を添加し、混合物を室温で16時間撹拌した。反応物を真空中で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=10:1~4:1)によって精製することで、薄緑色固形物として10-2(70mg、収率:12.8%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.08(d,J=8.0 Hz,1H),7.66(d,J=8.0 Hz,1H),7.57-7.52(m,1H),7.41-7.37(m,1H),4.38-4.33(m,2H),2.98-2.94(m,2H),2.70-2.64(m,2H),2.35-2.29(m,2H),1.87-1.77(m,4H),1.46-1.41(m,2H),0.95(t,J=7.2 Hz,3H).MS m/z(ESI):371.3[M+H]
【0255】
工程2:DMF/DCM=1:4(10mL)中の10-2(70mg、0.189mmol)およびステアリン酸(107mg、0.378mmol)の溶液に、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、77.9mg、0.378mmol)を添加し、混合物を室温で20時間撹拌した。その混合物を真空中で濃縮してDCMを除去し、残渣を分取HPLC(FA)によって精製することで、黄色固形物として10-3(17mg、収率:14.2%)を得た。MS m/z(ESI):637.5[M+H]
【0256】
工程3:DMF(2mL)中の10-3(17mg、0.026mmol)の溶液を、120℃で4時間撹拌した。混合物を分取HPLC(HCl)によって精製することで、淡い固形物として化合物10(2.60mg、収率:15.7%)を得た。H NMR(400MHz,CD3OD)δ8.30(d,J=8.0 Hz,1H),7.77(d,J=4.0 Hz,2H),7.66(dd,J=8.0,4.0 Hz,1H),4.51-4.47(m,2H),3.08-3.03(m,2H),2.95-2.86(m,4H),2.09-2.07(m,2H),2.06-1.98(m,2H),1.97-1.91(m,2H),1.83-1.77(m,2H),1.64-1.57(m,2H),1.54-1.50(m,2H),1.30-1.23(m,26H),1.02(t,J=7.2 Hz,3H),0.88(d,J=7.2 Hz,3H).MS m/z(ESI):619.9[M+H]
【0257】
実施例11.2-ブチル-1-(4-(3-ヘプタデシル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ブトキシ)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(11)
【0258】
【化42】
【0259】
スキーム11
【0260】
【化43】
【0261】
工程1:イソプロパノール(15mL)中のNHOH-HCl(417mg、6.04mmol)の溶液に、NaHCO(761mg、9.06mmol)を添加し、混合物を室温で30分間撹拌し、その後、11-1(800mg、3.02mmol)を添加し、混合物を80℃で一晩撹拌した。混合物を濾過することで、白色固形物として11-2(600mg、収率:66.7%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.65(s,1H),5.27(s,2H),1.94-1.90(m,2H),1.44(d,J=6.4 Hz,2H),1.23(s,28H),0.85(t,J=6.8 Hz,3H).
【0262】
工程2:ジオキサン/DCM=1:1(16mL)中の11-2(146mg、0.504mmol)および9-10(150mg、0.42mmol)の溶液に、DCC(173mg、0.84mmol)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。その混合物を真空中で濃縮し、残渣を黄色固形物として分取TLC(DCM/MeOH=10:1)によって精製することで、13-3(180mg、収率:67.4%)を得た。 H NMR(400MHz,CDCl)δ8.09(d,J=8.0 Hz,1H),7.88(d,J=8.4 Hz,1H),7.61-7.57(m,1H),7.44-7.40(m,1H),4.34(t,J=6.0 Hz,2H),2.98-2.92(m,2H),2.58(t,J=6.8 Hz,2H),2.28-2.22(m,2H),2.09-2.01(m,4H),1.90(d,J=7.7 Hz,4H),1.63-1.59(m,2H),1.53-1.48(m,2H),1.37-1.24(m,26H),1.00(t,J=7.2 Hz,3H),0.88(t,J=6.8 Hz,3H).
【0263】
工程3:DMF(5mL)中の13-3(180mg、0.283mmol)の溶液を、120℃で4時間を撹拌した。混合物を分取HPLC(HCl)によって精製することで、淡黄色固形物(HCl塩)として化合物11(63.61mg、収率:36%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ15.09(s,1H),9.09(s,1H),8.12(d,J=8.0 Hz,1H),8.00(d,J=8.0 Hz,1H),7.71(d,J=7.2 Hz,1H),7.57(d,J=7.2 Hz,1H),7.00(s,1H),4.43(d,J=2.4 Hz,2H),3.10-2.93(m,4H),2.76-2.68(m,2H),2.20-2.08(m,4H),2.04-1.91(m,4H),1.76(dd,J=14.6,7.6 Hz,2H),1.52(dt,J=14.3,7.2 Hz,2H),1.39-1.22(m,26H),1.02(t,J=7.3 Hz,3H),0.88(t,J=6.8 Hz,3H).MS m/z(ESI):619.5[M+H]
【0264】
実施例12.3-(4-(4-アミノ-2-ブチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-イルオキシ)ブチルアミノ)-4-((3-(ジメチルアミノ)プロピル)(ヘプタデシル)アミノ)シクロブト-3-エン-1,2-ジオン(12)
【0265】
【化44】
【0266】
スキーム12
【0267】
【化45】
【0268】
工程1:MeOH(20mL)中の5-1(0.3g、1.18mmol)および4-8a(120.47mg、1.18mmol)の溶液を30℃で3時間撹拌し、NaBH(44.61mg、1.18mmol)を混合物に添加し、30℃でさらに16時間撹拌した。LCMSにより、生成物が形成されたことが示された。混合物を水(20mL)で希釈し、EtOAc(40mL2)で抽出した。組み合わせた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮することで、淡黄色の油として12-1(0.3g、75%の収率)を得て、これはHNMRによって確認された。H NMR(400MHz,CDCl)δ2.65(t,J=6.8 Hz,2H),2.59(t,J=7.2 Hz,2H),2.33-2.29(m,2H),2.22(s,6H),1.70-1.65(m,2H),1.50-1.44(m,1H),1.32-1.20(m,28H),0.87(d,J=6.8 Hz,3H).
【0269】
工程2:MeOH(20mL)中の12-1(0.3g、0.880mmol)および12-2(125.2mg、0.880mmol)の溶液を、30℃で4時間撹拌した。TLC(DCM/MeOH=10/1)により、反応が完了したことが示された。混合物を真空中で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=10:1)によって精製することで、淡黄色の油として化合物12-3(0.28g、71%の収率)を得た。MS m/z(ESI):451.2[M+H]
【0270】
工程3:MeOH(4mL)中の12-3(42.0mg、0.093mmol)および化合物A(30.5mg、0.093mmol)の溶液に、DIEA(24.1mg、0.186mmol、32.46uL)を添加し、混合物を室温で16時間撹拌した。LCMSにより、反応が完了したことが示された。混合物を真空中で濃縮し、残渣を分取HPLC(0.05%のHCl)によって精製することで、白色固形物としてHCl塩(37mg、53%の収率)として化合物12を得た。H NMR(400MHz,MeOD)δ8.19(d,J=7.6 Hz,1H),7.76(d,J=8.0 Hz,1H),7.68(t,J=7.2 Hz,1H),7.58(t,J=7.2 Hz,1H),4.50(br.s,2H),3.86-3.55(m,6H),3.29-3.22(m,2H),3.04(t,J=7.2 Hz,2H),2.94(s,6H),2.14-2.11(m,4H),2.01-1.88(m,4H),1.67(br.s,2H),1.57-1.48(m,2H),1.34-1.19(m,28H),1.02(t,J=7.2 Hz,3H),0.87(t,J=6.8 Hz,3H).MS m/z(ESI):746.5[M+H]
【0271】
実施例13.TLR7/TLR8のアゴニストは、ヒトPBMCにおいてIFN-γおよびTNF-αの放出を誘導する。
【0272】
系を使用してサイトカイン放出を評価する。活性は、培地に分泌されたインターフェロンγ(IFN-γ)および腫瘍壊死因子α(TNF-α)の測定に基づく。
【0273】
PBMCの単離
新鮮なヒト血液を同じ量のPBSで希釈し、15mLのLymphoprepをSepmate管に添加し、その後、30mLの希釈した血液を、界面を乱すことなく上部に穏やかに添加した。
【0274】
Sepmate管を、ブレーキオフ(brake off)で、室温で1000xgで25分間遠心分離機にかけた。
【0275】
末梢血単核細胞(PBMC)を含有するバフィーコートをSepmate管から集め、新しい管に移し、細胞を40mLのPBSで2回洗浄し、350xgで5分間遠心分離機にかけた。
【0276】
PBMCを2E6/mLの密度で完全な培養培地に再懸濁した。
【0277】
化合物の調製
化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)中で可溶化し、完全な培養培地で指示された濃度に希釈する。
【0278】
化合物を、最終濃度100μM、33.3μM、11.1μM、3.7μM、1.23μM、0.41μM、0.137μM、0.0457μM、および0.0152μMで試験する。
【0279】
インキュベーション
10^5のPBMC(100μL中)を、96ウェル平底プレートの各ウェルに添加した。
【0280】
3倍段階希釈した化合物(100μL中)の2倍の最終濃度を、指示されたウェルに添加し、最終量を200μLとした。
【0281】
プレートを滅菌蓋で覆い、穏やかに混合し、その後、37℃/5%のCOインキュベーターで24時間インキュベートした。
【0282】
分離上清
インキュベーション後、プレートを400xgで5分間遠心分離機にかけた。無細胞培養上清を取り出して非滅菌のポリプロピレンプレートに入れた。試料を分析まで-80℃で維持した。試料を、指示に従ってELISAによってTNF-αおよびIFN-γについて分析した。
【0283】
TNF-αおよびIFN-αをELISAによって分析した。IFN-αの濃度を、R&D SystemsのヒトIFN-αELISAキット(カタログ#41100-2)を使用してELISAによって決定し、PerkinElmerのVICTOR Nivo(商標)で読み取った。結果はpg/mLで表される。TNF-αの濃度を、BioLegendのヒトTNF-αELISA MAX(商標)Deluxe(カタログ#430205)を使用してELISAによって決定し、PerkinElmerのVICTOR Nivo(商標)で読み取った。結果はpg/mLで表される。
【0284】
データを分析して、特定のサイトカインの誘導がアッセイで観察された各化合物の最小有効濃度(MEC)を決定した。具体的には、各化合物のMEC(マイクロモル)を、陰性対照ウェルで観察されたレベルより少なくとも2倍高いレベル(ピクトグラム/mL)で測定されたサイトカイン応答を誘導した化合物の最低の濃度として決定した。結果を表2に示す。
【0285】
【表2】
【0286】
例示的な医薬品
(A)注射バイアル:3Lの蒸留水中の本発明による100gの有効成分および5gのリン酸水素二ナトリウムの溶液を、2Nの塩酸を使用してpH6.5に調節し、滅菌濾過し、注射バイアルに移し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下で密閉する。各注射バイアルは5mgの有効成分を含有している。
【0287】
(B)坐剤:本発明による20gの有効成分の混合物を、100gのダイズレシチンおよび1400gのカカオバターと融解し、型に注ぎ、冷却する。各坐剤は20mgの有効成分を含有している。
【0288】
(C)溶液:溶液を、940mlの再蒸留水中の本発明による1gの有効成分、9.38gのNaHPO・2HO、28.48gのNaHPO・12HO、および0.1gの塩化ベンザルコニウムから調製する。pHを6.8に調節し、その溶液を最大1lにし、照射によって滅菌する。この溶液は目薬の形態で使用することができる。
【0289】
(D)軟膏:本発明による500mgの有効成分を、滅菌条件下で99.5gのワセリンと混合する。
【0290】
(E)錠剤:本発明による1kgの有効成分、4kgのラクトース、1.2kgのジャガイモデンプン、0.2kgのタルク、および0.1kgのステアリン酸マグネシウムの混合物を、各錠剤が10mgの有効成分を含有するように従来方式で圧搾して錠剤にする。
【0291】
(F)コーティング錠:錠剤を、実施例Eと同様に圧搾し、その後、従来方式で、スクロース、ジャガイモデンプン、タルク、トラガント、および色素のコーティングでコーティングする。
【0292】
(G)カプセル剤:本発明による2kgの有効成分を、各カプセル剤が20mgの有効成分を含有するように従来方式でハードカプセルに導入する。
【0293】
(H)アンプル:60lの再蒸留水中の本発明による1kgの有効成分の溶液を滅菌濾過し、アンプルに移し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下で密閉する。各アンプルは10mgの有効成分を含有している。
【0294】
(I)吸入噴霧剤:本発明による14gの有効成分を10lの等張NaCl溶液に溶解し、ポンプ機構をしなえる市販のスプレー容器に溶液を移す。その溶液は口または鼻に噴霧することができる。1回のスプレーショット(spray shot)(約0.1ml)は、約0.14mgの用量に相当する。
【0295】
出願人の開示は、同様の番号が同じまたは類似する要素を表す図を参照して、好ましい実施形態で本明細書に記載される。本明細書全体を通じて「1つの実施形態」、「一実施形態」、または同様の言葉への言及は、実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通じて「1つの実施形態では」、「一実施形態では」との句、および同様の言葉が出てくると、必ずしもそうではないが、すべてが同じ実施形態を指す場合がある。
【0296】
出願人の開示の記載される特色、構造、または特徴は、1つ以上の実施形態における任意の適切な方法で組み合わされてもよい。本明細書の記載では、本発明の実施形態についての完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が詳述される。しかし、関連する技術分野の当業者は、1つ以上の特定の詳細なしで、あるいは他の方法、成分、材料などを用いて、出願人の組成物および/または方法が実施され得ることを認識する。他の例では、本開示の態様を不明瞭にしないように、公知の構造、材料、または操作は示されていないか、または詳細に記載されていない。
【0297】
明細書および添付の請求項において、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が他に明確に指示していない限り、複数の参照を含む。
【0298】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的用語および科学的用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を持つ。本明細書に記載されるものに類似または同等である任意の方法および材料も本開示の実施あるいは試験で使用され得るが、好ましい方法および材料がここに記載される。本明細書に詳述される方法は、開示された特定の順序に加えて、論理的に可能な任意の順序で実施されてもよい。
【0299】
参照による組み込み
特許、特許出願、特許公報、学術誌、本、論文、ウェブコンテンツなどの他の文書への参照および引用が本開示でなされている。これらのすべての文書が、あらゆる目的で、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。参照により本明細書に組み込まれると言われているが、本明細書に明示的に記載される既存の定義、ステートメント、あるいは他の開示資料と矛盾する資料またはその一部は、その組み込まれる資料と本開示の材料との間に矛盾が生じない場合に限り、組み込まれる。矛盾が生じる場合、本開示を好ましい開示として支持することで矛盾は解決されることになっている。
【0300】
同等物
代表的な実施例は、本発明を詳細に例証するのを支援することを意図しており、本発明の範囲を限定するように意図されてはおらず、そのように解釈されるべきではない。実際に、本明細書に示され記載されるものに加えて、本発明およびその多くのさらなる実施形態の様々な変更が、本明細書に含まれる実施例および科学的文献ならびに特許文献への参照を含む本文書の全内容から当業者に明白となる。実施例は、その様々な実施形態およびその同等物において本発明を実施するのに適合し得る重要な追加情報、例証、およびガイダンスを含有している。