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特許7538817IEEE802.11において信頼性を高めるための技法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】IEEE802.11において信頼性を高めるための技法
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/20 20090101AFI20240815BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20240815BHJP
   H04W 72/0453 20230101ALI20240815BHJP
【FI】
H04W28/20
H04W84/12
H04W72/0453 110
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021568785
(86)(22)【出願日】2020-05-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-25
(86)【国際出願番号】 US2020033388
(87)【国際公開番号】W WO2020236705
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2023-05-15
(31)【優先権主張番号】62/849,547
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510030995
【氏名又は名称】インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】デ ラ オリヴァ、アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】ガスタ、ロバート ジー.
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/131890(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のステーション(STA)において使用する方法であって、
複数のチャネル上で複数の送信要求(RTS)フレームを第2のSTAに伝送することと、
前記複数のチャネルのうちの複数の利用可能なチャネルの数を示すために使用される複数の送信可(CTS)フレームを前記第2のSTAから受信することと、
前記複数の利用可能なチャネルの前記数及びフレームに関連するトラフィックフローの1つ又は複数の信頼性要件に基づいて、それぞれが前記フレームに関連する前記トラフィックフローの前記1つ又は複数の信頼要件を満たす複数組の構成情報から1組の構成情報を選択することであって、前記選択される1組の構成情報は複数の構成情報を含む、ことと、
前記選択された1組の構成情報に基づいて前記複数の利用可能なチャネル上で前記フレームの複数のコピーを同時にそれぞれ伝送することであって、前記複数の構成情報のそれぞれは異なる構成情報を含む、ことと
を含む、方法。
【請求項2】
前記複数のRTSフレームが、前記第2のSTAに関連するマルチキャストメディアアクセス制御(MAC)アドレスを使用して伝送される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記異なる構成情報が、前記フレームのレプリケーション数、チャネル帯域幅、並びに前記チャネル帯域幅に関連する変調及びコード化方式(MCS)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記フレームのレプリケーション数が、前記複数のチャネルから決定される前記複数の利用可能なチャネル数以下である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記フレームの前記複数のコピーが前記チャネル帯域幅に関連する前記MCSを使用して伝送される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記チャネル帯域幅が前記複数の利用可能なチャネルの少なくとも1つの帯域幅と一致する、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記トラフィックフローの前記1つ又は複数の信頼性要件が前記トラフィックフローに関して許可される損失量、最小帯域幅、最大帯域幅、及び平均帯域幅を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記トラフィックフローが音声トラフィック、ビデオトラフィック、ベストエフォートトラフィック、又はバックグラウンドトラフィックを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
プロセッサと、
送信機と、
受信機と
を含む第1のステーション(STA)であって、
前記プロセッサ及び前記送信機は、複数のチャネル上で複数の送信要求(RTS)フレームを第2のSTAに伝送するように構成され、
前記プロセッサ及び前記受信機は、前記複数のチャネルのうちの複数の利用可能なチャネルの数を示すために使用される複数の送信可(CTS)フレームを前記第2のSTAから受信するように構成され、
前記プロセッサは、前記複数の利用可能なチャネルの前記数及びフレームに関連するトラフィックフローの1つ又は複数の信頼性要件に基づいて、それぞれが前記フレームに関連する前記トラフィックフローの前記1つ又は複数の信頼要件を満たす複数組の構成情報から1組の構成情報を選択するように構成され、前記選択される1組の構成情報は複数の構成情報を含み、
前記送信機は、前記選択された1組の構成情報に基づいて前記複数の利用可能なチャネル上で前記フレームの複数のコピーを同時にそれぞれ伝送するように構成され、前記複数の構成情報のそれぞれは異なる構成情報を含む、
第1のSTA。
【請求項10】
前記複数のRTSフレームが、前記第2のSTAに関連するマルチキャストメディアアクセス制御(MAC)アドレスを使用して伝送される、請求項9に記載の第1のSTA。
【請求項11】
前記異なる構成情報が、前記フレームのレプリケーション数、チャネル帯域幅、並びに前記チャネル帯域幅に関連する変調及びコード化方式(MCS)を含む、請求項9に記載の第1のSTA。
【請求項12】
前記フレームのレプリケーション数が、前記複数のチャネルから決定される前記複数の利用可能なチャネル数以下である、請求項11に記載の第1のSTA。
【請求項13】
前記フレームの前記複数のコピーが前記チャネル帯域幅に関連する前記MCSを使用して伝送される、請求項11に記載の第1のSTA。
【請求項14】
前記チャネル帯域幅が前記複数の利用可能なチャネルの少なくとも1つの帯域幅と一致する、請求項11に記載の第1のSTA。
【請求項15】
前記トラフィックフローの前記1つ又は複数の信頼性要件が前記トラフィックフローに関して許可される損失量、最小帯域幅、最大帯域幅、及び平均帯域幅を含む、請求項9に記載の第1のSTA。
【請求項16】
前記トラフィックフローが音声トラフィック、ビデオトラフィック、ベストエフォートトラフィック、又はバックグラウンドトラフィックを含む、請求項9に記載の第1のSTA。
【請求項17】
前記複数組の構成情報のそれぞれは、前記フレームのレプリケーション数、チャネル帯域幅、並びに前記チャネル帯域幅に関連する変調及びコード化方式(MCS)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記複数組の構成情報のそれぞれは、前記フレームのレプリケーション数、チャネル帯域幅、並びに前記チャネル帯域幅に関連する変調及びコード化方式(MCS)を含む、請求項9に記載の第1のSTA。
【請求項19】
前記複数の利用可能なチャネルは、利用可能な全てのチャネルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の利用可能なチャネルは、利用可能な全てのチャネルを含む、請求項9に記載の第1のSTA。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、参照によりその内容を本明細書に援用する、2019年5月17日に出願された米国仮特許出願第62/849,547号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
背景
[0002] 超高信頼低レイテンシ通信(URLLC)は、(例えば終端間のレイテンシが10ms未満の)低く決定論的な遅延の通信及びデータ損失を許容できないミッションクリティカルなアプリケーションに超高信頼性を提供する1組の機能である。URLLCは5Gで導入されたが、URLLCは無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)等の他のアクセス技術に関して検討することができる。現在、802.11ネットワークにおける信頼性を高めるための幾つかのメカニズムがある。例えば伝送距離を高めるために伝送速度を落とし、それにより成功裏の受信に必要な信号対干渉雑音比(SINR)を効果的に低減することができる。更に、より複雑な順方向誤り訂正(FEC)又は誤り訂正技法を追加することによってフレームの保護を高めることができる。しかし、パケット損失、複雑性、及びマルチキャスト/グループキャスト伝送用の媒体の確保がない場合の遅延の増加により、URLLCレベルの通信を可能にするにはこれらのメカニズムは十分ではない。従って、IEEE802.11ネットワークにおける信頼性を高める方法及び機器が求められている。
【発明の概要】
【0003】
概要
[0003] IEEE802.11ネットワークにおける信頼性を高めるための方法及び機器を本明細書に記載する。例えば第1のステーション(STA)は、フレームに関連するトラフィックフローの1つ又は複数の信頼性要件を満たす少なくとも1組の構成を生成することができる。少なくとも1組の構成のそれぞれは、フレームのレプリケーション数、チャネル帯域幅、並びにチャネル帯域幅に関連する変調及びコード化方式(MCS)を含み得る。第1のSTAは、例えば第2のSTAに関連するマルチキャストメディアアクセス制御(MAC)アドレスを使用し、複数のチャネル上で複数の送信要求(RTS)フレームを第2のSTAに伝送することができる。第1のSTAは、複数のチャネルが利用可能かどうかを示す複数の送信可(CTS)フレームを第2のSTAから受信することができる。第1のSTAは複数のチャネルの可用性に基づいて利用可能なチャネル数を決定することができる。次いで第1のSTAは、利用可能なチャネル数に基づいて少なくとも1組の構成から第1の構成を選択することができる。第1の構成はトラフィックフローの1つ又は複数の信頼性要件を満たし、フレームの第1のレプリケーション数、第1のチャネル帯域幅、及び第1のチャネル帯域幅に関連する第1のMCSを含み得る。第1のSTAは、第1の構成に基づいて利用可能なチャネル上でフレームの複数のコピーを同時に伝送することができる。
【0004】
図面の簡単な説明
[0004] 添付図面に関連して例として示す以下の説明からより詳細な理解を得ることができ、図中の同様の参照番号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】[0005]1つ又は複数の開示する実施形態を実装することができる通信システムの一例を示すシステム図である。
図1B】[0006]一実施形態による、図1Aに示す通信システム内で使用することができる無線送受信ユニット(WTRU)の一例を示すシステム図である。
図1C】[0007]一実施形態による、図1Aに示す通信システム内で使用することができる無線アクセスネットワーク(RAN)の一例及びコアネットワーク(CN)の一例を示すシステム図である。
図1D】[0008]一実施形態による、図1Aに示す通信システム内で使用することができるRANの更なる例及びCNの更なる例を示すシステム図である。
図2】[0009]dynamic bandwidth operation(DBO)の一例を示す図である。
図3】[0010]frame replications and elimination for reliability(FRER)の一例を示す図である。
図4】[0011]groupcast with retries-request to send(GCR-RTS)フレーム形式の一例を示す図である。
図5】[0012]合成受信機アドレス(SYNRA)形式の一例を示す図である。
図6】[0013]アソシエーション識別子(AID)順序SYNRAタイプ形式の一例を示す図である。
図7】[0014]groupcast with retries-request to send/clear to send(GCR-RTS/CTS)を伴う動作の一例を示す図である。
図8】[0015]フレームの複数のコピーの同時伝送を伴うfrequency replication-DBO(FR-DBO)の一例を示す図である。
図9】[0016]冗長レベルをインテリジェント制御するための手続きの一例を示す図である。
図10】[0017]FR-DBO及び信頼性因子に応じたMACプロパティの構成に基づいてフレームの複数のコピーを伝送するための手続きの一例を示す図である。
図11】[0018]FR-DBO及び信頼性因子に応じたMACプロパティの構成に基づいてフレームの複数のコピーを伝送するための手続きの別の例を示す図である。
図12】[0019]generic link-groupcast operation with retries(GLK-GCR)伝送のためのDBOの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
詳細な説明
[0020] 図1Aは、1つ又は複数の開示する実施形態を実装することができる通信システム100の一例を示す図である。通信システム100は、複数の無線ユーザに音声、データ、ビデオ、メッセージング、ブロードキャスト等のコンテンツを提供する多元接続システムであり得る。通信システム100は、無線帯域幅を含むシステムリソースを共用することによって複数の無線ユーザがかかるコンテンツにアクセスすることを可能にし得る。例えば通信システム100は、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交FDMA(OFDMA)、単一キャリアFDMA(SC-FDMA)、ゼロテールユニークワード離散フーリエ変換拡散OFDM(ZT-UW-DFT-S-OFDM)、ユニークワードOFDM(UW-OFDM)、リソースブロックフィルタ処理済みOFDM、フィルタバンクマルチキャリア(FBMC)等の1つ又は複数のチャネルアクセス方法を使用することができる。
【0007】
[0021] 図1Aに示すように、通信システム100は無線送受信ユニット(WTRU)102a、102b、102c、102d、無線アクセスネットワーク(RAN)104、コアネットワーク(CN)106、公衆交換電話網(PSTN)108、インターネット110、及び他のネットワーク112を含み得るが、開示する実施形態は任意の数のWTRU、基地局、ネットワーク、及び/又はネットワーク要素を企図することが理解されよう。WTRU102a、102b、102c、102dのそれぞれは、無線環境内で動作し及び/又は通信するように構成される任意の種類の装置とすることができる。例として、その何れもステーション(STA)と呼ぶことができるWTRU102a、102b、102c、102dは無線信号を伝送及び/又は受信するように構成することができ、ユーザ機器(UE)、移動局、固定又は移動加入者ユニット、加入ごとのユニット、ページャ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、ラップトップ、ネットブック、パーソナルコンピュータ、無線センサ、ホットスポット又はMi-Fi装置、モノのインターネット(IoT)装置、時計又は他の着用物、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、車両、ドローン、医療装置及び医学的応用(例えば遠隔手術)、工業装置及び工業的応用(例えば工業及び/又は自動化プロセスチェーンの脈絡で動作するロボット及び/又は他の無線装置)、家庭用電子装置、商用及び/又は工業用無線ネットワーク上で動作する装置等を含み得る。WTRU102a、102b、102c、及び102dの何れもUEと区別なく呼ぶ場合がある。
【0008】
[0022] 通信システム100は、基地局114a及び/又は基地局114bも含み得る。基地局114a、114bのそれぞれは、CN106、インターネット110、及び/又は他のネットワーク112等の1つ又は複数の通信ネットワークへのアクセスを助けるためにWTRU102a、102b、102c、102dの少なくとも1つと無線でインタフェースするように構成される任意の種類の装置であり得る。例として、基地局114a、114bはベーストランシーバ局(BTS)、NodeB、eNode B(eNB)、Home Node B、Home eNode B、gNode B(gNB)等の次世代のNodeB、new radio(NR)NodeB、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、無線ルータ等であり得る。基地局114a、114bを単一の要素としてそれぞれ示すが、基地局114a、114bは相互接続された任意の数の基地局及び/又はネットワーク要素を含み得ることが理解されよう。
【0009】
[0023] 基地局114aはRAN104の一部とすることができ、RAN104は基地局コントローラ(BSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、中継ノード等の他の基地局及び/又はネットワーク要素(不図示)も含み得る。基地局114a及び/又は基地局114bは、セル(不図示)と呼ばれ得る1つ又は複数のキャリア周波数上で無線信号を伝送及び/又は受信するように構成され得る。これらの周波数はライセンススペクトル、非ライセンススペクトル、又はライセンススペクトルと非ライセンススペクトルとの組み合わせの中にあり得る。セルは、相対的に固定されてもよい又は時間と共に変化し得る特定の地理的領域に無線サービスのカバレッジを提供することができる。セルはセルセクタに更に分割され得る。例えば基地局114aに関連するセルは3つのセクタに分割することができる。従って、一実施形態では基地局114aが3つの、即ちセルのセクタごとに1つのトランシーバを含み得る。一実施形態では、基地局114aが多重入出力(MIMO)技術を使用することができ、セルのセクタごとに複数のトランシーバを利用し得る。例えば所望の空間方向に信号を伝送及び/又は受信するためにビームフォーミングを使用することができる。
【0010】
[0024] 基地局114a、114bは、任意の適切な無線通信リンク(例えば無線周波数(RF)、マイクロ波、センチメートル波、マイクロメートル波、赤外(IR)、紫外(UV)、可視光等)であり得るエアインタフェース116上でWTRU102a、102b、102c、102dの1つ又は複数と通信し得る。エアインタフェース116は任意の適切な無線アクセス技術(RAT)を使用して確立され得る。
【0011】
[0025] より具体的には、上記で述べたように通信システム100は多元接続システムとすることができ、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC-FDMA等の1つ又は複数のチャネルアクセス方式を使用することができる。例えばRAN104内の基地局114a及びWTRU102a、102b、102cは、広帯域CDMA(WCDMA)を使用してエアインタフェース116を確立し得るUniversal Mobile Telecommunications System(UMTS)Terrestrial Radio Access(UTRA)等の無線技術を実装することができる。WCDMAは、高速パケットアクセス(HSPA)及び/又はEvolved HSPA(HSPA+)等の通信プロトコルを含み得る。HSPAは、高速ダウンリンク(DL)パケットアクセス(HSDPA)及び/又は高速アップリンク(UL)パケットアクセス(HSUPA)を含み得る。
【0012】
[0026] 一実施形態では、基地局114a及びWTRU102a、102b、102cが、Long Term Evolution(LTE)及び/又はLTE-Advanced(LTE-A)及び/又はLTE-Advanced Pro(LTE-A Pro)を使用してエアインタフェース116を確立し得るEvolved UMTS Terrestrial Radio Access(E-UTRA)等の無線技術を実装することができる。
【0013】
[0027] 一実施形態では、基地局114a及びWTRU102a、102b、102cが、NRを使用してエアインタフェース116を確立し得るNR無線アクセス等の無線技術を実装することができる。
【0014】
[0028] 一実施形態では、基地局114a及びWTRU102a、102b、102cが複数の無線アクセス技術を実装することができる。例えば基地局114a及びWTRU102a、102b、102cは、例えばデュアルコネクティビティ(DC)の原理を使用してLTE無線アクセス及びNR無線アクセスを一緒に実装することができる。従って、WTRU102a、102b、102cによって利用されるエアインタフェースは、複数の種類の無線アクセス技術及び/又は複数の種類の基地局(例えばeNB及びgNB)との間で送信される伝送によって特徴付けることができる。
【0015】
[0029] 他の実施形態では、基地局114a及びWTRU102a、102b、102cが、IEEE 802.11(即ちWireless Fidelity(WiFi)、IEEE 802.16)(即ちWorldwide Interoperability for Microwave Access(WiMAX))、CDMA2000、CDMA2000 1X、CDMA2000 EV-DO、Interim Standard 2000(IS-2000)、Interim Standard 95(IS-95)Interim Standard 856(IS-856)、Global System for Mobile communications(GSM)、Enhanced Data rates for GSM Evolution(EDGE)、GSM EDGE(GERAN)等の無線技術を実装することができる。
【0016】
[0030] 図1Aの基地局114bは、例えば無線ルータ、Home Node B、Home eNode B、又はアクセスポイントとすることができ、事業所、自宅、車両、キャンパス、工業施設、(例えばドローンによる使用のための)空中回廊、道路等の局所的領域内の無線接続性を促進するために任意の適切なRATを利用することができる。一実施形態では、基地局114b及びWTRU102c、102dがIEEE 802.11等の無線技術を実装して無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を確立することができる。一実施形態では、基地局114b及びWTRU102c、102dがIEEE 802.15等の無線技術を実装して無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)を確立することができる。更に別の実施形態では、基地局114b及びWTRU102c、102dがセルラベースのRAT(例えばWCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE-A、LTE-A Pro、NR等)を利用してピコセル又はフェムトセルを確立することができる。図1Aに示すように、基地局114bはインターネット110への直接接続を有し得る。従って、基地局114bはCN106を介してインターネット110にアクセスする必要がない場合がある。
【0017】
[0031] RAN104は、WTRU102a、102b、102c、102dの1つ又は複数に音声、データ、アプリケーション、及び/又はボイスオーバインターネットプロトコル(VoIP)サービスを提供するように構成される任意の種類のネットワークであり得るCN106と通信し得る。データは、異なるスループット要件、レイテンシ要件、エラー許容範囲要件、信頼性要件、データスループット要件、モビリティ要件等、様々なサービス品質(QoS)要件を有し得る。CN106は、呼制御、課金サービス、モバイルロケーションベースサービス、プリペイド通話、インターネット接続、ビデオ配信等を提供することができ、及び/又はユーザ認証等の高レベルセキュリティ機能を実行することができる。図1Aには不図示だが、RAN104及び/又はCN106は、RAN104と同じRAT又は異なるRATを使用する他のRANと直接的に又は間接的に通信し得ることが理解されよう。例えばNR無線技術を利用し得るRAN104に接続されることに加え、CN106はGSM、UMTS、CDMA2000、WiMAX、E-UTRA、又はWiFi無線技術を使用する別のRAN(不図示)と通信することもできる。
【0018】
[0032] CN106は、WTRU102a、102b、102c、102dがPSTN108、インターネット110、及び/又は他のネットワーク112にアクセスするためのゲートウェイとしての役割を果たすこともできる。PSTN108は、単純旧式電話サービス(POTS)を提供する回線交換電話網を含み得る。インターネット110は、TCP/IPインターネットプロトコルスイート内の伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、及び/又はインターネットプロトコル(IP)等の共通の通信プロトコルを使用する、相互接続されたコンピュータネットワーク及び装置の世界的なシステムを含み得る。ネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有され及び/又は運営される有線及び/又は無線通信ネットワークを含み得る。例えばネットワーク112は、RAN104と同じRAT又は異なるRATを使用し得る1つ又は複数のRANに接続される別のCNを含み得る。
【0019】
[0033] 通信システム100内のWTRU102a、102b、102c、102dの一部又は全てがマルチモード機能を含み得る(例えばWTRU102a、102b、102c、102dは様々な無線リンク上で様々な無線ネットワークと通信するための複数のトランシーバを含み得る)。例えば図1Aに示すWTRU102cは、セルラベースの無線技術を使用し得る基地局114aと、及びIEEE 802無線技術を使用し得る基地局114bと通信するように構成され得る。
【0020】
[0034] 図1Bは、WTRU102の一例を示すシステム図である。図1Bに示すように、WTRU102はとりわけプロセッサ118、トランシーバ120、伝送/受信要素122、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、ディスプレイ/タッチパッド128、脱着不能メモリ130、脱着可能メモリ132、電源134、全地球測位システム(GPS)チップセット136、及び/又は他の周辺装置138を含み得る。WTRU102は、実施形態と合致したままで上記の要素の任意のサブコンビネーションを含み得ることが理解されよう。
【0021】
[0035] プロセッサ118は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連する1つ又は複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、書換可能ゲートアレイ(FPGA)、他の任意の種類の集積回路(IC)、状態機械等であり得る。プロセッサ118は、信号コード化、データ処理、電力制御、入力/出力処理、及び/又はWTRU102が無線環境内で動作することを可能にする他の任意の機能を実行することができる。プロセッサ118は、伝送/受信要素122に結合され得るトランシーバ120に結合されてもよい。図1Bはプロセッサ118及びトランシーバ120を別個のコンポーネントとして示すが、プロセッサ118及びトランシーバ120は電子パッケージ又はチップ内に統合され得ることが理解されよう。
【0022】
[0036] 伝送/受信要素122は、エアインタフェース116上で基地局(例えば基地局114a)との間で信号を伝送又は受信するように構成され得る。例えば一実施形態では、伝送/受信要素122はRF信号を伝送及び/又は受信するように構成されるアンテナであり得る。一実施形態では、伝送/受信要素122は例えばIR、UV、又は可視光信号を伝送及び/又は受信するように構成されるエミッタ/検出器であり得る。更に別の実施形態では、伝送/受信要素122はRF信号及び光信号の両方を伝送及び/又は受信するように構成され得る。伝送/受信要素122は、無線信号の任意の組み合わせを伝送及び/又は受信するように構成され得ることが理解されよう。
【0023】
[0037] 図1Bでは伝送/受信要素122を単一の要素として示すが、WTRU102は任意の数の伝送/受信要素122を含むことができる。より具体的には、WTRU102はMIMO技術を使用することができる。従って一実施形態では、WTRU102はエアインタフェース116上で無線信号を伝送し受信するための2つ以上の伝送/受信要素122(例えば複数のアンテナ)を含み得る。
【0024】
[0038] トランシーバ120は、伝送/受信要素122によって伝送される信号を変調するように、及び伝送/受信要素122によって受信される信号を復調するように構成され得る。上記で述べたように、WTRU102はマルチモード機能を有することができる。従ってトランシーバ120は、WTRU102が例えばNR及びIEEE 802.11等の複数のRATによって通信することを可能にするための複数のトランシーバを含み得る。
【0025】
[0039] WTRU102のプロセッサ118は、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、及び/又はディスプレイ/タッチパッド128(例えば液晶ディスプレイ(LCD)ディスプレイユニット又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイユニット)に結合されてもよく、そこからユーザ入力データを受信し得る。プロセッサ118は、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、及び/又はディスプレイ/タッチパッド128にユーザデータを出力することもできる。加えてプロセッサ118は、脱着不能メモリ130及び/又は脱着可能メモリ132等の任意の種類の適切なメモリの情報にアクセスし、かかるメモリ内にデータを記憶することができる。脱着不能メモリ130は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、ハードディスク、又は他の任意の種類のメモリ記憶装置を含み得る。脱着可能メモリ132は、加入者識別モジュール(SIM)カード、メモリスティック、セキュアデジタル(SD)メモリカード等を含み得る。他の実施形態ではプロセッサ118は、サーバ上又はホームコンピュータ上(不図示)等、WTRU102上に物理的に位置しないメモリの情報にアクセスし、かかるメモリ内にデータを記憶することができる。
【0026】
[0040] プロセッサ118は、電源134から電力を得ることができ、WTRU102内の他のコンポーネントへの電力を分配し及び/又は制御するように構成され得る。電源134はWTRU102に給電するための任意の適切な装置であり得る。例えば電源134は、1つ又は複数の乾電池(例えばニッケルカドミウム(NiCd)、ニッケル亜鉛(NiZn)、ニッケル水素(NiMH)、リチウムイオン(Li-ion)等)、太陽電池、燃料電池等を含み得る。
【0027】
[0041] プロセッサ118は、WTRU102の現在位置に関する位置情報(例えば経度及び緯度)を提供するように構成され得るGPSチップセット136にも結合され得る。GPSチップセット136からの情報に加えて又はその代わりに、WTRU102は基地局(例えば基地局114a、114b)からエアインタフェース116上で位置情報を受信することができ、及び/又は2つ以上の近くの基地局から受信される信号のタイミングに基づいて自らの位置を突き止めることができる。WTRU102は、実施形態と合致したままで任意の適切な位置決定方法によって位置情報を取得できることが理解されよう。
【0028】
[0042] プロセッサ118は、追加の特徴、機能、及び/又は有線若しくは無線接続を提供する1つ又は複数のソフトウェア及び/又はハードウェアモジュールを含み得る他の周辺装置138に更に結合され得る。例えば周辺装置138は、加速度計、eコンパス、衛星トランシーバ、(写真及び/又はビデオ用の)デジタルカメラ、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、振動装置、テレビ受信機、ハンズフリーヘッドセット、Bluetooth(登録商標)モジュール、周波数変調(FM)無線ユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザ、仮想現実及び/又は拡張現実(VR/AR)装置、活動トラッカ等を含み得る。周辺装置138は1つ又は複数のセンサを含み得る。センサはジャイロスコープ、加速度計、ホール効果センサ、磁気計、方位センサ、近接センサ、温度センサ、時間センサ、地理位置センサ、高度計、光センサ、タッチセンサ、磁気計、気圧計、ジェスチャセンサ、バイオメトリクセンサ、湿度センサ等のうちの1つ又は複数であり得る。
【0029】
[0043] WTRU102は、(例えば(例えば伝送用の)UL及び(例えば受信用の)DLの両方の特定のサブフレームに関連する信号の一部又は全ての伝送及び受信が並行及び/又は同時であり得る全二重無線を含み得る。全二重無線は、ハードウェアによる自己干渉(例えばチョーク)又はプロセッサによる(例えば別個のプロセッサ(不図示)又はプロセッサ118による)信号処理による自己干渉を減らし及び又はほぼなくすための干渉管理ユニットを含み得る。一実施形態では、WTRU102が半二重無線を含むことができ、(例えば(例えば伝送用の)UL又は(例えば受信用の)DLの特定のサブフレームに関連する)信号の一部又は全ての伝送及び受信。
【0030】
[0044] 図1Cは、一実施形態によるRAN104及びCN106を示すシステム図である。上記で述べたように、RAN104はエアインタフェース116上でWTRU102a、102b、102cと通信するためにE-UTRA無線技術を使用することができる。RAN104はCN106と通信することもできる。
【0031】
[0045] RAN104はeNode-B160a、160b、160cを含み得るが、RAN104は実施形態と合致したままで任意の数のeNode-Bを含み得ることが理解されよう。eNode-B160a、160b、160cは、エアインタフェース116上でWTRU102a、102b、102cと通信するための1つ又は複数のトランシーバをそれぞれ含み得る。一実施形態では、eNode-B160a、160b、160cがMIMO技術を実装することができる。従って、例えばeNode-B160aは複数のアンテナを使用してWTRU102aとの間で無線信号を伝送及び/又は受信することができる。
【0032】
[0046] eNode-B160a、160b、160cのそれぞれは特定のセル(不図示)に関連することができ、無線リソース管理の判断、ハンドオーバの判断、UL及び/又はDL内のユーザのスケジューリング等を処理するように構成され得る。図1Cに示すように、eNode-B160a、160b、160cはX2インタフェース上で互いに通信することができる。
【0033】
[0047] 図1Cに示すCN106は、モビリティ管理エンティティ(MME)162、サービングゲートウェイ(SGW)164、及びパケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(PGW)166を含み得る。上記の要素はCN106の一部として示すが、これらの要素の何れもCNオペレータ以外のエンティティによって所有され及び/又は運営され得ることが理解されよう。
【0034】
[0048] MME162は、S1インタフェースによってRAN104内のeNode-B162a、162b、162cのそれぞれに接続することができ、制御ノードとして働き得る。例えばMME162は、WTRU102a、102b、102cのユーザの認証、ベアラのアクティブ化/非アクティブ化、WTRU102a、102b、102cの初期接続中に特定のサービングゲートウェイを選択すること等を担うことができる。MME162は、RAN104とGSM及び/又はWCDMA等の他の無線技術を使用する他のRAN(不図示)とを切り替えるための制御プレーン機能を提供し得る。
【0035】
[0049] SGW164は、S1インタフェースによってRAN104内のeNode B160a、160b、160cのそれぞれに接続され得る。SGW164は概して、WTRU102a、102b、102cとの間のユーザデータパケットをルートし転送することができる。SGW164は、eNode B間のハンドオーバ中のユーザプレーンのアンカリング、DLデータがWTRU102a、102b、102cにとって入手可能な場合のページングのトリガ、WTRU102a、102b、102cのコンテキストの管理及び記憶等の他の機能を実行してもよい。
【0036】
[0050] SGW164はPGW166に接続することができ、PGW166は、WTRU102a、102b、102cにインターネット110等のパケット交換ネットワークへのアクセスを与えてWTRU102a、102b、102cとIP対応装置との間の通信を促進することができる。
【0037】
[0051] CN106は他のネットワークとの通信を促進することができる。例えばCN106は、PSTN108等の回線交換網へのアクセスをWTRU102a、102b、102cに与えて、WTRU102a、102b、102cと従来の陸線通信装置との間の通信を促進することができる。例えばCN106は、CN106とPSTN108との間のインタフェースとして働くIPゲートウェイ(例えばIPマルチメディアサブシステム(IMS)サーバ)を含むことができ、又はかかるIPゲートウェイと通信し得る。加えてCN106は、他のサービスプロバイダによって所有され及び/又は運営される他の有線及び/又は無線ネットワークを含み得る他のネットワーク112へのアクセスをWTRU102a、102b、102cに与えることができる。
【0038】
[0052] 図1A図1DではWTRUを無線端末として示すが、特定の代表的な実施形態ではかかる端末が通信ネットワークとの有線通信インタフェースを(例えば一時的に又は永続的に)使用できることが企図される。
【0039】
[0053] 代表的な実施形態では、他のネットワーク112がWLANであり得る。
【0040】
[0054] インフラストラクチャ基本サービスセット(BSS)モード内のWLANは、BSSのためのアクセスポイント(AP)及びAPにアソシエートする1つ又は複数のステーション(STA)を有し得る。APは、BSS内外にトラフィックを運ぶ分配システム(DS)又は別の種類の有線/無線ネットワークへのアクセス又はインタフェースを有し得る。BSSの外部から生じるSTAへのトラフィックはAPを介して到着することができ、STAに届けられ得る。BSSの外部の宛先へのSTAから生じるトラフィックは、それぞれの宛先に届けられるようにAPに送信され得る。BSS内のSTA間のトラフィックはAPを介して送信することができ、例えばソースSTAはAPにトラフィックを送信することができ、APはそのトラフィックを宛先STAに届けることができる。BSS内のSTA間のトラフィックは、ピアツーピアトラフィックと見なす及び/又は呼ぶことができる。ピアツーピアトラフィックは、ダイレクトリンクセットアップ(DLS)を用いてソースSTAと宛先STAとの間で(例えば直接)送信され得る。特定の代表的な実施形態では、DLSが802.11e DLS又は802.11z tunneled DLS(TDLS)を使用することができる。独立BSS(IBSS)モードを使用するWLANはAPを有さない場合があり、IBSS内の又はIBSSを使用するSTA(例えばSTAの全て)が互いに直接通信することができる。IBSSモードの通信は、本明細書では「アドホック」モードの通信と呼ぶ場合もあり得る。
【0041】
[0055] 802.11acインフラストラクチャモードの動作又は同様のモードの動作を使用する場合、APは一次チャネル等の固定チャネル上でビーコンを伝送することができる。一次チャネルは固定幅(例えば20MHz幅の帯域)又は動的に設定された幅であり得る。一次チャネルはBSSの動作チャネルとすることができ、APとの接続を確立するためにSTAによって使用され得る。特定の代表的な実施形態では、例えば802.11システム内でCarrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance(CSMA/CA)が実装され得る。CSMA/CAでは、APを含むSTA(例えば全てのSTA)が一次チャネルを検知することができる。一次チャネルが使用中だと特定のSTAによって検知/検出され及び/又は判定される場合、特定のSTAはバックオフすることができる。所与のBSS内で1つのSTA(例えば1つのステーションだけ)が任意の所与の時点において伝送することができる。
【0042】
[0056] 例えば40MHz幅のチャネルを形成するための一次20MHzチャネルと隣接する又は隣接しない20MHzチャネルとの組み合わせにより、高スループット(HT)STAは40MHz幅のチャネルを通信に使用することができる。
【0043】
[0057] 超高スループット(VHT)STAは、20MHz、40MHz、80MHz、及び/又は160MHz幅のチャネルをサポートし得る。40MHz及び/又は80MHzのチャネルは連続した20MHzチャネルを組み合わせることによって形成することができる。160MHzのチャネルは連続した8個の20MHzチャネルを組み合わせることによって、又は80+80構成と呼ばれ得る2個の不連続80MHzチャネルを組み合わせることによって形成することができる。80+80構成では、データを2つのストリームに分割し得るセグメントパーサにチャネル符号化後のデータを通すことができる。逆高速フーリエ変換(IFFT)処理及び時間領域処理を各ストリームに対して別々に行うことができる。ストリームは2個の80MHzチャネル上にマップすることができ、伝送側STAによってデータが伝送され得る。受信側STAの受信機において、上記の80+80構成の動作を逆にすることができ、複合データが媒体アクセス制御(MAC)に送信され得る。
【0044】
[0058] サブ1GHzモードの動作が802.11af及び802.11ahによってサポートされている。802.11n及び802.11acで使用されているものと比べ、802.11af及び802.11ahではチャネル動作帯域幅及びキャリアが低減される。802.11afはTVホワイトスペース(TVWS)スペクトル内の5MHz、10MHz、及び20MHz帯域幅をサポートし、802.11ahは非TVWSスペクトルを使用する1MHz、2MHz、4MHz、8MHz、及び16MHz帯域幅をサポートする。代表的な実施形態によれば、802.11ahはマクロカバレッジエリア内のMTC装置等のメータタイプ制御/マシンタイプ通信(MTC)をサポートすることができる。MTC装置は特定の機能、例えば特定の及び/又は限られた帯域幅へのサポート(例えばそれらだけのサポート)を含む限られた機能を有し得る。MTC装置は(例えば非常に長い電池寿命を保つための)閾値を上回る電池寿命を有する電池を含み得る。
【0045】
[0059] 802.11n、802.11ac、802.11af、及び802.11ah等の複数のチャネル及びチャネル帯域幅をサポートし得るWLANシステムは、一次チャネルとして指定され得るチャネルを含む。一次チャネルはBSS内の全てのSTAによってサポートされる最大共通動作帯域幅に等しい帯域幅を有し得る。一次チャネルの帯域幅は、最小帯域幅動作モードをサポートする、BSS内で動作する全てのSTAの中のSTAによって設定され及び/又は限定され得る。802.11ahの例では、たとえAP及びBSS内の他のSTAが2MHz、4MHz、8MHz、16MHz、及び/又は他のチャネル帯域幅の動作モードをサポートしても、1MHzモードをサポートする(例えばそれだけをサポートする)STA(例えばMTCタイプ装置)では一次チャネルが1MHz幅であり得る。キャリア検知及び/又はネットワーク割り当てベクトル(NAV)の設定は一次チャネルの状態に依存し得る。例えば(1MHzの動作モードだけをサポートする)STAがAPに伝送することによって一次チャネルが使用中である場合、利用可能な周波数帯域の大部分が使用されていないままでも、利用可能な全ての周波数帯域が使用中と見なされ得る。
【0046】
[0060] 米国では802.11ahによって使用され得る利用可能な周波数帯域は902MHz~928MHzである。韓国では利用可能な周波数帯域は917.5MHz~923.5MHzである。日本では利用可能な周波数帯域は916.5MHz~927.5MHzである。国コードにもよるが、802.11ahに利用可能な総帯域幅は6MHz~26MHzである。
【0047】
[0061] 図1Dは、一実施形態によるRAN104及びCN106を示すシステム図である。上記で述べたように、RAN104はNR無線技術を使用してエアインタフェース116上でWTRU102a、102b、102cと通信することができる。RAN104はCN106と通信することもできる。
【0048】
[0062] RAN104はgNB180a、180b、180cを含み得るが、RAN104は実施形態と合致したままで任意の数のgNBを含み得ることが理解されよう。gNB180a、180b、180cは、エアインタフェース116上でWTRU102a、102b、102cと通信するための1つ又は複数のトランシーバをそれぞれ含み得る。一実施形態では、gNB180a、180b、180cがMIMO技術を実装することができる。例えばgNB180a、108bはビームフォーミングを利用して、gNB180a、180b、180cとの間で信号を伝送及び/又は受信することができる。従って、例えばgNB180aは複数のアンテナを使用してWTRU102aとの間で無線信号を伝送及び/又は受信することができる。一実施形態では、gNB180a、180b、180cがキャリアアグリゲーション技術を実装することができる。例えばgNB180aは、WTRU102aに複数のコンポーネントキャリア(不図示)を伝送することができる。これらのコンポーネントキャリアのサブセットは非ライセンススペクトル上にあり得る一方、残りのコンポーネントキャリアはライセンススペクトル上にあり得る。一実施形態では、gNB180a、180b、180cは多地点協調(CoMP)技術を実装することができる。例えばWTRU102aはgNB180a及びgNB180b(及び/又はgNB180c)から協調伝送を受信することができる。
【0049】
[0063] WTRU102a、102b、102cはスケーラブルな数秘学に関連する伝送を使用してgNB180a、180b、180cと通信することができる。例えば、OFDMシンボル間隔及び/又はOFDMサブキャリア間隔は様々な伝送、様々なセル、及び/又は無線伝送スペクトルの様々な部分ごとに異なり得る。WTRU102a、102b、102cは、(例えば異なる数のOFDMシンボルを含む及び/又は可変長の絶対時間継続する)様々な長さの又はスケーラブルな長さのサブフレーム又は伝送時間間隔(TTI)を使用してgNB180a、180b、180cと通信することができる。
【0050】
[0064] gNB180a、180b、180cは、独立型の構成及び/又は非独立型の構成でWTRU102a、102b、102cと通信するように構成され得る。独立型の構成では、WTRU102a、102b、102cは、他のRAN(例えばeNode-B160a、160b、160c等)にもアクセスすることなしにgNB180a、180b、180cと通信することができる。独立型の構成では、WTRU102a、102b、102cはモビリティアンカポイントとしてgNB180a、180b、180cの1つ又は複数を利用することができる。独立型の構成では、WTRU102a、102b、102cは非ライセンス帯域内の信号を使用してgNB180a、180b、180cと通信することができる。非独立型の構成では、WTRU102a、102b、102cは、eNode-B160a、160b、160c等の別のRANとも通信しながら/それらにも接続しながら、gNB180a、180b、180cと通信する/それらに接続することができる。例えばWTRU102a、102b、102cは、DCの原理を実装して1つ又は複数のgNB180a、180b、180c及び1つ又は複数のeNode-B160a、160b、160cとほぼ同時に通信することができる。非独立型の構成では、eNode-B160a、160b、160cがWTRU102a、102b、102cのためのモビリティアンカの役割を果たすことができ、gNB180a、180b、180cはWTRU102a、102b、102cにサービス提供するための追加のカバレッジ及び/又はスループットを提供することができる。
【0051】
[0065] gNB180a、180b、180cのそれぞれは特定のセル(不図示)に関連することができ、無線リソース管理の判断、ハンドオーバの判断、UL及び/又はDL内のユーザのスケジューリング、ネットワークスライシングのサポート、DC、NRとE-UTRAとの間の網間接続、User Plane Function(UPF)184a、184bに対するユーザプレーンデータのルーティング、Access and Mobility Management Function(AMF)182a、182bに対する制御プレーン情報のルーティング等を処理するように構成され得る。図1Dに示すように、gNB180a、180b、180cはXnインタフェース上で互いに通信することができる。
【0052】
[0066] 図1Dに示すCN106は、少なくとも1つのAMF182a、182b、少なくとも1つのUPF184a、184b、少なくとも1つのSession Management Function(SMF)183a、183b、及びことによるとデータネットワーク(DN)185a、185bを含み得る。上記の要素はCN106の一部として示すが、これらの要素の何れもCNオペレータ以外のエンティティによって所有され及び/又は運営され得ることが理解されよう。
【0053】
[0067] AMF182a、182bは、N2インタフェースによってRAN104内のgNB180a、180b、180cの1つ又は複数に接続することができ、制御ノードとして働き得る。例えばAMF182a、182bは、WTRU102a、102b、102cのユーザの認証、ネットワークスライシングのサポート(例えば様々な要件を有する様々なプロトコルデータ単位(PDU)セッションの処理)、特定のSMF183a、183bの選択、登録エリアの管理、非アクセス層(NAS)シグナリングの終了、モビリティ管理等を担うことができる。ネットワークスライシングは、利用されているサービスの種類に基づいてWTRU102a、102b、102cのCNサポートをカスタマイズするためにAMF182a、182bによって使用され得る、WTRU102a、102b、102c。例えば、超高信頼低レイテンシ(URLLC)アクセスに依拠するサービス、拡張大規模モバイルブロードバンド(eMBB)アクセスに依拠するサービス、MTCアクセスのためのサービス等、様々な使用事例ごとに様々なネットワークスライスを確立することができる。AMF182a、182bは、RAN104とLTE、LTE-A、LTE-A Pro、及び/又はWiFi等の非3GPPアクセス技術等の他の無線技術を使用する他のRAN(不図示)とを切り替えるための制御プレーン機能を提供し得る。
【0054】
[0068] SMF183a、183bは、N11インタフェースによってCN106内のAMF182a、182bに接続され得る。SMF183a、183bは、N4インタフェースによってCN106内のUPF184a、184bにも接続され得る。SMF183a、183bはUPF184a、184bを選択し制御し、UPF184a、184bを通るトラフィックのルーティングを構成することができる。SMF183a、183bは、UEのIPアドレスの管理及び割り当て、PDUセッションの管理、ポリシ強制及びQoSの制御、DLデータ通知の提供等の他の機能を実行することができる。PDUセッションの種類はIPベース、非IPベース、イーサネットベース等であり得る。
【0055】
[0069] UPF184a、184bは、N3インタフェースによってRAN104内のgNB180a、180b、180cの1つ又は複数に接続することができ、gNBはWTRU102a、102b、102cにインターネット110等のパケット交換ネットワークへのアクセスを与えてWTRU102a、102b、102cとIP対応装置との間の通信を促進することができる。UPF184、184bは、パケットのルーティング及び転送、ユーザプレーンポリシの強制、マルチホームPDUセッションのサポート、ユーザプレーンQoSの対処、DLパケットのバッファリング、モビリティアンカリングの提供等の他の機能を実行することができる。
【0056】
[0070] CN106は他のネットワークとの通信を促進することができる。例えばCN106は、CN106とPSTN108との間のインタフェースとして働くIPゲートウェイ(例えばIPマルチメディアサブシステム(IMS)サーバ)を含むことができ、又はかかるIPゲートウェイと通信し得る。加えてCN106は、他のサービスプロバイダによって所有され及び/又は運営される他の有線及び/又は無線ネットワークを含み得る他のネットワーク112へのアクセスをWTRU102a、102b、102cに与えることができる。一実施形態では、WTRU102a、102b、102cが、UPF184a、184bへのN3インタフェース及びUPF184a、184bとDN185a、185bとの間のN6インタフェースを介してUPF184a、184b経由でローカルDN185a、185bに接続され得る。
【0057】
[0071] 図1A図1D及び図1A図1Dの対応する説明に鑑みて、WTRU102a~d、基地局114a~b、eNode-B160a~c、MME162、SGW164、PGW166、gNB180a~c、AMF182a~b、UPF184a~b、SMF183a~b、DN185a~b、及び/又は本明細書に記載の他の任意の装置のうちの1つ又は複数に関して本明細書に記載する機能の1つ若しくは複数又は全てが1つ又は複数のエミュレーション装置(不図示)によって実行され得る。エミュレーション装置は、本明細書に記載する機能の1つ若しくは複数又は全てをエミュレートするように構成される1つ又は複数の装置であり得る。例えばエミュレーション装置は、他の装置を検査するために及び/又はネットワーク及び/又はWTRUの機能をシミュレートするために使用することができる。
【0058】
[0072] エミュレーション装置は、実験室環境内で及び/又はオペレータネットワーク環境内で他の装置の1つ又は複数の検査を実装するように設計され得る。例えば1つ又は複数のエミュレーション装置は、通信ネットワーク内の他の装置を検査するために有線及び/又は無線通信ネットワークの一部として完全に又は部分的に実装され及び/又は導入されながら1つ若しくは複数又は全ての機能を実行することができる。1つ又は複数のエミュレーション装置は、有線及び/又は無線通信ネットワークの一部として一時的に実装/導入されながら1つ若しくは複数又は全ての機能を実行することができる。エミュレーション装置は、検査目的で及び/又は無線による通信を用いた検査を行うために別の装置に直接結合され得る。
【0059】
[0073] 1つ又は複数のエミュレーション装置は、有線及び/又は無線通信ネットワークの一部として実装/導入されなくても、全てを含む1つ又は複数の機能を実行することができる。例えばエミュレーション装置は、1つ又は複数のコンポーネントの検査を実装するために、検査実験室及び/又は非導入(例えば検査)有線及び/又は無線通信ネットワーク内の検査シナリオにおいて利用することができる。1つ又は複数のエミュレーション装置は検査機器であり得る。データを伝送及び/又は受信するために、(例えば1つ又は複数のアンテナを含み得る)RF回路による直接のRF結合及び/又は無線通信がエミュレーション装置によって使用され得る。
【0060】
[0074] 超高信頼低レイテンシ通信(URLLC)は5Gにおける第3世代パートナシッププロジェクト(3GPP)に適用可能であり、WLAN等の他のアクセス技術に関しても検討することができ、WLANはWLANが広く用いられているアクセス技術である宅内ネットワーキング及び家庭用電化製品(CE)装置等の使用事例を有する。例えば終端間のレイテンシが10ms未満の低く決定論的な遅延の通信への集中及びデータ損失を許容できないミッションクリティカルなアプリケーションに対する信頼性への集中等、URLLCは幾つかのコンポーネントを有するものとすることができる。IEEE802.11では、リアルタイム通信は一部の使用事例で非常に低く決定論的なレイテンシ及び高い信頼性を必要とする場合がある。
【0061】
[0075] グループキャスト伝送は、伝送の規則(例えばIEEE802.11aa)に従うステーションのグループにアドレス指定される伝送であり得る。それらの伝送は、グループ内にないステーションがかかるパケットを処理するのを防ぐために使用される隠蔽MACアドレス(例えばマルチキャストMACアドレス)にアドレス指定され得る。
【0062】
[0076] ステーションのグループへの伝送の信頼性を高めるために、GCR Unsolicited Retries、GCR Direct Multicast、及び/又はGCR Block ACK等、Groupcast with Retries(GCR)と呼ばれる幾つかのメカニズムがあり得る。
【0063】
[0077] GCR Unsolicited Retriesは、各フレームが既定の回数繰り返される場合に使用され得る。
【0064】
[0078] GCR Direct Multicastは、グループに準拠する様々なステーションに宛てられる幾つかのユニキャストストリームへとマルチキャストストリームを変形する場合に使用され得る。つまりマルチキャスト伝送が事実上1組のユニキャスト伝送になり得る。
【0065】
[0079] GCR Block ACKは、フレームのブロックをグループに送信する場合に使用され得る。ブロックが送信されると、ブロックのどのフレームが受信されていないのかをAPがグループ内の各ステーションに要求する。
【0066】
[0080] これらのGCRメカニズムはネットワークの通常のマルチキャスト動作と異なる場合があり、全てのステーションによる受信の確率を高めるために低いMCSを使用する通常のマルチキャスト(Non-ACKとして知られる)とは対照的に、より速い速度を実現するためにより高い変調方式を使用することができる。これらのGCRメカニズムは、これらのメカニズムの何れかを使用する前に媒体を確保して衝突の確率を下げるための技法を必要とし得る。
【0067】
[0081] 関係する状況では、IEEE802.11がIEEE802.1Qネットワークと対話するためのモデルがあり得る。Generic Links(GLK)として知られるこのモデルは、IEEE802.11ネットワークがIEEE802.1Q互換ポートに接続し、IEEE802.1Q互換ポートとして振る舞うことを可能にする。これは様々なステーションを接続する二地点間論理リンク又は一地点対多地点論理リンクを作成することによって行うことができ、それらのリンクのそれぞれはブリッジポートとして現れる。GLKポートの特性は1つのポートが様々なステーションに接続できることであり、従って様々なノードとのグループキャスト通信を有する必要がある。その一例は1組の無線ブリッジの接続、及びループを回避するためにそれらの一部とだけ通信する必要があることである(例えば全域木決定)。標準的なGCRのように、GLK-GCRは隠蔽グループキャストアドレスを使用しない場合がある。しかし、アソシエーションIDをグループ化するために、及びフレームを処理すべきステーションを識別するために合成受信機アドレス(SYNRA)として知られる合成アドレスが使用され得る。従ってGLKではGCR伝送を使用する必要があり、従ってエアタイムを確保するための技法が求められている。
【0068】
[0082] IEEE802.11は、無線ネットワークの利用可能スループットを高めるためのメカニズムとしてチャネルボンディングを利用することができる。IEEE802.11ベースの規格は20MHzのベースチャネル帯域幅を使って機能する。伝送に利用可能な帯域幅を増やすために、IEEE802.11nは幾つかの20MHzチャネルをより大きいチャネルへとボンディングするメカニズムを使用することができる。このようにして、IEEE802.11nにおけるボンデッドチャネルは80MHzに達することができ、この手法は最大160MHz(8x20MHz)又は80+80MHzチャネル(4x20MHz+4x20MHz)まで実現するようにIEEE802.11acにおいて拡張され得る。
【0069】
[0083] しかし、IEEE802.11の帯域内で使用される産業、科学、及び医学(ISM)チャネルの全体的な飽和が原因で、概してチャネルボンディングは必ずしも期待通りに機能しない場合がある。IEEE802.11nにおけるチャネルボンディングは、複数のチャネルの和に等しい幅の既定の及び固有のチャネル上でクリアチャネル評価(CCA)を行うSTAによって機能し得る。所要の帯域幅が同時に空いていないことがあり、一定の状況においてチャネルボンディングを理想的とは言えなくするので、無線媒体の飽和により典型的にはこのCCA手続きは成功しない場合がある。
【0070】
[0084] IEEE802.11acは、Dynamic Bandwidth Operation(DBO)の概念を利用することによってチャネルボンディングの問題に対処することができ、DBOでは伝送を望むSTAがフレームの伝送前にボンディングするためのチャネルをネゴシエートする。DBOは超高スループット(VHT)ステーション(STA)を使って機能することができ、その場合、非高スループット(non-HT)重複物理層(PHY)プロトコルデータ単位(PPDU)を使用するrequest-to-send/clear-to-send(RTS/CTS)のやり取りが、現在の伝送機会(TXOP)の中の後続の伝送のために(RTSによって示されるチャネル幅と比較して)ことによると低減されたチャネル幅をネゴシエートする。
【0071】
[0085] 図2は、本明細書に記載する他の実施形態の何れかと組み合わせて使用することができる、80MHzチャネルが要求されたが40MHzチャネルが与えられるdynamic bandwidth operation(DBO)200の一例を示す。図2に示すように、STA1 201aは、どのチャネルを利用できるのかを知るためにSTA1 201aが識別した全てのチャネル内で(例えば80MHz要求する)複数のRTSフレーム202、204、206、208をSTA2 201bに伝送することができる。複数のRTSフレーム202、204、206、208に応答し、STA1 201aは、RTSフレーム202、204、206、208を受信したチャネルが利用可能かどうかを示す複数のCTSフレーム212、214、218をSTA2 201bから受信することができる。図2に示すように、STA1 201aはRTSフレーム202、204、208を受信したチャネルが利用可能であることを示す3つのCTSフレーム212、214、218を受信する。一次20MHzチャネル及び二次20MHzチャネルが連続しておりどちらも利用可能なので、STA1 201aはそれらのチャネルを40MHzチャネル222に集約し、40MHzチャネル222上でデートを伝送することができる。
【0072】
[0086] より具体的には、幾つかの20MHzチャネル内で伝送するために、IEEE802.11acはSTA1 201aが自らの一次20MHzチャネル230及び二次20MHzチャネル235のための(例えば40MHzチャネル240のための)CTSフレーム212を受信することを要求し得る。例えば80MHzチャネルボンディング250が望まれる場合、一次40MHzチャネル240が空いている必要があり、二次40MHzチャネル245も空いている必要がある。このスキーマはチャネルをボンディングすることに集中することができ、従ってその目的は利用可能な最大帯域幅のボンデッドチャネルをもたらす一次チャネルと二次チャネルとの組を見つけることであり得る。このスキーマは、規格内で強制される二次チャネルの動作に対する厳しい規則を有し得る。80+80MHzの割り当ての場合を除き、分離チャネル(即ち非連続)を使用することは認められない場合がある。図2に示すDBOメカニズムは、利用可能な様々なチャネルの帯域幅の和に等しい帯域幅を有するチャネルにわたる固有の伝送をもたらし、ユニキャスト伝送に使用することができる。
【0073】
[0087] 図3は、本明細書に記載する他の実施形態の何れかと組み合わせて使用することができる、WLAN内のFrame Replication and Elimination for Reliability(FRER)300の一例を示す。FRERメカニズム(例えばIEEE802.1CB)は、通信の終点又は中間点においてIEEE802.1Qスイッチがフレームの複製、それらのシーケンシング、及び複製フレームの除去を行うことを可能にし得る。図3に示すように、Generic Links(GLK)、IEEE802.11ak仕様はFRERメカニズムがIEEE802.11ネットワークにも適用されることを可能にし得る。図3に示すように、ストリームのソースとしてのAP310が複数のブリッジ320、330、340、350、360を介してストリームの宛先としてのSTA370に接続される。AP310及びブリッジ320、330、340は、IEEE802.11接続312、314、316による接続互いによってIEEE802.1 GLKネットワークを形成し得る。AP310は、高い信頼性を必要とするストリームのソースとすることができる。AP310はレプリケーションに関するシーケンス番号を含むタグをフレームに付加することができ、そのフレームを2つの分離経路325、335によって無線ネットワーク内でSTA370に送信することができる。例えばそのように分離経路を使用することは、フレーム内のRAとしてSYNRAアドレスを使用するGLK-GCR伝送を使用し、フレームをリンク内の3つのステーション(即ちブリッジ320、330、340)のうちの2つのステーション(即ちブリッジ320、340)に送信することによって実現することができる。このようにして単一の伝送によってフレームが複製される。
【0074】
[0088] 上記で示したように、IEEE802.11はステーションがDynamic Bandwidth Operation(DBO)によって利用可能な帯域幅(20、40、80、80+80MHz)をネゴシエート可能であり得るメカニズムを含む。DBOメカニズムはグループキャスト伝送又はマルチキャスト伝送で利用できない場合があり、従って上記で説明したようなFRERの実装は静的チャネル割り当てを使用し得る。
【0075】
[0089] 802.11における信頼性を高めるための幾つかの手法があり得る。一例ではフレームを伝送する速度を落とすことができ、そのことは成功裏の受信に必要なSINRを効果的に低減することによって伝送距離を高めることができる。一例では、より複雑なFECを追加し又は誤り訂正技法を含めることによってフレームの保護を高めることができる。一例では、IEEE802.11aaで行われるように伝送フレームの幾つかのコピーを送信することができる。一例では、IEEE802.1ネットワークにおいてIEEE802.11CB(Frame Replication and Elimination for Reliability、FRER)を使用することができ、更にIEEE802.11ネットワークにおけるFRERは(IEEE802.11ak GLK SYNRAアドレスを使用する)グループキャスト伝送の要求、グループキャスト伝送又はマルチキャスト伝送のためにチャネルを確保するための技法が求められている可能性がある。
【0076】
[0090] これらの手法は一部のシナリオでURLLCレベルの通信を可能にしない場合がある。一例では、或るシナリオにおいて冗長フレームの逐次伝送を使用し、その結果パケットが損失した場合に遅延が増加するメカニズムがあり得る。一例では、或るシナリオにおいてグループキャスト/マルチキャストフレームを伝送する前に媒体を確保するためのメカニズムがない場合があり、その結果衝突が生じ、チャネルの性能を著しく下げることがある。一例では、或るシナリオにおいて(例えばStatic Bandwidth Operation(SBO)を使用する)最適化されたチャネルボンディングがマルチキャスト/グループキャストに使用されない場合があり、その結果それらの伝送は802.11ac/802.11axで開発された高いMCSを使用できないことがある。
【0077】
[0091] 従って、可能な限り低いレイテンシを保つために機会主義的なチャネルボンディング及び高いMCSを使用しながら同じフレームの複数のコピーを同時伝送することにより、IEEE802.11における信頼性をどのように高めることができるのかに対処する必要がある。この需要は本明細書で開示する実施形態によって対処することができる。
【0078】
[0092] 以下の機能を用いて媒体確保のためのメカニズム(RTS/CTS)を拡張することにより、URLLCレベルの応用によって要求される信頼性を満たすようにIEEE802.11の信頼性を高めることに集中する1つ又は複数の実施形態があってもよく、以下の機能とはつまり(1)ステーションのグループのためにチャネルを確保するためのGCR-RTS/CTS、及びグループキャスト伝送のための最良のチャネル割り当てを見つけるためのIEEE802.11acのDynamic Bandwidth Operationメカニズムの拡張、(2)IEEE802.11ak GLKネットワーク内のFRERの使用の定義、及び媒体を確保し、GCR-GLK伝送のスループットを最適化するための最良のチャネル割り当てを見つけるためのGLK GCR-RTS/CTSメカニズムの使用、(3)幾つかのチャネルを使用してフレームのレプリケーションをステーションに送信するためのIEEE802.11acのDynamic Bandwidth Operationメカニズムの強化、及び/又は(4)信頼性レベル及び伝送される幾つかのコピーに対するそのマッピング、及び所要の帯域幅割り当て、並びにSTAのMAC層メカニズムの構成をSTAが定めるためのメカニズムである。
【0079】
[0093] Groupcast with Retries(GCR)RTS/CTSを使用する一実施形態では、グループキャスト伝送に関してRTS/CTSを拡張し、グループ内の全てのステーションがエアタイムを確保することを可能にし得る。ネットワーク内に隠れノードがある場合があり、RTS及びCTSの両方を使用することだけがネットワークの残りのステーションのNetwork Allocation Vector(NAV)を安全にブロックするので、GCR RTS/CTSはグループ内の全てのステーションをアドレス指定する必要があり得る。
【0080】
[0094] 図4は、本明細書に記載する他の実施形態の何れかと組み合わせて使用することができる、groupcast with retries-request to send(GCR-RTS)フレーム形式400の一例を示す。RTS/CTS形式は強化し、持続時間フィールド内で定められるエアタイム確保時間のための新たな規則を含むことができる。このGCR-RTSフレームは、IEEE802.11のための新たな制御フレームとして定めることができる。図4に示すように、GCR-RTSフレーム400はフレーム制御フィールド405、持続時間フィールド410、受信機アドレス(RA)フィールド415、伝送アドレス(TA)フィールド420、アソシエーションID(AID)順序フィールド425、及びFCSフィールド430を含み得る。
【0081】
[0095] フレームの持続時間フィールド410内の持続時間値は、待ち状態のフレームと、IFSによって隔てられるグループ内のステーションと同数のGCR-CTSフレームと、必要であれば1つのACK又はブロックACKフレームと、必要な任意のヌルデータパケット(NDP)と、必要であれば明示的フィードバックと、適用可能なIFSとを伝送するのにかかるマイクロ秒単位の推定時間に設定する必要があり得る。
【0082】
[0096] GCR-RTSフレーム400のRAフィールド415値は、GCR RTS/CTSのやり取りに応えるためのステーションのグループの隠蔽グループキャストアドレスであり得る。TAフィールド420は、一定の旧来のIEEE802.11プロトコルと同じ規則に従うことができる。アソシエーションID(AID)順序フィールド425はアソシエーション識別子の一覧を順に提示するために使用することができ、一覧内で提示される順序でGCR-RTSに応えるために使用され得る。このフィールドはSYNRAアドレスと同じ形式に従うことができる。
【0083】
[0097] SYNRAは、AIDの一覧をコンパクトな方法(例えばIEEE802.11ak内の形式)で提供する48ビットの合成アドレスとして定めることができる。図5は、本明細書に記載する他の実施形態の何れかと組み合わせて使用することができる、合成受信機アドレス(SYNRA)形式500の一例を示す。図5に示すように、SYNRA形式500は11フィールド505、SYNRAタイプフィールド510、及びSYNRA制御フィールド515を含み得る。
【0084】
[0098] 表1に基づく別の種類のSYNRAがあってもよく、AIR順序SYNRA制御は図6に基づき、図6は本明細書に記載する他の実施形態の何れかと組み合わせて使用することができるAID順序SYNRAタイプ形式600の一例を示す。
【0085】
【表1】
【0086】
[0099] 図6に示すように、AID順序SYNRAタイプフォルマ600は、AIDビットマップオフセットサブフィールド605、及びAIDビットマップサブフィールド610を含み得る。AID順序SYNRA制御内のAIDビットマップオフセットサブフィールド605は、AIDビットマップサブフィールド610のビット0に関連付けられる開始AID値を示すために使用することができる。例えばその値は開始AID値を見つけるために4を掛けることによって生成することができ、非S1G STAでは0~494までの値を有することができ、S1G STAでは0~2040までの値を有することができる。他の値が確保されてもよい。
【0087】
[0100] AID順序SYNRA制御内のAIDビットマップサブフィールド610は、例えば33個の連続したAIDの範囲にわたりGCR-CTSフレームで応える必要性のインジケーションを提供することができる。例えばビットB11~B43は、AIDビットマップオフセットx4+1~AIDビットマップオフセットx4+33の範囲内のAID値をそれぞれ表す。AIDビットマップサブフィールド内の各ビットについて、1の値はGCR-CTSが予期されることを示し、0の値はGCR-CTSフレームが予期されないことを示す。ビットが現れる順序は、ステーションによってGCR-CTSフレームが送信される順序を示し得る。
【0088】
[0101] 図7は、本明細書に記載する他の実施形態の何れかと組み合わせて使用することができる、groupcast with retries-request to send/clear to send(GCR-RTS/CTS)フレームを伴う動作700の一例を示す。図7に示すように、AP714(又はSTA)が、STA1 702a及びSTA2 702bを含むSTAのグループにGCR-RTSフレーム705をグループキャストすることができる。GCR-RTSフレーム705は、AIDの一覧を順に含むAID順序フィールドを含み得る。AIDの一覧は、GCR-RTSフレーム705に応答してどのSTAがどの順序でGCR-CTSフレーム710、715によって応答するのかを示す。例えばSTA1 702aは、STA2のものよりも前にAIDビットマップ内に位置するアソシエーション識別子(AID)を有し、STA2 702bからのGCR-CTSフレーム715よりも早くAP714にGCR-CTSフレーム710で応答することができる。AP714がGCR-CTSフレーム710、715を受信した後、AP714はAP714とSTA702a、702bとの間でどのチャネルを利用できるのかを理解する。この可用性情報に基づき、AP714は利用可能なチャネル上でデータ720、725を伝送することができる。
【0089】
[0102] 図7に示すGCR-RTS/CTS動作の例は、多くのSTAがアドレス指定される場合にオーバヘッドを示し得る。同時に、例えばGCRブロックメカニズムを使用して複数のフレームがやり取りされる場合、このオーバヘッドは衝突による再伝送を回避する利点と共に考慮する必要がある。
【0090】
[0103] GCR-CTSフレーム710、715は、その位置よりも後でAIDビットマップ内に示される残りのSTAとそれらの間の全てのIFSとを加えたものにかかる時間を含む必要があり得る持続時間フィールドを除き、標準的なCTSフレームと等しくあり得る。
【0091】
[0104] GCR-RTS/CTSの一例では、発信元のAP714又はSTAが、AID順序フィールド内のSYNRAを有するGCR-RTSメッセージ705を伝送することができる。このGCR-RTSメッセージ705は、STA1 702a及びSTA2 702b等のSTAを含むグループの隠蔽MACアドレス(又はマルチキャストMACアドレス)に送信することができる。AID順序は、(例えばAIDを提供することによって)どのSTAがどの順序で応答を必要とするのかを示し得る。アドレス指定されたSTA702a、702bは、SYNRA内で示される順序でGCR-CTSメッセージ710、715によって応える。その結果、アドレス指定されたSTA702a、702b間でCTSの衝突が発生しない。
【0092】
[0105] 一実施形態では、generic link(GLK)-GCR RTS/CTSフレームが使用され得る。この形態はGCR-RTS/CTSと同様の手法であり得るが、Generic Link(GLK)(IEEE802.11ak)互換ネットワークの事例を考慮する。隠蔽アドレス及びSYNRAアドレスに直接送信されるグループキャストメッセージがない可能性があること等、GLKは事例をGCR-RTS/CTSと異なるものにする考慮事項を有する。
【0093】
[0106] GLKステーションの場合等、GCRとGLK GCRとの間には1つ又は複数の違いがあってもよく、IEEE802.11akのステーションのグループはクローズ(Clause)内で指定される基本SYNRAによってアドレス指定することができ、IEEE802.11akではSYNRAはアソシエーションに基づいてセットアップすることができ、GCR隠蔽アドレスが利用できないのでステーションをアドレス指定するために使用する必要があり得る。
【0094】
[0107] この理由から、GLK-GCR RTS/CTSではRTSフレームのRAフィールド内で搬送するためにAID順序SYNRAの使用を強化することができる。従って、GLK-GCR RTSフレームの形式は、RAとしてAID順序SYNRAを使用することを除いて標準的なRTSフレームと同じであり得る。AID順序SYNRAを受信するステーションは、AID順序ビットマップ内で確立される順序でGLK-GCR RTSフレームにGLK-GCR CTSフレームによって応えることができることに留意されたい。GLK-GCR RTSフレームの持続時間フィールドは、待ち状態のフレームと、IFSによって隔てられるグループ内のステーションと同数のGLK-GCR CTSフレームと、必要であれば1つのACK又はブロックACKフレームと、必要な任意のヌルデータパケット(NDP)と、必要であれば明示的フィードバックと、適用可能なIFSとを伝送するのにかかるマイクロ秒単位の推定時間に設定する必要があり得る。
【0095】
[0108] 本明細書で先に論じたようにAP及びSTAの振る舞いは同じであり得るが、AID順序SYNRAを使用し得るGLK-GCR RTS/CTS SYNRAアドレスの形式の点で異なる。
【0096】
[0109] GLK-GCR RTS/CTS及びGCR RTS/CTSに関するこれらの手法は、IEEE802.11ネットワークにおけるFRERの技法を説明するために本明細書に記載する場合がある。
【0097】
[0110] 一実施形態では、DBOを用いたユニキャスト伝送に利用可能なチャネルの発見があり得る。先に論じたように、WLANネットワークにおける信頼性を高めるための1つのやり方は同じデータの幾つかのコピーを送信することである。これは典型的には同じチャネル内でデータの連続コピーを送信することによってMAC層において行われる。この方法はDynamic Channel Operationを使用して複数のチャネルを発見し確保するが、発見した全帯域幅の中で単一のPLCPプロトコル単位(PPDU)を送信する代わりに、複製したPPDUのコピーを複数のチャネル内で送信し、フレームを失う確率を効果的に下げることができる。これにより伝送帯域幅が減少する可能性があるが信頼性は改善され、このメカニズムはFrame Replication-DBO(FR-DBO)と呼ばれる場合がある。
【0098】
[0111] 図8は、本明細書に記載する他の実施形態の何れかと組み合わせて使用することができる、フレームの複数のコピーの同時伝送を伴うFrame Replication-DBO(FR-DBO)の一例を示す。例えばSTA1 801aは、音声又はビデオトラフィック等の一定のトラフィックフローの信頼性要件(例えば60%の信頼性)を満たす少なくとも1組の可能な異なる構成を有し得る。1組の構成内の各構成も信頼性要件を満たし、フレームのレプリケーション数(即ち冗長性)、チャネル帯域幅、並びにチャネル帯域幅に関連する変調及びコード化方式(MCS)を含み得る(例えば冗長性3X、20MHz、MCS5、又は冗長性1X、40MHz、MCS2)。図8に示すように、STA1 801aは、STA1 801aが識別した全てのチャネル内で、例えば一次20MHzチャネル830、二次20MHzチャネル835、及び20MHzチャネル840、845内でSTA2 801bを含む複数のSTAにRTSフレーム802、804、806、808をグループキャストし又はマルチキャストすることができる。RTSフレーム802、804、806、808に応答し、STA1は、RTSフレーム802、804、806、808を受信したチャネル830、835、840、845が利用可能かどうかを示す1つ又は複数のCTSフレーム821、814、818をSTA2 801bから受信することができる。図8に示すように、STA1 801aは一次20MHzチャネル830、二次20MHzチャネル835、及び20MHzチャネル808が利用可能であることを示す3つのCTSフレーム812、814、818を受信する。STA1 801aは利用可能なチャネル数が3だと決定することができる。利用可能なチャネル数に基づき、STA1 801aはトラフィックフローの信頼性要件を満たす構成を1組の可能な構成から選択することができる。例えばトラフィックフローの信頼性要件が60%の信頼性だと仮定し、STA1 801aは3つの利用可能なチャネル830、835、845上でフレームの複数のコピー822、824、828を伝送するために冗長性3X、20MHz、及びMCS5を含み、20MHzチャネル上で33%の信頼性を与える(20MHzチャネル用の)構成を選択することができる。選択した構成に基づき、STA1 801aは3つの利用可能なチャネル(即ち一次20MHzチャネル830、二次20MHzチャネル835、及び20MHzチャネル845)内でフレームの3つのコピー(即ちフレームXのコピー1 822、フレームXのコピー2 824、及びフレームXのコピー3 828)を同時に伝送することができる。選択された構成(例えばMCS5)は20MHzチャネルの伝送に関して33%の信頼性をSTA1 801aに与えることができるので、STA1 801aは、各チャネル830、835、845上で33%の信頼性をSTA1 801aに与える構成(例えばMCS5)に基づいてフレームの3つのコピーを伝送することによってトラフィックフローの信頼性要件(例えば60%)を達成することができる。図8に示すSTA801a、801bはAP、ブリッジ、又はWTRUであり得ることを指摘しておく。
【0099】
[0112] この実施形態では、FR-DBOによって検出される利用可能なチャネルに基づき、複数のチャネル及びチャネルの集約を使用することができる。従って元のフレーム(例えばフレームXのコピー1 822)及びフレームの2つのコピー(例えばフレームXのコピー2 824及びフレームXのコピー3 825)が同時に伝送され得る。伝送はBSSIDの元のメインチャネルを含まなければならない場合があり、そのため受信側のステーションは他のどのチャネルが使用されるのかに関する情報を受信することができる。
【0100】
[0113] このフレームのためのACK832に関して、1つ又は複数の選択肢、つまり(1)(チャネル帯域幅に関係なく)一次チャネル内でだけフレームが肯定応答されること、(2)フレームが受信される全てのチャネル内でフレームが肯定応答されること、及び/又は(3)ブロックACKメカニズムが使用されることが利用され得る。
【0101】
[0114] チャネル、チャネル幅、及びMCSの複数の組み合わせを発見できることは、信頼性に関する一定の要件に準拠するのに最適なリソース割り当てを生成することを可能にし得る。これについては本明細書で更に論じる。
【0102】
[0115] 一実施形態では、冗長レベルのインテリジェント制御があり得る。本明細書で論じるFR-DBOメカニズムの技法に従い、このメカニズムを使用するには検討する必要がある複数のパラメータがあり得る。この方法は、必要な保護レベルを理解し保護レベルをしかるべく構成するための、複製フレームを伝送するAP又はSTA内の制御メカニズムに対処し得る。
【0103】
[0116] 図9は、本明細書に記載する他の実施形態の何れかと組み合わせて使用することができる、冗長レベルをインテリジェント制御するための手続きの一例を示す。図9に示すように、ステーション(AP、WTRU、又は端末)が1組の待ち行列905、910、915、920(例えばIEEE802.11e内で定められる待ち行列)を有し得る。各待ち行列905、910、915、920は、音声(VO)、ビデオ(VI)、ベストエフォート(BE)、及びバックグラウンド(BE)等のトラフィックの種類、及び無線媒体にアクセスしながらフレームの優先レベルを設定することができる1組のMACパラメータに関連し得る。
【0104】
[0117] 待ち行列905、910、915、920のそれぞれの上に、高信頼性を必要とするように明確に印付けされるパケット907、912、917があり得る。図9ではこれらのパケット907、912、917をPK HRとして示す。パケット907、912、917のそれぞれは異なるトラフィックの種類(即ち待ち行列)に属することができ、異なる印付けを有し得る。これらのパケット907、912、917の印付けは、例えばIEEE802.1CBにおけるFRERに適合し得る。
【0105】
[0118] 外部のエンティティ又はプロトコルが、印付けとトラフィック特性との間のマッピングの構成を監督することができる。この印付けに使用可能なあり得るプロトコルの一例はMultiple Streams Reservation Protocol(MSRP)であり得る。それらのトラフィック特性は、とりわけフローの帯域幅に関する要件(例えばこのフローは少なくとも10Mbps必要とする)及び/又は信頼性(例えばX未満のフレーム損失確率)若しくはレプリケーション性のレベル(又は多くの複製が送信される)を含み得る。
【0106】
[0119] STAの構成に基づき、STA(例えばMAC構成モジュール)はFR-DBOの結果に応じて適用可能なMACのための1組の構成を導出することができる。例えばMAC構成モジュールは、待ち行列905、910、915、920(即ちトラフィックフロー)の1つから受信されるフレーム内の印を読み取ることができる。その印はフレームに関連するトラフィックフローの信頼性レベル、帯域幅、及び/又はレイテンシの要件を示すインジケーション925を含み得る。印によって示される信頼性要件に基づき、MAC構成モジュールは最小帯域幅を満たすMCS等のMAC/PHYパラメータを構成するための手続き930を行うことができる。MAC構成モジュールは、MAC/PHY層メカニズムのための1組のあり得る全ての構成935を生成することができる。構成はその1組の構成から選択し、FR-DBOの結果(即ち利用可能なチャネル数)に基づいて適用することができる。
【0107】
[0120] 検討され得る様々なメカニズムは、フレームを送信することができる最高速度を設定するパラメータであり得る可能なチャネルの集約の様々な構成(例えばFR-DBOの終了後にメカニズムは利用可能な80MHzのボンデッドチャネルをもたらす場合があり、それを80MHzチャネル上で単一のフレームを最高速度で送信するために、又は2つの40MHzチャネル上で2つのフレームを送信するために、又は20MHz上で4つのフレームを送信するために使用することができる)、様々なチャネル集約に利用可能な変調コード化方式であって、誤りフレームなしに復号するために低いSINRが必要とされ得るので低いMCS(シンボル当たりのビットが少ないこと)がより高い信頼性をもたらし得る、変調コード化方式、及び/又はSTA及びMCS当たりの測定損失レベルである。
【0108】
[0121] フローごとに構成されるこれらのパラメータ及び要件を検討する際、MAC/PHY構成メカニズムはこの特定のフレームに関するDBOの結果に応じた要件を満たす構成を選択することができる。
【0109】
[0122] 図10は、本明細書に記載する他の実施形態の何れかと組み合わせて使用することができる、FR-DBO及び信頼性因子に応じたMACプロパティの構成に基づいてフレームの複数のコピーを伝送するための手続き1000の一例を示す。ステーションの処理能力に応じて、適用するための構成を選択するプロセス(即ちステップ1060)は他の情報の生成(即ちステップ1010~1040)と共にFR-DBO(即ちステップ1050)の前に又は後に行うことができる。手続き1000は、ステップ1010で、伝送するためのトラフィックフローに関連する新たなフレームを読み取ることによって開始し得る。このフレームは、トラフィックフローが一定の信頼性レベルを必要とすることを示す印を含み得る。手続き1000を行うSTAはその構成を探索してこのフローの要件を得ることができる。要件は最小BW及び信頼性レベルとして指定され得る。例えば信頼性レベル1は損失が認められないことを意味する。
【0110】
[0123] ステップ1020で、STAはトラフィックフローに関する所要のデータ転送速度を満たすことができるチャネルごとのMCSを例えば最小帯域幅要件に基づいて選択することができる。例えば最小帯域幅150Mbpsでは、20MHzチャネルに関してMCS5、6、及び7を選択することができ、20MHzチャネルに関してMCS2、3、及び4を選択することができ、80MHzチャネルに関して全てのMCSを選択することができる。
【0111】
[0124] ステップ1030で、STAは被選択MCSごとの損失及び標的STAのSINRに関する内部情報を読み取ることができる。次いでSTAは、標的ステーションのSINRの最後の測定を考慮して被選択MCSのそれぞれについて誤りの確率(又は失敗の確率)を計算することができる。例えば誤りの確率は、20MHzチャネルに関連するMCS5では0.1、20MHzチャネルに関連するMCS6では0.2、及び/又は20MHzチャネルに関連するMCS7では0.3であり得る。
【0112】
[0125] ステップ1040で、STAは利用可能な様々なデータ転送速度(MCS)、可能なチャネル集約の選択肢、及びMCSを所与としたチャネルに必要な重複フレーム数を考慮し、ステップ1040で決定した情報(例えば失敗の確率)に基づいて少なくとも1組の可能な構成を生成することができる。1組の可能な構成のそれぞれは、フレームのレプリケーション数(冗長性)、チャネル帯域幅、及びMCSを含み得る。例えば1組の可能な構成は、MCS5を所与とした20MHzチャネルの冗長性2X、及びMCS2を所与とした40MHzチャネルの冗長性1Xを含み得る。
【0113】
[0126] 1組の可能な構成が作成されると、ステップ1050でSTAは上記のFR-DBO手続きを行うことができる。結果情報(例えばSTA内にフィードバックされた確保済みチャネルの数)に基づき、ステップ1060でSTAは1組の可能な構成から構成を選択することができる。ステップ1070で、STAはFR-DBOによって決定される利用可能なチャネル上でフレームの複数のコピーを同時に伝送するために選択した構成を適用することができる。
【0114】
[0127] 図11は、本明細書に記載する他の実施形態の何れかと組み合わせて使用することができる、FR-DBO及び信頼性因子に応じたMACプロパティの構成に基づいてフレームの複数のコピーを伝送するための手続き1100の別の例を示す。ステップ1110で、STAは上記で説明したようにトラフィックフローの信頼性要件を満たす少なくとも1組の可能な構成を生成することができる。1組の構成のそれぞれも信頼性要件を満たす。1組の構成内の構成はフレームのレプリケーション数、チャネル帯域幅、並びにチャネル帯域幅に関連する変調及びコード化方式(MCS)を含み得る。例えば1組の可能な構成は{{冗長性3x、20MHz、MCS5}、{冗長性2x、40MHz、MCS2}、{冗長性1x、80MHz、MCS1}}であり得る。信頼性要件の例は、これだけに限定されないがトラフィックフローに関して許可される損失量、レイテンシ、最小帯域幅、及び最大帯域幅を含み得る。トラフィックフローの例は、これだけに限定されないが音声トラフィック、ビデオトラフィック、ベストエフォートトラフィック、及びバックグラウンドトラフィックを含み得る。ステップ1110に記載した1組の可能な構成として生成することは、例として1120及び1130のステップに記載するFR-DBO手続きの前に又は後に行うことができることを指摘しておく。
【0115】
[0128] STAは上記のFR-DBO手続きを行うことができる。例えばステップ1120で、STAはSTAが識別した複数のチャネル上で1つ又は複数の近隣STAに複数のRTSフレームを伝送することができる。とりわけSTAは複数のチャネル内で1つの近隣STAに複数のRTSフレームを伝送することができ、それと同時に複数のチャネル内で他の隣接STAに複数のRTSフレームも伝送することができる。これらの複数のRTSフレームは、隣接STAに関連するマルチキャスト又はグループキャストMACアドレスに基づいて伝送され得る。複数のRTSフレームを伝送すると、ステップ1130でSTAは複数のチャネルが利用可能かどうかを示す複数のCTSフレームを受信することができる。受信した複数のCTSフレームに基づき、STAは利用可能なチャネル数を決定することができる。一実施形態では、STAがCTSフレームを1つだけ受信することができ、その場合は利用可能なチャネル数は1つである。
【0116】
[0129] ステップ1140で、STAは利用可能なチャネル数に基づいてトラフィックフローの信頼性要件を満たす1組の構成から第1の構成を選択することができる。図8に示す例では、STAは3つのチャネルが利用できることを受信したCTSフレームに基づいて決定することができる。信頼性要件が60%であり、MCS5における伝送が各チャネル上で33%の信頼性を与えると仮定し、STAは{冗長性3x、20MHz、MCS5}を第1の構成として選択することができる。ステップ1050で、STAは伝送内に第1の構成を適用することができ、利用可能な3つのチャネル上でフレームの3つのコピーを同時に伝送することができる。各伝送は33%の信頼性を有するので、33%有する伝送の複数のコピーが60%を上回る信頼性を与えることができ、それによりトラフィックフローの信頼性要件が満たされる。信頼性要件及び利用可能なチャネル数に応じてSTAはフレームの複数のコピーの伝送内に第2の構成、第3の構成を適用してもよいことを指摘しておく。
【0117】
[0130] 一実施形態では、グループキャスト通信におけるFR-DBOの使用があり得る。本明細書で説明するように、FRERはネットワークの信頼性を改善するために分離経路に従いフローのフレームを複数のサブフローに複製することを可能にするメカニズムであり得る。
【0118】
[0131] GLKネットワークの場合、IEEE802.11-GLKをIEEE802.1Q準拠ポートと見なすことができるのでFRERを使用することができる。加えてIEEE802.11akは無線媒体上のフレームを、GLKステーションの場合はSYNRAアドレスであるグループキャストアドレスに送信することによって複製するためにWLANの固有のマルチキャスト機能を使用可能であり得る。
【0119】
[0132] IEEE802.11の動作面での制限はDBOメカニズムが二地点間リンクに関してのみ定められることであり、そのため2つのステーションはDBOメカニズムによって使用するチャネル帯域幅に合意することが可能である。しかし、静的なチャネル構成上でしか中継することができない、従って現在のWLANチャネルのオーバロードによって低い速度を事実上使用するグループキャスト伝送についてDBOメカニズムは規定されていない。
【0120】
[0133] 本明細書に記載する技法及びメカニズムは、上記で定めたGLK-GCR RTS/CTSのやり取りを使用してDBOメカニズムをグループキャストに拡張することができる。このようにして、伝送はより広い動的チャネル割り当てを使用することができる。
【0121】
[0134] 一例では、CTSが判明した帯域幅で応えるためのステーションをSYNRA(例えばAID順序タイプ)内で示すGLK-GCR RTSをAPがやり取りする手続きがあり得る。これはRTSのTAフィールド内でアドバタイズされ得る。GLK-GCR RTS手続きが完結した後、APは、全てのステーションが空いていると認めるチャネル帯域幅の最良の割り当てを計算できる場合があり、従ってステーションのグループに対してフレームをより高速に送信することができる。
【0122】
[0135] アドレス指定されるステーションの数が多い場合は複数のCTSフレームを生成することができ、或る時間中は制御フレームのやり取りでチャネルが使用中のままになり得る。GLK GCRブロックACK等のメカニズムを使用する場合はこの効果を最小化することができ、多くのフレームを高速に送信できるようになる。
【0123】
[0136] 図12は、本明細書に記載する他の実施形態の何れかと組み合わせて使用することができる、generic link-groupcast operation with retries(GLK-GCR)伝送のためのDBO1200の一例を示す図である。上記の図面ではSTA1 1202a、STA2 1202b、及びSTA3 1202cがAID順序SYNRAによって定められる順序でGLK-GCR CTSフレーム1212、1214、1218、1222、1224、1226、1232、1234で応えることができる。
【0124】
[0137] 図12に示すように、AP1201はステーションSTA1 1202a、STA2 1202b、STA3 1202cのグループに対してFR-DBOを実行して、1組のステーション1202a、1202b、1202cにフレームをグループキャストするために使用可能な最良のチャネル割り当て、帯域幅、及びMCSをネゴシエートすることができる。上記で説明した技法を使用することにより、AP1201はAP1201が識別した複数のチャネル内でGLK-GCR RTS/CTSフレーム1202、1204、1206、1208を送信することができる。GLK-GCR RTSフレーム1202、1204、1206、1208のそれぞれはAID順序SYNRAを含み得る。GLK-GCR RTSフレーム1202、1204、1206、1208を受信するステーション1202a、1202b、1202cはAID順序SYNRA内で示される順序で応えることができる。例えばSTA1 1201aが一次20MHzチャネル1230、二次20MHzチャネル1235、及び20MHzチャネル1245それぞれにおいてGLK-GCR CTSフレーム1212、1214、1218でまず応答することができる。次いでSTA2 1201bが、一次20MHzチャネル1230、二次20MHzチャネル1235、及び20MHzチャネル1240それぞれにおいてGLK-GCR CTSフレーム1222、1224、1226で応答することができる。最後にSTA3 1201cが、一次20MHzチャネル1230及び二次20MHzチャネル1235それぞれにおいてGLK-GCR CTSフレーム1232、1234で応答することができる。FR-DBOメカニズムに従い、STA1202a、1202b、1202cは全てのチャネル(又は全ての利用可能なチャネル若しくはGLK-GCR RTSフレーム1202、1204、1206、1208内で示されるチャネル)内で応えることができる。全ての回答を受信した後、AP1201は上記で説明した手続きを実行して最良のリソース割り当てを計算することができる。次いでAP1201は、ステーション1202a、1202b、1202cのグループにフレームの複数のコピーを伝送することができる。
【0125】
[0138] 一実施形態では、可能な限り低いレイテンシを実現するために機会主義的なチャネルボンディング及び高いMCSを使用して複数のレプリケートされたフレーム又は冗長フレームを同時に送信することにより、802.11ネットワーク上の伝送の信頼性を高めるためのプロセスがあり得る。AP又はSTAはステーションのグループに対してフレームを高い信頼性で送信しなければならない場合がある。AP又はSTAは、グループ伝送のために幾つかのチャネルをブロック(又はボンディング)するために高度なGroup Cast with Retries(GCR)RTSフレームを送信することができる。アドレス指定されたSTAはGCR-RTSフレーム内で示される順序によってGCR-CTSフレームで応答することができる。AP又はSTAは、利用可能なチャネル及び所要の信頼性因子に応じてMAC/PHY伝送パラメータを構成することができる。AP又はSTAは利用可能な完全な帯域幅を使用して重複フレームを伝送することができる(フレームレプリケーション、FR-DBO)。STAは一次チャネル、全てのチャネル、利用可能なチャネル内でフレームを肯定応答することができ、又はブロックACKによって肯定応答することができる。
【0126】
[0139] 一実施形態では、可能な限り低いレイテンシを実現するために機会主義的なチャネルボンディング及び高いMCSを使用して複数のレプリケートされたフレームを同時に送信することにより、802.11ネットワーク上の伝送の信頼性に対処するためのプロセスがあり得る。グループ伝送のために幾つかのチャネルをブロックするための、RTS/CTSメカニズム(例えばGCR RTS/CTS)に対する拡張があり得る。このメカニズムはGLKネットワーク(GLK-GCR RTS/CTS)に拡張することもできる。次いで、利用可能な完全な帯域幅を使用して重複フレームを伝送するためのDynamic Bandwidth Operation(DBO)メカニズムに対する拡張(フレームレプリケーション、FR-DBO)、並びに利用可能なチャネル及び所要の信頼性因子に応じて伝送を構成するための手続きがあり得る。最後に、GCR RTS/CTS、GLK-GCR RTS/CTS、及びFR-DBOの組み合わせがあってもよく、利用可能な全ての帯域幅及び高次MCSを使用してFRERを実行するためのメカニズムを定めることができる。
【0127】
[0140] 上記では特徴及び要素を特定の組み合わせで記載したが、各特徴又は要素は単独で又は他の特徴及び要素との任意の組み合わせで使用できることを当業者なら理解されよう。加えて本明細書に記載した方法は、コンピュータ又はプロセッサによる実行のためにコンピュータ可読媒体に組み込まれるコンピュータプログラム、ソフトウェア、又はファームウェアによって実装することができる。コンピュータ可読媒体の例は、(有線又は無線接続上で伝送される)電子信号及びコンピュータ可読記憶媒体を含む。コンピュータ可読記憶媒体の例は、これだけに限定されないが読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリ装置、内蔵ハードディスク及び脱着可能ディスク等の磁気媒体、光磁気媒体、並びにCD-ROMディスク及びデジタル多用途ディスク(DVD)等の光媒体を含む。WTRU、UE、端末、基地局、RNC、又は任意のホストコンピュータ内で使用するための無線周波数トランシーバを実装するために、ソフトウェアに関連するプロセッサを使用することができる。
[付記1]
第1のステーション(STA)において使用する方法であって、
フレームに関連するトラフィックフローの1つ又は複数の信頼性要件を満たす少なくとも1組の構成を生成することであって、前記少なくとも1組の構成のそれぞれは前記フレームのレプリケーション数、チャネル帯域幅、並びに前記チャネル帯域幅に関連する変調及びコード化方式(MCS)を含む、生成することと、
複数のチャネル上で複数の送信要求(RTS)フレームを第2のSTAに伝送することと、
前記複数のチャネルが利用可能かどうかを示す複数の送信可(CTS)フレームを前記第2のSTAから受信することと、
前記複数のCTSフレームによって決定される利用可能なチャネル数に基づいて前記1組の構成から第1の構成を選択することと、
前記第1の構成に基づいて前記利用可能なチャネル上で前記フレームの複数のコピーを同時に伝送することと
を含む、方法。
[付記2]
前記複数のRTSフレームが、前記第2のSTAに関連するマルチキャストメディアアクセス制御(MAC)アドレスを使用して伝送される、付記1に記載の方法。
[付記3]
前記第1の構成が、前記フレームの第1のレプリケーション数、第1のチャネル帯域幅、及び前記第1のチャネル帯域幅に関連する第1のMCSを含む、付記1に記載の方法。
[付記4]
前記フレームの前記第1のレプリケーション数が、前記複数のチャネルから決定される前記利用可能なチャネル数以下である、付記3に記載の方法。
[付記5]
前記フレームの前記複数のコピーが前記第1のチャネル帯域幅に関連する前記第1のMCSを使用して伝送される、付記3に記載の方法。
[付記6]
前記第1のチャネル帯域幅が前記利用可能なチャネルの少なくとも1つの帯域幅と一致する、付記3に記載の方法。
[付記7]
前記複数のCTSフレームによって決定される前記利用可能なチャネル数に基づいて前記1組の構成から第2の構成を選択することと、
前記第2の構成に基づいて前記利用可能なチャネル上で前記フレームの複数のコピーを同時に伝送することと
を更に含み、
前記第2の構成は前記第1の構成と異なる、付記1に記載の方法。
[付記8]
前記第2の構成が、前記フレームの第2のレプリケーション数、第2のチャネル帯域幅、及び前記第2のチャネル帯域幅に関連する第2のMCSを含む、付記7に記載の方法。
[付記9]
前記トラフィックフローの前記1つ又は複数の信頼性要件が前記トラフィックフローに関して許可される損失量、最小帯域幅、最大帯域幅、及び平均帯域幅を含む、付記1に記載の方法。
[付記10]
前記トラフィックフローが音声トラフィック、ビデオトラフィック、ベストエフォートトラフィック、又はバックグラウンドトラフィックを含む、付記1に記載の方法。
[付記11]
フレームに関連するトラフィックフローの1つ又は複数の信頼性要件を満たす少なくとも1組の構成を生成するように構成されたプロセッサであって、前記少なくとも1組の構成のそれぞれは前記フレームのレプリケーション数、チャネル帯域幅、並びに前記チャネル帯域幅に関連する変調及びコード化方式(MCS)を含む、プロセッサと、
複数のチャネル上で複数の送信要求(RTS)フレームを第2のSTAに伝送するように構成された送信機と、
前記複数のチャネルが利用可能かどうかを示す複数の送信可(CTS)フレームを前記第2のSTAから受信するように構成された受信機と
を含む第1のステーション(STA)であって、
前記プロセッサは、前記複数のCTSフレームによって決定される利用可能なチャネル数に基づいて前記1組の構成から第1の構成を選択するように更に構成され、
前記送信機は、前記第1の構成に基づいて前記利用可能なチャネル上で前記フレームの複数のコピーを同時に伝送するように構成されている、
第1のSTA。
[付記12]
前記複数のRTSフレームが、前記第2のSTAに関連するマルチキャストメディアアクセス制御(MAC)アドレスを使用して伝送される、付記11に記載の第1のSTA。
[付記13]
前記第1の構成が、前記フレームの第1のレプリケーション数、第1のチャネル帯域幅、及び前記第1のチャネル帯域幅に関連する第1のMCSを含む、付記11に記載の第1のSTA。
[付記14]
前記フレームの前記第1のレプリケーション数が、前記複数のチャネルから決定される前記利用可能なチャネル数以下である、付記13に記載の第1のSTA。
[付記15]
前記フレームの前記複数のコピーが前記第1のチャネル帯域幅に関連する前記第1のMCSを使用して伝送される、付記13に記載の第1のSTA。
[付記16]
前記第1のチャネル帯域幅が前記利用可能なチャネルの少なくとも1つの帯域幅と一致する、付記13に記載の第1のSTA。
[付記17]
前記プロセッサは、前記複数のCTSフレームによって決定される前記利用可能なチャネル数に基づいて前記1組の構成から第2の構成を選択するように更に構成され、
前記送信機は、前記第2の構成に基づいて前記利用可能なチャネル上で前記フレームの複数のコピーを同時に伝送するように更に構成され、前記第2の構成は前記第1の構成と異なる、
付記11に記載の第1のSTA。
[付記18]
前記第2の構成が、前記フレームの第2のレプリケーション数、第2のチャネル帯域幅、及び前記第2のチャネル帯域幅に関連する第2のMCSを含む、付記17に記載の第1のSTA。
[付記19]
前記トラフィックフローの前記1つ又は複数の信頼性要件が前記トラフィックフローに関して許可される損失量、最小帯域幅、最大帯域幅、及び平均帯域幅を含む、付記11に記載の第1のSTA。
[付記20]
前記トラフィックフローが音声トラフィック、ビデオトラフィック、ベストエフォートトラフィック、又はバックグラウンドトラフィックを含む、付記11に記載の第1のSTA。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12