(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/51 20200101AFI20240815BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20240815BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20240815BHJP
【FI】
A24F40/51
A24F40/10
A24F40/50
(21)【出願番号】P 2022547303
(86)(22)【出願日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 KR2021014783
(87)【国際公開番号】W WO2022092698
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2022-08-03
(31)【優先権主張番号】10-2020-0139288
(32)【優先日】2020-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、チュ オン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン キョ
(72)【発明者】
【氏名】イ、チョン ソプ
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ピョン ソン
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1820847(KR,B1)
【文献】中国特許出願公開第111759017(CN,A)
【文献】特開2012-220498(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00~47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成物質を保存する液体保存部と、
前記液体保存部の第1部分及び第2部分にそれぞれ配置される第1残量感知センサ及び第2残量感知センサと、
前記第1部分及び前記第2部分と互いに異なる第3部分及び第4部分にそれぞれ配置される第3残量感知センサ及び第4残量感知センサと、
前記第1残量感知センサが出力した第1感知値及び前記第2残量感知センサが出力した第2感知値の差が既設定の基準範囲に含まれる場合、前記エアロゾル生成物質の残量測定を開始し、
前記エアロゾル生成物質の残量測定を開始した状態で、前記第3残量感知センサが感知した第3感知値が既設定の最小基準値と同一であり、前記第4残量感知センサが感知した第4感知値が既設定の最大基準値と同一である場合、前記第1感知値及び前記第2感知値のうち、少なくともいずれか1つに基づいて前記エアロゾル生成物質の残量を計算する制御部と、を含
み、
前記第1部分は、
前記液体保存部の第1内面であり、
前記第2部分は、
前記第1内面と対向する第2内面であり、
前記第3部分は、
前記第1内面及び前記第2内面と互いに異なる第3内面であり、
前記第4部分は、
前記第3内面と対向する第4内面である、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記第3内面の反対面に結合されるマウスピースをさらに含む、請求項
1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記液体保存部は、
前記第1内面と前記第2内面とを連結し、互いに対向する第5内面及び第6内面をさらに含む、請求項
1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記第1内面と前記第2内面は、第1面積を有し、前記第5内面と前記第6内面は、第2面積を有し、前記第1面積は、前記第2面積より小さい、請求項
3に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記液体保存部の長手方向を横切る方向への断面形状は、長方形である、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記液体保存部に保存される前記エアロゾル生成物質の初期容量は、
前記液体保存部が収容可能な最大容量の80%~90%に設定される、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記第1ないし第4残量感知センサそれぞれで感知した電気信号のうち、いずれか1つを選択して出力する信号分配部と、
前記選択された電気信号をデジタル信号に変換する信号変換部と、をさらに含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置に係り、さらに詳細には、エアロゾル生成物質の量を正確に測定することができるエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの代替方法に関する需要が増加している。例えば、シガレットまたは液体保存部内のエアロゾル生成物質を燃焼なしに加熱してエアロゾルを生成する方法に関する需要が増加している。
【0003】
そのようなエアロゾル生成装置は、カートリッジの交換タイミングをユーザに通知するためにも、ユーザに均一な喫味感を提供するためにも、エアロゾル生成物質の残量を正確に測定する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、エアロゾル生成物質の残量を正確に測定することができるエアロゾル生成装置を提供することである。
【0005】
本発明の技術的課題は、上述したところに限定されず、以下の例からさらに他の技術的課題が類推されうる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するための本発明の一実施例によるエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質を保存する液体保存部と、前記液体保存部の第1部分及び第2部分にそれぞれ配置される第1残量感知センサ及び第2残量感知センサと、前記第1部分及び前記第2部分と互いに異なる第3部分及び第4部分にそれぞれ配置される第3残量感知センサ及び第4残量感知センサと、前記第1残量感知センサが出力した第1感知値及び前記第2残量感知センサが出力した第2感知値に基づいて前記エアロゾル生成物質の残量を測定する制御部と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明のエアロゾル生成装置は、液体の傾きを考慮してエアロゾル生成装置に保存されたエアロゾル生成物質の残量を測定する。したがって、さらに正確にエアロゾル生成物質の残量を測定することができる。
【0008】
また、エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質の正確な残量をユーザに通知するので、ユーザ便宜性が増大するという利点がある。
【0009】
本発明の効果は、上述した効果に制限されるものではなく、言及されていない効果は、本明細書及び添付図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施例に係わるエアロゾル生成物質を保有する交換可能なカートリッジとそれを備えたエアロゾル生成装置の結合関係を概略的に示す分離斜視図である。
【
図2】
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な一作動状態を示す斜視図である。
【
図3】
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な他の作動状態を示す斜視図である。
【
図4】一実施例によるエアロゾル生成装置の内部ブロック図である。
【
図5】一実施例による残量感知センサの内部ブロック図である。
【
図10】一実施例によるエアロゾル生成物質の残量を測定するための開始条件を説明するための図面である。
【
図11】一実施例によるエアロゾル生成物質の残量計算方法を説明するための図面である。
【
図12】一実施例によるエアロゾル生成物質の残量測定方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
前記技術的課題を解決するための本発明の一実施例によるエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質を保存する液体保存部と、前記液体保存部の第1部分及び第2部分にそれぞれ配置される第1残量感知センサ及び第2残量感知センサと、前記第1部分及び前記第2部分と互いに異なる第3部分及び第4部分にそれぞれ配置される第3残量感知センサ及び第4残量感知センサと、前記第1残量感知センサが出力した第1感知値及び前記第2残量感知センサが出力した第2感知値に基づいて前記エアロゾル生成物質の残量を測定する制御部と、を含む。
【0012】
また、前記第1部分は、前記液体保存部の第1内面であり、前記第2部分は、前記第1内面と対向する第2内面である。
【0013】
また、前記第3部分は、前記第1内面及び前記第2内面と互いに異なる第3内面であり、前記第4部分は、前記第3内面と対向する第4内面である。
【0014】
また、前記エアロゾル生成装置は、前記第3内面の反対面に結合されるマウスピースをさらに含む。
【0015】
また、前記液体保存部は、前記第1内面と前記第2内面とを連結し、互いに対向する第5内面及び第6内面をさらに含む。
【0016】
また、前記第1内面と前記第2内面は、第1面積を有し、前記第5内面と前記第6内面は、第2面積を有し、前記第1面積は、前記第2面積より小さい。
【0017】
また、前記液体保存部の長手方向を横切る方向への断面形状は、長方形である。
【0018】
また、前記液体保存部に保存される前記エアロゾル生成物質の初期容量は、前記液体保存部が収容可能な最大容量の80%~90%に設定される。
【0019】
また、前記制御部は、前記第1感知値及び前記第2感知値の差が既設定の基準範囲に含まれる場合、前記エアロゾル生成物質の残量測定を開始する。
【0020】
また、前記制御部は、前記エアロゾル生成物質の残量測定を開始した状態で、前記第3残量感知センサが感知した第3感知値及び前記第4残量感知センサが感知した第4感知値を比較し、前記第3感知値及び前記第4感知値にさらに基づいて前記エアロゾル生成物質の残量を計算する。
【0021】
また、前記制御部は、前記第3感知値が既設定の最小基準値と同一であり、前記第4感知値が既設定の最大基準値と同一である場合、前記第1感知値及び前記第2感知値のうち、少なくともいずれか1つに基づいて前記エアロゾル生成物質の残量を計算する。
【0022】
また、前記エアロゾル生成装置は、前記第1ないし第4残量感知センサそれぞれで感知した電気信号のうち、いずれか1つを選択して出力する信号分配部及び前記選択された電気信号をデジタル信号に変換する信号変換部をさらに含む。
【0023】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、それは、当分野に従事する技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とに基づいて定義されねばならない。
【0024】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「-部」、「-モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これはハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、ハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0025】
ここで、使用された「少なくとも1つ」のような表現は、全体構成リスト(list)を修飾してリストの個別構成を修飾しない。例えば、「a、b及びcのうち、少なくとも1つ」のような表現は「a」、「b」、「c」、「aとb」、「aとc」、「bとc」または「a、b及びc」をいずれも含むと理解されねばならない。
【0026】
あるエレメントまたはあるレイヤが他のエレメントまたは他のレイヤの「上に」、「上部に」、「連結された」、または「結合された」と指称されるとき、それは、他のエレメントまたは他のレイヤに直接連結されるか、直接結合されるか、または別途の結合されたエレメントまたはレイヤが存在しうる。対照的に、あるエレメントが他のエレメントまたはレイヤの「直ぐ上に」、「直上に」、「直接連結された」、または「直接結合された」と言及されたきには、中間に別途のエレメントが存在していないと理解されねばならない。同じ参照番号は、全体として同じ要素を指称する。
【0027】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施例について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態にも具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0028】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施例について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態にも具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0029】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0030】
図1は、一実施例に係わるエアロゾル生成物質を保有する交換可能なカートリッジとそれを備えたエアロゾル生成装置の結合関係を概略的に示す分離斜視図である。
【0031】
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置5は、エアロゾル生成物質を保有するカートリッジ20と、カートリッジ20を支持する本体10を含む。
【0032】
カートリッジ20は、内部にエアロゾル生成物質を収容した状態で本体10に結合することができる。カートリッジ20の一部が本体10の収容空間19に挿入されることでカートリッジ20が本体10に装着されうる。
【0033】
カートリッジ20は、例えば、液体状態や、固体状態や、気体状態や、ゲル(gel)状態のいずれか1つの状態を有するエアロゾル生成物質を保有することができる。エアロゾル生成物質は、液状組成物を含んでもよい。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。
【0034】
液状組成物は、例えば、水、ソルベント、エチルアルコール、植物抽出物、香料、香味剤、及びビタミン混合物のいずれか1つの成分や、これら成分の混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含むが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0035】
例えば、液状組成物は、ニコチン塩が添加された任意の重量比のグリセリン及びプロピレングリコール溶液を含んでもよい。液状組成物には、2種以上のニコチン塩が含まれうる。ニコチン塩は、ニコチンに有機酸または無機酸を含む適切な酸を添加することで形成されうる。ニコチンは、自然に発生するニコチンまたは合成ニコチンであって、液状組成物の総溶液重量に対する任意の適切な重量の濃度を有することができる。
【0036】
ニコチン塩の形成のための酸は、血中ニコチン吸収速度、エアロゾル生成装置5の作動温度、香味または風味、溶解度などを考慮して適切に選択されうる。例えば、ニコチン塩の形成のための酸は、安息香酸、乳酸、サリチル酸、ラウリン酸、ソルビン酸、レブリン酸、ピルビン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレリン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、クエン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、フェニル酢酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、グルコン酸、サッカリン酸、マロン酸またはリンゴ酸で構成された群から選択される単独の酸または前記群から選択される2以上の酸の混合でもあるが、それに限定されない。
【0037】
カートリッジ20は、本体10から伝達される電気信号または無線信号などによって作動することで、カートリッジ20の内部のエアロゾル生成物質の相(phase)を気体の相に変換して、エアロゾル(aerosol)を発生させる機能を遂行する。エアロゾルは、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化された粒子と空気が混合された状態の気体を意味することができる。
【0038】
例えば、カートリッジ20は、本体10から電気信号を供給されてエアロゾル生成物質を加熱するか、超音波振動方式を用いるか、誘導加熱方式を用いることで、エアロゾル生成物質の相を変換することができる。他の例として、カートリッジ20が自体的な電力源を含む場合には、本体10からカートリッジ20に伝達される電気的な制御信号や無線信号によってカートリッジ20が作動することで、エアロゾルを発生させうる。
【0039】
カートリッジ20は、内部にエアロゾル生成物質を収容する液体保存部21と、液体保存部21のエアロゾル生成物質をエアロゾルに変換する機能を遂行する霧化器(atomizer)を含んでもよい。
【0040】
液体保存部21が内部に「エアロゾル生成物質を収容する」ということは、液体保存部21が容器(container)の用途のようにエアロゾル生成物質を単に入れる機能を遂行することと、液体保存部21の内部に、例えば、スポンジ(sponge)や綿や布地や多孔性セラミック構造体のようなエアロゾル生成物質を含浸(含有)する要素を含むことを意味する。
【0041】
霧化器は、例えば、エアロゾル生成物質を吸収してエアロゾルに変換するための最適の状態に保持する液体伝達手段(wick;ウィック)と、液体伝達手段を加熱してエアロゾルを発生させるヒータを含んでもよい。
【0042】
液体伝達手段は、例えば、綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックのうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0043】
ヒータは、電気抵抗によって熱を発生させることで、液体伝達手段に伝達されるエアロゾル生成物質を加熱するために銅、ニッケル、タングステンなどの金属素材を含んでもよい。ヒータは、例えば、金属熱線(wire)、金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによって具現され、ニクロム線のような素材を用いて伝導性フィラメントによって具現されるか、液体伝達手段に巻かれるか、液体伝達手段に隣接して配置されうる。
【0044】
また、霧化器は、別途の液体伝達手段を使用せず、エアロゾル生成物質を吸収してエアロゾルに変換するための最適の状態に保持する機能と、エアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させる機能をいずれも遂行するメッシュ形状(mesh shape)や板形状(plate shape)の発熱体によっても具現される。
【0045】
カートリッジ20の内部に収容されたエアロゾル生成物質を外部から視認可能なようにカートリッジ20の液体保存部21は、少なくとも一部が透明な素材を含む。液体保存部21は、本体10に結合されるとき、本体10の溝11に挿入されるように液体保存部21から突出する突出窓21aを含む。マウスピース22及び液体保存部21の全体が透明なプラスチックやガラスなどの素材によっても作製され、液体保存部21の一部に該当する突出窓21aのみが透明な素材によっても作製されうる。
【0046】
本体10は、収容空間19の内側に配置された接続端子10tを含む。本体10の収容空間19にカートリッジ20の液体保存部21が挿入されれば、本体10は、接続端子10tを介してカートリッジ20に電力を提供するか、カートリッジ20の作動に係わる信号をカートリッジ20に供給することができる。
【0047】
カートリッジ20の液体保存部21の一側端部には、マウスピース22が結合される。マウスピース22は、エアロゾル生成装置5のユーザの口腔に挿入される部分である。マウスピース22は、液体保存部21内部のエアロゾル生成物質から発生したエアロゾルを外部に排出する排出孔22aを含む。
【0048】
本体10には、スライダ7が本体10に対して移動可能に結合される。スライダ7は、本体10に対して移動することで、本体10に結合されたカートリッジ20のマウスピース22の少なくとも一部を覆うか、マウスピース22の少なくとも一部を外部に露出させる機能を遂行する。スライダ7は、カートリッジ20の突出窓21aの少なくとも一部を外部に露出させる長孔7aを含む。
【0049】
スライダ7は、内部が空いており、両側端部が開放された筒状を有する。スライダ7の構造は、図面に図示されたように筒状に制限されるものではなく、本体10の縁部に結合された状態を保持しつつ、本体10に対して移動可能なクリップ状の断面形状を有する折り曲げられた板の構造や、湾曲された円弧状の断面形状を有する曲がった半円筒状などの構造を有することができる。
【0050】
スライダ7は、本体10とカートリッジ20に対するスライダ7の位置を保持するための磁性体を含む。磁性体は、永久磁石や、鉄、ニッケル、コバルト、またはそれらの合金のような素材を含んでもよい。
【0051】
磁性体は、スライダ7の内部空間を挟んで互いに対向する2つの第1磁性体8aと、スライダ7の内部空間を挟んで互いに対向する2つの第2磁性体8bを含む。第1磁性体8aと第2磁性体8bは、スライダ7の移動方向、すなわち、本体10の延長方向である本体10の長手方向に沿って互いに離隔されて配置される。
【0052】
本体10は、スライダ7が本体10に対して移動する間に、スライダ7の第1磁性体8aと第2磁性体8bとが移動する経路上に配置された固定磁性体9を含む。本体10の固定磁性体9も収容空間19を挟んで互いに対向するように2つが設けられる。
【0053】
スライダ7の位置によって、固定磁性体9と第1磁性体8a、または固定磁性体9と第2磁性体8bとの間で作用する磁力によってスライダ7は、マウスピース22の端部を覆うか、露出させる位置に安定して保持されうる。
【0054】
本体10は、スライダ7が本体10に対して移動する間に、スライダ7の第1磁性体8aと第2磁性体8bとの移動経路上に配置される位置変化感知センサ3を含む。位置変化感知センサ3は、例えば、磁場の変化を感知して信号を発生させるホール効果(hall effect)を用いたホールセンサ(hall IC)を含んでもよい。
【0055】
上述した実施例に係わるエアロゾル生成装置5において本体10とカートリッジ20とスライダ7は、長手方向を横切る方向への断面形状がほぼ長方形であるが、実施例は、そのようなエアロゾル生成装置5の形状によって制限されない。エアロゾル生成装置5は、例えば、円形、楕円形、正方形、またはさまざまな形態の多角形の断面形状を有しうる。また、エアロゾル生成装置5が長手方向に延びるとき、必ずしも直線に延びる構造に制限されるものではなく、ユーザが手にしやすく、例えば、流線形に湾曲されるか、特定領域で既定の角度で折り曲げられ、長く延びうる。
【0056】
図2は、
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な一作動状態を示す斜視図である。
【0057】
図2では、スライダ7が本体10と結合されたカートリッジのマウスピース22の端部を覆う位置に移動した作動状態が図示された。スライダ7がマウスピース22の端部を覆う位置に移動した状態では、マウスピース22が外部の異物から安全に保護されて清潔な状態に保持されうる。
【0058】
ユーザは、スライダ7の長孔7aを介してカートリッジの突出窓21aを視認することで、カートリッジが保有するエアロゾル生成物質の残量を確認することができる。ユーザは、エアロゾル生成装置5を使用するために、スライダ7を本体10の長手方向に移動させうる。
【0059】
図3は、
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な他の作動状態を示す斜視図である。
【0060】
図3では、スライダ7が本体10と結合されたカートリッジのマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動した作動状態が図示された。スライダ7がマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動した状態で、ユーザが自分の口腔にマウスピース22を挿入し、マウスピース22の排出孔22aを通じて排出されるエアロゾルを吸い込むことができる。
【0061】
スライダ7がマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動した状態でも、スライダ7の長孔7aを介してカートリッジの突出窓21aが外部に露出されるので、ユーザがカートリッジが保有するエアロゾル生成物質の残量を視認することができる。
【0062】
図4は、一実施例によるエアロゾル生成装置の内部ブロック図である。
【0063】
図4を参照すれば、エアロゾル生成装置5は、バッテリ110、ヒータ120、感知部130、ユーザインターフェース140、メモリ150及び制御部160を含む。しかし、エアロゾル生成装置5の内部構造は、
図4に図示されたところに限定されない。エアロゾル生成装置5の設計によって、
図4に図示された構成のうち、一部が省略されるか、新たな構成がさらに追加されうることを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0064】
一実施例において、エアロゾル生成装置5は、カートリッジなしに本体だけで構成されうる。その場合、エアロゾル生成装置5に含まれたハードウェア構成は、本体に位置する。他の実施例において、エアロゾル生成装置5は、本体及びカートリッジで構成され、エアロゾル生成装置5に含まれたハードウェア構成は、本体及びカートリッジに分けられて位置する。または、エアロゾル生成装置5に含まれたハードウェア構成のうち、少なくとも一部は、カートリッジだけではなく、本体にも位置する。
【0065】
以下、エアロゾル生成装置5に含まれた各構成が位置する空間を限定せず、各構成の動作について説明する。
【0066】
バッテリ110は、エアロゾル生成装置5の動作に用いられる電力を供給する。すなわち、バッテリ110は、ヒータ120が加熱されるように電力を供給するる。また、バッテリ110は、エアロゾル生成装置5内に備えられた他のハードウェア構成、すなわち、感知部130、ユーザインターフェース140、メモリ150及び制御部160の動作に必要な電力を供給する。バッテリ110は、充電可能なバッテリであるか、使い捨てバッテリでもある。例えば、バッテリ110は、リチウムポリマー(LiPoly)バッテリでもあるが、それに制限されない。
【0067】
ヒータ120は、制御部160の制御によってバッテリ110から電力を供給される。ヒータ120は、バッテリ110から電力を供給されてエアロゾル生成装置5に挿入されたシガレットを加熱するか、エアロゾル生成装置5に装着されたカートリッジを加熱することができる。
【0068】
ヒータ120は、エアロゾル生成装置5の本体に位置する。または、エアロゾル生成装置5が本体及びカートリッジで構成される場合、ヒータ120は、カートリッジに位置する。ヒータ120がカートリッジに位置する場合、ヒータ120は、本体及びカートリッジのうち、少なくともいずれか1箇所に位置したバッテリ110から電力を供給されうる。
【0069】
ヒータ120は、任意の適した電気抵抗性物質で形成されうる。例えば、適した電気抵抗性物質は、チタン、ジルコニウム、タンタル、白金、ニッケル、コバルト、クロム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、錫、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属または金属合金でもあるが、それらに制限されない。また、ヒータ120は、金属熱線(wire)、導電性トラック(track)が配置された 金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによって具現されるが、それらに制限されない。
【0070】
一実施例において、ヒータ120は、カートリッジ20に含まれた構成でもある。カートリッジ20は、ヒータ120、液体伝達手段及び液体保存部21を含んでもよい。液体保存部210に収容されたエアロゾル生成物質は、液体伝達手段に移動し、ヒータ120は、液体伝達手段に吸収されたエアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させうる。例えば、ヒータ120は、ニッケルクロムのような素材を含み、液体伝達手段に巻かれるか、液体伝達手段に隣接して配置されうる。
【0071】
一方、ヒータ120は、誘導加熱式ヒータでもある。ヒータ120は、カートリッジ20を誘導加熱方式で加熱するための導電性コイルを含み、カートリッジ20には、誘導加熱式ヒータによって加熱されうるサセプタが含まれる。
【0072】
エアロゾル生成装置5は、感知部130を含む。感知部130が感知した感知信号は、制御部160に伝達され、感知信号によって制御部160は、ヒータ120の動作制御、喫煙の制限、カートリッジ20の挿入有/無判断、液体保存部210の残量、お知らせ表示のような多様な機能が遂行されるようにエアロゾル生成装置5を制御することができる。
【0073】
例えば、感知部130は、ユーザのパフ(puff)を感知するパフ感知センサ、ヒータ120の温度を感知する温度感知センサ、スライダ7の位置変化を感知する位置変化感知センサなどを含んでもよい。
【0074】
特に、感知部130は、複数の残量感知センサ(
図5の131ないし134、以下、区分の必要がない場合、131と称する)を含む。残量感知センサ131は、液体保存部21に保存されたエアロゾル生成物質の残量を感知する。残量感知センサ131の動作方法は、
図5以下でさらに詳細に説明する。
【0075】
ユーザインターフェース140は、ユーザにエアロゾル生成装置5の状態に係わる情報を提供する。ユーザインターフェース140は、視覚情報を出力するディスプレイまたはランプ、触覚情報を出力するモータ、音情報を出力するスピーカ、ユーザから入力された情報を受信するか、ユーザに情報を出力する入/出力(I/O)インターフェーシング手段(例えば、ボタンまたはタッチスクリーン)とデータ通信を行うか、充電電力を供給されるための端子、外部デバイスと無線通信(例えば、WI-FI, WI-FI Direct, Bluetooth(登録商標), NFC(Near-Field Communication)など)を行うための通信インターフェーシングモジュールなどの多様なインターフェーシング手段を含んでもよい。
【0076】
但し、エアロゾル生成装置5には、前記例示された多様なユーザインターフェース140の例示のうち、一部のみが取捨選択されて具現されうる。
【0077】
メモリ150は、エアロゾル生成装置5内で処理される各種データを保存するハードウェアであって、メモリ150は、制御部160で処理されたデータ及び処理されるデータを保存することができる。メモリ150は、DRAM(dynamic random access memory), SRAM(static random access memory)のようなRAM(random access memory), ROM(read-only memory), EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)などの多様な種類によって具現されうる。
【0078】
特に、感知部130が複数の残量感知センサ131を含む場合、メモリ150は、残量測定の開始条件を保存することができる。残量測定の開始条件については、
図6以下を参照して後述する。
【0079】
制御部160は、エアロゾル生成装置5の全般的な動作を制御するハードウェアである。制御部160は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、マイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されうるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、制御部160は、他の形態の組合わせによっても具現されるということを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0080】
制御部160は、感知部130によって感知された結果を分析し、後続して遂行される処理を制御する。
【0081】
制御部160は、感知部130によって感知された結果に基づいて、ヒータ120の動作が開始または終了するようにヒータ120に供給される電力を制御することができる。また、制御部160は、感知部130によって感知された結果に基づいて、ヒータ120が所定の温度まで加熱されるか、適切な温度を保持するようにヒータ120に供給される電力の量及び電力が供給される時間を制御することができる。
【0082】
一方、
図4には、図示されていないが、エアロゾル生成装置5は、別途のクレードルと共にエアロゾル生成システムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置5のバッテリ110の充電にも用いられる。例えば、エアロゾル生成装置5は、クレードル内部の収容空間に収容された状態で、クレードルのバッテリから電力を供給されてエアロゾル生成装置5のバッテリ110を充電することができる。
【0083】
図5は、一実施例による残量感知センサの内部ブロック図である。
【0084】
図5を参照すれば、感知部130は、第1残量感知センサ131、第2残量感知センサ132、第3残量感知センサ133及び第4残量感知センサ134を含む。
【0085】
第1残量感知センサ131ないし第4残量感知センサ134は、液体保存部21の内部に配置されうる。第1残量感知センサ131ないし第4残量感知センサ134は、エアロゾル生成物質の移動による電気的特性変化を感知することができる。例えば、第1残量感知センサ131ないし第4残量感知センサ134は、静電容量センサ(capacitive sensor)でもある。静電容量センサは、液体形態のエアロゾル生成物質の移動によるキャパシタンス変化を感知することができる。
【0086】
第1残量感知センサ131ないし第4残量感知センサ134は、エアロゾル生成物質の移動による電気的特性変化を電気信号に変換して出力することができる。
【0087】
第1残量感知センサ131ないし第4残量感知センサ134は、4-ch(channel)で構成されうる。そのためにエアロゾル生成装置5は、信号分配部170及び信号変換部180をさらに含んでもよい。
【0088】
信号分配部170は、第1残量感知センサ131ないし第4残量感知センサ134が出力した電気信号のうち、いずれか1つを選択し、選択された電気信号を信号変換部180に伝達することができる。例えば、信号分配部170は、マルチプレクサ(multiplexer)を含んでもよい。
【0089】
信号変換部180は、信号分配部170から提供された電気信号をデジタル信号に変換して制御部160に伝達する。例えば、信号変換部180は、アナログ-デジタルコンバータ(Analog-Digital Converter:ADC)を含んでもよい。
【0090】
実施例によって、第1残量感知センサ131ないし第4残量感知センサ134、信号分配部170、信号変換部180が1つのセンサモジュールとして構成されうる。その場合、センサモジュール全体を残量感知センサとも称する。
【0091】
また、信号変換部180が出力した変換された電気信号は、第1残量感知センサ131ないし第4残量感知センサ134が感知した電気的特性変化に基づいて生成された電気信号なので、変換された電気信号は、第1残量感知センサ131ないし第4残量感知センサ134が感知した感知値とも称する。
【0092】
制御部160は、第1残量感知センサ131ないし第4残量感知センサ134が感知した感知値のうち、少なくともいずれか1つに基づいてエアロゾル生成物質の量を計算することができる。
【0093】
本発明のエアロゾル生成装置5は、4-chの残量感知センサを用いて、エアロゾル生成装置5の傾きによる配置方向を決定し、配置方向に基づいてエアロゾル生成物質の残量を計算することができる。したがって、エアロゾル生成物質の正確な残量測定が可能である。以下、エアロゾル生成装置5の傾きによる残量測定方法について説明する。
【0094】
図6は、一実施例による液体保存部の斜視図であり、
図7ないし
図9は、一実施例による液体保存部の側面図である。
【0095】
さらに詳細には、
図7は、
図6の液体保存部21のA方向視の側面図を図示し、
図8は、
図6の液体保存部21のB方向視の側面図を図示し、
図9は、
図6の液体保存部21のC方向視の側面図を図示する。
【0096】
図6ないし
図9には、残量推定方法を説明するための一部構成のみが図示されている。したがって、
図6ないし
図9に図示されていないにしても、
図1ないし
図5で説明した構成のうち、一部構成が
図6ないし
図9の液体保存部21に配置されうるということは言うまでもない。
【0097】
図6ないし
図9を参照すれば、液体保存部21は、長手方向を横切る方向への断面形状が長方形でもある。この際、長手方向は、マウスピース22が結合される液体保存部21の一側端部から、本体10の接続端子10tと接触する液体保存部21の他側端部への方向を意味する。
【0098】
液体保存部21の断面形状は、互いに対向する第1内面610及び第2内面620を含む。また、液体保存部21の断面形状は、互いに対向する第5内面650と第6内面660を含む。第5内面650及び第6内面660の間の長さdは、第1内面610と第2内面620との長さlより小さく設定されうる。例えば、第1内面610と第2内面620との長さlは、第5内面650と第6内面との長さdの3倍ないし6倍に設定されうる。
【0099】
第1残量感知センサ131及び第2残量感知センサ132は、液体保存部21の内面610、620、630、640、650、660のうち、互いに対向する第1内面610及び第2内面620にそれぞれ配置されうる。
【0100】
第1残量感知センサ131は、第1内面610に配置され、長手方向に沿って延びうる。第2残量感知センサ132は、第2内面620に配置され、長手方向に沿って延びうる。
【0101】
第3残量感知センサ133及び第4残量感知センサ134は、液体保存部21の内面610、620、630、640、650、660のうち、第1内面610及び第2内面620と互いに異なっており、互いに対向する第3内面630及び第4内面640にそれぞれ配置されうる。
【0102】
第3残量感知センサ133は、第3内面630の一側に配置されうる。第4残量感知センサ134は、第4内面640の一側に配置されうる。第3残量感知センサ133及び第4残量感知センサ134が第3内面630と第4内面640の全体面積にわたって延びないことは、エアロゾルを外部に排出する排出孔22a及び本体10の接続端子10tと結合する接続端子(図示せず)の配置を考慮するためである。
【0103】
第3内面630の反対面には、マウスピース22が結合されうる。
【0104】
液体保存部21に保存されるエアロゾル生成物質の初期容量は、液体保存部21がエアロゾル生成物質を収容する最大容量の80%~90%に設定されうる。初期容量は、工場出庫当時、液体保存部21に保存されたエアロゾル生成物質の容量を意味する。液体保存部21の初期容量が最大容量の80%~90%に設定されることにより、第3残量感知センサ133は、エアロゾル生成装置5(すなわち、液体保存部21)の直立状態でエアロゾル生成物質と接触しない。すなわち、エアロゾル生成装置5の直立状態で第3残量感知センサ133は、エアロゾル生成基質の最高レベルよりも上部に配置されうる。直立状態は、地表面と第3内面630及び/または第4内面640が平行な状態を意味する。後述するように、エアロゾル生成物質の初期容量を液体保存部21の最大容量の80%~90%に設定することにより、エアロゾル生成装置5の傾きを感知することができる。
【0105】
一方、液体保存部21の内面610、620、630、640、650、660のうち、第1内面610と第2内面620とを連結し、互いに対向する第5内面650及び第6内面660には、残量感知センサが配置されない。
【0106】
第1内面610及び第2内面620は、同一形状に形成される。第5内面650と第6内面660は、同一形状に形成される。第1内面610及び第2内面620と第5内面650及び第6内面660は、高さが同一であり、幅が異なってもいる。この際、高さは、長手方向の寸法を意味する。
【0107】
第1内面610及び第2内面620は、第1面積を有し、第5内面650と第6内面660は、第2面積を有する。第1面積は、第2面積より小さく設定されうる。すなわち、第1内面610及び第2内面620と第5内面650及び第6内面660は、高さが同一であると仮定すれば、第1内面610及び第2内面620の底辺dは、第5内面650及び第6内面660の底辺lより小さい。
【0108】
一方、第1残量感知センサ131及び第2残量感知センサ132が液体保存部21の内側面のうち、薄厚の側面にそれぞれ配置されることにより、エアロゾル生成装置5が所定方向に傾斜した場合、エアロゾル生成物質の実際残量と測定残量との差が無視可能なほどに小さい。
【0109】
第1残量感知センサ131ないし第4残量感知センサ134は、エアロゾル生成物質の移動による電気的特性変化を感知する。例えば、第1残量感知センサ131ないし第4残量感知センサ134は、静電容量センサ(capacitive sensor)でもある。静電容量センサは、液体形態のエアロゾル生成物質の移動によるキャパシタンス変化を感知することができる。
【0110】
第1残量感知センサ131ないし第4残量感知センサ134は、エアロゾル生成物質の移動による電気的特性変化を電気信号に変換して出力することができる。電気信号は、変換されて制御部160に提供されうる。例えば、制御部160は、電圧形態の感知値を入力されうる。
【0111】
第1残量感知センサ131ないし第4残量感知センサ134が出力する検出値は、エアロゾル生成物質の残量に比例して増加する。制御部160は、感知値に基づいてエアロゾル生成物質の残量を計算する。
【0112】
一方、エアロゾル生成装置5は、直立状態でエアロゾル生成物質の残量を計算することができる。
【0113】
したがって、
図6において、液体保存部21がY1、Y2方向にチルトされる場合、制御部160が計算した測定残量と実際残量には差がない。
【0114】
また、第1残量感知センサ131及び第2残量感知センサ132が液体保存部21の内側面のうち、薄厚の側面にそれぞれ配置されるので、
図6で液体保存部21がP1、P2方向にチルトされる場合、制御部160が計算した測定残量と実際残量の誤差は、無視可能なほどに小さい。
【0115】
しかし、液体保存部21がR1、R2方向にチルトされる場合、制御部160が計算した測定残量と実際残量との差は、顕著に大きくなる。
【0116】
本発明は、前記のような液体保存部21の傾きを考慮して、エアロゾル生成物質の残量を正確に決定することができる。
【0117】
一方、
図6ないし
図9には、液体保存部21の長手方向を横切る方向への断面形状(すなわち、液体保存部21の水平断面形状)が長方形である場合のみを例示しているが、本開示は、それに制限されない。例えば、液体保存部21の水平断面形状は、円形、楕円形、多角形でもある。その場合、第1内面610、第2内面620、第3内面630、第4内面640、第5内面650及び第6内面660は、第1部分、第2部分、第3部分、第4部分、第5部分、第6部分に対応しうる。
【0118】
図10は、一実施例によるエアロゾル生成物質の残量を測定するための開始条件を説明するための図面である。
【0119】
上述したところのように液体保存部21が
図6のR1、R2方向にチルトされる場合、制御部160が計算したエアロゾル生成物質の測定残量とエアロゾル生成物質の実際残量の差は、顕著に大きくなりうる。
【0120】
本発明のエアロゾル生成装置5は、前記のような問題を解決するために液体保存部21の側面に配置された第1残量感知センサ131及び第2残量感知センサ132の感知値に基づいてエアロゾル生成物質の残量測定を開始することができる。
【0121】
具体的に、
図10には、液体保存部21が
図6のR2方向にチルトされる場合、エアロゾル生成物質の状態を示す図面1010、及び第1残量感知センサ131が感知した第1感知値及び第2残量感知センサ132が感知した第2感知値が同一である場合、エアロゾル生成物質の状態を示す図面1020が図示されている。
【0122】
図面1010のように、液体保存部21がR2方向にチルトされる場合、第1残量感知センサ131で感知された第1感知値と第2残量感知センサ132で感知された第2感知値との間に差がある。その場合、第1感知値と第2感知値のみに基づいてエアロゾル生成物質の残量を測定すれば、制御部160で計算されたエアロゾル発生物質の残量が正確ではない。その結果、カートリッジ20の交換時期をユーザに正確に通知できないという問題がある。
【0123】
したがって、制御部160は、液体保存部21が直立状態になるまで、エアロゾル生成物質の残量測定を開始しない。
【0124】
図面1020のように、制御部160は、第1感知値と第2感知値との差が既設定の基準範囲に含まれる場合、エアロゾル生成物質の残量測定を開始することができる。
【0125】
基準範囲は、液体保存部21の容量、エアロゾル生成物質の粘性などを考慮して適切に設定することができる。例えば、感知値が電圧である場合、基準範囲は、0.2V~0.8Vにも設定されるが、それに制限されない。
【0126】
一実施例において、第1感知値及び第2感知値が差が既設定の基準範囲に含まれる場合、制御部160は、第1感知値及び第2感知値のうち、少なくともいずれか1つに基づいてエアロゾル生成物質の残量を計算することができる。例えば、制御部160は、第1感知値及び第2感知値のうち、小さい値を有する感知値に基づいてエアロゾル生成物質の残量を計算する。他の例として、制御部160は、第1感知値及び第2感知値の平均値に基づいてエアロゾル生成物質の残量を計算する。
【0127】
一方、制御部160が
図6のR1、R2方向のチルトのみ考慮して、エアロゾル生成物質の残量を計算する場合、エアロゾル生成物質の残量を正確に測定することができない。それにより、本発明の制御部160は、
図6のP1、P2方向のチルトをさらに考慮して、エアロゾル生成物質の残量を計算することができる。
【0128】
図11は、一実施例によるエアロゾル生成物質の残量計算方法を説明するための図面である。
【0129】
図11を参照すれば、
図11には、液体保存部21が
図6のP2方向に第1角度だけチルトされる場合、エアロゾル生成物質の状態を示す図面1110、液体保存部21が
図6のP2方向に第1角度より小さな第2角度だけチルトされる場合、エアロゾル生成物質の状態を示す図面1210、及び液体保存部21が
図6のP2方向に第2角度より小さな第3角度だけチルトされる場合、エアロゾル生成物質の状態を示す図面1310が図示されている。
【0130】
図面1100及び図面1120のように、液体保存部21が
図6のP2方向に第1角度または第2角度だけチルトされる場合、第1残量感知センサ131及び第2残量感知センサ132の感知に基づいて制御部160で測定されたエアロゾル生成物質の残量が正確ではない。その場合、カートリッジ20の交換時期をユーザに正確に通知することができないという問題がある。
【0131】
したがって、制御部160は、測定残量と実際残量との差が顕著に小さな状態になるまで(すなわち、液体保存部21が直立状態になるまで)エアロゾル生成物質の残量を計算しない。
【0132】
具体的に、制御部160は、第3残量感知センサ133が感知した第3感知値が既設定の最小基準値と同一であり、第4残量感知センサ134が感知した第4感知値が既設定の最大基準値と同一ではない限り、エアロゾル生成物質の残量を計算しない。
【0133】
最小基準値は、第3残量感知センサ133がエアロゾル生成物質と接触しない状態で第3残量感知センサ133から提供された感知値に基づいて設定されうる。例えば、第3残量感知センサ133がエアロゾル生成物質と接触しない状態で制御部160が第3残量感知センサ133から提供された感知値が0Vである場合、最小基準値は、0.02mV~0.06mVに設定されうるが、これに制限されない。
【0134】
最大基準値は、第4残量感知センサ134の露出面全部がエアロゾル生成物質と接触した状態で第4残量感知センサ134から提供された感知値に基づいて設定されうる。例えば、第4残量感知センサ134の露出面全部がエアロゾル生成物質と接触した状態で制御部160が第4残量感知センサ134から提供された感知値が5Vである場合、最大基準値は、4.9V~5Vに設定されうるが、これに制限されない。
【0135】
すなわち、制御部160は、液体保存部21の下面に配置された第4残量感知センサ134の露出面全部がエアロゾル生成物質と実質的に接触し、液体保存部21の上面に配置された第3残量感知センサ133の露出面全部がエアロゾル生成物質と実質的に接触しない場合、エアロゾル生成物質の残量を計算することができる。
【0136】
一方、液体保存部21の初期容量が最大容量の80%~90%に設定されることにより、エアロゾル生成装置5の直立状態で第3残量感知センサ133は、工場出庫当時からエアロゾル生成物質と接触しない。したがって、制御部160は、工場出庫当時からエアロゾル生成物質の傾きを判断し、傾き程度によってエアロゾル生成物質の残量を計算することができる。
【0137】
一方、図面1130のように、液体保存部21が
図6のP2方向に第3角度だけチルトされる場合、第3感知値が既設定の最小基準値と同一であり、第4感知値が既設定の最大基準値と同一である。たとえエアロゾル生成装置5は、第3角度に傾斜した状態であるにしても、第1残量感知センサ131及び第2残量感知センサ132は、液体保存部21の狭い側面にそれぞれ配置されるので、第1残量感知センサ131及び第2残量感知センサ132によって制御部160が測定した測定残量と実際残量との差は無視できるほどに小さい。
【0138】
したがって、制御部160は、図面1130のように、第3感知値が既設定の最小基準値と同一であり、第4感知値が既設定の最大基準値と同一である場合、第1残量感知センサ131で測定された第1感知値及び第2残量感知センサ132で測定された第2感知値のうち、少なくともいずれか1つに基づいて、エアロゾル生成物質の残量を計算することができる。例えば、制御部160は、第1感知値及び第2感知値のうち、小さい値を有する感知値に基づいて、エアロゾル生成物質の残量を計算することができる。他の例として、制御部160は、第1感知値及び第2感知値の平均値に基づいてエアロゾル生成物質の残量を計算することができる。
【0139】
図12は、一実施例によるエアロゾル生成物質の残量測定方法を説明するためのフローチャートである。
【0140】
図12を参照すれば、S1210段階において、制御部160は、第1感知値及び第2感知値を獲得する。
【0141】
第1感知値は、第1残量感知センサ131が感知した電気的特性変化に基づいて生成された信号でもある。第2感知値は、第2残量感知センサ132が感知した電気的特性変化に基づいて生成された信号でもある。例えば、第1感知値及び第2感知値は、電圧形態として制御部160に提供されうる。
【0142】
S1220段階において、制御部160は、第1感知値と第2感知値との差値を獲得する。
【0143】
例えば、制御部160は、第1感知値と第2感知値との電圧差を計算する。
【0144】
S1230段階において、制御部160は、第1感知値と第2感知値との差値が既設定の基準範囲に含まれるか否かを判断する。
【0145】
基準範囲は、液体保存部21の容量、エアロゾル生成物質の粘性などを考慮して適切に設定することができる。例えば、感知値が電圧である場合、基準範囲は、0.2V~0.8Vに設定されうるが、それに制限されない。
【0146】
制御部160は、第1感知値と第2感知値との差が既設定の範囲内に含まれない場合、新たな第1感知値及び第2感知値を再び獲得する。
【0147】
S1240段階において、制御部160は、第1感知値と第2感知値との差が既設定の範囲内に含まれる場合、エアロゾル生成基質の残量検出を開始する。
【0148】
S1250段階において、第3感知値及び第4感知値を獲得する。
【0149】
第3感知値は、第3残量感知センサ133が感知した電気的特性変化に基づいて生成された信号でもある。第4感知値は、第4残量感知センサ134が感知した電気的特性変化に基づいて生成された信号でもある。例えば、第3感知値及び第4感知値は、電圧形態として制御部160に提供されうる。
【0150】
S1260段階において、制御部160は、第3感知値が最小基準値と同一であるか否かを判断する。
【0151】
制御部160は、第3感知値が最小基準値と同一ではない場合、新たな第3感知値及び第4感知値を再び獲得する。
【0152】
S1270段階において、制御部160は、第3感知値が最小基準値と同一である状態で、第4感知値が最大基準値と同一であるか否かを判断する。
【0153】
制御部160は、第4感知値が最小基準値と同一ではない場合、新たな第3感知値及び第4感知値を再び獲得する。
【0154】
一方、S1260段階及びS1270段階の順序は、
図12に図示されたところに制限されない。すなわち、S1270段階以後にS1260段階が遂行されうる。
【0155】
S1280段階において、制御部160は、第3感知値が最小基準値と同一であり、第4感知値が最大基準値と同一である場合、第1感知値及び第2感知値のうち、いずれか1つに基づいてエアロゾル生成物質の残量を計算する。
【0156】
制御部160は、第3感知値が最小基準値と同一であり、第4感知値が最大基準値と同一である場合、エアロゾル生成装置5が直立状態と類似した状態と判断し、エアロゾル生成物質の残量を計算する。
【0157】
例えば、制御部160は、第1感知値及び第2感知値のうち、小さい値を有する感知値に基づいてエアロゾル生成物質の残量を計算する。他の例として、制御部160は、第1感知値及び第2感知値の平均値に基づいてエアロゾル生成物質の残量を計算する。
【0158】
一実施例は、コンピュータによって実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータによって実行可能な命令語を含む記録媒体の形態でも具現されうる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の可用媒体でもあり、揮発性及び不揮発性媒体、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。また、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記録媒体及び通信媒体をいずれも含む。コンピュータ記録媒体は、コンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュールまたはその他データのような情報の保存のための任意の方法または技術によって具現された揮発性及び不揮発性、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。通信媒体は、典型的にコンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュールのような変調されたデータ信号のその他データ、またはその他伝送メカニズムを含み、任意の情報伝達媒体を含む。
【0159】
上述した実施例に係わる説明は、一例示に過ぎず、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、それらにより、多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解するであろう。したがって、発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲によって決定されねばならず、請求範囲に記載された内容と同等な範囲にある全ての相違点は、請求範囲によって決定される保護範囲に含まれると解釈されねばならない。