(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】チャージバルブ及びそれを有する空調システム
(51)【国際特許分類】
F16K 27/02 20060101AFI20240815BHJP
F25B 41/20 20210101ALI20240815BHJP
【FI】
F16K27/02
F25B41/20 Z
(21)【出願番号】P 2022564768
(86)(22)【出願日】2021-04-25
(86)【国際出願番号】 CN2021089641
(87)【国際公開番号】W WO2021227845
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-12-23
(31)【優先権主張番号】202020774576.4
(32)【優先日】2020-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】馮 光華
(72)【発明者】
【氏名】周 峰
(72)【発明者】
【氏名】陳 狄永
(72)【発明者】
【氏名】馮 雄雄
【審査官】大内 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2002/0066487(US,A1)
【文献】特表2002-517682(JP,A)
【文献】特開2001-248740(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108612896(CN,A)
【文献】中国実用新案第210440630(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/00-27/12
F16K 1/00- 1/54
F16K 15/00-15/20
F16K 17/00-17/42
F25B 41/20,45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁座、弁芯座、弁芯アセンブリ及び充気継手を含むチャージバルブであって、前記弁座は第1弁チャンバを有し、前記弁芯座の一端が前記第1弁チャンバ内に入り込んで前記弁座に封止接続され、
前記弁芯座には第2弁チャンバ及び前記第2弁チャンバに連通された弁口が穿設されており、前記弁芯アセンブリの一端は前記第2弁チャンバ内に位置して前記第2弁チャンバの軸線に沿って移動可能であり、前記弁芯アセンブリの他端は前記第1弁チャンバ内に収容されて前記弁芯アセンブリの移動に従って前記弁口を開閉し、
前記充気継手は、前記弁芯座の前記弁座から離れた一端に設けられて前記弁芯座と一体構造とされ、前記充気継手には充気孔が穿設されており、かつ前記充気孔は前記第2弁チャンバの軸線方向に沿って前記充気継手を貫通し、前記第2弁チャンバと通じてチャージ通路を形成し、
前記弁芯座には、前記弁芯座の径方向に沿って、前記弁芯座の前記充気継手に近接した一端に位置決め部が突設されており、
前記位置決め部は、前記弁芯座の一端が前記第1弁チャンバ内に入り込んだ後に、前記弁芯座と前記弁座との間がハードシール接続されるように、前記弁座の開口部を形成する端部と線接触によって当接する傾斜面を有する、チャージバルブ。
【請求項2】
前記弁芯座の外側壁に第1雄ねじを有し、前記第1弁チャンバの内壁に第1雌ねじを有し、前記弁芯座は、前記第1弁チャンバ内に入り込んで前記第1雄ねじ及び前記第1雌ねじを介して前記弁座に螺合される、請求項1に記載のチャージバルブ。
【請求項3】
前記弁芯座と前記弁座の間のシールは、ソフトシール
、をさらに含む、請求項1に記載のチャージバルブ。
【請求項4】
前記弁芯座と前記弁座との間がソフトシール接続されるように、前記弁芯座の外側壁には第1封止リングが嵌合されており、前記第1封止リングは前記第1弁チャンバの内壁に当接される
、請求項3に記載のチャージバルブ。
【請求項5】
前記弁芯アセンブリは、弁芯ロッド及び第2封止リングを含み、前記弁芯ロッドの一端は前記第2弁チャンバに位置して前記第2弁チャンバの軸線に沿って移動可能であり、前記弁芯ロッドの他端は前記第1弁チャンバ内に収容されており、前記第2封止リングは、前記第1弁チャンバ内に収容され、かつ前記弁芯ロッドに嵌合されて前記弁芯ロッドの移動に従って前記弁口を開閉する、請求項1に記載のチャージバルブ。
【請求項6】
前記弁芯アセンブリは、前記弁芯ロッドの前記第2封止リングから離れた一端に嵌合されて前記弁芯ロッドの復帰及び前記弁口の封止に作用力を付与するために用いられる弾性部材を更に含む、請求項5に記載のチャージバルブ。
【請求項7】
前記第2弁チャンバには固定ブロックが取り付けられており、前記固定ブロックには貫通孔が穿設されており、前記弁芯ロッドの前記第2封止リングから離れた一端は前記貫通孔に挿設され、かつ前記弁芯ロッドの外壁と前記貫通孔の内壁とは間隔をおいて設けられ、
弁芯ロッドの第2封止リングから離れた一端に取り付け部を有し、弾性部材の一端は取り付け部に当接され、他端は固定ブロックに当接される、請求項6に記載のチャージバルブ。
【請求項8】
前記チャージバルブは、取り外し可能な蓋体であって、前記充気継手に接続されて前記充気孔を封止することができる蓋体を更に含む、請求項1に記載のチャージバルブ。
【請求項9】
請求項1から
8のいずれか一項に記載のチャージバルブを含む、空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2020年5月12日に出願された、出願番号が202020774576.4であり、発明の名称が「チャージバルブ及びそれを有する空調システム」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は引用することにより本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は制御弁の技術分野に関し、特に、チャージバルブ及びそれを有する空調システムに関する。
【背景技術】
【0003】
チャージバルブは、主に空調、冷凍、冷蔵システムに適用して、冷媒を充填するために用いられるか、または、メンテナンスするときメンテナンスバルブとして真空引きのために用いられる。従来のチャージバルブは、弁座、弁芯座及び充気座を含み、充気座は弁座に取り付けられ、挿着されて、外部充気装置に接続されるために用いられ、弁芯座は充気座内に位置し、弁芯座にチャンバ及び弁芯を有する。上記のように、弁芯座は充気座の内部に設けられているので、充気通路の直径が比較的小さく冷媒のチャージ速度が遅く、大型のマルチエアコン及び業務用空調に対してはチャージ効率が低く速度が遅いことが理解できる。
【発明の概要】
【0004】
これに鑑みて、本出願において、チャージ速度が速くかつ構造が簡単なチャージバルブ及びそれを有する空調システムを提供する。
【0005】
本出願は、弁座、弁芯座、弁芯アセンブリ及び充気継手を含むチャージバルブであって、弁座は第1弁チャンバを有し、弁芯座の一端が第1弁チャンバ内に入り込んで弁座に封止接続され、
弁芯座には第2弁チャンバ及び第2弁チャンバに連通された弁口が穿設されており、弁芯アセンブリの一端は第2弁チャンバ内に位置して第2弁チャンバの軸線に沿って移動可能であり、弁芯アセンブリの他端は第1弁チャンバ内に収容されて弁芯アセンブリの移動に従って弁口を開閉し、
充気継手は、弁芯座の弁座から離れた一端に設けられて弁芯座と一体構造とされ、充気継手には充気孔が穿設されており、かつ充気孔は第2弁チャンバの軸線方向に沿って充気継手を貫通し、第2弁チャンバと通じてチャージ通路を形成する、チャージバルブを提供する。
【0006】
本出願において、充気継手及び弁芯座を一体構造とすることにより、弁芯座のサイズが一定である場合、それは充気孔及び第2弁チャンバの内径を効果的に増大させることができ、即ち、チャージ通路のサイズを効果的に増大させる。更に、媒体のチャージ速度を大幅に向上させ、チャージ効率がより高い。かつ本出願の構造は部材が少なく、加工が容易で構造が簡単である。
【0007】
一実施例において、弁芯座の外側壁に第1雄ねじを有し、第1弁チャンバの内壁に第1雌ねじを有し、弁芯座は、第1弁チャンバ内に入り込んで第1雄ねじ及び第1雌ねじを介して弁座に螺合される。
【0008】
螺合によって、操作が簡単になるだけでなく、かつ両者の間の接続がより容易になる。
【0009】
一実施例において、弁芯座と弁座との間のシールは、ソフトシール及び/またはハードシールである。
【0010】
一実施例において、弁芯座と弁座との間がソフトシール接続されるように、弁芯座の外側壁には第1封止リングが嵌合されており、第1封止リングは第1弁チャンバの内壁に当接され、及び/または、弁芯座と弁座とがハードシール接続されるように、弁芯座の外側壁と第1弁チャンバの内壁とが互いに接触して当接される。
【0011】
一実施例において、弁芯アセンブリは、弁芯ロッド及び第2封止リングを含み、弁芯ロッドの一端は第2弁チャンバに位置して第2弁チャンバの軸線に沿って移動可能であり、他端は第1弁チャンバ内に収容されており、第2封止リングは、第1弁チャンバ内に収容され、かつ弁芯ロッドに嵌合されて弁芯ロッドの移動に従って弁口を開閉する。
【0012】
一実施例において、弁芯アセンブリは、弁芯ロッドの第2封止リングから離れた一端に嵌合されて弁芯ロッドの復帰及び弁口の封止に作用力を付与するために用いられる弾性部材を更に含む。
【0013】
一実施例において、第2弁チャンバには固定ブロックが取り付けられており、固定ブロックには貫通孔が穿設されており、弁芯ロッドの第2封止リングから離れた一端は貫通孔に挿設され、かつ弁芯ロッドの外壁と貫通孔の内壁とは間隔をおいて設けられる。
【0014】
弁芯ロッドの第2封止リングから離れた一端に取り付け部を有し、弾性部材の一端は取り付け部に当接され、他端は固定ブロックに当接される。
【0015】
一実施例において、弁芯座の径方向に沿って、弁芯座の充気継手に近接した一端に位置決め部が突設されており、弁芯座の一端が第1弁チャンバ内に入り込んだ後に、位置決め部が弁座に当接される。
【0016】
一実施例において、チャージバルブは、取り外し可能な蓋体であって、充気継手に接続されて充気孔を封止することができる、蓋体を更に含む。
【0017】
一実施例において、充気継手の外壁に第2雄ねじを有し、蓋体内に第2雌ねじを有し、第2雄ねじと第2雌ねじとは螺合されかつハードシール接続される。
【0018】
一実施例において、充気継手の蓋体に近接した一端の端面が傾斜して設けられ、蓋体の内部に係合部を有し、充気継手に蓋体を被せるとき、係合部は蓋体の一端の端面に当接される。
【0019】
本出願は、以下の技術態様を更に提供する。
空調システムは、上記のチャージバルブを含む。
従来の技術と比べて、本出願は、充気継手及び弁芯座を一体構造とすることにより、弁芯座のサイズが一定である場合、それは充気孔及び第2弁チャンバの内径を効果的に増大させることができ、即ち、チャージ通路のサイズを効果的に増大させる。更に、媒体のチャージ速度を大幅に向上させ、チャージ効率がより高い。かつ本出願の構造は部材が少なく、加工が容易で構造が簡単である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本出願で提供されるチャージバルブの実施例1の断面構造の模式図である。
【
図2】
図1における弁芯座の断面構造の模式図である。
【
図4】本出願で提供されるチャージバルブの実施例2の断面構造の模式図である。
【
図5】本出願で提供されるチャージバルブの実施例3の断面構造の模式図である。
【
図6】本出願で提供されるチャージバルブの実施例4の断面構造の模式図である。
【0021】
100 チャージバルブ、101 チャージ通路、102 パイプライン、10 弁座、11 第1弁チャンバ、12 第1雌ねじ、13 接続孔、20 弁芯座、21 第2弁チャンバ、211 固定ブロック、211a 貫通孔、22 弁口、23 第1雄ねじ、24 第1封止リング、25 位置決め部、30 弁芯アセンブリ、31 弁芯ロッド、311 取り付け部、32 第2封止リング、33 弾性部材、40 充気継手、41 充気孔、42 第2雄ねじ、50 蓋体、51 第2雌ねじ、52 係合部。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本出願の実施形態における図面を参照して本出願の実施形態における技術態様を明確かつ完全に説明するが、説明した実施形態は本出願の実施形態の一部にすぎず、全ての実施形態ではないことは明らかである。当業者が本出願における実施形態に基づいて創造的な労力なしに得られた全ての他の実施形態は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0023】
説明すべきことは、アセンブリが他のアセンブリに「装設される」とされる場合、他のアセンブリに直接装設されてもよく、または介在するアセンブリが存在してもよい。アセンブリが他のアセンブリに「設けられる」とみなされる場合、他のアセンブリに直接設けられてもよく、または介在するアセンブリが同時に存在してもよい。アセンブリが他のアセンブリに「固定される」とみなされる場合、他のアセンブリに直接固定されてもよく、または介在するアセンブリが同時に存在してもよい。
【0024】
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語や科学用語は、本出願の属する技術分野における当業者が通常理解している意味と同じである。ここで、本出願の明細書に使用される用語は、単に具体的な実施形態を説明することを目的とし、本出願を制限するものではない。本明細書に使用される「及び/または」という用語は、関連する列挙された項目の1つ以上の任意の/及び全ての組み合わせを含む。
【0025】
実施例1
本出願提で提供されるチャージバルブ100は、主に空調システムに適用して、外部チャージ装置に係合されるために用いられて、空調システムチャージに対する冷媒のチャージを実現する。当然、他の実施例において、チャージバルブ100はメンテナンス等の分野に適用することもできる。
【0026】
具体的には、
図1に示すように、チャージバルブ100は、弁座10、弁芯座20、弁芯アセンブリ30及び充気継手40を含み、弁座10は第1弁チャンバ11を有し、弁芯座20の一端が第1弁チャンバ11内に入り込んで弁座10に封止接続され、弁芯座20には第2弁チャンバ21及び第2弁チャンバ21に連通された弁口22が穿設されており、弁芯アセンブリ30の一端は第2弁チャンバ21内に位置して第2弁チャンバ21の軸線に沿って移動可能であり、弁芯アセンブリ30の他端は第1弁チャンバ11内に収容されて弁芯アセンブリ30の移動に従って弁口22を開閉し、充気継手40は、弁芯座20の弁座10から離れた一端に設けられて弁芯座20と一体構造とされ、充気継手40には充気孔41が穿設されており、かつ充気孔41は第2弁チャンバ21の軸線方向に沿って充気継手40を貫通し、第2弁チャンバ21と通じてチャージ通路101を形成する。
【0027】
充気継手40は、弁芯座20の一端に設けられて弁芯座20と一体構造とされることにより、弁芯座20の構造強度及び構造のサイズを満たすとき、充気孔41及び第2弁チャンバ21の内径を最大限度で増加させることができ、即ち、チャージ通路101のサイズを効果的に増大させることが理解でき、これにより、媒体のチャージ速度を大幅に向上させ、チャージ効率がより高い。かつ本出願の構造は部材が少なく、加工が容易であり、構造が簡単だけでなく、構造がよりコンパクトである。
【0028】
図1を引き続き参照すると、弁座10は真鍮材質である。他の実施例において、弁座10は他の材質を採用してもよいことが理解でき、ここでは限定しない。弁座10の一端に第1弁チャンバ11と連通する開口(図示せず)を有し、弁芯座20の一端は開口から第1弁チャンバ11内に入り込んで弁座10に封止接続される。弁座10の他端には接続孔13が穿設されており、接続孔13は空調システムのパイプライン102に接続するために用いられ、このパイプライン102によって空調システムに対する冷媒チャージを実現する。
【0029】
図1及び
図2に示すように、弁芯座20も真鍮材質である。他の実施例において、弁芯座20は他の材質を採用してもよいことが理解でき、ここでは限定しない。
【0030】
選択的に、弁芯座20の外側壁に第1雄ねじ23を有し、第1弁チャンバ11の内壁に第1雌ねじ12を有し、弁芯座20は、第1弁チャンバ11内に入り込んで第1雄ねじ23と第1雌ねじ12との係合により弁座10に螺合される。螺合によって、操作が簡単になるだけでなく、かつ両者の間の接続がより容易になることが理解できる。
【0031】
本実施例において、第1雄ねじ23は、弁芯座20の弁口22に近接した一端に設けられる。
【0032】
更に、弁芯座20と弁座10との間のシールは、ソフトシール及び/またはハードシールである。
【0033】
一実施例において、弁芯座20と弁座10との間がソフトシール接続されるように、芯座20の弁口22に近接した一端の外側壁には第1封止リング24が嵌合されており、弁芯座20の一端が開口から第1弁チャンバ11内に入り込むとき、第1封止リング24は第1弁チャンバ11の内壁に当接される。
【0034】
別の一実施例において、弁芯座20と弁座10とがハードシール接続されるように、弁芯座20の一端が開口から第1弁チャンバ11内に入り込むとき、弁芯座20の外側壁と第1弁チャンバ11の内壁とが互いに接触して当接される。
【0035】
説明すべきことは、上記のソフトシール及びハードシール形態は、単独で使用してもよく、組み合わせて使用してもよい。本実施例において、弁芯座20と弁座10との間の封止効果を向上させるために、弁芯座20と弁座10との間はソフトシールとハードシールとの組み合わせで封止を行う。
【0036】
選択的に、第1封止リング24の弁芯座20における位置は、第1雄ねじ23の弁芯座20における位置に対して、弁口22からより離れており、即ち、弁芯座20の軸線方向に沿って、第1封止リング24は第1雄ねじ23の上方に位置する。
【0037】
図2に示すように、弁芯座20の径方向に沿って、弁芯座20の充気継手40に近接した一端に位置決め部25が突設されており、弁芯座20の一端が第1弁チャンバ11内に入り込んだ後に、位置決め部25が弁座10に当接されることができ、これにより弁芯座20の位置決め/制限を実現する。
【0038】
選択的に、位置決め部25と弁芯座20とを一体式に設計する。
【0039】
更に、位置決め部25と弁芯座20の外部との間の接続部は傾斜面であり、弁芯座20の一端が開口から第1弁チャンバ11内に入り込むとき、弁座10の開口を有する一端がこの傾斜面に当接され、これにより両者の間のハードシールを実現する。傾斜面形態を採用することにより、両者の間の接触が線接触になり、封止効果がより良好になることが理解できる。
【0040】
図1に示すように、弁芯アセンブリ30は、弁芯ロッド31及び第2封止リング32を含み、弁芯ロッド31の一端は第2弁チャンバ21に位置して第2弁チャンバ21の軸線に沿って移動可能であり、他端は第1弁チャンバ11内に収容されており、第2封止リング32は、第1弁チャンバ11内に収容され、かつ弁芯ロッド31に嵌合されて弁芯ロッド31の移動に従って弁口22を開閉する。
【0041】
弁芯ロッド31は、ほぼロッド状を呈し、弁芯ロッド31の弁口22に近接した一端に取り付け部311が取り付けられている。取り付け部311の一端は第2弁チャンバ21内に入り込むことができ、他端は第1弁チャンバ11内に位置し(即ち、第2弁チャンバ21の外部に位置し)、第2封止リング32は取り付け部311に嵌合される。
【0042】
選択的に、取り付け部311は、ほぼ三角形を呈し、取り付け部311には取り付け溝(図示せず)が穿設されており、第2封止リング32の一部がこの取り付け溝内に嵌合され、これにより第2封止リング32の取り付けを実現する。
【0043】
取り付け部311及び弁芯ロッド31を一体構造とする。当然、他の実施例において、取り付け部311及び弁芯ロッド31は、分体式としてもよい。
【0044】
弁芯ロッド31の復帰を容易にするために、弁芯アセンブリ30は、弁芯ロッド31の第2封止リング32から離れた一端に嵌合されて弁芯ロッド31の復帰及び弁口22の封止に作用力を付与するために用いられる弾性部材33を更に含む。
【0045】
選択的に、弾性部材33は、バネ等の弾性復元力を有する部材である。
【0046】
更に、
図2及び
図3を参照すると、第2弁チャンバ21には固定ブロック211が取り付けられており、固定ブロック211には貫通孔211aが穿設されており、弁芯ロッド31の第2封止リング32から離れた一端は貫通孔211aに挿設されることにより、弁芯ロッド31の取り付けを実現する。
【0047】
選択的に、
図3に示すように、固定ブロック211は扁平な形状であり、固定ブロック211の外側壁と第2弁チャンバ21の内壁との間に流れ通路が形成されることにより、充気孔41と、流通通路と、第2弁チャンバ21との間に上記のチャージ通路101が形成される。弁口22を開くとき、冷媒は充気孔41、流通通路、第2弁チャンバ21及び弁口22をこの順に通過し、接続孔13から空調システムのパイプライン102内に流れ込む。
【0048】
同時に、弁芯ロッド31の第2封止リング32から離れた一端に取り付け部311を有し、弾性部材33の一端は取り付け部311に当接され、他端は固定ブロック211に当接されることにより、弾性部材33の取り付けを実現する。
【0049】
充気継手40も真鍮材質であり、それは弁芯座20と一体に射出成形される。充気継手40は、位置決め部25の弁芯座20から離れた側に設けられ、即ち、位置決め部25は弁芯座20と充気継手40との間に位置する。
【0050】
図1に示すように、チャージバルブ100は、取り外し可能な蓋体50であって、充気継手40に接続されて充気孔41を封止することができる蓋体50を更に含む。
【0051】
充気継手40の外壁に第2雄ねじ42を有し、蓋体50内に第2雌ねじ51を有し、第2雄ねじ42と第2雌ねじ51とは螺合されかつ封止接続されることにより、蓋体50と充気継手40との間の取り外し可能な接続を実現する。螺合を利用することにより、蓋体50の着脱がより容易になり、かつ接続も簡単になり、チャージがより容易になることが理解できる。
【0052】
説明すべきことは、他の実施例において、蓋体50と充気継手40との間は、例えばターンバックル等の構造を採用して両者の間の取り外し可能な接続を実現してもよく、ここでは説明を省略する。
【0053】
更に、蓋体50と充気継手40との間のシールはハードシールであり、即ち、第2雄ねじ42と第2雌ねじ51とが接続される同時に両者の間の封止を実現する。当然、他の実施例において、蓋体50と充気継手40との間は、封止リングを配置することにより封止を行ってもよい。
【0054】
選択的に、蓋体50と充気継手40との間の封止効果を向上させるために、充気継手40の蓋体50に近接した一端の端面が傾斜して設けられ、蓋体50の内部に係合部52を有し、充気継手40に蓋体50を被せるとき、係合部52は蓋体50の一端の端面に当接される。
【0055】
以下、本チャージバルブ100の使用過程を説明する。
冷媒のチャージを必要とする場合、まず蓋体50を外し、次に外部充気装置と充気継手40とを接続し、充気装置の作用下で、弁芯ロッド31を動かし、これにより弁口22を開いて、接続孔13が弁口22、第2弁チャンバ21、充気孔41を通過してそれらを連通し、最後に外部充気装置を操作して冷媒をチャージする。チャージが完了した後に、外部充気装置を外し、このとき弁芯ロッド31は弾性部材33の作用下で自動的に復帰し、弁口22は閉じた状態にあり、蓋体50を被せて、チャージ過程全体を終了する。
【0056】
本出願は、充気継手40及び弁芯座20を一体構造とすることにより、弁芯座20のサイズが一定である場合、それは充気孔41及び第2弁チャンバ21の内径を効果的に増大させることができ、即ち、チャージ通路101のサイズを効果的に増大させる。更に、媒体のチャージ速度を大幅に向上させてチャージ効率がより高い。かつ本出願の構造は部材が少なく、加工が容易で構造が簡単である。
【0057】
本出願は、上記のチャージバルブ100を含む空調システム(図示せず)を更に提供する。同時に、本空調システムは上記の利点も有するが、ここで説明を省略する。
【0058】
実施例2
図4に示すように、実施例2及び実施例1の構造は基本的に一致し、ここでその共通点の説明は省略する。その相違点は、弁芯ロッド31の構造及び第2封止リング32の取り付け形態である。
【0059】
具体的には、本実施例において、弁芯ロッド31及び取り付け部311は分体式とし、同時に、弁芯ロッド31の取り付け部311を接続するための一端は第1弁チャンバ11内に位置して、取り付け部311に挿着される。
【0060】
更に、取り付け部311の弁芯ロッド31に向かう側面が凹んで取り付け溝(図示せず)が形成され、第2封止リング32は弁芯ロッド31に嵌合されて取り付け溝内に固定する。
【0061】
実施例3
図5に示すように、実施例3及び実施例1の構造は基本的に一致し、ここでその共通点の説明は省略する。その相違点は、第1雄ねじ23、第1封止リング24の弁芯座20における位置設定である。
【0062】
具体的には、本実施例において、第1雌ねじ12と第1雄ねじ23とを対応させることができるように、第1雄ねじ23は位置決め部25に近接して設けられるとともに、第1雄ねじ23と対応する第1雌ねじ12は弁座10の開口に近接して設けられる。第1封止リング24は、弁口22に近接して設けられて弁芯座20の外側壁に嵌合される。言い換えると、第1封止リング24の弁芯座20における位置は、第1雄ねじ23の弁芯座20における位置に対して、弁口22により近接し、即ち、弁芯座20の軸線方向に沿って、第1封止リング24は第1雄ねじ23の下方に位置する。
【0063】
実施例4
図6に示すように、実施例4及び実施例2の構造は基本的に一致し、ここでその共通点の説明は省略する。その相違点は、第1雄ねじ23、第1封止リング24の弁芯座20における位置設定である。
【0064】
具体的には、本実施例において、第1雌ねじ12と第1雄ねじ23とを対応させることができるように、第1雄ねじ23は位置決め部25に近接して設けられるとともに、第1雄ねじ23と対応する第1雌ねじ12は弁座10の開口に近接して設けられる。第1封止リング24は、弁口22に近接して設けられて弁芯座20の外側壁に嵌合される。言い換えると、第1封止リング24の弁芯座20における位置は、第1雄ねじ23の弁芯座20における位置に対して、弁口22により近接し、即ち、弁芯座20の軸線方向に沿って、第1封止リング24は第1雄ねじ23の下方に位置する。
【0065】
以上の実施形態の各技術特徴は、任意に組み合わせてもよく、説明を簡潔にするために、上記の実施形態における各技術特徴の可能な組み合わせについて全て説明していないが、これらの技術特徴の組み合わせが矛盾しない限り、いずれも本明細書に記載されている範囲とみなすべきである。
【0066】
当業者が理解すべきこととして、以上の実施形態は単に本出願を説明するために使用され、本出願を限定するためのものではなく、本出願の実質的な趣旨の範囲内で、以上の実施形態によりなされる適切な変更及び変化は、いずれも本出願の保護を請求する範囲に属する。