(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】冷媒回収装置
(51)【国際特許分類】
F25B 45/00 20060101AFI20240815BHJP
【FI】
F25B45/00 A
(21)【出願番号】P 2022564890
(86)(22)【出願日】2020-11-25
(86)【国際出願番号】 JP2020043841
(87)【国際公開番号】W WO2022113211
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-04-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】510048875
【氏名又は名称】ダイキン ヨーロッパ エヌ.ヴイ.
【氏名又は名称原語表記】DAIKIN EUROPE N.V.
【住所又は居所原語表記】Zandvoordestraat 300,Oostende 8400,Belgium
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】熊倉 英二
(72)【発明者】
【氏名】岩田 育弘
(72)【発明者】
【氏名】山口 貴弘
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-072284(JP,A)
【文献】特開2003-014339(JP,A)
【文献】特開平05-005581(JP,A)
【文献】特開2016-001097(JP,A)
【文献】特開平10-253203(JP,A)
【文献】特開平09-152233(JP,A)
【文献】特開2015-148389(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を回収される対象機器(10)を接続する第1ポート(101)と、
前記対象機器から回収した冷媒を入れる容器(110)を接続する第2ポート(102)と、
前記第1ポートと前記第2ポートとを結び、膨張機構(40)、圧縮機(80)および熱交換器(90)を少なくとも有する冷媒流路(30)と、
前記対象機器から回収している冷媒の種類を特定する特定部(210)と、
を備える冷媒回収装置(100)であって、
前記特定部は、
前記圧縮機の前記第1ポート側の冷媒温度である第1冷媒温度に関する第1値と、前記圧縮機の消費電力に関する値である第3値と、に基づいて、
あるいは、
前記第1値と、
前記第2ポート側の冷媒温度である第2冷媒温度に関する第2値と、前記第3値と、に基づいて、
前記対象機器から回収している冷媒の種類を特定する、
冷媒回収装置(100)。
【請求項2】
前記第1値は、外気温、前記第1ポートの近傍の冷媒温度、又は、前記圧縮機の吸入口の近傍の冷媒温度、のいずれかである、
請求項1に記載の冷媒回収装置。
【請求項3】
前記熱交換器は、冷媒を凝縮させる凝縮器であり、
前記第2値は、前記圧縮機の吐出口(82)の近傍の冷媒温度、又は、前記凝縮器の近傍の冷媒温度、のいずれかである、
請求項1又は2に記載の冷媒回収装置。
【請求項4】
前記第3値は、前記圧縮機の電流値、又は、前記圧縮機の電力値のいずれかである、
請求項1から3のいずれかに記載の冷媒回収装置。
【請求項5】
回収量推定部(220)をさらに備え、
前記回収量推定部は、少なくとも前記対象機器から冷媒を回収している時間に基づいて、前記対象機器から回収した冷媒の回収量を推定する、
請求項1から4のいずれかに記載の冷媒回収装置。
【請求項6】
記憶部(300)をさらに備え、
前記記憶部は、前記特定部が特定した冷媒の種類と、前記回収量推定部が推定した冷媒の回収量と、を紐づけて記憶する、
請求項5に記載の冷媒回収装置。
【請求項7】
前記回収量推定部は、冷媒の液回収状態とガス回収状態とに基づいて、冷媒の液回収量とガス回収量とをそれぞれ推定し、冷媒の回収量を推定する、
請求項5又は6に記載の冷媒回収装置。
【請求項8】
前記回収量推定部は、前記第1ポートの近傍の冷媒温度、又は、前記膨張機構下流側の冷媒温度、に基づいて前記液回収状態を判断する、
請求項7に記載の冷媒回収装置。
【請求項9】
前記回収量推定部は、
前記第1ポートの近傍の冷媒温度を補正した第1補正計測値、又は、前記膨張機構下流側の冷媒温度を補正した第2補正計測値、を用いて吸入飽和圧力を演算し、
前記熱交換器の近傍の冷媒温度を補正した第3補正計測値、を用いて吐出飽和圧力を演算する、
請求項
7又は8に記載の冷媒回収装置。
【請求項10】
前記回収量推定部は、
液状態の冷媒の回収を行うための液回収運転における、前記圧縮機の圧縮機効率と、前記第3値と、吸入飽和圧力と、吐出飽和圧力と、に基づいて前記液回収量を推定する、
請求項
7又は8に記載の冷媒回収装置。
【請求項11】
前記回収量推定部は、
ガス状態の冷媒の回収を行うためのガス回収運転における運転時間に基づいて、前記ガス回収量を推定する
、
請求項
7から10のいずれかに記載の冷媒回収装置。
【請求項12】
更新部(230)をさらに備え、
前記更新部は、前記冷媒回収装置を用いて冷媒の回収作業を行う回収作業者が手動で記録した冷媒の回収量の記録値に基づいて、
前記第1ポートの近傍の冷媒温度を補正した第1補正計測値を算出するための第1補正値、
前記膨張機構下流側の冷媒温度を補正した第2補正計測値を算出するための第2補正値、
前記熱交換器の近傍の冷媒温度を補正した第3補正計測値を算出するための第3補正値、前記圧縮機の圧縮機効率、ガス状態の冷媒の回収量を推定する推定パラメータ、のうち少なくとも一つを更新する、
請求項
1に記載の冷媒回収装置。
【請求項13】
前記冷媒流路は、不純物分離器(60)をさらに有しており、
前記不純物分離器の分離方式は、気液分離方式、又は、帯電分離方式である、
請求項1から12のいずれかに記載の冷媒回収装置。
【請求項14】
前記対象機器から回収する冷媒は、R32、R410A、R134a、又は、R404Aのいずれかである、
請求項1から13のいずれかに記載の冷媒回収装置。
【請求項15】
前記回収量推定部は、
前記液回収量に基づいて、前記ガス回収量を推定する、
請求項7から10のいずれかに記載の冷媒回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
冷媒回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、冷媒回収装置を用いて、冷凍装置等から使用済みの冷媒を回収することがある。また、従来より、特許文献1(WO2020/003509号公報)に開示されるように、回収された冷媒に関する情報を管理する管理システムが知られている。上記特許文献1に記載の管理システムでは、冷媒の回収作業を行った回収作業者は、回収された冷媒に関する情報を、管理装置に送信する。上記特許文献1に開示されているように、回収作業者が管理装置に送信する情報の中には、回収された冷媒の種類に関する情報が含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
回収された冷媒の種類に関する情報を回収作業者が管理装置に送信する場合、回収作業者が、回収された冷媒の種類を特定することが考えられる。しかしながら、回収作業者は、回収された冷媒の種類を特定する際に、誤認や誤記録をする恐れがある。回収作業者の誤認や誤記録により、本来の種類とは異なる種類の冷媒が回収されたことが管理装置に送信される場合、回収された冷媒の管理が困難になる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1観点の冷媒回収装置は、第1ポートと、第2ポートと、冷媒流路と、特定部と、を備える。第1ポートは、冷媒を回収される対象機器を接続する。第2ポートは、対象機器から回収した冷媒を入れる容器を接続する。冷媒流路は、第1ポートと第2ポートとを結ぶ。冷媒流路は、膨張機構、圧縮機および熱交換器を少なくとも有する。特定部は、対象機器から回収している冷媒の種類を特定する。特定部は、第1値と、第2値と、に基づいて、対象機器から回収している冷媒の種類を特定する。あるいは、特定部は、第1値と、第3値と、に基づいて、対象機器から回収している冷媒の種類を特定する。あるいは、特定部は、第1値と、第2値と、第3値と、に基づいて、対象機器から回収している冷媒の種類を特定する。第1値は、圧縮機の第1ポート側の冷媒温度である第1冷媒温度に関する。第2値は、圧縮機の第2ポート側の冷媒温度である第2冷媒温度に関する。第3値は、圧縮機の消費電力に関する値である。
【0005】
ここでは、特定部が、対象機器から回収している冷媒の種類を特定する。この構成によれば、回収作業者による誤認や誤記録が生じる恐れがない。従って、第1観点に係る冷媒回収装置では、回収された冷媒の種類を誤りなく特定することができる。回収された冷媒の種類が誤りなく特定されることで、回収された冷媒の管理が容易になる。
【0006】
第2観点の冷媒回収装置は、第1観点の装置であって、第1値は、外気温、第1ポートの近傍の冷媒温度、又は、圧縮機の吸入口の近傍の冷媒温度、のいずれかである。
【0007】
ここでは、外気温、第1ポートの近傍の冷媒温度、又は、圧縮機の吸入口の近傍の冷媒温度、のいずれかが、第1値として採用されている。外気温や、第1ポートの近傍の冷媒温度や、圧縮機の吸入口の近傍の冷媒温度は、比較的安価なセンサによって計測することができる。従って、第2観点に係る冷媒回収装置では、冷媒回収装置の製造コストを低減することができる。
【0008】
第3観点の冷媒回収装置は、第1観点又は第2観点の装置であって、熱交換器は、冷媒を凝縮させる凝縮器である。第2値は、圧縮機の吐出口の近傍の冷媒温度、又は、凝縮器の近傍の冷媒温度、のいずれかである。
【0009】
ここでは、圧縮機の吐出口の近傍の冷媒温度、又は、凝縮器の近傍の冷媒温度、のいずれかが、第2値として採用されている。圧縮機の吐出口の近傍の冷媒温度や凝縮器の近傍の冷媒温度は、比較的安価なセンサによって計測することができる。従って、第3観点に係る冷媒回収装置では、冷媒回収装置の製造コストを低減することができる。
【0010】
第4観点の冷媒回収装置は、第1観点から第3観点のいずれかの装置であって、第3値は、圧縮機の電流値、又は、圧縮機の電力値のいずれかである。
【0011】
ここでは、圧縮機の電流値、又は、圧縮機の電力値、のいずれかが、第3値として採用されている。圧縮機の電流値や圧縮機の電力値は、比較的安価なセンサによって計測することができる。従って、第4観点に係る冷媒回収装置では、冷媒回収装置の製造コストを低減することができる。
【0012】
第5観点の冷媒回収装置は、第1観点から第4観点のいずれかの装置であって、回収量推定部をさらに備える。回収量推定部は、少なくとも対象機器から冷媒を回収している時間に基づいて、対象機器から回収した冷媒の回収量を推定する。
【0013】
ここでは、回収量推定部が冷媒の回収量を推定する。この構成によれば、回収された冷媒の種類に加えて、回収された冷媒の回収量が推定される。従って、第5観点に係る冷媒回収装置では、回収された冷媒の管理がより容易になる。
【0014】
第6観点の冷媒回収装置は、第5観点の装置であって、記憶部をさらに備える。記憶部は、特定部が特定した冷媒の種類と、回収量推定部が推定した冷媒の回収量と、を紐づけて記憶する。
【0015】
冷媒回収が行われる現場に対象機器が複数存在する場合には、回収作業者の誤認や誤記録により、ある対象機器から回収した冷媒の種類及び回収量と、その他の対象機器から回収した冷媒の種類及び回収量とが、混同される恐れがある。例えば、冷媒回収が行われる現場に対象機器が2台存在するような場合に、回収作業者は、誤認や誤記録により、1台目の対象機器から回収した冷媒の種類を、2台目の対象機器から回収した冷媒であると混同する恐れがある。あるいは、回収作業者は、誤認や誤記録により、1台目の対象機器から回収した冷媒の回収量を、2台目の対象機器から回収した冷媒の回収量であると混同する恐れがある。
【0016】
ここでは、記憶部が、冷媒の種類と冷媒の回収量とを紐づけて記憶する。従って、第6観点に係る冷媒回収装置では、回収された冷媒の管理がより容易になる。
【0017】
第7観点に係る冷媒回収装置は、第5観点又は第6観点の装置であって、回収量推定部は、冷媒の液回収状態とガス回収状態とに基づいて、冷媒の液回収量とガス回収量とをそれぞれ推定し、冷媒の回収量を推定する。
【0018】
第8観点に係る冷媒回収装置は、第7観点の装置であって、回収量推定部は、第1ポートの近傍の冷媒温度、又は、膨張機構下流側の冷媒温度、に基づいて液回収状態を判断する。
【0019】
ここでは、回収量推定部は、第1ポートの近傍の冷媒温度、又は、膨張機構下流側の冷媒温度、に基づいて液回収状態を判断する。第1ポートの近傍の冷媒温度や膨張機構下流側の冷媒温度は、比較的安価なセンサによって計測することができる。従って、第8観点に係る冷媒回収装置では、冷媒回収装置の製造コストを低減することができる。
【0020】
第9観点に係る冷媒回収装置は、第8観点の装置であって、回収量推定部は、第1ポートの近傍の冷媒温度を補正した第1補正計測値、を用いて吸入飽和圧力を演算する。又は、回収量推定部は、膨張機構下流側の冷媒温度を補正した第2補正計測値、を用いて吸入飽和圧力を演算する。回収量推定部は、熱交換器の近傍の冷媒温度を補正した第3補正計測値、を用いて吐出飽和圧力を演算する。
【0021】
ここでは、回収量推定部は、第1ポートの近傍の冷媒温度を補正した第1補正計測値、又は、膨張機構下流側の冷媒温度を補正した第2補正計測値、を用いて吸入飽和圧力を演算する。このため、圧力センサのような、比較的高価なセンサを備えることなく、吸入飽和圧力を算出することができる。
【0022】
また、回収量推定部は、熱交換器の近傍の冷媒温度を補正した第3補正計測値、を用いて吐出飽和圧力を演算する。このため、圧力センサのような、比較的高価なセンサを備えることなく、吐出飽和圧力を算出することができる。従って、第9観点に係る冷媒回収装置では、冷媒回収装置の製造コストを低減することができる。
【0023】
第10観点に係る冷媒回収装置は、第9観点の装置であって、回収量推定部は、液状態の冷媒の回収を行うための液回収運転における、圧縮機の圧縮機効率と、第3値と、吸入飽和圧力と、吐出飽和圧力と、に基づいて液回収量を推定する。
【0024】
ここでは、回収量推定部は、圧縮機の圧縮機効率と、第3値と、吸入飽和圧力と、吐出飽和圧力と、に基づいて液回収量を推定する。圧縮機効率は、冷媒の種類及び第1値から算出することができる。第3値は、比較的安価なセンサによって計測することができる。吸入飽和圧力は、第1ポートの近傍の冷媒温度を補正した第1補正計測値、又は、膨張機構下流側の冷媒温度を補正した第2補正計測値、を用いて演算することができる。吐出飽和圧力は、熱交換器の近傍の冷媒温度を補正した第3補正計測値を用いて演算することができる。従って、第10観点に係る冷媒回収装置では、冷媒回収装置の製造コストを低減することができる。
【0025】
第11観点に係る冷媒回収装置は、第5観点から第10観点のいずれかの装置であって、回収量推定部は、ガス状態の冷媒の回収を行うためのガス回収運転における運転時間に基づいて、ガス回収量を推定する。又は、回収量推定部は、液回収量に基づいて、ガス回収量を推定する。
【0026】
第12観点に係る冷媒回収装置は、第9観点の装置であって、更新部をさらに備える。更新部は、冷媒回収装置を用いて冷媒の回収作業を行う回収作業者が手動で記録した冷媒の回収量の記録値に基づいて、第1補正計測値を算出するための第1補正値、第2補正計測値を算出するための第2補正値、第3補正計測値を算出するための第3補正値、圧縮機の圧縮機効率、ガス状態の冷媒の回収量を推定する推定パラメータ、のうち少なくとも一つを更新する。
【0027】
ここでは、回収作業者が手動で記録した冷媒の回収量の記録値に基づいて、更新部が、第1補正値、第2補正値、第3補正値、圧縮機効率、推定パラメータ、のうち少なくとも一つを更新する。従って、第12観点に係る冷媒回収装置では、第1補正値、第2補正値、第3補正値、圧縮機効率、推定パラメータの精度が向上する。
【0028】
第13観点に係る冷媒回収装置は、第1観点から第12観点のいずれかの装置であって、冷媒流路は、不純物分離器をさらに有している。不純物分離器の分離方式は、気液分離方式、又は、帯電分離方式である。
【0029】
第14観点に係る冷媒回収装置は、第1観点から第13観点のいずれかの装置であって、対象機器から回収する冷媒は、R32、R410A、R134a、又は、R404Aのいずれかである。
【0030】
第15観点の冷媒回収装置は、第1ポートと、第2ポートと、冷媒流路と、回収量推定部と、出力部と、を備える。第1ポートは、冷媒を回収される対象機器を接続する。第2ポートは、対象機器から回収した冷媒を入れる容器を接続する。冷媒流路は、第1ポートと第2ポートとを結ぶ、冷媒流路は、膨張機構、圧縮機および熱交換器を少なくとも有する。回収量推定部は、対象機器から冷媒を回収している時間に基づいて、対象機器から回収した冷媒の回収量を推定する。出力部は、回収量推定部が推定した結果を出力する。
【0031】
ここでは、回収量推定部が、対象機器から冷媒を回収している時間に基づいて、対象機器から回収した冷媒の回収量を推定する。この構成によれば、回収作業者による誤認や誤記録が生じる恐れがない。従って、第15観点に係る冷媒回収装置では、回収された冷媒の回収量を誤りなく特定することができる。回収された冷媒の回収量が誤りなく特定されることで、回収された冷媒の管理が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】冷媒回収装置の全体構成を示す概略図である。
【
図2】コントローラの機能ブロックを示す概略図である。
【
図3】冷媒の種類と、第1ポートの近傍における冷媒温度及び吐出温度と、の関係を示すグラフである。
【
図4】冷媒回収装置の試験機から得られたデータに基づいて作成されたグラフである。
【
図5】冷媒回収装置の試験機から得られたデータに基づいて作成されたグラフである。
【
図6】冷媒の種類と、外気温度及び吐出温度と、の関係を示すグラフである。
【
図7】冷媒の種類と、第1ポートの近傍における冷媒温度及び圧縮機電力と、の関係を示すグラフである。
【
図8】冷媒の種類と、外気温度及び圧縮機電力と、の関係を示すグラフである。
【
図9】変形例1Dに係る冷媒回収装置の全体構成を示す概略図である。
【
図10】第2実施形態に係るコントローラの機能ブロックを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本開示に係る冷媒回収装置について、適宜図面を参照しながら、実施の形態を説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細な説明や、実質的に同一の構成に対する重複した説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0034】
<第1実施形態>
(1)全体構成
本実施形態に係る冷媒回収装置100の概要について、
図1を参照して説明する。
図1は、冷媒回収装置100の構成を概略的に示した図である。冷媒回収装置100は、建物等に設置されている対象機器10から冷媒を回収し、回収された冷媒を容器110に入れる装置である。対象機器10は、例えば空気調和装置である。冷媒回収装置100によって回収される冷媒は、例えばR32、R410A、R134a、又は、R404A等のフロン系冷媒である。
【0035】
図1に示すように、冷媒回収装置100は、主に、第1ポート101と、第2ポート102と、冷媒流路30と、コントローラ200と、を備える。また、
図1に示すように、冷媒回収装置100は、第1センサ11と、第2センサ12と、第3センサ13と、第4センサ14と、第5センサ15と、を有する。
【0036】
図1に示すように、第1ポート101は、対象機器10(空気調和装置)が有する第1サービスポート10aと、第1ホース21を介して接続されている。また、
図1に示すように、第2ポート102は、容器110が有する第2サービスポート110aと、第2ホース22を介して接続されている。
【0037】
図1に示すように、冷媒流路30は、膨張機構40と、圧縮機80と、第1熱交換器90(請求の範囲に記載の熱交換器に相当)と、を少なくとも有する。また、
図1に示すように、冷媒流路30は、第1ポート101と第2ポート102とを結ぶ。本実施形態では、冷媒回収装置100が運転を開始すると、対象機器10に封入されている冷媒は、第1サービスポート10a、第1ホース21、第1ポート101、冷媒流路30、第2ポート102、第2ホース22、第2サービスポート110a、容器110、の順に流れる。
【0038】
図1に示すように、冷媒回収装置100は、コントローラ200を内蔵している。詳細は後述するが、コントローラ200は、特定部210や回収量推定部220として機能する。コントローラ200は、第1センサ11、第2センサ12、第3センサ13、第4センサ14、第5センサ15が計測した内容に基づいて、回収している冷媒の種類や、回収している冷媒の回収量を算出することができる。
【0039】
(2)冷媒流路の詳細な構成
以下では、冷媒流路30の構成について詳細に説明する。
【0040】
冷媒流路30には、対象機器10から回収されて、容器110へと送られる冷媒が流れる。冷媒流路30は、膨張機構40と、圧縮機80と、第1熱交換器90と、を少なくとも有する。さらに、ここでは追加の構成として、冷媒流路30は、第2熱交換器50と、不純物分離器60と、ドライヤ70と、を有する(
図1参照)。また、冷媒流路30は、連絡配管として、第1管31、第2管32、第3管33、第4管34、第5管35、第6管36、吸入管811、吐出管822を有する(
図1参照)。
【0041】
(2-1)膨張機構
膨張機構40は、冷媒の圧力や流量を調整する。膨張機構40は、例えばキャピラリーチューブである。ただし、膨張機構40はキャピラリーチューブに限定されるものではなく、冷媒回収装置100において一般に膨張機構として使用される機構が適宜選択されればよい。
【0042】
冷媒流路30において、第1管31から膨張機構40に流れて、膨張機構40により減圧された冷媒は、第2管32に流れる。第2管32に流れた冷媒は、第2熱交換器50に流れる。
【0043】
(2-2)第2熱交換器
第2熱交換器50は、例えば2重管構造を採る熱交換器である。第2熱交換器50は、第2管32から第2熱交換器50に流れる冷媒と、吐出管822から第2熱交換器50に流れる冷媒と、の間で熱交換を行わせる。第2管32から第2熱交換器50に流れる冷媒は、吐出管822から第2熱交換器50に流れる冷媒と熱交換を行うことで、蒸発する。
【0044】
冷媒流路30において、第2熱交換器50で蒸発した冷媒は、第3管33に流れる。第3管33に流れた冷媒は、不純物分離器60に流れる。
【0045】
なお、第2熱交換器50は、冷媒と空気との間で熱交換を行わせる熱交換器であってもよい。詳細は変形例1Dで後述する。
【0046】
(2-3)不純物分離器
不純物分離器60は、冷媒に含まれる不純物(冷凍機油や塵など)を冷媒から分離する。不純物分離器60は、限定するものではないが、例えば気液分離方式によって、不純物を冷媒から分離する。ただし、不純物分離器60は、帯電分離方式によって冷媒に含まれる不純物を冷媒から分離するものであってもよい。この場合、不純物分離器60は、帯電した不純物を除去するための電気集塵装置を有する。
【0047】
冷媒流路30において、不純物分離器60により不純物が分離された冷媒は、第4管34に流れる。第4管34に流れた冷媒は、ドライヤ70に流れる。
【0048】
(2-4)ドライヤ
ドライヤ70は、冷媒に含まれる水分を冷媒から除去する。ドライヤ70は、例えば筒状のケーシングに、アルミナ、シリカゲル等の水分吸着剤が充填されることで構成される。
【0049】
冷媒流路30において、ドライヤ70により水分が除去された冷媒は、吸入管811に流れる。吸入管811に流れた冷媒は、圧縮機80に吸入される。
【0050】
(2-5)圧縮機
圧縮機80は、吸入管811を流れる冷媒を吸入し、吸入した冷媒を図示しない圧縮機構によって圧縮し、圧縮した冷媒を吐出管822に吐出する。圧縮機80は、吸入管811と接続する吸入口81を有する。また、圧縮機80は、吐出管822と接続する吐出口82を有する。冷媒回収装置100は、圧縮機80の吸入力により、対象機器10から冷媒を回収する。
【0051】
冷媒流路30において、圧縮機80により圧縮された冷媒は、吐出口82を介して吐出管822に吐出される。吐出管822に吐出された冷媒は、第2熱交換器50、第5管35を経由して、第1熱交換器90に流れる。
【0052】
(2-6)第1熱交換器90
第1熱交換器90は、冷媒の凝縮器として機能する熱交換器である。第1熱交換器90は、吐出管822から第1熱交換器90に流れる冷媒と、第1熱交換器90の近傍に配置されたファン95から送られる空気と、の間で熱交換を行わせる。吐出管822から第1熱交換器90に流れる冷媒は、第1熱交換器90において空気と熱交換を行うことで、凝縮する。
【0053】
冷媒流路30において、第1熱交換器90で凝縮した冷媒は、第6管36に流れる。第6管36に流れた冷媒は、第2ポート102、第2ホース22、第2サービスポート110aを経由して、容器110に流れる。
【0054】
(3)センサの詳細な構成
以下では、冷媒回収装置100が有するセンサについて詳細に説明する。
【0055】
図1に示すように、冷媒回収装置100は、第1センサ11と、第2センサ12と、第3センサ13と、第4センサ14と、第5センサ15と、を有する。各センサ11、12、13、14、15は、コントローラ200と電気的に接続されている。各センサ11、12、13、14、15が計測した値は、コントローラ200に適宜送信される。
【0056】
(3-1)第1センサ
第1センサ11は、第1ポート101側の冷媒温度である第1冷媒温度に関する値を計測するセンサである。以下では、「第1ポート101側の冷媒温度である第1冷媒温度に関する値」を、「第1値」と呼ぶことがある。第1値は、例えば、第1ポート101の近傍における温度である。
図1に示すように、第1センサ11は、例えば第1管31に取り付けられる。ここでは、第1センサ11は、サーミスタである。
【0057】
(3-2)第2センサ
第2センサ12は、圧縮機80の第2ポート102側の冷媒温度である第2冷媒温度に関する値を計測するセンサである。以下では、「圧縮機80の第2ポート側の冷媒温度である第2冷媒温度に関する値」を、「第2値」と呼ぶことがある。第2値は、例えば、圧縮機80の吐出口82の近傍における冷媒温度である。
図1に示すように、第2センサ12は、例えば吐出管822に取り付けられる。ここでは、第2センサ12は、サーミスタである。
【0058】
(3-3)第3センサ
第3センサ13は、圧縮機80の消費電力に関する値を計測するセンサである。以下では、「圧縮機80の消費電力に関する値」を、「第3値」と呼ぶことがある。「第3値」は、例えば、圧縮機80の電力値である。
図1に示すように、第3センサ13は、例えば圧縮機80に取り付けられる。ここでは、第3センサ13は、電力計である。
【0059】
(3-4)第4センサ
第4センサ14は、第1熱交換器90(凝縮器)の入口側における冷媒温度を計測するセンサである。以下では、「第1熱交換器90の入口側における冷媒温度」を、「第4値」と呼ぶことがある。
図1に示すように、第4センサ14は、例えば第5管35に取り付けられる。ここでは、第4センサ14は、サーミスタである。
【0060】
(3-5)第5センサ
第5センサ15は、圧縮機80の吸入温度を計測するセンサである。以下では、「圧縮機80の吸入温度」を、「第5値」と呼ぶことがある。
図1に示すように、第5センサ15は、例えば吸入管811に取り付けられる。ここでは、第5センサ15は、サーミスタである。
【0061】
(3-6)
上記の(3-1)~(3-5)で説明したように、本実施形態に係る冷媒回収装置100では、センサとして、圧力センサや、流量計や、非接触センサや、サーモカメラ等のような、高価なセンサが採用されていない。このため、本実施形態では、冷媒回収装置100の製造コストが低減されている。
【0062】
(4)コントローラの詳細な構成
以下では、コントローラ200の構成について詳細に説明する。
【0063】
コントローラ200は、冷媒回収装置100の各部と制御信号や情報等の送受信が可能なように電気的に接続されている。コントローラ200は、コンピュータにより実現されるものである。コントローラ200は、制御演算装置と記憶装置とを備える。制御演算装置には、CPU又はGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の演算処理を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。
図2は、制御演算装置により実現される各種の機能ブロックを示している。
図2に示すように、コントローラ200は、特定部210や、回収量推定部220や、更新部230としての機能を有する。また、コントローラ200の記憶部300は、データベースとして用いることができる。
【0064】
(4-1)記憶部
記憶部300は、コントローラ200のROMやRAM等の記憶装置から構成される。記憶部300には、冷媒回収装置100の動作を制御するためのプログラムや、冷媒回収装置100が他の機器との通信を行う際に使用される通信プロトコル等が記憶される。また、記憶部300には、本願発明者が冷媒回収装置100の試験機(以下、単に「試験機」と呼ぶ場合がある)を運転させることで得られた各種データが記憶されている。
【0065】
(4-1-1)
例えば、記憶部300には、
図3のグラフに示される情報に相当するデータが記憶されている。
図3のグラフは、試験機に様々な種類の冷媒を回収させることで得られた各種データに基づいて作成されている。より詳細には、
図3のグラフは、試験機が冷媒を回収する際の第1ポートの近傍における冷媒温度の大きさと、試験機が冷媒を回収する際の圧縮機の吐出口の近傍における冷媒温度の大きさと、を冷媒の種類ごとに計測することで得られたデータ、に基づいて作成されている。
図3のグラフの横軸は、第1ポートの近傍における冷媒温度の大きさを示している(「
図3では第1ポート温度℃」と記載)。
図3のグラフの縦軸は、圧縮機の吐出口の近傍における冷媒温度の大きさを示している(「
図3では吐出温度℃」と記載)。
【0066】
図3のグラフに示されるように、第1ポートの近傍における冷媒温度の大きさや、圧縮機の吐出口の近傍における冷媒温度の大きさは、冷媒の種類に応じて異なる。このことから、本願発明者は、第1ポートの近傍における冷媒温度と、吐出口の近傍における冷媒温度とが計測されていれば、冷媒回収装置を流れる冷媒の種類を特定できることを見出している。より詳細には、本願発明者は、圧縮機の第1ポート側の冷媒温度である第1冷媒温度に関する値と、圧縮機の第2ポート側の冷媒温度である第2冷媒温度に関する値と、が計測されていれば、冷媒回収装置を流れる冷媒の種類を特定できることを見出している。
【0067】
なお、ここでは説明の便宜上、
図3には、試験機にR410Aや、R32や、R134aを回収させることで得られたデータをグラフに示している。しかしながら、記憶部300に記憶されるデータは、R410Aや、R32や、R134aに関するデータに限定されるものではない。例えば、記憶部300には、試験機にR404Aを回収させることで得られたデータが記憶されているものであってもよい。この他にも、記憶部300には、試験機に様々な種類の冷媒を回収させることで得られたデータが記憶されているものであってもよい。
【0068】
(4-1-2)
また、例えば、記憶部300には、
図4のグラフに示される情報に相当するデータが記憶されている。
図4のグラフは、冷媒回収運転を開始した試験機の、第1ポートの近傍における冷媒温度や、膨張機構の下流側における冷媒温度や、圧縮機の吸入側を流れる冷媒の飽和温度(以下、吸入飽和温度と呼ぶことがある)や、圧縮機の吸入側を流れる冷媒の圧力を計測することで得られたデータに基づいて作成されている。
図4のグラフの横軸は、試験機の運転を開始してから経過した時間を示している。
図4のグラフの左側の縦軸は、冷媒温度の大きさを示している。
図4のグラフの右側の縦軸は、冷媒の圧力の大きさを示している。ここで、
図4のグラフの点Aから点Bで示される時間帯において、冷媒は液状態であることが本願発明者により確認されている。また、
図4のグラフの点Bから点Cで示される時間帯において、冷媒はガス状態であることが本願発明者により確認されている。
【0069】
図4のグラフに示されるように、液状態における冷媒温度は概ね安定しており、ガス状態における冷媒温度は不安定である。このことから、本願発明者は、冷媒回収装置に回収されている冷媒の冷媒温度(例えば第1ポートの近傍における冷媒温度)を計測することで、現在回収されている冷媒が液状態の冷媒であるのか、ガス状態の冷媒であるのかを容易に判断可能であることを見出している。
【0070】
また、
図4のグラフに示されているように、点Aから点Bに示される時間帯(冷媒が液状態である時間帯)において、第1ポートの近傍における冷媒温度の挙動(
図4の2点鎖線参照)と、吸入飽和温度(
図4の実線参照)の挙動とは酷似している。このことから、本願発明者は、第1ポートの近傍における冷媒温度に対して所定の補正値による補正を行うことで、吸入飽和温度に相当する値を算出できることを見出している。以下では、「吸入飽和温度に相当する値」のことを、「第1補正計測値」と呼ぶ場合がある。また、以下では、第1補正計測値を算出するための「所定の補正値」を「第1補正値」と呼ぶことがある。
【0071】
(4-1-3)
また、例えば、記憶部300には、
図5のグラフに示される情報に相当するデータが記憶されている。
図5のグラフは、冷媒回収運転を開始した試験機の、凝縮器の入口側における冷媒温度や、圧縮機の吐出側を流れる冷媒の飽和温度(以下、吐出飽和温度と呼ぶことがある)や、圧縮機の吐出側を流れる冷媒の圧力を計測することで得られたデータに基づいて作成されている。
図5のグラフの横軸は、試験機の運転を開始してから経過した時間を示している。
図5のグラフの左側の縦軸は、冷媒温度の大きさを示している。
図5のグラフの右側の縦軸は、冷媒の圧力の大きさを示している。なお、
図5のグラフの点Aから点Bで示される時間帯において、冷媒は液状態であることが本願発明者により確認されている。また、
図5のグラフの点Bから点Cで示される時間帯において、冷媒はガス状態であることが本願発明者により確認されている。
【0072】
図5のグラフに示されているように、点Aから点Bに示される時間帯(冷媒が液状態である時間帯)において、凝縮器の入口側における冷媒温度の挙動(
図5の2点鎖線参照)と、吐出飽和温度(
図5の実線参照)の挙動とは酷似している。このことから、本願発明者は、凝縮器の入口側における冷媒温度に対して所定の補正値による補正を行うことで、吐出飽和温度に相当する値を算出できることを見出している。以下では、「吐出飽和温度に相当する値」のことを、「第3補正計測値」と呼ぶ場合がある。また、以下では、第3補正計測値を算出するための「所定の補正値」を「第3補正値」と呼ぶことがある。
【0073】
(4-2)特定部
特定部210は、冷媒流路30を流れる冷媒の種類を特定する。特定部210は、第1センサ11が計測した第1値と、第2センサ12が計測した第2値と、記憶部300に記憶されている各種データと、に基づいて、冷媒の種類を特定する。
【0074】
例えば、第1センサ11及び第2センサ12による計測の結果、第1値(ここでは、第1ポート101の近傍における温度)が6℃であり、第2値(ここでは、圧縮機80の吐出口82の近傍における冷媒温度)が41℃であることが判明している状況を想定する。この場合、特定部210は、記憶部300に記憶されているデータ(
図3のグラフに示される情報に相当するデータ)を参照することで、冷媒の種類がR134aであることを特定する。
【0075】
あるいは、例えば、第1センサ11及び第2センサ12による計測の結果、第1値が21℃であり、第2値が95℃であることが判明している状況を想定する。この場合、特定部210は、記憶部300に記憶されているデータ(
図3のグラフに示される情報に相当するデータ)を参照することで、冷媒の種類がR410Aであることを特定する。
【0076】
このように、本実施形態に係る冷媒回収装置100では、特定部210が、冷媒回収装置100によって回収された冷媒の種類を特定する。この構成によれば、回収された冷媒の種類を特定する際に、回収作業者による誤認や誤記録が生じる恐れがない。このため、冷媒回収装置100によって回収された冷媒の種類を誤りなく特定することができる。冷媒回収装置100によって回収された冷媒の種類が誤りなく特定されることで、冷媒回収装置100によって回収された冷媒の管理が容易になる。
【0077】
また、本実施形態に係る冷媒回収装置100では、第1センサ11が計測した値と第2センサ12が計測した値とに基づいて、回収された冷媒の種類が特定されている。本実施形態では、第1センサ11及び第2センサ12は、サーミスタである。このように、本実施形態に係る冷媒回収装置100では、比較的安価な構成によって、冷媒の種類を特定することができる。
【0078】
(4-3)回収量推定部
回収量推定部220は、冷媒回収装置100によって対象機器10から回収された冷媒の回収量を推定する。冷媒回収装置100による冷媒の回収は、液状態の冷媒を回収する状態である液回収状態と、ガス状態の冷媒を回収する状態であるガス回収状態と、によって構成される。回収量推定部220は、液回収状態における冷媒の回収量(以下、液回収量と呼ぶ場合がある)と、ガス回収状態における冷媒の回収量(以下、ガス回収量と呼ぶ場合がある)と、を合計することで、冷媒回収装置100によって回収された冷媒の回収量を推定する。以下では、回収量推定部220による、液回収量の推定と、ガス回収量の推定と、のそれぞれについて順番に説明する。
【0079】
(4-3-1)液回収量の推定
回収量推定部220は、液回収量の推定を開始する前に、第1センサ11が計測した第1値を参照する。上記の通り、第1センサ11が計測した第1値を参照することで、現在回収されている冷媒が液冷媒であるのか、ガス冷媒であるのかが判断できる。第1値を参照することで、現在回収されている冷媒の状態が液状態であることを確認した回収量推定部220は、現在の運転が液回収状態であると判断する。現在の運転が液回収状態であると判断した回収量推定部220は、液回収量の推定を開始する。
【0080】
液回収量は、冷媒流路30を流れる液状態の冷媒の流量を、液回収状態の運転時間で積算することで推定することができる。なお、液回収状態の運転時間は、図示しないタイマ等により計測可能である。
【0081】
ここで、冷媒流路30を流れる液状態の冷媒の流量をG、圧縮機80の電力値をW、圧縮機80の圧縮機効率をη、圧縮機80の吐出側におけるエンタルピから圧縮機80の吸入側におけるエンタルピを減算することで求められるエンタルピ差をΔ_Hcomp、とした場合、冷媒流路30を流れる液状態の冷媒の流量Gは、以下の式1から導くことができる。
(式1):G= W×η/ΔH_comp
電力値Wは、第3センサ13によって第3値として計測されている。従って、回収量推定部220は、液回収量の推定を行う際に、第3センサ13と通信を行い、第3値を参照する。
【0082】
圧縮機効率ηは、特定部210によって特定された冷媒の種類や、第1値から算出することができる。従って、回収量推定部220は、液回収量の推定を行う際に、特定部210や第1センサ11と通信を行い、冷媒の種類や第1値を参照する。
【0083】
エンタルピ差ΔH_compについては、以下で詳細に説明する。
【0084】
上記の通り、エンタルピ差ΔH_compは、圧縮機80の吐出側におけるエンタルピから圧縮機80の吸入側におけるエンタルピを減算することで求めることができる。
【0085】
圧縮機80の吐出側におけるエンタルピは、圧縮機80の吐出口82の近傍における冷媒温度と、吐出飽和圧力と、から求めることができる。圧縮機80の吐出口82の近傍における冷媒温度は、第2センサ12によって第2値として計測されている。吐出飽和圧力は、冷媒流路30を流れる冷媒の種類と、吐出飽和温度と、から算出することができる。冷媒流路30を流れる冷媒の種類は、特定部210によって特定されている。吐出飽和温度に相当する値(第3補正計測値)は、凝縮機の入口側における冷媒温度を、第3補正値により補正することで算出可能である。凝縮器の入口側における冷媒温度は、第4センサ14によって第4値として計測されている。
【0086】
従って、回収量推定部220は、液回収量の推定を行う際に、第2センサ12や、第4センサ14や、特定部210と通信を行い、第2値や、第4値や、冷媒の種類を参照する。第4値を参照した回収量推定部220は、第4値を第3補正値により補正することで、第3補正計測値を算出する。第3補正計測値を算出した回収量推定部220は、第3補正計測値と、特定部210が特定した冷媒の種類と、に基づいて、吐出飽和圧力を演算する。吐出飽和圧力を算出した回収量推定部220は、吐出飽和圧力と、第2値(圧縮機80の吐出口82の近傍における冷媒温度)と、に基づいて、圧縮機80の吐出側におけるエンタルピを算出する。
【0087】
同様に、圧縮機80の吸入側におけるエンタルピは、圧縮機80の吸入温度と、吸入飽和圧力と、から求めることができる。圧縮機80の吸入温度は、第5センサ15によって第5値として計測されている。吸入飽和圧力は、冷媒流路30を流れる冷媒の種類と、吸入飽和温度と、から算出することができる。冷媒流路30を流れる冷媒の種類は、特定部210が特定している。吸入飽和温度に相当する値(第1補正計測値)は、第1ポート101の近傍における冷媒温度を、第1補正値により補正することで算出可能である。第1ポート101の近傍における冷媒温度は、第1センサ11によって第1値として計測されている。
【0088】
従って、回収量推定部220は、液回収量の推定を行う際に、第1センサ11や、第5センサ15や、特定部210と通信を行い、第1値や、第5値や、冷媒の種類を参照する。第1値を参照した回収量推定部220は、第1値を第1補正値により補正することで、第1補正計測値を算出する。第1補正計測値を算出した回収量推定部220は、第1補正計測値と、特定部210が特定した冷媒の種類と、に基づいて、吸入飽和圧力を演算する。吸入飽和圧力を算出した回収量推定部220は、吸入飽和圧力と、第5値(圧縮機80の吸入温度)と、に基づいて、圧縮機80の吸入側におけるエンタルピを算出する。
【0089】
圧縮機80の吐出側におけるエンタルピと吸入側におけるエンタルピとを算出した回収量推定部220は、圧縮機80の吐出側におけるエンタルピから圧縮機80の吸入側におけるエンタルピを減算することで、ΔH_compを算出する。
【0090】
このようにして、電力値Wと、圧縮機効率ηと、ΔH_compと、のそれぞれを参照又は算出した回収量推定部220は、上記の式1を演算することで、冷媒流路30を流れる液状態の冷媒の流量Gを算出する。そして、回収量推定部220は、液状態の冷媒の流量Gを、図示しないタイマ等により計測した液回収状態の運転時間で積算することで、液回収量を推定する。
【0091】
(4-3-2)ガス回収量の推定
回収量推定部220は、ガス回収量の推定を開始する前に、第1センサ11が計測した第1値を参照する。上記の通り、第1センサ11が計測した第1値を参照することで、現在回収されている冷媒が液冷媒であるのか、ガス冷媒であるのかが判断できる。第1値を参照することで、現在回収されている冷媒の状態がガス状態であることを確認した回収量推定部220は、現在の運転がガス回収状態であると判断する。現在の運転がガス回収状態であると判断した回収量推定部220は、ガス回収量の推定を開始する。
【0092】
本願発明者は、種々の検討の結果、ガス回収量は、液回収量に、所定の推定パラメータを乗じることで算出可能であることを見出している。ガス状態の冷媒の回収量を推定するための所定の推定パラメータは、ここでは、10%である。従って、回収量推定部220は、上記の(4-3-1)で推定した液回収量に対して、1/10を乗じることで、ガス回収量を推定することができる。なお、推定パラメータは、記憶部300の所定の記憶領域に記憶されている。
【0093】
(4-3-3)冷媒回収量の推定
冷媒の液回収量と、冷媒のガス回収量とを推定した回収量推定部220は、液回収量とガス回収量とを合計する。回収量推定部220は、液回収量とガス回収量とを合計することで算出した数値を、冷媒の回収量として推定する。
【0094】
このように、本実施形態に係る冷媒回収装置100では、回収量推定部220が、冷媒回収装置100によって回収された冷媒の回収量を推定する。この構成によれば、冷媒回収装置100によって回収された冷媒の種類に加えて、冷媒回収装置100によって回収された冷媒の回収量が推定される。従って、本実施形態に係る冷媒回収装置100では、冷媒回収装置100によって回収された冷媒の管理がより容易になる。
【0095】
また、本実施形態に係る冷媒回収装置100では、第1センサ11や、第2センサ12や、第3センサ13や、第4センサ14や、第5センサ15が計測した値に基づいて、回収された冷媒の回収量が特定されている。本実施形態において、第1センサ11、第2センサ12、第4センサ14、第5センサ15は、サーミスタである。また、第3センサ13は電力計である。このように、本実施形態に係る冷媒回収装置100では、比較的安価な構成によって、冷媒の回収量を特定することができる。このため、本実施形態では、冷媒回収装置100の製造コストが低減されている。
【0096】
なお、特定部210が特定した冷媒の種類と、回収量推定部220が推定した冷媒の回収量とは、記憶部300に記憶される。この時、記憶部300は、冷媒の種類と、冷媒の回収量とを、紐づけて記憶する。この構成によれば、冷媒回収装置100によって回収された冷媒の管理がより容易になる。
【0097】
また、記憶部300に記憶された冷媒の種類と冷媒の回収量とは、図示しない通信ネットワークを通じて、図示しない管理装置やサーバ等に送信されるものであってもよい。
【0098】
また、コントローラ200は、記憶部300に紐づけて記憶されている、冷媒の種類と冷媒の回収量とから、冷媒回収量のCO2相当量を算出する機能を有しているものであってもよい。
【0099】
冷媒回収量のCO2相当量は、冷媒の回収量に、冷媒の種類の地球温暖化係数(GWP)を乗じることで算出することができる。従って、コントローラ200は、冷媒回収作業が終了した後に、冷媒の回収量に、冷媒の種類の地球温暖化係数(GWP)を乗じることで、冷媒回収量のCO2相当量を算出するものであってもよい。なお、コントローラ200が冷媒回収量のCO2相当量を算出する機能を有する場合、記憶部300には、冷媒の種類ごとの地球温暖化係数(GWP)が記憶されている。
【0100】
(5)特徴
(5-1)
本実施形態に係る冷媒回収装置100は、第1ポート101と、第2ポート102と、冷媒流路30と、特定部210と、を備える。第1ポート101は、冷媒を回収される対象機器10を接続する。第2ポート102は、対象機器10から回収した冷媒を入れる容器110を接続する。冷媒流路30は、第1ポート101と第2ポート102とを結ぶ。冷媒流路30は、膨張機構40、圧縮機80および熱交換器90を少なくとも有する。特定部210は、対象機器10から回収している冷媒の種類を特定する。特定部210は、第1値と、第2値と、に基づいて、対象機器10から回収している冷媒の種類を特定する。第1値は、圧縮機80の第1ポート101側の冷媒温度である第1冷媒温度に関する。第2値は、圧縮機80の第2ポート102側の冷媒温度である第2冷媒温度に関する。
【0101】
本実施形態では、特定部210が、対象機器10から回収している冷媒の種類を特定する。この構成によれば、回収作業者による誤認や誤記録が生じる恐れがない。このため、本実施形態に係る冷媒回収装置100では、回収された冷媒の種類を誤りなく特定することができる。回収された冷媒の種類が誤りなく特定されることで、回収された冷媒の管理が容易になる。
【0102】
(5-2)
本実施形態に係る冷媒回収装置100では、第1値は、第1ポート101の近傍の冷媒温度である。
【0103】
ここでは、第1ポート101の近傍の冷媒温度が、第1値として採用されている。第1ポート101の近傍の冷媒温度は、比較的安価なセンサによって計測することができる。従って、本実施形態に係る冷媒回収装置100では、冷媒回収装置100の製造コストを低減することができる。
【0104】
(5-3)
本実施形態に係る冷媒回収装置100では、熱交換器90は、冷媒を凝縮させる凝縮器である。第2値は、圧縮機80の吐出口82の近傍の冷媒温度である。
【0105】
ここでは、圧縮機80の吐出口82の近傍の冷媒温度が、第2値として採用されている。圧縮機80の吐出口82の近傍の冷媒温度は、比較的安価なセンサによって計測することができる。従って、本実施形態に係る冷媒回収装置100では、冷媒回収装置100の製造コストを低減することができる。
【0106】
(5-4)
本実施形態に係る冷媒回収装置100では、第3値は、圧縮機80の電力値である。
【0107】
ここでは、圧縮機80の電力値が、第3値として採用されている。圧縮機80の電力値は、比較的安価なセンサによって計測することができる。従って、本実施形態に係る冷媒回収装置100では、冷媒回収装置100の製造コストを低減することができる。
【0108】
(5-5)
本実施形態に係る冷媒回収装置100は、回収量推定部220をさらに備える。回収量推定部220は、少なくとも対象機器10から冷媒を回収している時間に基づいて、対象機器10から回収した冷媒の回収量を推定する。
【0109】
本実施形態では、回収量推定部220が冷媒の回収量を推定する。この構成によれば、回収された冷媒の種類に加えて、回収された冷媒の回収量が推定される。従って、本実施形態に係る冷媒回収装置100では、回収された冷媒の管理がより容易になる。
【0110】
(5-6)
本実施形態に係る冷媒回収装置100は、記憶部をさらに備える。記憶部は、特定部210が特定した冷媒の種類と、回収量推定部220が推定した冷媒の回収量と、を紐づけて記憶する。
【0111】
冷媒回収が行われる現場に対象機器が複数存在する場合には、回収作業者の誤認や誤記録により、ある対象機器から回収した冷媒の種類及び回収量と、その他の対象機器から回収した冷媒の種類及び回収量とが、混同される恐れがある。例えば、冷媒回収が行われる現場に対象機器が2台存在する場合には、回収作業者は、誤認や誤記録により、1台目の対象機器から回収した冷媒の種類を、2台目の対象機器から回収した冷媒であると混同する恐れがある。あるいは、回収作業者は、誤認や誤記録により、1台目の対象機器から回収した冷媒の回収量を、2台目の対象機器から回収した冷媒の回収量であると混同する恐れがある。
【0112】
本実施形態では、記憶部300が、冷媒の種類と冷媒の回収量とを紐づけて記憶する。従って、本実施形態に係る冷媒回収装置100では、回収された冷媒の管理がより容易になる。
【0113】
(5-7)
本実施形態に係る冷媒回収装置100では、回収量推定部220は、冷媒の液回収状態とガス回収状態とに基づいて、冷媒の液回収量とガス回収量とをそれぞれ推定し、冷媒の回収量を推定する。
【0114】
(5-8)
本実施形態に係る冷媒回収装置100では、回収量推定部220は、第1ポート101の近傍の冷媒温度に基づいて液回収状態を判断する。
【0115】
第1ポート101の近傍の冷媒温度は、比較的安価なセンサによって計測することができる。従って、本実施形態に係る冷媒回収装置100では、冷媒回収装置100の製造コストを低減することができる。
【0116】
(5-9)
本実施形態に係る冷媒回収装置100では、回収量推定部220は、第1ポート101の近傍の冷媒温度を補正した第1補正計測値、を用いて吸入飽和圧力を演算する。回収量推定部220は、熱交換器90の近傍の冷媒温度を補正した第3補正計測値、を用いて吐出飽和圧力を演算する。
【0117】
本実施形態では、回収量推定部220は、第1ポート101の近傍の冷媒温度を補正した第1補正計測値、を用いて吸入飽和圧力を演算する。このため、圧力センサのような、比較的高価なセンサを備えることなく、吸入飽和圧力を算出することができる。
【0118】
また、回収量推定部220は、熱交換器90の近傍の冷媒温度を補正した第3補正計測値、を用いて吐出飽和圧力を演算する。このため、圧力センサのような、比較的高価なセンサを備えることなく、吐出飽和圧力を算出することができる。従って、本実施形態に係る冷媒回収装置100では、冷媒回収装置100の製造コストを低減することができる。
【0119】
(5-10)
本実施形態に係る冷媒回収装置100では、回収量推定部220は、液状態の冷媒の回収を行うための液回収運転における、圧縮機80の圧縮機効率と、第3値と、吸入飽和圧力と、吐出飽和圧力と、に基づいて液回収量を推定する。
【0120】
本実施形態では、回収量推定部220は、圧縮機80の圧縮機効率と、第3値と、吸入飽和圧力と、吐出飽和圧力と、に基づいて液回収量を推定する。圧縮機効率は、冷媒の種類及び第1値から算出することができる。第3値は、比較的安価なセンサにより計測することができる。吸入飽和圧力は、第1ポート101の近傍の冷媒温度を補正した第1補正計測値を用いて演算することができる。吐出飽和圧力は、熱交換器90の近傍の冷媒温度を補正した第3補正計測値を用いて演算することができる。従って、本実施形態に係る冷媒回収装置100では、冷媒回収装置100の製造コストを低減することができる。
【0121】
(5-11)
本実施形態に係る冷媒回収装置100では、回収量推定部220は、ガス状態の冷媒の回収を行うためのガス回収運転における運転時間に基づいて、ガス回収量を推定する。又は、回収量推定部220は、液回収量に基づいて、ガス回収量を推定する。
【0122】
(5-12)
本実施形態に係る冷媒回収装置100では、冷媒流路30は、不純物分離器60をさらに有している。不純物分離器の分離方式は、気液分離方式、又は、帯電分離方式である。
【0123】
(5-13)
本実施形態に係る冷媒回収装置100では、対象機器10から回収する冷媒は、R32、R410A、R134a、又は、R404Aのいずれかである。
【0124】
(6)変形例
上記実施形態の変形例を以下に示す。以下の変形例は、互いに矛盾しない範囲で、適宜組み合わされてもよい。なお、上記の実施形態と実質的に同様の構成については同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0125】
(6-1)変形例1A
上記実施形態では、対象機器10の一例としての空気調和装置から、冷媒が回収される例について説明した。しかしながら、対象機器10は空気調和装置に限定されるものではない。対象機器10は、例えば冷蔵庫、冷凍庫、給湯器等であってもよい。
【0126】
(6-2)変形例1B
上記実施形態では、第1ポート101の近傍の冷媒温度が、第1値として計測される例について説明した。しかしながら、第1値の例はこれに限定されるものではない。上記実施形態で説明したように、本願発明者は、圧縮機の第1ポート側の冷媒温度である第1冷媒温度に関する値と、圧縮機の第2ポート側の冷媒温度である第2冷媒温度に関する値と、が計測されていれば、冷媒回収装置を流れる冷媒の種類を特定できることを見出している。従って、例えば第1値は、外気温度や、圧縮機80の吸入口81の近傍の冷媒温度であってもよい。以下では、第1値として外気温度が採用されている場合を例に説明する。
【0127】
第1値として外気温度が採用されている場合、冷媒回収装置100は、第1センサ11とともに、又は、第1センサ11に代えて、外気温度を検出可能なセンサを有する。また、第1値として外気温度が採用されている場合、冷媒回収装置100の記憶部300には、
図6のグラフに示される情報に相当するデータが記憶されている。
図6のグラフは、試験機に様々な種類の冷媒を回収させることで得られたデータに基づいて作成されている。より詳細には、
図6のグラフは、試験機が冷媒を回収する際の外気温度の大きさと、試験機が冷媒を回収する際の圧縮機の吐出口の近傍における冷媒温度の大きさと、を冷媒の種類ごとに計測することで得られたデータ、に基づいて作成されている。
図6のグラフの横軸は、外気温度の大きさを示している(「
図6では外気温度℃」と記載)。
図6のグラフの縦軸は、圧縮機の吐出口の近傍における冷媒温度の大きさを示している(「
図6では吐出温度℃」と記載)。
【0128】
冷媒回収装置100が外気温度を検出可能なセンサを備えている場合、特定部210は、記憶部300に記憶されているデータ(
図6のグラフに示される情報に相当するデータ)に基づいて、冷媒の種類を特定可能である。例えば、外気温度を検出するセンサ及び第2センサ12による計測の結果、第1値が21℃であり、第2値が91℃であることが判明している状況を想定する。この場合、特定部210は、記憶部300に記憶されているデータ(
図6のグラフに示される情報に相当するデータ)を参照することで、冷媒の種類がR32であることを特定する。
【0129】
(6-3)変形例1C
上記実施形態では、特定部210が、第1値と、第2値とに基づいて冷媒の種類を特定する例について説明した。しかしながら、特定部210による特定の方法はこれに限定されるものではなく、特定部210は、第1値と、第3値とに基づいて冷媒の種類を特定するものであってもよい。
【0130】
特定部210が、第1値と第3値とに基づいて冷媒の種類を特定する場合、記憶部300には、
図7のグラフに示される情報に相当するデータが記憶されている。
図7のグラフは、試験機に様々な種類の冷媒を回収させることで得られたデータに基づいて作成されている。より詳細には、
図7のグラフは、試験機が冷媒を回収する際の第1ポートの近傍における冷媒温度の大きさと、試験機が冷媒を回収する際の圧縮機の電力値の大きさと、を冷媒の種類ごとに計測することで得られたデータ、に基づいて作成されている。
図7のグラフの横軸は、第1ポートの近傍における冷媒温度の大きさを示している(
図7では、「吸入ポート温度℃」と記載)。
図7のグラフの縦軸は、圧縮機の電力値の大きさを示している(
図7では、「圧縮機電力W」と記載)。
【0131】
図7のグラフに示されるように、第1ポートの近傍における冷媒温度の大きさや、圧縮機の電力値の大きさは、冷媒の種類に応じて異なる。このことから、本願発明者は、第1ポートの近傍における冷媒温度と、圧縮機の電力値とが計測されていれば、冷媒回収装置を流れる冷媒の種類を特定できることを見出している。より詳細には、本願発明者は、圧縮機の第1ポート側の冷媒温度である第1冷媒温度に関する値と、圧縮機の消費電力に関する値とが計測されていれば、冷媒回収装置を流れる冷媒の種類を特定できることを見出している。
【0132】
従って、特定部210は、第1値と、第3値と、記憶部300に記憶されている
図7のグラフに示される情報に相当するデータと、に基づいて、冷媒の種類を特定することができる。
【0133】
なお、変形例1Bで説明したように、冷媒回収装置100が外気温度を第1値として計測する場合、記憶部300には、
図8のグラフに示される情報に相当するデータが記憶されている。
図8のグラフは、試験機に様々な種類の冷媒を回収させることで得られたデータに基づいて作成されている。より詳細には、
図8のグラフは、試験機が冷媒を回収する際の外気温度の大きさと、試験機が冷媒を回収する際の圧縮機の電力値の大きさと、を冷媒の種類ごとに計測することで得られたデータ、に基づいて作成されている。
図8のグラフの横軸は、外気温度の大きさを示している(
図8では、「外気温度℃」と記載)。
図8のグラフの縦軸は、圧縮機80の電力値の大きさを示している(
図8では、「圧縮機電力W」と記載)。従って、特定部210は、第1値と、第3値と、記憶部300に記憶されている
図8のグラフに示される情報に相当するデータと、に基づいて、冷媒の種類を特定することができる。
【0134】
なお、特定部210は、第1値と第2値と第3値とに基づいて、冷媒の種類を特定するものであってもよい。この場合、特定部210は例えば、第1値と第2値と
図6のグラフに示される情報に相当するデータとに基づいて、冷媒の種類を特定した後に、第1値と第3値と
図7のデータに示される情報に相当するデータとに基づいて、冷媒の種類を特定するものであってもよい。この構成によれば、冷媒の種類が2重に確認されるため、冷媒の種類を精度よく特定することができる。
【0135】
(6-4)変形例1D
上記実施形態では、冷媒回収装置100が、第2管32から第2熱交換器50に流れる冷媒と、吐出管822から第2熱交換器50に流れる冷媒と、の間で熱交換を行わせる第2熱交換器50を備える例について説明した。しかしながら、第2熱交換器50の構成はこれに限定されるものではない。例えば、第2熱交換器50は、第2管32から第2熱交換器50に流れる冷媒と、図示しないファンによって第2熱交換器50に送られる空気と、の間で熱交換を行わせる蒸発器であってもよい(
図9参照)。
【0136】
図9に示すように、変形例1Dに係る冷媒回収装置100では、吐出管822を流れる冷媒は、第2熱交換器50に流れない。このため、変形例1Dに係る冷媒回収装置100では、吐出管822を流れる冷媒の温度変化が抑制される。
【0137】
この構成によれば、吐出管822を流れる冷媒の冷媒温度と、第1熱交換器90(凝縮器)の入口側を流れる冷媒の冷媒温度と、が概ね同一となる。従って、変形例1Dに係る冷媒回収装置100では、第4センサ14が計測した第1熱交換器90(凝縮器)の近傍の冷媒温度を、第2値とするものであってもよい。言い換えると、第4センサ14が、第2センサ12としての機能を兼ねるものであってもよい。この場合、
図9に示すように、冷媒回収装置100に第2センサ12を取り付ける必要がなくなる。このため、変形例1Dに係る冷媒回収装置100では、冷媒回収装置100の組立工数を削減することができる。
【0138】
なお、第2センサ12が計測した温度を、第1熱交換器90(凝縮器)の近傍の冷媒温度とするものであってもよい。言い換えると、第2センサ12が、第4センサ14としての機能を兼ねるものであってもよい。この場合、図示は省略するが、冷媒回収装置100に第4センサ14を取り付ける必要がなくなる。
【0139】
また、変形例1Dに係る冷媒回収装置100は、第1熱交換器90と、第2熱交換器50と、でファンを共用とするものであってもよい。例えば、ファン95から送られる空気が、第1熱交換器90を通過した後に、第2熱交換器50に流れるように、各機器の配置位置が調整されているものであってもよい。
【0140】
(6-5)変形例1E
上記実施形態では、第3値として、圧縮機80の電力値が計測される例について説明した。しかしながら、第3値の例はこれに限定されるものではなく、第3値は例えば、圧縮機80の電流値であってもよい。この場合、冷媒回収装置100は、第3センサとして、電力計に代えて電流計を有する。また、圧縮機80の電力値は、第3センサ13が計測した電流値に対してコントローラ200が所定の演算を行うことで算出される。
【0141】
(6-6)変形例1F
上記実施形態では、回収量推定部220が、第1ポート101の近傍の冷媒温度を参照することで、液回収状態であることを判断する例について説明した。しかしながら、回収量推定部220が液回収状態であることを判断する方法は、これに限定されるものではない。例えば、冷媒回収装置100は、膨張機構40の下流側の冷媒温度を計測するセンサを備えるものであってもよく、回収量推定部220は、膨張機構40の下流側の冷媒温度に基づいて液回収状態を判断するものであってもよい。
【0142】
なお、ここでは図示を省略するが、膨張機構40の下流側の冷媒温度を計測するセンサは、例えば第2管32に配置される。
【0143】
(6-7)変形例1G
上記実施形態では、回収量推定部220が、第1補正計測値と冷媒の種類と、に基づいて吸入飽和圧力を演算する例について説明した。しかしながら、回収量推定部220による吸入飽和圧力の推定方法はこれに限定されるものではない。例えば、冷媒回収装置100は、膨張機構40の下流側の冷媒温度を計測するセンサを備えるものであってもよく、回収量推定部220は、膨張機構下流側の冷媒温度を所定の補正値(第2補正値)で補正した第2補正計測値を用いて、吸入飽和圧力を演算するものであってもよい。
【0144】
図4のグラフの破線に示されているように、点Aから点Bに示される時間帯(冷媒が液状態である時間帯)において、膨張機構40の下流側における冷媒温度の挙動(
図4のグラフの破線参照)と、吸入飽和温度(
図4のグラフの実線参照)の挙動とは酷似している。このことから、本願発明者は、膨張機構40の下流側における冷媒温度に対して所定の補正値(第2補正値)による補正を行うことで、吸入飽和温度に相当する値を算出できることを見出している。
【0145】
なお、ここでは図示を省略するが、膨張機構40の下流側の冷媒温度を計測するセンサは、例えば第2管32に配置される。
【0146】
(6-8)変形例1H
上記実施形態では、回収量推定部220が、液回収量に所定の推定パラメータを乗じることで、ガス回収量を推定する例について説明した。しかしながら、回収量推定部220によるガス回収量の推定方法は、これに限定されるものではない。
【0147】
例えば、記憶部300には、ガス回収状態の運転時間と、ガス回収量と、が関連付けられているデータセットが記憶されているものであってもよい。また、回収量推定部220は、ガス回収状態の運転時間を、図示しないタイマにより計測するものであってもよい。そして、回収量推定部220は、図示しないタイマにより計測されたガス回収状態の運転時間と、当該データセットとを参照することで、ガス回収量を推定するものであってもよい。
【0148】
(6-9)変形例1I
上記実施形態では説明を省略したが、コントローラ200は、更新部230としての機能を有するものであってもよい。更新部230は、例えば以下に示すような態様で、第1補正値、第2補正値、第3補正値、圧縮機効率、推定パラメータ、のうち少なくとも一つを更新する。
【0149】
変形例1Iでは、冷媒の回収作業が終了した後に、冷媒の回収作業を行った回収作業者が、冷媒の回収量の実測値を手動で記憶部300に記録する状況を想定する。
【0150】
変形例1Iに係る冷媒回収装置100では、記憶部300に、回収作業者によって実測された冷媒回収量が記録される。また、変形例1Iに係る冷媒回収装置100の記憶部300には、実測された冷媒回収量に関連付けて、圧縮機80の電力値、第1値、第4値及び液回収状態の運転時間が記憶される。さらに、変形例1Iに係る冷媒回収装置100の記憶部300には、第1補正値、第3補正値、推定パラメータ、圧縮機効率をパラメータとして、圧縮機80の電力値、第1値、第4値及び液回収状態の運転時間から、冷媒回収量の推定値を推定する所定の推定式が記憶されている。
【0151】
ここで、更新部230は、所定量のデータが蓄積されると、最適化問題として、冷媒回収量の実測値と冷媒回収量の推定値との平均二乗誤差が最小となるようなパラメータ(第1補正値、第3補正値、推定パラメータ、圧縮機効率)を算出し、当該パラメータを更新する。最適化には、例えば再急降下法やニュートン法等を用いる。このように、所定量のデータが蓄積される度に、第1補正値、第3補正値、圧縮機効率、推定パラメータの値を更新することで、冷媒回収量の推定精度を向上させることができる。
【0152】
なお、変形例1Gで説明したように、吸入飽和圧力を演算する際に、第1補正値に代えて第2補正値を用いた場合は、更新部230は、第2補正値、第3補正値、推定パラメータ、圧縮機効率を更新する。
【0153】
(6-10)変形例1J
上記実施形態では、特定部210が、フロン系冷媒である冷媒の種類を特定する例について説明した。しかしながら、特定部210が特定可能な冷媒の種類はフロン系冷媒に限定されるものではなく、特定部210は、様々な種類の冷媒を特定することができる。同様に、回収量推定部220は、様々な種類の冷媒の回収量を推定することができる。
【0154】
(6-11)変形例1K
上記実施形態では、冷媒回収装置100の特定部210が、冷媒の種類を特定する例について説明した。しかしながら、特定部210の構成はこれに限定されるものではなく、特定部210としての機能の一部は、図示しないサーバ等によって実現されるものであってもよい。例えば、冷媒回収装置100は、図示しない通信機器によって、特定部210としての機能の一部を有するサーバに、第1値や第2値を送信するものであってもよい。そして、サーバにおいて行われた演算の結果が、冷媒回収装置100に送信されるものであってもよい。この時、サーバにおいて行われた演算の結果が、回収作業者の有する携帯端末等に送信されるものであってもよい。言い換えると、特定された冷媒の種類が、回収作業者の有するスマートフォンやタブレット等に送信されるものであってもよい。
【0155】
同様に、回収量推定部220としての機能の一部は、図示しないサーバ等によって実現されるものであってもよい。この場合、冷媒回収装置100は、図示しない通信機器によって、特定部210としての機能の一部を有するサーバに、第1値や第2値や第3値や第4値や第5値を送信するものであってもよい。そして、サーバにおいて行われた演算の結果が、冷媒回収装置100に送信されるものであってもよい。この時、サーバにおいて行われた演算の結果が、回収作業者の有する携帯端末等に送信されるものであってもよい。言い換えると、推定された冷媒回収量が、回収作業者の有するスマートフォンやタブレット等に送信されるものであってもよい。
【0156】
(6-12)変形例1L
上記実施形態では、第1センサ11、第2センサ12、第4センサ14、第5センサ15として、サーミスタが採用されている例について説明した。しかしながら、第1センサ11、第2センサ12、第4センサ14、第5センサ15の例はこれに限定されるものではなく、例えば熱電対であってもよい。この他、冷媒の温度を計測可能なセンサであって、比較的安価に入手可能なセンサが、第1センサ11、第2センサ12、第4センサ14、第5センサ15として適宜選択されればよい。
【0157】
<第2実施形態>
(7)構成
次に、本開示の第2実施形態に係る冷媒回収装置100Sについて説明を行う。第2実施形態では、第1実施形態と異なる構成についてのみ説明し、その他の説明は省略する。
【0158】
(7-1)コントローラ200S
コントローラ200Sは、冷媒回収装置100Sの各部と制御信号や情報等の送受信が可能なように電気的に接続されている。コントローラ200Sは、コンピュータにより実現されるものである。コントローラ200Sは、制御演算装置と記憶装置とを備える。制御演算装置には、CPU又はGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の演算処理を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。
図10は、制御演算装置により実現される各種の機能ブロックを示している。
図10に示すように、コントローラ200は、回収量推定部220Sや、更新部230や、出力部240としての機能を有する。また、コントローラ200の記憶部300Sは、データベースとして用いることができる。
【0159】
(7-1-2)記憶部
記憶部300Sは、コントローラ200SのROMやRAM等の記憶装置から構成される。記憶部300Sには、冷媒回収装置100Sの動作を制御するためのプログラムや、冷媒回収装置100Sが他の機器との通信を行う際に使用される通信プロトコル等が記憶される。また、記憶部300Sには、本願発明者が冷媒回収装置100Sの試験機(以下、単に「試験機」と呼ぶ場合がある)を運転することで得られた各種データが記憶されている。
【0160】
例えば、記憶部300Sには、液回収状態の運転時間と、液回収量と、が関連付けられたデータセットが記憶されている。また、記憶部300Sには、ガス回収状態の運転時間と、ガス回収量と、が関連付けられたデータセットが記憶されている。
【0161】
(7-1-3)回収量推定部
回収量推定部220Sは、図示しないタイマにより計測された液回収状態の運転時間と、図示しないタイマにより計測されたガス回収状態の運転時間と、記憶部300Sに記憶された各種データセットと、を参照することで、液回収量及びガス回収量を推定する。
【0162】
(7-2)出力部
冷媒回収装置100Sは、出力部240を備える。出力部240は、例えば液晶ディスプレイであり、回収量推定部220が推定した冷媒回収量を適宜表示することが可能である。なお、出力部240は、各種センサが計測した値等の各種情報を表示するものであってもよい。
【0163】
(8)特徴
(8-1)
本実施形態に係る冷媒回収装置100Sは、第1ポート101と、第2ポート102と、冷媒流路30と、回収量推定部220と、出力部240と、を備える。第1ポート101は、冷媒を回収される対象機器10を接続する。第2ポート102は、対象機器10から回収した冷媒を入れる容器110を接続する。冷媒流路30は、第1ポート101と第2ポート102とを結ぶ、冷媒流路30は、膨張機構40、圧縮機80および熱交換器90を少なくとも有する。回収量推定部220Sは、対象機器10から冷媒を回収している時間に基づいて、対象機器10から回収した冷媒の回収量を推定する。出力部240は、回収量推定部220Sが推定した結果を出力する。
【0164】
ここでは、回収量推定部220Sが、対象機器10から冷媒を回収している時間に基づいて、対象機器10から回収した冷媒の回収量を推定する。この構成によれば、回収作業者による誤認や誤記録が生じる恐れがない。このため、本実施形態に係る冷媒回収装置100Sでは、回収された冷媒の回収量を誤りなく特定することができる。回収された冷媒の種類が誤りなく特定されることで、回収された冷媒の管理が容易になる。
【0165】
<他の実施形態>
以上、本開示に係る実施形態を説明したが、請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【0166】
本開示は、上記各実施形態そのままに限定されるものではない。本開示は、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、本開示は、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の開示を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素は削除してもよい。さらに、異なる実施形態に構成要素を適宜組み合わせてもよい。従って、本実施形態はあらゆる点で一例に過ぎず、限定するものではないと考えるべきであり、これにより、当業者に自明のあらゆる修正が実施形態に含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0167】
10 対象機器
30 冷媒流路
40 膨張機構
60 不純物分離器
80 圧縮機
81 吸入口
82 吐出口
90 熱交換器(第1熱交換器)
100、100S 冷媒回収装置
101 第1ポート
102 第2ポート
110 容器
210 特定部
220、220S 回収量推定部
230 更新部
240 出力部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0168】