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特許7538902修飾されたリガンド依存性イオンチャネルおよび使用の方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】修飾されたリガンド依存性イオンチャネルおよび使用の方法
(51)【国際特許分類】
   C07K 19/00 20060101AFI20240815BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240815BHJP
   C07K 14/705 20060101ALI20240815BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20240815BHJP
   C07D 453/02 20060101ALN20240815BHJP
   C07D 471/08 20060101ALN20240815BHJP
【FI】
C07K19/00
C12N5/10
C07K14/705
C12N15/12 ZNA
C07D453/02
C07D471/08
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2023003807
(22)【出願日】2023-01-13
(62)【分割の表示】P 2019520933の分割
【原出願日】2017-07-07
(65)【公開番号】P2023040251
(43)【公開日】2023-03-22
【審査請求日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】62/359,534
(32)【優先日】2016-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/486,779
(32)【優先日】2017-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519003114
【氏名又は名称】ハワード ヒューズ メディカル インスティチュート
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】スターンソン スコット
(72)【発明者】
【氏名】リー ピーター
(72)【発明者】
【氏名】マグナス クリストファー
【審査官】大西 隆史
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-504966(JP,A)
【文献】MAGNUS, Christopher J. et al.,Science,2011年09月02日,Vol. 333, No. 6407,pp. 1292-1296,DOI: 10.1126/science.1206606
【文献】RUCKTOOA, Prakash et al.,The Journal of Biological Chemistry,2012年07月06日,Vol. 287, No. 28,pp. 23283-23293,DOI: 10.1074/jbc.M112.360347
【文献】MAROTTA, Christopher et al.,Chemistry & Biology,2015年08月20日,Vol. 22, No. 8,pp. 1063-1073,DOI: 10.1016/j.chembiol.2015.06.018
【文献】TEODORO, Rodrigo et al.,Molecules,2015年10月09日,Vol. 20, No. 10,pp. 18387-18421,DOI: 10.3390/molecules201018387
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 1/00- 19/00
C12N 15/00- 15/90
C12N 1/00- 7/08
C07D 451/00-461/00
C07D 471/00-471/22
A61K 31/00-33/44
A61P 1/00- 43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの修飾LGICサブユニットを含む修飾リガンド依存性イオンチャネル(LGIC)であって、該修飾LGICサブユニットが、
a)以下:
(i)配列番号:1、配列番号:2、または配列番号:11に記載の配列に対して少なくとも93%の配列同一性を有する配列;および
(ii)配列番号:1、配列番号:2、および配列番号:11において番号付けされたアミノ酸残基131に、L131A、L131G、L131M、L131N、L131Q、L131V、およびL131Fからなる群より選択されるアミノ酸置換
を含む、修飾アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7-nAChR)リガンド結合ドメイン(LBD)と、
b)セロトニン3受容体(5HT3)IPD、グリシン受容体(GlyR)IPD、ガンマ-アミノ酪酸(GABA)受容体IPD、およびアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7-nAChR)IPDからなる群より選択される受容体からのイオン細孔ドメイン(IPD)である、IPDと、
を含み;
外因性リガンドが、修飾LGICに選択的に結合し、かつそれを活性化し;かつ
修飾LGICが、前記修飾LGICサブユニットを欠いているLGICと比較して内因性アセチルコリンによる活性化に対する効力が低下している、
前記修飾LGIC。
【請求項2】
前記修飾α7-nAChR LBDが、アミノ酸残基77、79、115、139、141、175、210、216、217、および219の1~6ヵ所にアミノ酸置換をさらに含む、請求項1に記載の修飾LGIC。
【請求項3】
前記残基77にあるアミノ酸置換がW77FまたはW77Yであり;前記残基79にあるアミノ酸置換がQ79A、Q79G、またはQ79Sであり;前記残基115にあるアミノ酸置換がY115Fであり;前記残基139にあるアミノ酸置換がQ139GまたはQ139Lであり;前記残基175にあるアミノ酸置換がG175Kであり;前記残基210にあるアミノ酸置換がY210Fであり;前記残基216にあるアミノ酸置換がP216Iであり;前記残基217にあるアミノ酸置換がY217Fであり;かつ前記残基219にあるアミノ酸置換がD219Aである、請求項2に記載の修飾LGIC。
【請求項4】
前記修飾α7-nAChR LBDが、L131Gアミノ酸置換、Q139Lアミノ酸置換、およびY217Fアミノ酸置換を含む、請求項3に記載の修飾LGIC。
【請求項5】
前記修飾α7-nAChR LBDが、R27Dアミノ酸置換および/またはE41Rアミノ酸置換をさらに含む、請求項1に記載の修飾LGIC。
【請求項6】
前記IPDが、配列番号:7または配列番号:10において番号付けされた残基298にアミノ酸置換を含む修飾IPDである、請求項1に記載の修飾LGIC。
【請求項7】
前記修飾IPDが修飾GlyR IPDであり、かつ前記アミノ酸置換がA298G置換である、請求項6に記載の修飾LGIC。
【請求項8】
前記修飾IPDが修飾GABA IPDであり、かつ前記アミノ酸置換がW298A置換である、請求項6に記載の修飾LGIC。
【請求項9】
前記IPDが修飾ヒト5HT3 IPDであり、かつ該修飾ヒト5HT3 IPDが、配列番号:4において番号付けされたR420Qアミノ酸置換、R424Dアミノ酸置換、および/またはR428Aアミノ酸置換を含む、請求項1に記載の修飾LGIC。
【請求項10】
前記外因性LGICリガンドが、キヌクリジン、トロパン、9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン、バレニクリン、2-フェニル-7,8,9,10-テトラヒドロ-6H-6,10-メタノアゼピノ[4,5-g]キノキサリン、および1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンからなる群から選択される合成外因性LGICリガンドである、請求項1に記載の修飾LGIC。
【請求項11】
前記外因性LGICリガンドがキヌクリジンであり、かつ該キヌクリジンが、式II:
(式中、XはO、NH、またはCHであり、YはOまたはSであり、Aは芳香族置換基であり、かつRはHまたはピリジニルメチレンである)
に示される構造を有する、請求項10に記載の修飾LGIC。
【請求項12】
前記芳香族置換基が、1H-インドール、4-(トリフルオロメチル)ベンゼン、4-クロロベンゼン、2,5-ジメトキシベンゼン、4-(トリフルオロメチル)ベンゼン、4-クロロアニリン、アニリン、5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル、6-(トリフルオロメチル)ニコチン、3-クロロ-4-フルオロベンゼン、および1H-インドールからなる群から選択される、請求項11に記載の修飾LGIC。
【請求項13】
前記キヌクリジンが、PNU-282987、PHA-543613、化合物0456、化合物0434、化合物0436、化合物0354、化合物0353、化合物0295、化合物0296、化合物0536、化合物0676、および化合物0702からなる群から選択される、請求項11に記載の修飾LGIC。
【請求項14】
前記修飾α7-nAChR LBDが、配列番号:1、配列番号:2、または配列番号:11に記載の配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含む、請求項1に記載の修飾LGIC。
【請求項15】
前記修飾α7-nAChR LBDが、配列番号:1、配列番号:2、または配列番号:11に記載の配列に対して少なくとも97%の配列同一性を有する配列を含む、請求項1に記載の修飾LGIC。
【請求項16】
前記修飾α7-nAChR LBDが、配列番号:1、配列番号:2、または配列番号:11に記載の配列に対して少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含む、請求項1に記載の修飾LGIC。
【請求項17】
前記修飾α7-nAChR LBDが、配列番号:1、配列番号:2、または配列番号:11に記載の配列を含む、請求項1に記載の修飾LGIC。
【請求項18】
5つのLGICサブユニットを含む修飾リガンド依存性イオンチャネル(LGIC)であって、
少なくとも1つのLGICサブユニットが、以下:
a)配列番号:1、配列番号:2、または配列番号:11において番号付けされた残基131に、L131A、L131G、L131M、L131N、L131Q、L131V、およびL131Fからなる群より選択されるアミノ酸置換を有する、修飾アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7-nAChR)リガンド結合ドメイン(LBD)、と
b)セロトニン3受容体(5HT3)イオン細孔ドメインと
を含むキメラLGICサブユニットであり、
外因性リガンドが、修飾LGICに選択的に結合し、かつそれを活性化し、該外因性リガンドが、キヌクリジン、バレニクリン、トロピセトロン、またはグラニセトロンであり、かつ
該修飾LGICが、前記キメラLGICサブユニットを欠いているLGICと比較して内因性アセチルコリンによる活性化に対する効力が低下している、
前記修飾LGIC。
【請求項19】
前記α7-nAChR LBDが、配列番号:1、配列番号:2、および配列番号:11において番号付けされたQ139Lアミノ酸置換およびY217Fアミノ酸置換をさらに含む、請求項18に記載の修飾LGIC。
【請求項20】
5つのLGICサブユニットを含む修飾リガンド依存性イオンチャネル(LGIC)であって、
少なくとも1つのLGICサブユニットが、以下:
a)配列番号:1、配列番号:2、または配列番号:11において番号付けされた残基131に、L131A、L131G、L131M、L131N、L131Q、L131V、およびL131Fからなる群より選択されるアミノ酸置換を有する、修飾アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7-nAChR)リガンド結合ドメイン(LBD)、と
b)グリシン受容体(GlyR)イオン細孔ドメインと
を含むキメラLGICサブユニットであり、
外因性リガンドが、修飾LGICに選択的に結合し、かつそれを活性化し、該外因性リガンドが、トロピセトロン、バレニクリン、またはグラニセトロンであり、かつ
該修飾LGICが、前記キメラLGICサブユニットを欠いているLGICと比較して内因性アセチルコリンによる活性化に対する効力が低下している、
前記修飾LGIC。
【請求項21】
前記修飾α7-nAChR LBDが、配列番号:1、配列番号:2、および配列番号:11において番号付けされたQ139Lアミノ酸置換およびY217Fアミノ酸置換をさらに含む、請求項20に記載の修飾LGIC。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか一項に記載の修飾されたLGICサブユニットをコードする核酸。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2016年7月7日に出願された米国特許出願第62/359,534号の利益を主張し、2017年4月18日に出願された米国特許出願第62/486,779号の利益を主張する。これら先の出願の開示は、この出願の開示の一部とみなされる(そして、本願の開示において引用により組み込まれる)。
【0002】
1.技術分野
本明細書は、リガンド依存性イオンチャネル(LGIC)活性を制御するための材料および方法に関する。例えば、本明細書は、修飾リガンド結合ドメイン(LBD)および/または修飾イオン細孔ドメイン(IPD)を有する少なくとも1つのLGICサブユニットを含む修飾LGICを供する。修飾LGICに結合してそれを活性化することができる外因性LGICリガンドも供される。特定の場合、修飾LGICおよび外因性リガンドは、チャネル障害(例えば、神経チャネル障害または筋肉チャネル障害)を有する哺乳動物を治療するのに用いることができる。特定の場合、修飾LGICおよび外因性LGICリガンドは、哺乳動物の細胞の膜を横切るイオン輸送を調節(例えば、活性化または阻害)するのに用いることができる。特定の場合、修飾LGICおよび外因性LGICリガンドは、哺乳動物における細胞の興奮性を調節する(例えば、増加または減少させる)のに用いることができる。
【背景技術】
【0003】
2.背景情報
イオンチャネルは細胞内のイオンフラックスを媒介し、それはそれらの生物学的機能に深く影響を及ぼす。これの顕著な例はニューロンにあり、ここでは、イオンチャネルが生理学、感覚、行動、気分、および認知に影響を与えるためにニューロン間の電気信号伝達を制御する。
【0004】
異なるLGICは、明確なリガンド結合特性および特定のイオン伝導特性を有する(Hille 2001 Ion Channels of Excitable Membranes. pp. 814. Sunderland, MA: Sinauer Associates(非特許文献1); Kandel et al 2000 Principles of Neural Science. USA: McGraw-Hill Co. 1414 pp(非特許文献2))。たとえば、ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)は、内因性リガンドアセチルコリン(ACh)に結合し、それがカチオンのコンダクタンスを活性化し、典型的には細胞を脱分極し、それによって細胞の興奮性を増加させる。対照的に、グリシン受容体(GlyR)は、内因性リガンドであるグリシンに結合し、それは塩化物アニオンのコンダクタンスを活性化し、典型的には過分極および/または細胞膜抵抗の電気シャントによって細胞の興奮性を低下させる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】Hille 2001 Ion Channels of Excitable Membranes. pp. 814. Sunderland, MA: Sinauer Associates
【文献】Kandel et al 2000 Principles of Neural Science. USA: McGraw-Hill Co. 1414 pp
【発明の概要】
【0006】
概要
AChなどの内因性LGICアゴニストのレベルは、容易には制御されない。
本明細書は、LGIC活性を制御する(例えば、外因性リガンドに対するLGICの感度を高める、および/またはAChなどの内因性リガンドに対する感度を低下させる)ための材料および方法を供する。例えば、本明細書は、LBDおよびIPDを有し、かつ、少なくとも1つの修飾されたアミノ酸(例えば、アミノ酸置換)を有する、少なくとも1つの修飾されたLGICサブユニットを含む、修飾されたLGICを供する。修飾LGICに結合してそれを活性化することができる外因性LGICリガンドも供される。特定の場合には、修飾LGICおよび外因性リガンドは、チャネル障害(例えば、神経チャネル障害または筋肉チャネル障害)を有する哺乳動物を治療するのに用いることができる。特定の場合、修飾LGICおよび外因性LGICリガンドは、哺乳動物の細胞の膜を横切るイオン輸送を調節(例えば、活性化または阻害)するのに用いることができる。特定の場合、修飾LGICおよび外因性LGICリガンドは、哺乳動物における細胞の興奮性を調節する(例えば、増加または減少させる)のに用いることができる。
【0007】
LGIC活性を制御する能力を有することは、細胞内のイオン輸送の制御を達成するためのユニークでまだ実現されていない機会を提供する。たとえば、1つまたは複数の外因性LGICリガンドに対して増加された感度を有する修飾LGICは、外因性LGICリガンドの送達に基づいてイオン輸送および/または細胞興奮性の時間的および空間的制御を提供するのに用いることができる。たとえば、内因性LGICリガンドに対して低下された感度を有する修飾LGICは、修飾LGICの望ましくない活性化を防ぎ、外因性リガンドによる修飾LGICに対する選択的制御を可能にする。さらに、修飾LGICに対して増強された効力を有する外因性LGICリガンドは、内因性イオンチャネルに対する修飾LGICの標的化の選択性を改善する。したがって、本明細書で供される修飾LCIGおよび外因性LGICリガンドは、意図しない標的に対する小分子からの副作用を軽減しながら治療効果を達成するのに有用である。
【0008】
本明細書中に記載されるように、修飾LGICにおける1つまたは複数の変異は、外因性LGICリガンドに対する効力を増強することができる。 残基L131でのα7-GlyRのα7 LBDの突然変異(例えば、LeuをGlyまたはAlaで置換する)は、バレニクリン(16倍)およびトロピセトロン(3.6倍)について効力を増加させながら、α7-GlyRに対するACh効力(-6.4倍)を減少させた。残基G175(例えば、G175K)またはP216(例えば、P216I)でのα7-GlyRのα7 LBDの突然変異は、ACh、ニコチン、トロピセトロン、バレニクリン、ならびに他のキヌクリジンおよびトロパンアゴニストに対する効力を増強した。残基G175Kでの変異を内因性アゴニストAChの効力を低下させる変異(例えば、Y115F)と組み合わせると、トロピセトロンに対する効力が上昇し(5.5倍)、AChからの効力が低下する(-8倍)α7-GlyR Y115F G175Kが生成された。さらに、これらのキメラチャネルにおける残基77(例えば、TrpをPheまたはTyrに置換する)および/または79(例えば、GlnをGly、Ala、またはSerに置換する)および/または131(例えばLeuをGlyまたはAlaに置換する)および/または141(例えば、LeuをPheまたはProに置換する)におけるα7 LBDにおける変異を、残基G175(例えば、G175K)またはP216(例えば、P216I)における効力を増強する変異と組み合わせると、異なるリガンドに対する効力を高め、および/またはACh効力を低下させる。例えば、残基79の突然変異(例えばGlnをGlyに置換)、残基115の突然変異(例えばTyrをPheに置換)、および残基175の突然変異(例えばGlyをLysに置換)を有するα7 nAChR LBD(α7 LBD)を有するキメラα7-GlyR LGICは、外因性トロパンLGICリガンド化合物723(トロパン)に対して100倍を超える増加した感度を有し、未修飾キメラα7-GlyR LGICに対して減少したACh感度(-15倍)を有する。さらに、残基79に突然変異を有する(例えば、GlnをAla、Gly、またはSerに置換する)α7 nAChR LBD(α7 LBD)、および残基298に突然変異を有する(例えば、AlaをGlyに置換する)GlyR IPDを有する少なくとも1つのキメラLGICサブユニットを含む修飾LGICは、キヌクリジンまたはトロパンのような外因性LGICリガンドに対してほぼ20倍増加した感度を有する。α7 LBDの残基27(例えば、ArgをAspに置換する)および41(例えば、GluをArgに置換する)におけるさらなる変異は、修飾キメラLGICと未修飾イオンチャネルとの会合を減少させた。α7 LBDの残基115(例えば、TyrをPheに置換する)、139(例えば、GlnをGlyまたはLeuに置換する)、210(例えば、TyrをPheに置換する)、217(例えば、TyrをPheに置換する)、および/または219(例えば、AspをAlaで置換する)におけるさらなる変異は、内因性リガンドAChに対するキメラLGICの感受性を低下させた。これらのキメラLGICは、哺乳動物における内因性シグナル伝達系との交差反応性を最小にしながら、哺乳動物の細胞における細胞機能に対する高度に選択的な制御を可能にする。
【0009】
概して、本明細書の一態様は、アミノ酸修飾を有するLBDとIPDとを含む少なくとも1つの修飾されたLGICサブユニットを有する修飾されたLGICであって、外因性LGICリガンドが修飾されたLGICを活性化する、修飾されたLGICを特徴とする。その修飾LGICは、第一のLGICからのLBDおよび第二のLGICからのIPDを有するキメラLGICであり得る。LBDは、アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7-nAChR)LBDであり得る。α7-nAChR LBD中の少なくとも1つの修飾アミノ酸が、α7-nAChR LBDの残基77、79、131、139、141、175、および216からなる群から選択されるアミノ酸残基におけるアミノ酸置換を含む、請求項3に記載の修飾LGIC。アミノ酸置換は、α7 LBDの残基79であり得、アミノ酸置換は、Q79A、Q79G、またはQ79Sであり得る。例えば、α7 LBDの残基79におけるアミノ酸置換は、Q79Gであり得る。IPDは、セロトニン3受容体(5HT3)IPD、グリシン受容体(GlyR)IPD、ガンマ-アミノ酪酸(GABA)受容体IPD、またはα7-nAChR IPDであり得る。IPDはGlyR IPDであり得、GlyR IPDはキメラLGICの残基298にアミノ酸置換(例えば、A298G置換)を含み得る。IPDはGABA IPDであり得、GABA IPDは修飾LGICの残基298にアミノ酸置換(例えば、W298A置換)を含み得る。修飾LGICは、Q79Gアミノ酸置換を有するα7 LBD、およびA298Gアミノ酸置換を有するGlyR IPDを含むキメラLGICであり得る。外因性LGICリガンドは、キヌクリジン、トロパン、9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン、6,7,8,9-テトラヒドロ-6,10-メタノ-6H-ピラジノ(2,3-h)ベンズアゼピン、および1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンからなる群から選択される合成外因性LGICリガンドであり得る。合成外因性LGICリガンドがトロパンである場合、トロパンは、トロピセトロン、擬似トロピセトロン、ノルトロピセトロン、化合物723、化合物725、化合物737、または化合物745であり得る。合成外因性LGICリガンドがキヌクリジンである場合、キヌクリジンは、PNU-282987、PHA-543613、化合物0456、化合物0434、化合物0436、化合物0354、化合物0353、化合物0295、化合物0296、化合物0536、化合物0676、または化合物702であり得る。合成外因性LGICリガンドが6,7,8,9-テトラヒドロ-6,10-メタノ-6H-ピラジノ(2,3-h)ベンズアゼピンである場合、リガンドは化合物765または化合物770であり得る。合成外因性LGICリガンドが1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンである場合、リガンドは化合物773または化合物774であり得る。特定の場合において、LBDはα7 LBDであり得、α7 LBDはまた、非修飾LGICへの結合に勝る、少なくとも1つの修飾アミノ酸を有する別のα7 LBDへの選択的結合を付与する少なくとも1つの修飾アミノ酸を含み得る。未修飾LGICは、内因性LGIC(例えば、内因性α7-nAChR)であり得る。非修飾LGICへの結合の減少をもたらすα7 LBD中の少なくとも1つの修飾アミノ酸は、残基27(例えばR27D置換)および/または残基41(例えばE41R置換)でのアミノ酸置換を含み得る。場合によっては、IPDは5HT3 IPDであり得、5HT3 IPDは、修飾LGICに増大したイオン伝導性(コンダクタンス)を付与する少なくとも1つの修飾アミノ酸を含み得る。修飾LGICにイオン伝導度の増加を付与する5HT3 IPD中の少なくとも1つの修飾アミノ酸は、残基425(例えば、R425Q置換)、429(例えば、R429D置換)、および/または433(例えば、R433A置換)のアミノ酸残基におけるアミノ酸置換を含み得る。
【0010】
別の態様では、本明細書は、少なくとも1つの修飾アミノ酸を有するLBDおよびIPDを含む少なくとも1つの修飾されたLGICサブユニットを有する修飾LGICを特徴とし、ここで、LBD中の少なくとも1つの修飾アミノ酸は内因性LGICリガンドとの結合を低減させる。修飾LGICは、第一のLGICからのLBDおよび第二のLGICからのIPDを有するキメラLGICであり得る。内因性LGICリガンドはAChであり得る。修飾LGICは、Achに対して20μMを超えるEC50を有し得る。少なくとも1つの修飾アミノ酸は、残基115、139、210、217、および/または219でのアミノ酸置換を含み得る。少なくとも1つの修飾アミノ酸が残基115でのアミノ酸置換を含む場合、アミノ酸置換はY115F置換であり得る。少なくとも1つの修飾アミノ酸が残基139にアミノ酸置換を含む場合、アミノ酸置換はQ139GまたはQ139L置換であり得る。少なくとも1つの修飾アミノ酸が残基210にアミノ酸置換を含む場合、アミノ酸置換はY210F置換であり得る。少なくとも1つの修飾アミノ酸が残基217にアミノ酸置換を含む場合、アミノ酸置換はY217F置換であり得る。少なくとも1つの修飾アミノ酸が残基219にアミノ酸置換を含む場合、アミノ酸置換はD219A置換であり得る。
【0011】
別の態様では、本明細書は、修飾されたリガンド依存性イオンチャネル(LGIC)に対して増加した効力を有するリガンドを特徴とし、ここで、そのリガンドは式I:
(式中、X1、X2、およびX3のそれぞれは、独立して、CH、CH2、O、NH、またはNMeであり得、各nは独立して0または1であり得、YはOまたはSであり、Aは芳香族置換基であり、RはHまたはピリジニルメチレンである)
を含む。芳香族置換基は、1H-インドール、4-(トリフルオロメチル)ベンゼン、2,5-ジメトキシベンゼン、4-クロロアニリン、アニリン、5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル、6-(トリフルオロメチル)ニコチン(nicotinic)、または4-クロロベンゼンであり得る。
【0012】
特定の場合、LGICリガンドはキヌクリジンであり得、式II:
(式中、X3は、O、NH、またはCH2であり、Yは、OまたはSであり、Aは芳香族置換基であり、RはHまたはピリジニルメチレンである)
に示される構造を有し得る。芳香族置換基は、1H-インドール、4-(トリフルオロメチル)ベンゼン、4-クロロベンゼン、2,5-ジメトキシベンゼン、4-(トリフルオロメチル)ベンゼン、4-クロロアニリン、アニリン、5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル、6-(トリフルオロメチル)ニコチン、3-クロロ-4-フルオロベンゼン、または1H-インドールであり得る。キヌクリジンは、PNU-282987、PHA-543613、化合物0456、化合物0434、化合物0436、化合物0354、化合物0353、化合物0295、化合物0296、化合物0536、化合物0676、または化合物702であり得る。
【0013】
特定の場合、LGICリガンドトロパンであり得、式III:
(式中、X2はNHまたはNMeであり、X3はO、NH、またはCH2であり、YはOまたはSであり、Aは芳香族置換基である)
に示す構造を有し得る。芳香族置換基は、1H-インドール、7-メトキシ-1H-インドール、7-メチル-1H-インドール、5-クロロ-1H-インドール、または1H-インダゾールであり得る。トロパンは、トロピセトロン、擬似トロピセトロン、ノルトロピセトロン、化合物723、化合物725、化合物737、または化合物745であり得る。
【0014】
特定の場合、LGICリガンドは、9-アザビシクロ[3.3.1]ノナンであり得、そして式IV:
(式中、X1はCHであり得、X2はNHまたはNMeであり得、X3はO、NH、またはCHであり得、YはOまたはSであり得、Aは芳香族置換基であり得る)
に示される構造を有し得る。芳香族置換基は、4-クロロ-ベンゼンであり得る。9-アザビシクロ[3.3.1]ノナンは化合物0536であり得る。
【0015】
別の態様では、本明細書は、修飾されたリガンド依存性イオンチャネル(LGIC)に対して増大した効力を有するリガンドを特徴とする。ここで、そのリガンドは、6,7,8,9-テトラヒドロ-6,10-メタノ-6H-ピラジノ(2,3-h)ベンズアゼピンであり得、式V:
(式中、RはHまたはCH3であり得、AはHまたは芳香族置換基であり得る)
に示す構造を有し得る。6,7,8,9-テトラヒドロ-6,10-メタノ-6H-ピラジノ(2,3-h)ベンズアゼピンは、バレニクリン、化合物0765、または化合物0770であり得る。
【0016】
別の態様では、本明細書は、修飾リガンド依存性イオンチャネル(LGIC)に対して増大した効力を有するリガンドを特徴とする。ここで、そのリガンドは、1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンであり得、式VI:
(式中、RはH、F、またはNOであり得る)
に示す構造を有し得る。1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンは、3-(1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-4-イル)ジベンゾ[b、d]チオフェン5,5-ジオキシド、化合物0773、または化合物0774であり得る。
【0017】
別の態様では、本明細書は、哺乳動物においてチャネル障害を治療する方法を特徴とする。この方法は、哺乳動物において細胞に修飾LGICを投与することを含み、または本質的にそれからなり、ここで、外因性LGICリガンドは修飾LGICに選択的に結合する。修飾LGICは、少なくとも1つの修飾アミノ酸を含むLBDおよびIPDを含む少なくとも1つの修飾されたLGICサブユニットを有する。そして外因性リガンドが哺乳動物に投与される。チャネル障害は、バーター症候群、ブルガダ症候群、カテコールアミン作動性多形性心室頻拍症(CPVT)、先天性高インスリン血症、嚢胞性線維症、ドラベ症候群、一過性運動失調症(episodic ataxia)、先端紅痛症、全般てんかん(たとえば、熱性発作を伴うもの)、家族性片麻痺性片頭痛、線維筋痛症、高カリウム血性周期性四肢麻痺、低カリウム血性周期性四肢麻痺、ランバート-イートン(Lambert-Eaton)筋無力症候群、QT延長症候群(たとえば、ロマノ-ワード(Romano-Ward)症候群)、QT短縮症候群、悪性高熱症、ムコリピドーシスIV型、重症筋無力症、先天性ミオトニー、視神経脊髄炎、神経ミオトニー、非症候性難聴、先天性パラミオトニア、網膜色素変性症、チモシー症候群、耳鳴り、発作、三叉神経痛、および多発性硬化症であり得る。
【0018】
別の態様において、本明細書は、哺乳動物の細胞膜を横切るイオン輸送を調節する方法を特徴とする。この方法は、修飾LGICを細胞に投与することを含むか、または本質的にそれからなり、ここで、外因性LGICリガンドは修飾LGICに選択的に結合する。修飾LGICは、少なくとも1つの修飾アミノ酸を含むLBDおよびIPDを含む少なくとも1つの修飾LGICサブユニットを有する。そして、外因性リガンドは哺乳動物に投与される。調節は、イオン輸送を活性化または阻害することを含み得る。細胞は、ニューロン、グリア細胞、筋細胞、幹細胞、内分泌細胞、または免疫細胞であり得る。細胞への修飾LGICの投与は、インビボ投与またはエクスビボ投与であり得る。修飾LGICの細胞への投与は、修飾LGICをコードする核酸の投与を含み得る。
【0019】
別の態様において、本明細書は、哺乳動物において細胞の興奮性を調節する方法を特徴とする。この方法は、哺乳動物由来の細胞に修飾LGICを投与することを含むか、または本質的にそれからなり、ここで、外因性LGICリガンドは修飾LGICに選択的に結合する。修飾LGICは、少なくとも1つの修飾アミノ酸を含むLBDおよびIPDを含む少なくとも1つの修飾LGICサブユニットを有する。そして、外因性リガンドが哺乳動物に投与される。調節は、細胞の興奮性を増加させること、または細胞の興奮性を減少させることを含み得る。細胞は興奮性細胞であり得る。細胞は、ニューロン、グリア細胞、筋細胞、幹細胞、内分泌細胞、または免疫細胞であり得る。細胞への修飾LGICの投与は、インビボ投与またはエクスビボ投与であり得る。修飾LGICの細胞への投与は、修飾LGICをコードする核酸の投与を含み得る。
【0020】
別の態様において、本明細書は、哺乳動物において細胞の活性を調節する方法を特徴とする。この方法は、修飾LGICを細胞に投与することを含むか、または本質的にそれからなり、ここで、外因性LGICリガンドは修飾LGICに選択的に結合する。修飾LGICは、少なくとも1つの修飾アミノ酸を含むLBDおよびIPDを含む少なくとも1つの修飾LGICサブユニットを有する。そして、外因性リガンドが哺乳動物に投与される。調節は、細胞の活性を増加させることまたは細胞の活性を減少させることを含み得る。活性は、イオン輸送、受動輸送、興奮、阻害、またはエキソサイトーシスであり得る。細胞は、ニューロン、グリア細胞、筋細胞、幹細胞、内分泌細胞、または免疫細胞であり得る。細胞への修飾LGICの投与は、インビボ投与またはエクスビボ投与であり得る。修飾LGICの細胞への投与は、修飾LGICをコードする核酸の(例えば、アデノ関連性ウイルス、単純ヘルペスウイルス、またはレンチウイルスなどのウイルスベクターを介しての)投与を含み得る。
【0021】
他の態様では、本文献は、修飾LGICに選択的に結合するリガンドを同定するための方法を特徴とする。 この方法は、本明細書に記載の修飾LGICに対する1つまたは複数の候補リガンドを供し、そして、候補リガンドと修飾LGICとの間の結合を検出し、それによって修飾LGICに選択的に結合するリガンドを同定することを含むか、またはそれらから本質的になる。修飾LGICはホモマー修飾LGICであり得る。
【0022】
他の態様では、本明細書は、修飾LGICを検出するための方法を特徴とする。この方法は、本明細書に記載の1つまたは複数の修飾LGICサブユニットを供し、修飾LGICに選択的に結合する剤を供し、そして、修飾LGICと修飾LGICに選択的に結合する剤との間の結合を検出することによって修飾LGICを検出することを含むか、またはそれらから本質的になる。修飾LGICを選択的に結合する剤は、抗体、タンパク質(例えば、ブンガロトキシン)、または小分子(例えば、陽電子放出断層撮影(PET)リガンド)であり得る。修飾LGICに選択的に結合する剤は、検出可能な標識(例えば、蛍光標識、放射性標識、または陽電子放出標識)を含み得る。
【0023】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。方法および材料は、本開示における使用のために本明細書に記載される。当該分野で公知の他の適切な方法および材料もまた使用され得る。材料、方法、および例は例示にすぎず、限定することを意図しない。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、配列、データベースエントリー、および他の参考文献は、その全体が引用により組み込まれる。矛盾がある場合は、定義を含め、本明細書が優先するであろう。
【0024】
[本発明1001]
少なくとも1つの修飾LGICサブユニットを含む修飾リガンド依存性イオンチャネル(LGIC)であって、該修飾LGICサブユニットが、
アミノ酸修飾を含むリガンド結合ドメイン(LBD)と、
イオン細孔ドメイン(IPD)と、
を含む、修飾リガンド依存性イオンチャネル。
[本発明1002]
第1のLGICからのLBDおよび第2のLGICからのIPDを含むキメラLGICである、本発明1001の修飾LGIC。
[本発明1003]
前記LBDが、アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7-nAChR)LBDである、本発明1001の修飾LGIC。
[本発明1004]
前記アミノ酸修飾が、α7-nAChR LBDの残基77、79、115、131、139、141、175、210、216、217、および219からなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸残基におけるアミノ酸置換を含む、本発明1003の修飾LGIC。
[本発明1005]
前記アミノ酸置換が、α7-nAChR LBDの残基77にあり、かつ、該アミノ酸置換が、W77FおよびW77Yからなる群から選択される、本発明1004の修飾LGIC。
[本発明1006]
前記アミノ酸置換が、α7-nAChR LBDの残基79にあり、かつ、該アミノ酸置換が、Q79A、Q79G、およびQ79Sからなる群から選択される、本発明1004の修飾LGIC。
[本発明1007]
前記アミノ酸置換が、α7-nAChR LBDの残基115にあり、かつ、該アミノ酸置換が、Y115F置換である、本発明1004の修飾LGIC。
[本発明1008]
前記アミノ酸置換が、α7-nAChR LBDの残基131にあり、かつ、該アミノ酸置換が、L131A、L131G、L131M、およびL131Nからなる群から選択される、本発明1004の修飾LGIC。
[本発明1009]
前記アミノ酸置換が、α7-nAChR LBDの残基139にあり、かつ、該アミノ酸置換が、Q139GおよびQ139Lからなる群から選択される、本発明1004の修飾LGIC。
[本発明1010]
前記アミノ酸置換が、α7-nAChR LBDの残基175にあり、かつ、該アミノ酸置換が、G175A、G175F、G175H、G175K、G175M、G175R、G175S、およびG175Vからなる群から選択される、本発明1004の修飾LGIC。
[本発明1011]
前記アミノ酸置換が、α7-nAChR LBDの残基210にあり、かつ、該アミノ酸置換が、Y210F置換である、本発明1004の修飾LGIC。
[本発明1012]
前記アミノ酸置換が、α7-nAChR LBDの残基216にあり、かつ、該アミノ酸置換が、P216I置換である、本発明1004の修飾LGIC。
[本発明1013]
前記アミノ酸置換が、α7-nAChR LBDの残基217にあり、かつ、該アミノ酸置換が、Y217F置換である、本発明1004の修飾LGIC。
[本発明1014]
前記アミノ酸置換が、α7-nAChR LBDの残基219にあり、かつ、該アミノ酸置換が、D219A置換である、本発明1004の修飾LGIC。
[本発明1015]
前記α7-nAChR LBDが、L131Gアミノ酸置換、Q139Lアミノ酸置換、およびY217Fアミノ酸置換を含む、本発明1004の修飾LGIC。
[本発明1016]
前記α7-nAChR LBDが、L131Mアミノ酸置換およびY115Fアミノ酸置換を含む、本発明1004の修飾LGIC。
[本発明1017]
前記α7-nAChR LBDが、W77Fアミノ酸置換、Q79Gアミノ酸置換、およびG175Kアミノ酸置換を含む、本発明1004の修飾LGIC。
[本発明1018]
前記α7-nAChR LBDが、Q79Gアミノ酸置換、Y115Fアミノ酸置換、およびG175Kアミノ酸置換を含む、本発明1004の修飾LGIC。
[本発明1019]
前記α7-nAChR LBDが、Y115Fアミノ酸置換およびG175Kアミノ酸置換を含む、本発明1004の修飾LGIC。
[本発明1020]
前記α7-nAChR LBDが、Q79Gアミノ酸置換および216Iアミノ酸置換を含む、本発明1004の修飾LGIC。
[本発明1021]
前記IPDが、セロトニン3受容体(5HT3)IPD、グリシン受容体(GlyR)IPD、ガンマ-アミノ酪酸(GABA)受容体IPD、およびアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7-nAChR)IPDからなる群から選択される受容体からのIPDである、本発明1001の修飾LGIC。
[本発明1022]
前記IPDが、残基298にアミノ酸置換を含む、本発明1021の修飾LGIC。
[本発明1023]
前記IPDが、GlyR IPDであり、かつ、前記アミノ酸置換が、A298G置換である、本発明1022の修飾LGIC。
[本発明1024]
前記IPDが、GABA IPDであり、かつ、前記アミノ酸置換が、W298A置換である、本発明1022の修飾LGIC。
[本発明1025]
外因性LGICリガンドが前記修飾LGICを活性化し、該外因性LGICリガンドが、キヌクリジン、トロパン、9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン、6,7,8,9-テトラヒドロ-6,10-メタノ-6H-ピラジノ(2,3-h)ベンズアゼピン、および1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンからなる群から選択される合成外因性LGICリガンドである、本発明1001の修飾LGIC。
[本発明1026]
前記合成外因性LGICリガンドが、トロパンであり、かつ、該トロパンが、トロピセトロン、擬似-トロピセトロン、ノルトロピセトロン、化合物723、化合物725、化合物737、および化合物745からなる群から選択される、本発明1025の修飾LGIC。
[本発明1027]
前記合成外因性LGICリガンドが、キヌクリジンであり、該キヌクリジンが、PNU-282987、PHA-543613、化合物0456、化合物0434、化合物0436、化合物0354、化合物0353、化合物0295、化合物0296、化合物0536、化合物0676、および化合物702からなる群から選択される、本発明1025に載の修飾LGIC。
[本発明1028]
前記合成外因性LGICリガンドが、9-アザビシクロ[3.3.1]ノナンであり、かつ、該9-アザビシクロ[3.3.1]ノナンが、化合物536である、本発明1025の修飾LGIC。
[本発明1029]
前記合成外因性LGICリガンドが、6,7,8,9-テトラヒドロ-6,10-メタノ-6H-ピラジノ(2,3-h)ベンズアゼピンであり、かつ、該6,7,8,9-テトラヒドロ-6,10-メタノ-6H-ピラジノ(2,3-h)ベンズアゼピンが、バレニクリン、化合物765、および化合物770からなる群から選択される、本発明1025の修飾LGIC。
[本発明1030]
前記合成外因性LGICリガンドが、1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンであり、かつ、該1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンが、3-(1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-4-イル)ジベンゾ[b,d]チオフェン5,5-ジオキシド、化合物773、および化合物774からなる群から選択される、本発明1025の修飾LGIC。
[本発明1031]
前記LBDが、α7-nAChR LBDであり、かつ、該α7-nAChR LBDが、未修飾LGICへの結合よりも、少なくとも1つの修飾アミノ酸を有する別のα7-nAChR LBDへ選択的な結合を付与する少なくとも1つの修飾アミノ酸をさらに含む、本発明1001の修飾LGIC。
[本発明1032]
前記未修飾LGICが内因性LGICである、本発明1031の修飾LGIC。
[本発明1033]
前記内因性LGICが内因性α7-nAChRである、本発明1032の修飾LGIC。
[本発明1034]
前記選択的結合を付与する少なくとも1つの修飾アミノ酸が、α7-nAChR LBDの残基27および/または残基41のアミノ酸残基におけるアミノ酸置換を含む、本発明1031の修飾LGIC。
[本発明1035]
前記少なくとも1つの修飾アミノ酸が、R27D置換および/またはE41R置換を含む、本発明1034の修飾LGIC。
[本発明1036]
前記IPDが、マウス5HT3 IPDであり、かつ、該マウス5HT3 IPDが、前記修飾LGICに増加したイオン伝導性を付与する少なくとも1つの修飾アミノ酸をさらに含む、本発明1001の修飾LGIC。
[本発明1037]
前記修飾LGICに増加したイオン伝導性を付与するマウス5HT3 IPD中の少なくとも1つの修飾アミノ酸が、マウス5HT3 IPDの残基425、429、および/または433のアミノ酸残基におけるアミノ酸置換を含む、本発明1036の修飾LGIC。
[本発明1038]
少なくとも1つの修飾アミノ酸が、R425Q置換、R429D置換、および/またはR433A置換を含む、本発明1037の修飾LGIC。
[本発明1039]
前記IPDが、ヒト5HT3 IPDであり、かつ、該ヒト5HT3 IPDが、前記修飾LGICに増加したイオン伝導性を付与する少なくとも1つの修飾アミノ酸をさらに含む、本発明1001の修飾LGIC。
[本発明1040]
前記修飾LGICに増加したイオン伝導性を付与するヒト5HT3 IPD中の少なくとも1つの修飾アミノ酸が、ヒト5HT3 IPDの残基420、424、および/または428のアミノ酸残基におけるアミノ酸置換を含む、本発明1039の修飾LGIC。
[本発明1041]
少なくとも1つの修飾アミノ酸が、R420Q置換、R424D置換、および/またはR428A置換を含む、本発明1040の修飾LGIC。
[本発明1042]
前記LBDが、内因性LGICリガンドとの減少した結合を有する、本発明1001の修飾LGIC。
[本発明1043]
前記内因性LGICリガンドが、アセチルコリン(ACh)である、本発明1042の修飾LGIC。
[本発明1044]
前記修飾LGICが、Achについて20μM超のEC50を有する、本発明1043の修飾LGIC。
[本発明1045]
修飾リガンド依存性イオンチャネル(LGIC)に対して増加した効力を有するリガンドであって、式I:
(式中、
X1、X2、およびX3の各々は、独立して、CH、CH2、O、NH、またはNMeであり、
各nは、独立して、0または1であり、
Yは、OまたはSであり、
Aは、芳香族置換基であり、
Rは、Hまたはピリジニルメチレンである)
を含む、リガンド。
[本発明1046]
前記芳香族置換基が、1H-インドール、4-(トリフルオロメチル)ベンゼン、2,5-ジメトキシベンゼン、4-クロロアニリン、アニリン、5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル、6-(トリフルオロメチル)ニコチン、および4-クロロ-ベンゼンからなる群から選択される、本発明1045のリガンド。
[本発明1047]
式II:
(式中、
X3は、O、NH、またはCH2であり、
Yは、OまたはSであり、
Aは、芳香族置換基であり、
Rは、Hまたはピリジニルメチレンである)
を有するキヌクリジンである、本発明1045のリガンド。
[本発明1048]
前記芳香族置換基が、1H-インドール、4-(トリフルオロメチル)ベンゼン、4-クロロベンゼン、2,5-ジメトキシベンゼン、4-(トリフルオロメチル)ベンゼン、4-クロロアニリン、アニリン、5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル、6-(トリフルオロメチル)ニコチン、3-クロロ-4-フルオロベンゼン、および1H-インドールからなる群から選択される、本発明1047のリガンド。
[本発明1049]
前記キヌクリジンが、PNU-282987、PHA-543613、化合物0456、化合物0434、化合物0436、化合物0354、化合物0353、化合物0295、化合物0296、化合物0536、化合物0676、および化合物0702からなる群から選択される、本発明1047のリガンド。
[本発明1050]
式III:
(式中、
X2は、NHまたはNMeであり、
X3は、O、NH、またはCH2であり、
Yは、OまたはSであり、
Aは、芳香族置換基である)
を有するトロパンである、本発明1045のリガンド。
[本発明1051]
前記芳香族置換基が、1H-インドール、1H-インダゾール、7-メトキシ-1H-インドール、7-メチル-1H-インドール、および5-クロロ-1H-インドールからなる群から選択される、本発明1050のリガンド。
[本発明1052]
前記トロパンが、トロピセトロン、擬似-トロピセトロン、ノルトロピセトロン、化合物723、化合物725、化合物737、および化合物745からなる群から選択される、本発明1050のリガンド。
[本発明1053]
式IV:
(式中、
X2は、NHまたはNMeであり、
X3は、O、NH、又はCHであり、
Yは、OまたはSであり、
Aは、芳香族置換基である)
を有する9-アザビシクロ[3.3.1]ノナンである、本発明1045のリガンド。
[本発明1054]
前記芳香族置換基が、4-クロロ-ベンゼン、1H-インドール、1H-インダゾール、7-メトキシ-1H-インダゾールからなる群から選択される、本発明1054のリガンド。
[本発明1055]
前記9-アザビシクロ[3.3.1]ノナンが、化合物0536、化合物0749、化合物0751、化合物0760、および化合物0763からなる群から選択される、本発明1054のリガンド。
[本発明1056]
修飾リガンド依存性イオンチャネル(LGIC)に対して増加した効力を有するリガンドであって、式V:
(式中、
Rは、HまたはCH3であり、
Aは、Hまたは芳香族置換基である)
を含む、リガンド。
[本発明1057]
前記6,7,8,9-テトラヒドロ-6,10-メタノ-6H-ピラジノ(2,3-h)ベンズアゼピンが、バレニクリン、化合物0765、および化合物0770からなる群から選択される、本発明1056のリガンド。
[本発明1058]
修飾リガンド依存性イオンチャネル(LGIC)に対して増加した効力を有するリガンドであって、式VI:
(式中、Rは、H、F、またはNO2である)
を含む、リガンド。
[本発明1059]
前記1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンが、3-(1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-4-イル)ジベンゾ[b,d]チオフェン5,5-ジオキシド、化合物0773、および化合物0774からなる群から選択される、本発明1058のリガンド。
[本発明1060]
哺乳動物においてチャネル障害を治療する方法であって、
該哺乳動物において細胞に修飾リガンド依存性イオンチャネル(LGIC)を投与する段階であって、外因性LGICリガンドが、該修飾LGICに選択的に結合し、該修飾LGICが、少なくとも1つの修飾されたLGICサブユニットを含み、該修飾LGICサブユニットが、
少なくとも1つの修飾アミノ酸を含むリガンド結合ドメイン、および
イオン細孔ドメイン
を含む、段階と、
前記外因性リガンドを哺乳動物に投与する段階と、
を含む、方法。
[本発明1061]
前記チャネル障害が、バーター症候群、ブルガダ症候群、カテコールアミン作動性多形性心室頻拍症(CPVT)、先天性高インスリン血症、嚢胞性線維症、ドラベ症候群、一過性運動失調症、先端紅痛症、全般てんかん(たとえば、熱性発作を伴うもの)、家族性片麻痺性片頭痛、線維筋痛症、高カリウム血性周期性四肢麻痺、低カリウム血性周期性四肢麻痺、ランバート-イートン(Lambert-Eaton)筋無力症候群、QT延長症候群(たとえば、ロマノ-ワード(Romano-Ward)症候群)、QT短縮症候群、悪性高熱症、ムコリピドーシスIV型、重症筋無力症、先天性ミオトニー、視神経脊髄炎、神経ミオトニー、非症候性難聴、先天性パラミオトニア、網膜色素変性症、チモシー症候群、耳鳴り、発作、三叉神経痛、および多発性硬化症からなる群から選択される、本発明1060の方法。
[本発明1062]
哺乳動物の細胞膜を横切るイオン輸送を調節する方法であって、
修飾リガンド依存性イオンチャネル(LGIC)を細胞に投与する段階であって、外因性LGICリガンドが、修飾LGICに選択的に結合し、該修飾LGICが、少なくとも1つの修飾されたLGICサブユニットを含み、該修飾LGICサブユニットが、
少なくとも1つの修飾アミノ酸を含むリガンド結合ドメイン、および
イオン細孔ドメイン
を含む、段階と、
前記外因性リガンドを哺乳動物に投与する段階と、
を含む、方法。
[本発明1063]
前記調節が、イオン輸送を活性化することを含む、本発明1062の方法。
[本発明1064]
前記調節が、イオン輸送を阻害することを含む、本発明1062の方法。
[本発明1065]
前記細胞が、ニューロン、グリア細胞、筋細胞、幹細胞、内分泌細胞、および免疫細胞からなる群から選択される、本発明1062の方法。
[本発明1066]
前記修飾LGICの細胞への投与が、インビボ投与を含む、本発明1062の方法。
[本発明1067]
前記修飾LGICの細胞への投与が、エクスビボ投与を含む、本発明1062の方法。
[本発明1068]
哺乳動物において細胞の興奮性を調節する方法であって、
哺乳動物由来の細胞に修飾リガンド依存性イオンチャネル(LGIC)を投与する段階であって、外因性LGICリガンドが、修飾LGICに選択的に結合し、該修飾LGICが、少なくとも1つの修飾されたLGICサブユニットを含み、該修飾LGICサブユニットが、
少なくとも1つの修飾アミノ酸を含むリガンド結合ドメイン、および
イオン細孔ドメイン
を含む、段階と、
前記外因性リガンドを哺乳動物に投与する段階と、
を含む、方法。
[本発明1069]
前記調節が、細胞の興奮性を増大させることを含む、本発明1068の方法。
[本発明1070]
前記調節が、細胞の興奮性を低下させることを含む、本発明1068の方法。
[本発明1071]
前記細胞が、興奮性細胞である、本発明1068の方法。
[本発明1072]
前記細胞が、ニューロン、グリア細胞、筋細胞、幹細胞、内分泌細胞、および免疫細胞からなる群から選択される、本発明1068の方法。
[本発明1073]
前記修飾LGICの細胞への投与が、インビボ投与を含む、本発明1068の方法。
[本発明1074]
前記修飾LGICの細胞への投与が、エクスビボ投与を含む、本発明1068の方法。
[本発明1075]
哺乳動物において細胞の活性を調節する方法であって、
細胞に修飾リガンド依存性イオンチャネル(LGIC)を投与する段階であって、外因性LGICリガンドが、修飾LGICに選択的に結合し、該修飾LGICが、少なくとも1つの修飾されたLGICサブユニットを含み、該修飾LGICサブユニットが、
少なくとも1つの修飾アミノ酸を含むリガンド結合ドメイン、および
イオン細孔ドメイン
を含む、段階と、
前記外因性リガンドを哺乳動物に投与する段階と、
を含む、方法。
[本発明1076]
前記調節が、細胞の活性を増大させることを含む、本発明1075の方法。
[本発明1077]
前記調節が、細胞の活性を低下させることを含む、本発明1075の方法。
[本発明1078]
前記活性が、イオン輸送、受動輸送、興奮、阻害、およびエキソサイトーシスからなる群から選択される、本発明1075の方法。
[本発明1079]
前記細胞が、ニューロン、グリア細胞、筋細胞、幹細胞、内分泌細胞、および免疫細胞からなる群から選択される、本発明1075の方法。
[本発明1080]
前記修飾LGICの哺乳動物由来細胞への投与が、インビボ投与を含む、本発明1075の方法。
[本発明1081]
前記修飾LGICの哺乳動物由来細胞への投与が、エクスビボ投与を含む、本発明1075の方法。
[本発明1082]
前記修飾LGICが、第1のLGICからのLBDおよび第2のLGICからのIPDを含むキメラLGICである、本発明1060、1062、1068、または1075のいずれかの修飾LGIC。
[本発明1083]
前記キメラLGICが、ホモマーのキメラLGICである、本発明1082の方法。
[本発明1084]
前記修飾LGICの細胞への投与が、該修飾LGICをコードする核酸を投与することを含む、本発明1060、1062、1068、または1075のいずれかの方法。
[本発明1085]
前記修飾LGICが、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、または配列番号:10に対して少なくとも85%の同一性を有する配列を含む、本発明1084の方法。
[本発明1086]
前記修飾LGICが、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、または配列番号:10に対して少なくとも90%の同一性を有する配列を含む、本発明1085の方法。
[本発明1087]
前記修飾LGICが、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:10に対して少なくとも95%の同一性を有する配列を含む、本発明1086の方法。
[本発明1088]
前記修飾LGICが、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:10に記載の配列を含む、本発明1087の方法。
[本発明1089]
前記LBDが、アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7-nAChR)LBDである、本発明1060、1062、1068、または1075のいずれかの方法。
[本発明1090]
α7-nAChR LBD中の少なくとも1つの修飾アミノ酸が、α7-nAChR LBDの残基77、79、115、131、139、141、175、210、216、217、および219からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸残基においてアミノ酸置換を含む、本発明1089の方法。
[本発明1091]
前記アミノ酸置換が、α7-nAChR LBDの残基77にあり、かつ、該アミノ酸置換が、W77FおよびW77Yからなる群から選択される、本発明1090の方法。
[本発明1092]
前記アミノ酸置換が、α7-nAChR LBDの残基79にあり、かつ、該アミノ酸置換が、Q79A、Q79G、およびQ79Sからなる群から選択される、本発明1090の方法。
[本発明1093]
前記アミノ酸置換が、α7-nAChR LBDの残基115にあり、かつ、該アミノ酸置換が、Y115F置換である、本発明1090の方法。
[本発明1094]
前記アミノ酸置換が、α7-nAChR LBDの残基131にあり、かつ、該アミノ酸置換が、L131A、L131G、L131M、およびL131Nからなる群から選択される、本発明1090の方法。
[本発明1095]
前記アミノ酸置換が、α7-nAChR LBDの残基139にあり、かつ、該アミノ酸置換がQ139GまたはQ139L置換である、本発明1090の方法。
[本発明1096]
前記アミノ酸置換が、α7-nAChR LBDの残基175にあり、かつ、該アミノ酸置換が、G175A、G175F、G175H、G175K、G175M、G175R、G175S、およびG175Vからなる群から選択される、本発明1090の方法。
[本発明1097]
前記アミノ酸置換が、α7-nAChR LBDの残基210にあり、かつ、該アミノ酸置換が、Y210F置換である、本発明1090の方法。
[本発明1098]
前記アミノ酸置換が、α7-nAChR LBDの残基216にあり、かつ、該アミノ酸置換が、P216Iである、本発明1090の方法。
[本発明1099]
前記アミノ酸置換が、α7-nAChR LBDの残基217にあり、かつ、該アミノ酸置換が、Y217Fである、本発明1090の方法。
[本発明1100]
前記アミノ酸置換が、α7-nAChR LBDの残基219にあり、かつ、アミノ酸置換がD219Aである、本発明1090の方法。
[本発明1101]
前記IPDが少なくとも1つの修飾アミノ酸を含む、本発明1060、1062、1068、または1075のいずれかの方法。
[本発明1102]
前記IPDが、セロトニン3受容体(5HT3)IPD、グリシン受容体(GlyR)IPD、GABA受容体IPD、およびアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7-nAChR)IPDからなる群から選択される、本発明1101の方法。
[本発明1103]
前記IPDがGlyR IPDであり、かつ、少なくとも1つの修飾アミノ酸が、修飾LGICの残基298のアミノ酸置換を含む、本発明1102の方法。
[本発明1104]
前記修飾LGICの残基298におけるアミノ酸置換が、A298G置換である、本発明1103の方法。
[本発明1105]
前記IPDがGABA IPDであり、かつ、GABA IPD中の少なくとも1つの修飾アミノ酸が、修飾LGICの残基298のアミノ酸置換を含む、本発明1102の修飾LGIC。
[本発明1106]
前記キメラLGICの残基298のアミノ酸置換が、W298A置換である、本発明1105の修飾LGIC。
[本発明1107]
前記外因性LGICリガンドが、合成外因性LGICリガンドである、本発明1060、1062、1068、または1075のいずれかの修飾LGIC。
[本発明1108]
前記合成外因性LGICリガンドが、トロパン、キヌクリジン、9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン、1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン、および6,7,8,9-テトラヒドロ-6,10-メタノ-6H-ピラジノ(2,3-h)ベンズアゼピンからなる群から選択される、本発明1107の方法。
[本発明1109]
前記合成外因性LGICリガンドが、トロパンであり、かつ、該トロパンが、トロピセトロン、擬似トロピセトロン、ノルトロピセトロン、化合物723、化合物725、化合物737、および化合物745からなる群より選択される、本発明1108の方法。
[本発明1110]
前記合成外因性LGICリガンドが、キヌクリジンであり、かつ、該キヌクリジンが、PNU-282987、PHA-543613、化合物0456、化合物0434、化合物0436、化合物0354、化合物0353、化合物0295、化合物0296、化合物0536、化合物0676、および化合物702からなる群から選択される、本発明1108の方法。
[本発明1111]
前記合成外因性LGICリガンドが、9-アザビシクロ[3.3.1]ノナンであり、かつ、該9-アザビシクロ[3.3.1]ノナンが、化合物0536、化合物0749、化合物0751、化合物0760、および化合物0763からなる群から選択される、本発明1108の方法。
[本発明1112]
前記合成外因性LGICリガンドが、1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンであり、かつ、該1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンが、3-(1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-4-イル)ジベンゾ[b,d]チオフェン5,5-ジオキシド、化合物0773、および化合物0774からなる群から選択される、本発明1108の方法。
[本発明1113]
前記合成外因性LGICリガンドが、6,7,8,9-テトラヒドロ-6,10-メタノ-6H-ピラジノ(2,3-h)ベンズアゼピンであり、かつ、該6,7,8,9-テトラヒドロ-6,10-メタノ-6H-ピラジノ(2,3-h)ベンズアゼピンが、バレニクリン、化合物0765、および化合物0770からなる群から選択される、本発明1108の方法。
[本発明1114]
修飾リガンド依存性イオンチャネル(LGIC)に選択的に結合するリガンドを同定するための方法であって、
本発明1001の修飾LGICに1つまたは複数の候補リガンドを供する段階と、
該候補リガンドと該修飾LGICとの間の結合を検出し、それにより修飾LGICに選択的に結合するリガンドを同定する段階と、
を含む、方法。
[本発明1115]
前記修飾LGICが、第一のLGICからのLBDおよび第二のLGICからのIPDを含むキメラLGICである、本発明1114の方法。
[本発明1116]
少なくとも1つの修飾されたLGICサブユニットを含む修飾リガンド依存性イオンチャネル(LGIC)を検出する方法であって、
本発明1001の1つまたは複数の修飾されたLGICサブユニットを供する段階と、
該修飾LGICに選択的に結合する剤を供する段階と、
該修飾LGICと該修飾LGICに選択的に結合する剤との間の結合を検出し、それにより修飾LGICを検出する段階と、
を含む、方法。
[本発明1117]
前記修飾LGICに選択的に結合する剤が、抗体、タンパク質、または小分子を含む、本発明1116の方法。
[本発明1118]
前記修飾LGICに選択的に結合する剤が、検出可能な標識を含む、本発明1117の方法。
[本発明1119]
前記検出可能な標識が、蛍光標識、放射性標識、および陽電子放出標識からなる群から選択される標識を含む、本発明1118の方法。
[本発明1120]
本発明1001の修飾LGICを含む哺乳動物細胞。
[本発明1121]
本発明1001の修飾されたLGICサブユニットを発現する核酸。
[本発明1122]
キメラLGICサブユニットを含む、ホモマーのキメラのリガンド依存性イオンチャネル(LGIC)であって、各キメラLGICサブユニットが、
Q79Gアミノ酸置換を有し、かつ、W77Fアミノ酸置換、Q139Gアミノ酸置換、Y115Fアミノ酸置換、G175Kアミノ酸置換、Y210Fアミノ酸置換、P216Iアミノ酸置換、R27Dアミノ酸置換、およびE41Rアミノ酸置換のうちの少なくとも1つを有する、アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体リガンド結合ドメインと、
グリシン受容体イオン細孔ドメインと、
を含み、
ここで、トロピセトロンおよびグラニセトロンからなる群から選択されるリガンドが、キメラLGICに選択的に結合し、かつ、該キメラLGICが、アセチルコリン(ACh)に最小結合する、
ホモマーのキメラのリガンド依存性イオンチャネル(LGIC)。
[本発明1123]
キメラLGICサブユニットを含む、ホモマーのキメラのリガンド依存性イオンチャネル(LGIC)であって、各キメラLGICサブユニットが、
L131Gアミノ酸置換を有し、かつ、Q79Sアミノ酸置換、Q139Lアミノ酸置換、Y217Fアミノ酸置換、R27Dアミノ酸置換、およびE41Rアミノ酸置換のうちの少なくとも1つを有する、アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体リガンド結合ドメインと、
グリシン受容体イオン細孔ドメインおよびセロトニン3受容体イオン細孔ドメインからなる群から選択されるイオン細孔ドメインと、
を含み、
ここで、バレニクリンおよびトロピセトロンからなる群から選択されるリガンドが、キメラLGICに選択的に結合し、かつ、該キメラLGICが、アセチルコリン(ACh)に最小結合する、
ホモマーのキメラのリガンド依存性イオンチャネル(LGIC)。
[本発明1124]
哺乳動物においてチャネル障害を治療する方法であって、
哺乳動物において細胞に本発明1122または1123のLGICを投与する段階と、
該哺乳動物にリガンドを投与する段階と、
を含む、方法。
[本発明1125]
哺乳動物において細胞の興奮性を調節する方法であって、
哺乳動物において細胞に本発明1122または1123のLGICを投与する段階と、
該哺乳動物にリガンドを投与する段階と、
を含む、方法。
[本発明1126]
哺乳動物において細胞の活性を調節する方法であって、
哺乳動物において細胞に本発明1122または1123のLGICを投与する段階と、
該哺乳動物にリガンドを投与する段階と、
を含む、方法。
本発明の1つまたは複数の実施形態の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載される。本発明の他の特徴、目的、および利点は、説明および図面から、そして特許請求の範囲から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1A図1は、キメラLGICの例示的なアミノ酸配列を示す。アミノ酸残基77の突然変異(例えば、W77FまたはW77Y)は、グラニセトロンおよびトロピセトロンに対する感受性をもたらした。アミノ酸残基79の突然変異(例えば、Q79G)は、いくつかのアゴニストに最も効果的であった。アミノ酸残基131の変異(例えば、L131G、L131A、L131M、またはL131N)は、バレニクリン、トロピセトロン、グラニセトロン、およびAChに対する感受性を変化させた。LBD突然変異をGlyRまたはGABAC IPDのアミノ酸残基298の突然変異と組み合わせた場合、効力はかなり増強された。α7 nAChR LBD変異をアミノ酸残基G175およびP216での変異と組み合わせた場合も、効力が増強された。A)ヒトα7 nAChR LBD(配列番号:1)およびマウス5HT3 IPD(配列番号:3)構成物を含む、α7-5HT3キメラ受容体のアミノ酸配列(配列番号:6)。
図1B図1は、キメラLGICの例示的なアミノ酸配列を示す。アミノ酸残基77の突然変異(例えば、W77FまたはW77Y)は、グラニセトロンおよびトロピセトロンに対する感受性をもたらした。アミノ酸残基79の突然変異(例えば、Q79G)は、いくつかのアゴニストに最も効果的であった。アミノ酸残基131の変異(例えば、L131G、L131A、L131M、またはL131N)は、バレニクリン、トロピセトロン、グラニセトロン、およびAChに対する感受性を変化させた。LBD突然変異をGlyRまたはGABAC IPDのアミノ酸残基298の突然変異と組み合わせた場合、効力はかなり増強された。α7 nAChR LBD変異をアミノ酸残基G175およびP216での変異と組み合わせた場合も、効力が増強された。B)ヒトα7nAChR LBD(配列番号:2)およびヒトGlyR IPD(配列番号:5)構成物を含む、α7-GlyRキメラ受容体のアミノ酸配列(配列番号:7)。
図1C図1は、キメラLGICの例示的なアミノ酸配列を示す。アミノ酸残基77の突然変異(例えば、W77FまたはW77Y)は、グラニセトロンおよびトロピセトロンに対する感受性をもたらした。アミノ酸残基79の突然変異(例えば、Q79G)は、いくつかのアゴニストに最も効果的であった。アミノ酸残基131の変異(例えば、L131G、L131A、L131M、またはL131N)は、バレニクリン、トロピセトロン、グラニセトロン、およびAChに対する感受性を変化させた。LBD突然変異をGlyRまたはGABAC IPDのアミノ酸残基298の突然変異と組み合わせた場合、効力はかなり増強された。α7 nAChR LBD変異をアミノ酸残基G175およびP216での変異と組み合わせた場合も、効力が増強された。C)ヒトα7 nAChR LBD(配列番号:1)およびヒト5HT3 IPD(配列番号:4)構成物を含む、α7-5HT3キメラ受容体のアミノ酸配列(配列番号:8)。
図1D図1は、キメラLGICの例示的なアミノ酸配列を示す。アミノ酸残基77の突然変異(例えば、W77FまたはW77Y)は、グラニセトロンおよびトロピセトロンに対する感受性をもたらした。アミノ酸残基79の突然変異(例えば、Q79G)は、いくつかのアゴニストに最も効果的であった。アミノ酸残基131の変異(例えば、L131G、L131A、L131M、またはL131N)は、バレニクリン、トロピセトロン、グラニセトロン、およびAChに対する感受性を変化させた。LBD突然変異をGlyRまたはGABAC IPDのアミノ酸残基298の突然変異と組み合わせた場合、効力はかなり増強された。α7 nAChR LBD変異をアミノ酸残基G175およびP216での変異と組み合わせた場合も、効力が増強された。D)ヒトα7 nAChR LBD(配列番号:2)およびヒトGABAC IPD(配列番号:9)構成物を含む、α7-GABAcキメラ受容体のアミノ酸配列(配列番号:10)。
図1E図1は、キメラLGICの例示的なアミノ酸配列を示す。アミノ酸残基77の突然変異(例えば、W77FまたはW77Y)は、グラニセトロンおよびトロピセトロンに対する感受性をもたらした。アミノ酸残基79の突然変異(例えば、Q79G)は、いくつかのアゴニストに最も効果的であった。アミノ酸残基131の変異(例えば、L131G、L131A、L131M、またはL131N)は、バレニクリン、トロピセトロン、グラニセトロン、およびAChに対する感受性を変化させた。LBD突然変異をGlyRまたはGABAC IPDのアミノ酸残基298の突然変異と組み合わせた場合、効力はかなり増強された。α7 nAChR LBD変異をアミノ酸残基G175およびP216での変異と組み合わせた場合も、効力が増強された。E)ラットnAChR配列のアミノ酸配列(配列番号12)。
図2図2は、α7-5HT3キメラLGIC、および図1に示す位置にLBD変異を有するキメラLGICの変異体に対するトロピセトロンのEC50を示す。Gln79における複数の変異は、未修飾α7-5HT3チャネルと比較して類似または改善された効力を示した(矢印)。
図3A図3は、α7-5HT3キメラLGICに対する既知のnAChRアゴニストの相対的効力を示す。A)未修飾のα7-5HT3キメラチャネルに対して正規化したEC50のグラフ(対数目盛)。*P<0.05、統計的に有意な効力の変化が認められる(ANOVAとそれに続くダン検定)。
図3B図3は、α7-5HT3キメラLGICに対する既知のnAChRアゴニストの相対的効力を示す。B)既知のnAChRアゴニストの化学構造。
図4A図4は、α7-GlyRキメラLGICに対する既知のnAChRアゴニストの相対的効力を示す。A)未修飾α7-GlyRキメラチャネルに対して正規化したQ79 LBD突然変異体についてのEC50のグラフ(対数目盛)。
図4B図4は、α7-GlyRキメラLGICに対する既知のnAChRアゴニストの相対的効力を示す。B)未修飾α7-GlyRキメラチャネルに対して正規化したA298G IPD突然変異についてのEC50のグラフ(対数目盛)。
図4C図4は、α7-GlyRキメラLGICに対する既知のnAChRアゴニストの相対的効力を示す。C)未修飾α7-GlyRキメラチャネルに対して正規化し、二重変異体チャネルα7Q79G-GlyRA298Gと比較した、α7-GlyRA298GについてのEC50のグラフ(対数目盛)。*P<0.05、統計的に有意な効力の変化が認められる(ANOVAとそれに続くダン検定)。
図5A図5は、α7Q79G-5HT3およびα7Q79G-GlyRA298Gについての効力増強と最も適合する置換パターンを有するLGICアゴニストの概略構造を示す。A)強化された効力に関連する特性を示す一般化構造。
図5B図5は、α7Q79G-5HT3およびα7Q79G-GlyRA298Gについての効力増強と最も適合する置換パターンを有するLGICアゴニストの概略構造を示す。B)(A)で表される特定のファーマコフォアは、キヌクリジン、トロパン、および9-アザビシクロ[3.3.1]ノナンコア構造である。
図5C図5は、α7Q79G-5HT3およびα7Q79G-GlyRA298Gについての効力増強と最も適合する置換パターンを有するLGICアゴニストの概略構造を示す。C)α7Q79G-GlyRA298G、α7Q79G、Y115F、G175K-GlyR、α7W77F、Q79G、G175K-GlyRに対して高い効力を示す例示的合成分子。
図6A図6は、キメラLCIG α7nAChR LBDと未修飾LBDとの会合を減少させる突然変異を示す。A)α7-5HT3をコードする2つのエピトープタグ付き(HAおよびV5)コンストラクト(上側)、またはα7-5HT3-HAおよびα7R21D、E41R-5HT3-V5をコードする2つのコンストラクトのトランスフェクションの電荷反転概略ポテンシャル配置。ここで、2つの異なるエピトープタグ付きサブユニット間の会合は、サブユニット界面での電荷反転突然変異のために好ましくないであろう。
図6B図6は、キメラLCIG α7nAChR LBDと未修飾LBDとの会合を減少させる突然変異を示す。B)V5エピトープタグを有するα7R21D、E41R-5HT3を発現するHEK細胞における全細胞記録は、PNU-282987に対する強力な応答を示す。
図6C図6は、キメラLCIG α7nAChR LBDと未修飾LBDとの会合を減少させる突然変異を示す。C)HEK細胞中のα7-5HT3 LGICとHAおよびV5エピトープタグとの会合を、HA免疫沈降(左)または全溶解物単離、続いて抗HA(上)または抗V5抗体(下)のいずれかを用いたウエスタンブロッティングによって調べた。HAおよびV5エピトープとチャネルを共発現する細胞において、抗HA IPとそれに続く抗V5イムノブロッティングは、各タイプの未修飾チャネルの共免疫沈降を示すが、LBDα7R21D、E41R-5HT3―V5における電荷反転突然変異は免疫沈降しなかった。α7-5HT3のMWは、約48kDである(矢印)。
図7図7は、キメラLGICが外因性リガンドを用いて制御され得ることを示す。アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを介してα7Q79G-GlyRA298GキメラLGICを形質導入したマウス脳からの皮質ニューロンは、30nMのトロピセトロンによって強力に抑制される40pAの電流注入(PRE)に応答して活動電位を発火する。トロピセトロンの洗い流し(WASH)後、ニューロンの発火は回復する。
図8A図8は、G175K変異を有するキメラLGICに対するアゴニストの活性を示す。A)未修飾α7-GlyRキメラチャネルに対して正規化した、既知のアゴニストに対するQ79G G175K LBD変異体についてのEC50のグラフ(対数目盛)。
図8B図8は、G175K変異を有するキメラLGICに対するアゴニストの活性を示す。B)α7-GlyRキメラLGICに変異を有するチャネルについてのAChおよびトロピセトロンについてのEC50のグラフ。トロピセトロンに対して高い効力および内因性リガンドであるアセチルコリン(ACh)に対して低い効力を有するチャネルをもたらす突然変異が最適である(灰色の陰影)。Unmod:未改変のα7-GlyRキメラLGIC。
図8C図8は、G175K変異を有するキメラLGICに対するアゴニストの活性を示す。C)α7Q79G、Y115F、G175K-GlyRキメラLGICを形質導入したマウス脳からの皮質ニューロンの活動電位。ニューロンは電流注入(PRE)に反応して発火し、100nMトロピセトロンによって強力に抑制される。トロピセトロンの洗い流し(WASH)後、ニューロンの発火は回復する。
図9A図9は、L131G変異を有するキメラLGICに対するアゴニストの活性を示す。A)未修飾α7-GlyRキメラチャネルに対して正規化した、既知のアゴニストに対するL131 LBD変異体についてのEC50のグラフ(対数目盛)。
図9B図9は、L131G変異を有するキメラLGICに対するアゴニストの活性を示す。B)α7L131G-GlyRキメラLGICに変異を有するチャネルについてのAChおよびトロピセトロンについてのEC50のグラフ。
図9C図9は、L131G変異を有するキメラLGICに対するアゴニストの活性を示す。C)バレニクリンに対する高い効力および内因性リガンドであるアセチルコリン(ACh)に対する低い効力を有するチャネルをもたらす突然変異が最適であることを示すグラフ(灰色の陰影)。Unmod:未修飾のα7-GlyRキメラLGIC。
図9D図9は、L131G変異を有するキメラLGICに対するアゴニストの活性を示す。D)α7L131G、Q139L、Y217F-GlyRキメラLGICを形質導入したマウス脳由来の皮質ニューロンの活動電位。ニューロンは電流注入(PRE)に反応して発火し、6倍を超える注入電流でも10nMバレニクリンによって強力に抑制される。トロピセトロンの洗い流し(WASH)後、ニューロンの発火は回復する。
図10図10は、LGICアゴニストの化学構造を示す。A)α7Q79G、Y115F、G175K-GlyRについての効力増強と最も適合する置換パターンを有するLGICアゴニストの化学構造。B)α7L131G、Q139L、Y217F-GlyRまたはα7L131G、Q139L、Y217F-5HT3 HCに対する効力増強に最も適合する置換パターンを有するLGICアゴニストの化学構造。
【発明を実施するための形態】
【0026】
詳細な説明
本明細書は、修飾されたLGIC、およびそれを用いる方法を供する。例えば、本明細書は、LBDおよびIPDを有し、少なくとも1つの修飾アミノ酸(例えば、アミノ酸置換)を有する、少なくとも1つの修飾されたLGICサブユニットを含む修飾LGICを供する。特定の場合、修飾LGICはキメラLGICであり得る。例えば、キメラLGICは、第一のLGICからのLBDおよび第二のLGICからのIPDを含み得る。特定の場合、修飾アミノ酸は修飾LGICに薬理学的選択性を付与することができる。例えば、修飾アミノ酸は、修飾LGICに外因性LGICリガンドの選択的結合を付与することができる。例えば、修飾アミノ酸は、修飾LGICに、未修飾LGICサブユニット(修飾を欠くLGICサブユニットおよび/または内因性LGICサブユニット)の結合の減少(最小化または排除)を付与することができる。例えば、修飾アミノ酸は、内在性LGICリガンドの結合の減少(最小化または排除)を修飾LGICに付与することができる。
【0027】
本明細書に提供される改変LGICは、例えば、チャネル障害(例えば、神経チャネル障害または筋肉チャネル障害)を治療するための方法において使用され得る。例えば、修飾LGIC、および修飾LGICに結合してそれを活性化することができる外因性LGICリガンドを、チャネル障害を有する哺乳動物を治療するために使用することができる。特定の場合、修飾LGICおよび外因性LGICリガンドは、哺乳動物の細胞の膜を横切るイオン輸送を調節(例えば、活性化または阻害)するのに用いることができる。特定の場合、修飾LGICおよび外因性LGICリガンドは、哺乳動物における細胞の興奮性を調節する(例えば、増加または減少させる)のに用いることができる。
【0028】
修飾LGIC
本明細書中に用いる場合、「修飾(された)」LGICは、少なくとも1つのLGICサブユニットを含むLGICである。修飾されたLGICサブユニットは、LBD中に少なくとも1つの改変アミノ酸(例えば、アミノ酸置換)および/またはIPD中に少なくとも1つの改変アミノ酸(例えば、アミノ酸置換)を含み得る。本明細書に記載の修飾LGICサブユニットは、任意の適切な種(例えば、ヒト、ラット、マウス、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヤギ、ブタ、またはサル)由来のLGICの改変であり得る。特定の場合、修飾LGICは、第一のLGIC由来のLBDと第二のLGIC由来のIPDとの非自然発生的な組み合わせを有する少なくとも1つのキメラLGICサブユニットを含み得る。
【0029】
修飾LGICは、ホモマー(例えば、任意の数の同じ修飾LGICサブユニットを有するもの)またはヘテロマー(例えば、少なくとも1つの修飾LGICサブユニットおよび任意の数の異なるLGICサブユニットを有するもの)であり得る。特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICは、ホモマーの修飾LGICであり得る。本明細書に記載の修飾LGICは、任意の適切な数の修飾LGICサブユニットを含み得る。特定の場合、修飾LGICは、三量体、四量体、五量体、または六量体であり得る。例えば、本明細書に記載の修飾LGICは五量体であり得る。
【0030】
本明細書に記載の修飾LGICサブユニットは、任意の適切なLGICの改変であり得る。LGICは、リガンドの結合に応答して細胞膜を通してアニオン、カチオン、またはその両方を伝導することができる。例えば、LGICは、リガンドの結合に応答して、細胞膜を通してナトリウム(Na+)、カリウム(K+)、カルシウム(Ca2+)、および/または塩化物(Cl-)イオンを輸送することができる。LGICの例としては、Cys-ループ受容体(例えば、nAChR(例えば、筋肉型nAChRまたは神経型nAChR)などのAChR)、ガンマ-アミノ酪酸(GABA;例えば、GABAおよびGABA-ρ(GABAcとも呼ばれる)受容体、GlyR、GluCl受容体、および5HT3受容体)、イオンチャネル型グルタミン酸受容体(iGluR、たとえば、AMPA受容体、カイニン酸受容体、NMDA受容体、およびデルタ受容体)、ATP依存性チャネル(たとえば、P2X)、ならびにホスファチジルイノシトール4,5-ビスホスフェート(PIP2)依存性チャネルが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載の修飾LGICがキメラLGICである場合、キメラLGICは、任意の適切なLGICから選択されたLBDおよび任意の適切なLGICから選択されたIPDを含み得る。LGICが複数の異なるサブユニットを含む場合(例えば、ニューロン型nAChRがα4、β2、およびα7サブユニットを含む場合)、LBDおよび/またはIPDは任意のサブユニットから選択することができる。たとえば、nAChRからのLBDはα7 LBDであり得る。(LBDおよびIPDの両方を含む)代表的なラットα7 nAChRアミノ酸配列は以下の通りである。
【0031】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICサブユニットは、α7 nAChR由来のLBDを含み得る。α7 nAChR LBDの例としては、限定されるものではないが、配列番号:1に記載のアミノ酸配列を有するヒトα7 nAChR LBD、配列番号:2に記載のアミノ酸配列を有するヒトα7 nAChR LBD、および配列番号:11に記載のアミノ酸配列を有するヒトα7 nAChR LBDがある。特定の場合、α7 nAChR LBDは、配列番号:1、配列番号:2、または配列番号:11に記載のヒトα7 nAChR LBDのホモログ、オルソログ、またはパラログであり得る。特定の場合、α7 nAChR LBDは、配列番号:1、配列番号:2、または配列番号:11に対して、少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも80%、少なくとも82%、少なくとも85%、少なくとも88%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の配列同一性)
を有し得る。
【0032】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICサブユニットは、5HT3受容体由来のIPDを含み得る。5HT3 IPDの例としては、限定されないが、配列番号:3に記載のアミノ酸配列を有するマウス5HT3 IPD、および配列番号:4に記載のアミノ酸配列を有するヒト5HT3 IPDが挙げられる。特定の場合、5HT3 IPDは、配列番号:3または配列番号:4に記載の5HT3 IPDのホモログ、オルソログ、またはパラログであり得る。特定の場合、5HT3 IPDは、配列番号:3または配列番号:4に対して、少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも80%、少なくとも82%、少なくとも85%、少なくとも88%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の配列同一性)を有し得る。
【0033】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICサブユニットは、GlyR由来のIPDを含み得る。GlyR IPDの例としては、限定されないが、配列番号:5に記載のアミノ酸配列を有するマウスGlyR IPDが挙げられる。特定の場合、GlyR IPDは、配列番号:5に記載のヒトGlyR IPDのホモログ、オルソログ、またはパラログであり得る。特定の場合、GlyR IPDは、配列番号:5に対して、少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも80%、少なくとも82%、少なくとも85%、少なくとも88%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の配列同一性)を有し得る。
【0034】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICサブユニットは、GABA受容体由来のIPD(例えば、GABA-ρ、GABAcとも呼ばれる)を含み得る。GABA-ρ IPDの例としては、限定されないが、配列番号:9に記載のアミノ酸配列を有するヒトGABA-ρ IPDが挙げられる。特定の場合において、GABA-ρ IPDは、配列番号:9に記載のヒトGABA-ρ IPDのホモログ、オルソログ、またはパラログであり得る。特定の場合において、GABA-ρ IPDは、配列番号:9に対して、少なくとも75%の配列同一性(例えば、少なくとも80%、少なくとも82%、少なくとも85%、少なくとも88%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の配列同一性)を有し得る。
【0035】
配列同一性の割合(パーセント)を計算する場合、2つの配列を整列させ、そして、2つの配列間のアミノ酸残基の同一の一致の数を決定する。同一の一致の数を整列した領域の長さ(すなわち整列させたアミノ酸残基の数)で割って、100を掛けて配列同一性の割合の値を得る。整列させる領域の長さは、最も短い配列の全長サイズまでの一方または両方の配列の一部であり得ることが理解されよう。単一の配列が2つ以上の他の配列と整列し得、したがって、各整列領域にわたって異なる配列同一性の割合の値を有し得ることもまた理解される。配列同一性の割合を決定するための2つまたはそれを超える配列のアラインメントは、クエリーと1つまたは複数の対象配列との間の最良の一致を計算し、そして同一性、類似性および相違が決定できるようにそれらを整列させる、コンピュータプログラムClustalWおよびデフォルトパラメーターを用いて行うことができる。例えば、Chenna et al., 2003, Nucleic Acids Res., 31(13):3497-500を参照のこと。
【0036】
本明細書に記載の修飾LGICサブユニットがキメラLGICサブユニットである場合、キメラLGICサブユニットは同じ種由来のLBDおよびIPD、または異なる種由来のLBDおよびIPDを含み得る。特定の場合、キメラLGICサブユニットは、ヒトLGICタンパク質由来のLBDおよびヒトLGICタンパク質由来のIPDを含み得る。例えば、キメラLGICサブユニットは、ヒトα7 LBDおよびヒトGlyR IPDを含み得る。特定の場合、キメラLGICサブユニットは、ヒトLGICタンパク質由来のLBDおよびマウスLGICタンパク質由来のIPDを含み得る。例えば、キメラLGICサブユニットは、ヒトα7 LBDおよびマウス5HT3 IPDを含み得る。
【0037】
本明細書に記載の修飾LGICサブユニットがキメラLGICサブユニットである場合、キメラLGICサブユニットは、LBDが異なるIPDと融合してキメラチャネルサブユニットを形成したときにLBD中のアミノ酸の数が異なり得るように、LBDとIPDを接続する様々な融合点を含み得る。例えば、5HTS IPDを有するキメラLGICサブユニットを形成するのに用いられるα7 nAChR LBDの長さは、GlyR IPDを有するキメラLGICサブユニットを形成するのに用いられるα7 nAChR LBDの長さとは異なる(例えば、図1Aおよび図1C図1Bと比較のこと)。
【0038】
本明細書に記載の修飾LGICサブユニットは、少なくとも1つの修飾アミノ酸を有するLBDおよび/または少なくとも1つの修飾アミノ酸を有するIPDを含み得る。例えば、本明細書に記載の修飾LGICサブユニットは、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:11、または配列番号:12に対して少なくとも75%の配列同一性、ならびに、アミノ酸残基27、41、77、79、131、139、141、175、210、216、217、および/または219においてアミノ酸置換を有するα7 LBDを含み得る。例えば、本明細書に記載の修飾LGICサブユニットは、配列番号:5に記載の配列と少なくとも75%の配列同一性、および、α7-GlyRキメラ受容体(例えば、配列番号:7)のアミノ酸残基298のアミノ酸置換を有するGlyR IPDを含み得る。例えば、本明細書に記載の修飾LGICサブユニットは、配列番号:9に対して少なくとも75%の配列同一性を有し、かつ、α7-GABAcキメラ受容体(例えば、配列番号:10)のアミノ酸残基298においてアミノ酸置換を有するGABAc IPDを含み得る。特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICサブユニットは、1を超える(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、またはそれ超)のアミノ酸修飾を含み得る。修飾はアミノ酸置換であり得る。特定の場合、修飾アミノ酸は、修飾LGICに薬理学的選択性を付与することができる。例えば、修飾アミノ酸は、修飾LGICに外因性LGICリガンドの選択的結合を付与することができる。例えば、修飾アミノ酸は、修飾LGICに、未修飾LGICサブユニット(修飾を欠くLGICサブユニットおよび/または内因性LGICサブユニット)の結合の減少(最小化または排除)をもたらすことができる。例えば、修飾アミノ酸は、内因性LGICリガンドの結合の減少(最小化または排除)を修飾LGICに付与することができる。
【0039】
特定の態様では、本明細書に記載の修飾LGICサブユニットは、修飾LGICに外因性LGICリガンドとの選択的結合(例えば、増強された結合または増強された効力)を付与する少なくとも1つの修飾アミノ酸を含み得る。外因性LGICリガンドとの結合は、内因性LGICリガンドとの結合よりも選択的であり得る。外因性LGICリガンドとの選択的結合を有する修飾LGICサブユニットは、任意の適切なLDB(例えば、α7 LBD)を含み得る。特定の態様では、修飾LGICサブユニットは、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:11、または配列番号:12に記載のα7 LBDを含み得、アミノ酸修飾は、残基77、79、131、139、141、175、および/または216における置換であり得る。特定の場合において、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:11、または配列番号:12のアミノ酸残基77のトリプトファンは、疎水性アミノ酸残基、たとえば、フェニルアラニン(例えば、W77F)、チロシン(例えば、W77Y)、またはメチオニン(例えば、W77M)で置換することができる。例えば、本明細書に記載の修飾LGICサブユニットは、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:11、または配列番号:12に示され、かつW77F置換を有する、α7 LBDを含み得る。特定の場合、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:11、または配列番号:12のアミノ酸残基79のグルタミンは、アラニン(例えば、 Q79A)、グリシン(例えば、Q79G)、またはセリン(例えば、Q79S)などのアミノ酸残基で置換することができる。例えば、本明細書に記載の改変LGICサブユニットは、Q79G置換を有するα7 LBDを含み得る。特定の場合、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:11、または配列番号:12のアミノ酸残基131のロイシンは、アラニン(例えば、L131A)、グリシン(例えば、L131G)、メチオニン(例えば、L131M)、アスパラギン(例えば、L131N)、グルタミン(例えば、L131Q)、バリン(例えば、L131V)、またはフェニルアラニン(例えば、L131F)などのアミノ酸残基で置換することができる。特定の場合、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:11、または配列番号:12のアミノ酸残基175位のグリシンは、リジン(例えば、G175K)、アラニン(例えば、G175A)、フェニルアラニン(例えば、G175F)、ヒスチジン(例えば、G175H)、メチオニン(例えば、G175M)、アルギニン(例えば、G175R)、セリン(例えば、G175S)、バリン(例えば、G175V)などのアミノ酸残基で置換することができる。特定の場合、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:11、または配列番号:12のアミノ酸残基216のプロリンは、イソロイシン(例えば、P216I)などのアミノ酸残基で置換することができる。外因性LGICリガンドとの選択的結合を有する修飾LGICサブユニットは、任意の適切なIPD(例えば、GlyR IPDまたはGABA-ρIPD)を含み得る。特定の態様では、修飾LGICサブユニットは、配列番号:5に記載のGlyR IPDを含み得、そのアミノ酸修飾は、α7-GlyRキメラ受容体(例えば、配列番号:7)のアミノ酸残基298での置換であり得る。特定の場合、配列番号:7のアミノ酸残基298のアラニンは、グリシン(例えば、A298G)などのアミノ酸残基で置換することができる。特定の態様では、修飾LGICサブユニットは、配列番号:9に記載のGABA-ρIPDを含み得、そのアミノ酸修飾は、α7-GABA-ρキメラ受容体(例えば、配列番号:10)のアミノ酸残基298での置換であり得る。特定の場合、配列番号:10のアミノ酸残基298のトリプトファンは、アラニン(例えば、W298A)などのアミノ酸残基と置換することができる。
【0040】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICサブユニットは、2つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、またはそれを超える数)のアミノ酸修飾を含み得る。例えば、本明細書に記載の修飾LGICサブユニットは、配列番号:7に対して少なくとも75パーセントの配列同一性を有し得、そして、Q79G置換およびA298G置換を含み得る。修飾LGICに外因性LGICリガンドの選択的結合を付与することができる修飾のさらなる例には、他に記載されている修飾が含まれる(例えば、米国特許第8,435,762号参照)。
【0041】
内因性(例えば、標準的な(canonical))LGICリガンドよりも外因性LGICリガンドに選択的に結合する(例えば、結合の増強または効力の増加)修飾LGICサブユニットは、外因性リガンドの増強された効力を有するとしても記述され得る。特定の場合、外因性LGICリガンドに選択的に結合する本明細書に記載の修飾LGICサブユニットは、外因性リガンドに対して、少なくとも4倍(例えば、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも11倍、少なくとも12倍、少なくとも13倍、少なくとも14倍、少なくとも15倍、少なくとも16倍、少なくとも17倍、少なくとも18倍、少なくとも19倍、または少なくとも20倍)の増強された効力を有し得る。特定の場合、外因性LGICリガンドに選択的に結合する本明細書に記載の修飾LGICサブユニットは、外因性リガンドに対して、約4倍~約200倍(例えば、約4倍~約200倍、約5倍~約180倍、約6倍~約175倍、約7倍~約150倍、約8倍~約125倍、約9倍~約100倍、約10倍~約90倍、約11倍~約75倍、約12倍~約65倍、約13倍~約50倍、約14倍~約40倍、または約15倍~約30倍)の増強された効力を有し得る。例えば、外因性LGICリガンドに選択的に結合する本明細書に記載の修飾LGICサブユニットは、外因性リガンドに対して約10倍~約100倍の増強された効力を有し得る。例えば、外因性LGICリガンドに選択的に結合する本明細書に記載の修飾LGICサブユニットは、外因性リガンドに対して、約10倍~約20倍の増強された効力を有し得る。
【0042】
特定の態様では、本明細書に記載の修飾LGICサブユニットは、改変されていないLGICサブユニットとの減少した(例えば、最小化または排除された)結合を修飾LGICに付与する少なくとも1つの改変アミノ酸を含み得る。同じ修飾を有する修飾LGICサブユニットとの結合は、非修飾LGICサブユニットとの結合よりも選択的であり得る。未修飾LGICサブユニットは、修飾LGICに未修飾LGICサブユニットとの結合の減少を付与する修飾を欠如するLGICサブユニットであり得るか、または未修飾LGICは、内因性LGICサブユニットであり得る。修飾LGICに未修飾LGICサブユニットとの結合の減少を付与する修飾は、電荷反転修飾であり得る。非修飾LGICサブユニットとの結合が減少した修飾LGICサブユニットは、任意の適切なLBD(例えば、α7 LBD)を含み得る。特定の態様では、修飾LGICサブユニットは、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:11、または配列番号:12に記載のα7 LBDを含み得、アミノ酸修飾は、アミノ酸残基27および/または41における置換であり得る。例えば、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:11、または配列番号:12のアミノ酸残基27のアルギニンは、アスパラギン酸(例えば、R27D)で置換されていてもよい。例えば、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:11、または配列番号:12のアミノ酸残基41のグルタミン酸は、アルギニン(例えば、E41R)で置換することができる。特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICサブユニットは、R27D置換およびE41Rを有するα7 LBDを含み得る。
【0043】
特定の態様では、本明細書に記載の修飾LGICサブユニットは、内因性LGICリガンドの結合の減少(例えば、最小化または排除)を修飾LGICに付与する少なくとも1つの修飾アミノ酸を含み得る。内因性LGICリガンドはAChであり得る。内因性LGICリガンドの結合が減少した修飾LGICサブユニットは、任意の適切なIPD(例えば、GlyR LBD)を含み得る。例えば、修飾LGICサブユニットは、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:11、または配列番号:12に示されるα7 LBDを含み得、アミノ酸修飾は、アミノ酸残基115、131、139、210、217、および/または219における置換であり得る。特定の場合において、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:11、または配列番号:12のアミノ酸残基115のチロシンは、フェニルアラニン(例えば、Y115F)で置換され得る。特定の場合、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:11、または配列番号:12のアミノ酸残基131のロイシンは、アラニン(例えば、L131A)、グリシン(例えば、L131G)、メチオニン(例えば、L131M)、アスパラギン(例えば、L131N)、グルタミン(例えば、L131Q)、バリン(例えば、L131V)、またはフェニルアラニン(例えば、L131F)などのアミノ酸残基で置換することができる。特定の場合、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:11、または配列番号:12のアミノ酸残基139のグルタミンは、グリシン(例えば、Q139G)またはロイシン(例えば、Q139L)で置換することができる。特定の場合、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:11、または配列番号:12のアミノ酸残基210のチロシンは、フェニルアラニン(例えば、Y210F)で置換することができる。特定の場合、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:11、または配列番号:12のアミノ酸残基217のチロシンは、フェニルアラニン(例えば、Y217F)で置換することができる。特定の場合、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:11、または配列番号:12のアミノ酸残基219のアスパラギン酸は、アラニン(例えば、D219A)で置換することができる。
【0044】
特定の態様では、本明細書に記載の修飾LGICサブユニットは、イオンコンダクタンスの増加を修飾LGICに付与する少なくとも1つの修飾アミノ酸を含み得る。特定の場合、修飾LGICサブユニットは、配列番号:3に示される5HT3 IPDを含み得、アミノ酸改変は、アミノ酸残基425、429、および/または433での置換であり得る。本明細書に記載の修飾LGICサブユニットは、R425Q置換、R429D置換、およびR433A置換を有する5HT3 IPDを含み得る。特定の場合、修飾LGICサブユニットは、配列番号:4に示される5HT3 IPDを含み得、アミノ酸修飾は、アミノ酸残基420、424、および/または428での置換であり得る。本明細書に記載の修飾LGICサブユニットは、R420Q置換、R424D置換、およびR428A置換を有する5HT3 IPDを含み得る。
【0045】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICは、Q79Gアミノ酸置換およびY115Fアミノ酸置換を伴うヒトα7 nAChR LBD(配列番号:1)、およびマウス5HT3 IPD(配列番号:3)を有する少なくとも1つのキメラα7-5HT3 LGICサブユニット(配列番号:6)を含み得る。
【0046】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICは、Q79Gアミノ酸置換およびQ139Gアミノ酸置換を伴うヒトα7 nAChR LBD(配列番号:1)、およびマウス5HT3 IPD(配列番号:3)を有する少なくとも1つのキメラα7-5HT3 LGICサブユニット(配列番号:6)を含み得る。
【0047】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICは、Q79Gアミノ酸置換およびY115Fアミノ酸置換を有するヒトα7 nAChR LBD(配列番号:2)、およびA298Gアミノ酸置換を有するヒトGlyR IPD(配列番号:5)を有する少なくとも1つのキメラα7-GlyR LGICサブユニット(配列番号:7)を含み得る。
【0048】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICは、Q79Gアミノ酸置換およびQ139Gアミノ置換を有するヒトα7 nAChR LBD(配列番号:2)、およびA298Gアミノ酸置換を有するヒトGlyR IPD(配列番号:5)を有する少なくとも1つのキメラα7-GlyR LGICサブユニット(配列番号:7)を含み得る。
【0049】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICは、R27Dアミノ酸置換、E41Rアミノ酸置換、Q79Gアミノ酸置換、およびY115Fアミノ酸置換を有するヒトα7 nAChR LBD(配列番号:2)、ならびにA298Gアミノ酸置換を有するヒトGlyR IPD(配列番号:5)を有する少なくとも1つのキメラα7-GlyR LGICサブユニット(配列番号:7)を含み得る。
【0050】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICは、アミノ酸残基131に置換(たとえば、L131G、L131A、L131M、またはL131N)を有するヒトα7 nAChR LBD(配列番号:2)、およびヒトGlyR IPD(配列番号:5)を有する少なくとも1つのキメラα7-GlyR LGICサブユニット(配列番号:7)を含み得る。
【0051】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICは、アミノ酸残基131(たとえば、L131G、L131A、L131M、またはL131N)およびY115(たとえば、Y115F)に置換を有するヒトα7 nAChR LBD(配列番号:2)、およびヒトGlyR IPD(配列番号:5)を有する少なくとも1つのキメラα7-GlyR LGICサブユニット(配列番号:7)を含み得る。
【0052】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICは、アミノ酸残基131(たとえば、L131G、L131A、L131M、またはL131N)、および139(例えば、Q139L)に置換を有するヒトα7 nAChR LBD(配列番号:2)、およびヒトGlyR IPD(配列番号:5)を有する少なくとも1つのキメラα7-GlyR LGICサブユニット(配列番号:7)を含み得る。
【0053】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICは、アミノ酸残基131(たとえば、L131G、L131A、L131M、またはL131N)および217(たとえば、Y217F)に置換を有するヒトα7 nAChR LBD(配列番号:2)、およびヒトGlyR IPD(配列番号:5)を有する少なくとも1つのキメラα7-GlyR LGICサブユニット(配列番号:7)を含み得る。
【0054】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICは、アミノ酸残基131(例えば、L131G、L131A、L131M、またはL131N)、139(例えば、Q139L)、および217(例えば、Y217F)に置換を有するヒトα7 nAChR LBD(配列番号:2)、およびヒトGlyR IPD(配列番号:5)を有する少なくとも1つのキメラα7-GlyR LGICサブユニット(配列番号:7)を含み得る。
【0055】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICは、アミノ酸残基131(例えば、L131G、L131A、L131M、 またはL131N)に置換を有するヒトα7 nAChR LBD(配列番号:2)、およびヒト5HT3 IPD(配列番号:4)を有する少なくとも1つのキメラα7-5HT3 LGICサブユニットを含み得る。
【0056】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICは、アミノ酸残基175(たとえば、G175K)に置換を有するヒトα7 nAChR LBD(配列番号:2)、およびヒトGlyR IPD(配列番号:5)を有する少なくとも1つのキメラα7-GlyR LGICサブユニット(配列番号:7)を含み得る。
【0057】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICは、アミノ酸残基131(例えば、L131G、L131A、L131M、 またはL131N)および139(例えば、Q139L)に置換を有するヒトα7 nAChR LBD(配列番号:2)、ならびにR420Q置換、R424D置換、およびR428A置換を有するヒト5HT3 IPD(配列番号:4)を有する少なくとも1つのキメラα7-5HT3 LGICサブユニットを含み得る。
【0058】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICは、アミノ酸残基131(例えば、L131G、L131A、L131M、またはL131N)および139(例えば、Q139L)および217(例えば、Y217F)に置換を有するヒトα7 nAChR LBD(配列番号:2)、ならびにR420Q置換、R424D置換、およびR428A置換を有するヒト5HT3 IPD(配列番号:4)を有する少なくとも1つのキメラα7-5HT3 LGICサブユニットを含み得る。
【0059】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICは、アミノ酸残基175(例えば、G175K)および115(例えば、Y115F)に置換を有するヒトα7 nAChR LBD(配列番号:2)、ならびにヒトGlyR IPD(配列番号:5)を有する少なくとも1つのキメラα7-GlyR LGICサブユニット(配列番号:7)を含み得る。
【0060】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICは、アミノ酸残基175(例えば、G175K)および115(例えば、Y115F)および79(例えば、Q79G)に置換を有するヒトα7 nAChR LBD(配列番号:2)、ならびにヒトGlyR IPD(配列番号:5)を有する少なくとも1つのキメラα7-GlyR LGICサブユニット(配列番号:7)を含み得る。
【0061】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICは、アミノ酸残基175(例えば、G175K)および77(例えば、W77F)および79(例えば、Q79G)に置換を有するヒトα7 nAChR LBD(配列番号:2)、ならびにヒトGlyR IPD(配列番号:5)を有する少なくとも1つのキメラα7-GlyR LGICサブユニット(配列番号:7)を含み得る。
【0062】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICは、アミノ酸残基216(例えば、P216I)に置換を有するヒトα7 nAChR LBD(配列番号:2)、およびヒトGlyR IPD(配列番号:5)を有する少なくとも1つのキメラα7-GlyR LGICサブユニット(配列番号:7)を含み得る。
【0063】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICは、アミノ酸残基216(例えば、P216I)および79(例えば、Q79G)に置換を有するヒトα7 nAChR LBD(配列番号:2)、およびヒトGlyR IPD(配列番号:5)を有する少なくとも1つのキメラα7-GlyR LGICサブユニット(配列番号:7)を含み得る。
【0064】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICは、アミノ酸残基131(例えば、L131A、L131G、L131M、L131N、L131Q、L131V、またはL131F)に置換を有するヒトα7 nAChR LBD(配列番号:2)、およびヒトGABAc IPD(配列番号:9)を有する少なくとも1つのキメラα7-GlyR LGICサブユニット(配列番号:10)を含み得る。
【0065】
LBDおよび/またはIPDが本明細書に記載の配列(例えば、配列番号:1~5および/または9)のホモログ(相同体)、オルソログ、またはパラログである場合、特定の修飾アミノ酸残基への言及は、ホモログ、オルソログ、またはパラログにおける対応するアミノ酸にシフトすることができることが理解される。例えば、配列番号:3に記載のマウス5HT3 IPDの残基425、429、および433は、配列番号:4に記載のヒト5HT3 IPDにおける残基420、424、および428に対応し、マウス5HT3 IPDにおけるR425Q、R429D、およびR433Aの置換は、ヒト5HT3 IPDにおけるR420Q、R424D、およびR428Aの置換に対応する。
【0066】
本明細書に記載の修飾LGICサブユニットを得るために任意の方法を使用することができる。特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICサブユニットを作製するためにペプチド合成法を用いることができる。ペプチド合成の方法の例としては、液相ペプチド合成、および固相ペプチド合成が挙げられるが、これらに限定されない。特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICサブユニットを作製するためにタンパク質生合成法を用いることができる。タンパク質生合成の方法の例としては、限定されないが、本明細書に提供されるリン酸化模倣ペプチドをコードする核酸の転写および/または翻訳が挙げられる。類似する修飾LGICサブユニット(例えば、本質的に同じ修飾を有するおよび/または本質的に同じアミノ酸配列を有する、修飾サブユニット)は、LBD間の相互作用を通して自己集合して修飾LGICを形成するであろう。
【0067】
本明細書はまた、本明細書に記載の修飾LGICサブユニットをコードする核酸、ならびに、本明細書に記載の修飾LGICサブユニットをコードする核酸を発現するための構築物(例えば、プラスミド、非ウイルスベクター、ウイルスベクター(例えば、アデノ随伴ウイルス、単純ヘルペスウイルス、またはレンチウイルスベクターなど))も提供する。本明細書に記載の修飾LGICサブユニットをコードする核酸は、任意の適切なプロモーターに作用可能に連結することができる。プロモーターは、天然(すなわち最小)プロモーターまたは複合プロモーターであり得る。プロモーターは、偏在性(すなわち、構成的)プロモーターまたは調節プロモーター(例えば、誘導性、組織特異的、細胞型特異的(例えば、ニューロン特異的、筋肉特異的、グリア特異的)、および神経サブタイプ特異的)であり得る。本明細書に記載の修飾LGICサブユニットをコードする核酸の発現を駆動するために使用することができるプロモーターの例には、これらに限らないが、シナプシン、CAMKII、CMV、CAG、エノラーゼ、TRPV1、POMC、NPY、AGRP、MCH、およびオレキシンプロモーターが含まれる。特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICサブユニットをコードする核酸は、ニューロン特異的プロモーターに作用可能に連結することができる。
【0068】
本明細書はまた、本明細書に記載の修飾LGICを有する細胞(例えば、哺乳動物細胞)も提供する。本明細書に記載の修飾LGICを有する哺乳動物細胞は、任意の適切な方法によって得ることができる。特定の場合、予め組み立てられた修飾LGICを細胞に提供することができる。特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICサブユニットをコードする核酸は、修飾LGICサブユニットが翻訳される条件下および複数(例えば、3、4、5、6、またはそれ超)の修飾LGICサブユニットを本明細書に記載の修飾LGICに組み立てることができる条件下で細胞に提供することができる。
【0069】
LGICリガンド
本明細書はまた、本明細書に記載の修飾LGICに結合してそれを活性化することができるLGICリガンドを提供する。本明細書に記載の修飾LGICに結合してそれを活性化することができるLGICリガンドは、外因性または内因性であり得る。本明細書に記載の修飾LGICに結合してそれを活性化することができるLGICリガンドは、自然発生のものでも合成のものでもよい。本明細書に記載の修飾LGICに結合し活性化することができるLGICリガンドは、標準的(canonical)または非標準的(non-canonical)であり得る。本明細書に記載の修飾LGICに結合してそれを活性化することができるLGICリガンドは、アゴニストまたはアンタゴニストであり得る。特定の場合、LGICリガンドは外因性LGICアゴニストである。LGICリガンドの例には、これらに限らないが、ACh、ニコチン、エピバタチン、シチシン、RS56812、トロピセトロン、ノルトピセトロン、PNU-282987、PHA-543613、化合物0353、化合物0354、化合物0436、化合物0676、化合物702、化合物723、化合物725、グラニセトロン、イベルメクチン、メキタジン、プロマジン、バレニクリン、化合物765、化合物770、3-(1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-4-イル)ジベンゾ[b、d]チオフェン5,5-ジオキシド、化合物773、および化合物774が含まれる(例えば、図3B図5C図10A、および図10B参照)。
【0070】
本明細書に記載の修飾LGICに結合して活性化することができるLGICリガンドは、本明細書に記載の修飾LGICに対して選択的結合(例えば、増強された結合または増加された効力)を有し得る。特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICに結合して活性化することができるLGICリガンドは、内因性受容体に結合せず、活性化しない。非修飾LGICリガンドに対するよりも本明細書に記載の修飾LGICに対して選択的に結合し活性化するLGICリガンド(例えば、修飾LGICに薬理学的選択性を付与する少なくとも1つのアミノ酸修飾を有する修飾LGIC)は、修飾LGICのための増強された効力を有するものとして記述され得る。特定の場合、外因性LGICリガンドに選択的に結合する本明細書に記載の修飾LGICサブユニットは、修飾LGICに対して、少なくとも5倍(例えば、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも30倍、少なくとも35倍、少なくとも40倍、少なくとも45倍、少なくとも50倍、少なくとも55倍、少なくとも60倍、少なくとも65倍、少なくとも70倍、少なくとも75倍、少なくとも80倍、少なくとも85倍、少なくとも95倍、少なくとも100倍、少なくとも125倍、少なくとも150倍、少なくとも200倍、少なくとも250倍、または少なくとも300倍)の増強された効力を有し得る。例えば、修飾LGICに選択的に結合し活性化するLGICリガンドは、修飾LGICに対して、約10倍~約300倍(例えば、約10倍~約250倍、約10倍~約200倍、約10倍~約150倍、約10倍~約100倍、約25倍~約300倍、約50倍~約300倍、約100倍~約300倍、約200倍~約300倍、約25倍~約250倍、約50倍~約200倍、または約100倍~約150倍)の増強された効力を有し得る。特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICに結合してそれを活性化するLGICリガンドは、25nM未満(例えば、22nM未満、20nM未満、17nM未満、15nM未満、13nM未満、12nM未満、11nM未満、10nM未満、5nM未満、2nM未満、または1nM未満)のリガンド効力を有し得る。例えば、本明細書に記載の修飾LGICに結合してそれを活性化するLGICリガンドは、15nM未満のリガンド効力を有し得る。特定の場合、LGICリガンドは、本明細書に記載の修飾LGICサブユニットに対して、25nM未満(例えば、22nM未満、20nM未満、17nM未満、15nM未満、13nM未満、12nM未満、11nM未満、または10nM未満)のEC50を有し得る。例えば、LGICリガンド(例えば、トロピセトロン)は、本明細書に記載の修飾LGICサブユニット(例えば、α7Q79G-GlyRA298G)について約11nMのEC50を有し得る。例えば、LGICリガンド(例えば、ノルトロピセトロン)は、本明細書に記載の修飾LGICサブユニット(例えば、α7Q79G、Y115F-GlyRA298G)について約13nMのEC50を有し得る。特定の場合、LGICリガンドは、本明細書に記載の修飾LGICサブユニットについて、20μM超(例えば、22μM超、25μM超、35μM超、50超、65μM超、80μM超、または100μM超)のEC50を有し得る。例えば、LGICリガンド(例えば、ACh)は、本明細書に記載の修飾LGICサブユニット(例えば、α7Q79G、Y115F-GlyRA298G)について100μMを超えるEC50を有し得る。
【0071】
特定の態様では、LGICリガンドは、本明細書に記載の修飾LGICに結合して活性化することができる合成リガンドとすることができ、キヌクリジン、トロパン、9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン、または2-フェニル-7,8,9,10-テトラヒドロ-6H-6,10-メタノアゼピノ[4,5-g]キノキサリンとすることができる。
【0072】
本明細書に記載の修飾LGICに結合し活性化し得るLGICリガンドは、式I:
(式中、X1およびX2は独立してCH、CH2、O、NH、またはNMeであり得;各nは独立して0または1であり得;YはOまたはSであり得;Aは芳香族置換基であり得;RはHまたはピリジニルメチレンであり得る)
を有し得る。芳香族置換基の例には、限定するものではないが、4-クロロ-ベンゼン、1H-インドール、4-(トリフルオロメチル)ベンゼン、4-クロロベンゼン、2,5-ジメトキシベンゼン、4-クロロアニリン、アニリン、5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル、6-(トリフルオロメチル)ニコチン、および4-クロロ-ベンゼンが含まれる。
【0073】
本明細書に記載の修飾LGICに結合してそれを活性化することができるLGICリガンドは、キヌクリジンであり得る。キヌクリジンは式II:
(式中、X3は、O、NH、またはCH2であり得;YはOまたはSであり得;Aは芳香族置換基であり得;RはHまたはピリジニルメチレンであり得る)
の構造を有し得る。芳香族置換基の例には、限定するものではないが、1H-インドール、4-(トリフルオロメチル)ベンゼン、4-クロロベンゼン、2,5-ジメトキシベンゼン、4-(トリフルオロメチル)ベンゼン、4-クロロアニリン、アニリン、5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル、6-(トリフルオロメチル)ニコチン、3-クロロ-4-フルオロベンゼン、4-クロロ-ベンゼン、および1H-インドールが含まれる。キヌクリジンの例としては、限定されないが、化合物PNU-282987、PHA-543613、0456、0434、0436、0354、0353、0295、0296、および0676が挙げられる(例えば、図5C、表3、および表6を参照)。
【0074】
本明細書に記載の修飾LGICに結合してそれを活性化することができるLGICリガンドは、トロパンであり得る。トロパンは式III:
(式中、X2はNHまたはNMeであり得;X3は、O、NH、またはCH2であり得;YはOまたはSであり得;Aは芳香族置換基であり得る)
の構造を有し得る。芳香族置換基の例には、これらに限定されないが、1H-インドール、7-メトキシ-1H-インドール、7-メチル-1H-インドール、5-クロロ-1H-インドール、および1H-インダゾールが含まれる。トロパンの例には、これらに限定されないが、トロピセトロン、疑似トロピセトロン、ノルトロピセトロン、化合物737、および化合物745が含まれる(例えば、図5C、表3、および表6を参照)。
【0075】
本明細書に記載の修飾LGICに結合してそれを活性化することができるLGICリガンドは、9-アザビシクロ[3.3.1]ノナンであり得る。9-アザビシクロ[3.3.1]ノナンは式IV:
(式中、X1はCHであり得、X2はNHまたはNMeであり得、X3はO、NH、またはCHであり得;YはOまたはSであり得;Aは芳香族置換基であり得る)
の構造を有し得る。芳香族置換基の例は、限定されないが、4-クロロ-ベンゼンである。9-アザビシクロ[3.3.1]ノナンの例としては、化合物0536、化合物0749、化合物0751、化合物0760、および化合物0763が挙げられるが、これらに限定されない(例えば、図5C、表3、および表6を参照)。
【0076】
特定の場合、LGICリガンドは、6,7,8,9-テトラヒドロ-6,10-メタノ-6H-ピラジノ(2,3-h)ベンゾアゼピンであり得、式V:
(式中、RはHまたはCHであり、AはHまたは芳香族置換基である)
に示される構造を有し得る。6,7,8,9-テトラヒドロ-6,10-メタノ-6H-ピラジノ(2,3-h)ベンズアゼピンの例としては、バレニクリン、化合物0765、および化合物0770が挙げられるが、これらに限定されない(例えば、図10A、表3、および表9を参照)。
【0077】
特定の場合、LGICリガンドは1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンであり得、式VI:
(式中、R=H、F、NO
に示される構造を有し得る。1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンの例には、3-(1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-4-イル)ジベンゾ[b、d]チオフェン5,5-ジオキシド、化合物0773、および化合物0774が含まれるが、これらに限定されない(例えば、図10B、表6、および表9を参照)。
【0078】
使用の方法
本明細書はまた、本明細書に記載の修飾LGICおよび本明細書に記載の修飾LGICに結合して活性化することができるLGICリガンドを用いる方法も供する。修飾LGICに結合して活性化することができるLGICリガンドは、リガンドの送達に基づく時間的および/または空間的制御とともに、修飾LGICを活性化するために用いることができる。
【0079】
特定の態様では、本明細書に記載の修飾LGICおよび本明細書に記載の修飾LGICに結合して活性化することができるLGICリガンドは、本明細書に記載の修飾LGICに選択的に結合するリガンドを同定するのに用いることができる。例えば、そのようなスクリーニング方法は、本明細書に記載の修飾LGICに1つまたは複数の候補リガンドを提供し、候補リガンドと修飾LGICとの間の結合を検出することを含み得る。
【0080】
候補リガンドと修飾LGICとの間の結合を検出するために任意の適切な方法を使用することができ、修飾LGICの活性を検出するために任意の適切な方法を使用することができる。例えば、リガンドが修飾LGICに結合して活性化する能力は、これらに限定されないが、膜電位(MP)アッセイ(例えば、蛍光MPアッセイ)、放射性結合アッセイ、および/またはピーク電流および持続電流の電圧クランプ測定を含むアッセイによって測定することができる。
【0081】
特定の態様では、本明細書に記載の修飾LGICおよび本明細書に記載の修飾LGICに結合して活性化することができるLGICリガンドは、チャネル障害(例えば、神経チャネル障害または筋肉チャネル障害)を有する哺乳動物を治療するために使用することができる。例えば、チャネル障害を有する哺乳動物は、本明細書に記載の修飾LGICを投与し、次いで、修飾LGICに結合して活性化することができるLGICリガンドを投与することによって治療することができる。例えば、チャネル障害を有する哺乳動物は、(例えば、R27Dアミノ酸置換、E41Rアミノ酸置換、Q79Gアミノ酸置換、およびY115Fアミノ酸置換を伴うヒトα7 nAChR LBD(配列番号:2)、ならびにA298Gアミノ酸置換を有するヒトGlyR IPD(配列番号:5)を有する少なくとも1つのキメラα7-GlyR LGICサブユニット(配列番号:6)を含む)本明細書に記載の修飾LGICを投与し、次に、トロピセトロンを投与することによって治療することができる。例えば、チャネル障害を有する哺乳動物は、L131アミノ酸置換(例えば、L131G、L131A、L131M、またはL131N)、ならびに、任意に、Q79Sアミノ酸置換、Q139Lアミノ酸置換、および/またはY217Fアミノ酸置換を伴う、修飾ヒトα7 nAChR LBD(例えば、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:11、または配列番号12)を含む本明細書に記載の修飾LGICを投与し、次に、バレニクリン、トロピセトロン、および/または化合物765を投与することにより治療することができる。
【0082】
本明細書に記載の修飾LGICおよび本明細書に記載の修飾LGICに結合して活性化することができるLGICリガンドを用いて、任意のタイプの哺乳動物を治療することができる。例えば、ヒト、およびサルなどの他の霊長類は、本明細書に記載の修飾LGICおよび本明細書に記載の修飾LGICに結合して活性化することができるLGICリガンドを使用して治療することができる。特定の場合、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウサギ、マウス、およびラットを、本明細書に記載の修飾LGICおよび本明細書に記載の修飾LGICに結合して活性化することができるLGICリガンドを使用して治療することができる。
【0083】
任意の適切な方法を、チャネル障害を有する哺乳動物および/またはチャネル障害を発症する危険性がある哺乳動物を同定するのに用いることができる。例えば、遺伝子検査は、チャネル障害を有する哺乳動物および/またはチャネル障害を発症する危険性がある哺乳動物を同定するのに用いることができる。
【0084】
チャネル障害および/またはチャネル障害を発症する危険性がある哺乳動物を有すると同定されたならば、その哺乳動物には、本明細書に記載の修飾LGICが投与され、または自己投与するように指示され、次に、本明細書に記載の修飾LGICに結合して活性化することができるLGICリガンドが投与され、または自己投与するように指示され得る。本明細書に記載の修飾LGICおよび本明細書に記載の修飾LGICに結合して活性化することができるLGICリガンドは、一緒に投与することができ、または別々に投与することができる。
【0085】
本明細書に記載の材料および方法を用いて、チャネル障害を有する哺乳動物および/またはチャネル障害を発症する危険性がある哺乳動物を治療する場合、チャネル障害は任意のチャネル障害であり得る。本明細書中で使用される場合、チャネル障害は、異常なイオンチャネル機能および/または異常なリガンド機能によって引き起こされるか、または調節されたイオンチャネル機能および/または改変された細胞イオンフラックス(例えば、カルシウムイオンフラックス)によって軽減され得る、任意の疾患または障害であり得る。チャネル障害は、先天性または後天性であり得る。チャネル障害の例としては、限定はしないが、バーター症候群、ブルガダ症候群、カテコールアミン作動性多形性心室頻拍(CPVT)、先天性高インスリン血症、嚢胞性線維症、ドラベ症候群、一過性運動失調症、先端紅痛症、全般てんかん(たとえば、熱性発作を伴うもの)、家族性片麻痺性片頭痛、線維筋痛症、高カリウム血性周期性四肢麻痺、低カリウム血性周期性四肢麻痺、ランバート-イートン筋無力症候群、QT延長症候群(例えば、ロマノ-ワード症候群)、QT短縮症候群、悪性高熱症、ムコリピドーシスIV型、重症筋無力症、先天性ミオトニー、視神経脊髄炎、神経ミオトニー、非症候性難聴、先天性パラミオトニア、網膜色素変性症、チモシー症候群、耳鳴り、発作、三叉神経痛、および多発性硬化症が含まれる。あるいは、またはさらに、本明細書に記載の材料および方法は、これらに限らないが、疼痛治療、癌細胞治療、食欲制御、痙縮治療、筋ジストニア治療、振戦治療、および運動障害治療を含む他の用途に使用することができる。
【0086】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICおよび本明細書に記載の修飾LGICに結合して活性化することができるLGICリガンドは、細胞の活性を調節するのに用いることができる。本明細書に記載の修飾LGICおよび本明細書に記載の修飾LGICに結合して活性化することができるLGICリガンドを使用して調節される細胞の活性は、任意の細胞活性であり得る。細胞の活性の例としては、限定されないが、能動輸送(例えば、イオン輸送)、受動輸送、興奮、阻害、イオンフラックス(例えば、カルシウムイオンフラックス)、およびエキソサイトーシスが挙げられる。細胞活性は増加または減少し得る。例えば、本明細書に記載の修飾LGICおよび本明細書に記載の修飾LGICに結合して活性化することができるLGICリガンドは、細胞の膜を通過するイオン輸送を調節する(例えば増加させる)のに用いることができる。例えば、本明細書に記載の修飾LGICおよび本明細書に記載の修飾LGICに結合してそれを活性化することができるLGICリガンドは、細胞の興奮性を調節する(例えば増加させる)のに用いることができる。
【0087】
本明細書に記載の修飾LGIC、および本明細書に記載の修飾LGICに結合して活性化することができるLGICリガンドは、哺乳動物における任意のタイプの細胞の活性を調節するために使用することができる。細胞は、ニューロン、グリア細胞、筋細胞、免疫細胞(例えば、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、および単球)、内分泌細胞、または幹細胞(例えば、胚性幹細胞)であり得る。特定の場合、細胞は興奮性細胞であり得る。細胞はインビボまたはエクスビボであり得る。
【0088】
本明細書に記載の修飾LGICは、任意の適切な方法により投与することができる。修飾LGICは、修飾LGICサブユニットとして、または予め組み立てられた修飾LGICとして投与することができる。修飾LGICは、修飾LGICをコードする核酸として投与することができる。修飾LGICは、本明細書に記載の修飾LGICサブユニットをコードする核酸として投与することができる。例えば、核酸は、裸の核酸として、または任意の適切なベクター(例えば、組換えベクター)を用いて送達することができる。ベクターは、DNAベースのベクター、RNAベース、またはそれらの組み合わせであり得る。ベクターは、分裂細胞または非分裂細胞において核酸を発現することができる。組換えベクターの例としては、これらに限らないが、プラスミド、ウイルスベクター(例えば、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、および単純ヘルペスベクター)、コスミド、および人工染色体(例えば、酵母人工染色体または細菌人工染色体)が挙げられる。特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICサブユニットをコードする核酸は、アデノ随伴ウイルスベクターによって発現させることができる。
【0089】
本明細書に記載の修飾LGICは、任意の適切な方法によって(例えば、細胞内でのその存在を確認するために)検出することができる。特定の場合、修飾LGICを選択的に結合する剤を、修飾LGICを検出するのに用いることができる。本明細書に記載の修飾LGICに結合するために使用することができる剤の例としては、これらに限らないが、抗体、タンパク質(例えば、ブンガロトキシン)、および小分子リガンド(例えば、PETリガンド)が挙げられる。修飾LGICに選択的に結合する作用物質は、検出可能な標識(例えば、蛍光標識、放射性標識、陽電子放出標識、および酵素標識)を含み得る。細胞内のLGIC発現を検出するための方法は、蛍光イメージング、オートラジオグラフィー、機能的MRI、PET、およびSPECTを含み得る。
【0090】
本明細書に記載の修飾LGICおよび本明細書に記載の修飾LGICに結合して活性化することができるLGICリガンドは、チャネル障害を治療するために用いられる1つまたは複数の追加の剤/治療法との併用療法として、チャネル障害を有するおよび/またはチャネル障害を発症するリスクがある哺乳動物に投与することができる。例えば、本明細書に記載されるようなチャネル障害を有する哺乳動物を治療するために使用される併用療法は、本明細書に記載の修飾LGICおよび本明細書に記載の修飾LGICに結合して活性化することができるLGICリガンドを投与し、そして、アセタゾールアミド、ジクロロフェナミド、メキシリチン、グルコース、グルコン酸カルシウム、L-DOPA、筋肉刺激、脊髄刺激、脳刺激、および/または神経刺激で治療することを含み得る。
【0091】
本明細書に記載の修飾LGICおよび本明細書に記載の修飾LGICに結合して活性化することができるLGICリガンドを、チャネル障害を治療するために使用される追加の剤/療法と組み合わせて使用する実施形態では、1つまたは複数の追加の剤を、同じ時間に、または独立して、投与することができる。例えば、本明細書に記載の修飾LGICおよび本明細書に記載の修飾LGICに結合して活性化することができるLGICリガンドを最初に、1つまたは複数の追加の剤を次に、投与することができ、または逆を行うことができる。本明細書に記載の修飾LGICおよび本明細書に記載の修飾LGICに結合して活性化することができるLGICリガンドが、チャネル障害を治療するために使用される1つまたは複数の追加の治療と組み合わせて使用される実施形態では、1つまたは複数の追加の治療は 本明細書に記載の修飾LGICおよび本明細書に記載の修飾LGICに結合して活性化することができるLGICリガンドの投与と同時に、または独立して、行うことができる。例えば、本明細書に記載の修飾LGICおよび本明細書に記載の修飾LGICに結合して活性化することができるLGICリガンドは、1つまたは複数の追加の治療を行う前、その間、またはその後に投与することができる。
【0092】
特定の場合、本明細書に記載の修飾LGICおよび/または本明細書に記載の修飾LGICに結合して活性化することができるLGICリガンドは、チャネル障害を有するまたはチャネル障害を発症する危険性のある哺乳動物への投与のための薬学的に許容可能な組成物に処方され得る。例えば、本明細書に記載の修飾LGIC(例えば、本明細書に記載の修飾LGICをコードする核酸)および/または本明細書に記載の修飾LGICに結合して活性化することができるLGICリガンドの治療有効量は、1つまたは複数の薬学的に許容可能な担体(添加剤)および/または希釈剤と一緒に処方され得る。薬学的組成物は、これらに限らないが、無菌溶液、懸濁液、徐放性製剤、錠剤、カプセル、ピル、パウダー、および顆粒を含む、固体または液体形態で投与するために製剤化することができる。
【0093】
本明細書に記載の薬学的組成物に使用できる薬学的に許容可能な担体、充填剤、およびビヒクルとしては、これらに限らないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸などの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂肪が挙げられる。
【0094】
本明細書に記載の修飾LGICおよび/または本明細書に記載の修飾LGICに結合して活性化することができるLGICリガンドを含む薬学的組成物は、経口、非経口(皮下、頭蓋内、動脈内、筋肉内、静脈内、冠動脈内、皮内、または局所投与を含む)、または吸入投与のためにデザインすることができる。経口投与する場合、治療有効量の本明細書に記載の修飾LGIC(例えば、本明細書に記載の修飾LGICをコードする核酸)および/または本明細書に記載の修飾LGICに結合し活性化できるLGICリガンドを含む薬学的組成物は、丸剤、錠剤、またはカプセル剤の形態であり得る。非経口投与に適した組成物には、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、および製剤を意図するレシピエントの血液と等張にする溶質を含み得る水性および非水性の滅菌注射溶液、ならびに懸濁剤および増粘剤を含み得る水性および非水性の滅菌懸濁液が含まれる。吸入用組成物は、例えば、吸入器、ネブライザー、および/または乾燥粉末吸入器を用いて送達することができる。製剤は、単位用量または複数用量の容器、例えば密封アンプルおよびバイアルに入れて提供することができ、使用直前に、滅菌液体担体、例えば注射用水の添加のみを必要とする凍結乾燥(凍結乾燥)状態で保存することができる。即席注射溶液および懸濁液は、滅菌粉末、顆粒、および錠剤から調製することができる。
【0095】
治療有効量の本明細書に記載の修飾LGIC(例えば、本明細書に記載の修飾LGICをコードする核酸)および/または本明細書に記載の修飾LGICに結合し活性化し得るLGICリガンドを含む薬学的に許容可能な組成物は、局所的にまたは全身的に投与することができる。特定の場合、治療有効量の本明細書に記載の修飾LGIC(例えば、本明細書に記載の修飾LGICをコードする核酸)および/または本明細書に記載の修飾LGICに結合し活性化し得るLGICリガンドを含む組成物は、哺乳動物(例えば、ヒト)への静脈内もしくは経口投与、またはそれによる吸入によって全身的に投与することができる。特定の場合、治療有効量の本明細書に記載の修飾LGIC(例えば、本明細書に記載の修飾LGICをコードする核酸)および/または本明細書に記載の修飾LGICに結合し活性化し得るLGICリガンドを含む組成物は、哺乳動物(例えばヒト)の標的組織への経皮、皮下、筋肉内、頭蓋内、または開放外科的投与(例えば注射)により局所的に投与することができる。
【0096】
有効量は、チャネル障害の重症度、投与経路、対象の年齢および一般的健康状態、賦形剤の使用、他の薬剤の使用などの他の治療的処置との併用の可能性、ならびに治療する医師の判断に応じて変わり得る。
【0097】
投与の頻度は、哺乳動物に対して有意な毒性を生じさせることなく、チャネル障害の症状を改善する任意の頻度であり得る。例えば、投与の頻度は、週に約1回から日に約3回、月に約2回から日に約6回、または週に約2回から日に約1回であり得る。投与の頻度は、一定のままであり得るか、または治療期間中可変であり得る。治療有効量の本明細書に記載の修飾LGIC(例えば、本明細書に記載の修飾LGICをコードする核酸)および/または本明細書に記載の修飾LGICに結合し活性化することができるLGICリガンドを含む組成物による治療の過程は休息期間を含み得る。例えば、治療有効量の本明細書に記載の修飾LGIC(例えば、本明細書に記載の修飾LGICをコードする核酸)および/または本明細書に記載の修飾LGICに結合し活性化することができるLGICリガンドを含む組成物は、2週間にわたって毎日、投与することができ、その後2週間の休息期間をおくことができ、そのようなレジメンは複数回繰り返すことができる。有効量と同様に、様々な要因が特定の用途に使用される実際の投与頻度に影響を及ぼし得る。例えば、有効量、治療期間、複数の治療剤の使用、投与経路、およびチャネル障害の重症度は、投与頻度の増加または減少を必要とし得る。
【0098】
治療有効量の本明細書に記載の修飾LGIC(例えば、本明細書に記載の修飾LGICをコードする核酸)および/または本明細書に記載の修飾LGICに結合して活性化できるLGICリガンドを含む組成物を投与する有効期間は、哺乳動物に有意な毒性を生じることなく、チャネル障害の症状を改善する任意の期間である。例えば、有効期間は、数日から数週間、数ヶ月、または数年まで変わり得る。特定の場合において、チャネル障害の治療のための有効期間は、約1ヶ月から約10年の期間の範囲であり得る。特定の治療に使用される実際の有効期間には、複数の要因が影響する。例えば、有効期間は、投与の頻度、有効量、複数の治療剤の使用、投与経路、および治療されているチャネル障害の重症度によって異なり得る。
【0099】
特定の例において、治療の経過およびチャネル障害について治療されている哺乳動物の症状を監視することができる。チャネル障害の症状を監視するために任意の適切な方法を使用することができる。
【0100】
以下の例において本発明をさらに説明するが、これらの例は特許請求の範囲に記載の発明の範囲を限定するものではない。
【実施例
【0101】
実施例1:効力増強リガンド結合ドメイン変異
ニコチン性受容体アゴニストと化学的類似性を有する51の臨床的に使用される薬物のパネルに対して、突然変異LBDを有する41のα7-5HT3キメラチャネルのパネルを用いてスクリーニングを実施した。突然変異は、図1で強調された残基にある。スクリーンは、既知のnAChRアゴニストトロピセトロンに対して効力を増強するα7 nAChR LBD中のGln79における突然変異を明らかにした(図2)。これらの変異(Q79A、Q79G、Q79S)はアミノ酸側鎖のサイズを減少させる。いくつかの変異型イオンチャネル-リガンドの組み合わせは、効力において最大12倍の改善を与えた(表1、図3)。標準的なα7 nAChRアゴニスト、ACh、ニコチン、エピバチジン、および禁煙薬バレニクリンは、Q79A、Q79G、またはQ79Sの変異によって有意な影響を受けなかった。しかしながら、α7 nAChRアゴニストのサブセットは、いくつかの変異で増強された効力を示した。シチシン、RS56812、トロピセトロン、ノルトロピセトロン、およびPNU-282987は、α7Q79G-5HT3について有意に改善された効力を示した。さらに、ノルトロピセトロンおよびPNU-282987は、それぞれ、α7Q79A-5HT3およびα7Q79S-5HT3について有意に増強された効力を示した。一般に、リガンド結合ドメインの相補的結合面と相互作用する結合した芳香族構造を有するキヌクリジンまたはトロパンファーマコフォアに基づくアゴニストは、より小さいアミノ酸残基Ala、Gly、またはSerとのGln79置換で改善された効力を示した。ほとんどのアゴニストにとって、α7Q79G-5HT3が最も好ましい変異体キメライオンチャネルであった。
【0102】
(表1)HEK細胞においてGln79で変異したキメラカチオンチャンネルに対するnAChRアゴニストの効力。平均EC50、括弧内のSEM(μM)。
【0103】
これらの突然変異LBDを、これらのリガンドのほとんどについて最大6倍まで増強された効力を有するα7-GlyRキメラチャネルを生成するために用いた(図4A)。α7-5HT3の変異と同様に、Gln79におけるこれらの変異は、ACh、ニコチン、エピバチジン、バレニクリン、またはシチシンの効力に有意な影響を及ぼさなかった。しかしながら、トロピセトロン、ノルトロピセトロン、およびRS56812は、α7Q79G-GlyRに対して有意に増強された効力を示した。α7-5HT3に対するLBD突然変異と同様に、ノルトロピセトロンはα7Q79A-GlyRに対して有意に増強された効力を有し、PNU-282987はα7Q79S-GlyRに対して有意に増強された効力を示した。ほとんどのアゴニストにとって、α7Q79G-GlyRが最も好ましい変異型キメライオンチャネルであった。
【0104】
小分子スクリーニングにおいて観察された別の関係は、Trp77での突然変異がα7W77F-5HT3(EC50:1.2μM)、α7W77Y-5HT3(EC50:1.1μM)、およびα7W77F-GlyR(EC50:0.66μM)受容体で薬剤グラニセトロンに対するアゴニスト活性を与えたということであった。グラニセトロンは5HT3受容体アンタゴニスト・グラニセトロンであり、これはα7-5HT3またはα7-GlyRを活性化しない。
【0105】
これらの結果は、α7 nAChR LBD中のQ79の(A、G、またはSへの)変異が、既知のLGICリガンドの修飾LGICへの結合を増強したことを示す。
【0106】
実施例2:効力増強イオン細孔ドメイン変異
全長グリシン受容体チャネルにおいて以前に確立されたIPD突然変異を有するα7-GlyRチャネル(T258SおよびA288G、GlyRナンバリング;α7-GlyRナンバリングについてT268SおよびA298Gと同等)を、アロステリックアゴニストイベルメクチンについての増強された効力について検査した。α7-GlyRT268Sを有するチャネルは実質的にリガンド・フリー・オープン確率を有することが見出され、それはそれらを細胞のリガンド制御の操作に不適当なものにする。全長グリシン受容体でのイベルメクチン効力を増強するために有効であったα7-GlyRA298Gでの突然変異は、リガンドの非存在下でオープン確率の適度な変化をもたらした。従って、このチャンネルを、既知のアゴニストのパネルに対する活性について検査した。標準アゴニストACh、ニコチン、およびエピバチジンについて、ならびにバレニクリンおよびトロピセトロンについて、α7-GlyRA298Gにおいてアゴニスト効力は有意に増強されなかった。α7 nAChRアゴニストのサブセットは、効力において中程度の4倍の増加までを示した:RS56812、シチシン、PNU-282987、およびノルトロピセトロンは有意により強力であった。それゆえ、IPD A298G突然変異の効果はリガンド効力を改善したが、リガンド構造に依存して、LBDにおける突然変異ほど効果的ではなかった。
【0107】
α7-GlyRについてのLBD中のQ79G変異およびA298G IPD変異を検査した(表2)。二重変異体キメラチャネル、α7Q79G-GlyRA298Gは、α7 nAChRアゴニストに対して、α7-GlyRに対して最大18倍の効力の増強を示す効力の相乗的増強をもたらした。この二重変異体チャネルからの増強は、アゴニストRS56812、トロピセトロン、ノルトロピセトロン、およびPNU-282987についての個々の変異からの増強よりも大きかった。この変異の組み合わせの予期されない構造的感受性をさらに強調すると、ACh、ニコチン、エピバチジン、バレニクリン、およびシチシンなどの複数のアゴニストは、α7-GlyRとα7Q79G-GlyRA298Gとの間で有意に変化しなかった。したがって、LBD突然変異Q79GのIPD突然変異A298Gとの組み合わせは、全てではないがいくつかのニコチン性アゴニストについての効力が約10~20倍まで大幅に増加した相乗効果をもたらした。
【0108】
(表2)変異型キメラクロライドチャネルに対するnAChRアゴニストの効力。キメラチャネルを発現するHEK細胞におけるアゴニスト活性についての平均EC 50および括弧内のSEM(μM)。
【0109】
これらの結果は、α7 nAChR LBD中のQ79の(A、G、またはSへの)突然変異および/またはGlyR IPD中のA298の(Gへの)突然変異が、修飾LGICへの既知のLGICリガンドの選択的結合をさらに増強したことを示す。
【0110】
実施例3:増強された効力を示す分子
α7Q79G-GlyRA298Gで増強された効力を示した既知のアゴニストの構造活性相関に基づいて、1つまたは複数の芳香族側鎖置換基を有する、キヌクリジン、トロパン、または9-アザビシクロ[3.3.1]ノナンファルマコフォアのいずれかからなる種々の合成分子をテストした。さらに、既知のα7 nAChRアゴニストPHA-543613(Walker et al 2006, Wishka et al 2006)もテストし、α7Q79G-GlyRA298Gに対して例外的な効力を示した。これらの分子は一般に10倍~100倍の増強された効力を示し(表3)、このことは、これらのファーマコフォアについては、特定範囲の構造的特徴がα7Q79G-GlyRA298Gの改善された効力と両立することを示す。
【0111】
これらの結果は、修飾LGICが合成キヌクリジン含有およびトロパン含有LGICリガンドによって活性化され得ることを示す。
【0112】
(表3)キメラチャネルに対する化合物の効力。キメラチャネルを発現するHEK細胞におけるアゴニスト活性についての平均EC50および括弧内のSEM(μM)。partialとは、部分アゴニスト活性をいう。
【0113】
実施例4:アセチルコリン応答性を低下させる突然変異
α7 nAChRは、他のnAChRアイソフォームと比較してAChに対する感受性が相対的に低く、トロパンおよびキヌクリジンリガンドについての効力増強突然変異は、これらのチャネルでのアセチルコリンの効力を実質的に変化させなかった。したがって、これらのチャンネルのアセチルコリン応答性を低下させるためにキメラチャンネルをさらに修飾した。追加のLBD変異Y115FおよびQ139Gでは特定の場合にアセチルコリン応答性が100μMを超えてかなり低下し、α7Q79G、Y115F-5HT3、α7Q79G、Q139G-5HT3、α7Q79G、Q139G-GlyRA298、α7Q79G、Y115F-GlyRA298Gについては特定のアゴニストの効力を控えめに低下させただけであった。たとえば、α7Q79G、Y115F-GlyRA298Gは、ノルトロピセトロンについて13nM、AChについて100μM超のEC50を有する(表4)。
【0114】
(表4)低いアセチルコリン応答性を有する変異キメラクロライドチャネルに対するnAChRアゴニストの効力。キメラチャンネルを発現するHEK細胞における活性についての平均EC 50および括弧内のSEM(μM)。
【0115】
これらの結果は、α7 nAChR LBDにおけるY115Fおよび/またはQ139G変異が、内在性LGICリガンドAchの修飾LGICへの結合を減少させたことを示している。
【0116】
実施例5:内因性受容体サブユニットとの会合を減少させる突然変異
α7 nAChRのアセンブリーは、LBD間の相互作用を介する5つのホモメリックサブユニットの会合に基づく(Celie et al 2004 Neuron 41: 907-14)。内因性α7 nAChRサブユニットとの望ましくない会合および/またはキメラチャネルの望ましくない会合を最小限にするために、アセチルコリン結合タンパク質の結晶構造を検査し、α7 nAChR受容体LBD中の相同なイオン性アミノ酸も有する反対の電荷を有する近くのサブユニット間残基を同定することによって、潜在的なサブユニット間架橋を同定した。電荷反転突然変異(潜在的な塩橋の酸性のメンバーを塩基性残基に、その塩基性パートナーを酸性残基に切り替える)を、未修飾サブユニットとのサブユニット間相互作用を妨害するが、電荷反転突然変異を有するサブユニット間の相互作用を保持するようにデザインした(図6A)。電荷反転変異を有するキメラLGICサブユニットは、未修飾のチャネル、例えば、内因性α7 nAChRと相互作用することなく互いに選択的に会合することができた。α7 nAChR LBDにおけるR27D、E41Rの二重変異は、機能的チャネルをもたらした(図6B)。これらの電荷反転チャネルの、未修飾配列を有するα7-5HT3チャネルとの同時発現は、電荷反転サブユニットが未修飾チャネルと共免疫沈降しないことを示した(図6C)。キメラチャネルα7R27D、E41R、Q79G、Y115F-GlyRA298Gを得るための効力増強変異およびアセチルコリン遮断変異との組み合わせは、いくつかのアゴニストがそれらの同族アゴニストに対して高い効力を保持していることを明らかにした(表4、右欄)。
【0117】
これらの結果は、α7 nAChR LBDにおけるR27DおよびE41R変異が、修飾LGICサブユニットの、他の修飾および/または内因性LGICサブユニットとの会合を減少させたことを示している。
【0118】
実施例6:リガンド効力を増加させるLBD突然変異
α7-GlyRキメラチャネル中のα7 nAChR LBDのGly175およびPro216における突然変異を試験した。Gly175のLysへの変異(α7G175K-GlyR)は、AChに対する効力の増大を示した(5倍)(表5)。α7G175K-GlyRについては、ニコチン効力が未修飾α7-GlyRキメラチャネルと比較して10倍増強されたことも見出された(表5)。Pro216のIleへの突然変異(α7P216I-GlyR)はACh効力を実質的に変化させなかった(表5)。しかしながら、α7P216I-GlyRは、未修飾α7-GlyRと比較して4倍超まで増加したニコチン効力を示した(表5)。α7G175K-GlyRおよびα7P216I-GlyRにおけるこれらの効力増強突然変異はまた、30倍までのいくつかの他のα7-GlyRアゴニストの効力にも影響を及ぼした(表5)。α7G175K-GlyRについては、臨床的に使用されている薬トロピセトロン、バレニクリン、シチシン、グラニセトロン、およびエピバチジンについて、α7-GlyRよりも10倍超高い効力増強が見られた。α7P216I-GlyRについては、効力増強は約3倍であった(表5)。
【0119】
(表5)a7GlyRキメラチャネルにおけるG175KおよびP216I変異によるアゴニスト効力増強。
nd=決定せず
【0120】
AChを産生する生物における使用のため、α7 nAChR LBDから構成されるこれらのチャネルにおいて内因性ACh効力を低下させることが重要である。変異G175Kは、Y115FおよびY210FなどのAChに対する感受性を低下させる他の変異とさらに組み合わせることができた。α7Y115F、G175K-GlyRについては、トロピセトロン、グラニセトロン、ノルトロピセトロン、PNU-282987、およびPHA-543613について、トロパンまたはキヌクリジンコア構造に基づくアゴニストに対する高い効力が見られ、バレニクリンおよびシチシンに対する効力が大幅に低下した(表5)。α7G175K、Y210F-GlyRについて、ほとんどのアゴニストについての効力がかなり低下したが、グラニセトロンについての効力増強が観察された(表5)。
【0121】
低下したACh応答性を有するが他のアゴニストに対する高い効力を有するチャネルを開発するために、α7G175K-GlyRを、特定のアゴニストの効力を増加させるさらなる突然変異と組み合わせた。W77Fとの組み合わせはACh効力を減少させ、α7W77F、G175K-GlyRは、グラニセトロン、ノルトピセトロン、およびトロピセトロンについてα7-GlyRよりも増加した効力を示したが、PNU282-987、バレニクリン、シチシン、またはPHA-543613についてはそうでなかった(表5)。G175KのQ79Gとの組み合わせはACh効力を低下させ、α7Q79G、G175K-GlyRは、ノルトロピセトロン、PHA-543613、およびトロピセトロンについて効力の増加を示した(表5)。しかしながら、この効力増強は、PNU282-987、またはバレニクリンなどの他のアゴニストについては観察されなかった。α7G175K、Q139L-GlyRは、ACh効力を減少させ、ノルトロピセトロンおよびトロピセトロンについて効力を増加させた(表5)。
【0122】
W77F、Q79G、L141F、Y115F、G175K、およびY210Fにおける変異を様々な組み合わせで組み込むことによって、トロパンおよびキヌクリジンコア構造に基づくものを含む、合成アゴニストに関して高い効力を維持しながら、ACh効力のさらなる低下が達成された。α7Q79G、Y115F、G175K-GlyRは、トロピセトロンに対する強力な応答を維持しながらACh応答性を低下させた(表5)。これらの変異はまた、α7Y115F、G175K-GlyRに比較して、ならびに(内因性α7 nAChR活性を代表する)α7-5HT3と比較して、他のトロパンおよびキヌクリジンコア構造、特にキヌクリジンチオウレア702および703、ならびにトロパンエステル723、725、726、736、737、738、および745に対する応答性も増強した(表6)。α7Q79G、Y115F、G175K-GlyRもイベルメクチンに対して高い感受性を示した(表5)。α7W77F、Q79G、G175K-GlyRは、トロピセトロンおよびノルトロピセトロンに対する高い効力応答を維持しながらACh応答性を低下させた(表5)。α7W77F、Q79G、G175K-GlyRはまた、化合物723および725、ならびに臨床的に使用される薬物メキタジンおよびプロマジンなどのさらなるトロパンベースのコア構造に対して増強された効力を示した(表6)。α7W77F、G175K、Y210F-GlyRはACh応答性を低下させたが、グラニセトロンに対する効力を著しく向上させた(表5)。α7L141F、Y115F、G175K-GlyRは、グラニセトロンに対する感受性を付与しながらACh応答性を低下させた(表5)。α7Q79G、Q139L、G175K-GlyRはACh応答性を低下させたが、ノルトロピセトロンに対して強力な応答を示した(表5)。
【0123】
(表6)G175KおよびP216I α7GlyRキメラチャネルによる、トロパン、キヌクリジンアゴニスト、9-アザビシクロ[3.3.1]ノナンアゴニスト、ジアザビシクロ[3.2.2]ノナンアゴニスト、およびプロマジンの効力増強。3位に結合したインドールおよびインダゾール芳香族(A)置換基。
nd=決定せず;括弧:SEM
【0124】
α7G175K-GlyRおよびα7P216I-GlyRは、Q79G、Y115F、およびG175Kでの変異と共に、非会合変異R27D、E41R、ならびに、グラニセトロン、エピバチジン、バレニクリン、シチシン、PNU-282987、トロピセトロン、ノルトロピセトロン、およびPHA-543613に対するリガンド効力をさらに増強したGlyR IPD変異A298Gとも適合した(表7)。α7R27D、E41R、Q79G、Y115F、G175Kを形成するための非会合変異との組み合わせは、低いACh応答性で、702、723、725、および726についての効力をさらに改善した(表6)。
【0125】
(表7)α7GlyRキメラチャネルでのG175KおよびA298G変異ならびにα7GABAc(GABA-ρとも呼ばれる)チャネルでのW298Aによるアゴニスト効力増強。
nd=決定せず;括弧:SEM
【0126】
α7Y115F-GlyRキメラチャネルにおけるα7 nAChR LBDのGly175でのさらなるアミノ酸置換もまた、アゴニスト効力を増強した。α7Y115F-GlyRキメラチャネルにおけるトロピセトロンの効力は、G175A(7.1倍)、G175F(2倍)、G175H(2.3倍)、G175K(5.6倍)、G175M(2.6倍)、G175R(5.8倍)、G175S(9.3倍)、G175V(16.7倍)を含む、追加の突然変異で増強された。
【0127】
(表8)α7GlyR Y115FキメラチャネルにおけるG175突然変異によるアゴニスト効力増強。
nd=決定せず;括弧:SEM
【0128】
より小さなアミノ酸へのLeu131の突然変異は、標準的(カノニカル)アゴニストAchおよびニコチンの効力を低下させる一方、バレニクリン、トロピセトロンおよびいくつかの他のアゴニストの効力を著しく増加させることが見出された。α7L131A-GlyRおよびα7L131G-GlyRは、ACh応答性を減少させ(6倍)、そしてバレニクリン(それぞれ8倍および17倍)およびトロピセトロン(それぞれ2.5倍および3.6倍)に対する効力を増強した(表9)。α7L131G-5HT3 HCは、ACh応答性を低下させ(5倍)、そしてバレニクリン(16倍)およびトロピセトロン(2.3倍)に対する効力を増強した(図9Aおよび表9)。α7L131G、Q139L-GlyRおよびα7L131G、Y217F-GlyRは、バレニクリンについてはα7-GlyRに対して同様の効力増強を示した(21倍)が、ACh感受性も減少させた(それぞれ-11倍および-13倍)。α7Q79S、L131G-GlyRは、バレニクリン(89倍)およびトロピセトロン(15倍)についてα7-GlyRよりも効力をさらに改善した。α7L131G、Q139L、Y217F-GlyRは、バレニクリンについてα7-GlyRよりも効力の最大の改善を示し(387倍)、そしてまたACh効力の減少も示した(13倍)(図9Bおよび表9)。α7L131G、Q139L、Y217F-GlyRもまた、化合物770(0.001μM)、化合物773(0.00034μM)、および化合物774(0.00013μM)について極めて高い効力を示した(図10)。α7Q79S、L131G、Q139L-GlyRはまた、バレニクリン(31倍)およびトロピセトロン(3倍)についてα7-GlyRよりも効力を改善したが、ACh効力(9倍)は低下した(図9Bおよび表9)。α7L131M-GlyR、α7L131Q-GlyR、およびα7L131V-GlyRは、ACh力価を低下させたが、トロピセトロン、ノルトロピセトロン、PHA-543613、およびグラニセトロンに対する効力を増強した(表9)。α7L131F-GlyRは、ACh効力を実質的に低下させることが見出されたが、他のアゴニストについての力価を改善しなかった(表8)。α7L131G-GABAcは、ACh効力を実質的に低下させたが、他のアゴニストについての効力を改善しなかった(表9)。α7L131G、Q139L、Y217F-5HT3 HC(表9)は、α7-5HT3よりもバレニクリンの効力を131倍改善した(表1)。α7L131G、Q139L、Y217F-5HT3 HCもまた、化合物770(0.007μM)、化合物773(0.002μM)、および化合物774(0.004μM)について高い効力を示した(表8)。
【0129】
(表9)L131変異を有するキメラチャネルによるアゴニスト効力増強。
nd=決定せず;括弧:SEM
【0130】
実施例7:ニューロンにおけるキメラLGIC
α7Q79G-GlyRA298Gまたはα7Q79G、Y115F、G175K-GlyRキメラLGICをコードする核酸を含有するAAVまたはDNAプラスミドをマウス皮質ニューロンに形質導入した。低濃度のトロピセトロン(30nMまたは100nM)をマウス皮質ニューロンに投与した。ニューロン活性は低濃度のアゴニストの適用により抑制された(図7および図8C)。
【0131】
α7L131G、Q139L、Y217F-GlyRキメラLGICをコードする核酸を含むDNAプラスミドをマウス皮質ニューロンにトランスフェクトした。低濃度のバレニクリン(10nM)をマウス皮質ニューロンに投与した。ニューロン活性は低濃度のアゴニストの適用により抑制された(図9C)。
【0132】
これらの結果は、低濃度のLGICリガンド、トロピセトロンおよびバレニクリンを使用して、修飾LGIC活性がニューロンにおいて制御され得ることを示す。
【0133】
実施例8:治療におけるキメラLGIC
化学遺伝学的ツールは、薬物療法と遺伝子療法を組み合わせるための魅力的な戦略を提供する。これは、薬物の投与に選択的に関与する外因的に送達されるイオンチャネルの使用により、同じイオンチャネルおよびリガンドを使用して、様々な適応症において、異なる細胞型にわたって一貫した様式で細胞機能が調節され得るためである。寛容性が高く、臨床的に使用される薬物によって開閉されるイオンチャネルの同定は、化学遺伝学をヒトの治療用途に潜在的に拡張するために特に魅力的である。
【0134】
薬物トロピセトロンについて、我々は、それがその治療標的である5HT 3受容体について報告されている10nMトロピセトロンのIC50と類似する、11nMのEC50でα7Q79G-GlyRA298Gを活性化することを見出した(Combrink et al. 2009 Pharmacological reports: PR 61: 785-97)。
【0135】
他の実施形態
本開示をその詳細な説明と併せて説明してきたが、前述の説明は例示を意図したものであり、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲を限定するものではない。他の態様、利点、および改変は特許請求の範囲内にある。
【0136】
配列情報
SEQUENCE LISTING
<110> Howard Hughes Medical Institute
<120> MODIFIED LIGAND-GATED ION CHANNELS AND METHODS OF USE
<150> US 62/359,534
<151> 2016-07-07
<150> US 62/486,779
<151> 2017-04-18
<160> 12
<170> PatentIn version 3.5

<210> 1
<211> 224
<212> PRT
<213> human
<400> 1
Met Arg Cys Ser Pro Gly Gly Val Trp Leu Ala Leu Ala Ala Ser Leu
1 5 10 15
Leu His Val Ser Leu Gln Gly Glu Phe Gln Arg Lys Leu Tyr Lys Glu
20 25 30
Leu Val Lys Asn Tyr Asn Pro Leu Glu Arg Pro Val Ala Asn Asp Ser
35 40 45
Gln Pro Leu Thr Val Tyr Phe Ser Leu Ser Leu Leu Gln Ile Met Asp
50 55 60
Val Asp Glu Lys Asn Gln Val Leu Thr Thr Asn Ile Trp Leu Gln Met
65 70 75 80
Ser Trp Thr Asp His Tyr Leu Gln Trp Asn Val Ser Glu Tyr Pro Gly
85 90 95
Val Lys Thr Val Arg Phe Pro Asp Gly Gln Ile Trp Lys Pro Asp Ile
100 105 110
Leu Leu Tyr Asn Ser Ala Asp Glu Arg Phe Asp Ala Thr Phe His Thr
115 120 125
Asn Val Leu Val Asn Ser Ser Gly His Cys Gln Tyr Leu Pro Pro Gly
130 135 140
Ile Phe Lys Ser Ser Cys Tyr Ile Asp Val Arg Trp Phe Pro Phe Asp
145 150 155 160
Val Gln His Cys Lys Leu Lys Phe Gly Ser Trp Ser Tyr Gly Gly Trp
165 170 175
Ser Leu Asp Leu Gln Met Gln Glu Ala Asp Ile Ser Gly Tyr Ile Pro
180 185 190
Asn Gly Glu Trp Asp Leu Val Gly Ile Pro Gly Lys Arg Ser Glu Arg
195 200 205
Phe Tyr Glu Cys Cys Lys Glu Pro Tyr Pro Asp Val Thr Phe Thr Val
210 215 220

<210> 2
<211> 229
<212> PRT
<213> human
<400> 2
Met Arg Cys Ser Pro Gly Gly Val Trp Leu Ala Leu Ala Ala Ser Leu
1 5 10 15
Leu His Val Ser Leu Gln Gly Glu Phe Gln Arg Lys Leu Tyr Lys Glu
20 25 30
Leu Val Lys Asn Tyr Asn Pro Leu Glu Arg Pro Val Ala Asn Asp Ser
35 40 45
Gln Pro Leu Thr Val Tyr Phe Ser Leu Ser Leu Leu Gln Ile Met Asp
50 55 60
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65 70 75 80
Ser Trp Thr Asp His Tyr Leu Gln Trp Asn Val Ser Glu Tyr Pro Gly
85 90 95
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100 105 110
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Asn Val Leu Val Asn Ser Ser Gly His Cys Gln Tyr Leu Pro Pro Gly
130 135 140
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Val Gln Gln Cys Lys Leu Lys Phe Gly Ser Trp Ser Tyr Gly Gly Trp
165 170 175
Ser Leu Asp Leu Gln Met Gln Glu Ala Asp Ile Ser Ser Tyr Ile Pro
180 185 190
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195 200 205
Phe Tyr Glu Cys Cys Lys Glu Pro Tyr Pro Asp Val Thr Tyr Thr Val
210 215 220
Thr Met Arg Arg Arg Thr Leu Tyr Tyr Gly Leu Asn Leu Leu Ile Pro
225 230 235 240
Cys Val Leu Ile Ser Ala Leu Ala Leu Leu Val Phe Leu Leu Pro Ala
245 250 255
Asp Ser Gly Glu Lys Ile Ser Leu Gly Ile Thr Val Leu Leu Ser Leu
260 265 270
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275 280 285
Ser Val Pro Leu Ile Ala Gln Tyr Phe Ala Ser Thr Met Ile Ile Val
290 295 300
Gly Leu Ser Val Val Val Thr Val Ile Val Leu Arg Tyr His His His
305 310 315 320
Asp Pro Asp Gly Gly Lys Met Pro Lys Trp Thr Arg Ile Ile Leu Leu
325 330 335
Asn Trp Cys Ala Trp Phe Leu Arg Met Lys Arg Pro Gly Glu Asp Lys
340 345 350
Val Arg Pro Ala Cys Gln His Lys Pro Arg Arg Cys Ser Leu Ala Ser
355 360 365
Val Glu Leu Ser Ala Gly Ala Gly Pro Pro Thr Ser Asn Gly Asn Leu
370 375 380
Leu Tyr Ile Gly Phe Arg Gly Leu Glu Gly Met His Cys Ala Pro Thr
385 390 395 400
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450 455 460
Cys Val Val Asp Pro Leu Cys Leu Met Ala Phe Ser Val Phe Thr Ile
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Ile Cys Thr Ile Gly Ile Leu Met Ser Ala Pro Asn Phe Val Glu Ala
485 490 495
Val Ser Lys Asp Phe Ala
500
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
【配列表】
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