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特許7538931家電機器用対話型サーバ装置、家電機器用対話型サーバ処理方法および家電機器用対話システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】家電機器用対話型サーバ装置、家電機器用対話型サーバ処理方法および家電機器用対話システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/16 20060101AFI20240815BHJP
   G16Y 10/80 20200101ALI20240815BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240815BHJP
【FI】
G06F3/16 650
G16Y10/80
G06Q50/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023175310
(22)【出願日】2023-10-10
【審査請求日】2024-04-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀧川 正史
【審査官】伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/107741(WO,A1)
【文献】特開2022-67690(JP,A)
【文献】国際公開第2014/192214(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/107144(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2022/0270605(US,A1)
【文献】国際公開第2019/082630(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/16
G16Y 10/80
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家電機器の利用者との間で前記家電機器に関する対話情報としての入力情報を受け付ける入力部と前記入力情報に対する回答情報を前記対話情報として出力する出力部と、を備える対話制御部と、
前記入力部から入力された前記入力情報を取得し、取得した前記入力情報に対して利用可能な参照情報を用いた前記回答情報を取得して前記対話制御部に提供する回答取得部と、
を含み、
前記対話制御部は、前記回答情報の内容に応じて、前記入力情報と前記回答情報による対話を補う提案情報を生成するか否かを決定し、前記提案情報を生成しないと決定した場合は、前記回答情報を前記出力部から出力し、前記提案情報を生成すると決定した場合は、前記回答情報とともに、前記提案情報を前記出力部から出力する、家電機器用対話型サーバ装置。
【請求項2】
前記対話制御部は、過去の対話履歴に基づく履歴情報を記憶する記憶部を備え、
前記回答取得部は、前記入力情報とともに前記履歴情報を取得し、前記入力情報と前記履歴情報に対して前記参照情報を用いた前記回答情報を取得する、請求項1に記載の家電機器用対話型サーバ装置。
【請求項3】
前記入力部は、前記利用者が登録した前記家電機器に関する機器情報をさらに受け付け、
前記回答取得部は、前記入力情報とともに前記機器情報を取得し、前記入力情報と前記機器情報に対して前記参照情報を用いた前記回答情報を取得する、請求項1に記載の家電機器用対話型サーバ装置。
【請求項4】
前記入力部は、前記対話情報の入出力のために前記利用者が操作する端末装置の表示内容を前記機器情報として取得する、請求項3に記載の家電機器用対話型サーバ装置。
【請求項5】
前記入力部は、前記利用者のユーザ情報をさらに受け付け、
前記回答取得部は、前記入力情報とともに前記ユーザ情報を取得し、前記入力情報と前記ユーザ情報に対して前記参照情報を用いた前記回答情報を取得する、請求項1に記載の家電機器用対話型サーバ装置。
【請求項6】
前記入力部は、前記利用者が使用中の前記家電機器の現在の使用状況を示す使用中情報をさらに受け付け、
前記回答取得部は、前記入力情報とともに前記使用中情報を取得し、前記入力情報と前記使用中情報に対して前記参照情報を用いた前記回答情報を取得する、請求項1に記載の家電機器用対話型サーバ装置。
【請求項7】
前記入力部は、前記利用者が使用する前記家電機器の使用履歴を示す使用履歴情報をさらに受け付け、
前記回答取得部は、前記入力情報とともに前記使用履歴情報を取得し、前記入力情報と前記使用履歴情報に対して前記参照情報を用いた前記回答情報を取得する、請求項1に記載の家電機器用対話型サーバ装置。
【請求項8】
前記回答取得部が参照する参照情報は、現在の気候情報を含む、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の家電機器用対話型サーバ装置。
【請求項9】
対話制御部が、家電機器の利用者との間で前記家電機器に関する対話情報としての入力情報を入力部を介して受け付ける入力処理と、前記入力情報に対する回答情報を前記対話情報として出力部を介して出力する出力処理と、を含む対話制御ステップと、
回答取得部が、前記入力部から入力された前記入力情報を取得し、取得した前記入力情報に対して利用可能な参照情報を用いた前記回答情報を取得して前記対話制御部に提供する、回答取得ステップと、
を含み、
前記対話制御ステップは、前記回答情報の内容に応じて、前記入力情報と前記回答情報による対話を補う提案情報を生成するか否かを決定し、前記提案情報を生成しないと決定した場合は、前記回答情報を前記出力部から出力し、前記提案情報を生成すると決定した場合は、前記回答情報とともに、前記提案情報を前記出力部から出力する、対話処理ステップを含む、家電機器用対話型サーバ処理方法。
【請求項10】
少なくとの一つ以上の家電機器と接続されるとともに、前記家電機器の設定と制御の少なくとも一方の操作が実行可能な端末装置と、
前記端末装置を介して前記家電機器の利用者との間で前記家電機器に関する対話情報としての入力情報を受け付ける入力部と、前記入力情報に対する回答情報を前記対話情報として前記端末装置に出力する出力部と、を備える対話制御部と、前記入力部から入力された前記入力情報を取得し、取得した前記入力情報に対して利用可能な参照情報を用いた前記回答情報を取得して前記対話制御部に提供する回答取得部と、を含む家電機器用対話型サーバ装置と、
を備え、
前記対話制御部は、前記回答情報の内容に応じて、前記入力情報と前記回答情報による対話を補う提案情報を生成するか否かを決定し、前記提案情報を生成しないと決定した場合は、前記回答情報を前記出力部から出力して前記端末装置に提供し、前記提案情報を生成すると決定した場合は、前記回答情報とともに、前記提案情報を前記出力部から出力して前記端末装置に提供する、家電機器用対話システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、家電機器用対話型サーバ装置、家電機器用対話型サーバ処理方法および家電機器用対話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家電機器の設定や制御を行う場合に、音声入力技術等を用いて利用者の発話時の音声を認識して利用者ごとの設定や制御を実行する技術が実用化されている。また、利用者と家電機器との間で質問と回答を繰り返す対話を行いながら設定や制御を実行する技術が実用化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6771681号公報
【文献】特開2012-061930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような音声入力による操作や対話形式の操作は、家電機器側から予め決まられた項目の問いかけが行われ、その問いかけに対して返答の形で入力を行うものが多く、返答時には、過不足なく必要な項目やキーワードの入力が必要となっている。そのため、家電機器との対話が煩雑になり利用者の負担が大きくなってしまう場合があるという問題があった。また、家電機器と利用者との間で行われる質問と回答による対話が適切でない方向に進み、利用者が希望する制御や設定ができなかったり、完了までの時間が長くなったりしてしまうという問題があった。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、家電機器の設定や制御等の操作を行う際の対話をスムーズかつ適切に行い、家電機器の設定や制御等のための支援を適切かつ容易に実現できる、家電機器用対話型サーバ装置、家電機器用対話型サーバ処理方法および家電機器用対話システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの実施形態に係る家電機器用対話型サーバ装置は、対話制御部と、回答取得部と、を含む。対話制御部は、家電機器の利用者との間で前記家電機器に関する対話情報としての入力情報を受け付ける入力部と前記入力情報に対する回答情報を前記対話情報として出力する出力部と、を備える。回答取得部は、前記入力部から入力された前記入力情報を取得し、取得した前記入力情報に対して利用可能な参照情報を用いて前記回答情報を取得して前記対話制御部に提供する。そして、前記対話制御部は、前記回答情報の内容に応じて、前記入力情報と前記回答情報による対話を補う提案情報を生成するか否かを決定し、前記提案情報を生成しないと決定した場合は、前記回答情報を前記出力部から出力し、前記提案情報を生成すると決定した場合は、前記回答情報とともに、前記提案情報を前記出力部から出力する。
【0007】
また、家電機器用対話型サーバ装置の前記対話制御部は、例えば、過去の対話履歴に基づく履歴情報を記憶する記憶部を備え、前記回答取得部は、前記入力情報とともに前記履歴情報を取得し、前記入力情報と前記履歴情報に対して前記参照情報を用いた前記回答情報を取得してもよい。
【0008】
また、家電機器用対話型サーバ装置の前記入力部は、例えば、前記利用者が登録した前記家電機器に関する機器情報をさらに受け付け、前記回答取得部は、前記入力情報とともに前記機器情報を取得し、前記入力情報と前記機器情報に対して前記参照情報を用いた前記回答情報を取得してもよい。
【0009】
また、家電機器用対話型サーバ装置の前記入力部は、例えば、前記対話情報の入出力のために前記利用者が操作する端末装置の表示内容を前記機器情報として取得してもよい。
【0010】
また、家電機器用対話型サーバ装置の前記入力部は、例えば、前記利用者のユーザ情報をさらに受け付け、前記回答取得部は、前記入力情報とともに前記ユーザ情報を取得し、前記入力情報と前記ユーザ情報に対して前記参照情報を用いた前記回答情報を取得してもよい。
【0011】
また、家電機器用対話型サーバ装置の前記入力部は、例えば、前記利用者が使用中の前記家電機器の現在の使用状況を示す使用中情報をさらに受け付け、前記回答取得部は、前記入力情報とともに前記使用中情報を取得し、前記入力情報と前記使用中情報に対して前記参照情報を用いた前記回答情報を取得してもよい。
【0012】
また、家電機器用対話型サーバ装置の前記入力部は、例えば、前記利用者が使用する前記家電機器の使用履歴を示す使用履歴情報をさらに受け付け、前記回答取得部は、前記入力情報とともに前記使用履歴情報を取得し、前記入力情報と前記使用履歴情報に対して前記参照情報を用いた前記回答情報を取得してもよい。
【0013】
また、家電機器用対話型サーバ装置の前記回答取得部が参照する参照情報は、例えば、現在の気候情報を含んでもよい。
【0014】
本発明の一つの実施形態に係る家電機器用対話型サーバ処理方法は、対話制御ステップと、回答取得ステップとを含む。対話制御ステップは、対話制御部が、家電機器の利用者との間で前記家電機器に関する対話情報としての入力情報を入力部を介して受け付ける入力処理と、前記入力情報に対する回答情報を前記対話情報として出力部を介して出力する出力処理と、を含む。回答取得ステップは、回答取得部が、前記入力部から入力された前記入力情報を取得し、取得した前記入力情報に対して利用可能な参照情報を用いた前記回答情報を取得して前記対話制御部に提供する。そして、前記対話制御ステップは、前記回答情報の内容に応じて、前記入力情報と前記回答情報による対話を補う提案情報を生成するか否かを決定し、前記提案情報を生成しないと決定した場合は、前記回答情報を前記出力部から出力し、前記提案情報を生成すると決定した場合は、前記回答情報とともに、前記提案情報を前記出力部から出力する、対話処理ステップを含む。
【0015】
本発明の一つの実施形態に係る家電機器用対話システムは、端末装置と、家電機器用対話型サーバ装置と、を含む。端滅装置は、少なくとの一つ以上の家電機器と接続されるとともに、前記家電機器の設定と制御の少なくとも一方の操作が実行可能である。家電機器用対話型サーバ装置は、前記端末装置を介して前記家電機器の利用者との間で前記家電機器に関する対話情報としての入力情報を受け付ける入力部と、前記入力情報に対する回答情報を前記対話情報として前記端末装置に出力する出力部と、を備える対話制御部と、前記入力部から入力された前記入力情報を取得し、取得した前記入力情報に対して利用可能な参照情報を用いた前記回答情報を取得して前記対話制御部に提供する回答取得部と、を含む。そして、前記対話制御部は、前記回答情報の内容に応じて、前記入力情報と前記回答情報による対話を補う提案情報を生成するか否かを決定し、前記提案情報を生成しないと決定した場合は、前記回答情報を前記出力部から出力して前記端末装置に提供し、前記提案情報を生成すると決定した場合は、前記回答情報とともに、前記提案情報を前記出力部から出力して前記端末装置に提供する。
【0016】
以上の家電機器用対話型サーバ装置、家電機器用対話型サーバ処理方法および家電機器用対話システムによれば、家電機器の設定や制御等の操作を行う際の対話をスムーズかつ適切に行い、家電機器の設定や制御等のための支援を適切かつ容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、実施形態に係る家電機器用対話型サーバ装置を含む家電機器用対話システムの利用例を示す例示的かつ模式的な説明図である。
図2図2は、実施形態に係る家電機器用対話型サーバ装置(家電機器用対話型システム)の構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る家電機器用対話型サーバ装置を利用した場合の端末装置の表示部に表示される表示画面を示す例示的かつ模式的な説明図である。
図4図4は、実施形態に係る家電機器用対話型サーバ装置を利用した場合の端末装置の表示部に表示される他の表示画面を示す例示的かつ模式的な説明図である。
図5図5は、図2に示す家電機器用対話型サーバ装置を含む家電機器用対話システムの動作を示す例示的なシーケンス図である。
図6図6は、実施形態に係る家電機器用対話型サーバ装置の対話制御部の解析部において、提案情報を作成するか否かを決定するスコアが所定閾値を超えた場合、生成する提案情報に含まれる家電機器の制御(操作)提案を家電機器で受付可能な情報に書き換えた状態を示す例示的かつ模式的な説明図である。
図7図7は、実施形態に係る家電機器用対話型サーバ装置(家電機器用対話型システム)の他の構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。
図8図8は、図7に示す家電機器用対話型サーバ装置を含む家電機器用対話システムの動作を示す例示的なシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る家電機器用対話型サーバ装置、家電機器用対話型サーバ処理方法および家電機器用対話システムについて説明する。本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0019】
図1は、実施形態に係る家電機器用対話型サーバ装置12を含む家電機器用対話システムSyの利用例(適応場所の住宅H)を示す例示的かつ模式的な説明図である。家電機器用対話システムSyは、利用者Uが操作可能な端末装置10(例えば、スマートフォン等の携帯端末の他、タブレット端末、ノートタイプや据え置きタイプのパーソナルコンピュータ等)と、例えばルータRやモデムMDを介して接続されたインターネット等のネットワークNを経由して相互に通信可能に接続され家電機器用対話型サーバ装置12とで構成される。
【0020】
端末装置10は、少なくとの一つ以上の家電機器Mと、例えば無線や有線で接続可能であり、接続された家電機器Mの設定と制御の少なくとも一方の操作が実行可能である。端末装置10には、事前に登録された複数の家電機器Mの設定や制御を個別に行うことができる、例えば専用のアプリケーションソフトがインストールされているものとする。図1の例では、リビング、洗面所、寝室、書斎にそれぞれ家電機器Mが設置され、端末装置10によって、それぞれの家電機器Mの設定や制御が可能である。リビングには、設定、制御の対象として事前にアプリケーションソフトに登録された家電機器Mとして、例えば、冷蔵庫m1、電子レンジm2、空気調和装置m3(エアコン)が存在する。同様に、洗面所には、事前にアプリケーションソフトに登録された家電機器Mとして、例えば、洗濯機m4が存在する。寝室には、家電機器Mとして、空気調和装置m5が存在する。書斎には、家電機器Mとして、空気調和装置m6が存在する。なお、図1に示す家電機器Mは一例であり、無縁や有線で端末装置10と接続されて設定や制御ができる家電機器Mであればよく、新規の家電機器Mの追加や買い替えによる種類や機種の変更、登録数の増減等、利用者Uにより適宜変更可能である。
【0021】
本実施形態の家電機器用対話システムSyでは、利用者Uは、端末装置10を介してテキストや音声の形態の対話情報(入力情報)を入力し、ネットワークNを介して家電機器用対話型サーバ装置12に送信する。家電機器用対話型サーバ装置12では、取得した入力情報に対して回答情報を取得して、端末装置10に返信し、回答情報を利用者Uにテキストや音声の形態で提供する。端末装置10は、入力情報の入力と回答情報の出力を少なくとも一回成立させることで、利用者Uと家電機器用対話型サーバ装置12との対話を成立させる。入力情報の入力と回答情報の出力を複数回実行することで、対話内容の充実が行われ、利用者Uが希望する理想的な回答が得られやすくなり、家電機器Mの設定や制御をスムーズかつ適切に行うことができる。なお、図1では、家電機器Mを端末装置10であるスマートフォンに接続する例を示しているが、家電機器Mが、スマートフォンと同様にネットワークNとの接続機能および表示装置やテキストや音声の入出力部を備える場合がある。この場合、家電機器Mと端末装置10が一体化しているものと見なし、家電機器Mと家電機器用対話型サーバ装置12とを直接接続して、入力情報の入力と回答情報の出力を行い、対話を実現してもよい。
【0022】
図2は、家電機器用対話型サーバ装置12(家電機器用対話システムSy)の構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。家電機器用対話型サーバ装置12は、対話制御部14と回答取得部16を含む。
【0023】
家電機器用対話型サーバ装置12は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶部と、通信インターフェースと、入出力インターフェース等で構成されている一般的なコンピュータで実現可能である。
【0024】
対話制御部14は、家電機器用対話システムSy全体を管理する機能を有し、端末装置10(家電機器M)と回答取得部16との橋渡しを行う。
【0025】
回答取得部16は、端末装置10から入力された入力情報に対する回答情報を取得する機能を有する。回答取得部16は、いわゆる、対話型AI(artificial intelligence)から回答情報を取得する。回答取得部16は、内部に対話型AIを含み、回答情報を取得(生成)してもよいし、回答取得部16が外部サービスの対話型AIを利用して回答情報を取得してもよい。回答取得部16に対話型AIが含まれる場合、回答取得部16が保持する参照情報用のデータベースを参照して回答情報を生成してもよい。この場合、データベースはインターネット上に存在する膨大量の情報を参照し学習することにより構築してもよい。また、回答取得部16に含まれる対話型AIは、回答情報を生成する度にインターネット上にある膨大な情報を参照して回答情報を生成してもよい。また、回答取得部16が外部サービスとして提供される対話型AIを利用する場合、対話制御部14から取得した入力情報を外部の対話型AIに転送して、外部の対話型AIで生成された回答情報を取得する。
【0026】
対話型AIは、入力情報(質問等)に対して、利用可能な参照情報、例えばデータベースに保存された情報やインターネット上にある膨大な量の情報を参照し学習した結果として得られる情報を用いて、回答情報(質問に対する回答)を、より適切な言葉の組み合わせにより生成する。なお、対話型AIは、周知の技術が利用可能なので、詳細な説明は省略する。
【0027】
対話制御部14は、処理部18と解析部20とを含む。また、処理部18は、入力部18a、出力部18b、記憶部18c、情報管理部18d等を含む。入力部18aは、家電機器Mの利用者Uとの間で家電機器Mに関する対話情報としての入力情報を受け付ける。また、入力部18aは、利用者Uが家電機器用対話型サーバ装置12の対話制御部14(記憶部18c)に対して事前に登録した情報(例えば、家電機器Mに関する情報やユーザ情報等)を受け付けることも可能である。出力部18bは、入力情報に対する回答情報を回答取得部16から取得した場合、対話情報として端末装置10に出力する。記憶部18cは、過去の対話履歴に基づく履歴情報の他、各種登録情報(家電機器Mの種別や機種等の機器情報やユーザ情報等)や家電機器Mの使用履歴情報等の記憶が可能である。情報管理部18dは、記憶部18cにおける各種情報の記録処理や記憶部18cからの呼出処理等の情報管理を行う。つまり、情報管理部18dは、例えば、家電機器情報管理部やユーザ情報管理部として機能する。
【0028】
入力部18aは、例えば、端末装置10からテキストデータで質問等の入力情報が送信された場合、テキストデータを受け取る。また、後述するが、端末装置10から音声データで質問等の入力情報が送信された場合、音声データをテキストデータに変換して受け取る。出力部18bは、入力部18aに対して端末装置10からテキストデータで質問等の入力情報が送信されてきている場合、回答取得部16から取得した回答情報もテキストデータとして端末装置10に向けて出力する。また、端末装置10から音声データで質問等の入力情報が送信されてきている場合、出力部18bは、回答取得部16から取得した回答情報をテキストデータから音声データに変換して端末装置10に向けて出力する。なお、音声データで入力情報が入力された場合でもテキストデータで回答情報を端末装置10に出力するようにしてもよい。この場合、音声の聞き逃しや聞き間違えを回避し易く、正確な回答情報を利用者Uに提供し易くなる。
【0029】
記憶部18cは、過去の対話処理において、入力情報として対話制御部14に入力された家電機器Mの情報、例えば家電機器Mの種別情報、機種情報等ハードに関する情報等を、情報管理部18dを介して記憶することができる。また、家電機器Mに関する質問の内容、例えば、家電機器Mの設定や操作に関する質問情報(内容)や利用者Uの質問パターン等を、情報管理部18dを介して記憶することができる。この場合、処理部18(入力部18a)は、現在行われている対話内容(入力情報)と情報管理部18dを介して記憶部18cから呼出して取得した履歴情報とを回答取得部16に提供する。その結果、回答取得部16は、対話型AIが入力情報と履歴情報に対して参照情報を用いて生成した回答情報を取得する。この場合、利用者Uから詳細な家電機器Mの情報(種別や機種、質問の詳細等)が入力情報として提供されない場合でも、履歴情報を考慮することで、利用者Uが望むと推定される回答情報を効率的に提供することができる。つまり、利用者Uが入力する入力情報の量が少ない場合でもより適切な回答情報を提供することができる。換言すれば、利用者Uの入力の手間を軽減しつつ、より適切な回答情報の提供ができる。
【0030】
解析部20は、回答取得部16から提供される回答情報を処理部18を介して取得する。解析部20は、回答取得部16から提供される回答情報の内容を解析する解析AIとして機能する。解析部20は、回答情報の内容に応じて、入力情報と回答情報による対話を補う提案情報を生成するか否かを決定する。例えば、回答情報に対話の流れ(ストーリー)を左右するようなキーワード、例えば、「夏季」、「冷房」、「節電」、「設定温度」等のワードが一定数以上(閾値以上)登場する場合、入力情報のみでは、具体的な設定、例えば設定温度の変更の提案に至らないような場合でも、提案情報として、設定温度を節電に最適な設定にするように、対話を補うような提案情報を提供(生成)することができる。解析部20は、回答情報を解析した結果、対話の流れを大きく左右するようなキーワードが一定数以上登場していない場合、提案情報を生成する段階ではないと決定(判定)して、現在提供されている回答情報のみで対話を継続するように出力部から回答情報のみを出力するように処理部18に指示を出す。一方、提案情報を生成すると決定した場合は、回答情報に加え提案情報を出力するように処理部18に指示を出すことにより、回答情報による対話を補い、対話の内容をより充実させるようにする。処理部18は、回答取得部16から供給された回答情報と、解析部20の解析の結果を考慮して、最終的に端末装置10に提供する情報として、回答情報のみとする制御と、回答情報と提案情報を含めた制御とするかの切り替えを行う。なお、解析部20が含む解析AIは、例えば周知の機械学習技術等を用いたもので、詳細な説明は省略する。
【0031】
処理部18の入力部18aは、端末装置10の有する種々の情報、例えば、端末装置10に登録(記録)された情報や端末装置10の動作状態に基づく情報等を受け付け可能である。処理部18(入力部18a)は、利用者Uが入力する対話情報(入力情報)とともに端末装置10の有する種々の情報を適宜取得して、回答取得部16に提供する。その結果、対話型AIから取得する回答情報の品質を向上させる。また、処理部18(入力部18a)は、端末装置10において、登録処理の際に入力された種々の情報を事前に取得して、情報管理部18dを介して記憶部18cに記憶しておくことができる。そして、情報管理部18dは、利用者Uが対話情報(入力情報)を入力した際に、記憶部18cから関連すると見なされる情報を適宜呼出し、入力部18aを介して回答取得部16に提供してもよい。なお、端末装置10において、登録済みの機器情報やユーザ情報を表示する場合、家電機器用対話型サーバ装置12にアクセスして記憶部18cから必要な情報を取得し表示するようにしてもよい。
【0032】
上述したように、入力部18aは、利用者Uが端末装置10に予め登録した家電機器Mに関する機器情報を端末装置10または情報管理部18dを介して記憶部18cから受け付けることができる。例えば、利用者Uが端末装置10にインストールされた専用のアプリケーションソフトに設定や制御を行いたい家電機器M(例えば、冷蔵庫m1、電子レンジm2、空気調和装置m3,m5,m6、洗濯機m4等)を登録している場合、登録された家電機器Mの種別、機種等の情報を受け付け可能である。この場合、家電機器用対話型サーバ装置12と利用者U(端末装置10)との間で、家電機器Mの種別や機種が特定されないまま対話が進められている場合でも、回答取得部16は、入力情報とともに端末装置10または記憶部18cから機器情報を取得し、対話型AIは入力情報と機器情報に対して参照情報を用いた回答情報を取得することができる。つまり、利用者Uから詳細な家電機器Mの情報(種別や機種等)が入力情報として提供されない場合でも、利用者Uが望むと推定される回答情報を効率的に提供することができる。したがって、利用者Uが入力する入力情報において、家電機器Mの情報が不十分な場合でも、利用者Uが登録(所有)している家電機器Mに対してより適切な回答情報を提供することができる。換言すれば、利用者Uの入力の手間を軽減しつつ、より適切な回答情報の提供ができる。
【0033】
なお、この場合、入力部18aは、上述したように、対話情報の入出力のために利用者Uが操作する端末装置10に登録されている情報を取得する場合、または情報管理部18dから情報を取得する場合に、端末装置10の表示画面に現在表示されている表示内容に基づいて機器情報として取得してもよい。例えば、利用者Uは設定や制御を行おうとする家電機器Mに対応する操作画面を端末装置10に表示させている場合がある。この場合、表示内容を機器情報として取得したり、表示内容に対応する機器情報を記憶部18cから取得したりすることで、対話制御部14は、端末装置10の表示部に表示されている家電機器Mが、対話の対象であると推定し易くなる。この場合、端末装置10や記憶部18cに登録されている複数種類の家電機器Mの情報を取得する場合に比べ、家電機器Mの特定が容易になり、回答取得部16は、よりスムーズに、より適切な回答情報を取得し易くなる。
【0034】
また、入力部18aは、利用者Uが操作する端末装置10や記憶部18cに登録されている利用者Uのユーザ情報を受け付けてもよい。ユーザ情報とは、利用者Uの性別や年齢等である。回答取得部16は、対話制御部14を介して入力情報とともにユーザ情報を取得し、対話型AIを用いて入力情報とユーザ情報に対して参照情報を用いた回答情報を取得することができる。例えば、利用者Uが大人の女性であれば、対話として大人の女性にふさわしい表現や操作方法の回答情報を提供することができる。また、利用者Uの年齢が、例えば小学生の場合、回答情報として提供する内容を小学生等でも容易に理解できる、平易な文章や表現、単語を用いたものにすることができる。このように、ユーザ情報を考慮した回答情報を提供することにより、利用者Uとの対話をよりスムーズに、より理解させやすくすることができる。
【0035】
また、入力部18aは、利用者Uが使用中の家電機器Mの現在の使用状況を示す使用中情報を受け付けてもよい。回答取得部16は、対話制御部14を介して入力情報とともに使用中情報を取得し、入力情報と使用中情報に対して参照情報を用いた回答情報を取得することができる。この場合、回答情報は、現在使用中の家電機器Mが、例えば、空気調和装置(エアコン)で、設定温度20℃で冷房運転されているという使用中情報を受け付けた場合を考える。この場合、回答取得部16は、対話内容に節電等のキーワードが含まれている場合、節電のための具体的な設定温度を提示する回答情報を提供し易くなる。
【0036】
また、入力部18aは、利用者Uが使用する家電機器Mの使用履歴を示す使用履歴情報を端末装置10や記憶部18cから受け付けてもよい。回答取得部16は、対話制御部14を介して、入力情報とともに設定や制御を実行しようとする家電機器Mの使用履歴情報を取得し、入力情報と使用履歴情報に対して参照情報を用いた回答情報を取得することができる。この場合、使用履歴情報は、例えば家電機器Mの使用時間帯情報や予約内容情報、運転モード情報等である。回答取得部16が、入力情報に加えて使用履歴情報を考慮して回答情報を取得することにより、利用者Uの家電機器Mの普段の使い方を考慮した回答情報を提案し易くなる。
【0037】
なお、回答取得部16は、回答情報を取得する際に、参照情報として現在の気候情報を参照した回答情報を取得してもよい。例えば、入力情報に基づく対話の内容が、季節や気温、湿度等によって設定内容や運転内容が変化するような家電機器M(例えば空気調和装置)の場合、回答取得部16は、現在の気候状況に相応した回答情報を取得し易くなる。
【0038】
上述のように構成される家電機器用対話型サーバ装置12による対話の対話動作の詳細を図3図6を用いて説明する。
【0039】
図3は、家電機器用対話型サーバ装置12による対話時に端末装置10(図3の場合、例えばスマートフォン等の携帯端末)の表示部に表示される表示画面G(G1~G3)を示す例示的かつ模式的な説明図である。
【0040】
図3において、表示画面G1には、利用者Uが家電機器用対話型サーバ装置12と対話する場合に端末装置10に表示される基本画面であり、画面上には、登録済みの複数の家電機器M(例えば、冷蔵庫、エアコン、オーブンレンジ、洗濯機等)に対応するアイコンC(c1~c6等)が表示されている。また、表示画面G1には、家電機器用対話型サーバ装置12と対話を実行する場合に操作するチャットスイッチCAも存在する。
【0041】
そして、利用者Uが表示画面G1上のチャットスイッチCAを操作すると、表示画面G2(チャット画面)に切り替わり、利用者Uは、図示しないキー操作画面等を用いて、入力情報(質問)の入力が可能になる。そして、入力部18aを介して取得された入力情報が対話制御部14を介して回答取得部16に供給される。回答取得部16は、供給された入力情報に対して対話型AI等の機能を用いて回答情報を取得する。取得された回答情報は、対話制御部14に提供され、処理部18の出力部18bを介して端末装置10に供給される。この動作を繰り返し行うことで、表示画面G2に示すような対話が成立する。
【0042】
例えば、入力情報として利用者Uが「節電方法を教えて」という漠然とした質問(チャットT1)を行った場合、家電機器用対話型サーバ装置12(回答取得部16)側は、どのような節電に関する回答が要求されているのかが判定しにくいため、回答情報も一般的な内容や漠然とした内容になる。例えば、「夏場であれば薄着をしたり、冬場であれば厚着をしたりして、空調機器の使用を控えます。夏場であれば窓を開けることも有効でしょう。」等のように任意の家電機器Mを想定した漠然とした回答内容(チャットT2)になる場合がある。この回答情報に対して、利用者Uが「冷蔵庫について教えて」と、家電機器Mを特定する質問(チャットT3)を入力すると、家電機器用対話型サーバ装置12(回答取得部16)は、一連の質問が冷蔵庫の節電に関するものであると判定可能となるが、回答取得部16(対話型AI)側では、冷蔵庫に関する一般的な節電方法として複数の情報(方法)が取得可能なので、依然として節電方法としては漠然とした回答情報となる場合がある。例えば、「扉の開閉回数を減らします。また、扉を開けている時間を短くすることも効果的でしょう。」等の回答情報(チャットT4)となる。この回答に対して、利用者Uが「設定方法を知りたい」という、より具体的な質問(チャットT5)を入力すると、回答取得部16(対話型AI)は、節電、冷蔵庫、設定のという対話の流れから、冷蔵庫の節電のための設定に関する回答情報を取得可能となる。例えば、「庫内の設定温度高めにしたり、製氷機能をオフにすることも効果があります。機種によっては節電をサポートする機能があるみたいです。」等の回答情報(チャットT6)とすることができる。
【0043】
前述したように、解析部20には、回答取得部16からの回答情報が提供され、その内容を解析している。解析部20は、回答情報の内容(例えば、節電、冷蔵庫、設定等のキーワード)が多く含まれる場合、入力情報と回答情報による対話を補う提案情報を生成するか否かを決定する。例えば、チャットT6で節電機能に関する回答情報を利用者Uに提供した場合、利用者Uからの入力を待たずに、例えば、「冷蔵庫の庫内温度を設定しますか?」等の提案情報(提案チャットTA)を提供する。提案チャットTAには、庫内温度を設定するための設定実行アイコンTs1が含まれてもよい。その結果、利用者Uからの、設定実行アイコンTs1の表示をリクエストするための入力情報を受け付することなく、対話を進めることが可能となり、よりスムーズな対話を実現することができる。
【0044】
設定実行アイコンTs1が操作されると表示画面G3に移行する。つまり、冷蔵庫の設定画面が表示される。表示画面G3には、設定ウインドウW1が表示される。設定ウインドウW1には、説明文F1、設定部Tp1、決定アイコンTs2、キャンセルアイコンTs3等が含まれる。説明文F1は、例えば、冷蔵庫の設定温度に関する説明である。設定部Tp1は、例えば、スライド操作することにより温度設定を行うことができる、設定バーである。決定アイコンTs2は、設定部Tp1の操作を決定する決定キーであり、キャンセルアイコンTs3は、設定のキャンセルや冷蔵庫の設定自体のキャンセル(設定ウインドウW1のキャンセル)等を行う。
【0045】
設定ウインドウW1で行われた設定は、端末装置10の通信機能を介して、対話中に制御対象となった家電機器M(冷蔵庫)に送信され、家電機器Mの設定が実行される。
【0046】
このように、家電機器用対話型サーバ装置12は、利用者Uから入力される入力情報に対して、単に回答情報を提供するだけでなく、回答情報の内容に応じて、入力情報と回答情報による対話を補う提案情報を提供し得る。その結果、家電機器Mの設定や制御等の操作を行う際の対話をスムーズかつ適切に行うことができる。また、提案情報を提供することにより、適切な回答情報を得るまでの利用者Uによる情報入力量を軽減(簡略化)することが可能になり、利用者Uの対話時の負担を軽減することができる。
【0047】
図4は、家電機器用対話型サーバ装置12を利用した場合の端末装置10の表示部に表示される他の表示画面G(G4~G6)を示す例示的かつ模式的な説明図である。
【0048】
図4において、表示画面G4は、利用者Uが家電機器用対話型サーバ装置12と対話する場合に、アプリケーション上で対話の対象となる家電機器M(例えば、洗濯機)の設定ウインドウW2を開いている状態である。表示画面G4には、設定ウインドウW2および洗濯機を示す機器アイコンMC、チャットスイッチCA等が表示されている。設定ウインドウW2には、操作受付中であることを示す説明文F2、洗濯機の予約運転を行う予約アイコンTs4、洗濯の種々のコースのカスタマイズを実行するコース選択アイコンTs5等が表示されている。
【0049】
端末装置10の表示画面Gが、対話の対象となる家電機器Mを表示した表示画面G4の場合で、その状態でチャットスイッチCAを操作して、家電機器用対話型サーバ装置12と対話を開始する場合を考える。この場合、家電機器用対話型サーバ装置12の対話制御部14の処理部18(入力部18a)は、端末装置10の表示内容を機器情報として受け付ける。その結果、回答取得部16は、対話制御部14に利用者Uから入力された入力情報が漠然とした内容であったとしても、表示内容に基づく機器情報、例えば洗濯機に関する入力情報(質問)であると判定し、回答情報を取得する際に洗濯機に関する回答を取得する。
例えば、利用者Uが、端末装置10に家電機器M(例えば、洗濯機)の設定ウインドウW2を開いた状態で、チャットを開始した場合、入力情報として家電機器Mを特定しない漠然とした内容の質問、例えば「除菌したい」(チャットT9)を入力した場合を考える。この場合、対話制御部14は、入力情報(除菌したい)と、機器情報(洗濯機)を回答取得部16に供給する。その結果、回答取得部16は、入力情報と機器情報に対して参照情報を用いた回答情報を取得する。つまり、除菌したいという漠然とした質問に対して洗濯機に特化した除菌の方法を示す回答情報を提供することができる。例えば、「衣類の除菌方法には、洗濯用の酸素系洗剤や塩素系洗剤を使って洗濯する方法があります。また、除菌コースを使う方法もあるようです。」等の回答情報(チャットT7)を提供することができる。また、解析部20には、回答情報の内容(例えば、洗濯機、除菌等の具体的なキーワード)に応じて、入力情報と回答情報による対話を補う提案情報を生成するか否かを機器情報が提供されない場合に比べてスムーズに決定できる。例えば、利用者Uからの入力を待たずに、例えば、「洗濯コースを設定しますか?」等の提案情報(提案チャットTB)を提供する。提案チャットTBには、洗濯コースを設定するための設定実行アイコンTs6が含まれてもよい。その結果、利用者Uからの、設定実行アイコンTs6の表示をリクエストする入力情報を受け付けることなく、対話を進めることが可能となり、よりスムーズな対話を実現することができる。
【0050】
設定実行アイコンTs6が操作されると表示画面G6に移行する。つまり、洗濯機の設定画面が表示される。表示画面G6には、設定ウインドウW3が表示される。設定ウインドウW3には、設定部Tp2、説明文F3、予約アイコンTs7、今すぐスタートアイコンTs8等が含まれる。設定部Tp2には、洗濯機の各コースに対応する選択やコースの補助を行う複数のアイコンが含まれる。説明文F3には、設定部Tp2で選択されたコースの説明が表示される。予約アイコンTs7は、選択したコースに基づく洗濯を予約実行するためのアイコンであり、今すぐスタートアイコンTs8は、選択したコースに基づく洗濯をすぐに実行する際に操作するアイコンである。
【0051】
このように、家電機器用対話型サーバ装置12は、利用者Uから入力される入力情報に加え、端末装置10の表示状態に基づく機器情報を取得することで、入力情報(質問)が漠然とした内容であっても、利用者Uが望むと推定される適切な回答情報をスムーズに提供できる。また、入力情報に対して単に回答情報を提供するだけでなく、回答情報の内容に応じて、入力情報と回答情報による対話を補う提案情報を提供し得る。その結果、家電機器Mの設定や制御等の操作を行う際の対話をよりスムーズかつ適切に行うことができる。また、機器情報を考慮するとともに、提案情報を提供することにより、適切な回答情報を得るまでの利用者Uによる情報入力量を軽減(簡略化)することが可能になり、利用者Uの対話時の負担を軽減することができる。
【0052】
なお、前述したように、対話制御部14は、入力部18aで利用者Uからの入力情報を受け付ける際に、端末装置10の表示内容を追加情報として取得することができる。入力部18aは、端末装置10の表示内容の他に追加情報として、例えば、利用者Uが登録した家電機器Mに関する機器情報(端末装置10に登録された情報)、利用者Uのユーザ情報(性別や年齢等の情報)、家電機器Mの現在の使用状況を示す使用中情報(設定状態や運転状態等の情報)、家電機器Mの使用履歴を示す使用履歴情報(使用時間帯、予約動作状態、運転モード等の情報)を取得する。機器情報、ユーザ情報、使用履歴情報等が記憶部18cに記憶されている場合は、入力部18aは、情報管理部18dを介して取得してもよい。そして、対話制御部14(入力部18a)が取得した追加情報は、上述した端末装置10の表示状態に基づく機器情報と同様に、入力情報(質問)が漠然とした内容であっても、回答取得部16に、利用者Uが望むと推定される適切な回答情報をスムーズに提供させることができる。また、対話制御部14(入力部18a)は、追加情報を複数種類取得することにより、利用者Uが望むと推定される適切な回答情報をよりスムーズに、より適切に提供させることができる。
【0053】
図5は、図2に示す家電機器用対話型サーバ装置12を含む家電機器用対話システムSyの動作(家電機器用対話型サーバ処理方法、各処理のステップ)を示す例示的なシーケンス図である。
【0054】
まず、端末装置10は、利用者Uが入力情報として質問事項を家電機器用対話型サーバ装置12の対話制御部14の処理部18に提供する(S100)。対話制御部14の処理部18は、端末装置10から取得した入力情報(質問事項)を回答取得部16に転送する(S102)。そして、回答取得部16(対話型AI)は、入力情報に対して利用可能な参照情報を用いた回答情報を取得(生成)して、対話制御部14の処理部18に提供(返信)する(S104)。処理部18は、取得した回答情報を解析部20に送信し(S106)、解析部20(解析AI)により提案情報を生成するか否か決定する。解析部20は、回答情報に対話の流れ(ストーリー)を左右するようなキーワードが所定の閾値以上登場するか否か等の解析を行う。解析部20は、回答情報に対して例えばスコアを付けて、スコアが閾値以上か否か判定することにより、入力情報と回答情報とによる対話を補うような提案情報を生成するか否かを決定し、その結果を処理部18に提供する(S108)。つまり、解析部20は、常時回答情報の解析を行い、提案情報の生成(提供)が必要か否かの判定を行っている。
【0055】
図6は、対話制御部14の解析部20において、提案情報を作成するか否かを決定するスコアが所定閾値を超えた場合、生成する提案情報に含まれる家電機器Mの制御(操作)提案を家電機器Mで受付可能な情報Pに書き換えた状態を示す例示的かつ模式的な説明図である。
【0056】
図6の場合、回答情報に対話の流れ(ストーリー)を左右するようなキーワードに基づくスコアが「73」の場合で、所定の閾値以上(例えば、「70」以上)である場合である。この場合、提案情報に基づき、家電機器Mの制御(操作)提案を家電機器Mで受付可能な情報P(フォーマット)に書き換える。例えば、提案情報の提案による制御モードの切替提案を実現する制御指令として、冷蔵庫の制御モードをエコモードに変更する制御指令が示されている。なお、図6に示す例は、一例であり、提案情報を生成するか否かの判定は、スコア以外でもよい。例えば、制御内容を特定するキーワードが存在する場合、提案情報を生成すると判定してもよい。
【0057】
図5に戻り、回答情報に基づくスコアが所定の閾値以上の場合(例えば「70」以上の場合)、対話制御部14の処理部18の出力部は、回答情報を端末装置10に出力する(S110)とともに、生成した提案情報を端末装置10に出力する(S112)。この場合、家電機器用対話型サーバ装置12は、提案情報に基づく家電機器Mの制御処理に移行してもよいし、利用者Uから入力される入力情報に対して対話処理を継続するようにしてもよい。一方、スコアが所定の閾値未満の場合、対話制御部14の処理部18の出力部は、回答情報のみを端末装置10に出力する(S114)。この場合、利用者Uから入力される入力情報に対して対話処理を継続するようにしてもよい。S100~S108の処理およびS110,S112またはS114の処理は、利用者Uから入力情報が入力されるたびに繰り返され、家電機器用対話型サーバ装置12との間で対話が繰り返される。
【0058】
このように、家電機器用対話型サーバ装置12(家電機器用対話システムSy)によれば、提案情報を適宜生成して対話に織り交ぜることにより、家電機器Mの設定や制御等の操作を行う際の対話をよりスムーズかつより適切に行うことができる。その結果、家電機器Mの設定や制御等のための支援を適切かつ容易に実現できる。
【0059】
図7は、家電機器用対話型サーバ装置12(家電機器用対話システムSy)の他の構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。
【0060】
図2に示す家電機器用対話型サーバ装置12(家電機器用対話システムSy)の場合、利用者Uが入力する入力情報は、テキストデータとして入力され、対話制御部14に提供される。また、回答情報を端末装置10に戻す際もテキストデータで提供する例を示した。一方、図7に示す家電機器用対話型サーバ装置12(家電機器用対話システムSy)の場合、利用者Uが入力する入力情報は、音声データとすることが可能であり、利用者Uは、テキスト入力と音声入力とのいずれかを選択できる。したがって、図7に示す家電機器用対話型サーバ装置12(家電機器用対話システムSy)は、対話制御部14に提供される際にテキストデータに変換する構成を備える。また、端末装置10に回廊情報を戻す場合はテキストデータを音声データに変換する構成を備える例である。なお、図7に示す家電機器用対話型サーバ装置12は、図2に示す家電機器用対話型サーバ装置12に対してテキストデータと音声データとの変換を行う構成を追加するのみで、他の構成は同じである。したがって、図3に示す構成と図7に示す構成において、同じ構成には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0061】
図7に示す家電機器用対話型サーバ装置12(家電機器用対話システムSy)は、処理部18(入力部18a)に対して、端末装置10に音声で入力情報(質問)が入力された場合、その音声データは音声-テキスト変換部22に提供され、テキストデータに変換された後、処理部18(入力部18a)に戻される。戻された入力情報は、回答取得部16にテキストデータとして提供される。回答取得部16では、前述したように対話型AI等を用いてテキストデータとしての回答情報を取得し、処理部18に提供される。処理部18に提供された回答情報は、テキストデータとして解析部20に提供される。解析部20で提案情報を生成することが決定された場合、その結果として提案情報が処理部18に戻される。処理部18に提供されたテキストデータとしての回答情報は、テキスト-音声変換部24に提供され、音声データに変換された後、処理部18に戻され、音声データの回答情報が端末装置10に提供され、音声で回答情報が利用者Uに提供される。なお、提案情報が提供される場合、提案情報に基づく案内は音声データとして、利用者Uに提供される。また、回答情報は、利用者Uが認識し易いように、テキストデータのまま端末装置10に提供されてもよい。
【0062】
図8は、図7に示す家電機器用対話型サーバ装置12を含む家電機器用対話システムSyの動作(家電機器用対話型サーバ処理方法、各処理のステップ)を示す例示的なシーケンス図である。
【0063】
まず、端末装置10は、利用者Uが入力情報として質問事項を音声データで家電機器用対話型サーバ装置12の対話制御部14の処理部18に提供する(S200)。対話制御部14の処理部18は、端末装置10から取得した音声データとしての入力情報(質問事項)を音声-テキスト変換部22に提供する(S202)。音声-テキスト変換部22でテキストデータに変換された入力情報(質問)は、対話制御部14の処理部18に戻される(S204)。そして、対話制御部14の処理部18は、音声-テキスト変換部22から取得したテキストデータの入力情報(質問)は回答取得部16に転送される(S206)。そして、回答取得部16(対話型AI)は、入力情報に対して利用可能な参照情報を用いたテキストデータの回答情報を取得(生成)して、対話制御部14の処理部18に提供(返信)する(S208)。処理部18は、取得した回答情報を解析部20に送信し(S210)、解析部20(解析AI)により提案情報を生成するか否か決定する。解析部20は、回答情報に対話の流れ(ストーリー)を左右するようなキーワードが所定の閾値以上登場する場合か否か等の解析を行う。解析部20は、回答情報に対して例えばスコアを付けて、スコアが閾値以上か否か判定することにより、入力情報と回答情報とによる対話を補うような提案情報を生成するか否かを決定し、その結果を処理部18に提供する(S212)。つまり、解析部20は、常時回答情報の解析を行い、提案情報の生成(提供)が必要か否かの判定を行っている。
【0064】
処理部18に提供されたテキストデータの回答情報は、音声データに変換する必要がある場合、テキスト-音声変換部24に提供され(S214)、音声データに変換された回答情報が再度、処理部18に戻される。
【0065】
また、解析部20において、回答情報に基づくスコアが所定の閾値以上の場合(例えば「70」以上の場合)、対話制御部14の処理部18の出力部は、回答情報(音声データまたはテキストデータ)を端末装置10に出力する(S218)とともに、生成した提案情報を端末装置10に出力する(S220)。この場合、家電機器用対話型サーバ装置12は、提案情報に基づく家電機器Mの制御処理に移行してもよいし、利用者Uから入力される入力情報に対して対話処理を継続するようにしてもよい。一方、スコアが所定の閾値未満の場合、対話制御部14の処理部18の出力部は、回答情報(音声データまたはテキストデータ)のみを端末装置10に出力する(S222)。この場合、利用者Uから入力される入力情報に対して対話処理を継続するようにしてもよい。S200~S216の処理およびS218,S220またはS222の処理は、利用者Uから入力情報が入力されるたびに繰り返され、家電機器用対話型サーバ装置12との間で対話が繰り返される。
【0066】
このように、図7の構成の家電機器用対話型サーバ装置12(家電機器用対話システムSy)によれば、提案情報を適宜生成して対話に織り交ぜることにより、家電機器Mの設定や制御等の操作を行う際の対話をよりスムーズかつより適切に行うことができる。その結果、家電機器Mの設定や制御等のための支援を適切かつ容易に実現できる。また、利用者Uと家電機器用対話型サーバ装置12との対話が音声で可能になるため、利用者Uと家電機器用対話型サーバ装置12との対話における利用者Uの入力負担をより軽減することができる。
【0067】
以上説明したように、家電機器用対話型サーバ装置12によれば、家電機器Mの利用者Uとの間で家電機器Mに関する対話情報としての入力情報を受け付ける入力部18aと入力情報に対する回答情報を対話情報として出力する出力部18bと、を備える対話制御部14と、入力部18aから入力された入力情報を取得し、取得した入力情報に対して利用可能な参照情報を用いた回答情報を取得して対話制御部14に提供する回答取得部16と、を含む。対話制御部14は、解析部20において回答情報の内容に応じて、入力情報と回答情報による対話を補う提案情報を生成するか否かを決定し、提案情報を生成しないと決定した場合は、回答情報を出力部18bから出力し、提案情報を生成すると決定した場合は、回答情報とともに、提案情報を出力部18bから出力する。この構成によれば、家電機器Mの設定や制御等の操作を行う際の対話をスムーズかつ適切に行い、家電機器Mの設定や制御等のための支援を適切かつ容易に実現できる。
【0068】
また、対話制御部14は、過去の対話履歴に基づく履歴情報を記憶する記憶部18cを備え、回答取得部16は、入力情報とともに履歴情報を取得し、入力情報と履歴情報に対して参照情報を用いた回答情報を取得してもよい。この構成によれば、利用者Uから詳細な家電機器Mの情報(種別や機種、質問の詳細等)が入力情報として提供されない場合でも、利用者Uが望むと推定される回答情報を効率的に提供することができる。つまり、利用者Uが入力する入力情報の量が少ない場合でもより適切な回答情報を提供することができる。換言すれば、利用者Uの入力の手間を軽減しつつ、より適切な回答情報の提供ができる。
【0069】
また、対話制御部14の処理部18の入力部18aは、利用者Uが登録した家電機器に関する機器情報をさらに受け付け、回答取得部16は、入力情報とともに機器情報を取得し、入力情報と機器情報に対して参照情報を用いた回答情報を取得してもよい。この構成によれば、利用者Uから詳細な家電機器Mの情報(種別や機種等)が入力情報として提供されない場合でも、利用者Uが望むと推定される回答情報を効率的に提供することができる。つまり、利用者Uが入力する入力情報において、家電機器Mの情報が不十分な場合でも、利用者Uが登録(所有)している家電機器Mに対してより適切な回答情報を提供することができる。その結果、利用者Uの入力の手間を軽減しつつ、より適切な回答情報の提供ができる。
【0070】
また、対話制御部14の処理部18の入力部18aは、対話情報の入出力のために利用者が操作する端末装置10の表示内容を機器情報として取得してもよい。この構成によれば、表示内容を機器情報として取得することで、回答取得部16は、対話の対象の端末装置10が表示部の表示されている家電機器Mであると推定し易くなる。つまり、端末装置10に登録されている複数種類の家電機器Mの機器情報を取得する場合に比べ、家電機器Mの特定が容易になり、回答取得部16は、よりスムーズに、より適切な回答情報を取得し易くなる。
【0071】
また、対話制御部14の処理部18の入力部18aは、利用者のユーザ情報をさらに受け付け、回答取得部16は、入力情報とともにユーザ情報を取得し、入力情報とユーザ情報に対して参照情報を用いた回答情報を取得してもよい。この構成によれば、ユーザ情報を考慮することにより、利用者Uにふさわしい表現や操作方法の回答情報を提供することができる。その結果、利用者Uとの対話をよりスムーズに、より理解させやすくすることができる。
【0072】
また、対話制御部14の処理部18の入力部18aは、利用者が使用中の家電機器の現在の使用状況を示す使用中情報をさらに受け付け、回答取得部16は、入力情報とともに使用中情報を取得し、入力情報と使用中情報に対して参照情報を用いた回答情報を取得してもよい。この構成によれば、現在使用中の家電機器Mの使用状況に応じて、具体的な設定状態等を提示する回答情報を提供し易くすることができる。
【0073】
また、対話制御部14の処理部18の入力部18aは、利用者が使用する家電機器の使用履歴を示す使用履歴情報をさらに受け付け、回答取得部16は、入力情報とともに使用履歴情報を取得し、入力情報と使用履歴情報に対して参照情報を用いた回答情報を取得してもよい。この構成によれば、利用者Uの家電機器Mの普段の使い方を考慮した回答情報を提案し易くすることができる。
【0074】
また、回答取得部16が参照する参照情報は、現在の気候情報を含んでもよい。この構成によれば、入力情報に基づく対話の内容が、季節や気温、湿度等によって設定内容や運転内容が変化するような家電機器Mの場合、回答取得部16は、現在の気候状況に相応した回答情報を取得し易くなる。
【0075】
家電機器用対話型サーバ処理方法は、対話制御部14が、家電機器Mの利用者Uとの間で家電機器Mに関する対話情報としての入力情報を入力部18aを介して受け付ける入力処理と、入力情報に対する回答情報を対話情報として出力部18bを介して出力する出力処理と、を含む対話制御ステップと、回答取得部16が、入力部18aから入力された入力情報を取得し、取得した入力情報に対して利用可能な参照情報を用いた回答情報を取得して対話制御部14に提供する、回答取得ステップと、を含む。そして、対話制御ステップは、回答情報の内容に応じて、入力情報と回答情報による対話を補う提案情報を生成するか否かを決定し、提案情報を生成しないと決定した場合は、回答情報を出力部18bから出力し、提案情報を生成すると決定した場合は、回答情報とともに、提案情報を出力部18bから出力する、対話処理ステップを含む。この構成によれば、家電機器Mの設定や制御等の操作を行う際の対話をスムーズかつ適切に行い、家電機器Mの設定や制御等のための支援を適切かつ容易に実現できる。
【0076】
また、家電機器用対話システムSyは、少なくとの一つ以上の家電機器Mと接続されるとともに、家電機器Mの設定と制御の少なくとも一方の操作が実行可能な端末装置10と、端末装置10を介して家電機器Mの利用者Uとの間で家電機器Mに関する対話情報としての入力情報を受け付ける入力部18aと、入力情報に対する回答情報を対話情報として端末装置10に出力する出力部18bと、を備える対話制御部14と、入力部18aから入力された入力情報を取得し、取得した入力情報に対して利用可能な参照情報を用いた回答情報を取得して対話制御部14に提供する回答取得部16と、を含む家電機器用対話型サーバ装置12と、を備える。そして、対話制御部14は、回答情報の内容に応じて、入力情報と回答情報による対話を補う提案情報を生成するか否かを決定し、提案情報を生成しないと決定した場合は、回答情報を出力部18bから出力して端末装置10に提供し、提案情報を生成すると決定した場合は、回答情報とともに、提案情報を出力部18bから出力して端末装置10に提供する。この構成によれば、家電機器Mの設定や制御等の操作を行う際の対話をスムーズかつ適切に行い、家電機器Mの設定や制御等のための支援を適切かつ容易に実現できる。
【0077】
なお、図2図7に示す家電機器用対話型サーバ装置12の構成は、一例であり、家電機器用対話型サーバ装置12の各構成は、上述した機能を実現できれば、各機能の統合や分割は適宜行うことができる。例えば、解析部20と回答取得部16とを一体化してもよいし、対話制御部14に回答取得部16を含めてもよい。また、解析部20を対話制御部14から分離した構成としてもよい。
【0078】
本発明の実施形態及び変形例を説明したが、これらの実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0079】
10…端末装置、12…家電機器用対話型サーバ装置、14…対話制御部、16…回答取得部、18…処理部、18a…入力部、18b…出力部、18c…記憶部、18d…情報管理部、20…解析部、22…音声-テキスト変換部、24…テキスト-音声変換部、Sy…家電機器用対話システム、M…家電機器、U…利用者。
【要約】
【課題】家電機器の設定や制御等の操作を行う際の対話をスムーズかつ適切に行い、家電機器の設定や制御等のための支援を適切かつ容易に実現できる、家電機器用対話型サーバ装置、家電機器用対話型サーバ処理方法および家電機器用対話システムを提供する。
【解決手段】家電機器用対話型サーバ装置は、対話制御部と、回答取得部と、を含む。対話制御部は、入力部と出力部とを備える。回答取得部は、入力部から入力された入力情報を取得し、取得した入力情報に対して利用可能な参照情報を用いて回答情報を取得して対話制御部に提供する。そして、対話制御部は、回答情報の内容に応じて、入力情報と回答情報による対話を補う提案情報を生成するか否かを決定し、提案情報を生成しないと決定した場合は、回答情報を出力部から出力し、提案情報を生成すると決定した場合は、回答情報とともに、提案情報を出力部から出力する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8