(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】対象物検出のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G01B 11/00 20060101AFI20240815BHJP
G06V 20/17 20220101ALI20240815BHJP
F03D 17/00 20160101ALI20240815BHJP
G05D 1/46 20240101ALI20240815BHJP
【FI】
G01B11/00 H
G06V20/17
F03D17/00
G05D1/46
(21)【出願番号】P 2023512685
(86)(22)【出願日】2021-08-19
(86)【国際出願番号】 EP2021073052
(87)【国際公開番号】W WO2022038228
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2023-04-17
(31)【優先権主張番号】102020210618.5
(32)【優先日】2020-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】523059648
【氏名又は名称】トップ セブン ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー
【氏名又は名称原語表記】TOP seven GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Schiffbauerweg 1,82319 Starnberg,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100134119
【氏名又は名称】奥町 哲行
(72)【発明者】
【氏名】ゼン・ウルリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ノイバウアー・オリバー
(72)【発明者】
【氏名】シュトッカー・ハーベルト
【審査官】櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-181235(JP,A)
【文献】特開2017-090145(JP,A)
【文献】特開2019-078589(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0370999(US,A1)
【文献】ASM Shihavuddin, et al.,Wind Turbine Surface Damage Detection by Deep Learning Aided Drone Inspection Analysis,Energies,2019年02月20日,Vol.12, No.676,1-15,doi:10.3390/en12040676
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
G06V 20/00
F03D 17/00
G05D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の所定の特徴(910、920、930、1010、1020)によって記述可能な対象物(1000)を検出するための方法であって、
(a)
いくつかの画像のセットを取得するために、前記対象物(1000)に沿って飛行し、少なくとも1つの記録ユニット(470)を使用して前記対象物のいくつかの部分(940)を検出するステップであって、前記部分のそれぞれが、
前記いくつかの画像のセットのうちの一つの画像のセットを生成するために前記記録ユニットの異なる位置から複数回検出され、前記記録ユニットの位置および場所情報が、各画像に関連付けられる、検出するステップと、
(b)前記画像
のセット内の
前記複数の所定の特徴(910、920、930、1010、1020)を認識するステップと、
(c)前記
複数の所定の特徴(910、920、930、1010、1020)を含む前記画像の位置および場所情報を使用して、前記
複数の所定の特徴の位置および/または場所を決定するステップと、を含み、
ステップ(c)が、さらに、
光線、直線、または方向ベクトルの形で、複数の幾何学的補助構造を確立することであって、前記幾何学的補助構造
を、
座標系における、
前記画像に関連付けられた前記記録ユニット(470)の位置および前記画像内で識別された
前記複数の所定の特徴のうちの一つの特徴(910、920、930、1010、1020)の位置、または
画像内で識別された
前記複数の所定の特徴のうちのいくつかの特徴(910、920、930、1010、1020)の位置
、
の間の
前記複数の所定の特徴(910、920、930、1010、1020)を含む
前記画像のセットの各画像について
確立することと、
前記幾何学的補助
構造を評価して、前記
複数の所定の特徴のうちの一つの特徴(910、920、930、1010、1020)、または
前記複数の所定の特徴のうちのいくつかの特徴から導出された
一つの特徴の位置および/または場所についての結果の量を取得することと、
前記結果の量を統計的に評価することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記記録ユニット(470)が、
前記画像のセットを生成し、
各画像を記録したときの前記記録ユニットの位置および場所情報を各画像に関連付けるように構成された、ドローン、またはドローンと組み合わせた測定装置である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法が、さらに、
前記対象物(1000)の基準位置(460)と、前記記録ユニット(470)の位置情報を記録する際の前記対象物の向き(610)に対応して位置する前記記録ユニット(470)の位置情報とを評価することにより、前記対象物の向きを決定するステップを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
複数の所定の特徴(910、920、930、1010、1020)によって記述可能な対象物(1000)を検出するための方法であって、
(a)
いくつかの画像のセットを取得するために、前記対象物(1000)に沿って飛行し、少なくとも1つの記録ユニット(470)を使用して前記対象物のいくつかの部分(940)を検出するステップであって、前記部分のそれぞれが、
前記いくつかの画像のセットのうちの一つの画像のセットを生成するために前記記録ユニットの異なる位置から複数回検出され、前記記録ユニットの位置および場所情報が、各画像に関連付けられる、検出するステップと、
(b)前記画像のセット内の
前記複数の所定の特徴(910、920、930、1010、1020)を認識するステップと、
(c)前記
複数の所定の特徴(910、920、930、1010、1020)を含む前記画像の位置および場所情報を使用して、前記特徴の
位置および/または場所を決定するステップと、
前記対象物(1000)の基準位置(460)と、前記記録ユニット(470)の位置情報を記録する際の前記対象物の向き(610)に対応して位置する前記記録ユニット(470)の位置情報とを評価することにより、前記対象物の向きを決定するステップと、を含み、
前記記録ユニット(470)が、
前記画像のセットを生成し、
各画像を記録したときの前記記録ユニットの位置および場所情報を各画像に関連付けるように構成された、ドローン、またはドローンと組み合わせた測定装置である、方法。
【請求項5】
前記対象物(1000)のいくつかの部分(940)を検出することが、光学的検出である、請求項1から
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法が、さらに、
前記記録ユニット(470)の位置情報量を評価することによって前記対象物(1000)の前記基準位置(460)を決定することであって、前記位置情報量が前記記録ユニットの移動軌跡(480)に由来する、決定することを含む、請求項
3または4に記載の方法。
【請求項7】
前記方法が、さらに、
前記対象物(1000)の基準点(510)、および前記
複数の所定の特徴(910、920、930、1010、1020)のうちの1つ以上の位置を評価することによって、前記対象物の少なくとも1つの寸法を決定することを含む、請求項1から
6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法が、さらに、
前記記録ユニット(470)を前記基準点に配置し、続いて前記記録ユニットの
位置情報を評価することによって、前記対象物(1000)の前記基準点(510)を決定することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記記録ユニット(470)の前記位置および前記
複数の所定の特徴(910、920、930、1010、1020)が、所定の座標系の座標を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記方法が、さらに、
前記記録ユニットの前記位置および場所情報を補正するためのリアルタイムキネマティクス(RTK)システム(710)を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ステップ(a)が、自動化および/または自律的な方法で前記対象物(1000)に沿って飛行することを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(b)が、自動化された方法で前記画像
のセット内の前記
複数の所定の特徴(910、920、930、1010、1020)を認識することを含み、および/またはステップ(c)が、自動化された方法で前記特徴の前記位置および/または場所を決定することを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記対象物(1000)が、風力タービンであり、前記風力タービンが、タワー(420)と、ナセル(440)と、ハブ(930)と、ロータブレードフランジ(910)と、ロータブレード(450)と、前記ロータブレードの共通の回転軸と、を備え、
前記方法が、前記
複数の所定の特徴(910、920、930、1010、1020)の
位置および/または場所に基づいて前記風力タービンの1つ以上のパラメータを決定することをさらに含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記パラメータが、前記ロータブレード(450)の変形および/または曲げを含
む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記パラメータが
、ロータブレード先端(920)の位置を含む、請求項13または14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記ロータブレード先端(920)の前記位置は、以下のように、すなわち、
画像内で識別された前記ロータブレード先端(920)の位置と前記記録ユニット(470)のそれぞれの位置との間の直線を決定することであって、前記画像を記録するときの前記記録ユニットの前記位置および前記記録ユニット(470)の特性もまた、前記画像を記録するときの前記記録ユニットの前記位置および前記ロータブレード先端の前記識別された位置とは別に、前記直線を決定するために考慮される、決定することと、
前記ロータブレード先端(920)の画像のセットに対して複数の直線を決定することと、
前記複数の直線を対で評価することと、
直線の各対の交点を計算することと、
前記対の直線の交点の量から前記ロータブレード先端(920)の位置を計算することと、によって決定される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記パラメータが
、ロータブレードフランジ(910)の位置を含む、請求項13から
16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記ロータブレードフランジ(910)の前記位置は、以下のように、すなわち、
画像内で識別された前記ロータブレードフランジ(910)の第1の点の位置と前記記録ユニット(470)の位置との間の第1の直線、および同じ画像内で識別された前記第1の点の反対側の前記ロータブレードフランジの第2の点の位置と前記記録ユニットの位置との間の第2の直線を決定することであって、前記画像を記録する際の前記記録ユニットの場所および前記記録ユニット(470)の特性もまた、前記画像を記録する際の前記記録ユニットの位置および前記ロータブレードフランジの前記点の前記識別された位置とは別に、前記第1および第2の直線を決定するために考慮される、決定することと、
前記第1の直線と前記第2の直線との間の中心を通る別の直線を決定することと、
前記ロータブレードフランジ(910)の画像のセットに対して複数のさらなる直線を決定することと、
前記複数のさらなる直線から前記ロータブレードフランジ(910)の位置を決定することと、によって決定される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記パラメータが
、前記ロータブレードフランジ(910)の場所を含む、請求項13から
18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記ロータブレードフランジ(910)の前記場所は、以下のように、すなわち、
画像内の前記ロータブレードフランジ(910)の対向する2つの点を識別することと、
前記ロータブレードフランジ(910)の前記対向する2つの点の位置間の接続直線の方向ベクトルを決定することと、
前記ロータブレードフランジ(910)の画像のセットに対する接続直線の複数の方向ベクトルを決定することと、
前記接続直線の前記方向ベクトルの外積を対にして形成することによって、前記複数の接続直線の前記方向ベクトルから前記ロータブレードフランジ(910)の可能な法線ベクトルの量を計算することと、
前記可能な法線ベクトルの量から前記ロータブレードフランジ(910)の法線ベクトルを計算することと、によって決定される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記パラメータが
、前記タワー中心(460)を含む、請求項13から
20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記パラメータが、以下のように、すなわち、
前記記録ユニット(470)によって前記タワー(420)の外壁に沿って前記タワーを少なくとも部分的に旋回させること、
前記タワー(420)を旋回させるときの前記記録ユニット(470)の位置を記録すること、
それぞれが3つの点から位置サブセットを形成することであって、前記3つの点が互いに所定の距離を含む、形成すること、
複数の位置サブセットから三角形の重心量を決定することであって、各三角形が位置サブセットの3つの点から形成される、決定すること、および
前記重心量から前記タワーの中心(460)を計算すること、または
一般円方程式を使用して、複数の位置サブセットから円中心の量を決定することであって、各円中心が位置サブセットの前記3つの点から決定される、決定すること、および
前記円の中心の量から前記タワーの中心(460)を計算すること、または
複数の位置サブセットから外接円中心の量を決定することであって、各外接円中心が、位置サブセットの前記3つの点から形成される三角形の外接円の中心である、決定すること、および
前記外接円中心の量から前記タワーの中心(460)を計算すること、によって決定される前記タワー中心(460)を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
ハブ高さ、
回転軸の傾斜、
ハブの直径、
風力タービンの向き(610)、
ロータブレードフランジの中心、
ロータブレードフランジの直径、
ロータブレードの長さ、
ロータブレードの傾斜、
ロータブレードの位置決め、
ロータブレードの傾斜角、
ロータブレードの厚さ、および
ロータブレードの幅、
のパラメータのうちの1つ以上を決定することをさらに含む、請求項13から
22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記方法が、さらに、
前記特徴(910、920、930、1010、1020)の前記位置および/または場所情報を使用して、前記対象物(1000)の、
一般モデルを生成もしくは修正すること、またはパラメータ化することを含む、請求項1から
23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
対象物(1000)を検査するための方法であって、
経路に沿って前記対象物に沿って飛行するステップと、
飛行中に前記対象物(1000)の1つ以上の部分(940)を検出するステップと、を含み、
前記経路が、前記特徴(910、920、930、1010、1020)による前記対象物の表現、または請求項1から
24のいずれか一項に記載の方法によって取得されたパラメータに基づく、方法。
【請求項26】
複数の所定の特徴(910、920、930、1010、1020)によって記述可能な対象物(1000)を検出するためのシステムであって、
単独で、またはドローンと組み合わせて記録ユニット(470)を形成する測定装置であって、
前記対象物に沿って飛行し、
いくつかの画像のセットを取得するために、前記対象物(1000)のいくつかの部分を検出し
、
異なる位置から前記いくつかの部分の各部分を検出し、前記いくつかの画像のセットのうちの一つの画像のセットを生成するように構成され、前記測定装置の位置および場所情報が各画像に関連付けられている、測定装置と、
前記画像
のセット内の
前記複数の所定の特徴を認識し、前記特徴を含む前記画像の
位置および場所情報を使用して前記
複数の所定の特徴(910、920、930、1010、1020)の位置および/または場所を決定するように構成された評価装置(730)と、を備え、
前記評価装置が、前記
複数の所定の特徴の
位置および/または場所を決定し、
光線、直線、または方向ベクトルの形で、複数の幾何学的補助構造を確立するようにさらに構成され、
前記評価装置が、前記複数の幾何学的補助構造を確立し、
座標系における、
前記画像に関連付けられた前記記録ユニット(470)の位置および前記画像内で識別された
前記複数の所定の特徴(910、920、930、1010、1020)の位置、または
画像内で識別された
前記複数の所定の特徴のいくつかの特徴(910、920、930、1010、1020)の位置
、
の間の
前記複数の所定の特徴(910、920、930、1010、1020)を含む
前記画像のセットの各画像の幾何学的補助構造を確立するように構成され、
前記評価装置が、前記
複数の所定の特徴の
位置および/または場所を決定し、
幾何学的補助
構造を評価して、前記
複数の所定の特徴(910、920、930、1010、1020)または
前記複数の所定の特徴のいくつかの特徴から導出された特徴の
位置および/または場所についての結果の量を取得し、
前記結果の量を統計的に評価するようにさらに構成される、システム。
【請求項27】
複数の所定の特徴(910、920、930、1010、1020)によって記述可能な対象物(1000)を検出するためのシステムであって、
単独で、またはドローンと組み合わせて記録ユニット(470)を形成する測定装置であって、
前記対象物に沿って飛行し、
いくつかの画像のセットを取得するために、前記対象物(1000)のいくつかの部分を検出し
、
異なる位置から前記いくつかの部分の各部分を検出し、前記いくつかの画像のセットのうちの一つの画像のセットを生成するように構成され、前記測定装置の位置および場所情報が各画像に関連付けられている、測定装置と、
前記画像
のセット内の
前記複数の所定の特徴を認識し、前記特徴を含む前記画像の
位置および場所情報を使用して前記
複数の所定の特徴(910、920、930、1010、1020)の位置および/または場所を決定するように構成され
、前記対象物(1000)の基準位置(460)と、前記記録ユニット(470)の位置情報を記録する際の前記対象物の向き(610)に対応して位置する前記記録ユニット(470)の位置情報とを評価することにより、前記対象物の向きを決定するように構成された評価装置(730)と、を備え、
前記記録ユニット(470)が、
前記画像のセットを生成し、
各画像を記録したときの前記記録ユニットの
位置および場所情報を各画像に関連付けるように構成される、システム。
【請求項28】
前記評価装置(730)が、前記記録ユニット(470)の一部である、請求項
26または
27に記載のシステム。
【請求項29】
前記評価装置(730)が、自動化された方法で前記画像内の特徴(910、920、930、1010、1020)を認識し、および/または自動化された方法で前記特徴の前記位置および/または場所を決定するように構成される、請求項
26から
28のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項30】
前記測定装置が、異なる位置から前記対象物(1000)のいくつかの部分を光学的に検出するように構成される、請求項
26から
29のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、対象物検出のための方法およびシステムに関する。実施形態は、対象物、例えば風力タービンに沿った経路を決定するための方法の準備において、無人航空機(UAV)の自律飛行のための自動位置決定またはウェイポイント生成のための較正データを生成するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光および水力発電プラントとは別に、風力タービンは、再生可能エネルギーの最も重要な供給源の1つである。プラントの安全且つ低故障運転には、定期的な保守点検が不可欠である。
【0003】
従来の手法は、プラントを調べるクライミングチームを含む。クライマーに固有のリスクは別として、そのような手法は、多数のプラントにとって実用的ではない。クライミングチームの可用性およびその作業速度は、十分に綿密な監視には不十分である。
【0004】
より新たな手法は、風力タービンを調べるためにドローンを使用する。しかしながら、これらの手法でさえも、通常、後に分析されるドローンを使用してタービンの画像を撮影するために経験豊富な人間のパイロットを必要とする。これは、ひいては特別に訓練された人員を必要とし、可用性を制限し、コストを生じさせる。
【0005】
さらに、ドローンによって視覚制御データを自動的に記録する方法が知られている。例えば、国際公開第2018/166645号パンフレットは、ドローンが予め計算されたウェイポイントを使用して風力タービンに沿って自動的におよび/または自律的に飛行し、評価のためのデータを生成する方法を記載している。
【0006】
そのような手段に伴う1つの問題は、ドローンの飛行経路を決定するために必要な較正データを生成することである。多くの場合、プラントの製造業者データおよび位置データは十分ではないか、または不正確すぎる。多くの場合、信頼できるモデル、例えば、それを使用してドローンの飛行ルートまたはウェイポイントが計算されることができる、プラントのCADモデルまたは利用可能な詳細仕様はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公開第2018/166645号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示の根底にある目的は、例えば、風力タービンの迅速且つ安全な検査のために使用されることができる、時間の短縮および良質な対象物検出を可能にする方法およびシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、請求項1に記載の方法および請求項21に記載のシステムによって達成される。
【0010】
本開示の実施形態は、複数の所定の特徴によって記述可能な対象物を検出するための方法を提供する。本方法は、対象物に沿って飛行することと、少なくとも1つの記録ユニットを使用して対象物のいくつかの部分を検出することと、を含む。したがって、各部分は、記録ユニットの異なる位置から複数回検出され、画像のセットを生成する。したがって、記録ユニットの位置および場所情報は、画像を生成するときに各画像に関連付けられる。さらに、本方法は、画像セット内の特徴を検出することと、特徴を含む画像の位置および場所情報を使用して、例えば特徴の座標および/または場所などの位置を決定することと、を含む。
【0011】
実施形態によれば、対象物は、風力タービン、クレーン、または電柱とすることができる。そのような対象物は、特徴的な幾何学的形状または特徴を使用して記述されることができる。風力タービンの場合、特徴は、例えば、ロータブレード先端およびロータブレードフランジを含む。例えば、電柱は、そのブーム、タワー中心、およびタワー頂部によって記述される。特徴の位置および場所が既知である場合、対象物のモデルが設定されることができる。記録ユニットは、検出ユニットを有するドローン、またはドローン用の対応するモジュールとすることができる。検出ユニットは、例えば、レーザによる検出を可能にするように構成されてもよい。さらに、検出ユニットは、カメラであってもよい。記録ユニットは、ドローンの群のような複数のドローンをさらに備えてもよい。検出は、例えば画像を記録するときのバックライト効果を改善するための複数の最適化ステップを含むことができる。各画像に関連付けられた記録ユニットの、例えば部位および向きなどの位置および場所情報は、絶対座標系、例えば世界座標、または基準に対する相対座標系であってもよい。画像セット内の特徴の検出は、例えばAI(人工知能)によって自動的に、または人間によって手動で実行されることができる。
【0012】
本開示のさらなる実施形態は、複数の所定の特徴によって記述可能な対象物を検出するためのシステムを提供する。システムは、記録ユニットを単独でまたはドローンと組み合わせて形成する測定装置を備える。測定装置は、例えば、対象物に沿って飛行し、異なる位置から対象物のいくつかの部分を検出して画像のセットを生成するように構成され、測定装置の位置および場所情報は、各画像に関連付けられる。さらに、システムは、画像セット内の特徴を検出し、特徴を含む画像の位置および場所情報を使用して、特徴の座標および/または場所などの位置を決定するように構成された評価装置を備える。
【0013】
実施形態によれば、測定装置は、ドローン用のモジュールである。モジュールは、計算またはデータ処理ユニットのみを検出するための、または既に検出ユニットを備えているドローン用の装置を備えることができる。モジュールは、ドローン用の制御要素を備え、自動ドローン飛行を可能にすることができる。さらに、モジュールは、評価装置と通信するように構成されることができる。評価装置は、計算機またはコンピュータ上の対応するソフトウェアをさらに備えることができる。クラウドベースの評価装置も可能である。これに対応して、評価装置および測定装置は、互いに別々に局所的に作用することもできる。時間的には、記録ユニットは、最初に画像セットを生成し、次いでそれらを評価装置に送信することができる。評価は、直ちに、または時間遅延を伴って行うことができる。
【0014】
本開示によれば、対象物は、対象物を記述することができる所定の特徴の位置および/または場所を決定することによって検出される。ここで特徴の位置および/または場所を決定することは、特徴を含む画像セットの位置および場所情報を使用して行われる。ここで、検出対象の対象物は、記録ユニットに沿って飛行する。記録ユニットは、対象物のいくつかの部分を異なる位置から複数回検出する。その結果、いくつかの画像セットが得られる。記録ユニットの位置および場所情報は、画像を生成するときに各画像に関連付けられる。続いて、画像セット内の所定の特徴が認識される。画像の既知の位置および場所情報により、所定の特徴の位置および/または場所に関して結論が引き出されることができる。対象物の部分を複数回記録することにより、記録ユニットからの識別された特徴の距離のような深度情報が生成されることができる。さらに、画像セットを評価することによって統計的評価が可能になり、これにより、一方では位置および場所情報の精度が向上し、他方では、分散の形態などの位置および場所情報の品質に関する記述も可能になる。これにより、位置および場所情報の品質が高い場合には、衝突の危険を伴うことなく、ドローンと検査対象の対象物との距離がより小さく設定されることができる。
【0015】
本開示の実施形態によれば、対象物のいくつかの部分を検出することは、光学的検出である。光学的検出の場合、検出ユニットは、カメラであるように構成されてもよい。多くのドローンは、既にカメラを装備しているため、これは、例えば、本開示にかかる方法のための記録ユニットを提供する特に安価な方法である。さらに、光学的検出プロセスのための複数の最適化方法が知られており、それによって、例えば、その後の評価を改善するために、検出された画像の品質を高める。
【0016】
本発明の実施形態によれば、特徴の位置および/または場所を決定することは、光線または直線(直線)または方向ベクトルのような複数の幾何学的補助構造を設定することをさらに含み、特徴を含む各画像の幾何学的補助構造は、以下の間に設定される:
座標系における、各画像に関連付けられた記録ユニットの位置および画像内で識別された特徴の位置、または
画像内で識別されたいくつかの特徴の位置。
【0017】
さらにまた、幾何学的補助構造は、例えば、特徴またはいくつかの特徴から導出された特徴の部位および/または向きなどの位置および/または場所についての結果の量を得るために、対で評価される。結果の量がさらに統計的に評価されることができる。
【0018】
幾何学的補助構造は、特徴の位置が決定されることができる交点からの直線を含むことができる。したがって、幾何学的補助構造は、例えば、これらが誤って識別されたことを認識するときに、明確に考慮されない場合がある。
【0019】
補助構造により、特徴の位置および場所に関する関連情報が補助構造によって記述されることができ、画像情報全体が処理される必要がないため、評価に必要な計算労力が制限されることができる。実施形態によれば、導出された特徴の位置および/または場所が決定されることができる。対象物は、例えば、光学評価を使用してその位置および/または場所を識別または認識することが困難な特徴を含むことができる。そのような特徴は、既知の幾何学的関係を介して対象物のより良好に識別可能な特徴に関連することができる。例えば、風力タービンのロータフランジの中心の直接識別は、フランジの中心が取り付けられたロータブレードによって隠された領域内に位置するため、画像セットを使用して決定することが困難または不可能であり得る。対照的に、隣接する点、例えば中心の周りに対称的に、フランジの中心の周りの外接円上に、中心の位置に関する結論を引き出すことは、はるかに容易であり得る。
【0020】
本開示の実施形態によれば、本方法は、対象物の基準位置および記録ユニットの位置情報を評価することによって、対象物の場所情報または向き/のような向きを決定することをさらに含み、記録ユニットは、位置情報を記録するときの対象物の向きに対応して配置される。
【0021】
決定される向きは、例えば、風力タービンの向きであってもよい。記録ユニットは、ドローンとすることができる。
【0022】
このタイプの向きの決定は、迅速に実行されることができ、追加の測定機器を必要とせず、記録ユニットのみを必要とする。特に、後続の自律的なドローン飛行を実行することができる十分に正確なデータは、例えば向きのおおよその決定によって迅速に検出されることができる。
【0023】
本開示の実施形態によれば、本方法は、記録ユニットの位置情報の量を評価することによって、対象物の中心のような基準位置を決定することをさらに含み、位置情報の量は、記録ユニットの、例えば対象物を旋回する移動軌跡から導出される。
【0024】
基準位置は、風力タービンのタワー中心であってもよい。これは、ドローンのように、記録ユニットによって決定されることができる。移動軌跡は、例えば風力タービンのタワーの外壁に沿って、風力タービンを少なくとも部分的に旋回させることから生じることができる。
【0025】
対象物の基準データが存在しない場合であっても、これは、基準位置を決定する迅速な可能性を開示する。移動軌跡は、対象物の周りの円形経路または円形経路の一部であってもよい。
【0026】
本開示の実施形態によれば、本方法は、対象物の基準点、および1つ以上の特徴の位置を評価することによって、対象物の少なくとも1つの寸法を決定することをさらに含む。
【0027】
対象物の寸法は、風力タービンのハブ高さとすることができる。ハブの高さは、例えばハブの高さに関する情報が既に存在する場合に、本開示にかかる方法に対応して決定または検証されることができる。これは、対象物の幾何学的形状の迅速且つ自動化された決定を可能にする。
【0028】
本開示の実施形態によれば、本方法は、記録ユニットを基準点に配置し、続いて記録ユニットの位置情報を評価することによって、対象物の高さのような基準点をゼロ点として決定することをさらに含む。
【0029】
基準点は、二次元または三次元空間からの点であってもよいが、海面上の高さのようなスカラー量であってもよい。これは、例えば、測定装置を追加することなく、記録ユニットの位置情報のみに基づいて基準点を迅速に決定することを可能にする。
【0030】
本開示の実施形態によれば、記録ユニットは、画像のセットを生成し、各画像に、各画像を記録するときの記録ユニットの位置および場所情報を関連付けるように構成されたドローン、またはドローンと組み合わせた測定装置である。
【0031】
ドローンを使用することにより、人を危険にさらすことなく、アクセスが困難な対象物の領域が迅速に検出されることができる。
【0032】
本開示の実施形態によれば、記録ユニットの位置および特徴は、所定の座標系の座標を含む。
【0033】
本開示の実施形態によれば、本方法は、記録ユニットの位置および場所情報を補正するために、リアルタイムキネマティクス(RTK)を使用することをさらに含む。
【0034】
位置を決定する精度は、リアルタイムキネマティクスシステムによって改善されることができる。例えば、高さ情報に関しては2cmの精度の改善が達成されることができ、他の寸法に関しては1cmから2.5cmの精度の改善が達成されることができる。これはまた、例えば、記録ユニットにおける正確な位置決定のための複雑で高価で重い技術を統合する必要なく、対象物を検出することができる、十分に正確な位置および場所データを生成する安価な方法を提供する。ここでの較正飛行は、対象物に沿って飛行し、対象物のいくつかの部分を検出することを含むことができる。さらに、Prezi波のようなローカルのスタンドアロン座標系が使用されることができるため、GPS装置が使用される必要はない。
【0035】
本開示の実施形態によれば、対象物に沿って飛行するステップは、自動化および/または自律的な方法で対象物に沿って飛行することを含む。
【0036】
自動飛行は、対象物の迅速且つ容易な検出を提供することができる。例えば、手動飛行用に訓練されたドローン操縦者は不要にされることができる。人間の制御介入を排除することにより、衝突またはインシデントの確率も低減されることができる。
【0037】
本開示の実施形態によれば、画像セット内の特徴を認識するステップは、画像セット内の特徴の自動認識であり、および/または特徴の位置および/または場所を決定するステップは、特徴の位置および/または場所の自動決定である。
【0038】
対象物を検査するためのコストは、本方法の高度な自動化によって、例えば、迅速な性能または低減された人員コストによって低減されることができる。さらに、評価のヒューマンエラーが回避されることができる。
【0039】
本開示の実施形態によれば、対象物は、風力タービン、例えば風力発電所、風力エネルギープラントまたは風力車であり、風力タービンは、タワー、ナセル、ハブ、ロータブレードフランジおよびロータブレード、ならびにロータブレードの共通回転軸を含む。したがって、本方法は、特徴の座標および/または場所などの位置に基づいて風力タービンの1つ以上のパラメータを決定することをさらに含む。
【0040】
アクセスが困難な風力タービンの多くの領域のために、例えば、収集されたデータ、または後続の検査飛行のためのパラメータをさらに使用するための本開示にかかる方法は、特にそのようなデータ収集または測定の期間に関して大きな利点を提供することができる。さらに、本開示にかかる自動化された方法の使用は、例えば、クライマーがもはや検査に使用される必要がないため、クライマーなどの人員の訓練コストを節約することができ、特に、労働事故の可能性を大幅に低減することができる。
【0041】
本開示の実施形態によれば、決定された少なくとも1つのパラメータは、ロータブレードの変形および/または曲げを含む。これは、例えば、線形、指数関数または対数関数のような数学関数によるロータブレードの経路の近似によって決定される。
【0042】
ロータプレートの変形および/または曲げを決定することにより、プラントの故障が発生する前に、標準的な形状からの臨界偏差が認識されることができる。例えば、ロータブレード先端の位置ならびにロータブレードフランジの位置および/または場所のような特徴の特定の特徴的な位置および/または場所に基づく数学関数による近似は、ロータブレードの経路について十分に正確なモデルを生成する高速で、例えば、計算集約的な方法をほとんど形成することができない。ロータブレードの変形および/または曲げに関する情報は、例えば、後続の検査飛行のためのウェイポイント生成のモデルを取得するために追加的に使用されることができ、それにより、ドローンは、衝突のリスクなしに、高解像度画像を撮影するためのモデルに起因して自動化された方法で風力タービンの非常に近くを飛行することができる。
【0043】
本開示の実施形態によれば、決定された少なくとも1つのパラメータは、ロータブレード先端の場所のような位置を含む。ロータブレード先端の位置を決定することは、画像内で識別されたロータブレード先端の位置と記録ユニットのそれぞれの位置との間の直線を決定することを含む。さらに、直線の決定には、画像記録時の記録ユニットの位置や識別されたロータブレード先端の位置とは別に、画像記録時の記録ユニットの向きや位置合わせなどの場所や、記録ユニットのカメラの開口角や画素数などの記録ユニットの特性も考慮される。さらに、ロータブレード先端の画像のセットについて、複数の直線が決定され、対で評価される。直線の対ごとに交点が計算され、直線の対の量からロータブレード先端の位置が計算される。
【0044】
ロータブレード先端を計算することは、計算された交点の統計的評価を含むことができる。評価はまた、結果の品質を計算することを含むことができる。品質を使用して、例えば、風力タービンの設定モデルの精度の尺度が示されることができる。さらに、ロータブレード先端の位置を計算するのに好ましくない直線の対は、より正確な結果を得るために交点の量を評価する前に破棄されることができる。そのような好ましくない直線の対の検出は、一対の直線の計算された交点が、例えば特徴ロータブレード先端が識別された決定された画像領域の外側にあるという点で実行されることができる。
【0045】
ロータブレード先端の位置の結果は、計算の複雑さをほとんど伴わずに、容易な数学的方法を使用して、本開示にかかるこの手順を使用して計算されることができる。これは、例えば、モバイルコンピューティングユニットの計算能力を用いた現場での評価を可能にする。
【0046】
本開示の実施形態によれば、決定された少なくとも1つのパラメータは、ロータブレードフランジの中心のような位置を含む。ロータブレードフランジの位置を決定することは、画像内で識別されたロータブレードフランジの第1の点の位置と記録ユニットの位置との間の第1の直線、および同じ画像内で識別された第1の点の反対側のロータブレードフランジの第2の点の位置と記録ユニットの位置、例えば座標との間の第2の直線を決定することを含む。
【0047】
第1および第2の直線を決定するために、画像を記録するときの記録ユニットの部位およびロータブレードフランジの点の識別された位置のような位置とは別に、画像を記録するときの記録ユニットの位置、例えば向きまたは位置合わせ、ならびに記録ユニットのカメラの開口角および/または画素数のような記録ユニットの特性も考慮される。さらにまた、第1の直線と第2の直線との間の中心を通る別の直線が決定される。さらに、ロータブレードフランジの画像のセットに対して複数のさらなる直線が決定される。ロータブレードフランジの位置は、複数のさらなる直線から決定される。
【0048】
ロータブレードフランジの位置を決定することは、複数のさらなる直線を統計的に評価することを含むことができる。結果品質は、統計的評価から計算されることができる。
【0049】
本開示にかかる方法によって、ロータブレードフランジの位置が評価から決定されることができる。ロータブレードフランジの位置の直接的な評価は、取り付けられたロータブレードに起因して不正確または不可能であり得る。この問題は、例えば、記載された方法にしたがって、画像ごとのロータブレードフランジの、機械によって識別するのが容易な2つの点の高速でほとんど計算的に複雑でない評価によって解決されることができる。
【0050】
本開示にかかる例では、決定された少なくとも1つのパラメータは、ロータブレードフランジの場所を含む。ロータブレードフランジの場所を決定することは、画像内のロータブレードフランジの2つの対向点を識別することを含む。したがって、ロータブレードフランジの2つの対向点の位置間の接続直線の方向ベクトルが決定される。さらに、ロータブレードフランジの画像のセットに対して、接続直線の複数の方向ベクトルが決定される。ロータブレードフランジの可能な法線ベクトルの量は、接続直線の方向ベクトルの外積を対にして形成することにより、接続直線の複数の方向ベクトルから計算される。さらに、ロータブレードフランジの法線ベクトルは、可能な法線ベクトルの量から計算される。
【0051】
ロータブレードフランジの法線ベクトルを計算することは、可能な法線ベクトルの量を統計的に評価し、法線ベクトルの結果の質を計算することを含むことができる。ロータブレードフランジの場所、したがってロータの回転を決定することによって、本開示にかかる方法は、風力タービンのロータブレードの所定の位置決めに依存しない。例えば、自律的なドローン飛行を可能にするために、ロータブレードのうちの1つの6時の位置などへのボルト締めは必要ない。これは、風力タービンを位置合わせさせるための時間および追加の労力を節約する。
【0052】
本開示の実施形態によれば、決定された少なくとも1つのパラメータは、タワー位置のようなタワー中心を含む。タワーの中心を決定することは、タワーの壁から可能な限り等しい距離にあるように、記録ユニットによってタワーの外壁に沿ってタワーを旋回させることと、タワーを旋回させるときの記録ユニットの位置を記録することとを含む。さらに、位置サブセットは、それぞれ3つの点から形成され、3つの点は互いに所定の距離にある。
【0053】
さらに、三角形の重心の量は、複数の位置サブセットから決定されることができ、各三角形は、位置サブセットの3点から形成される。重心の平均からタワー中心が計算される。重心の平均からタワー中心が計算される。代替的または追加的に、円中心の量は、複数の位置サブセットから決定されることができ、各円中心は、一般円方程式を使用して、位置サブセットの3点から決定される。したがって、円の中心の量からタワーの中心が計算される。代替的または追加的に、複数の位置サブセットから外接円中心のセットが決定されることができ、各外接円中心は、位置サブセットの3点から形成される三角形の外接円の中心である。したがって、タワーの中心は、外接円中心の量から計算される。三角形は、例えば、正三角形または二等辺三角形とすることができる。
【0054】
タワー中心を計算することは、統計的評価、および結果品質を計算することを含むことができる。これは、地理的な事前情報なしに、記録ユニットの位置情報に基づいて、プラントの中心の形態のように、1つのステップにおいて位置を決定する方法を提供する。これは、本方法が正確な既知の位置情報に依存しないことを意味する。既知のタワー中心を有することにより、ドローンは、風力タービンに自律的に飛行してそれを検出することができる。ウィンドパークのいくつかの風力タービンの位置を知ると、いくつかの風車がドローンによって次々に自律的に検出されることができる。
【0055】
本開示の実施形態によれば、本方法は、以下のパラメータのうちの1つ以上を決定することをさらに含む:
回転軸の高さのようなハブの高さ、
回転軸の傾斜、
ハブの直径、
風力タービンの方位、方位角または方位角のような向き、
ロータブレードフランジの中心、
ロータブレードフランジの直径、
ロータブレードの長さ、
ロータブレードの傾斜、
例えば回転に関するロータブレードの回転のような位置決め、
ロータブレードの傾斜角(ピッチ角)、
ロータブレードの厚さ、および
ロータブレードの幅。
【0056】
したがって、パラメータのうちの1つ以上を決定することは、以下を含むことができる:
フランジ中心のように、ロータブレードフランジの位置によって広がる第1の平面の第1の法線ベクトルを計算すること、
ロータブレード先端の位置によって広がる第2の平面の第2の法線ベクトルを計算すること、
フランジ中心などのロータブレードフランジの位置によって円形経路が決定される円の第1の中心を決定すること、および
円形経路がロータブレード先端の位置によって決定される円の第2の中心を決定すること。
【0057】
プラントの向きおよび風力タービンの回転軸の傾斜を決定することは、法線ベクトルの一方または双方を評価することによって行うことができる。
【0058】
風力タービンのハブ高さの決定は、中心および基準点の一方または双方を評価することによって実行されることができる。
【0059】
例えば6時の位置とは異なる、例えば共通の回転軸に対するロータブレードの位置決めを決定することは、例えば、1つ以上のロータブレード先端および/または1つ以上のロータブレードフランジの位置を、第1および/または第2の計算された中心の位置と比較することによって実行されることができる。代替的または追加的に、ロータブレードの位置決めを決定することは、ロータブレードフランジの法線ベクトルを使用して実行されることができる。
【0060】
ハブ直径を計算すること、または風力タービンのハブ直径を推定することは、例えば、ロータブレードフランジの位置の距離を使用して実行されることができる。
【0061】
パラメータを決定することにより、風力タービンのモデルが形成されることができ、これが使用されて完全に自動化されたまたは自律的な検査飛行を実行することができる。さらにまた、パラメータを決定することによって、公称形状または標準形状からの偏差が認識されることができる。
【0062】
本開示の実施形態によれば、本方法は、例えば自律飛行のためのウェイポイントを決定するために、特徴の位置および/または場所情報を使用して対象物のモデルを生成もしくは修正するか、またはCAD(コンピュータ支援設計)モデルなどの一般モデルをパラメータ化することをさらに含む。風力タービンのモデルを設定または調整することにより、例えば、モデルに基づいて後続の自律検査飛行が実行されることができる。さらに、モデルはまた、例えば対象物を再び検出する必要なく、風力タービンの向きの既知の変化を組み込むための迅速且つ安価な方法を提供する。
【0063】
本開示にかかる実施形態は、対象物を検査するための方法であって、経路に沿って対象物に沿って飛行することと、飛行中に対象物の1つ以上の部分を検出することと、を含む、方法を提供する。経路は、前述の方法の1つ以上によって得られた特徴またはパラメータによる対象物の表現に基づく。
【0064】
これは、対象物の自動検査を可能にする。所定の経路により、ドローン操縦者は、例えば、ドローン飛行の監視に完全に集中することができ、ドローンを制御する必要がない。
【0065】
本開示の実施形態によれば、評価装置は、記録ユニットの一部である。記録ユニットは、例えば、評価自体を行うドローンであってもよく、または計算モジュールのように、その一部である評価ユニットであってもよい。これは、評価のための追加のデータ送信または外部評価装置を省略できることを意味し、システムをより容易にする。
【0066】
本開示の実施形態によれば、評価装置は、画像セット内の特徴を自動的に認識し、および/または特徴の位置および/または場所を自動的に決定するように構成される。高度な自動化により、本開示にかかる方法は、迅速且つ安価に実行されることができる。これはまた、ヒューマンエラーの数を低減することができる。
【0067】
本開示の実施形態によれば、測定装置は、異なる位置から対象物のいくつかの部分を光学的に検出するように構成される。光学的検出は、カメラによって費用効果の高い方法で実施されることができ、例えば、バックライトに関して、記録品質を改善するための複数の周知の最適化方法を使用することを可能にする。
【0068】
本開示にかかる例は、添付の図面を参照して以下により詳細に説明される。図示された概略図に関して、図示された機能ブロックは、本開示にかかる装置または本開示にかかるシステムの要素または特徴、および本開示にかかる方法の対応する方法ステップの双方であると解釈されるべきであり、本開示にかかる方法の対応する方法ステップがそこから導出されることができることが指摘される。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【
図1】本開示の実施形態にかかる対象物を検出するフローチャートである。
【
図2】本開示の実施形態にかかる、追加の任意のステップを用いて対象物を検出するフローチャートである。
【
図3】本開示の実施形態にかかる風力タービンを検出するフローチャートである。
【
図4】本開示の実施形態にかかる風力タービンの断面および記録ユニットの移動軌跡の概略平面図とともに風力タービンの概略側面図である。
【
図5】本開示の実施形態にかかる風力タービンの断面の概略平面図とともに風力タービンの概略側面図である。
【
図6】本開示の実施形態にかかる風力タービンの概略平面図である。
【
図7】本開示の実施形態にかかる、リアルタイムキネマティクスシステム、記録ユニット、評価装置、および通信ユニットの間の情報の例示的なフローの概略図である。
【
図8】本開示の実施形態にかかる記録ユニットを検出する例示的な順序を有する風力タービンの概略側面図である。
【
図9】本開示の実施形態にかかる例示的な特徴を有する風力タービンの概略側面図である。
【
図10】本開示の実施形態にかかる例示的な特徴を有するクレーンの概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
以下に図面を参照して本発明の実施例をより詳細に説明する前に、異なる実施例に示されるこれらの要素の説明が相互に交換可能または相互に適用可能であるように、同一の要素、対象物、および/または構造、または同等の機能もしくは同等の効果を有するものには、異なる図面において同じまたは同様の参照番号が付されていることを指摘する。
【0071】
図1は、本開示の実施形態にかかる対象物を検出するフローチャートを示している。
図1は、対象物を長く飛行させることと、少なくとも1つの記録ユニットを使用して対象物のいくつかの部分を検出することと、を含むステップ110を示し、各部分は、画像のセットを生成するために記録ユニットの異なる位置から複数回検出され、記録ユニットの位置および場所情報は、各画像に関連付けられる。続いて、ステップ120において、画像セット内の特徴を認識し、ステップ130において、特徴を含む画像の位置および場所情報を使用して特徴の位置および/または場所を決定する。
【0072】
したがって、対象物に沿って飛行することは、例えばドローン操縦者によって手動で、または自律的になどの自動化された方法で実行されることができる。対象物の部分は、特徴的な特徴を含む対象物の部分とすることができる。位置および場所情報は、座標および/または部位情報、または位置合わせおよび/または向き情報を含むことができる。また、例えば、記録ユニットの開口角や画素数など、さらなる情報が画像に関連付けられてもよい。特徴の認識は、自動化された方法で行うことも、手動で行うこともできる。例えば、人工知能(AI)、または機械学習の分野からの別の手法が使用されることができる。特徴認識は、評価装置によって行うことができる。これは、追加の計算機またはクラウドベースの計算構造であってもよい。評価は、飛行の直後または飛行中に行われてもよく、または時間および位置においてオフセットされてもよい。
【0073】
特徴を含む画像の位置および場所情報から特徴の位置および/または場所を決定することにより、検出されるアクセス困難な対象物は、僅かな労力で、例えば人間へのリスクを最小限に抑えて検出されることができる。クライマーの代わりに、ドローンが写真を撮ることができ、それを使用して対象物のモデルが設定されることができる。モデルに基づいて、完全に自動化されたまたは自律的な検査飛行がその後に実行されることができる。画像のセットを記録することにより、例えば深度情報を生成するための画像評価方法が適用されることができる。さらに、個々の画像を評価した結果の統計的評価は、結果の質を示すことを可能にし、それを使用して、例えば、モデルの精度の尺度を提供することができる。これは、可能な限り安全に衝突を回避するためにドローンが対象物までどの距離を飛行しなければならないかを決定することを可能にする。モデル品質が良いほど、対象物の特に高解像度の画像を撮影するためにドローンが自動的に接近することができ、それを使用して、例えば微小亀裂に関して包括的な評価を実行することができる。
【0074】
図2は、本開示の実施形態にかかる、追加の任意のステップを用いて対象物を検出するフローチャートを示している。したがって、
図2の必要なステップは、
図1のステップに対応する。
【0075】
図2は、記録ユニットの位置および場所情報を補正するためにリアルタイムキネマティクスシステム(RTK)を使用することを含むステップ210をさらに示している。RTKシステムは、複雑な位置決定技術を記録ユニットに組み込むことなく、位置決定の精度を向上させることができる。
【0076】
ステップ220は、対象物の基準位置を決定することを含む。基準位置は、記録ユニットの移動の軌跡から導出される記録ユニットの位置情報の量を評価することによって決定される。基準位置は、例えば、対象物中心であってもよい。これは、記録ユニットが、例えば光学的に対象物を検出するために、自動化された方法で対象物の位置まで飛行することを可能にする。
【0077】
ステップ230は、対象物の向きを決定することを含む。向きは、対象物の例えば前に決定された基準位置と、記録ユニットの位置情報との評価によって決定され、記録ユニットは、位置情報の記録時に対象物の向きに対応して位置決めされる。記録ユニットは、記録ユニットと基準位置との間の接続線、例えば対象物の前面に対して直角である対象物中心に配置されることができ、対象物の場所または位置合わせなどの向きは、基準位置および記録ユニットの位置から計算されることができる。向きを決定することは、2つの検査の間で変化している可能性があるため、風力タービンまたはクレーンなどの可動対象物の場合に重要であり得る。本開示にしたがって向きを決定する利点は、対象物の向きを適合させるために追加の労力が費やされないことである。例えば、風力タービンのナセルは、例えば、方法のために最初に特定の向きにする必要はない。例えば高層ビルの間の居住エリアのクレーンは、例えば既にビルや別のクレーンがあるため、厳密に北に移動することはできない。したがって、本開示にかかる方法は、時間およびリソースを節約することができ、同時に広範囲の用途に適している。
【0078】
さらなるステップ240は、対象物の基準点を決定することを含む。これは、記録ユニットを基準点に配置し、続いて記録ユニットの位置情報を評価することによって行われる。基準点は、二次元または三次元空間からの点であってもよいが、スカラー量、例えば海面からの高さであってもよい。これは、その後に記録ユニットとともに対象物に沿って飛行するための基準高さを決定するために使用されることができる。記録ユニットは、例えば、対象物の高さが既知である場合に、例えば、対象物の最下点に配置されて、対象物に沿ってその高さ全体に沿って自動的に飛行することができる。
【0079】
さらなるステップ250は、対象物の少なくとも1つの寸法を決定することを含む。寸法は、対象物の基準点、および1つ以上の特徴の位置を評価することによって決定される。対象物の高さは、例えば、基準高さの形態で、前に決定された基準点を使用して、対象物の最高点の位置を評価することによって決定されることができる。本開示によれば、さらなる用途が考えられる。したがって、例えば、解体されることになるコンテナ船の横方向寸法は、ドローンおよび基準点を使用して、例えば船首の最外点の形で決定されることができ、船尾の最外点の位置を決定することができる。これは、例えば解体のための理想的な切断面を決定するために、数百メートルの長さを有する船舶を迅速に測定することを可能にする。
【0080】
対象物に沿って飛行し、少なくとも1つの記録ユニットを使用して対象物のいくつかの部分を検出することを含むさらなるステップ110、画像セット内の特徴を認識することを含むステップ120、および特徴の位置および/または場所を決定することを含むステップ130は、
図1のステップに対応する。したがって、より詳細な説明については、
図1の説明を参照する。
【0081】
実施形態では、ステップ250はまた、ステップ110、120および130を含むことができる。しかしながら、ステップ250はまた、これらのステップの有無にかかわらず、ステップ110、120、および130を実行する前に、または再び実行する前に実行されてもよい。ステップ110、120、および130を実行することは、例えば、ステップ250の特徴のうちの1つ以上の位置を決定する方法であってもよい。位置が既知である場合、対象物の少なくとも1つの寸法を決定するためのステップ110、120および130を実行することも省略されることができる。しかしながら、寸法を決定するためのステップ110、120および130を省略することは、例えば、他の特徴の位置および/または場所を決定するためのステップを実行することを排除するものではない。
【0082】
さらなるステップ260は、例えば自律飛行のためのウェイポイントを決定するために、モデルを生成もしくは修正すること、または対象物のCADモデルのような一般モデルをパラメータ化することを含む。モデルは、特徴の位置および/または場所情報を使用して設定されることができる。対象物のモデルにより、その後のドローン飛行は、例えば、自動化された方法で、または自律的に実行されることができる。したがって、対象物を検査するときにかなりの時間が節約されることができる。
【0083】
図示のステップ210から250および260は、任意であると理解されるべきである。例えば、基準位置を知っている場合、ステップ220が省略されることができるが、それにもかかわらず、対象物の向きを決定するステップ230は、既知の基準位置を使用して行うことができる。逆に、ステップ230を使用して向きを決定することが省略されることができるが、基準位置は、ステップ220によって決定される。
【0084】
図3は、本開示の実施形態にかかる風力タービンを検出するフローチャートを示している。
図3は、風力タービンに沿ったドローンの自律飛行のための風力タービンの較正データセットを生成するフローを例示的に示している。
【0085】
ステップ310は、風力タービンのタワー中心を決定することを含む。タワーの中心を決定することは、記録ユニットを使用してタワーの外壁に沿ってタワーを少なくとも部分的に旋回させることと、タワーを旋回させるときに記録ユニットの位置を記録することと、を含む。さらにまた、位置サブセットは、それぞれ3つの点から形成され、3つの点は、例えば可能な限り互いに等しい所定の距離を含む。さらに、三角形の重心のセットは、複数の位置サブセットから決定されることができ、各三角形は、位置サブセットの3点から形成される。そのため、重心の平均からタワー中心が計算される。代替的または追加的に、円中心の量は、複数の位置サブセットから決定されることができ、各円中心は、一般円方程式を使用して、位置サブセットの3点から決定される。したがって、円の中心の量からタワーの中心が計算される。代替的または追加的に、複数の位置サブセットから外接円中心のセットが決定されることができ、各外接円中心は、位置サブセットの3点から形成される三角形の外接円の中心である。この場合、タワーの中心は、外接円中心の量から計算される。
【0086】
換言すれば、タワー中心は、例えばドローンのように、記録ユニットによって決定されることができる。風力タービンの未知の、または不正確な地理的座標のみのために、風力タービンのタワー中心を決定することは、例えば自律飛行のために、風力タービンに沿ったドローンの飛行経路を較正するために必要であり得る。本開示にかかる方法は、例えば、センチメートル精度でタワーの中心を決定するために使用されることができる。例えば、記録ユニットがタワーを周回する単一の軌道は、記録ユニットの移動軌跡を記録することができる。したがって、タワーまでの距離および旋回速度は、例えば、ドローンと位置精度を改善するためのリアルタイムキネマティクスシステムとの間、またはドローンと通信ユニット、例えば遠隔コンソールとの間に十分な信号強度があるように遅くなるように選択されることができる。風力タービンでは、旋回は、基礎ベースで行われてもよく、洋上風力タービンの場合、旋回は、風力タービンの連絡路で行われてもよい。したがって、評価する際に、例えば連絡路と基礎上縁または水位との間の連絡路の高さの差も考慮することができる。タワー中心は、記録された一連の位置情報、例えばGPS支点などの位置から計算される。移動の軌跡の位置情報から3つの点が選択されることができ、3つの点は、例えば正三角形を形成するように、互いに所定の、同様の、または可能な限り近い距離を含む。次いで、三角形の中心または重心が、これらの3点から計算されることができる。互いの距離が類似する3点から中心を計算することは、例えば、記録された位置情報の一部または全部に対して行うことができる。平均は、タワー中心または中心を計算するために、検出された中心または重心から計算されることができる。三角形の重心を使用してタワー中心を決定する代わりに、またはそれに加えて、例えば、記録されたいくつかまたは全ての位置情報についてそれぞれの3点から円中心が決定されることができ、それぞれの3点に基づく一般円方程式から、またはそれぞれの3点から形成される三角形の外接円から外接円中心が決定されることができる。
【0087】
ステップ320は、風力タービンの基準高さまたは基盤(基礎)を決定することを含む。決定は、記録ユニットを基準高さ、例えば、地下の任意の点または基準点に配置し、続いて記録ユニットの位置情報を評価することによって行われる。
【0088】
基準高さを決定することは、風力タービンまたは風車での第2の測定値を表すことができる。基準高さは、一次元の基準点の例とすることができる。例えば、基準点は、風力タービンの高さ基準または基準高さを形成する、海面からの高さである。基準高さを決定すること、例えば高さをゼロレベルとして決定することは、その後にタワーの下部フランジまたはコンクリート縁部のタワー高さを決定するために使用されることができる。記録ユニットを基準高さに配置することは、記録ユニット、例えばドローンを風力タービンの基礎の上縁に配置することを含むことができる。記録ユニットの配置は、例えば、以前に基礎の上縁部を1回旋回させた後に行われてもよい。記録ユニットは、PreciwaveのようなGPSまたは測位システムを備えることができる。洋上風力タービンでは、基準高さは、基礎と下部タワーフランジとの間の領域を形成するための連絡路の高さであってもよい。換言すれば、基礎の上縁の代わりに、連絡路を使用して基準高さを決定することができる。この場合、例えば連絡路と基礎との間、または連絡路と水面との間の高さの差は、基準高さまたは基準高さに基づくさらなるステップについて考慮することができる。
【0089】
さらなるステップ330は、風力タービンの向きを決定することを含む。向きの決定は、基準位置、例えば風力タービンのタワー中心と、記録ユニット、例えばドローンの位置情報とを評価することによって実行され、記録ユニットは、位置情報を記録するとき、風力タービンの向きに対応して位置決めされる。
【0090】
風力タービンの向きを決定することは、風力タービンにおいて第3の測定値を形成することができる。風力タービンの向きは、風力タービンのナセルの向きであってもよい。記録ユニットは、ナセルの向きに対応して、すなわち、例えば、ドローンとナセルとの間の接続線がロータブレードに対して直角に配置されるように、風力タービンの前に配置されてもよい。ナセルの向きは、例えば、タワー中心のような風力タービンの既知の基準位置、および記録ユニットの位置から決定されることができる。向きは、例えば北方向または別の基準点に対して決定されるナセルまたは風力タービンの方位角または方位であってもよい。方向が大まかに決定されるだけでよい場合、記録ユニットの位置を決定することは、例えば、徒歩で行うことができ、記録ユニットは、例えば、記録ユニットのGPS位置を決定するために、ナセルの方向に対応して、風力タービンの前に短時間駐車されることができる。向きを決定した後、較正飛行が続くことができる。
【0091】
さらなるステップ340は、風力タービンのハブ高さを決定することを含む。ハブの高さの決定は、基準点、例えばゼロ点としての高さ、および1つ以上の特徴の位置を評価することによって実行される。
【0092】
換言すれば、タワー中心を決定した後、風力タービンの基準高さおよび向き、例えばハブ高さが決定されることができる。ハブの高さについて事前情報がある場合、これが検証されることができる。記録ユニット、例えばドローンは、風力タービンのハブに飛行し、ハブ先端の写真を撮ることができる。記録ユニットと風力タービンとの間の距離は、固定閾値未満、例えば20m未満であってもよい。記録ユニットの飛行は、例えば、飛行前にハブのおおよその高さが分かっている場合に、ウェイポイントを決定することによって自動的に実行されることができる。記録ユニットの飛行は、記録ユニットの遠隔制御またはハブ先端の高さで記録ユニットが飛行されるように、例えば手動で、手動で追加的に実行されてもよい。画像を評価すること、または画像から特徴ハブの高さを認識することは、手動で、例えば手で、または自動化された方法で、例えば人工知能(KI)を使用して実行されることができる。
【0093】
さらなるステップ350は、ロータブレードフランジの位置を決定することを含む。ロータブレードフランジの位置を決定することは、画像内で識別されたロータブレードフランジの第1の点の短フランジ点における位置と記録ユニットの位置との間の第1の直線と、同じ画像内で識別されたロータブレードフランジの第1の点とは反対側の第2の点の位置と記録ユニットの位置との間の第2の直線とを決定することを含む。したがって、第1および第2の直線を決定するために、画像を記録するときの記録ユニットの位置およびロータブレードフランジの点の識別された位置とは別に、画像を記録するときの記録ユニットの位置、および記録ユニットの特性も考慮することができる。さらに、第1の直線と第2の直線との間の中心にあるさらなる直線が決定される。ロータブレードフランジの画像のセットに対して複数のさらなる直線が決定され、ロータブレードフランジの中心または要するにフランジ中心のような位置が、複数のさらなる直線から決定される。
【0094】
このステップは、ロータブレードフランジの位置を決定することをさらに含むことができる。ロータブレードフランジの位置を決定することは、画像内のロータブレードフランジの2つの対向点を識別することを含み、ロータブレードフランジの2つの対向点の位置間の接続直線の方向ベクトルが決定される。したがって、ロータブレードフランジの画像のセットに対する接続直線の複数の方向ベクトルが決定され、ロータブレードフランジの可能な法線ベクトルの量が、接続直線の方向ベクトルの外積を対にして形成することによって接続直線の複数の方向ベクトルから計算される。ロータブレードフランジの法線ベクトルは、可能な法線ベクトルの量から計算される。
【0095】
換言すれば、ロータブレードフランジの位置および場所を決定するために、ロータブレードフランジ、または短いフランジは、中心のような空間内の位置と、配向のような空間内の位置とを含む円のような円形構造であると考えるか、または近似されることができる。以下、この円はフランジ円と呼ばれる。ロータブレードフランジの位置を決定するために、ロータブレード先端の位置を決定するのと同様の方法が使用されることができる。数学的直線のような空間内の2つの光線は、各画像およびフランジに対して計算されることができる。これらは、2つの対向する点でフランジ円に接触し、例えば、記録ユニットのカメラのように、記録ユニットの位置で正確に交差する。前に計算された2つの光線の中心を正確に通過する光線が計算されることができる。これは、フランジ円の中心を通過することができる。フランジ中心の位置は、例えばブレード先端と同様に、ロータブレード先端の位置を決定するのと同様に、画像およびフランジごとにこれらの中心光線から決定されることができる。
【0096】
実施形態の開示にしたがって空間内のフランジの位置を決定することは、空間内の円の位置が決定されるか、または円形平面の法線ベクトルによって示すことができるという考えに基づいている。フランジの場合、この法線ベクトルは、翼のようなロータブレードがハブを離れる方向ベクトルであってもよい。本方法の別の概念は、フランジおよび画像ごとに、ユーザまたは自動評価によって決定された2つの画像点が、画像平面に平行な平面内にあると仮定することができるという事実である。このような平面を想定した場合、例えば、2点を通る接続直線の方向ベクトルが計算されることができる。このように、方向ベクトルもフランジの円形平面内にあるため、これから円形平面の法線ベクトルが計算されることができる。対の交差積は、方向ベクトルに適用されることができ、結果は、統計的方法を使用して単一の法線ベクトルおよび結果品質に低減されることができる。
【0097】
さらに、ステップ350においてフランジ直径が決定されることができる。これは、例えば、画像平面に平行な平面内で2つの識別されたフランジ点が位置する前に決定されたフランジ中心から決定されることができる。これにより、2点間の距離が計算されることができる。フランジ直径の平均は、2点間の距離から計算されることができ、平均化は、例えば、ロータブレードフランジを含み、ロータブレードフランジの2つのそれぞれの点が識別されている画像のセットからのロータブレードフランジの2つのそれぞれのフランジ点の複数の距離を使用して実行されることができる。
【0098】
換言すれば、要約すると、風力タービンの翼根部のようなロータブレードフランジの位置を決定することは、フランジを撮影することを含むことができる。さらに、ロータブレードフランジの位置とは別に、ロータブレードフランジのサイズおよび幅は、フランジ直径、およびロータブレードフランジの法線ベクトルなどによってタワーに対するロータブレードの傾斜などによって決定されることができる。
【0099】
ステップ360は、ロータブレードの先端またはロータブレードの先端の位置を決定することを含む。ロータブレード先端の位置を決定することは、画像内で識別されたロータブレード先端の位置と記録ユニットのそれぞれの位置との間の直線を決定することを含む。これにより、画像記録時の記録ユニットの位置や識別されたロータブレード先端の位置とは別に、直線を決定する際に、画像記録時の記録ユニットの位置や記録ユニットの特性も考慮することができる。さらに、ロータブレード先端の画像のセットに対する複数の直線が決定され、複数の直線が対で評価される。直線の対ごとに交点が計算され、直線の対の交点の量からロータブレード先端の位置が計算される。
【0100】
換言すれば、このステップでは、ブレード先端のようなロータブレード先端、またはロータブレード先端の位置に関する情報がある場合には翼先端の位置が決定または確認されることができる。記録ユニットは、ドローンと同様に、ロータブレード先端まで飛行して写真を撮ることができる。記録ユニットと風力タービンとの間の距離は、20m未満などの閾値未満とすることができる。記録ユニットへの飛行は、例えばハブの高さおよびロータブレードの長さを知ると、ウェイポイント法によって飛行されるロータブレード先端の位置を決定することによって、自動化された方法または自律的に行うことができる。記録ユニットの飛行はまた、例えばステップ340に対応して、手動などで、手動で行われてもよい。
【0101】
ロータブレード先端または翼先端の位置を決定することは、各画像の空間における数学的な直線のような光線を計算することを含むことができる。光線の計算は、記録ユニットのカメラのような記録ユニットの位置および向き、記録ユニットのカメラの開口角および画素数、ならびにロータブレード先端の識別された位置のような記録ユニットの特性を使用して行うことができる。これらのデータによって計算されたロータブレード先端の光線は、理想的な条件の場合、例えばロータブレード先端の正確に既知の光学パラメータおよびエラーのない識別位置の場合、ロータブレード先端の位置の同じ位置、例えば同じ位置において全て満たすことができる。非理想的な条件の場合にロータブレード先端の位置の良好な計算を可能にするために、本開示によれば、例えばロータブレード先端の全ての光線が対で比較されることができる。ここでは、例えば最短接続線の中心のようなおおよその交点が計算されることができる。ロータブレード先端の位置について理にかなった結果をもたらさない光線対のような不十分な光線対は、例えば考慮されず、破棄されることができる。不十分な光線対を認識する方法は、交点を撮影された画像と比較することとすることができる。一対の光線が画像領域の外側で交差する場合、この交点は、例えば、ロータブレード先端が画像の領域内で正しく識別されたときに破棄されることができる。ある量または複数の交点のような点群が交点から形成されることができ、そこから中心および結果品質が統計的方法を使用して計算されることができる。計算された中心は、ロータブレード先端の位置を表すことができる。
【0102】
代替的または追加的に、ロータブレード先端の位置は、以下のように決定されることができる:
開始点は、画像内で識別されたロータブレード先端の位置と三次元空間内の記録ユニットのそれぞれの位置との間の、前述のように決定された直線量とすることができ、その交点は、例えば、ロータブレード先端の位置を決定する。簡単に言えば、3Dの多数の光線が結果として得られ、その「交点」が探索される。
【0103】
実際の評価では、これらの直線または光線のいくつかまたは複数は斜めであり、したがって共通の交点を有しない場合がある。別の言い方をすれば、光線は、実際にはスキューされ、いかなる点でも交差しない可能性がある。代わりに、「交点」に最も近い点Pが探索されることができる。
【0104】
ここでは以下の2つの定義が使用されることができ、例えば、対応する処理ステップが実行されることができる:
「最小距離」:光線または直線に対する3D点の最小距離は、例えば、点と光線との間の垂線の長さ、または例えば、点と直線との長さである。
【0105】
「最小距離の二乗の合計」:所与の光線について、点までの最小距離が計算されて二乗される。次いで、これらの二乗距離にわたって合計が形成される。
探索される点は、最小距離の二乗和を最小にする点そのものである。
【0106】
例えば、「有限メモリBroyden-Fletscher-Goldfarb-Shanno」アルゴリズム(L-BFGS)などの最適化アルゴリズムが使用されて、点Pが決定されることができる。
【0107】
点Pは、結果として、例えばロータブレード先端の位置に使用されることができる。
さらなるステップ370は、ロータブレードの変形および/または曲げを決定することを含む。ロータブレードの変形および/または曲げを決定することは、線形、指数関数または対数などの数学関数を使用してロータブレードの経路の近似によって実行される。
【0108】
換言すれば、ロータブレードの変形および/または曲げを決定することは、一般的な数学的方法によって実行されることができる。変形は、ロータブレードの第2の半分から始まる変形を含んでもよい。例えばステップ350にしたがってロータブレードフランジの位置を決定し、例えば360にしたがってロータブレード先端の位置を決定することによって、ロータブレードまたは翼の実際の経路が近似されることができる。
【0109】
さらなるステップ380は、ロータブレードの測定値またはパラメータを決定することを含む。このステップは、最大ロータブレード厚さを決定すること、および/または最大ロータブレード幅を決定することを含むことができる。ロータブレードの厚さおよび/またはロータブレードの幅は、ロータブレードフランジからの距離を同時に決定しながら決定されることができる。ロータブレードの測定値を決定することは、ロータブレード先端の位置ならびにロータブレードフランジの位置およびその直径を決定した後に、例えばステップ360にしたがって任意の位置を決定することをさらに含むことができる。ブレード縁部のようなロータブレード縁部上の2つの対向する点がこのために選択されることができ、結果として得られる距離決定がブレード幅をもたらす。それぞれの位置および場所は、例えば、これから決定されることができる。
【0110】
ステップ310から380は、以下のパラメータまたは特徴を計算することをさらに含むことができる:
正確なタワー位置のようなタワー中心
回転軸の高さのようなハブの高さ
ロータブレードの傾斜
ロータブレードのフランジの中心の向き
ロータブレードの長さ
ロータブレードの変形および/または曲げ
ロータブレードの回転のような位置決め
ロータブレードの傾斜角(ピッチ角)
風力タービンまたはハブの向き
これらのパラメータは、ウェイポイント計算、例えばドローンの検査飛行のためのウェイポイント計算を補正するのに役立つことができる。
【0111】
さらなるステップ390は、風力タービンのCADモデルのように、モデルを生成もしくは修正すること、または生成されたモデルをパラメータ化することを含む。モデルは、特徴の位置および/または場所情報を使用して生成、修正、またはパラメータ化される。モデルは、ステップ310から380のデータのような較正データから生成、修正、またはパラメータ化されることができる。さらに、同じ方法からさらなるパラメータが確立されることができる。さらなるパラメータは、例えばロータブレードの厚さおよびロータブレードの幅などのロータブレードのパラメータを含むことができる。モデルを生成することは、例えば、風力タービン全体またはロータブレードのモデルがない場合にのみ必要である。確立されたパラメータを使用して、例えば、タワーおよびロータブレードからなる風力タービンの3Dモデルのようなモデルが、例えば可能な限り正確に現実と一致するように生成および/または修正されることができる。さらに、風力タービンの一般的な3Dモデルは、例えば一般的な方法によってパラメータ化されることができる。次いで、例えば、一般モデルから自律飛行のためのウェイポイントが計算されることができる。
【0112】
本開示の実施形態によれば、以下の量が知られているか、またはステップ310から380から導出されることができる:
ロータブレード先端の位置、
フランジ中心の位置、
フランジ円の法線のような、空間内のフランジ円の向きのような位置、
フランジの直径、および
ロータブレードの幅およびロータブレードの位置。
【0113】
これらの量からさらなる量が導出されることができる。ロータブレード先端およびフランジ中心の双方は、それぞれ、法線ベクトルを関連付けることができる平面を画定することができ、それぞれの中心は、例えば円中心として計算されることができる。双方の場合の法線ベクトルは、例えば、風力タービンのようなハブの向き、または回転翼の共通回転軸のような回転軸の方向に対応する。回転軸の方位および上方傾斜のような向きは、これから計算されることができる。計算された中心は回転軸上に位置し、それを使用して、ハブの高さと同様にその高さが決定されることができる。ロータブレードの位置決め(6時の位置決めからの偏差など)のような風力タービンの回転は、ロータブレード先端またはそれらの中心を含むロータブレードフランジ中心の比較から計算されることができる。代替的または追加的に、回転は、フランジ円の法線ベクトルから計算されることもできる。ハブの直径は、ロータブレードフランジ中心の距離によって計算または推定されることができる。ロータブレード先端の確立された位置の予想位置からの偏差は、ロータブレードの曲げを決定するために使用されることができる。一般的なCADモデルは、例えば、翼の幅および位置の計算によってパラメータ化されることができる。
【0114】
図4は、本開示の実施形態にかかる風力タービンの断面および記録ユニットの移動軌跡の概略平面図とともに風力タービンの概略側面図を示している。
図4は、例えば、
図3のステップ310を示している。
図4は、風力タービンの断面の概略平面
図400および風力タービンの概略側面
図410を示している。風力タービンは、タワー420と、基礎430と、ナセル440と、ロータブレード450とを備える。タワー中心460は、平面
図400にマークされている。基礎の上縁上の記録ユニット470の移動の軌跡480も示されている。記録ユニット470は、タワー中心460を決定するために、移動軌跡480上でタワー420を旋回したときの位置を記録する。その後、位置サブセットは、それぞれ3つの点から形成され、3つの点は、所定の、可能な限り等しい、例えば互いからの距離を含む。さらにまた、三角形の重心量は、複数の位置サブセットから決定されることができ、各三角形は、位置サブセットの3点から形成され、タワー中心460は、重心の平均から計算される。代替的または追加的に、円中心の量は、複数の位置サブセットから決定されることができ、各円中心は、一般円方程式を使用して、位置サブセットの3点から決定される。ここでのタワー中心460は、円中心の量から計算される。代替的または追加的に、複数の位置サブセットから外接円中心の量が決定されることができ、各外接円中心は、位置サブセットの3点から形成される三角形の外接円の中心である。したがって、タワー中心460は、外接円中心の量から計算される。三角形は、例えば正三角形または二等辺三角形であってもよい。
【0115】
図5は、本開示の実施形態にかかる風力タービンの断面の概略平面図とともに風力タービンの概略側面図を示している。
図5は、例えば、
図3のステップ320を示している。
図5は、記録ユニットの位置と移動の不足軌跡を除いて、
図4に対応する。
図5は、
図4と比較すると、基準点510を示している。記録ユニットは、風力タービンの基準高さまたはゼロ点としての高さのような、基準点を決定するための基準点に配置される。続いて、記録ユニットの位置情報が評価される。したがって、風力タービンの基準高さが決定されることができ、これを使用して、記録ユニットが、例えばロータブレード先端またはハブに自動化された方法で飛行するように配向されることができる。基準点は、基準高さのような一次元量であってもよい。この場合、基準点は、基礎の上縁上の、タワーに対して同じ高さの任意の点であってもよい。
【0116】
図6は、本開示の実施形態にかかる風力タービンの概略平面図を示している。
図6は、例えば、
図3のステップ330を示している。
図6は、
図4および
図5からの既知の要素、ならびにタワー中心460および北を向いた軸のような基準軸620に対する風力タービンの向き610を示している。風力タービンの向きを決定することは、タワー中心460および記録ユニット470の位置情報を評価することを含み、記録ユニットは、位置情報を記録するときの風力タービンの向き610に対応して配置される。したがって、風力タービンの向き610は、記録ユニット470を除いて、さらなる測定装置なしで短時間で決定されることができる。2つの点を結ぶ直線の方向ベクトルのような直線は、タワー中心460と記録ユニットの位置から決定されることができる。基準軸620に対する直線のようなこの方向ベクトルの角度は、向き610を評価するために使用されることができる。
【0117】
図7は、本開示の実施形態にかかる、遠隔コンソールのような、リアルタイムキネマティクスシステム、記録ユニット、評価装置、および通信ユニットの間の例示的な情報のフローの概略図を示している。
図7は、記録ユニット470、RTKのようなリアルタイムキネマティクスシステム710、衛星720、評価ユニット730、および通信ユニット740を示している。リアルタイムキネマティクスシステムは、衛星720から自身の位置に関する情報を取得し、例えば、情報のフローは、矢印750によって示されている。記録ユニット470はまた、衛星720を介して自身の位置に関する情報を取得することもでき、情報のフローは、矢印760によって示されている。リアルタイムキネマティクスシステムが使用されて、矢印770によって示される記録ユニットの位置データを改善することができる。記録ユニット470と評価ユニット730との間の通信は、矢印780によって示される通信ユニット740を介して行われる。例えば、記録ユニットと通信ユニットとの間の通信は、暗号化された方法で行うことができる。記録ユニットは、制御ユニットをさらに備えることができる。これは、高価で複雑な、例えば重いGPSモジュールを記録ユニット470に統合して十分に正確な位置データを生成することなく、風力タービンの正確な位置および場所情報を生成する携帯式で安価な方法を提供することができる。
【0118】
図8は、本開示の実施形態にかかる記録ユニットを検出する例示的な順序を有する風力タービンの概略側面図を示している。
図8は、
図4および
図5からの既知の要素を示している。さらに、記録ユニットが飛行する可能性のある順番が番号1から4を使用して示されている。基準位置、基準点、および風力タービンの向きを決定した後、最初に、例えばタワーの高さ、その後、ロータブレードの先端を決定するために、自動または自律的にハブ(1.)が飛行されることができる。さらなる部分は、例えば、ロータブレード先端までの途中で光学的に検出されることができる。ロータブレードの位置決めは、例示的に言及されるべきであり、6時の位置または任意の他の位置への配向が可能である。
【0119】
図9は、本開示の実施形態にかかる例示的な特徴を有する風力タービンの概略側面図を示している。
図9は、
図4および
図5からの既知の要素を示している。本開示にかかる方法を使用して決定されることができるその位置および/または場所の特徴は、例示的には、ロータブレードフランジ910、ロータブレード先端920、およびハブ930の形態において特徴付けられる。記録ユニットによって検出されることができる風力タービンの部分940が例示的に示されている。複数のさらなる特徴または他の特徴も考えられる。ロータブレードフランジの個々の点は、例えば、特徴を形成することもできる。風力タービンの部分940の写真を撮ることによって、例えば、特徴ロータブレード先端920が認識されることができ、本開示にかかるロータブレード先端の位置および/または場所の評価が認識されることができる。
【0120】
図10は、本開示の実施形態にかかるクレーンの形態の対象物の例の概略側面図を示している。
図10は、クレーン1000を示している。クレーンの例示的な特徴は、タワーとブームとの間の接続部1010およびブームの先端1020によって特徴付けられる。本開示にかかる方法によって、特徴の位置および/または場所を認識することは、クレーン1000のいくつかの部分を記録することによって実行されることができる。これは、例えば、クレーン1000の完全性を迅速且つ安価にチェックするために、恒久的な建設現場において使用されることができる。向きはクレーンの以前の荷重移動に応じて変化し得るため、本開示によれば、クレーン1000の追加の時間のかかる位置合わせなしにデータが検出されることができる。クレーン1000のモデルは、自律的な検査飛行を実行するために特徴の位置および/または場所を評価することによって生成されることができる。
【0121】
列挙された材料、環境の影響、電気的特性および光学的特性は、全て、例示的であり、網羅的ではないと見なされるべきである。
【0122】
結論およびさらなる意見
一般に、本開示にかかる実施形態は、例えば光学的検出から得られた画像上に有意点をマークするという考えに基づいている。有意点は、エッジ点であってもよい。光線または直線は、画像の向きなどの既知の位置および場所、ならびに記録ユニットのカメラなどの記録ユニットのパラメータを使用して、画像深度に沿って投影されることができる。空間内の正確な点は、例えば、いくつかの画像を評価することによって決定されることができる。風力タービンのような対象物の決定されるべき尺度または決定されるべきパラメータは、その後、これらの点を使用して確立されることができる。
【0123】
本開示にかかる実施形態は、対象物およびシステムに沿った経路を決定するための方法に備えて、ドローン(UAV)のような記録ユニットの自律飛行のための自動位置決定またはウェイポイント決定のための較正データを生成するための方法に関する。
【0124】
本開示にかかる実施形態は、カメラおよび/または雷保護測定を装備することができる市販のドローン(UAV)のような記録ユニットを使用して風力タービンを検査することに関する。ドローンは、さらなるセンサまたはモジュールをさらに備えることができる。例示的には、センサは、レーダ、超音波、赤外線、レーザ、またはさらなる技術を装備することができる。したがって、記録ユニットは、対象物の写真または測定値を撮影し、起こり得る損傷を検出するために、風力タービンに沿って経路を自動的に飛行することができる。
【0125】
一般に、本開示にかかる実施形態は、市販のドローンのような記録ユニットを使用して風力タービンの測定を自動化し、風力タービンに沿って自動的に飛行するための較正データセットを生成するという考えに基づいている。ロータハブ、ロータブレードおよびブレード先端の画像が自動的に撮影されることができる。風力タービンに沿った記録ユニットの飛行経路は、画像または記録を評価することから計算されることができる。
【0126】
本開示の実施形態にかかる目的は、例えば、風力タービン、クレーン、橋または橋脚、ダムまたは磁極を含むことができる。しかしながら、このリストは、網羅的であると見なされるべきではない。本開示にかかる方法は、検査されなければならない、またはモデルが生成されなければならないアクセス困難な大型対象物にとって特に有利である。
【0127】
本開示にかかる実施形態は、地上較正後の風力タービンの自動較正飛行を含み、例えば、十分な安全距離を有するが、例えば20m未満の距離を有する自動較正飛行のために十分な風車の位置を想定することができるように、ロータブレードのハブの高さおよび長さの既知の値を用いて、タワーの中心、タワーの高さおよび方位、例えばタワーの方位を決定することを含む。さらに、この飛行は、例えば、ロータブレード先端、ロータブレードフランジ、およびさらなる特徴またはパラメータの位置の正確な測定値を決定することを可能にすることができる。
【0128】
本開示にかかる実施形態は、特徴またはパラメータの位置および/または場所を決定するための幾何学的補助構造を使用することに基づく。ここでの幾何学的補助構造は、光線または直線を含んでもよい。特定の特徴またはパラメータに応じて、幾何学的補助再構成の対応する形態、すなわち例えば直線もしくは光線、または直線の方向ベクトルもしくは光線の方向ベクトルのみが使用されてもよい。本開示にかかる方法およびシステムは、例えば直線または光線によって表されることができる情報の特定の形式の表現の特定の使用に限定されない。第1の点から発生し、第2の点を含む光線を使用する場合、2つの点を知ることによって、2つの点も含み、同じ情報コンテンツを含む対応するそれぞれの直線が知られる。逆に、直線は、直線の小区分として形成されることができる光線の方向情報を提供する。これらの表現形式は、単なる例示であることを意図しており、同じ情報コンテンツを用いて、特定のタスクの文脈において所望に応じて交換可能であるように扱われてもよい。
【0129】
一般に、本開示にかかる実施形態は、風力タービンのロータブレード先端の位置を決定または計算することを含むことができる。画像内で識別されたロータブレード先端の位置と、記録ユニットの三次元空間内のそれぞれの位置との間の直線または光線の量は、例えば、位置を決定するために設定されることができる。これに対応して、ロータブレード先端の位置を決定するために、三次元空間内の直線または光線の量の「交点」が探索されることができる。簡単に言えば、そのような実施形態にかかる開始状況は、その「交点」が探索される3Dの光線の数とすることができる。実際には、これは風力タービンで実際に使用されており、実際の記録ユニットからのデータでは、一部または例えば全ての直線または光線は、傾斜しており、いかなる点でも交差しない場合がある。そのような実施形態によれば、代わりに、「交点」に最も近い点Pが決定されることができる。
【0130】
これには以下の2つの定義が使用されることができ、対応する処理ステップが実行されることができる:
「最小距離」:光線または例えば直線に対する3D点の最小距離は、例えば、点と光線または点と直線との間の垂線の長さである。
【0131】
「最小距離の二乗の合計」:所与の光線について、点までの最小距離が計算されて二乗される。そして、これらの距離の二乗和が計算される。
探索される点は、最小距離の二乗和を最小にする点そのものである。
【0132】
点Pは、例えば、「有限メモリBroyden-Fletscher-Goldfarb-Shanno」アルゴリズム(L-BFGS)のような最適化アルゴリズムを使用して決定されることができる。
例えば、点Pは、結果としてロータブレード先端の位置に使用されることができる。
【0133】
いくつかの態様が装置または装置の文脈で説明されているが、これらの態様はまた、対応する方法の説明を表すため、装置またはシステムのブロックまたは構成要素はまた、対応する方法ステップまたは方法ステップの特徴であると理解されるべきであることが理解される。同様に、方法ステップに関連してまたは方法ステップとして説明される態様はまた、対応する装置の対応するブロックまたは詳細または特徴の説明を表す。方法ステップの一部または全ては、マイクロプロセッサ、プログラマブルコンピュータ、または電子回路などのハードウェア装置によって(または使用して)実行されてもよい。いくつかの実施形態では、最も重要な方法ステップのいくつかまたは複数は、そのような装置によって実行されてもよい。
【0134】
特定の実装要件に応じて、本発明の実施形態は、ハードウェアまたはソフトウェアで実装されることができる。実装は、デジタル記憶媒体、例えばフロッピーディスク、DVD、ブルーレイディスク、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、もしくはFLASHメモリ、ハードディスク、またはそれぞれの方法を実行するためにプログラム可能なコンピュータシステムと相互作用することができる、もしくは相互作用する電子的に読み取り可能な制御信号を記憶している任意の他の磁気もしくは光学記憶装置を使用して実行されてもよい。したがって、デジタル記憶媒体は、コンピュータ可読とすることができる。
【0135】
したがって、本発明にかかるいくつかの実施形態は、本明細書に記載の方法のいずれかが実行されるようにプログラム可能なコンピュータシステムと協働することができる電子的に読み取り可能な制御信号を有するデータキャリアを含む。
【0136】
一般に、本発明の実施形態は、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品として実装されてもよく、プログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときに任意の方法を実行するように動作する。
例えば、プログラムコードはまた、機械可読キャリアに記憶されてもよい。
【0137】
他の実施形態は、本明細書に記載の方法のいずれかを実行するためのコンピュータプログラムを含み、コンピュータプログラムは、機械可読キャリアに記憶される。
【0138】
換言すれば、本発明の方法の実施形態は、したがって、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに本明細書に記載の方法のいずれかを実行するためのプログラムコードを含むコンピュータプログラムである。
【0139】
したがって、本発明の方法の別の実施形態は、本明細書に記載の方法のいずれかを実行するためのコンピュータプログラムが記録されるデータキャリア(またはデジタル記憶媒体またはコンピュータ可読媒体)である。データキャリア、デジタル記憶媒体、またはコンピュータ可読媒体は、典型的には、有形および/または非一時的または非一時的である。
【0140】
したがって、本発明の方法のさらなる例は、本明細書に記載の方法のいずれかを実行するためのコンピュータプログラムを構成するデータストリームまたは信号のシーケンスである。データストリームまたは信号のシーケンスは、例えば、インターネットなどのデータ通信リンクを介して転送されるように構成されてもよい。
【0141】
別の実施形態は、本明細書に記載の方法のいずれかを実行するように構成または適合された、コンピュータまたはプログラマブル論理装置などの処理手段を含む。
【0142】
別の実施形態は、本明細書に記載の方法のうちのいずれかを実行するためのコンピュータプログラムをその上にインストールしたコンピュータを含む。
【0143】
本発明にかかる別の実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの少なくとも1つを実行するためのコンピュータプログラムを受信機に送信するように構成された装置またはシステムを備える。送信は、例えば、電子的または光学的とすることができる。受信機は、例えば、コンピュータ、モバイル装置、記憶装置、または同様の装置であってもよい。装置またはシステムは、例えば、コンピュータプログラムを受信機に送信するためのファイルサーバを含むことができる。
【0144】
いくつかの実施形態では、プログラマブルロジック装置(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ、FPGA)が使用されて、本明細書に記載の方法の機能のいくつかまたは全てを実行することができる。いくつかの実施形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書に記載の方法のいずれかを実行するためにマイクロプロセッサと協働することができる。一般に、いくつかの実施形態では、本方法は、任意のハードウェア装置の一部において実行される。これは、コンピュータプロセッサ(CPU)などの汎用ハードウェア、またはASICなどの本方法に固有のハードウェアであってもよい。
【0145】
本明細書で説明する装置またはシステムは、例えば、ハードウェア装置を使用して、またはコンピュータを使用して、またはハードウェア装置とコンピュータの組み合わせを使用して実装されることができる。
【0146】
本明細書に記載の装置もしくはシステム、または本明細書に記載の装置もしくはシステムの任意の構成要素は、少なくとも部分的にハードウェアおよび/またはソフトウェア(コンピュータプログラム)において実装されることができる。
【0147】
例えば、本明細書で説明する方法は、ハードウェア装置を使用して、またはコンピュータを使用して、またはハードウェア装置とコンピュータの組み合わせを使用して実装されることができる。
【0148】
本明細書で説明される方法、または本明細書で説明される方法の任意の構成要素は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアによって少なくとも部分的に実行されることができる。
【0149】
上述した実施形態は、本発明の原理の単なる例示である。本明細書に記載された構成および詳細の変更および変形は、当業者にとって明らかであろうことが理解される。したがって、本発明は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定され、実施形態の説明および説明によって本明細書に提示される特定の詳細によっては限定されないことが意図される。