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  • 特許-粘着テープ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】粘着テープ
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/38 20180101AFI20240815BHJP
   C09J 153/02 20060101ALI20240815BHJP
   C09J 11/08 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
C09J7/38
C09J153/02
C09J11/08
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023533115
(86)(22)【出願日】2022-07-04
(86)【国際出願番号】 JP2022026548
(87)【国際公開番号】W WO2023282218
(87)【国際公開日】2023-01-12
【審査請求日】2023-09-29
(31)【優先権主張番号】P 2021114312
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022048286
(32)【優先日】2022-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003296
【氏名又は名称】デンカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】山本 佳明
(72)【発明者】
【氏名】木村 晃純
(72)【発明者】
【氏名】吉村 大輔
【審査官】高崎 久子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/065662(WO,A1)
【文献】特開2016-060847(JP,A)
【文献】特開平01-095175(JP,A)
【文献】国際公開第2015/068610(WO,A1)
【文献】特開2013-216852(JP,A)
【文献】特開昭56-163174(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着剤組成物を含む粘着剤層を備える粘着テープであって、
前記粘着剤組成物は、スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体、23℃で液体のテルペン系樹脂、第1の粘着付与剤、及び第2の粘着付与剤を含有し、
前記スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体は、ブタジエン部分が部分的に水素添加され、
前記第1の粘着付与剤は、軟化点120℃以下であり、
前記第1の粘着付与剤は、C9石油樹脂、C5C9石油樹脂、C5石油樹脂、水添C5石油樹脂、水添C5C9石油樹脂、水添C9石油樹脂から構成される群から選択されるいずれか1つを含み、
前記第2の粘着付与剤は、軟化点が135℃以上であり、石油樹脂を含み、
前記粘着剤組成物は、前記粘着剤組成物を100質量部としたとき、
スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体44.6~55.0質量部、
23℃で液体のテルペン系樹脂を5.0~15.0質量部、
前記第1の粘着付与剤を10.0~25.0質量部、
前記第2の粘着付与剤を15.0~30.0質量部含有し、
前記スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体中のジブロック共重合体が50~85質量%であり、
前記ジブロック共重合体は、スチレンに由来する単量体単位を含むブロックA-ブタジエンに由来する単量体単位を含むブロックBを含む、
粘着テープ。
【請求項2】
前記第2の粘着付与剤が、軟化点が135℃以上のC5石油樹脂、水添C5石油樹脂、水添C9石油樹脂、水添C5C9石油樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載の粘着テープ。
【請求項3】
前記第2の粘着付与剤が、軟化点135℃以上のテルペンフェノール樹脂を含む、請求項1又は請求項2に記載の粘着テープ。
【請求項4】
JIS Z0237に基づく80℃におけるSUS板に対しての粘着力が、3N/cm以上である、請求項1又は請求項2に記載の粘着テープ。
【請求項5】
JIS Z0237に基づく80℃におけるSUS板に対する保持力が10分以上である、請求項1又は請求項2に記載の粘着テープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着テープに関する。
【背景技術】
【0002】
家電、自動車、建築等の各産業分野では、例えば、種々の組み立て部材の接合等を目的として、粘着テープが用いられている。
粘着テープに用いられる粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤があり、アクリル系粘着剤が多く使用されている。
【0003】
ゴム系粘着剤として、特許文献1には、モノビニル置換芳香族化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体からなるベースポリマーと、水酸基価80mgKOH/g以上の粘着付与樹脂(TH)と、を含有する、粘着剤組成物が開示されている。
また、特許文献2には、スチレン系ブロック共重合体(A)と液状軟化剤(B)とを含有するホットメルト組成物であって、スチレン系ブロック共重合体(A)が、スチレン系熱可塑性エラストマーの水素添加物であり、ホットメルト組成物は、140℃における溶融粘度(η1)と180℃における溶融粘度(η2)との粘度比(η1/η2)、及び、180℃における溶融粘度が特定の範囲であることを特徴とするホットメルト組成物が開示されている。
さらに、特許文献3には、スチレン系熱可塑性エラストマーA、粘着付与樹脂B、可塑剤C、及びエチレン-カルボニル結合を有するビニル共重合体Dを含有し、前記可塑剤Cの質量部をC、及び前記エチレン-カルボニル結合を有するビニル共重合体Dの質量部をDとした場合にD/Cで示される比率が0.10~0.80であることを特徴とするホットメルト接着剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-216853号公報
【文献】特開2019-116608号公報
【文献】特開2020-203977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の粘着テープは、高温になると、粘着力及び保持力が低下する場合があり、耐熱性が十分ではないという問題があった。また、高温における、粘着力及び保持力と、高いタックを併せ持つ粘着テープはなかった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、高温における高い粘着力及び保持力、並びに高いタックを有する粘着テープを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、粘着剤組成物を含む粘着剤層を備える粘着テープであって、前記粘着剤組成物は、スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体、23℃で液体のテルペン系樹脂、第1の粘着付与剤、及び第2の粘着付与剤を含有し、前記スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体は、ブタジエン部分が部分的に水素添加され、前記第1の粘着付与剤は、軟化点120℃以下であり、前記第1の粘着付与剤は、C9石油樹脂、C5C9石油樹脂、C5石油樹脂、水添C5石油樹脂、水添C5C9石油樹脂、水添C9石油樹脂から構成される群から選択されるいずれか1つを含み、前記第2の粘着付与剤は、軟化点が135℃以上であり、第2の粘着付与剤は石油樹脂を含む、粘着テープが提供される。
【0008】
本発明者は、鋭意検討を行ったところ、粘着剤組成物を含む粘着剤層を備える粘着テープにおいて、粘着剤組成物に、スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体、23℃で液体のテルペン系樹脂、第1の粘着付与剤、及び第2の粘着付与剤を配合し、第1の粘着付与剤の軟化点及び種類、並びに第2の粘着付与剤の軟化点及び種類を特定することにより、高温における高い粘着力及び保持力、並びに高いタックを有する粘着テープとなることを見出し、本発明の完成に至った。
【0009】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可
能である。
[1]粘着剤組成物を含む粘着剤層を備える粘着テープであって、前記粘着剤組成物は、スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体、23℃で液体のテルペン系樹脂、第1の粘着付与剤、及び第2の粘着付与剤を含有し、前記スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体は、ブタジエン部分が部分的に水素添加され、前記第1の粘着付与剤は、軟化点120℃以下であり、前記第1の粘着付与剤は、C9石油樹脂、C5C9石油樹脂、C5石油樹脂、水添C5石油樹脂、水添C5C9石油樹脂、水添C9石油樹脂から構成される群から選択されるいずれか1つを含み、前記第2の粘着付与剤は、軟化点が135℃以上であり、石油樹脂を含む、粘着テープ。
[2]前記粘着剤組成物は、前記粘着剤組成物を100質量部としたとき、スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体45.0~55.0質量部、23℃で液体のテルペン系樹脂を5.0~15.0質量部、前記第1の粘着付与剤を10.0~25.0質量部、前記第2の粘着付与剤を15.0~30.0質量部含有する、[1]記載の粘着テープ。
[3]前記第2の粘着付与剤が、軟化点が135℃以上のC5石油樹脂、水添C5石油樹脂、水添C9石油樹脂、水添C5C9石油樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む、[1]又は[2]に記載の粘着テープ。
[4]前記第2の粘着付与剤が、軟化点135℃以上のテルペンフェノール樹脂を含む、[1]~[3]のいずれか一項に記載の粘着テープ。
[5]JISZ0237に基づく80℃におけるSUS板に対しての粘着力が、3N/cm以上である、[1]~[4]のいずれか一項に記載の粘着テープ。
[6]JISZ0237に基づく80℃におけるSUS板に対する保持力が10分以上である、[1]~[5]のいずれか一項に記載の粘着テープ。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る粘着テープによれば、高温における高い粘着力及び保持力、並びに高いタックを有する粘着テープを得ることができる。本発明に係る粘着テープは、その特性を活かし、家電、自動車、建築等の各産業分野で、より信頼性高く、様々な部材同士を接着することができる。本発明の一実施形態に係る粘着テープは、上記の特徴を有するため、例えば、自動車分野の内装部品、外装部品の固定や、OA機器、家電等に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る粘着テープの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を例示して本発明について詳細な説明をする。本発明は、これらの記載によりなんら限定されるものではない。以下に示す本発明の実施形態の各特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
【0013】
1.粘着剤組成物
本発明に係る粘着テープは、粘着剤組成物を含む粘着剤層を備える。本発明に係る粘着剤組成物は、スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体、23℃で液体のテルペン系樹脂、第1の粘着付与剤、及び第2の粘着付与剤を含有する。
なお、本発明において、粘着付与剤とは、常温において液状または固形である粘着性を高めるために添加される熱可塑性樹脂のことをいう。粘着付与剤としては、具体的には、ロジン系、テルペン系、石油系などが挙げられる。
【0014】
1.1 スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体
本発明に係るスチレン-ブタジエン系ブロック共重合体は、スチレン由来の単量体単位を有するブロック及びブタジエン由来の単量体単位を有するブロックを含むブロック共重合体を意味する。スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体は、1種単独で用いることも可能であるし、例えば、スチレンに由来する単量体単位の含有率が異なるものや、ジブロック共重合体含有率が異なるものを2種以上組み合わせて用いることもできる。
【0015】
スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体は、スチレンに由来する単量体単位の含有率が、5~50質量%であることが好ましく、10~40質量%であることがより好ましい。スチレンに由来する単量体単位の含有率は、具体的には例えば、5,10,15,20,25,30,35,40,45,50質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。このような範囲にすることで、得られる粘着テープは、被着体に対する適度な粘着力、保持力を有するものとなる。スチレンに由来する単量体単位の含有率は、JIS K6383に基づき測定することができる。
【0016】
本発明に係るスチレン-ブタジエン系ブロック共重合体は、ブタジエン部分が部分的に水素添加されている。スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体のブタジエン部分は、20~90質量%が水素添加されていることが好ましく、30~80質量%が水素添加されていることがより好ましい。
ブタジエン部分が部分的に水素添加されているスチレン-ブタジエン系ブロック共重合体としては、具体的には、スチレン-ブタジエン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SBBS)が挙げられる。
【0017】
本発明に係るスチレン-ブタジエン系ブロック共重合体は、スチレンに由来する単量体単位を含むブロックA-ブタジエンに由来する単量体単位を含むブロックB-スチレンに由来する単量体単位を含むブロックCを含むトリブロック共重合体を含むことが好ましい。
また、本発明に係るスチレン-ブタジエン系ブロック共重合体は、スチレンに由来する単量体単位を含むブロックA-ブタジエンに由来する単量体単位を含むブロックBを含むジブロック共重合体を含むことが好ましい。
ここで、ブタジエンに由来する単量体単位を含むブロックBは、その一部が水素添加されていることが好ましい。すなわち、ブタジエンに由来する単量体単位を含むブロックBは、ブタジエンブロック及びブチレンブロックを有することが好ましい。
本発明に係るスチレン-ブタジエン系ブロック共重合体は、スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体を100質量%としたとき、上記ジブロック共重合体を50~85質量%含むことが好ましく、55~80質量%含むことがより好ましい。上記ジブロック共重合体の含有率は、具体的には例えば、50,55,60,65,70,75,80,85質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。ジブロック共重合体の含有率を上記数値範囲内とすることにより、適度なタックを有する粘着剤組成物を得ることができる。本発明においては、粘着剤に用いるスチレン-ブタジエン系ブロック共重合体は1種類でもよいが、2種類以上を組み合わせて用いる事もできる。粘度やスチレン含有率が異なる樹脂を適切に選択する事で、粘着力、保持力、タックを適切な範囲に調整する事ができる。
【0018】
スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、例えば、好ましくは3万~50万であり、より好ましくは6万~30万である。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)法により求めることができる。
【0019】
1.2 23℃で液体のテルペン系樹脂
本発明に係る粘着剤組成物は、23℃で液体のテルペン系樹脂を含む。本発明に係る粘着剤組成物は23℃で液体のテルペン系樹脂を、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて含むことができる。このようなテルペン系樹脂の一例として、ダイマロン(液状テルペン樹脂、引火点174℃)、YSレジンCP(液状テルペン樹脂、引火点178℃)、YSレジンPX300N(テルペン樹脂、引火点202℃)、YSポリスターT30(テルペンフェノール樹脂、引火点205℃)、YSレジンLP(芳香族変性テルペン樹脂、引火点220℃)がヤスハラケミカル社を挙げることができる。この中でも、引火点が高く、加熱減量が低く、さらに本発明に係るスチレン-ブタジエン系ブロック共重合体との相溶性が高い観点から、YSレジンLPを含むことが好ましい。
【0020】
23℃で液体のテルペン系樹脂は、25℃での粘度が、500~150000cpであることが好ましく、1000~100000であることがより好ましい。25℃での粘度は、例えば、500、1000、2000、5000、10000、20000、50000、100000、120000、150000cpであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0021】
1.3 第1の粘着付与剤
第1の粘着付与剤は、軟化点が120℃以下である。第1の粘着付与剤は、軟化点が70℃以上であることが好ましい。第1の粘着付与剤は、軟化点が70~120℃であることが好ましく、80~120℃であることがより好ましく、85~115℃であることがさらにより好ましい。軟化点は、具体的には例えば、70,75,80,85,90,95,100,105,110,115,120℃であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。第1の粘着付与剤としては、上記条件を満たすものを、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0022】
第1の粘着付与剤は、C9石油樹脂、C5C9石油樹脂、C5石油樹脂、水添C5石油樹脂、水添C5C9石油樹脂、水添C9石油樹脂から構成される群から選択されるいずれか1つを含む。粘着剤の色目の観点からは、水添C9石油樹脂、水添C5石油樹脂、水添C5C9石油樹脂を含むことが粘着剤の着色が少ないため好ましい。また、他の石油樹脂と比べて、臭気が少ないという観点から水添C9石油樹脂を含むことがより好ましい。
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、粘着剤組成物に含まれる第1の粘着付与剤を100質量%としたとき、C9石油樹脂、C5C9石油樹脂、C5石油樹脂、水添C5石油樹脂、水添C5C9石油樹脂、水添C9石油樹脂を合計で、50質量%以上含むことが好ましい。粘着剤組成物に含まれる第1の粘着付与剤を100質量%としたときの、C9石油樹脂、C5C9石油樹脂、C5石油樹脂、水添C5石油樹脂、水添C5C9石油樹脂、水添C9石油樹脂の合計含有量は、例えば、50、60、70、80、90、100質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。第1の粘着付与剤は、C9石油樹脂、C5C9石油樹脂、C5石油樹脂、水添C5石油樹脂、水添C5C9石油樹脂、及び/又は水添C9石油樹脂からなるものとすることもできる。
【0023】
1.4 第2の粘着付与剤
第2の粘着付与剤は、軟化点が135℃以上である。第2の粘着付与剤は、軟化点が135℃以上であり、135~180℃であることが好ましく、140~170℃であることがより好ましい。軟化点は、具体的には例えば、135,140,145,150,155,160,165,170,175,180℃であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。第2の粘着付与剤としては、軟化点が135℃以上のものを、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0024】
第2の粘着付与剤は、軟化点が135℃以上のC5石油樹脂、水添C5石油樹脂、水添C9石油樹脂、水添C5C9石油樹脂から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。また、第2の粘着付与剤は、軟化点135℃以上のテルペンフェノール樹脂をさらに含むこともできる。
第2の粘着付与剤は、軟化点が135℃以上のテルペン系樹脂(テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペンフェノール樹脂など)、ロジン系樹脂(変性ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、重合ロジンエステル、変性重合ロジンエステル、安定化ロジンエステルなど)、アルキルフェノール化合物等を含むこともできる。
スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体との相溶性の観点からは、水添C9石油樹脂、C5石油樹脂を含むことが好ましい。また、他の石油樹脂と比べて、臭気が少ないという観点から水添C9石油樹脂を含むことがより好ましい。溶融粘度が低く、塗工しやすい粘着剤組成物を得ることができる観点からは、テルペンフェノール樹脂を含むことが好ましい。
【0025】
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、粘着剤組成物に含まれる第2の粘着付与剤を100質量%としたとき、石油樹脂を合計で、50質量%以上含むことが好ましい。粘着剤組成物に含まれる第2の粘着付与剤を100質量%としたときの、石油樹脂の含有量は、例えば、50、60、70、80、90、100質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。第2の粘着付与剤は、石油樹脂、及び/又は、テルペンフェノール樹脂からなるものとすることもでき、C5石油樹脂、水添C5石油樹脂、水添C5C9石油樹脂、水添C9石油樹脂、及び/又は、テルペンフェノール樹脂からなるものとすることもできる。
【0026】
1.5 各成分の含有量
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、本発明に係る粘着剤組成物は、スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体、23℃で液体のテルペン系樹脂、第1の粘着付与剤、及び第2の粘着付与剤を含有し、各々の成分の含有量は特に制限されない。本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、各成分の種類によるが、一例として、各成分の含有量を以下とすることで、さらに保持力及び粘着力、タックのバランスに優れた粘着テープとなりやすい。
【0027】
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、粘着剤組成物を100質量部としたとき、スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体を45.0~55.0質量部含有することが好ましい。スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体の含有量は、具体的には例えば、45.0,46.0,47.0,48.0,49.0,50.0,51.0,52.0,53.0,54.0,55.0質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0028】
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、粘着剤組成物を100質量部としたとき、23℃で液体のテルペン系樹脂を5.0~15.0質量部含有することが好ましい。23℃で液体のテルペン系樹脂の含有量は、具体的には例えば、5.0,6.0,7.0,8.0,9.0,10.0,11.0,12.0,13.0,14.0,15.0質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0029】
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、粘着剤組成物を100質量部としたとき、第1の粘着付与剤を10.0質量部以上含有することが好ましく、10.0~25.0質量部含有することがより好ましい。第1の粘着付与剤の含有量は、具体的には例えば、10.0、11.0、12.0、13.0、14.0、15.0、16.0、17.0、18.0、19.0、20.0、21.0、22.0、23.0、24.0、25.0質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0030】
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、粘着剤組成物を100質量部としたとき、第2の粘着付与剤を15.0~30.0質量部含有することが好ましく、15.0~25.0質量部含有することが好ましい。第の粘着付与剤の含有量は、具体的には例えば、15.0、16.0、17.0、18.0、19.0、20.0、21.0、22.0、23.0、24.0、25.0、26.0、27.0、28.0、29.0、30.0質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0031】
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、粘着剤組成物を100質量部としたとき、スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体を45.0~55.0質量部、23℃で液体のテルペン系樹脂を5.0~15.0質量部、第1の粘着付与剤を10.0~25.0質量部、第2の粘着付与剤を15.0~30.0質量部含有することが好ましい。
【0032】
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、各成分の含有量を上記数値範囲内とすることにより、さらに保持力及び粘着力、タックのバランスに優れた粘着テープとなりやすい。
【0033】
1.6 その他の成分
本発明に係る粘着剤組成物は、上記成分に加えて、本発明の効果を阻害しない範囲で、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、充填剤、改質剤、などの各種添加剤を含んでいてもよい。
【0034】
(可塑剤)
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、可塑剤を含有することができる。本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、粘着剤組成物100質量部に対し、可塑剤の含有量が、4質量部未満であることが好ましい。可塑剤の含有量は、具体的には例えば、0.5,1.0,1.5,2.0,2.5,3.0,3.5質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、可塑剤を含有しないものとすることもできる。
【0035】
可塑剤としては、フタル酸エステル系の可塑剤、ポリブテン、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、流動パラフィン、炭化水素系合成油等を挙げることができる。
【0036】
ポリブテンとしては、例えば、イソブテンのホモポリマー、イソブテンとn-ブテンとのコポリマー等が挙げられる。市販品としては、例えば、日本油脂社製「10N」、イネオス社製「インドポールH-100」、新日本石油化学製「日石ポリブテン」、新日本石油化学製「テトラックス」等が挙げられる。
パラフィン系プロセスオイルとしては、例えば、出光興産株式会社製「PW-32」、出光興産株式会社製「ダイアナフレシアS32」、出光興産株式会社製「PS-32」等が挙げられる。
ナフテン系プロセスオイルとしては、例えば、PetroChina社製「KN4010」、出光興産株式会社製「ダイアナフレシアN28」、出光興産株式会社製「ダイアナフレシアN90」、出光興産株式会社製「ダイアナフレシアU46」、出光興産株式会社製「ダイアナプロセスオイルNR」等が挙げられる。
芳香族系プロセスオイルとしては、例えば、新日本石油化学製「アロマックス」が挙げられる。流動パラフィンとしては、MORESCO社製「P-100」、Sonneborn社製「Kaydol」等が挙げられる。
炭化水素系合成油としては三井化学社製「ルーカントHC-10」、三井化学社製「ルーカントHC-20」等が挙げられる。
フタル酸エステル系の可塑剤としては、DINA(ジイソノニルアジペート)、DEHP(ジ-(2-エチルヘキシル)フタレート)、DBP(ジブチルフタレート)、BBP(ブチルベンジルフタレート)、DINP(ジイソノニルフタレート)、DIDP(ジイソデシルフタレート)、DNOP(ジノルマルオクチルフタレート)が挙げられる。
【0037】
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、上記に例示した可塑剤の合計含有量が、上記数値範囲内であることが好ましい。また、本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、特には、フタル酸エステル系の可塑剤の合計含有量が、上記数値範囲内であることが好ましい。
【0038】
(酸化防止剤・紫外線吸収剤)
酸化防止剤としては、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、n-オクタデシル-3-(4'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネート、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、2-t-ブチル-6-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルべンジル)-4-メチルフェニルアクリレート、2,4-ジ-t-アミル-6-〔1-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニルアクリレート、2-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ぺンチルフェニル)]アクリレート、テトラキス〔メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2,4-ビス[(ドデシルチオ)メチル]-6-メチルフェノール等のフェノール系酸化防止剤、ジラウリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3-ラウリルチオプロピオネート)等のイオウ系酸化防止剤、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤等を例示できる。紫外線吸収剤としては、例えば、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤を例示できる。これらは単独又は組み合わせて使用することができる。
【0039】
(充填剤)
充填剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、雲母、スチレンビーズ等が挙げられる。これらの微粒子充填剤は、単独又は混合して使用することができる。
【0040】
1.8 製造方法
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物の製造方法は特に限定されない。例えば、本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物の製造方法は、スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体、23℃で液体のテルペン系樹脂、第1の粘着付与剤、及び第2の粘着付与剤を含む原料を、ニーダー混練機で混練する粘着付与剤等混練工程を含むことができる。また、上記工程において、酸化防止剤、可塑剤をさらに添加することもできる。
粘着付与剤等混練工程では、例えば、3~30分間、5~25rpmで、混練を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物の製造方法は、上記粘着付与剤等混練工程の後、さらにスチレン-ブタジエン系ブロック共重合体を添加して混練する、スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体添加・混練工程を有することが好ましい。スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体添加・混練工程では、例えば、20~200分間、5~25rpmで、混練を行うことができる。
【0041】
2.粘着剤層・粘着テープ
本発明に係る粘着テープは、上記粘着剤組成物を含む粘着剤層を備える。
【0042】
粘着剤層は、特に制限はないが、粘着剤の原料を加熱して溶融、混練した後、Tダイより吐出させて基材に塗工する方式が好ましい。すなわち、本発明の一実施形態に係る粘着テープの製造方法は、上記粘着剤組成物を基材にホットメルト方式により塗布する塗工工程を含むことが好ましい。
従来の自動車分野用等の粘着テープは、粘着剤を溶剤や水等の溶媒に溶解させた粘着剤組成物を基材に塗布し、溶剤や水を揮発させる工程を有するものであったため、製造に要されるエネルギー、コストが大きく、製造時間が長かった。本発明に係る粘着剤組成物は、高温での粘度が低く、ホットメルト方式による塗工が可能であるため、少ないエネルギー及びコストで、かつ短時間で粘着テープを製造することができる。
塗工方法としては、非接触塗工方式又は接触方式を採用することができる。非接触塗工方式の例としては、カーテンコート(製品名 クロスコート ITWダイナテック社製)を挙げることができる。また、接触方式の例としては、スロットダイコーティング(製品名 トゥルーコート ノードソン社製)を挙げることができる。
【0043】
粘着剤層の厚みは、50~100μmとすることができる。粘着剤層の厚みは、具体的には例えば、50,55,60,65,70,75,80,85,90,95,100μmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。従来の溶剤型の粘着剤組成物は、厚い粘着剤層を形成しようとした場合、厚みに応じて乾燥工程が長くなり、費やすエネルギーやコストが増加したが、本発明に係る粘着剤組成物は、高温での粘度が特定の範囲であり、ホットメルト方式による塗工が可能であるため、比較的膜厚が厚い粘着剤層を、従来よりも少ないエネルギー及びコストで、かつ短時間で製造することができる。
【0044】
本発明に係る粘着テープは、不織布の両面に粘着剤層を有する、両面テープであることがより好ましい。また、本発明に係る粘着テープは、不織布の両面に上記厚みの粘着剤層を有することがより好ましい。
【0045】
本発明の一実施形態に係る粘着テープの構成を図1に示す。粘着テープは、不織布3の両面に厚み50~100μmの粘着剤層2及び粘着剤層4を有する。また、粘着剤層2は、不織布と接する面と対向する面に、両面剥離フィルム1が貼合されている。
【0046】
2.1 粘着力
本発明に係る粘着テープは、JIS Z0237に基づく80℃におけるSUS板に対する粘着力が3.0N/cm以上であり、3.5N/cm以上であることが好ましい。粘着力は、具体的には例えば、3.0,3.5,4.0,4.5,5.0,5.5,6.0,6.5,7.0,7.5,8.0,8.5,9.0,9.5,10.0N/cmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
粘着力は、粘着剤組成物の配合の種類及び量を調整することで制御することができる。粘着力は、JIS Z0237「10.粘着力」に基づき、80℃雰囲気下でSUS板に対する180°ピール粘着力を測定することで求めることができる。
【0047】
2.2 保持力
本発明に係る粘着テープは、JIS Z0237に基づく80℃における保持力が100分以上であり、10分以上であることがより好ましい。保持力は、具体的には例えば、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100分であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。保持力は、粘着剤組成物の配合の種類及び量を調整することで制御することができる。保持力は、JIS Z0237「13.保持力」に基づき80℃雰囲気下で、SUS板に粘着面積20mm×20mmで粘着テープを貼り付け、荷重1kgとして、おもりが落下するまでの時間を測定することで評価できる。
【0048】
本発明に係る粘着テープは高温でのSUS板に対する高い粘着力及び高い保持力を有し、さらに、優れたタックを有する。本発明に係る粘着テープは、このような特性を活かし、家電、自動車、建築等の各産業分野で、より信頼性高く、少ないコストで、様々な部材同士を接着することができる。本発明の一実施形態に係る粘着テープは、例えば、自動車分野の内装部品、外装部品の固定や、OA機器、家電等に好適に使用することができる。
【実施例
【0049】
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。
【0050】
(粘着剤組成物の調製)
事前にニーダー混練機(トーシン社製)を200℃に昇温した。ニーダー混練機に、23℃で液体のテルペン系樹脂、又は、ロジンエステル、第1の粘着付与剤、第2の粘着付与剤、酸化防止剤を添加して10分間15rpmで混練した。その後、ブロック共重合体を添加し、さらに100分15rpmで混練し、粘着剤組成物1~18を得た。各成分の配合量(質量部)を表1に示す。
【0051】
第1の粘着付与剤として用いた成分の軟化点等を以下に示す。
アルコン P-110(荒川化学工業株式会社製):完全水添C9、軟化点110℃
クイントンS-195(日本ゼオン株式会社製):C5C9石油樹脂、軟化点94℃
T-REZ RB093(ENEOS株式会社製):C5石油樹脂、軟化点92℃
ネオポリマーL-90(ENEOS株式会社製):C9石油樹脂、軟化点95℃
クマロンG-90(日塗化学株式会社製):クマロン・インデン・スチレン樹脂、軟化点90℃
【0052】
第2の粘着付与剤として用いた成分の軟化点等を以下に示す。
T-160(ヤスハラケミカル株式会社製):テルペンフェノール樹脂、軟化点160℃
アルコン P-140(荒川化学工業株式会社製):水添C9石油樹脂、軟化点140℃
アイマーブ P-140(出光興産株式会社):水添C5C9石油樹脂、軟化点140℃
クイントン1340(日本ゼオン株式会社製):C5石油樹脂、軟化点140℃
OP-501(ENEOS株式会社製):水添C5石油樹脂、軟化点138℃
【0053】
ブロック共重合体として用いた成分の重量平均分子量を以下に示す。
アサプレン N521(旭化成株式会社製):SBBS(ブタジエン部分が部分的に水素添加されているスチレン-ブタジエン系ブロック共重合体である、スチレン-ブタジエン-ブチレン-スチレンブロック共重合体)、重量平均分子量15万
タフテック P1500(旭化成株式会社製):SBBS(ブタジエン部分が部分的に水素添加されているスチレン-ブタジエン系ブロック共重合体である、スチレン-ブタジエン-ブチレン-スチレンブロック共重合体)、重量平均分子量8万
クインタック 3421(日本ゼオン株式会社製):SIS(スチレン-イソプレン-スチレン共重合体)、重量平均分子量20万
【0054】
(粘着テープの(両面テープ)の製造)
粘着剤組成物1~18を、メルターで200℃に加温して溶解させ、スロットダイコーター(ノードソン社)でレーヨン紙(大福製紙、no.5200 18g/m)に70μm厚で塗工し、両面剥離紙と貼合して巻き取った。さらに、粘着剤組成物が塗工されていない面に対して、同様にスロットダイコーター(ノードソン社)を用いて70μm厚の粘着剤組成物を塗工して巻き取った。
【0055】
(評価)
得られた粘着剤組成物、及び粘着テープについて、以下の評価を行った。
【0056】
<粘着テープの粘着力>
JIS Z0237「10.粘着力」に基づき、80℃雰囲気下でSUS板に対する粘着力(180°ピール粘着力)を測定した。まず、厚み25μmのPETフィルムを両面テープの片側に貼り付け、そのテープの他方の面をSUS板に貼り付け2kgで圧着した。このサンプルをオートグラフにセットし、30分経過後、粘着力測定を行った。
結果を表に示す。
【0057】
<粘着テープの保持力>
JIS Z0237「13.保持力」に基づき80℃における保持力を測定した。80℃雰囲気下で、SUS板に粘着面積20mm×20mmで粘着テープを貼り付けた。荷重は1kgとして、おもりが落下するまでの時間を測定した。結果を表1に示す。
【0058】
<プローブタック>
プローブタックテスター(テスター産業製 プローブタックテスターTE-6001)を用い、プローブを引き剥がすときの荷重を測定した。測定条件を以下に示す。また、結果を表に示す。
測定圧力:100gf/cm
接触時間:0.2s、
プローブ移動速度:10mm/s、
測定温度・湿度:23℃・50%
プローブ直径:φ5
プローブ材質:SUS
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
図1