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特許7538976携帯端末装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】携帯端末装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/16 20060101AFI20240815BHJP
   G10L 15/22 20060101ALI20240815BHJP
   G06F 3/048 20130101ALI20240815BHJP
   H04M 1/72418 20210101ALI20240815BHJP
   H04M 3/42 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
G06F3/16 650
G10L15/22 453
G06F3/16 620
G06F3/048
H04M1/72418
H04M3/42 P
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2024048287
(22)【出願日】2024-03-25
【審査請求日】2024-03-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】306029774
【氏名又は名称】ビッグローブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 優佳
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-006212(JP,A)
【文献】特開2018-160082(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/16
G10L 15/22
G06F 3/048
H04M 1/72
H04M 3/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声入力部と、
登録情報を入力する情報入力部と、
前記登録情報と通知情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記音声入力部が入力した音データを入力文字データへ変換し、該変換した前記入力文字データに含まれる単位文字データが前記登録情報として前記記憶部に記憶されているかどうかを判定する判定部と、
前記単位文字データが前記登録情報として前記記憶部に記憶されていると前記判定部が判定した場合のみ前記記憶部において前記登録情報と対応付けられた前記通知情報を表示する表示部とを有する携帯端末装置。
【請求項2】
請求項に記載の携帯端末装置において、
前記情報入力部は、入力された前記登録情報に対応付ける前記通知情報を選択
前記記憶部は、前記情報入力部が選択した前記通知情報を前記情報入力部が選択した前記登録情報と対応付けて記憶する携帯端末装置。
【請求項3】
請求項に記載の携帯端末装置において、
前記情報入力部は、前記通知情報を入
前記記憶部は、前記情報入力部が入力した前記登録情報と前記通知情報とを対応付けて記憶する携帯端末装置。
【請求項4】
音声入力部と、
登録情報を入力する情報入力部と、
前記登録情報を記憶する記憶部と、
前記音声入力部が入力した音データを入力文字データへ変換し、該変換した前記入力文字データに含まれる単位文字データが前記登録情報として前記記憶部に記憶されているかどうかを判定する判定部と、
前記登録情報に応じた通知情報を、生成AIを用いて生成する通知情報生成部と、
前記単位文字データが前記登録情報として前記記憶部に記憶されていると前記判定部が判定した場合のみ、前記通知情報生成部が生成した前記通知情報を表示する表示部とを有する携帯端末装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯端末装置において、
前記表示部が前記通知情報を表示した後、当該携帯端末装置が音声メッセージを出力する指示の操作を受け付けると、該通知情報に対応する音声メッセージを出力する音声出力部を有する携帯端末装置。
【請求項6】
携帯端末装置と、サーバーと、記憶部とを有し、
前記携帯端末装置は、
音声入力部と、
登録情報を入力する情報入力部と、
前記音声入力部が入力した音データを前記サーバーへ送信する第1の通信部と、
表示部とを有し、
前記記憶部は、前記登録情報と通知情報とを対応付けて記憶し、
前記サーバーは、
前記第1の通信部から送信されてきた音データを入力文字データへ変換し、該変換した前記入力文字データに含まれる単位文字データが前記登録情報として前記記憶部に記憶されているかどうかを判定する判定部と、
前記単位文字データが前記登録情報として前記記憶部に記憶されていると前記判定部が判定した場合のみ前記記憶部において前記登録情報と対応付けられた前記通知情報を前記携帯端末装置へ送信する第2の通信部とを有し、
前記表示部は、前記第2の通信部から送信されてきた通知情報を表示する情報処理システム。
【請求項7】
携帯端末装置と、サーバーと、記憶部とを有し、
前記携帯端末装置は、
音声入力部と、
登録情報を入力する情報入力部と、
前記音声入力部が入力した音データを前記サーバーへ送信する第1の通信部と、
表示部とを有し、
前記記憶部は、前記登録情報を記憶し、
前記サーバーは、
前記第1の通信部から送信されてきた音データを入力文字データへ変換し、該変換した前記入力文字データに含まれる単位文字データが前記登録情報として前記記憶部に記憶されているかどうかを判定する判定部と、
前記登録情報に応じた通知情報を、生成AIを用いて生成する通知情報生成部と、
前記単位文字データが前記登録情報として前記記憶部に記憶されていると前記判定部が判定した場合のみ、前記通知情報生成部が生成した前記通知情報を前記携帯端末装置へ送信する第2の通信部とを有し、
前記表示部は、前記第2の通信部から送信されてきた通知情報を表示する情報処理システム。
【請求項8】
登録情報が入力される処理と、
前記入力された登録情報を通知情報と対応付けて記憶部に記憶する処理と、
入力された音データを入力文字データへ変換する処理と、
前記変換した入力文字データに含まれる単位文字データが登録情報として前記記憶部に記憶されているかどうかを判定する処理と、
前記単位文字データが前記登録情報として前記記憶部に記憶されている場合のみ前記記憶部において前記登録情報と対応付けられた前記通知情報を表示する処理と行う情報処理方法。
【請求項9】
登録情報が入力される処理と、
前記入力された登録情報を記憶部に記憶する処理と、
入力された音データを入力文字データへ変換する処理と、
前記変換した入力文字データに含まれる単位文字データが前記登録情報として前記記憶部に記憶されているかどうかを判定する処理と、
前記登録情報に応じた通知情報を、生成AIを用いて生成する処理と、
前記単位文字データが前記登録情報として前記記憶部に記憶されている場合のみ、前記生成した通知情報を表示する処理と行う情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
登録情報が入力される手順と、
前記入力された登録情報を通知情報と対応付けて記憶部に記憶する手順と、
入力された音データを入力文字データへ変換する手順と、
前記変換した入力文字データに含まれる単位文字データ前記登録情報として前記記憶部に記憶されているかどうかを判定する手順と、
前記単位文字データが前記登録情報として前記記憶部に記憶されている場合のみ前記記憶部において前記登録情報と対応付けられた前記通知情報を表示する手順とを実行させるためのプログラム。
【請求項11】
登録情報が入力される手順と、
前記入力された登録情報を記憶部に記憶する手順と、
入力された音データを入力文字データへ変換する手順と、
前記変換した入力文字データに含まれる単位文字データが前記登録情報として前記記憶部に記憶されているかどうかを判定する手順と、
前記登録情報に応じた通知情報を、生成AIを用いて生成する手順と、
前記単位文字データが前記登録情報として前記記憶部に記憶されている場合のみ、前記生成した通知情報を表示する手順とを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
乗車している電車が急停止したときに、乗客が所持している携帯端末装置が車内アナウンスの音声情報を文字情報へ変換して表示することで、耳が不自由な乗客でも周囲の状況を知ることができる技術が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-157776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した技術においては、携帯端末装置に入力された音声情報すべてを文字情報へ変換して表示する。そのため、携帯端末装置の所持者によっては不要な文字情報までもが表示されてしまい、文字情報の有効的な表示が行われないという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、携帯端末装置の所持者が必要な文字情報だけを得ることができる携帯端末装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の携帯端末装置は、
音声入力部と、
登録情報を記憶する記憶部と、
前記音声入力部が入力した音データの少なくとも一部が前記登録情報として前記記憶部に記憶されているかどうかを判定する判定部と、
前記音データの少なくとも一部が前記登録情報として前記記憶部に記憶されていると前記判定部が判定した場合、前記登録情報に応じた通知情報を表示する表示部とを有する。
【0007】
また、本発明の情報処理システムは、
携帯端末装置と、サーバーと、登録情報を記憶する記憶部とを有し、
前記携帯端末装置は、
音声入力部と、
前記音声入力部が入力した音データを前記サーバーへ送信する第1の通信部と、
表示部とを有し、
前記サーバーは、
前記第1の通信部から送信されてきた音データの少なくとも一部が前記登録情報として前記記憶部に記憶されているかどうかを判定する判定部と、
前記音データの少なくとも一部が前記登録情報として前記記憶部に記憶されていると前記判定部が判定した場合、前記登録情報に応じた通知情報を前記携帯端末装置へ送信する第2の通信部とを有し、
前記表示部は、前記第2の通信部から送信されてきた通知情報を表示する。
【0008】
また、本発明の情報処理方法は、
入力された音データの少なくとも一部が登録情報として記憶部に記憶されているかどうかを判定する処理と、
前記音データの少なくとも一部が前記登録情報として前記記憶部に記憶されている場合、前記登録情報に応じた通知情報を表示する処理と行う。
【0009】
また、本発明のプログラムは、
コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
コンピュータに、
入力された音データの少なくとも一部が登録情報として記憶部に記憶されているかどうかを判定する手順と、
前記音データの少なくとも一部が前記登録情報として前記記憶部に記憶されている場合、前記登録情報に応じた通知情報を表示する手順とを実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明においては、携帯端末装置の所持者が必要な文字情報だけを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施の形態に係る携帯端末装置が具備する構成要素の一例を示す図である。
図2図1に示した記憶部に記憶された登録情報と通知情報との対応付けの一例を示す図である。
図3図1に示した携帯端末装置における、登録情報および通知情報の登録処理の一例を説明するフローチャートである。
図4図1に示した携帯端末装置における、入力された入力音データに基づいて通知情報を表示する処理の一例を説明するフローチャートである。
図5】ステップS15にて表示部が表示した通知情報を含む画面データの表示の一例を示す図である。
図6図1に示した携帯端末装置における、登録情報および通知情報の登録処理の他の例を説明するフローチャートである。
図7図1に示した携帯端末装置における、入力された入力音データに基づいて通知情報を表示する処理の他の例を説明するフローチャートである。
図8】ステップS34にて表示部が表示した通知情報を含む画面データの表示の一例を示す図である。
図9】第2の実施の形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。
図10図9に示した携帯端末装置が具備する構成要素の一例を示す図である。
図11図9に示したサーバーが具備する構成要素の一例を示す図である。
図12図9に示した記憶部に記憶された利用者識別情報と登録情報と通知情報との対応付けの一例を示す図である。
図13図9に示した情報処理システムにおける、登録情報および通知情報の登録処理の一例を説明するシーケンス図である。
図14図9に示した情報処理システムにおける、入力された入力音データに基づいて通知情報を表示する処理の一例を説明するシーケンス図である。
図15図9に示した情報処理システムにおける、登録情報および通知情報の登録処理の他の例を説明するシーケンス図である。
図16図9に示した情報処理システムにおける、入力された入力音データに基づいて通知情報を表示する処理の他の例を説明するシーケンス図である。
図17】第3の実施の形態に係る携帯端末装置が具備する構成要素の一例を示す図である。
図18図17に示した記憶部に記憶された通知情報と音声メッセージとの対応付けの一例を示す図である。
図19図17に示した携帯端末装置における情報処理方法の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
【0013】
図1は、第1の実施の形態に係る携帯端末装置が具備する構成要素の一例を示す図である。本形態における携帯端末装置100は図1に示すように、音声入力部110と、記憶部120と、判定部130と、画面作成部140と、表示部150と、情報入力部160とを有する。さらに、携帯端末装置100は、振動部170と、発光部180とを有するとなお良い。また、携帯端末装置100は、通知情報生成部141を有しても良い。なお、図1には、携帯端末装置100が具備する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示した。携帯端末装置100として、例えば、本発明のプログラムがソフトウェアとしてインストールされたスマートフォン、本発明の機能専用または翻訳用の専用携帯端末装置などが挙げられる。
【0014】
音声入力部110は、携帯端末装置100の外部(周囲)からの音データを携帯端末装置100に入力する。音声入力部110は、例えば、マイクである。なお、この「音声」には、人間の声以外のチャイムなどの電子音や機械音、雷などの自然音なども含まれる。音声入力部110は、入力した音データを判定部130へ出力する。また、後述する登録情報を登録する際に、音声入力部110は、入力した音データを記憶部120に記憶するようにしても良い。
【0015】
記憶部120は、登録情報を記憶する。登録情報は、通知を行うためのキーワードであり、携帯端末装置100を操作する利用者によって設定される情報である。登録情報は、例えば、利用者の氏名、姓、名やあだ名、利用している駅名、待ち順を示す数字などの名詞の文字データ(以下、「登録文字データ」と称する)である。なお、記憶部120は、災害や事象を表す一般名詞や、「危ない」などの形容詞、「逃げろ」などの動詞などを登録情報として登録していても構わない。また、記憶部120は、録音された通知音の音データ(以下、「登録音データ」と称する)を登録情報として記憶する。通知音に応じた登録情報が設定される場合、記憶部120は当該通知音の音データを記憶した場所を指し示す情報(ファイル名、記憶したディレクトリまたはURLなど)が登録情報として記憶される。この通知音は、例えば、玄関のチャイムの音、電子レンジで温め処理が終了したことを知らせる音、炊飯器で炊飯が終了したことを知らせる音、お風呂の準備が完了したことを知らせる音、ガス漏れ検知器や火災報知器が発する警告音等、日常生活を送る上で、何らかの事象の発生を通知するための音である。記憶部120は、情報入力部160が対応付けて入力した登録情報と通知情報とを対応付けて記憶する。通知情報は、音声入力部110によって音データ(以下、「入力音データ」と称する)が入力されたときに、携帯端末装置100を所持する利用者が当該入力音データの意味を把握するために表示部150に表示させる文字データである。通知情報の設定方法は、例えば、携帯端末装置100の利用者の操作に基づき、情報入力部160によって、あらかじめ用意された通知情報の中から、登録情報に合う通知情報が選択されて設定される方法でも良い。または、通知情報の設定方法は、携帯端末装置100の利用者の操作に基づき、情報入力部160によって、文字データが入力されて通知情報として設定される方法でも良い。または、通知情報の設定方法は、後述する通知情報生成部141により、設定された登録情報に合う通知情報が生成されて設定される方法でも良い。なお、通知情報生成部141が通知情報を生成する場合は、通知情報を登録情報に対応付けて記憶部120に記憶しておかなくても良い。
【0016】
図2は、図1に示した記憶部120に記憶された登録情報と通知情報との対応付けの一例を示す図である。図1に示した記憶部120には図2に示すように、登録情報と通知情報とが対応付けられて記憶されている。図2に示した例において、登録情報の「○○」は利用者の名前であり、病院等の施設で利用者自身の名前を呼ばれた際に、通知情報として「○○さんと呼ばれました!」との表示が通知されることを示している。また、登録情報の「2番」は、レストラン等の施設で案内の順番整理に用いられる受付番号を受け取った時に登録した例であり、番号を呼ばれた際に、通知情報として「席に案内されますよ。」との表示が通知されることを示している。音声入力部110が入力した入力音データにこの登録情報が含まれる場合、当該登録情報と対応付けられた通知情報が読み出される。このように登録情報と通知情報とを対応付けて記憶部120が記憶しておくことで、音声入力部110が入力音データを入力すると、当該入力音データに応じた通知情報を得ることができる。なお、記憶部120は、登録情報と通知情報との1組のデータを識別するための識別子も対応付けて記憶しても良いし、利用者が登録した情報が何かを思い出すための説明文も対応付けて記憶できるようにしても良い。特に、登録した通知音が何の音か示すために、図2に示した例では、「(玄関チャイムの音)」と記載できるようにしている。この場合、別途、当該通知音の音データを記憶した場所が対応付けられて登録されている。
なお、利用者が理解できない言語の入力音データを登録情報として登録しておき、当該登録情報に対して、利用者自身が理解可能な言語に翻訳した通知情報を登録するようにしても良い。
【0017】
判定部130は、音声入力部110から出力されてきた入力音データの少なくとも一部が登録情報として記憶部120に記憶されているかどうかを判定する。このとき、判定部130は、音声入力部110から出力されてきた入力音データを文字データ(以下、「入力文字データ」と称する)へ変換し、変換した入力文字データに含まれる単位文字データが登録情報として記憶部120に記憶されているかどうかを判定しても良い。この変換には、人間が発した声を文字データ(テキストデータ)へ変換する一般的な音声認識機能を用いても良い。また、入力文字データを単位文字データにするには、入力文字データを形態素解析し、それぞれの形態素(=単位文字データ)に分解することで、単位文字データを作成しても良い。変換された入力文字データ全体が登録情報として記憶部120に記憶されているかどうかを判定するのではなく、変換された入力文字データの一部である単位文字データが登録情報として記憶部120に記憶されているかどうかを判定することで、キーとなる情報を含む複数のパターンの入力文字データに対応することができる。例えば、判定部130は、記憶部120に記憶された登録文字データを検索し、入力文字データの中に記憶部120に記憶されている登録文字データが含まれているかどうか判定する。または、判定部130は、登録情報として登録音データが記憶部120に記憶されている場合、音声入力部110から出力されてきた音データに記憶部120に記憶されている登録音データと一致する音(各音データの波形が一致する箇所)があるかどうかを判定する。または、例えば、判定部130は、入力文字データを形態素に分解した単位文字データと登録情報として記憶部120に記憶されている登録文字データとを各々比較して、一致する単位文字データと登録文字データがあるかどうかを判定する。または、例えば、音声入力部110から出力されてきた入力音データが文字変換できない音または人間の声と判別できない音(例えば、上述したような通知音の可能性がある音)である場合、判定部130は、入力音データを1つの音の波形毎に単位音データに分解し、登録情報として登録された登録音データの波形と比較し、当該入力音データの少なくとも一部である単位音データが登録情報である登録音データと一致するかどうかを判定する。なお、判定部130は、当該入力音データの少なくとも一部である単位音データと登録情報である登録音データとが完全に一致していない場合であっても、類似しているかどうかを判定(以下の説明において、一致するかどうかの判定に含まれる)しても良い。
【0018】
判定部130は、判定した結果を画面作成部140へ通知する。判定部130が判定結果を画面作成部140へ通知する方法は、例えば、入力音データに一致した登録情報を出力する方法でも良いし、登録情報そのものでなくても、一致した当該登録情報と対応付けられて記憶されている通知情報との組を示す識別子を出力する方法でも良いし、一致した当該登録情報と対応付けられて記憶されている通知情報を出力する方法でも良い。
【0019】
画面作成部140は、音声入力部110が入力した入力音データの少なくとも一部(例えば、上述した単位文字データまたは単位音データ)が登録情報として記憶部120に記憶されている(登録情報と一致した)という判定結果が判定部130から通知されてきた場合、一致した当該登録情報に対応して記憶部120に記憶されている通知情報を用いて、表示部150に通知情報を表示させるための画面データを作成する。画面データは、通知情報である文字データを含み、当該文字データやその他の文字、画像などを画面内に配置する位置、大きさ、色、書式などを設定するための情報である。例えば、文字データを追加するだけで画面データが完成する所定のフォーマットがあらかじめ用意されていても良い。なお、判定部130から登録情報または識別子が出力されてくる場合は、画面作成部140は、当該登録情報または当該識別子に対応して記憶部120に記憶されている通知情報を読み出して、通知情報を画面データのフォーマットに追加して、画面データを作成する。また、判定部130から通知情報が出力されてくる場合は、画面作成部140は、出力されてきた通知情報を画面データのフォーマットに追加して、画面データを作成する。また、通知情報生成部141が通知情報を生成する場合、判定部130が登録情報と一致したという判定をした時に、通知情報生成部141が通知情報を生成し、画面作成部140は、通知情報生成部141が生成した通知情報を用いて、表示部150に通知情報を表示させるための画面データを作成するようにしても良い。画面作成部140は、作成した通知情報を含む画面データを表示部150へ出力する。
【0020】
通知情報生成部141は、登録情報に応じた通知情報を生成する。通知情報生成部141が通知情報を生成するタイミングとしては、登録情報を記憶部120に記憶する時に、通知情報生成部141は、記憶する登録情報に応じた通知情報を生成する。または、音声入力部110が入力した入力音データの少なくとも一部が記憶部120に記憶されている登録情報に一致した時に、通知情報生成部141は、一致した登録情報に応じた通知情報を生成する。通知情報生成部141が登録情報に応じた通知情報を生成する方法としては、例えば、登録情報に付加する定型文(例えば「さんと呼ばれました!」)を登録しておき、当該登録情報(例えば「○○」)に定型文を付加して通知情報(例えば「○○さんと呼ばれました!」)を生成する方法や、登録情報を入力して通知情報を出力する学習モデルを用いて生成する方法が挙げられる。この場合の学習モデルは、登録情報に対して通知情報を機械学習させた学習モデルである。また、通知情報生成部141は、登録情報を用いて通知情報を生成する指示をプロンプトとして生成AI(人工知能)に入力して通知情報を取得(生成)しても良い。
【0021】
表示部150は、画面作成部140から出力されてきた通知情報が含まれる画面データ表示する。このとき、表示部150は、登録情報と一致した入力音データの音量の大きさを表示しても良い。入力音データの音量の大きさを表示する方法としては、例えば、画面作成部140が、画面データを作成する際に、登録情報と一致した入力音データについて、音声入力部110から当該入力音データの音圧(dB)を示す音圧値を取得し、音圧値をわかりやすいレベル単位(例えば10段階)に変換した音量の大きさを画面データに追加し、表示部150が通知情報と音量の大きさとが含まれる画面データを表示する。音声入力部110が入力した入力音データの音量の大きさを表示部150が表示することで、携帯端末装置100を所持する利用者が、音声データの発信場所が自身に近い場所かどうかを判断することができる。表示部150は、一般的な携帯端末装置が具備するディスプレイで良い。
【0022】
情報入力部160は、携帯端末装置100を操作する利用者の操作に基づいて、登録情報である登録文字データを入力する。また、情報入力部160は、携帯端末装置100を操作する利用者の操作に基づいて、通知情報を入力または選択し、当該通知情報と入力された登録情報とを対応付けて記憶部120に記憶させても良い。利用者が情報入力部160を用いて登録情報と通知情報とを対応付けて記憶部120に記憶させることで、利用者の使い方に応じた設定を行うことができる。情報入力部160は、音声入力部110を用いて、上述した通知音を入力して録音して、記憶部120に記憶させ、記憶された通知音である登録音データを登録情報として登録しても良い。情報入力部160は、例えば、携帯端末装置100に備わっているタッチパネルやハードウェアのボタン、キーボードなどである。
【0023】
振動部170は、表示部150が通知情報を表示する際、携帯端末装置100を振動させる。振動部170は、一般的な携帯端末装置のバイブレーション機能を用いて、携帯端末装置100を振動させても良い。これにより、利用者が携帯端末装置100を衣服のポケットに入れている状態や、携帯端末装置100であるスマートフォンに手帳型のケースを装着して当該ケースが閉じられている状態等、利用者が表示部150を閲覧できない状態においても、利用者に対して表示部150の閲覧を促すことができ、利用者は何らかの通知があったことを知ることができる。例えば、画面作成部140が表示部150に通知情報を出力する時に、携帯端末装置100を振動させる命令を画面作成部140が振動部170に出力する。また、通知情報に連動した振動は、ON/OFFできるようにしても良い。
【0024】
発光部180は、表示部150が通知情報を表示する際、発光する。発光部180は、携帯端末装置100に具備されたLED等のランプを点滅させるようにしても良いし、表示部150の少なくとも一部にて、例えば、白画面と黒画面とを交互に表示するようにしても良い。これにより、利用者の位置から携帯端末装置100までの距離が離れている状態においても、利用者に対して表示部150の閲覧を促すことができ、利用者は何らかの通知があったことを知ることができる。例えば、画面作成部140が表示部150に通知情報を出力する時に、発光をさせる命令を画面作成部140が発光部180に出力する。また、通知情報に連動した発光は、ON/OFFできるようにしても良い。
【0025】
以下に、図1に示した携帯端末装置100における情報処理方法について説明する。図3は、図1に示した携帯端末装置100における情報処理方法のうち、登録情報および通知情報の登録処理の一例を説明するフローチャートである。ここでは、対象となる音データが文字データへ変換可能な音データである場合の処理を説明する。
【0026】
まず、携帯端末装置100を所持する利用者が携帯端末装置100を操作して情報入力部160を用いて登録情報と通知情報とを対応付けて入力する(ステップS1)。この操作は、例えば、タッチパネル機能を具備した表示部150に表示された入力画面にしたがった操作で良い。この入力画面は、文字入力キーを操作してテキストを入力する画面でも良いし、複数の選択肢が表示され、表示された選択肢の中から所望の情報を選択して入力する画面でも良い。なお、情報入力部160が入力する登録情報が、利用者自身の名前等の不変のものである場合、当該登録情報をあらかじめ登録をしておき、情報入力部160が入力する登録情報が、受付番号等のその場限りのものである場合は、適時、情報入力部160を用いて当該登録情報を入力可能にしておくことが好ましい。
【0027】
次に、情報入力部160が入力した登録情報と通知情報とを記憶部120が対応付けて記憶する(ステップS2)。記憶部120に記憶された登録情報と通知情報との態様は図2に示したものとなる。この時、通知情報として、一般的な定型文(例えば「登録された情報と一致しました!」)が用意されており、その一般的な定型文の通知情報に入力された登録情報が対応付けられて記憶部120に記憶されても良いし、携帯端末装置100を操作する利用者によって、情報入力部160が入力した通知情報に入力された登録情報が記憶部120に対応付けられて記憶されても良いし、携帯端末装置100を操作する利用者によって、あらかじめ用意された複数の文章から選択された通知情報に、入力された登録情報が記憶部120に対応付けられて記憶されても良いし、入力された登録情報に基づいて通知情報生成部141により通知情報が生成されて記憶部120に対応付けられて記憶されても良い。また、登録情報および通知情報の登録処理以外に、情報入力部160を用いて、登録された登録情報および通知情報の変更処理や削除処理も可能とする。
【0028】
図4は、図1に示した携帯端末装置100における情報処理方法のうち、入力された入力音データに基づいて通知情報を表示する処理の一例を説明するフローチャートである。ここでは、対象となる入力音データが文字データへ変換可能なデータである場合の処理を説明する。
【0029】
入力音データに基づいた通知情報を表示する処理を開始後、音声入力部110が入力音データを入力すると(ステップS11)、判定部130は、音声入力部110が入力した入力音データを入力文字データへ変換する(ステップS12)。続いて、判定部130は、変換した入力文字データに含まれる単位文字データが登録情報として記憶部120に記憶されているかどうか(単位文字データが登録情報と一致するかどうか)を判定する(ステップS13)。変換した入力文字データに含まれる単位文字データが登録情報として記憶部120に記憶されている(一致する)と判定部130が判定すると、画面作成部140は、一致した当該登録情報と対応付けられた通知情報を記憶部120から読み出し、読み出した通知情報を含む画面データを作成する(ステップS14)。なお、通知情報生成部141が通知情報を生成する場合は、通知情報を記憶部120に記憶せずに、一致した当該登録情報に基づく通知情報を通知情報生成部141が生成し、画面作成部140は、通知情報生成部141が生成した通知情報を含む画面データを作成するようにしても良い。表示部150は、画面作成部140が作成した通知情報が含まれる画面データを表示する(ステップS15)。また、表示部150に通知情報が含まれる画面データを表示させる時に、判定部130または画面作成部140は、振動をさせる命令を振動部170に出力しても良く、発光をさせる命令を発光部180に出力しても良い。
【0030】
図5は、ステップS15にて表示部150が表示した通知情報を含む画面データの表示の一例を示す図である。図5に示すように、表示部150は、「「〇〇さん」と呼ばれました!」という通知情報とその周りに雲状のイラストを表示する。図5に示した表示は、「〇〇」が含まれる入力音データを音声入力部110が入力し、記憶部120に図2に示した登録情報「〇〇」が記憶されている場合、画面作成部140が登録情報「〇〇」と対応付けられている通知情報「「〇〇さん」と呼ばれました!」を記憶部120から読み出し、読み出された通知情報「「〇〇さん」と呼ばれました!」を雲状のイラストが含まれる画面データのフォーマットに追加して画面データを作成し、表示部150が当該画面データとして表示した例である。なお、この例において、表示部150が雲状のイラストを点滅表示させることで、表示部150が発光部180の機能を担ってもよい。本処理開始後、音声入力部110には、外部からの音が常に入力されるが、記憶部120に記憶されている登録情報と一致した時に通知情報が表示される。また、通知情報とともに表示される画面データのフォーマット(イラスト)は、図5に示すような雲状のイラストに限らず、利用者が設定したほかのイラストや、システムがあらかじめ準備しているイラストでも良い。
【0031】
図6は、図1に示した携帯端末装置100における情報処理方法のうち、登録情報および通知情報の登録処理の他の例を説明するフローチャートである。ここでは、対象となる入力音データが上述した通知音である場合の処理を説明する。なお、ステップS1~S2およびステップS11~S15と同様の説明は省略する場合がある。
【0032】
まず、携帯端末装置100を所持する利用者が携帯端末装置100を操作して音声入力部110を用いて音データである通知音を録音する(ステップS21)。音声入力部110から入力された通知音は記憶部120に記憶される。通知音を録音して、登録情報として登録(記憶部120に記憶)する方法としては、例えば、登録を希望する通知音が玄関チャイムである場合、利用者が録音開始を実行し、玄関チャイムを鳴らした後、録音を終了する方法が挙げられる。このような方法を用いて音データが録音される場合、利用者が部屋の中に置いてある携帯端末装置100を操作してから玄関外に設置されているチャイム用押しボタンやインタホンの子機を操作してチャイムを鳴らした後、室内に戻るため、録音された音データには玄関チャイムの前後に不要な無音や別の音が存在する。録音を終了すると、判定部130は、録音開始から録音終了までの音データについて、時間経過とともに変化する音圧レベルと、音を文字変換した文字とを、表示部150に表示する。利用者は、登録したい部分の文字の表示(例えば「ピンポーン」)を情報入力部160を用いて選択すると、判定部130は、その文字表示の部分に対応する文字変換前の音のデータ部分を切り出して、登録音データとして登録情報に登録する。なお、耳の不自由な利用者が音を録音することは容易ではない場合があるため、当該利用者の家族や友人等がこのステップS21の処理を代理で実行し、メッセージアプリ等を用いて利用者の携帯端末装置100にて当該通知音の録音ファイルを取得するか、通知音を出力する装置のメーカーのWEBサイト等から利用者の携帯端末装置100に当該通知音の録音ファイルをダウンロードして取得するなどで、取得した録音ファイルを記憶部120に記憶できるようにしても良い。
【0033】
続いて、携帯端末装置100を所持する利用者が携帯端末装置100を操作して情報入力部160を用いて通知情報を入力または選択する(ステップS22)。この操作は、例えば、タッチパネル機能を具備した表示部150に表示された入力画面にしたがった操作で良い。この入力画面は、文字入力キーを操作してテキストを入力する画面でも良いし、複数の選択肢が表示され、表示された選択肢の中から所望の情報を選択して入力する画面でも良い。通知情報は、一般的な定型文(例えば「登録された情報と一致しました!」)が用意されており、その一般的な定型文の通知情報と設定されても良いし、携帯端末装置100を操作する利用者の操作に基づいて情報入力部160が入力しても良いし、携帯端末装置100を操作する利用者の操作に基づいてあらかじめ用意された複数の文章から選択されても良いし、入力された登録情報に基づいて通知情報生成部141により通知情報が生成されても良い。
【0034】
なお、録音された通知音を登録情報として扱う場合、文字データとしての登録情報の入力は不要である。そのため、登録された通知音を説明する情報を、情報入力部160を用いて登録情報に対応付けて入力する処理を追加するようにしても良い。なお、音声入力部110が入力した通知音が何を通知する音であるかを識別する機能を判定部130が具備しても良い。その場合、判定部130が識別した結果を登録された通知音を説明する情報として登録情報に対応付けて記憶部120が記憶しても良い。
【0035】
次に、録音した通知音または情報入力部160が入力または選択または通知情報生成部141が生成した通知情報と、入力された登録情報とを記憶部120が対応付けて記憶する(ステップS23)。また、登録情報および通知情報の登録処理以外に、情報入力部160を用いて、登録された登録情報および通知情報の変更処理や削除処理も可能とする。
【0036】
図7は、図1に示した携帯端末装置100における情報処理方法のうち、入力された入力音データに基づいて通知情報を表示する処理の他の例を説明するフローチャートである。ここでは、対象となる音データが上述した通知音である場合の処理を説明する。
【0037】
入力音データに基づいた通知情報を表示する処理を開始後、音声入力部110が入力音データを入力すると(ステップS31)、判定部130は、入力音データが文字変換できない音または人の声と判別できない音(例えば、通知音の可能性がある音)と判定した場合、当該入力音データの中に、登録情報として記憶部120に記憶されている登録音データ(録音された通知音)が含まれているかどうかを判定する(ステップS32)。例えば、判定部130は、登録情報として登録音データが記憶部120に記憶されている場合、音声入力部110から出力されてきた音データの音の波形の中に、登録音データと一致する音の波形が含まれているかどうかを判定する。
【0038】
入力音データの中に、記憶部120に記憶されている登録音データ(録音された通知音)である登録情報が含まれている(入力音データの中に一致する登録音データがある)と判定部130が判定すると、画面作成部140は、当該登録情報と対応付けられた通知情報を記憶部120から読み出し、読み出した通知情報を含む画面データを作成する(ステップS33)。なお、通知情報生成部141が通知情報を生成する場合は、通知情報を記憶部120に記憶せずに、一致した当該登録情報に基づく通知情報を通知情報生成部141が生成し、画面作成部140は、通知情報生成部141が生成した通知情報を含む画面データを作成するようにしても良い。表示部150は、画面作成部140が作成した通知情報が含まれる画面データを表示する(ステップS34)。また、表示部150に通知情報が含まれる画面データを表示させる時に、判定部130または画面作成部140は、振動をさせる命令を振動部170に出力しても良く、発光をさせる命令を発光部180に出力しても良い。
【0039】
図8は、ステップS34にて表示部150が表示した通知情報を含む画面データの表示の一例を示す図である。図8に示すように、表示部150は、「どなたかが訪問されました。」という通知情報とその周りに巻物風のイラストを表示する。図8に示した表示は、玄関のチャイムの音(通知音)が登録情報(登録音データ)として記憶部120に記憶されており、その登録情報と対応付けて「どなたかが訪問されました。」という通知情報が記憶部120に記憶されている場合、玄関のチャイムの音を含む入力音データを音声入力部110が入力すると、画面作成部140が登録情報と対応付けられている通知情報「どなたかが訪問されました。」を記憶部120から読み出し、読み出された通知情報「どなたかが訪問されました。」を巻物風のイラストが含まれる画面データのフォーマットに追加して画面データを作成し、表示部150が当該画面データとして表示した例である。なお、この例において、表示部150が巻物風のイラストを点滅表示させることで、表示部150が発光部180の機能を担ってもよい。本処理開始後、音声入力部110には、外部からの音が常に入力されるが、記憶部120に記憶されている登録情報と一致した時に通知情報が表示される。
【0040】
このように、本形態においては、入力した音データに応じた通知情報を表示する。そのため、携帯端末装置100は、あらかじめ登録された音データのみについて通知情報を表示する。これにより、携帯端末装置100を所持する耳が不自由である利用者や、周囲で話されている言語の理解が難しい利用者が必要な文字情報だけを得ることができ、利用者が文字情報に対する行動をとることができる。
(第2の実施の形態)
【0041】
図9は、第2の実施の形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。第2の実施の形態に係る情報処理システムは図9に示すように、携帯端末装置101と、サーバー200と、記憶部301とを有する。携帯端末装置101とサーバー200とは、通信ネットワーク400を介して接続されている。サーバー200と記憶部301とは、直接接続されていても良いし、通信ネットワーク400を介して接続されていても良い。また、サーバー200が記憶部301を具備していても良い。なお、第1の実施の形態と同様の説明は省略する場合がある。
【0042】
携帯端末装置101は、本システムを利用する利用者が所持、操作する通信装置である。図10は、図9に示した携帯端末装置101が具備する構成要素の一例を示す図である。本形態における携帯端末装置101は図10に示すように、音声入力部110と、表示部150と、情報入力部160と、制御部191と、通信部192とを有する。さらに、携帯端末装置101は、振動部170と発光部180とを有するとなお良い。音声入力部110、表示部150、情報入力部160、振動部170および発光部180それぞれは、第1の実施に形態におけるものとそれぞれ同じものである。なお、図10には、図9に示した携帯端末装置101が具備する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示した。携帯端末装置101として、例えば、本発明のプログラムがソフトウェアとしてインストールされたスマートフォンなどが挙げられる。
【0043】
制御部191は、携帯端末装置101が具備する音声入力部110、表示部150、情報入力部160、振動部170、発光部180および通信部192を制御する。制御部191は、音声入力部110から出力されてきた入力音データを通信部192へ出力する。制御部191は、通信部192から出力されてきた通知情報を含む画面データを表示部150へ出力する。表示部150は、制御部191から出力されてきた通知情報を含む画面データを表示する。
【0044】
通信部192は、制御部191から出力されてきた入力音データをサーバー200へ送信する第1の通信部である。通信部192は、サーバー200から送信されてきた通知情報を含む画面データを制御部191へ出力する。通信部192は、入力音データ等の情報をサーバー200へ送信する際、携帯端末装置101または携帯端末装置101を操作する利用者に固有に付与された利用者識別情報を当該情報とともにサーバー200へ送信する。
【0045】
図11は、図9に示したサーバー200が具備する構成要素の一例を示す図である。図9に示したサーバー200は図11に示すように、制御部210と、通信部240とを有する。制御部210は、判定部220と、画面作成部230とを有する。また、制御部210は、通知情報生成部250を有しても良い。なお、図11には、図9に示したサーバー200が具備する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示した。
【0046】
判定部220は、通信部192から送信されてきた入力音データの少なくとも一部が登録情報として記憶部301に記憶されているか(入力音データの少なくとも一部が登録情報と一致するか)どうかを判定する。この判定を行う際、判定部220は、通信部192から送信されてきた入力音データの少なくとも一部と利用者識別情報とが記憶部301に対応付けられて記憶されているかどうかを判定する。このとき、判定部220は、通信部192から送信されてきた入力音データを入力文字データへ変換し、変換した入力文字データに含まれる単位文字データが登録情報として記憶部301に記憶されているかどうかを判定しても良い。この変換には、人間が発した声を文字データ(テキストデータ)へ変換する一般的な音声認識機能を用いても良い。また、入力文字データを単位文字データにするには、入力文字データを形態素解析し、それぞれの形態素(=単位文字データ)に分解することで、単位文字データを作成しても良い。変換された入力文字データ全体が登録情報として記憶部301に記憶されているかどうかを判定するのではなく、変換された入力文字データの一部である単位文字データが登録情報として記憶部301に記憶されているかどうかを判定することで、キーとなる情報を含む複数のパターンの入力文字データに対応することができる。例えば、判定部220は、入力文字データの中に、登録文字データが含まれるか、記憶部301に記憶された登録文字データごとに検索し、一致するか判定する。または、判定部220は、登録情報として登録音データが記憶部301に記憶されている場合、通信部192から送信されてきた音データに登録音データと一致する音(各音データの波形が一致する箇所)があるか判定する。または、例えば、判定部220は、入力文字データを形態素に分解した単位文字データと登録情報として記憶された登録文字データとを各々比較して、一致する単位文字データと登録文字データがあるか判定する。または、例えば、通信部192から送信されてきた入力音データが文字変換できない音または人間の声と判別できない音(例えば、上述したような通知音の可能性がある音)である場合、判定部220は、入力音データを1つの音の波形毎に単位音データに分解し、登録情報として登録された登録音データの波形と比較し、当該入力音データの少なくとも一部である単位音データが登録情報である登録音データと一致するかどうかを判定する。なお、判定部220は、当該入力音データの少なくとも一部である単位音データと登録情報である登録音データとが完全に一致していない場合であっても、類似しているかどうかを判定(以下の説明において、一致するかどうかの判定に含まれる)しても良い。この判定を行う際、判定部220は、通信部192から送信されてきた入力音データとともに送信されてきた利用者識別情報が、一致すると判定された登録文字データまたは登録音データが含まれる登録情報に対応付けられて記憶部301に記憶されている利用者識別情報と一致するかどうかを判定する。判定部220は、判定した結果を画面作成部230へ通知する。判定部220が判定結果を画面作成部230へ通知する方法は、例えば、入力音データに一致した登録情報を出力する方法でも良いし、登録情報そのものでなくても、一致した当該登録情報と対応付けられて記憶されている通知情報との組を示す識別子を出力する方法でも良いし、一致した当該登録情報と対応付けて記憶されている通知情報を出力する方法でも良い。このとき、判定部220は、通信部192から送信されてきた利用者識別情報も画面作成部230へ出力する。
【0047】
画面作成部230は、入力音データの少なくとも一部(例えば、上述した単位文字データまたは単位音データ)が登録情報として記憶部301に記憶されている(登録情報と一致した)という判定結果が判定部220から通知されてきた場合、一致した当該登録情報に対応して記憶部301に記憶されている通知情報を用いて、携帯端末装置101に通知情報を表示するための画面データを作成する。画面作成部230は、当該登録情報に応じた通知情報を生成するようにしても良い。画面作成部230が登録情報に応じた通知情報を生成する方法は、第1の実施の形態における方法と同じ方法で良い。画面作成部230は、作成した通知情報を含む画面データを通信部240へ出力する。
【0048】
通信部240は、画面作成部230から出力されてきた通知情報を携帯端末装置101へ送信する第2の通信部である。このとき、通信部240は、音データとともに送信されてきた利用者識別情報を送信先として通知情報を送信する。
【0049】
通知情報生成部250は、登録情報に応じた通知情報を生成する。通知情報生成部250が通知情報を生成するタイミングとしては、登録情報を記憶部301に記憶する時に、通知情報生成部250は、記憶する登録情報に応じた通知情報を生成する。または、通知情報生成部250は、判定部220が、登録情報と一致すると判定した時に、通知情報生成部250は、一致した登録情報に応じた通知情報を生成する。通知情報生成部250のその他の動作については、第1の実施の形態における通知情報生成部141が行う動作と同様で良い。
【0050】
記憶部301は、登録情報を記憶する。登録情報は、通知を行うためのキーワードであり、利用者が携帯端末装置101の情報入力部160を操作して設定される情報である。また、記憶部301は、携帯端末装置101を用いて録音された通知音の音データ(以下、「登録音データ」と称する)を登録情報として記憶する。この通知音は、第1の実施の形態におけるものと同じである。記憶部301は、登録情報を利用者識別情報と対応付けて記憶する。利用者識別情報は、上述したように携帯端末装置101または携帯端末装置101を操作する利用者に固有に付与された情報である。また、記憶部301は、登録情報と通知情報とを対応付けて記憶しても良い。通知情報は、第1の実施の形態におけるものと同じである。なお、記憶部301は、サーバー200内に設けられていても良い。
【0051】
図12は、図9に示した記憶部301に記憶された利用者識別情報と登録情報と通知情報との対応付けの一例を示す図である。図9に示した記憶部301には図12に示すように、利用者識別情報である利用者IDと登録情報と通知情報とが対応付けられて記憶されている。図12に示した例では、利用者ID「A001」の利用者により、登録情報「○○」(利用者の名前)と通知情報「○○さんと呼ばれました!」との組、登録情報「2番」(レストラン等で、受付番号を受け取った時に登録した例)と通知情報「席に案内されますよ。」との組、および登録情報「(玄関チャイムの音)」通知音と通知情報「どなたかが訪問されました。」との組が登録されていることを示している。携帯端末装置101から利用者識別情報と対応付けて送信されてきた入力音データに、当該利用者識別情報(利用者ID)と対応付けられて記憶されている登録情報が含まれる場合、当該登録情報と対応付けられた通知情報が読み出される。このように利用者識別情報と対応する登録情報と通知情報とを対応付けて記憶部301が記憶しておくことで、携帯端末装置101から入力音データが送信されてくると、携帯端末装置101に対して、当該入力音データに応じた通知情報を得ることができる。なお、登録情報と通知情報との1組のデータを識別するための識別子や説明文も対応付けて記憶できるようにしても良いことは、第1の実施の形態におけるものと同じである。
【0052】
以下に、図9に示した情報処理システムにおける情報処理方法について説明する。図13は、図9に示した情報処理システムにおける情報処理方法のうち、登録情報および通知情報の登録処理の一例を説明するシーケンス図である。ここでは、対象となる音データが文字データへ変換可能な音データである場合の処理を説明する。
【0053】
まず、携帯端末装置101を所持する利用者が携帯端末装置101を操作して情報入力部160を用いて登録情報と通知情報とを対応付けて入力する(ステップS41)。この操作は、例えば、タッチパネル機能を具備した表示部150に表示された入力画面にしたがった操作で良い。この入力画面は、文字入力キーを操作してテキストを入力する画面でも良いし、複数の選択肢が表示され、表示された選択肢の中から所望の情報を選択して入力する画面でも良い。なお、登録情報と通知情報の入力方法または選択方法については、第1の実施の形態におけるものと同じである。なお、通知情報があらかじめ決まっている場合、または、通知情報生成部250が通知情報を生成する場合、通知情報の入力または選択とその後の通知情報の送信については、処理が省略される。情報入力部160が入力する登録情報が、利用者自身の名前等の不変のものである場合、当該登録情報をあらかじめ登録をしておき、情報入力部160が入力する登録情報が、受付番号等のその場限りのものである場合は、適時、情報入力部160を用いて当該登録情報を入力可能にしておくことが好ましい。次に、携帯端末装置101または携帯端末装置101を操作する利用者に固有に付与された利用者識別情報と情報入力部160が入力した登録情報と通知情報とを通信部192が対応付けてサーバー200へ送信する(ステップS42)。
【0054】
通信部192から送信された利用者識別情報と登録情報と通知情報とを通信部240が受信すると、制御部210は、これらの情報を互いに対応付けて記憶部301に記憶させる(ステップS43)。この時、通知情報生成部250が通知情報を生成する場合、送信された登録情報に基づいて通知情報が生成されても良い。記憶部301に記憶された利用者識別情報と登録情報と通知情報との態様は図12に示したものとなる。
【0055】
図14は、図9に示した情報処理システムにおける情報処理方法のうち、入力された入力音データに基づいて通知情報を表示する処理の一例を説明するフローチャートである。ここでは、対象となる入力音データが文字データへ変換可能なデータである場合の処理を説明する。
【0056】
入力音データに基づいた通知情報を表示する処理を開始後、音声入力部110が入力音データを入力すると(ステップS51)、利用者識別情報と音声入力部110が入力した入力音データとを通信部192が対応付けてサーバー200へ送信する(ステップS52)。通信部192から送信された利用者識別情報と入力音データとを通信部240が受信すると、判定部220は、通信部240が受信した入力音データを入力文字データへ変換する(ステップS53)。続いて、判定部220は、変換した入力文字データに含まれる単位文字データが登録情報として当該利用者識別情報と対応付けられて記憶部301に記憶されているかどうか(単位文字データが登録情報と一致するかどうか)を判定する(ステップS54)。変換した入力文字データに含まれる単位文字データが登録情報として当該利用者識別情報と対応付けられて記憶部301に記憶されている(一致する)と判定部220が判定すると、画面作成部230は、当該利用者識別情報と一致した登録情報と対応付けられた通知情報を記憶部301から読み出し、読み出した通知情報を含む画面データを作成する(ステップS55)。なお、通知情報生成部250が通知情報を生成する場合は、通知情報を記憶部301に記憶せずに、一致した当該登録情報に基づく通知情報を通知情報生成部250が生成し、画面作成部230は、通知情報生成部250が生成した通知情報を含む画面データを作成するようにしても良い。通信部240は、画面作成部230が作成した通知情報が含まれる画面データを携帯端末装置101へ送信する(ステップS56)。
【0057】
通信部240から送信された通知情報を含む画面データを通信部192が受信すると、制御部191が表示部150に通知情報を含む画面データを表示させる(ステップS57)。表示部150における通知情報の表示態様は、第1の実施の形態(図5)と同じで良い。また、表示部150に通知情報が含まれる画面データを表示させる時に、制御部191は、振動をさせる命令を振動部170に出力しても良く、発光をさせる命令を発光部180に出力しても良い。
【0058】
図15は、図9に示した情報処理システムにおける情報処理方法のうち、登録情報および通知情報の登録処理の他の例を説明するシーケンス図である。ここでは、対象となる音データが上述した通知音である場合の処理を説明する。なお、ステップS41~S43およびステップS51~S56と同様の説明は省略する場合がある。
【0059】
まず、携帯端末装置101を所持する利用者が携帯端末装置101を操作して音声入力部110を用いて音データである通知音を録音する(ステップS61)。音声入力部110から入力された通知音は携帯端末装置101内のメモリに一時的に記憶される。なお、耳の不自由な利用者のため、他者やWEBサイト等から通知音の録音ファイルを取得するようにしても良いのは、第1の実施の形態におけるものと同じである。続いて、携帯端末装置101を所持する利用者が携帯端末装置101を操作して情報入力部160を用いて通知情報を入力または選択する(ステップS62)。この操作は、例えば、タッチパネル機能を具備した表示部150に表示された入力画面にしたがった操作で良い。この入力画面は、文字入力キーを操作してテキストを入力する画面でも良いし、複数の選択肢が表示され、表示された選択肢の中から所望の情報を選択して入力する画面でも良い。通知情報は、一般的な定型文として用意されたものや、情報入力部160に入力されたものや、あらかじめ用意された複数の文章から選択されたものでも良いのは、第1の実施の形態におけるものと同じである。このように入力または選択された通知情報は、携帯端末装置101内のメモリに一時的に記憶される。なお、通知情報があらかじめ決まっている場合、または、通知情報生成部250が通知情報を生成する場合、通知情報の入力または選択とその後の通知情報の送信については、処理が省略される。
【0060】
なお、録音された通知音を登録情報として扱う場合、文字データとしての登録情報の入力は不要である。そのため、入力された通知音を説明する情報を、情報入力部160を用いて入力する処理を追加するようにしても良い。
【0061】
次に、メモリに一時的に記憶されている通知音(登録音データ)である情報入力部160が入力した登録情報と、入力または選択された通知情報とを対応付けて制御部191が通信部192からサーバー200へ送信する(ステップS63)。このとき、通信部192は、携帯端末装置101または携帯端末装置101を操作する利用者に固有に付与された利用者識別情報もサーバー200へ送信する。
【0062】
通信部192から送信された利用者識別情報と通知音(登録音データ)である登録情報と入力または選択された通知情報とを通信部240が受信すると、制御部210は、これらの情報を互いに対応付けて記憶部301に記憶させる(ステップS64)。
【0063】
なお、通信部192から送信された通知音が何を通知する音であるかを識別する機能を判定部220が具備しても良い。その場合、判定部220が識別した結果を登録された通知音を説明する情報として登録情報に対応付けて記憶部301に記憶しても良い。この時、通知情報生成部250が通知情報を生成する場合、送信された登録情報に基づいて通知情報生成部250が通知情報を生成しても良い。また、登録情報および通知情報の登録処理以外に、情報入力部160を用いて、登録された登録情報および通知情報の変更処理や削除処理も可能とする。
【0064】
図16は、図9に示した情報処理システムにおける情報処理方法のうち、入力された入力音データに基づいて通知情報を表示する処理の他の例を説明するフローチャートである。ここでは、対象となる入力音データが上述した通知音である場合の処理を説明する。
【0065】
入力音データに基づいた通知情報を表示する処理を開始後、音声入力部110が入力音データを入力すると(ステップS71)、制御部191は、当該入力音データと利用者識別情報とを通信部192からサーバー200へ送信する(ステップS72)。通信部192から送信された利用者識別情報と入力音データとを通信部240が受信し、受信した入力音データが文字変換できない音または人の声と判別できない音(例えば、通知音の可能性がある音)であると判定すると、判定部220は、当該入力音データ(通知音)に応じた登録情報が当該利用者識別情報と対応付けられて記憶部301に記憶されているかどうかを判定する(ステップS73)。例えば、判定部220は、登録情報として登録音データが記憶部310に記憶されている場合、入力音データの音の波形の中に、登録音データと一致する音の波形があるかどうかを判定する。
【0066】
当該入力音データの中に、対応する登録音データ(録音された通知音)である登録情報が当該利用者識別情報と対応付けられて記憶部301に記憶されている(入力音データの中に一致する登録音データがある)と判定部220が判定すると、画面作成部230は、当該利用者識別情報と登録情報と対応付けられた通知情報を記憶部301から読み出し、読み出した通知情報を含む画面データを作成する(ステップS74)。なお、通知情報生成部250が通知情報を生成する場合は、通知情報を記憶部301に記憶せずに、一致した当該登録情報に基づく通知情報を通知情報生成部250が生成し、画面作成部230は、通知情報生成部250が生成した通知情報を含む画面データを作成するようにしても良い。通信部240は、画面作成部230が作成した通知情報が含まれる画面データを携帯端末装置101へ送信する(ステップS75)。
【0067】
通信部240から送信された通知情報が含まれる画面データを通信部192が受信すると、制御部191が表示部150に通知情報を表示させる(ステップS76)。表示部150における通知情報の表示態様は、第1の実施の形態(図8)と同じで良い。
また、表示部150に通知情報が含まれる画面データを表示させる時に、制御部191は、振動をさせる命令を振動部170に出力しても良く、発光をさせる命令を発光部180に出力しても良い。
【0068】
このように、本形態においては、利用者が所持している携帯端末装置101が入力した音データをサーバー200へ送信し、サーバー200が受信した音データに応じた通知情報を携帯端末装置101へ提示し、携帯端末装置101が通知情報を表示する。そのため、携帯端末装置101を所持している利用者によってあらかじめ登録された音データのみについてサーバー200が通知情報を提示する。これにより、携帯端末装置101を所持する耳が不自由である利用者や、周囲で話されている言語の理解が難しい利用者が必要な文字情報だけを得ることができる。さらに、登録された情報を携帯端末装置101の外部の記憶装置に記憶させ、通知情報の判定機能をサーバー200に具備させることで、携帯端末装置101に新たな機能を追加することなく、既にインストールされているWebブラウザを用いることで、通知情報の通知を受けることが可能となる。なお、登録情報および通知情報を利用者以外、例えば、本システムを運用する者が記憶部301にあらかじめ登録しても良い。この場合、例えば、「地震」、「火事」、「火災」、「豪雨」、「台風」、「洪水」、「河川の氾濫」、「津波」、「土砂崩れ」、「ガス漏れ」、「危険」、「事故」、「事件」、「故障」等、人命に係わるような災害発生やトラブル発生の通知に用いられるワードを登録情報として記憶部301が記憶しても良い。このとき登録情報と対応付けられて記憶される通知情報としては、それぞれの発生を迅速に理解できる情報が良い。また、音声入力部110が入力した音データの音量の大きさに応じて、表示部150が所定の通知情報を表示しても良い。このような表示を行うことで、具体的に発生した事象を特定できない場合であっても、何らかの事象が発生したことを知らせることができる。
(第3の実施の形態)
【0069】
図17は、第3の実施の形態に係る携帯端末装置が具備する構成要素の一例を示す図である。本形態における携帯端末装置102は図17に示すように、音声入力部110と、記憶部122と、判定部130と、画面作成部142と、表示部150と、情報入力部162と、音声出力部193とを有する。さらに、携帯端末装置102は、振動部170と発光部180とを有するとなお良い。音声入力部110、判定部130、表示部150、振動部170および発光部180それぞれは、第1の実施に形態におけるものとそれぞれ同じものである。なお、図17には、携帯端末装置102が具備する構成要素のうち、本形態に関わる主要な構成要素のみを示した。なお、第1の実施の形態と同様の説明は省略する場合がある。
【0070】
記憶部122は、第1の実施の形態における記憶部120が記憶する情報に加えて、通知情報と音声メッセージとを対応付けて記憶する。図18は、図17に示した記憶部122に記憶された通知情報と音声メッセージとの対応付けの一例を示す図である。図17に示した記憶部122には図18に示すように、通知情報と音声メッセージとが対応付けられて記憶されている。通知情報は、第1の実施の形態における通知情報と同じである。図18に示した音声メッセージは、説明の便宜上、文字情報で示しているが、音声出力部193が出力する音声データのファイルの記憶した場所を示す情報(ファイル名、記憶したディレクトリまたはURLなど)でも良い。音声メッセージは、音声入力部110を用いて録音されて記憶部122に記憶されたメッセージでも良いし、サービス提供者によってあらかじめ録音されて記憶部122に記憶されたメッセージでも良いし、情報入力部162を用いて入力された文字データが音声変換された音声メッセージでも良い。また、通知情報と音声メッセージとの対応付けは、利用者からの携帯端末装置102への所定の操作を受け付けて、情報入力部162が、通知情報と対応付けたい音声メッセージを選択できるようにしても良いし、通知情報と音声メッセージとがあらかじめ対応付けられていても良い。また、音声メッセージは、通知情報と対応付けられて記憶されるのではなく、登録情報と通知情報との組に対応付けられて記憶されても良い。
【0071】
情報入力部162は、第1の実施の形態における情報入力部160の処理に加えて、携帯端末装置102を操作する利用者の操作に基づいて、音声メッセージの選択や音声メッセージを出力する指示を行うための操作を受け付ける。これらの操作は、例えば、表示部150がタッチパネル機能を具備する場合、表示部150が表示している画面の一部(例えば、音声メッセージの文字や所定のボタン表示)をタッチする操作や、携帯端末装置102が具備するハード的なボタンを押下する操作等、あらかじめ決められた操作である。情報入力部162が具備するその他の機能や処理は、第1の実施の形態における情報入力部160と同じである。
【0072】
音声出力部193は、第1の実施の形態において表示部150が通知情報を表示した後、音声メッセージを出力する指示である音声メッセージ出力指示の操作を受け付けると、当該通知情報に対応する音声メッセージを出力する。このとき、音声出力部193は、表示部150が表示している画面データに含まれる通知情報を検索キーとして、当該通知情報と対応付けられた音声メッセージを記憶部122から読み出して、出力しても良い。また、音声出力部193は、画面作成部142が作成して表示部150が表示している画面データに含まれる通知情報と対応付けられた音声メッセージを画面作成部142に記憶部122から読み出させて、画面作成部142に読み出させた音声メッセージを出力しても良い。音声出力部193は、スピーカー等で良い。例えば、図18に示した対応付けが記憶部122に記憶されており、表示部150が「「〇〇さん」と呼ばれました!」という通知情報を表示している場合、情報入力部162が音声メッセージの出力指示の操作を受け付けると、音声出力部193は、通知情報「「〇〇さん」と呼ばれました!」と対応付けられている音声メッセージ「呼ばれましたか?」を記憶部122から読み出して出力する。また、表示部150が「急停車します!」という通知情報を表示している場合、情報入力部162が音声メッセージ出力指示の操作を受け付けると、音声出力部193は、通知情報「急停車します!」と対応付けられている音声メッセージ「何かありましたか?」を記憶部122から読み出して出力する。なお、音声出力部193が、音声メッセージを出力した時に、画面作成部142が音声メッセージの文字情報を含む画面データを作成し、表示部150に表示させても良い。
【0073】
なお、複数の音声メッセージを記憶部122があらかじめ記憶しておき、表示部150が通知情報を表示すると、その音声メッセージの中から音声出力部193に出力させたい音声メッセージの選択を利用者に促す表示画面データを画面作成部142が作成し、当該画面データを表示部150が表示しても良い。この場合、表示部150に表示された複数の音声メッセージの中から利用者が情報入力部162を用いて選択した音声メッセージを音声出力部193が記憶部122から読み出して出力する。
【0074】
以下に、図17に示した携帯端末装置102における情報処理方法について説明する。図19は、図17に示した携帯端末装置102における情報処理方法の一例を説明するフローチャートである。
【0075】
表示部150が通知情報を表示する(ステップS81)。この処理は、第1の実施の形態におけるステップS15やステップS34における処理である。その後、情報入力部162が音声メッセージ出力指示の操作を受け付けると(ステップS82)、音声出力部193は、表示部150が表示している通知情報を検索キーとして、当該通知情報と対応付けられた音声メッセージを記憶部122から読み出す(ステップS83)。続いて、音声出力部193は、記憶部122から読み出した音声メッセージを出力する(ステップS84)。この時、画面作成部142が音声メッセージの文字情報を含む画面データを作成し、表示部150に表示させても良い。
【0076】
さらに、音声出力部193が音声メッセージを出力した後、音声入力部110が音データを入力すると、入力された音データを判定部130が入力文字データへ変換し、入力文字データを表示部150が表示し、情報入力部162が文字データを入力すると、判定部130が音声データへ変換し、音声出力部193が音声データを出力するようにしても良い。
【0077】
このように本形態においては、携帯端末装置102が通知情報を表示した後、音声メッセージ出力指示の操作を受け付けると、音声メッセージを出力する。出力される音声メッセージは、通知情報に対応する音声メッセージや、利用者が選択可能な音声メッセージである。そのため、音声入力部110への音データの入力により利用者に必要な文字情報が通知をされた後に、さらに利用者が周囲にいる他者から詳細な状況などの情報を得たり、声をかけた人や訪問してきた人とのコミュニケーションをスムーズにとったりすることができる。
【0078】
以上、各構成要素に各機能(処理)それぞれを分担させて説明したが、この割り当ては上述したものに限定しない。また、構成要素の構成についても、上述した形態はあくまでも例であって、これに限定しない。複数の構成要素を組み合わせて1つの構成要素にしても良いし、1つの構成要素を複数の構成要素に分割しても良いし、一方の構成要素の機能(処理)を他方の構成要素が担うようにしても良い。また、各実施の形態を組み合わせたものであっても良い。
【0079】
上述した各構成要素が行う処理は、目的に応じてそれぞれ作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を手順として記述したコンピュータプログラム(以下、プログラムと称する)を、携帯端末装置100~102およびサーバー200それぞれにて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを携帯端末装置100~102およびサーバー200それぞれに読み込ませ、実行するものであっても良い。携帯端末装置100~102およびサーバー200それぞれにて読取可能な記録媒体とは、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)、Blu-ray(登録商標) Disc、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SDカードなどの移設可能な記録媒体の他、携帯端末装置100~102およびサーバー200それぞれに内蔵されたROM(Read Only Memory)、RAM等のメモリやHDD(Hard Disc Drive)等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、携帯端末装置100~102およびサーバー200それぞれに設けられたCPUにて読み込まれ、CPUの制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、CPUは、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
【符号の説明】
【0080】
100~102 携帯端末装置
110 音声入力部
120,122,301 記憶部
130,220 判定部
140,142,230 画面作成部
141,250 通知情報生成部
150 表示部
160,162 情報入力部
170 振動部
180 発光部
191,210 制御部
192,240 通信部
193 音声出力部
200 サーバー
400 通信ネットワーク

【要約】
【課題】携帯端末装置の所持者が必要な文字情報だけを得る。
【解決手段】音声入力部110と、登録情報を記憶する記憶部120と、音声入力部110が入力した音データの少なくとも一部が登録情報として記憶部120に記憶されているかどうかを判定する判定部130と、音データの少なくとも一部が登録情報として記憶部120に記憶されていると判定部130が判定した場合、登録情報に応じた通知情報を表示する表示部150とを有する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19