(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/18 20120101AFI20240815BHJP
【FI】
G06Q50/18
(21)【出願番号】P 2024072371
(22)【出願日】2024-04-26
【審査請求日】2024-05-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】597119954
【氏名又は名称】株式会社アイティフォー
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】榎本 顕介
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 伸二
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-170556(JP,A)
【文献】特開2003-256646(JP,A)
【文献】特開2021-082026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
代理人事務所の端末から受任情報の登録を受け付ける受任登録受付部であって、前記受任情報は、前記代理人事務所に債務整理業務または過払金返還請求業務を委任した債務者の情報と、当該債務者が申告した借入先の1または複数の金融機関の情報と、を含む、受任登録受付部と、
前記受任情報により特定される1または複数の金融機関に対して受任通知を行う受任通知部と、
前記金融機関の端末から前記受任通知に対する確認要求を受け取ると、当該金融機関の端末に、当該金融機関を借入先として申告した前記債務者の情報と、当該債務者から委任された前記代理人事務所の情報と、を含む受任内容を送信する受任内容送信部と、
を備えた情報処理システム。
【請求項2】
前記受任通知部は、前記金融機関の端末に表示される進捗管理画面上に、前記受任通知を受領したことを示す情報を表示する、または前記金融機関の端末にメール、SMS、SNSのうちの少なくとも1つで前記受任通知を送信する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記受任通知を受領してから受任内容の確認が行われないまま予め定められた期間が経過した案件の件数を集計して、前記進捗管理画面上で強調表示する進捗管理部をさらに備えた、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記金融機関の端末から前記受任通知に対する回答情報の登録を受け付ける回答登録受付部であって、前記回答情報は、前記債務者の情報と、当該債務者に対する取引の有無を示す情報と、当該債務者から委任された前記
代理人事務所の情報と、を含む、回答登録受付部をさらに備え、
前記進捗管理部は、前記受任内容の確認が行われた案件であって、前記回答情報の登録が行われていない案件の件数を集計して、前記進捗管理画面上にさらに表示する、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記債務者に対する取引有りの場合に、前記金融機関の端末から前記債務者に対する債権届・取引履歴情報の登録を受け付ける債権届・取引履歴登録受付部をさらに備え、
前記進捗管理部は、前記回答情報の登録が行われた案件であって、前記債権届・取引履歴の登録が行われていない案件の件数を集計して、前記進捗管理画面上にさらに表示する、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記回答情報により特定される前記代理人事務所に対して債権届・取引履歴回答通知を行う債権届・取引履歴回答通知部と、
前記代理人事務所の端末から前記債権届・取引履歴回答通知に対する確認要求を受け取ると、当該代理人事務所の端末に、前記金融機関の前記債務者に対する債権届・取引履歴情報を送信する債権届・取引履歴送信部と、
をさらに備えた、請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記債権届・取引履歴回答通知を受領してから債権届・取引履歴情報の確認が行われないまま予め定められた期間が経過した案件の件数を集計して、前記代理
人事務所の端末に表示される第2進捗管理画面上で強調表示する第2進捗管理部をさらに備えた、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
代理人事務所の端末から受任情報の登録を受け付けるステップであって、前記受任情報は、前記代理人事務所に債務整理業務または過払金返還請求業務を委任した債務者の情報と、当該債務者が申告した借入先の1または複数の金融機関の情報と、を含む、ステップと、
前記受任情報により特定される1または複数の金融機関に対して受任通知を行うステップと、
前記金融機関の端末から前記受任通知に対する確認要求を受け取ると、当該金融機関の端末に、当該金融機関を借入先として申告した前記債務者の情報と、当該債務者から委任された前記代理人事務所の情報と、を含む受任内容を送信するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項9】
代理人事務所の端末から受任情報の登録を受け付けるステップであって、前記受任情報は、前記代理人事務所に債務整理業務または過払金返還請求業務を委任した債務者の情報と、当該債務者が申告した借入先の1または複数の金融機関の情報と、を含む、ステップと、
前記受任情報により特定される1または複数の金融機関に対して受任通知を行うステップと、
前記金融機関の端末から前記受任通知に対する確認要求を受け取ると、当該金融機関の端末に、当該金融機関を借入先として申告した前記債務者の情報と、当該債務者から委任された前記代理人事務所の情報と、を含む受任内容を送信するステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、債務整理業務おける法律事務所と金融機関との間での受任通知や債権届・取引履歴のやりとりは、紙(FAXや郵送)が中心であり、手間と労力が掛かっており、ヒューマンエラーが発生しやすい状況でもある。
【0003】
特許文献1では、不動産売買の支援装置であって、金融機関端末および司法書士端末にネットワークを介して接続されている装置が提案されている。この装置は、司法書士端末に登記依頼情報を表示し、司法書士端末から登記が完了したとの情報を受信すると、金融機関の端末に登記依頼完了を通知する。しかし、この装置は、債務整理業務おける法律事務所と金融機関との間でのやりとりを仲介するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたものである。本発明の目的は、債務整理業務または過払金返還請求業務における代理人事務所と金融機関との間でのやりとりの合理化・効率化を図ることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理システムは、
代理人事務所の端末から受任情報の登録を受け付ける受任登録受付部であって、前記受任情報は、前記代理人事務所に債務整理業務または過払金返還請求業務を委任した債務者の情報と、当該債務者が申告した借入先の1または複数の金融機関の情報と、を含む、受任登録受付部と、
前記受任情報により特定される1または複数の金融機関に対して受任通知を行う受任通知部と、
前記金融機関の端末から前記受任通知に対する確認要求を受け取ると、当該金融機関の端末に、当該金融機関を借入先として申告した前記債務者の情報と、当該債務者から委任された前記代理人事務所の情報と、を含む受任内容を送信する受任内容送信部と、
を備える。
【0007】
このような態様によれば、代理人事務所の端末から受任情報の登録を受け付けると、受任情報により特定される1または複数の金融機関に対する受任通知を自動的に行うことで、複数の金融機関への通知送付を一本化することができるとともに、送付先の見落としや取違えなどのヒューマンエラーの発生を防止できる。また、郵送費を削減し、ペーパーレス化を実現できる。これにより、債務整理業務または過払金返還請求業務における代理人事務所と金融機関との間でのやりとりの合理化・効率化を図ることができる。
【0008】
本発明の第2の態様に係る情報処理システムは、第1の態様に係る情報処理システムであって、
前記受任通知部は、前記金融機関の端末に表示される進捗管理画面上に、前記受任通知を受領したことを示す情報を表示する、または前記金融機関の端末にメール、SMS、SNSのうちの少なくとも1つで前記受任通知を送信する。
【0009】
本発明の第3の態様に係る情報処理システムは、第2の態様に係る情報処理システムであって、
前記受任通知を受領してから受任内容の確認が行われないまま予め定められた期間が経過した案件の件数を集計して、前記進捗管理画面上で強調表示する進捗管理部をさらに備える。
【0010】
このような態様によれば、金融機関に対して受任内容の確認を促すことができ、受任内容の確認を長期間怠ってしまって金融庁にクレームがあげられてしまうことを防ぐことができる。
【0011】
本発明の第4の態様に係る情報処理システムは、第2または第3の態様に係る情報処理システムであって、
前記金融機関の端末から前記受任通知に対する回答情報の登録を受け付ける回答登録受付部であって、前記回答情報は、前記債務者の情報と、当該債務者に対する取引の有無を示す情報と、当該債務者から委任された前記法律事務所または司法書士事務所の情報と、を含む、回答登録受付部をさらに備え、
前記進捗管理部は、前記受任内容の確認が行われた案件であって、前記回答情報の登録が行われていない案件の件数を集計して、前記進捗管理画面上にさらに表示する。
【0012】
このような態様によれば、金融機関は、受任内容の確認を行ったものの回答情報の登録を行っていない案件の件数を進捗管理画面上で容易に把握することができる。
【0013】
本発明の第5の態様に係る情報処理システムは、第4の態様に係る情報処理システムであって、
前記債務者に対する取引有りの場合に、前記金融機関の端末から前記債務者に対する債権届・取引履歴情報の登録を受け付ける債権届・取引履歴登録受付部をさらに備え、
前記進捗管理部は、前記回答情報の登録が行われた案件であって、前記債権届・取引履歴の登録が行われていない案件の件数を集計して、前記進捗管理画面上にさらに表示する。
【0014】
このような態様によれば、金融機関は、回答情報の登録を行ったものの債権届・取引履歴の登録を行っていない案件の件数を進捗管理画面上で容易に把握することができる。
【0015】
本発明の第6の態様に係る情報処理システムは、第5の態様に係る情報処理システムであって、
前記回答情報により特定される前記代理人事務所に対して債権届・取引履歴回答通知を行う債権届・取引履歴回答通知部と、
前記代理人事務所の端末から前記債権届・取引履歴回答通知に対する確認要求を受け取ると、当該代理人事務所の端末に、前記金融機関の前記債務者に対する債権届・取引履歴情報を送信する債権届・取引履歴送信部と、
をさらに備える。
【0016】
このような態様によれば、金融機関の端末から回答情報とともに債権届・取引履歴の登録を受け付けると、回答情報により特定される代理人事務所に対して債権届・取引履歴回答通知を自動的に行うことで、送付先の取違えなどのヒューマンエラーの発生を防止できる。また、郵送費を削減し、ペーパーレス化を実現できる。これにより、債務整理業務または過払金返還請求業務における代理人事務所と金融機関との間でのやり取りの一層の合理化・効率化を図ることができる。
【0017】
本発明の第7の態様に係る情報処理システムは、第6の態様に係る情報処理システムであって、
前記債権届・取引履歴回答通知を受領してから債権届・取引履歴情報の確認が行われないまま予め定められた期間が経過した案件の件数を集計して、前記代理印事務所の端末に表示される第2進捗管理画面上で強調表示する第2進捗管理部をさらに備える。
【0018】
このような態様によれば、代理人事務所に対して債権届・取引履歴情報の確認を促すことができる。
【0019】
本発明の第8の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する情報処理方法であって、
代理人事務所の端末から受任情報の登録を受け付けるステップであって、前記受任情報は、前記代理人事務所に債務整理業務または過払金返還請求業務を委任した債務者の情報と、当該債務者が申告した借入先の1または複数の金融機関の情報と、を含む、ステップと、
前記受任情報により特定される1または複数の金融機関に対して受任通知を行うステップと、
前記金融機関の端末から前記受任通知に対する確認要求を受け取ると、当該金融機関の端末に、当該金融機関を借入先として申告した前記債務者の情報と、当該債務者から委任された前記代理人事務所の情報と、を含む受任内容を送信するステップと、
を含む。
【0020】
本発明の第9の態様に係る情報処理プログラムは、
代理人事務所の端末から受任情報の登録を受け付けるステップであって、前記受任情報は、前記代理人事務所に債務整理業務または過払金返還請求業務を委任した債務者の情報と、当該債務者が申告した借入先の1または複数の金融機関の情報と、を含む、ステップと、
前記受任情報により特定される1または複数の金融機関に対して受任通知を行うステップと、
前記金融機関の端末から前記受任通知に対する確認要求を受け取ると、当該金融機関の端末に、当該金融機関を借入先として申告した前記債務者の情報と、当該債務者から委任された前記代理人事務所の情報と、を含む受任内容を送信するステップと、
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、債務整理業務または過払金返還請求業務における代理人事務所と金融機関との間でのやりとりの合理化・効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、一実施の形態に係る情報処理システムを含むシステムの全体構成を示す図である。
【
図2】
図2は、一実施の形態に係る情報処理システムの概略的な構成を示す図である。
【
図3】
図3は、進捗管理データベースに記憶されている情報の一例を説明するための図である。
【
図4】
図4は、一実施の形態に係る情報処理システムの動作の一例を説明するための図である。
【
図5】
図5は、代理人事務所の端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、代理人事務所の端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、代理人事務所の端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、金融機関の端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、金融機関の端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、金融機関の端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、金融機関の端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、金融機関の端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、金融機関の端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、金融機関の端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、金融機関の端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、金融機関の端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、金融機関の端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図18】
図18は、金融機関の端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図19】
図19は、代理人事務所の端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図20】
図20は、代理人事務所の端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図21】
図21は、代理人事務所の端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図22】
図22は、代理人事務所の端末に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の説明および以下の説明で用いる図面では、同一に構成され得る部分について、同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。また、本明細書において、代理人事務所とは、債務整理業務または過払金返還請求業務を行うことができる弁護士や認定司法書士が所属する事務所をいい、たとえば法律事務所または司法書士事務所であってもよい。また、金融機関とは、たとえば消費者金融業者やクレジットカード会社、信販会社などの貸金業者であってもよい。また、本明細書において、債権届・取引履歴とは、債権届および/または取引履歴をいう。
【0024】
(装置の構成)
図1は、一実施の形態に係る情報処理システム2を含むシステムの全体構成を示す図である。
図1に示すように、情報処理システム1は、1または複数の代理人事務所の端末3A~3Cおよび1または複数の金融機関の端末4A~4Cにインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続されている。ネットワークは、有線回線と無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。なお、情報処理システム1の少なくとも一部は、1または複数のコンピュータにより実現される。
【0025】
図2は、情報処理システム2の概略的な構成を示す図ある。
図2に示すように、情報処理システム2は、通信部21と、制御部22と、記憶部23とを有している。各部21~23は、バスやネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0026】
このうち通信部21は、情報処理システム2と外部のネットワークとの間の通信インターフェースである。通信部21は、インターネット等の外部のネットワークを介して情報処理システム2と代理人事務所の端末3A~3Cおよび金融機関の端末4A~4Cとの間で情報を送受信する。
【0027】
記憶部23は、たとえばフラッシュメモリやハードディスク等の不揮発性データストレージである。記憶部23には、制御部22が取り扱う各種データが記憶される。たとえば、記憶部23は、進捗管理データベース23aを含んでいる。
【0028】
図3は、進捗管理データベース23aに記憶されている情報の一例を説明するための図である。
図3に示すように、進捗管理データベース23aには、案件ごとに、債務者の情報と、債務者から委任された代理人事務所の情報と、債務者が借入先として申告した1つの金融機関の情報と、当該案件のステータスとが、案件番号とともに互いに関連付けられて記憶されている。このうち、ステータスは、代理人事務所と金融機関との間でのやりとりの進捗状況を示す情報であり、たとえば、(金融機関からの)受任確認待ち、(金融機関からの)契約回答待ち、完了(取引なし)、(金融機関からの)債権届・取引履歴回答待ち、(代理人事務所からの)債権届・取引履歴確認待ち、(代理人事務所からの)債権届・取引履歴回答済み、から選択される1つであってもよい。
図3に示すように、進捗管理データベース23aには、案件ごとに、受任通知日と、受任内容確認日と、契約回答日と、債権届・取引履歴回答日と、債権届・取引履歴確認日のうちの1つまたは2つ以上の情報がさらに関連付けられて記憶されていてもよい。
【0029】
なお、記憶部23は、物理的には、必ずしも情報処理システム2内に設けられていなくてもよく、記憶部23の一部または全部は、外部のネットワークを介して情報処理システム2と通信可能に接続された別の装置(たとえばクラウドストレージ)内に設けられていてもよい。
【0030】
図2に示すように、制御部22は、受任登録受付部22aと、受任通知部22bと、受任内容送信部22cと、進捗管理部22dと、回答登録受付部22eと、債権届・取引履歴登録受付部22fと、債権届・取引履歴回答通知部22gと、債権届・取引履歴送信部22hと、第2進捗管理部22iとを有している。これらの各部22a~22iは、情報処理システム2内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアで実装されてもよい。
【0031】
受任登録受付部22aは、代理人事務所の端末3A~3Cから受任情報の登録を受け付ける。受任情報は、代理人事務所に債務整理業務または過払金返還請求業務を委任した債務者の情報と、当該債務者が申告した借入先の1または複数の金融機関の情報と、を含んでいてもよい。たとえば、受任登録受付部22aは、代理人事務所の端末3A~3Cに受任登録画面(
図6参照)を表示し、受任登録画面上で入力された債務者の情報(氏名、旧姓、生年月日、住所、旧住所、相続人氏名など)と、金融機関の情報(金融機関会員コードなど)とを、登録すべき受任情報として取得してもよい。受任情報は、さらに、受任日と、受任通知日と、代理人名と、代理人事務所内での案件番号と、対応方針と、回答依頼情報のうちの1つまたは2つ以上を含んでいてもよい。
【0032】
受任登録受付部22aは、受任情報の登録を受け付けると、受任情報により特定される金融機関ごとに、債務者の情報と、代理人事務所の情報と、当該金融機関の情報とを互いに関連付けて、新規案件として進捗管理データベース23aに記憶してもよい。
【0033】
受任通知部22bは、受任登録受付部22aが受任情報の登録を受け付けると、受任情報により特定される1または複数の金融機関に対して受任通知を行う。一例として、受任通知部22bは、金融機関の端末4A~4Cに表示される進捗管理画面(
図9参照)上に、受任通知を受領したことを示す情報を表示(たとえば、「受任連絡確認要」のボックスに表示される数字の値を1増やす)してもよい。別例として、受任通知部22bは、
図12を参照し、金融機関の端末4A~4Cにメール、ショートメッセージ(SMS)、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のうちの少なくとも1つで受任通知を送信してもよい。代理人事務所の端末3A~3Cから受任情報の登録を受け付けると、受任通知部22bが、受任情報により特定される1または複数の金融機関に対する受任通知を自動的に行うことで、複数の金融機関への通知送付を一本化することができるとともに、送付先の見落としや取違えなどのヒューマンエラーの発生を防止できる。
【0034】
受任通知部22bは、金融機関に対する受任通知を行うと、進捗管理データベース23aに記憶されている当該案件のステータスを「(金融機関からの)受任確認待ち」に変更してもよいし、受任通知を行った日時を当該案件の受任通知日として進捗管理データベース23aに記憶してもよい。
【0035】
受任内容送信部22cは、金融機関の端末4A~4Cから受任通知に対する確認要求を受け取ると、当該金融機関の端末4A~4Cに、当該金融機関を借入先として申告した債務者の情報と、当該債務者から委任された代理人事務所の情報と、を含む受任内容を送信する。たとえば、
図10を参照し、金融機関の端末4A~4C上に、受任通知を受領した案件のリストが表示された状態で、1つの案件が選択されたのち「介入情報」のボタンがクリック(またはタッチ)されると、受任内容送信部22cは、当該案件の受任内容を進捗管理データベース23aから抽出し、
図11に示すように、金融機関の端末4A~4Cに送信して表示する。
【0036】
受任内容送信部22cは、金融機関の端末4A~4Cに受任内容を送信すると、進捗管理データベース23aに記憶されている当該案件のステータスを「(金融機関からの)契約回答待ち」に変更してもよいし、受任内容の送信を行った日時を当該案件の受任内容確認日として進捗管理データベース23aに記憶してもよい。
【0037】
進捗管理部22dは、進捗管理データベース23aを参照し、受任通知を受領してから受任内容の確認が行われないまま予め定められた期間(たとえば2週間)が経過した案件(すなわち、ステータスが「受任確認待ち」であり、受任通知日が2週間以上前の案件)の件数を集計して、進捗管理画面(
図9参照)上で強調表示する。具体的には、たとえば、
図9を参照し、進捗管理部22dは、「受任連絡確認要」のボックス上で、受任通知を受領してから受任内容の確認が行われないまま予め定められた期間が経過した案件の件数(「11」)を、当該期間が経過する前の案件の件数(「6」)とは別に目立つ色(または大きいサイズや異なるフォントなど)で強調表示してもよい。ここで、「予め定められた期間」は、金融機関が任意に設定可能な期間であってもよい。受任通知を受領してから受任内容の確認が行われないまま予め定められた期間(たとえば2週間)が経過した案件の件数を強調表示することにより、金融機関に対して受任内容の確認を促すことができ、受任内容の確認を長期間怠ってしまって金融庁にクレームがあげられてしまうことを防ぐことができる。
【0038】
回答登録受付部22eは、金融機関の端末4A~4Cから受任通知に対する回答情報の登録を受け付ける。回答情報は、債務者の情報と、当該債務者に対する取引の有無を示す情報と、当該債務者から委任された法律事務所または司法書士事務所の情報と、を含んでいてもよい。たとえば、金融機関の端末4A~4Cに受任内容が表示された状態で(
図11参照)、「取引なし」のボタンがクリック(またはタッチ)されると、回答登録受付部22eは、金融機関の端末4A~4Cに取引なしの内容(分類)を入力するための画面(
図13参照)を表示し、当該画面上で入力された内容を、取引なしの回答情報として取得してもよい。また、たとえば、代理人事務所の端末3A~3Cに受任内容が表示された状態で(
図11参照)、「契約登録」のボタンがクリック(またはタッチ)されると、回答登録受付部22eは、金融機関の端末4A~4Cに契約(取引)の内容を入力するための画面(
図15参照)を表示し、当該画面上で入力された内容を、取引ありの回答情報として取得してもよい。
【0039】
回答情報において取引ありの場合には、回答登録受付部22eは、進捗管理データベース23aに記憶されている当該案件のステータスを「(金融機関からの)債権届・取引履歴回答待ち」に変更してもよいし、回答情報の登録を受け付けた日時を当該案件の契約回答日として進捗管理データベース23aに記憶してもよい。他方、回答情報において取引なしの場合には、回答登録受付部22eは、進捗管理データベース23aに記憶されている当該案件のステータスを「完了(取引なし)」に変更してもよい。
【0040】
進捗管理部22dは、進捗管理データベース23aを参照し、受任内容の確認が行われた案件であって、回答情報の登録が行われていない案件(すなわち、ステータスが「契約回答待ち」の案件)の件数を集計して、進捗管理画面(
図9参照)上にさらに表示してもよい。具体的には、たとえば、進捗管理部22dは、受任内容の確認が行われた案件であって、回答情報の登録が行われていない案件の件数を、進捗管理画面(
図9参照)に表示された「契約回答要」のボックス上に表示してもよい。これにより、金融機関は、受任内容の確認を行ったものの回答情報の登録を行っていない案件の件数を進捗管理画面上で容易に把握することができる。
【0041】
進捗管理部22dは、進捗管理データベース23aを参照し、受任内容の確認が行われてから回答情報の登録が行われないまま予め定められた期間(たとえば2週間)が経過した案件(すなわち、ステータスが「契約回答待ち」であり、受任内容確認日が2週間以上前の案件)の件数を集計して、進捗管理画面(
図9参照)上で強調表示してもよい。具体的には、たとえば、
図9を参照し、進捗管理部22dは、「契約回答要」のボックス上で、受任内容の確認が行われてから回答情報の登録が行われないまま予め定められた期間が経過した案件の件数(「4」)を、当該期間が経過する前の案件の件数(「9」)とは別に目立つ色(または大きいサイズや異なるフォントなど)で強調表示してもよい。これにより、金融機関に対して回答情報の登録を促すことができる。
【0042】
債権届・取引履歴登録受付部22fは、債務者に対する取引有りの場合に、金融機関の端末4A~4Cから債務者に対する債権届・取引履歴情報の登録を受け付ける。たとえば、金融機関の端末4A~4Cに債務者に対する契約のリストが表示された状態で(
図17参照)、1つの契約が選択されたのち「債権届・取引履歴登録」のボタンがクリック(またはタッチ)されると、回答登録受付部22eは、金融機関の端末4A~4Cに債権届・取引履歴情報の電子ファイルをアップロードするための画面(
図18参照)を表示し、当該画面上に入力された電子ファイルを、登録すべき債権届・取引履歴情報として取得してもよい。
【0043】
債権届・取引履歴登録受付部22fは、金融機関の端末4A~4Cから債権届・取引履歴情報の登録を受け付けると、進捗管理データベース23aに記憶されている当該案件のステータスを「(代理人事務所からの)債権届・取引履歴確認待ち」に変更してもよいし、債権届・取引履歴情報の登録を受け付けた日時を当該案件の債権届・取引履歴回答日として進捗管理データベース23aに記憶してもよい。
【0044】
進捗管理部22dは、進捗管理データベース23aを参照し、回答情報の登録が行われた案件であって、債権届・取引履歴情報の登録が行われていない案件(すなわち、ステータスが「債権届・取引履歴回答待ち」の案件)の件数を集計して、進捗管理画面(
図9参照)上にさらに表示してもよい。具体的には、たとえば、進捗管理部22dは、回答情報の登録が行われた案件であって、債権届・取引履歴情報の登録が行われていない案件の件数を、進捗管理画面(
図9参照)に表示された「債権届回答要」のボックス上に表示してもよい。これにより、金融機関は、回答情報の登録を行ったものの債権届・取引履歴情報の登録を行っていない案件の件数を進捗管理画面上で容易に把握することができる。
【0045】
進捗管理部22dは、進捗管理データベース23aを参照し、回答情報の登録が行われてから債権届・取引履歴情報の登録が行われないまま予め定められた期間(たとえば2週間)が経過した案件(すなわち、ステータスが「債権届・取引履歴回答待ち」であり、契約回答日が2週間以上前の案件)の件数を集計して、進捗管理画面(
図9参照)上で強調表示してもよい。具体的には、たとえば、
図9を参照し、進捗管理部22dは、「債権届回答要」のボックス上で、回答情報の登録が行われてから債権届・取引履歴情報の登録が行われないまま予め定められた期間が経過した案件の件数(「13」)を、当該期間が経過する前の案件の件数(「2」)とは別に目立つ色(または大きいサイズや異なるフォントなど)で強調表示してもよい。これにより、金融機関に対して債権届・取引履歴情報の登録を促すことができる。
【0046】
債権届・取引履歴回答通知部22gは、登録された回答情報により特定される代理人事務所に対して債権届・取引履歴回答通知を行う。一例として、債権届・取引履歴回答通知部22gは、代理人事務所の端末3A~3Cに表示される第2進捗管理画面(
図19参照)上に、債権届・取引履歴回答通知を受領したことを示す情報を表示(たとえば、「債権届確認要」のボックスに表示される数字の値を1増やす)してもよい。別例として、債権届・取引履歴回答通知部22gは、代理人事務所の端末3A~3Cにメール、ショートメッセージ(SMS)、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のうちの少なくとも1つで債権届・取引履歴回答通知を送信してもよい。金融機関の端末4A~4Cから債権届・取引履歴情報の登録を受け付けると、債権届・取引履歴回答通知部22gが、登録された回答情報により特定される代理人事務所に対する債権届・取引履歴回答通知を自動的に行うことで、送付先の見落としや取違えなどのヒューマンエラーの発生を防止できる。
【0047】
債権届・取引履歴送信部22hは、代理人事務所の端末3A~3Cから債権届・取引履歴回答通知に対する確認要求を受け取ると、当該代理人事務所の端末3A~3Cに債権届・取引履歴情報を送信する。たとえば、
図20を参照し、代理人事務所の端末3A~3C上に、債権届・取引履歴回答通知を受領した案件のリストが表示された状態で、1つの案件が選択されたのち「受任情報」のボタンがクリック(またはタッチ)されると、債権届・取引履歴送信部22hは、
図21に示すように、選択された案件の受任情報を代理人事務所の端末3A~3Cに送信して表示してもよい。そして、受任情報が表示された画面上の「債権届ダウンロード」のボタンがクリック(またはタッチ)されると、債権届・取引履歴送信部22hは、
図22に示すように、当該案件について登録された回答情報により特定される契約(1つの金融機関の債務者に対する契約)のリストを、代理人事務所の端末3A~3Cに送信して表示してもよい。次いで、各契約について表示されている「債権届」または「取引履歴」のダウンロードのボタンがクリック(またはタッチ)されると、債権届・取引履歴送信部22hは、当該契約に対応する債権届・取引履歴情報を、代理人事務所の端末3A~3Cに送信してもよい。
【0048】
債権届・取引履歴送信部22hは、代理人事務所の端末3A~3Cに債権届・取引履歴情報を送信すると、進捗管理データベース23aに記憶されている当該案件のステータスを「(代理人事務所からの)債権届・取引履歴回答済み」に変更してもよいし、債権届・取引履歴情報の送信を行った日時を当該案件の債権届・取引履歴確認日として進捗管理データベース23aに記憶してもよい。
【0049】
第2進捗管理部22iは、進捗管理データベース23aを参照し、債権届・取引履歴回答通知を受領してから債権届・取引履歴情報の確認が行われないまま予め定められた期間(たとえば2週間)が経過した案件(すなわち、ステータスが「債権届・取引履歴確認待ち」であり、債権届・取引履歴回答日が2週間以上前の案件)の件数を集計して、第2進捗管理画面(
図19参照)上で強調表示する。具体的には、たとえば、
図19を参照し、第2進捗管理部22iは、「債権届確認要」のボックス上で、債権届・取引履歴回答通知を受領してから債権届・取引履歴情報の確認が行われないまま予め定められた期間が経過した案件の件数(「16」)を、当該期間が経過する前の案件の件数(「8」)とは別に目立つ色(または大きいサイズや異なるフォントなど)で強調表示してもよい。ここで、「予め定められた期間」は、代理人事務所が任意に設定可能な期間であってもよい。債権届・取引履歴回答通知を受領してから債権届・取引履歴情報の確認が行われないまま予め定められた期間(たとえば2週間)が経過した案件の件数を強調表示することにより、代理人事務所に対して債権届・取引履歴情報の確認を促すことができ、債権届・取引履歴情報の確認を長期間怠ってしまって弁護士会や司法書士会にクレームがあげられてしまうことを防ぐことができる。
【0050】
(動作の一例)
次に、
図4~
図21を参照して、情報処理システム2の動作の一例について説明する。
図4は、情報処理システム2の動作の一例を説明するための図である。
図5~
図21は、代理人事務所の端末3A~3Cまたは金融機関の端末4A~4Cに表示される画面の一例を示す図である。
【0051】
図4に示すように、まず、受任登録受付部22aが、代理人事務所の端末3A~3Cから受任情報の登録を受け付ける(ステップS10)。たとえば、代理人事務所の端末3A~3Cに表示されているメニュー画面(
図5参照)上で、「受任登録」のボタンがクリック(またはタッチ)されると、受任登録受付部22aは、代理人事務所の端末3A~3Cに受任登録画面(
図6参照)を送信して表示する。次いで、受任登録画面上で、債務者の情報(氏名、旧姓、生年月日、住所、旧住所、相続人氏名など)と金融機関の情報(金融機関会員コードなど)とが入力されたのち、「登録」のボタンがクリック(またはタッチ)されると、受任登録受付部22aは、入力された情報を登録すべき受任情報として取得する。
【0052】
一変形例として、
図5を参照し、代理人事務所の端末3A~3Cに表示されているメニュー画面上で、「ファイル取込」のボタンがクリック(またはタッチ)されると、受任登録受付部22aは、代理人事務所の端末3A~3Cにファイル取込画面(
図7参照)を送信して表示してもよい。次いで、ファイル取込画面を介して予め作成されたファイルがアップロードされると、受任登録受付部22aは、アップロードされたファイルにリストされている債務者および金融機関の情報を登録すべき受任情報として取得してもよい。
【0053】
受任登録受付部22aは、受任情報の登録を受け付けると、受任情報により特定される金融機関ごとに、債務者の情報と、代理人事務所の情報と、当該金融機関の情報とを互いに関連付けて、新規案件として進捗管理データベース23aに記憶してもよい。
【0054】
次に、受任通知部22bは、受任情報により特定される1または複数の金融機関に対して受任通知を行う(ステップS11)。たとえば、金融機関の端末4A~4Cに表示されているメニュー画面(
図8参照)上で、「進捗管理」のボタンがクリック(またはタッチ)されると、進捗管理部22dは、金融機関の端末4A~4Cに進捗管理画面(
図9参照)を送信して表示する。このとき、受任通知部22bは、受任情報により特定される1または複数の金融機関の端末4A~4Cに対して、受任通知を受領したことを示す情報を、進捗管理画面上に表示する(たとえば、「受任連絡確認要」のボックスに表示される数字の値を1増やす)。そして、進捗管理画面(
図9参照)上で「受任連絡確認要」のボックスがクリック(またはタッチ)されると、受任通知部22bは、
図10に示すように、受任通知を受領した案件のリストを表示する。
【0055】
一変形例として、
図12を参照し、受任通知部22bは、受任情報により特定される1または複数の金融機関の端末4A~4Cにメール、ショートメッセージ(SMS)、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のうちの少なくとも1つで受任通知を送信してもよい。
【0056】
受任通知部22bは、金融機関に対する受任通知を行うと、進捗管理データベース23aに記憶されている当該案件のステータスを「(金融機関からの)受任確認待ち」に変更してもよいし、受任通知を行った日時を当該案件の受任通知日として進捗管理データベース23aに記憶してもよい。
【0057】
次いで、受任内容送信部22cは、金融機関の端末4A~4Cから受任通知に対する確認要求を受け取ると、当該金融機関の端末4A~4Cに、当該金融機関を借入先として申告した債務者の情報と、当該債務者から委任された代理人事務所の情報と、を含む受任内容を送信する(ステップS12)。たとえば、
図10を参照し、金融機関の端末4A~4C上に、受任通知を受領した案件のリストが表示された状態で、1つの案件が選択されたのち「介入情報」のボタンがクリック(またはタッチ)されると、受任内容送信部22cは、当該案件の受任内容を進捗管理データベース23aから抽出し、
図11に示すように、金融機関の端末4A~4Cに送信して表示する。
【0058】
受任内容送信部22cは、金融機関の端末4A~4Cに受任内容を送信すると、進捗管理データベース23aに記憶されている当該案件のステータスを「(金融機関からの)契約回答待ち」に変更してもよいし、受任内容の送信を行った日時を当該案件の受任内容確認日として進捗管理データベース23aに記憶してもよい。また、進捗管理部22dは、進捗管理データベース23aを参照し、受任通知を受領してから受任内容の確認が行われないまま予め定められた期間(たとえば2週間)が経過した案件(すなわち、ステータスが「受任確認待ち」であり、受任通知日が2週間以上前の案件)の件数を集計して、進捗管理画面(
図9参照)上の「受任連絡確認要」のボックス内で強調表示してもよい。
【0059】
次いで、回答登録受付部22eが、金融機関の端末4A~4Cから受任通知に対する回答情報の登録を受け付ける(ステップS13)。たとえば、金融機関の端末4A~4Cに受任内容が表示された状態で(
図11参照)、「取引なし」のボタンがクリック(またはタッチ)されると、回答登録受付部22eは、金融機関の端末4A~4Cに取引なしの内容(分類)を入力するための画面(
図13参照)を表示し、当該画面上で入力された内容を、取引なしの回答情報として取得する。また、たとえば、代理人事務所の端末3A~3Cに受任内容が表示された状態で(
図11参照)、「契約登録」のボタンがクリック(またはタッチ)されると、回答登録受付部22eは、金融機関の端末4A~4Cに契約(取引)の内容を入力するための画面(
図15参照)を表示し、当該画面上で入力された内容を、取引ありの回答情報として取得する。
【0060】
次いで、債権届・取引履歴登録受付部22fが、登録された回答情報に基づいて、金融機関の債務者に対する取引の有無を判断する(ステップS14)。回答情報において取引なしの場合には(ステップS14:NO)、回答登録受付部22eは、進捗管理データベース23aに記憶されている当該案件のステータスを「完了(取引なし)」に変更してもよい。
【0061】
他方、回答情報において取引ありの場合には(ステップS14:YES)、回答登録受付部22eは、進捗管理データベース23aに記憶されている当該案件のステータスを「(金融機関からの)債権届・取引履歴回答待ち」に変更してもよいし、回答情報の登録を受け付けた日時を当該案件の契約回答日として進捗管理データベース23aに記憶してもよい。また、進捗管理部22dは、進捗管理データベース23aを参照し、受任内容の確認が行われた案件であって、回答情報の登録が行われていない案件(すなわち、ステータスが「契約回答待ち」の案件)の件数を集計して、進捗管理画面(
図9参照)上の「契約回答要」のボックス内に表示してもよい。
【0062】
次いで、回答情報において取引ありの場合には(ステップS14:YES)、債権届・取引履歴登録受付部22fが、金融機関の端末4A~4Cから債務者に対する債権届・取引履歴情報の登録を受け付ける(ステップS15)。たとえば、代理人事務所の端末3A~3Cに受任内容が表示された状態で(
図16参照)、「契約一覧」のボタンがクリック(またはタッチ)されると、債権届・取引履歴登録受付部22eは、
図17に示すように、回答情報により特定される契約(金融機関の債務者に対する契約)のリストを、金融機関の端末4A~4Cに送信して表示する。次いで、各契約について表示されている「債権届」または「取引履歴」のアップロードのボタンがクリック(またはタッチ)されると、回答登録受付部22eは、金融機関の端末4A~4Cに債権届・取引履歴情報の電子ファイルをアップロードするための画面(
図18参照)を表示し、当該画面上に入力された電子ファイルを、登録すべき債権届・取引履歴情報として取得する。
【0063】
債権届・取引履歴登録受付部22fは、金融機関の端末4A~4Cから債権届・取引履歴情報の登録を受け付けると、進捗管理データベース23aに記憶されている当該案件のステータスを「(代理人事務所からの)債権届・取引履歴確認待ち」に変更してもよいし、債権届・取引履歴情報の登録を受け付けた日時を当該案件の債権届・取引履歴回答日として進捗管理データベース23aに記憶してもよい。また、進捗管理部22dは、進捗管理データベース23aを参照し、回答情報の登録が行われた案件であって、債権届・取引履歴情報の登録が行われていない案件(すなわち、ステータスが「債権届・取引履歴回答待ち」の案件)の件数を集計して、進捗管理画面(
図9参照)上の「債権届回答要」のボックス内に表示してもよい。
【0064】
次に、債権届・取引履歴回答通知部22gが、登録された回答情報により特定される代理人事務所に対して債権届・取引履歴回答通知を行う(ステップS16)。たとえば、代理人事務所の端末3A~3Cに表示されているメニュー画面(
図5参照)上で、「進捗管理」のボタンがクリック(またはタッチ)されると、進捗管理部22dは、代理人事務所の端末3A~3Cに第2進捗管理画面(
図19参照)を送信して表示する。このとき、債権届・取引履歴回答通知部22gは、登録された回答情報により特定される代理人事務所の端末3A~3Cに対して、債権届・取引履歴回答通知を受領したことを示す情報を、第2進捗管理画面上に表示する(たとえば、「債権届確認要」のボックスに表示される数字の値を1増やす)。そして、第2進捗管理画面(
図19参照)上で「債権届確認要」のボックスがクリック(またはタッチ)されると、債権届・取引履歴回答通知部22gは、
図20に示すように、債権届・取引履歴回答通知を受領した案件のリストを表示する。
【0065】
一変形例として、債権届・取引履歴回答通知部22gは、代理人事務所の端末3A~3Cにメール、ショートメッセージ(SMS)、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のうちの少なくとも1つで債権届・取引履歴回答通知を送信してもよい。
【0066】
次いで、債権届・取引履歴送信部22hは、代理人事務所の端末3A~3Cから債権届・取引履歴回答通知に対する確認要求を受け取ると、当該代理人事務所の端末3A~3Cに債権届・取引履歴情報を送信する(ステップS17)。たとえば、
図20を参照し、代理人事務所の端末3A~3C上に、債権届・取引履歴回答通知を受領した案件のリストが表示された状態で、1つの案件が選択されたのち「受任情報」のボタンがクリック(またはタッチ)されると、債権届・取引履歴送信部22hは、
図21に示すように、選択された案件の受任情報を代理人事務所の端末3A~3Cに送信して表示する。そして、受任情報が表示された画面上の「債権届ダウンロード」のボタンがクリック(またはタッチ)されると、債権届・取引履歴送信部22hは、
図22に示すように、当該案件について登録された回答情報により特定される契約(1つの金融機関の債務者に対する契約)のリストを、代理人事務所の端末3A~3Cに送信して表示する。次いで、各契約について表示されている「債権届」または「取引履歴」のダウンロードのボタンがクリック(またはタッチ)されると、債権届・取引履歴送信部22hは、当該契約に対応する債権届・取引履歴情報を、代理人事務所の端末3A~3Cに送信する。
【0067】
債権届・取引履歴送信部22hは、代理人事務所の端末3A~3Cに債権届・取引履歴情報を送信すると、進捗管理データベース23aに記憶されている当該案件のステータスを「(代理人事務所からの)債権届・取引履歴回答済み」に変更してもよいし、債権届・取引履歴情報の送信を行った日時を当該案件の債権届・取引履歴確認日として進捗管理データベース23aに記憶してもよい。また、第2進捗管理部22iは、進捗管理データベース23aを参照し、債権届・取引履歴回答通知を受領してから債権届・取引履歴情報の確認が行われないまま予め定められた期間(たとえば2週間)が経過した案件(すなわち、ステータスが「債権届・取引履歴確認待ち」であり、債権届・取引履歴回答日が2週間以上前の案件)の件数を集計して、第2進捗管理画面(
図19参照)上の「債権届確認要」のボックスで強調表示してもよい。
【0068】
以上のような実施の形態によれば、代理人事務所の端末3A~3Cから受任情報の登録を受け付けると、受任情報により特定される1または複数の金融機関に対する受任通知を自動的に行うことで、複数の金融機関への通知送付を一本化することができるとともに、送付先の見落としや取違えなどのヒューマンエラーの発生を防止できる。また、郵送費を削減し、ペーパーレス化を実現できる。これにより、債務整理業務または過払金返還請求業務における代理人事務所と金融機関との間でのやりとりの合理化・効率化を図ることができる。
【0069】
また、本実施の形態によれば、進捗管理部22dが、受任通知を受領してから受任内容の確認が行われないまま予め定められた期間が経過した案件の件数を集計して、金融機関の端末4A~4Cに表示される進捗管理画面上で強調表示するため、金融機関に対して受任内容の確認を促すことができ、受任内容の確認を長期間怠ってしまって金融庁にクレームがあげられてしまうことを防ぐことができる。
【0070】
また、本実施の形態によれば、金融機関の端末4A~4Cから受任通知に対する回答情報とともに債権届・取引履歴の登録を受け付けると、回答情報により特定される代理人事務所に対して債権届・取引履歴回答通知を自動的に行うことで、送付先の取違えなどのヒューマンエラーの発生を防止できる。また、郵送費を削減し、ペーパーレス化を実現できる。これにより、債務整理業務または過払金返還請求業務における代理人事務所と金融機関との間でのやり取りの一層の合理化・効率化を図ることができる。
【0071】
なお、上述した実施の形態の記載および図面の開示は、特許請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎず、上述した実施の形態の記載または図面の開示によって特許請求の範囲に記載された発明が限定されることはない。上述した実施の形態の構成要素は、発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に組み合わせることが可能である。
【0072】
また、上述した実施の形態に係る情報処理システム2は1つまたは複数のコンピュータによって構成され得るが、1つまたは複数のコンピュータに情報処理システム2を実現させるためのプログラム及び当該プログラムを非一時的(non-transitory)に記録したコンピュータ読取可能な記録媒体も、本件の保護対象である。
【符号の説明】
【0073】
2 情報処理システム
21 通信部
22 制御部
22a 受任登録受付部
22b 受任通知部
22c 受任内容送信部
22d 進捗管理部
22e 回答登録受付部
22f 債権届・取引履歴登録受付部
22g 債権届・取引履歴回答通知部
22h 債権届・取引履歴送信部
22i 第2進捗管理部
23 記憶部
23a 進捗管理データベース
3A~3C 代理人事務所の端末
4A~4C 金融機関の端末
【要約】
【課題】債務整理業務または過払金返還請求業務における代理人事務所と金融機関との間でのやりとりの合理化・効率化を図ることができる技術を提供する。
【解決手段】情報処理システムは、代理人事務所の端末から受任情報の登録を受け付ける受任登録受付部であって、前記受任情報は、前記代理人事務所に債務整理業務または過払金返還請求業務を委任した債務者の情報と、当該債務者が申告した借入先の1または複数の金融機関の情報と、を含む、受任登録受付部と、前記受任情報により特定される1または複数の金融機関に対して受任通知を行う受任通知部と、前記金融機関の端末から前記受任通知に対する確認要求を受け取ると、当該金融機関の端末に、当該金融機関を借入先として申告した前記債務者の情報と、当該債務者から委任された前記代理人事務所の情報と、を含む受任内容を送信する受任内容送信部と、を備える。
【選択図】
図1