(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】情報中継装置、情報中継方法、及び、情報中継プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/27 20190101AFI20240815BHJP
【FI】
G06F16/27
(21)【出願番号】P 2024088133
(22)【出願日】2024-05-30
【審査請求日】2024-05-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513056101
【氏名又は名称】フリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148725
【氏名又は名称】吉田 信彦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康平
【審査官】甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-160226(JP,A)
【文献】特開2023-005984(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
提供元ユーザ情報を提供する情報提供装置にアクセスするための認証情報を記憶する中継記憶部と、
前記認証情報によって認証を受けて前記情報提供装置にアクセスし、前記情報提供装置から前記提供元ユーザ情報を取得し、前記提供元ユーザ情報に基づく中継ユーザ情報を前記中継記憶部に記憶させるユーザ情報取得部と、
前記中継ユーザ情報に基づいて、所定形式を有する送信情報を生成する送信情報生成部と、
前記送信情報を情報受取装置に送信する送信部と、
を有する情報中継装置。
【請求項2】
前記所定形式は、SCIMに準拠したJSON形式である、請求項1に記載の情報中継装置。
【請求項3】
前記中継記憶部は、前記中継ユーザ情報を記憶し、
前記送信情報生成部は、前記中継記憶部に記憶された前記中継ユーザ情報に基づいて、前記送信情報を生成する、
請求項1に記載の情報中継装置。
【請求項4】
前記ユーザ情報取得部が、前記情報提供装置から前記提供元ユーザ情報を取得し、前記提供元ユーザ情報に基づく前記中継ユーザ情報を取得すると、前記送信情報生成部が、前記中継ユーザ情報に基づいて、前記所定形式の前記送信情報を生成し、前記送信部が前記送信情報を前記情報受取装置に送信する、請求項1に記載の情報中継装置。
【請求項5】
リクエスト受信部を有し、
前記リクエスト受信部は、前記情報受取装置から情報提供リクエストを受信し、
前記ユーザ情報取得部は、前記情報提供リクエストの受信に応じ、前記情報提供装置から前記提供元ユーザ情報を取得し、前記提供元ユーザ情報に基づく前記中継ユーザ情報を前記中継記憶部に記憶させ、
前記送信情報生成部は、前記中継ユーザ情報に基づいて、前記所定形式の前記送信情報を生成し、
前記送信部は、前記送信情報を前記情報受取装置に送信する、
請求項1に記載の情報中継装置。
【請求項6】
前記認証情報は、HTTP認証に用いられる情報である、請求項1に記載の情報中継装置。
【請求項7】
前記情報提供装置は、第1の情報提供装置と第2の情報提供装置を有し、
前記ユーザ情報取得部は、前記第1の情報提供装置から取得した第1の提供元ユーザ情報に基づく第1の中継ユーザ情報と、前記第2の情報提供装置から取得した第2の提供元ユーザ情報に基づく第2の中継ユーザ情報とを前記中継記憶部に記憶させ、
前記送信情報生成部は、前記第1の中継ユーザ情報に不足項目があるとき、前記第2の中継ユーザ情報から前記不足項目を取得し、前記送信情報を生成する、
請求項1に記載の情報中継装置。
【請求項8】
前記中継ユーザ情報は、組織における人事に関する情報である、請求項1に記載の情報中継装置。
【請求項9】
ユーザ情報取得部により、提供元ユーザ情報を提供する情報提供装置にアクセスするための中継記憶部に記憶された認証情報によって認証を受けて前記情報提供装置にアクセスし、前記情報提供装置から前記提供元ユーザ情報を取得し、前記提供元ユーザ情報に基づく中継ユーザ情報を前記中継記憶部に記憶させ、
送信情報生成部により、前記中継ユーザ情報に基づいて、所定形式を有する送信情報を生成し、
送信部により、前記送信情報を情報受取装置に送信する、
を有する情報中継方法。
【請求項10】
提供元ユーザ情報を提供する情報提供装置にアクセスするための中継記憶部に記憶された認証情報によって認証を受けて前記情報提供装置にアクセスし、前記情報提供装置から前記提供元ユーザ情報を取得し、前記提供元ユーザ情報に基づく中継ユーザ情報を前記中継記憶部に記憶させるユーザ情報取得部のコードと、
前記中継ユーザ情報に基づいて、所定形式を有する送信情報を生成する送信情報生成部のコードと、
前記送信情報を情報受取装置に送信する送信部のコードと、
をコンピュータに実行させる情報中継プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報中継装置、情報中継方法、及び、情報中継プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、企業等の組織の業務を効率化できるように、記憶装置に記憶された人事情報等のユーザ情報を活用して各種のサービスを提供する業務システムがある。
【0003】
例えば、特開2021-5310号公報には、第1のユーザ又は第2のユーザの装置が保持する表計算ソフトに入力され、入力された情報は、ユーザの操作に応じて当該表計算ソフトが実行するスクリプトによって人事評価支援装置に送信され、出力制御部は、複数の第1のユーザの評価に関する情報を一覧表示する集計用一覧表を第2のユーザの装置に出力し、第1のユーザの評価に関する情報を表計算ソフトの所定の表示位置にマッピングして表示させ、データ登録部は、第2のユーザが表計算ソフトを介して入力する複数の第1のユーザの評価を表す情報をまとめて取得し、記憶装置に登録する人事評価支援装置が開示される。
【0004】
近年、業務システムは、クラウド上に設けられたサーバからSaaS(Software as a Service)としてサービス提供されるものが現れ、より手軽に、組織が業務や部門等に応じた業務システムを複数導入することができるようになりつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、組織において、従業員等のユーザ情報を用いる複数の業務システムを導入した場合、一方の業務システムにおいてユーザ情報が変更され、他方の業務システムにおいてユーザ情報が変更されていない等、ユーザ情報が最新状態に保たれていない状態になると、業務システムに正しい処理結果を期待できなくなる。業務システムの各々のユーザ情報を最新状態に保つためには、手作業で管理する他、外部接続するためのAPI(application programming interface)等を利用し、業務システム同士を接続してユーザ情報の連携を行う方法が考えられるものの、APIは、業務システムに合わせて開発された独自の仕様を有することがあり、実際にAPIを利用するためには、ユーザ情報にアクセスするための機能を個別に開発しなければならず、多くの金銭的コストと時間的コストがかかる。
【0007】
そこで、本発明の実施形態は、より少ない金銭的コストと時間的コストで、情報提供装置から提供されたユーザ情報を中継して情報受取装置に渡すように連携させることができる、情報中継装置、情報中継方法、及び、情報中継プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る情報中継装置は、中継記憶部、ユーザ情報取得部、送信情報生成部、及び、送信部を有する。前記中継記憶部は、提供元ユーザ情報を提供する情報提供装置にアクセスするための認証情報を記憶する。前記ユーザ情報取得部は、前記認証情報によって認証を受けて前記情報提供装置にアクセスし、前記情報提供装置から前記提供元ユーザ情報を取得し、前記提供元ユーザ情報に基づく中継ユーザ情報を前記中継記憶部に記憶させる。前記送信情報生成部は、前記中継ユーザ情報に基づいて、所定形式を有する送信情報を生成する。前記送信部は、前記送信情報を情報受取装置に送信する。
【0009】
実施形態に係る情報中継方法は、ユーザ情報取得部により、提供元ユーザ情報を提供する情報提供装置にアクセスするための中継記憶部に記憶された認証情報によって認証を受けて前記情報提供装置にアクセスし、前記情報提供装置から前記提供元ユーザ情報を取得し、前記提供元ユーザ情報に基づく中継ユーザ情報を前記中継記憶部に記憶させ、送信情報生成部により、前記中継ユーザ情報に基づいて、所定形式を有する送信情報を生成し、送信部により、前記送信情報を情報受取装置に送信する。
【0010】
実施形態に係る情報中継プログラムは、ユーザ情報取得部のコード、送信情報生成部のコード、及び、送信部のコードを有する。前記ユーザ情報取得部のコードは、提供元ユーザ情報を提供する情報提供装置にアクセスするための中継記憶部に記憶された認証情報によって認証を受けて前記情報提供装置にアクセスし、前記情報提供装置から前記提供元ユーザ情報を取得し、前記提供元ユーザ情報に基づく中継ユーザ情報を前記中継記憶部に記憶させる。前記送信情報生成部のコードは、前記中継ユーザ情報に基づいて、所定形式を有する送信情報を生成する。前記送信部のコードは、前記送信情報を情報受取装置に送信する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施形態によれば、より少ない金銭的コストと時間的コストで、情報提供装置から提供されたユーザ情報を中継して情報受取装置に渡すように連携させることができる、情報中継装置、情報中継方法、及び、情報中継プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係る情報処理システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】実施形態に係る情報処理システムの内部構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る情報処理システムの機能ブロックの一例を示すブロック図である。
【
図4】実施形態に係る情報処理システムにおける、情報中継装置が記憶する中継ユーザ情報の一例を示すテーブル構成図である。
【
図5】実施形態に係る情報処理システムにおける、送信情報生成部が生成する送信情報の一例を説明する説明図である。
【
図6】実施形態に係る情報処理システムにおける、情報中継処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態の変形例1に係る情報処理システムにおける、情報中継装置が第1の情報提供装置から取得した第1の提供元ユーザ情報と、第2の情報提供装置から取得した第2の提供元ユーザ情報を中継し、送信情報を情報受取装置に送信する例を説明する説明図である。
【
図8】実施形態の変形例2に係る情報処理システムにおける、使用例を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態の構成)
以下、図面を参照して、実施形態を説明する。
図1は、情報処理システム1の全体構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、情報処理システム1は、情報中継装置10、情報提供装置20、及び、情報受取装置30を有する。情報中継装置10は、情報提供装置20と情報受取装置30の各々と、LANや、インターネット、移動体通信等のネットワークを介して接続され、情報提供装置20から取得したユーザ情報を中継し、所定形式を有する送信情報Sを生成して情報受取装置30に送信する。ユーザ情報は、例えば、組織における人事に関する情報である。
【0015】
情報中継装置10は、PC等の管理端末Taを介して管理ユーザによる指示入力が可能である。情報提供装置20と情報受取装置30の各々は、ユーザに業務サービスを提供する業務システムであり、PC等の業務端末Tを介したユーザの指示入力に応じ、業務処理部Bによってユーザ情報を利用した所定業務処理を行う。所定業務処理は、特に限定されないが、例えば、会計業務や、人事労務業務等に関する業務であってもよいし、ビジネスチャット、グループウェア等であってもよいし、SSO(Single Sign On)等のサービスを提供するIDaaS(Identity as a Service)であってもよいし、他の業務であってもよい。
【0016】
図2は、情報処理システム1の内部構成の一例を示すブロック図である。
図3は、機能ブロックの一例を示すブロック図である。
図4は、情報中継装置10が記憶する中継ユーザ情報Urの一例を示すテーブル構成図である。
【0017】
図2及び
図3に示すように、情報中継装置10は、中継制御部11と中継記憶部12を有する。
【0018】
中継制御部11は、CPU等の処理装置を有し、中継記憶部12から読み込んだプログラムを実行することによってその機能を実現する。
【0019】
中継記憶部12は、ROMや、RAM、HDD、SSD等の記憶素子を有し、情報中継装置10を制御するための各種の情報や、処理部を構成する各種のプログラムを記憶する。例えば、中継記憶部12は、中継ユーザ情報Ur、項目対応情報Cm、接続先情報Cn、認証種別Ct、及び、認証情報Crを含む各種の情報や、接続設定部St、リクエスト受信部P1、ユーザ情報取得部P2、送信情報生成部P3、及び、送信部P4を含む各種のプログラムも記憶する。
【0020】
中継ユーザ情報Urは、情報提供装置20から取得した提供元ユーザ情報Upに基づいて記憶されるユーザ情報である。中継ユーザ情報Urは、テーブル構造を有し、SCIM(Systems for Cross-domain Identity Management)に定義される属性、及び、SCIMから拡張された定義の一部又はすべてに対応した項目を有する。例えば、
図4にテーブル構成を例示するように、中継ユーザ情報Urは、メールアドレスを格納する「email」、表示名を格納する「displayName」、姓を格納する「familyName」、名を格納する「givenName」、有効又は無効を格納する「active」、識別情報を格納する「id」、所属を格納する「department」、及び、ユーザ名を格納する「userName」等の項目を含むがこれに限定されない。メールアドレスは、個人を唯一に識別するために便利であり、業務システムにおいて、ログインID乃至ユーザ名に、メールアドレスが用いられ、ユーザ名「userName」に、メールアドレスが格納されることがある。
【0021】
項目対応情報Cmは、情報中継装置10における中継記憶部12に記憶される中継ユーザ情報Urに設けられた項目と、情報提供装置20における提供側記憶部22に記憶される提供元ユーザ情報Upに設けられた項目とを対応付ける。
【0022】
接続先情報Cnは、情報提供装置20のアドレスである。
【0023】
認証種別Ctは、情報提供装置20にアクセスするためのHTTP認証の種別を識別する情報である。特に限定されないが、一例を挙げれば、認証種別Ctは、Basic認証、Digest認証、OAuth2.0等のBearerトークン認証、及び、APIキー認証等のHTTP認証の種別を識別可能にする。
【0024】
認証情報Crは、提供元ユーザ情報Upを提供する情報提供装置20にアクセスするためのHTTP認証に用いられる情報である。特に限定されないが、一例を挙げれば、Basic認証やDigest認証に用いられるユーザ名とパスワード、OAuth2.0等のBearerトークン認証に用いられるアクセストークン、APIキー認証によって用いられるAPIキー等を含めることができる。
【0025】
接続設定部Stは、情報提供装置20に対応付けられた、項目対応情報Cm、接続先情報Cn、認証種別Ct、及び、認証情報Crについての管理ユーザによる管理端末Taを介した指示入力を受け付け、中継記憶部12に記憶させる。
【0026】
リクエスト受信部P1は、情報受取装置30から情報提供リクエストRを受信する。
【0027】
ユーザ情報取得部P2は、リクエスト受信部P1が情報提供リクエストRを受信すると、認証情報Crによって認証を受けて情報提供装置20にアクセスし、情報提供装置20から提供元ユーザ情報Upを取得し、提供元ユーザ情報Upに基づく中継ユーザ情報Urを中継記憶部12記憶部に記憶させる。
【0028】
具体的には、ユーザ情報取得部P2は、情報提供装置20に対応した接続先情報Cn、認証種別Ct、及び、認証情報Crを中継記憶部12から読み込み、HTTPリクエスト又はHTTPSリクエスト(以下、HTTPリクエストというときには、HTTPSリクエストも含む)に接続先情報Cnを含め、また、認証種別CtがBearerトークン認証を示しているときに、HTTPのヘッダに、認証情報Crであるアクセストークンを含める。ここでは、一例として、認証種別CtがBearerトークン認証を示している例を説明したが、公知のBasic認証、Digest認証、及び、APIキー認証等においても、ユーザ情報取得部P2は、各々の認証手段に適応したHTTPリクエストを行う。
【0029】
ユーザ情報取得部P2は、HTTPリクエストを行うと、情報提供装置20から返信された提供元ユーザ情報Upを取得する。ユーザ情報取得部P2は、中継記憶部12から読み込んだ項目対応情報Cmに基づいて、提供元ユーザ情報Upにおける項目を中継ユーザ情報Urにおける項目に対応付け、中継記憶部12に記憶させる。例えば、項目対応情報Cmによって情報提供装置20における項目「LoginID」と情報中継装置10における項目「userName」が互いに対応付けられるとき、ユーザ情報取得部P2は、情報提供装置20から項目「LoginID」とその値「ichiro@example.com」を取得すると、項目対応情報Cmに基づいて、項目「LoginID」に対応付けられた中継ユーザ情報Urにおける項目「userName」に、値「ichiro@example.com」を格納する。
【0030】
図5は、送信情報生成部P3が生成する送信情報Sの一例を説明する説明図である。
【0031】
送信情報生成部P3は、ユーザ情報取得部P2が中継記憶部12に記憶させた中継ユーザ情報Urに基づいて、所定形式を有する送信情報Sを生成する。より具体的には、所定形式は、キーと値がペアにされた構造化形式であり、さらに具体的には、SCIMに準拠したJSON形式であり、企業向けの拡張属性として、部署乃至所属を示す「department」等を含めてもよい。送信情報生成部P3は、中継記憶部12から中継ユーザ情報Urを読み込み、中継ユーザ情報Urに含まれる項目に対応したキーと、項目に格納された値をペアにしてマッピングを行い、
図5に示すSCIMに準拠したJSON形式を有する送信情報Sを生成する。例えば、
図5では、送信情報生成部P3は、中継ユーザ情報Urに含まれる項目「userName」と値「ichiro@example.com」を読み込み、項目「userName」に対応したキーと値をペアにした“userName”:“ichiro@example.com”をJSON形式にマッピングする。
図5の例では、送信情報Sに1つの中継ユーザ情報Urが含まれるが、他の中継ユーザ情報Urを所定様式で後続させることにより、複数の中継ユーザ情報Urを含めることも可能である。
【0032】
送信部P4は、送信情報生成部P3によって生成された送信情報Sを情報受取装置30に送信(返信)する。
【0033】
図2及び
図3に戻り、情報提供装置20は、提供側制御部21と提供側記憶部22を有する。
【0034】
提供側制御部21は、CPU等の処理装置を有し、提供側記憶部22から読み込んだプログラムを実行することによってその機能を実現する。
【0035】
提供側記憶部22は、ROMや、RAM、HDD、SSD等の記憶素子を有し、情報提供装置20を制御するための各種の情報や、処理部を構成する各種のプログラムを記憶する。例えば提供側記憶部22には、提供元ユーザ情報Up等の各種の情報と、業務処理部Bのプログラムの他、提供側接続部Apのプログラムも記憶される。
【0036】
提供元ユーザ情報Upは、ユーザ名や氏名等のユーザ情報を含む。
【0037】
提供側接続部Apは、例えば、外部接続機能を提供するAPIである。より具体的に、提供側接続部Apは、外部からアクセスされた情報中継装置10に対し、例えば、Bearerトークン認証を実行し、情報中継装置10から受信したHTTPリクエストのヘッダに含められた認証情報Crであるアクセストークンを取得し、図示しない認証サーバにアクセストークンの有効性を問い合わせ、有効であることの返答を受信すると、提供元ユーザ情報Upを抽出し、情報中継装置10に返信する。ここでは、一例として、提供側接続部ApがBearerトークン認証を実行する例を説明したが、公知のBasic認証、Digest認証、及び、APIキー認証等が実行されるように構成されてもよい。
【0038】
情報受取装置30は、情報中継装置10から中継ユーザ情報Urを受取可能である。情報受取装置30は、受取制御部31と受取記憶部32を有する。
【0039】
受取制御部31は、CPU等の処理装置を有し、受取記憶部32から読み込んだプログラムを実行することによってその機能を実現する。
【0040】
受取記憶部32は、ROMや、RAM、HDD、SSD等の記憶素子を有し、情報受取装置30を制御するための各種の情報や、処理部を構成する各種のプログラムを記憶する。例えば、受取記憶部32には、受取ユーザ情報Uv等の各種の情報と、業務処理部Bのプログラムの他、受取側接続部Avのプログラムも記憶される。
【0041】
受取ユーザ情報Uvは、ユーザ名や氏名等のユーザ情報を含む。
【0042】
受取側接続部Avは、SCIMに準拠した送信情報Sを受信可能である。受取側接続部Avは、送信情報Sを受信すると、受取記憶部32に、受取ユーザ情報Uvとして、記憶させる。
(動作)
続いて、情報中継装置10の動作について、説明をする。
【0043】
図6は、情報中継処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0044】
リクエスト受信部P1が、情報受取装置30から情報提供リクエストRを受信すると(S1)、ユーザ情報取得部P2は、中継記憶部12から情報提供装置20に対応した接続先情報Cn、認証種別Ct、認証情報Cr、及び、項目対応情報Cmを読み込む(S2)。続いて、ユーザ情報取得部P2は、接続先情報Cn、認証種別Ct、及び、認証情報Crに基づくHTTPリクエストを情報提供装置20の提供側接続部Apに送信する(S3)。提供側接続部Apが、HTTPリクエストに応じて提供元ユーザ情報Upを返信すると、ユーザ情報取得部P2は、項目対応情報Cmに基づいて、提供元ユーザ情報Upにおける項目を中継ユーザ情報Urにおける項目に対応させ、中継ユーザ情報Urとして、中継記憶部12に記憶させる(S4)。
【0045】
送信情報生成部P3は、中継記憶部12から中継ユーザ情報Urを取得し(S5)、中継ユーザ情報UrをマッピングしてSCIMに準拠したJSON形式を有する送信情報Sを生成する(S6)。
【0046】
送信部P4は、情報提供リクエストRに対して、送信情報生成部P3によって生成された送信情報Sを情報受取装置30に返信する(S7)。
【0047】
すなわち、リクエスト受信部P1は、情報受取装置30から情報提供リクエストRを受信する。ユーザ情報取得部P2は、情報提供リクエストRの受信に応じ、情報提供装置20から提供元ユーザ情報Upを取得し、提供元ユーザ情報Upに基づく中継ユーザ情報Urを中継記憶部12に記憶させる。送信情報生成部P3は、中継ユーザ情報Urに基づいて、所定形式の送信情報Sを生成する。送信部P4は、送信情報Sを情報受取装置30に返信する。
【0048】
実施形態によれば、情報提供装置20の各々に対応付けられた、項目対応情報Cm、接続先情報Cn、認証種別Ct、及び、認証情報Crについての管理ユーザによる管理端末Taを介した指示入力を受け付け、中継記憶部12に記憶させることにより、簡便に、情報提供装置20と連携できる。
【0049】
また、情報中継装置10は、中継記憶部12に記憶された中継ユーザ情報Urに基づいて、汎用的なSCIMに準拠したJSON形式を有する送信情報Sを送信可能であり、情報受取装置30が、既にSCIMに準拠したJSON形式を有する情報の受信機能を有していれば、新たな送信情報Sを受信するための開発をしなくてもよく、一方、受信機能を有していなくても、SCIMの仕様が公開されているから、受信機能の開発にかかる時間的コスト及び金銭的コストを抑えることができる。
【0050】
実施形態によれば、情報中継装置10は、より少ない金銭的コストと時間的コストで、情報提供装置20から提供されたユーザ情報を中継して情報受取装置30に渡すように連携させることができる。
【0051】
(変形例1)
図7は、変形例1に係る情報処理システム1における、情報中継装置10が第1の情報提供装置20から取得した第1の提供元ユーザ情報up1と、第2の情報提供装置20aから取得した第2の提供元ユーザ情報up2を中継し、送信情報Sを情報受取装置30に送信する例を説明する説明図である。本変形例の説明では実施形態や他の変形例と同じ構成については、説明を省略する。
【0052】
実施形態では、情報提供装置20が1つ設けられた例を説明したが、情報提供装置20は、複数設けられてもよい。
【0053】
変形例1における情報処理システム1は、第1の情報提供装置20と、第2の情報提供装置20aを有する。
【0054】
リクエスト受信部P1が情報提供リクエストRを受信すると、情報中継装置10におけるユーザ情報取得部P2は、第1の情報提供装置20から取得した第1の提供元ユーザ情報up1に基づく第1の中継ユーザ情報Ur1と、第2の情報提供装置20aから取得した第2の提供元ユーザ情報up2に基づく第2の中継ユーザ情報Ur2とを記憶部に記憶させる。
【0055】
送信情報生成部P3は、第1の中継ユーザ情報Ur1に不足項目があるとき、第2の中継ユーザ情報Ur2から不足項目を取得し、送信情報Sを生成する。
【0056】
これにより、情報中継装置10は、第1の情報提供装置20が保有する第1の提供元ユーザ情報up1と第2の情報提供装置20aが保有する第2の提供元ユーザ情報up2の両方に基づいて、項目がより充足された送信情報Sを生成し、情報受取装置30に送信することができる。
【0057】
(変形例2)
図8は、変形例2に係る情報処理システム1における、使用例を説明する説明図である。本変形例の説明では実施形態や他の変形例と同じ構成については、説明を省略する。
【0058】
実施形態及では、情報提供装置20が情報中継装置10に提供元ユーザ情報Upを送信し、情報中継装置10が提供元ユーザ情報Upに基づく中継ユーザ情報Urを中継記憶部12に記憶させ、中継ユーザ情報Urに基づく送信情報Sを情報受取装置30に送信する例を説明したが、情報受取装置30が情報提供装置20としての機能を有して情報提供装置20が情報受取装置30としての機能を有することを除外するものではなく、
図8に示すように、情報受取装置30でもある情報提供装置20が提供元ユーザ情報Upを情報中継装置10に提供し、情報中継装置10が提供された提供元ユーザ情報Upに基づく中継ユーザ情報Urから送信情報Sを生成して情報提供装置20でもある情報受取装置30に送信してもよい。
【0059】
これにより、情報中継装置10は、業務システム同士のユーザ情報を互いに連携させることができる。
【0060】
(変形例3)
実施形態の情報中継処理では、情報受取装置30の情報提供リクエストRに応じ、情報中継装置10が、情報提供装置20に記憶されるすべての提供元ユーザ情報Upを中継し、情報受取装置30に送信することが可能であるが、情報提供リクエストRにおいて、抽出キー情報を含めることによって抽出キー情報に応じた提供元ユーザ情報Upを情報受取装置30に送信することも可能である。本変形例の説明では実施形態の他の変形例と同じ構成については、説明を省略する。
【0061】
リクエスト受信部P1が受信した情報提供リクエストRに、中継ユーザ情報Urにおける1又は複数の項目に対応した抽出キー情報が含まれた場合、ユーザ情報取得部P2は、中継記憶部12から項目対応情報Cmを読み込み、中継ユーザ情報Urに対応した抽出キー情報に含まれる項目を提供元ユーザ情報Upにおける項目に対応させ、クエリパラメータ、パスパラメータ、又は、HTTPヘッダ等の所定箇所に含め、HTTPリクエストを行う。
【0062】
例えば、中継ユーザ情報Urに設けられた項目「userName」に、提供元ユーザ情報Upに設けられた項目「LoginID」が対応付けられている場合、リクエスト受信部P1が、“userName”:“ichiro@example.com”を抽出キー情報とする情報提供リクエストRを受信すると、ユーザ情報取得部P2は、中継記憶部12から読み込んだ項目対応情報Cmに基づいて、項目「userName」を提供元ユーザ情報Upにおける項目「LoginID」に対応させ、抽出キー情報“LoginID”:“ichiro@example.com”をHTTPリクエストに含め、情報提供装置20に送信する。情報提供装置20は、提供側記憶部22から項目「LoginID」における値「ichiro@example.com」を抽出し、提供元ユーザ情報Upとして、情報中継装置10に返信する。
【0063】
これにより、情報中継装置10は、情報提供リクエストRに含まれる抽出キー情報に指定されたユーザ情報のみを中継することができる。
【0064】
なお、実施形態及び変形例では、情報中継装置10は、情報提供装置20における提供側接続部Apに接続し、提供元ユーザ情報Upを取得するが、これに限定されず、情報中継装置10は、スクレイピングによって提供元ユーザ情報Upを取得してもよい。
【0065】
また、実施形態及び変形例では、項目対応情報Cmによって提供元ユーザ情報Upを中継ユーザ情報Urに対応させ、中継記憶部12に記憶させる例を説明したが、情報提供装置20における提供側接続部Apが、SCIMに準拠した形式によって提供元ユーザ情報Upを送信する場合には、ユーザ情報取得部P2は、項目対応情報Cmを使用しなくても提供元ユーザ情報Upに基づく中継ユーザ情報Urを中継記憶部12に記憶させることが可能である。
【0066】
また、実施形態及び変形例では、情報受取装置30から受信した情報提供リクエストRに応じ、情報中継装置10が情報提供装置20から提供元ユーザ情報Upを取得し、提供元ユーザ情報Upに基づく中継ユーザ情報Urを情報受取装置30に返信していたが、情報中継装置10は、情報受取装置30から情報提供リクエストRを受信した後、情報提供装置20から提供元ユーザ情報Upを取得せずに、中継記憶部12に記憶している中継ユーザ情報Urを情報受取装置30に返信してもよい。また、情報中継装置10は、情報受取装置30から情報提供リクエストRを受信した後、中継記憶部12にすでに記憶されている中継ユーザ情報Urと、情報提供装置20から取得した提供元ユーザ情報Upに基づく中継ユーザ情報Urとを合わせ、情報受取装置30に返信してもよい。
【0067】
また、実施形態及び変形例では、情報中継装置10が、情報受取装置30から受信した情報提供リクエストRに応じて送信情報Sを返信する例を説明したが、この構成は必須ではなく、情報提供リクエストRの受信がなくとも、情報提供装置20から提供元ユーザ情報Upを取得すると、送信情報Sを生成して情報受取装置30に送信し、ユーザ情報Uvが新規作成、又は、更新されるように構成してもよいし、所定のタイミングによって情報提供装置20から提供元ユーザ情報Upを取得した後、送信情報Sを生成して情報受取装置30に送信するように構成してもよいし、情報提供装置20からの提供元ユーザ情報Upの取得がなくとも、所定のタイミングによって中継ユーザ情報Urに基づいて送信情報Sを生成して情報受取装置30に送信するように構成してもよい。
【0068】
また、実施形態及び変形例では、中継記憶部12に、情報提供装置20、及び、情報受取装置30にアクセスするための認証情報Crが記憶される例を説明したが、情報提供装置20及び/又は情報受取装置30がHTTP認証を実行しないときには、認証情報Crは、なくても構わない。
【0069】
すなわち、情報中継装置10は、提供元ユーザ情報Upを提供する情報提供装置20にアクセスするための認証情報Crを記憶する中継記憶部12と、認証情報Crによって認証を受けて情報提供装置20にアクセスし、情報提供装置20から提供元ユーザ情報Upを取得し、提供元ユーザ情報Upに基づく中継ユーザ情報Urを中継記憶部12に記憶させるユーザ情報取得部P2と、中継ユーザ情報Urに基づいて、所定形式を有する送信情報Sを生成する送信情報生成部P3と、送信情報Sを情報受取装置30に送信する送信部P4と、を有する。
【0070】
所定形式は、SCIMに準拠したJSON形式である。
【0071】
中継記憶部12は、中継ユーザ情報Urを記憶し、送信情報生成部P3は、中継記憶部12に記憶された中継ユーザ情報Urに基づいて、送信情報Sを生成する。
【0072】
ユーザ情報取得部P2が、情報提供装置20から提供元ユーザ情報Upを取得し、提供元ユーザ情報Upに基づく中継ユーザ情報Urを取得すると、送信情報生成部P3が、中継ユーザ情報Urに基づいて、所定形式の送信情報Sを生成し、送信部P4が送信情報Sを情報受取装置30に送信する。
【0073】
リクエスト受信部P1は、情報受取装置30から情報提供リクエストRを受信し、ユーザ情報取得部P2は、情報提供リクエストRの受信に応じ、情報提供装置20から提供元ユーザ情報Upを取得し、提供元ユーザ情報Upに基づく中継ユーザ情報Urを中継記憶部12に記憶させ、送信情報生成部P3は、中継ユーザ情報Urに基づいて、所定形式の送信情報Sを生成し、送信部P4は、送信情報Sを情報受取装置30に送信する。
【0074】
認証情報Crは、HTTP認証に用いられる情報である。
【0075】
情報提供装置20は、第1の情報提供装置20と第2の情報提供装置20aを有し、ユーザ情報取得部P2は、第1の情報提供装置20から取得した第1の提供元ユーザ情報up1に基づく第1の中継ユーザ情報Ur1と、第2の情報提供装置20aから取得した第2の提供元ユーザ情報up2に基づく第2の中継ユーザ情報Ur2とを中継記憶部12に記憶させ、送信情報生成部P3は、第1の中継ユーザ情報Urに不足項目があるとき、第2の中継ユーザ情報Ur2から不足項目を取得し、送信情報Sを生成する。
【0076】
中継ユーザ情報Urは、組織における人事に関する情報である。
【0077】
情報中継方法は、提供元ユーザ情報Upを提供する情報提供装置20にアクセスするための認証情報Crを記憶する中継記憶部12を用意し、情報中継方法は、ユーザ情報取得部P2により、認証情報Crによって認証を受けて情報提供装置20にアクセスし、情報提供装置20から提供元ユーザ情報Upを取得し、提供元ユーザ情報Upに基づく中継ユーザ情報Urを中継記憶部12に記憶させ、送信情報生成部P3により、中継ユーザ情報Urに基づいて、所定形式を有する送信情報Sを生成し、送信部P4により、送信情報Sを情報受取装置30に送信する。
【0078】
情報中継プログラムは、提供元ユーザ情報Upを提供する情報提供装置20にアクセスするための中継記憶部12に記憶された認証情報Crによって認証を受けて情報提供装置20にアクセスし、情報提供装置20から提供元ユーザ情報Upを取得し、提供元ユーザ情報Upに基づく中継ユーザ情報Urを中継記憶部12に記憶させるユーザ情報取得部P2のコードと、中継ユーザ情報Urに基づいて、所定形式を有する送信情報Sを生成する送信情報生成部P3のコードと、送信情報Sを情報受取装置30に送信する送信部P4のコードと、をコンピュータに実行させる。
【0079】
上述のとおり、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【0080】
また、実施形態における各手順の各ステップは、その性質に反しない限り、実行順序を変更し、複数同時に実行し、あるいは実行毎に異なった順序で実行してもよい。さらに、本実施形態における各手順の各ステップの全てあるいは一部をハードウェアにより実現してもよいし、プログラムによって実現してもよい。
【符号の説明】
【0081】
1・・・情報処理システム
10・・・情報中継装置
11・・・中継制御部
12・・・中継記憶部
20・・・情報提供装置
20a・・・第2の情報提供装置
21・・・提供側制御部
22・・・提供側記憶部
30・・・情報受取装置
31・・・受取制御部
32・・・受取記憶部
B・・・業務処理部
Ap・・・提供側接続部
Av・・・受取側接続部
Cm・・・項目対応情報
Cn・・・接続先情報
Cr・・・認証情報
Ct・・・認証種別
ID・・・ログイン
P1・・・リクエスト受信部
P2・・・ユーザ情報取得部
P3・・・送信情報生成部
P4・・・送信部
R・・・情報提供リクエスト
S・・・送信情報
T・・・業務端末
St・・・接続設定部
Ta・・・管理端末
Up・・・提供元ユーザ情報
Ur・・・中継ユーザ情報
Ur1・・・第1の中継ユーザ情報
Ur2・・・第2の中継ユーザ情報
Uv・・・受取ユーザ情報
up1・・・第1の提供元ユーザ情報
up2・・・第2の提供元ユーザ情報
【要約】
【課題】 より少ない金銭的コストと時間的コストで、情報提供装置から提供されたユーザ情報を中継して情報受取装置に渡すように連携させる。
【解決手段】 情報中継装置10は、中継記憶部12、ユーザ情報取得部P2、送信情報生成部P3、及び、送信部P4を有する。中継記憶部12は、提供元ユーザ情報Upを提供する情報提供装置20にアクセスするための認証情報Crを記憶する。ユーザ情報取得部P2は、認証情報Crによって認証を受けて情報提供装置20にアクセスし、情報提供装置20から提供元ユーザ情報Upを取得し、提供元ユーザ情報Upに基づく中継ユーザ情報Urを中継記憶部12に記憶させる。送信情報生成部P3は、中継ユーザ情報Urに基づいて、所定形式を有する送信情報Sを生成する。送信部P4は、送信情報Sを情報受取装置30に送信する。
【選択図】
図3