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  • 特許-土嚢製造補助具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-14
(45)【発行日】2024-08-22
(54)【発明の名称】土嚢製造補助具
(51)【国際特許分類】
   E02B 3/04 20060101AFI20240815BHJP
   B65B 39/06 20060101ALI20240815BHJP
   B65B 67/12 20060101ALI20240815BHJP
【FI】
E02B3/04 301
B65B39/06
B65B67/12 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2024092966
(22)【出願日】2024-06-07
【審査請求日】2024-06-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515160415
【氏名又は名称】株式会社Asazumaコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100160657
【弁理士】
【氏名又は名称】上吉原 宏
(72)【発明者】
【氏名】石川 浩司
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-170092(JP,A)
【文献】実開昭61-196904(JP,U)
【文献】特開2004-143787(JP,A)
【文献】登録実用新案第3082073(JP,U)
【文献】米国特許第5687781(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 3/04 - 3/14
E02D 17/20
B65B 39/00 - 39/14
B65B 67/00 - 67/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンパクトに収納可能な土嚢(D)を製造するための補助具であって、
本体部(10)と、支え部(20)とから成り、
前記本体部(10)は、上部及び底部がそれぞれの傾斜角(S1)(S2)を有して開口する上部開口部(11)並びに底部開口部(12)と、略門型で平板状の前面部(13)並びに背面部(15)と、4つの角と長さががそれぞれ異なり下方に向かって末広がりとなる四角形状に形成される左右の側面部(14)と、
から構成される水平方向における断面が矩形の筒体であり、
前記前面部(13)及び前記背面部(15)にはそれぞれの底部に土嚢載置用間口(16)を備え、前記本体部(10)は地面に載置した状態で、上方が後方に傾斜し、
前記支え部(20)は、後方に傾斜した状態の前記本体部(10)を支える支え部材(21)と、
前記本体部(10)と前記支え部材(21)とを連結すると共に前記支え部材(21)を折り畳む支え部材折り畳み機構(31)を備える連結部(30)を備えたことを特徴とする土嚢製造補助具(1)。
【請求項2】
前記側面部に、該側面部を前後方向に二分割して折りたためる側面部折り畳み機構(40)を備えたことを特徴とする請求項1に記載の土嚢製造補助具(1)。
【請求項3】
前記前面部の上辺に、土嚢(D)を引き出しやすくする凹状の掴み部(50)が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の土嚢製造補助具(1)。
【請求項4】
前記前面部の上辺近傍に、土嚢袋を係止する係止部(60)が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の土嚢製造補助具(1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土嚢を製造するための補助具に関し、詳しくは、コンパクトに収納でき、保管場所に困らず、震災や水害などの天災による急な事態にも即座に対応でき、土嚢を効率よく製造して台風や豪雨、洪水被害への対策として、家屋等への浸水を予防・軽減するために効果的、且つ災害対策として導入するのに手軽な土嚢製造補助具の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
日本は、世界でも有数の多雨地域「モンスーンアジア」の東端に位置する国で、年間の降水量は1,700~1,800mmにもなり、これは世界平均のおよそ2倍に相当する量である。また、日本の国土は約70%が山地のため河川が急流になりやすく、かつ大陸のような大河が存在しにくいため、氾濫が起きやすい環境にあると言える。世界的に見ても水害の多い日本において、河川や湖沼の氾濫を防ぎ人々の暮らしを守る「土嚢」は、非常に重要な役割を果たしているといえる。
【0003】
係る水害等による被害を小さくするには土嚢による迅速な対応が必須となっている。台風や集中豪雨、線状降水帯の発生等々、土嚢が必要とされるのは、水による被害を予感させるときであり、多量の降水は河川・湖沼の氾濫だけでなく、住居や店舗の浸水といった身近な被害ももたらす。このような緊急事態に、土を詰める土嚢では迅速な対応が難しい。即ち、土嚢袋の中に土砂や廃材を入れる際、片方の手で土嚢袋を開口して保持し、他方の手でスコップ等により土砂等を詰め込む作業は困難だからである。そこで、コンパクトに収納でき、保管場所に困らず、震災や水害などの天災による急な事態にも即座に対応でき、土嚢を効率よく製造して台風や豪雨、洪水被害への対策として、家屋等への浸水を予防・軽減するために効果的、且つ災害対策として導入するのに手軽な土嚢製造補助具の技術提案が待ち望まれている。
【0004】
このような現状に鑑みて、従来からも種々の技術提案がなされている。例えば、発明の名称を「土のう製作補助具及び土のう袋」とする技術が開示されている(特許文献1参照)。
具体的には、「効率よく土のうを製作するための土のう製作補助具を提供する。」ことを課題とし、解決手段として「土のう製作補助具1は、土砂を投入する土砂投入口を備えた蓋体2と、蓋体を載置するスタンド本体とからなり、スタンド本体は、蓋体を保持する保持部と、保持部を支持する複数の脚部と、複数の脚部の間に架設される補強部33と、補強部に固着される袋掛け部34とからなり、袋掛け部は、土砂投入口の長さに加えて、複数の土のう袋4を吊下げ可能な長さを備える。」が公開され公知技術となっている。しかしながら、特許文献1に記載の技術は、大柄な筐体を必要とし、コンパクトに収納できるという本発明の課題を解決するには至っていない。
【0005】
また、発明の名称を「土嚢袋の袋詰め補助具」とする技術が開示されている(特許文献2参照)。具体的には、「土嚢袋など自立しにくい可撓性袋内への袋詰め作業を一人で迅速かつ確実に行うことができ、不使用時にはコンパクトに保管できる補助具を提供すること。」を課題とし、解決手段として、「ヒンジh1, h2, h3, h4を介して連結された前後左右の四壁面1~4によって上下に開口部を備えた筒体として形成し、対向する前後壁面1,2にはそれらの上部において左右外方向への張出部11, 12, 21, 22を延設し、かつ、各壁面全体を縦方向に折り曲げ可能に形成する一方、対向する左右壁面3,4の上部には前記前後壁面1,2における張出部11, 12, 21, 22の形状に対応して上方向に拡がる傾斜面Sを形成して、前後各壁面1,2における張出部11, 12, 21, 22と左右各壁面3,4の上部両側とを係合手段により脱着可能に形成した。」技術が公開され公知技術となっている。特許文献2に記載の技術は、コンパクトに収納や保管ができるという点では本発明と課題が共通する。しかしながら、係る技術は、切込溝を係合させるものであり、折り曲げて畳む本願発明とは課題を解決する技術的手段が異なっている。また、本発明では、本体部を傾斜させ、スコップ等で土砂を入れる際の高さを低くすることができるという効果に於いて相違している。
【0006】
また、発明の名称を「土嚢袋用土詰め補助具」とする技術が開示されている(特許文献3参照)。具体的には、「安価に製造可能な土嚢袋用の土詰め補助具を提供する。」ことを課題とし、解決手段を「筒体11が、上部開口11aおよび下部開口11bを有している。筒体11は、上部開口11aの周縁から外側に向かって伸びるフランジ11cを有している。ハンドル12が、上部開口11aの上方に起立可能でかつ上部開口11aの周縁側に倒伏可能に筒体11のフランジ11cに取り付けられている。ハンドル付きのバケツの底部に下部開口11bを設けて製造可能である。筒体11の下部開口11bを土嚢袋1の開口1aに挿入して使用される。」という技術が公開され公知技術となっている。しかしながら、特許文献3に記載の技術は、折りたたむことができず、コンパクトに収納できるという本発明の課題を解決するには至っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】実用新案登録第3226001号
【文献】特開2004-143787号
【文献】実用新案登録第3173010号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、コンパクトに収納でき、保管場所に困らず、震災や水害などの天災による急な事態にも即座に対応でき、土嚢を効率よく製造して台風や豪雨、洪水被害への対策として、家屋の浸水を予防・軽減するために効果的、且つ災害対策として導入するのに手軽な土嚢製造補助具の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、コンパクトに収納可能な土嚢を製造するための補助具であって、本体部と、支え部とから成り、前記本体部は、上部及び底部がそれぞれの傾斜角を有して開口する上部開口部並びに底部開口部と、略門型で平板状の前面部並びに背面部と、4つの角と長さががそれぞれ異なり下方に向かって末広がりとなる四角形状に形成される左右の側面部と、から構成される水平方向における断面が矩形の筒体であり、前記前面部及び前記背面部にはそれぞれの底部に土嚢載置用間口を備え、前記本体部は地面に載置した状態で、上方が後方に傾斜し、前記支え部は、後方に傾斜した状態の前記本体部を支える支え部材と、前記本体部と前記支え部材とを連結すると共に前記支え部材を折り畳む支え部材折り畳み機構を備える連結部を備えた構成を採用する。
【0010】
また、本発明は、前記側面部に、該側面部を前後方向に二分割して折りたためる側面部折り畳み機構を備えた構成を採用することもできる。
【0011】
また、本発明は、前記前面部の上辺に、土嚢を引き出しやすくする凹状の掴み部が形成されている構成を採用することもできる。
【0012】
また、本発明は、前記前面部の上辺近傍に、土嚢袋を係止する係止部が設けられている構成を採用することもできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る土嚢製造補助具によれば、薄型軽量コンパクトな構成であり、車載や収納において場所を取らず、また持ち運びも容易であるという優れた効果を発揮する。
【0014】
また、本発明に係る土嚢製造補助具によれば、地面等に載置した状態で上方開口部に傾斜角を有することから土砂等を詰め込みやすいという優れた効果を発揮する。
【0015】
また、本発明に係る土嚢製造補助具によれば、両手が自由な状態で土砂等の詰め込み作業ができるので、作業性や安全性が高まるという優れた効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る土嚢製造補助具の基本構成を説明する基本構成説明斜視図である。
図2】本発明に係る土嚢製造補助具の基本構成を説明する基本構成説明平面図である。
図3】本発明に係る土嚢製造補助具の折り畳んだ状態を表した実施例説明図である。
図4】本発明に係る土嚢製造補助具の使用状態を説明する使用状態説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、本体部が傾斜していることと、上部開口部も傾斜していることを最大の特徴とするものである。以下、図面に基づいて説明する。但し、係る図面に記載された形状や構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の創作として発揮する効果の得られる範囲内で変更可能である。
【0018】
図1は、本発明に係る土嚢製造補助具の基本構成を説明する基本構成説明斜視図であり、図1(a)は、正面、平面及び右側面を表し、図1(b)は、背面、左側面、及び平面を表し、図1(c)は、土嚢袋を本発明に係る土嚢製造補助具1に装着した状態の正面、平面及び右側面を示している。図2は、本発明に係る土嚢製造補助具の基本構成を説明する基本構成説明平面図であり、図2(a)は平面図、図2(b)は、正面図、図2(c)は、背面図、図2(d)は、右側面図、図2(e)は、断面図である。以下、各構成部材についてそれぞれ説明する。
【0019】
土嚢製造補助具1は、コンパクトに収納可能な土嚢Dを製造するための補助具であって、本体部10と、支え部20とから成り、前記本体部10は、上部及び底部がそれぞれの傾斜角S1S2を有して開口する上部開口部11並びに底部開口部12と、略門型で平板状の前面部13並びに背面部15と、4つの角と長さががそれぞれ異なり下方に向かって末広がりとなる四角形状に形成される左右の側面部14と、から構成される水平方向における断面が矩形の筒体であり、前記前面部13及び前記背面部15にはそれぞれの底部に土嚢載置用間口16を備え、前記本体部10は地面に載置した状態で、上方が後方に傾斜し、前記支え部20は、後方に傾斜した状態の前記本体部10を支える支え部材21と、前記本体部10と前記支え部材21とを連結すると共に前記支え部材21を折り畳む支え部材折り畳み機構31を備える連結部30を備えたものである。
【0020】
本体部10は、土嚢袋を開口状態において保持するための筒体であり、前面部と側面部と背面部とから構成される。
【0021】
支え部20は、本体部10を傾斜させて保持するための支えであって、支え部材21が本体部10に連結部30を介して展開するための機構である。
【0022】
上部開口部11は、本体部10の上方が開口した開口部である。土嚢袋へ土砂等を詰める際、従来であれば作業者が片手で袋を開口させてその状態を保持し、土砂等を他方の手でスコップ等により詰めなければならなかった。本発明に係る土嚢製造補助具1においては、上部開口部11に土嚢袋を係止するため、土嚢袋を開口したまま保持できるので、両手で土砂理入れ作業が可能となる。なお、係る上部開口部11は、図4に示すように、側面部14の傾斜角S1により前下がりとなっており、土砂を入れやすくなっている。
【0023】
底部開口部12は、本発明に係る土嚢製造補助具1を用いて土嚢Dを製作する場合に徐々に膨らむ土嚢袋から土嚢製造補助具1を引き抜くために開口した開口部である。
【0024】
前面部13は、本体部10の正面側を構成する部材である。図1(a)、図2(b)、及び図3に示すように、底部には土嚢載置用間口16が設けられる。なお、上辺に掴み部50が設けられる構成を採用することが望ましい。
【0025】
側面部14は、本体部10の側面側を構成する部材である。図1(a)、図1(b)、図2(d)、図2(e)、及び図3に示すように、側面部14は下方に向かって末広がり形状に形成され、上辺及び底辺には上下の開口部が傾斜するように。傾斜角Sが設けられる。また、側面部14には本体部10をコンパクトにするための側面部折り畳み機構40が設けられる構成を採用することが望ましい。
【0026】
背面部15は、本体部10の背面側を構成する部材である。図1(b)、図2(c)に示すように、底部には土嚢載置用間口16が設けられる。なお、上辺近傍に取手部51が設けられる構成を採用すると好適である。
【0027】
土嚢載置用間口16は、土嚢袋に土砂等を詰めていくと土嚢袋の底部が広がっていくため、本体部10を抜き出しにくくならないように設けるものである。
【0028】
支え部材21は、本体部10が後方に傾斜したことから後方へ荷重がかかるためそれを支える部材である。なお、図1(b)、図2(c)、図2(d)、及び図2(e)に示した門型形状に限定されることなく、H型やI型等の平板なものであってもよい。
【0029】
支え部材折り畳み機構31は、支え部材21が本体部10に対して上部側に設けたヒンジ等の回動機構により折りたたんで収納できる構造とする。係る支え部材折り畳み機構31により移動時などコンパクトに収納でき、利便性が高いものである。また、係る支え部材折り畳み機構31は、支え部材21と本体部10の背面部15を接着シートで結合するような簡易構造としても良い。なお、支え部材21と本体部10との連結は連結部30を介して構成されるものである。
【0030】
連結部30は、支え部材21と本体部10を連結するものである。係る連結部30は図1(b)、図2(b)、図2(e)に示すようにリンク機構により構成することが考えられる。
【0031】
側面部折り畳み機構40は、側面部14を前後に回動可能に分割し、該側面部の側辺を前面部13の側辺と背面部15の側辺とにそれぞれヒンジ構造等の連結手段で連結すればよく、また、図面には示していないが、側面部14、前面部13、及び背面部15の連結構造を、接着シートで結合するような簡易構造としても良い。
【0032】
掴み部50は、土嚢袋へ土砂等を詰めた後、本発明に係る土嚢製造補助具をできあがった土嚢Dから離脱させやすいように、土嚢袋の開口縁部を掴みやすくするためのものである。具体的には、前面部の上辺に、土嚢Dを引き出しやすくする凹状切り欠きを部が形成されることが望ましい。
【0033】
係止部60は、本発明に係る土嚢製造補助具1に土嚢袋を配置した状態で固定するための所謂フックである。土嚢袋の開口部を開いたまま土嚢製造補助具1に固定し上部開口部11に即して土嚢袋を開口させ、土砂等を詰め込みやすくするために土嚢袋の開口縁部を係る係止部60により開口状態を維持するものであり、従来、片手で土嚢袋の開口部を持って開口させ、他方の手でスコップ等を使い、土砂の詰め込み作業を行っていたが、両手で作業ができるようにするものである。
【0034】
傾斜角S1・S2は、側面部14の前側上辺が後ろ側上辺よりも下側に向かって傾斜している構成を採用しているため、本発明に係る土嚢製造補助具1を地面に載置した際、水平方向よりも前側に向かって上部開口部11が傾斜する角度(S1)を意味し、また、側面部14の底辺が水平方向よりも後ろ側上方に向かって傾斜する角度(S2)を意味するものである。
【0035】
土嚢Dは、布袋の中に土砂を詰めて用いる土木資材のことであり、水害時の応急対策や土木工事全般に用いられるほか、爆発物の処理、銃弾や砲弾破片を防ぐ遮蔽物などにも用いられる。砂を詰める場合には砂嚢(さのう)ともいう。適宜、土砂を詰め袋を縛り積み上げることで、水や土砂の移動を妨げることができるというもので、かつては稲わらで作られた叺かますや麻袋が一般的であったが、現在ではポリエチレン製の布製が主流になっている。大きさは、人間が運びやすい大きさである500mm×800mm前後の大きさが主流であり、油圧ショベルによる作製・運搬を前提とした大型の土嚢も存在するが、本発明に係る土嚢製造補助具1では一人での作業を可能とすべく500mm×800mm程度の規格サイズに適合するサイズのものを選択すればより好適である。
【0036】
図3は、本発明に係る土嚢製造補助具の折り畳んだ状態を表した実施例説明図である。
本発明に係る土嚢製造補助具によれば本体部10と支え部材21とを連結する連結部(30)に支え部材21を折り畳む支え部材折り畳み機構31を備えていることから、図4に示すように支え部材21を本体部10側へ折り畳むことでコンパクトにできることを示している。また側面部折り畳み機構40を備える構成では、より薄型にできるので収納や持ち運びに便利である。なお、図3は、係る側面部折り畳み機構40により折り畳み途中の状態である。
【0037】
図4は、本発明に係る土嚢製造補助具の使用状態説明図である。図4に示したように、本発明に係る土嚢製造補助具1を用いれば、従来の、垂直に立設して上部が水平に開口した構成の補助具とは異なり、傾斜角を有して本体部が傾斜していることと、更に上部開口部が傾斜して設けられていることから、間口が広くなり土砂等を詰め込みやすくなることが示されている。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明に係る土嚢製造補助具によれば、コンパクトに収納できることから、保管場所に困らず、震災や水害などの天災による急な事態にも即座に対応できるため、産業上利用可能性は高いと思慮されるものである。また、土嚢は家屋の入り口などに置くことで水の浸入を防ぐことができ、台風や豪雨、洪水被害への対策として、家屋の浸水を予防・軽減するために効果的であり、災害対策として導入するのに手軽であり大雨等で浸水被害が予想されるとき等は大変便利である。従って、防災用品としての利用価値が高く産業上利用可能性は高いものと思慮されるものである。
【符号の説明】
【0039】
1 土嚢製造補助具
10 本体部
20 支え部
11 上部開口部
12 底部開口部
13 前面部
14 側面部
15 背面部
16 土嚢載置用間口
21 支え部材
31 支え部材折り畳み機構
30 連結部
40 側面部折り畳み機構
50 掴み部
60 係止部
S 傾斜角
D 土嚢
【要約】
【課題】
本発明は、コンパクトに収納でき、震災や水害などの天災による急な事態にも即座に対応でき、土嚢を効率よく製造して台風や豪雨、洪水被害への対策として、家屋の浸水を予防・軽減するために効果的、且つ災害対策として導入するのに手軽な土嚢製造補助具の提供。
【解決手段】
本発明は、本体部と支え部とから成り、本体部は、上部及び底部がそれぞれの傾斜角を有して開口する上部開口部と底部開口部と、略平板状の前面部と側面部と背面部と、から構成される水平方向における断面が矩形の筒体であり、側面部は下方に末広がりに形成され、前面部及び背面部にはそれぞれの底部に土嚢載置用間口を備え、本体部は地面に載置した状態で、上方が後方に傾斜し、支え部は、後方に傾斜した状態の本体部を支える支え部材と、本体部と支え部材とを連結すると共に支え部材を折り畳む支え部材折り畳み機構を備える構成を採用した。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4