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特許7539030システム、画像処理装置、サーバおよび発注方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】システム、画像処理装置、サーバおよび発注方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20240816BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20240816BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240816BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06Q30/0601
B41J29/38 204
G03G21/00 396
G03G21/00 388
G03G21/00 510
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020164983
(22)【出願日】2020-09-30
(65)【公開番号】P2022056966
(43)【公開日】2022-04-11
【審査請求日】2023-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 享嗣
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-005408(JP,A)
【文献】特開2017-047537(JP,A)
【文献】特開2016-194904(JP,A)
【文献】特開2011-022426(JP,A)
【文献】特開2013-037262(JP,A)
【文献】特開2017-146446(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0016004(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B41J 29/38
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置と、前記画像処理装置とネットワークを介して通信可能に接続され、前記画像処理装置で使用される消耗品を管理するサービスを提供するサーバと、を含むシステムであって、
前記画像処理装置は、
前記画像処理装置に装着された前記消耗品を使用して画像処理を行う画像処理部と、
前記ネットワークへ接続するための装置側インターフェースと、
前記消耗品のうち、未使用の消耗品である新品の装着回数と、前記画像処理装置に装着された前記消耗品の寿命とを記憶する装置側メモリと、
装置側コントローラと、を備え、
かつ、
前記消耗品として、前記サーバが管理する管理消耗品と、前記サーバが管理しない非管理消耗品とを装着可能であり、
前記装置側コントローラは、
前記新品が前記画像処理装置に装着された場合、前記装置側メモリに記憶された前記装着回数を更新する装着回数更新処理と、
前記画像処理の実行に応じて、前記装置側メモリに記憶された前記寿命を更新する寿命更新処理と、
所定のタイミングにおいて、前記装置側メモリに記憶された前記装着回数および前記寿命を、前記装置側インターフェースを介して前記サーバへ送信する送信処理と、を実行し、
前記サーバは、
前記ネットワークへ接続するためのサーバ側インターフェースと、
前記新品の発注回数を記憶するサーバ側メモリと、
サーバ側コントローラと、を備え、
前記サーバ側コントローラは、
前記サーバ側インターフェースを介して、前記送信処理で送信された前記装着回数および前記寿命を受信したとき、前記装着回数が前記発注回数より多い、または、前記寿命が所定値以上である場合、前記新品の発注を行わず、前記装着回数が前記発注回数以下、かつ、前記寿命が所定値未満である場合、前記発注を行う発注処理と、
前記発注処理において前記発注を行った場合、前記サーバ側メモリに記憶された前記発注回数を更新する発注回数更新処理と、を実行し、
かつ、
前記サーバ側コントローラは、
前記管理消耗品および前記非管理消耗品のうちの前記非管理消耗品の前記寿命に基づく前記発注を行わず、前記管理消耗品の前記寿命に基づく前記発注を行い、
前記装置側コントローラは、
前記送信処理において、前記管理消耗品の前記寿命および前記非管理消耗品の前記寿命のうち、少なくとも、前記管理消耗品の前記寿命を送信する、システム。
【請求項2】
画像処理装置と、前記画像処理装置とネットワークを介して通信可能に接続され、前記画像処理装置で使用される消耗品を管理するサービスを提供するサーバと、を含むシステムであって、
前記画像処理装置は、
前記画像処理装置に装着された前記消耗品を使用して画像処理を行う画像処理部と、
前記ネットワークへ接続するための装置側インターフェースと、
前記消耗品のうち、未使用の消耗品である新品の装着回数と、前記画像処理装置に装着された前記消耗品の寿命とを記憶する装置側メモリと、
装置側コントローラと、を備え、
前記装置側コントローラは、
前記新品が前記画像処理装置に装着された場合、前記装置側メモリに記憶された前記装着回数を更新する装着回数更新処理と、
前記画像処理の実行に応じて、前記装置側メモリに記憶された前記寿命を更新する寿命更新処理と、
所定のタイミングにおいて、前記装置側メモリに記憶された前記装着回数および前記寿命を、前記装置側インターフェースを介して前記サーバへ送信する送信処理と、を実行し、
前記サーバは、
前記ネットワークへ接続するためのサーバ側インターフェースと、
前記新品の発注回数を記憶するサーバ側メモリと、
サーバ側コントローラと、を備え、
前記サーバ側コントローラは、
前記サーバ側インターフェースを介して、前記送信処理で送信された前記装着回数および前記寿命を受信したとき、前記装着回数が前記発注回数より多い、または、前記寿命が所定値以上である場合、前記新品の発注を行わず、前記装着回数が前記発注回数以下、かつ、前記寿命が所定値未満である場合、前記発注を行う発注処理と、
前記発注処理において前記発注を行った場合、前記サーバ側メモリに記憶された前記発注回数を更新する発注回数更新処理と、を実行し、
前記サーバ側コントローラは、
前記画像処理装置が、前記サービスの提供対象から前記サービスの提供対象外となった場合、前記サーバ側メモリに記憶されている前記発注回数を初期化する発注回数初期化処理をさらに実行し、
前記装置側コントローラは、
前記画像処理装置が、前記サービスの提供対象から前記サービスの提供対象外となった場合、前記装置側メモリに記憶されている前記装着回数を初期化する装着回数初期化処理をさらに実行する、システム。
【請求項3】
前記所定のタイミングは、前記消耗品が前記画像処理装置に装着されてから、前記画像処理装置が前記画像処理を実行可能となるまでの期間内のタイミングを含む、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記装置側コントローラは、
前記寿命更新処理において、
前記画像処理装置に現在装着されている消耗品が前記管理消耗品の場合、前記装置側メモリの第1領域に記憶された前記寿命と、前記第1領域と異なる、前記装置側メモリの第2領域に記憶された前記寿命とを更新し、
前記画像処理装置に現在装着されている消耗品が前記非管理消耗品の場合、前記第1領域および前記第2領域のうちの前記第2領域に記憶された前記寿命のみを更新し、
前記送信処理において、前記第1領域および前記第2領域のうち、少なくとも、前記第1領域に記憶された前記寿命を送信する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記装置側コントローラは、
前記管理消耗品が装着されたか否かを判定する判定処理と、をさらに実行し、
前記装着回数更新処理において、
前記新品が前記画像処理装置に装着され、かつ、前記判定処理にて前記管理消耗品が装着されたと判定された場合、前記装着回数を更新し、
前記判定処理にて前記管理消耗品が装着されていないと判定された場合、前記装着回数を更新しない、請求項1または4に記載のシステム。
【請求項6】
前記装置側コントローラは、
前記画像処理装置が、前記サービスの提供対象であるか否かを判定する第2判定処理をさらに実行し、
前記装着回数更新処理において、
前記新品が前記画像処理装置に装着され、かつ、前記第2判定処理において前記画像処理装置が前記サービスの提供対象と判定された場合、前記装着回数を更新し、
前記第2判定処理において前記画像処理装置が前記サービスの提供対象でないと判定された場合、前記装着回数を更新しない、請求項1から5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
画像処理装置であって、
前記画像処理装置に装着された消耗品を使用して画像処理を行う画像処理部と、
前記消耗品を管理するサービスを提供するサーバと、ネットワークを介して通信可能に接続するためのインターフェースと、
前記消耗品のうち、未使用の消耗品である新品の装着回数と、前記画像処理装置に装着された前記消耗品の寿命とを記憶するメモリと、
コントローラと、を備え、
前記消耗品として、前記サーバが管理する管理消耗品と、前記サーバが管理しない非管理消耗品とを装着可能であり、
前記コントローラは、
前記新品が装着された場合、前記メモリに記憶された前記装着回数を更新する装着回数更新処理と、
前記画像処理の実行に応じて、前記メモリに記憶された前記寿命を更新する寿命更新処理と、
所定のタイミングにおいて、前記メモリに記憶された前記装着回数および前記寿命を、前記インターフェースを介して前記サーバへ送信し、前記サーバに、送信した前記装着回数および前記寿命と、前記サーバに記憶されている前記新品の発注回数とに基づき、前記新品の発注を行うか否かを決定させる送信処理と、を実行し、
前記送信処理において、前記管理消耗品の前記寿命および前記非管理消耗品の前記寿命のうち、少なくとも、前記管理消耗品の前記寿命を送信する、画像処理装置。
【請求項8】
画像処理装置であって、
前記画像処理装置に装着された消耗品を使用して画像処理を行う画像処理部と、
前記消耗品を管理するサービスを提供するサーバと、ネットワークを介して通信可能に接続するためのインターフェースと、
前記消耗品のうち、未使用の消耗品である新品の装着回数と、前記画像処理装置に装着された前記消耗品の寿命とを記憶するメモリと、
コントローラと、を備え、
前記コントローラは、
前記新品が装着された場合、前記メモリに記憶された前記装着回数を更新する装着回数更新処理と、
前記画像処理の実行に応じて、前記メモリに記憶された前記寿命を更新する寿命更新処理と、
所定のタイミングにおいて、前記メモリに記憶された前記装着回数および前記寿命を、前記インターフェースを介して前記サーバへ送信し、前記サーバに、送信した前記装着回数および前記寿命と、前記サーバに記憶されている前記新品の発注回数とに基づき、前記新品の発注を行うか否かを決定させる送信処理と、を実行し
前記画像処理装置が、前記サービスの提供対象から前記サービスの提供対象外となった場合、前記メモリに記憶されている前記装着回数を初期化する装着回数初期化処理をさらに実行する、画像処理装置。
【請求項9】
画像処理装置で使用される消耗品を管理するサービスを提供するサーバであって、
前記画像処理装置と、ネットワークを介して通信可能に接続するためのインターフェースと、
前記消耗品のうち、未使用の消耗品である新品の発注回数を記憶するメモリと、
コントローラと、を備え、
前記画像処理装置は、前記消耗品として、前記サーバが管理する管理消耗品と、前記サーバが管理しない非管理消耗品とを装着可能であり、
前記コントローラは、
前記インターフェースを介して、前記画像処理装置から送信された、前記新品の前記画像処理装置への装着回数と、前記画像処理装置に装着された前記消耗品の寿命とを受信したとき、前記装着回数が前記発注回数より多い、または、前記寿命が所定値以上である場合、前記新品の発注を行わず、前記装着回数が前記発注回数以下、かつ、前記寿命が所定値未満である場合、前記発注を行う発注処理と、
前記発注処理において前記発注を行った場合、前記メモリに記憶された前記発注回数を更新する発注回数更新処理と、を実行し、
かつ、
前記管理消耗品および前記非管理消耗品のうちの前記非管理消耗品の前記寿命に基づく前記発注を行わず、前記管理消耗品の前記寿命に基づく前記発注を行う、
サーバ。
【請求項10】
画像処理装置で使用される消耗品を管理するサービスを提供するサーバであって、
前記画像処理装置と、ネットワークを介して通信可能に接続するためのインターフェースと、
前記消耗品のうち、未使用の消耗品である新品の発注回数を記憶するメモリと、
コントローラと、を備え、
前記コントローラは、
前記インターフェースを介して、前記画像処理装置から送信された、前記新品の前記画像処理装置への装着回数と、前記画像処理装置に装着された前記消耗品の寿命とを受信したとき、前記装着回数が前記発注回数より多い、または、前記寿命が所定値以上である場合、前記新品の発注を行わず、前記装着回数が前記発注回数以下、かつ、前記寿命が所定値未満である場合、前記発注を行う発注処理と、
前記発注処理において前記発注を行った場合、前記メモリに記憶された前記発注回数を更新する発注回数更新処理と、を実行し、
かつ、
前記コントローラは、
前記画像処理装置が、前記サービスの提供対象から前記サービスの提供対象外となった場合、前記メモリに記憶されている前記発注回数を初期化する発注回数初期化処理をさらに実行する、サーバ。
【請求項11】
画像処理を実行する画像処理装置と、前記画像処理装置とネットワークを介して通信可能に接続され、前記画像処理で使用される消耗品を管理するサービスを提供するサーバと、を含むシステムが実行する消耗品の発注方法であって、
前記画像処理装置は、前記消耗品として、前記サーバが管理する管理消耗品と、前記サーバが管理しない非管理消耗品とを装着可能であり、
前記画像処理装置において、前記消耗品のうちの未使用の消耗品である新品の前記画像処理装置への装着が検知された場合、前記新品の装着回数を更新する装着回数更新工程と、
前記画像処理の実行に応じて、前記画像処理装置に装着された前記消耗品の寿命を更新する寿命更新工程と、
所定のタイミングにおいて、前記装着回数および前記寿命を前記サーバへ送信する送信工程と、
前記送信工程にて送信された前記装着回数および前記寿命を前記サーバが受信したとき、前記装着回数が前記新品の発注回数より多い、または、前記寿命が所定値以上である場合、前記新品の発注を行わず、前記装着回数が前記発注回数以下、かつ、前記寿命が所定値未満である場合、前記発注を行う発注工程と、
前記発注を行った場合、前記発注回数を更新する発注回数更新工程と、を含
前記管理消耗品および前記非管理消耗品のうちの前記非管理消耗品の前記寿命に基づく前記発注を行わず、前記管理消耗品の前記寿命に基づく前記発注を行い、
前記送信工程において、前記管理消耗品の前記寿命および前記非管理消耗品の前記寿命のうち、少なくとも、前記管理消耗品の前記寿命を送信する、発注方法。
【請求項12】
画像処理を実行する画像処理装置と、前記画像処理装置とネットワークを介して通信可能に接続され、前記画像処理で使用される消耗品を管理するサービスを提供するサーバと、を含むシステムが実行する消耗品の発注方法であって、
前記画像処理装置において、前記消耗品のうちの未使用の消耗品である新品の前記画像処理装置への装着が検知された場合、前記新品の装着回数を更新する装着回数更新工程と、
前記画像処理の実行に応じて、前記画像処理装置に装着された前記消耗品の寿命を更新する寿命更新工程と、
所定のタイミングにおいて、前記装着回数および前記寿命を前記サーバへ送信する送信工程と、
前記送信工程にて送信された前記装着回数および前記寿命を前記サーバが受信したとき、前記装着回数が前記新品の発注回数より多い、または、前記寿命が所定値以上である場合、前記新品の発注を行わず、前記装着回数が前記発注回数以下、かつ、前記寿命が所定値未満である場合、前記発注を行う発注工程と、
前記発注を行った場合、前記発注回数を更新する発注回数更新工程と、
前記画像処理装置が、前記サービスの提供対象から前記サービスの提供対象外となった場合、前記発注回数を初期化する発注回数初期化工程と、
前記画像処理装置が、前記サービスの提供対象から前記サービスの提供対象外となった場合、前記装着回数を初期化する装着回数初期化処理工程と、
を含む、発注方法。
【請求項13】
画像処理装置と、前記画像処理装置とネットワークを介して通信可能に接続され、前記画像処理装置で使用される消耗品を管理するサービスを提供するサーバと、を含むシステムであって、
前記消耗品は、前記サーバが管理する管理消耗品と、前記サーバが管理しない非管理消耗品とを含み、
前記サーバは、
前記ネットワークへ接続するためのサーバ側インターフェースと、
前記画像処理装置での使用に応じた前記非管理消耗品の寿命に基づく前記管理消耗品の発注を行わず、前記画像処理装置での使用に応じた前記管理消耗品の寿命に基づく前記発注を行うサーバ側コントローラと、を備え、
前記画像処理装置は、
前記画像処理装置に装着された前記消耗品を使用して画像処理を行う画像処理部と、
前記ネットワークへ接続するための装置側インターフェースと、
前記画像処理装置に装着された前記消耗品の寿命を記憶する装置側メモリと、
装置側コントローラと、を備え、
前記装置側コントローラは、
前記画像処理装置に前記管理消耗品が装着されている場合、前記画像処理の実行に応じて、前記装置側メモリに記憶された前記管理消耗品の寿命を更新する寿命更新処理と、
所定のタイミングにおいて、前記装置側メモリに記憶された前記管理消耗品の前記寿命および前記非管理消耗品の前記寿命のうち、少なくとも、前記管理消耗品の寿命を、前記装置側インターフェースを介して前記サーバへ送信する送信処理と、を実行する、システム。
【請求項14】
消耗品として、サーバによって管理される管理消耗品と前記サーバによって管理されない非管理消耗品とが装着可能な画像処理装置であって、
前記サーバと通信可能に接続するためのインターフェースと、
前記画像処理装置に装着された前記消耗品を使用して画像処理を行う画像処理部と、
前記画像処理装置に装着された前記消耗品の寿命を記憶するメモリと、
コントローラと、を備え、
前記コントローラは、
前記画像処理装置に前記管理消耗品が装着されている場合、前記画像処理の実行に応じて、前記メモリに記憶された前記管理消耗品の寿命を更新する寿命更新処理と、
所定のタイミングにおいて、前記メモリに記憶された前記管理消耗品の前記寿命および前記非管理消耗品の前記寿命のうち、少なくとも、前記メモリに記憶された前記管理消耗品の寿命を、前記インターフェースを介して前記サーバへ送信する送信処理と、を実行する、画像処理装置。
【請求項15】
画像処理を実行する画像処理装置と、前記画像処理装置とネットワークを介して通信可能に接続され、前記画像処理装置で使用される消耗品を管理するサービスを提供するサーバと、を含むシステムが実行する発注方法であって、
前記消耗品は、前記サーバが管理する管理消耗品と、前記サーバが管理しない非管理消耗品とを含み、
前記サーバは、前記画像処理装置での使用に応じた前記非管理消耗品の寿命に基づく前記管理消耗品の発注を行わず、前記画像処理装置での使用に応じた前記管理消耗品の寿命に基づく前記発注を行い、
前記画像処理装置に、前記サーバが管理する前記消耗品である管理消耗品が装着されている場合、前記画像処理の実行に応じて、前記画像処理装置に記憶された前記管理消耗品の寿命を更新する寿命更新工程と、
所定のタイミングにおいて、前記画像処理装置に記憶された前記管理消耗品の前記寿命および前記非管理消耗品の前記寿命のうち、少なくとも、前記管理消耗品の寿命を、前記サーバへ送信する送信工程と、を含む、発注方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置で使用される消耗品の発注を管理するシステムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが事業者と契約することで、プリンタなどの画像処理装置において契約専用の消耗品または交換品を使用することができるサービスが存在する。このようなサービスは「サブスクリプションサービス」と呼ばれる。
【0003】
例えば、特許文献1には、サブスクリプションサービスが適用されるプリンタが開示されている。サブスクリプションサービスの契約を行ったユーザには、専用のインクカートリッジが配送され、以降、プリンタの使用によりインク残量が閾値以下になると、サーバが発注を行い、ユーザへ新たな専用のインクカートリッジが配送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-193592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術には、消耗品の発注ミスの防止の観点で改善の余地がある。ここで、発注ミスとは、例えば、適正量より多い消耗品を発注してしまう「多重発注」や、発注すべき状況で発注が行われない「発注漏れ」などである。
【0006】
本開示は、画像処理装置のサブスクリプションサービスにおける、消耗品の発注ミスを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本開示の第1態様のシステムは、画像処理装置と、前記画像処理装置とネットワークを介して通信可能に接続され、前記画像処理装置で使用される消耗品を管理するサービスを提供するサーバと、を含むシステムであって、前記画像処理装置は、前記画像処理装置に装着された前記消耗品を使用して画像処理を行う画像処理部と、前記ネットワークへ接続するための装置側インターフェースと、前記消耗品のうち、未使用の消耗品である新品の装着回数と、前記画像処理装置に装着された前記消耗品の寿命とを記憶する装置側メモリと、装置側コントローラと、を備え、前記装置側コントローラは、前記新品が前記画像処理装置に装着された場合、前記装置側メモリに記憶された前記装着回数を更新する装着回数更新処理と、前記画像処理の実行に応じて、前記装置側メモリに記憶された前記寿命を更新する寿命更新処理と、所定のタイミングにおいて、前記装置側メモリに記憶された前記装着回数および前記寿命を、前記装置側インターフェースを介して前記サーバへ送信する送信処理と、を実行し、前記サーバは、前記ネットワークへ接続するためのサーバ側インターフェースと、前記新品の発注回数を記憶するサーバ側メモリと、サーバ側コントローラと、を備え、前記サーバ側コントローラは、前記サーバ側インターフェースを介して、前記送信処理で送信された前記装着回数および前記寿命を受信したとき、前記装着回数が前記発注回数より多い、または、前記寿命が所定値以上である場合、前記新品の発注を行わず、前記装着回数が前記発注回数以下、かつ、前記寿命が所定値未満である場合、前記発注を行う発注処理と、前記発注処理において前記発注を行った場合、前記サーバ側メモリに記憶された前記発注回数を更新する発注回数更新処理と、を実行する。
【0008】
第2態様は、第1態様のシステムであって、前記所定のタイミングは、前記消耗品が前記画像処理装置に装着されてから、前記画像処理装置が前記画像処理を実行可能となるまでの期間内のタイミングを含む。
【0009】
第3態様は、第1態様または第2態様のシステムであって、前記画像処理装置は、前記消耗品として、前記サーバが管理する管理消耗品と、前記サーバが管理しない非管理消耗品とを装着可能であり、前記サーバ側コントローラは、前記管理消耗品および前記非管理消耗品のうちの前記非管理消耗品の前記寿命に基づく前記発注を行わず、前記管理消耗品の前記寿命に基づく前記発注を行い、前記装置側コントローラは、前記送信処理において、前記管理消耗品の前記寿命および前記非管理消耗品の前記寿命のうち、少なくとも、前記管理消耗品の前記寿命を送信する。
【0010】
第4態様は、第3態様のシステムであって、前記装置側コントローラは、前記寿命更新処理において、前記画像処理装置に現在装着されている消耗品が前記管理消耗品の場合、前記装置側メモリの第1領域に記憶された前記寿命と、前記第1領域と異なる、前記装置側メモリの第2領域に記憶された前記寿命とを更新し、前記画像処理装置に現在装着されている消耗品が前記非管理消耗品の場合、前記第1領域および前記第2領域のうちの前記第2領域に記憶された前記寿命のみを更新し、前記送信処理において、前記第1領域および前記第2領域のうち、少なくとも、前記第1領域に記憶された前記寿命を送信する。
【0011】
第5態様は、第3態様または第4態様のシステムであって、前記装置側コントローラは、前記管理消耗品が装着されたか否かを判定する判定処理と、をさらに実行し、前記装着回数更新処理において、前記新品が前記画像処理装置に装着され、かつ、前記判定処理にて前記管理消耗品が装着されたと判定された場合、前記装着回数を更新し、前記判定処理にて前記管理消耗品が装着されていないと判定された場合、前記装着回数を更新しない。
【0012】
第6態様は、第1態様から第5態様のいずれか1つのシステムであって、前記装置側コントローラは、前記画像処理装置が、前記サービスの提供対象であるか否かを判定する第2判定処理をさらに実行し、前記装着回数更新処理において、前記新品が前記画像処理装置に装着され、かつ、前記第2判定処理において前記画像処理装置が前記サービスの提供対象と判定された場合、前記装着回数を更新し、前記第2判定処理において前記画像処理装置が前記サービスの提供対象でないと判定された場合、前記装着回数を更新しない。
【0013】
第7態様は、第1態様から第6態様のいずれか1つのシステムであって、前記サーバ側コントローラは、前記画像処理装置が、前記サービスの提供対象から前記サービスの提供対象外となった場合、前記サーバ側メモリに記憶されている前記発注回数を初期化する発注回数初期化処理をさらに実行し、前記装置側コントローラは、前記画像処理装置が、前記サービスの提供対象から前記サービスの提供対象外となった場合、前記装置側メモリに記憶されている前記装着回数を初期化する装着回数初期化処理をさらに実行する。
【0014】
上記の課題を解決するために、本開示の第8態様の画像処理装置は、画像処理装置であって、前記画像処理装置に装着された消耗品を使用して画像処理を行う画像処理部と、
前記消耗品を管理するサービスを提供するサーバと、ネットワークを介して通信可能に接続するためのインターフェースと、前記消耗品のうち、未使用の消耗品である新品の装着回数と、前記画像処理装置に装着された前記消耗品の寿命とを記憶するメモリと、
コントローラと、を備え、前記コントローラは、前記新品が装着された場合、前記メモリに記憶された前記装着回数を更新する装着回数更新処理と、前記画像処理の実行に応じて、前記メモリに記憶された前記寿命を更新する寿命更新処理と、所定のタイミングにおいて、前記メモリに記憶された前記装着回数および前記寿命を、前記インターフェースを介して前記サーバへ送信し、前記サーバに、送信した前記装着回数および前記寿命と、前記サーバに記憶されている前記新品の発注回数とに基づき、前記新品の発注を行うか否かを決定させる送信処理と、を実行する。
【0015】
上記の課題を解決するために、本開示の第9態様のサーバは、画像処理装置で使用される消耗品を管理するサービスを提供するサーバであって、前記画像処理装置と、ネットワークを介して通信可能に接続するためのインターフェースと、前記消耗品のうち、未使用の消耗品である新品の発注回数を記憶するメモリと、コントローラと、を備え、前記コントローラは、前記インターフェースを介して、前記画像処理装置から送信された、前記新品の前記画像処理装置への装着回数と、前記画像処理装置に装着された前記消耗品の寿命とを受信したとき、前記装着回数が前記発注回数より多い、または、前記寿命が所定値以上である場合、前記新品の発注を行わず、前記装着回数が前記発注回数以下、かつ、前記寿命が所定値未満である場合、前記発注を行う発注処理と、前記発注処理において前記発注を行った場合、前記メモリに記憶された前記発注回数を更新する発注回数更新処理と、を実行する。
【0016】
上記の課題を解決するために、本開示の第10態様の発注方法は、画像処理を実行する画像処理装置と、前記画像処理装置とネットワークを介して通信可能に接続され、前記画像処理で使用される消耗品を管理するサービスを提供するサーバと、を含むシステムが実行する消耗品の発注方法であって、前記画像処理装置において、前記消耗品のうちの未使用の消耗品である新品の前記画像処理装置への装着が検知された場合、前記新品の装着回数を更新する装着回数更新工程と、前記画像処理の実行に応じて、前記画像処理装置に装着された前記消耗品の寿命を更新する寿命更新工程と、所定のタイミングにおいて、前記装着回数および前記寿命を前記サーバへ送信する送信工程と、前記送信工程にて送信された前記装着回数および前記寿命を前記サーバが受信したとき、前記装着回数が前記新品の発注回数より多い、または、前記寿命が所定値以上である場合、前記新品の発注を行わず、前記装着回数が前記発注回数以下、かつ、前記寿命が所定値未満である場合、前記発注を行う発注工程と、前記発注を行った場合、前記発注回数を更新する発注回数更新工程と、を含む。
【0017】
上記の課題を解決するために、本開示の第11態様のシステムは、画像処理装置と、前記画像処理装置とネットワークを介して通信可能に接続され、前記画像処理装置で使用される消耗品を管理するサービスを提供するサーバと、を含むシステムであって、前記消耗品は、前記サーバが管理する管理消耗品と、前記サーバが管理しない非管理消耗品とを含み、前記サーバは、前記ネットワークへ接続するためのサーバ側インターフェースと、前記画像処理装置での使用に応じた前記非管理消耗品の寿命に基づく前記管理消耗品の発注を行わず、前記画像処理装置での使用に応じた前記管理消耗品の寿命に基づく前記発注を行うサーバ側コントローラと、を備え、前記画像処理装置は、前記画像処理装置に装着された前記消耗品を使用して画像処理を行う画像処理部と、前記ネットワークへ接続するための装置側インターフェースと、前記画像処理装置に装着された前記消耗品の寿命を記憶する装置側メモリと、装置側コントローラと、を備え、前記装置側コントローラは、前記画像処理装置に前記管理消耗品が装着されている場合、前記画像処理の実行に応じて、前記装置側メモリに記憶された前記管理消耗品の寿命を更新する寿命更新処理と、所定のタイミングにおいて、前記装置側メモリに記憶された前記管理消耗品の前記寿命および前記非管理消耗品の前記寿命のうち、少なくとも、前記管理消耗品の寿命を、前記装置側インターフェースを介して前記サーバへ送信する送信処理と、を実行する。
【0018】
上記の課題を解決するために、本開示の第12態様の画像処理装置は、消耗品として、サーバによって管理される管理消耗品と前記サーバによって管理されない非管理消耗品とが装着可能な画像処理装置であって、前記サーバと通信可能に接続するためのインターフェースと、前記画像処理装置に装着された前記消耗品を使用して画像処理を行う画像処理部と、前記画像処理装置に装着された前記消耗品の寿命を記憶するメモリと、コントローラと、を備え、前記コントローラは、前記画像処理装置に前記管理消耗品が装着されている場合、前記画像処理の実行に応じて、前記メモリに記憶された前記管理消耗品の寿命を更新する寿命更新処理と、所定のタイミングにおいて、前記メモリに記憶された前記管理消耗品の前記寿命および前記非管理消耗品の前記寿命のうち、少なくとも、前記メモリに記憶された前記管理消耗品の寿命を、前記インターフェースを介して前記サーバへ送信する送信処理と、を実行する。
【0019】
上記の課題を解決するために、本開示の第13態様の発注方法は、画像処理を実行する画像処理装置と、前記画像処理装置とネットワークを介して通信可能に接続され、前記画像処理装置で使用される消耗品を管理するサービスを提供するサーバと、を含むシステムが実行する発注方法であって、前記消耗品は、前記サーバが管理する管理消耗品と、前記サーバが管理しない非管理消耗品とを含み、前記サーバは、前記画像処理装置での使用に応じた前記非管理消耗品の寿命に基づく前記管理消耗品の発注を行わず、前記画像処理装置での使用に応じた前記管理消耗品の寿命に基づく前記発注を行い、前記画像処理装置に、前記サーバが管理する前記消耗品である管理消耗品が装着されている場合、前記画像処理の実行に応じて、前記画像処理装置に記憶された前記管理消耗品の寿命を更新する寿命更新工程と、所定のタイミングにおいて、前記画像処理装置に記憶された前記管理消耗品の前記寿命および前記非管理消耗品の前記寿命のうち、少なくとも、前記管理消耗品の寿命を、前記サーバへ送信する送信工程と、を含む。
【発明の効果】
【0020】
第1態様のシステムによれば、装着回数が発注回数より多いという状況は、画像処理装置のために発注された新品とは異なる新品が、画像処理装置に装着されたことを示している。これはすなわち、画像処理装置の利用者が、当該画像処理装置のために発注された新品を使用せず所持しているということを示している。ここで、上記構成によれば、装着回数が発注回数以下であることが、新品の発注に必須の条件となる。これにより、上記のような状況においては、以降の新品の発注が行われないので、新品の発注ミス、具体的には、新品の多重発注を抑制することができる。
【0021】
第2態様のシステムによれば、消耗品が画像処理装置に装着されてから画像処理が実行可能となるまでに送信処理を行う。換言すれば、画像処理装置に新品が装着された可能性が高いタイミングで送信処理を行う。これにより、新品の装着による装着回数および寿命の増加をリアルタイムでサーバへ送信することができる。
【0022】
第3態様のシステムによれば、サーバは、非管理消耗品の寿命に基づく発注を行わず、管理消耗品の寿命に基づく発注を行う。これに対し、画像処理装置は、少なくとも管理消耗品の装着回数および寿命をサーバへ送信するので、管理消耗品を確実に発注することができる。結果として、管理消耗品の発注漏れを抑制することができる。
【0023】
第4態様のシステムに関し、画像処理装置の消耗品を、寿命が所定値未満となった管理消耗品から非管理消耗品に交換したとする。従来技術においては、この交換の後で送信処理のタイミングが来た場合、非管理消耗品の寿命が送信されるが、当該寿命が所定値未満であったとしても、消耗品は発注されない。そして、管理消耗品の寿命が所定値未満となったことはサーバに通知されないので、いわゆる発注漏れが発生する。
【0024】
これに対し、第4態様のシステムによれば、非管理消耗品が装着されている場合、第1領域に記憶された寿命は更新されず、また、送信処理においては少なくとも第1領域に記憶された寿命を送信するので、画像処理装置に装着した消耗品が非管理消耗品であっても、管理消耗品の寿命が確実にサーバへ送信される構成を実現することができる。結果として、非管理消耗品の寿命が送信されることによる発注漏れを抑制することができる。
【0025】
第5態様のシステムによれば、管理消耗品の新品が装着されたときのみ装着回数が更新されるので、管理消耗品の正確な装着回数をサーバへ送信することができる。結果として、サーバは、管理消耗品の新品の発注が必要か否かを正確に判定することができる。
【0026】
また、画像処理が短期間に多数回実行された場合、所定のタイミングの前に管理消耗品が使用不可となる可能性がある。この場合、画像処理装置の利用者は、やむなく非管理消耗品(例えば、市販品)を用いることが考えられる。このような場合において、管理消耗品と非管理消耗品とを区別せず装着回数を更新すると、装着回数が発注回数より多くなった状態で送信処理が実行されるため、発注が行われない。これに対し、上記の構成によれば、管理消耗品の新品が装着されたときのみ装着回数が更新されるので、上述したように利用者が悪意無く非管理消耗品を使用した場合には発注が行われるようにすることができる。
【0027】
第6態様のシステムに関し、サービスの提供対象である別の画像処理装置の消耗品を、サービスの提供対象でない画像処理装置に誤って装着した場合を考える。このとき、装着回数が更新されると、利用者が誤りに気付き消耗品を外した後、当該画像処理装置をサービスの提供対象とした場合、正規の消耗品を装着したことによりさらに装着回数が更新される。その結果、装着回数が発注回数より多くなり、以降の発注が行われなくなってしまう。これに対し、上記の構成によれば、サービスの提供対象でない画像処理装置において消耗品の新品が検知されても装着回数を更新しないので、利用者が誤りに気付き消耗品を外した後、当該画像処理装置をサービスの提供対象とした場合において、通常どおり消耗品の発注が行われるようにすることができる。
【0028】
第7態様のシステムに関し、サーバに記憶された発注回数が初期化されたときに、画像処理装置に記憶された装着回数を初期化しない場合、当該画像処理装置が再度サービスの提供対象となったときに、装着回数が発注回数より多くなるので消耗品の発注が行われなくなってしまう。これに対し、上記の構成によれば、サーバに記憶された発注回数の初期化とともに、画像処理装置に記憶された装着回数を初期化するので、再度サービスの提供対象となった場合において、通常どおり消耗品の発注が行われるようにすることができる。
【0029】
第8態様の画像処理装置、第9態様のサーバおよび第10態様の発注方法によれば、第1態様のシステムと同様の効果を奏する。
【0030】
第11態様のシステムによれば、サーバは、非管理消耗品の寿命に基づく発注を行わず、管理消耗品の寿命に基づく発注を行う。これに対し、画像処理装置は、少なくとも管理消耗品の装着回数および寿命をサーバへ送信するので、管理消耗品を確実に発注することができる。結果として、管理消耗品の発注漏れを抑制することができる。
【0031】
第12態様の画像処理装置および第13態様の発注方法によれば、第11態様のシステムと同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本開示の実施形態に係る発注管理システムに含まれる、画像処理装置の構造の概要を示す図である。
図2】上記実施形態における画像処理装置、インクカートリッジおよび管理サーバの要部構成を示すブロック図である。
図3】画像処理装置にインクカートリッジが装着されたときに実行される装着時処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4】画像処理装置によるインク情報更新処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】画像処理装置による通知処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】管理サーバによる発注処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】従来の発注管理システムにおける発注管理の流れの一例を示す図である。
図8】上記実施形態に係る発注管理システムにおける発注管理の流れの一例を示す図である。
図9】従来の発注管理システムにおける発注管理の流れの一例を示す図である。
図10】上記実施形態に係る発注管理システムにおける発注管理の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ以下に説明する。図1は、本実施形態に係る発注管理システム100(システム)に含まれる、画像処理装置1の構造の概要を示す図である。
【0034】
本実施形態に係る画像処理装置1は、画像処理装置1のユーザが事業者と契約することによって、契約専用の消耗品を使用することができる画像処理装置である。すなわち、本実施形態に係る画像処理装置1は、サブスクリプションサービスが適用可能な画像処理装置である。
【0035】
以降は、特段の説明がない限り、画像処理装置1は、サブスクリプションサービスに加入済み(すなわち、契約済み)の画像処理装置であることとする。
【0036】
また、本実施形態では一例として、画像処理装置1がインクジェットプリンタである場合について説明する。しかしながら、画像処理装置1は、インクジェットプリンタ以外のプリンタであってもよい。例えば、画像処理装置1は、レーザープリンタであってもよい。また、画像形成装置1は、プリンタ以外の画像処理装置であってもよい。例えば、画像形成装置1は、スキャナであってもよい。
【0037】
<画像処理装置の全体構成>
図1を参照して、画像処理装置1の構造の概要を説明する。便宜上、以降の説明では、図1の上側を画像処理装置1の上側、図1の下側を画像処理装置1の下側とし、図1の左側を画像処理装置1の後側、図1の右側を画像処理装置1の前側とする。
【0038】
画像処理装置1は、インクを吐出することによって、データを印刷用紙Pに印刷するインクジェットプリンタである。画像処理装置1の本体筐体には、1つ以上のインクカートリッジが装着される。なお、図1に示す部材の他にも、画像処理装置1には、液晶ディスプレイやランプなどの表示部と、ボタンなどの入力部とが設けられていてもよい。また、液晶ディスプレイは、タッチパネルと一体に構成されることにより、入力部として機能するように構成されていてもよい。
【0039】
図1の例では、画像処理装置1は、給紙トレイ20、給紙部2、搬送ローラ60、記録部3、排出ローラ62、及び排出トレイ30を備えている。画像処理装置1の前面には、開口が形成されている。開口には、給紙トレイ20が、前後方向に移動可能に配置されている。給紙トレイ20には、積層された複数の印刷用紙Pが収容される。印刷用紙Pは、例えば所定の大きさの用紙である。印刷用紙Pは、紙媒体に限られない。例えば、印刷用紙PはOHPシートのような樹脂素材であってもよい。
【0040】
給紙部2は、給紙ローラ21と、給紙アーム22と、軸23とを有する。給紙部2は、給紙ローラ21の正回転によって、給紙トレイ20に収容された印刷用紙Pを搬送路Rへ給送する。給紙ローラ21は、給紙アーム22の先端部に回転可能に設けられている。給紙アーム22は、画像処理装置1のフレームに支持された軸23に回動可能に設けられている。給紙アーム22は、自重又はバネ等による弾性力によって、給紙トレイ20へ向けて回動付勢されている。画像形成装置1に設けられたモータ(図示せず)の逆回転による駆動力が給紙ローラ21に伝達されることで、給紙ローラ21が正回転する。
【0041】
搬送路Rは、ガイド部材51、ガイド部材52、記録部3、ガイド部材53、及びガイド部材54等によって形成される空間である。
【0042】
搬送方向における記録部3よりも上流側には、搬送ローラ60が配置されている。搬送ローラ60の下部と向かい合うように、ピンチローラ61が配置されている。搬送ローラ60は、画像形成装置1が有するモータの動力で回転する。ピンチローラ61は、搬送ローラ60の回転に伴って回転する。搬送ローラ60及びピンチローラ61が正回転することにより、印刷用紙Pは、搬送ローラ60及びピンチローラ61に挟持された状態で、搬送路Rの画像記録位置Xまで搬送される。画像記録位置Xは、記録ヘッド32により印刷用紙Pへの画像の記録が行われる位置である。画像形成装置1のモータの正回転による駆動力が搬送ローラ60に伝達されると、搬送ローラ60は正回転する。また、モータの逆回転による駆動力が搬送ローラ60に伝達されると、搬送ローラ60は逆回転する。
【0043】
記録部3は、搬送路Rの搬送ローラ60と排出ローラ62との間に配置される。記録部3は、キャリッジ31と、記録ヘッド32と、複数のノズル33と、プラテン34とを有する。また、ノズル33は、それぞれインクカートリッジ4と接続されている。なお、ノズル33およびインクカートリッジ4の個数は特に限定されない。
【0044】
インクカートリッジ4は、カートリッジ筐体を有する。カートリッジ筐体は、画像処理装置1の本体筐体に装着可能である。インクカートリッジ4は、画像処理(画像形成)を行うために使用される材料として、互いに異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの各色)のインクを収容する。インクは、印刷の度に消費される消耗品である。
【0045】
キャリッジ31は、搬送方向に対して直行する方向、すなわち、印刷用紙Pの幅方向に往復移動する。印刷用紙Pの画像記録において、画像処理装置1は、記録処理として、印刷用紙Pの搬送が停止している状態でキャリッジ31を印刷用紙Pの幅方向に移動させながら、記録ヘッド32のノズル33からインクを吐出させることで、1行分の画像を印刷用紙Pに記録させる。また、画像処理装置1は、改行処理として、搬送ローラ60及び排出ローラ62を駆動させて印刷用紙Pを所定の改行量だけ搬送する。画像処理装置1は、この記録処理と改行処理とを繰り返す。
【0046】
図1に示すように、キャリッジ31には、記録ヘッド32が搭載されている。記録ヘッド32の下面には、複数のノズル33が設けられている。記録ヘッド32はノズル33からインク滴を吐出する。プラテン34は、印刷用紙Pが載置される矩形板状の部材である。プラテン34に支持された印刷用紙Pに対して、キャリッジ31が移動する過程において、記録ヘッド32がインク滴を選択的に吐出することによって、印刷用紙Pに画像が記録される。
【0047】
搬送方向における記録部3よりも下流側には、排出ローラ62が配置されている。排出ローラ62の上部と対向する位置には、拍車63が配置されている。排出ローラ62は、画像処理装置1に設けられたモータによって駆動される。拍車63は、排出ローラ62の回転に伴って回転する。排出ローラ62及び拍車63が正回転することにより、印刷用紙Pは、排出ローラ62及び拍車63に挟まれて、排出トレイ30へ排出される。
【0048】
給紙トレイ20の上方には、排出トレイ30が配置されている。排出トレイ30は、排出ローラ62によって排出された印刷用紙Pを支持する。
【0049】
<画像処理装置1、インクカートリッジ4および管理サーバ9の内部構成>
図2は、本実施形態における画像処理装置1、インクカートリッジ4、および管理サーバ9(サーバ)の要部構成を示すブロック図である。
【0050】
(インクカートリッジ4)
インクカートリッジ4は、インクメモリ42を有する。インクメモリ42は、情報の読み出しおよび書き込みが可能なメモリである。インクメモリ42は例えば、フラッシュROMまたはEEPROM(登録商標)である。
【0051】
インクメモリ42は、インクID421、インク種別情報422、インク残量情報423および新品フラグ424を記憶している。
【0052】
インクID421は、例えば、個々のインクカートリッジ4を識別するための固有のシリアルナンバーである。
【0053】
インク種別情報422は、インクカートリッジ4が、契約専用のインクカートリッジ(管理消耗品)であるか、通常のインクカートリッジ(非管理消耗品)であるかを示す情報である。「契約専用のインクカートリッジ」とは、事業者と、画像処理装置1についての契約を結んだユーザに対して事業者が供給するインクカートリッジである。一方、「通常のインクカートリッジ」とは、契約専用のインクカートリッジ以外のカートリッジである。例えば、通常のカートリッジは、一般店舗で販売されているインクカートリッジであってもよい。なお、以降、契約専用のインクカートリッジを「契約カートリッジ」、通常のインクカートリッジを「市販カートリッジ」と称する場合がある。
【0054】
インク残量情報423は、インクカートリッジ4の残量を示す情報である。インク残量情報はすなわち、消耗品であるインクカートリッジ4の寿命を示す情報である。インク残量情報423は、インクカートリッジ4の残量を、最大値に対する割合で示すものであってもよい。あるいは、インク残量情報423は、インクカートリッジ4の残量が、所定の数値範囲のいずれに含まれているかを示すものであってもよい。所定の数値範囲とは、例えば、インクカートリッジ4の残量について、最小値以上第1値未満の第1範囲、第1値以上第2値未満の第2範囲、第2値以上最大値以下の第3範囲の3つであってもよい。なお、第1値は第2値より小さい。以降、これら3つの範囲について、第1範囲を「Empty」、第2範囲を「Low」、第3範囲を「Full」と呼称する場合がある。
【0055】
新品フラグ424は、インクカートリッジ4が、未使用の消耗品である新品であるか、使用済みの消耗品である旧品であるかを示す情報である。新品フラグ424は、インクカートリッジ4をカートリッジ筐体に装着する前は、新品であることを示している。インクカートリッジ4がカートリッジ筐体に装着されると、新品フラグ424は旧品であることを示す情報となる。
【0056】
画像処理装置1の本体筐体は、コネクタ101を有する。インクカートリッジ4が画像処理装置1に装着されると、コネクタ101がインクメモリ42と電気的に接続される。これにより、画像処理装置1は、インクカートリッジ4のインクメモリ42と通信可能となる。
【0057】
(画像処理装置1)
画像処理装置1はコントローラ80(装置側コントローラ、コントローラ)と、通信部81(装置側インターフェース、インターフェース)と、第1メモリ82(装置側メモリ、メモリ、第1領域)と、第2メモリ83(第2領域)とを有する。
【0058】
コントローラ80は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)を有する。コントローラ80は、画像処理装置1の本体筐体に設けられた、通信部81、第1メモリ82および第2メモリ83と電気的に接続されている。コントローラ80は、種々の処理を実行することによって、画像処理部84に印刷に関連する各種処理等を行わせる。
【0059】
また、コントローラ80は、CPU等のプロセッサを備えていてもよい。この場合、第1メモリ82または第2メモリ83に、画像処理装置1の制御を実現する制御プログラムが保存され、プロセッサが制御プログラムに従って動作することによって、コントローラ80が画像処理装置1に各種処理を行わせてもよい。
【0060】
また、コントローラ80は、制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えていてもよい。当該記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、制御プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを利用してもよい。また、制御プログラムは、当該制御プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送は等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本開示の一態様は、制御プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0061】
画像形成装置1にインクカートリッジ4が装着されると、図2に示すように、インクカートリッジ4は、コントローラ80と電気的に接続される。これにより、コントローラ80は、インクメモリ42からの情報の読み出し処理と、インクメモリ42への情報の書き込み処理(書き換え処理を含む)とを実行することが可能となる。
【0062】
第1メモリ82および第2メモリ83は、情報の読み出しおよび書き込みが可能なメモリである。第1メモリ82および第2メモリ83は、例えばNVRAM(Non-volatile RAM)である。第2メモリ83は、NVRAM以外のメモリ、例えば、フラッシュROMまたはEEPROM(登録商標)であってもよい。
【0063】
第1メモリ82は、契約インク情報821および新品検知回数822(装着回数)を記憶している。第2メモリ83は、使用インク情報831と、プリンタID832と、契約情報833とを記憶している。
【0064】
プリンタID832は、画像処理装置1を識別するための識別情報である。プリンタID832は、例えば、画像処理装置1のシリアルナンバーである。
【0065】
契約情報833は、画像処理装置1の契約内容を示す情報である。より詳しくは、契約情報833は、画像処理装置1がサービスの提供対象として契約中であるか否か、を示す。本実施形態では、画像処理装置1が契約モードに設定されているか、または、画像処理装置1が通常モードに設定されているかを示す。なお、契約モードとは、画像処理装置1が契約中であることを表す。また、通常モードとは、画像処理装置1が契約中でないことを表す。契約情報833は、画像処理装置1のユーザが画像処理装置1の契約内容を変更した場合に、管理サーバ9経由で書き換えられてもよい。
【0066】
なお、画像処理装置1が契約モードの場合、画像処理装置1は、契約カートリッジを使用可能であり、且つ、市販カートリッジも使用可能である。一方、画像処理装置1が通常モードの場合、画像処理装置1は、契約カートリッジの使用は不可となるが、市販カートリッジを使用することはできる。
【0067】
使用インク情報831は、インクカートリッジ4それぞれのインクメモリ42から読み出されるインクIDと、インク種別情報と、インク残量情報とを、1つのインクカートリッジ4ごとに対応付けた情報である。使用インク情報831は、画像処理装置1に現在装着されているインクカートリッジ4の情報である。すなわち、使用インク情報831に対応するインクカートリッジ4は、契約カートリッジである場合も、市販カートリッジである場合もあり得る。
【0068】
契約インク情報821は、インクカートリッジ4それぞれのインクメモリ42から読み出されるインクIDと、インク種別情報と、インク残量情報とを、1つのインクカートリッジ4ごとに対応付けた情報である。契約インク情報821は、画像処理装置1に直近に装着された契約カートリッジの情報である。なお、「直近に装着された契約カートリッジ」とは、「現時点で装着されている契約カートリッジ」も含む。
【0069】
新品検知回数822は、装着部85に、新品の契約カートリッジが装着された回数である。すなわち、新品検知回数822は、装着部85に、新品フラグ424が新品であることを示している契約カートリッジが装着された回数である。新品検知回数822は、インクカートリッジ4の種別、すなわち、色ごとのデータである。例えば、画像処理装置1が、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色のインクカートリッジ4を装着する場合、上記4色のインクカートリッジ4のそれぞれに対応する新品検知回数822が、第1メモリ82に記憶される。
【0070】
通信部81は、画像形成装置1と管理サーバ9との通信を行う通信インターフェースである。一例として、通信部81は、コントローラ80から取得した情報を管理サーバ9へ送信(通知)する。
【0071】
画像処理部84は、画像処理、例えば、印刷に関連する各種処理を実行するために、コントローラ80の指示に従って動作する。画像処理部84は、図1を参照して説明した画像処理装置1の各モータや記録部3に相当する。
【0072】
(管理サーバ9)
管理サーバ9は、1台以上の画像処理装置1を管理する管理装置であるとともに、当該画像処理装置1で使用される消耗品を管理するサービスを提供する。図2の例では、管理サーバ9は1台の画像処理装置1のみと接続しているが、管理サーバ9は複数の画像処理装置1と通信接続してよい。
【0073】
管理サーバ9は、サーバ通信部91(サーバ側インターフェース、インターフェース)と、サーバメモリ92(サーバ側メモリ、メモリ)と、サーバ制御部93(サーバ側コントローラ、コントローラ)を備えている。サーバ通信部91は、管理サーバ9と画像処理装置1との通信を行う通信インターフェースである。サーバ通信部91は、画像処理装置1から受信した情報をサーバ制御部93に出力する。
【0074】
サーバ制御部93は、管理サーバ9を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)である。サーバ制御部93は、サーバ通信部91を介して受信した情報に基づき、消耗品を発注する発注処理を行う。この発注処理は、消耗品の発注を行うか否かの判定を含む。発注を行う場合、サーバ制御部93は、サーバ通信部91を介して、消耗品の発注に関する情報を発注サーバ7へ送信する。当該情報は例えば、消耗品の情報および個数を含む。消耗品がインクカートリッジ4である場合を例に挙げて説明すると、消耗品の情報は、例えば、インクIDである。そして、発注サーバ7に対して管理サーバ9から送信された情報に基づき、当該情報が示す消耗品について、ユーザへの発送作業が行われる。
【0075】
サーバメモリ92は、管理サーバ9の動作、画像処理装置1および消耗品の管理に必要なデータを記憶する記憶装置である。サーバメモリ92は、プリンタ情報921および発注回数922を記憶している。
【0076】
プリンタ情報921は、画像処理装置1に関する種々の情報をまとめたデータである。プリンタ情報921は、画像処理装置1の1台ごとに分けて記憶される。プリンタ情報921は少なくとも、プリンタIDと、契約情報と、状態データとを含んでいる。他にも、プリンタ情報921は、例えば、画像処理装置1の型番、製造年月日等を含んでいてもよい。
【0077】
発注回数922は、画像処理装置1が使用する消耗品の発注回数を、画像処理装置1ごとに記憶した情報である。一例として、発注回数922は、プリンタIDと発注回数を示す値とを対応付けた情報である。消耗品がインクカートリッジ4である例において、発注回数922は、インクカートリッジ4の種別、すなわち、色ごとのデータである。例えば、画像処理装置1が、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色のインクカートリッジ4を装着する場合、上記4色のインクカートリッジ4のそれぞれに対応する発注回数922が、当該画像処理装置1のプリンタIDと対応付けられてサーバメモリ92に記憶される。
【0078】
<各種処理の流れ>
次に、画像処理装置1のコントローラ80が実行する各種処理の流れについて、図3図6を用いて説明する。
【0079】
(装着時処理)
図3は、画像処理装置1にインクカートリッジ4が装着されたときに実行される装着時処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0080】
ステップS1において、コントローラ80は、インクカートリッジ4の装着を検知する。例えば、コントローラ80は、インクカートリッジ4の装着部(不図示)に設けられたセンサ(不図示)からの信号に基づき、インクカートリッジ4の装着を検知する。そして、コントローラ80は、インクメモリ42に記憶されている各種情報を取得する。そして、装着時処理はステップS2へ進む。
【0081】
ステップS2において、コントローラ80は、第2メモリ83に記憶されている契約情報833を参照し、画像処理装置1が契約モードであるか否かを判定する。契約モードであると判定した場合(S2でYES)、装着時処理はステップS3へ進む。契約モードでないと判定した場合(S2でNO)、装着時処理は終了する。
【0082】
ステップS3において、コントローラ80は、取得したインク種別情報422を参照し、装着されたインクカートリッジ4が契約カートリッジであるか否かを判定する。契約カートリッジであると判定した場合(S3でYES)、装着時処理はステップS4へ進む。契約カートリッジでないと判定した場合(S3でNO)、装着時処理はステップ8へ進む。
【0083】
ステップS4において、コントローラ80は、インクメモリ42から取得した情報、すなわち、インクID421、インク種別情報422およびインク残量情報423を契約インク情報821として第1メモリ82に記憶する。そして、装着時処理はステップS5へ進む。
【0084】
ステップS5において、コントローラ80は、取得した新品フラグ424を参照して、装着されたインクカートリッジ4が新品であるか否かを判定する。新品であると判定した場合(S5でYES)、装着時処理はステップS6へ進む。新品でないと判定した場合(S5でNO)、装着時処理はステップS8へ進む。
【0085】
ステップS6において、コントローラ80は、インクメモリ42に記憶されている新品フラグ424を旧品、すなわち使用済みに更新する。
【0086】
ステップS7(装着回数更新工程)において、コントローラ80は、第1メモリ82に記憶されている新品検知回数822をインクリメントする。新品検知回数822が色ごとのデータである場合、コントローラ80は、インクメモリ42から取得した情報に基づき、更新対象の新品検知回数を特定してインクリメントする。そして、装着時処理は終了する。
【0087】
ステップS8において、コントローラ80は、インクメモリ42から取得した情報、すなわち、インクID421、インク種別情報422およびインク残量情報423を使用インク情報831として第2メモリ83に記憶する。そして、装着時処理は終了する。
【0088】
以上のとおり、コントローラ80は、インクカートリッジ4が装着されたとき、(1)契約モードである、(2)契約カートリッジが装着された、(3)新品が装着された、のすべてを満たしている場合、当該インクカートリッジ4に対応する新品検知回数822をインクリメントする。また、コントローラ80は、契約カートリッジが装着されたときのみ、インクID421、インク種別情報422およびインク残量情報423を第1メモリ82に記憶する。換言すれば、市販カートリッジが装着された場合、コントローラ80は、インクID421、インク種別情報422およびインク残量情報423を第1メモリ82に記憶しない。
【0089】
(インク情報更新処理)
図4は、画像処理装置1によるインク情報更新処理の流れの一例を示すフローチャートである。ステップS11において、コントローラ80は、入力部等を介して入力された印刷を実行するための信号に基づき、画像処理部84に印刷を実行させる。そして、インク情報更新処理はステップS12へ進む。
【0090】
ステップS12において、コントローラ80は、第2メモリ83に記憶されている使用インク情報831を更新する。具体的には、コントローラ80は、印刷に使用したインク量に基づき、使用インク情報831のインク残量情報を更新する。そして、インク情報更新処理はステップS13へ進む。
【0091】
ステップS13において、コントローラ80は、第2メモリ83に記憶されている契約情報833を参照し、画像処理装置1が契約モードであるか否かを判定する。契約モードであると判定した場合(S13でYES)、インク情報更新処理はステップS14へ進む。契約モードでないと判定した場合(S13でNO)、インク情報更新処理は終了する。
【0092】
ステップS14において、コントローラ80は、第2メモリに記憶されている使用インク情報831を参照し、画像処理装置1に装着されているインクカートリッジ4が契約カートリッジであるか否かを判定する。契約カートリッジであると判定した場合(S14でYES)、インク情報更新処理はステップS15へ進む。契約カートリッジでないと判定した場合(S14でNO)、インク情報更新処理は終了する。
【0093】
ステップS15(寿命更新工程)において、コントローラ80は、第1メモリ82に記憶されている契約インク情報821を更新する。具体的には、コントローラ80は、印刷に使用したインク量に基づき、契約インク情報821のインク残量情報を更新する。そして、インク情報更新処理は終了する。
【0094】
以上のとおり、契約モードにおいて契約カートリッジを使用して印刷を行った場合、コントローラ80は、契約インク情報821および使用インク情報831の両方について、インク残量情報を更新する。一方、契約モードにおいて市販カートリッジを使用して印刷を行った場合、コントローラ80は、契約インク情報821および使用インク情報831のうち、使用インク情報831のインク情報のみを更新する。
【0095】
(通知処理)
図5は、画像処理装置1による通知処理の流れの一例を示すフローチャートである。ステップS21において、コントローラ80は、インクカバーが閉じられたことを検知する(S21)。インクカバーとは、インクカートリッジ4を装着する装着部(不図示)に設けられたカバーであり、ユーザは、画像処理装置1にインクカートリッジ4を装着する場合、インクカバーを開いてインクカートリッジ4を装着し、インクカバーを閉じる。インクカバーが閉じられたことを検知した場合(S21でYES)。通知処理はステップS24へ進む。インクカバーが閉じられたことを検知していない場合(S21でNO)。通知処理はステップS22へ進む。
【0096】
ステップS22において、コントローラ80は、画像処理装置1がオフラインの状態からオンラインの状態となったことを検知する。オフラインの状態とは、画像処理装置1が、通信部81を介して管理サーバ9等と通信できない状態を指す。オンラインの状態とは、画像処理装置1が、通信部81を介して管理サーバ9等と通信可能な状態を指す。オフラインの状態からオンラインの状態となったことを検知した場合(S22でYES)、通知処理はステップS24へ進む。当該状態となったことを検知していない場合(S22でNO)、通知処理はステップS23へ進む。
【0097】
ステップS23において、コントローラ80は、所定時間ごとの通知タイミングとなったか否かを判定する。所定時間は、例えば12時間であるが、これに限定されない。通知タイミングとなったと判定した場合(S23でYES)、通知処理はステップS24へ進む。通知タイミングとなっていないと判定した場合(S23でNO)、通知処理はステップS26へ進む。
【0098】
ステップS24において、コントローラ80は、第1メモリ82から契約インク情報821および新品検知回数822を読み出す。そして、通知処理はステップS25へ進む。
【0099】
ステップS25(送信工程)において、コントローラ80は、読み出した契約インク情報821および新品検知回数822を、通信部81を介して管理サーバ9へ通知する。そして、通知処理はステップS26へ進む。
【0100】
ステップS26において、コントローラ80は、画像処理装置1の電源OFFを待機する。具体的には、コントローラ80は、画像処理装置1の入力部(不図示)に入力された操作に基づく、電源OFF信号の取得を待機する。電源OFF信号を取得した場合(S26でYES)。通知処理は終了する。電源OFF信号を取得していない場合(S26でNO)、通知処理はステップS21へ戻る。
【0101】
以上のように、コントローラ80は、(1)インクカバーが閉じられた、(2)画像処理装置1がオフラインの状態からオンラインの状態となった、(3)所定の通知タイミングとなった、のいずれかが満たされた場合、契約インク情報821および新品検知回数822を管理サーバ9へ通知する。
【0102】
(発注判定処理)
図6は、管理サーバ9による発注処理の流れの一例を示すフローチャートである。ステップS31において、サーバ制御部93は、サーバ通信部91を介して画像処理装置1から通知を受信する。そして、発注処理はステップS32へ進む。
【0103】
ステップS32において、サーバ制御部93は、通知元の画像処理装置1が契約モードであるか否かを判定する。一例として、サーバ制御部93は、サーバメモリ92に記憶されているプリンタ情報921を参照し、通知元の画像処理装置1が契約モードであるか否かを判定する。契約モードであると判定した場合(S32でYES)、発注処理はステップS33へ進む。契約モードでないと判定した場合(S32でNO)、発注処理は終了する。
【0104】
ステップS33において、サーバ制御部93は、通知された新品検知回数822と発注回数922とを比較することにより、新品検知回数示す値が、発注回数が示す値以下であるとの条件を満たしているか否かを判定する。当該条件を満たしていると判定した場合(S33でYES)、発注処理はステップS34へ進む。当該条件を満たしていない、すなわち、新品検知回数示す値が、発注回数が示す値より大きい場合、発注処理は終了する。
【0105】
ステップS34において、サーバ制御部93は、通知されたインク残量情報を参照し、インク残量情報が「Low」または「Empty」であるか否かを判定する。「Low」または「Empty」である場合(S33でYES)、発注処理はステップS35へ進む。インク残量情報が「Low」または「Empty」でない、すなわち、初期値の「Full」である場合、発注処理は終了する。
【0106】
ステップS35(発注工程)において、サーバ制御部93は、発注サーバ7への発注を実行する。具体的には、サーバ制御部93は、インク残量が「Low」または「Empty」の契約カートリッジの情報を発注サーバ7へ送信し、当該契約カートリッジをユーザへ発送させる。
【0107】
なお、ステップS35を実行した場合、サーバ制御部93は、発注回数922における、通知元の画像処理装置1に対応するレコードにおいて、発注回数を示す値をインクリメントする(発注回数更新工程)。以上で、発注処理は終了する。
【0108】
以上のように、サーバ制御部93は、新品検知回数>発注回数となった場合、インク残量情報に関わらず、発注を実行しない。
【0109】
<多重発注の抑制>
図7および図8を参照して、本実施形態に係る発注管理システム100による、多重発注の抑制について説明する。ここで、多重発注とは、適正量より多い消耗品を発注してしまうことにより、適正量より多い消耗品をユーザが所持してしまうことを指す。
【0110】
(従来の発注管理)
図7は、従来の発注管理システムにおける発注管理の流れの一例を示す図である。ここでの、従来の発注管理システムにおける発注管理とは、管理サーバ9が、画像処理装置1で使用されている契約カートリッジのインク残量情報のみに基づき発注するか否かを決定することを指す。また、従来の発注管理システムにおける発注管理では、画像処理装置1から管理サーバ9への通知は、画像処理装置1がオフラインの状態からオンラインの状態となった、または、所定の通知タイミングとなった、のいずれかであるとする。換言すれば、従来の発注管理システムにおける発注管理では、インクカバーが閉じられたときに通知が行われない。
【0111】
図7において、「ユーザ」のカラムはユーザまたは画像処理装置1が実行する処理を格納する。「通知」のカラムは画像処理装置1から管理サーバ9への通知の有無を格納する。「インク残量情報」のカラムは通知されたインク残量情報を格納する。発注回数は、「発注回数」のカラムは通知を受信した時点での発注回数922を格納する。なお、図7は、従来の発注管理システムにおける発注管理を示しているため、新品検知回数は使用されない。なお、各カラムに格納される情報の定義は、以降の図に示す例でも同様である。
【0112】
なお、図7および以降の図に示す例においてユーザは、2台の画像処理装置1、具体的には、画像処理装置1Aおよび1Bを所持しているものとする。ここで、画像処理装置1Bは、すでにサービス契約済みであるとする。
【0113】
ステップP1において、ユーザは、画像処理装置1Aをサービス登録、すなわち、サービスの契約を行う。これにより、サービス登録に関する情報が管理サーバ9へ通知され、管理サーバ9は、画像処理装置1Aが契約モードであるとして管理する。そして、管理サーバ9は、発注サーバ7にスタートキットの発注に関する情報を送信し、ユーザへスタートキットを発送させる。なお、スタートキットとは、画像処理装置1Aが使用するインクカートリッジ4のそれぞれにおける、契約カートリッジである。一例として、画像処理装置1Aが使用するインクカートリッジ4が、マゼンタ、シアン、イエローおよびブラックのインクカートリッジである場合、スタートキットはこれら4色の契約カートリッジである。
【0114】
なお、図7およびこれ以降の図に示す例では、理解を容易にするために、画像処理装置1Aが使用するインクカートリッジ4が1色(例えばブラックのみ)であるとする。
【0115】
ステップP2において、ユーザは発送されたスタートキットの契約カートリッジを画像処理装置1Aに装着する。
【0116】
ステップP3において、ユーザは画像処理装置1Aにおいて印刷を行う。これにより、画像処理装置1Aに記憶されているインク残量情報が更新される。
【0117】
ステップP4において、所定の通知タイミングとなったため、画像処理装置1Aはインク残量情報を管理サーバ9へ通知する。なお、ステップP4では、インク残量情報が「Full」であるため、発注は行われない。
【0118】
ステップP5において、ユーザは画像処理装置1Aにおいて印刷を行う。これにより、画像処理装置1Aに記憶されているインク残量情報が更新される。
【0119】
ステップP6において、所定の通知タイミングとなったため、画像処理装置1Aはインク残量情報を管理サーバ9へ通知する。ステップP6では、インク残量情報が「Low」であるため、管理サーバ9は、契約カートリッジの発注を行う。以降、ステップP6で発注された契約カートリッジを契約カートリッジ4Aと呼称する。
【0120】
ステップP7において、ユーザは契約カートリッジ4Aを画像処理装置1Aに装着する。
【0121】
ステップP8において、ユーザは画像処理装置1Aにおいて印刷を行う。これにより、画像処理装置1Aに記憶されている、契約カートリッジ4Aのインク残量情報が更新される。
【0122】
ステップP9において、ユーザは、画像処理装置1B用に発送された新品の契約カートリッジ4Bを、画像処理装置1Aに装着したとする。
【0123】
ステップP10において、ユーザは画像処理装置1Aにおいて印刷を行う。これにより、画像処理装置1Aに記憶されている、契約カートリッジ4Bのインク残量情報が更新される。
【0124】
ステップP11において、所定の通知タイミングとなったため、画像処理装置1Aはインク残量情報を管理サーバ9へ通知する。ステップP6では、インク残量情報が「Low」であるため、管理サーバ9は、契約カートリッジの発注を行う。これにより、ユーザは、ステップP6で発注された契約カートリッジ4Aと、新たな契約カートリッジとを所持することとなる。このように、従来の発注管理システムでは多重発注が発生してしまうおそれがある。
【0125】
(本実施形態に係る発注管理)
図8は、本実施形態に係る発注管理システム100における発注管理の流れの一例を示す図である。図8に示す図は、図7に示す図に「新品検知回数」のカラムが追加されたものである。「新品検知回数」のカラムは、その時点での新品検知回数822を格納する。
【0126】
ステップP21において、ユーザは、画像処理装置1Aをサービス登録、すなわち、サービスの契約を行う。これにより、サービス登録に関する情報が管理サーバ9へ通知され、管理サーバ9は、画像処理装置1Aが契約モードであるとして管理する。そして、管理サーバ9は、発注サーバ7にスタートキットの発注に関する情報を送信し、ユーザへスタートキットを発送させる。これにより、発注回数922は「1」となる。
【0127】
ステップP22において、ユーザは発送されたスタートキットの契約カートリッジを画像処理装置1Aに装着する。これにより、画像処理装置1Aは、新品検知回数822をインクリメントし、新品検知回数822は「1」となる。また、画像処理装置1Aは、契約インク情報821と新品検知回数822とを管理サーバ9へ通知する。ステップP22では、新品検知回数≦発注回数の条件を満たしているが、インク残量情報が「Full」であるため、発注は行われない。
【0128】
ステップP23において、ユーザは画像処理装置1Aにおいて印刷を行う。これにより、画像処理装置1Aに記憶されているインク残量情報が更新される。
【0129】
ステップP24において、所定の通知タイミングとなったため、画像処理装置1Aは、契約インク情報821と新品検知回数822とを管理サーバ9へ通知する。なお、ステップP24では、新品検知回数≦発注回数の条件を満たしているが、インク残量情報が「Full」であるため、発注は行われない。
【0130】
ステップP25において、ユーザは画像処理装置1Aにおいて印刷を行う。これにより、画像処理装置1Aに記憶されているインク残量情報が更新される。
【0131】
ステップP26において、所定の通知タイミングとなったため、画像処理装置1Aは、契約インク情報821と新品検知回数822とを管理サーバ9へ通知する。ステップP6では、新品検知回数≦発注回数の条件を満たしており、かつ、インク残量情報が「Low」であるため、管理サーバ9は、契約カートリッジの発注を行う。これにより、発注回数922は「2」となる。以降、ステップP26で発注された契約カートリッジを契約カートリッジ4Aと呼称する。
【0132】
ステップP27において、ユーザは契約カートリッジ4Aを画像処理装置1Aに装着する。これにより、画像処理装置1Aは、新品検知回数822をインクリメントし、新品検知回数822は「2」となる。また、画像処理装置1Aは、契約インク情報821と新品検知回数822とを管理サーバ9へ通知する。なお、ステップP27では、新品検知回数≦発注回数の条件を満たしているが、インク残量情報が「Full」であるため、発注は行われない。
【0133】
ステップP28において、ユーザは画像処理装置1Aにおいて印刷を行う。これにより、画像処理装置1Aに記憶されている、契約カートリッジ4Aのインク残量情報が更新される。
【0134】
ステップP29において、ユーザは、画像処理装置1B用に発送された新品の契約カートリッジ4Bを、画像処理装置1Aに装着したとする。これにより、画像処理装置1Aは、新品検知回数822をインクリメントし、新品検知回数822は「3」となる。また、画像処理装置1Aは、契約インク情報821と新品検知回数822とを管理サーバ9へ通知する。ここで、ステップP29では、新品検知回数≦発注回数の条件を満たさないため、発注は行われない。
【0135】
ステップP30において、ユーザは画像処理装置1Aにおいて印刷を行う。これにより、画像処理装置1Aに記憶されている、契約カートリッジ4Bのインク残量情報が更新される。
【0136】
ステップP31において、所定の通知タイミングとなったため、画像処理装置1Aは契約インク情報821と新品検知回数822とを管理サーバ9へ通知する。ここで、ステップP29では、新品検知回数≦発注回数の条件を満たさないため、発注は行われない。
【0137】
ステップP32において、ユーザは、契約カートリッジ4Aを、画像処理装置1Aに再度装着したとする。これにより、画像処理装置1Aは、契約インク情報821と新品検知回数822とを管理サーバ9へ通知する。ここで、ステップP29では、新品検知回数≦発注回数の条件を満たさないため、発注は行われない。
【0138】
以上のように、本実施形態に係る発注管理システム100は、新品検知回数が発注回数より多くなった場合、契約カートリッジの発注を行わない。これにより、ユーザが、或る画像処理装置1の契約カートリッジを使用せず、別の画像処理装置1の契約カートリッジを使用した場合、すなわち、多重発注が発生し得る状況とした場合でも、多重発注が発生しないようにすることができる。
【0139】
<発注漏れの抑制>
図9および図10を参照して、本実施形態に係る発注管理システム100による、発注漏れの抑制について説明する。ここで、発注漏れとは、発注すべき状況で発注が行われず、使用可能な契約カートリッジをユーザが所持していないという状況を指す。
【0140】
(従来の発注処理)
図9は、従来の発注管理システムにおける発注管理の流れの一例を示す図である。ここでの、従来の発注管理システムにおける発注管理とは、画像処理装置1が、使用インク情報831を管理サーバ9へ通知し、管理サーバ9が、通知された使用インク情報831が契約カートリッジの使用インク情報831であり、インク残量が少ない場合に発注することを指す。また、従来の発注管理システムにおける発注管理では、画像処理装置1から管理サーバ9への通知は、画像処理装置1がオフラインの状態からオンラインの状態となった、または、所定の通知タイミングとなった、のいずれかであるとする。換言すれば、従来の発注管理システムにおける発注管理では、インクカバーが閉じられたときに通知が行われない。
【0141】
ステップP41において、ユーザは、画像処理装置1Aをサービス登録、すなわち、サービスの契約を行う。これにより、サービス登録に関する情報が管理サーバ9へ通知され、管理サーバ9は、画像処理装置1Aが契約モードであるとして管理する。そして、管理サーバ9は、発注サーバ7にスタートキットの発注に関する情報を送信し、ユーザへスタートキットを発送させる。
【0142】
ステップP42において、ユーザは発送されたスタートキットの契約カートリッジを画像処理装置1Aに装着する。
【0143】
ステップP43において、ユーザは画像処理装置1Aにおいて印刷を行う。これにより、画像処理装置1Aに記憶されているインク残量情報が更新される。
【0144】
ステップP44において、所定の通知タイミングとなったため、画像処理装置1Aはインク残量情報を管理サーバ9へ通知する。なお、ステップP44では、インク残量情報が「Full」であるため、発注は行われない。
【0145】
ステップP45において、ユーザは画像処理装置1Aにおいて印刷を行う。これにより、画像処理装置1Aに記憶されているインク残量情報が更新される。
【0146】
ステップP46において、画像処理装置1Aに装着されている契約インクカートリッジがインク切れとなったとする。なお、ステップP46では、通知タイミングの前にインク切れとなったため、ユーザは新たな契約カートリッジを所持していない。ステップP47において、ユーザは市販カートリッジを画像処理装置1Aに装着する。
【0147】
ステップP48において、ユーザは画像処理装置1Aにおいて印刷を行う。これにより、画像処理装置1Aに記憶されているインク残量情報が更新される。このインク残量情報は、ステップP47で装着された市販カートリッジのインク残量情報である。
【0148】
ステップP49において、所定の通知タイミングとなったため、画像処理装置1Aはインク残量情報を管理サーバ9へ通知する。ステップP49では、インク残量情報は「Low」であるが、管理サーバ9は、市販カートリッジのインク残量情報に基づいて発注を行わない。このため、ステップP49では、契約カートリッジの発注は行われない。つまり、画像処理装置1Aにおいては、契約カートリッジが「Empty」となっているにもかかわらず、新たな契約カートリッジが発注されない。このように、従来の発注管理システムでは発注漏れが発生してしまうおそれがある。
【0149】
(本実施形態に係る発注管理)
図10は、本実施形態に係る発注管理システム100における発注管理の流れの一例を示す図である。図10に示す図は、図9に示す図に「新品検知回数」のカラムが追加されたものである。
【0150】
P51において、ユーザは、画像処理装置1Aをサービス登録、すなわち、サービスの契約を行う。これにより、サービス登録に関する情報が管理サーバ9へ通知され、管理サーバ9は、画像処理装置1Aが契約モードであるとして管理する。そして、管理サーバ9は、発注サーバ7にスタートキットの発注に関する情報を送信し、ユーザへスタートキットを発送させる。
【0151】
P52において、ユーザは発送されたスタートキットの契約カートリッジを画像処理装置1Aに装着する。これにより、画像処理装置1Aは、新品検知回数822をインクリメントし、新品検知回数822は「1」となる。また、画像処理装置1Aは、契約インク情報821と新品検知回数822とを管理サーバ9へ通知する。ステップP52では、新品検知回数≦発注回数の条件を満たしているが、インク残量情報が「Full」であるため、発注は行われない。
【0152】
P53において、ユーザは画像処理装置1Aにおいて印刷を行う。これにより、画像処理装置1Aに記憶されているインク残量情報が更新される。
【0153】
P54において、所定の通知タイミングとなったため、画像処理装置1Aは、契約インク情報821と新品検知回数822とを管理サーバ9へ通知する。なお、ステップP54では、新品検知回数≦発注回数の条件を満たしているが、インク残量情報が「Full」であるため、発注は行われない。
【0154】
P55において、ユーザは画像処理装置1Aにおいて印刷を行う。これにより、画像処理装置1Aに記憶されているインク残量情報が更新される。
【0155】
P56において、画像処理装置1Aに装着されている契約インクカートリッジがインク切れとなったとする。なお、ステップP56では、通知タイミングの前にインク切れとなったため、ユーザは新たな契約カートリッジを所持していない。
【0156】
ステップP57において、ユーザは市販カートリッジを画像処理装置1Aに装着する。これにより、使用インク情報831は、当該市販カートリッジの情報に更新されるが、契約インク情報821は、ステップP56においてインク切れとなった契約カートリッジの情報が残る。また、画像処理装置1Aは、契約インク情報821と新品検知回数822とを管理サーバ9へ通知する。ステップP56では、新品検知回数≦発注回数の条件を満たしており、かつ、インク残量情報が「Empty」であるため、管理サーバ9は、契約カートリッジの発注を行う。
【0157】
以上のように、本実施形態に係る発注管理システム100は、画像処理装置1に装着されたインクカートリッジ4の種類に関わらず、通知の際には契約インク情報821を送信する。これにより、従来の発注管理システムにおいて発注漏れが発生し得る状況となっても、発注漏れが発生しないようにすることができる。
【0158】
<作用効果>
以上のとおり、本実施形態に係る発注管理システム100は、画像処理装置1と、管理サーバ9とを含む。
【0159】
画像処理装置1は、自装置に装着されたインクカートリッジ4を使用して印刷を行う画像処理部84を備える。また、画像処理装置1は、ネットワークへ接続するための通信部81を備える。また、画像処理装置1は、新品の契約カートリッジの装着回数である新品検知回数822と、装着された契約カートリッジのインク残量情報とを記憶する第1メモリ82を備える。また、画像処理装置1はコントローラ80を備える。コントローラ80は、新品の契約カートリッジが装着された場合、新品検知回数822をインクリメントする装着回数更新処理を実行する。また、コントローラ80は、画像処理の実行に応じて、インク残量情報を更新する寿命更新処理を実行する。また、コントローラ80は、所定のタイミングにおいて、新品検知回数822とインク残量情報とを、通信部81を介して管理サーバ9へ送信する送信処理を実行する。
【0160】
管理サーバ9は、ネットワークへ接続するためのサーバ通信部91を備える。また、管理サーバ9は、契約カートリッジの発注回数922を記憶するサーバメモリ92を備える。また、管理サーバ9は、サーバ制御部93を備える。サーバ制御部93は、サーバ通信部91を介して、新品検知回数822およびインク残量情報を受信したとき、新品検知回数822が発注回数922より多い、または、インク残量情報が「Full」である場合、契約カートリッジの発注を行わず、新品検知回数822が発注回数922以下、かつ、インク残量情報が「Low」または「Empty」である場合、インクカートリッジ4の契約カートリッジの発注を行う発注処理を実行する。また、サーバ制御部93は、発注処理において発注を行った場合、発注回数922をインクリメントする発注回数更新処理を実行する。
【0161】
新品検知回数822が発注回数922より多いという状況は、画像処理装置1のために発注された契約カートリッジとは異なる契約カートリッジが、画像処理装置1に装着されたことを示している。これはすなわち、画像処理装置1のユーザが、当該画像処理装置1のために発注された契約カートリッジを使用せず所持しているということを示している。ここで、上記構成によれば、新品検知回数822が発注回数922以下であることが、契約カートリッジの発注に必須の条件となる。これにより、上記のような状況においては、以降の契約カートリッジの発注が行われないので、契約カートリッジの発注ミス、具体的には、契約カートリッジの多重発注を抑制することができる。
【0162】
また、送信処理における所定のタイミングは、インクカバーが閉じられた時点を含む。この構成によれば、インクカバーが閉じられた時点、すなわち、画像処理装置1に新品の契約カートリッジが装着された可能性が高いタイミングで送信処理を行う。これにより、新品の契約カートリッジの装着による新品検知回数822およびインク残量情報の増加をリアルタイムで管理サーバ9へ送信することができる。
【0163】
また、契約モードにおける画像処理装置1は、契約カートリッジの他、市販カートリッジを装着し、使用可能である。サーバ制御部93は、市販カートリッジのインク残量情報に基づく契約カートリッジの発注を行わず、契約カートリッジのインク残量情報に基づき契約カートリッジの発注を行う。そして、コントローラ80は、送信処理において、契約カートリッジのインク残量情報および市販カートリッジのインク残量情報のうち、契約カートリッジのインク残量情報のみを送信する。
【0164】
上記の構成によれば、管理サーバ9は、市販カートリッジのインク残量情報に基づく契約カートリッジの発注を行わず、契約カートリッジのインク残量情報に基づき契約カートリッジの発注を行う。これに対し、画像処理装置1は、契約カートリッジのインク残量情報および市販カートリッジのインク残量情報のうち、契約カートリッジのインク残量情報のみを送信するので、契約カートリッジを確実に発注することができる。結果として、契約カートリッジの発注漏れを抑制することができる。
【0165】
また、コントローラ80は、寿命更新処理において、画像処理装置1に現在装着されているインクカートリッジ4が契約カートリッジの場合、第1メモリ82に記憶されている契約インク情報821のインク残量情報と、第2メモリ83に記憶されている使用インク情報831のインク残量情報とを更新する。また、コントローラ80は、寿命更新処理において、画像処理装置1に現在装着されているインクカートリッジ4が市販カートリッジの場合、2つのインク残量情報のうち、第2メモリ83に記憶されている使用インク情報831のインク残量情報を更新する。また、コントローラ80は、送信処理において、契約インク情報821および使用インク情報831のうち、契約インク情報821を送信する。
【0166】
画像処理装置1のインクカートリッジ4を、残量が「Low」または「Empty」となった契約カートリッジから市販カートリッジに交換したとする。従来技術においては、この交換の後で送信処理のタイミングが来た場合、現在使用しているインクカートリッジ4、すなわち市販カートリッジのインク残量情報が送信されるが、当該インク残量情報が示す残量が「Low」または「Empty」であったとしても、契約カートリッジは発注されない。そして、契約カートリッジの残量が「Low」または「Empty」となったことはサーバに通知されないので、いわゆる発注漏れが発生する。これに対して、上記の構成によれば、市販カートリッジが装着されている場合、契約インク情報821のインク残量情報は更新されず、また、送信処理においては、契約インク情報821を送信するので、残量が「Low」または「Empty」となった契約カートリッジの情報を漏れなく管理サーバ9へ送信することができる。結果として、契約カートリッジの発注ミス、具体的には、契約カートリッジの発注漏れを抑制することができる。
【0167】
また、コントローラ80は、契約カートリッジが装着されたか否かを判定する判定処理をさらに実行する。また、コントローラ80は、装着回数更新処理において、新品のインクカートリッジ4が画像処理装置1に装着され、かつ、判定処理において契約カートリッジが装着されたと判定された場合、新品検知回数822をインクリメントする。一方、コントローラ80は、判定処理において契約カートリッジが装着されていないと判定された場合、新品検知回数822をインクリメントしない。
【0168】
上記の構成によれば、契約カートリッジの新品が装着されたときのみ新品検知回数822がインクリメントされるので、契約カートリッジの正確な装着回数を管理サーバ9へ送信することができる。結果として、管理サーバ9は、契約カートリッジの発注が必要か否かを正確に判定することができる。
【0169】
また、画像処理が短期間に多数回実行された場合、送信処理を行う所定のタイミングの前に、装着された契約カートリッジが使用不可となる可能性がある。この場合、画像処理装置1のユーザは、やむなく市販カートリッジを用いることが考えられる。このような場合において、契約カートリッジと市販カートリッジとを区別せず新品検知回数822をインクリメントすると、新品検知回数822が発注回数より多くなった状態で送信処理が実行されるため、契約カートリッジの発注が行われない。これに対し、上記の構成によれば、契約カートリッジの新品が装着されたときのみ新品検知回数822がインクリメントされるので、上述したようにユーザが悪意無く市販カートリッジを使用した場合には発注が行われるようにすることができる。
【0170】
また、コントローラ80は、画像処理装置1が契約モードであるか否かを判定する第2判定処理をさらに実行する。また、コントローラ80は、装着回数更新処理において、契約カートリッジの新品が画像処理装置1に装着され、かつ、第2判定処理において画像処理装置1が契約モードであると判定された場合、新品検知回数822をインクリメントする。一方、コントローラ80は、第2判定処理において画像処理装置1が契約モードでないと判定された場合、新品検知回数822をインクリメントしない。
【0171】
契約モードである別の画像処理装置1の契約カートリッジを、通常モードの画像処理装置1に誤って装着した場合を考える。このとき、新品検知回数822がインクリメントされると、ユーザが誤りに気付き契約カートリッジを外した後、当該画像処理装置1を契約モードとした場合、契約カートリッジの装着により、新品検知回数822が再度インクリメントされる。その結果、新品検知回数822が発注回数922より多くなり、以降の発注が行われなくなってしまう。これに対し、上記の構成によれば、通常モードの画像処理装置1において新品の契約カートリッジが装着されても新品検知回数822をインクリメントしないので、ユーザが誤りに気付き契約カートリッジを外した後、当該画像処理装置1を契約モードとした場合において、通常どおり契約カートリッジの発注が行われるようにすることができる。
【0172】
〔変形例〕
発注管理システム100は、多重発注を抑制するための構成と、発注漏れを抑制するための構成とのうち、一方のみを備えるものであってもよい。
【0173】
前者の構成のみを備える場合、画像処理装置1は、第1メモリ82を備えない構成であってもよい。この例において、画像処理装置1は、契約インク情報821を記憶しておらず、新品検知回数822を第2メモリ83に記憶している。そして、コントローラ80は、管理サーバ9への通知タイミングにおいて、使用インク情報831および新品検知回数822を管理サーバ9へ送信する。
【0174】
後者の構成のみを備える場合、画像処理装置1は、新品検知回数822を記憶していない構成であってもよい。この例において、コントローラ80は、管理サーバ9への通知タイミングにおいて、契約インク情報821を管理サーバ9へ送信する。管理サーバ9のサーバ制御部93は、契約インク情報821のインク残量情報が「Low」または「Empty」である場合、契約カートリッジを発注する。
【0175】
画像処理装置1は、管理サーバ9への通知時に、契約インク情報821および新品検知回数822に加え、使用インク情報831を送信してもよい。なお、この例においても、サーバ制御部93は、契約カートリッジを発注するか否かの判定には、契約インク情報821を用いる。
【0176】
上記実施形態では、消耗品がインクカートリッジである例を説明したが、画像処理装置1の消耗品はインクカートリッジに限定されない。画像処理装置1がインクジェットプリンタである例において、消耗品は、インクカートリッジ4以外の消耗品を含んでいてもよい。また、画像処理装置1がレーザープリンタである例において、消耗品は、インクカートリッジ4に代えてトナーカートリッジを含んでいてもよい。また、消耗品が、インクカートリッジ4や上述のトナーカートリッジ以外の消耗品を含む場合、当該消耗品の寿命を示す情報は、残量を示す情報に限定されない。当該情報は、例えば、消耗品の耐用年数、印刷に使用した印刷用紙のページ数、消耗品が回転体である場合は、消耗品の回転数であってもよい。
【0177】
上記実施形態では、発注管理システム100が、契約専用のインクカートリッジである契約カートリッジの発注を管理する例を説明したが、発注管理システム100が発注を管理する消耗品は、契約専用の消耗品に限定されない。当該消耗品は、例えば、契約モードの画像処理装置1と通常モードの画像処理装置1との両方で使用可能な消耗品であってもよい。
【0178】
この例の場合、コントローラ80は、装着された消耗品が契約専用の消耗品であるか否かを判定しない、すなわち、図3のステップS3に対応する処理を実行しない構成となる。
【0179】
上記実施形態では、契約インク情報821が第1メモリ82に記憶され、使用インク情報831が、第1メモリ82と異なるメモリである第2メモリ83に記憶される例を説明したが、これらの情報を記憶するメモリはこの例に限定されない。画像処理装置1は、契約インク情報821と使用インク情報831とを区別して記憶していればよい。例えば、契約インク情報821が、画像処理装置1のメモリの第1領域に記憶され、使用インク情報831が、第1領域と異なる、画像処理装置1のメモリの第2領域に記憶されてもよい。
【0180】
また、新品検知回数822は、上記実施形態では第1メモリ82に記憶されていたが、第2メモリ83に記憶されてもよい。
【0181】
管理サーバ9のサーバ制御部93は、或る画像処理装置1が契約モードから通常モードとなった場合、当該画像処理装置1の発注回数922を初期化する発注回数初期化処理を実行してもよい。この例において、当該画像処理装置1のコントローラ80は、新品検知回数822を初期化する装着回数初期化処理を実行することが望ましい。
【0182】
管理サーバ9に記憶された発注回数922が初期化されたときに、画像処理装置1に記憶された新品検知回数822を初期化しない場合、当該画像処理装置1が再度契約モードとなったときに、新品検知回数822が発注回数922より多くなるので、契約カートリッジの発注が行われなくなってしまう。これに対し、上記の構成によれば、管理サーバ9に記憶された発注回数922の初期化とともに、画像処理装置1に記憶された新品検知回数822を初期化するので、画像処理装置1が再度契約モードとなった場合において、通常どおり契約カートリッジの発注が行われるようにすることができる。
【0183】
画像処理装置1のメモリは、過去に装着されたインクカートリッジ4の履歴を記憶していてもよい。当該履歴は、例えば、現在装着されているインクカートリッジ4の直前に装着されていたインクカートリッジ4のインクID421を示す情報であってもよいし、過去に装着されたインクカートリッジ4のインクID421を時系列で格納しているものであってもよい。後者の例において、履歴に含まれるインクID421の数は特に限定されない。
【0184】
上記実施形態では、コントローラ80は、管理サーバ9への通知を行うか否かの判定において、(1)インクカバーが閉じられたか否か、(2)画像処理装置1がオフラインの状態からオンラインの状態となったか否か、(3)所定の通知タイミングとなったか否か、を判定する構成であった。これに対し、コントローラ80は、上記(1)から(3)の少なくともいずれかを判定する構成であればよい。
【0185】
また、上記実施形態では、インクカバーが閉じられた場合に、コントローラ80が管理サーバ9への通知を行う構成としていたが、コントローラ80は、新たな契約カートリッジが画像処理装置1に装着されてから、画像処理装置1が画像処理を実行可能となるまでの期間内のいずれかのタイミングで通知を行えばよい。つまり、通知を行うタイミングは、インクカバーが閉じられたタイミングに限定されず、例えば、契約カートリッジが装着されたタイミングや、インクカバーが閉じられた後、印刷可能となったタイミングなどであってもよい。
【0186】
上記実施形態では、サーバ制御部93は、通知されたインク残量情報が「Low」または「Empty」であるか否かを判定していたが、インク残量情報に係る判定はこの例に限定されない。例えば、サーバ制御部93は、通知されたインク残量情報が「Empty」であるか否かを判定する構成であってもよい。この例の場合、通知されたインク残量情報が「Full」または「Low」の場合、契約カートリッジは発注されない。
【0187】
契約インク情報821および使用インク情報831のインク残量情報は、残量を最大値に対する割合で示す割合情報をさらに含んでいてもよい。この例の場合、コントローラ80は、インク残量情報として、「Full」、「Low」、「Empty」のいずれかと、割合情報とを含む。
【0188】
また、管理サーバ9は、ユーザに発送された契約カートリッジについて、インク残量情報が所定値以下となる日付を予測し、インクID421と対応付けてサーバメモリ92に記憶してもよい。当該日付は、例えば、割合情報が「0%」となる日付であってもよい。この例において、サーバ制御部93は、(1)予測した日付まで10日未満、かつ、(2)通知された割合情報が示す割合が所定値未満との条件を満たす場合、インク残量情報が「Full」であっても、契約カートリッジの発注を行ってもよい。「割合が所定値未満」における所定値は、例えば51%であってもよい。
【0189】
上記実施形態では、管理サーバ9と発注サーバ7とが別のサーバである例を説明したが、管理サーバ9および発注サーバ7は、1つのサーバとして構成されていてもよい。
【0190】
〔ソフトウェアによる実現例〕
画像処理装置1および管理サーバ9の制御ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0191】
後者の場合、画像処理装置1および管理サーバ9は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0192】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0193】
1 画像処理装置
4 インクカートリッジ(消耗品)
9 管理サーバ(サーバ)
80 コントローラ(装置側コントローラ、コントローラ)
81 通信部(装置側インターフェース、インターフェース)
82 第1メモリ(装置側メモリ、メモリ、第1領域)
83 第2メモリ(第2領域)
84 画像処理部
91 サーバ通信部(サーバ側インターフェース、インターフェース)
92 サーバメモリ(サーバ側メモリ、メモリ)
93 サーバ制御部(サーバ側コントローラ、コントローラ)
822 新品検知回数(装着回数)
922 発注回数
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図10