(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】制御方法、空気調和機およびプログラム
(51)【国際特許分類】
F24F 11/79 20180101AFI20240816BHJP
F24F 120/12 20180101ALN20240816BHJP
F24F 120/14 20180101ALN20240816BHJP
【FI】
F24F11/79
F24F120:12
F24F120:14
(21)【出願番号】P 2021529360
(86)(22)【出願日】2020-02-27
(86)【国際出願番号】 JP2020008084
(87)【国際公開番号】W WO2021111648
(87)【国際公開日】2021-06-10
【審査請求日】2023-02-16
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 泰治
(72)【発明者】
【氏名】水野 江都子
(72)【発明者】
【氏名】原田 昌明
(72)【発明者】
【氏名】杉山 真史
【審査官】奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-133692(JP,A)
【文献】特開2009-018091(JP,A)
【文献】特開2019-100621(JP,A)
【文献】特開2017-215131(JP,A)
【文献】特開2013-213642(JP,A)
【文献】特開2016-176629(JP,A)
【文献】特開2016-061446(JP,A)
【文献】特開2019-094855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00-11/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータによる、室内のユーザが寝ている位置よりも高い位置に設置される空気調和機の暖房運転時の制御方法であって、
前記室内における前記ユーザの位置情報と、前記ユーザの睡眠情報である睡眠深度とを取得し、
前記睡眠深度が第1段階の深度である場合、前記位置情報に基づいて、前記空気調和機の出力する風が前記ユーザを回避するように前記空気調和機の風向を前記室内の上方に向けて制御し、
前記睡眠深度が前記第1段階よりも深い第2段階の深度である場合、前記位置情報に基づいて、前記空気調和機の出力する風が前記ユーザに当たるように前記風向を前記室内の下方に向けて制御
し、
前記ユーザの睡眠時において、前記第1段階の深度と前記第2段階の深度とは交互に繰り返され、
前記睡眠深度に応じて、前記風向を前記室内の上方に向ける制御と、前記風向を前記室内の下方に向ける制御とが交互に繰り返される
制御方法。
【請求項2】
前記睡眠深度は、心拍変動解析により得られる指標値に基づいて決定される
請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
さらに、
前記指標値の時間的な変動に基づいて、前記第2段階の終了時刻を推定し、
前記風向の制御では、前記第2段階の終了時刻の所定時間前のタイミング、又は、前記指標値が所定の指標値となったタイミングで、前記位置情報に基づいて、前記空気調和機の出力する風が前記ユーザを回避するように風向を制御する
請求項2に記載の制御方法。
【請求項4】
前記風向の制御では、前記指標値の時間的な変動における傾きが所定の正の傾きより大きくなったタイミングで、前記位置情報に基づいて、前記空気調和機の出力する風が前記ユーザを回避するように風向を制御する
請求項2に記載の制御方法。
【請求項5】
さらに、
前記ユーザの睡眠時の室内環境、又は、前記ユーザの起床時の室内環境に対する前記ユーザによる主観評価を取得し、
前記主観評価に基づいて、睡眠時における前記空気調和機の空調運転における設定温度を変更する
請求項1から4のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項6】
プロセッサおよびメモリを備え、室内のユーザが寝ている位置よりも高い位置に設置される空気調和機であって、
前記プロセッサは、前記メモリを用いて、前記空気調和機の暖房運転時において、
室内における前記ユーザの位置情報と、前記ユーザの睡眠情報である睡眠深度とを取得し、
前記睡眠深度が第1段階の深度である場合、前記位置情報に基づいて、前記空気調和機の出力する風が前記ユーザを回避するように前記空気調和機の風向を前記室内の上方に向けて制御し、
前記睡眠深度が前記第1段階よりも深い第2段階の深度である場合、前記位置情報に基づいて、前記空気調和機の出力する風が前記ユーザに当たるように風向を前記室内の下方に向けて制御
し、
前記ユーザの睡眠時において、前記第1段階の深度と前記第2段階の深度とは交互に繰り返され、
前記睡眠深度に応じて、前記風向を前記室内の上方に向ける制御と、前記風向を前記室内の下方に向ける制御とが交互に繰り返される
空気調和機。
【請求項7】
室内のユーザが寝ている位置よりも高い位置に設置される空気調和機の暖房運転時の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記制御方法は、
前記室内における前記ユーザの位置情報と、前記ユーザの睡眠情報である睡眠深度とを取得し、
前記睡眠深度が第1段階の深度である場合、前記位置情報に基づいて、前記空気調和機の出力する風が前記ユーザを回避するように前記空気調和機の風向を前記室内の上方に向けて制御し、
前記睡眠深度が前記第1段階よりも深い第2段階の深度である場合、前記位置情報に基づいて、前記空気調和機の出力する風が前記ユーザに当たるように前記風向を前記室内の下方に向けて制御
し、
前記ユーザの睡眠時において、前記第1段階の深度と前記第2段階の深度とは交互に繰り返され、
前記睡眠深度に応じて、前記風向を前記室内の上方に向ける制御と、前記風向を前記室内の下方に向ける制御とが交互に繰り返される
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが睡眠中の空気調和機の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
睡眠中の空調運転の方法として、特許文献1記載の発明がある。
【0003】
特許文献1記載の発明は、睡眠中の加湿器の空調運転に関する発明であり、ユーザの睡眠状態をセンシングし、浅い睡眠の場合は人よけ運転、深い睡眠の場合は、結露除去運転を行う方法を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の発明では、ユーザの睡眠状態を用いて、睡眠中のユーザの温熱快適性を改善する方法は言及していない。本発明においては、睡眠中のユーザの快適な温熱環境を実現するための制御方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示における制御方法は、コンピュータによる、室内に設置される空気調和機の制御方法であって、前記室内におけるユーザの位置情報と、前記ユーザの睡眠情報である睡眠深度とを取得し、前記睡眠深度が第1段階の深度である場合、前記位置情報に基づいて、前記空気調和機の出力する風が前記ユーザを回避するように前記空気調和機の風向を制御し、前記睡眠深度が前記第1段階よりも深い第2段階の深度である場合、前記位置情報に基づいて、前記空気調和機の出力する風が前記ユーザに当たるように前記風向を制御する。
【0007】
本開示の他の一態様に係る制御方法は、コンピュータによる、室内に設置される空気調和機の制御方法であって、前記室内におけるユーザの睡眠情報である睡眠深度を取得し、前記睡眠深度が第1段階の深度である場合、前記空気調和機の風向を前記室内の上方に向けて制御し、前記睡眠深度が前記第1段階よりも深い第2段階の深度である場合、前記空気調和機の風向を前記室内の下方となるように制御する。
【0008】
本開示の他の一態様に係る空気調和機は、プロセッサおよびメモリを備え、室内に設置される空気調和機であって、前記プロセッサは、前記メモリを用いて、室内におけるユーザの位置情報と、前記ユーザの睡眠情報である睡眠深度とを取得し、前記睡眠深度が第1段階の深度である場合、前記位置情報に基づいて、前記空気調和機の出力する風が前記ユーザを回避するように前記空気調和機の風向を制御し、前記睡眠深度が前記第1段階よりも深い第2段階の深度である場合、前記位置情報に基づいて、前記空気調和機の出力する風が前記ユーザに当たるように風向を制御する。
【0009】
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの非一時的な記録媒体で実現されてもよく、システム、集積回路、コンピュータプログラムおよび非一時的な記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示に係る制御方法は、就寝中のユーザの睡眠状態に応じて空気調和機を制御でき、ユーザを覚醒させないようにユーザにとって快適な温度制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本実施の形態にかかるサービスの全体像を示す図である。
【
図2】
図2は、サービスの類型1(自社データセンタ型)を示す図である。
【
図3】
図3は、サービスの類型2(IaaS利用型)を示す図である。
【
図4】
図4は、サービスの類型3(PaaS利用型)を示す図である。
【
図5】
図5は、サービスの類型4(SaaS利用型)を示す図である。
【
図6】
図6は、実施の形態における空調制御システムの概略図である。
【
図7】
図7は、実施の形態における空気調和機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、実施の形態におけるクラウドサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、実施の形態における睡眠状態検知機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、実施の形態における空調制御システムの構成を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、人の眠りの深さまたは特徴と、睡眠経過時間との関係を示すグラフである。
【
図12】
図12は、空調センシング情報および空調制御情報を含むデータのテーブル構造を示す図である。
【
図13】
図13は、睡眠状態情報を含むデータのテーブル構造を示す図である。
【
図14】
図14は、睡眠前の設定時のアプリケーションにおける画面例を示す図である。
【
図15】
図15は、起床後のアプリケーションにおける画面例を示す図である。
【
図16】
図16は、温熱環境主観評価を管理するテーブル構造の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、設定DBのユーザテーブルの構造の一例を示す図である。
【
図18】
図18は、設定DBのスケジュールテーブルの構造の一例を示す図である。
【
図19】
図19は、ユーザが睡眠中における空気調和機の制御方法の時系列の流れを示す図である。
【
図21】
図21は、睡眠状態データ蓄積フローを示す図である。
【
図23】
図23は、初回空調制御の制御フローを示す図である。
【
図24】
図24は、空調制御フェーズ1の制御フローを示す図である。
【
図25】
図25は、空調制御フェーズ2の制御フローを示す図である。
【
図26】
図26は、ユーザの睡眠状態と、LF/HFとの関係を説明するための図である。
【
図27】
図27は、LF/HFと風向との関係の一例を示す図である。
【
図28】
図28は、LF/HFと風向との関係の他の一例を示す図である。
【
図29】
図29は、ユーザの心拍数、心拍数の時間平均、および、心拍数の予測値の時間変動を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の一態様に係る制御方法は、コンピュータによる、室内に設置される空気調和機の制御方法であって、前記室内におけるユーザの位置情報と、前記ユーザの睡眠情報である睡眠深度とを取得し、前記睡眠深度が第1段階の深度である場合、前記位置情報に基づいて、前記空気調和機の出力する風が前記ユーザを回避するように前記空気調和機の風向を制御し、前記睡眠深度が前記第1段階よりも深い第2段階の深度である場合、前記位置情報に基づいて、前記空気調和機の出力する風が前記ユーザに当たるように前記風向を制御する。
【0013】
これによれば、就寝中のユーザの睡眠状態に応じて空気調和機を制御でき、ユーザを覚醒させないようにユーザにとって快適な温度制御を行うことができる。
【0014】
また、前記睡眠深度は、心拍変動解析により得られる指標値に基づいて決定されてもよい。
【0015】
また、さらに、前記指標値の時間的な変動に基づいて、前記第2段階の終了時刻を推定し、前記風向の制御では、前記第2段階の終了時刻の所定時間前のタイミング、又は、前記指標値が所定の指標値となったタイミングで、前記位置情報に基づいて、前記空気調和機の出力する風が前記ユーザを回避するように風向を制御してもよい。
【0016】
また、前記風向の制御では、前記指標値の時間的な変動における傾きが所定の正の傾きより大きくなったタイミングで、前記位置情報に基づいて、前記空気調和機の出力する風が前記ユーザを回避するように風向を制御してもよい。
【0017】
また、さらに、前記ユーザの睡眠時の室内環境、又は、前記ユーザの起床時の室内環境に対する前記ユーザによる主観評価を取得し、前記主観評価に基づいて、睡眠時における前記空気調和機の空調運転における設定温度を変更してもよい。
【0018】
本開示の他の一態様に係る制御方法は、コンピュータによる、室内に設置される空気調和機の制御方法であって、前記室内におけるユーザの睡眠情報である睡眠深度を取得し、前記睡眠深度が第1段階の深度である場合、前記空気調和機の風向を前記室内の上方に向けて制御し、前記睡眠深度が前記第1段階よりも深い第2段階の深度である場合、前記空気調和機の風向を前記室内の下方となるように制御する。
【0019】
これによれば、就寝中のユーザの睡眠状態に応じて空気調和機を制御でき、ユーザを覚醒させないようにユーザにとって快適な温度制御を行うことができる。
【0020】
本開示の他の一態様に係る空気調和機は、プロセッサおよびメモリを備え、室内に設置される空気調和機であって、前記プロセッサは、前記メモリを用いて、室内におけるユーザの位置情報と、前記ユーザの睡眠情報である睡眠深度とを取得し、前記睡眠深度が第1段階の深度である場合、前記位置情報に基づいて、前記空気調和機の出力する風が前記ユーザを回避するように前記空気調和機の風向を制御し、前記睡眠深度が前記第1段階よりも深い第2段階の深度である場合、前記位置情報に基づいて、前記空気調和機の出力する風が前記ユーザに当たるように風向を制御する。
【0021】
これによれば、就寝中のユーザの睡眠状態に応じて空気調和機を制御でき、ユーザを覚醒させないようにユーザにとって快適な温度制御を行うことができる。
【0022】
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの非一時的な記録媒体で実現されてもよく、システム、集積回路、コンピュータプログラムおよび非一時的な記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0023】
(提供するサービスの全体像)
図1の(A)には、本実施の形態にかかるサービスの全体像が示されている。
【0024】
グループ100は、例えば企業、団体、家庭等であり、その規模を問わない。グループ100には、複数の機器101である機器A、機器Bおよびホームゲートウェイ102が存在する。複数の機器101には、インターネットと接続可能な機器(例えば、スマートフォン、PC、TV等)もあれば、それ自身ではインターネットと接続不可能な機器(例えば、照明、洗濯機、冷蔵庫等)も存在する。それ自身ではインターネットと接続不可能な機器であっても、ホームゲートウェイ102を介してインターネットと接続可能となる機器が存在してもよい。またグループ100には複数の機器101を使用するユーザ10が存在する。
【0025】
データセンタ運営会社110には、クラウドサーバ111が存在する。クラウドサーバ111とはインターネットを介して様々な機器と連携する仮想化サーバである。主に通常のデータベース管理ツール等で扱うことが困難な巨大なデータ(ビッグデータ)等を管理する。データセンタ運営会社110は、データ管理やクラウドサーバ111の管理、それらを行うデータセンタの運営等を行っている。データセンタ運営会社110が行っている役務については詳細を後述する。ここで、データセンタ運営会社110は、データ管理やクラウドサーバ111の運営等のみを行っている会社に限らない。例えば複数の機器101のうちの一つの機器を開発・製造している機器メーカが、併せてデータ管理やクラウドサーバ111の管理等を行っている場合は、機器メーカがデータセンタ運営会社110に該当する(
図1の(B))。また、データセンタ運営会社110は一つの会社に限らない。例えば機器メーカ及び他の管理会社が共同もしくは分担してデータ管理やクラウドサーバ111の運営を行っている場合は、両者もしくはいずれか一方がデータセンタ運営会社110に該当するものとする(
図1の(C))。
【0026】
サービスプロバイダ120は、サーバ121を保有している。ここで言うサーバ121とは、その規模は問わず例えば、個人用PC内のメモリ等も含む。また、サービスプロバイダがサーバ121を保有していない場合もある。
【0027】
なお、上記サービスにおいてホームゲートウェイ102は必須ではない。例えば、クラウドサーバ111が全てのデータ管理を行っている場合等は、ホームゲートウェイ102は不要となる。また、家庭内のあらゆる機器がインターネットに接続されている場合のように、それ自身ではインターネットと接続不可能な機器は存在しない場合もある。
【0028】
次に、上記サービスにおける機器のログ情報(操作履歴情報および動作履歴情報)の流れを説明する。
【0029】
まず、グループ100の機器A又は機器Bは、各ログ情報をデータセンタ運営会社110のクラウドサーバ111に送信する。クラウドサーバ111は機器A又は機器Bのログ情報を集積する(
図1の(a))。ここで、ログ情報とは複数の機器101の、例えば運転状況や動作日時等を示す情報である。例えば、テレビの視聴履歴やレコーダの録画予約情報、洗濯機の運転日時・洗濯物の量、冷蔵庫の開閉日時・開閉回数などであるが、これらのものに限らずあらゆる機器から取得が可能なすべての情報をいう。ログ情報は、インターネットを介して複数の機器101自体から直接クラウドサーバ111に提供される場合もある。また複数の機器101から一旦ホームゲートウェイ102にログ情報が集積され、ホームゲートウェイ102からクラウドサーバ111に提供されてもよい。
【0030】
次に、データセンタ運営会社110のクラウドサーバ111は、集積したログ情報を一定の単位でサービスプロバイダ120に提供する。ここで、データセンタ運営会社が集積した情報を整理してサービスプロバイダ120に提供することの出来る単位でもよいし、サービスプロバイダ120が要求した単位でもよい。一定の単位と記載したが一定でなくてもよく、状況に応じて提供する情報量が変化する場合もある。前記ログ情報は、必要に応じてサービスプロバイダ120が保有するサーバ121に保存される(
図1の(b))。そして、サービスプロバイダ120は、ログ情報をユーザに提供するサービスに適合する情報に整理し、ユーザに提供する。提供するユーザは、複数の機器101を使用するユーザ10でもよいし、外部のユーザ20でもよい。ユーザへのサービス提供方法は、例えば、サービスプロバイダから直接ユーザへ提供されてもよい(
図1の(b)および(e))。また、ユーザへのサービス提供方法は、例えば、データセンタ運営会社110のクラウドサーバ111を再度経由して、ユーザに提供されてもよい(
図1の(c)および(d))。また、データセンタ運営会社110のクラウドサーバ111がログ情報をユーザに提供するサービスに適合する情報に整理し、サービスプロバイダ120に提供してもよい。
【0031】
なお、ユーザ10とユーザ20とは、別でも同一でもよい。
【0032】
(実施の形態)
図6は、実施の形態における空調制御システムの概略図である。
【0033】
具体的には、
図6において、空調制御システム1は、空気調和機300、クラウドサーバ400、睡眠状態検知機500、通信ネットワーク600およびルータ610を備える。
【0034】
空調制御システム1は、例えば、住宅601などの建物の室内のユーザU1の睡眠時に快適な空調空間を提供するためのシステムである。
【0035】
以下、各機器について具体的に説明する。
【0036】
図7は、実施の形態における空気調和機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0037】
空気調和機300は、室内の空質環境を調整する機器であり、例えば、暖房運転または冷房運転することで室内の温度を調整する機器である。空気調和機300は、例えば、ルームエアコンである。
図7に示すように、空気調和機300は、熱源301、送風機302、各種センサ303および制御回路304を備える。
【0038】
熱源301は、冷媒回路(図示せず)が備える熱交換器であり、例えば、凝縮器として機能する熱交換器である。熱源301は、冷媒回路が備える熱交換器に限らずに、電気ヒータ、ガスヒータ、石油ヒータなどであってもよい。
【0039】
送風機302は、熱源により加熱された空気を室内に送風する。送風機302は、例えば、ファンと、ファンを回転させるモータとにより構成される。ファンは、例えば、クロスフローファンであってもよいし、軸流ファンであってもよい。
【0040】
各種センサ303は、室内温度を検出する温度センサ、室内湿度を検出する湿度センサ、室外温度を検出する温度センサ、室外湿度を検出する湿度センサ、室内における人の所在を検出する人感センサ、空気調和機300により消費されている電力量を検出する電力センサなどを含む。各種センサ303は、さらに、熱源301の温度を検出する温度センサ、空気調和機300から吹き出す空気の温度を検出する温度センサなどを含んでもよい。
【0041】
制御回路304は、各種センサ303により検出された室内温度に応じて、予め設定されている目標温度に検出された室内温度が近づくように、熱源301および送風機302の動作を制御する。制御回路304は、例えば、暖房運転において、目標温度に室内温度が達していない、つまり、目標温度よりも室内温度が低い温度である場合、熱源301および送風機302を駆動することで、室内空間を暖房する。また、制御回路304は、暖房運転において、目標温度に室内温度が達した場合、つまり、室内温度が目標温度以上の温度である場合、熱源301および送風機302を一時停止する。暖房運転の場合、室外気温が室内温度よりも低いことが多いため、熱源301および送風機302が停止することで、室内温度が室外気温に近づくため低下する。これにより、目標温度よりも室内温度が低い温度となると、制御回路304は、熱源301および送風機302を駆動する。このように、制御回路304は、室内温度および目標温度との関係に基づいて、熱源301および送風機302の動作を制御することで、室内温度が目標温度で維持されるように室内温度を調整することができる。
【0042】
制御回路304は、ルータ610を介して通信ネットワーク600への通信を確立する通信IF(Interface)を有する。通信IFは、通信ネットワーク600を介してクラウドサーバ400と通信する通信インタフェースである。つまり、通信IFは、通信ネットワーク600に通信接続できる通信インタフェースであればよい。具体的には、通信IFは、移動通信システムの基地局との通信接続、または、ルータ610との通信接続により、通信ネットワーク600と通信接続する通信インタフェースである。通信IFは、例えば、IEEE802.11a、b、g、n、ac、ax規格に適合した無線LAN(Local Area Network)インタフェースであってもよいし、第3世代移動通信システム(3G)、第4世代移動通信システム(4G)、第5世代移動通信システム(5G)、または、LTE(登録商標)などのような移動通信システムで利用される通信規格に適合した無線通信インタフェースであってもよい。
【0043】
なお、制御回路304が有する通信IFは、他の端末機器との通信接続により、通信ネットワーク600と通信接続する通信インタフェースであってもよい。この場合、例えば、通信IFは、無線LANインタフェースであってもよいし、Bluetooth(登録商標)規格に適合した無線通信インタフェースであってもよい。
【0044】
図8は、実施の形態におけるクラウドサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0045】
図8に示すように、クラウドサーバ400は、プロセッサ401、メインメモリ402、ストレージ403、および通信IF(Interface)404を備える。
【0046】
プロセッサ401は、ストレージ403等に記憶された制御プログラムを実行するプロセッサである。
【0047】
メインメモリ402は、プロセッサ401が制御プログラムを実行するときに使用するワークエリアとして用いられる揮発性の記憶領域である。
【0048】
ストレージ403は、制御プログラムなどを保持する不揮発性の記憶領域である。
【0049】
通信IF404は、通信ネットワーク600を介して空気調和機300、睡眠状態検知機500、端末機器700などの機器と通信する通信インタフェースである。通信IF404は、例えば、有線LANインタフェースである。なお、通信IF404は、無線LANインタフェースであってもよい。また、通信IF404は、LANインタフェースに限らずに、通信ネットワークとの通信接続を確立できる通信インタフェースであれば、どのような通信インタフェースであってもよい。
【0050】
図9は、実施の形態における睡眠状態検知機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0051】
図9に示すように、睡眠状態検知機500は、アンテナ501および制御回路502を備える。睡眠状態検知機500は、例えば、非接触の電波センサである。
【0052】
アンテナ501は、所定の周波数の送信波(マイクロ波電波)を室内に送信する送信アンテナと、室内において人を含む物体により送信波が反射された反射波を受信する受信アンテナとを有する。
【0053】
制御回路502は、アンテナ501により受信された反射波のドップラーシフトに基づいて、アンテナ501と計測対象(例えば人などの生体)との間の微小な距離変化を算出する。制御回路502は、算出された結果を用いて、計測対象の動き(体動)、呼吸、心拍などを推定する。
【0054】
制御回路502は、ルータ610を介して通信ネットワーク600への通信を確立する通信IF(Interface)を有する。通信IFは、通信ネットワーク600を介してクラウドサーバ400と通信する通信インタフェースである。つまり、通信IFは、通信ネットワーク600に通信接続できる通信インタフェースであればよい。具体的には、通信IFは、移動通信システムの基地局との通信接続、または、ルータ610との通信接続により、通信ネットワーク600と通信接続する通信インタフェースである。通信IFは、例えば、IEEE802.11a、b、g、n、ac、ax規格に適合した無線LAN(Local Area Network)インタフェースであってもよいし、第3世代移動通信システム(3G)、第4世代移動通信システム(4G)、第5世代移動通信システム(4G)、または、LTE(登録商標)などのような移動通信システムで利用される通信規格に適合した無線通信インタフェースであってもよい。
【0055】
なお、制御回路502が有する通信IFは、他の端末機器との通信接続により、通信ネットワーク600と通信接続する通信インタフェースであってもよい。この場合、例えば、通信IFは、無線LANインタフェースであってもよいし、Bluetooth(登録商標)規格に適合した無線通信インタフェースであってもよい。
【0056】
図10は、実施の形態における空調制御システムの構成を示すブロック図である。
【0057】
空調制御システム1は、空気調和機300、クラウドサーバ400、および睡眠状態検知機500を備える。クラウドサーバ400のブロックの一部もしくは全ては、データセンタ運営会社110のクラウドサーバ111もしくはサービスプロバイダ120のサーバ121のどちらかに属す。
【0058】
空気調和機300は、センサ情報取得部311、制御情報取得部312、および空調制御部313を備える。
【0059】
空調制御部313は、熱源301および送風機302の動作を制御することで、室内の空気の温度、湿度などを調整する。空調制御部313は、具体的には、空気調和機能であるが、室内の温度や湿度のコントロールできる制御機構であれば、これに限らない。空調制御部313は、空調設定部413で、指定される運転パラメータに基づいて制御を行う。運転パラメータは、「運転」、「モード」、「設定温度」、「風量」、および「風向」のそれぞれを示すパラメータを含む。「運転」は、運転のON/OFFを示し、「モード」は冷房、暖房、除湿などの空気調和機300の運転モードを示し、「設定温度」は空気調和機300に指定する目標温度を示し、「風量」は空気調和機300による送風の風量を示し、「風向」は空気調和機が送風する風の向きを示す。空調制御部313は、例えば、制御回路304により実現される。
【0060】
センサ情報取得部311は、空気調和機300が備える各種センサ303により検出された検出結果である空調センシング情報を取得する。取得できる空調センシング情報は、温湿度センサから取得される温度/湿度、室外の温度/湿度、赤外線などの人感センサから取得される人がいる/いないの情報を示す「在不在情報」、空気調和機300の稼動時に流れる電流から電力量を求める電力センサから取得される「電力量」などを含む。センサ情報取得部311は、例えば、各種センサ303および制御回路304により実現される。
【0061】
制御情報取得部312は、空調制御情報を取得する。空調制御情報とは、空調制御部313によって熱源301および送風機302の動作を制御するための制御内容を示す。空調制御情報は、具体的には、運転ステータス(ON/OFF)、運転モード(冷房/暖房/除湿/自動)、設定温度、風向、風量、吹き出し温度、冷媒回路における圧縮機の回転数(冷暖房強度)などを示す情報である。制御情報取得部312は、例えば、制御回路304により実現される。
【0062】
以上が空気調和機300の構成の説明である。
【0063】
睡眠状態検知機500は、睡眠状態情報取得部511から構成される。
【0064】
睡眠状態情報取得部511は、マイクロ波電波などの電磁波を用いて、人のセンシングを行うことで、人の睡眠状態を推定する。睡眠状態情報取得部511は、推定された睡眠状態を示す睡眠状態情報を、クラウドサーバ400に送信する。
【0065】
人の睡眠は、
図11に示すように、眠りの深さや特徴によって、時系列でいくつかの「睡眠状態」に分類できる。
図11に示すように、睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠とに分けられる。レム睡眠は、高速眼球運動を伴う睡眠であり、睡眠中の状態の一つで、体は休息状態にあるが、脳は活動している状態にある。人が夢を見るのはレム睡眠中であることが多い。
【0066】
ノンレム睡眠は、高速眼球運動を伴わない睡眠であり、眠りの深さによってステージ1からステージ4までの4段階に分けられる。ステージの数が増えるほど眠りが深くなり、ステージ4が最も深いレベルである。この時の脳波を計測すると、1Hzから4Hzのデルタ波とよばれる低周波、かつ、高振幅の波形が高頻度で計測される。入眠時から通常45~60分経過するまでの間にノンレム睡眠のステージ3およびステージ4まで到達し、さらに1時間から2時間ほど経過すると徐々に眠りが浅くなってレム睡眠になる。以後は、ノンレム睡眠とレム睡眠とが交互に現れ、90~110分を睡眠周期として繰り返される。
【0067】
体動、呼吸、および心拍は、
図11で示す睡眠状態と相関がある。例えば、ノンレム睡眠ののうちでステージ3およびステージ4のような深い睡眠においては浅い睡眠よりも、体動量が少なくなり、心拍変動(RRI:R-R Interval)が低くなることが知られている。睡眠状態情報取得部511は、このような睡眠状態と相関関係がある指標における指標値を検出することで、人の睡眠状態をリアルタイムに推定し、その結果を睡眠状態情報としてクラウドサーバ400に転送する。
【0068】
睡眠状態情報は、睡眠状態と、睡眠状態と推定された推定時刻とが紐付けられた情報である。睡眠状態は、覚醒、レム睡眠、ノンレム睡眠の各深さを示すステージ1、ステージ2、ステージ3、およびステージ4を含む。推定時刻は、対応する睡眠状態が推定される元になった体動、呼吸および心拍の少なくとも1つが計測された時刻である。睡眠状態情報は、さらに、推定時刻において計測された体動、呼吸および心拍の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0069】
なお、睡眠状態の判定は、睡眠状態検知機500で行われなくてもよく、クラウドサーバ400において行われてもよい。この場合、睡眠状態検知機500は、睡眠状態情報として、体動、呼吸および心拍の少なくとも1つのセンシングデータと、当該センシングデータをセンシングした時刻とが紐付けられた睡眠センシング情報をクラウドサーバ400に送信する。クラウドサーバ400は、睡眠状態検知機500から取得した睡眠センシング情報を用いて、ユーザU1の睡眠状態を推定する。
【0070】
なお、睡眠状態検知機500は、電波センサとしたが、これに限らずに、睡眠状態を推定するための睡眠センシング情報を取得できる構成であれば、その形態に限らない。睡眠状態検知機は、例えば、腕に装着するウェアラブル端末であってもよい。この場合、睡眠状態検知機は、心拍を計測する心拍センサ、および、体動を計測するIMU(Inertial Measurement Unit)を備える。IMUは、三軸加速度センサおよびジャイロセンサを有する。また、睡眠状態検知機は、人が寝るマットの下に配置され、人の体動を検出する感圧式のセンサを備える構成であってもよい。
【0071】
以上が睡眠状態検知機500の構成の説明である。
【0072】
クラウドサーバ400は、取得部411、パラメータ算出部412、空調設定部413、インタフェース414、履歴DB415、および設定DB416を備える。
【0073】
取得部411は、空気調和機300のセンサ情報取得部311から空調センシング情報を取得する。取得部411は、取得した空調センシング情報を履歴DB415に格納する。取得部411は、例えば、1分に1回、センサ情報取得部311から空調センシング情報を取得して履歴DB415に格納してもよい。また、取得部411は、センサ情報取得部311から定期的にアップロードされた空調センシング情報を取得してもよい。
【0074】
また、取得部411は、空気調和機300の制御情報取得部312から空調制御情報を取得する。取得部411は、取得した空調制御情報を履歴DB415に格納する。取得部411は、例えば、1分に1回、制御情報取得部312から空調制御情報を取得して履歴DB415に格納してもよい。また、取得部411は、制御情報取得部312から定期的にアップロードされた空調制御情報を取得してもよい。この場合のアップロードされるタイミングは、定期的に限らずに、空気調和機300における制御が変更されたイベントが発生したタイミングであってもよい。
【0075】
また、取得部411は、睡眠状態検知機500から睡眠状態情報を取得する。取得部411は、取得した睡眠状態情報を履歴DB415に格納する。取得部411は、例えば、1分に1回、睡眠状態検知機500から睡眠状態情報を取得して履歴DB415に格納してもよい。また、取得部411は、睡眠状態検知機500から定期的にアップロードされた睡眠状態情報を取得してもよい。
【0076】
また、取得部411は、空気調和機300が設置されている地域の天候情報を取得してもよい。空気調和機300が設置されている地域は、空気調和機300が通信するために用いるグローバルIPアドレスから特定されてもよいし、ユーザに予め設定された情報から特定されてもよいし、ユーザが用いる端末機器700により取得された位置情報から特定されてもよい。
【0077】
履歴DB415は、取得部411により取得された空調センシング情報、空調制御情報および睡眠状態情報を格納するデータベースである。データベースの形式は、SQL等のリレーショナルDBであってもよいし、Key-Value型などの簡素な関係性でデータを構成するNo SQLと呼ばれるDBの構成であってもよい。
【0078】
図12および
図13は、履歴DBのテーブル構造の一例を示す図である。
図12は、空気調和機300から取得して蓄積した空調センシング情報および空調制御情報を含むデータのテーブル構造を示す。
図13は、睡眠状態検知機500から取得して蓄積した睡眠状態情報を含むデータのテーブル構造を示す。
【0079】
図12のテーブルにおいて、「ID」は、各レコードを識別するユニークなIDを示す。「時刻」は、各情報を取得した時刻を示す。「室内温度」、「室内湿度」、「室外気温」、「吹出温度」、「電力量」および「在不在情報」は、センサ情報取得部311を通じて取得された空調センシング情報である。「運転ステータス」、「運転モード」、「設定温度」、「風量」および「風向」は、制御情報取得部312を通じて取得された空調制御情報である。「気象」は、取得部411によって取得された地域の天候情報である。なお、説明を容易にするため、
図12では、空調センシング情報と、空調制御情報とは、1つのテーブルにまとめられているが、それぞれの情報で別々のテーブルとして管理されてもよい。また、
図12の電力量は、前レコードから現レコードまでの積算電力量(wh)を示している。
【0080】
図13のテーブルにおいて、「ID」は、各レコードを識別するユニークなIDを示す。「時刻」は、各情報を取得した時刻を示す。「睡眠状態」、「心拍」、「呼吸数」、「体動量」は、睡眠状態検知機500から取得した睡眠状態情報である。睡眠状態は、
図11で説明した人の睡眠の深さを段階的に示す。具体的には、睡眠状態は、「覚醒」「レム睡眠」「ステージ1」、「ステージ2」、「ステージ3」および「ステージ4」を含む。「心拍」および「呼吸数」は、それぞれ、該当時刻における心拍数および呼吸数を示し、
図13の例では一分間あたりの心拍数および呼吸数である。また、「体動量」は、該当時刻における体動の動き量を示し、例えば、1分間あたりの最大の体動量や1分間あたりに体動と判定する閾値を超える数などである。「体動量」は、0~100までなどに正規化された値で表される。
【0081】
インタフェース414は、ユーザからの入力を受け付ける外部インタフェースであり、例えば、http/httpsプロトコルで通信する外部I/F(WebAPI)である。インタフェース414は、例えば、端末機器700からアプリケーションを介して受け取った設定命令を設定DB416または履歴DB415に格納する。また、インタフェース414は、履歴DB415に格納された睡眠状態情報、空調制御情報、空調センシング情報などの情報を、アプリケーションを介して端末機器700に伝送してもよい。
【0082】
図14は、端末機器における睡眠前の設定時のアプリケーションにおける画面例を示す図である。
【0083】
図14に示すように、端末機器700では、アプリケーションにおける睡眠前の設定画面701は、睡眠制御の予約リスト702、703を含む。予約リスト702、703は、各曜日に対して、睡眠開始予定時刻と起床予定時刻との設定が受け付けられたことを示す。
図14の例では、予約リスト702は、睡眠開始予定時刻が23:00で、起床予定時刻が7:00であることを示し、これらの予定時刻が月・火・水・木・金の曜日で有効であることを示す。予約リスト703は、睡眠開始予定時刻が23:30で、起床予定時刻が8:00であることを示し、これらの予定時刻が土・日の曜日で有効であることを示す。各予約リスト702、703をタップすると、睡眠開始予定時刻、起床予定時刻および予定時刻が有効である曜日を設定するための画面に遷移する。予約リスト702、703が設定され有効にされると、端末機器700は、クラウドサーバ200に予約リスト702、703により示される睡眠予約情報を送信する。
【0084】
図15は、端末機器における起床後のアプリケーションにおける画面例を示す図である。
【0085】
図15に示すように、設定された起床予定時刻を迎えると、端末機器700は、アプリケーションによる起床画面710を表示することで、ユーザに、睡眠中および起床時における「温熱環境に対する感想」の入力を促す。
図15の例では、起床画面710は、キャラクターによる「今日の空調はいかがでしたか?アイコンを押してね!」という、ユーザの睡眠中の室内の温熱環境、および/または、ユーザの起床時の室内の温熱環境に対するユーザによる主観評価の入力を促すコメント711を含む。また、起床画面710は、睡眠中の温度および/または起床時の温度に対する感想(主観評価)の入力を受け付ける5つの「寒い」~「暑い」からなるアイコン712、713を含む。5つのアイコンは、「寒い」、「少し寒い」、「快適」、「少し暑い」および「暑い」の5段階の評価を示す。
【0086】
端末機器700は、睡眠中および起床時の温熱環境に対する感想の入力を受け付けると、感想の入力を受け付けたことを示すアイコン721、722を含む受付済画面720を表示する。端末機器700は、受付済画面720を表示すると共に、温熱環境に対する感想を示す評価情報をクラウドサーバ200に送信する。端末機器700は、睡眠中および起床時のそれぞれにおける感想として、「寒い」、「少し寒い」、「快適」、「少し暑い」、「暑い」のいずれかを示す評価情報をクラウドサーバ200に送信される。なお、「寒い」を「1」で示し、「少し寒い」を「2」で示し、「快適」を「3」で示し、「少し暑い」を「4」で示し、「暑い」を「5」で示してもよい。
【0087】
このようなユーザが行った睡眠中の温熱環境に対する主観評価を「睡眠中温熱環境主観評価」と定義し、起床時の温熱環境に対する主観評価を「起床時温熱環境主観評価」と定義する。それぞれの温熱環境主観評価は、暑い~寒いだけでなく、温度感・湿度感・快適感に細分化されてもよい。また、評価の対象となる睡眠中の時間帯は、前半・中盤・後半などのようにより細分化されてもよいし、睡眠中および起床時を統合されてもよい。クラウドサーバ200は、温熱環境主観評価を示す評価情報を端末機器700から受信すると、履歴DB415に格納する。
【0088】
履歴DB415では、温熱環境主観評価は、具体的には、
図16のようなテーブルで管理される。
図16は、履歴DBにおける温熱環境主観評価を管理するテーブル構造の一例を示す図である。
【0089】
図16のテーブルにおいて、「実睡眠開始時刻」は、実際にユーザによる睡眠が開始された時刻を示し、「実起床時刻」は、実際にユーザが起床した時刻を示す。また、「睡眠中温熱環境主観評価」および「起床時温熱環境主観評価」は、上述したとおりである。
【0090】
なお、
図14および
図15の例では、端末機器700は、アプリケーションを実行することで、ユーザからの入力を受け付ける画面を表示し、表示している画面に基づく入力を受け付ける構成について説明したが、これに限らない。端末機器700は、VPA(Virtual Personal Assistant)を使うような対話型アプリケーションによって、
図14で説明したような設定のための入力、および、
図15で説明したような評価のための入力を受け付ける構成であってもよい。つまり、端末機器700は、スマートフォン、タブレット端末、PCなどのように表示デバイスを備える機器であってもよいし、VPAなどのようにマイクおよびスピーカを備える機器であってもよい。
【0091】
設定DB416は、インタフェース414により取得された評価情報を格納するデータベースである。データベースの形式は、SQL等のリレーショナルDBであってもよいし、Key-Value型などの簡素な関係性でデータを構成するNo SQLと呼ばれるDBの構成であってもよい。
【0092】
図17は、設定DBに格納されているユーザテーブルの構造の一例を示す図である。
図18は、設定DBに格納されているスケジュールテーブルの構造の一例を示す図である。
【0093】
設定DB416は、ユーザテーブルとスケジュールテーブルとを格納している。
【0094】
ユーザテーブルは、「ユーザID」、「ユーザ名」、「起床時目標温度」および「下限温度」のカラムを含む。「ユーザID」は、各レコードを識別するユニークなIDを示す。「ユーザ名」は、ユーザのニックネームを示す。「起床時目標温度」は、起床時に到達する目標室内温度を示す。「下限温度」は、睡眠中の下限室内温度を示す。「起床時目標温度」および「下限温度」は、パラメータ算出部412の処理で利用される。詳細は後述する。
【0095】
スケジュールテーブルは、「スケジュールID」、「睡眠開始予定時刻」、「起床予定時刻」、「曜日」および「ユーザID」のカラムを含む。「スケジュールID」は、各レコードを識別するユニークなIDを示す。「睡眠開始予定時刻」は、睡眠開始予定時刻を示す。「起床予定時刻」は、起床予定時刻を示す。「曜日」は、該当レコードの睡眠開始予定時刻および起床予定時刻の対象の曜日を示す。スケジュールテーブルは、
図14で説明した睡眠予約情報に基づいて生成される。「ユーザID」は、ユーザテーブルとの紐づけをするためのIDである。
【0096】
パラメータ算出部412は、履歴DB415および/または設定DB416に格納されている情報を元に、空気調和機300に対して制御命令を行う運転パラメータを算出する。パラメータ算出部412は、定期的に運転パラメータを算出してもよいし、予め定められた条件が満たされた場合に運転パラメータを算出してもよい。
【0097】
空調設定部413は、パラメータ算出部412で算出された運転パラメータを、空気調和機300の空調制御部313に送信する。これにより、空気調和機300の運転設定を制御する。空調設定部413は、パラメータ算出部412で算出された運転パラメータを、パラメータ算出部412で運転パラメータが算出される度に空気調和機300に送信する。
【0098】
図19は、ユーザが睡眠中における空気調和機の制御方法の時系列の流れを示す図である。
図19は、室外気温が室内温度よりも低い環境下において空気調和機300が暖房運転を行う場合の例である。
【0099】
図19のグラフの横軸は、睡眠時の時間経過を示し、縦軸は、温度を示している。室内温度1101は、室内温度の時間的な変化を示す線である。室内温度は、空気調和機300のセンサから取得された検出値が用いられる。設定温度1102は、パラメータ算出部412によって設定される空気調和機300の設定温度の時間的な変化を示す線である。下限温度は、設定DB416にユーザ毎に設定された該当ユーザの下限温度を示す。
図19の場合、下限温度は19.5℃である。起床時目標温度は、設定DB416にユーザ毎に設定された該当ユーザの起床時目標温度を示す。
図19の場合、起床時目標温度は、21.0℃である。風向は、パラメータ算出部412によって設定される空気調和機300の風向の推移を示す図である。期間Aは、睡眠状態検知機500がユーザの入眠を検知してからの一定時間の期間を示す。期間Aが経過した時の時刻t2は、空調制御の切り替わりのタイミングを示す。空調制御の切り替わりの詳細は、後述する。
【0100】
以降でこのグラフが示す制御内容について説明を行う。
図19の斜線のハッチングの範囲は、睡眠状態検知機500で検出した該当ユーザの睡眠状態が深い睡眠であるときの範囲を示している。ここで、深い睡眠は、例えば、ノンレム睡眠におけるステージ3およびステージ4であるときの睡眠である。
【0101】
図19において、入室から就寝までの期間では、空気調和機300は、ユーザの好みに応じて設定された運転パラメータに基づいて運転する。具体的には、空気調和機300は、空気調和機300のリモコンなどを通じてユーザにより設定された運転モード、風量、風向および温度設定で運転を行う。
【0102】
次に、ユーザが就寝すると、空気調和機300は、就寝までの期間とは異なる運転パラメータに基づいて運転する。具体的には、パラメータ算出部412は、現在時刻が設定DB416の睡眠開始予定時刻を過ぎている場合、ユーザの就寝が開始されたと判断し、空気調和機300の運転パラメータを算出し、算出した運転パラメータを空気調和機300へ送信することで、空気調和機300への睡眠時運転制御を開始する。
【0103】
パラメータ算出部412は、就寝開始時の設定温度を、次のようにして決定する。パラメータ算出部412は、履歴DB415を参照することで、空気調和機300の各種センサ303から取得した室内温度を取得する。パラメータ算出部412は、取得した室内温度が下限温度よりも高い場合、設定温度を暖房運転モードにおいて空気調和機300に設定可能な範囲の最低値(
図19の例では16℃)に設定し、室内温度が下限温度よりも低い場合、設定温度を下限温度に設定する。
図19の例では、就寝開始時には、室内温度が20.5℃付近であり、下限温度は19.5℃である。このため、パラメータ算出部412は、就寝時には、設定温度を空気調和機300に設定可能な最低値である16℃に設定する運転パラメータを算出する。パラメータ算出部412は、就寝開始時の風向を上向きとする運転パラメータを算出する。空調設定部413は、算出された運転パラメータを空気調和機300に送信することで、送信した運転パラメータに基づく設定で空気調和機300へ暖房運転を行わせる。
【0104】
就寝開始以後において、パラメータ算出部412は、ユーザの入眠が検知されてから期間Aが経過した時刻t2までは、下記のように設定温度を決定する。ここでパラメータ算出部412は、睡眠状態検知機500から伝送される睡眠状態によってユーザの入眠を検知する。パラメータ算出部412は、就寝開始以降で初めて、睡眠状態が深い睡眠(ステージ3またはステージ4)を検知した場合、「寝入り」と判定する。
【0105】
パラメータ算出部412は、履歴DB415を参照することで、5分に1回など定期的に空気調和機300の室内温度をチェックして、室内温度と下限温度との比較を行う。パラメータ算出部412は、室内温度が下限温度を下回る場合は、設定温度を下限温度に設定する。
図19の例では、時刻t1のタイミングで、室内温度が下限温度を下回るため、パラメータ算出部412は、時刻t1のタイミングで空調制御の設定温度を下限温度の19.5℃に設定する運転パラメータを算出する。パラメータ算出部412は、設定温度を下限温度に設定して以降は、室内温度が下限温度を上回ったとしても、設定温度はそのままとする。このように、室内温度が下限温度を下回るまでの間の設定温度を下限温度に設定しておくことで、室内温度が下限温度を下回るまでの間において、空気調和機300が暖房運転を行っている場合であっても室内温度は設定温度を下回らない。このため、空気調和機300が温風を吹き出す運転を行わせないように、空気調和機300の運転パラメータを設定することができ、室内温度を下限温度まで下降させることができる。これにより、ユーザの入眠を検知してから時刻t1までは、室内温度を下降させて、深部体温の低下を促し、眠りやすい環境にすることができる。一方で、時刻t1のタイミングで下限温度が設定温度として設定されるため、時刻t1以降では、室内温度が下限温度よりも低下すると空気調和機300が温風を吹き出す運転を行うことになる。このため、室内温度は、下限温度で下げ止まりするため、冷えすぎる環境になることを防止できる。
【0106】
ここで、深部体温の低下を促し室内温度を下降させるために、入眠から、室内温度が下限温度を下回る時刻t1までの間において、空気調和機300の設定温度を最低温度に設定するとした。空気調和機300の設定温度を最低温度に設定する代わりに、空気調和機300の電源をOFFにする方法もあるが、この場合には、睡眠中に空気調和機300の電源をOFFからONに切り替えることになる。このため、ONに切り替わったタイミングでの空気調和機300の動作音が発生することで、ユーザの覚醒を促す可能性が高くなる。また、就寝時に空気調和機300の電源がOFFであり、睡眠中に空気調和機300の電源がOFFからONに切り替わる場合、ユーザは、空気調和機300の電源がONになることの確認がとれないため、安全性の観点で不安を感じてしまうおそれがある。空気調和機300は、室内温度センサを有しており、室内温度センサにより検出された室内温度が設定温度を下回らない限りは、暖房運転中であっても温風を吹き出す運転を行わない。このため、就寝時に空気調和機300の電源をONにして暖房運転の設定温度を最低温度に設定している。
【0107】
パラメータ算出部412は、時刻t2以降では、下記のように設定温度を決定する。
【0108】
パラメータ算出部412は、時刻t2から起床予定時刻までの間において、空気調和機300の設定温度が起床予定時刻において起床時目標温度になるように、下限温度から起床時目標温度へ段階的に徐々に設定温度を上げる制御を行う。つまり、パラメータ算出部412は、時刻t2から起床予定時刻までの間において、空気調和機300の設定温度を段階的に上昇させるように変更する制御を行う。パラメータ算出部412は、例えば、できるだけ急激な温度変化が発生しないように、現在の設定温度または室内温度と、起床時目標温度とを線で結んだ線形の形になるように徐々に高める設定温度を所定のタイミング(複数の異なるタイミング)毎に算出する。これにより、ユーザの起床に向けて室内温度を徐々に上昇させることでユーザの深部体温の上昇を促すことができ、ユーザが起きやすい環境を作ることができる。
【0109】
次に、風向の制御について説明する。
【0110】
パラメータ算出部412は、時刻t2以降では、睡眠状態検知機500から伝送される睡眠状態に基づいて風向の制御を行う。パラメータ算出部412は、定期的に例えば、1分に1回など睡眠状態をチェックし、ユーザの睡眠状態が深い睡眠(ステージ3またはステージ4)の場合は風向を下向きに設定し、浅い睡眠(ステージ1またはステージ2)やレム睡眠の場合は上向きに設定する。なお、ノンレム睡眠におけるステージ1もしくはステージ2、または、レム睡眠は、睡眠深度における第1段階の一例である。また、ノンレム睡眠におけるステージ3またはステージ4は、睡眠深度における第1段階よりも深い第2段階の一例である。
【0111】
一般に、空気調和機300の一例であるルームエアコンの室内機は、ユーザが寝ている位置よりも高い位置に設置される。また、暖房運転時において空気調和機300から吹き出される温風(暖かい空気)は、自然対流により上方向に向かう。このため、空気調和機300の風向を上向きにしている場合、空気調和機300により吹き出されている温風は、ユーザが寝ている位置には届きにくい。一方で、空気調和機300の風向を下向きにしてしまうと、温風がユーザに当たることでユーザを覚醒させてしまう可能性が高まる。そこで、外部環境に対してユーザの感覚が鈍くなり、温風が当たってもユーザが起きにくい深い睡眠時には風向を下向きにし、温風が当たるとユーザが起きやすい浅い睡眠時には、風向を上方向にする。これにより、睡眠中のユーザを起こさずに、寝ているユーザの周囲の温熱環境を快適にすることが可能となる。
【0112】
なお、起床後において、パラメータ算出部412は、設定DB416に格納されているユーザテーブルに含まれる下限温度および起床時目標温度を、履歴DB415に格納されている該当ユーザの過去の温熱環境主観評価を元にして、更新してもよい。例えば、下限温度を19.5℃に設定して空気調和機300を制御した場合において、パラメータ算出部412は、睡眠中の温熱環境主観評価において「寒い」と評価された場合、下限温度を現状設定されている温度に1℃加算した値に更新し、「暑い」と評価された場合、下限温度を現状設定されている温度から1℃減算した値に更新してもよい。また、例えば、起床時目標温度を21.0℃に設定して空気調和機300を制御した場合において、パラメータ算出部412は、起床時の温熱環境主観評価において「寒い」と評価された場合、起床時目標温度を現状設定されている温度に1℃加算した値に更新し、「暑い」と評価された場合、起床時目標温度を現状設定されている温度から1℃減算した値に更新してもよい。これにより、睡眠中および起床時において、室内環境を、ユーザの主観に応じた快適な温度に調整することが可能となる。
【0113】
なお、下限温度および起床時目標温度は、直近のデータを使うのではなく、温熱環境主観評価と室内温度などの環境データ(空調センシング情報)との相関を元に決定するように構成してもよい。例えば、過去の温熱環境主観評価において、「快適」と評価された下限温度または起床時目標温度の平均値に、下限温度または起床時目標温度を更新してもよい。つまり、パラメータ算出部412は、現時点から所定期間前の時点までの期間において「快適」と評価された下限温度の平均値を下限温度として設定し、同期間において「快適」と評価された起床時目標温度の平均値を起床時目標温度として設定してもよい。これにより、直近の結果を参照するのに比べて、ユーザの好みの温度を効果的に反映することができる。
【0114】
なお、
図19の例では、パラメータ算出部412は、下限温度を室内温度が下回ったタイミングの時刻t1で、設定温度を下限温度に変更するとしたが、この際に、さらにユーザの睡眠状態に基づいて設定温度を変更してもよい。パラメータ算出部412は、例えば、下限温度を室内温度が下回ったタイミングにおいて、ユーザの睡眠状態が「浅い睡眠」である場合、設定温度を下限温度に変更しなくてもよい。ユーザの睡眠状態が「浅い睡眠」である場合には、設定温度を急激に上昇させると、空気調和機300による温風を吹き出す動作による空調音または温度変化が発生するため、ユーザの覚醒を引き起こす可能性がある。このため、下限温度を室内温度が下回ったタイミングであっても、ユーザの睡眠状態が「浅い睡眠」の場合、設定温度を下限温度に変更せずにユーザの睡眠状態が「深い睡眠」に切り替わってから、設定温度を下限温度に変更してもよい。これにより、睡眠中のユーザの覚醒を引き起こす可能性をより低下させながら、室内環境を、快適な温度に調整することが可能となる。
【0115】
なお、
図19の例では、パラメータ算出部412は、下限温度を室内温度が下回ったタイミングの時刻t1で、設定温度を下限温度に変更するとしたが、この際に、急激な温度設定の変更にならないように、設定温度を、暖房運転モードにおいて空気調和機300に設定可能な範囲の最低値から下限温度に到達するように、徐々に設定温度を上昇させるように変更してもよい。パラメータ算出部412は、例えば、5分毎に、0.5℃ずつ設定温度を上昇させるように変更してもよい。設定温度を急激に上昇させると、空気調和機300による温風を吹き出す動作による空調音または温度変化が発生するため、ユーザの覚醒を引き起こす可能性がある。このため、下限温度を室内温度が下回ったタイミングであっても設定温度を徐々に上昇させるため、睡眠中のユーザの覚醒を引き起こす可能性を低下させながら、室内環境を、快適な温度に調整することが可能となる。なお、パラメータ算出部412は、さらに、睡眠状態に基づいて、睡眠状態が「浅い睡眠」の場合には、設定温度を徐々に温度を上昇させ、「深い睡眠」の場合には「浅い睡眠」の場合よりも設定温度の上昇幅を大きくして設定温度を上昇させてもよい。これにより、より効果的にユーザの覚醒を引き起こす可能性を低下させながら、室内環境を、快適な温度に調整することが可能となる。
【0116】
なお、風を吹き出すことを、風を出力するとも言う。
【0117】
以下、空調制御システム1の動作について説明する。
【0118】
また、パラメータ算出部412の空調設定フローの詳細については、
図22~
図25に示す処理フローにおいて説明を行う。
【0119】
以上が本実施の形態における空調制御システム1のシステム構成についての説明である。
【0120】
次に本実施の形態における空調制御システム1の処理フローについて説明する。本実施の空調制御システム1における処理フローは大きく3つに分けられる。「空調データ蓄積フロー」、「睡眠状態データ蓄積フロー」および「空調設定フロー」である。
【0121】
図20は、「空調データ蓄積フロー」を示す図である。
【0122】
ステップS101にて、空気調和機300は、センサ情報取得部311により空調センシング情報を取得する。
【0123】
ステップS102にて、空気調和機300は、制御情報取得部312により、空気調和機の空調制御情報を取得する。
【0124】
ステップS103にて、空気調和機300は、クラウドサーバ400に対して、ステップS101によって取得した空調センシング情報、および、ステップS102によって取得した空調制御情報を送信する。クラウドサーバ400では、取得部411が空調センシング情報および空調制御情報を受け取り、履歴DB415に蓄積する。
【0125】
ステップS104にて、空気調和機300は、一定期間のウェイト(例:1分間)を行い、つまり、所定期間待機した後で、ステップS101に戻る。空気調和機300は、例えば、60秒をカウントし、カウントした結果が60秒に到達した場合、ステップS101に戻る。
【0126】
上記空調データ蓄積フローの処理は、クラウドサーバ400との通信経路が確立されていて、電源ONの状態では常に繰り返し実行され続ける。このようにして空調センシング情報および空調制御情報は、すべてクラウドサーバ400の履歴DB415に記録される。また、
図20に示す空調データ蓄積フローでは、ステップS101の後でステップS102が実行されるが、実行する順番は反対でもよい。また、ステップS101およびステップS102は、シーケンシャルに実行されるが、並列に実行されてもよい。また、空調制御情報を取得するステップS102については、定期的にルーチン実行するのではなく、制御が変更されたタイミング、つまり、空調制御情報が変更されたタイミングで実行され、その後、取得した空調制御情報をクラウドサーバ400に送信してもよい。
【0127】
以上が「空調データ蓄積フロー」の説明である。
【0128】
図21は、「睡眠状態データ蓄積フロー」を示す図である。
【0129】
ステップS111にて、睡眠状態検知機500は、睡眠状態情報取得部511を用いて、人の心拍/心拍変動、呼吸数、体動等の情報を取得する。また、取得した情報から睡眠状態(覚醒、レム睡眠、ステージN(Nは1,2,3,4のいずれか))の状態も判定する。
【0130】
ステップS112にて、睡眠状態検知機500は、クラウドサーバ400に対して、ステップS111で取得した睡眠状態情報を送信する。
【0131】
ステップS113にて、睡眠状態検知機500は、一定期間のウェイト(例:1分間)を行い、つまり、所定期間待機した後で、ステップS111に戻る。睡眠状態検知機500は、例えば、60秒をカウントしカウントした結果が60秒に到達した場合、ステップS111に戻る。
【0132】
なお、前述したように、睡眠状態情報は、睡眠状態の推定結果を含んでなくてもよい。つまり、睡眠状態検知機500は、睡眠状態を推定せずに、体動、呼吸および心拍の少なくとも1つを含む睡眠状態を推定するために用いる情報をクラウドサーバ400に送信してもよい。この場合、クラウドサーバ400は、蓄積される睡眠状態を推定するために用いる情報に基づいて、睡眠状態を推定してもよい。
【0133】
以上が「睡眠状態データ蓄積フロー」の説明である。
【0134】
【0135】
ステップS121にて、パラメータ算出部412は、現在時刻と、設定DB416に設定されている睡眠開始予定時刻との比較を行い、現在時刻が睡眠開始予定時刻を過ぎているか否かを判定して、睡眠開始予定時刻を過ぎている場合は初回空調制御を実行する。パラメータ算出部412は、現在時刻が睡眠開始予定時刻を過ぎていない場合、初回空調制御の実行を待機する。初回空調制御が終了すると、ステップS122に進む。初回空調制御の詳細は、
図23を用いて後述する。
【0136】
ステップS122にて、パラメータ算出部412は、現在時刻と、設定DB416に設定されている起床予定時刻との比較を行い、現在時刻が起床予定時刻を過ぎているか否かを判定する。現在時刻が起床予定時刻を過ぎている場合、つまり、現在時刻≧起床予定時刻の場合(S122でYes)、パラメータ算出部412は、空調設定フローの処理を終了する。現在時刻が起床予定時刻を過ぎていない場合、つまり、現在時刻<起床予定時刻の場合(S122でNo)、次のステップS123に進む。
【0137】
ステップS123にて、パラメータ算出部412は、現在時刻と、寝入り検知+期間Aとの比較を行い、現在時刻≧寝入り検知+期間Aであるか否かを判定する。つまり、パラメータ算出部412は、ユーザの寝入りを検知したタイミングから期間Aが経過したか否かを判定する。寝入り検知は、睡眠状態検知機500から伝送される睡眠状態によって行われる。設定DB416に設定されている睡眠開始予定時刻以降で、睡眠状態が深い睡眠(ステージ3またはステージ4)のレコードを一つ以上検知した場合、そのレコードの時刻を寝入り時刻と判定する。
【0138】
パラメータ算出部412は、ユーザの寝入りを検知したタイミングから期間Aが経過したと判定していないと判定した場合(S123でNo)、ステップS124の空調制御フェーズ1に進む。空調制御フェーズ1の詳細は、
図24を用いて後述する。一方で、パラメータ算出部412は、ユーザ寝入りを検知したタイミングから期間Aが経過したと判定していないと判定した場合(S123でYes)、ステップS125の空調制御フェーズ2に進む。空調制御フェーズ2の詳細は、
図25を用いて後述する。
【0139】
ステップS126にて、パラメータ算出部412は、一定期間のウェイト(例:1分間)を行い、つまり、所定期間待機した後で、ステップS122に戻る。パラメータ算出部412は、例えば、60秒をカウントし、カウントした結果が60秒に到達した場合、ステップS122に戻る。
【0140】
以上が「空調設定フロー」の説明である。なお、空調設定フローにおいてパラメータ算出部412において設定された空気調和機300を制御するための制御パラメータは、新たな制御パラメータが算出される度に空調設定部413によって空気調和機300に送信されてもよいし、定期的に空調設定部413によって空気調和機300に送信されてもよい。
【0141】
図23は、「初回空調制御」の制御フローを示す図である。
【0142】
ステップS131にて、パラメータ算出部412は、履歴DB415に格納されている空調センシング情報から最新の室内温度、つまり、現在の室内温度を取得し、現在の室内温度と下限温度とを比較し、現在の室内温度が下限温度未満の場合(ステップS131でYes)、ステップS132に進み、現在の室内温度が下限温度以上の場合(ステップS131でNo)、ステップS133に進む。
【0143】
ステップS132にて、パラメータ算出部412は、空気調和機300の運転モードを暖房運転にするための制御パラメータを算出する。この時、パラメータ算出部412は、設定温度を「下限温度」に設定し、かつ、風向を上向きに設定するための制御パラメータを算出して、初回空調制御を終了する。
【0144】
ステップS133にて、パラメータ算出部412は、空気調和機300の運転モードを暖房運転にするための制御パラメータを算出する。この時、パラメータ算出部412は、設定温度を「空気調和機が設定可能な最低設定温度」に設定し、かつ、風向を上向きに設定するための制御パラメータを算出して、初回空調制御を終了する。
【0145】
以上が「初回空調制御」の制御フローの説明である。
【0146】
図24は、「空調制御フェーズ1」の制御フローを示す図である。
【0147】
ステップS141にて、パラメータ算出部412は、履歴DB415に格納されている空調センシング情報から最新の室内温度、つまり、現在の室内温度を取得し、現在の室内温度と下限温度とを比較し、現在の室内温度が下限温度未満の場合(ステップS141でYes)、ステップS142に進み、現在の室内温度が下限温度以上の場合(ステップS141でNo)、ステップS143に進む。
【0148】
ステップS142にて、パラメータ算出部412は、空気調和機300の設定温度を下限温度に設定する制御パラメータを算出し、ステップS143に進む。
【0149】
ステップS143にて、パラメータ算出部412は、空気調和機300の現在の設定温度が下限温度と等しいか否かを判定する。パラメータ算出部412は、現在の設定温度が下限温度と等しい場合(S143でYes)、ステップS144に進み、現在の設定温度が下限温度と等しくない場合(S143でNo)、空調制御フェーズ1の処理を終了する。
【0150】
ステップS144にて、パラメータ算出部412は、履歴DB415に格納されているユーザの睡眠状態情報から最新の睡眠状態、つまり、ユーザの現在の睡眠状態を参照し、ユーザの現在の睡眠状態が深い睡眠か否かを判定する。パラメータ算出部412は、ユーザの現在の睡眠状態が深い睡眠である場合(S144でYes)、ステップS145に進み、ユーザの現在の睡眠状態が深い睡眠でない場合(S144でNo)、ステップS146に進む。
【0151】
ステップS145にて、パラメータ算出部412は、空気調和機300の風向を下向きに設定するための制御パラメータを算出して、空調制御フェーズ1の処理を終了する。
【0152】
ステップS146にて、パラメータ算出部412は、空気調和機300の風向を上向きに設定するための制御パラメータを算出して、空調制御フェーズ1の処理を終了する。
【0153】
以上が「空調制御フェーズ1」の制御フローの説明である。
【0154】
図25は、「空調制御フェーズ2」の制御フローを示す図である。
【0155】
ステップS151にて、パラメータ算出部412は、時刻t2から起床予定時刻までの間において、空気調和機300の設定温度が起床予定時刻において起床時目標温度に到達するように、下限温度から起床時目標温度へ段階的に徐々に設定温度を上げるための制御パラメータを算出する。このために、パラメータ算出部412は、現在時刻における設定温度を定期的に算出して、算出した設定温度を空気調和機300の設定温度に設定するための制御パラメータを算出する。
【0156】
睡眠中において、急激な温度変化はユーザの覚醒につながる可能性を高める。よって、できるだけ徐々に室内温度を上げていくことがもとめられる。そのため、ステップS151における設定温度(ST_Target)の算出は、例えば、下記のように行われる。
【0157】
ST_Target = IT_Start + ( ST_Wakeup - IT_Start ) × { ( T_Now - T_Start ) / ( T_Last - T_Start ) }
T_Start : 空調制御フェーズ2開始時刻(=寝入り検知+期間A時刻)
T_Last : 起床予定時刻
T_Now : 現在時刻
IT_Start : T_Start時点の室内温度
ST_Wakeup : 起床時目標温度
【0158】
また、空気調和機300によっては、制御できる温度幅が異なるため、パラメータ算出部412は、空気調和機300において調整可能な設定温度の温度幅に応じて、設定温度を算出する。パラメータ算出部412は、例えば、設定可能な設定温度の温度幅が0.5℃単位であれば、ST_Targetを0.5℃単位に、切り上げ等を行って設定温度を算出する。
【0159】
また、上記のように計算した結果が、すでに現在の空気調和機の設定温度よりも低くなるケースも想定されるため、その場合は、現在の設定温度に合わせる。
【0160】
ステップS152にて、パラメータ算出部412は、履歴DB415に格納されているユーザの睡眠状態情報から最新の睡眠状態、つまり、ユーザの現在の睡眠状態を参照し、ユーザの現在の睡眠状態が深い睡眠か否かを判定する。パラメータ算出部412は、ユーザの現在の睡眠状態が深い睡眠である場合(S152でYes)、ステップS153に進み、ユーザの現在の睡眠状態が深い睡眠でない場合(S152でNo)、ステップS154に進む。
【0161】
ステップS153にて、パラメータ算出部412は、空気調和機300の風向を下向きに設定するための制御パラメータを算出して、空調制御フェーズ2を終了する。
【0162】
ステップS154にて、パラメータ算出部412は、空気調和機300の風向を上向きに設定するための制御パラメータを算出して、空調制御フェーズ2を終了する。
【0163】
以上が「空調制御フェーズ2」の制御フローの説明である。
【0164】
本実施の形態のように空調制御システム1を構成することによって、ユーザが就寝してから起床するまでの期間において、ユーザが起床するタイミングに向けて、ユーザが就寝している室内の温熱環境をユーザにとって快適になるようにコントロールすることができる。
【0165】
なお、本実施の形態では、空気調和機300の風向について、睡眠状態検知機によって計測したユーザの睡眠状態が、深い睡眠の場合は下向きに設定し、浅い睡眠の場合は上向きに設定するとしたが、これに限らない。例えば、風向を左右に変更できる空気調和機においては、常に下向き方向に向けていてもよく、ユーザの睡眠状態が深い睡眠の場合は内側に向けて、浅い睡眠の場合は、人を避けるように外側に向けるように構成してもよい。このように構成することで、暖かい空気を下方向に送りながら、浅い睡眠時の覚醒への誘導を避けることができる。また、空気調和機300の各種センサ303は、空気調和機300が設置されている室内空間においてユーザが存在する位置を検出する人感センサを有していてもよい。この場合、人感センサは、ユーザが存在する位置を示す位置情報を出力する。
【0166】
このように、空調制御システム1は、ユーザの睡眠状態が深い睡眠の場合、位置情報に基づいて、吹き出す風がユーザに当たる向きで空気調和機の風向を制御し、ユーザの睡眠状態が浅い睡眠の場合、吹き出す風がユーザを回避するように、空気調和機の風向を制御してもよい。
【0167】
なお、本実施の形態において、ユーザを回避するような風向とは、ユーザに風が当たらないような向きであってもよいし、ユーザの位置とは異なる位置に向かう向きであってもよい。また、ユーザに当たるような風向とは、ユーザの位置に向かう向きである。
【0168】
本実施の形態では、睡眠状態検知機500により検出されたユーザの体動、呼吸および心拍に基づいて、ユーザの睡眠状態を推定するとしたが、例えば、ユーザの心拍変動を周波数解析した結果から得られる指標であるLF(Low Frequency)/HF(High Frequency)に基づいてユーザの睡眠状態を推定してもよい。ユーザの睡眠状態と、LF/HFとは、
図26に示すように、互いに相関関係にある。
図26の(a)は、
図11と同様に睡眠経過時間に対する人の睡眠状態を示すグラフであり、
図26の(b)は、(a)と同じ時間軸におけるLF/HFの値を示すグラフである。このように、睡眠状態検知機500またはクラウドサーバ400は、LF/HFが閾値Thよりも高い値である場合、ユーザは浅い睡眠状態であると判定することができる。また、この場合、睡眠中のユーザは、副交感神経よりも交感神経が優位となっていることが知られている。また、睡眠状態検知機500またはクラウドサーバ400は、LF/HFが閾値Th以下である場合、ユーザは深い睡眠状態であると判定することができる。また、この場合、睡眠中のユーザは、交感神経よりも副交感神経が優位となっていることが知られている。
【0169】
このように、睡眠状態検知機500またはクラウドサーバ400は、心拍変動解析により睡眠深度を決定してもよい。睡眠状態検知機500またはクラウドサーバ400は、心拍変動解析により得られるLF/HFの値に応じてユーザの睡眠深度を決定してもよい。
【0170】
本実施の形態では、ユーザの睡眠状態が深い睡眠状態である場合、空気調和機300の出力する風がユーザに当たるように風向を制御するとしたが、これに限らない。例えば、
図27に示すように、空気調和機300の風向の制御では、心拍変動解析により得られた睡眠深度に相関する指標値の時間的な変動における接線の傾きが所定の正の傾きよりも大きくなったタイミングで、ユーザの位置情報に基づいて、深い睡眠状態であっても空気調和機300の出力する風がユーザを回避するように空気調和機300の風向を制御してもよい。この場合、パラメータ算出部412は、空気調和機300により吹き出される風の風向を上向きに制御する制御パラメータを算出することで、空気調和機300の出力する風がユーザを回避するように空気調和機300の風向を制御してもよい。なお、接線の傾きが所定の正の傾きよりも大きくなったタイミングとは、傾きが増加傾向にある場合であって、かつ、所定の正の傾きよりも大きい傾きとなったタイミングである。
【0171】
本実施の形態では、ユーザの睡眠深度が第1段階の深度である場合、ユーザの位置情報に基づいて、空気調和機300の出力する風がユーザを回避するように空気調和機300の風向を制御し、ユーザの睡眠深度が第1段階よりも深い第2段階の深度である場合、ユーザの位置情報に基づいて、空気調和機300の出力する風がユーザに当たるように空気調和機300の風向を制御するとした。つまり、2段階の睡眠深度に応じて2段階の風向制御を行うとしたが、
図28に示すように、3段階以上の睡眠深度に応じて3段階以上の風向制御を行ってもよい。
【0172】
具体的には、パラメータ算出部412は、心拍解析により得られた睡眠深度に相関する指標値が、当該指標値において3つの閾値Th1、Th2、Th3によって区切られる4つの範囲の指標値にある場合、指標値が属する範囲に対応する風向に制御するための制御パラメータを算出してもよい。4つの範囲は、それぞれ、1対1で4つの風向に対応している。例えば、パラメータ算出部412は、4つの範囲のうちの、最低の範囲、つまり、LF/HFが閾値Th1以下である場合、空気調和機300の風向を最下段の風向に設定するための制御パラメータを算出する。パラメータ算出部412は、4つの範囲のうちの、2番目に低い範囲、つまり、LF/HFが閾値Th1より大きくかつ閾値Th2以下である場合、空気調和機300の風向を最下段から2番目に下向きの風向(下向き2段目の風向)に設定するための制御パラメータを算出する。パラメータ算出部412は、4つの範囲のうちの、2番目に高い範囲(3番目に低い範囲)、つまり、LF/HFが閾値Th2より大きくかつ閾値Th3以下である場合、空気調和機300の風向を最上段から2番目に上向きの風向(上向き2段目の風向)に設定するための制御パラメータを算出する。パラメータ算出部412は、4つの範囲のうちの、最高の範囲、つまり、LF/HFが閾値Th3より大きい場合、空気調和機300の風向を最上段の風向に設定するための制御パラメータを算出する。なお、上述したように、算出された制御パラメータは、定期的または更新されたタイミングで、空調設定部413により空気調和機300に送信され、空気調和機300は、受信した制御パラメータに応じて動作を変更する。
【0173】
本実施の形態では、パラメータ算出部412は、設定DB416に格納されているユーザテーブルに含まれる下限温度および起床時目標温度を、履歴DB415に格納されている該当ユーザの過去の温熱環境主観評価を元にして、更新するとしたが、温熱環境主観評価を元にして更新することに限らない。睡眠時のユーザの心拍または心拍変動値は、ユーザの周囲の温度に影響を受けることが知られている。具体的には、睡眠時のユーザの心拍または心拍変動値は、ユーザの周囲の温度が高いほど大きくなることが知られている。これにより、ユーザが感じている暑さが暑いほど大きくなるとも言える。
【0174】
図29は、ユーザの心拍数、心拍数の時間平均、および、心拍数の予測値の時間変動を示すグラフである。
【0175】
図29において、細い実線801は、ユーザの心拍数の時間変動を示し、太い実線802は、ユーザの心拍数の時間平均の時間変動を示し、太い破線803は、ユーザの心拍数の過去の履歴に基づく予測値の時間変動を示す。
【0176】
例えば、パラメータ算出部412は、履歴DB415に格納されている過去に取得されたユーザに紐付けられている、心拍または心拍変動と、室内温度との相関関係を算出し、算出した相関関係から将来のユーザの心拍または心拍変動の予測値を算出する。なお、相関関係の算出では、さらに、睡眠経過時間、LF/HFなどを含む相関関係を算出してもよい。そして、パラメータ算出部412は、心拍数の時間平均が予測値よりも所定値分大きい場合、下限温度または起床目標温度を低い温度に変更してもよい。なお、相関関係を算出するための履歴DB415に格納されている過去に取得されたユーザの心拍または心拍変動と、室内温度とは、現在から所定期間前までの期間に取得された情報が用いられてもよい。
【0177】
なお、本実施の形態では、「深い睡眠」を「ステージ3またはステージ4」としたが、空調センシング情報または睡眠状態情報の傾向に応じて、これを「ステージ4のみ」としたり、「ステージ2、ステージ3またはステージ4」としてもよい。また、レム睡眠に関しては、脳では、浅い睡眠のように活発化しているが、体自体の動きには抑制がかかり、起きにくい状態とも考えられている。そのため、レム睡眠を「深い睡眠」と同様に、起きにくい睡眠状態としてもよい。つまり、上記実施の形態では睡眠の深度に応じて、第1段階と第2段階とに分けて、ユーザの睡眠深度が第1段階であるか、第2段階であるかに応じて、空気調和機300の風向を制御するとしたがこれに限らない。ユーザの睡眠状態が起きにくい状態であるか否かに応じて、空気調和機300の風向を制御してもよい。ユーザの睡眠状態が起きにくい状態の場合に、ユーザに風が当たるように空気調和機300の風向を制御し、ユーザの睡眠状態が起きやすい状態の場合に、ユーザを回避するように空気調和機300の風向を制御してもよい。ユーザの睡眠状態が起きにくい状態とは、ユーザの睡眠深度が深い睡眠である場合であってもよいし、レム睡眠および深い睡眠である場合であってもよい。
【0178】
なお、空調制御システム1では、ユーザが最初に睡眠する場合において、下限温度または起床時目標温度の初期値を、「暑がり」または「寒がり」といった個人の空調に対する主観評価を元に決定するように構成してもよい。この場合、クラウドサーバ400は、端末機器700からユーザの主観評価を取得し、取得した主観評価に応じた下限温度および起床時目標温度を決定する。クラウドサーバ400は、例えば、ユーザの主観評価が暑がりであれば、当該ユーザに紐付けられる下限温度を18℃に設定し、かつ、起床時目標温度を20℃に設定する。一方で、クラウドサーバ400は、例えば、ユーザの主観評価が寒がりであれば、当該ユーザに紐付けられる下限温度を20℃に設定し、かつ、起床時目標温度を22℃に設定する。これにより、初回利用時であっても、ユーザの主観評価に応じた好ましい設定温度に設定して空気調和機300の運転を制御することができる。
【0179】
なお、空調制御システム1では、ユーザが最初に睡眠する場合、下限温度または起床時目標温度の初期値を、利用している布団の状態に応じて決定するように構成してもよい。この場合、クラウドサーバ400は、端末機器700からユーザが利用している布団の状態を取得し、取得した布団の状態に応じた下限温度および起床時目標温度を決定する。クラウドサーバ400は、例えば、布団の状態が「羽毛布団+毛布」であれば、下限温度を18℃に設定し、かつ、起床時目標温度を20℃に設定する。一方で、クラウドサーバ400は、例えば、布団の状態が「毛布」であれば、下限温度を20℃に設定し、かつ、起床時目標温度を22℃に設定する。布団の状態は、定期的に端末機器700にアンケートなどをすることで端末機器700から取得されてもよい。これにより、初回利用時であっても、ユーザが利用している布団の状態に応じた好ましい設定温度に設定して空気調和機300の運転を制御することができる。なお、睡眠状態検知機500などが布団内の温度を計測するセンサを有していれば、クラウドサーバ400は、センサによって計測された温度を取得することで、計測された温度と室内温度との相関関係に基づいて、布団の厚さを推定してもよい。これにより、クラウドサーバ400は、ユーザが手動で端末機器700に布団の状態を設定する必要がなく、また布団の状態が変わったことを自動的に反映することができる。
【0180】
なお、本実施の形態では、睡眠状態検知機によって計測した睡眠状態が、深い睡眠の場合は下向きに設定し、浅い睡眠の場合は上向きに設定するとしたが、深い睡眠の場合は風量を増加させ、浅い睡眠の場合は風量を低下させるまたは停止するような構成にしてもよい。このように構成すれば、より効率的に睡眠リズムに合わせて、睡眠中の覚醒を防ぎながら、空調制御を行うことが可能となる。
【0181】
なお、本実施の形態では、睡眠状態検知機によって計測した睡眠状態が、深い睡眠の場合は下向きに設定し、浅い睡眠の場合は上向きに設定するとしたが、深い睡眠の場合は設定温度を上げ、浅い睡眠の場合は設定温度を下げるような構成にしてもよい。このように構成すれば、より効率的に睡眠リズムに合わせて、睡眠中の覚醒を防ぎながら、空調制御を行うことが可能となる。
【0182】
なお、本実施の形態では、睡眠状態検知機によって計測した睡眠状態が、深い睡眠の場合は下向きに設定し、浅い睡眠の場合は上向きに設定するとしたが、深い睡眠の場合は、上下にスイングするように構成してもよい。このように構成することで、室内の空気を循環させることで、上方向の暖かい空気を、下側に持ってくることで、快適性を上げることができる。
【0183】
なお、本実施の形態では、睡眠状態検知機によって計測した睡眠状態が、深い睡眠の場合は下向きに設定し、浅い睡眠の場合は上向きに設定するとしたが、浅い睡眠の時を狙って「霜取り運転」を行うように構成してもよい。霜取り運転とは、冬の屋外の気温が所定温度より低くかつ湿度が所定湿度より高いときに、室外機に霜がつくことがあり、暖房運転の妨げになるこの霜を取り除く運転のことをいう。この運転中は暖房が停止してしまうため、室内機の風もストップする。霜取り運転後には、その間に冷えた部屋を再度温めようと、空気調和機が動き出すため、霜取り運転中は、深い睡眠中ではなく、浅い睡眠中に行うほうが、好ましい。
【0184】
なお、本実施の形態では、睡眠状態検知機によって計測した睡眠状態が、深い睡眠の場合は下向きに設定し、浅い睡眠の場合は上向きに設定するとしたが、空気調和機が加湿運転機能を持つ場合には、深い睡眠中に加湿運転を強め、浅い睡眠中は加湿運転を弱めるまたは停止するように構成してもよい。このように構成することで、加湿運転中は、音が発生するため、浅い睡眠中、運転を弱めることで、加湿の音を小さくし、覚醒への誘導を抑制することができる。
【0185】
なお、本実施の形態では、睡眠状態検知機によって計測した睡眠状態が、深い睡眠の場合は下向きに設定し、浅い睡眠の場合は上向きに設定するとしたが、ユーザが手動で状態を設定できるようにしてもよい。深い睡眠中の風向・風量、浅い睡眠時の風向・風量をあらかじめシステムに設定し、システムは、その設定に基づいて制御をおこなうようにしてもよい。このように構成することで、よりユーザの好みや間取りなどを踏まえた制御が可能になる。
【0186】
なお、本実施の形態では、睡眠状態検知機によって計測した睡眠状態が、深い睡眠の場合は下向きに設定し、浅い睡眠の場合は上向きに設定するとしたが、室内温度の状態を加味するように構成してもよい。深い睡眠中であっても、室内温度が十分に高い場合には上向きにし、浅い睡眠中であっても、室内温度が低すぎる場合には下向きにする。このように構成することで、睡眠状態と室内の温度に応じて、より柔軟なきめ細やかな制御が可能となる。
【0187】
なお、本実施の形態では、睡眠状態検知機によって計測した睡眠状態が、深い睡眠の場合は下向きに設定し、浅い睡眠の場合は上向きに設定するとしたが、深い睡眠の経過時間に基づいて制御を変更するように構成してもよい。例えば、深い睡眠が開始した後で、深い睡眠が続いていても20分間したら上向きにするというように構成してもよい。または、過去の睡眠ステージや心拍等を学習し、深い睡眠の遷移後、今後の睡眠ステージを予測し、深い睡眠の終わるタイミングの前に風向を上向きに変更するように構成してもよい。このように構成することで、深い睡眠から浅い睡眠に移行していく際に、風による覚醒を防ぐことが可能となる。
【0188】
室内温度の状態を加味するように構成してもよい。深い睡眠中であっても、室内温度が十分に高い場合には上向きにし、浅い睡眠中であっても、室内温度が低すぎる場合には下向きにする。このように構成することで、睡眠状態と室内の温度に応じて、より柔軟なきめ細やかな制御が可能となる。
【0189】
室内湿度の状態を加味するように構成してもよい。深い睡眠中であっても、湿度が低すぎる場合には、上向きにする。このように構成することで、湿度が低すぎる場合には、肌への乾燥を避けることができる。
【0190】
なお、本実施の形態では、睡眠状態検知機によって計測した睡眠状態が、深い睡眠の場合は下向きに設定し、浅い睡眠の場合は上向きに設定するとしたが、空気調和機が空気清浄機能を持つ場合には、深い睡眠中に空気清浄機能を強め、浅い睡眠中は空気清浄機能を弱めるもしくは停止するように構成してもよい。このように構成することで、空気清浄機能は、音が発生するため、浅い睡眠中、運転を弱めることで、音を小さくし、覚醒への誘導を抑制することができる。
【0191】
なお、本実施の形態では、睡眠状態検知機によって計測した睡眠状態が、深い睡眠の場合は下向きに設定し、浅い睡眠の場合は上向きに設定するとしたが、空気調和機がナノイーのような微粒子イオン発生機能を持つ場合には、深い睡眠中に微粒子イオン発生機能を強め、浅い睡眠中は微粒子イオン発生機能を弱めるもしくは停止するように構成してもよい。このように構成することで、微粒子イオン発生機能は、音が発生するため、浅い睡眠中、運転を弱めることで、微粒子イオン発生機能の音を小さくし、覚醒への誘導を抑制することができる。
【0192】
なお、本実施の形態では、
図18で説明したように就寝開始時において、室内温度が下限温度値を上回る場合には、空気調和機の設定温度を、設定可能な最低温度に設定するとしたが、暖房ではなく、冷房や送風などの設定を行うように構成してもよい。空気調和機の設定温度の最低値が16℃の場合、厚めの布団で寝るユーザにとっては、下限温度をもっと低くしたい要望もあり得る。例えば、下限温度を10℃にした場合には、暖房を最低設定温度16℃にしてしまうと、室外気温がいくら低くても、暖房運転が働くため10℃に推移しない。そこで、このようなケースでは、冷房30℃のようにすることで、下限温度を空気調和機の最低温度よりも低く構成することが可能になる。
【0193】
なお、本実施の形態では、
図18で説明したように就寝開始時において、室内温度が下限温度値を上回る場合には、空気調和機の設定温度を、設定可能な最低温度に設定するとしたが、暖房ではなく、ニュートラル運転(何もしない運転)に構成してもよい。空気調和機の設定温度の最低値が16℃の場合、厚めの布団で寝るユーザにとっては、下限温度をもっと低くしたい要望もあり得る。例えば、下限温度を10℃にした場合には、暖房を最低設定温度16℃にしてしまうと、室外気温がいくら低くても、暖房運転が働くため10℃に推移しない。そこで、このようなケースでは、ニュートラル運転というモードを設け、空気調和機の電源はONになるが、何も動作しないモードにすることで、下限温度を空気調和機の最低温度よりも低く構成することが可能になるとともに、就寝時には空気調和機の電源がONになり、睡眠中に勝手に電源がONすることによるユーザの不安感を取り除くことができる。
【0194】
なお、本実施の形態では、暖房運転時における空気調和機300の風向の制御について説明したが、冷房運転時においても同様に制御してもよい。つまり、冷房運転時においても、ユーザの睡眠深度が第1段階の深度である場合、ユーザの位置情報に基づいて、空気調和機300の出力する風がユーザを回避するように空気調和機の風向を制御し、ユーザの睡眠深度が第1段階よりも深い第2段階の深度である場合、ユーザの位置情報に基づいて、空気調和機300の出力する風がユーザに当たるように風向を制御してもよい。
【0195】
なお、本実施の形態では、クラウドサーバ400が空気調和機300から空調センシング情報および空調制御情報を取得し、かつ、睡眠状態検知機500から睡眠状態情報を取得し、これらの情報に基づいて、空気調和機300を制御するための制御パラメータを算出するとしたが、クラウドサーバ400が制御パラメータを算出する処理を行わなくてもよい。つまり、クラウドサーバ400が制御パラメータを算出する代わりに、空気調和機300が制御パラメータを算出してもよい。この場合、空気調和機300は、クラウドサーバ400の機能ブロックのうちのパラメータ算出部412、履歴DB415、インタフェース414、および設定DB416を有する。空調制御部313は、パラメータ算出部412により算出された制御パラメータに応じた動作を行う。また、この場合、空気調和機300は、睡眠状態検知機500から睡眠状態情報を取得する取得部を有する。このように、クラウドサーバ400が無くてもよく、空気調和機300が制御パラメータを算出する処理を行ってもよい。
【0196】
なお、空気調和機300は、送風機302により室内に吹き出される空気の流れの向き(風向)を調整する風向調整機構をさらに備えていてもよい。風向調整機構は、例えば、空気調和機300の吹出口に配置され、空気の流れの向きを調整するためのフラップと、フラップの角度を調整するアクチュエータ(モータ)とにより構成される。
【0197】
以上が本実施の形態における空調制御システムの説明である。
【0198】
(サービスの類型1:自社データセンタ型)
図2は、サービスの類型1(自社データセンタ型)を示す。本類型は、サービスプロバイダ120がグループ100から情報を取得し、ユーザに対してサービスを提供する類型である。本類型では、サービスプロバイダ120が、データセンタ運営会社の機能を有している。即ち、サービスプロバイダが、ビッグデータの管理をするクラウドサーバ111を保有している。従って、データセンタ運営会社は存在しない。
【0199】
本類型では、サービスプロバイダ120は、データセンタ(クラウドサーバ111)(203)を運営、管理している。また、サービスプロバイダ120は、OS(202)及びアプリケーション(201)を管理する。サービスプロバイダ120は、サービスプロバイダ120が管理するOS(202)及びアプリケーション(201)を用いてサービス提供(204)を行う。
【0200】
(サービスの類型2:IaaS利用型)
図3は、サービスの類型2(IaaS利用型)を示す。ここでIaaSとはインフラストラクチャー・アズ・ア・サービスの略であり、コンピュータシステムを構築および稼動させるための基盤そのものを、インターネット経由のサービスとして提供するクラウドサーバ提供モデルである。
【0201】
本類型では、データセンタ運営会社がデータセンタ(クラウドサーバ111)(203)を運営、管理している。また、サービスプロバイダ120は、OS(202)及びアプリケーション(201)を管理する。サービスプロバイダ120は、サービスプロバイダ120が管理するOS(202)及びアプリケーション(201)を用いてサービス提供(204)を行う。
【0202】
(サービスの類型3:PaaS利用型)
図4は、サービスの類型3(PaaS利用型)を示す。ここでPaaSとはプラットフォーム・アズ・ア・サービスの略であり、ソフトウェアを構築および稼動させるための土台となるプラットフォームを、インターネット経由のサービスとして提供するクラウドサーバ提供モデルである。
【0203】
本類型では、データセンタ運営会社110は、OS(202)を管理し、データセンタ(クラウドサーバ111)(203)を運営、管理している。また、サービスプロバイダ120は、アプリケーション(201)を管理する。サービスプロバイダ120は、データセンタ運営会社が管理するOS(202)及びサービスプロバイダ120が管理するアプリケーション(201)を用いてサービス提供(204)を行う。
【0204】
(サービスの類型4:SaaS利用型)
図5は、サービスの類型4(SaaS利用型)を示す。ここでSaaSとはソフトウェア・アズ・ア・サービスの略である。例えばデータセンタ(クラウドサーバ)を保有しているプラットフォーム提供者が提供するアプリケーションを、データセンタ(クラウドサーバ)を保有していない会社・個人(利用者)がインターネットなどのネットワーク経由で使用できる機能を有するクラウドサーバ提供モデルである。
【0205】
本類型では、データセンタ運営会社110は、アプリケーション(201)を管理し、OS(202)を管理し、データセンタ(クラウドサーバ111)(203)を運営、管理している。また、サービスプロバイダ120は、データセンタ運営会社110が管理するOS(202)及びアプリケーション(201)を用いてサービス提供(204)を行う。
【0206】
以上いずれの類型においても、サービスプロバイダ120がサービス提供行為を行ったものとする。また例えば、サービスプロバイダ若しくはデータセンタ運営会社は、OS、アプリケーション若しくはビッグデータのデータベース等を自ら開発してもよいし、また、第三者に外注させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0207】
本発明の一態様に係る空調制御システムは、空気調和機の制御において、温熱指標を用いて起床に向けて徐々に温熱環境をあげて起床時に快適な環境を整えることができ、睡眠時の快適性を高めることが可能である。故に本発明にかかる空調制御システムは、生活家電産業において高い利用可能性を持つ。
【符号の説明】
【0208】
10、20 ユーザ
100 グループ
101 機器
102 ホームゲートウェイ
110 データセンタ運営会社
111 クラウドサーバ
120 サービスプロバイダ
121 サーバ
201 アプリケーション
202 OS
203 データセンタ(クラウドサーバ)
204 サービス提供
300 空気調和機
301 熱源
302 送風機
303 各種センサ
304 制御回路
311 センサ情報取得部
312 制御情報取得部
313 空調制御部
400 クラウドサーバ
401 プロセッサ
402 メインメモリ
403 ストレージ
404 通信IF
411 取得部
412 パラメータ算出部
413 空調設定部
414 インタフェース
415 履歴DB
416 設定DB
500 睡眠状態検知機
501 アンテナ
502 制御回路
511 睡眠状態情報取得部
600 通信ネットワーク
601 住宅
610 ルータ
700 端末機器
701 設定画面
702、703 予約リスト
710 起床画面
711 コメント
712、713 アイコン
720 受付済画面
721、722 アイコン
801 細い実線
802 太い実線
803 太い破線