(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】電子機器システム、照明制御システム、照明制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/17 20200101AFI20240816BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20240816BHJP
H05B 45/20 20200101ALI20240816BHJP
H05B 47/105 20200101ALI20240816BHJP
H05B 47/165 20200101ALI20240816BHJP
H05B 47/18 20200101ALI20240816BHJP
H05B 47/185 20200101ALI20240816BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20240816BHJP
H05B 47/195 20200101ALI20240816BHJP
【FI】
H05B47/17
H05B45/10
H05B45/20
H05B47/105
H05B47/165
H05B47/18
H05B47/185
H05B47/19
H05B47/195
(21)【出願番号】P 2020142932
(22)【出願日】2020-08-26
【審査請求日】2023-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】内田 行紀
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-528586(JP,A)
【文献】特開2017-059298(JP,A)
【文献】特開2019-192515(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00 - 39/10
H05B 45/00 - 45/58
H05B 47/00 - 47/29
H03J 9/00 - 9/06
H04Q 9/00 - 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーコン信号を発信する照明装置と、
ネットワークに登録されている照明装置を経由して前記ビーコン信号を受信したことを示す履歴を取得し、取得した前記履歴に基づいて、ネットワークに登録されていない前記照明装置である未登録の照明装置を抽出する制御部とを備える
電子機器システム。
【請求項2】
ビーコン信号を発信する照明装置と、
前記ビーコン信号を受信したことを示す履歴を取得し、取得した前記履歴に基づいて、ネットワークに登録されていない前記照明装置である未登録の照明装置を抽出する制御部とを備え、
前記制御部は、前記照明装置がON操作される場合、前記照明装置が前記ネットワークに登録されているか否かを判定する
電子機器システム。
【請求項3】
ビーコン信号を発信する照明装置と、
前記ビーコン信号を受信したことを示す履歴を取得し、取得した前記履歴に基づいて、ネットワークに登録されていない前記照明装置である未登録の照明装置を抽出する制御部とを備え、
前記ビーコン信号には、前記照明装置を識別するための識別情報が含まれる
電子機器システム。
【請求項4】
ビーコン信号を発信する照明装置と、
前記ビーコン信号を受信したことを示す履歴を取得し、取得した前記履歴に基づいて、ネットワークに登録されていない前記照明装置である未登録の照明装置を抽出する制御部と、
前記制御部を搭載し、前記ビーコン信号を受信する端末装置とを備え、
前記端末装置は、前記ビーコン信号を受信可能な状態である設定登録モードになることが可能である
電子機器システム。
【請求項5】
請求項1
~4のいずれか1項に記載の電子機器システムと、
前記制御部を搭載し、前記ビーコン信号を受信する端末装置と、
前記ビーコン信号を受信することが可能であり、前記ネットワークに登録されている前記照明装置である登録済みの照明装置とを備え、
前記端末装置は、前記ビーコン信号を受信したことを示す履歴である第1履歴を取得し、
前記登録済みの照明装置は、受信した前記ビーコン信号に基づく履歴である第2履歴を取得し、
前記制御部は、前記第1履歴と前記第2履歴とを照合した結果に基づいて、前記未登録の照明装置を抽出して前記ネットワークに登録する
照明制御システム。
【請求項6】
前記端末装置は、表示部を有し、
前記制御部は、前記未登録の照明装置が前記第1履歴及び前記第2履歴に存在していない場合、前記未登録の照明装置の再起動を促す指示を、前記表示部に表示させる
請求項
5に記載の照明制御システム。
【請求項7】
前記制御部は、
前記未登録の照明装置が前記第1履歴及び前記第2履歴に存在している場合、前記未登録の照明装置に対して、前記端末装置に通信の接続要求を送信させ、
前記接続要求に基づいて、前記端末装置と前記未登録の照明装置とが通信できる場合、前記未登録の照明装置を抽出して前記ネットワークに登録し、
前記接続要求に基づいて、前記端末装置と前記未登録の照明装置とが通信できない場合、前記端末装置の再起動を促す指示を、前記表示部に表示させる
請求項
6に記載の照明制御システム。
【請求項8】
請求項1
~4のいずれか1項に記載の電子機器システムと、
前記制御部を有する端末装置と、
前記ビーコン信号を受信することが可能である登録済みの照明装置とを備え、
前記登録済みの照明装置は、前記ビーコン信号を受信したことを示す履歴を取得し、
前記制御部は、前記登録済みの照明装置が取得した前記履歴に基づいて、前記未登録の照明装置を抽出して前記ネットワークに登録する
照明制御システム。
【請求項9】
前記端末装置は、表示部を有し、
前記制御部は、前記未登録の照明装置が前記履歴に存在していない場合、前記未登録の照明装置の再起動を促す指示を、前記表示部に表示させる
請求項
8に記載の照明制御システム。
【請求項10】
前記制御部は、
前記未登録の照明装置が前記履歴に存在している場合、前記未登録の照明装置に対して、前記端末装置に通信の接続要求を送信させ、
前記接続要求に基づいて、前記端末装置と前記未登録の照明装置とが通信できる場合、前記未登録の照明装置を抽出して前記ネットワークに登録し、
前記接続要求に基づいて、前記端末装置と前記未登録の照明装置とが通信できない場合、前記端末装置の再起動を促す指示を、前記表示部に表示させる
請求項
9に記載の照明制御システム。
【請求項11】
前記未登録の照明装置は、
光を発する発光モジュールと、
前記ビーコン信号を発信するビーコン発信部と、
前記発光モジュール及び前記ビーコン発信部に電力を供給する電源部と、
前記電源部がON操作されたことを検知する電源投入検知部と、
前記電源投入検知部が当該検知すると前記ビーコン発信部を制御することで前記ビーコン信号を発信させる制御部
とを有する
請求項
5~10のいずれか1項に記載の照明制御システム。
【請求項12】
ネットワークに登録されていない照明装置である未登録の照明装置がビーコン信号を発信することと、
ネットワークに登録されている照明装置を経由して前記ビーコン信号を受信したことを示す履歴を取得し、取得した前記履歴に基づいて、前記未登録の照明装置を抽出して前記ネットワークに登録することとを含む
照明制御方法。
【請求項13】
ネットワークに登録されていない照明装置である未登録の照明装置がビーコン信号を発信することと、
前記ビーコン信号を受信したことを示す履歴を取得し、取得した前記履歴に基づいて、前記未登録の照明装置を抽出して前記ネットワークに登録することと、
前記照明装置がON操作される場合、前記照明装置が前記ネットワークに登録されているか否かを判定することとを含む
照明制御方法。
【請求項14】
ネットワークに登録されていない照明装置である未登録の照明装置がビーコン信号を発信することと、
前記ビーコン信号を受信したことを示す履歴を取得し、取得した前記履歴に基づいて、前記未登録の照明装置を抽出して前記ネットワークに登録することとを含み、
前記ビーコン信号には、前記照明装置を識別するための識別情報が含まれる
照明制御方法。
【請求項15】
ネットワークに登録されていない照明装置である未登録の照明装置がビーコン信号を発信することと、
前記ビーコン信号を受信したことを示す履歴を取得し、取得した前記履歴に基づいて、前記未登録の照明装置を抽出して前記ネットワークに登録することと、
前記ビーコン信号を端末装置が受信することとを含み、
前記端末装置は、前記ビーコン信号を受信可能な状態である設定登録モードになることが可能である
照明制御方法。
【請求項16】
請求項
12~15のいずれか1項に記載の照明制御方法をコンピュータによって実行させるための
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器システム、照明制御システム、照明制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の照明器具と無線コントローラとの無線通信を行う際に、中継用の照明器具を簡易に決定する照明システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の照明システムとして用いられる電子機器システムでは、無線コントローラとしての端末装置に不具合がある場合、照明装置をネットワークに登録することができない場合がある。
【0005】
そこで、本開示は、未登録の照明装置を容易にネットワークに登録することができる電子機器システム、照明制御システム、照明制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の一態様に係る電子機器システムは、ビーコン信号を発信する照明装置と、ネットワークに登録されている照明装置を経由して前記ビーコン信号を受信したことを示す履歴を取得し、取得した前記履歴に基づいて、ネットワークに登録されていない前記照明装置である未登録の照明装置を抽出する制御部とを備える。
また、本開示の一態様に係る電子機器システムは、ビーコン信号を発信する照明装置と、前記ビーコン信号を受信したことを示す履歴を取得し、取得した前記履歴に基づいて、ネットワークに登録されていない前記照明装置である未登録の照明装置を抽出する制御部とを備え、前記制御部は、前記照明装置がON操作される場合、前記照明装置が前記ネットワークに登録されているか否かを判定する。
また、本開示の一態様に係る電子機器システムは、ビーコン信号を発信する照明装置と、前記ビーコン信号を受信したことを示す履歴を取得し、取得した前記履歴に基づいて、ネットワークに登録されていない前記照明装置である未登録の照明装置を抽出する制御部とを備え、前記ビーコン信号には、前記照明装置を識別するための識別情報が含まれる。
また、本開示の一態様に係る電子機器システムは、ビーコン信号を発信する照明装置と、前記ビーコン信号を受信したことを示す履歴を取得し、取得した前記履歴に基づいて、ネットワークに登録されていない前記照明装置である未登録の照明装置を抽出する制御部と、前記制御部を搭載し、前記ビーコン信号を受信する端末装置とを備え、前記端末装置は、前記ビーコン信号を受信可能な状態である設定登録モードになることが可能である。
【0007】
また、本開示の一態様に係る照明制御システムは、電子機器システムと、前記制御部を搭載し、前記ビーコン信号を受信する端末装置と、前記ビーコン信号を受信することが可能であり、前記ネットワークに登録されている前記照明装置である登録済みの照明装置とを備え、前記端末装置は、前記ビーコン信号を受信したことを示す履歴である第1履歴を取得し、前記登録済みの照明装置は、受信した前記ビーコン信号に基づく履歴である第2履歴を取得し、前記制御部は、前記第1履歴と前記第2履歴とを照合した結果に基づいて、前記未登録の照明装置を抽出して前記ネットワークに登録する。
【0008】
また、本開示の一態様に係る照明制御方法は、ネットワークに登録されていない照明装置である未登録の照明装置がビーコン信号を発信することと、前記ビーコン信号を受信したことを示す履歴を取得し、取得した前記履歴に基づいて、前記未登録の照明装置を抽出し、抽出した前記未登録の照明装置をして前記ネットワークに登録することとを含む。
また、本開示の一態様に係る照明制御方法は、ネットワークに登録されていない照明装置である未登録の照明装置がビーコン信号を発信することと、前記ビーコン信号を受信したことを示す履歴を取得し、取得した前記履歴に基づいて、前記未登録の照明装置を抽出して前記ネットワークに登録することと、前記照明装置がON操作される場合、前記照明装置が前記ネットワークに登録されているか否かを判定することとを含む。
また、本開示の一態様に係る照明制御方法は、ネットワークに登録されていない照明装置である未登録の照明装置がビーコン信号を発信することと、前記ビーコン信号を受信したことを示す履歴を取得し、取得した前記履歴に基づいて、前記未登録の照明装置を抽出して前記ネットワークに登録することとを含み、前記ビーコン信号には、前記照明装置を識別するための識別情報が含まれる。
また、本開示の一態様に係る照明制御方法は、ネットワークに登録されていない照明装置である未登録の照明装置がビーコン信号を発信することと、前記ビーコン信号を受信したことを示す履歴を取得し、取得した前記履歴に基づいて、前記未登録の照明装置を抽出して前記ネットワークに登録することと、前記ビーコン信号を端末装置が受信することとを含み、前記端末装置は、前記ビーコン信号を受信可能な状態である設定登録モードになることが可能である。
【0009】
また、本開示の一態様に係るプログラムは、照明制御方法をコンピュータによって実行される。
【発明の効果】
【0010】
本開示に係る電子機器システム等は、未登録の照明装置を容易にネットワークに登録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る照明制御システムを例示した模式図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係る照明制御システムを例示したブロック図である。
【
図3A】
図3Aは、実施の形態1に係る照明制御システムの処理を例示したシーケンス図である。
【
図3B】
図3Bは、実施の形態1に係る照明制御システムにおいて、未登録の照明装置の再起動を促す指示を表示する場合の処理を例示したフローチャートである。
【
図3C】
図3Cは、実施の形態1に係る照明制御システムにおいて、端末装置の再起動を促す指示を表示する場合の処理を例示したフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施の形態2に係る照明制御システムを例示したブロック図である。
【
図5】
図5は、実施の形態2に係る照明制御システムの処理を例示したシーケンス図である。
【
図6】
図6は、実施の形態2に係る端末装置が設定登録モードを実行しているときに、端末装置の表示部に表示された画像を例示した模式図である。
【
図7】
図7は、実施の形態2に係る端末装置が設定登録モードを実行しているときに、端末装置の表示部に表示された別の画像を例示した模式図である。
【
図8】
図8は、実施の形態2の変形例に係る照明制御システムを例示したブロック図である。
【
図9】
図9は、実施の形態2の変形例に係る照明制御システムの処理を例示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(発明をするに至った知見)
近年、ビル及び店舗等の屋内施設において、無線制御される照明制御システム等が普及している。照明制御システム等によって、日時及びエリア等の条件設定をして細やかな照明制御をすることによって、屋内施設内に滞在しているユーザに対して、照明による快適な空間演出を提供することができる。
【0013】
このような照明制御を可能にするには、照明制御を実行するための設定項目が増加しているため、例えば照明装置を屋内施設に施工した時の初期設定は、複雑化している。特に無線制御される照明制御システムにおいて、施工後の新しい照明装置を制御するためには、初期設定として照明制御システムのネットワーク(以下、単にネットワークということがある)に参入させる工程が必須となる。このようなネットワークに参入させる(登録する)初期設定は、通常、施工業者としての設定者が端末装置を用いて行うものである。しかしながら、設定者がネットワークに新しい照明装置を登録するために端末装置を操作しても、端末装置と新しい照明装置との間の通信状況等によって、端末装置が照明装置を検出することができない場合があり、新しい照明装置をネットワークに登録することが困難となる場合がある。また、設定者は、目前に新しい照明装置が存在しているにもかかわらず、端末装置の表示画面に照明装置が検出されないため、ストレスを感じることがある。設定者は、新しい照明装置に不具合があるのか、端末装置に不具合があるのかを判断できないため、対処方法が分からなくなってしまう。
【0014】
そこで、本開示は、未登録の照明装置を容易にネットワークに登録することができる電子機器システム、照明制御システム、照明制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【0015】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、ステップ、ステップの順序等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0016】
各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されてはいない。したがって、例えば、各図において縮尺等は必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0017】
以下の実施の形態に係る電子機器システム、照明制御システム、照明制御方法及びプログラムについて説明する。
【0018】
(実施の形態1)
<構成:照明制御システム1>
まず、本実施の形態に係る電子機器システム、照明制御システム1、照明制御方法及びプログラムの構成について説明する。
【0019】
図1は、実施の形態1に係る照明制御システム1を例示した模式図である。
図2は、実施の形態1に係る照明制御システム1を例示したブロック図である。
【0020】
図1及び
図2に示すように、照明制御システム1は、ビル及び店舗等の屋内施設において各フロア、各部屋等といった各室内空間に配置されている1以上の照明装置10を制御するためのシステムである。具体的には、照明制御システム1は、1以上の照明装置10を制御するために、屋内施設に施工した未登録の1以上の照明装置10を設定者が照明制御システム1のネットワークに登録することで、このネットワークに登録された1以上の照明装置10を同時に連動させて制御することができる。1以上の照明装置10の制御は、例えば、照明に係るスケジュール、調光度及び調色度の変更等である。ネットワークは、規定の通信規格によって通信可能な通信ネットワークである。
【0021】
未登録の1以上の照明装置10をネットワークに登録する際、1以上の照明装置10と端末装置20との間の通信は、無線通信である。無線通信による通信方式としては、特定小電力無線、Zigbee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)等の無線通信方式が用いられる。なお、本実施の形態において、1以上の照明装置10について、特に言及しない限り、主に1つの照明装置10について説明する。
【0022】
照明制御システム1は、各室内空間に配置された照明装置10と、端末装置20とを備える。本実施の形態では、照明装置10、及び、端末装置20に搭載される第2制御部21は、電子機器システムを構成する。
【0023】
[照明装置10]
照明装置10は、室内空間の天井に設置されて当該室内空間を照明するベースライト等であり、照明コントローラ30によって発光制御される。照明装置10の態様は、例えば、シーリングライト、ダウンライト、又は、スポットライト等である。照明コントローラ30は、照明装置10を個別に操作することが可能な壁スイッチ、照明用操作端末等である。本実施の形態では、照明装置10と照明コントローラ30との間の通信は、例えば、有線通信であるがこれには限定されない。照明装置10と照明コントローラ30との間の通信は、無線通信であってもよい。
【0024】
照明装置10は、ネットワークに登録する前(照明装置10の施工時)の状態において、電源部17がON操作される(電源部17に電力が投入される)と、光を照射することが可能な通常の状態からネットワークに登録するためのビーコン信号を発信する状態である発信状態に切り替える。また、照明装置10は、ネットワークに登録されれば、このネットワークに登録された1以上の照明装置10が同時に連動して制御される。なお、照明装置10は、ネットワークに登録する前では、照明コントローラ30等によって個別に点消灯等の照明制御がされてもよい。
【0025】
照明装置10は、調光制御機能及び調色制御機能を有する。具体的には、照明装置10は、照明装置10が照射する光について、輝度(明るさ)及び光色(色温度又は波長)を変更する。
【0026】
照明装置10は、発光モジュール11と、電源投入検知部12と、ビーコン発信部13と、第1制御部14と、第1記憶部15と、第1通信部16と、電源部17とを有する。
【0027】
発光モジュール11は、照明装置10が周囲に照射するための光を発する。発光モジュール11は、少なくとも1つの発光素子を有する。本実施の形態において、発光モジュール11は、複数設けられる。発光素子は、例えば、LEDがパッケージ化された表面実装(SMD:Surface Mount Device)型のLED素子である。発光モジュール11は、制御情報に基づく第1制御部14からの指示にしたがって発光する。制御情報は、照明装置10を照明制御するための各種パラメータ等を含む情報である。発光モジュール11は、RGBの3色の発光素子を有し、赤色光、青色光及び緑色光の3色の単色光を発するとともに、これらの3色の単色光を調光することで得られるカラー光又は白色光を発する。
【0028】
電源投入検知部12は、照明装置10の電源部17がON操作されたことを検知することができる。電源投入検知部12は、照明装置10の電源部17がON操作されたことを検知すると、ON操作されたことを示す検知信号を第1制御部14に出力する。
【0029】
ビーコン発信部13は、周囲にビーコン信号を発信することができる発信器である。ビーコン信号には、照明装置10の識別情報が含まれる。識別情報は、照明装置10を識別するためのMAC(Media Access Control)アドレス等の情報である。ビーコン発信部13は、照明装置10の電源部17がON操作されたときに、ネットワークに登録されていなければ、第1制御部14に制御されることでビーコン信号を発信する。つまり、ビーコン発信部13は、照明装置10がネットワークに登録されていない状態である未登録状態のときに、所定期間、ビーコン信号を発信し続ける。
【0030】
第1制御部14は、照明装置10の各部の制御を行う制御回路である。第1制御部14は、プロセッサ等を有し、プロセッサが第1記憶部15に記憶されたプログラムを実行することで、各種制御を行う。プロセッサは、MPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphical Processing Unit)、又は、SOC(System on a Chip)等によって構成される。また、プログラムには、制御情報が含まれていてもよい。第1制御部14は、制御部の一例である。
【0031】
第1制御部14は、電源投入検知部12から、照明装置10の電源部17がON操作されたことを示す検知信号を取得すると、自身の照明装置10がネットワークに登録されているか否かを判定して、ネットワークに登録されていなければ、ビーコン発信部13を制御することで、ビーコン信号を発信させる。また、第1制御部14は、自身の照明装置10がネットワークに登録されていれば、ビーコン発信部13にビーコン信号を発信させない。
【0032】
また、第1制御部14は、発光モジュール11を制御する。具体的には、第1制御部14は、制御情報を取得し、取得した制御情報に応じた発光態様で点灯させるように、発光モジュール11が発する光の発光態様を制御する。例えば、第1制御部14は、発光モジュール11が発する光について、点消灯(点灯、消灯)を制御したり、輝度を変えるように制御したり、光色を変えるように制御したりする。なお、第1制御部14は、第1通信部16及びネットワークを介して、外部装置から制御情報を取得したりしてもよく、第1記憶部15から制御情報を取得したりしてもよい。
【0033】
第1制御部14は、電源投入検知部12から検知信号を取得するとビーコン発信部13を制御することでビーコン信号を発信させる。また、第1制御部14は、ビーコン信号の発信を開始する時点からの期間を計測する計時部(不図示)を有する。第1制御部14は、ビーコン発信部13がビーコン信号を発信する期間を計測し、所定期間経過後、ビーコン信号の発信を停止させるように、ビーコン発信部13を制御する。
【0034】
なお、後述するが、第1制御部14は、自身である未登録の照明装置10がネットワークに登録される場合、第1通信部16を介して、認証キー、ネットワークキー等を端末装置20から取得したり、認証キーに対する応答(ACK:Acknowledgement)、ネットワークキーに対する応答等を送信させたりする。第1制御部14は、認証キー、ネットワークキー等を第1記憶部15に記憶させる。
【0035】
第1記憶部15には、第1制御部14が照明装置10の機能を実行するためのプログラムが記憶されている。また、第1記憶部15には、取得した制御情報等が定期的に記憶される。第1記憶部15は、例えば、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等の一次記憶装置を含む。また、第1記憶部15は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の二次記憶装置、光ディスク及びSDカード等の三次記憶装置を含んでいてもよい。
【0036】
第1通信部16は、端末装置20と通信を行う機能を有する。具体的には、第1通信部16は、照明装置10が照射する光の発光態様を制御するための制御情報を、端末装置20から受信する。第1通信部16が受信した制御情報は、第1制御部14に入力されたり、第1制御部14によって第1記憶部15に記憶されたりする。第1通信部16による通信方式は、例えば、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、電力線通信、赤外線通信、近距離無線通信(例えばBluetooth(登録商標)通信)、又は、携帯電話用のモバイル通信等の通信方式である。
【0037】
なお、後述するが、第1通信部16は、未登録の照明装置10をネットワークに登録するために、端末装置20から認証キー、ネットワークキー等を受信したり、認証キー、ネットワークキーのそれぞれに対する応答を送信したりする。
【0038】
電源部17は、発光モジュール11及びビーコン発信部13等の照明装置10の各部に電力を供給する機能を有する。電源部17は、例えば、プリント基板に複数の電子部品が実装された電源回路である。電源部17は、例えば、発光モジュール11を発光させるための電力として駆動電力を生成する。具体的には、電源部17は、商用の交流電力を直流電力に変換し、この直流電力によって発光モジュール11を発光させるための駆動電力として生成し、生成した駆動電力を発光モジュール11に供給して、発光モジュール11を発光させる。
【0039】
[端末装置20]
端末装置20は、1以上の照明装置10と通信可能であり、ユーザの操作を受け付けることで、端末装置20を照明制御システム1のネットワークに登録することが可能である。これに限定されず、端末装置20は、登録後に1以上の照明装置10を同時に制御したりすることが可能な、照明コントローラ30としての機能も有する。端末装置20は、ユーザの操作を受け付けることで制御情報を生成したり、外部装置から制御情報を取得したりして、その制御情報を記憶し、記憶した制御情報を照明装置10に送信することで照明装置10を制御する。端末装置20は、例えば、タブレット端末、スマートフォン等である。
【0040】
なお、端末装置20と複数の照明装置10とが無線通信する場合、端末装置20から発信される電波の届く範囲には制限があるため、複数の照明装置10のうちの一部の照明装置10が端末装置20から離れて設置されていれば、端末装置20と直接通信できない照明装置10がある。その場合、端末装置20と上記直接通信できない照明装置10との間に、中継機としての照明装置10等を設置することで、端末装置20と直接通信できない照明装置10とが無線通信を行ってもよい。
【0041】
また、端末装置20は、端末装置20における通常の操作モードから端末装置20を登録するための設定登録モードに切り替わると、照明装置10が発信するビーコン信号を受信可能な状態になる。つまり、操作モードは、端末装置20がユーザから何らかの操作による入力を受け付けることが可能な通常の入力状態となっているモードである。また、設定登録モードは、照明装置10が発信するビーコン信号を受信可能な状態であり、端末装置20をネットワークに登録するためのモードである。
【0042】
端末装置20は、第2制御部21と、取得部22と、表示部23と、第2記憶部24と、ビーコン信号受信部25と、第2通信部26とを有する。
【0043】
第2制御部21は、端末装置20の各部の制御を行う制御回路である。第2制御部21は、プロセッサ等を有し、プロセッサが第2記憶部24に記憶されたプログラムを実行することで、各種制御を行う。プロセッサは、MPU、CPU、DSP、GPU、又は、SOC等によって構成される。第2制御部21は、制御部の一例である。なお、本実施の形態では、第2制御部21は、端末装置20に搭載されているが、これには限らない。例えば、第2制御部21は、照明装置10に搭載されていてもよい。
【0044】
第2制御部21は、未登録状態の照明装置10をネットワークに登録するために、取得部22を介してユーザの操作による入力情報を取得することで、端末装置20を通常の操作モードから設定登録モードに切り替える。設定登録モードとなった端末装置20は照明装置10から発信されたビーコン信号を受信可能な状態となるため、第2制御部21は、ビーコン信号受信部25がビーコン信号を受信したか否かを判定する。
【0045】
照明装置10がビーコン信号を発信すると、第2制御部21は、設定登録モードの場合、ビーコン信号受信部25を介してビーコン信号に示される照明装置10の識別情報を取得することができる。第2制御部21は、ビーコン信号を受信したことを判定し、ビーコン信号を受信したことを示す履歴であるビーコン信号の受信履歴を生成することで受信履歴を取得する。取得した受信履歴は、更新されて第2記憶部24に記憶する。受信履歴とは、ビーコン信号受信部25が所定周期分のスキャンで受信したビーコン信号の数(受信数)を時系列的に識別情報毎に履歴として表すテーブル形式のデータであり、受信時刻が含まれてもよい。第2制御部21は、取得したビーコン信号の受信履歴に基づいて、ネットワークに登録されていない照明装置10を抽出する、つまり未登録の照明装置10の識別情報を抽出する(以下では、未登録の照明装置10を抽出するということがある)。第2制御部21は、未登録の照明装置10を抽出できた場合、抽出した未登録の照明装置10を表示部23に表示させ、抽出した未登録の照明装置10をネットワークに登録する。具体的には、第2制御部21は、第2通信部26を介して、登録開始信号(接続要求の一例である)、認証キー、ネットワークキー等を未登録の照明装置10に送信したり、登録開始信号に対する応答、認証キーに対する応答、ネットワークキーに対する応答等を未登録の照明装置10から受信したりすることで、抽出した未登録の照明装置10をネットワークに登録する。
【0046】
一方で、第2制御部21は、照明装置10がビーコン信号を発信しなければ、設定登録モードの場合でも、ビーコン信号受信部25がビーコン信号を受信できないため、識別情報を取得することができない。この場合、ネットワークに登録されていない照明装置10の存在を検知することができない。このため、第2制御部21は、未登録の照明装置10が受信履歴に存在していないことを意味するため、未登録の照明装置10の再起動を促す指示を、表示部23に表示させる。
【0047】
取得部22は、ユーザの操作を受け付けることで、ユーザの操作による入力情報を取得する。取得部22は、タッチパネル等のように、ユーザの操作を受け付ける入力インターフェイスである。取得部22は、例えばユーザの操作を受け付けることで、端末装置20における通常の操作モードから設定登録モードに切り替えるための指示を入力情報として取得し、取得した当該指示を第2制御部21に出力する。
【0048】
表示部23は、第2制御部21の制御に基づいて画像を表示する表示装置である。表示部23は、例えば、液晶パネル又は有機EL(Electro Luminescence)パネル等によって実現される。表示部23は、第2制御部21の制御に基づく設定登録モードにおいて、ネットワークに登録されていない照明装置10を示す画像を表示したり、照明装置10の再起動を促す指示を表示したり、端末装置20の再起動を促す指示を示す画像を表示したりする。また、表示部23は、第2制御部21の制御に基づいて、通常の操作モードにおいて、照明装置10を制御するための操作用の画像を表示したり、制御情報を生成する又は取得するための操作用の画像を表示したりする。
【0049】
第2記憶部24には、第2制御部21が端末装置20の機能を実行するためのプログラム等が記憶されている。例えば、第2記憶部24には、通常の操作モードから設定登録モードに切り替えるためのアプリケーション等のプログラム、照明装置10を制御するための制御情報等のプログラムが記憶されている。また、第2記憶部24には、照明装置10が登録されたとき、照明装置10の識別情報、照明装置10の認証キー等が記憶される。第2記憶部24は、例えば、RAM及びROM等の一次記憶装置を含む。また、第2記憶部24は、HDD、SSD等の二次記憶装置、光ディスク及びSDカード等の三次記憶装置を含んでいてもよい。
【0050】
ビーコン信号受信部25は、設定登録モードになると、ビーコン信号を受信可能な待受け状態となる。ビーコン信号受信部25は、1以上の照明装置10から送信されるビーコン信号を直接的に受信する。ここでいう直接的とは、ビーコン信号を送信した照明装置10から端末装置20までの間に中継機を介することなく、照明装置10から端末装置20までビーコン信号が送信されたことを意味する。ビーコン信号受信部25は、ビーコン信号を受信すると、受信したビーコン信号に示される照明装置10の識別情報を第2制御部21に出力する。
【0051】
第2通信部26は、照明装置10と通信を行う機能を有する。具体的には、第2通信部26は、未登録の照明装置10をネットワークに登録するために、登録開始信号、認証キー、ネットワークキー等を送信したり、登録開始信号、認証キー、ネットワークキーのそれぞれに対する応答を受信したりする。また、第2通信部26は、照明装置10を登録後、照明装置10に制御情報を送信したりすることもできる。第2通信部26による通信方式は、例えば、WAN、LAN、電力線通信、赤外線通信、近距離無線通信、又は、携帯電話用のモバイル通信等の通信方式である。
【0052】
<処理>
次に、本実施の形態に係る電子機器システム、照明制御システム1、照明制御方法及びプログラムの処理について説明する。
【0053】
以下では、照明制御システム1のネットワークに未登録の照明装置10を登録する場合を、
図3Aに例示している。
図3Aは、実施の形態1に係る照明制御システム1の処理を例示したシーケンス図である。
【0054】
ユーザは、
図3Aに示すように、未登録の照明装置10をネットワークに登録するために、端末装置20を操作することで、端末装置20を通常の操作モードから設定登録モードに切り替える。具体的には、端末装置20の取得部22は、ユーザの操作を受け付けることで、端末装置20における通常の操作モードから設定登録モードに切り替えるための指示を入力情報として取得し、取得した当該指示を端末装置20の第2制御部21に出力する。第2制御部21は、当該指示に基づいて、通常の操作モードから設定登録モードに切り替える。
【0055】
ユーザが未登録の照明装置10の電源部17をON操作することで、電源部17に電力が投入されると、未登録の照明装置10の電源投入検知部12は、照明装置10の電源部17がON操作されたことを検知する(S11)。電源投入検知部12は、電源部17がON操作されたことを示す検知信号を照明装置10の第1制御部14に出力する。
【0056】
第1制御部14は、電源投入検知部12から検知信号を取得すると、ビーコン発信部13を制御することで、所定期間、ビーコン発信部13にビーコン信号を発信させる。これにより、ビーコン発信部13は、ビーコン信号を発信する(S12)。
【0057】
端末装置20は設定登録モードになっているため、端末装置20のビーコン信号受信部25は、ビーコン信号を受信可能な待受け状態となっている。ビーコン信号受信部25は、ビーコン発信部13が発信したビーコン信号を受信すると、受信したビーコン信号に示される未登録の照明装置10の識別情報を端末装置20の第2制御部21に出力する。
【0058】
端末装置20の第2制御部21は、ビーコン信号受信部25から取得した識別情報を第2記憶部24に記憶させる(S21)。また、第2制御部21は、ビーコン信号受信部25が受信したビーコン信号を、ビーコン信号の受信履歴として第2記憶部24に記憶する。第2制御部21は、取得したビーコン信号の受信履歴に基づいて未登録の照明装置10を抽出(未登録の照明装置10の識別情報を抽出)することができる。
【0059】
ステップS12のビーコン信号を送信した照明装置10は、未登録である(ネットワークに登録されていない)ため、第2制御部21は、ビーコン信号の受信履歴に基づいて抽出した未登録の照明装置10をネットワークに登録するために、第2通信部26を介して、登録開始信号を未登録の照明装置10に送信する(S22)。
【0060】
未登録の照明装置10の第1制御部14は、第1通信部16を介して登録開始信号を取得すると、取得した登録開始信号に対する肯定応答を、第1通信部16を介して端末装置20に送信する(S13)。本処理例では、登録開始信号に対する肯定応答がなされた場合を例示する。
【0061】
端末装置20の第2制御部21は、第2通信部26を介して登録開始信号に対する肯定応答を取得すると、第2記憶部24に予め記憶されている認証キーを、第2通信部26を介して未登録の照明装置10に送信する(S23)。
【0062】
未登録の照明装置10の第1制御部14は、第1通信部16を介して認証キーを取得すると、取得した認証キーを確認(又は所有する認証キーと照合)する(S14)。具体的には、第1制御部14は、取得した認証キーが第1記憶部15に予め記憶されているキーと一致しているか否かを判定することで、照合処理を実行する。第1制御部14は、認証キーが一致していれば認証可と判定し、認証キーが一致していなければ認証不可と判定する。第1制御部14は、このような認証結果に応じた情報を、端末装置20に送信する。
【0063】
認証キーが一致していれば認証可と判定されるため、第1制御部14は、第1通信部16を介して、認証キーに対する肯定応答を端末装置20に送信する(S15)。本処理例では、認証キーに対する肯定応答がなされた場合を例示している。
【0064】
端末装置20の第2制御部21は、第2通信部26を介して認証キーに対する肯定応答を取得すると、取得した認証キーを確認(照合)する(S24)。第2制御部21は、取得した認証キーを第2記憶部24に記憶させる。
【0065】
第2制御部21は、第2通信部26を介して、ネットワークキーを未登録の照明装置10に送信する(S25)。
【0066】
未登録の照明装置10の第1制御部14は、第1通信部16を介して、ネットワークキーを取得すると、取得したネットワークキーに対する肯定応答を、第1通信部16を介して端末装置20に送信する(S16)。本処理例では、ネットワークキーに対する肯定応答がなされた場合を例示している。
【0067】
端末装置20の第2制御部21は、第2通信部26を介して未登録の照明装置10からネットワークキーに対する肯定応答を取得し、取得したネットワークキーに対する肯定応答を第2記憶部24に記憶させる。これにより、照明装置10がネットワークに登録される。このため、端末装置20が未登録の照明装置10をネットワークに登録することができるため、未登録の照明装置10は、登録済みの照明装置10となる。
【0068】
次に、未登録の照明装置10の再起動を促す指示を表示する場合の処理を、
図3Bに例示している。
図3Bは、実施の形態1に係る照明制御システム1において、未登録の照明装置10の再起動を促す指示を表示する場合の処理を例示したフローチャートである。
【0069】
図3Bに示すように、設定登録モードに切り替えられた端末装置20において、第2制御部21は、未登録の照明装置10が受信履歴に存在しているか否かを判定する(S12a)。
【0070】
第2制御部21は、未登録の照明装置10が受信履歴に存在している場合(S12aでYES)、未登録の照明装置10からビーコン信号を受信した場合であるため、
図3AのステップS21に進む。
【0071】
第2制御部21は、未登録の照明装置10が受信履歴に存在していない場合(S12aでNO)、つまり、未登録の照明装置10からビーコン信号を受信できなかった場合等であるため、未登録の照明装置10の再起動を促す指示を、表示部23に表示させる(S12b)。そして、第2制御部21は、
図3Bの処理を終了する。その後、
図3Aのシーケンス図を実行して再度、未登録の照明装置10のネットワークへの登録を試みる。
【0072】
次に、端末装置20の再起動を促す指示を表示する場合の処理を、
図3Cに例示している。
図3Cは、実施の形態1に係る照明制御システム1において、端末装置20の再起動を促す指示を表示する場合の処理を例示したフローチャートである。
【0073】
図3Cに示すように、設定登録モードに切り替えられている端末装置20において、第2制御部21は、接続要求に基づいて、端末装置20と未登録の照明装置10とが通信できるか否か、つまり、
図3Aの場合では接続要求の一例としての登録開始信号に対する肯定応答を受信したか否かを判定する(S22a)。
【0074】
第2制御部21は、接続要求に基づいて端末装置20と未登録の照明装置10とが通信できる場合、つまり、
図3Aの場合では登録開始信号に対する肯定応答を受信した場合(S22aでYES)、
図3AのステップS23に進む。
【0075】
第2制御部21は、接続要求に基づいて端末装置20と未登録の照明装置10とが通信できない場合、つまり、
図3Aの場合では登録開始信号に対する肯定応答を受信できない場合(S22aでNO)、端末装置20の再起動を促す指示を、表示部23に表示させる(S22b)。そして、第2制御部21は、
図3Cの処理を終了する。その後、
図3Aのシーケンス図を実行して再度、未登録の照明装置10のネットワークへの登録を試みる。
【0076】
なお、
図3B及び
図3Cの処理について、
図3Aで適用できる例を示したが、あくまでも一例であり、これには限定されない。例えば、
図3Bの処理を経た直後に
図3Cの処理を実行してもよい。また、
図3Cの処理は、
図3AのステップS23の処理以降に行われてもよい。
【0077】
<作用効果>
次に、本実施の形態に係る電子機器システム、照明制御システム1、照明制御方法及びプログラムの作用効果について説明する。
【0078】
上述したように、本実施の形態に係る電子機器システムは、ビーコン信号を発信する照明装置10と、ビーコン信号を受信したことを示す受信履歴を取得し、取得した受信履歴に基づいて、ネットワークに登録されていない照明装置10である未登録の照明装置10を抽出する第2制御部21とを備える。
【0079】
これによれば、未登録の照明装置10がビーコン信号を発信することで、第2制御部21は、このビーコン信号を受信した受信履歴を取得することができる。このため、第2制御部21は、未登録の照明装置10を抽出することができるようになる。つまり、第2制御部21は、未登録の照明装置10を把握することができるようになるため、把握できた未登録の照明装置10を、ネットワークに登録する等の手段を講じることができるようになる。
【0080】
したがって、電子機器システムは、未登録の照明装置10を容易にネットワークに登録することができる。
【0081】
また、本実施の形態に係る照明制御システム1において、第2制御部21は、未登録の照明装置10が受信履歴に存在していない場合、未登録の照明装置10の再起動を促す指示を、表示部23に表示させる。
【0082】
これによれば、ユーザは、未登録の照明装置10がネットワークに登録できない原因が、未登録の照明装置10にあることを、表示部23を介して認識することができる。このため、ユーザは未登録の照明装置10を再起動させるという対応をとることができるため、照明制御システム1では、未登録の照明装置10をネットワークに登録できないという不具合を解消することができる。
【0083】
また、本実施の形態に係る照明制御システム1において、第2制御部21は、未登録の照明装置10が受信履歴に存在している場合、未登録の照明装置10に対して、端末装置20に通信の接続要求(登録開始信号)を送信させる。また、第2制御部21は、接続要求に基づいて、端末装置20と未登録の照明装置10とが通信できる場合、未登録の照明装置10を抽出してネットワークに登録する。そして、第2制御部21は、接続要求に基づいて、端末装置20と未登録の照明装置10とが通信できない場合、端末装置20の再起動を促す指示を、表示部23に表示させる。
【0084】
例えば、端末装置20がビーコン信号を受信していても、例えば端末装置のOS(Operating System)、アプリケーション等に問題が生じている場合、受信に関する情報が端末画面上に表れないことがある。しかしながら、本実施の形態によれば、ユーザは、未登録の照明装置10がネットワークに登録できない原因が、端末装置20にあることを、表示部23を介して認識することができる。このため、ユーザは端末装置20を再起動させるという対応をとることができるため、照明制御システム1では、端末装置20をネットワークに登録できないという不具合を解消することができる。
【0085】
また、本実施の形態に係る電子機器システムにおいて、未登録の照明装置10は、光を発する発光モジュール11と、ビーコン信号を発信するビーコン発信部13と、発光モジュール11及びビーコン発信部13に電力を供給する電源部17と、電源部17がON操作されたことを検知する電源投入検知部12と、電源投入検知部12が当該検知するとビーコン発信部13を制御することでビーコン信号を発信させる第1制御部14とを有する。
【0086】
これによれば、電源投入検知部12が電源部17へのON操作を検知することができるため、第1制御部14は、電源投入検知部12を検知した際に、ビーコン発信部13を制御することでビーコン信号を発信させることができる。このため、ユーザがON操作をするだけで、照明装置10からビーコン信号が発信されるため、端末装置20は、ビーコン信号を受信することができるようになる。
【0087】
また、本実施の形態に係る照明制御方法は、ネットワークに登録されていない照明装置10である未登録の照明装置10がビーコン信号を発信することと、ビーコン信号を受信したことを示す受信履歴を取得し、取得した受信履歴に基づいて、未登録の照明装置10を抽出してネットワークに登録することとを含む。
【0088】
この照明制御方法においても上述と同様の作用効果を奏する。
【0089】
また、本実施の形態に係るプログラムは、照明制御方法をコンピュータによって実行させるためのプログラムである。
【0090】
このプログラムにおいても上述と同様の作用効果を奏する。
【0091】
(実施の形態2)
<構成:照明制御システム1a>
本実施の形態に係る照明制御システム1aについて
図4を用いて説明する。
図4は、実施の形態2に係る照明制御システム1aを例示したブロック図である。
【0092】
本実施の形態では、登録済みの照明装置10bがビーコン信号を受信する点で、実施の形態1と相違する。本実施の形態の照明制御システム1aの構成は実施の形態1の照明制御システムの構成と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0093】
例えば、照明制御システム1aのネットワークに既に登録されている照明装置10である登録済みの照明装置10bが設置されている室内空間において、新たな照明装置10として未登録の照明装置10aを設置する場合がある。本実施の形態では、この場合を例示して説明する。
【0094】
図4に示すように、照明制御システム1aは、登録済みの照明装置10bと、未登録の照明装置10aと、端末装置20とを備える。
【0095】
[照明装置10]
登録済みの照明装置10bは、ビーコン信号を受信することが可能な照明装置10である。登録済みの照明装置10bは、ビーコン信号を受信可能な待受け状態となるためのスキャン指示信号を端末装置20から取得すると、第1ビーコン信号受信部19がビーコン信号を受信可能な待受け状態になる。つまり、登録済みの照明装置10bは、端末装置20が設定登録モードになることで、第1ビーコン信号受信部19が当該待受け状態になる。
【0096】
登録済みの照明装置10bは、ビーコン信号を受信可能な第1ビーコン信号受信部19と、第1計算部18とをさらに有する。
【0097】
登録済みの照明装置10bが端末装置20からスキャン指示信号を受信すると、第1ビーコン信号受信部19は、第1制御部14によって制御されることで、所定期間、ビーコン信号を受信可能な待受け状態となる。第1ビーコン信号受信部19は、未登録の照明装置10aから送信されるビーコン信号を直接的に受信する。第1ビーコン信号受信部19は、ビーコン信号を受信すると、受信したビーコン信号に示される未登録の照明装置10aの識別情報を第1制御部14に出力する。
【0098】
なお、第1ビーコン信号受信部19は、実施の形態1の端末装置のビーコン信号受信部である
図4の第2ビーコン信号受信部25と同様の構成である。
【0099】
なお、登録済みの照明装置10bにおける他の構成は、実施の形態1の照明装置10における構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0100】
登録済みの照明装置10bの第1制御部14は、第1通信部16を介して端末装置20からスキャン指示信号を取得すると、第1ビーコン信号受信部19を制御することで、ビーコン信号を受信可能な待受け状態にする。これにより、第1制御部14は、ビーコン信号に示される未登録の照明装置10aの識別情報を取得することができる。つまり、第1制御部14は、ビーコン信号を受信したことを示す受信履歴を取得することができる。未登録の照明装置10aが複数存在する場合、第1制御部14は、複数の未登録の照明装置10aのそれぞれの受信履歴を取得することができる。第1制御部14は、取得したそれぞれの受信履歴に基づいて、未登録の照明装置10aをリスト化したスキャンリストを生成し、生成したスキャンリストを第1記憶部15に記憶し、かつ、第1通信部16を介してスキャンリストを端末装置20に送信する。スキャンリストには、未登録の照明装置10aを識別する識別情報等がリスト化されている。
【0101】
第1計算部18は、第1通信部16の受信強度(電波強度の一例)を算出(測定)し、算出した第1通信部16の受信強度を示す情報を、第1通信部16を介して端末装置20に送信する。これにより、端末装置20は、登録済みの照明装置10bが複数存在する場合において、登録済みの照明装置10bのビーコン信号の受信強度が所定の閾値以上となる登録済みの照明装置10bを選択又は優先することができる。
【0102】
なお、未登録の照明装置10a、及び、登録済みの照明装置10bは、同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0103】
[端末装置20]
端末装置20の第2制御部21は、登録済みの照明装置10bの第1ビーコン信号受信部19を待受け状態にするために、第2通信部26を介して、スキャン指示信号を登録済みの照明装置10bに送信する。具体的には、第2制御部21は、取得部22が出力するユーザの操作による入力情報を取得することで、通常の操作モードから設定登録モードに切り替え、第2通信部26を介して、スキャン指示信号を登録済みの照明装置10bに送信する。
【0104】
登録済みの照明装置10bが複数存在する場合、第2制御部21は、複数の登録済みの照明装置10bのそれぞれから取得した受信強度を示す情報をリスト化し、表示部23に表示させる。これにより、ユーザは、リスト化された受信強度を示す情報に基づいて、複数の登録済みの照明装置10bのうちから所望の登録済みの照明装置10bを選択することができる。この場合、端末装置20は、選択された登録済みの照明装置10bから、後述のスキャンリストを取得する。
【0105】
第2制御部21は、第2通信部26を介して、登録済みの照明装置10bからスキャンリストを取得し、取得したスキャンリストを第2記憶部24に保存する。また、第2制御部21は、取得したスキャンリストに示されるビーコン信号の受信履歴に基づいて、未登録の照明装置10aを抽出する。第2制御部21は、未登録の照明装置10aを抽出できた場合、抽出した未登録の照明装置10aを表示部23に表示させ、抽出した未登録の照明装置10aをネットワークに登録する。
【0106】
一方で、第2制御部21は、照明装置10がビーコン信号を発信しなければ、登録済みの照明装置10bの第1通信部16がビーコン信号を受信できず、登録済みの照明装置10bの識別情報を取得することができない。この場合、登録済みの照明装置10bは、未登録の照明装置10aの存在を抽出することができない。このため、第2制御部21は、スキャンリストを取得することができないため、未登録の照明装置10aが受信履歴に存在していないこととなるため、未登録の照明装置10aの再起動を促す指示を、表示部23に表示させる。
【0107】
端末装置20は、第2計算部28を有する。第2計算部28は、第2通信部26の電波強度を算出(測定)し、算出した第2通信部26の電波強度を示す情報を、第2制御部21に出力する。端末装置20は、登録済みの照明装置10bが複数存在する場合において、電波強度が所定の閾値以上となる登録済みの照明装置10bを選択又は優先することもできる。
【0108】
<処理>
次に、本実施の形態に係る電子機器システム、照明制御システム1a、照明制御方法及びプログラムの処理について説明する。
【0109】
以下では、照明制御システム1aのネットワークに未登録の照明装置10aを登録する場合を、
図5に例示する。
図5は、実施の形態2に係る照明制御システム1aの処理を例示したシーケンス図である。
図6は、実施の形態2に係る端末装置20が設定登録モードを実行しているときに、端末装置20の表示部23に表示された画像を例示した模式図である。なお、上述した実施の形態1の
図3Aと同様の処理については、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0110】
ユーザは、
図5及び
図6のaに示すように、未登録の照明装置10aをネットワークに登録するために、端末装置20を操作することで、端末装置20を通常の操作モードから設定登録モードに切り替える。具体的には、
図6のaに示すように、端末装置20の取得部22は、ユーザの操作(機器登録ボタンを押下)を受け付けることで、端末装置20における通常の操作モードから設定登録モードに切り替えるための指示を入力情報として取得し、取得した当該指示を端末装置20の第2制御部21に出力する。第2制御部21は、当該指示に基づいて、通常の操作モードから設定登録モードに切り替える。
【0111】
第2制御部21は、設定登録モードに切り替えると、
図6のb1、b2に示すように、登録済みの照明装置10bが複数存在する場合、複数の登録済みの照明装置10bのそれぞれの受信強度を示す情報をリスト化し、表示部23に表示させる。これにより、ユーザは、複数の登録済みの照明装置10bのうちから所望の登録済みの照明装置10bを選択することができる。
図5及び
図6のb1、b2に示すように、複数の登録済みの照明装置10bのうちから所望の登録済みの照明装置10bを選択されると(S210)、取得部22がユーザの操作をとして受け付けた入力情報を第2制御部21に出力する。第2制御部21は、第2通信部26を介して、選択された登録済みの照明装置10bにスキャン指示信号を送信する(S211)。
図6のb1、b2に示すように、
図6のb1ではユーザの操作を受け付けてすぐに端末装置20が診断モードを実行し、
図6のb2ではユーザの操作を受け付けた時点から一定時間経過後に端末装置20が診断モードを実行する様子を示している。
【0112】
また、登録済みの照明装置10bは、端末装置20からスキャン指示信号を受信すると、所定期間、ビーコン信号を受信可能な待受け状態となる。つまり、登録済みの照明装置10bの第1制御部14は、第1通信部16を介して端末装置20からスキャン指示信号を取得すると、第1ビーコン信号受信部19を制御することで、ビーコン信号を受信可能な待受け状態を開始する(S212)。例えば、
図6のcに示すように、端末装置20が診断モードを実行することで、ビーコン信号を受信可能な待受け状態となり、未登録の照明装置10aの検出を開始する。
【0113】
また、
図5に示すように、未登録の照明装置10aにおいては、ユーザが未登録の照明装置10aの電源部17をON操作することで、電源部17に電力が投入されると、未登録の照明装置10aの電源投入検知部12は、照明装置10の電源部17がON操作されたことを検知する(S11)。電源投入検知部12の当該検知により、第1制御部14は、ビーコン発信部13を制御することで、所定期間、ビーコン発信部13にビーコン信号を発信させる。これにより、ビーコン発信部13は、ビーコン信号を発信する(S12)。
【0114】
ステップS12のようにビーコン信号が発信されているため、第1ビーコン信号受信部19は、ビーコン信号を受信することができる。これにより、第1制御部14は、ビーコン信号を受信したことを示す受信履歴を取得することができる。未登録の照明装置10aが複数存在する場合、第1制御部14は、複数の未登録の照明装置10aのそれぞれの受信履歴を取得することができる。
【0115】
第1制御部14は、所定期間、第1ビーコン信号受信部19を待受け状態にした後に、ビーコン信号を受信可能な待受け状態を終了する(S213)。
【0116】
第1制御部14は、取得したそれぞれの受信履歴に基づいて、未登録の照明装置10aをリスト化したスキャンリストを生成し、生成したスキャンリストを第1記憶部15に記憶し、かつ、第1通信部16を介して端末装置20に送信する(S214)。
【0117】
端末装置20の第2制御部21は、第2通信部26を介して、登録済みの照明装置10bからスキャンリストを取得し、取得したスキャンリストを第2記憶部24に保存する。また、第2制御部21は、取得したスキャンリストに示されるビーコン信号の受信履歴に基づいて、未登録の照明装置10aを抽出する。具体的には、第2制御部21は、取得したスキャンリストにおいて、未登録の照明器具を示すMACアドレス等の識別情報が存在しているか否か、つまり、未登録の照明装置10aが受信履歴に存在しているか否かを判定する(S215)。
【0118】
第2制御部21は、
図7のaに示すように、スキャンリストに識別情報が存在していない場合(S215でNO)、未登録の照明装置10aの再起動を促す指示を、表示部23に表示させる(S221)。ここで、
図7は、実施の形態2に係る端末装置20が設定登録モードを実行しているときに、端末装置20の表示部23に表示された別の画像を例示した模式図である。例えば、
図7のaでは、表示部23には、「未登録の照明装置10aからビーコン信号を受信できませんでした。未登録の照明装置10aの電源をOFF→ON後、再度登録してください。」という表示がされる。そして、この照明制御システム1aの処理を終了する。これにより、ユーザは、未登録の照明装置10aを再起動させることで、
図5の処理を再開させる。
【0119】
第2制御部21は、スキャンリストに識別情報が存在している場合、つまり、未登録の照明装置10aが受信履歴に存在している場合(215でYES)、未登録の照明装置10aを認識できている状態となっているため、第2通信部26を介して、未登録の照明装置10aに対して、ネットワークに接続して登録するための接続要求を送信する(S216)。
【0120】
端末装置20と未登録の照明装置10aとの通信の接続が成功する場合、つまり、接続要求に基づいて、端末装置20と未登録の照明装置10aとが通信できる場合、未登録の照明装置10aから接続要求に対する肯定応答が送信される(S217)。具体的には、未登録の照明装置10aの第1制御部14は、第1通信部16を介して当該接続要求を取得すると、取得した接続要求に対する肯定応答を、第1通信部16を介して端末装置20に送信する。
【0121】
端末装置20の第2制御部21は、第2通信部26を介して接続要求に対する肯定応答を取得すると、端末装置20と未登録の照明装置10aとの通信の接続が成功する場合(接続成功)、第2通信部26を介して、ネットワークキーを未登録の照明装置10aに送信する(S218)。
【0122】
未登録の照明装置10aの第1制御部14は、第1通信部16を介してネットワークキーを取得すると、取得したネットワークキーに対する肯定応答を、第1通信部16を介して端末装置20に送信する(S219)。端末装置20の第2制御部21は、第2通信部26を介して未登録の照明装置10aからネットワークキーに対する肯定応答を取得し、取得したネットワークキーに対する肯定応答を第2記憶部24に記憶させる。これにより、未登録の照明装置10aは、ネットワークに登録されて、登録済みの照明装置10bとなる。つまり、端末装置20は、抽出できた未登録の照明装置10aをネットワークに登録することができる。そして、照明制御システム1aは、処理を終了する。
【0123】
一方、端末装置20と未登録の照明装置10aとの通信の接続が失敗する場合(接続失敗)、つまり、接続要求に基づいて、端末装置20と未登録の照明装置10aとが通信できない場合、未登録の照明装置10aから接続要求に対する応答は送信されない。ここで、第2制御部21は、第2通信部26を介して、未登録の照明装置10aに対して、ネットワークに接続して登録するための接続信号の送信を複数回試みる。それでも、端末装置20と未登録の照明装置10aとの通信の接続が失敗する場合、第2制御部21は、端末装置20の再起動を促す指示を、表示部23に表示させる(S220)。例えば、
図7のbでは、表示部23には、「未登録の照明装置10aと通信できませんでした。端末装置20の電源をOFF→ON後、再度登録してください。」という表示がされる。これにより、設定者は、端末装置20上のアプリケーション等のプログラムを再起動したり、端末装置20における通信の接続をOFF操作及びON操作をすることで再起動したり、端末装置20の電源部17に対するOFF操作及びON操作をすることで再起動したりする。そして、照明制御システム1aは、処理を終了する。
【0124】
<作用効果>
次に、本実施の形態に係る電子機器システム、照明制御システム1a、照明制御方法及びプログラムの作用効果について説明する。
【0125】
上述したように、本実施の形態に係る照明制御システム1aは、電子機器システムと、第2制御部21を有する端末装置20と、ビーコン信号を受信することが可能である登録済みの照明装置10bとを備える。また、登録済みの照明装置10bは、ビーコン信号を受信したことを示す受信履歴を取得する。そして、第2制御部21は、登録済みの照明装置10bが取得した受信履歴に基づいて、未登録の照明装置10aを抽出してネットワークに登録する。
【0126】
これによれば、端末装置20がビーコン信号を受信しなくても、登録済みの照明装置10bがビーコン信号を受信することで、端末装置20は、登録済みの照明装置10bを介してビーコン信号を受信したことを示す受信履歴を取得することができる。つまり、端末装置20は、登録済みの照明装置10bを介して、未登録の照明装置10aを把握することができるようになるため、未登録の照明装置10aを容易にネットワークに登録することができる。
【0127】
また、端末装置20が、未登録の照明装置10aからビーコン信号を直接的に受信することが出来なくても、中継機として機能する登録済みの照明装置10bが未登録の照明装置10aからビーコン信号を受信することができれば、端末装置20は、ビーコン信号を直接的に受信できない未登録の照明装置10aも容易にネットワークに登録することができる。
【0128】
本実施の形態における作用効果は、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0129】
(実施の形態2の変形例)
本変形例に係る照明制御システム1bについて、
図8を用いて説明する。
図8は、実施の形態2の変形例に係る照明制御システム1bを例示したブロック図である。
【0130】
本変形例では、登録済みの照明装置10bがビーコン信号を受信し、かつ、端末装置20もビーコン信号を受信する点で、実施の形態2と相違する。本変形例の照明制御システム1bの構成は実施の形態2の照明制御システムの構成と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0131】
登録済みの照明装置10bの第1制御部14は、第1通信部16を介して端末装置20からスキャン指示信号を取得すると、第1ビーコン信号受信部19を制御することで、ビーコン信号を受信可能な待受け状態にする。これにより、登録済みの照明装置10bの第1制御部14は、ビーコン信号に示される未登録の照明装置10aの識別情報を取得することができる。つまり、登録済みの照明装置10bの第1制御部14は、第1ビーコン信号受信部19を介して受信したビーコン信号に基づく受信履歴である第2履歴を取得する。未登録の照明装置10aが複数存在する場合、登録済みの照明装置10bの第1制御部14は、複数の未登録の照明装置10aのそれぞれの第2履歴を取得することができる。登録済みの照明装置10bの第1制御部14は、取得したそれぞれの第2履歴を第1記憶部15に記憶し、かつ、第1通信部16を介して端末装置20に送信する。
【0132】
端末装置20は、通常の操作モードから設定登録モードに切り替わると、未登録の照明装置10aが発信するビーコン信号を受信可能な状態になる。つまり、第2制御部21は、設定登録モードの場合、第2ビーコン信号受信部25を介してビーコン信号に示される照明装置10の識別情報を取得することができる。第2制御部21は、第2ビーコン信号受信部25を介して受信したビーコン信号に基づく受信履歴である第1履歴を取得する。
【0133】
また、端末装置20の第2制御部21は、第2通信部26を介して、第2履歴を登録済みの照明装置10bから取得する。
【0134】
第2制御部21は、第1履歴と第2履歴とを照合した結果に基づいて未登録の照明装置10aをネットワークに登録する。
【0135】
具体的には、第2制御部21は、第1履歴に示される未登録の照明装置10aの識別情報と、第2履歴に示される未登録の照明装置10aの識別情報とを比較することで、ネットワークに登録されていない照明装置10を抽出する、つまり未登録の照明装置10aの識別情報を抽出する。第2制御部21は、未登録の照明装置10aを抽出できた場合、抽出した未登録の照明装置10aを表示部23に表示させ、抽出した未登録の照明装置10aをネットワークに登録する。
【0136】
また、第2制御部21は、第1履歴に示される未登録の照明装置10aの識別情報と、第2履歴に示される未登録の照明装置10aの識別情報とを比較しても、ネットワークに登録されていない照明装置10を抽出できない場合、第2制御部21は、未登録の照明装置10aの再起動を促す指示を、表示部23に表示させる。
【0137】
<処理>
次に、本変形例に係る電子機器システム、照明制御システム1b、照明制御方法及びプログラムの処理について説明する。
【0138】
以下では、照明制御システム1bのネットワークに未登録の照明装置10aを登録する場合を、
図9に例示する。
図9は、実施の形態2の変形例に係る照明制御システム1bの処理を例示したシーケンス図である。なお、上述した実施の形態2の
図5と同様の処理については、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0139】
本変形例の処理では、
図9に示すように、ステップS210~S213の順番の処理、及び、ステップS11、S12の順番の処理を経た後に、登録済みの照明装置10bの第1制御部14は、第1ビーコン信号受信部19を介して受信したビーコン信号に基づく受信履歴である第2履歴を生成して取得する。登録済みの照明装置10bの第1制御部14は、取得したそれぞれの第2履歴を第1記憶部15に記憶し、かつ、第1通信部16を介して端末装置20に送信する(S214a)。
【0140】
次に、端末装置20の第2制御部21は、第2通信部26を介して、第2履歴を登録済みの照明装置10bから取得する。第2制御部21は、第1履歴と第2履歴とを照合する(S214b)。具体的には、第2制御部21は、第1履歴に示される未登録の照明装置10aの識別情報と、第2履歴に示される未登録の照明装置10aの識別情報とを比較することで、ネットワークに登録されていない照明装置10を抽出する、つまり未登録の照明装置10aの識別情報を抽出する。そして、ステップS215の処理に進む。ステップS215以降の処理については、
図5と同様であるため、説明を省略する。
【0141】
上述したように、本変形例に係る照明制御システム1bにおいて、電子機器システムと、第2制御部21を搭載し、ビーコン信号を受信する端末装置20と、ビーコン信号を受信することが可能であり、ネットワークに登録されている照明装置10である登録済みの照明装置10bとを備える。また、端末装置20は、ビーコン信号を受信したことを示す履歴である第1履歴を取得する。また、登録済みの照明装置10bは、受信したビーコン信号に基づく履歴である第2履歴を取得する。そして、第2制御部21は、第1履歴と第2履歴とを照合した結果に基づいて、未登録の照明装置10aを抽出してネットワークに登録する。
【0142】
これによれば、端末装置20がビーコン信号を受信し、かつ、登録済みの照明装置10bもビーコン信号を受信することで、第2制御部21は、それぞれの機器が受信したビーコン信号に基づく第1履歴及び第2履歴を取得することができる。このため、第2制御部21は、第1履歴と第2履歴とを照合することで、未登録の照明装置10aをより確実に抽出することができるようになるため、未登録の照明装置10aを把握することができるようになる。したがって、照明制御システム1bでは、未登録の照明装置10aを容易にネットワークに登録することができる。
【0143】
また、本変形例に係る照明制御システム1bにおいて、第2制御部21は、未登録の照明装置10aが第1履歴及び第2履歴に存在していない場合、未登録の照明装置10aの再起動を促す指示を、表示部23に表示させる。
【0144】
これによれば、ユーザは、未登録の照明装置10aがネットワークに登録できない原因が、未登録の照明装置10aにあることを、表示部23を介して認識することができる。このため、ユーザは、未登録の照明装置10aを再起動させるという対応をとることができるため、未登録の照明装置10aをネットワークに登録できないという不具合を解消することができる。
【0145】
また、本変形例に係る照明制御システム1bにおいて、第2制御部21は、未登録の照明装置10aが第1履歴及び第2履歴に存在している場合、未登録の照明装置10aに対して、端末装置20に通信の接続要求(登録開始信号)を送信させる。第2制御部21は、接続要求に基づいて、端末装置20と未登録の照明装置10aとが通信できる場合、未登録の照明装置10aを抽出してネットワークに登録する。そして、第2制御部21は、接続要求に基づいて、端末装置20と未登録の照明装置10aとが通信できない場合、端末装置20の再起動を促す指示を、表示部23に表示させる。
【0146】
例えば、端末装置20がビーコン信号を受信していても、例えば端末装置のOS(Operating System)、アプリケーション等に問題が生じている場合、受信に関する情報が端末画面上に表れないことがある。しかしながら、本実施の形態によれば、ユーザは、未登録の照明装置10aがネットワークに登録できない原因が、端末装置20にあることを、表示部23を介して認識することができる。このため、ユーザは、端末装置20を再起動させるという対応をとることができるため、端末装置20をネットワークに登録できないという不具合を解消することができる。
【0147】
本変形例においても上述と同様の作用効果を奏する。
【0148】
(その他の変形例)
以上、本開示に係る電子機器システム、照明制御システム、照明制御方法及びプログラムについて、上記各実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思い付く各種変形を実施の形態に施したものも、本開示の範囲に含まれてもよい。
【0149】
例えば、上記実施の形態に係る電子機器システム、照明制御システム、照明制御方法及びプログラムにおいて、端末装置では、未登録の照明装置の再起動を促す指示、端末装置の再起動を促す指示を画像(例えば文字、映像等)として表示部に表示させるが、これには限定しない。例えば、端末装置は、未登録の照明装置の再起動を促す指示、端末装置の再起動を促す指示として、音声で知らせてもよく、振動することによって知らせてもよい。
【0150】
また、上記実施の形態に係る電子機器システム、照明制御システム、照明制御方法及びプログラムに含まれる各部は典型的に集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0151】
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0152】
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記憶媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0153】
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の実施の形態は例示された数字に制限されない。
【0154】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0155】
また、フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【0156】
なお、上記の各実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【符号の説明】
【0157】
1、1a、1b 照明制御システム
10 照明装置
10a 未登録の照明装置
10b 登録済みの照明装置
11 発光モジュール
12 電源投入検知部
13 ビーコン発信部
14 第1制御部(制御部)
17 電源部
20 端末装置
21 第2制御部(制御部)
23 表示部