(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】超音波手術用メスハンドル、超音波手術用メス及び超音波手術用メスシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/00 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
A61B17/00 700
(21)【出願番号】P 2023546380
(86)(22)【出願日】2021-10-22
(86)【国際出願番号】 CN2021125632
(87)【国際公開番号】W WO2022095728
(87)【国際公開日】2022-05-12
【審査請求日】2023-04-10
(31)【優先権主張番号】202011212999.8
(32)【優先日】2020-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202120458579.1
(32)【優先日】2021-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110721818.2
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523134118
【氏名又は名称】安速康医療(蘇州)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】張軍
【審査官】羽月 竜治
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-177295(JP,A)
【文献】特開2009-195676(JP,A)
【文献】中国実用新案第209404883(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第104783868(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105939679(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109171888(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107280735(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容キャビティを有するハンドルシェルと、前記収容キャビティに設けられた
高周波超音波振動を発生させるためのトランスデューサー部品と、を含む超音波手術用メスハンドルであって、前記収容キャビティに設けられ、且つナイフに接続させるための接続コンポーネントをさらに含み、前記接続コンポーネントは、
軸線が前後方向に延び、前後方向に貫通する中空チャンネルを有し、周方向側壁に複数の貫通孔が設けられ、すべての前記貫通孔が周方向に間隔を空けて配置され且ついずれも前記中空チャンネルに連通するコネクタと、
数が前記貫通孔の数に一致し又は前記貫通孔の数よりも少なく、前記貫通孔内
に移動可能に設けられるボールと、
前記コネクタの前部に前後方向に相対摺動可能にスリーブ付けされ、内側周壁に譲位構造と制限構造が設けられ、前記制限構造が前記貫通孔の外側周部に位置する場合、前記ボールは少なくとも一部が前記中空チャンネル内に位置し、前記譲位構造が前記貫通孔の外側周部に位置する場合、前記ボールは前記中空チャンネル外に位置するボールキャップと、
前記コネクタと前記ボールキャップとの間に設けられ、且つ前記ボールキャップが前記コネクタに対して前又は後へ移動するように駆動して、前記制限構造を前記貫通孔の外側周部に位置させる第1弾性材と、を含む、ことを特徴とする超音波手術用メスハンドル。
【請求項2】
前記譲位構造は前記制限構造の前側に位置し、前記第1弾性材は前記ボールキャップが前記コネクタに対して前へ移動するための作用力を提供する、ことを特徴とする請求項1に記載の超音波手術用メスハンドル。
【請求項3】
前記貫通
孔は、
回転する前記ボールが前記貫通孔から前記コネクタの中空チャンネルへ落下するのを防ぐように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の超音波手術用メスハンドル。
【請求項4】
前記ボールキャップは、前から後へ順に接する摺動筒部、上押部及び制限筒部を備え、前記摺動筒部の内径は前記制限筒部の内径よりも大きく、前記上押部は前から後へ内径が徐々に小さくなるテーパ筒状を呈し、前記摺動筒部の内側周壁は前記譲位構造を形成し、前記制限筒部の内側周壁は前記制限構造を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の超音波手術用メスハンドル。
【請求項5】
前記コネクタにはリミットリングがあり、前記リミットリングは前記中空チャンネル内に位置し、且つ前記リミットリングは前記貫通孔の後方に位置
し、カッティングツールの内管の取付ボスは、前記リミットリング位置と回転する前記ボールとの間で前記コネクタの移動を制限可能である、ことを特徴とする請求項4に記載の超音波手術用メスハンドル。
【請求項6】
前記超音波手術用メスハンドルは、前記接続コンポーネントを前後へ駆動するための駆動機構をさらに含み、前記駆動機構は、少なくとも
前記ハンドルシェルに摺動可能に設けられ、前記コネクタに接続されたスライダと、
前記スライダが前へ移動するための作用力を提供する第2弾性材と、
前記ハンドルシェル上に回動可能に設けられ、且つ少なくとも一部が前記ハンドルシェルの外部に位置する取っ手と、
前記取っ手と前記スライダとの間に設けられ、且つ前記取っ手が回動する時に前記スライダを前後にスライドさせるように駆動するためのリンケージコンポーネントと、を含む、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の超音波手術用メスハンドル。
【請求項7】
前記スライダは、前記コネクタに摺動可能にスリーブ付けされたブッシング部を備え、前記コネクタの後部位置に
は前記コネクタに回転可能にスリーブ付けされた調整ナットが
前記コネクタに対して調整可能に設けられ、前記調整ナットと前記ブッシング部との間には両者が前後方向に相対的に離れるように駆動するための第3弾性材がさらに設けられる、ことを特徴とする請求項6に記載の超音波手術用メスハンドル。
【請求項8】
前記トランスデューサー部品は
、軸線回りに回転可能
であって、前記トランスデューサー部品は、トランスデューサーケースとトランスデューサーを含み、前記トランスデューサーケースは、前後方向に貫通する中空キャビティを備え、前記トランスデューサーは少なくとも後部が前記中空キャビティ内に収容される、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の超音波手術用メスハンドル。
【請求項9】
前記トランスデューサー部品は、前記トランスデューサーケースの後部に設けられた電源ボードを更に含み、前記電源ボードには導電部が設けられ、前記トランスデューサーと前記導電部との間は電気的に接続され、前記ハンドルシェルの前記収容キャビティ内には弾性導電体が更に設けられ、前記弾性導電体は前記電源ボードの後端面に前へ当接され、前記トランスデューサー部品が前記ハンドルシェルに対して
前記軸線回りに回動する過程中、前記弾性導電体は常に前記導電部に接触し電気的接続を保持する、ことを特徴とする請求項8に記載の超音波手術用メスハンドル。
【請求項10】
前記導電部は、互いに絶縁されて設けられた第1導電部及び第2導電部を含み、前記トランスデューサーは第1電気導線及び第2電気導線を備え、前記第1電気導線と前記第1導電部との間は電気的に接続され、且つ前記第2電気導線と前記第2導電部との間は電気的に接続され、前記弾性導電体は、互いに独立して設けられた第1弾性導電体と第2弾性導電体を備え、前記第1弾性導電体は前記第1導電部に当接され、前記第2弾性導電体は前記第2導電部に当接される、ことを特徴とする請求項9に記載の超音波手術用メスハンドル。
【請求項11】
前記第1導電部、前記第2導電部は、前記トランスデューサー部品の
前記軸線を回転中心とする円盤状又は円環状である、ことを特徴とする請求項10に記載の超音波手術用メスハンドル。
【請求項12】
前記電源ボードは、ボード本体、前記ボード本体に固定的に設けられ且つ金属材質から製造された第1導電片及び第2導電片をを含み、前記第1導電片は前記第1導電部を構成し、前記第2導電片は前記第2導電部を構成し、前記第1弾性導電体は前記第1導電片の後側面に当接され、前記第2弾性導電体は前記第2導電片の後側面に当接される、ことを特徴とする請求項10に記載の超音波手術用メスハンドル。
【請求項13】
前記第2導電片は環状を呈し、前記第1導電片の
周囲に設けられ、前記第1導電片と前記第2導電片と
は間隔を空けて設けられる、ことを特徴とする請求項12に記載の超音波手術用メスハンドル。
【請求項14】
前記ボード本体には、自身の厚さ方向に貫通する第1穿孔及び第2穿孔が開けられ、前記第1電気導線は前記第1穿孔に挿通され前記第1導電片に固定的に接続され、前記第2電気導
線は前記第2穿孔に挿通され前記第2導電片に固定的に接続される、ことを特徴とする請求項12に記載の超音波手術用メスハンドル。
【請求項15】
前記第1弾性導電体、前記第2弾性導電体はいずれも金属材質から製造されたプレートであり、前記第1弾性導電体の一端部、前記第2弾性導電体の一端部のそれぞれは、前記ハンドルシェル内に固定的に設けられ、前記第1弾性導電体の他端部
は前記第1導電部に
接触し、前記第2弾性導電体の他端部
は前記第2導電部に
接触することを特徴とする請求項10に記載の超音波手術用メスハンドル。
【請求項16】
前記超音波手術用メスハンドルは、一端が前記弾性導電体に固定で電気的に接続され、他端が前記ハンドルシェルの下部から前記収容キャビティ外に通す電源ケーブルを更に含む、ことを特徴とする請求項9から15のいずれか一項に記載の超音波手術用メスハンドル。
【請求項17】
前記超音波手術用メスハンドルは
、前記トランスデューサー部品の回転を規制するためのトランスデューサー拘束コンポーネント
を含み、前記トランスデューサー拘束コンポーネントは、前後方向に延びるプレッシャーロッドを含み、前記プレッシャーロッドは、上下方向に延びる回動中心線が前記ハンドルシェルに回動可能に設けられ、前記プレッシャーロッドの後部にはニップ部が設けられ、前記ニップ部の内側面と前記トランスデューサーケースの外側周部との間には、前記トランスデューサーケースの回動を規制する拘束構造が設けられ、前記トランスデューサー拘束コンポーネントは、拘束状態及び解放状態を有し、拘束状態にある場合に、左右両側の前記ニップ部は、それぞれ前記トランスデューサーケースの外側周部に当接され、解放状態の場合に、前記ニップ部は前記トランスデューサーケースの外側周部から外れ、前記トランスデューサー拘束コンポーネントは、前記ニップ部が前記トランスデューサーケースから離れて移動するように、前記プレッシャーロッドの回動を駆動するための弾性材をさらに含む、ことを特徴とする請求項8に記載の超音波手術用メスハンドル。
【請求項18】
前記トランスデューサーケースは円筒状を呈し、前記ニップ部は、前記トランスデューサーケースの外側周部に対応する円弧形の薄片状である、ことを特徴とする請求項
17に記載の超音波手術用メスハンドル。
【請求項19】
前記拘束構造は、前記トランスデューサーケースの外側周部に設けられた第1歯部と、前記ニップ部の内側面に設けられた第2歯部とを含み、前記トランスデューサー拘束コンポーネントが拘束状態にある場合に、前記第1歯部と前記第2歯部とは互いに噛み合う、ことを特徴とする請求項
17に記載の超音波手術用メスハンドル。
【請求項20】
前記拘束構造は、前記トランスデューサーケースの外側周部と前記ニップ部の内側面との間に設けられ、互いに嵌合されて前記トランスデューサーケースの周方向を位置決めることができる位置決め構造、又は、前記トランスデューサーケースの外側周部と前記ニップ部の内側面との間に設けられ両者間の摩擦力を大きくして前記トランスデューサーケースの回転を規制するための摩擦増大構造である、ことを特徴とする請求項
17に記載の超音波手術用メスハンドル。
【請求項21】
前記ハンドルシェル
は、操作ウィンドウが設けられ
、前記操作ウィンドウの外側には弾性変形することができるゴムカバーが被覆され
、前記ニップ部は
、前記ハンドルシェルの内側か
ら前記操作ウィンドウを遮蔽する、ことを特徴とする請求項
17に記載の超音波手術用メスハンドル。
【請求項22】
請求項1から
21のいずれか一項に記載の超音波手術用メスハンドルと、前記超音波手術用メスハンドルに着脱可能に取り付けられたナイフとを含み、前記ナイフは、いずれも前後方向に延びる内管、外管、カッティングストリップを含み、前記カッティングストリップは前記内管に挿通され、前記外管は前記内管外にスリーブ付けされ、且つ前記カッティングストリップと前記外管は互いに固定されて同期して前記内管に対して前後に移動可能に設けられ、前記トランスデューサー部品は少なくともトランスデューサーを含み、前記トランスデューサーは前後方向に延びるホーンシャフトを備え、前記内管は、内管体と、前記内管体の後端から後へ延びる取付ボスとを含み、前記取付ボスの外径は前記内管体の外径よりも大きく、前記内管体と前記取付ボスとが接する位置には制限面が形成され、前記取付ボスの外側周面は、後から前へ外径が徐々に大きくなる円錐斜面であり、前記カッティングストリップは
前後方向に相対摺動可能に前記中空チャンネルに挿通され、前記カッティングストリップの後端部は前記ホーンシャフトに固定的に接続され、前記ボールは前記貫通孔内に対応して嵌合されて埋め込まれ、且つ前記ボールは少なくとも一部が前記中空チャンネル内に位置し、前記制限面は前記ボールの後方に位置する、ことを特徴とする超音波手術用メス。
【請求項23】
前記カッティングストリップの後部ねじ山は、前記ホーンシャフトの前部に接続され、前記カッティングストリップは前記ホーンシャフトと同一軸線上に設けられ、前記超音波手術用メスハンドルは、前記ハンドルシェルの前部に設けられ、且つ前記ナイフが自身の軸線回りに回転するように駆動するためのセルフタイトコンポーネントを更に含むことを特徴とする請求項
22に記載の超音波手術用メス。
【請求項24】
前記セルフタイトコンポーネントは、外輪、ノブインナースリーブ、及び前記ノブインナースリーブの外周と前記外輪内周との間に設けられたプレートを含み、前記外輪の内側周部には複数の位置決め溝が設けられ、それぞれの前記位置決め溝はいずれも前後方向に延び、前記外管の後部外周には間隔を空けて前後方向に延びる複数のバーが設けられ、前記バーと前記位置決め溝とは一対一で対応して嵌め合わされる、ことを特徴とする請求項
23に記載の超音波手術用メス。
【請求項25】
超音波手術用メスハンドルと、前記超音波手術用メスハンドルに着脱可能に接続されるナイフとを含み、前記ナイフがいずれも前後方向に延びる内管、外管、及びカッティングストリップを含み、前記カッティングストリップが前記内管に挿通され、前記外管が前記内管外にスリーブ付けされる超音波手術用メスであって、前記超音波手術用メスハンドルはハンドルシェルと
高周波超音波振動を発生させるためのトランスデューサー部品を含み、前記トランスデューサー部品は少なくともトランスデューサーを含み、前記トランスデューサーは前後方向に延びるホーンシャフトを備え、
前記超音波手術用メスハンドルは、接続コンポーネントをさらに含み、前記接続コンポーネントは、
軸線が前後方向に延び、前記内管が前から後へ摺動可能に通す中空チャンネルを有し、周方向側壁に複数の貫通孔が設けられ、全ての前記貫通孔が周方向に間隔を空けて配置され且ついずれも前記中空チャンネルに連通するコネクタと、
数が前記貫通孔の数に一致し又は前記貫通孔の数よりも少なく、前記貫通孔内に設けられるボールと、
前記コネクタの前部に前後方向に相対摺動可能にスリーブ付けされ、内側周壁と外側周壁との間に前記ボールを収容可能な譲位チャンネルが形成され、前記ボールを前記貫通孔内に規制するための制限構造がさらに設けられたボールキャップと、
前記コネクタと前記ボールキャップとの間に設けられ、且つ前記制限構造が前記ボールを前記貫通孔内に規制するように、前記ボールキャップが前へ移動するように駆動するための第1弾性材と、を含み、
前記内管は、内管体と、前記内管体の後端から後へ延びる取付ボスとを備え、前記取付ボスの外径は前記内管体の外径よりも大きく、前記内管体と前記取付ボスとが接する位置には制限面が形成され、前記取付ボスの外側周は後から前へ外径が徐々に大きくなる円錐斜面であり、前記カッティングストリップは、軸方向に相対摺動可能に前記中空チャンネルに挿通され、前記カッティングストリップの後端部は前記ホーンシャフトに固定的に接続され、前記ボールは前記貫通孔内に対応して嵌合されて埋め込まれ、且つ前記ボールは少なくとも一部が前記中空チャンネル内に位置し、前記制限面は前記ボールの後方に位置する、ことを特徴とする超音波手術用メス。
【請求項26】
前記コネクタにはリミットリングがあり、前記リミットリングは前記中空チャンネル内に位置し、前記カッティングストリップは相対摺動可能に前記リミットリングに挿通され、前記内管の前記取付ボスは前後方向に前記リミットリングと複数の前記ボールとの間に規制される、ことを特徴とする請求項
25に記載の超音波手術用メス。
【請求項27】
前記ボールキャップは、前から後へ順に接する摺動筒部、上押部及び制限筒部を備え、前記摺動筒部の内径は前記制限筒部の内径よりも大きく、前記上押部は前から後へ内径が徐々に小さくなるテーパ筒状を呈し、前記譲位チャンネルは前記摺動筒部と前記コネクタとの間に形成され、前記制限筒部の内側周壁は前記制限構造を形成する、ことを特徴とする請求項
25に記載の超音波手術用メス。
【請求項28】
前記貫通
孔は、
回転する前記ボールが前記貫通孔から前記コネクタの中空チャンネルへ落下するのを防ぐように構成されている、ことを特徴とする請求項
25に記載の超音波手術用メス。
【請求項29】
前記内管は前記外管と同一軸線上に設けられ、前記内管は軸方向に相対摺動可能に前記外管の管腔に挿通され、前記内管と前記外管との間には両者が軸方向に相対摺動変位することを規制するためのナイフ制限構造が更に設けられ、前記カッティングストリップと前記外管とは相対的に固定され同期して移動するように設けられる、ことを特徴とする請求項
25から
28のいずれか一項に記載の超音波手術用メス。
【請求項30】
前記超音波手術用メスハンドルは、前記接続コンポーネントの前後移動を駆動して、前記内管を前記外管に対して前後に移動させるための駆動機構をさらに含み、前記駆動機構は、少なくとも
前記ハンドルシェルに摺動可能に設けられ、前記コネクタに接続されたスライダと、
前記スライダが前へ移動するための作用力を提供する第2弾性材と、
前記ハンドルシェル上に回動可能に設けられ、且つ少なくとも一部が前記ハンドルシェルの外部に位置する取っ手と、
前記取っ手と前記スライダとの間に設けられ、且つ前記取っ手が回動する時に前記スライダを前後にスライドさせるように駆動するためのリンケージコンポーネントと、を含む、ことを特徴とする請求項
29に記載の超音波手術用メス。
【請求項31】
前記スライダは、前記コネクタに摺動可能にスリーブ付けされたブッシング部を備え、前記コネクタの後部位置には
前記コネクタに回転可能にスリーブ付けされた調整ナットが
前記コネクタに対して調整可能に設けられ、前記調整ナットと前記ブッシング部との間には両者が前後方向に相対的に離れるように駆動するための第3弾性材がさらに設けられる、ことを特徴とする請求項
30に記載の超音波手術用メス。
【請求項32】
前記ナイフの後部は自身の軸線回りに回転可能に前記中空チャンネルに挿通され、前記カッティングストリップの後部ねじ山は前記ホーンシャフトの前部に接続され、前記カッティングストリップは前記ホーンシャフトと同一軸線上に設けられ、前記超音波手術用メスハンドルは、前記ハンドルシェルの前部に設けられ、且つ前記ナイフが自身の軸線回りに回転するように駆動するためのセルフタイトコンポーネントをさらに含む、ことを特徴とする請求項
29に記載の超音波手術用メス。
【請求項33】
前記トランスデューサー部品はトランスデューサーケースをさらに含み、前記トランスデューサーは、前記トランスデューサーケース内に固定的に取り付けられ、且つ前記トランスデューサーは、前記トランスデューサーケースと同一軸線上に設けられ、前記トランスデューサー部品は
、軸線回りに回転可能に前記ハンドルシェル内に設けられ、前記トランスデューサー部品は、前記トランスデューサーケースの後部に設けられた電源ボードを更に含み、前記電源ボードには導電部が設けられ、前記トランスデューサーと前記導電部との間は電気的に接続され、前記ハンドルシェル内には弾性導電体が更に設けられ、前記弾性導電体は前記電源ボードの後端面に前へ当接され、前記トランスデューサー部品が前記ハンドルシェルに対して
前記軸線回りに回動する過程中、前記弾性導電体は常に前記導電部に接触し電気的接続を保持する、ことを特徴とする請求項
29に記載の超音波手術用メス。
【請求項34】
請求項
25から
33のいずれか一項に記載の超音波手術用メスと、前記超音波手術用メスにエネルギーを供給する電源アダプタとを含み、前記電源アダプタのケーブルは前記超音波手術用メスハンドルの下部から下へ延びる、ことを特徴とする超音波手術用メスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器技術分野に関し、特に超音波手術用メスハンドル、超音波手術用メス及び超音波手術用メスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波手術用メスは、超音波エネルギーを採用する手術器具として、様々の腹腔鏡手術と普通の手術に使用され、主に軟部組織の止血解離および組織凝固に適用される。低侵襲手術の普及に伴い、超音波手術用メスは、普通の手術器具となって広く適用されている。
【0003】
現在、市場で超音波刀システムは主に超音波発生器付きのホスト、ハンドル、ナイフ、トランスデューサーからなり、手術前にハンドル、ナイフ、トランスデューサーを組み立て、ホストに取り付けるしか使用せず、ナイフは外部のトルクレンチを介するしか取付を完了できない。このような超音波刀システムは部品数が多く、占めるスペースが大きく、取付複雑、取付後のナイフがハンドルに対して相変わらず揺れ現象を生じ、ホスト、トランスデューサー、ナイフ等の部品のマッチング分散が多い等の問題が同時に存在するので、超音波刀性能が安定せず、且つ故障率も高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術の一つ又は複数の問題を解決するために、新型超音波手術用メスハンドルを提出することを第1目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するために、本発明で採用される技術的解決策としては、収容キャビティを有するハンドルシェルと、前記収容キャビティに設けられたトランスデューサー部品と、を含む超音波手術用メスハンドルであって、前記収容キャビティに設けられ、且つナイフに接続させるための接続コンポーネントをさらに含み、前記接続コンポーネントは、
軸線が前後方向に延び、前後方向に貫通する中空チャンネルを有し、周方向側壁に複数の貫通孔が設けられ、すべての前記貫通孔が周方向に間隔を空けて配置され且ついずれも前記中空チャンネルに連通するコネクタと、
数が前記貫通孔の数に一致し又は前記貫通孔の数よりも少なく、前記貫通孔内に径方向に移動可能に設けられるボールと、
前記コネクタの前部に前後方向に相対摺動可能にスリーブ付けされ、内側周壁に譲位構造と制限構造が設けられ、前記制限構造が前記貫通孔の外側周部に位置する場合、前記ボールは少なくとも一部が前記中空チャンネル内に位置し、前記譲位構造が前記貫通孔の外側周部に位置する場合、前記ボールは前記中空チャンネル外に位置するボールキャップと、
前記コネクタと前記ボールキャップとの間に設けられ、且つ前記ボールキャップが前記コネクタに対して前又は後へ移動するように駆動して、前記制限構造を前記貫通孔の外側周部に位置させる第1弾性材と、を含む。
【0006】
好ましくは、前記譲位構造は前記制限構造の前側に位置し、前記第1弾性材は前記ボールキャップが前記コネクタに対して前へ移動するための作用力を提供する。
【0007】
好ましくは、前記貫通孔の口径は、前記コネクタの径方向に外から内へ徐々に小さくなるように設定され、前記貫通孔の底部口径は前記ボールの直径よりも小さい。
【0008】
好ましくは、前記ボールキャップは、前から後へ順に接する摺動筒部、上押部及び制限筒部を備え、前記摺動筒部の内径は前記制限筒部の内径よりも大きく、前記上押部は前から後へ内径が徐々に小さくなるテーパ筒状を呈し、前記摺動筒部の内側周壁は前記譲位構造を形成し、前記制限筒部の内側周壁は前記制限構造を形成する。
【0009】
さらに、前記コネクタにはリミットリングがあり、前記リミットリングは前記中空チャンネル内に位置し、且つ前記リミットリングは前記貫通孔の後方に位置する。
【0010】
好ましくは、前記超音波手術用メスハンドルは、前記接続コンポーネントを前後へ駆動するための駆動機構をさらに含み、前記駆動機構は、少なくとも
前記ハンドルシェルに摺動可能に設けられ、前記コネクタに接続されたスライダと、
前記スライダが前へ移動するための作用力を提供する第2弾性材と、
前記ハンドルシェル上に回動可能に設けられ、且つ少なくとも一部が前記ハンドルシェルの外部に位置する取っ手と、
前記取っ手と前記スライダとの間に設けられ、且つ前記取っ手が回動する時に前記スライダを前後にスライドさせるように駆動するためのリンケージコンポーネントと、を含む。
【0011】
さらに、前記スライダは、前記コネクタに摺動可能にスリーブ付けされたブッシング部を備え、前記コネクタの後部位置に調整ナットが調整可能に設けられ、前記調整ナットと前記ブッシング部との間に両者が前後方向に相対的に離れるように駆動するための第3弾性材がさらに設けられる。
【0012】
好ましくは、前記トランスデューサー部品は自身の軸線回りに回転可能に前記収容キャビティ内に収容され、前記トランスデューサー部品は、トランスデューサーケースとトランスデューサーを含み、前記トランスデューサーケースは、前後方向に貫通する中空キャビティを備え、前記トランスデューサーは少なくとも後部が前記中空キャビティ内に収容される。
【0013】
さらに、前記トランスデューサー部品は、前記トランスデューサーケース後部に設けられた電源ボードを更に含み、前記電源ボードには導電部が設けられ、前記トランスデューサーと前記導電部との間は電気的に接続され、前記ハンドルシェルの前記収容キャビティ内には弾性導電体が更に設けられ、前記弾性導電体は前記電源ボードの後端面に前へ当接され、前記トランスデューサー部品が前記ハンドルシェルに対して自身の軸線回りに回動する過程中、前記弾性導電体は常に前記導電部に接触し電気的接続を保持する。
【0014】
いくつかの実施例において、前記導電部は、互いに絶縁されて設けられた第1導電部及び第2導電部を含み、前記トランスデューサーは第1電気導線及び第2電気導線を備え、前記第1電気導線と前記第1導電部との間は電気的に接続され、且つ前記第2電気導線と前記第2導電部との間は電気的に接続され、前記弾性導電体は、互いに独立して設けられた第1弾性導電体と第2弾性導電体を備え、前記第1弾性導電体は前記第1導電部に当接され、前記第2弾性導電体は前記第2導電部に当接される。
【0015】
いくつかの実施例において、前記第1導電部、前記第2導電部は、前記トランスデューサー部品の軸線を回転中心とする円盤状又は円環状である。
【0016】
いくつかの実施例において、前記電源ボードは、ボード本体、前記ボード本体に固定的に設けられ且つ金属材質から製造された第1導電片及び第2導電片をを含み、前記第1導電片は前記第1導電部を構成し、前記第2導電片は前記第2導電部を構成し、前記第1弾性導電体は前記第1導電片の後側面に当接され、前記第2弾性導電体は前記第2導電片の後側面に当接される。
【0017】
いくつかの実施例において、前記第2導電片は環状を呈し、前記第1導電片の周方向外側に囲んで設けられ、前記第1導電片と前記第2導電片とは前記電源ボードの径方向に間隔を空けて設けられる。
【0018】
いくつかの実施例において、前記ボード本体には、自身の厚さ方向に貫通する第1穿孔及び第2穿孔が開けられ、前記第1電気導線は前記第1穿孔に挿通され前記第1導電片に固定的に接続され、前記第2電気導は前記第2穿孔に挿通され前記第2導電片に固定的に接続される。
【0019】
いくつかの実施例において、前記第1弾性導電体、前記第2弾性導電体はいずれも金属材質から製造されたプレートであり、前記第1弾性導電体の一端部、前記第2弾性導電体の一端部のそれぞれは、前記ハンドルシェル内に固定的に設けられ、前記第1弾性導電体の他端部は前へ前記第1導電部に押し付けられ、前記第2弾性導電体の他端部は前へ前記第2導電部に押し付けられる。
【0020】
いくつかの実施例において、前記超音波手術用メスハンドルは、一端が前記弾性導電体に固定で電気的に接続され、他端が前記ハンドルシェルの下部から前記収容キャビティ外に通す電源ケーブルを更に含む。
【0021】
いくつかの実施例において、前記超音波手術用メスハンドルは、前記トランスデューサー部品の左右両側にそれぞれ設けられた2組を有し、前記トランスデューサー部品の回転を規制するためのトランスデューサー拘束コンポーネントをさらに含む。
【0022】
いくつかの実施例において、各組の前記トランスデューサー拘束コンポーネントはいずれも前後方向に延びるプレッシャーロッドを含み、前記プレッシャーロッドは、上下方向に延びる回動中心線が前記ハンドルシェルに回動可能に設けられ、前記プレッシャーロッドの後部にはニップ部が設けられ、前記ニップ部の内側面と前記トランスデューサーケースの外側周部との間には、前記トランスデューサーケースの回動を規制する拘束構造が設けられ、前記トランスデューサー拘束構造は拘束状態及び解放状態を有し、拘束状態にある場合に、左右両側の2つの前記ニップ部はそれぞれ前記トランスデューサーケースの外側周部に当接され、解放状態の場合に、2つの前記ニップ部は前記トランスデューサーケースの外側周部から外れ、前記トランスデューサー拘束コンポーネントは、前記ニップ部が前記トランスデューサーケースから離れて移動するように、前記プレッシャーロッドの回動を駆動するための弾性材を更に含む。
【0023】
いくつかの実施例において、前記トランスデューサーケースは円筒状を呈し、前記ニップ部は、前記トランスデューサーケースの外側周部に合わせる円弧形の薄片状である。
【0024】
いくつかの実施例において、前記拘束構造は、前記トランスデューサーケースの外側周部に設けられた第1歯部と、前記ニップ部の内側面に設けられた第2歯部とを含み、前記トランスデューサー拘束コンポーネントが拘束状態にある場合に、前記第1歯部と前記第2歯部とは互いに噛み合う。
【0025】
いくつかの実施例において、前記拘束構造は、前記トランスデューサーケースの外側周部と前記ニップ部の内側面との間に設けられ、互いに嵌合されて前記トランスデューサーケースの周方向を位置決めることができる位置決め構造、又は、前記トランスデューサーケースの外側周部と前記ニップ部の内側面との間に設けられ両者間の摩擦力を大きくして前記トランスデューサーケースの回転を規制するための摩擦増大構造である。
【0026】
いくつかの実施例において、前記ハンドルシェルの左側部及び右側部には、いずれも前記操作ウィンドウが設けられ、それぞれの前記操作ウィンドウの外側には弾性変形することができるゴムカバーが被覆され、2つの前記ニップ部はそれぞれ前記ハンドルシェルの内側から2つの前記操作ウィンドウを遮蔽する。
【0027】
本発明は、上記超音波手術用メスハンドルを備える超音波手術用メスを提供することを第2目的とする。
【0028】
上記目的を実現するために、本発明で採用される技術的解決策としては、
超音波手術用メスであって、上記した超音波手術用メスハンドルと、前記超音波手術用メスハンドルに着脱可能に取り付けられたナイフとを含み、前記ナイフは、いずれも前後方向に延びる内管、外管、カッティングストリップを含み、前記カッティングストリップは前記内管に挿通され、前記外管は前記内管外にスリーブ付けされ、且つ前記カッティングストリップと前記外管は互いに固定されて同期して前記内管に対して前後に移動可能に設けられ、前記トランスデューサー部品は少なくともトランスデューサーを含み、前記トランスデューサーは前後方向に延びるホーンシャフトを備え、前記内管は、内管体と、前記内管体の後端から後へ延びる取付ボスとを含み、前記取付ボスの外径は前記内管体の外径よりも大きく、前記内管体と前記取付ボスとが接する位置には制限面が形成され、前記取付ボスの外側周面は、後から前へ外径が徐々に大きくなる円錐斜面であり、前記カッティングストリップは軸方向に相対摺動可能に前記中空チャンネルに挿通され、前記カッティングストリップの後端部は前記ホーンシャフトに固定的に接続され、前記ボールは前記貫通孔内に対応して嵌合されて埋め込まれ、且つ前記ボールは少なくとも一部が前記中空チャンネル内に位置し、前記制限面は前記ボールの後方に位置する。
【0029】
好ましくは、前記カッティングストリップの後部ねじ山は、前記ホーンシャフトの前部に接続され、前記カッティングストリップは前記ホーンシャフトと同一軸線上に設けられ、前記超音波手術用メスハンドルは、前記ハンドルシェルの前部に設けられ、且つ前記ナイフが自身の軸線回りに回転するように駆動するためのセルフタイトコンポーネントを更に含む。
【0030】
さらに、前記セルフタイトコンポーネントは、外輪、ノブインナースリーブ、及び前記ノブインナースリーブの外周と前記外輪内周との間に設けられたプレートを含み、前記外輪の内側周部には複数の位置決め溝が設けられ、それぞれの前記位置決め溝はいずれも前後方向に延び、前記外管の後部外周には間隔を空けて前後方向に延びる複数のバーが設けられ、前記バーと前記位置決め溝とは一対一で対応して嵌め合う。
【0031】
上記目的を実現するために、本発明で採用される別の技術的解決策としては、超音波手術用メスハンドルと、前記超音波手術用メスハンドルに着脱可能に接続されるナイフとを含む超音波手術用メスであって、前記ナイフはいずれも前後方向に延びる内管、外管、及びカッティングストリップを含み、前記カッティングストリップは前記内管に挿通され、前記外管は前記内管外にスリーブ付けされ、前記超音波手術用メスハンドルはハンドルシェルとトランスデューサー部品を含み、前記トランスデューサー部品は少なくともトランスデューサーを含み、前記トランスデューサーは前後方向に延びるホーンシャフトを備え、
前記超音波手術用メスハンドルは、接続コンポーネントをさらに含み、前記接続コンポーネントは、
軸線が前後方向に延び、前記内管が前から後へ摺動可能に通す中空チャンネルを有し、周方向側壁に複数の貫通孔が設けられ、全ての前記貫通孔が周方向に間隔を空けて配置され且ついずれも前記中空チャンネルに連通するコネクタと、
数が前記貫通孔の数に一致するボールと、
前記コネクタの前部に前後方向に相対摺動可能にスリーブ付けされ、内側周壁と外側周壁との間に前記ボールを収容可能な譲位チャンネルが設けられ、前記ボールを前記貫通孔内に規制するための制限構造がさらに設けられたボールキャップと、
前記コネクタと前記ボールキャップとの間に設けられ、且つ前記制限構造が前記ボールを前記貫通孔内に規制するように、前記ボールキャップが前へ移動するように駆動するための第1弾性材と、を含み、
前記内管は、内管体と、前記内管体の後端から後へ延びる取付ボスとを備え、前記取付ボスの外径は前記内管体の外径よりも大きく、前記内管体と前記取付ボスとが接する位置には制限面が形成され、前記取付ボスの外側周は後から前へ外径が徐々に大きくなる円錐斜面であり、
前記カッティングストリップは、軸方向に相対摺動可能に前記中空チャンネルに挿通され、前記カッティングストリップの後端部は前記ホーンシャフトに固定的に接続され、前記ボールは前記貫通孔内に対応して嵌合されて埋め込まれ、且つ前記ボールは少なくとも一部が前記中空チャンネル内に位置し、前記制限面は前記ボールの後方に位置する。
【0032】
好ましくは、前記コネクタにはリミットリングがあり、前記リミットリングは前記中空チャンネル内に位置し、前記カッティングストリップは相対摺動可能に前記リミットリングに挿通され、前記内管の前記取付ボスは前後方向に前記リミットリングと複数の前記ボールとの間に規制される。
【0033】
好ましくは、前記ボールキャップは、前から後へ順に接する摺動筒部、上押部及び制限筒部を備え、前記摺動筒部の内径は前記制限筒部の内径よりも大きく、前記上押部は前から後へ内径が徐々に小さくなるテーパ筒状を呈し、前記譲位チャンネルは前記摺動筒部と前記コネクタとの間に形成され、前記制限筒部の内側周壁は前記制限構造を形成する。
【0034】
好ましくは、前記貫通孔の口径は、前記コネクタの外部から径方向に内へ徐々に小さくなるように設定され、前記貫通孔の底部直径は前記ボールの直径よりも小さい。
【0035】
好ましくは、前記内管は前記外管と同一軸線上に設けられ、前記内管は軸方向に相対摺動可能に前記外管の管腔に挿通され、前記内管と前記外管との間には両者が軸方向に相対摺動変位することを規制するためのナイフ制限構造が更に設けられ、前記カッティングストリップと前記外管とは相対的に固定され同期して移動するように設けられる。
【0036】
さらに、前記超音波手術用メスハンドルは、前記内管が前記外管に対して前後に移動するように、前記接続コンポーネントを前後へ駆動するための駆動機構をさらに含み、前記駆動機構は、少なくとも
前記ハンドルシェルに摺動可能に設けられ、前記コネクタに接続されたスライダと、
前記スライダが前へ移動するための作用力を提供する第2弾性材と、
前記ハンドルシェル上に回動可能に設けられ、且つ少なくとも一部が前記ハンドルシェルの外部に位置する取っ手と、
前記取っ手と前記スライダとの間に設けられ、且つ前記取っ手が回動する時に前記スライダを前後にスライドさせるように駆動するためのリンケージコンポーネントと、を含む。
【0037】
さらに、前記スライダは、前記コネクタに摺動可能にスリーブ付けされたブッシング部を備え、前記コネクタの後部位置に調整ナットが調整可能に設けられ、前記調整ナットと前記ブッシング部との間に両者が前後方向に相対的に離れるように駆動するための第3弾性材がさらに設けられる。
【0038】
いくつかの実施例において、前記ナイフの後部は自身の軸線回りに回転可能に前記中空チャンネルに挿通され、前記カッティングストリップの後端部ねじ山は前記ホーンシャフトの前部に接続され、前記カッティングストリップは前記ホーンシャフトと同一軸線上に設けられ、前記超音波手術用メスハンドルは、前記ハンドルシェルの前部に設けられ、且つ前記ナイフが自身の軸線回りに回転するように駆動するためのセルフタイトコンポーネントをさらに含む。
【0039】
いくつかの実施例において、前記トランスデューサー部品はトランスデューサーケースをさらに含み、前記トランスデューサーは、前記トランスデューサーケース内に固定的に取り付けられ、且つ前記トランスデューサーは、前記トランスデューサーケースと同一軸線上に設けられ、前記トランスデューサー部品は自身の軸線回りに回転可能に前記ハンドルシェル内に設けられる。
【0040】
前記トランスデューサー部品は、前記トランスデューサーケース後部に設けられた電源ボードを更に含み、前記電源ボードには導電部が設けられ、前記トランスデューサーと前記導電部との間は電気的に接続され、前記ハンドルシェル内には弾性導電体が更に設けられ、前記弾性導電体は前記電源ボードの後端面に前へ当接され、前記トランスデューサー部品が前記ハンドルシェルに対して自身の軸線回りに回動する過程中、前記弾性導電体は常に前記導電部に接触し電気的接続を保持する。
【0041】
本発明は、上記超音波手術用メスを備える超音波手術用メスシステムを提供することを第3目的とする。
【0042】
上記目的を実現するために、本発明で採用される技術的解決策としては、上記超音波手術用メスと、前記超音波手術用メスにエネルギーを供給する電源アダプタとを含む超音波手術用メスシステムであって、前記電源アダプタのケーブルは前記超音波手術用メスハンドルの下部から下へ延びる。
【発明の効果】
【0043】
上記技術的解決策の適用により、本発明は、従来技術に比べると、下記の利点を有し、即ち、本発明の超音波手術用メスハンドル及び超音波手術用メスは、そのナイフの取付が便利で、操作が簡単であり、同時に、ナイフは超音波手術用メスハンドルとの間の安定した信頼性の高い接続を実現し、よって手術操作中にナイフの揺れが生じせず、操作がより精確になり、超音波手術用メス全体の品質も向上する。同時に、超音波手術用メスシステムは3つの主要部材のみを含むようになり、保管、使用もより便利になる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】本発明の超音波手術用メスシステムの構成模式図である。
【
図2】本発明の超音波手術用メスハンドルの構成模式図である。
【
図3】本発明の超音波手術用メスハンドルの構成分解模式図である。
【
図5】本発明におけるナイフの内管の正面模式図である。
【
図6】本発明におけるナイフ、接続コンポーネント及び駆動機構の構成模式図である。
【
図7】本発明におけるナイフ、接続コンポーネント及び駆動機構の内部構成模式図であり、
図7Aは
図7におけるP部の拡大模式図である。
【
図8】
図6における駆動機構のスライダの斜視模式図である。
【
図9】本発明の接続コンポーネントにおけるコネクタの全体構成模式図であり、
図9Aは
図9の縦断面模式図である。
【
図10】超音波手術用メスハンドルの内部構成模式図であり、ナイフがまだハンドル内に取り付けられていない状態を示す。
【
図12】超音波手術用メスの内部構成模式図であり、ナイフが超音波手術用メスハンドルに挿入され且つ外管とトランスデューサーとの接続を完了するが、内管がまだ完全に接続されていない状態を示す。
【
図14】超音波手術用メスの内部構成模式図であり、ナイフと超音波手術用メスハンドルとの接続が完了した状態を示す。
【
図16】本発明におけるトランスデューサー部品の整体構成模式図である。
【
図17】
図16のトランスデューサー部品の構成分解模式図である。
【
図21】トランスデューサー部品と弾性導電体との接続構成模式図である。
【
図22】本発明の超音波手術用メスハンドルの内部線路及び電子素子の配置構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、図及び具体的な実施例を参照して本発明の技術的解決策を更に説明する。
【0046】
超音波手術用メスにおける各部材の相対位置関係の説明の便宜上、上記及び下記の前後方向に関する説明は、いずれも操作者がこの超音波手術用メスを掴んで操作する時に見える方向を基準として定義されたものであり、超音波手術用メスが手術箇所に作用する位置を前とし、超音波手術用メスの人体に近い位置を後とする。
【0047】
図1に示す超音波手術用メスシステムを参照すると、超音波手術用メスと、超音波手術用メスにエネルギーを供給する電源アダプタ3とを含み、超音波手術用メスのオンオフ等の操作制御のためのフットスイッチ4が選択可能に設けられ、超音波手術用メスは超音波手術用メスハンドル1と、超音波手術用メスハンドル1に着脱可能に取り付けられるナイフ2とを含む。
【0048】
図4、
図5に示すように、ナイフ2はいずれも前後方向に延びる内管22、外管21及びカッティングストリップ25を含み、ここで、内管22は前後方向に相対摺動可能に外管21の管腔に挿通され、両者が同一軸線上に設けられ、且つ内管22と外管21との間には、両者が軸方向に相対的に摺動変位することを規制するためのナイフ制限構造が更に設けられ、ここで具体的に、このナイフ制限構造は内管22に開けられた長溝22cと、外管21に固定的に設けられたリミットピン(図示なし)とを含み、リミットピンは長溝22cに嵌合されて摺動可能に挿通され、内管22が外管21に対して前又は後へ抜け落ちることを回避する。カッティングストリップ25は、自身の長さ方向に相対摺動可能に前記内管22の管腔に挿通され、その後部が後へ内管22の後方に伸び出し、その前部にカッティングストリップヘッド251がある。このカッティングストリップ25と外管21との間はリミットピンを介して接続され相対的に固定され、カッティングストリップ25と外管21とに同期移動を保持させることができ、この同期移動は主に同期して回動し、同期して内管22に対して前後移動することを含む。
【0049】
ナイフ2は、前部に位置し内管22の前部と外管21の前部との間に回動可能に設けられたクランプ23をさらに含み、内管22は外管21に対して前後方向に相対的にスライドする過程において、クランプ23がカッティングストリップヘッド251に対して開く、又は閉じるように駆動して、手術対象である軟部組織に対してクランプや止血などの操作を与える。
【0050】
外管21の後部には外管継ぎ手24がさらに固定的に設けられ、外管継ぎ手24には、周方向に間隔を空けて分布する複数のスプライン歯241が設けられ、スプライン歯241のバーは前後方向に延びる。内管22は、内管管体221と、内管管体221から後へ延びる取付ボス222とを含み、この取付ボス222は内管管体221と実質的に一体に設けられ、取付ボス222の外径は内管管体221の外径よりも大きく、両者の接する位置に制限面22aが形成され、この制限面22aは、前から後へ外径が徐々に大きくなるテーパー面を呈し、取付ボス222の外周面は、後から前へ外径が徐々に大きくなる円錐斜面22bである。
【0051】
各図に示すように、超音波手術用メスハンドル1はハンドルシェル11とトランスデューサー部品12を含み、ハンドルシェル11は、固定嵌め接続された左シェル11a及び右シェル11b、頂部に位置し収容キャビティを有する上蓋11cを含み、トランスデューサー部品12は、自身の軸線回りに回転可能にこの収容キャビティ内に収容される。
【0052】
図16から
図18に示すように、トランスデューサー部品12は、トランスデューサーケース121とトランスデューサー122を含み、トランスデューサーケース121は、前後方向に貫通する中空キャビティを備え、トランスデューサー122は軸方向に順に設けられたホーンシャフト1222及びホーンシャフト1221を含み、ホーンシャフト1221はすべてトランスデューサーケース121の中空キャビティ内に収容され、ホーンシャフト1222の前部は、中空キャビティ外に突出し、且つナイフ2に接続されるために用いられる。
【0053】
このトランスデューサー部品12は、トランスデューサーケース121後部に設けられた電源ボード123を更に含み、電源ボード123には導電部が設けられ、トランスデューサー122と上記導電部との間はワイヤーを介して電気的接続を保持する。ハンドルシェル11の収容キャビティ内には、弾性導電体13がさらに設けられ、この弾性導電体13は、電源ボード123の後端面に前へ当接され、トランスデューサー部品12がハンドルシェル11に対して自身の軸線回りに回動する過程中、弾性導電体13は常に導電部に接触して電気的接続を保持する。
【0054】
具体的に、導電部は互いに絶縁されて設けられた第1導電部及び第2導電部を含み、トランスデューサー122は、第1電気導線及び第2電気導線(図示なし)の2本の電気導線、第1電気導線と第1導電部との間の電気的接続、第2電気導線と第2導電部との間の電気的接続を有する。弾性導電体13も互いに独立して互いに絶縁されて設けられた第1弾性導電体131及び第2弾性導電体132を含み、第1弾性導電体131は第1導電部に当接され且つ第2弾性導電体132は第2導電部に当接される。上記第1導電部、第2導電部は、トランスデューサー部品12の軸線を回転中心とする円盤状又は円環状である。このように、トランスデューサー部品12が自身の軸線回りに回転する過程において、第1弾性導電体131、第2弾性導電体132はそれぞれ第1導電部、第2導電部に当接されるように保持することができる。
【0055】
本実施例において、電源ボード123は、ボード本体1230、ボード本体1230に固定的に設けられ且つ金属材質から製造された第1導電片123a及び第2導電片123bを含み、第1導電片123aは円盤状であり、第2導電片123bは円環状を呈し、第1導電片123aの周方向外側に囲んで設けられ、第1導電片123aと第2導電片123bとは電源ボード123の径方向に間隔を空けて設けられ、即ち第1導電片123aの外側周壁と第2導電片123bの内側周壁とは電源ボード123の径方向に所定のピッチを有する。上記第1導電片123aは第1導電部を構成し、第2導電片123bは第2導電部を構成する。
【0056】
ボード本体1230には、自身の厚さ方向に貫通する第1穿孔123c及び第2穿孔123dが開けられ、第1電気導線は第1穿孔123cに挿通され、溶接により第1導電片123aに固定されて電気的接続を実現し、第2電気導線は第2穿孔123dに挿通され、溶接により第2導電片123bに固定されて電気的接続を実現する。
【0057】
図3及び
図21に示すように、第1弾性導電体131及び第2弾性導電体132はいずれも金属材質から製造されたプレートであり、第1弾性導電体131の下端部、第2弾性導電体132の下端部は、それぞれハンドルシェル11内に固定的に設けられ、第1弾性導電体131の上端部は前へ第1導電片123aの後側面に押し付けられ、第2弾性導電体132の上端部は前へ第2導電片123bの後側面に押し付けられる。
【0058】
このように、電力ケーブルに接する2本の導電線をそれぞれ第1弾性導電体131及び第2弾性導電体132に接続するだけで、その後電力ケーブルをハンドルシェル11の下部から引き出して電源をプラグインし、このように、トランスデューサー部品12がハンドルケース11において自身の軸線回りに回動する過程中、電力ケーブルは従って回転することがなく、このようにして、電力ケーブルがハンドルシェル11の後部から延び出ることによる、腕力が重く疲れやすく、電源ケーブルが絡まるなどの問題をよく回避する。
【0059】
トランスデューサー122のホーンシャフト1222の前部には、ナイフ2に着脱可能に接続されるための接続ネジ124がさらに固定的に接続される。
【0060】
このトランスデューサー部品12の設置時に、
図16、
図17に示すように、電源ボード123は円盤状であり、複数のネジ129によりトランスデューサーケース121の後部に固定的に設けられ、且つ電源ボード123とトランスデューサーケース121の後端面との間には後シールリング128が設けられて、トランスデューサーケース121の後部がシールされる。
【0061】
トランスデューサー122において、ホーンシャフト1222とホーンシャフト1221の位置には止め輪1223がさらに設けられ、その外径がホーンシャフト1222及びホーンシャフト1221のいずれかの外径よりも大きく、トランスデューサーケース121の前部には、ゴムパッド125、ゴムリング126及びフロントカバー127がさらに設けられ、フロントカバー127は、トランスデューサーケース121の前部に固定的に嵌め合い、ゴムリング126とゴムパッド125を、止め輪1223とフロントカバー127との間に挟み込んで、トランスデューサーケース121の前部もシールされる。このようにして、ホーンシャフト1221はトランスデューサーケース121内に固定的にシールされる。このトランスデューサー部品12は、1つの全体部材としてハンドルシェル11の内腔に収容される。
【0062】
超音波手術用メスハンドル1は、主にナイフ2における内管22との着脱可能な接続を実現するための接続コンポーネント15をさらに含み、超音波手術用メスハンドル1は、接続コンポーネント15を前後へ駆動して内管22が外管21に対して前後に移動するようにするための駆動機構14をさらに含む。具体的に、
図3から
図15に示すものを参照する。そのうち、
接続コンポーネント15は、
軸線が前後方向に延び、ここで、軸線がトランスデューサー122の軸線と同一線上に延びるコネクタ151であって、ナイフ2の内管22が前から後へ摺動可能に通す中空チャンネルを有し、周方向側壁に複数の貫通孔1515が設けられ、すべての貫通孔1515が周方向に間隔を空けて配置され且ついずれもコネクタ151の中空チャンネルに互いに連通するコネクタ151と、
数が貫通孔1515の数に一致し又は貫通孔1515の数よりも少なく、且つ数が少なくとも2つであるボール153(本実施例で、ボール153及び貫通孔1515はいずれも4つ設けられる)と、
コネクタ151の前部に前後方向に相対摺動可能にスリーブ付けされ、内側周壁とコネクタ151の外側周壁との間に、ボール153が貫通孔1515に対して外へ移動する時に譲位するための譲位チャンネルが形成され、ボール153を貫通孔1515内に規制して譲位チャンネルでの上下移動又はスライドを阻止するための制限構造が更に設けられるボールキャップ152と、
コネクタ151とボールキャップ152との間に設けられ、ボールキャップ152が前へ移動するように駆動して、制限構造によってボール153が貫通孔1515内に規制される第1弾性材154(ここで具体的にバネである)と、を含み、
ここで、
図6、
図7、
図7Aに示すように、ナイフ2は、軸方向に前から後へ相対摺動可能にコネクタ151の中空チャンネルに挿通され、カッティングストリップ25の後端部はトランスデューサー122のホーンシャフト1222にねじ山による接続により固定的に接続され、ボール
153は各貫通孔1515内に対応して嵌合されて埋め込まれ、且つ各ボール
153は少なくとも一部がコネクタ151の中空チャンネル内に位置し、内管22における制限面22aはボール
153の後方に位置する。このようにして、内管22はコネクタ151に取り付けられ、且つコネクタ151に対して回転することができ、同時に、コネクタ151を後へ移動させるように駆動する場合に、内管22を外管21に対して後へ移動するように連動させることができる。
【0063】
具体的に、
図9、
図9Aに示すように、コネクタ151は、軸方向に接する前ブッシング1511及び後ブッシング1513を備え、前ブッシング1511と後ブッシング1513とが接する位置にはストップリング1512が形成され、ストップリング1512の外径は前ブッシング1511の外径及び後ブッシング1513の外径よりも大きい。貫通孔1515は前ブッシング1511の前端部に設けられ、前ブッシング1511の内腔にはリミットリング1514がさらに形成され、カッティングストリップ25は相対摺動可能にリミットリング1514に挿通され、内管22の取付ボス222は前後方向にリミットリング1514と複数のボール
153との間に規制されて、内管22がコネクタ151に取り付けられた後、軸方向にコネクタ151に対して固定されるように保持され、このように、コネクタ151の前後移動を駆動して、内管22が前後方向に同期して移動するように連動させることができる。
【0064】
図7、
図7Aに示すように、ボールキャップ152は、前から後へ順に接する摺動筒部152a、上押部152b及び制限筒部152cを備え、摺動筒部152aの内径は制限筒部152cの内径よりも大きく、上押部152bは、前から後へ内径が徐々に小さくなるテーパ筒状を呈し、摺動筒部152aの内側周壁とコネクタ151の前ブッシング1511の外側周壁との間には上記譲位チャンネルが形成され、ボール153は、一部がこの譲位チャンネルに収容可能であり、制限筒部152cの内側周壁には上記制限構造が形成され、即ち、制限筒部152c及び貫通孔1515の位置が対応すると、制限筒部152cの内側周壁と前ブッシング1511の外側周壁との間のピッチはボール153の直径よりも小さく、よってボール153は貫通孔1515内に規制されて前後に移動することができない。
【0065】
貫通孔1515の口径は、コネクタ151の外部から径方向に沿って内へ徐々に小さくなるように設定され、この貫通孔1515の底部直径はボール153の直径よりも小さく、よってボール153は、貫通孔1515からコネクタ151の中空キャビティ内に完全に落ちることがなく、同時にボール153は貫通孔1515内に置かれる場合に少なくとも一部がコネクタ151の中空キャビティ内に位置して、内管22に嵌合されて内管22の前への移動時の制限を形成することができる。
【0066】
図3、
図6、
図7、
図10及び
図15に示すように、駆動機構14は、
ハンドルシェル11に摺動可能に設けられ、コネクタ151に接続されたスライダ141であって、ここで、具体的に、L字形に配置された摺動部141b及びブッシング部141aを含み、ブッシング部141aがコネクタ151の後ブッシング1513にスリーブ付けされ、摺動部141bが前後方向に延び、前後摺動可能にハンドルシェル11内に設けられたスライダ141と、
ハンドルシェル11と摺動部141bの後部との間に設けられ、且つスライダ141の前への移動に所要の作用力を提供するための第2弾性材144(ここで具体的にバネである)と、
ピン146の回りに回動可能にハンドルシェル11に設けられ、操作部位がハンドルシェル11の収容キャビティ外に位置し、一部がハンドルシェル11の収容キャビティ内に位置する取っ手145と、
取っ手145とスライダ141との間に設けられ、且つ取っ手145の回動時に、スライダ141の前後移動を駆動するためのリンケージコンポーネントと、を含む。ここで、リンケージコンポーネントは、取っ手145の回動をスライダ141の摺動に変換するように駆動するように、ヒンジ147を含む機構である。
【0067】
この駆動機構14は、コネクタ151の後部に設けられ、且つ位置が調整可能である調整ナット143を更に含み、この調整ナット143とブッシング部141aとの間には、両者が前後方向に相対的に離れるように駆動するための第3弾性材142が設けられ、ここで、この第3弾性材142は、後ブッシング1513にスリーブ付けされた波ばねであり、スライダ141のブッシング部141aは第3弾性材142とストップリング1512との間に規制される。調整ナット143を回転することによって、波ばねが異なる状態で挟まれ、よって波ばねのばね圧力よりも大きい力を付与するしか、ブッシング部141aをコネクタ151に対して後へ移動することができない。
【0068】
図3、
図6に示すように、この超音波手術用メスハンドル1にはトランスデューサー拘束コンポーネント16が更に設けられ、このトランスデューサー拘束コンポーネント16は、トランスデューサー部品12の左右両側に左右ずつ2組が設けられ、各組にいずれも前後方向に延びるプレッシャーロッド161が含まれ、このプレッシャーロッド161の前部は、上下方向に延びるシャフト162が回動可能にハンドルシェル11上に設けられ、このプレッシャーロッド161の後部にはニップ部161aが設けられ、ニップ部161aは弧片状を呈し、トランスデューサー部品12に向く側面にローレット歯が設けられ、シャフト162には、ニップ部161aがトランスデューサー部品12から離れて移動するように駆動するための捻りばね163がスリーブ付けされる。トランスデューサー部品12のトランスデューサーケース121の前部にも、ローレット歯部121aが形成され、その上にニップ部161aにおけるローレット歯に対応して噛合可能なローレット歯が形成される。
【0069】
左右両側のニップ部161aが同時にトランスデューサー部品12へ移動しローレット歯部121aに押し付けられる場合に、ローレット歯の噛み合いによりトランスデューサー部品12を周方向に規制して、トランスデューサー部品12が回転することを回避することができる。ハンドルシェル11の左シェル11aには左ゴムカバー11a1が設けられ、右シェル11bには右ゴムカバー11b1が設けられ、左ゴムカバー11a1は、左側のニップ部161aの位置に対応し、右ゴムカバー11b1は、右側のニップ部161aの位置に対応し、このように操作時に、操作者の2本の指は左ゴムカバー11a1及び右ゴムカバー11b1をそれぞれつまんで押して変形させると、両側のニップ部161aが同期してトランスデューサー部品12へ移動するように駆動し、トランスデューサー部品12の回動に対する拘束を実現することができる。
【0070】
図3、
図6に示すように、この超音波手術用メスハンドル1にはセルフタイトコンポーネント17がさらに設けられ、このセルフタイトコンポーネント17は、外輪171、ノブインナースリーブ172、及びノブインナースリーブ172の外周と外輪171の内周との間に設けられたプレート173を含み、外輪171の内側周部には複数の位置決め溝が設けられ、それぞれの位置決め溝はいずれも前後方向に延び、主にナイフ2の外管21の後部の外管継ぎ手24に対応して嵌め合い、外管継ぎ手24が外輪171内に挿入されると、その上のスプライン歯241は上記位置決め溝に噛み合わされ、外輪171が外管21の周方向に位置決められて同期して回転することができ、このように、ユーザが外輪171を回転する時にナイフ2の外管21を同期して回転するように駆動することができ、これに伴って、カッティングストリップ25は同期して回転し、よって、外部、例えばトルクレンチ等の部材を介する必要がなく、カッティングストリップ25とトランスデューサー部品12との間の締結取付を実現することができ、操作がよりし易くなる。
【0071】
以下、本発明の超音波手術用メスの使用方法及び取付方法を簡単に説明する。
【0072】
使用しない場合に、超音波手術用メスハンドル1とナイフ2とは互いに外して各自独立して保管され、
図10、
図11に示すように、この際、超音波手術用メスハンドル1において、ボール153はそれぞれの貫通孔1515内に対応して位置し、且つボールキャップ152の摺動筒部152aの位置に対応する。
【0073】
ナイフ2の取付時に、まず左ゴムカバー11a1及び右ゴムカバー11b1をつまんで変形させて、トランスデューサー部品12の回動が拘束され、その後、ナイフ2の後部を超音波手術用メスハンドル1の前部から後へ挿入し、ナイフ2の外管21におけるスプライン歯を外輪171の内部の位置決め溝に対応させ、続いて後へナイフ2を挿入して、カッティングストリップ25の後部がトランスデューサー部品12の前部に当たる時に、ナイフ2を回転して、カッティングストリップ25の後部をトランスデューサー122のホーンシャフト1222にねじ接続させる。
【0074】
ナイフ2が後へ移動する過程中、
図12、
図13に示すように、内管22の取付突起222の円錐斜面22bは先にボール153に触れ、ボール153が外へ移動して譲位チャンネルに入るようにボール153を押し、よって内管22が後へ移動することができ、取付突起222がボール153を超えた後、第1弾性材154及び第2弾性材144の作用で、ボールキャップ152は前へ移動し、ボールキャップ152における上押部152bはボール153に作用し、よってボール153は、制限筒部152cが貫通孔1515の位置に対応するまで、内へ貫通孔1515に向かってて移動し、ボール153は貫通孔1515内に規制され、且つ一部がコネクタ151の中空キャビティ内まで入るとともに、取付突起222の前側の制限面22bに当接されて取付突起222の前方に制限が形成され、内管22の取付が完了する。最後に、再び外輪171を回転してナイフ2の全体をこれに伴って回転させ、カッティングストリップ25と、トランスデューサー122のホーンシャフト1222とのねじ接続をより安定させ、且つセルフタイトコンポーネント17によって、ホーンシャフト1222とカッティングストリップ25とのねじ接続時のトルクが大き過ぎてトランスデューサー部品12の損傷を招くことがなくなる。
【0075】
この超音波手術用メスを使用する過程中、ユーザは外輪171を回してナイフ2の角度を調整することができ、手術操作中、操作者は取っ手145を握り、取っ手145の回動中、ナイフ2は2種類の異なる作動状態があり、取っ手145の回動の初めに、スライダ141は第2弾性材144の作用力を抵抗して後へ移動し、スライダ141は同時に第3弾性材142の波ばねを介して調整ナット143に作用し、コネクタ151の後への移動を連動させ、ボール153は、内管22が外管21に対して後へ移動するように連動させ、クランプ23とカッティングストリップヘッド251とが接触するように駆動し、この段階でクランプの閉鎖操作を実現し、この段階で軟部組織に対するはさみ等の操作を実現でき、続いて取っ手145を回動すると、スライダ141は、続いて第2弾性材144を押し付け、この際に第2弾性材144は圧縮されバネ圧力が形成され、よって内管22が更に後へ引っ張られ、クランプ23が更に閉じてグリップ力が形成され、この段階は、軟部組織のカット分離及び止血等の操作に適用する。操作完了後、取っ手145を離すと、各部件は複数の弾性材の作用で復帰する。
【0076】
図3、
図22に示すように、この超音波手術用メスハンドル1内に下記の部件又はルート設置があり、即ち、ハンドルシェル11の頂部には、透視窓によって遮蔽され覆われ、指示の必要がある情報を指示するためのディスプレイスクリーン181が設けられ、ディスプレイスクリーン181の一側には機能キー183が設けられ、ハンドルシェル11の頂部には、後部に変圧器195が設けられパワーライン198によりトランスデューサー部品12の後方の弾性導電体13に接続されたPCBグループ194がさらに設けられ、ワイヤー経路が短く、低電磁放射が低い。ハンドルシェル11のグリップ下部には、ソケット196、保護ケース197、電源アダプタ3に着脱可能に接続されるためのケーブル31が設けられる。ハンドルシェル11のグリップには回路基板191が設けられ、グリップの前部には前ボタン184がさらに設けられ、ハンドルシェル11内にはトランペット193、前ボタンFPCグループ192がさらに設けられる。
【0077】
この超音波手術用メスハンドル1は、電源アダプタ3を接続してから、電源アダプタ3の電源を入れた後、前ボタン184、機能キー183がシステム状況を検出することを励起し、前ボタン184を励起すると、トランペット193は、励起提示音を発し、機能キー183を押し、この際にハンドルNFCは、ナイフNFCチップに通信し、ナイフに対してコード識別を行い、ナイフのコードに応じて、出力電力をマッチングさせ、通信マッチング完了後(ナイフ取付後、ハンドル内のマスターチップは、ナイフNFCチップとのハンドシェイクが成功し、通信が確立され、NFCチップ内の各種類のナイフヘッド情報(製品ID、使用回数、ナイフヘッドの稼働率、ナイフヘッドの稼働頻度等の情報を含むが、これらに限定されない)を読み出した後、成功に情報を読み出し且つ情報が有効である場合に、ハンドル内のマスターチップは、ナイフヘッドが有効的なナイフヘッドであると判定し、マッチングプロセスが完了し、待機し励起作動を待つことができると認定する)、システムは手術操作を行うことができる。操作者は機能キー183により作動モードを選択することができ、作動モードは、ディスプレイスクリーン181に見える。システムの故障時に、トランペット193は、警報音を発すると同時に、ディスプレイスクリーン181は故障コードを表示する。
【0078】
軟部組織を処理する場合に、前ボタン184を励起し、コントロールパネルにより、電源ボードの電力をトランスデューサー122のホーンシャフト1222のセラミックスに伝達し、セラミックスに高周波超音波振動が生じ、超音波振動はホーンシャフト1222によって増幅されてナイフカッティングストリップ25に伝達され、よって組織に対するカットを実現し(前ボタン184におけるボタンは高電力ボタンであり、主に組織をカットするために用いられ、下ボタンは低電力ボタンであり、主に血管凝固のために用いられる)、組織が切断される時、又は血管凝固後、前ボタン184の励起を停止し、取っ手145を解放し、クランプ23が復帰し、この閉鎖及び開放のサイクルを完了する。上記プロセスを複数回繰り返すと、手術を完了することができる(クランプ23を閉鎖せず、前ボタン184を励起してカットさせることもあるが、ここで説明しない)。
【0079】
上記実施例は、本発明の技術的思想及び特徴を説明するためのものに過ぎなく、その目的として、この技術を知っている人が本発明の内容を了解してこれによって実施することができるが、これにより本発明の保護範囲を制限することができない。本発明によれば実質的に行われた同等変更又は修飾はいずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0080】
1 超音波手術用メスハンドル、11 ハンドルシェル、11a 左シェル、11a1 左ゴムカバー、11b 右シェル、11b1 右ゴムカバー、11c 上蓋、12 トランスデューサー部品、121 トランスデューサーケース、121a ローレット歯部、122 トランスデューサー、1221 ホーンシャフト、1222 ホーンシャフト、1223 止め輪、123 電源ボード、1230 ボード本体、123a 第1導電片、123b 第2導電片、123c 第1穿孔、123d 第2穿孔、124 接続ネジ、125 ゴムパッド 126 ゴムリング、127 フロントカバー、128 後シールリング、129 ネジ、13 弾性導電体、131 第1弾性導電体、132 第2弾性導電体、14 駆動機構、141 スライダ、141a ブッシング部、141b 摺動部、142 第3弾性材(波ばね)、143 調整ナット、144 第2弾性材(バネ)、145 取っ手、146 ピン、147 ヒンジ、15 接続コンポーネント、151 コネクタ、1511 前ブッシング、1512 ストップリング、1513 後ブッシング、1514 リミットリング、1515 貫通孔、152 ボールキャップ、152a 摺動筒部、152b 上押部、152c 制限筒部、153 ボール、154 第1弾性材(バネ)、16 トランスデューサー拘束コンポーネント、161 プレッシャーロッド、161a ニップ部、162 シャフト、163 捻りばね、17 セルフタイトコンポーネント、171 外輪、172 ノブインナースリーブ、173 プレート、181 ディスプレイスクリーン、182 透視窓、183 機能キー、184 前ボタン、191 回路基板、192 前ボタンFPCグループ、193 トランペット、194 PCBグループ、195 変圧器、196 ソケット、197 保護ケース、198 パワーライン、2 ナイフ、21 外管、22 内管、221 内管体、222 取付ボス、22a 制限面、22b 円錐斜面、22c 長溝、23 クランプ、24 外管継ぎ手、241 スプライン歯、25 カッティングストリップ、251 カッティングストリップヘッド、3 電源アダプタ、31 ケーブル、4 フットスイッチ