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  • 特許-容器の整列方向規正装置およびその方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-15
(45)【発行日】2024-08-23
(54)【発明の名称】容器の整列方向規正装置およびその方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/31 20060101AFI20240816BHJP
   B65G 47/244 20060101ALI20240816BHJP
   B65G 21/20 20060101ALN20240816BHJP
【FI】
B65G47/31 B
B65G47/244
B65G47/31 L
B65G21/20 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020218191
(22)【出願日】2020-12-28
(65)【公開番号】P2022103506
(43)【公開日】2022-07-08
【審査請求日】2023-11-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1:Web会議上での説明 ▲1▼ 公開日 令和2年12月18日 ▲2▼ 公開した場所(Web会議) ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社と靜甲株式会社とを繋ぐMicrosoft Teams Web会議 <「Web打合せ」(2020/12/18)のサイトのアドレス> https://teams.microsoft.com/l/meetup-join/19%3ameeting_YTg5MWVhNTctZmRkZi00NmE5LWEyMWUtMDViYTQwNDg1YTJk%40thread.v2/0?context=%7b%22Tid%22%3a%221c66f76a-6ddb-46ae-a044-013855f12513%22%2c%22Oid%22%3a%22cd73d429-3cf5-4cd0-8879-818b1269324e%22%7d 2:対面での説明 ▲1▼ 公開日 令和2年12月24日 ▲2▼ 公開した場所 ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社 名古屋工場会議室(愛知県北名古屋市熊之庄十二社66-3)
(73)【特許権者】
【識別番号】390029090
【氏名又は名称】靜甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117190
【弁理士】
【氏名又は名称】前野 房枝
(72)【発明者】
【氏名】鍋田 豊
(72)【発明者】
【氏名】藤田 悟司
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-292342(JP,A)
【文献】特開平10-194433(JP,A)
【文献】特開2001-198529(JP,A)
【文献】特開2010-285255(JP,A)
【文献】米国特許第4934510(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/31
B65G 47/244
B65G 21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無作為な姿勢で供給されるボトル状容器を、そのボトル軸を搬送方向に沿わせた状態に向きを揃えて搬送コンベア上に整列させる容器の整列方向規正装置であって、
前記搬送コンベアの上方において、前記ボトル状容器が供給される枠体内に、無端状のベルトコンベアが駆動側スプロケットとそれと対になる従動側スプロケットとに巻回されてなる複数本のボトル摺接コンベアが、そのベルト面を前記搬送コンベアの上面と平行にして、ボトル状容器の搬送方向に沿わせ、かつ、ボトル軸を搬送方向に沿わせた状態のボトル状容器のみがすり抜け可能な間隔寸法で配設された整列方向規制部を備え、
隣位する各ボトル摺接コンベアは、その走行方向を逆に、あるいは、速度差を以て回転するように構成されていることを特徴とする容器の整列方向規正装置。
【請求項2】
整列方向規制部は、各ボトル摺接コンベア間の間隔寸法を調整するための間隔調整手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の容器の整列方向規正装置。
【請求項3】
前記枠体内における、ボトル状容器の搬送方向下流部には、ボトル摺接コンベアと交差して設けられた回転軸に支持され、ボトル摺接コンベアから上方に臨むボトル状容器に接触して枠体内上流側へ戻すように回転する羽根車が配設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の容器の整列方向規正装置。
【請求項4】
整列方向規制部の下方に配設される搬送コンベアは、その搬送方向において少なくとも2基のコンベアを隣接させてボトル状容器を搬送可能に設けられ、各コンベアの搬送速度を調整可能とされていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の容器の整列方向規正装置。
【請求項5】
無作為な姿勢で供給されるボトル状容器を、そのボトル軸を所定方向に沿わせた状態に向きを揃えて搬送コンベア上に整列させる容器の整列方向規正方法であって、
前記搬送コンベアの上方に、無端状のベルトコンベアが駆動側スプロケットとそれと対になる従動側スプロケットとに巻回されてなる複数本のボトル摺接コンベアを、そのベルト面を前記搬送コンベアと平行にして、前記所定方向に沿わせ、かつ、ボトル軸を前記所定方向に沿わせた状態のボトル状容器のみがすり抜け可能な間隔寸法で配設させておき、隣位する各ボトル摺接コンベアを、その走行方向を逆に、あるいは、速度差を以て回転させることを特徴とする容器の整列方向規正方法。
【請求項6】
整列方向規制部の下方に配設される搬送コンベアは、その搬送方向において少なくとも2基のコンベアを隣接させてボトル状容器を搬送可能に設け、下流側に配置されたコンベアほど上流側のコンベアよりも搬送速度を高速で駆動されることを特徴とする請求項5に記載の容器の整列方向規正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無作為な姿勢で供給されるボトル状容器の向きを揃えて下流へ搬送するための容器の整列方向規正装置およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ボトル状容器にその開口部から充填物を充填する工程等においては、そのボトル状容器の開口部を上方に向けて容器を整列させる必要がある。そして、無作為な姿勢で供給されるボトル状容器をその開口部を上方に向けて容器を起立させた状態に整列させる、その前段階として、ボトル状容器をコンベア上で、一旦、その開口部の向きを揃えて横に倒し、姿勢を整える段階を経ることがある(特許文献1参照)。
【0003】
そして、従来より、コンベア上で容器の姿勢を整える為の手段としては様々な方法や装置が提案されている。たとえば、コンベア上に板状のガイドをそのコンベアの進行方向に対して斜めに横断するように設け、そのガイドにコンベア上を搬送されている容器を接触させてその容器の整列方向を規正する方法や装置(特許文献2、特許文献3参照)を例示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平1-162618号公報
【文献】特開平06-247536号公報
【文献】特開2015-160739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、方向規正の対象については、特許文献2は断面略長方形状の容器、特許文献3は平面視で長方形又は楕円形を有する容器であり、これらの容器の整列方向を規正する方法や装置を直ちにボトル状容器に用いたとしても、方向規正の効果を得られるものではない。
【0006】
また、板状のガイドにコンベア上を搬送されている容器を接触させてその容器の整列方向を規正する方法では、一旦は、所望の姿勢に整えられたとしても、容器はその姿勢を保持することができず、さらに回転してしまうおそれがある。よって、一旦整えた姿勢を保持するための機構を、別途、備える必要が生じ、そのために装置の構成は複雑となり、装置全体が高価になるという問題がある。
【0007】
また、ボトル状容器の整列方向規正を、コンベア上を搬送されるボトル状容器の速度と前記ガイドとの繰返しの当接とに頼ることとすると、ボトル状容器が樹脂製の薄膜のものであったり、シュリンク加工済みであったりするような場合に、搬送されるボトル容器が凹んだり、傷がついたり、シュリンクが破けたりすることが容易に想致できる。
【0008】
そこで、ボトル状容器の向きを揃えて(具体的には、ボトル軸を所定の方向に沿わせた状態で、)下流へ搬送することができ、安価で騒音も少なく、ボトル状容器の種類(形、大きさなど)が変更された場合にも簡便に対応可能な、容器の整列方向規正装置が要望されていた。
【0009】
本発明は、前記の問題点に鑑みなされたものであり、整列方向規正対象のボトル状容器の種類の変更にも容易に対応でき、ボトル状容器の搬送時における損傷を抑止しつつ、無作為に供給されるボトル状容器を確実にそのボトル軸を所定方向に沿わせた状態で下流側へ搬送することができる容器の整列方向規正装置、およびその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するため、本願発明の容器の整列方向規正装置は、無作為な姿勢で供給されるボトル状容器を、そのボトル軸を搬送方向に沿わせた状態に向きを揃えて搬送コンベア上に整列させる容器の整列方向規正装置であって、前記搬送コンベアの上方において、前記ボトル状容器が供給される枠体内に、無端状のベルトコンベアが駆動側スプロケットとそれと対になる従動側スプロケットとに巻回されてなる複数本のボトル摺接コンベアが、そのベルト面を前記搬送コンベアの上面と平行にして、ボトル状容器の搬送方向に沿わせ、かつ、ボトル軸を搬送方向に沿わせた状態のボトル状容器のみがすり抜け可能な間隔寸法で配設された整列方向規制部を備え、隣位する各ボトル摺接コンベアは、その走行方向を逆に、あるいは、速度差を以て回転するように構成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の容器の整列方向規正装置によれば、枠体内に供給されるボトル状容器を、隣位するボトル摺接コンベアがその走行方向を逆に、あるいは、速度差を以て回転するボトル摺接コンベアに摺接させることで、その姿勢をボトル状容器がいずれのボトル摺接コンベアにも摺接しない状態、すなわち、ボトル軸を搬送方向に沿わせた状態にまで回転させ、隣位する各ボトル摺接コンベアの間隙から下方の搬送コンベア上に落下させることが可能となる。つまり、ボトル状容器は、ボトル摺接ベルトのベルト面との摩擦力により回転し、姿勢を整え、その状態で各ボトル摺接コンベアの間隙から下方の搬送コンベア上に落下し、搬送コンベアで次工程へ向けて搬送される。
【0012】
そして、ボトル状容器は板状のガイドのようなものに衝突することはないので、ボトル状容器などの損傷や、大きな騒音が発生するようなことを防止できる。
【0013】
また、整列方向規制部は、各ボトル摺接コンベア間の間隔寸法を調整するための間隔調整手段を備えることを特徴とする。
【0014】
これによれば、ボトルサイズの変更に対する対応を簡便に行うことができるので、メンテナンスが簡単である。
【0015】
そして、前記枠体内における、ボトル状容器の搬送方向下流部には、ボトル摺接コンベアと交差して設けられた回転軸に支持され、ボトル摺接コンベアから上方に臨むボトル状容器に接触して枠体内上流側へ戻すように回転する羽根車が配設されていることを特徴とする。
【0016】
これにより、投入部内でまたは移送途中で傾斜したり、重なり合ったりしたボトルを、回転するはね出し羽根車で枠体内へ戻したり、重なりを解消することができる。
【0017】
さらに、整列方向規制部の下方に配設される搬送コンベアは、その搬送方向において少なくとも2基のコンベアを隣接させてボトル状容器を搬送可能に設けられ、各コンベアの搬送速度を調整可能とされていることを特徴とする。
【0018】
たとえば、下流側に配置されたコンベアほど上流側のコンベアよりも搬送速度を高速で駆動するようにその搬送速度を調整することで、枠体内の各ボトル摺接コンベアの間隙から下方の搬送コンベア上に落下したボトル状容器が搬送コンベア上において詰まるような不具合を回避することができる。
【0019】
そして、本願発明の容器の整列方向規正方法は、無作為な姿勢で供給されるボトル状容器を、そのボトル軸を所定方向に沿わせた状態に向きを揃えて搬送コンベア上に整列させる容器の整列方向規正方法であって、前記搬送コンベアの上方に、無端状のベルトコンベアが駆動側スプロケットとそれと対になる従動側スプロケットとに巻回されてなる複数本のボトル摺接コンベアを、そのベルト面を前記搬送コンベアと平行にして、前記所定方向に沿わせ、かつ、ボトル軸を前記所定方向に沿わせた状態のボトル状容器のみがすり抜け可能な間隔寸法で配設させておき、隣位する各ボトル摺接コンベアを、その走行方向を逆に、あるいは、速度差を以て回転させることを特徴とする。
【0020】
この整列方向規正方法によれば、枠体内に供給されるボトル状容器を、隣位するボトル摺接コンベアがその走行方向を逆に、あるいは、速度差を以て回転するボトル摺接コンベアに摺接させることで、その姿勢をボトル状容器がいずれのボトル摺接コンベアにも摺接しない状態、すなわち、ボトル軸を所定方向に沿わせた状態にまで回転させ、隣位する各ボトル摺接コンベアの間隙から下方の搬送コンベア上に落下させることが可能となる。
【0021】
さらに、整列方向規制部の下方に配設される搬送コンベアは、その搬送方向において少なくとも2基のコンベアを隣接させてボトル状容器を搬送可能に設け、下流側に配置されたコンベアほど上流側のコンベアよりも搬送速度を高速で駆動されることを特徴とする。
【0022】
これにより、枠体内の各ボトル摺接コンベアの間隙から下方の搬送コンベア上に落下したボトル状容器が搬送コンベア上において詰まるような不具合を回避することができる。
【発明の効果】
【0023】
このように、本発明の容器の整列方向規正装置、および、その方法によれば、整列方向規正対象のボトル状容器の種類の変更にも容易に対応でき、ボトル状容器の搬送時における損傷を抑止しつつ、無作為に供給されるボトル状容器を確実にそのボトル軸を所定方向へ向けた状態で下流側へ搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の容器の整列方向規正方法においてボトル摺接コンベアを用いたボトル状容器の方向を揃える原理の説明図
図2】本発明の容器の整列方向規正装置の一実施形態における整列方向規制部の要部平面図
図3図2にIII-IIIで示す、本発明の容器の整列方向規正装置の一実施形態における整列方向規正装置の要部断面図
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は本発明の容器の整列方向規正方法において、逆方向に走行する隣位のボトル摺接コンベア10を用いてボトル状容器Bの方向を揃える原理を説明する図である。
【0026】
本発明の容器の整列方向規正方法においては、整列方向が規制されたボトル状容器Bのボトル軸方向に走行方向を添わせた状態で、ボトル状容器Bがすり抜け可能な間隙寸法を以て隣位して設けられたボトル摺接コンベア10を、その走行方向を逆方向に回転させる。
【0027】
この隣位のボトル摺接コンベア10にボトル状容器Bの離間した2点が摺接することで、ボトル状容器Bには、ボトル摺接コンベア10上において略水平方向に回転する力が付与される。
【0028】
これにより、ボトル状容器Bは、いずれのボトル摺接コンベア10にも摺接しない状態、すなわち、ボトル軸をボトル摺接コンベア10に沿わせた状態にまで回転し、その姿勢の状態で、隣位するボトル摺接コンベア10の間隙から下方の搬送コンベア20上に落下し、搬送コンベア20によって次工程へ搬送される。
【0029】
この方法によれば、ボトル状容器Bを搬送方向に対して斜行させて配置したい場合であっても、ボトル摺接コンベア10を斜行させて配置すればよい。
【0030】
図2は、前述の原理を利用した整列方向規正装置1の一実施形態における整列方向規正部2の要部平面図であり、図3はその正面図である。
【0031】
本実施形態の整列方向規正装置1は、ボトル軸を搬送方向に沿わせた状態(口部と底部の向きは問わない)に向きを揃えたボトル状容器Bを下流側の次工程へ搬送する搬送コンベア20と、その搬送コンベア20の上流側における上方に配設され、無作為な姿勢で供給されるボトル状容器Bをそのボトル軸を搬送方向に沿わせた状態に向きを揃える整列方向規正部2とを有している。
【0032】
整列方向規正部2は、図3に示すように搬送コンベア20のコンベア上面との間に、横倒させた状態の1本のボトル状容器Bが通過可能な間隙を空けて架台(不図示)に配設された、搬送コンベア10の走行方向に長い略矩形状の枠体4を備えている。
【0033】
前記枠体4内には、複数本のボトル摺接コンベア10が、そのベルト面を前記搬送コンベア20の上面と平行にして、ボトル状容器Bの搬送方向に沿わせて配設されている。ボトル摺接コンベア10は、細幅な無端状のベルトコンベア11が、駆動源となるモータ12の駆動軸に連接された駆動側スプロケット13とそれと対になる従動側スプロケット14とに巻回されてなる公知の構成でよい。
【0034】
各ボトル摺接コンベア10は、ボトル軸を搬送方向に沿わせた状態のボトル状容器Bのみがすり抜け可能な間隔寸法で配設され、前記間隙部分は、その方向が規制されたボトル状容器Bの排出部とされている。そして、本実施形態においては、隣位する各ボトル摺接コンベア10が、その走行方向を逆方向にして駆動するように構成されている。
【0035】
なお、整列方向規正部2には、各ボトル摺接コンベア10間の間隔寸法を調整するための間隔調整手段(不図示)を備えていてもよい。間隔調整手段の構成としては、特に限定するものではないが、たとえば、各ボトル摺接コンベア10を巻回させた駆動側スプロケット13、従動側スプロケット14を回転可能に支承する台座を移動テーブルとし、その移動テーブルに形成したナット部に送りねじを通し、その送りねじを回転させるハンドルの操作により、ねじ送りでテーブルを移動させて各ボトル摺接コンベア10間の間隔寸法を調整する送りねじ式の間隔調整手段や、前記テーブルに設けたピニオンギアをラックギアと噛合させ、ピニオンギアに連接されているハンドルの操作により、テーブルを移動させて各ボトル摺接コンベア10間の間隔寸法を調整するラック・アンド・ピニオン式の間隔調整手段などの機構を採用することができる。このような間隔調整手段を備えることにより、ボトル状容器Bのサイズの変更に対する対応を簡便に行うことができ、メンテナンスも簡単となる。
【0036】
さらには、前記枠体4内におけるボトル状容器Bの搬送方向下流部に、隣位するボトル摺接コンベア10の前記間隙部分から下方へ排出されずにボトル摺接コンベア10から上方に臨んでいるボトル状容器Bに羽根の先端部分を接触させる羽根車(不図示)を設けてもよい。羽根車は、その回転軸を前記枠体4にボトル摺接コンベア10と交差させて設け、モータ等の駆動源の駆動により羽根車を、傾斜したり、重なり合ったりしているボトル状容器Bを枠体4内の上流側へ戻すように回転軸を回転させることで、戻し羽根車として機能させることができる。
【0037】
またさらには、整列方向規正部2において向きを揃えたボトル状容器Bを下流へ搬送する搬送コンベア20は、一対のスプロケットに巻回された一般的な搬送コンベア20でよいが、本実施形態においては、その搬送コンベア20は走行方向において少なくとも2基、本実施形態においては3基のコンベアを隣接させて、ボトル状容器Bを順次下流側へ搬送可能に設けられている。
【0038】
本実施形態においては、最も上流側に配設された第1の搬送コンベア20aから最も下流側に配設された第3の搬送コンベア20cまで、各搬送コンベア20は各自のモータやタイミングベルトなどの駆動機構(いずれも不図示)によりその走行速度を自由に調整されて走行するように構成されている。そして、第1の搬送コンベア20aよりも第2の搬送コンベア20b、第2の搬送コンベアよりも第3の搬送コンベア20Cというように、下流側に配置された搬送コンベア20ほど上流側の搬送コンベア20よりも走行速度を高速で駆動するように調整されている。この隣り合う搬送コンベア20間の速度差によって、ボトル状容器Bが搬送途中につまりを生じさせること無く、下流側の次工程へ搬送することができる。
【0039】
次に、本実施形態の容器の整列方向規正装置1の作用(整列方向規正方法)を説明する。
【0040】
まず、前記搬送コンベア20の上流部に整列方向規正部2の枠体4をセットする。このとき、枠体4内に配設された各ボトル摺接コンベア10が、ボトル状容器Bの向きを揃える方向に展張されていることが肝要となる。
【0041】
そして、前記搬送コンベア20、各ボトル摺接コンベア10、前記羽根車の駆動源(モータ)を駆動させる。これにより、搬送コンベア20は整列方向規正部2が配設された上流側から次工程の下流側へ向けてボトル状容器Bを搬送可能に走行し、各ボトル摺接コンベア10は整列方向規正部2の枠体4内において隣位するボトル摺接コンベア10同士で逆方向に走行し、羽根車は搬送コンベア20の走行方向と逆方向へ向かって回転する。このとき、整列方向規正部2の枠体4内に配設された各ボトル摺接コンベア10間の間隔寸法は、前述の間隔調整手段などにより、ボトル状容器Bが隣位のボトル摺接コンベア10間から枠体4外へ抜け落ちる寸法に調整しておく。
【0042】
この状態において、整列方向規正部2の枠体4内に、ボトル状容器Bを投入する。ボトル状容器Bの投入の仕方は、公知の構成のホッパー等を利用して自動的に行ってもよいし、作業者が函からまとめて投入してもよい。
【0043】
無作為な姿勢で整列方向規正部2の枠体4内に供給されたボトル状容器Bには、走行方向を逆方向として回転する隣位のボトル摺接コンベア10に一時に摺接することで、ボトル摺接コンベア10上において略水平方向に回転する力が付与され、やがては、そのボトル軸をボトル摺接コンベア10に沿わせた状態にまで回転し、その姿勢の状態、すなわち、ボトル状容器Bの姿勢が規正された状態で、隣位するボトル摺接コンベア10の間隙からなる排出部から下方の搬送コンベア20上に落下する。
【0044】
落下しようとするボトル状容器Bの下方に、先に落下したボトル状容器Bがあるような場合には、回転する羽根車が上側に重なっているボトル状容器Bに接触し、枠体44内の上流側へ戻すことができ、前記排出部に立位した状態で嵌まったまま搬送コンベア20により、搬送されているような場合には、ボトル状容器Bも羽根車や枠体4により、横倒させた状態として、ボトル状容器Bを枠体4と搬送コンベア20との間を通過させ、下流側へ搬送することができる。
【0045】
また、 本実施形態においては搬送コンベア20は、下流側に配置された搬送コンベア20ほど上流側の搬送コンベア20よりも走行速度を高速で駆動するように調整されているので、ボトル状容器Bの姿勢が規正された状態で落下したボトル状容器Bは、隣り合う搬送コンベア20間の速度差によって、搬送途中につまりを生じさせること無く、ボトル軸を所定の方向(本実施形態においては搬送方向)へ向けた状態で整列して、下流側の次工程へ搬送される。
【0046】
このように、本発明の容器の整列方向規正装置、および、その方法によれば、整列方向規正対象のボトル状容器Bの種類の変更にも容易に対応でき、ボトル状容器Bの搬送時における損傷を抑止しつつ、無作為に供給されるボトル状容器Bを確実にそのボトル軸を所定方向へ向けた状態で下流側へ搬送することができる。
【0047】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できる。
【0048】
たとえば、各ボトル摺接コンベア10は隣位するものの走行方向を逆方向とせずに、同方向へ走行するけれども、その走行速度に差を設けることでも、ボトル状容器Bには、ボトル摺接コンベア10により、略水平方向の回転力を付与することができ、ひいては、そのボトル軸をボトル摺接コンベア10に沿わせた状態にまで回転させ、その姿勢の状態、すなわち、ボトル状容器Bの姿勢が規正された状態で、隣位するボトル摺接コンベア10の間隙からなる排出部から下方の搬送コンベア20上に落下させ、整列させることができる。
【0049】
また、本実施形態においては、ボトル摺接コンベア10毎に駆動源を設ける構成としたが、駆動源やその駆動力を伝達する機構を複数のボトル摺接コンベア10で共用する機構としてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 整列方向規正装置
2 整列方向規正部
4 枠体
10 ボトル摺接コンベア
11 ベルトコンベア
12 駆動源(モータ)
12a 駆動軸
13 駆動側スプロケット
14 従動側スプロケット
20 搬送コンベア
20a 第1の搬送コンベア
20b 第2の搬送コンベア
20c 第3の搬送コンベア
図1
図2
図3